説明

生ごみ処理装置および生ごみ処理装置を備えた流し台

【課題】単機種のディスポーザーで自動給水方式、または手動給水方式いずれにも対応できる生ごみ処理装置を提供する。
【解決手段】ディスポーザー3と、そのディスポーザー3を制御する制御部10と、給水管14の途中に選択的に取り付けられた自動給水装置15と、その自動給水装置15の有無を検知するための検知センサー18とを具備し、制御部10は、検知センサー18が自動給水装置15を検知するとディスポーザー3の始動前に給水を先行させ、停止後に所定時間給水停止を遅らせる制御モードとし、検知センサー18が自動給水装置15を検知しなかった場合は、ディスポーザー3のみを単独で駆動させる制御モードとするようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ごみを水と共に粉砕処理する生ごみ処理装置および同生ごみ処理装置を備えた流し台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般家庭やレストラン等で発生する生ごみを処理するために、流し台にディスポーザーを備えた生ごみ処理装置が急速に普及している。台所や厨房等で手軽に生ごみを処理することが可能で、かつ処理後の生ごみ搬出等の手間がかからないからである。
【0003】
しかしながら、ディスポーザーへの給水は使用者が給水管に設置された水栓を手動で開閉(手動給水方式)することで行わなければならないために、操作に手間がかかったり、生ごみ処理装置の操作に不慣れ等の理由により、水栓を閉め忘れて水を浪費してしまったり、逆に給水が不充分な場合はディスポーザー内に生ごみが残留して悪臭が発生したり、さらに排水管の勾配が小さい場合は配管内に生ごみが詰まったりする等の問題があった。
【0004】
そこで、ディスポーザーへの給水は給水制御方式(自動給水方式)による必要がある。必要な給水を自動給水により確実に行い、ディスポーザー内に生ごみが残留したり配管内に生ごみが詰まることを防止でき、さらに水栓の閉め忘れによる水の浪費がないためである。
【0005】
従来の自動給水方式の生ごみ処理装置では、給水制御手段として、給水管に設置された電動弁や電磁弁の開閉を、CPU(中央演算処理装置)やタイマー等で制御して給水を行う生ごみ処理装置が開発された(例えば特許文献1参照)。
【0006】
自動給水方式の生ごみ処理装置においては、運転スイッチがオンにされると、まず自動給水が先行し、その後ディスポーザーを駆動させて生ごみを粉砕し、運転スイッチがオフにされると、ディスポーザーを停止させ、遅れて自動給水を停止させる制御になっている。
【0007】
この生ごみ処理装置を用いると、ディスポーザーへの給水は使用者が水栓を手動で開閉することなく行うことが出来るため、操作に手間がかかったり、生ごみ処理装置の操作に不慣れ等の理由が有る場合でも、水栓を閉め忘れて水を浪費してしまったり、逆に給水量が不足してディスポーザー内に生ごみが残留して悪臭が発生することもなく、さらに排水管の勾配が小さい場合でも、排水管内に生ごみが詰まったりすることがない等の利点がある。
【0008】
しかし、自動給水方式による生ごみ処理装置を用いた場合、ディスポーザーへの給水は常時自動で行われることになる。このため、生ごみ処理装置の操作に習熟した使用者や、排水管の勾配が大きい設置場所の使用者からは、使用者自らが水栓を手動で開閉することで給水可能な手動給水方式の生ごみ処理装置を望む場合も非常に多い。
【0009】
これに対し、生ごみ処理装置の運転スイッチにおいて自動給水方式と手動給水方式を選択できるものも開発されている(例えば特許文献2参照)。この生ごみ処理装置では、運転スイッチが自動給水モードと手動給水モードの2つあり、いずれかを選択することで、ディスポーザーへの給水を自動給水方式または手動給水方式にて行うことができる。
【特許文献1】特開平9−155218号公報
【特許文献2】特開2002−1150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記従来技術の特許文献1で取り上げた生ごみ処理装置では、ディスポーザーへの給水が常時自動給水方式であるため、使用者が手動給水方式を望んだとしても対応することが出来なかった。また給水制御手段を使用せず、手動で開閉できる水栓を設置したとしても、生ごみ処理装置の制御は自動給水方式のままであるため、運転を開始した時に、自動給水が先行して行われる間はディスポーザーが駆動されず、使用者は待機しなければならないために利便性を欠いていた。
【0011】
これに対し、前記従来技術の特許文献2で取り上げた生ごみ処理装置では、手動給水方式で使用したい場合は、手動給水モードの運転スイッチを選択することで、生ごみ処理装置の運転開始直後からディスポーザーを駆動させることが出来るが、複数の運転スイッチが必要であり、仮に手動給水方式しか使用しない場合でも給水制御手段は設置されたままであるため、装置が複雑になり小型化への対応が困難になるのが現状である。
【0012】
従って、使用者が手動給水方式を望む場合は、専用の生ごみ処理装置を設置することが望ましいが、そうなると各方式それぞれに対応したディスポーザーが必要となってしまい、機種の共用化が図れないため、装置のコストアップにつながってしまうことになる。
【0013】
本発明はこのような従来の課題を解決したもので、複数の運転スイッチを別に設けることなく、小型の装置が構成でき、かつ単機種のディスポーザーで自動給水方式または手動給水方式、いずれの場合にも対応できる生ごみ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記目的を達成するために、ディスポーザーと、前記ディスポーザーを制御する制御部と、給水管の途中に選択的に取り付けられた給水制御手段と、前記給水制御手段の有無を検知するための検知センサーとを具備し、前記制御部は、前記検知センサーが給水制御手段を検知すると前記ディスポーザーの始動前に給水を先行させ、前記ディスポーザーの停止後に所定時間給水停止を遅らせる制御モードとし、前記検知センサーが給水制御手段を検知しなかった場合は、前記ディスポーザーのみを単独で駆動させる制御モードとするようにしたものである。
【0015】
この構成により、複数の運転スイッチを別に設けることなく、かつ単機種のディスポーザーで自動または手動給水方式いずれにも対応できる生ごみ処理装置を提供できるという作用が達成できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の運転スイッチを別に設ける必要がなく、手動給水方式の場合は給水制御手段が設置不用のため小型の装置が構成でき、かつ単機種のディスポーザーのみで自動または手動給水方式いずれにも対応できるため、低価格の生ごみ処理装置を提供できるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明においては、ディスポーザーと、前記ディスポーザーを制御する制御部と、給水管の途中に選択的に取り付けられた給水制御手段と、前記給水制御手段の有無を検知するための検知センサーとを具備し、前記制御部は、前記検知センサーが給水制御手段を検知すると前記ディスポーザーの始動前に給水を先行させ、前記ディスポーザーの停止後に所定時間給水停止を遅らせる制御モードとし、前記検知センサーが給水制御手段を検知しなかった場合は、前記ディスポーザーのみを単独で駆動させる制御モードとするようにしたものである。
【0018】
これにより、複数のスイッチを別に設ける必要がなく、手動給水方式の場合は給水制御手段が設置不用のため小型の装置が構成でき、かつ単機種のディスポーザーのみで自動または手動給水方式いずれにも対応できるため、低価格の生ごみ処理装置を提供できるという効果が得られる。
【0019】
また、ディスポーザーは給水制御手段の電源がオンの場合のみ駆動できるように設定してもよい。この場合は、給水制御手段が設置されているにもかかわらず、その電源がオフにされている場合は、ディスポーザーが駆動されないようにすることで、給水が無いにもかかわらずディスポーザーが駆動されることを防げるので、ディスポーザー内に生ごみが残留したり配管内に生ごみが詰まったりすることがない。
【0020】
また、検知センサーは、給水制御手段の電源のオンまたはオフを検知するものであって、給水制御手段の有無の判断を確実に行い、給水制御手段が有る場合と無い場合の制御モードの切換えを正確に行うようにしてもよい。
【0021】
また検知センサーとしては、例えば、オプトアイソレーター(フォトカプラ)を用いたもの、光酸化金属半導体電界効果トランジスター(光MOSFET)を用いたもの、赤外線受発光部を用いたもの、或いは電波受発信部を用いたものなどが考えられる。
【0022】
そして上記生ごみ処理装置を流し台に組込むようにすれば、厨房での使い勝手を大いに高めることが出来る。
【実施例】
【0023】
以下本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1に示すように、一般家庭やレストラン等の調理場に設置されているステンレスや人工大理石等からなる流し台1があり、その水槽の排水口2には、ディスポーザー3が吊り下げて取りつけられている。
【0024】
ディスポーザー3の最上部であって排水口2の内側にある生ごみ投入口4には、生ごみ投入口4の蓋とディスポーザー3の運転スイッチを兼ねる金属やABS等の樹脂からなるスイッチ5が着脱可能に取りつけられていて、生ごみ投入口4の下方、すなわちディスポーザー内には、モーター6が内蔵され、そのモーター6の上側には、生ごみ投入口4から投入された生ごみを、水とともに粉砕処理する粉砕刃7が、モーター6に回転自在に取りつけられている。
【0025】
ディスポーザー3の中央付近側面には、粉砕刃7で粉砕された生ごみをディスポーザー3外に排出する排出管8が接続されていて、その排出管8は床下に埋設され、排水方向に1/100以上の下り勾配が付された排水管9に接続されている。
【0026】
ディスポーザー3の下部側面には、中央演算処理装置(CPU)を内蔵した制御部10が取りつけられていて、さらにその制御部10の下側には、電源コード11と、入力部12と、出力部13が取りつけられている。
【0027】
また、流し台1には、ディスポーザー3に給水する給水管14が取りつけられており、その給水管14の吐水口は、生ごみ投入口4の上方より下向きになっている。
【0028】
流し台1内の給水管14途中には、自動給水装置15が取りつけられていて、その自動給水装置15には、電磁弁や電動弁等の自動バルブ16が内蔵されており、ディスポーザー3への給水を制御できるようにしている。
【0029】
自動給水装置15には、電源コード17と、自動給水装置15の有無を検知する検知センサー18と、自動給水装置15への出力信号を送信する送信ケーブル19が取りつけられていて、送信ケーブル19は、制御部10の出力部13に接続されている。
【0030】
検知センサー18には、リードスイッチやホールIC等の磁気センサーが用いられるが、その検知センサー18には、自動給水装置15が有ることを制御部10に入力送信するための送信ケーブル20が設置されていて、その送信ケーブル20は、制御部10の入力部12に接続されている。
【0031】
次に、図2は先の自動給水装置15がなく、手動給水方式としたもので、給水管14の途中に手動で開閉可能な手動バルブ21が設置されている。またこの手動給水方式の場合は勾配が大きい(1/50以上)排水管22が取りつけられている。
【0032】
以上の構成において、本実施例1における生ごみ処理装置の動作を図1から図5を用いて説明する。
【0033】
まず自動給水装置15が有る場合は、自動給水装置15が有ることを検知センサー18が検知し、その検知した結果を送信ケーブル20を用いて入力部12から制御部10へ入力送信する。入力送信を受けた制御部10は、自動給水方式の制御モードへ切換えを行う(ステップST1のY)。
【0034】
次に、スイッチ5を生ごみ投入口4より取り外し、生ごみを生ごみ投入口4よりディスポーザー3内へ投入して、スイッチ5を生ごみ投入口4へ取りつけた後、スイッチ5をオンにすると、制御部10は出力部13から送信ケーブル19を通じて自動給水装置15へ自動バルブ16を開くよう出力送信する(ステップST2)。
【0035】
ここで、図4に示すように、スイッチ5を生ごみ投入口4に取りつけた状態では、スイッチはオフになっており、図5に示すように、スイッチ5のツマミ23をオンの位置まで回転させることで、スイッチ5がオンになる。給水は、スイッチ5に設けられたスリット24を通って、ディスポーザー3内に流れ込むようになっている。
【0036】
自動給水装置15が制御部10からの出力送信を受けると、自動バルブ16が開き給水管14よりディスポーザー3へ給水する(ステップST3)。
【0037】
自動バルブ16が開いてから一定時間(図3中の時間T1)が経過すると、制御部10はモーター6へ出力送信を行い、モーター6が始動し粉砕刃7が回転することでディスポーザー3が駆動され、生ごみが水とともに粉砕処理される(ステップST4)、(ステップST5)。
【0038】
水とともに粉砕された生ごみは、ディスポーザー3より排出管8へ排出された後、床下に設置された排水管9を流れて流し台1外に排水される。
【0039】
使用者が生ごみ粉砕完了を判断して、スイッチ5をオフにすると、直ちに制御部10がモーター6への出力送信を停止し、モーター6が停止することで粉砕刃7の回転も停止してディスポーザー3が停止する(ステップST6)、(ステップST8)。
【0040】
また、使用者がスイッチ5をオフにしない場合でも、モーター6の加熱防止のため、ディスポーザー駆動より一定時間(図3中の時間T2)が経過すると、制御部10がモーター6への出力送信を停止して、ディスポーザー3が停止する(ステップST7)。
【0041】
ディスポーザー3が停止した後も給水は継続されているが、ディスポーザー3が停止してから一定時間(図3中の時間T3)が経過すると、制御部10が自動給水装置15への出力送信を停止して、自動バルブ16が閉じられることで給水が停止し、生ごみ処理装置の運転が終了する(ステップST9)、(ステップST10)。
【0042】
一方、自動給水装置15が無い場合は、検知センサー18から制御部5への入力送信がないため、制御部10は手動給水方式の制御モードへ切換えを行う(ステップST1のN)。
【0043】
次に、スイッチ5を生ごみ投入口4より取り外し、生ごみを生ごみ投入口4よりディスポーザー3内へ投入して、スイッチ5を生ごみ投入口4へ取りつけた後、使用者自らが手動バルブ21を開くと給水管14からディスポーザー3へ給水する。スイッチ5をオンにすると、制御部10はモーター6へ出力送信を行い、モーター6が始動し粉砕刃7が回転することでディスポーザーが駆動され、生ごみが水とともに粉砕処理される(ステップST11)、(ステップST12)。
【0044】
スイッチ5の操作は、自動給水方式の場合と同一であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0045】
水とともに粉砕された生ごみは、ディスポーザー3より排出管8へ排出された後、床下に設置された排水管22を流れて流し台1外に排水される。
【0046】
使用者が生ごみ粉砕完了を判断して、スイッチ5をオフにすると、直ちに制御部10がモーター6への出力送信を停止し、モーター6が停止することで粉砕刃7の回転も停止してディスポーザー3が停止する(ステップST13)、(ステップST15)。
【0047】
また、使用者がスイッチ5をオフにしない場合でも、モーター6の加熱防止のため、ディスポーザー駆動より一定時間(図3中の時間T2)が経過すると、制御部10がモーター6への出力信号を停止して、ディスポーザー3が停止する(ステップST14)。
【0048】
以上のように本実施例1によれば、上記の構成により制御部10において自動給水装置15の有無を判断して、その有無に対応した制御モードへの切換えを行うため、複数のスイッチを必要とせず、小型の生ごみ処理装置を提供できる。
【0049】
次に図1のように自動給水装置15が有る場合は、自動給水方式の制御モードにより生ごみを粉砕するために必要な水を供給することができ、さらにディスポーザー3が停止した後も給水を継続するため、ディスポーザー3や勾配の小さい排水管9内に粉砕された生ごみが滞留することがなく、ディスポーザー3内に滞留した生ごみによる臭気の発生や、排水管9が閉塞することがないので、常時しかも快適に生ごみ処理装置を使用することができる。
【0050】
一方、図2のように自動給水装置15が無い場合は、手動給水方式の制御モードによりスイッチ5をオンしてからすぐにディスポーザー3を使用することができる上に、使用者が生ごみ処理装置の操作に習熟していたり、排水管22の勾配が大きいため、自動給水装置15が有る場合と同様に、ディスポーザー3内に滞留した生ごみによる臭気の発生や、排水管22が閉塞することがないので、常時しかも快適に生ごみ処理装置を使用することができる。
【0051】
さらに自動給水装置15が有無いずれの場合も、何らの変更や追加をすることもなく、同機種のディスポーザー3をそのまま使用することができるため、ディスポーザー3のラインナップ削減によるコスト削減効果が得られ、安価な生ごみ処理装置を提供することができる。
(実施例2)
図6に示すように、制御部10は、自動給水装置15の電源のオンまたはオフを検知センサー18で検知して、その自動給水装置15の有無を判断している。つまり、自動給水装置15の電源のオンを検知センサー18が検知し、その検知結果を送信ケーブル20を用いて入力部12から制御部10へ入力送信する。
【0052】
入力送信を受けた制御部10は、自動給水方式の制御モードへ切換えを行う。以後の動作については、実施例1の自動給水方式と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0053】
図7から分かるように、手動給水方式の場合は図6における自動給水装置15と、検知センサー18と、送信ケーブル19と、送信ケーブル20が設置されていないため、制御部10への入力送信がなく、制御部10は手動給水方式の制御モードへ切換えを行う。以後の動作については、実施例1の手動給水方式と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0054】
以上のように本実施例2によれば、上記の構成により自動給水装置15の電源のオンまたはオフを検知センサー18で検知して制御部10に入力送信し、制御部10において自動給水装置15の有無を判断して、その有無に対応した制御モードへの切換えを行うことにより、自動給水装置15の有無の判断を確実に行うことができるので、高品質で信頼性の高い生ごみ処理装置を提供することができる。
(実施例3)
図8および図9において、実施例1および実施例2と異なる点は、制御部10に取りつけられている入力部25が、送信ケーブル20の接続を検知して制御部10に入力送信できること、制御部10にブザー26が取り付けられていること、制御部10が必要に応じてブザー26を作動させることができることで、生ごみを水と共に粉砕処理するという生ごみ処理装置の原理については実施例1および実施例2と同様である。
【0055】
入力部25には、一部がショートしたコネクター等を用いることで、送信ケーブル20の接続を検知し、制御部10に入力送信することができる。
【0056】
以上の構成において、本実施例3における生ごみ処理装置の動作を図8から図10を用いながら説明する。
【0057】
まず自動給水方式の場合は、自動給水装置15の電源がオンの時は、実施例1および実施例2と同一であるためここでは詳細な説明は省略する。(ステップST1からステップST10)。
【0058】
自動給水装置15の電源がオフの時は、検知センサー18から制御部10への入力送信がないが、送信ケーブル20が入力部25に接続されているため、その送信ケーブル20の接続が入力部25から制御部10へ入力送信され、制御部10は自動給水装置15が有るにもかかわらず、その電源がオフのために作動できないと判断し、自動給水方式(電源オフ)の制御モードへ切換えを行う(ステップST1)、(ステップST16のY)。
【0059】
この状態でスイッチ5をオンにすると、ブザー26を作動させて、使用者に対し自動給水装置が作動不可能であることを通知する(ステップST17)、(ステップST18)。
【0060】
その後スイッチ5をオフにすると、ブザー26を停止させる(ステップST20)。
【0061】
自動給水方式(電源オフ)の制御モードではディスポーザー3は駆動されることはない。
【0062】
手動給水方式の場合は、実施例1および実施例2と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0063】
このように本実施例3によれば、自動給水方式の場合であっても、その電源がオフの場合は、自動給水装置15が作動できないと判断して、ブザー26により使用者に通知し、かつディスポーザー3を駆動させないように制御モードを切換えるため、給水がないにもかかわらず生ごみが粉砕されることがなく、ディスポーザー3内に粉砕された生ごみが残留して悪臭が発生したり、排水管9内に粉砕された生ごみが詰まったりすることがないので、安心して快適に生ごみ処理装置を使用することができる。
(実施例4)
図11において検知センサー18には、オプトアイソレーター(フォトカプラ)27が使用されており、そのフォトカプラ27はLED28とフォトトランジスター29を内蔵している。
【0064】
フォトカプラ27は、一方を自動給水装置15と、他方を検知センサー18の出力部30に接続されており、その出力部30は送信ケーブル20により制御部10の入力部12に接続され、さらに制御部10内に配置されているCPU31と、抵抗1を介して制御用電源32と、抵抗2を介してアースに接続されている。
【0065】
CPU31は、抵抗3を介して制御部10内のトランジスター33と、同じく制御部10内のモーター駆動回路(モータードライバー)34に接続されている。
【0066】
トランジスター33は、抵抗4を介して制御電源32と、制御部10の出力部13に接続されていて、出力部13からは、送信ケーブル19によって自動給水装置15と、制御部10内の抵抗5を介してアースに接続されている。
【0067】
モータードライバー34は、制御部10内のモーター駆動用電源35と、同じく制御部10内の抵抗6を介してアースと、モーター6に接続されている。制御部10内の抵抗1から6は、いずれも電流制限用として取り付けられている。
【0068】
以上のように構成された本実施例5について、図11を用いながら説明する。
【0069】
自動給水装置15の電源がオンの場合、フォトカプラ27へ電流が流れ、LED28が発光し、それに応じてフォトトランジスター29がオンになると、制御電源32より電流が流れ、出力部30から送信ケーブル20により、入力部12からCPU31へ入力送信される。LED28とフォトトランジスター29により自動給水装置15と制御部10は完全に絶縁されている。
【0070】
入力送信を受けたCPU31は自動給水方式の制御モードへ切換えを行う。この制御モードにより給水を行う時は、CPU31からトランジスター33へ出力送信し、そのトランジスター33がオンされると、出力部13から送信ケーブル19により、自動給水装置15に出力送信し、自動給水装置15が駆動されて給水を行う。
【0071】
また、モーター6を駆動する時は、CPU31からモータードライバー34へ出力送信し、モーター駆動用電源35より電流が流れてモーター6に出力送信することにより、モーター6が駆動される。自動給水方式の制御モードにおける動作は、実施例1と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0072】
このように本実施例5によれば、検知センサー18にフォトカプラ27を用いることで、自動給水装置15と制御部10が完全に絶縁されており、また自動給水装置15の電源の検知を確実に行うことができるので、高品質で信頼性の高い生ごみ処理装置を提供することができる。
(実施例5)
図12において、実施例4と同一の構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0073】
本実施例5が実施例4と異なる点は、検知センサー18に光酸化金属半導体電界効果トランジスター(光MOSFET)36を用いていることであり、検知センサー18において自動給水装置15の電源を検知するという原理については、実施例4と同一である。光MOSFET36内には、LED37とFET38が設置されている。
【0074】
以上のように構成された本実施例5について、図12を用いながら説明する。
【0075】
自動給水装置15の電源がオンの場合、光MOSFET36へ電流が流れ、LED37が発光し、それに応じてFET38がオンになると、制御電源32より電流が流れ、出力部30から送信ケーブル20により、入力部12からCPU31へ入力送信される。LED37とFET38により自動給水装置15と制御部10は完全に絶縁されている。
【0076】
入力送信を受けたCPU31は自動給水方式の制御モードへ切換えを行う。以後の動作は、実施例4と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0077】
このように本実施例5によれば、検知センサー18に光MOSFET36を用いることで、自動給水装置15と制御部10が完全に絶縁されており、また自動給水装置15の電源の検知を確実に行うことができるので、高品質で信頼性の高い生ごみ処理装置を提供することができる。
(実施例6)
図13において、実施例4と同一の構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0078】
図16において検知センサー18内には、検知センサー側の赤外線受発光部39が取り付けられており、その赤外線受発光部39は自動給水装置15と制御電源40に接続されている。
【0079】
制御部10内には、制御部側の赤外線受発光部41が取りつけられており、その赤外線受発光部511はCPU31と、制御電源32に接続されている。CPU31は、モータードライバー34に接続されており、そのモータードライバー34は制御用電源32と、モーター駆動用電源34と、モーター6に接続されている。
【0080】
赤外線受発光部39と41は、互いが発光した赤外線を受光できるように、それぞれ配置されている。
【0081】
以上のように構成された本実施例6について、図13を用いながら説明する。
【0082】
自動給水装置15の電源のオンを、赤外線受発光部39が検知すると赤外線が発光し、赤外線受発光部41がその赤外線を受光して、CPU31へ入力送信する。自動給水装置15と制御部10は有線接続されていないため、完全に絶縁されている。
【0083】
入力送信を受けたCPU31は自動給水方式の制御モードへ切換えを行う。この制御モードにより給水を行う時は、CPU31から赤外線受発光部41へ出力送信し、その赤外線受発光部41の赤外線が発光して、赤外線受発光部39がその赤外線を受光すると、自動給水装置15に出力送信し、自動給水装置15が駆動されて給水を行う。
【0084】
またモーター6を駆動する時は、実施例4と同一であり、自動給水方式の制御モードにおける動作は、実施例1と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0085】
このように本実施例6によれば、赤外線受発光部39および41を用いることで、自動給水装置15と制御部10が完全に絶縁されており、また自動給水装置15の電源の検知を確実に行うことができるので、高品質で信頼性の高い生ごみ処理装置を提供することができる。また赤外線受発光部39および41による無線送信を行うことで、流し台内における生ごみ処理装置のレイアウトを自由に行うことができる。
(実施例7)
図14において、実施例6と同一の構成部分については同一符号を付しその詳細な説明は省略する。
【0086】
本実施例7が実施例6と異なる点は、検知センサー18内に検知センサー側の電波受発信部42とアンテナ43が取りつけられていることと、制御部10に制御部側の電波受発信部44とアンテナ45が取りつけられていることであり、検知センサー18と制御部10が無線通信されているという原理については、実施例6と同一である。
【0087】
以上のように構成された本実施例7について、図14を用いながら説明する。
【0088】
自動給水装置15の電源のオンを、電波受発信部42が検知すると、アンテナ43より電波が発信され、その電波をアンテナ45で受信すると、電波受発信部44よりCPU31へ入力送信する。自動給水装置15と制御部10は有線接続されておらず、完全に絶縁されている。
【0089】
入力送信を受けたCPU31は自動給水方式の制御モードへ切換えを行う。この制御モードにより給水を行う時は、CPU31から電波受発信部44へ出力送信し、アンテナ45より電波が発信され、アンテナ43がその電波を受信すると、電波受発信部42から自動給水装置15に出力送信し、自動給水装置15が駆動されて給水を行う。
【0090】
またモーター6を駆動する時は、実施例6と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0091】
このように本実施例7によれば、電波受発信部42および44を用いることで、自動給水装置15と制御部10が完全に絶縁されており、また自動給水装置15の電源の検知を確実に行うことができるので、高品質で信頼性の高い生ごみ処理装置を提供することができる。また電波受発信部42および44による無線送信を行うことで、流し台内において生ごみ処理装置のレイアウトを自由に行うことができる。
【0092】
なお、以上の実施例において、図1、図2および図8における給水管14は、流し台1上方よりディスポーザー3に給水するようになっているが、本発明はこれに限定せず、例えば給水管14をディスポーザー3に直接接続して給水する構成としても良い。
【0093】
制御部10は、ディスポーザー3に取りつけられているが、例えばディスポーザー3とは別の場所に取りつけても良いし、自動給水装置15に取りつけても良い。
【0094】
検知センサー18は、自動給水装置15の近くに設置されているが、自動給水装置15の有無が検知できる場所であれば、例えばディスポーザー3の近くや、ディスポーザー3または制御部10に直接取りつけても良い。
【0095】
図1、図2および図8においては図示していないが、排出管8には排水管9または22内の臭気が生ごみ投入口4に逆流することを防ぐために、例えば封水方式のトラップ等を設置しても良い。
【0096】
図4および図5においては、スイッチ5のオフからオンへの移動を右回りの回転方向としているが、限定しない。
【0097】
また、使用者の安全を図るためにスイッチ5のオン、すなわち生ごみ処理装置の運転状態においては、使用者の手が誤って生ごみ投入口4よりディスポーザー3内へ入らないようにするため、スイッチ5および生ごみ投入口4にロック機構を設けておき、スイッチ5がオンの時は、スイッチ5が取り外せないようにしておく方が良い。
【0098】
図3および図10の自動給水方式において、スイッチ5がオンになってから自動給水装置15の自動バルブ16が開くまでの時間については特に示してしていないが、スイッチ5のオン後直ちに開いても良いし、スイッチ5のオンより一定時間後、例えば1から3秒後程度、好ましくは2秒後程度で開くようにしても良い。
【0099】
手動給水方式において、スイッチ5がオンになってからディスポーザー3が駆動されるまでの時間については特に示していないが、スイッチオン後直ちに駆動されても良いし、スイッチオンより一定時間後、例えば1から3秒後程度、好ましくは2秒後程度に駆動されるようにしても良い。
【0100】
時間T1についても特に示していないが、3秒から7秒程度、好ましくは5秒程度であることが望ましく、時間T2については、1分から3分程度、好ましくは1分から1分30秒程度で、さらに時間T3については、5秒から10秒程度、好ましくは7から8秒程度であることが望ましい。
【0101】
自動給水方式の給水流量は毎分8から10リットル程度、好ましくは毎分9リットル程度であることが望ましい。
【0102】
図8、図9および図10において、自動給水装置15の電源がオフの場合、その自動給水装置15の駆動が不可能であることを使用者に通知する方法としてブザーを用いているが、本発明はこれに限定せず、例えば流し台1の外側であって使用者が見やすい位置にLED等のランプを設置し、自動給水方式(電源オフ)の制御モードにおいてスイッチ5をオンにしたときは、前記ランプを点灯または点滅させるようにしても良い。また前記ランプの代りにに液晶表示等により使用者への通知を行っても良い。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上のように本発明の生ごみ処理装置は、安価で小型の装置が簡易に構成できるところから、例えば使用者が生ごみ処理装置の運転操作に習熟した後は、自動給水装置を手動給水できる給水バルブに変更することで、自動給水装置に必要な電力を節約したり、また、ひとつの集合住宅等において生ごみ処理装置の運転操作に習熟した使用者と未習熟の使用者が共存しているような場合は、使用者の希望により手動給水方式、または自動給水方式いずれかの生ごみ処理装置を選択できる等の利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】実施例1に示す自動給水方式の生ごみ処理装置の全体構成を示す概略構成図
【図2】実施例1に示す手動給水方式の生ごみ処理装置の全体構成を示す概略構成図
【図3】実施例1に示す生ごみ処理装置の動作のフローチャート
【図4】実施例1のスイッチのオフ状態を示す説明図
【図5】実施例1のスイッチのオン状態を示す説明図
【図6】実施例2に示す自動給水方式の生ごみ処理装置の回路構成の概略を示すブロック図
【図7】実施例2に示す手動給水方式の生ごみ処理装置の回路構成の概略を示すブロック図
【図8】実施例3に示す自動給水方式の生ごみ処理装置の全体構成を示す概略構成図
【図9】実施例3に示す自動給水方式の生ごみ処理装置の回路構成の概略を示すブロック図
【図10】実施例3に示す生ごみ処理装置の動作のフローチャート
【図11】実施例4に示す自動給水方式の生ごみ処理装置の制御回路図
【図12】実施例5に示す自動給水方式の生ごみ処理装置の制御回路図
【図13】実施例6に示す自動給水方式の生ごみ処理装置の制御回路図
【図14】実施例7に示す自動給水方式の生ごみ処理装置の制御回路図
【符号の説明】
【0105】
1 流し台
3 ディスポーザー
5 スイッチ
6 モーター
9、22 排水管
10 制御部
11、17 電源コード
12、25 入力部
13 出力部
14 給水管
15 自動給水装置
16 自動バルブ
18 検知センサー
19、20 送信ケーブル
21 手動バルブ
27 オプトアイソレーター(フォトカプラ)
36 光酸化金属半導体電解効果トランジスター(光MOSFET)
39,41 赤外線受発光部
42、44 電波受発信部





【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスポーザーと、前記ディスポーザーを制御する制御部と、給水管の途中に選択的に取り付けられた給水制御手段と、前記給水制御手段の有無を検知するための検知センサーとを具備し、前記制御部は、前記検知センサーが給水制御手段を検知すると前記ディスポーザーの始動前に給水を先行させ、前記ディスポーザーの停止後に所定時間給水停止を遅らせる制御モードとし、前記検知センサーが給水制御手段を検知しなかった場合は、前記ディスポーザーのみを単独で駆動させる制御モードとするようにした生ごみ処理装置。
【請求項2】
ディスポーザーは給水制御手段の電源がオンの場合のみ駆動できるように設定した請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項3】
検知センサーは、給水制御手段の電源のオンまたはオフを検知する請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項4】
検知センサーは、オプトアイソレーターで構成された請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項5】
検知センサーは、光酸化金属半導体電界効果トランジスターで構成された請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項6】
検知センサーは、赤外線受発光部で構成された請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項7】
検知センサーは、電波受発信部で構成された請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の生ごみ処理装置を備えた流し台。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−102348(P2006−102348A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−295941(P2004−295941)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】