説明

生体試料分離方法,生体試料検出方法,生体試料分離システム及び生体試料分離・検出システム

【課題】
生体試料を安定かつ小容量で分離・分取することである。
【解決手段】
タンパク質を含む生体試料を第一の逆相カラムに吸着させ、有機溶媒を用いて第一の逆相カラムから主要タンパク質以外の成分を溶出し、溶出した試料を水で希釈して有機溶媒濃度を低下させ、希釈した試料を第一のカラムより細い第二の逆相カラムに導入し、第一のカラムから溶出したときよりも低流速で試料を溶出することで、生体試料を分離・分取する生体試料分離方法を解決手段とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体試料分離方法,生体試料検出方法,生体試料分離システム、又は生体試料分離・検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体試料中に微量に存在する成分の中から新たなバイオマーカーを探索する研究が世界中で行われており、またそれらの臨床検査への適用が期待されている。ペプチドのような血液中の低分子は有効なマーカーとして特に注目されている。
【0003】
生体試料は多数の成分の複雑な混合物である。従ってこれを解析するには、まず高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により成分を分離して試料の複雑性を減少させた後、未知の成分を高感度検出可能な質量分析(MS)によって解析する手法が広く用いられている。そして、生体試料中に微量に存在するマーカーをMS検出するためには、例えば血清であれば20μL(タンパク質量で1mg)程度が必要である。
【0004】
HPLCでは通常、分離可能なタンパク質容量が大きいカラムほど、分離に高流速が必要となる。例えば上記1mgのタンパク質を分離する場合、流量1mL/min程度の大容量カラムが必要となる。しかしこの場合、溶出される試料の容量も大きくなることから、一度分離・分取する試料をMS測定前に濃縮する必要が生じる。例えば、100μLの試料を濃縮するのには3h程度を要し、解析スループット低下の要因となる。
【0005】
例えば血清の場合、その成分の90%以上は、アルブミンをはじめとする一部の主要タンパク質に占められている(例えば、非特許文献1参照。)。従ってこれらを予め除去することで、必要な20μL相当の血清試料を流量の小さい低容量カラムに導入することが可能となり、後の濃縮に要する時間を低減することができる。
【0006】
主要タンパク質除去手法としては、支持体に固定化した抗体を用いた除去キットがすでに市販されている。しかしこれらを用いた場合、主要タンパク質結合性の低分子も同時に除去されることが分かっている。これらの中には有効なバイオマーカー候補も多いことが、同手法の利用上の課題である。
【0007】
逆相カラムから溶出する試料の有機溶媒濃度を下げる手法としては、有機溶媒を含む試料を、加熱キャピラリーネブライザーを通過させることで、有機溶媒を除去する手法が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。同手法は加熱によって有機溶媒を蒸発,除去している。試料にタンパク質のような不安定な生体分子が含まれる場合、加熱によって試料が変性する可能性があり、同手法の使用は適さない。
【0008】
また、タンパク質を含む生体試料を順相カラムに導入してタンパク質を素通りさせて除去し、順相カラムに吸着した低分子を溶出して第二のカラムに導入し、分離する手法が報告されている(例えば、特許文献2参照。)。同手法は第一のカラムでタンパク質を素通りさせて除去する。また同手法では、試料の第一のカラム導入前に、タンパク質と低分子を解離させるための有機溶媒添加による希釈を行っている。
【0009】
【特許文献1】特表2006−504098号公報
【特許文献2】特開2003−149216号公報
【非特許文献1】Mol Cell Proteomics. 2002、1、845−67.p856に記載
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1つの目的は、生体試料を安定かつ小容量で分離・分取することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、生体試料を第一の逆相カラムに吸着させ、有機溶媒を用いて第一の逆相カラムから溶出し、溶出した試料を希釈して有機溶媒濃度を低下させ、希釈した試料を第一のカラムより細い第二の逆相カラムに導入し、第一のカラムから溶出したときよりも低流速で試料を溶出することで、生体試料を分離・分取する生体試料分離方法を1つの特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の1つの実施形態によれば、一画分あたりの容量を低減し、濃縮工程を省略あるいは低減可能である生体試料分離方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態は、例えば、以下の特徴を持つ。生体試料を第一の逆相カラムに吸着させ、主要タンパク質が溶出されない濃度の有機溶媒(アセトニトリル等、<50%)でペプチド等の低分子のみを溶出し、溶出した低分子が逆相カラムに吸着可能な有機溶媒濃度(<25%)にまで試料を希釈し、希釈した試料を第一の逆相カラムより細い第二の逆相カラムに吸着させ、第一の逆相カラムから溶出したときよりも低流速で試料を分離・分取する。生体試料としては、血液(血清,血漿),尿,脳髄液,唾液等、主要タンパク質の存在がマーカー探索の妨げとなる生体試料が想定される。また解析対象としてはタンパク質やペプチド,代謝物等の低分子化合物が想定される。逆相カラムの支持体としては、シリカゲル,ポリマー,シリカゲルおよびカーボンのハイブリッド粒子といった支持体に極性の低いオクタデシル基(C18),オクチル基(C8),ブチル基(C4),トリメチル基(C3),フェニル基(Ph)等を化学結合させたものを用いることができる。有機溶媒としては、アセトニトリルやメタノール等を、水と混合して適切な濃度に調製して用いる。また、pHを調整するため、適宜トリフルオロ酢酸(TFA)等の酸を添加する。第一の逆相カラムからの試料の溶出には、一定濃度の有機溶媒を含む溶離液の定濃度送液,有機溶媒濃度が異なる複数種類の溶離液のステップワイズ送液,有機溶媒濃度を勾配的に変化させたグラジエント送液等を用いる。第二の逆相カラムからの試料の溶出にも同様の手法を用いることができる。第二の逆相カラムで混合物試料を分離する目的の場合は、有機溶媒濃度が異なる複数種類の溶離液のステップワイズ送液,有機溶媒濃度を勾配的に変化させたグラジエント送液が特に推奨される。また、第一のカラムからの溶出後に、試料の第二のカラムへの吸着を促進するために水による希釈を行っている。希釈によって有機溶媒濃度を低下させている。また、第一のカラムと第二のカラムとの間に希釈ユニットを設けることで、両カラムへの送液を一台のポンプで実施可能である。生体試料の1つであるタンパク質を吸着させて除去する手法である。第一のカラムからの溶出後に、試料の第二のカラムへの吸着を促進するために水による希釈を行うことが望ましい。一方、本発明では第一のカラムと第二のカラムとの間に希釈ユニットを設けることで、両カラムへの送液を一台のポンプで実施することも可能である。
【0014】
以下、実施例により説明する。
【実施例1】
【0015】
図1乃至図5を参照し、本発明の実施例1について説明する。本実施例では、(1)生体試料を第一の逆相カラムに吸着させ、(2)主要タンパク質が溶出されない濃度の有機溶媒でペプチドのみを溶出し、(3)溶出したペプチドが逆相カラムに吸着可能な有機溶媒濃度にまで試料を希釈し、(4)希釈した試料を第一の逆相カラムより細い第二の逆相カラムに吸着させ、(5)第一の逆相カラムから溶出したときよりも低流速で試料を分離・分取する、の順番で作業を進める。ただし、本発明は本実施例のみに限定されるものではなく、その技術思想の範囲内において、種々変形可能である。
【0016】
図1に示すように、本実施例ではHPLCシステムとしてポンプ101,オートサンプラ102,UV検出器103,フラクションコレクタ104,第一の流路切り替えバルブ105aおよび第二の流路切り替えバルブ105bを用いる。HPLCシステムの配管の状態を図1に、また送液のシーケンスを図2に示す。
【0017】
ここでは第一の逆相カラム106と第二の逆相カラム107をオフラインとして実験を行った。オフラインとは、一つの流路中でカラムを連結せず、試料を第一のカラムで分離した後に一度回収し、第二のカラムに再度導入する実験手法である。配管はポンプ101から第一の流路切り替えバルブ105aを介して第一の逆相カラム106と第二の逆相カラム107を並列に連結し、次に両カラムは第二の流路切り替えバルブ105bを経てUV検出器103に導入され、フラクションコレクタ104によって分取される。図1の第一の流路切り替えバルブ105aおよび第二の流路切り替えバルブ105bのバルブ位置を図中実線で表されるバルブ位置1とした場合、オートサンプラ102から、第一の流路切り替えバルブ105a,第一の逆相カラム106,第二の流路切り替えバルブ105b,UV検出器103へと配管が接続されることとなる。また、図中破線で表されるバルブ位置2とした場合、オートサンプラ102から、第一の流路切り替えバルブ105a,第二の逆相カラム107,第二の流路切り替えバルブ105b,UV検出器103へと配管が接続されることとなる。溶離液A液として0.1%TFAを含む5%アセトニトリル、溶離液B液として0.1%TFAを含む95%アセトニトリルを調製して用いた。
【0018】
以下、図2を参照して、HPLCの各工程について詳細に説明する。
(1)生体試料を第一の逆相カラム106に吸着させる工程:オートサンプラ102を用いて血清20μLを第一の逆相カラム106(4.6mmI.D.x100mm,粒子径3μm)に導入する。逆相カラムとは、疎水性の固定相に対して液体の移動相を送液し、各種の化合物をその両相との疎水性相互作用の差によって分離するためのカラムである。
(2)ペプチドを第一の逆相カラム106から溶出する工程:血清導入後5分間で、B液濃度0〜50%のリニアグラジエントにより、ペプチドを溶出する。ポンプ101からUV検出器103までの配管の長さを考慮し、グラジエント開始後1分から、アルブミンが検出される直前(5.5分)までの、4.5分間分の溶出液(4.5ml)を回収する。
(3)溶出したペプチドを第二の逆相カラムに吸着可能な有機溶媒濃度にまで希釈する工程:回収した4.5mLの溶出液に対して4.5mLの水を添加し、最終的なアセトニトリル濃度を約12%とする。
(4)希釈した試料を第二の逆相カラムに吸着させる工程:希釈した試料溶液9mLを、オートサンプラ102を用いて第二の逆相カラム107(2mmI.D.x150mm,粒子径5μm)に導入する。第二の逆相カラムとは、第一の逆相カラムと同じ分離特性を持つが、第一の逆相カラムよりも細いカラムである。
(5)第二の逆相カラムから試料を分離・分取する工程:試料導入後10分間で、B液濃度12〜50%のリニアグラジエントにより、ペプチドを溶出する。ポンプ101からUV検出器103までの配管の長さを考慮し、グラジエント開始後1〜11分(全体シーケンスにおいて11〜21分)までの10分間分の溶出液を、18秒毎に分取(各60μL)する。
【0019】
(分離した試料の質量分析による測定)
分離した試料を質量分析部110(質量分析装置)、例えば、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI−TOF−MS)を用いて測定し、各フラクションで得られるピーク数を測定する。その結果、溶出を行った10分間の間で合計3109本のペプチドピークが検出された。
【実施例2】
【0020】
本実施例では第一の逆相カラムと第二の逆相カラムの間に希釈ユニットを設けることで、全ての工程をオンラインで行う例について示す。
【0021】
図3に示すように、本実施例ではHPLCシステムとしてポンプ101,オートサンプラ102,UV検出器103,フラクションコレクタ104,第一の流路切り替えバルブ105aおよび第二の流路切り替えバルブ105bを用いる。HPLCシステムの配管の状態を図3に、また送液のシーケンスを図4に示す。ポンプ101から第一の流路切り替えバルブ105aを介して第一の逆相カラム106が連結され、次に希釈ユニット301を連結し、第二の流路切り替えバルブ105bを経て第二の逆相カラム107が連結され、最後にUV検出器103に導入され、フラクションコレクタ104によって分取される。この場合、第二の逆相カラムから試料を分離・分取する工程において、第一の逆相カラム106および希釈ユニット301はデッドボリュームとなり、第二の逆相カラムにおける分離精度悪化の原因となりうる。そこで第一の流路切り替えバルブ105aと第二の流路切り替えバルブ105bを直接連結する流路を別途設けることで、ポンプ101から第一の逆相カラム106および希釈ユニット301を介さずに、第二の逆相カラム107に送液可能な構成とする。図3の第一の流路切り替えバルブ105aおよび第二の流路切り替えバルブ105bのバルブ位置を図中実線で表されるバルブ位置1とした場合、オートサンプラ102から、第一の流路切り替えバルブ105a,第一の逆相カラム106,希釈ユニット301,第二の流路切り替えバルブ105b,第二の逆相カラム107,UV検出器103へと配管が接続されることとなる。また、図中破線で表されるバルブ位置2とした場合、オートサンプラ102から、第一の流路切り替えバルブ105a,第二の流路切り替えバルブ105b,第二の逆相カラム107,UV検出器103へと配管が接続されることとなる。
【0022】
また、図5に、希釈ユニットの構造例を示す。本希釈ユニットは配管502の下部に空
洞部503が突出する構造を持つ。空洞部503の体積は9mLであり、空洞部503の底面部には希釈液を注入するための希釈液注入ポート501が取り付けられている。空洞部503にはあらかじめ、希釈液注入ポート501を介して希釈液が4.5mL導入されている。
【0023】
第一の逆相カラム106から溶出された試料が同希釈ユニット内に流入すると、はじめに重力によって試料は空洞部503に蓄積される。流入された試料の量が4.5mL(あらかじめ導入されていた希釈液とあわせると9mL(すなわち空洞部503の容積))を超えた時点で、希釈液によって希釈された試料は空洞部503から第二の逆相カラム107へと流出する。試料流出に先立って始めに空洞部503に存在していた空気が押し出されるため、空気の体積に相当する4.5mL分は、希釈ユニット301と第二の逆相カラム107の間を介する第二の流路切り替えバルブ105bを切り替えることでドレインに排出し、その後流出される試料のみ第二の逆相カラム107に導入する。すなわち、試料流出に先立って押し出される空洞部503の空気を、希釈ユニットと第二の逆相カラム107の間に介したバルブを切り替えることでドレインに排出し、その後流出される試料のみを第二の逆相カラム107に導入する。
【0024】
以下、図4を参照して、HPLCの各工程について詳細に説明する。
(1)生体試料を第一の逆相カラムに吸着させる工程:オートサンプラ102を用いて血清20μLを第一の逆相カラム106に導入する。
(2)ペプチドを第一の逆相カラムから溶出する工程:血清導入後5分間で、B液濃度0〜50%のリニアグラジエントにより、ペプチドを溶出する。
(3)溶出したペプチドを第二の逆相カラムに吸着可能な有機溶媒濃度にまで希釈する工程:第一の逆相カラム106から溶出された試料は、第一の逆相カラム106と第二の逆相カラム107との間に設けられた希釈ユニット301に導入される。
(4)希釈した試料を第二の逆相カラムに吸着させる工程:希釈ユニット301からの試料流出に先立って、希釈ユニット内部の空洞部に存在する空気が押し出されるため、空気の体積に相当する4.5mL分は、希釈ユニット301と第二の逆相カラム107の間を介するバルブ150bを切り替えることでドレインに排出し、その後流出される試料のみ第二の逆相カラム107に導入する。
(5)第二の逆相カラムから試料を分離・分取する工程:第二の逆相カラム107への試料導入終了後10分間(全体シーケンスにおいて19.5〜29.5分)で、B液濃度12〜50%のリニアグラジエントにより、ペプチドを溶出する。ポンプ101からUV検出器103までの配管の長さを考慮し、グラジエント開始後1〜11分(全体シーケンスにおいて20.5〜30.5分)の10分間分の溶出液を、18秒毎に分取(各60μL)する。
【0025】
本実施例で述べたように、生体試料からアルブミンのような過剰タンパク質を第一の逆相カラムよって除去し、試料の総タンパク質濃度を低下させることで、残存成分を第一の逆相カラムより細い第二の逆相カラムによって、低流速で分離する手法を提供する。具体的に述べると、単一の逆相カラムのみを用いて高流速で分離を行う手法を比較例とする場合、比較例が、分取される試料の容量が一画分あたり300μLであり、MS解析前の濃縮工程で9時間を要する場合、本実施例の手法を用いることで一画分あたりの容量を60μLにまで低減し、濃縮工程を省略あるいは1/5以下に低減可能であることから、解析のスループットを5倍以上に向上させることができる。本技術は特に質量分析を用いたハイスループットな生体試料解析において有効となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】HPLCシステム配管例1を示した説明図である。
【図2】配管例1における送液シーケンスを示した説明図である。
【図3】HPLCシステム配管例2を示した説明図である。
【図4】配管例2における送液シーケンスを示した説明図である。
【図5】希釈ユニット構成を示した説明図である。
【符号の説明】
【0027】
101 ポンプ
102 オートサンプラ
103 UV検出器
104 フラクションコレクタ
105a 第一の流路切り替えバルブ
105b 第二の流路切り替えバルブ
106 第一の逆相カラム
107 第二の逆相カラム
301 希釈ユニット
501 希釈液注入ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料を第一の逆相カラムに吸着させ、有機溶媒を用いて第一の逆相カラムから溶出し、溶出した試料を希釈して有機溶媒濃度を低下させ、希釈した試料を第一のカラムより細い第二の逆相カラムに導入し、第一のカラムから溶出したときよりも低流速で試料を溶出することで、生体試料を分離・分取する生体試料分離方法。
【請求項2】
請求項1において、前記生体試料はタンパク質を含み、前記第一の逆相カラムから主要タンパク質以外の成分を溶出し、溶出した試料を水で希釈することを特徴とする生体試料分離方法。
【請求項3】
請求項1において、
第一の逆相カラムから溶出した試料を一旦回収し、希釈して第二のカラムに導入する生体試料分離方法。
【請求項4】
請求項1において、
第一の逆相カラムと第二の逆相カラムとの間に希釈ユニットを設け、第一のカラムから溶出した試料を前記希釈ユニットを介して第二のカラムに導入する生体試料分離方法。
【請求項5】
請求項3において、
希釈ユニットが配管下部に空洞部が突出する構造を持ち、同空洞部にはあらかじめ希釈用水が導入されており、第一のカラムから溶出された試料が同ユニット内に流入する際に重力によって試料が空洞部に蓄積され、流入量が空洞部の容積を超えた時点で、希釈された試料が空洞部から第二のカラムへと流出することを特徴とする生体試料分離方法。
【請求項6】
請求項4において、
試料流出に先立って押し出される空洞部の空気を、希釈ユニットと第二のカラムの間に介したバルブを切り替えることでドレインに排出し、その後流出される試料のみを第二のカラムに導入することを特徴とする生体試料分離方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
第一の逆相カラムにおける分離のための送液と、第二の逆相カラムにおける分離のための送液を、同じポンプによって実施することを特徴とする生体試料分離方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか記載の生体試料分離方法により分離された試料を質量分析によって検出することを特徴とする生体試料分離検出方法。
【請求項9】
ポンプと、オートサンプラと、検出器と、フラクションコレクタと、第一の流路切り替えバルブおよび第二の流路切り替えバルブと、第一の逆相カラムと第二の逆相カラムとを有し、
ポンプから第一の流路切り替えバルブを介して第一の逆相カラムと第二の逆相カラムを並列に連結し、第一の逆相カラム又は第二の逆相カラムからの試料は、第二のバルブを経て検出器に導入され、フラクションコレクタによって分取されることを備えた生体試料分離システム。
【請求項10】
請求項9に記載の生体試料分離システムと、分取された試料を検出する質量分析部とを有することを特徴とする生体試料分離・検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−294118(P2009−294118A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148708(P2008−148708)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】