説明

生ゴミ処理機と生ゴミ処理システム

【課題】一般家庭でも簡単容易に生ゴミを地中で直接発酵分解処理ができる安価な設備を広く普及させるための生ゴミ処理機と生ゴミ処理システムの提供。
【解決手段】この生ゴミ処理機10はシンク21の排水口22に直接取り付ける生ゴミ処理機10で生ゴミ処理機10の入口上部側15には洗い水をストレーナー32を通じて下水に直接流せる第1排出口33と、
第1排出口33の下方から中間部そして下部側の粉砕回転盤55の間には生ゴミを溜める空間部57があり、生ゴミを前記粉砕回転盤55で粉砕しスラリー化した生ゴミを排出する第2排出口43とを有している生ゴミ処理機10である。
この生ゴミ処理機10で生ゴミを処理しても下水側の負荷を増やさずにスラリー化した生ゴミを生ゴミ処理機10の第2排出口43から送液ポンプ61で敷地内の地中へ注入し発酵分解処理可能な節水送液手段を有する生ゴミ処理システムAとなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗い水を下水に直接流せる第1排出口と、生ゴミ粉砕後のスラリー化した生ゴミを流せる第2排出口を備えた生ゴミ処理機と生ゴミ処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、居住者の多くが安全、安心また健康で快適な生活居住空間の提供を望み住宅等建物の付帯設備もかなり充実してきている。
その中で特に、人類だけが生活の快適さを得るための商品また暖房や冷房に膨大な石油や石炭また天然ガスなどの有限エネルギー消費し続けている。
いわゆる有限エネルギー大量消費による地球環境破壊である。
自然災害の少ない地球に優しい環境の維持継続を考えた場合、この再生不可能な貴重な地下資源である石油や石炭また天然ガスの消費をこれからも続ければ大気汚染が進み地球温暖化が加速する。
【0003】
ところで近年、地球温暖化が進んでおり生物にとって致命的な風水害や砂漠化など異常気象に伴う自然災害に見舞われる可能性が格段に高くなると言われこの異常気象があらゆる面で加速して来ている。
横浜市は地球温暖化対策地域推進計画の目標値を下記の通り打ち出している。
《2010年度における一人当たりの温室効果ガス排出量を、1990年度比で6%以上削減する。》
『家庭で今すぐにでも出来る省エネ行動として』2007年3月広報に記載
CO2削減量kg/年間 節約金額円/年間
・エアコン →冬は20℃を目安に設定する → 20 1、170
・照明 →白熱電球を電球型蛍光ランプに取り替える→ 32 1、850
・電気ポット→長時間使用しないときはプラグを抜く → 41 2、360
・リビング →家族が同じ部屋で団らんをする →240 11、000
・お風呂 →お風呂は続けて入る → 84 5、690
・洗濯機 →お風呂の残り湯を利用する → 17 5、000
・自動車 →急発進、急加速はやめる → 65 3、220
【0004】
そこで、地球環境破壊阻止効果も高く各自治体でも困っている各家庭から出される生ゴミの処理に関して着目した。
各自治体では各家庭から出された殆どの生ゴミを焼却炉で焼却処理している。
しかし、この方式ではカラス被害は無くならずしかも生ゴミには略85%の水分が含有していて焼却するのに多くの熱エネルギーを投入して焼却処理している。
この生ゴミ焼却処理の過程では生ゴミの収集から焼却そして最終処分までに多くの手間とエネルギーをかけていて決して地球に優しい生ゴミ処理方式ではないと言える。
【0005】
次に、米国に比べ日本国では生ゴミ処理機の普及が殆ど進んでいない。
それは、粉砕しスラリー化した生ゴミを直接下水に放流することが禁止されているからで、その理由は、直接放流すると各自治体が運営管理している下水管路の詰まりや下水処理場での負荷が膨大となることにある。
その為、生ゴミ処理基準に合った方法が求められ、その生ゴミ処理設備費用が高額であることや電気使用量が多いことなどから普及が進まず一般家庭には不向きであった。
例えば(特許文献1)(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】特開2001−025749公報(生ゴミ処理システム)
【特許文献2】特開2000−033203公報(固液分離装置及びそれを用いた生ゴミ処理システム)
【0007】
そこで、シンクの排水口に直接取り付ける生ゴミ処理機の技術情報を調べたが洗い水を下水に直接流せる第1排出口と生ゴミ粉砕後のスラリー化した生ゴミを流せる第2排出口を備えた生ゴミ処理機に関する技術情報は見当たらなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般家庭でも簡単容易に生ゴミを地中で直接発酵分解処理ができる安価な設備を広く普及させるための生ゴミ処理機と生ゴミ処理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため本発明は以下の技術的手段を講じた。
第1に、請求項1は、シンクの排水口に直接取り付ける生ゴミ処理機において、
生ゴミ処理機の入口上部側には洗い水をストレーナーを通じて下水に直接流せる第1排出口と、
前記第1排出口の下方から中間部そして下部側の粉砕回転盤の間には生ゴミを溜める空間部があり、生ゴミを前記粉砕回転盤で粉砕しスラリー化した生ゴミを排出する第2排出口とを有している生ゴミ処理機とすることで下水側の負荷を増やさずに、スラリー化した生ゴミを直接敷地内で処理でき、しかも、殆ど洗剤や漂白剤を含まず塩害の少ない肥料化が達成できる。
第2に、請求項2は、前記生ゴミ処理機の第1排出口用のストレーナーの形状と配設において、
略円筒形状のストレーナーはその両端部を除き生ゴミ処理機の流入口円筒内壁面とストレーナーとの間に隙間を設け円周状に円筒全面から通水可能な濾過手段を有し、このことを特徴とする請求項1の生ゴミ処理機とすることで十分な濾過面積を確保した。
第3に、請求項3は、請求項1から請求項2の生ゴミ処理機の第2排出口側に送液ポンプを組み合わせた節水送液手段を有する生ゴミ処理システムにおいて、
好気性発酵を促進させるため粉砕しスラリー化した生ゴミを多孔質土壌内に注入し発酵分解処理する生ゴミ処理システムとし主に一戸建住宅用とした。
第4に、請求項4は、請求項1から請求項2の生ゴミ処理機の第2排出口側に送液ポンプを組み合わせた節水送液手段を有する生ゴミ処理システムにおいて、
嫌気性発酵や好気性発酵を促進させるため粉砕しスラリー化した生ゴミを滞留時間の長い処理槽を使用し発酵分解処理する生ゴミ処理システムとし主に集合住宅用とした。
第5に、請求項5は、請求項3と請求項4の生ゴミ処理システムにおいて、
更なる節水を図る節水手段と、さらなる発酵分解促進手段として、
送液ポンプ吐出部から、再度、生ゴミ処理機の生ゴミを溜める空間部に生ゴミスラリー液を戻し循環することにより生ゴミの再粉砕を繰り返せることを特徴とした生ゴミ処理システムとすることでさらなる節水が図れ、また生ゴミをさらに細かくでき発酵分解の促進を図った。
第6に、請求項6は、シンクの排水口に直接取り付ける請求項1から請求項2の生ゴミ処理機において、
生ゴミ処理機で粉砕後の生ゴミスラリー液の送液手段が粉砕回転盤と同じ動力軸に直接取り付けられたポンプ羽根によって直接送液可能な生ゴミ処理機とすることで生ゴミ処理システム全体のデザイン性を高め同時に生ゴミ処理システム全体の設置費用を抑えた。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、資源である生ゴミを無駄にすることなく殆ど洗剤や漂白剤を含まず塩害の少ない肥料化が達成できるので生ゴミを有効利用できる。
そして、各自治体が焼却処理する生ゴミを減らせるので・カラス被害の低減・生ゴミの焼却処理に関わる収集から最終処分までの多くのエネルギーの無駄を低減できる。
しかも、各家庭の敷地で処理する本方式の生ゴミ処理システムは低価格で提供できる大きなメリットと、既存の生ゴミ処理システムより半分以下の水使用量で済み、また生ゴミ乾燥処理方式に比べ略1/100の電気使用量で維持できる最大のメリットがある。
《2010年度における一人当たりの温室効果ガス排出量を、1990年度比で6%以上削減する。》
上記目標を達成するため、多くの家庭で地球に優しい環境行動や省エネ行動を周知し実践してもらうにはその方法が簡単容易であることが最も重要で、しかも低価格で提供できる本発明は投資対効果も大きく普及による社会への貢献が大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第1実施形態から第4実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、地中注入方式の生ゴミ処理システムAの概略図。
図2は、処理槽方式の生ゴミ処理システムBの概略図。
図3は、生ゴミの再粉砕を繰り返せる生ゴミ処理システムCの概略図。
図4は、送液ポンプ内蔵型生ゴミ処理機の概念図。
【第1実施形態】
【0012】
第1実施形態は図1で請求項3の生ゴミ処理システムAを図示している。
第1実施形態の図1は、第1排出口33と第2排出口43とを有する生ゴミ処理機10と地中注入方式の概略図で生ゴミ処理システムA全体の流れを図示している。
この生ゴミ処理機10はシンク21の排水口22に直接取り付ける生ゴミ処理機10で生ゴミ処理機10の入口上部側15には洗い水をストレーナー32を通じて下水に直接流せる第1排出口33と、
第1排出口33の下方から中間部そして下部側の粉砕回転盤55の間には生ゴミを溜める空間部57があり、生ゴミを前記粉砕回転盤55で粉砕しスラリー化した生ゴミを排出する第2排出口43とを有している生ゴミ処理機10である。
この生ゴミ処理機10で生ゴミを処理しても下水側の負荷を増やさずにスラリー化した生ゴミを生ゴミ処理機10の第2排出口43から送液ポンプ61で敷地内の地中へ注入し発酵分解処理可能な節水送液手段を有する生ゴミ処理システムAとなっている。
【0013】
先ず、料理や食事後に出された生ゴミは弾性部材で成型された切り割れ蓋99を通じて生ゴミ処理機10の生ゴミを溜める空間部57に洗い水と共に流し落とされて溜まる。
食事後、食器類を洗うがこの洗い水によって洗剤また生ゴミや残飯に含む塩類も洗い流される。そして、この洗い水はストレーナー32を通じ第1排出口33に接続されているホース75から直接下水に排水される。
ホース75は下水側がらの臭気を遮断するための水封79を採用している。
【0014】
また、第1排出口33用のストレーナー32の形状と配設は、略円筒形状のストレーナー32の両端部を除き生ゴミ処理機10の流入口円筒内壁面12とストレーナー32との間に隙間38を設け円周状に円筒全面から通水可能な濾過手段39を採用しているので十分な濾過面積を確保した構造となっている。
そして、略円筒形状のストレーナー32はその両端の一方の上端部に生ゴミ処理機10の流入口円筒内壁面12部位の口内径より若干大きな鍔35を有しており、これによって生ゴミを溜める空間部57内への落下を防いでいる。
他方、略円筒形状のストレーナー32の下端部側は、生ゴミ処理機10の流出防止機構59部位と接していて、略円筒形状のストレーナー32の最下端36部位の位置は生ゴミを溜める空間部57内に少し突き出す構造となっているので粉砕中の生ゴミスラリー液が粉砕回転盤55の回転遠心力によって生ゴミ投入口側に向かって上昇し第1排出口33から流出するのを防ぐ構造となっている。
【0015】
次に、生ゴミの敷地内地中処理の流れを説明する。
まず、生ゴミ処理機10の生ゴミを溜める空間部57に溜まった生ゴミは洗い水と一緒に粉砕回転盤55で粉砕しスラリー化した生ゴミが第2排出口43を通じ多少大きな径の生ゴミでも送り出せる送液ポンプ61によって地中へ注入し直接処理する。
直接処理は好気性発酵を促進させるため多孔質土壌内に注入したりプランタン内で発酵分解処理を行うことも可能な生ゴミ処理システムAで主に一戸建住宅用として最適である。
【0016】
このスラリー化した生ゴミの送液には生ゴミ処理機10の第2排出口43から送液ポンプ61の吸込み口までホース85で結び、そして送液ポンプ61の吐出口から地中注入部87までの送液にもホース86を使用している。
このホース85やホース86は凍結の可能性がある地域では地中埋設なり保温を行うようにしている。
【0017】
そして、送液ポンプ61の吐出口から地中までの送液用のホース86の取り付け方法は、ホース86の途中で水封機構89を採用することにより料理の際に洗い流す洗い水や食器類を洗い洗剤や漂白剤を含む洗い水を敷地内に流さずに、すべてストレーナー32を通じて第1排出口33から下水に直接流れ出る方法を採用している。
この前記水封機構89の高さは、第1排出口33の位置より若干高くしているので洗剤や漂白剤また塩類を含む洗い水が直接地中に流出することはない。
このように第1排出口33と第2排出口43を有する生ゴミ処理機10を使用することで下水側の負荷を増やさずにスラリー化した生ゴミを生ゴミ処理機10の第2排出口43から送液ポンプ61で敷地内の地中へ注入し直接発酵分解処理でき塩害のない肥料化が達成できる簡単容易な生ゴミ処理システムAである。
【0018】
この生ゴミ処理システムAの運転は手動停止またはタイマー制御で自動停止する。
生ゴミ処理システムAの安全機構として生ゴミを粉砕処理するには安全蓋90をしないと運転できない制御方法を採用している。
この安全蓋90の形状は、第2排出口側に取り付けた送液ポンプ61の送液能力量より若干少ない量の落下通水可能な開口穴95を有する形状の安全蓋90とすることで粉砕中の生ゴミスラリー液が第1排出口33から流出するのを防いでいる。
この第1排出口33から流出を防ぐ方法は安全蓋90からの落下通水可能な水量を送液ポンプ61の送液能力量より少なくすることで生ゴミを溜める空間部57内のスラリー液量が常に減少する方向となり、例え、粉砕中であっても生ゴミが生ゴミ処理機10の第1排出口33から下水側に流出するのを完全に防いでいる。
【0019】
従って、粉砕中の生ゴミが生ゴミ処理機10の第1排出口33を通じて下水側に流出するのを防ぐ流出防止機構59また方法して、
まず、一つ目はストレーナー32の最下端36部位の位置を生ゴミを溜める空間部57内に突き出ていて粉砕中の生ゴミスラリー液が粉砕回転盤55の回転遠心力によって生ゴミ投入口側に向かって上昇し第1排出口33から流出するのを防ぐ流出防止機構59と、
二つ目は送液ポンプ61の送液能力量より若干少ない量の落下通水可能な開口穴95を有する形状の安全蓋90とすることで粉砕中の生ゴミスラリー液が第1排出口33から流出するのを防ぐ方法となっている。
【第2実施形態】
【0020】
第2実施形態は図2で請求項4の生ゴミ処理システムBを図示している。
第2実施形態の図2は、第1排出口33と第2排出口43とを有する生ゴミ処理機10と嫌気性発酵槽や好気性発酵槽を組み合わせた処理槽方式の概略図で生ゴミ処理システムB全体の流れを図示している。
第1実施形態との違いは生ゴミを地中へ注入し好気性発酵分解処理する生ゴミ処理システムAに対し第2実施形態は処理槽80で嫌気性発酵分解処理や好気性発酵分解処理する生ゴミ処理システムBとなっている。
そして、従来の処理槽を使用する生ゴミ処理システムとの違いは、第2実施形態では第1排出口33と第2排出口43を有する生ゴミ処理機10を採用している点である。
特に、料理中の洗い水や食器類の洗い水を直接下水に流せる第1排出口33と生ゴミ粉砕後のスラリー液を排出できる第2排出口43を有する生ゴミ処理機10で、この生ゴミ処理機10の第2排出口43側に送液ポンプ61を組み合わせた節水送液手段により生ゴミスラリー液を処理槽80へ簡単に送液でき、しかもこの送液量は少なく、従来方式のシンク21に流した全量が処理槽に流入するのに比べ略1/8以下となっている。
これにより処理槽80を大幅に小型化しても滞留時間を長く保て、嫌気性発酵や最終段階で空気をエアポンプで送気する好気性発酵が効果的に行われる生ゴミ処理システムBとなっている。
【0021】
また、特に、従来方式で最悪なのはシンク21で使用する洗剤や漂白剤また洗い水そして生ゴミスラリー液の全量が処理槽に流入する。
しかも、漂白剤などは嫌気性発酵や好気性発酵を妨げる化学物質である。
一方、第2実施形態の生ゴミ処理システムBでは洗剤や漂白剤など使用制限の周知徹底が難しい集合住宅であっても生ゴミ処理システムBを採用することによって生ゴミ処理機10の第1排出口33から下水側に十分に洗い流せるので嫌気性発酵や好気性発酵を妨げる漂白剤などの化学物質が処理槽80に流入することが殆どなく大きなメリットがある。
【0022】
そして、この生ゴミ処理システムBであれば都市部の一戸建住宅で敷地に余裕がなく地中での直接発酵分解処理ができない場合であっても小型の処理槽80であれば設置場所を、例えば、建物のベランダまたは屋上でも設置可能な生ゴミ処理システムBとなっている。
尚、他の技術的内容は、第1実施形態の生ゴミ処理システムAと略同様で同機能であり技術的な説明の詳細を省略する。
【第3実施形態】
【0023】
第3実施形態は図3で請求項5の生ゴミ処理システムCを図示している。
第3実施形態の図3は、第1排出口33と第2排出口43とを有する生ゴミ処理機10と地中注入方式の概略図で生ゴミ処理システムC全体の流れを図示している。
第3実施形態の生ゴミ処理システムCと第1実施形態の生ゴミ処理システムAまた第2実施形態の生ゴミ処理システムBとの大きな違いは生ゴミ処理システムCの方がさらなる節水が図れる節水手段と、さらなる発酵分解促進手段を有している点である。
それは、一度粉砕された生ゴミスラリー液を送液ポンプ61吐出部の三方切換弁81とホース82を通じて、再度、生ゴミ処理機10のスラリー液戻しノズル83から生ゴミを溜める空間部57に生ゴミスラリー液を戻し循環できることにある。
このことにより生ゴミの再粉砕を繰り返せるので生ゴミ処理システムCではさらなる節水が図れ、また生ゴミをさらに細かくできるので発酵分解の促進が図れる。
【0024】
第3実施形態の生ゴミ処理システムCを運転する前の状態は、生ゴミ処理機10の生ゴミを溜める空間部57や送液ポンプ61の内部には水が2〜3リットル溜まっていて、この溜まり水のみで生ゴミを溜める空間部57内の生ゴミを粉砕し、送液ポンプ61により再循環することで細かく再粉砕を繰り返し、設定時間経過後に三方切換弁81を地中注入側に切り換え、生ゴミ処理機10および送液ポンプ61内部を洗浄する水と共に送液し地中注入部87に注入する生ゴミ処理システムCである。
従って、生ゴミ処理システムCは生ゴミを細かく再粉砕を繰り返すことが可能な技術であり、その他の技術的内容は第1実施形態の生ゴミ処理システムAまた第2実施形態の生ゴミ処理システムBと略同様で同機能であるので技術説明の詳細を省略する。
【第4実施形態】
【0025】
第4実施形態は図4で請求項6の送液ポンプ内蔵型生ゴミ処理機19を図示している。
図4に図示する通りシンク21の排水口22に直接取り付ける生ゴミ処理機19において、
生ゴミ処理機で粉砕後の生ゴミスラリー液の送液手段が粉砕回転盤55と同じ動力軸に直接取り付けられたポンプ羽根51によって直接送液可能な送液ポンプ内蔵型生ゴミ処理機19である。
【0026】
従って、粉砕後の生ゴミスラリー液が粉砕回転盤55と同じ動力軸に直接取り付けられたポンプ羽根51によって直接送液可能な生ゴミ処理機19では、粉砕された生ゴミスラリー液が加圧送液されるためシール機構52のシール部に若干の正圧がかかる可能性を加味して粉砕回転盤55またポンプ羽根51の動力軸のシール機構52はメカニカルシールを採用し完全性を図ることで駆動モータ側への水漏れによる故障を防止している。
このように、送液ポンプ内蔵型生ゴミ処理機19とすることでデザイン性を高め同時に生ゴミ処理システム全体の設置費用を抑えている。
【産業上の利用の可能性】
【0027】
家庭から毎日でる生ゴミを肥料化など無駄なく効果的に処理する簡単容易な本発明を一例に、
身近な問題を一つ一つ改善し解決する機器開発やシステム開発を創造し新しい産業に結び付ける。
そのことの積み重ねが地球温暖化防止と地球環境の維持保全の一番の近道であることを本発明は提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、地中注入方式の生ゴミ処理システムAの概略図。
【図2】図2は、処理槽方式の生ゴミ処理システムBの概略図。
【図3】図3は、生ゴミの再粉砕を繰り返せる生ゴミ処理システムCの概略図。
【図4】図4は、送液ポンプ内蔵型生ゴミ処理機の概念図。
【符号の説明】
【0029】
10、生ゴミ処理機 12、流入口円筒内壁面
32、ストレーナー 33、第1排出口
38、隙間 39、濾過手段
43、第2排出口 51、ポンプ羽根
55、粉砕回転盤 57、空間部
59、流出防止機構 61、送液ポンプ
80、処理槽 81、三方切換弁
89、水封機構 90、安全蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンクの排水口に直接取り付ける生ゴミ処理機において、
生ゴミ処理機の入口上部側には洗い水をストレーナーを通じて下水に直接流せる第1排出口と、
前記第1排出口の下方から中間部そして下部側の粉砕回転盤の間には生ゴミを溜める空間部があり、生ゴミを前記粉砕回転盤で粉砕しスラリー化した生ゴミを排出する第2排出口とを有している生ゴミ処理機。
【請求項2】
前記生ゴミ処理機の第1排出口用のストレーナーの形状と配設において、
略円筒形状のストレーナーはその両端部を除き生ゴミ処理機の流入口円筒内壁面とストレーナーとの間に隙間を設け円周状に円筒全面から通水可能な濾過手段を有し、このことを特徴とする請求項1の生ゴミ処理機。
【請求項3】
請求項1から請求項2の生ゴミ処理機の第2排出口側に送液ポンプを組み合わせた節水送液手段を有する生ゴミ処理システムにおいて、
好気性発酵を促進させるため粉砕しスラリー化した生ゴミを多孔質土壌内に注入し発酵分解処理する生ゴミ処理システム。
【請求項4】
請求項1から請求項2の生ゴミ処理機の第2排出口側に送液ポンプを組み合わせた節水送液手段を有する生ゴミ処理システムにおいて、
嫌気性発酵や好気性発酵を促進させるため粉砕しスラリー化した生ゴミを滞留時間の長い処理槽を使用し発酵分解処理する生ゴミ処理システム。
【請求項5】
請求項3と請求項4の生ゴミ処理システムにおいて、
更なる節水を図る節水手段と、さらなる発酵分解促進手段として、
送液ポンプ吐出部から、再度、生ゴミ処理機の生ゴミを溜める空間部に生ゴミスラリー液を戻し循環することにより生ゴミの再粉砕を繰り返せることを特徴とした生ゴミ処理システム。
【請求項6】
シンクの排水口に直接取り付ける請求項1から請求項2の生ゴミ処理機において、
生ゴミ処理機で粉砕後の生ゴミスラリー液の送液手段が粉砕回転盤と同じ動力軸に直接取り付けられたポンプ羽根によって送液可能な生ゴミ処理機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−28713(P2009−28713A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147421(P2008−147421)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(501120889)
【Fターム(参考)】