説明

環境分解性高分子複合材料及びその製造方法

【課題】 機械的特性に優れ、低価格な、環境分解性複合材料を提供する。
【解決手段】 20〜80重量部の、適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体、10〜70重量部の再生可能原材料、5〜20重量部の添加剤、0〜30重量部の充填剤を含有する環境分解性高分子複合材料である。複合材料は機械的特性が良好であり、15〜30Mpaの引張強度、300〜1000%の断裂伸長率、10〜25Mpaの曲げ強度、20〜90kJ/m2の切り欠き衝撃強度である。同時に良好な環境分解性を有し、12週間後の堆肥化で90%を超える生分解率である。さらに、加工性能が良好で、押し出し成形、射出成形、ブロー成形、熱プレスによる従来のプラスチック製造設備を利用して、種々の製品を製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環境分解性高分子複合材料に関し、より詳しくは、再生可能原材料及び適度に架橋した脂肪族ポリエステルアミドにより製造される環境分解性高分子複合材料とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高性能で安価な石油化学プラスチックの大量生産が深刻な環境汚染を引き起こしている。同時に、世界の石油資源は日々枯渇しつつある。このため、再生可能な資源を用いて環境分解可能な材料を製造することは、環境とエネルギー危機を解決するためには必然的な選択である。
【0003】
天然の高分子材料、例えば、澱粉、セルロース(例えば、竹粉、わら粉、さとうきびの搾りかす)、及び、リグニン(例えば、木粉)は自然に豊富に存在する。それらは安価で再生可能で、生分解可能な材料を製造するために、使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許公開第CN1242032A号公報
【特許文献2】中国特許公開第CN1222171A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、もし、これらの原料を単独で使用すると、製造される環境分解性プラスチックは、使用性能が劣っている。新たに合成された環境分解可能なプラスチック、例えば、脂肪族ポリエステル、脂肪族-芳香族共ポリエステル、及び、脂肪族ポリエステルアミドは、一般的に、良好な機械的特性と使用性能を備えている。しかし、それらは高価である。このように、安価な再生可能原材料と高性能のポリマーを用いて環境分解性複合材料を製造することは、環境分解性プラスチックの性能とコストという矛盾を解決するための重要な方法であり、環境分解材料の重要な研究分野となってきている。
【0006】
再生可能原材料と合成高分子材料を用いた環境分解性複合材料の製造についていくつかの文献が開示されている。イタリア国のノバモント株式会社により製造されるMater-Biがある。これは、澱粉とポリカプロラクトン(polycaprolactone)から製造されている(Catia B.Polymer Degradation and Stability、1998、59(1-3).263-272)。ポリカプロラクトンの融点は概ね60°Cであり、温度範囲0-50°C、相対湿度30-80%以外の、低温度、高温度及び高湿度の環境においては使用できない。さらに、Mater-Biは高価であり、1トン当たり7,000USDを超える価格である。脂肪族ポリエステルの中で、ポリ乳酸は比較的高い融点を有し、優秀な特性を備えている。Sun X Z(カンザス州立大学)等は、天然澱粉とポリ乳酸を混合する研究を行ったが、相性が悪く、結果として得られる製品は特性が不安定である(Sun X Z. Applied Polymer Science.2002.84.1257-1262)。
【0007】
脂肪族ポリエステルアミドは、脂肪族-芳香族共ポリエステルと脂肪族ポリアミドの共重合体である。それは、純粋なポリエステルと比較して、優れた強度と機械的特性を示す。また、エステル結合とアミド結合とが共存することにより、ポリエステルアミドは両親媒性の特性を備える。このため、ポリエステルアミドはポリエステルより天然高分子材料との相性がよい。しかも、この共重合体のポリアミドブロックの重合度が20以下であれば、ポリエステルアミドは完全に環境の中で分解する。中国特許公開番号No.CN1242032A及びCN1222171Aは澱粉及びポリエステルアミドの複合材料を開示しているが、その特性が詳細には記載されていない。
【0008】
以上の問題に鑑み、本発明の目的は、良好な機械的特性、良好な環境分解性と低価格性を備える環境分解性複合材料を提供することである。この複合材料は、再生可能原材料、及び、適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体から製造される。
【0009】
本発明の他の目的は、上記複合材料を製造する方法を提供することである。この方法は簡単で効果的であり、収量が高く、工業生産に適するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的を達成するため、本発明の1つの実施例によれば、環境分解性複合材料は次を含む。
【0011】
20〜80重量部の適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体、10〜70重量部の再生可能原材料、5〜20重量部の添加剤、及び0〜30重量部の充填剤を含む。
【0012】
この内、前記の適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体は次の化学式で表すことができる。
【0013】
【化1】

【0014】
ここで、mは2〜10の整数、nは2〜12の整数、p,q,rは2〜12の整数、mとnとpは同じ又は異なる数値、xは1〜10の整数、yは1〜10の整数であり、この化学式の分子量は40,000〜150,000である。
【0015】
前記の適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体はまた、次の化学式で表すこともできる。
【化2】

【0016】
ここで、mは2〜10の整数、nは2〜12の整数、p,q,rは2〜12の整数、m,n,pは同じまたは異なる数値、xは1〜10の整数、yは1〜10の整数であり、この化学式の分子量は40,000〜150,000である。
【0017】
前記の適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体はまた、次の化学式で表すこともできる。
【化3】

【0018】
ここで、mは2〜10の整数、nは2〜12の整数、p,q,rは2〜12の整数、m,n,pは同一又は異なる数値、xは1〜10の整数、yは1〜10の整数であり、この化学式の分子量は40,000〜150,000である。
【0019】
前記再生可能原材料は澱粉、セルロース(例えば、竹粉、わら粉、さとうきびの搾りかす)、リグニン(例えば、木粉)、キチン、キトサン、または、それらの混合物、添加剤は可塑剤、熱安定剤、潤滑剤、抗酸化剤、または、それらの混合物、前記充填剤は炭酸カルシウム、タルク、珪灰石、シリカ、または、それらの混合物である。
【0020】
前記可塑剤はグリセロール、エチレングリコール、ソルヒ゛トール、キシリトール、マルチトール(maltitol)、ジエチレン・グリコール、ポリエチレングリコール、脂肪酸モノグリセリド、尿素、または、それらの混合物である。
【0021】
前記熱安定剤はステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ジラウリン酸ジブチル錫(dibutyltin dilaurate)、ジラウリン酸ジオクチル錫(dioctyltin dilaurate)、Ca-Zn複合材料安定剤、または、それらの混合物である。
【0022】
前記潤滑剤はエチレン・ビスステアラミド(ethylene bisstearamide)、ポリエチレン・ワックス、酸化ポリエチレン・ワックス、ポリプロピレン・ワックス、液体パラフィン、または、それらの混合物、前記抗酸化剤は抗酸化剤1010、抗酸化剤1076、抗酸化剤2246、抗酸化剤245、または、それらの混合物である。
【0023】
本発明の環境分解性複合材料を製造する方法は、次の工程を含む。
a)20〜80重量部の適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体、10〜70重量部の再生可能原材料、5〜20重量部の添加剤、及び、0〜30重量部の充填剤を高速混合機に入れ、50〜150°Cの温度で、5〜30分間、撹拌し、均一に混合し、冷却し、混合物を取り出し、
b)この混合物をスクリュー式押出機に加え、温度120〜230°Cで反応させ押し出して、粒状またはシート状の複合材料を製造する。
【0024】
適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド共重合体において、エステル構造ユニットはポリエステルを形成し、アミドエステル構造ユニットはポリアミドを形成する。それらはランダム・ブロックの形態で分布する。ランダムに分布するポリエステルとポリアミドが共重合体化され、ポリエステルアミドを生成する。そして、これが少量の三官能基化合物と架橋し、適度(moderate)な分枝で、流動性のある高分子を生成する。架橋結合は、エステル結合、アミド結合、炭素-炭素結合、または、それらの混合である。高分子が溶融プロセスにおいて流動性を備えるように、高分子の架橋の程度は、5〜0.1%の間に制御される。共重合体において、全部のカルボン酸(または、その派生物)に対する芳香族酸(または、その派生物)のモル比は40%を超えない。
【0025】
前記再生可能原材料は澱粉、セルロース(例えば、竹粉、わら粉、さとうきびの搾りかす)、リグニン(例えば木粉)、キチン、キトサン、または、それらの混合物である。
【0026】
前記添加剤は次からなる(添加剤を100重量部として)。
1)5〜80重量部の可塑剤、例えば、グリセロール、エチレングリコール、ソルヒ゛トール、キシリトール、マルチトール、ジエチレン・グリコール、ポリエチレングリコール、脂肪酸モノグリセリド、尿素、または、それらの混合物、
2)5〜50重量部の熱安定剤、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ジラウリン酸ジブチル錫、ジラウリン酸ジオクチル錫、Ca-Zn複合材料安定剤、または、それらの混合物、
3)0〜20重量部の潤滑剤、例えば、エチレン・ビスステアラミド(EBS)、ポリエチレン・ワックス、酸化ポリエチレン・ワックス、ポリプロピレン・ワックス、液体パラフィン、または、それらの混合物、および、
4)1〜20重量部の抗酸化剤、例えば、抗酸化剤1010、抗酸化剤1076、抗酸化剤2246、抗酸化剤245、または、それらの混合物。
【発明の効果】
【0027】
本発明の利点は以下のように要約される。
1)本発明によって製造される再生可能原材料と適度に架橋されたポリエステルアミドとの複合材料は白色または軽い黄色の固体で、良好な機械的特性を有し、引張強度15〜30MPa、断裂伸長率300〜1000%、曲げ強度10〜25MPa、切り欠き衝撃強度20〜90kJ/m2である。この複合材料は良好な使用性能を有し、原料の比率を制御することにより、その構造と特性を広範囲に調整できる。
2)本発明の複合材料は、良好な環境分解性を有し、堆肥化条件下で、微生物によって完全に分解でき、12週間堆肥化後の生分解率は90%以上である。
3)本発明の環境分解性複合材料は、融点120〜180°C以上である。融体の流動速度が5〜20g/10分で、成形特性が良好であるので、従来のプラスチック成形設備を利用して、押し出し形成、射出成形、ブロー成形、プラスチック吸引、熱プレスを利用することで、種々の製品を製造することができる。
4)本発明の再生可能原材料とポリエステルアミドの複合材料を製造する方法は、混合及び押し出し工程のみを備え、これは非常にシンプルで収量が高く、高効率なもので、工業生産に適する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
さらに本発明を説明するため、環境分解性高分子複合材料の詳細な実験等と、その製造方法を以下に説明する。次に述べる実施例は例示であり、本発明を限定するものではないことに留意されたい。
【実施例1】
【0029】
60Kgの適度に架橋されたポリエステルアミド、20Kgのトウモロコシ澱粉、7Kgのグリセリン、2Kgのステアリン酸カルシウム、1Kgのエチレン・ビスステアラミド、1Kgの抗酸化剤1010、10Kgの炭酸カルシウムを、室温で、高速混合機中に入れる。混合物を温度50〜150°Cで、5〜30分間、撹拌し、均一に混合し、冷却して取り出す。その後、混合物を、スクリュー式押出機に入れ、120〜230°Cの温度で反応させ押し出す。得られる複合材料は、引張強度28Mpa、断裂伸長率1000%、曲げ強度25MPa、切り欠き衝撃強度90kJ/m2である。
【実施例2】
【0030】
50Kgの適度に架橋されたポリエステルアミド、30Kgのトウモロコシ澱粉、7Kgのソルヒ゛トール、2Kgのステアリン酸カルシウム、1Kgのエチレン・ビスステアラミド、1Kgの抗酸化剤1010、10Kgの炭酸カルシウムを、室温で、高速混合機中に入れる。混合物を、50〜150°Cの温度で、5〜30分間、撹拌し、均一に混合し、冷却して取り出す。その後、混合物を、スクリュー式押出機に入れ、120〜230°Cの温度で反応させ押し出す。得られる複合材料は、引張強度22MPa、断裂伸長率800%、曲げ強度19MPa、切り欠き衝撃強度77kJ/m2である。
【実施例3】
【0031】
40Kgの適度に架橋されたポリエステルアミド、40Kgのトウモロコシ澱粉、8Kgのポリエチレングリコール、1Kgのステアリン酸亜鉛、0.5Kgのエチレン・ビスステアラミド、0.5Kgの抗酸化剤1010、10Kgの珪灰石を、室温で、高速混合機中に入れる。混合物を温度50〜150°Cで、5〜30分間、撹拌し、均一に混合し、冷却して取り出す。その後、混合物を、スクリュー式押出機に入れ、温度120〜230°Cで反応させ押し出す。得られる複合材料は、引張強度16MPa、断裂伸長率600%、曲げ強度15MPa、切り欠き衝撃強度40kJ/m2である。
【実施例4】
【0032】
60Kgの適度に架橋されたポリエステルアミド、20Kgのセルロース(竹粉)、8Kgの脂肪酸モノグリセリド、2Kgのステアリン酸バリウム、1Kgの酸化ポリエチレン・ワックス、1Kgの抗酸化剤2246、8Kgの珪灰石を、室温で、高速混合機中に入れる。混合物を、温度50〜150°Cで、5〜30分間、撹拌し、均一に混合し、冷却して取り出す。その後、混合物を、スクリュー式押出機に入れ、温度120〜230°Cで反応させ押し出す。得られる複合材料は、引張強度20MPa、断裂伸長率600%、曲げ強度18MPa、切り欠き衝撃強度50kJ/m2である。
【実施例5】
【0033】
50Kgの適度に架橋されたポリエステルアミド、30Kgのセルロース(竹粉)、8Kgのエチレングリコール、2Kgのジラウリン酸ジブチル錫、1Kgのエチレン・ビスステアラミド、1Kgの抗酸化剤2246、8Kgの炭酸カルシウムを、室温で、高速混合機に入れる。混合物を、温度50〜150°Cで、5〜30分間、撹拌し、均一に混合し、冷却して取り出す。その後、混合物を、スクリュー式押出機に入れ、温度120〜230°Cで反応させ押し出す。得られる複合材料は、引張強度17MPa、断裂伸長率400%、曲げ強度15MPa、切り欠き衝撃強度46kJ/m2である。
【実施例6】
【0034】
60Kgの適度に架橋されたポリエステルアミド、20Kgのリグニン(木粉)、8Kgのキシリトール、2Kgのジラウリン酸ジオクチル錫、1Kgのポリエチレン・ワックス、1Kgの抗酸化剤1076、8Kgのタルクを、室温で、高速混合機に入れる。混合物を、温度50〜150°Cで、5〜30分間、撹拌し、均一に混合し、冷却して取り出す。その後、混合物を、スクリュー式押出機に入れ、温度120〜230°Cで反応させ押し出す。得られる複合材料は、引張強度18MPa、断裂伸長率400%、曲げ強度19MPa、切り欠き衝撃強度48kJ/m2である。
【実施例7】
【0035】
50Kgの適度に架橋されたポリエステルアミド、30Kgのリグニン(木粉)、8Kgのジエチレン・グリコール、2KgのCa-Zn複合材料安定剤、1Kgのポリエチレン・ワックス、1Kgの抗酸化剤1076、8Kgのタルクを、室温で、高速混合機に入れる。混合物を、温度50〜150°Cで、5〜30分間、撹拌し、均一に混合し、冷却して取り出す。その後、混合物を、スクリュー式押出機に入れ、温度120〜230°Cで反応させ押し出す。得られる複合材料は、引張強度15MPa、断裂伸長率300%、曲げ強度18MPa、切り欠き衝撃強度40kJ/m2である。
【実施例8】
【0036】
60Kgの適度に架橋されたポリエステルアミド、20Kgのキチン、8Kgのマルチトール、2KgのCa-Zn複合材料安定剤、1Kgのポリプロピレン・ワックス、1Kgの抗酸化剤245、8Kgの超微細なシリカを、室温で、高速混合機に入れる。混合物を、50〜150°Cの温度で、5〜30分間、撹拌し、均一に混合し、冷却して取り出す。その後、混合物を、スクリュー式押出機に入れ、120〜230°Cの温度で反応させ押し出す。得られる複合材料は、引張強度22MPa、断裂伸長率600%、曲げ強度20MPa、切り欠き衝撃強度48kJ/m2である。
【実施例9】
【0037】
50Kgの適度に架橋されたポリエステルアミド、30Kgのキチン、8Kgの尿素、2KgのCa-Zn複合材料安定剤、1Kgのポリプロピレン・ワックス、1Kgの抗酸化剤245、8Kgの超微細なシリカを、室温で、高速混合機に入れる。混合物を、温度50〜150°Cで、5〜30分間、撹拌し、均一に混合し、冷却して取り出す。その後、混合物を、スクリュー式押出機に入れ、温度120〜230°Cで反応させ押し出す。得られる複合材料は、引張強度16MPa、断裂伸長率350%、曲げ強度22MPa、切り欠き衝撃強度50kJ/m2である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境分解性高分子複合材料であって、
20〜80重量部の、適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体、
10〜70重量部の再生可能原材料、
5〜20重量部の添加剤、及び
0〜30重量部の充填剤を含む、環境分解性高分子複合材料。
【請求項2】
前記適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体は次の化学式で示され、

ここで、mは2〜10の整数、nは2〜12の整数、p,q,rは2〜12の整数、m,n,pは同一又は異なる数値、xは1〜10の整数、yは1〜10の整数、化学式の分子量は40,000〜150,000である請求項1の環境分解性高分子複合材料。
【請求項3】
前記適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体は次の化学式で示され、

ここで、mは2〜10の整数、nは2〜12の整数、p,q,rは2〜12の整数、m,n,pは同一または異なる数値、xは1〜10の整数、yは1〜10の整数、化学式の分子量は40,000〜150,000である請求項1の環境分解性高分子複合材料。
【請求項4】
前記適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体は次の化学式で示され、

ここで、mは2〜10の整数、nは2〜12の整数、p,q,rは2〜12の整数、m,n,pは同じ又は異なる数値、xは1〜10の整数、yは1〜10の整数、化学式の分子量は40,000〜150,000である請求項1の環境分解性高分子複合材料。
【請求項5】
前記再生可能原材料が澱粉、セルロース、リグニン、キチン、キトサン、または、それらの混合物である請求項1の環境分解性高分子複合材料。
【請求項6】
前記添加剤が可塑剤、熱安定剤、潤滑剤、抗酸化剤、または、それらの混合物である請求項1の環境分解性高分子複合材料。
【請求項7】
前記可塑剤がグリセロール、エチレングリコール、ソルヒ゛トール、キシリトール、マルチトール、ジエチレン・グリコール、ポリエチレングリコール、脂肪酸モノグリセリド、尿素、または、それらの混合物であり、
前記熱安定剤がステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ジラウリン酸ジブチル錫、ジラウリン酸ジオクチル錫、Ca-Zn複合材料安定剤、または、それらの混合物であり、
前記潤滑剤がエチレン・ビスステアラミド、ポリエチレン・ワックス、酸化ポリエチレン・ワックス、ポリプロピレン・ワックス、液体パラフィン、または、それらの混合物であり、
前記抗酸化剤は抗酸化剤1010、抗酸化剤1076、抗酸化剤2246、抗酸化剤245、または、それらの混合物である、請求項1の環境分解性高分子複合材料。
【請求項8】
前記充填剤が炭酸カルシウム、タルク、珪灰石、シリカ、または、それらの混合物である請求項1の環境分解性高分子複合材料。
【請求項9】
環境分解性高分子複合材料の製造方法であって、
1)20〜80重量部の、適度に架橋された脂肪族ポリエステルアミド・ランダム・ブロック共重合体、10〜70重量部の再生可能原材料、5〜20重量部の添加剤、および0〜30重量部の充填剤、を高速混合機中に入れ、それらを温度50〜150°Cで、5〜30分間、撹拌し、均一に混合し、冷却し、混合物を取り出すステップと、
2)前記混合物をスクリュー式押出機に加え、温度120〜230°Cで反応させて押し出し、粒又はシート状の複合材料を製造するステップと、を含む製造方法。

【公表番号】特表2011−516719(P2011−516719A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506565(P2011−506565)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070169
【国際公開番号】WO2010/111898
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(510217840)武▲漢華麗▼生物材料有限公司 (1)
【Fターム(参考)】