説明

生物的エアフィルタ

周囲の空気の処理、例えば清浄、加湿、ろ過および/または解毒のための新規な装置は、植物、土壌、根および貯水タンクを含んでおり、長期間にわたり効果的な空気のろ過を可能にする。詳細には、この装置はエアインペラシステムを備えた設計であり、外部の「汚れた」空気を植物、土壌、根および/または貯水タンクの付近において装置内で循環させ、それにより不純物、毒素および他の望ましくない化学物質を空気から除去する。本発明の装置および方法は、空気処理が望ましい多数の用途、例えば家庭用途に容易に適用可能である。また、植物システムを含むことにより、この装置は機能的な目的だけでなく審美的な目的も果たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は一般に、生物的エアフィルタおよびそれを用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
過去の研究者により、望ましくない物質を吸収などして空気から取り出すのに植物を利用できることが実証されている。そのような望ましくない不純物を吸収および除去する植物の能力を利用して環境をより健全にするために、ある特定の設計が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
周囲の空気の処理、例えば清浄、加湿、ろ過および/または解毒のための新規な装置を開発した。この装置は、植物、土壌、根および貯水タンク(water reservoir)を備えており、長期間にわたり効果的な空気のろ過を可能にする。詳細には、この装置はエアインペラ(air impeller)システムを備えた設計であり、外部の「汚れた」空気を植物、土壌、根および/または貯水タンクの付近において装置内で循環させ、それにより不純物、毒素および他の望ましくない化学物質を空気から除去する。トップダウン式のろ過システムを構成する一連の構成部品は、個別の構成部品のそれぞれの吸収特性を高める。より一般には、ろ過構成部品の組み合わせは、全体的なろ過能力を高めると考えられる。記載の装置および方法は、空気処理が望ましい多数の用途、例えば家事用途またはオフィス用途に容易に適用可能である。また、植物システムを含むことにより、この装置は機能的な目的だけでなく審美的な目的も果たす。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、空気の処理(例えば、清浄、ろ過、加湿および/または解毒)に用いられる装置は、葉および根を有する植物、土壌基質、貯水タンク、およびエアインペラシステムを備え、装置の外部の空気を受け入れ、空気を植物の葉の付近、植物の根の付近、および土壌基質を通して循環させ、装置から空気を放出する。葉、根、土壌基質、および貯水タンクのそれぞれは、ハウジングの内部の空間に含まれていてもよい。本明細書で用いられる用語「葉」は、光合成のために特殊化した地上の植物器官を示すのに用いられる。つまり「葉」は、例えば、花弁、針葉樹の葉、およびシダの葉を包含する。
【0005】
エアインペラシステムは、装置の外部の空気を受け入れ、そして/もしくはハウジングの内部の空間において空気の流れを案内する入力ファン、空気を装置から放出し、そして/もしくはハウジングの内部の空間において空気の流れを案内する出力ファン、および/またはハウジングの内部の空間において空気の流れを案内する内部ファンをはじめとする一つまたは一連のファンを備えうる。さらに別の実施形態において、装置は、エアインペラシステムの速度および/または方向を制御するコントローラを備える。様々な実施形態において、入口および出口ファンの速度は、約100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、または400m/時間であってもよい。入口ファンと出口ファンとの速度比は様々であってもよい。
【0006】
十分なファン速度を有すること、および/または装置を通る空気の十分な実効スループットがあること(様々な構成部品(例えば、土壌)の抵抗性により調節される)は、合理的な時間でまたは可能な限り完全に室内の空気を効果的に清浄することを可能にするために重要である。空気の出入りおよび/または空気中への望ましくない物質の連続的な生成もしくは放出を考えると、低いファン速度または低いスループットの装置は、望ましくない物質の正味の減少を提供する効果が比較的低くなる可能性があり、または長時間運転してもわずかしかそれを実行できない可能性がある。
【0007】
特に、対流(例えば、窓やドアを通っての出入りを含む)による空気の循環時間が“T circulation”である特定の容積(V)の部屋では、フィルタを通る汚れた空気の正味の流速(Q)は、
V/Q<<T circulation
V(m)=空間の容積
Q(m/h)=気流、すなわちろ過速度
T filtration〜V/Q(h)
となるように十分に大きく選択される。
【0008】
室内に汚染物質(例えば、喫煙や家庭用掃除機の使用により生じたもの)が加えられている状況では、
T filtration<T production<<T circulation
T production=汚染物質の生成の特徴的な時間
T circulation=所望のろ過レベルを提供するために室外で空気全体を循環する特徴的な時間
となるように装置を構成することができる。
【0009】
幾つかの実施形態において、エアインペラシステムは、装置内に受け入れられた一塊の空気の中心を植物の葉、その後、根または土壌基質へと案内する。幾つかの実施形態において、エアインペラシステムは、一塊の空気の中心を植物の葉の約10cm、8cm、6cm、4cm、2cmまたは1cm以内で循環させる。幾つかの例において、エアインペラシステムは、植物の葉、植物の根および/または土壌基質の付近またはそれを通って、空気を少なくとも2回循環させる。幾つかの例において、エアインペラシステムは、貯水タンクの付近またはそれを通って空気を循環させる。
【0010】
幾つかの実施形態において、ハウジングは少なくとも2つの区画を有し、貯水タンクは、植物および土壌基質とは独立した区画に収容されている。幾つかの例において、貯水タンクは交換可能である。装置は、貯水タンクから土壌基質にまで延びる芯(wick)をさらに備えてもよい。幾つかの例において、装置は第2の貯水タンクを備えており、第1の貯水タンクは土壌および根に水分補給し、第2の貯水タンクは、葉に水分補給する。
【0011】
幾つかの実施形態において、装置は、例えば少なくとも50%、60%、70%、80%または90%の湿度を有する湿った空気を含んだ別の区画を含む。その区画は貯水タンクに隣接してもよく、例えば貯水タンクを収容していてもよい。装置は、湿った空気を含んだ区画を通してエアインペラシステムが空気を循環するように設計されてもよい。
【0012】
幾つかの実施形態において、ハウジングは、少なくとも一部が透明な材料で形成される。装置は、鏡をさらに備えていてもよい。
幾つかの実施形態において、土壌は活性炭を含む。
【0013】
別の態様において、空気を処理(例えば、清浄、ろ過、加湿および/または解毒)する方法は、処理する空気を植物の葉を通るよう案内した後にその空気を植物の根を支える土壌基質へと通すことを含み、空気から不純物を実質的に除去する。空気から不純物を除去することには、植物の葉を用いて不純物の第1の部分を除去することと、土壌基質への通過を利用して不純物の第2の部分を除去することとが含まれる。
【0014】
幾つかの実施形態において、不純物は、毒素、化学物質、汚染物質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、不純物は、ホルムアルデヒド、一酸化炭素、ベンゼンおよびトリクロロエチレンからなる群から選択される。幾つかの例において、方法は、処理する空気を貯水タンク中の水と接触させることも含む。幾つかの例において、処理する空気を植物の葉を通るよう案内した後にその空気を植物の根を支える土壌基質へと通すことには、ハウジングにより画定された内部の空間に周囲の空気を入れるために第1のファンを操作することであって、植物はハウジングの内部の空間の中に実質的に配置されていることと、ハウジングの内部の空間の空気をハウジングの外に排出するように第2のファンを操作することとが含まれる。幾つかの例において、方法には、第2のファンの速度に対する第1のファンの速度の比を変えることも含まれる。
【0015】
不純物は、毒素、化学物質、汚染物質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択してもよい。特定の実施形態において、不純物は、ホルムアルデヒド、一酸化炭素、ベンゼンおよびトリクロロエチレンからなる群から選択される。
【発明の効果】
【0016】
本明細書に記載の装置および方法は、空中不純物を実際に減少させるのに十分なろ過速度を提供することができる。また、これらの装置の多くは、同等なろ過速度および効率を有する先行技術の装置に比較して、高い操作寿命を有することができる。一以上の実施形態の詳細を添付の図面および以下の説明の中で示す。他の特徴および利点は、その説明および図面ならびに特許請求の範囲から明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】典型的な生物的エアフィルタの概略である。
【図2】典型的な生物的エアフィルタの略図である。
【図3A】典型的な生物的エアフィルタの斜視図である。
【図3B】典型的な生物的エアフィルタの斜視図である。
【図3C】図3Aおよび図3Bに示された典型的な生物的エアフィルタの断面側面図である。
【図3D】図3Aおよび図3Bに示された典型的な生物的エアフィルタの構成部品の概略である。
【図3E】図3Aおよび図3Bに示された典型的な生物的エアフィルタのハウジングの下部の様々な図を示す。
【図3F】図3Aおよび図3Bに示された典型的な生物的エアフィルタのハウジングの上部の様々な図を示す。
【図3G】図3Aおよび図3Bに示された典型的な生物的エアフィルタの前面図、側面図、背面図および上面図を示す。
【図3H】図3Aおよび図3Bに示された典型的な生物的エアフィルタの様々な断面図を示す。
【図4】過去に公表されたNASAデータと比較した、全体的な装置のホルムアルデヒド有効性テストの結果である。
【図5A】装置の様々な構成部品のホルムアルデヒド有効性テストの結果である。
【図5B】図5Aに結果を表した試験の詳細を含む表を表す。
【図6】典型的な生物的エアフィルタの略図である。
【図7】典型的な生物的エアフィルタの略図である。
【図8】典型的な生物的エアフィルタの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
スパティフィラム
発明の詳細な説明
記載の装置および方法は、植物をベースとした空気ろ過システムの有効性および寿命に関して、植物の吸収能力を最大限にし、空気ろ過装置の寿命をより延ばすために、装置の外部から受け入れた汚れた空気を植物の葉へと案内することで、それを高めることができるという発見に少なくとも一部を基づいている。また、記載の装置および方法は、貯水タンクまたは湿った空気の中またはその付近に空気を通すことにより、吸収能力が向上し、植物をベースとした空気ろ過システムの寿命が延長するという認識にさらに一部を基づいている。したがって、装置は、空気、例えば装置内に受け入れられた一塊の空気の中心を植物の葉の付近へと案内し、そして/または次に、貯水タンクまたは湿った空気の付近またはその中へと案内するエアインペラシステムを備える。
【0019】
図1を参照すると、トップダウン式のろ過システム100は、ハウジング114内の土壌112から成長した1本または複数の植物110を備える。ハウジング114は、貯水タンク116も収容している。入口118から空気がハウジング114に入り、植物110および土壌112を通り抜けて土壌112と貯水タンク116の間の空間120に入る。空間120内の空気は、貯水タンク116に近いため、システムの他の部分および/または外部環境の空気よりも高い水分量/湿度を有しうる。処理した空気は、出口122からハウジング114を出る。システム100を通過する空気の一般的な流れを矢印Aで示す。
【0020】
装置100は、インペラシステム(図示しない)をもまた備えている。エアインペラシステムは、(1)空気を外部から装置へ受け入れ、(2)その空気を植物の葉の表面へ、葉を通り植物の根の付近へ、そして土壌基質の表面およびその中を通るよう案内し、(3)処理した空気を装置から排出するように構成されている。特にエアインペラシステムは、システム118内に受け入れられた一塊の空気の中心を植物110の葉の表面付近へと案内した後、土壌基質(例えば植物の根の付近)を通過させることができる。エアインペラシステムは、例えば、入口118に設けられた入口ファンおよび/または出口122に設けられた出口ファンを含むことができる。
【0021】
この実施形態における特別な一連の構成部品は、トップダウン式のろ過システムを作り出し、個別の構成部品のそれぞれの吸収特性を高める。より一般には、複数のろ過構成部品の組み合わせは、全体的なろ過能力を高めると考えられる。植物自身が幾つかの化学物質を吸収する能力を有することがあるが、それは葉、茎および根と直接に接触する空気の量に限定される。密閉された空間への空気対流は、植物と接触する空気の量を(少しの期間)増大し、植物との接触のレベルを増す。空間の中から外への空気対流は、空気を土壌層の中および水層の上へと引き寄せて、さらなるろ過のステップを作り出す作用がある。単一の構成部品のみ、例えば植物のみを用いた場合には、化学物質を吸収する植物生来の能力が最終的に圧倒し、システムは、時間の経過と共に空気を効果的にはろ過することができなくなる。しかしながら、装置の複合的な能力により、各構成部品が全体的なろ過の有効性および性能に寄与するため、圧倒的で無効な装置とはならない。これらの構成部品の幾つかとしては、土壌、茎、根、葉、水などが挙げられる。
【0022】
本発明の生物的空気ろ過装置の一つの利点は、それが空気の清浄、ろ過、加湿および解毒の改善を可能にすることである。加えて、記載の生物的空気ろ過装置は、長期の操作寿命を示しうる。特定の理論に束縛されるのを望むものではないが、植物システムの葉へと案内した後で土壌および根を通るように空気を案内することにより、葉の持つろ過、清浄および解毒能力を装置がより良く利用すると考えられる。逆に、根または土壌を通るよう案内した後で葉の周辺へと空気を案内した場合には、葉の持つろ過、清浄および解毒能力の効果的な利用が減ずる。事実、そのような先行技術の装置におけるろ過、清浄および解毒の工程は、主にまたは専ら、根および土壌により実施され、したがって、空気から取り出された不純物によって根および土壌が時間の経過と共により急速に汚染されることになる。時間が経つと、そのような装置は最終的に不純物を再放出する可能性があり、装置が清浄するよう設計されたまさしくその空気を汚染するように働く可能性がある。しかしながら、植物の葉の付近へと案内した後で根および土壌に空気を接触させることにより、葉、根および土壌をはじめとする植物システムの各部分が空気のろ過、清浄および解毒に寄与し、これにより装置の効率が向上し、寿命が延びる。
【0023】
また、特定の理論に束縛されるのを望むものではないが、空気を貯水タンクおよび/または湿った空気の中またはその付近へと案内することにより、空気は加湿されるだけでなく、さらにろ過、清浄および解毒される。そのような設計は、空気から取り出された不純物により汚染された貯水タンクを清潔な水と交換することができるため、装置の寿命を延ばす働きをさらにする。同様に、湿った空気は最終的に濃縮して交換されてもよい。
【0024】
一態様において、空気の清浄、ろ過、加湿および/または解毒に使用する装置は、葉および根から形成された植物、土壌基質、貯水タンクおよびエアインペラシステムを備え、装置の外部の空気を受け入れ、植物の葉、植物の根、および土壌基質の付近で空気を循環させ、装置から空気を放出し、ハウジングにそれぞれが収容されている。
【0025】
植物は、空気から不純物を吸収し得る植物のいずれであってもよい。一般に植物は、様々な形態の有害な空中物質をはじめとする不純物を吸収および代謝する能力を示す。不純物の吸収に特に適した植物だけでなく、従来の家庭用植物をフィルタの中で用いることができる。幾つかの実施形態において、植物はクロロフィツム属の植物である。さらなる典型的な植物としては、限定されるものではないが、ガーベラ・ジャメソニイ(Gerbera jamesonii)、ヘデラ・ヘリックス(Hedera helix)(イングリッシュアイビー)、クロロフィツム・コモスム(Chlorophytum comosum)(オリヅルラン)、エピプレムヌム・アウレウム(Epipiremnum aureum)(ゴールデンポトス)、スパティフィラム「マウナロア」(Spathiphyllum ‘Mauna Loa’)(ピースリリー)、アグラオネマ・モデスツム(Aglaonema modestum)(チャイニーズエバーグリーン)、チャメドレア・セフリジー(Chamaedorea sefritzii)(タケヤシまたはリードヤシ)、サンセベリア・トリファスキアタ(Sansevieria trifasciata)(虎の尾)、フィロデンドロン・スキャンデンス「オキシカルジウム」(Philodendron scandens ‘oxycardium’)(ハートリーフ・フィロデンドロン)、フィロデンドロン・セローム(Philodendron selloum)(セローム・フィロデンドロン)、フィロデンドロン・ドメスティクム(Philodendron domesticum)(エレファントイヤ・フィロデンドロン)、ドラセナ・マルギナタ(Dracaena marginata)(赤ドラセナ)、ドラセナ・フラグランス「マッサンゲナ」(Dracaena fragrans‘Massangeana’)(幸福の木)、ドラセナ・デレメンシス「ジャネット・クレイグ」(Dracaena deremensis‘Janet Craig’)(ジャネットクレイグ・ドラセナ)、ドラセナ・デレメンシス‘ワーネッキー’(Dracaena deremensis‘Warneckii’)(ワーネック・ドラセナ)、ファラエノプシス(Phalaenopsis)(オーキッド)、およびフィカス・ベンジャミナ(Ficus benjamina)(ウィーピング・フィグ)が挙げられる。
【0026】
装置はまた、同じく空気から不純物を吸収し得る植物の根および土壌基質をさらに含む。また、根はバイオ再生工程により有害な物質を含んだ空気を再生することもできる。幾つかの実施形態において、土壌は活性炭および/または豆砂利(pea gravel)を含む。場合により土壌は、限定されるものではないが、ピートモス、コイア(coir)、マンネンスギの樹皮および無機材料、例えば洗い砂、パーライトまたはバーミキュライトをはじめとする様々な別の添加物を含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、土壌は、追加的にあるいは代替的に、有害物質が除去された空気の再生を向上する働き、さらには病原菌を破壊する働きのある土壌細菌を含有するか、あるいは注入されていてもよい。
【0027】
本明細書で用いられる用語「不純物」は、限定されるものではないが、ホルムアルデヒド、一酸化炭素、ベンゼンおよびトリクロロエチレンをはじめとする空気中に含まれるいずれかの汚染物質、毒素、化学物質または有害物質を指す。様々な実施形態において、本発明の装置は、空気中の不純物を少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%除去することができる。様々な実施形態において、本発明の装置は、特定の濃度の不純物を約48、24、12、8、6、5、4、3、2、1.5、1、または0.5時間未満で除去することができる。
【0028】
装置は、エアインペラシステムをさらに備える。本明細書で用いられる用語「エアインペラシステム」は、装置内に空気を受け入れ、空気を装置内で案内し、そして空気を装置から放出するように構成されたシステムを指す。エアインペラシステムは、装置への空気の流れ、装置内での空気の流れ、および装置からの空気の流れを制御する、当該技術分野で公知のいずれの装置であってもよい。幾つかの実施形態において、エアインペラシステムは少なくとも1つのファンを含む。幾つかの実施形態において、エアインペラシステムは一連のファンを含み、例えばそれらは協同して働いて装置への空気の流れ、装置内での空気の流れ、および装置からの空気の流れを制御する。幾つかの実施形態において、装置は、装置の内部の空間への空気の進入、そして場合により装置内での空気の方向を制御する「入力ファン」を含む。幾つかの実施形態において、装置は、装置内での空気の方向を制御する「内部ファン」を含む。幾つかの実施形態において、装置は、装置からの空気の放出、そして場合により装置内の空気の方向を案内する「出力ファン」を含む。
【0029】
エアインペラシステムは、装置の清浄、解毒および/またはろ過の能力を高めるように設計および構成されている。したがって、エアインペラシステムは、空気、例えば一塊の空気の中心を植物の葉の付近から土壌を通って植物の根の付近へ、少なくとも1回案内するように設計されている。幾つかの実施形態において、エアインペラシステムは、空気を葉、根もしくは土壌、または植物システムのそばへ、またはそれを通るように少なくとも2、3、4、5、6、7、8,9、10、15または20回案内する。本明細書において用いられる用語「〜の付近の」または「〜の付近で」は、表面に沿った、または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15または20cm未満、のいずれかで一塊の空気の中心を通過させることを指す。
【0030】
幾つかの実施形態において、エアインペラシステムは、空気を植物の葉の付近へと案内した後、植物システムの土壌および根の中またはそのそばを通過させるように設計および構成されている。他の実施形態において、エアインペラシステムは、空気を植物の茎の付近へと案内する。
【0031】
別の実施形態において、装置は、空気対流手段の速度および/または方向を制御するコントローラを備える。幾つかの実施形態において、コントローラはファンを協同させて、例えば所定の手法で、または使用者の所望どおりに操作し、装置への空気の流れおよび方向、装置内での空気の流れおよび方向、または装置からの空気の流れおよび方向を制御する。コントローラは、例えば、簡単なオン/オフスイッチ、所定の設定(オフ、低、高など)のあるダイヤル、または使用者が設定するダイヤルを含んだ制御システムのいずれであってもよい。したがって、エアインペラシステムの速度は、所望どおりに調節され、装置への空気の流れ、装置内での空気の流れ、または装置からの空気の流れを調節してもよい。幾つかの実施形態において、装置は、密閉された植物の空間内へと空気を案内する入口ファン、およびシステムを通る空気を引き寄せる出口ファンの両方を備える。様々な実施形態において、入口ファンおよび出口ファンの速度は、約100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、または400m/時であってもよい。入口ファンと出口ファンの速度比は様々であってよく、コントローラにより制御されてもよい。
【0032】
入口ファンおよび出口ファンの速度と共に、植物および土壌基質により提供される抵抗は、スループットに影響を与える重要な因子である。植物/土壌の抵抗が高い場合、入口ファンおよび出口ファンは、システムを通して十分な気流を提供することができない可能性がある。植物/土壌の抵抗が低過ぎる場合には、システム内を循環する空気が効率的にろ過されるのに十分な長い時間だけシステムと接触せず、そして/または十分に緊密にシステムと接触しない可能性がある。
【0033】
この空間での過去の発明は、ファン速度、または装置を通る空気の実効スループットの重要性を認識していなかった可能性がある。室内の空気を効果的に清浄することができるように、それを合理的な時間枠で実行して、元となる化学物質の生成を伴う無効な空気移動により空気中で化学物質が生成されないようにすべきである。入口および出口の両方のファン速度を上昇させれば、比較的多量の空気をシステムに流すことができ、構成部品の組み合わせにより多量の空気をろ過することができる。装置内の様々な構成部品、例えば土壌の気流に対する抵抗は、装置内の空気通過の全体的速度に影響を与える重要な因子となり得る。ファン速度とは別に、そのような構成部品の気流に対する抵抗を改良することにより、例えば空気の流れの一般的な方向において土壌の厚さまたは圧密を低下させて、全体的な抵抗を低下させ、スループットを上昇させることにより、空気のスループットを最適化することが可能であろう。
【0034】
本明細書で用いられる用語「貯水タンク」は、装置に含まれる水の回収、またはそのような水の回収に関連する水の分量もしくはその一部の水の分量を指す。貯水タンクには、土壌に水分補給し、植物の根に水分補給し、そして植物の葉に水分補給する働きが少なくとも一部ある。幾つかの実施形態において、貯水タンクは、装置の区画の中に収容されている。別の実施形態において、貯水タンクは、少なくとも2つの区画を有し、例えば一方の区画は、土壌および根に水分補給するように設計され、他方の区画は、植物の葉に水分補給するように設計されている。幾つかの実施形態において、貯水タンクは、芯を介して土壌および/または植物の根と液体連通している。
【0035】
加えて、貯水タンクは装置内の湿度の供給源として働いてもよい。例えば幾つかの実施形態において、装置は、湿った空気を含んだ別の区画を有していてもよい。あるいはまたは加えて、装置は、植物の葉の周辺の湿った空気を含んでいてもよい。
【0036】
空気と湿度供給源の間の水滴の循環速度が高湿のチャンバを通る空気の移動速度よりも速くなるように、装置を構成することができる。循環して水に戻る空気中の水滴、および循環して空気に戻る新しい水滴により、汚染源を吸収させることができる。つまり湿度供給源は、システムへの水分供給に加えて、清浄機能を有し、ろ過される空気中の不純物の希釈を助ける。
【0037】
特定の実施形態において、エアインペラシステムは、空気を貯水タンクの中もしくは付近、そして/または湿った空気を通るように、例えば植物の葉の周囲の湿った空気および/または別の区画に含まれる湿った空気を通るように案内する。様々な実施形態において、湿った空気は、少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、90または95%の相対湿度を有する。特定の実施形態において、装置は加湿コントローラをさらに備え、装置の所望の領域に所望の湿度をもたらす。
【0038】
そのような設計は、空気から不純物を除去することにより、空気の効果的なろ過、清浄または解毒をさらに高める働きがある。また、貯水タンクが交換可能であってもよいために、取り出された不純物(例えば、汚れた空気から吸収されたために貯水タンクに含まれるもの)をシステムからまとめて除去し、それにより空気が不純物を再度、飛沫同伴するのを予防または低下させることができる。同様に、不純物を含んだ湿った空気を濃縮して新しい水と交換し、不純物をシステムからさらに除去することができる。特定の実施形態において、エアインペラシステムは、空気を葉の付近または植物システム全体に通した後で貯水タンクおよび/または湿った空気の中または付近へと案内する。したがって、貯水タンクおよび/または湿った空気は、空気に含まれる特定の残留不純物を除去する際に補助的な役割を果たすことができる。
【0039】
幾つかの実施形態において、植物、根、土壌基質および貯水タンクのそれぞれはハウジングに収容されている。あるいは、装置の特定の構成部品のみがハウジングに収容されている。例えば植物システム(例えば、葉、根および土壌)は、ハウジングに収容されている一方で、ハウジングの外部の貯水タンクに接近していてもよい。ハウジングに対する空気の入力および出力を制御する働きがあるエアインペラシステムを除き、ハウジングは密閉された環境であってもよい。
【0040】
幾つかの実施形態において、土壌層は、豆砂利、鉢植え用土、樹皮、活性炭など、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。各材料は、異なる化学物質をろ別する能力を幾らかのレベルで有するように選択され、異なる種類の組み合わせを発案すれば、異なる化学物質に対して最大の有効性を発揮することができる。例えば活性炭は、油蒸気、臭気、および他の炭化水素を空気から吸着することができるが、その使用は植物の生存に必要な土壌組成と均衡を保たなければならない。
【0041】
ハウジングは、頑丈で、ハウジングの内部の空間から空気が不適切に漏れ出るのを防ぐ材料のいずれで形成されていてもよい。幾つかの実施形態において、ハウジングは、少なくとも一部が透明なプラスチック片、例えばプレキシガラス(PLEXIGLAS(登録商標))で形成されているため、植物が生存に必要な自然光および/または人工光を受けることができる。幾つかの実施形態において、ハウジングは、植物の生存に必要な光をより提供するために、自然光および/または人工光を植物に向けて反射するように配置された鏡をさらに備える。実際、特定の実施形態において、光に接近できない、または不十分な光を受ける植物の領域に光を提供するように鏡は配置されてもよい。幾つかの実施形態において、人工光源は、植物の付近、例えばハウジング内に設置されていてもよく、装置と物理的に連結していてもよい。
【0042】
植物は、大部分がハウジングの壁の内側に収容されるが、空気を外部環境から、そしてその後、外部環境へ向けてフィルタを通過させるために、外側の環境に向かって開口部が存在する。これらの開口部は、ハウジング表面に異なる割合で存在してもよい。幾つかの実施形態において、開口部はファン換気システムに接近して存在する。幾つかの実施形態において、開口部は、つぼ状(vase)の開口部の形態を有してもよい。出口ファンのみが存在し得る幾つかの実施形態において、開口部は、つぼ状の開口部の形態を有してもよい。
【0043】
生物的エアフィルタは、オフィスおよび家庭での使用に特に適している。事実、植物を顕著で目に見える特徴として含むことにより、装置は審美的な目的も果たす。加えて本発明の装置は、溶媒蒸気を少量放出する作業場所、例えば実験室、医院、グラフィックアートの仕事場などで用いてもよい。
【0044】
以下の実施例は、例として期待されるものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
図2に示すように、クロロフィツム属植物をベースにしたエアフィルタ200を作り、大気から植物の葉の周囲および土壌を通る「逆向きの」2個の同時に作用するファンが活動する下で、空気を通過させる能力を実証するテストを行った。フィルタは、プレキシガラス(登録商標)製のハウジング210を備え、それはハウジングの入口および出口の開口部213、214上に搭載された小さなファン212を有していた。土壌基質224中に根222、ならびに土壌基質224から上方へと延びる茎および枝葉226を含むクロロフィツム220を植えた。入口ファン212(213における)および出口ファン212(214における)で構成されたエアインペラシステムは、空気をハウジング210内に引き寄せ、葉226を通過させて土壌基質224を通して下降させ、ハウジング210から環境へ戻すことに成功した。
【0045】
フィルタ200は、ハウジング210の上表面内の小さな開口部218に取り付けられた漏斗216も含んでいたため、テスト期間の間、植物の水分補給が可能であった。植物フィルタは、空気のろ過に成功し、1週間にわたり植物は枯れなかった。
【0046】
実施例2
図3A、図3B、および図3Cに示すように、別の典型的なフィルタ250を作り、長期間持続型の生物的エアフィルタの実現可能性を実証するテストを行った。フィルタ200と同様に、フィルタ250は、ハウジング210の入口および出口の開口部213、214内に搭載された入口および出口ファン212を有していた。ハウジング210は、取り外し可能なトレイ228を受けるアルミニウムで外装された下部253を有していた。取り外し可能なトレイ228は、水を充填すれば、植物252および土壌基質224の下方に貯水タンクを含むフィルタ250を提供することができる。
【0047】
植物は、繊維メッシュにより支持された上部の粘度玉石である標準の鉢植え用土中へ入れた。メッシュは、玉石および土壌の保持を助けた。一組の芯で、タンクからの水の上方への流れを誘導する毛細管力により、土壌基質の水分補給を促進した。この場合、芯は木綿の繊維であった。芯、および/または玉石および土壌を保持するのに用いられたメッシュ材料は、他の材料のうちでも、標準の繊維、「不織」材料、またはセルロース系(合成および天然)繊維であってもよい。
【0048】
ハウジング210は、植物フィルタ250の上部を覆うプレキシガラス(登録商業)の部分254も含むため、自然光の進入を可能にし、植物の健康を促進した。ファン212の速度は、調節可能な制御ノブ256を用いて制御した。図3Cに見られるとおり、空気は入口213から、フィルタ250の葉システム258を直接通り、効果的な葉の吸収を可能にする。図3Cに示されるとおり、空気は次に植物の茎へ通され、核となる根システムおよび土壌224へと案内した後、出口214から排出した。
【0049】
実施例3
典型的な生物的エアフィルタと類似の生物的エアフィルタの有効性テストを、容積0.512mの立方体チャンバで実施した。スパティフィラムおよびオルキデア・ファラエノプシス植物のそれぞれを1つのチャンバ内で空の対照チャンバと並行してテストした。液体ホルモールを用いて、チャンバが概ね25ppmを有することが見いだされるまで、ホルムアルデヒドをチャンバに放出した。その後、ホルムアルデヒド供給源を除去し、次にチャンバを代表的には数時間間隔で定期的に試料採取して、ろ過装置の有効性を決定した。
【0050】
図4は、図3A、図3B、および図3Cを参照して記載したフィルタと類似のフィルタを用いて0.45mの容積の密閉容器におけるホルムアルデヒド濃度の低下の結果を、過去に公表されたNASAフィルタの文献結果と比較したものである。結果からこのフィルタは、1〜1.5時間以内にホルムアルデヒド濃度を初期濃度の20%未満にまで低下させた。比較として、過去に記載されたNASAフィルタでは、初期濃度の40%未満のレベルにまで低下させるのに約10時間、そして20%以下のレベルにまで低下させるのに約16時間が必要であった(Wolverton BC, McDonald RC;“Foliage Plants for Removing Formaldehyde from Contaminated Air Inside Energy−Efficient Homes and Future Space Stations” NASA Technical Memorandum, NASA TM−84674、1982年12月)。
【0051】
これらの数字の妥当性は、密閉された室内または容器内での有毒ガスの吸収速度と、有毒物質を全て除去するフィルタ能力の両方に関連する。容積0.45mの密閉された室内で得られた最初のテスト結果を用いると、2種類の装置は4×5×3mの寸法で約98時間すなわち約4日以内で清浄することができた。それに比較して、まさしく最良のNASAフィルタの2種類では、同レベルの低下を実現するのに約40日間必要であった。空気交換の急速性および室内の供給源による気体生成速度を想定すると、このことは、NASAフィルタが比較的小さな効果しか有さない可能性を示唆している(Wolverton BC, McDonald RC)。
【0052】
実施例4
存在する/活性のある各部分の異なる組み合わせを用いて装置をテストした図5の結果から、入口および出口ファンの強度が、装置の設計において重要な因子であることが明らかとなった。ファンを操作していない場合、有毒ガスの吸収は、拡散のみの緩やかな工程で起こる。ファンを最大能力で運転したNASAフィルタでは、ファン機能を用いない我々のフィルタ設計よりも急速な空気清浄がわずかしか効率的にならず、出口ファンの重要性が実証された。この場合、出口ファンは、NASAフィルタよりも最大で6倍強力である(ファンの流速は、25〜50m/時間に対して185m/時間)。この6という倍率は、NASAフィルタがこの清浄を効果的に実行するのに必要な相対時間とうまく合致する。
【0053】
均等物
当業者は、日常的な実験のみを用いて、本明細書に記載された特定の実施形態の均等物を多く認識するか、または確定することができよう。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されるものとする。多数の実施形態を記載したが、本明細書の精神および範囲を逸脱せずに、様々な改良を施し得ることは理解されよう。
【0054】
例えば、フィルタ200、250は側部に入口を有するが、幾つかのフィルタは頂部に入口を含む。図6を参照すると、典型的なフィルタ300はハウジングの頂部に入口を含み、空気出口はハウジングの底部に存在する。
【0055】
別の実施形態において、前者のフィルタ200、250は、フィルタの構成部品を収容する実質的に密閉された内部の空間を持つハウジングを有するが、幾つかのフィルタは、開放されたハウジングを有する。図7および図8を参照すると、フィルタ400および500は、周囲の空気に開放された容器に収容された植物を有する。両方の例で、空気は植物の中、上、およびそれを通るよう引き寄せられ、土壌を通って、底部の水を横切って、その後、出口ファンを通って上部および外に出る。
【0056】
したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空間を画定するハウジングと、
葉および根を有する生きた植物であって、ハウジングの内部の空間の中に実質的に配置される植物と、
ハウジングの内側に収容され、植物の根を保持する土壌基質と、
ハウジングの内側に収容される貯水タンクと、
(1)空気を外部から装置へ受け入れ、(2)その空気を植物の葉の表面へ、葉を通り植物の根の付近へ、そして土壌基質の表面およびその中を通るよう案内し、(3)処理した空気を装置から排出するように構成されたエアインペラシステムと
を備えた空気を処理する装置であって、
エアインペラシステムは、装置内に受け入れられた一塊の空気の中心を植物の葉の表面付近に案内した後、根および土壌基質へと案内する、装置。
【請求項2】
エアインペラシステムは、前記一塊の空気の中心を、植物の葉の表面から約10cm、8cm、6cm、4cm、2cmまたは1cm未満へと案内するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ハウジングは少なくとも2つの区画を有し、貯水タンクは、植物および土壌基質を収容した第2の区画とは別の第1の区画に収容されている、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
貯水タンクは取り外し可能である、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
エアインペラシステムは、貯水タンク内の水に接触するよう空気を案内する、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
ハウジングにより画定された内部の空間は実質的に密閉されており、
エアインペラシステムは、空気を外部から装置へ受け入れるように配置および構成された入力ファンを備え、入力ファンは、ハウジングにより画定された入口に設けられている、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
入力ファンは、ハウジングの内部の空間の中の空気の流れを案内する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
ハウジングにより画定された内部の空間とハウジングの外側の環境との間の実質的に自由なやりとりを提供する開口部がハウジングにより画定されている、請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
エアインペラシステムは、処理した空気を装置から排出するように配置および構成された出力ファンを備える、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
出力ファンは、ハウジングの内部の空間の中の空気の流れを案内する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
エアインペラシステムは、ハウジングの内部の空間の中の空気の流れを案内するように配置および構成された内部ファンを備える、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
入口ファンおよび出口ファンのそれぞれは、約100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、または400m/時間から選択される速度を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
出口ファンの速度に対する入口ファンの速度の比を変えるように操作可能な制御機構をさらに備える、請求項8〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
エアインペラシステムは、(実質的に)密閉された室内の空気の正味の部分が対流または拡散により室内から出ていく前に、(実質的に)密閉された室内の空気のおおよその部分を植物の葉、植物の根および土壌基質の表面のうちの一以上の付近で少なくとも1回循環させる、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
湿った空気を含む別の区画をさらに有する、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記湿った空気は、少なくとも50%、60%、70%、80%または90%の湿度を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記湿った空気を含む区画は、貯水タンクに隣接して設けられている、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
エアインペラシステムにより前記内部の空間を通って循環する空気は、湿った空気を含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
ハウジングは、少なくとも一部が透明な材料で形成されている、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
鏡および/または人工光源をさらに備える前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
貯水タンクから土壌基質にまで延びる芯をさらに備える前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
第2の貯水タンクをさらに備える前記請求項のいずれか一項に記載の装置であって、
第1の貯水タンクは土壌基質および植物の根に水分補給し、
第2の貯水タンクは葉に水分補給する、装置。
【請求項23】
エアインペラシステムの速度および/または方向を制御するように操作可能なコントローラをさらに備える前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
処理する空気を植物の葉を通るよう案内した後、その空気を植物の根を支える土壌基質へと通すことと、
その空気から不純物を実質的に除去することと
を含む空気を処理する方法であって、
空気からの不純物の除去には、
植物の葉を用いて不純物の第1の部分を除去することと
土壌基質への通過を利用して不純物の第2の部分を除去することとが含まれる、方法。
【請求項25】
前記不純物は、毒素、化学物質、汚染物質、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記不純物は、ホルムアルデヒド、一酸化炭素、ベンゼンおよびトリクロロエチレンからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
処理する空気を、貯水タンクの中の水、または貯水タンクから実質的に発生する水蒸気と接触させることをさらに含む、請求項24〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
処理する空気を植物の葉を通るよう案内した後にその空気を植物の根を支える土壌基質へと通すことには、
ハウジングにより画定された内部の空間に周囲の空気を入れるために第1のファンを操作することであって、ハウジングの内部の空間の中に植物が実質的に配置されていることと、
ハウジングの内部の空間の空気をハウジングの外に排出するように第2のファンを操作することとが含まれる、請求項24〜27に記載の方法。
【請求項29】
第2のファンの速度に対する第1のファンの速度の比を変えることをさらに含む、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2011−500027(P2011−500027A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528991(P2010−528991)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/079163
【国際公開番号】WO2009/048925
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(509100818)ル ラボグループ ソシエテ パール アクシオン サンプリフィエ (3)
【Fターム(参考)】