説明

生物学的障壁を越える増強された放出特性を有する分子の輸送のための組成物および方法

カーゴ分子とトランスポーター分子とのコンジュゲートであって、カーゴ分子およびトランスポーター分子が放出可能な(releasable)リンカーによって共有結合されているコンジュゲートが開示される。コンジュゲートのカーゴは、生物活性物質またはレポーター分子であってよい。トランスポーターは、結合していないカーゴの輸送に比較して、生物学的障壁(例、細胞膜)を越えるカーゴの輸送を調節する。様々なタイプのカーゴおよびトランスポーターへの迅速かつ容易な結合に適する放出可能なリンカーもまた、コンジュゲートの合成におけるリンカーの使用方法とともに開示される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的障壁を越えてカーゴ分子を輸送するための組成物であって:
カーゴ分子;
トランスポーター分子;ならびに
カーゴ分子およびトランスポーター分子を共有結合する、式:
【化1】

(式中、Rは、任意に置換されたC−C炭化水素基、式:−CH−O−(C=O)−C−Cヒドロカルビルの任意に置換された基、もしくは任意に置換されたC−Cヘテロ鎖基であり;
Wは、−(C=O)−、−P(=O)(−OH)−、−−P(=O)(−O)、−−P(=O)(−O)−、もしくは−S(=O)−であって、Mはカチオンの1つの等価物であり;
Vは、O、NH、NR、CH、CHR、C(R、もしくはSであり;Rは、C−Cアルキルであり;brは、1〜4までの整数であり、R基上の「分枝鎖」の数を示している)の放出可能なリンカー
を含む組成物、またはそれらの任意の塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項2】
brは、1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記放出可能なリンカーは、式:
【化2】

のリンカーである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記カーゴ分子は、生物活性分子およびレポーター分子からなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
式(I):
【化3】

(式中、Carg−Nuはカーゴ分子「Carg−NuH」の残基を表し;そしてTransp−Sは、トランスポーター分子「Transp−SH」の残基を表す)の請求項3に記載の組成物、またはその任意の塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項6】
VはOである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
VはNHである、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
VはCHである、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
VはSである、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
は、C−Cアルキルである、請求項5に記載の組成物。
【請求項11】
VはOである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
は、−CHCH−である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
は、−CHCHCH−である、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
は、−CHCHCHCH−である、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
−Nu−は、−O−、−NH−、−NR−、もしくは−S−である、請求項11に記載の組成物。
【請求項16】
Carg−Nuは、レポーター分子の残基である、請求項5に記載の組成物。
【請求項17】
前記レポーター分子の残基は、ルシフェリンの残基である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
Carg−Nuは、生物活性分子の残基である、請求項5に記載の組成物。
【請求項19】
前記生物活性分子は、薬物、治療薬、および診断薬からなる群から選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記生物活性分子の残基は、パクリタキセルの残基である、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物は:
【化4】

【化5】

およびその任意の立体異性体、塩、もしくは溶媒和物からなる群から選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記生物活性分子の残基は、C2’ヒドロキシルもしくはC7ヒドロキシルいずれかで結合したシクロスポリンの残基である、請求項18に記載の組成物。
【請求項23】
r8−Cys−S−S−(CHCHCH)−C(=O)−O−CH−O−C(=O)−OCsA、および
r8−Cys−S−S−(CHCHCHCH)−C(=O)−O−CH−O−C(=O)−OCsA(式中、r8−Cys−S−は、アセチル−D−Cys−(D−Arg)−NHの残基を表し、−OCsAはシクロスポリンAの残基を示す)ならびにそれらのすべての塩、溶媒和物、および立体異性体からなる群から選択される、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
カーゴ分子「Carg−NuH」と式「Transp−SH」のチオール基を有するトランスポーター分子とのコンジュゲートを作製する方法であって、化合物Carg−NuH、アニオンCarg−Nu(−)、もしくは塩Carg−Nu(−)M(式中、−NuHもしくは−Nu(−)は求核成分であり、Mはカチオンの1つの等価物である)を式:Y−W−Y(式中、YおよびYは離脱基であり、同一であっても相違していてもよく、Wは−(C=O)−、−P(=O)(−OH)−、−−P(=O)(−O)−、−−P(=O)(−O)−、−−P(=O)(−O−PG)−(式中PGは保護基である)、もしくは−S(=O)−である)の化合物と反応させ、式:
Carg−Nu−W−Y1 (IIA−gb)
の化合物を形成する工程と;
式(IIIA−gb):
【化6】

(式中、Rは、任意に置換されたC−C炭化水素基、式:−CH−O−(C=O)−C−Cヒドロカルビルの任意に置換された基、もしくは任意に置換されたC−Cヘテロ鎖基であり;
Vは、O、NH、NR、CH、CHR、C(R、もしくはSであり;Rは、C−Cアルキルであり、このときbrは1〜4の整数であり、R基上の「分子鎖」の数を示しており、
TLGSはチオール離脱基安定剤である)の化合物を、式:Transp−SHのチオール基を有するトランスポーター基と反応させ、式(IVA−gb):
【化7】

の化合物を形成する工程と;
化合物(IIA−gb)を化合物(IVA−gb)と反応させ、式(Igb):
【化8】

のコンジュゲートを形成する工程、
を含む方法であって、
Wが−−P(=O)(−O−PG)−である場合は、保護基をリン酸塩から除去する追加の工程が実施される、方法

【請求項25】
brは1である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
式(IIg):
【化9】

(式中、Rは、任意に置換されたC−C炭化水素基、式:−CH−O−(C=O)−C−Cヒドロカルビルの任意に置換された基、もしくは任意に置換されたC−Cヘテロ鎖基であり;
Vは、O、NH、NR、CH、CHR、C(R、もしくはSであり;
TLGSはチオール離脱基安定剤であり;および
は、C−Cアルキルである)の化合物を式:Y−(C=O)−Yの活性化試薬と反応させ、式(IIIg):
【化10】

(式中、YおよびYは離脱基であり、同一であっても相違していてもよい)の化合物を形成する工程と;
式(IIIg)を式:Carg−NuH、アニオンCarg−Nu(−)、または塩Carg−Nu(−)M(式中、−NuHもしくは−Nu(−)は求核成分であり、Mはカチオンの1つの等価物である)の求核分子と反応させ、式(IVg):
【化11】

の化合物を形成する工程と:
および(IVg)をTransp−SHと反応させ、式(I):
【化12】

のコンジュゲートを形成する工程とを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
VはOである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
VはNHである、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
VはCHである、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
VはSである、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
は、C−Cアルキルである、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
VはOである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
は、−CHCH−である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
は、−CHCHCH−である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
は、−CHCHCHCH−である、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
−NuHは、−OH、−NH、−NHR、もしくは−SHである、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
−Nu(−)は、−O(−)、−NH(−)、−NR(−)、もしくは−S(−)である、請求項26に記載の組成物。
【請求項38】
は、Li、Na、K、Mg+2、もしくはCa+2である、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
TLGSは:
【化13】

を含む群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
前記カーゴ分子は、siRNA、miRNA、およびshRNAからなる群から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。
【請求項41】
前記カーゴ分子は、siRNA、miRNA、およびshRNAからなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項42】
トランスポーター−リンカー−カーゴコンジュゲートを細胞取り込みおよび細胞内遊離についてアッセイする方法であって:
細胞もしくは組織サンプルをある期間にわたってトランスポーター−リンカー−カーゴコンジュゲートと接触させる工程であって、該リンカーは請求項1に記載のリンカーであり、該カーゴはレポーター分子である工程と;および
該細胞もしくは組織内に輸送されているカーゴを検出する工程であって、それにより輸送を実行する際のトランスポーターの有効性が決定される工程とを含む方法。
【請求項43】
トランスポーター−リンカー−カーゴコンジュゲートを細胞取り込みおよび細胞内遊離についてアッセイする方法であって:
細胞もしくは組織サンプルをある期間にわたってトランスポーター−リンカー−カーゴコンジュゲートと接触させる工程であって、該コンジュゲートは請求項5に記載のリンカーであり、該カーゴはレポーター分子である工程と;および
細胞もしくは組織内に輸送されているカーゴを検出する工程であって、それにより輸送を実行する際のトランスポーターの有効性が決定される工程とを含む方法。
【請求項44】
前記カーゴは、ルシフェリンである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記コンジュゲートの「Transp−S」部分は、脂質を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項46】
前記脂質は、脂肪酸を含む群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記脂質トランスポーターは、式:
【化14】

のリンカーである、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
前記カーゴは、シクロスポリンAである、請求項46に記載の化合物。
【請求項49】
式:
【化15】

からなる群から選択される、請求項48に記載の組成物、およびそれらの任意の塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項50】
式:
【化16】

(式中、Vは、O、NH、NR、CH、CHR、C(R、もしくはSであり;およびjは、1〜8から選択される整数であるか;
または
【化17】

(式中、kは、0〜8から選択される整数である)の請求項5に記載の組成物。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【公表番号】特表2009−528292(P2009−528292A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556486(P2008−556486)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/005375
【国際公開番号】WO2008/069824
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(599108976)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ (61)
【Fターム(参考)】