説明

環境認識装置および環境認識方法

【課題】対象物の規則性に基づいて対象物の特定精度を向上し、誤認識を回避する。
【解決手段】
環境認識装置130は、対象部位の輝度から、対象部位に対応する特定物を仮決定し(S302)、水平距離の差分および高さの差分が第1所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象部位をグループ化して対象物とし(S304)、任意の対象物から、水平距離の差分、高さの差分、および、相対距離の差分が第2所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象物を順次検出し、対象物群を特定し(S306)、対象物群における対象物の数に応じて対象物群が特定物であるか否かを決定する(S308)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出領域における対象物の輝度に基づいて、その対象物を認識する環境認識装置および環境認識方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両の前方に位置する車両や信号機等の障害物といった対象物を検出し、検出した対象物との衝突を回避したり、先行車両との車間距離を安全な距離に保つように制御する技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
また、このような技術では、対象物を一律に物として特定するのみならず、さらに高精度な制御を行うため、対象物が自車両と同速度で走行している先行車両であるのか、移動を伴わない固定された物であるのか等を判定する技術も存在する。ここで、対象物を、検出領域の撮像を通じて検出する場合、対象物が何であるかを特定する前に、撮像された画像から対象物自体を抽出(切り出し)しなければならない。
【0004】
例えば、撮像された画像がカラー画像の場合、同一の輝度(色)を有する画素をグループ化し、信号機等の光源を対象物として認識する技術が知られている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3349060号
【特許文献2】特開平10−283461号公報
【特許文献3】特開2010−224925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、検出領域を撮像する撮像装置の解像度が低かったり、撮像された光源が遠距離にある場合、信号機と異なる光源の輝度(色)や大きさが正確に把握されず、信号機の点灯部分の輝度や大きさと近似してしまうことがある。このとき、単に、同じような色特性を有する複数の画素同士をグループ化するだけでは、本来信号機とは異なる光源と判断すべきところを信号機であると誤認識するおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、対象物の規則性に基づいて対象物の特定精度を向上し、誤認識を回避することが可能な、環境認識装置および環境認識方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の環境認識装置は、輝度の範囲と特定物とを対応付けて保持するデータ保持部と、検出領域内に存在する対象部位の輝度を取得する輝度取得部と、データ保持部に保持された対応付けに基づいて、対象部位の輝度から、対象部位に対応する特定物を仮決定する特定物仮決定部と、水平距離の差分および高さの差分が第1所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象部位をグループ化して対象物とするグループ化部と、対象部位の相対距離を取得する位置情報取得部と、任意の対象物から、水平距離の差分、高さの差分、および、相対距離の差分が第2所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象物を順次検出し、対象物群を特定する対象物群特定部と、対象物群中の対象物の数に応じて対象物群が特定物であるか否かを決定する特定物決定部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
特定物決定部は、対象物群における対象物の数が所定閾値を超えた対象物群を特定物ではないと決定してもよい。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の他の環境認識装置は、輝度の範囲と特定物とを対応付けて保持するデータ保持部と、検出領域内に存在する対象部位の輝度を取得する輝度取得部と、データ保持部に保持された対応付けに基づいて、対象部位の輝度から、対象部位に対応する特定物を仮決定する特定物仮決定部と、水平距離の差分および高さの差分が第1所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象部位をグループ化して対象物とするグループ化部と、対象部位の相対距離を取得する位置情報取得部と、任意の対象物から、水平距離の差分、高さの差分、および、相対距離の差分が第2所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象物を順次検出し、対象物群を特定する対象物群特定部と、対象物群における各対象物の高さの分布状態に応じて対象物群が特定物であるか否かを決定する特定物決定部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
特定物決定部は、対象物群における各対象物の高さと対象物の高さの平均値との差分が第3所定範囲内となる対象物群を特定物ではないと決定してもよい。
【0012】
特定物決定部は、さらに、対象物群における対象物同士が所定の規則性を満たす場合に、対象物群を特定物ではないと決定してもよい。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の環境認識方法は、検出領域内に存在する対象部位の輝度を取得し、対象部位の相対距離を取得し、データ保持部に保持された、輝度の範囲と特定物との対応付けに基づいて、対象部位の輝度から、対象部位に対応する特定物を仮決定し、水平距離の差分および高さの差分が第1所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象部位をグループ化して対象物とし、任意の対象物から、水平距離の差分、高さの差分、および、相対距離の差分が第2所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象物を順次検出し、対象物群を特定し、対象物群における対象物の数に応じて対象物群が特定物であるか否かを決定することを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の他の環境認識方法は、検出領域内に存在する対象部位の輝度を取得し、対象部位の相対距離を取得し、データ保持部に保持された、輝度の範囲と特定物との対応付けに基づいて、対象部位の輝度から、対象部位に対応する特定物を仮決定し、水平距離の差分および高さの差分が第1所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象部位をグループ化して対象物とし、任意の対象物から、水平距離の差分、高さの差分、および、相対距離の差分が第2所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象物を順次検出し、対象物群を特定し、対象物群における各対象物の高さの分布状態に応じて対象物群が特定物であるか否かを決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、対象物の規則性に基づいて対象物の特定精度を向上することができるので、誤認識を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】環境認識システムの接続関係を示したブロック図である。
【図2】輝度画像と距離画像を説明するための説明図である。
【図3】環境認識装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図4】特定物テーブルを説明するための説明図である。
【図5】規則性テーブルを説明するための説明図である。
【図6】位置情報取得部による三次元の位置情報への変換を説明するための説明図である。
【図7】特定物マップを説明するための説明図である。
【図8】グループ化部の処理を説明するための説明図である。
【図9】グループ化部の処理を説明するための説明図である。
【図10】対象物群特定部の処理を説明するための説明図である。
【図11】環境認識方法の全体的な流れを示したフローチャートである。
【図12】特定物マップ生成処理の流れを示したフローチャートである。
【図13】対象部位グループ化処理の流れを示したフローチャートである。
【図14】対象物グループ化処理の流れを示したフローチャートである。
【図15】特定物決定処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0018】
(環境認識システム100)
図1は、環境認識システム100の接続関係を示したブロック図である。環境認識システム100は、車両1内に設けられた、複数(本実施形態では2つ)の撮像装置110と、画像処理装置120と、環境認識装置130と、車両制御装置140とを含んで構成される。
【0019】
撮像装置110は、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子を含んで構成され、カラー画像、即ち、画素単位で3つの色相(赤、緑、青)の輝度を取得することができる。本実施形態においては、色と輝度とを同等に扱い、同一の文章に両文言が含まれる場合、互いを、色を構成する輝度、または、輝度を有する色と読み替えることができる。ここでは、撮像装置110で撮像されたカラーの画像を輝度画像と呼び、後述する距離画像と区別する。また、撮像装置110は、車両1の進行方向側において2つの撮像装置110それぞれの光軸が略平行になるように、略水平方向に離隔して配置される。撮像装置110は、車両1の前方の検出領域に存在する対象物を撮像した画像データを、例えば1/60秒毎(60fps)に連続して生成する。ここで、対象物は、車両、信号機、道路、ガードレールといった独立して存在する立体物のみならず、テールランプやウィンカー、信号機の各点灯部分等、立体物の部分として特定できる物も含む。以下の実施形態における各機能部は、このような画像データの更新を契機として各処理を遂行する。
【0020】
画像処理装置120は、2つの撮像装置110それぞれから画像データを取得し、2つの画像データに基づいて、画像中の任意のブロック(所定数の画素を集めたもの)の視差、および、任意のブロックの画面中の位置を示す画面位置を含む視差情報を導出する。画像処理装置120は、一方の画像データから任意に抽出したブロック(例えば水平4画素×垂直4画素の配列)に対応するブロックを他方の画像データから検索する、所謂パターンマッチングを用いて視差を導き出す。ここで、水平は、撮像した画像の画面横方向を示し、実空間上の水平に相当する。また、垂直は、撮像した画像の画面縦方向を示し、実空間上の鉛直方向に相当する。
【0021】
このパターンマッチングとしては、2つの画像データ間において、任意の画像位置を示すブロック単位で輝度値(Y色差信号)を比較することが考えられる。例えば、輝度値の差分をとるSAD(Sum of Absolute Difference)、差分を2乗して用いるSSD(Sum of Squared intensity Difference)や、各画素の輝度値から平均値を引いた分散値の類似度をとるNCC(Normalized Cross Correlation)等の手法がある。画像処理装置120は、このようなブロック単位の視差導出処理を検出領域(例えば600画素×200画素)に映し出されている全てのブロックについて行う。ここでは、ブロックを4画素×4画素としているが、ブロック内の画素数は任意に設定することができる。
【0022】
ただし、画像処理装置120では、検出分解能単位であるブロック毎に視差を導出することはできるが、そのブロックがどのような対象物の一部であるかを認識できない。したがって、視差情報は、対象物単位ではなく、検出領域における検出分解能単位(例えばブロック単位)で独立して導出されることとなる。ここでは、このようにして導出された視差情報(後述する相対距離に相当)を画像データに対応付けた画像を距離画像という。
【0023】
図2は、輝度画像124と距離画像126を説明するための説明図である。例えば、2つの撮像装置110を通じ、検出領域122について図2(a)のような輝度画像(画像データ)124が生成されたとする。ただし、ここでは、理解を容易にするため、2つの輝度画像124の一方のみを模式的に示している。本実施形態において、画像処理装置120は、このような輝度画像124からブロック毎の視差を求め、図2(b)のような距離画像126を形成する。距離画像126における各ブロックには、そのブロックの視差が関連付けられている。ここでは、説明の便宜上、視差が導出されたブロックを黒のドットで表している。
【0024】
視差は、画像のエッジ部分(隣り合う画素間で明暗の差分が大きい部分)で特定され易いので、距離画像126において黒のドットが付されている、視差が導出されたブロックは、輝度画像124においてもエッジとなっていることが多い。したがって、図2(a)に示す輝度画像124と図2(b)に示す距離画像126とは各対象物の輪郭について似たものとなる。
【0025】
環境認識装置130は、画像処理装置120から輝度画像124と距離画像126とを取得し、輝度画像124に基づく輝度と、距離画像126に基づく自車両1との相対距離を用いて検出領域122における対象物がいずれの特定物に対応するかを特定する。このとき、環境認識装置130は、距離画像126における、検出領域122内のブロック毎の視差情報を、所謂ステレオ法を用いて、相対距離を含む三次元の位置情報に変換している。ここで、ステレオ法は、三角測量法を用いることで、対象物の視差からその対象物の撮像装置110に対する相対距離を導出する方法である。かかる環境認識装置130に関しては、後ほど詳述する。
【0026】
車両制御装置140は、環境認識装置130で特定された対象物との衝突を回避したり、先行車両との車間距離を安全な距離に保つ制御を実行する。具体的に、車両制御装置140は、操舵の角度を検出する舵角センサ142や車両1の速度を検出する車速センサ144等を通じて現在の車両1の走行状態を取得し、アクチュエータ146を制御して先行車両との車間距離を安全な距離に保つ。ここで、アクチュエータ146は、ブレーキ、スロットルバルブ、舵角等を制御するために用いられる車両制御用のアクチュエータである。また、車両制御装置140は、対象物との衝突が想定される場合、運転者の前方に設置されたディスプレイ148にその旨警告表示(報知)を行うと共に、アクチュエータ146を制御して車両1を自動的に制動する。かかる車両制御装置140は、環境認識装置130と一体的に形成することもできる。
【0027】
(環境認識装置130)
図3は、環境認識装置130の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図3に示すように、環境認識装置130は、I/F部150と、データ保持部152と、中央制御部154とを含んで構成される。
【0028】
I/F部150は、画像処理装置120や車両制御装置140との双方向の情報交換を行うためのインターフェースである。データ保持部152は、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、特定物テーブル(対応付け)、規則性テーブルや、以下に示す各機能部の処理に必要な様々な情報を保持し、また、画像処理装置120から受信した輝度画像124、距離画像126を一時的に保持する。ここで、特定物テーブルや規則性テーブルは、以下のように利用される。
【0029】
図4は、特定物テーブル200を説明するための説明図である。特定物テーブル200では、複数の特定物に対して、輝度の範囲を示す輝度範囲202と、特定物の大きさの範囲を示す幅範囲204とが対応付けられている。ここで、特定物としては、「信号機(赤)」、「信号機(黄)」、「信号機(青)」、「テールランプ(赤)」、「ウィンカー(橙)」、「道路標識(赤)」、「道路標識(青)」、「道路標識(緑)」等、道路を走行する上で視認を要する様々な物が想定されている。特定物は図4に記載された物に限定されないのは言うまでもない。また、特定物テーブル200では、特定物の特定に優先順位が定められており、当該環境認識処理はその優先順に従って、特定物テーブル200における複数の特定物から順次選択された1の特定物毎に行われる。特定物のうち、例えば、特定物「信号機(赤)」には、輝度(赤)「150以上」、輝度(緑)「100以下」、輝度(青)「50以下」、幅範囲「0.2〜0.4m」が対応付けられている。
【0030】
本実施形態では、特定物テーブル200に基づいて、輝度画像124内の任意の対象部位のうち、任意の特定物に関する輝度範囲202の条件を満たした対象部位が特定物の候補となる。例えば、対象部位の輝度が特定物「信号機(赤)」の輝度範囲202に含まれていれば、その対象部位を特定物「信号機(赤)」の候補とする。そして、対象部位をグループ化した対象物が、特定物らしい態様で抽出されれば、例えば、グループ化した対象物の大きさが「信号機(赤)」の幅範囲「0.2〜0.4m」に含まれれば特定物として判定される。特定物として判定された対象部位は、特定物固有の識別番号によってラベリングされている。ここで、対象部位は、画素や画素を集めたブロックを想定しているが、本実施形態では、説明の便宜上、画素を用いることとする。
【0031】
図5は、規則性テーブル210を説明するための説明図である。規則性テーブル210では、複数の特定物に対して、同一の特定物同士の3次元位置関係を示す差分範囲212と、同一の特定物が纏まって認識された場合に想定される特定物の個数214と、同一の特定物同士の規則性216とが対応付けられている。また、規則性テーブル210における特定物としては、「信号機」、「トンネル灯」、「街灯」等、道路を走行する上で光源として認識し得る様々な物が想定されている。特定物は図5に記載された物に限定されないのは言うまでもない。特定物のうち、例えば、特定物「信号機」には、差分範囲(x)「2.0m以下」、差分範囲(y)「1.0m以下」、差分範囲(z)「20.0m以上」、個数「2個以下」、規則性「なし」が対応付けられている。
【0032】
かかる図5を参照すると、輝度や大きさのみでは信号機として見なされてしまう対象物(例えばトンネル灯)であっても、同一の特定物に対応する対象物同士が近似した位置に3以上あれば、それをトンネル灯や街灯と特定することができる。また、その対象物同士を曲線で近似することができれば、それがトンネル灯や街灯である可能性が高まることとなる。したがって、少なくともその対象物が信号機ではないことを特定することが可能となる。
【0033】
中央制御部154は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路で構成され、システムバス156を通じて、I/F部150やデータ保持部152を制御する。また、本実施形態において、中央制御部154は、輝度取得部160、位置情報取得部162、特定物仮決定部164、グループ化部166、対象物群特定部168、特定物決定部170、パターンマッチング部172としても機能する。
【0034】
輝度取得部160は、後述する特定物仮決定部164の制御指令に従って、受信した輝度画像124から、対象部位(画素)単位で輝度(画素単位で3つの色相(赤、緑、青)の輝度)を取得する。このとき、検出領域が例えば雨天や曇天であった場合、輝度取得部160は、本来の輝度を取得できるようにホワイトバランスを調整してから取得してもよい。
【0035】
位置情報取得部162は、後述するグループ化部166の制御指令に従い、距離画像126における検出領域122内のブロック毎の視差情報を、ステレオ法を用いて、水平距離x、道路表面からの高さy、および、自車両1からの相対距離zを含む三次元の位置情報に変換する。ここで、視差情報が、距離画像126における各対象部位の視差を示すのに対し、三次元の位置情報は、実空間における各対象部位の相対距離の情報を示す。したがって、水平距離、高さ、相対距離といった文言を用いる場合、実空間上の距離を指し、検出距離といった文言を用いる場合、距離画像126上の距離を指す。また、視差情報が画素単位ではなくブロック単位、即ち複数の画素単位で導出されている場合、その視差情報はブロックに属する全ての画素の視差情報とみなして、画素単位の計算を実行することができる。
【0036】
図6は、位置情報取得部162による三次元の位置情報への変換を説明するための説明図である。位置情報取得部162は、まず、距離画像126を図6の如く画素単位の座標系として認識する。ここでは、図6中、左下隅を原点(0,0)とし、横方向をi座標軸、縦方向をj座標軸とする。したがって、視差dpを有する画素は、画素位置i、jと視差dpによって(i,j,dp)のように表すことができる。
【0037】
本実施形態における実空間上の三次元座標系を、車両1を中心とした相対座標系で考える。ここでは、車両1の進行方向右側方をX軸の正方向、車両1の上方をY軸の正方向、車両1の進行方向(前方)をZ軸の正方向、2つの撮像装置110の中央を通る鉛直線と道路表面との交点を原点(0,0,0)とする。このとき、道路を平面と仮定すると、道路表面がX−Z平面(y=0)と一致することとなる。位置情報取得部162は、以下の(数式1)〜(数式3)によって距離画像126上のブロック(i,j,dp)を、実空間上の三次元の点(x,y,z)に座標変換する。
x=CD/2+z・PW・(i−IV) …(数式1)
y=CH+z・PW・(j−JV) …(数式2)
z=KS/dp …(数式3)
ここで、CDは撮像装置110同士の間隔(基線長)であり、PWは1画素当たりの視野角であり、CHは撮像装置110の道路表面からの配置高さであり、IV、JVは車両1の真正面における無限遠点の画像上の座標(画素)であり、KSは距離係数(KS=CD/PW)である。
【0038】
特定物仮決定部164は、データ保持部152に保持された特定物テーブル200に基づいて、対象物の輝度から、対象物に対応する特定物を仮決定する。
【0039】
具体的に、特定物仮決定部164は、まず、輝度画像124における任意の対象部位の輝度を、輝度取得部160に取得させる。続いて、特定物仮決定部164は、特定物テーブル200に登録されている特定物から任意の特定物を順次選択し、取得した1の対象部位の輝度が、順次選択した特定物の輝度範囲202に含まれるか否か判定する。そして、対象部位の輝度が対象となる輝度範囲202に含まれれば、その対象部位を、一旦、特定物であると仮決定し、その対象部位に当該特定物を示す識別番号を付して、特定物マップを作成する。
【0040】
特定物仮決定部164は、このような対象部位それぞれの輝度と特定物テーブル200に登録されている複数の特定物の輝度範囲202との一連の比較を、複数の対象部位毎に順次実行する。ここで、特定物の選択順は、上述したように特定物テーブル200に示された優先順位に従っている。即ち、図4の特定物テーブル200の例では、「信号機(赤)」、「信号機(黄)」、「信号機(青)」、「テールランプ(赤)」、「ウィンカー(橙)」、「道路標識(赤)」、「道路標識(青)」、「道路標識(緑)」の順に比較処理が実行される。
【0041】
また、上記優先順位に従って比較した結果、対象部位の輝度が優先順位の高い特定物の輝度範囲202に含まれていると判定された場合、それより優先順位が低い特定物に関する比較処理は最早行われない。したがって、1の対象部位に関して多くとも1の特定物を示す識別番号しか付されることはない。これは、複数の特定物が空間上で重なり合うことはないので、特定物仮決定部164によって一旦任意の特定物と判定された対象物は、最早、他の特定物であるか否かを判定する必要がないという理由に基づく。このように対象部位を排他的に取り扱うことによって、既に特定物が仮決定された対象部位の重複した特定処理を回避することができ、処理負荷を軽減することが可能となる。
【0042】
図7は、特定物マップ220を説明するための説明図である。特定物マップ220は、輝度画像124に特定物の識別番号を重ねたものであり、特定物と仮決定された対象部位に相当する位置に、その特定物の識別番号が対応付けられる。
【0043】
例えば、特定物マップ220中の部分マップ220aでは、先行車両のテールランプに相当する複数の対象部位222の輝度が、特定物「信号機(赤)」、「信号機(黄)」、「信号機(青)」、特定物「テールランプ(赤)」といった順に輝度範囲202と比較される。その結果、特定物「テールランプ(赤)」の輝度範囲202に含まれているので、特定物「テールランプ(赤)」の識別番号「4」が対応付けられている。また、特定物マップ220中の部分マップ220bでは、信号機の右側点灯部分に相当する複数の対象部位224の輝度が特定物「信号機(赤)」の輝度範囲202に含まれているので、特定物「信号機(赤)」の識別番号「1」が対応付けられている。さらに、特定物マップ220中の部分マップ220cでは、先行車両の背面ランプ部に相当する対象部位226の輝度が、特定物「信号機(赤)」、「信号機(黄)」、「信号機(青)」といった順に輝度範囲202と比較され、最終的に、特定物「テールランプ(赤)」の識別番号「4」および「ウィンカー(橙)」の識別番号「5」が対応付けられている。図7では、輝度画像124の複数の対象部位に識別番号が付された図を提示しているが、かかる表現は理解を容易にするための概念的なものであり、実際には対象部位にデータとして識別番号が登録されている。
【0044】
グループ化部166は、仮決定された任意の対象部位を基点として、その対象部位と、水平距離xの差分および高さyの差分が第1所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された(同一の識別番号が付された)対象部位をグループ化し、対象物とする。ただし、第1所定範囲は、水平距離xおよび高さyに対してその範囲を独立して設定することができる。グループ化は、例えば、上記複数の対象部位のうち、水平距離xが最左(xl)の対象部位および最右(xr)の対象部位、ならびに、高さyが最小(ymin)の対象部位および最大(ymax)の対象部位を抽出し、x=xl、x=xr、y=ymin、y=ymax、の4直線で囲まれる四角形で、その複数の対象部位を包含することで実行される。したがって、グループ化された対象物を構成する対象部位の数は、グループ化の元となった対象部位の数以上となる。
【0045】
ここで、第1所定範囲は実空間上の距離で表され、任意の値(例えば、1.0m等)に設定することができる。また、グループ化部166は、グループ化により新たに追加された対象部位に関しても、その対象部位を基点として、水平距離xの差分および高さyの差分が第1所定範囲内にある、特定物が等しい対象部位をグループ化する。結果的に、同一の特定物として仮決定された対象部位同士の距離が第1所定範囲内であれば、それら全てがグループ化されることとなる。
【0046】
ここで、グループ化部166は、実空間上の水平距離xや高さyを用いて判定しているが、輝度画像124上や距離画像126上の検出距離で判定する場合、グループ化のための第1所定範囲の閾値は、対象部位の相対距離zに応じて変更される。図2等に示したように、輝度画像124や距離画像126では、遠近の物体が平面上に表されているため、本来遠方に位置する物体は小さく(短く)表され、近傍に位置する物体は大きく(長く)表される。したがって、輝度画像124や距離画像126における第1所定範囲の閾値は、例えば、遠方に位置する対象部位については短く、近傍に位置する対象部位については長く設定されることとなる。こうして、遠方と近傍とで検出距離が異なる場合であっても安定したグループ化が望める。また、距離画像126上の検出距離で判定する場合、第1所定範囲を画素数で定義してもよく、例えば、水平方向や垂直方向に1画素の間隔を有する(隣接する)画素同士をグループ化するとしてもよい。
【0047】
また、ここでは、水平距離xの差分および高さyの差分をそれぞれ独立して判定し、全てが第1所定範囲に含まれる場合のみ同一のグループとしているが、他の計算によることもできる。例えば、水平距離xの差分および高さyの差分の二乗平均√((水平距離xの差分)+(高さyの差分))が第1所定範囲に含まれる場合に同一のグループとしてもよい。かかる計算により、対象部位同士の実空間上の正確な距離を導出することができるので、グループ化精度を高めることができる。
【0048】
図8および図9は、グループ化部166の処理を説明するための説明図である。ここでは、理解を容易にするために、識別番号の図示を省略する。グループ化部166は、図8(a)に示すような特定物マップ220に対して、第1所定範囲内にある、例えば、特定物「信号機(赤)」に対応すると仮決定された全ての対象部位をグループ化し、図8(b)に示すように、対象物228とする。こうして特定物「信号機(赤)」が抽出される。
【0049】
同様に、図9(a)に示すようなトンネル内を走行している場合、グループ化部166は、図9(b)のように、トンネル内の内周側面に設けられた複数のトンネル灯に相当する対象部位を、それぞれグループ化して対象物228を導出する。このとき、図9(a)に示すトンネル灯の輝度(色)や大きさが、信号機(赤)の点灯部分と近似していると、トンネル灯が特定物「信号機(赤)」と誤認識されるおそれが生じる。
【0050】
ここで、図8(a)における信号機と図9(a)におけるトンネル灯との違いを検討すると、信号機は検出領域において単独にまたは不規則に存在するのに対し、トンネル灯は規則的に存在する。したがって、トンネル灯は、任意のトンネル灯から所定の範囲内に他のトンネル灯が連続的に配されていることが多く、また、そのように連続的に配されるトンネル灯の数自体も多くなる(例えば3個以上)。さらに、トンネル灯は規則的に配されているので、複数のトンネル灯が直線や複数次の曲線で近似できるのも特徴的である。そこで、本実施形態では、まず、発光部分(対象物)の近傍に同一の特定物と仮決定された対象物が存在したら、それらを纏めて対象物群とし、その対象物群の規則性を把握して、対象物群(対象物)を適切に特定することを目的とする。以下に、このような適切な対象物群の特定を実現するための対象物群特定部168と特定物決定部170とを説明する。
【0051】
対象物群特定部168は、グループ化部166がグループ化した任意の対象物から、水平距離xの差分、高さyの差分、および、相対距離zの差分が第2所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象物を順次検出し、それらを纏めて対象物群を特定する。ただし、第2所定範囲は、図5の規則性テーブル210に示す差分範囲212であり、基本的に第1所定範囲より広く、水平距離x、高さy、および、相対距離zに対してその範囲を独立して設定することができる。
【0052】
また、本実施形態では、例えば、トンネル灯を信号機と判定されてしまうのを回避すべく、まず、検出された光源が、信号機ではなくトンネル灯であることを特定する。したがって、第2所定範囲としては、トンネル灯の差分範囲(x)「2.0m以下」、差分範囲(y)「1.0m以下」、差分範囲(z)「10.0m以下」が設定される。そして、対象物群特定部168は、第2所定範囲内に、対象物と同一の特定物に対応する対象物があると、その対象物を対象物群として特定する。ただし、特定するとは、何らかの編集を伴うものではなく、対象物同士を関連付けるだけに留まる。本実施形態において、対象物群特定部168は、第2所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象物にフラグを付すことで関連付けを行っている。
【0053】
図10は、対象物群特定部168の処理を説明するための説明図である。対象物群特定部168は、まず、トンネル灯の差分範囲212を第2所定範囲230として取得する。そして、画面左上の対象物228aに、その対象物228aがトンネル灯の可能性があることを示すフラグを付す。そして、対象物群特定部168は、図10に示すように、対象物228aを基点にし、対象物228aの中心(または重心)位置から第2所定範囲230内にある、対象物228aと同一の特定物に対応する対象物をサーチする。ここでは、対象物228bが対象物228aと同一の特定物に対応しており、両者間の距離が水平距離xの差分=0.3m、高さyの差分=0.2m、相対距離zの差分=4.0m、即ち、第2所定範囲230内であるので、対象物228bに対象物228aと同一のフラグを付す。
【0054】
続いて、対象物群特定部168は、対象物228bを基点に、第2所定範囲230内に、対象物228aと同一の特定物に対応する他の対象物228を検出し、上記同様、対象物228aと同一のフラグを付す。このように同一の特定物とみなせる対象物を順次検出することで、複数の対象物228(228a、228b、228c、228d、228e、228f)が数珠つなぎに検出される。そして、距離が近似する対象物228の集まりである対象物群を特定することができる。
【0055】
特定物決定部170は、まず、対象物群特定部168で特定された対象物群中の対象物228の数に応じて対象物群がいずれの特定物にあたるかを判定する。具体的に、特定物決定部170は、対象物群における対象物の数が所定閾値を超えた対象物群を、目的としている(その対象物に付された識別番号により特定される)特定物とは異なる特定物と判定し、目的としている特定物ではないと決定する。
【0056】
例えば、目的としている特定物が特定物「信号機(赤)」であった場合に、図8および図9を用いて説明したように、トンネル灯の輝度や大きさが信号機(赤)に近似していると、トンネル灯に相当する対象物228も特定物「信号機(赤)」とみなされてしまう。このとき、図10に示したように、対象物群特定部168によって特定された対象物群における対象物の数は6となる。したがって、対象物群における対象物の個数は、規則性テーブル210における特定物「トンネル灯」の個数214には相当するが、特定物「信号機」の個数214とは異なるので、少なくとも特定物「信号機」ではないと判定される。ただし、特定物「トンネル灯」である可能性は残っている。こうして、トンネル灯等の他の光源を特定物「信号機」と誤認識するのを回避することができる。
【0057】
また、特定物決定部170は、上記対象物の数に加え、対象物群における対象物同士が所定の規則性を満たすか否かも判定し、満たした場合に、目的としている特定物とは異なる特定物と判定し、対象物群を例えば特定物「信号機(赤)」ではないと決定してもよい。ここで規則性は、排除すべき特定物を特定するための規則性であり、規則性テーブル210における排除すべき特定物(例えばトンネル灯)の規則性216に相当する。例えば、図10に示す対象物群(対象物228a、228b、228c、228d、228e、228f)は、画面上および実空間上において少なくとも複数次の曲線で近似できる。このとき対象物の近似曲線は、ハフ変換あるいは最小二乗法による近似直線によって特定することができる。したがって、その対象物群は、規則性テーブル210における特定物「トンネル灯」の規則性216に相当し、少なくとも特定物「信号機」ではないと推定できる。こうして、上記対象物の数のみでは、対象物群を明確に特定できない場合であっても、その対象物群が少なくとも特定物「信号機」ではないと決定することができる。
【0058】
続いて、特定物決定部170は、目的とする特定物ではないと判断した対象物群を除き、残っている対象物が所定の条件を満たしているか否か判定し、満たしていれば、その対象物を特定物として決定する。例えば、図4に示したように、特定物テーブル200に幅範囲204が対応付けられている場合、特定物決定部170は、特定物テーブル200に基づき、対象物の大きさ(対象物の水平距離xの幅および高さyの幅のいずれも)が、対象物について仮決定された特定物の幅範囲204に含まれていれば、その対象物を対象となる特定物として決定することとする。また、対象物の水平距離xの幅および高さyの幅それぞれについて幅範囲204を設定してもよい。ここでは、対象物が、特定物とみなすのに妥当な大きさであることを確認している。したがって、幅範囲204に含まれない場合、当該環境認識処理に不要な情報として除外することができる。
【0059】
こうして、環境認識装置130では、輝度画像124から、1または複数の対象物を、特定物として抽出することができ、その情報を様々な制御に用いることが可能となる。例えば、特定物「信号機(赤)」を抽出することで、その対象物が、移動を伴わない固定された物であることが把握されると共に、その対象物が自車線に関する信号機であれば、自車両1は、停止または減速すべきであることを把握することができる。また、特定物「テールランプ(赤)」を抽出することで、そこに自車両1と共に走行している先行車両があり、かつ、その先行車両の背面が、特定物「テールランプ(赤)」の相対距離zにあることを把握することができる。
【0060】
パターンマッチング部172は、特定物決定部170が決定した特定物が例えば「標識」であり、その中には制限速度が表記されていることが想定される場合、さらに、表記されている数値についてパターンマッチングを実行し、その数値を特定する。こうして、環境認識装置130は、自車線の制限速度等を認識することができる。
【0061】
本実施形態においては、まず、特定物決定部170によって複数に制限された特定物を抽出し、その抽出された特定物とのパターンマッチングのみ行えばよい。したがって、従来のように、輝度画像124全面に対してパターンマッチングを行うのに比べ処理負荷が格段に少なくなる。
【0062】
(環境認識方法)
以下、環境認識装置130の具体的な処理を図11〜図15のフローチャートに基づいて説明する。図11は、画像処理装置120から距離画像(視差情報)126が送信された場合の割込処理に関する全体的な流れを示し、図12〜図15は、その中の個別のサブルーチンを示している。また、ここでは、対象部位として画素を挙げており、輝度画像124や距離画像126の左下隅を原点とし、画像水平方向に1〜600画素、垂直方向に1〜200画素の範囲で当該環境認識方法による処理を遂行する。また、ここでは、対象となる特定物の数を8つと仮定する。
【0063】
図11に示すように、距離画像126の受信を契機に当該環境認識方法による割込が発生すると、画像処理装置120から取得した輝度画像124が参照されて対象部位が特定物として仮決定され、特定物マップ220が生成される(S302)。
【0064】
続いて、仮決定された特定物がグループ化され(S304)、そのグループ化された対象物を纏めて対象物群が特定され(S306)、対象物群が特定物として決定される(S308)。決定された特定物からさらに情報を得る必要があれば、パターンマッチング部172によって、特定物のパターンマッチングが実行される(S310)。以下、上記の処理を具体的に説明する。
【0065】
(特定物マップ生成処理S302)
図12を参照すると、特定物仮決定部164は、対象部位(画素)を特定するための垂直変数jを初期化(「0」を代入)する(S350)。続いて、特定物仮決定部164は、垂直変数jに「1」を加算(インクリメント)すると共に水平変数iを初期化(「0」を代入)する(S352)。次に、特定物仮決定部164は、水平変数iに「1」を加算し、特定物変数mを初期化(「0」を代入)する(S354)。ここで、水平変数iや垂直変数jを設けているのは、600×200の画素全てに対して当該特定物マップ生成処理を実行するためであり、特定物変数mを設けているのは、画素毎に8つの特定物を順次比較するためである。
【0066】
特定物仮決定部164は、輝度画像124から対象部位としての画素(i,j)の輝度を輝度取得部160に取得させ(S356)、特定物変数mに「1」を加算し(S358)、特定物(m)の輝度範囲202を取得し(S360)、画素(i,j)の輝度が特定物(m)の輝度範囲202に含まれるか否か判定する(S362)。
【0067】
画素(i,j)の輝度が特定物(m)の輝度範囲202に含まれていれば(S362におけるYES)、特定物仮決定部164は、その画素に特定物(m)を示す識別番号pを対応付けて、画素(i,j,p)とする(S364)。こうして、輝度画像124中の各画素に識別番号が付された特定物マップ210が生成される。また、画素(i,j)の輝度が特定物(m)の輝度範囲202に含まれていなければ(S362におけるNO)、特定物変数mが特定物の最大数である8を超えたか否か判定する(S366)。ここで、特定物変数mが最大値を超えていなければ(S366におけるNO)、ステップS358の特定物変数mのインクリメント処理からを繰り返す。また、特定物変数mが最大値を超えていれば(S366におけるYES)、当該画素(i,j)に対応する特定物は存在しないとして、次のステップS368に処理が移される。
【0068】
続いて、特定物仮決定部164は、水平変数iが水平画素の最大値である600を超えたか否か判定し(S368)、水平変数iが最大値を超えていなければ(S368におけるNO)、ステップS354の水平変数iのインクリメント処理からを繰り返す。また、水平変数iが最大値を超えていれば(S368におけるYES)、特定物仮決定部164は、垂直変数jが垂直画素の最大値である200を超えたか否か判定する(S370)。そして、垂直変数jが最大値を超えていなければ(S370におけるNO)、ステップS352の垂直変数jのインクリメント処理からを繰り返す。また、垂直変数jが最大値を超えていれば(S370におけるYES)、当該特定物マップ生成処理を終了する。
【0069】
(グループ化処理S304)
図13を参照すると、グループ化部166は、対象部位をグループ化するための第1所定範囲を参照し(S400)、対象部位(画素)を特定するための垂直変数jを初期化(「0」を代入)する(S402)。続いて、グループ化部166は、垂直変数jに「1」を加算すると共に水平変数iを初期化(「0」を代入)する(S404)。次に、グループ化部166は、水平変数iに「1」を加算する(S406)。
【0070】
グループ化部166は、輝度画像124から対象部位としての画素(i,j,p,dp)を取得し、視差情報dpを含む画素(i,j,p,dp)を実空間上の点(x,y,z)に座標変換して、画素(i,j,p,dp,x,y,z)とする(S408)。そして、その画素(i,j,p,dp,x,y,z)に特定物の識別番号pが対応付けられているか否か判定する(S410)。ここで、識別番号が存在pが対応付けられていれば(S410におけるYES)、グループ化部166は、その画素(i,j,p,dp,x,y,z)の実空間上の座標(x,y,z)から第1所定範囲内に、等しい識別番号pが対応付けられている他の画素が存在するか否か判定する(S412)。
【0071】
識別番号の等しい他の画素(i,j,p,dp,x,y,z)が存在すれば(S412におけるYES)、グループ化部166は、自己を含む第1所定範囲内の全ての画素のいずれかにグループ番号gが付されているか否か判定する(S414)。いずれかにグループ番号gが付されていたら(S414におけるYES)、グループ化部166は、第1所定範囲に含まれる全ての画素および同一のグループ番号gが付されている全ての画素に、その付されているグループ番号のうち最も小さいグループ番号g、および、グループ番号としてまだ利用されていない番号のうち最も小さい値のいずれか小さい方を付与して、画素(i,j,p,dp,x,y,z,g)とする(S416)。また、いずれにもグループ番号gが付されていない場合(S414におけるNO)、グループ番号としてまだ利用されていない番号のうち最も小さい値を、自己を含む第1所定範囲内の全ての画素に新規に付与する(S418)。
【0072】
このように、第1所定範囲内に識別番号が等しい対象部位が複数存在する場合、1のグループ番号gを付すことによってグループ化を行う。このとき、複数の対象部位のいずれにも未だグループ番号gが付されていない場合、新規のグループ番号gを付すこととし、いずれかに既にグループ番号gが付されている場合、それと同一のグループ番号gを付すこととなる。ただし、複数の対象部位に複数のグループ番号gが存在する場合、1つのグループとみなすべきなので、その対象部位全てのグループ番号gを1のグループ番号gに置換することとする。
【0073】
このとき、第1所定範囲に含まれる全ての画素のみならず、同一のグループ番号gが付されている全ての画素のグループ番号gを一度に変更しているのは、グループ番号gの変更により、すでに統一化されたグループを分離しないためである。また、最も小さいグループ番号gまたはグループ番号としてまだ利用されていない番号のうち最も小さい値のいずれか小さい方を採用しているのは、グループの採番において可能な限り欠番を出さないようにするためである。こうすることで、グループ番号gの最大値が無用に大きくなることがなくなり、処理負荷を軽減することが可能となる。
【0074】
識別番号pが対応付けられていない場合(S410におけるNO)、または、識別番号の等しい他の画素が存在しない場合(S412におけるNO)、次のステップS420に処理が移される。
【0075】
続いて、グループ化部166は、水平変数iが水平画素の最大値である600を超えたか否か判定し(S420)、水平変数iが最大値を超えていなければ(S420におけるNO)、ステップS406の水平変数iのインクリメント処理からを繰り返す。また、水平変数iが最大値を超えていれば(S420におけるYES)、グループ化部166は、垂直変数jが垂直画素の最大値である200を超えたか否か判定する(S422)。そして、垂直変数jが最大値を超えていなければ(S422におけるNO)、ステップS404の垂直変数jのインクリメント処理からを繰り返す。また、垂直変数jが最大値を超えていれば(S422におけるYES)、当該グループ化処理を終了する。
【0076】
(対象物群特定処理S306)
図14を参照すると、対象物群特定部168は、対象部位をグループ化するための第2所定範囲を参照し(S500)、対象部位(画素)を特定するための垂直変数jを初期化(「0」を代入)する(S502)。続いて、対象物群特定部168は、垂直変数jに「1」を加算すると共に水平変数iを初期化(「0」を代入)する(S504)。次に、対象物群特定部168は、水平変数iに「1」を加算する(S506)。
【0077】
対象物群特定部168は、輝度画像124から対象部位としての画素(i,j,p,dp,x,y,z,g)を取得する(S508)。そして、その画素(i,j,p,dp,x,y,z,g)に特定物の識別番号pが対応付けられているか否か判定する(S510)。ここで、識別番号pが対応付けられていれば(S510におけるYES)、対象物群特定部168は、その画素を含む対象物の中心に相当する実空間上の座標(x,y,z)から第2所定範囲内に、等しい識別番号pが対応付けられ、かつ、未だフラグが付されていない他の対象物が存在するか否か判定する(S512)。
【0078】
識別番号pが等しく、かつ、フラグが付されていない他の対象物が存在すれば(S512におけるYES)、対象物群特定部168は、元(起点)となる対象物および新たに検出された対象物に同じフラグを設定する(S514)。そして、対象物群特定部168は、第2所定範囲の判定の元となる対象物を新たに検出された対象物に置換し、ステップS512の条件判定処理からを繰り返す(S516)。こうして、基点となった対象物のみならず、新たに検出された対象物についても、近傍の対象物がサーチされることとなる。
【0079】
識別番号pが対応付けられていない場合(S510におけるNO)、または、条件を満たす対象物が存在しない場合(S512におけるNO)、次のステップS518に処理が移される。
【0080】
続いて、対象物群特定部168は、水平変数iが水平画素の最大値である600を超えたか否か判定し(S518)、水平変数iが最大値を超えていなければ(S518におけるNO)、ステップS506の水平変数iのインクリメント処理からを繰り返す。また、水平変数iが最大値を超えていれば(S518におけるYES)、対象物群特定部168は、垂直変数jが垂直画素の最大値である200を超えたか否か判定する(S520)。そして、垂直変数jが最大値を超えていなければ(S520におけるNO)、ステップS504の垂直変数jのインクリメント処理からを繰り返す。また、垂直変数jが最大値を超えていれば(S520におけるYES)、当該対象物群特定処理を終了する。
【0081】
(特定物決定処理S308)
図15を参照すると、グループを特定するためのグループ変数kを初期化(「0」を代入)する(S552)。続いて、特定物決定部170は、グループ変数kに「1」を加算する(S554)。
【0082】
特定物決定部170は、輝度画像124からグループ番号gがグループ変数kである対象物が存在するか否か判定し(S556)、存在すれば(S556におけるYES)、その対象物が属する対象物群における対象物の個数を計数する(S558)。続いて、特定物決定部170は、計数した個数が、識別番号pで示される特定物の個数214に相当し、かつ、他の特定物の個数に相当しないことを判定する(S560)。ここで、計数した個数が、識別番号pで示される特定物の個数に相当すると(S560におけるYES)、特定物決定部170は、対象物群における対象物同士の規則性を導出する(S562)。そして、特定物決定部170は、対象物同士が、識別番号pで示される特定物の規則性216に相当し、かつ、他の特定物の規則性216に相当しないことを判定する(S564)。
【0083】
ここで、対象物同士が、識別番号pで示される特定物の規則性216に相当していると(S564)、特定物決定部170は、そのグループ番号gが付された対象物の大きさを計算する(S566)。このとき対象物の大きさは、対象物の画面左端に位置する画素と画面右端に位置する画素間の水平距離(差分)である水平方向成分および対象物の画面上端に位置する画素と画面下端に位置する画素間の高さ(差分)である垂直方向成分によって特定される。そして、計算した大きさが、グループ番号gがグループ変数kである対象物に対応付けられた識別番号pで示される特定物の幅範囲204に含まれるか否か判定する(S568)。例えば、対象物の大きさの水平方向成分が特定物「信号機(赤)」の幅範囲204以内であり、かつ、対象物の大きさの垂直方向成分が特定物「信号機(赤)」の幅範囲204以内であれば、対象物は特定物「信号機(赤)」の幅範囲204に含まれると判定できる。
【0084】
大きさが識別番号pで示される特定物の幅範囲204に含まれていれば(S568におけるYES)、特定物決定部170は、その対象物を特定物として決定する(S570)。グループ番号gがグループ変数kである対象物が存在しない場合(S556におけるNO)、計数した個数が識別番号pで示される特定物の個数に相当しない場合(S560におけるNO)、導出した規則性が識別番号pで示される規則性に相当していない場合(S564におけるNO)、または、大きさが識別番号pで示される特定物特定物の幅範囲204に含まれていない場合(S568におけるNO)、次のステップS572に処理が移される。
【0085】
続いて、特定物決定部170は、グループ変数kが、グループ化処理において設定されたグループ番号の最大値を超えたか否か判定する(S572)。そして、グループ変数kが最大値を超えていなければ(S572におけるNO)、ステップS554のグループ変数kのインクリメント処理からを繰り返す。また、グループ変数kが最大値を超えていれば(S572におけるYES)、当該特定物決定処理を終了する。こうして、グループ化された対象物が正式に特定物として決定される。
【0086】
以上、説明したように、環境認識装置130によれば、目的とする特定物と輝度や大きさが近似していることで、他の特定物が、目的とする特定物とみなされるような場合であっても、その対象物の規則性に基づいて、特定物であるか否か適切に判定することができる。こうして、対象物の特定精度を向上し、誤認識を回避することが可能となる。
【0087】
また、対象物を、その絶対的な高さによって判別できる場合であっても、道路の状況によっては特定物を誤って特定してしまう可能性がある。この場合に、本実施形態を補完的に適用することで対象物の特定精度を格段に向上することが可能となる。
【0088】
また、コンピュータを、環境認識装置130として機能させるプログラムや当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD、DVD、BD等の記憶媒体も提供される。ここで、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理手段をいう。
【0089】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0090】
例えば、上述した実施形態においては、特定物決定部170が、対象物群中の対象物の数に応じて対象物群がいずれの特定物に相当するかを判定しているが、かかる場合に限られず、その代わりに、対象物群における各対象物の高さの分布状態に応じて対象物群がいずれの特定物に相当するかを判定してもよい。具体的に、例えば、特定物決定部170は、対象物群における各対象物の高さと対象物の高さの平均値との差分が第3所定範囲内となる対象物群を他の特定物と判定し、目的の特定物ではないと決定する。ただし、第3所定範囲は、高さyのみで任意に設定され、図5の規則性テーブル210に示す差分範囲212より小さい。
【0091】
かかる構成により、対象物群中における対象物の高さの分布状態、例えば、高さが分散しているか、または、ほぼ一定の値を示しているかに応じて特定物を適切に判定することができ、対象物の特定精度を向上し、誤認識を回避することが可能となる。
【0092】
また、上述した実施形態においては、対象物の三次元位置を複数の撮像装置110を用い画像データ間の視差に基づいて導出しているが、かかる場合に限られず、例えば、レーザレーダ測距装置等、既知の様々な距離測定装置を用いることができる。ここで、レーザレーダ測距装置は、検出領域122にレーザビームを投射し、このレーザビームが物体に当たって反射してくる光を受光し、この所要時間から物体までの距離を測定するものである。
【0093】
また、上述した実施形態では、特定物「信号機」と特定物「トンネル」とを挙げて説明しているが、本発明は、例えば、図4の特定物テーブル200に示した特定物等、様々な特定物に適応できる。例えば、「信号機(黄)」や「信号機(青)」のように単独にまたは不規則に存在する光源と、「トンネル灯」、路側に設置された「街灯」のように規則的に存在する光源とは、比較的容易に区別することが可能である。
【0094】
また、上述した実施形態においては、撮像装置110がカラー画像を取得することを前提としているが、かかる場合に限られず、モノクロ画像を取得することでも本実施形態を遂行することができる。この場合、特定物テーブル200が単色の輝度で定義されることとなる。
【0095】
また、上述した実施形態では、位置情報取得部162が、画像処理装置120から距離画像(視差情報)126を受けて三次元の位置情報を生成している例を挙げている。しかし、かかる場合に限られず、画像処理装置120において予め三次元の位置情報を生成し、位置情報取得部162は、その生成された三次元の位置情報を取得するとしてもよい。このようにして、機能分散を図り、環境認識装置130の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0096】
また、上述した実施形態においては、輝度取得部160、位置情報取得部162、特定物仮決定部164、グループ化部166、対象物群特定部168、特定物決定部170、パターンマッチング部172は中央制御部154によってソフトウェアで動作するように構成している。しかし、上記の機能部をハードウェアによって構成することも可能である。
【0097】
なお、本明細書の環境認識方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、検出領域における対象物の輝度に基づいて、その対象物を認識する環境認識装置および環境認識方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 …車両
122 …検出領域
124 …輝度画像
126 …距離画像
130 …環境認識装置
152 …データ保持部
160 …輝度取得部
162 …位置情報取得部
164 …特定物仮決定部
166 …グループ化部
168 …対象物群特定部
170 …特定物決定部
200 …特定物テーブル
202 …輝度範囲
204 …幅範囲
210 …規則性テーブル
212 …差分範囲
214 …個数
216 …規則性
220 …特定物マップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輝度の範囲と特定物とを対応付けて保持するデータ保持部と、
検出領域内に存在する対象部位の輝度を取得する輝度取得部と、
前記データ保持部に保持された対応付けに基づいて、前記対象部位の輝度から、前記対象部位に対応する特定物を仮決定する特定物仮決定部と、
水平距離の差分および高さの差分が第1所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象部位をグループ化して対象物とするグループ化部と、
前記対象部位の相対距離を取得する位置情報取得部と、
任意の対象物から、水平距離の差分、高さの差分、および、相対距離の差分が第2所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象物を順次検出し、対象物群を特定する対象物群特定部と、
前記対象物群中の対象物の数に応じて該対象物群が前記特定物であるか否かを決定する特定物決定部と、
を備えることを特徴とする環境認識装置。
【請求項2】
前記特定物決定部は、前記対象物群における対象物の数が所定閾値を超えた対象物群を前記特定物ではないと決定することを特徴とする請求項1に記載の環境認識装置。
【請求項3】
輝度の範囲と特定物とを対応付けて保持するデータ保持部と、
検出領域内に存在する対象部位の輝度を取得する輝度取得部と、
前記データ保持部に保持された対応付けに基づいて、前記対象部位の輝度から、前記対象部位に対応する特定物を仮決定する特定物仮決定部と、
水平距離の差分および高さの差分が第1所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象部位をグループ化して対象物とするグループ化部と、
前記対象部位の相対距離を取得する位置情報取得部と、
任意の対象物から、水平距離の差分、高さの差分、および、相対距離の差分が第2所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象物を順次検出し、対象物群を特定する対象物群特定部と、
前記対象物群における各対象物の高さの分布状態に応じて該対象物群が前記特定物であるか否かを決定する特定物決定部と、
を備えることを特徴とする環境認識装置。
【請求項4】
前記特定物決定部は、前記対象物群における各対象物の高さと該対象物の高さの平均値との差分が第3所定範囲内となる対象物群を前記特定物ではないと決定することを特徴とする請求項3に記載の環境認識装置。
【請求項5】
前記特定物決定部は、さらに、前記対象物群における対象物同士が所定の規則性を満たす場合に、該対象物群を前記特定物ではないと決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の環境認識装置。
【請求項6】
検出領域内に存在する対象部位の輝度を取得し、
前記対象部位の相対距離を取得し、
データ保持部に保持された、輝度の範囲と特定物との対応付けに基づいて、前記対象部位の輝度から、前記対象部位に対応する特定物を仮決定し、
水平距離の差分および高さの差分が第1所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象部位をグループ化して対象物とし、
任意の対象物から、水平距離の差分、高さの差分、および、相対距離の差分が第2所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象物を順次検出し、対象物群を特定し、
前記対象物群における対象物の数に応じて該対象物群が前記特定物であるか否かを決定することを特徴とする環境認識方法。
【請求項7】
検出領域内に存在する対象部位の輝度を取得し、
前記対象部位の相対距離を取得し、
データ保持部に保持された、輝度の範囲と特定物との対応付けに基づいて、前記対象部位の輝度から、前記対象部位に対応する特定物を仮決定し、
水平距離の差分および高さの差分が第1所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象部位をグループ化して対象物とし、
任意の対象物から、水平距離の差分、高さの差分、および、相対距離の差分が第2所定範囲内にある、同一の特定物に対応すると仮決定された対象物を順次検出し、対象物群を特定し、
前記対象物群における各対象物の高さの分布状態に応じて該対象物群が前記特定物であるか否かを決定することを特徴とする環境認識方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−238243(P2012−238243A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107692(P2011−107692)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】