説明

生体情報検出装置

【課題】 検出電極による検出結果の正確性を高める。
【解決手段】 生体情報検出装置10には、筋繊維の長さ方向に対して延在方向が略直交するように配置される互いに平行な一対の筋電位検出用の検出電極12,12と、一対の検出電極12,12により検出された電位に対する基準電位を検出する基準電極13,13とが設けられている。これら一対の検出電極12,12及び基準電極13,13は、検出電極の延在方向に直交する方向に対して重ならないように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報検出装置に係り、特に筋電位を検出する生体情報検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば筋電位、脈拍、血圧、体温等の生体情報の変化を測定する生体情報測定システムが知られている。この生体情報測定システムは、医療機器としてだけではなく、健康維持や、運動状態を把握するため等の目的で広く利用されている。
【0003】
このような生体情報測定システムでは、筋電位を検出する生体情報検出装置としての筋電計が設けられており、当該筋電計により得られた筋電位を基にして生体情報が取得されるようになっている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
筋電計には、筋電位を検出するため一対の金属製の検出電極や基準電極(グラウンド電極)が人体の皮膚に接触するように設けられており、各電極の電位差によって筋電位が検出されるようになっている。
【特許文献1】特開2000−232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、一対の基準電極により検出される筋電位の値をより正確な値とすることが望まれている。本発明の課題は、検出電極による検出結果の正確性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明に係る生体情報検出装置(例えば図1の筋電検出装置)は、
筋繊維の長さ方向に対して延在方向が略直交するように配置される互いに平行な一対の筋電位検出用の検出電極(例えば図2の検出電極12)と、
前記一対の検出電極により検出された電位に対する基準電位を検出する基準電極(例えば図2の基準電極13)と、
前記一対の検出電極及び前記基準電極を実装する基板(例えば図3の基板14)とを備え、
前記一対の検出電極及び前記基準電極は、前記延在方向に直交する方向に対して重ならないように配置されていることを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の生体情報検出装置において、
前記一対の検出電極により検出された筋電位を増幅するための増幅器(例えば図4の113)をさらに備えることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の生体情報検出装置において、
前記一対の検出電極により検出された検出結果を外部に伝送する送信部(例えば図4の送受信部130)をさらに備えることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2に記載の生体情報検出装置において、
前記一対の検出電極により検出された筋電位を生体情報として検出する生体情報検出部(例えば図4の測定部110)と、
前記生体情報検出部で算出された前記生体情報を外部に伝送する送信部(例えば図4の送受信部130)とをさらに備えることを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体情報検出装置において、
前記一対の検出電極及び前記基準電極を露出させるように前記基板を格納する筐体(例えば図2の筐体11)を備え、
前記筐体から露出する前記基準電極の一端部は前記一対の検出電極の一端部よりも先方に突出していることを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の生体情報検出装置において、
前記筐体は柔軟性を有していることを特徴としている。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の生体情報検出装置において、
前記基板は可撓性を有していることを特徴としている。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体情報検出装置において、
前記一対の検出電極を露出させるように前記基板を格納する筐体(例えば図2の筐体11)と、
前記基板に電気的に接続された前記基準電極を保持する保持部(例えば図9の保持部40)とを備え、
前記保持部は前記筐体に位置変更自在に連結されていることを特徴としている。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の生体情報検出装置において、
前記保持部自体が前記基準電極であることを特徴としている。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の生体情報検出装置において、
前記保持部は可撓性を有していることを特徴としている。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の生体情報検出装置において、
前記基板における前記一対の検出電極及び前記基準電極を実装する一面とは異なる他面側に、電池(例えば図3の電池21)を交換するための交換部(例えば図3の交換部22)を配置することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、一対の検出電極及び一対の基準電極が、延在方向に直交する方向に対して重ならないように配置されているので、一対の検出電極で検出すべき筋電位を一対の基準電極により阻害されることなく、すなわち、邪魔されることなく、正確且つ確実に検出することが可能となる。したがって、正確な値の筋電位を検出することが可能となる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、増幅器により一対の検出電極で検出された筋電位を増幅することができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、送信部により、一対の検出電極で検出した検出結果を外部の機器に伝送することができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、生体情報検出部により、一対の検出電極で検出された筋電位を生体情報として検出することができる。そして、その生体情報を送信機により外部の機器に伝送することができる。
【0021】
請求項5記載の発明は、筐体から露出する基準電極の一端部が一対の検出電極の一端部よりも先方に突出しているので、人体表面の湾曲に沿って検出電極及び基準電極のそれぞれの一端部が位置することになって、各電極を肌により密着させることができる。
【0022】
請求項6記載の発明は、筐体が柔軟性を有しているので、人体表面の湾曲に沿って筐体を変形させることができる。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、基板が可撓性を有しているので、筐体の変形状態に応じて基板も湾曲させることができる。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、保持部が筐体に位置変更自在に連結されているので、保持部に保持された基準電極と、筐体から露出した一対の検出電極とのそれぞれの一端部を、人体表面の湾曲に沿って配置させることができる。したがって、各電極を肌により密着させることができる。
【0025】
請求項9記載の発明によれば、保持部自体を基準電極とすることができる。
【0026】
請求項10記載の発明によれば、保持部が可撓性を有しているので、人体表面に沿って保持部を湾曲させることができる。
【0027】
請求項11記載の発明は、基板における一対の検出電極及び基準電極を実装する一面とは異なる他面側に、電池を交換するための交換部が配置されているので、汗等により湿気が電池に伝達することを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の生体情報検出装置の好適な実施形態について説明するために、当該生体情報検出装置を備えた筋肉活動測定システムを例示して説明する。なお、以下では、生体情報としてサイクリング運動時の筋電位を測定する場合を例にとって説明する。
【0029】
図1は、ユーザが筋肉活動測定システム1を装着した様子を示す図である。この筋肉活動測定システム1は、ユーザの身体各部に装着可能な本発明に係る生体情報検出装置としての筋電検出装置10と、筋電検出装置10と別体で、筋電検出装置10との間でデータ通信が可能な腕時計型の制御装置30とで構成される。筋肉活動測定システム1でサイクリング運動時の筋電位を測定する場合には、例えば、図1に示すように、いずれか一方の足の大腿四頭筋の外側広筋に筋電検出装置10が装着され、腕に制御装置30が装着される。
【0030】
この装着にあたって、ユーザは、筋電検出装置10を足の大腿四頭筋の外側広筋に貼付してバンド等で固定するとともに、制御装置30を手首に装着する。この筋電検出装置10を装着により、当該筋電検出装置10に備わる一対の検出電極12(後述)が、その延在方向を筋繊維Mの長さ方向に対して略直交するように配置されることになる(図2参照)。そして、ユーザは、制御装置30を操作して筋電位の測定を開始させてからペダルを踏み込んで運動を開始する。或いは、ユーザは、運動途中から筋電位の測定を開始させることも可能である。
このようなサイクリング運動を行う場合、足の筋肉は活動と休止を繰り返すので、その筋肉の活動状態と休止状態とを筋電位により検出すれば、筋肉の活動周期を得ることができる。
[装置構成]
【0031】
図2は、筋電検出装置10の概略構成を表す説明図である。図2に示すように、筋電検出装置10には、筐体11と、互いに平行に配置されて筐体11の一方の面から外部に露出する一対の筋電位検出用の検出電極12と、一対の検出電極12により検出された電位に対する基準電位を検出するため、筐体11の一方の面から外部に露出する基準電極13とが備えられている。基準電極13は、一対の検出電極12の延在方向に直交する方向に対して当該一対の検出電極12と重ならないように、当該一対の検出電極12を延在方向に挟んで、前記延在方向に直交する方向に平行配置されている。そして、一対の検出電極12及び基準電極13は導電性樹脂により形成されている。
【0032】
図3は、図2のA−A断面図である。筋電検出装置10には一対の検出電極12及び基準電極13が実装される単一の基板14が設けられている。基板14の一方の面には、一対の検出電極12及び基準電極13と導通する導電パターン15が形成されている。また、基板14における一対の検出電極12及び基準電極13を実装する一面とは異なる他面には、種々の電子部品16が実装されている。また、基板14の他面側には、電池21を交換するための交換部22が配置されている。
【0033】
検出電極12は横断面視凸型形状に形成されていて、その細い側の一端部121は横断面視四角形状に形成されている。筐体11には、検出電極12の一端部121の縦断面形状と同形状のスリット17が設けられている。このスリット17により検出電極12の一端部121が筐体11の外部に突出することになる。
一方の基準電極13においても、検出電極12と同様に筐体11に設けられたスリット18(図2参照)に嵌合して、基準電極用の導電パターン15に圧接されるとともに、筐体11から外部に露出している。
【0034】
[制御構成]
【0035】
図4は、筋電検出装置10の制御構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように筋電検出装置10は、測定部110と、CPU120と、送受信部130と、記憶部140とを備えて構成されている。
【0036】
このうち測定部110は、筋肉活動情報としての筋電位を測定する本発明に係る生体情報検出部であり、一対の検出電極12と、基準電極13と、前記一対の検出電極12及び基準電極13により検出された電位差を低インピーダンス変換して出力するインピーダンス変換器112と、このインピーダンス変換器112から入力される信号を所定の信号レベルまで増幅して出力する増幅器113と、この増幅器113から入力される信号のうち所定の周波数範囲の信号を通過させて範囲外の周波数成分を除去するフィルタ114と、このフィルタ114から入力される信号をA/D変換して出力するA/D変換器115とで構成されている。
【0037】
図5は、増幅器113の回路構成を表す回路図である。この図5に示すように、増幅器113には、抵抗器131とコンデンサ132との直列回路が接続されている。この直列回路により、一対の検出電極12から入力された筋電位を増幅する際の利得を設定する機能と、一対の検出電極12から入力された筋電位に含まれるノイズを増幅前に除去する高域通過フィルタとしての機能とが実現されている。そして、増幅器113は非反転増幅器143及び差動増幅器144によって構成されている。非反転増幅器143は、外付けの抵抗器131及びコンデンサ132、オペアンプ133,134、抵抗器135,136等によって構成されている。差動増幅器144は、抵抗器137,138、141,142及びオペアンプ139によって構成されている。
【0038】
そして、一対の検出電極12で検出される2点間の電位変化は数10μV〜数mVで筋電位の周波数帯は2〜10KHzである。一般に、生体のインピーダンスは非常に高いので、インピーダンス変換器(例えば電圧フォロー型の回路)112でインピーダンス変換を行う。次に、増幅器(例えば作動増幅器)113により、電圧を100倍程度に増幅し、筋電波形を処理できるようにする。この増幅器113により増幅された波形には、様々な雑音(ノイズ)が重畳されている。そこで、次段のフィルタ114によって、筋電波形として処理する範囲外の周波数成分を除去する。次に、フィルタ114から入力される信号(アナログ信号)をA/D変換器(例えば12bitのA/D変換器)115でデジタル信号化する。
なお、ここではフィルタ114としてアナログフィルタを使用したが、アナログフィルタの代わりに、デジタルフィルタを用いてもよい。この場合には、デジタルフィルタは、A/D変換器115の後段に設けられる。
【0039】
CPU120は、記憶部140に記憶されるプログラムやデータ、制御装置30から送信されたデータ等に基づいて筋電検出装置10内の各機能部への指示やデータの転送等を行い、筋電検出装置10を制御する。また本実施形態を実現するため、CPU120は、測定部110により連続的に測定される筋電位(筋肉活動情報)を基に筋肉の活動状態(筋肉活動状態)を測定し、測定結果を制御装置30に送信する筋肉活動状態測定処理を実行する。
【0040】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、筋電検出装置10を装着する際には、筋繊維Mが一対の検出電極12の延在方向に対して略直交となるようにユーザは筋電検出装置10を配置する。ここで、「略直交となるように配置」とは、筋繊維Mに対して完全に直交するように配置することが好ましいが、箇所によっては筋繊維自身も湾曲しているために、少なくとも筋電位を検出するうえで精度上問題がない範囲で直交方向から傾けて配置する場合も含むこととする。
【0041】
この際、一対の検出電極12及び基準電極13が筐体11の一面から突出しているので、これらの電極12,13が肌に対して密着することになる。
【0042】
その後、制御装置30から送受信部を介して開始指示が入力されると、CPU120は、筋電検出装置10内の各機能部への指示やデータの転送等を行い、筋電検出装置10を制御する。また本実施形態を実現するため、CPU120は、測定部110により連続的に測定される筋電位(筋肉活動情報)を基に筋肉の活動状態(筋肉活動状態)を測定し、測定結果を制御装置30に送信する筋肉活動状態測定処理を実行する。
制御装置30では、筋電検出装置10から送られた測定結果をユーザに報知する。
【0043】
以上のように、本実施形態によれば、一対の検出電極12及び一対の基準電極13が、一対の検出電極12の延在方向に直交する方向に対して重ならないように配置されているので、一対の検出電極で検出すべき筋電位を一対の基準電極により阻害されることなく、すなわち、邪魔されることなく、正確且つ確実に検出することが可能となる。したがって、正確な値の筋電位を検出することが可能となる。
【0044】
また、筋電検出装置10に増幅器113が設けられているので、当該増幅器113により一対の検出電極12で検出された筋電位を増幅することができる。
【0045】
筋電検出装置10に測定部110及び送受信部130が設けられているので、測定部110により、一対の検出電極12で検出された筋電位を生体情報として検出することができるとともに、その生体情報を送受信部130により制御装置30に伝送することができる。
【0046】
また、基板14の他面側に、電池21を交換するための交換部22が配置されているので、汗等により湿気が電池21に伝達することを抑制することができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、基準電極13が一対の検出電極12を挟むように配置されている場合を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、基準電極13の配置位置は一対の検出電極12の延在方向に直交する方向に対して少なくとも重ならないように配置されていればよい。さらに、基準電極の個数、形状ともに如何様でもよい。例えば、図6に示す筋電検出装置10Aのように、一対の検出電極12の間の一側方に楕円形状の基準電極13aが一つ配置される場合が挙げられる。つまり、基準電極13aは、検出電極12の延在方向に直交する方向に当該検出電極12を延長した領域(図6における網掛部N)以外の領域に配置されていればよいのである。
【0048】
また、筐体11が柔軟性を有していることが好ましい。これによって人体表面の湾曲に沿って筐体11を変形させることができる。
さらに、基板14が可撓性を有していることが好ましい。図7は柔軟性を有した筐体11及びフレキシブル基板14bを用いた場合を表す説明図であり、(a)は人体Hとの接触状態を表していて、(b)は(a)の点線部Tの拡大図である。この図7に示すように基板がフレキシブル基板14bであると筐体11の変形状態に応じてフレキシブル基板14bも湾曲させることができ、電極12,13と肌との密着性を高めることができる。
【0049】
また、筐体11から露出する基準電極13の一端部が一対の検出電極12の一端部よりも先方に突出していることが好ましい。これにより、人体表面の湾曲に沿って検出電極12及び基準電極13のそれぞれの一端部が位置することになって、各電極12,13をより肌に密着させることができる。図8は、基準電極13の一端部を一対の検出電極12の一端部よりも先方に突出させた場合の具体例を表す説明図である。例えば図8(a)では、基準電極13の一端部が検出電極12の一端部よりも長いものを設けたことにより、基準電極13の一端部が一対の検出電極12の一端部よりも先方に突出している場合を表している。また、図8(b)では、それぞれの一端部が同程度の長さの基準電極13及び検出電極12を用いているが、筐体11及び基板14を検出電極12の外側付近で屈曲させることで、基準電極13の一端部が一対の検出電極12の一端部よりも先方に突出している場合を表している。図8(c)では、基準電極13の表面を外側に向かって徐々に筐体11から離れるように傾斜させることで、基準電極13の一端部が一対の検出電極12の一端部よりも先方に突出している場合を表している。図8(b),(c)の場合、基準電極13の表面と、検出電極12の表面とが略円弧状に配置されるのでより肌に密着しやすくなっている。図8(d)では、基準電極13の表面を外側に向かって徐々に筐体11から離れるように凹曲面とすることで、基準電極13の一端部が一対の検出電極12の一端部よりも先方に突出している場合を表している。この場合、基準電極13の表面が凹曲面となっているので、より肌に密着しやすくなっている。
【0050】
また、本実施形態では、一対の検出電極12と基準電極13とが筐体11により一体的に格納されている場合を例示して表しているが、基準電極が筐体外部に設けられていてもよい。図9は、基準電極が筐体外部に設けられている筋電検出装置の一例を表す側面図である。この図9に示す筋電検出装置10Bには、一対の検出電極12を露出させるように基板14を格納する筐体11bと、基板14に電気的に接続された基準電極13bを保持する保持部40とが備えられている。保持部40は、ベルト状に形成されていて、その両端部を軸41によって回動自在に筐体11bに軸支されている。これにより保持部40が筐体に対して位置変更自在に連結されることになる。そして、保持部40を腕や腿に巻き付けることで筐体11bを人体に装着することができる。保持部40の内側には、基準電極13bが埋設されていて、これにより基準電極13bが肌に接触するようになっている。このように保持部40が筐体11bに位置変更自在に連結されているので、保持部40に保持された基準電極13bと、筐体11bから露出した一対の検出電極12とのそれぞれの一端部を、人体表面の湾曲に沿って配置させることができ、各電極12,13bをより肌に密着させることができる。
なお、図10に示すように保持部40c自体を基準電極13cとしてもよい。こうした場合、基準電極13cと肌との接触面積をより広く確保することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態では、送受信部130がワイヤレスで制御装置30と通信を行う場合を例示して説明したが、有線によって制御装置30と通信を行う送受信部であってもかまわない。
【0052】
また、本実施形態では、測定部110で検出された生体情報を送受信部130が制御装置30に伝送する場合を例示して説明したが、一対の検出電極12により検出された検出結果を送受信部130が直接制御装置30に伝送するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態の生体情報検出装置を備えた筋肉活動測定システムを示す図である。
【図2】本発明の実施形態の生体情報検出装置としての筋電検出装置の平面図である。
【図3】図2の筋電検出装置のA−A断面図である。
【図4】図2の筋電検出装置の制御構成の一例を示す全体回路ブロック図である。
【図5】図4の筋電検出装置に備わる増幅器の回路構成を表す回路図である。
【図6】図2の筋電検出装置の第1の変形例を表す平面図である。
【図7】(a)及び(b)は図2の筋電検出装置の第2の変形例を表す断面図及び要部拡大断面図である。
【図8】(a)〜(d)は図2の筋電検出装置の第3の変形例を表す正面図である。
【図9】図2の筋電検出装置の第4の変形例を表す正面図である。
【図10】図9の筋電検出装置の第5の変形例を表す正面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 筋肉活動測定システム
10 筋電検出装置(生体情報検出装置)
11 筐体
12 検出電極
13 基準電極
14 基板
15 導電パターン
16 電子部品
17 スリット
18 スリット
21 電池
22 交換部
30 制御装置
40 保持部
110 測定部(生体情報検出部)
112 インピーダンス変換器
113 増幅器
114 フィルタ
115 A/D変換器
121 一端部
130 送受信部(送信部)
M 筋繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筋繊維の長さ方向に対して延在方向が略直交するように配置される互いに平行な一対の筋電位検出用の検出電極と、
前記一対の検出電極により検出された電位に対する基準電位を検出する基準電極と、
前記一対の検出電極及び前記基準電極を実装する基板とを備え、
前記一対の検出電極及び前記基準電極は、前記延在方向に直交する方向に対して重ならないように配置されていることを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体情報検出装置において、
前記一対の検出電極により検出された筋電位を増幅するための増幅器をさらに備えることを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の生体情報検出装置において、
前記一対の検出電極により検出された検出結果を外部に伝送する送信部をさらに備えることを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の生体情報検出装置において、
前記一対の検出電極により検出された筋電位を生体情報として検出する生体情報検出部と、
前記生体情報検出部で算出された前記生体情報を外部に伝送する送信部とをさらに備えることを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体情報検出装置において、
前記一対の検出電極及び前記基準電極を露出させるように前記基板を格納する筐体を備え、
前記筐体から露出する前記基準電極の一端部は前記一対の検出電極の一端部よりも先方に突出していることを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の生体情報検出装置において、
前記筐体は柔軟性を有していることを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項7】
請求項6記載の生体情報検出装置において、
前記基板は可撓性を有していることを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体情報検出装置において、
前記一対の検出電極を露出させるように前記基板を格納する筐体と、
前記基板に電気的に接続された前記基準電極を保持する保持部とを備え、
前記保持部は前記筐体に位置変更自在に連結されていることを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項9】
請求項8記載の生体情報検出装置において、
前記保持部自体が前記基準電極であることを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項10】
請求項9記載の生体情報検出装置において、
前記保持部は可撓性を有していることを特徴とする生体情報検出装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の生体情報検出装置において、
前記基板における前記一対の検出電極及び前記基準電極を実装する一面とは異なる他面側に、電池を交換するための交換部を配置することを特徴とする生体情報検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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