説明

環状シラザン化合物の製造方法

【解決手段】下記一般式(1)


(式中、R1は炭素数1〜6の非置換又は置換の2価炭化水素基であり、炭素原子の1個以上がN、O、Sで置き換えられていてもよい。R2は炭素数3〜6の非置換又は置換の2価炭化水素基であり、炭素原子の1個以上がN、O、Sで置き換えられていてもよい。R3及びR4は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
で示される有機ケイ素化合物を、炭素数1以上の有機スルホニル基含有化合物の存在下で分子内環化させることを特徴とする下記一般式(2)


(式中、R1、R2、R3、R4及びnは上記一般式(1)で定義した通りである。)
で示される環状シラザン化合物の製造方法。
【効果】本発明の製造方法によれば、目的とする環状シラザン化合物を効率よく製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シランカップリング剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤等に有用な環状シラザン化合物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アミノ基を有する有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤等に有用であることが知られている。中でも、アルコキシシリル基を2つ有するビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンがコーティング剤やシーリング材料等の添加剤として有用であることが知られていた(特許文献1:特開昭62−11769号公報)。
【0003】
上記のような有機ケイ素化合物を含め、シランカップリング剤を使用する際の混合プロセス中には、相当量のアルコールが発生することが知られている。近年、地球温暖化や健康問題等に関係の深い環境問題において、揮発性有機化合物の削減が大きなテーマとして挙げられており、シランカップリング剤から発生するアルコール量を削減することで揮発性有機化合物の削減に取り組む開発が行われている。
【0004】
よって、上記有機ケイ素化合物と同等の高い添加効果を示し、かつ、環境に対する配慮を満たす化合物が望まれ、アルコキシシリル基と環状シラザン構造を有する2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが有用であることが、上記特許文献にて公開されていた。
【0005】
しかし、上記環状シラザン構造を有する化合物は、触媒として安息香酸、塩化アンモニウム等の化合物を用い、分子内でアミン部位とアルコキシシラン部位を反応することで製造されることが知られているが、これらの触媒では、製造時間や収率が満足いくものではなく、更なる反応性向上による効率的な製造方法の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−11769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、アミン部位とアルコキシシラン部位の反応性を向上し、効率よく環状シラザン化合物を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で示される有機ケイ素化合物を有機スルホニル基含有化合物の存在下で分子内環化させることにより、効率よく下記一般式(2)で示される環状シラザン化合物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】
即ち、本発明は下記環状シラザン化合物の製造方法を提供する。
請求項1:
下記一般式(1)
【化1】


(式中、R1は炭素数1〜6の非置換又は置換の2価炭化水素基であり、炭素原子の1個以上がN、O又はSで置き換えられていてもよい。R2は炭素数3〜6の非置換又は置換の2価炭化水素基であり、炭素原子の1個以上がN、O又はSで置き換えられていてもよい。R3及びR4は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
で示される有機ケイ素化合物を、炭素数1以上の有機スルホニル基含有化合物の存在下で分子内環化させることを特徴とする下記一般式(2)
【化2】


(式中、R1、R2、R3、R4及びnは上記一般式(1)で定義した通りである。)
で示される環状シラザン化合物の製造方法。
請求項2:
減圧下でアルコールを留去しながら製造することを特徴とする請求項1記載の環状シラザン化合物の製造方法。
請求項3:
有機スルホニル基含有化合物がトリフルオロメタンスルホニル基含有化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の環状シラザン化合物の製造方法。
請求項4:
トリフルオロメタンスルホニル基含有化合物として、イオン性含窒素化合物誘導体を用いることを特徴とする請求項3記載の環状シラザン化合物の製造方法。
請求項5:
トリフルオロメタンスルホニル基含有化合物として、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド化合物を用いることを特徴とする請求項3記載の環状シラザン化合物の製造方法。
請求項6:
トリフルオロメタンスルホニル基含有化合物として、トリフルオロメタンスルホン酸を用いることを特徴とする請求項3記載の環状シラザン化合物の製造方法。
請求項7:
一般式(1)中、R1、R2が炭素数3であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の環状シラザン化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によれば、目的とする環状シラザン化合物を効率よく製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の環状シラザン化合物の製造方法は、下記一般式(1)
【化3】


(式中、R1は炭素数1〜6の非置換又は置換の2価炭化水素基であり、炭素原子の1個以上がN、O又はSで置き換えられていてもよい。R2は炭素数3〜6の非置換又は置換の2価炭化水素基であり、炭素原子の1個以上がN、O又はSで置き換えられていてもよい。R3及びR4は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
で示される有機ケイ素化合物を、炭素数1以上の有機スルホニル基含有化合物の存在下で分子内環化させる下記一般式(2)
【化4】


(式中、R1、R2、R3、R4及びnは上記一般式(1)で定義した通りである。)
で示される環状シラザン化合物の製造方法である。
【0012】
上記一般式(1)中、R1は炭素数1〜6の非置換又は置換の2価炭化水素基であり、水素原子や炭素原子の1個以上がN、O又はSで置き換えられていてもよい。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等のアルキレン基が例示され、エーテル基、カルボニル基、エステル基、スルフィド基、ジスルフィド基等を含んでもよい。
【0013】
2は炭素数3〜6の非置換又は置換の2価炭化水素基であり、水素原子や炭素原子の1個以上がN、O又はSで置き換えられていてもよい。例えば、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等のアルキレン基が例示され、エーテル基、カルボニル基、エステル基、スルフィド基、ジスルフィド基等を含んでもよい。
【0014】
3及びR4は炭素数1〜10、好ましくは1〜6の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ビニル基、アリル基、メタリル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基が例示され、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が好ましい。
【0015】
本発明で使用される上記一般式(1)で示される環状シラザン化合物を具体的に例示すると、例えば、N−トリメトキシシリルメチル−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−トリメトキシシリルブチル)−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−メチルジメトキシシリルメチル−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−メチルジメトキシシリルブチル)−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−ジメチルメトキシシリルメチル−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−ジメチルメトキシシリルブチル)−N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−トリメトキシシリルメチル−N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−トリメトキシシリルブチル)−N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、N−メチルジメトキシシリルメチル−N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−メチルジメトキシシリルブチル)−N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、N−ジメチルメトキシシリルメチル−N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、N−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)−N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−ジメチルメトキシシリルブチル)−N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、N−トリメトキシシリルメチル−N−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−トリメトキシシリルブチル)−N−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−メチルジメトキシシリルブチル)−N−(3−ジメチルメトキシシシリルプロピル)アミン、N−ジメチルメトキシシリルメチル−N−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−ジメチルメトキシシリルブチル)−N−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)アミン、N−トリエトキシシリルメチル−N−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−トリエトキシシリルブチル)−N−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−メチルジエトキシシリルメチル−N−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−N−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−N−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−ジメチルエトキシシリルメチル−N−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)−N−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−ジメチルエトキシシリルブチル)−N−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−トリエトキシシリルメチル−N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−トリエトキシシリルブチル)−N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、N−メチルジエトキシシリルメチル−N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、N−ジメチルエトキシシリルメチル−N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、N−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)−N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−ジメチルエトキシシリルブチル)−N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、N−トリエトキシシリルメチル−N−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−トリエトキシシリルブチル)−N−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−N−(3−ジメチルエトキシシシリルプロピル)アミン、N−ジメチルエトキシシリルメチル−N−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)アミン、N−(4−ジメチルエトキシシリルブチル)−N−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)アミン等が挙げられる。
【0016】
有機スルホニル基含有化合物としては、炭素数1以上の有機スルホニル基含有化合物が挙げられ、メタンスルホニル基含有化合物、パラトルエンスルホニル基含有化合物、ドデシルベンゼンスルホニル基含有化合物とそれらの誘導体等が挙げられるが、活性がより高いことからトリフルオロメタンスルホニル基含有化合物が好適に用いられる。メタンスルホニル基含有化合物としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホンアミド、アンモニウムトリフルオロメタンスルホナート等が挙げられ、具体的には、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸エチルエステル、トリフルオロメタンスルホン酸ブチルエステル、トリフルオロメタンスルホン酸トリフルオロエチルエステル、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルシリルエステル等のトリフルオロメタンスルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホンアミド、N−(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、1−(トリフルオロメタンスルホニル)イミダゾール等のトリフルオロメタンスルホンアミド、テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、テトラブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナート、ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート等のトリフルオロメタンスルホナートのイオン性含窒素化合物誘導体が挙げられる。一方、パラトルエンスルホニル基含有化合物としては、パラトルエンスルホン酸及びその誘導体が、ドデシルベンゼンスルホニル基含有化合物としては、ドデシルベンゼンスルホン酸及びその誘導体が挙げられる。
【0017】
本発明の製造方法で製造される上記一般式(2)の環状シラザン化合物中、R1〜R4及びnは上記一般式(1)で定義したとおりであり、上記一般式(2)を具体的に例示すると、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(トリメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(メチルジメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−メチルジメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(ジメチルメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−ジメチルメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(トリメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(メチルジメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(4−メチルジメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(ジメチルメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(4−ジメチルメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(トリメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(メチルジメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(4−メチルジメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(ジメチルメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(4−ジメチルメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(トリメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(メチルジメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(4−メチルジメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(ジメチルメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(4−ジメチルメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(トリメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(メチルジメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(4−メチルジメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(ジメチルメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(4−ジメチルメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(トリメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(メチルジメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(4−メチルジメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(ジメチルメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(3−ジメチルメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(4−ジメチルメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(トリエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(4−トリエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(メチルジエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(ジエチルメトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(4−ジメチルエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(トリエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(4−トリエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(メチルジエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(ジメチルエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(4−ジメチルエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(トリエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(4−トリエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(メチルジエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(ジメチルエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(4−ジメチルエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(トリエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(4−トリエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(メチルジエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(ジメチルエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(4−ジメチルエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、
2−エトキシ−2−メチル−1−(トリエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(4−トリエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(メチルジエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(ジメチルエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(4−ジメチルエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(トリエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(4−トリエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(メチルジエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(4−メチルジエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(ジメチルエトキシシリルメチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(3−ジメチルエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(4−ジメチルエトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン等が挙げられる。
【0018】
本発明の製造方法において、圧力は特に制限はないが、アルコールを留去しやすくするために減圧で行うほうが好ましい。圧力としては、10kPa以下、好ましくは5kPa以下である。なお、下限は通常0.01kPa以上である。
【0019】
本発明の製造方法において、反応温度は特に限定されず、室温下又は加熱下で行うことができる。適度な反応速度を得るためには加熱下で反応させることが好ましく、0〜200度、特に50〜200℃が好ましい。また、反応時間も特に限定されないが、1〜40時間、特に1〜20時間が好ましい。
【0020】
有機スルホニル基含有化合物の使用量は特に限定されないが、反応性、生産性の点から一般式(1)で示される化合物1モルに対し、0.01〜10モル、特に0.1〜5モルの範囲が好ましい。
【0021】
なお、上記反応は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が例示される。これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
【0022】
また、上記一般式(1)で示される有機ケイ素化合物を含む反応混合物からも同様に分子内環化反応を行い、上記一般式(2)で示される環状シラザン化合物を製造することが可能である。上記反応混合物は、下記一般式(3)
【化5】


(式中、R1、R3、R4及びnは上記一般式(1)で定義した通りである。)
で示されるアミノアルキルアルコキシシラン化合物と下記一般式(4)
【化6】


(式中、R2、R3、R4及びnは上記一般式(1)で定義した通りである。Xはハロゲン原子である。)
で示されるハロアルキルアルコキシシランを好ましくは温度80〜200℃で反応することで得られ、生成した塩酸塩を除去してもよい。
【0023】
なお、上記反応混合物を製造する際には、上記式(4)の化合物1モルに対し、上記式(3)の化合物0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルの割合で反応させることができる。
【0024】
本発明の製造方法によって得られる有機ケイ素化合物は、その目的品質に応じて、蒸留、ろ過、洗浄、カラム分離、固体吸着剤等の各種の精製法によって更に精製して使用することもできる。触媒等微量不純物を取り除き、高純度にするためには、蒸留による精製が好ましい。
【0025】
本発明の有機ケイ素化合物の用途は特に限定されるものではないが、具体的には、無機充填剤の表面処理、液状封止剤、鋳物用鋳型、樹脂の表面改質、高分子変性剤及び水系塗料の添加剤等を挙げることができる。この場合、本発明の有機ケイ素化合物に加え、本発明の効果を損なわない範囲であれば、顔料、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、pH調節剤、フィルム形成剤、帯電防止剤、抗菌剤、界面活性剤、染料等から選択される他の添加剤の1種以上を含有するものであってもよい。
【実施例】
【0026】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0027】
[実施例1]
温度計、コンデンサー、ディーンスターク、充填塔(内径20mm、長さ150mm、充填物:マクマホンパッキン)を備えたフラスコに、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン69g(0.20モル)とピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート0.48g(1モル%)を仕込み、0.6kPaにて加熱し、メタノールを深冷トラップにて捕集しながら5時間還流し、冷却後のフラスコ内反応物をガスクロマトグラフィーにて測定すると、生成した2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンとビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンの質量比は63:37であり、モル換算での分子内環化反応率は65%となった。引き続き蒸留することで、沸点129〜131℃/0.6kPaで無色透明の2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを50g得た。ケイ素基準の収率は80%であった。
【0028】
[実施例2]
ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナートの代わりに、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミドを0.73g(1モル%)用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。0.6kPaにて加熱し、メタノールを深冷トラップにて捕集しながら5時間還流し、冷却後のフラスコ内反応物をガスクロマトグラフィーにて測定すると、生成した2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンとビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンの質量比は53:47であり、モル換算での分子内環化反応率は55%となった。引き続き蒸留することで、沸点129〜131℃/0.6kPaで無色透明の2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを43g得た。ケイ素基準の収率は70%であった。
【0029】
[実施例3]
ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナートの代わりに、トリフルオロメタンスルホン酸を0.30g(1モル%)用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。0.6kPaにて加熱し、メタノールを深冷トラップにて捕集しながら5時間還流し、冷却後のフラスコ内反応物をガスクロマトグラフィーにて測定すると、生成した2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンとビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンの質量比は51:49であり、モル換算での分子内環化反応率は53%となった。引き続き蒸留することで、沸点129〜131℃/0.6kPaで無色透明の2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを44g得た。ケイ素基準の収率は71%であった。
【0030】
[実施例4]
ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナートの代わりに、テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナートを0.56g(1モル%)用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。0.6kPaにて加熱し、メタノールを深冷トラップにて捕集しながら5時間還流し、冷却後のフラスコ内反応物をガスクロマトグラフィーにて測定すると、生成した2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンとビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンの質量比は44:56であり、モル換算での分子内環化反応率は46%となった。引き続き蒸留することで、沸点129〜131℃/0.6kPaで無色透明の2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを55g得た。ケイ素基準の収率は88%であった。
【0031】
[実施例5]
ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナートの代わりに、1−エチルー3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホナートを0.52g(1モル%)用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。0.6kPaにて加熱し、メタノールを深冷トラップにて捕集しながら5時間還流し、冷却後のフラスコ内反応物をガスクロマトグラフィーにて測定すると、生成した2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンとビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンの質量比は40:60であり、モル換算での分子内環化反応率は42%となった。引き続き蒸留することで、沸点129〜131℃/0.6kPaで無色透明の2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを54g得た。ケイ素基準の収率は87%であった。
【0032】
[実施例6]
ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナートの代わりに、ドデシルベンゼンスルホン酸を0.66g(1モル%)用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。0.6kPaにて加熱し、メタノールを深冷トラップにて捕集しながら5時間還流し、冷却後のフラスコ内反応物をガスクロマトグラフィーにて測定すると、生成した2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンとビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンの質量比は32:68であり、モル換算での分子内環化反応率は34%となった。引き続き蒸留することで、沸点129〜131℃/0.6kPaで無色透明の2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを42g得た。ケイ素基準の収率は68%であった。
【0033】
[実施例7]
撹拌機、還流器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン188g(1.1モル)を仕込み、3−クロロプロピルトリメトキシシラン70g(0.35モル)を120±5℃で5時間かけて滴下し、その温度で2時間撹拌した。塩酸塩を除去することで、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンを含む反応混合物が得られた。温度計、コンデンサー、ディーンスターク、充填塔(内径20mm、長さ150mm、充填物:マクマホンパッキン)を備えたフラスコに、上記反応混合物とトリフルオロメタンスルホン酸0.5g(1モル%)を仕込み、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランを留去後、0.6kPaにて加熱し、メタノールを深冷トラップにて捕集しながら5時間還流し、冷却後のフラスコ内反応物をガスクロマトグラフィーにて測定すると、生成した2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンとビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンの質量比は51:49であり、モル換算での分子内環化反応率は53%となった。引き続き蒸留することで、沸点129〜131℃/0.6kPaで無色透明の2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを75g得た。ケイ素基準の収率は70%であった。
【0034】
[比較例1]
ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナートの代わりに、安息香酸を0.24g(1モル%)用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。0.6kPaにて加熱し、メタノールを深冷トラップにて捕集しながら5時間還流し、冷却後のフラスコ内反応物をガスクロマトグラフィーにて測定すると、生成した2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンとビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンの質量比は30:70であり、モル換算での分子内環化反応率は32%となった。引き続き蒸留することで、沸点129〜131℃/0.6kPaで無色透明の2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンを39g得た。ケイ素基準の収率は63%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】


(式中、R1は炭素数1〜6の非置換又は置換の2価炭化水素基であり、炭素原子の1個以上がN、O又はSで置き換えられていてもよい。R2は炭素数3〜6の非置換又は置換の2価炭化水素基であり、炭素原子の1個以上がN、O又はSで置き換えられていてもよい。R3及びR4は炭素数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
で示される有機ケイ素化合物を、炭素数1以上の有機スルホニル基含有化合物の存在下で分子内環化させることを特徴とする下記一般式(2)
【化2】


(式中、R1、R2、R3、R4及びnは上記一般式(1)で定義した通りである。)
で示される環状シラザン化合物の製造方法。
【請求項2】
減圧下でアルコールを留去しながら製造することを特徴とする請求項1記載の環状シラザン化合物の製造方法。
【請求項3】
有機スルホニル基含有化合物がトリフルオロメタンスルホニル基含有化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の環状シラザン化合物の製造方法。
【請求項4】
トリフルオロメタンスルホニル基含有化合物として、イオン性含窒素化合物誘導体を用いることを特徴とする請求項3記載の環状シラザン化合物の製造方法。
【請求項5】
トリフルオロメタンスルホニル基含有化合物として、ビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド化合物を用いることを特徴とする請求項3記載の環状シラザン化合物の製造方法。
【請求項6】
トリフルオロメタンスルホニル基含有化合物として、トリフルオロメタンスルホン酸を用いることを特徴とする請求項3記載の環状シラザン化合物の製造方法。
【請求項7】
一般式(1)中、R1、R2が炭素数3であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の環状シラザン化合物の製造方法。

【公開番号】特開2011−162500(P2011−162500A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28647(P2010−28647)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】