説明

生化学的にバランスさせた腹膜透析溶液

【課題】最終段階の腎臓疾患に関係した代謝性アシドーシスの問題に適切に対処する腹膜透析溶液の提供。
【解決手段】腹膜透析溶液であって、20mM/L以上及び30mM/L以下のレベルに重炭酸塩を含み、60mmHgより低い二酸化炭素分圧を有し、そして約10mEq/L乃至約20mEq/Lの量で存在する乳酸塩、ピルビン酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、シス−アコニチン酸塩、α−ケトグルタール酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、及びオキザロ酢酸塩よりなる群より選ばれる少なくとも1つの弱酸を含む、腹膜透析溶液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には腹膜透析に関する。より具体的には、本発明は腹膜透析溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
腎臓がもはや十分な機能をしなくなる点まで腎臓機能が低下してしまった患者を維持するために透析を用いることが知られている。2つの主要な透析方法が利用されている、即ち血液透析と腹膜透析である。
血液透析では、該患者の血液が人工腎臓透析機器に通される。該機器の薄膜が該血液を浄化するために人工腎臓として働く。それは特別な機器類を要求する体外処理であるので、血液透析には一定の固有の短所がある。
血液透析に関係した該短所を克服するために、腹膜透析が開発された。腹膜透析は該患者自身の腹膜を半透膜として使用する。腹膜は、多数の血管と毛細血管のために自然の半透膜として働くことができる腹腔の膜状の内張りである。
腹膜透析では、透析溶液がカテーテルを用いて腹腔に導入される。十分な期間の後、該透析液と該血液との間で溶質の交換が達成される。流体除去が、血液からの水の流出を可能にするよう該血液から該透析液への適当な浸透圧勾配を提供することによって達成される。これは、酸−塩基電解質、及び液体の適正なバランスが血液に戻ることを許し、該透析溶液はカテーテルを通して該体腔から簡単排液される。
多くの透析溶液が用いられ、提案されてきた。腹膜透析に使用される透析溶液に付随する困難の1つは、それらは酸塩基ホメオスタシスを維持するための理想的な溶液ではないことである。代謝性アシドーシスは腹膜透析患者において発生しうる異化作用的事象である。
この点、腎臓は、酸−塩基バランスの保持において大きな役割を果している。
慢性腎不全においては、食物蛋白の代謝から生産された酸が代謝性アシドーシスを引き起こし得る。代謝性アシドーシスは呼吸器、心臓、及び/又は神経系に対して深くかつ急性の影響を有し得る。代謝性アシドーシスの長期の結果としては、蛋白質の栄養不良と骨格疾患が含まれる。
腹膜透析患者における酸−塩基バランス維持の目的のために、腹膜透析溶液中に乳酸塩が用いられてきた。典型的な商業的に入手可能な腹膜透析溶液は35から40mEq/Lの乳酸塩を含む。
これらの溶液は多くの透析患者において、酸−塩基バランスを保持するには適切なものである。しかしながら、乳酸塩の代謝が不足した及び/又は肝不全又はショックをも経験又は患っている患者は乳酸性アシドーシスを発症させ得る。この症候群は、該患者が乳酸塩を含んだ腹膜透析流体を受ける間、特有な症状として過換気、腹痛、及び意識障害を含む。
乳酸塩腹膜透析溶液に関する更なる問題は、腹膜細胞で行われた多くのin vitro研究が、腹膜細胞が高濃度の乳酸塩にさらされると細胞機能の変化を生じさせ得ることを示していることである。これらの細胞機能の変化は宿主防御を損ない、該腹膜の感染及び損傷の率を増加させることにつながり得る。
【0003】
この問題に対処するために、乳酸塩が完全に重炭酸塩によって置き換えられた腹膜透析溶液が提案されてきた。しかしながら、代謝的に生成された水素に対して全身の水素イオン濃度をバランスさせるために、及び正常な血漿の炭酸及び重炭酸塩濃度を保持するために、通常より相当に過剰の重炭酸塩濃度を用いることが必要である。このことに関して、38mM/Lより上の重炭酸塩濃度が必要であると信じられている。
生理学的pHに該溶液を保持することが必要であるため、そのような高重炭酸塩溶液の要求は生理学的pCO2の少なくとも2倍である二酸化炭素分圧(pCO2)を要求する(例えば、80mmHgよりも大きい)。そのような溶液は該患者の代謝の必要性には合致するかも知れないが、そのような溶液は該溶液に接触した腹膜細胞には生理学的環境を提供しない。重炭酸塩と二酸化炭素の間の輸送速度における差によって、そのような溶液については、腹腔を内張りしている細胞並びに腹腔内に存在している細胞の細胞内水素イオン濃度はひどく低下し、それらを代謝的に不利な状態にするであろう。この代謝上の不利益は、もしそれらが正常なpHだが正常を越えた重炭酸塩とpCO2である細胞外部の環境を共有するならば、予想されるものより増加するだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、最終段階の腎臓疾患に関係した代謝性アシドーシスの問題に適切に対処する腹膜透析溶液に対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.腹膜透析溶液であって、 20mM/L以上及び30mM/L以下のレベルに重炭酸塩を含み、60mmHgより低い二酸化炭素分圧を有し、そして約10mEq/L乃至約20mEq/Lの量で存在する乳酸塩、ピルビン酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、シス−アコニチン酸塩、α−ケトグルタール酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、及びオキザロ酢酸塩よりなる群より選ばれる少なくとも1つの弱酸を含む、腹膜透析溶液。
2. 該重炭酸塩が25mM/Lで該溶液中に存在している、項目1の腹膜透析溶液。
3. 該溶液の該二酸化炭素分圧が血液の二酸化炭素分圧とほぼ同じものである、項目1の腹膜透析溶液。
4. 該溶液が約7.0乃至約7.4のpHを有するものである、項目1の腹膜透析溶液。
5. 該弱酸が5.Oより小さいpKaを有するものである、項目1の腹膜透析溶液。
6. 該溶液の該二酸化炭素分圧が血液の該二酸化炭素分圧とほぼ同じものである、項目1の腹膜透析溶液。
7.腹膜透析溶液であって、
ブドウ糖(含水)(g/dl) 1.5〜4.25
ナトリウム(mEq/L) 100〜140
塩化物(mEq/L) 70〜110
カルシウム(mEq/L) 0.0〜4.0
マグネシウム(mEq/L) 0.0〜4.0
重炭酸塩(mEq/L) 20.0〜30.0
弱酸(mEq/L) 10.0〜20.0
を含み、
ここに該弱酸が乳酸塩、ピルビン酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、シス−アコニチン酸塩、α−ケトグルタール酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、及びオキザロ酢酸塩よりなる群より選ばれる少なくとも1つの酸である、腹膜透析溶液。
8. 該溶液が約7.0乃至約7.4のpHを有するものである、項目7の腹膜透析溶液。
9. 該弱酸が5.0より小さいpKaを有するものである、項目7の腹膜透析溶液。
10. 該二酸化炭素分圧が60mmHgより低いものである、項目7の腹膜透析溶液。
11. 該溶液の該二酸化炭素分圧が正常な血液の二酸化炭素分圧とほぼ同じものである
、項目7の腹膜透析溶液。
12.腹膜透析溶液であって、
ブドウ糖(含水)(g/dl) 1.5〜4.25
ナトリウム(mEq/L) 100〜140
塩化物(mEq/L) 70〜110 カルシウム(mEq/L)
0.0〜4.0 マグネシウム(mEq/L)
0.0〜4.0 重炭酸塩(mEq/L)
20.0〜30.0 弱酸(mEq/L)
10.0〜20.0を含み、
該弱酸が乳酸塩、ピルビン酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、シス−アコニチン酸塩、α−ケトグルタール酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、及びオキザロ酢酸塩よりなる群より選ばれる少なくとも1つの酸であり、そして該溶液が正常な被検者の血液の該二酸化炭素分圧と実質的に近似の二酸化炭素分圧を有し、及び該溶液が7.0乃至7.4のpHを有している、腹膜透析溶液。
13. 代謝性酸性症を患う又は患いそうな透析患者において代謝性アシドーシスを矯正
するための方法であって、該患者の血液中に見られるものと実質的に近似の重炭酸塩レベルと二酸化炭素分圧を有する腹膜透析溶液を患者に投与するステップを含む方法。
14.該溶液が、
ブドウ糖(含水)(g/dl) 1.5〜4.25
ナトリウム(mEq/L) 100〜140
塩化物(mEq/L) 70〜110
カルシウム(mEq/L) 0.0〜4.0
マグネシウム(mEq/L) 0.0〜4.0
重炭酸塩(mEq/L) 20.0〜30.0
弱酸(mEq/L) 10.0〜20.0
を含むものである、項目13の方法。
15. 該溶液に存在する弱酸を、約1mEq/kg/日の日々の水素産生を相殺する量
で該患者に投与するステップを含むものである、項目13の方法。
16.該弱酸が5.0より小さいpKaを有するものである、項目15の方法。
17.該溶液が約7.0乃至約7.4のpHを有するものである、項目14の方法。
18.該溶液が乳酸塩を含まないものである、項目13の方法。
19.該弱酸が約10乃至約20mEq/Lのレベルに該溶液中に存在するものである、項目15の方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によって、最終段階の腎臓疾患に関係した代謝性アシドーシスの問題に適切に対処する腹膜透析溶液が提供された
【発明を実施するための形態】
【0007】
(本発明の要約)
本発明は、より生理学的な仕方で慢性腎不全に関連した代謝性アシドーシスを矯正するために生化学的にバランスされた腹膜透析溶液を提供する。該腹膜透析溶液は生理学的なpH、例えば7.0から7.4のpHを有し、そして透析液体と溶質の拡散輸送に関わる血液中に見られる濃度の重炭酸塩を含む。これは現在の溶液による場合に見られる腹膜透析の間の重炭酸塩の損失を防ぐであろう。
加えて、該溶液は毛細血管においてみられる二酸化炭素の分圧に近い分圧で二酸化炭素を含む。該腹膜透析溶液は、内因性の代謝から生成された酸を中和するために必要な量の、5.0よりも小さいpKaの弱酸をも含んでいる。これらの弱酸は、中性の最終生成物をもたらすブドウ糖代謝の通常の生化学的中間物でもある。
この目的のために、本発明は30mM/Lよりも少ないか又は等しいレベルの重炭酸塩を含み、60mmHgよりも小さいpCO2を有し、及び乳酸塩、ピルビン酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、シス−アコニチン酸塩、α−ケトグルタール酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、及びオキザロ酢酸塩よりなる群より選ばれた少なくとも1つの弱酸を含んだ腹膜透析溶液を提供する。
該腹膜透析溶液の一具体例においては、重炭酸塩が25mM/Lで該溶液に存在する。
該腹膜透析溶液の一具体例においては、該弱酸は約10mEq/Lから約20mEq/Lの量で存在する。
該腹膜透析溶液の一具体例においては、該溶液のpCO2は血液のpCO2とほぼ同じである。
該腹膜透析溶液の一具体例においては、該溶液はほぼ7.14のpHを有する。
該腹膜透析溶液の一具体例においては、該弱酸が5.0よりも小さいpKaを有する。
その他の具体例においては、本発明は以下のものを含む腹膜透析溶液を提供する。即ち、ブドウ糖(含水)(g/dl) 1.5〜4.25
ナトリウム(mEq/L) 100〜140
塩化物(mEq/L) 70〜110
カルシウム(mEq/L) 0.0〜4.0
マグネシウム(mEq/L) 0.0〜4.0
重炭酸塩(mEq/L) 20.0〜30.0
弱酸(mEq/L) 10.0〜20.0
ここで、該弱酸は乳酸塩、ピルビン酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、シス−アコニチン酸塩、α−ケトグルタール酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、及びオキザロ酢酸塩よりなる群より選ばれる。
一具体例においては、該溶液はブドウ糖以外の浸透圧剤を含む。
一具体例においては、本発明は正常なヒトの血液でみられるのと実質的に近似の重炭酸塩のレベルと二酸化炭素の分圧を有する腹膜透析溶液を透析患者に投与するステップを含む代謝性アシドーシスを患っている又は患う可能性のある透析患者における代謝性アシドーシスを矯正するための方法を提供する。
本発明の一利点は、それが改良された腹膜透析溶液を提供することである。
本発明の別の一利点は、それが血液の重炭酸塩が正常よりも低いときに該患者に重炭酸塩を供給することである。
本発明のさらなる一利点は、それが血液の重炭酸塩が正常よりも高いときに重炭酸塩を除去することである。
本発明の別の一利点は、それが生化学的にバランスされた腹膜透析溶液を提供することである。
さらに本発明の一利点は、それか最終段階の腎臓疾患に関係した代謝性アシドーシスを矯正する腹膜透析溶液を提供することである。
更に、本発明の一利点は、それが通常の分圧のpCO2を有する通常の濃度に重炭酸塩をバランスさせる腹膜透析溶液を提供することである。
さらに本発明の一利点は、該透析溶液が代謝性の水素負荷の最終バランスを相殺するために重炭酸塩の拡散により付加的な重炭酸塩の寄与を提供し、そして正常を越えた濃度については逆も真である。
本発明の別の一利点は、それか生理学的なpHの腹膜透析溶液を提供することである。
本発明の更なる特徴と利点は、現在好ましい具体例についての詳細な記述中に記載されており、及びこれから明らかであろう。
現在好ましい具体例の詳細な記述本発明は改良された腹膜透析溶液を提供する。該溶液は慢性の腎不全に関連した代謝性アシドーシスを矯正するために生化学的にバランスされている。本発明によれば、該溶液は以前の腹膜溶液よりもより生理学的な仕方で生化学的にバランスされている。
この目的のために、本発明はより生理学的なレベル、例えば正常な血液中にみられるものと実質的に等しいレベルに重炭酸塩を含んだ腹膜透析溶液を提供する。
本発明の腹膜透析溶液は、一具体例においては、約20mM/Lから約30mM/Lのレベルに重炭酸塩を含んでいる。最も好ましい具体例においては、重炭酸塩が25mM/Lのレベルに存在する。
加えて、該溶液は60mmHgよりも小さい分圧で二酸化炭素を含む。好ましい具体例においては、該溶液のpCO2は毛細血管の中でみられる二酸化炭素の分圧と近似する。
さらに、好ましくは、該透析溶液は7.4のpHを有する。従って該溶液は、生化学的にバランスされているが、生理学的に受け入れられる溶液である。
加えて、該溶液は5よりも小さいpKaの弱酸を含んでいる。これらの弱酸はブドウ糖代謝の通常の生化学的な中間体であるように選ばれる。好ましくは、該弱酸は乳酸塩、ピルビン酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、シス−アコニチン酸塩、α−ケトグルタール酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、及びオキザロ酢酸塩よりなる群より選ばれる。これらの酸は該溶液の中で単独又は組み合わせのいずれでも存在することができる。好ましくは、該弱酸はほぼ10から約20mEq/Lのレベルで存在する。好ましくは、該弱酸はナトリウム塩として大部分は存在する。該弱酸はほぼ1mEq/kg/日の日々の代謝性水素産生を相殺するであろう量で存在する。
本発明に従って、いかなる浸透圧剤も該溶液に用いられることができる。例えば、ブドウ糖、マルトデキストリン、グリセロール、ポリグルコース、ポリペプチド及びアミノ酸が該浸透圧剤として使用されることができる。
好ましくは、該腹膜透析溶液、それが浸透圧剤としてブドウ糖を含んでいれば、以下に示すような一般組成を有する。即ち、
ブドウ糖(含水)(g/dl) 1.5〜4.25
ナトリウム(mEq/L) 100 〜140
塩化物(mEq/L) 70 〜110
カルシウム(mEq/L) 0.0〜4.0
マグネシウム(mEq/L) 0.0〜14.0
重炭酸塩(mEq/L) 20.0〜30.0
弱酸(mEq/L) 10.0〜20.0
pH 7.0〜7.14
好ましくは、ブドウ糖組成以外の浸透圧剤を含む溶液は次の一般組成を有する。即ち、浸透圧剤(mM/L) 1 〜200
ナトリウム(mEq/L) 100〜140
塩化物(mEq/L) 70 〜110
カルシウム(mEq/L) 0.0〜4.0
マグネシウム(mEq/L) 0.0〜4.0
重炭酸塩(mEq/L) 20.0〜30.0
弱酸(mEq/L) 10〜20.00
pH 7.0〜7.4
本発明の該腹膜透析溶液は通常の濃度において重炭酸塩とバランスさせ、そして正常な分圧のpCO2を有する。通常の環境において該弱酸は透析液から血液への非常に大きな勾配を有するであろう。このため、該弱酸は慢性の尿毒症の代謝性アシドーシスを矯正することにおいて比較的予測ができる方法で働くことが期待されることができる。
本発明の組成により、該患者の重炭酸塩レベルが25mM/Lの所定の正常な血液値よりも下に低下したとしても、バランスされていない代謝性水素負荷を相殺するため重炭酸塩の拡散によって更なる寄与があるし、そして正常の濃度を越える場合には逆も真であろう。異なった仕方で表現すれば、該溶液は重炭酸塩について25mM/Lの値付近で内蔵されたサーボ機構を有する。通常の濃度よりも高い純粋な重炭酸塩の溶液はこの利益を提供しない。
例として、そして制限としてではなく、本発明の特有な腹膜透析溶液の例がここに与えられよう。
【実施例】
【0008】
【数4−1】

【0009】
【数4−2】

【0010】
【数4−3】

【0011】
【数4−4】

【0012】
ここに記述した現在好ましい具体例についての種々の変更及び修正が当業者に明らかであるということを理解しなければならない。そのような変更及び修正は本発明の精神及び範囲から外れることなく且つ伴う利点を減ずることなく行うことができる。従って、そのような変更及び修正は添付の請求の範囲に包含されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
代謝性アシドーシスに罹患または罹患しそうな透析患者における代謝性アシドーシスを矯正するためのキットであって、該キットは、重炭酸レベルおよび二酸化炭素分圧が、患者血液に見出されるものと類似するものである腹膜透析溶液を含み、ここで該溶液が、
ブドウ糖(含水)(g/dl) 1.5〜4.25
ナトリウム(mEq/L) 132
塩化物(mEq/L) 96
カルシウム(mEq/L) 3.5
マグネシウム(mEq/L) 0.5
重炭酸塩(mEq/L) 25
乳酸塩(mEq/L) 10
を含む、キット。
【請求項2】
前記乳酸は、1mEq/kg/日の日量の代謝性水素産生を相殺する、請求項に記載のキット。
【請求項3】
前記乳酸は、5.0未満のpKaを有する、請求項に記載のキット。
【請求項4】
前記溶液は、7.0〜7.4のpHを有する、請求項に記載のキット。

【公開番号】特開2010−195802(P2010−195802A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85594(P2010−85594)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【分割の表示】特願2004−234869(P2004−234869)の分割
【原出願日】平成7年5月25日(1995.5.25)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】