説明

生体情報取得装置

【課題】PAMにおいて、被検者や術者の照射光からの安全性を確保しつつ、被検体を圧迫保持する際に術者が手技を行いやすくなるような技術を提供する。
【解決手段】光を遮断するカバーと、前記カバーで覆われる、被検体を保持する二枚のプレートと、レーザ光源と、前記レーザ光源から光を照射された前記被検体から発生する音響波を受信する探触子と、を有し、前記カバーには、被検者の一部である被検体を当該カバーの内部に挿入するための第一の開口部と、前記プレートを延長した面が当該カバーと交わる位置に、術者が当該カバーの内部に手を入れて手技を行うことができるような、開閉できる第二の開口部と、が設けられていることを特徴とする生体情報取得装置を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被検体から放出された音響波を画像化する生体情報取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
がんに起因して発生する血管新生を特異的に画像化する方法として、PAT(Photoacoustic tomography:光音響トモグラフィ)が注目されている。PATは光(例えば近赤外線)を生体に照射し、生体内部から発せられる音響波を超音波探触子で受信して画像化する方式である。この音響波は光音響波とも呼ばれ、典型的には超音波である。非特許文献1では、PATの原理を用いて生体内の生体情報を取得する方法が述べられている。ここには被検体を乳房とするPAM(Photoacoustic mammography:光音響マンモグラフィ)
が記載されている。
【0003】
図5は非特許文献1の測定方式を模式的に側面から図示したものである。図5において、Nd:YAGレーザ109は、被検体(乳房)照射するための光を発する光源である。光学系110はNd:YAGレーザ109から発せられたレーザ光を被検体に照射するためのものである。走査機構111は、光学系110の一部を搭載し、上下(図5の矢印方向)、左右(図5の奥行き方向)に光学系110を走査させる。超音波探触子112は被検体から発せられた光音響波を受信するためのものである。走査機構111の照射位置から、画像化するための超音波探触子112の受信素子を選択し、受信信号に増幅、ディジタル変換を行い、画像再構成する。また、ガラス窓107は光学系110からの照射光を透過し、かつ超音波探触子112との間で被検体を圧迫保持する。被検者は不図示のベッドに伏臥位になり、被検体である乳房をベッドの挿入穴に入れ、超音波探触子112とガラス窓107で乳房を圧迫保持する。非特許文献1では図5に示す方式でPAT信号から生体内の画像を取得している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Srirang Manohar, et al., The Twente photoacoustic mammoscope: system overview and performance, Physics in Medicine and Biology 50 (2005) 2543-2557.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術では、光源として高出力のNd:YAGレーザ109が使用されている。したがって被検者や術者の安全性を確保するため、装置全体を遮光する必要がある。ところが、非特許文献1では遮光について述べられておらず、十分に遮光できているとは言い切れなかった。
【0006】
また、PAMにおいて、光音響波を発生させるためには、光音響波を発生させたい領域まで光を照射する必要がある。ところが、照射光は被検体の表面から進入する際に拡散し、被検体内で減衰する。そのため、必ずしも被検体の奥深くまで光が進入できるわけではない。そうすると、照射光が届かない領域の生体情報を取得することができない。また、照射光が届いたとしても、拡散や減衰によりその強度が弱くなれば、発生する光音響波の音圧も低下し、コントラスト解像度が低下する。
【0007】
被検体の奥深くまで必要な強度で照射光を到達させるためには、被検体の厚みを薄くするように、被検体を圧迫保持する必要がある。そのためには、X線マンモグラフィにおい
て乳房を圧迫保持するときと同様に、術者(医師、技師など測定者)の手技による方法を適用することが好ましい。手技とは術者の手によって被検体を引っ張る、あるいは押し広げながら圧迫保持するといった、直接術者が被検体に触れて行う作業のことである。
【0008】
しかしながら、非特許文献1では超音波探触子112とガラス窓107との間で被検体を圧迫保持する方法について述べられていない。特に被検体が自然下垂の状態で圧迫保持しようとしても、被検体が上方へ移動してしまい、十分な圧迫保持ができないことがあった。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、PAMにおいて、被検者や術者の照射光からの安全性を確保しつつ、被検体を圧迫保持する際に術者が手技を行いやすくなるような技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、光を遮断するカバーと、前記カバーで覆われる、被検体を保持する二枚のプレートと、レーザ光源と、前記レーザ光源から光を照射された前記被検体から発生する音響波を受信する探触子と、を有し、前記カバーには、被検者の一部である被検体を当該カバーの内部に挿入するための第一の開口部と、前記プレートを延長した面が当該カバーと交わる位置に、術者が当該カバーの内部に手を入れて手技を行うことができるような、開閉できる第二の開口部と、が設けられていることを特徴とする生体情報取得装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、PAMにおいて、被検者や術者の照射光からの安全性を確保しつつ、被検体を圧迫保持する際に術者が手技を行いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】実施例1における装置の外観を説明する図である。
【図1B】実施例1における装置の内部構成を説明する図である。
【図1C】実施例1における装置の外観の別の例を説明する図である。
【図2】実施例2における装置の内部構成を説明する図である。
【図3】実施例3における装置の内部構成と発光制御を説明する図である。
【図4】実施例4における装置の手技用ドアの構成を説明する図である。
【図5】背景技術における装置の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態を説明する。以下の実施例における生体情報取得装置は、被検体である被検者の乳房の内部画像を取得するためのPAM装置である。したがって、光源から光を照射され光エネルギーを吸収した被検体から発生する光音響波(例えば超音波)を検出し、画像再構成する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状及びそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。なお、生体情報とは光照射によって生じた光音響波の発生源分布であり、生体内の初期音圧分布、あるいはそれから導かれる光吸収密度分布及び、それらの情報から得られる生体組織を構成する物質の濃度分布などである。例えば、物質の濃度分布とは酸素飽和度などである。
【0014】
<実施例1>
図1Aは、本実施例のPAM装置100の外観を斜視図に示した模式図である。PAM装置100の周囲は外装カバー1で覆われている。外装カバー1は遮光のために設けられ
たものであり、PAM装置100が密閉されるように設置される。
【0015】
そして、外装カバー1の一部には手技用ドア2を設けている。ここでは手技用ドア2が開いている状態を実線で示し、手技用ドア2が閉じている状態を点線で示した。なお、この図では手技用ドア2としてヒンジのついた開閉ドアを示したが、これに限定されず、例えばスライドドアでも構わない。手技用ドア2が開くと、手技用ドアの開口3がある。不図示の被検者はベッド4に伏臥位になり、被検体(乳房)を被検体挿入穴5から入れる。なお、ベッド4は外装カバー1の一部に含まれる。術者(医師、技師など測定者)は、手技用ドアの開口3からPAM装置内に手を入れ、被検体挿入穴5に入れた被検体を圧迫保持するための手技を行うことができる。被検体挿入穴は本発明の第一の開口部に、手技用ドアとその開口は第二の開口部に、それぞれ相当する。
【0016】
続いて、図1Bを用いて、PAM装置100内の構成について説明する。本図は、PAM装置100の内部構成を模式的に示した図である。レーザ光源9は光音響波を発生させるための光源であり、Nd:YAGレーザや、Nd:YAGレーザとTi:saレーザの組み合わせが適用できる。その他アレキサンドライトレーザやOPOなどでも有効である。光学系10はレーザ光源9からのレーザ光を圧迫プレート越しに被検体へ照射する光学系である。光学走査機構11は、被検体の広い領域に光を照射するため、光学系10を走査するものである。
【0017】
探触子12は被検体から発せられた光音響波を受信するものであり、その受信面は保持プレート6に音響マッチング剤(不図示)を介して密着している。探触子12は探触子走査機構13に搭載され、その中心は照射光の中心と対向するよう、光学走査機構11と連動して位置決め制御される。探触子12が受信した光音響波は、電気信号に変換されて不図示の信号処理装置に送られる。信号処理装置はCPU等であり、電気信号を増幅し、ディジタル変換した後、画像再構成を行い、生体情報を画像データとして取得する。
【0018】
なお、ここでは探触子12は探触子走査機構13に搭載する構成について説明したが、実際の構成はこれに限定されない。例えば大判の探触子が保持プレート6を兼ねれば、探触子走査機構13がなくても良い。また、本図では被検体に対し、圧迫プレート7の方向から光を照射し、保持プレート6側に探触子12を設けたが、その反対の配置でも有効である。ただしその場合、圧迫プレート7と探触子12は音響マッチング剤を介して密着する必要がある。あるいは光学系と探触子を同じ側のプレートに配置することもできる。さらに、圧迫機構は圧迫プレート7にのみあるものとしたが、保持プレート6にも圧迫機構8を設け、圧迫稼動させても良い。この場合も保持プレート6と探触子12は音響マッチング剤を介して密着することが好ましい。
【0019】
引き続き、図1Bを用いて、圧迫保持のための手技と手技に必要な構成について説明する。手技用ドア2(不図示)を開けると、破線で示した手技用ドアの開口3の奥に、保持プレート6と圧迫プレート7が見える。その位置関係は、保持プレート6と圧迫プレート7、すなわち被検体を圧迫保持する二枚のプレートの一方の圧迫保持面に沿った方向(面内方向)に手技用ドアの開口3ならびに手技用ドア2を設けている。言い換えると、プレートを延長した面が外装カバーと交わる位置に開口部とドアが設けられる。手技用ドアを閉じた状態では光が装置の外部へ照射されない。なお、圧迫保持面とは、被検体を圧迫保持する際に、各プレートと被検体とが接触する面のことである。
【0020】
被検者が被検体挿入穴5から入れた被検体は、保持プレート6と圧迫プレート7の間に入る。そして、圧迫機構8が操作されて圧迫プレート7が移動することによって、被検体が圧迫保持される。圧迫保持方法は次のとおりである。まず、被検者が被検体を被検体挿入穴5に入れる。続いて、術者は手技用ドア2(不図示)を開け、手技用ドアの開口3か
ら手を入れて被検体を引っ張る。そして、被検体の圧迫プレート7側を掌で押さえながら、圧迫機構8を駆動し、被検体を圧迫していく。さらに掌で被検体を伸ばしながら手を抜き、再度圧迫する。そうすると、保持プレート6と圧迫プレート7との間の距離を小さくでき、被検体の厚みを薄くでき、さらに被検体がしっかりと保持される。
【0021】
以上、実施例1で説明したPAM装置100は、外装カバー1と手技用ドア2を設けることにより、PAM装置100を密閉できるため、被検者や術者の照射光からの安全性を確保している。さらに、保持プレート6と圧迫プレート7の圧迫保持面に沿った方向に手技用ドア2を設けることにより、術者が手技用ドアの開口3から装置内部に手を入れて被検体に手技を行う際に、保持プレート6や圧迫プレート7が障害とならずに済む。したがって、被検体を引っ張る、あるいは押し広げながら圧迫保持し、圧迫保持の距離をできる限り狭くすることが可能である。その結果、被検体の奥深くまで照射光を到達させることができ、照射光が届かない領域をなくすか、少なくすることが可能となる。さらに、被検体の内部に届く光の強度を強くできるので、光音響波の音圧も強くなり、ひいては取得される画像データのコントラスト解像度を向上させることができる。
【0022】
以上の説明では、被検者がベッド4に伏臥位になり、被検体を圧迫保持する方法について説明したが、被検体を圧迫保持するための構成はこれに限定されない。例えば図1Cに示すように、一般的なX線マンモグラフィのように被検者が立位になり、被検体挿入穴5に乳房を入れて圧迫保持する構成を取ることもできる。この場合も、外装カバー1に手技用ドア2を設け、術者は手技用ドアの開口3から手を入れて乳房を引き伸ばすことになる。このような構成は、以降の実施例のPAM装置にも適用できる。
【0023】
<実施例2>
実施例1では、外装カバー1の手技用ドアの開口3ならびに手技用ドア2を、保持プレート6と圧迫プレート7の圧迫保持面に沿った方向に設け、術者による被検体の圧迫保持の際に手技を行いやすくした。実施例2では、さらに術者が手技を行いやすくするために、被検体を観察できるようにしている。
【0024】
図2に本実施例のPAM装置100の構成を示す。図1Bと同じ部品については同じ番号を付けて、説明を省略する。また、図の簡略化のために、レーザ光源、光学系、光学走査機構、探触子および探触子走査機構は省いている。図示したように、本実施例のPAM装置は、カメラ14を圧迫プレート7の垂直方向に設け、さらに、被検体を照らす照明15(ライト)を設ける。そして、カメラ14からの映像を表示するモニタ16を外装カバー1に設ける。カメラ14としては、例えばビデオカメラを利用できる。
【0025】
なお本実施例では、カメラ14を、圧迫プレート7を挟んで被検体を撮影する側に設けたが、設置位置はこれに限定されず、保持プレート6の側に設けても良い。さらに照明15はカメラ14と同じ向きに設けることが好適であるが、これに限定さない。例えば、下方から照明で照らすような配置や、カメラ14の反対側から照らす配置を取っても良い。さらに、モニタ16は圧迫保持の際に術者に提示できれば良いので、PAM装置100の内外いずれでも良い。すなわち、カメラで撮影した映像は、PAM装置に設置されたモニタに出力されても良く、装置とは離れたモニタに出力されても良い。
【0026】
以上の構成を持つPAM装置100は、照明15で被検体を明るくし、カメラ14で撮影した被検体の圧迫保持状態を表わす映像を、モニタ16に表示する。そのため術者は被検体を観察しやすくなり、被検体を圧迫保持する手技をより容易に行うことができる。
【0027】
<実施例3>
本実施例では、ドアを開けた時の照射光の発光制御について説明する。図3に本実施例
のPAM装置100の内部構成を示す。図1A及び図1Bと同じ部品については同じ番号を付し、説明を省略する。また、図の簡略化のために光学系、光学走査機構、探触子、探触子走査機構は省いている。図示したように、本実施例のPAM装置100は、制御部17、ドア開閉検知センサ18、シャッタ19を備える。
【0028】
被検者と術者の安全性を確保するために、手技用ドア2が開いたときは、レーザ光源9の発光を停止するか、照射光を遮断する必要がある。その制御を行うのが、制御部17である。また、手技用ドア2の開閉を検知するドア開閉検知センサ18を手技用ドア2あるいは手技用ドアの開口3に設ける。ドア開閉検知センサ18としては接触式のリミットセンサが好適である。また、レーザ光源9から発光されたレーザ光を遮光するためのシャッタ19を設ける。なお、シャッタ19はレーザ光源9の外部に設けるよう図示したが、レーザ光源9の内部に設けても良い。
【0029】
ところで、レーザ光源9の発光を停止するためには、Qスイッチをオフにする方法と、フラッシュランプをオフにする方法がある。Qスイッチをオフにする方法であれば、レーザ光源9は励起した状態を保てるため、レーザ光源9の再起動に時間を要さず、発光が停止した状態からすぐに発光の再開が可能となる。また、発光を停止するのではなく、シャッタ19を閉じてレーザを遮断する方法でも、レーザ光源9を励起した状態に保つことができるので、すばやく光照射を再開することが可能となる。したがって、光照射を停止するために、Qスイッチをオフにするか、シャッタを閉じるかのいずれかの方法を用いれば、光照射を素早く再開して、被検体の画像取得をすぐに行うことができる。
【0030】
そこで制御部17は、手技用ドア2が開いたことをドア開閉検知センサ18が検知した場合、レーザ光源9のQスイッチをオフにするか、シャッタ19を閉じる。その後、手技用ドア2を閉じたことをドア開閉検知センサ18が検知した場合、制御部はレーザ光源のQスイッチをオンにするか、シャッタを開くことにより、光照射を再開する。なお、安全性をより一層向上させる観点から、制御部17は、手技用ドア2が開いたことをドア開閉検知センサ18が検知した場合、レーザ光源9のQスイッチのオフとシャッタ19を閉じることを両者とも行うことも好ましい。
【0031】
以上、説明したように、本実施例のPAM装置では、手技用ドア2が開いたことを検知すると、制御部がレーザ発光を停止したり、照射光を遮断したりするため、被検者や術者の照射光からの安全性を確保できる。
【0032】
<実施例4>
本実施例では、被検者および術者の安全を確保するためにレーザ光を遮断する構成について説明する。本実施例のPAM装置は、上記の実施例3と同様に、Qスイッチをオフにして発光を停止する制御や、シャッタを閉じる動作によって照射光を遮断する制御を行うことができるものである。
【0033】
図4(a)は手技用ドア2の側面図である。手技用ドア2には開閉するためのドアノブ2aと、ドアロック2bがあり、ドアロック2bにドア開閉検知センサ18が反応するように装着している。この状態を図示したものが図4(b)である。図4(b)はドアロック2bを中心に背面図を図示したものである。また図4(a)に示したように、ドアロック2bを開けてもすぐに手技用ドア2が開かないようにするため、PAM装置100本体のフレーム20の手技用ドア2の開口付近にはマグネットキャッチ2cを設ける。
【0034】
以上、本実施例で説明したPAM装置では、手技用ドア2が開く前に、ドア開閉検知センサ18がドアロック2bの動きを検知できる。そしてドアロック2bを、ドアを開く方向に回転しきっても、マグネットキャッチ2cがあるおかげで、手技用ドア2が容易に開
かないようになっている。したがって、ドア開閉検知センサがドアロックの動きを検知したときに、Qスイッチをオフにするかシャッタを閉じてレーザ光を制御することにより、被検者や術者への光照射を防ぎ、安全に測定を行うことが可能になる。また、Qスイッチのオフとシャッタを閉じることを併用することも、さらなる安全性向上の観点から好ましい。
【0035】
なお、実施形態3及び4では、被検者および術者の安全を確保するために、レーザ光源の発光を停止する構成、あるいはレーザ光を遮断する構成について述べたが、レーザ光が照射されている間は手技用ドアが開かない構成にしてもよい。具体的には、PAM装置が光センサを有し、レーザ光の一部を光センサに照射し、この光センサが光を検知する間は、外装カバーの内側から手技用ドアのロックがかかった状態で、手技用ドアのドアノブが回転しない構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
100:PAM装置,1:外装カバー,2:手技用ドア,3:手技用ドアの開口,4:ベッド,5:被検体挿入穴,6:保持プレート,7:圧迫プレート,9:レーザ光源,12:探触子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を遮断するカバーと、
前記カバーで覆われる、
被検体を保持する二枚のプレートと、
レーザ光源と、
前記レーザ光源から光を照射された前記被検体から発生する音響波を受信する探触子と、
を有し、
前記カバーには、被検者の一部である被検体を当該カバーの内部に挿入するための第一の開口部と、前記プレートを延長した面が当該カバーと交わる位置に、術者が当該カバーの内部に手を入れて手技を行うことができるような、開閉できる第二の開口部と、が設けられている
ことを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項2】
前記被検体を照らす照明と、
前記被検体を撮影するカメラと、
をさらに有し、
前記カメラが撮影した前記被検体の映像をモニタに出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の生体情報取得装置。
【請求項3】
前記第二の開口部の開閉の状態を検知するセンサと、
前記レーザ光源からの光を遮断するシャッタと、
前記センサが前記第二の開口部が開いたと検知した場合、前記レーザ光源のQスイッチをオフにする制御と、前記シャッタでレーザ光源からの光を遮断する制御の少なくともいずれかを行う制御部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の生体情報取得装置。
【請求項4】
前記第二の開口部は、ドアロックを有するドアであり、
前記センサは前記ドアロックがドアをロックする位置から動いた場合に、前記第二の開口部が開いたと検知する
ことを特徴とする請求項3に記載の生体情報取得装置。
【請求項5】
前記カバーには、前記ドアを保持するマグネットキャッチが設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の生体情報取得装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−224205(P2011−224205A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98024(P2010−98024)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】