説明

生理学的データを用いて時間により変化するメディアにおけるユーザ反応の集約されたビューを作成する方法及びシステム

新しいアプローチは、時間に応じて変化するメディアに対する視聴者からの生理学的反応の比較及び集約を可能とする。このアプローチは、メディアの主要イベントを決定し、メディアの各視聴者について、各主要イベントに対する生理学的反応及び各主要イベントのタイミングを測定し、各主要イベントについて、そのような反応を集約し、これらのイベントをそれらが発生する順番に再結合して、メディアの断片の「プロフィール」を作成する。このプロフィールは、次いで、視聴者がメディアにいつ関心を持っているか、いつ関心を持っていないかといった、視聴者からの反応を正確に測定するために利用され得る。その後、そのようなプロフィールは、視聴者からの所望の反応を作り出すためには、メディアの何を変えなければならないかを決定するために利用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴者からの生理学的反応に基づくメディア及びイベントの評価の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
高性能メディアを作るための鍵は、該メディアにおける全てのイベントが、視聴者から、メディアの製作者が期待したものとは全く異なる反応ではなく、所望の反応を引き出すことを保証することにある。ビデオゲーム、広告クリップ、インタラクティブ映画、インタラクティブ・ビデオ、コンピュータ・アプリケーション、印刷メディア(例えば、雑誌)、ウェブサイト、オンライン広告、録画ビデオ、メディアのライブ・パフォーマンス、及び他の次世代メディアを含むがそれらに限定されない、時間に応じて変化するメディアは、本来インタラクティブである。そのようなメディアにおいて各視聴者が各イベントに費やす時間期間は、時間において定数、非線形又は準線形であり、そのため、時間に応じて変化するメディアは、もはや、視聴者にとって線形の体験ではない。限定的ではない例として、視聴者は、メディアの様々な部分にスキップすることができ、異なる長さの時間を費やしてメディアの一部と相互作用し、メディアの他の部分に移る前に、メディアの一断片(piece)又は部分を一度又は複数回視聴することができる。そのような視聴者行動は、従来の線形的なメディア分析方法(限定的ではない例として、一定の時間間隔における平均取得)が、時間経過によって変化するメディアには、もはや適応できないことを示唆する。
【0003】
心拍数、脳波、脳電図(EEG)信号、まばたき率、呼吸、身振り、筋肉の動き、電気皮膚反応、及び、メディア視聴者の感情の変化に関連する任意の他の反応を含むがそれらに限定されない生理学的データは、メディアを見ている間の視聴者の反応の軌跡(記録装置によって引かれた線)を提供することができる。聴衆/視聴者と繋がっている効果的なメディアは、所望の感情的反応を引き出すことができ、視聴者の人体における生理学的データが視聴者の感情の変化と相関関係を有することが立証されている。しかしながら、時間に応じて変化するメディアに対する多くの視聴者反応の生理学的データの比較は、メディアのイベントの時間及び時間期間が視聴者ごとに異なるため、困難であった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
新しいアプローチは、時間に応じて変化するメディアに対する視聴者からの生理学的反応の比較及び集約(aggregating)を可能とする。このアプローチは、メディアの主要イベントを決定し、メディアの各視聴者について、各主要イベントに対する生理学的反応及び各主要イベントのタイミングを測定し、各主要イベントについて、そのような反応を集約し、これらのイベントを順番に再結合して、メディアの断片の「プロフィール」を作成する。このプロフィールは、次いで、視聴者がメディアにいつ、及び/又は何に対して関心を持っているか、いつ及び/又は何に対して関心を持っていないかといった、視聴者からの反応を正確に測定するために利用することができる。その後、そのようなプロフィールは、視聴者からの所望の反応を作り出すためには、メディアの何を変えなければならないかを決定するために利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本発明の一つの実施の形態による、メディアに対する生理学的反応の集約及び比較をサポートする例としてのシステムの図である。
【図2A】図2Aは、本発明の一つの実施の形態により用いられる例としての統合されたヘッドセットを示す。
【図2B】図2Bは、本発明の一つの実施の形態により用いられる例としての統合されたヘッドセットを示す。
【図2C】図2Cは、本発明の一つの実施の形態により用いられる例としての統合されたヘッドセットを示す。
【図3】図3は、本発明の一つの実施の形態による、メディアに対する生理学的反応の集約及び比較をサポートする例としてのプロセスを示すフロー図である。
【図4】図4は、メディアの主要イベントに対する単一の視聴者の生理学的反応の例としての軌跡を示す。
【図5】図5は、丸い点で表される主要イベントの発生を書き入れた、図4の例としての軌跡を示す。
【図6】図6は、時間に応じて変化するメディアの図4及び図5に示されたのと同じ断片に対する、他の視聴者の反応の例としての軌跡を示す。
【図7】図7は、図5及び6に示された順序付けられ集約された主要イベントの連続に対する、20人以上の視聴者による例としての反応を示す。
【図8】図8は、Xbox(登録商標)360の20人以上の視聴者/プレーヤーにおける、ビデオゲームのイベントに対する例としての集約関与プロフィールである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、同種の参照番号が同様の要素を示す添付の図面の形において、限定としてではなく、例として説明される。本明細書における「一つの」又は「幾つかの」実施の形態に対する表示は、必ずしも同一の実施の形態に対するものではなく、また、そのような表記は、少なくとも一つであることを意味することに注意するべきである。
【0007】
時間に応じて変化するメディアに対する視聴者からの生理学的反応を比較及び集約する新しいアプローチが提示される。このアプローチは、メディアにおける主要イベントを決定するステップと、メディアの各視聴者について、各主要イベントに対する生理学的反応及び各主要イベントのタイミングを測定するステップと、各主要イベントについて、そのような反応を集約するステップとを含む。本アプローチは、その後、これらのイベントを順番に再結合して、メディアの視聴者からの集約された反応を表すメディアの当該断片の「プロフィール」を作成/表示する。時間に応じて変化するメディアのこのプロフィールは、次いで、視聴者がいつ何に対してメディアに関心を持っているか、また、いつ何に対して関心を持っていないかといった、(標本調査が試みるような全体的な関与測定のみの代わりに、毎秒の)視聴者からの反応を正確に測定するために利用することができるが、これは、さもなければ、現在の標本調査及び記録技術によっては測定が非常に困難又は不可能なものである。メディアは、ひとたび市場にリリースされると、メディアに対する全体的な反応に基づく結論が、メディアの同一の断片を体験する多くの視聴者に渡って正確に作られ得る。限定的ではない例として、ビデオゲームのプレーヤーがゲームの一つの部分を15回やってから次に進み、他のプレーヤーがその部分を2回しかやらない場合、彼らの経験は、集約プロフィールの中のメディアの時間(部分)における同一の場所に並べられ、それらの反応が客観的に比較されることが可能になる。各プレーヤーからの体験(反応)の強さは、そのような体験が該ゲームの任意の他のプレーヤーの体験と比較可能であり、結合可能であるような方法で、生理学的データから計算され、メディアの該イベントに対するプレーヤーからの全体の体験プロフィールが作成できる。
【0008】
本発明の様々な実施の形態において、視聴者の関与は、視聴者がメディアの断片におけるイベントに、どのように反応しているかによって定義される。関与を測定するために、「高レベル」(即ち、より理解しやすい、直感的な見方)の生理額的反応が、低レベルの生理学的データから作成されるが、高レベルの生理学的反応には、メディアのイベントに対する思考量及び/又は肯定的/否定的反応、メディアへの感情的な関わり、メディア体験への没頭、メディアとの相互作用への肉体的参加、怒り、注意散漫、欲求不満及び他の感情的体験を含むがそれらに限定されない。関与は、以下の説明において例としての生理学的反応として用いられるが、それらは、例えば褒章、思考などといった生理学的データから作成される他の基準によって置き換えられてもよい。
【0009】
図1は、本発明の一つの実施の形態による、時間に応じて変化するメディアに対する生理学的反応の集約及び比較をサポートする例としてのシステムの図である。この図では、構成要素が機能的に分離して描かれているが、このような描写は例に過ぎない。この図に描写された構成要素が、別々のソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェア要素に任意に組み合わされ又は分割され得ることは、当業者にとって明らかである。更に、そのような構成要素は、それらがどのように組み合わされ又は分割されるかに関わらず、同一の計算装置又は複数の計算装置上で実行可能であること、及び、複数の計算装置が一つ又はそれ以上のネットワークにより結合され得ることも、当業者にとって明らかである。
【0010】
図1を参照して、決定モジュール103は、複数の視聴者102が相互作用するメディア101における複数のイベントを決定し、複数の視聴者それぞれが複数のイベントそれぞれにおいて費やす、その時々によって異なる時間期間を計算するように動作可能である。一つ又はそれ以上のセンサ104は、メディアと相互作用する複数の視聴者それぞれからの生理学的データを測定及び記録するために利用され得る。代わりに、以下に詳しく説明する通り、統合されたセンサ・ヘッドセットが採用されてもよい。一つ又はそれ以上のセンサのそれぞれは、脳電図、加速度計、血液酸素センサ、検流計、筋電計、皮膚温度センサ、呼吸センサ及び任意の他の生理学的センサのうちの一つであってよい。フォーカスグループ、標本調査、ノブ(knobs)又は他の偏りやすい反応基準を利用する代わりに、これらの変化そのものを感知することにより、本発明は、生理学的反応を毎秒何回も記録し得るために、記録されるデータ、及びそのようなデータの精度を向上させる。また、複数のセンサからのデータを数学的に結合し、視聴者の精神的及び感情的状態(反応)に対応する特定の出力を作成することができる。
【0011】
視聴者の生理学的データが測定されると、該データは、複数の視聴者それぞれの生理学的データから複数のイベントそれぞれへの生理学的反応を導き出すように動作可能なプロフィール作成モジュール105に伝達されることができる。プロフィール作成モジュールは、次に、複数の視聴者に渡る、複数のイベントそれぞれに対する反応を集約し、複数のイベントに対する集約された反応に基づく関与のプロフィールを作成する。ここで、メディアの複数のイベントは、限定的ではない例として、視聴者による視聴/相互作用の順番に結合される。更に、評価モジュール106は、複数の視聴者に渡る、メディアの異なるイベントへの反応を、客観的に比較するように動作可能である。
【0012】
幾つかの実施の形態において、視聴者がメディアのイベントを視聴している間に視聴者の生理学的データを測定するために、統合されたヘッドセットが視聴者の頭の上に置かれてもよい。幾つかの種類の生理学センサを組み合わせて一つの部材とすることにより、測定される生理学的データを、全体として、より強固且つ正確にすることができる。データは、視聴者がヘッドセットを装着している間にメディアと相互作用することを可能とする、コンピュータ上のプログラムに記録されることができる。図2A〜Cは、本発明の一つの実施の形態により用いられる例としての統合されたヘッドセットを、様々な角度から示す。処理ユニット201は、生理学的データをデジタル化してから、上記の生理学的反応へと処理するマイクロプロセッサである。三軸加速度計202は、頭の動きを感知する。シリコン製安定ストリップ203は、ヘッドセットの安定化して動きを最小化することにより、更にしっかりした感知を可能とする。右EEG電極204及び左EEG電極206は、使用のために準備を必要としない、前額骨の前に置かれるドライ電極である。電極と皮膚とが接触していることは必要だが、過度な圧力は必要ない。心拍センサ205は、額の中心付近に置かれる堅牢な血液量脈波(blodd volume pulse)センサであり、充電又は交換可能な電池モジュール207が片耳の上に置かれる。裏側の調節可能ストラップ208は、様々なサイズの頭に対してヘッドセットを心地よい圧力に調節するために利用される。
【0013】
幾つかの実施の形態において、統合されたヘッドセットは、プッシュボタンによってオンにされ、視聴者の生理学的データが即座に測定及び記録される。データ伝送は、ヘッドセットが接続されるコンピュータのインターフェースを介して、無線で処理され得る。正確な測定を得るために視聴者における皮膚の準備やジェルは必要なく、ヘッドセットは視聴者から簡単に取り外され、すぐに他の視聴者によって利用されることができるため、多くの参加者の測定を短時間且つ低コストで行うことができる。使用中にヘッドセットが劣化することはなく、ヘッドセットは数千回再利用することが可能である。
【0014】
図3は、本発明の一つの実施の形態による、時間に応じて変化するメディアに対する生理学的反応の集約及び比較をサポートする例としてのプロセスを示すフロー図である。この図は、例示のために、機能的ステップを特定の順序で描いているが、本プロセスは、ステップの何らの特定の順序又は配列に限られるものではない。当業者は、この図に示された様々なステップが、様々な方法で省略、再構成、結合、及び/又は適応されてもよいことを理解できる。
【0015】
図3を参照して、複数の視聴者が相互作用するメディアの主要な時点/イベントのセットが、ステップ301において決定され、各視聴者が各イベントにおいて費やす時間の長さがステップ302において計算される。これは、自動化された記録プロセスを介してなされてもよく、又は、これらの特定のイベントが発生した時点を明らかにするよう訓練された人によって事後になされてもよい。ステップ303において、各イベントを視聴/相互作用する各視聴者からの生理学的データが受信及び/又は測定され、ステップ304において、生理学的データから各視聴者に対する反応が導き出される。ステップ305において、各イベントに対する反応が、全視聴者を横切って集約される。ステップ306において、主要イベントが順番に結合され、ステップ307において、順番に並べられたイベントに対する集約された反応に基づいて、関与のプロフィールが作成される。これらのステップは、メディアの多数のイベントを視聴し、遊び、又は相互作用する多数の視聴者について、多数回(2回〜500回以上)繰り返されても良い。
【0016】
幾つかの実施の形態において、メディアの多数のイベントを迅速に分析することにより、上記のプロセスを自動化するために計算装置が利用されてもよい。計算装置は、各視聴者、又は訓練された管理者が、メディアの断片における重要なイベントを識別及びタグ付けすることを可能とし、その後、全視聴者における各イベントの長さを自動的に計算し、これらの視聴者における各イベントに対する関与の反応を集約し、全体の関与のプロフィールを作成し得る。
【0017】
幾つかの実施の形態において、メディアにおける視聴者の(メディアの他の適切なイベントに対する)「位置」(現在のイベント)が、映画のような非インタラクティブなメディアの場合には視聴者のメディアとの相互作用の前に、或いは、録画ビデオ、行動ログ又は他の手段により事後に視聴者とメディアとの相互作用を調べることにより識別され、可能であれば自動的に識別され得る。ビデオゲーム、ウェブサイト及び他の電子的な相互作用メディアにおいては、該メディアを管理するプログラムがこのログを作成し、それにより当該プロセスを自動化することができる。
【0018】
幾つかの実施の形態において、メディアは、メディア種別に従ってそのような主要イベントが識別及び/タグ付けされ得るプロフィールにおいて、主要な時点/イベントのインスタンスに分解されることができる。ビデオゲームの場合、そのような主要イベントは、レベル、場面カット、主要な戦闘、戦争、会話等のビデオゲーム要素であり得るが、それらに限定されるものではない。ウェブサイトの場合、そのような主要イベントは、ウェブページの進行、ウェブページの主要部分、表示される広告等であり得るが、それらに限定されるものではない。インタラクティブなメディア/映画の場合、そのような主要イベントは、章、場面、場面種別、登場人物の動作、出来事(限定的ではない例として、車の衝突、爆発、キス、死、ジョーク)及び映画の主要人物であり得るが、それらに限定されるものではない。
【0019】
主要イベントが識別され、これらのイベントの時間期間が計算されると、これらの各イベントへの視聴者からの反応が計算され記録される。統計のために、ビデオの章又はビデオゲームのレベルの視聴者による記録された反応の数が、当該主要イベントについて記録される。測定された生理学的データについて、データの最大、最小、平均、偏差が、主要イベントの全インスタンスを通して計算される。そのような計算された反応に基づいて、以下の特質のうちの一つ又はそれ以上における全体の得点が作成される。即ち、関与、嗜好、購買意欲、回想等である。
【0020】
幾つかの実施の形態において、複数のイベントのうちのそれぞれに対する反応を集約する一つの方法は、各イベントが平均的な場所及び強度を有することを前提に、全視聴者について生理学的反応の強さ、及びそのような反応が発生する時間の平均をとることである。更に、大きなデータ・セットについては、視聴者反応のより安定した、且つ全体としてより正確なモデルを作成するために、最終的なプロフィールを計算する前に域外のデータを取り除くことには価値がある。
【0021】
幾つかの実施の形態において、メディアの主要イベントは、時間又はメディアにおけるそれらの場所によって「ラインナップ」され、これらのイベントに対する視聴者の反応(得点)が、イベントが視聴された順番で集約又は平均化され得る。そのような集約は、視聴者が相互作用することができるメディアの各主要イベントの全体に渡り、複数の特質について測定された視聴者の関与/体験のプロフィールを作成する。
【0022】
幾つかの実施の形態において、メディアの主要イベントは、「理想の」順番で再結合されることができる。限定的ではない例として、或る視聴者が或る順序で二つのイベントを視聴し、次の視聴者が当該二つのイベントの順序を入れ替える場合、それらのイベントは、関与の「経路」を与えるように各視聴者が視聴する順序で再結合されることができ、また、実際の順序から独立して、それらのイベントが各視聴者にとって連続するような順番で記録されることができる。
【0023】
幾つかの実施の形態において、メディアの各イベントに対する視聴者からの反応は、二つの方法で集約され得る。即ち、
・各イベントにおいて、視聴者の感情の主要な指針がどのように変化するかを計算する、
・生理学的データの平均又は他の値を通じて、或いは、そのような値のより高次の近似値を通じて、イベントの全視聴者に渡る反応を計算する。
【0024】
幾つかの実施の形態において、メディアのどのイベントが全視聴者に対し魅力があるか、又はメディアのどのイベントが全視聴者に対し魅力がないかを示す、結果としての関与のプロフィールが、生理学的反応のプロフィールが多数の人について示されることを可能とする図形フォーマット(又は他の表示フォーマット)でメディア設計者に提示されることができる。プロフィールは、その後、どのイベントが一定の基準を満たしており、又は所望の反応を生成するか、また、どのイベントが基準を満たしておらず、所望の反応を作り出すために変更が必要であるかを、メディアの製作者が正確且つ効果的に判断することを可能とするガイドとして利用することができる。
【0025】
限定的ではない例として、図4は、メディアの主要イベントに対する単一の視聴者の関与である生理学的反応の例としての軌跡を示す。縦軸は、脳電図、血液酸素センサ、及び加速度計からの入力を利用及び結合する、生理学的測定値の強度を示す。横軸は時間を示し、右に行けば行くほど、メディアの主要イベントとの相互作用の時間期間が経過する。図5は、丸い点で表された主要イベントの発生を書き入れた、図4の例としての軌跡を示す。点の水平方向の位置は、主要イベントが発生した時間を表す。点の垂直方向の位置は、その時点における生理学的反応(例えば、関与)の値を表す。各ラベルは、その点が表す主要イベントを識別する。図6は、時間に応じて変化するメディアの図4及び図5に示されたのと同じ部分に対する、他の視聴者の反応の例としての軌跡を示す。図6における主要イベントは図5における主要イベントと同じであるが、主要イベントの生理学的反応及び時間/期間が異なる。最後に、図7は、図5及び6に示された順序付けられ集約された主要イベントの連続に対する、二十人以上の視聴者の例としての反応を示す。各イベントについて、(縦軸で表される)反応及び(横軸で表される)時間は、図5及び6におけるものを含むメディアと相互作用する各視聴者について集約される。この反応の「プロフィール」は、生理学的反応が「加重される」位置だけではなく、反応の高い点及び低い点を迅速に決定することを可能とする。例えば、反応の高い点は、かなりの割合でメディア作品の終わり部分(右側)に見出され得るのに対し、メディアの開始部分(左側)は、圧倒的に低い反応値を有する。この情報は、その後、メディア製作者によって、彼らのメディアが所望の反応を作り出せているか否か、及び、所望の反応を満たすためにはメディアのどの主要イベントを変更する必要があるかを識別するために利用されることができる。
【0026】
メディア反応の評価
メディアの主要イベントに対する反応を計算することに加えて、本発明の主要な側面は、メディアの異なる主要イベントに対する反応を客観的に比較可能であることである。従来は、たいていの結論が、そのような比較無しに主観的な方法で出され、良くない結果をもたらしていた。メディアが客観的に比較できる場合、メディアのはるかに正確な分析が可能となり、それにより、メディアが求められるプロフィールを満たすように変更された場合に、市場においてより優れた業績がもたらされる。
【0027】
幾つかの実施の形態において、異なるイベントに対する視聴者の反応間の比較のための測定には、反応の一貫性、反応の総計の又は平均の大きさ、及び各イベントに対する反応の大きさの変化(偏差)が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0028】
・メディア視聴者の反応の一貫性を測定することは、メディアの成功を表す主要な方法である。優れたメディアは、視聴者の間に一貫した反応を作り出すことができる。凡庸なメディアでも、一部の視聴者の間によい反応を作り出すことができるが、他の視聴者の間には作り出すことができない。視聴者における反応が一貫していればいるほど、メディアは優れたものになる。一貫性を計算する一つの方法は、生理学的データの変化又は状態が、複数視聴者にとって、どれだけ同じであるかを測定することである。多くの視聴者について変化又は状態が同じであればあるほど、反応の一貫性が高い。更に、視聴者反応の一貫性、即ち、所与の時間において彼ら全員が引き込まれているか、又は一部の視聴者のみが同時に引き込まれているかは、プロフィールを通して記録された反応が作り出されている時点において、メディアがいかに有効であるかを測るために利用できる。より多くの視聴者が同様の方法で同時に引き込まれている場合、メディアは、視聴者に対し特定の感情的又は認識的な状態を作り出す、優れた働きをしており、これは、市場においてより成功するメディア作品に相当する。
【0029】
・反応の大きさもまた、メディア品質の優れた尺度である。メディアの強烈な主要イベントは、視聴者に渡り、(総計の又は平均の)大きな反応を作り出すに違いない。強烈ではないイベントは、メディア製作者が意図した反応を生み出さない。
【0030】
・反応の大きさの変化もまた、メディア品質の優れた尺度である。メディアが強力な方法で視聴者の感情を高める又は低めるよう変化させることができる(限定的ではない例として、プロフィールの数学的偏差が大きい)場合、反応の大きさにおけるそのような強力な変化は、視聴者を異なる感情状態に置く、優れたメディアに対応する。その逆に、出来の悪いメディアは、視聴者を異なる感情状態に置くことができない。
【0031】
幾つかの実施の形態において、メディアの個々のイベントがどの程度優れているかについてのこれらの上記各測定値の組み合わせに基づいて、メディアに対する全体的な得点/評価が作成され得、そのような得点はメディアの品質向上のために利用することができる。更に、その得点の原因となるメディアのイベントを指摘することができるため、作成者は、上手くいけば評価を改善するために、どのイベントを変更するかを決定できる。限定的ではない例として、この得点の種類としては、生理学的データに基づいて、メディアのいくつのイベントが所望の結果を有するか、いくつのイベントがそうではないかを数え、両者の割合によってメディア品質を決定する方法がある。
【0032】
幾つかの実施の形態において、得点/評価は、非線形的重み付けを有してもよい。90%の良質なイベントを有するメディアは非常によく、良質なイベントが80%しかないメディアは非常に出来が悪いかもしれない。そのため、100〜90%の重み付けは、反応の肯定的な性格を反映する必要があるが、一方、ほぼ80%かそれ以下の重み付けのためには、他のプロフィールが必要である。この非線形的重み付けは、メディアの各分野がそれぞれが異なる成功のための要件を有するため、各分野について整えられてもよい。
【0033】
限定的ではない例として、図8は、20人以上の視聴者/プレーヤーにおけるXbox(登録商標)360の「Gears of War」第5レベルに対する、例としての集約された関与プロフィールである。該レベルにおける二つの主要イベントがラベル付けされており、プレーヤーは、第一のイベント801において広場を攻め落とし、次に、第二のイベント802において該広場を防御する。プレーヤーの生理学的反応、完了回数、及び体験は異なるが、上記のアプローチを用いて全体のプロフィールが作成され、これらの二つの主要イベントの客観的な比較が可能となる。第二のイベントはプレーヤーを再び交戦させ、それはゲームのこの部分の決定的な特徴の一つであるが、第二のイベントが第一のイベントよりはるかに強い反応を作り出したことは、プロフィールから明らかである。
【0034】
コンピュータ分野の当業者にとって明らかなように、一つの実施の形態は、本明細書の教示に従ってプログラムされた従来の汎用又は専用のデジタル・コンピュータ又はマイクロプロセッサを用いて実現され得る。ソフトウェア分野の当業者にとって明らかなように、適切なソフトウェア・コーディングは、本明細書に開示された教示に従って、経験あるプログラマにより容易に準備され得る。本発明は、また、本分野の当業者にとって明らかなように、集積回路を準備することにより、又は、従来の要素回路の適切なネットワークを相互接続することにより、実現されてもよい。
【0035】
一つの実施の形態は、一つ又はそれ以上の計算装置が本明細書に提示された任意の特徴を実行するようプログラムするために利用され得る、格納された命令を有する機械読み取り可能媒体であるコンピュータ・プログラム製品を含む。機械読み取り可能媒体は、フロッピー・ディスク(登録商標)、光ディスク、DVD、CD−ROM、マイクロ・ドライブ、及び光磁気ディスクを含む一つ又はそれ以上の種類のディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリ装置、磁気又は光学カード、ナノシステム(分子メモリICを含む)、又は、命令及び/又はデータの格納に適した任意の種別のメディア又は装置を含むことができるが、それらに限定されるものではない。コンピュータ読み取り可能媒体のうちの任意の一つに格納される本発明は、汎用及び専用のコンピュータ又はプロセッサのハードウェアを制御し、コンピュータ又はマイクロプロセッサが、本発明の結果を用いて人間の視聴者又は他のメカニズムと相互作用することを可能とするソフトウェアを含む。そのようなソフトウェアは、デバイス・ドライバ、オペレーティング・システム、実行環境/コンテナ、及びアプリケーションを含み得るが、それらに限定されない。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態に関する上記説明は、例示及び説明を目的に提供された。それは、網羅的であることを意図しておらず、開示された形態そのものだけに本発明を限定する意図も無い。多くの修正又は変更が、本分野の経験ある実務家にとって明らかである。特に、上記に説明されたシステム及び方法の実施の形態において「モジュール」という概念が用いられる場合、そのような概念は、クラス、メソッド、タイプ、インターフェース、ビーン、コンポネント、オブジェクト・モデル及び他の適切な同等の概念と互いに交換して利用できることが明らかである。実施の形態は、本発明の原理及び現実的な応用を最もよく説明するために選択及び説明され、それにより、当業者が、本発明、様々な実施の形態、及び企図される特定の用法に適した様々な修正を理解することができる。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって規定されることが意図されている。
【符号の説明】
【0037】
101 メディア、102 視聴者、103 決定モジュール、104 センサ、105 プロフィール作成モジュール、106 評価モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアに対する生理学的反応の集約をサポートするシステムであって、
前記メディアにおいて複数の視聴者が相互作用する複数のイベントを決定し、前記複数の視聴者のそれぞれが前記複数のイベントのそれぞれにおいて費やす時間期間を計算するように動作可能な決定モジュールと、
前記複数のイベントのそれぞれを視聴する前記複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定するように動作可能な一つ又はそれ以上のセンサと、
前記複数の視聴者それぞれの前記生理学的データから前記複数のイベントそれぞれに対する生理学的反応を導き出し、前記複数の視聴者に渡る前記複数のイベントのそれぞれに対する前記反応を集約し、前記複数のイベントを前記複数の視聴者による順序に結合し、前記順序付けられた複数のイベントに対する前記集約された反応に基づいてプロフィールを作成するように動作可能なプロフィール作成モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムであって、前記一つ又はそれ以上のセンサが、更に、前記メディアを視聴している前記複数の視聴者それぞれから測定された前記生理学的データを記録するように動作可能であるシステム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムであって、前記メディアが本来インタラクティブな、時間に応じて変化するメディアであるシステム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムであって、前記メディアが、ビデオゲーム、広告クリップ、インタラクティブ映画、インタラクティブ・ビデオ、コンピュータ・アプリケーション、印刷メディア、ウェブサイト、オンライン広告、録画ビデオ、メディアのライブ・パフォーマンス、及び他の次世代メディアのうちの一つであるシステム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムであって、前記複数の視聴者のそれぞれが前記複数のイベントのそれぞれにおいて費やす時間期間が、時間において定数、非線形又は準線形であるシステム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムであって、前記視聴者のうちの二人が前記複数のイベントのうちの一つにおいて費やす時間期間が異なっているシステム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムであって、
前記一つ又はそれ以上のセンサのそれぞれが、脳電図、加速度計、血液酸素センサ、検流計、筋電計、皮膚温度センサ、呼吸センサ及び任意の他の生理学的センサのうちの一つであるシステム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムであって、
前記一つ又はそれ以上のセンサが、
一つ又はそれ以上の軸加速度計、
一つ又はそれ以上のEEG電極、
一つ又はそれ以上の心拍計、及び
処理ユニット、
のうちの一つ又はそれ以上を備える統合されたセンサ・ヘッドセットを含むシステム。
【請求項9】
請求項1記載のシステムであって、前記生理学的データが、心拍数、脳波、EEG信号、まばたき率、呼吸、身振り、筋肉の動き、電気皮膚反応、及び感情の変化に関連する任意の他の反応のうちの一つ又はそれ以上であるシステム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムであって、前記生理学的反応が、前記メディアの前記複数のイベントそれぞれに対する思考量、肯定的/否定的反応、感情的な関わり、体験への没頭、相互作用への肉体的な参加、怒り、注意散漫、欲求不満及び他の感情的体験のうちの一つであるシステム。
【請求項11】
請求項1記載のシステムであって、前記プロフィールが、前記複数の視聴者がいつ、及び/又は、前記複数のイベントのうちのいずれに関心を持っているか、及び、前記複数の視聴者がいつ及び/又は何に関心を持っていないか、を正確に決定するために利用されるシステム。
【請求項12】
請求項1記載のシステムであって、前記プロフィールが、前記複数の視聴者からの所望の反応を生成するために、前記複数のイベントのうちのいずれを変更する必要があるかを決定するために利用されるシステム。
【請求項13】
請求項1記載のシステムであって、前記決定モジュールが、更に、前記複数の視聴者のそれぞれが相互作用している前記メディアにおける位置を識別するように動作可能であるシステム。
【請求項14】
請求項1記載のシステムであって、前記決定モジュールが、更に、自動化された記録プロセスを通して前記複数のイベントを決定するように動作可能であるシステム。
【請求項15】
請求項1記載のシステムであって、前記決定モジュールが、更に、前記メディアの種別に基づいて前記複数のイベントを決定するように動作可能であるシステム。
【請求項16】
請求項1記載のシステムであって、前記プロフィール作成モジュールが、更に、前記複数の視聴者に対して、前記反応の強さ、及びそのような反応が起こる時間の平均をとることにより、前記複数のイベントのうちのそれぞれに対する反応を集約するように動作可能であるシステム。
【請求項17】
請求項1記載のシステムであって、前記プロフィール作成モジュールが、更に、前記メディアの時間又は位置において、前記複数のイベントを順序付けるように動作可能であるシステム。
【請求項18】
メディアに対する生理学的反応の比較をサポートするシステムであって、
前記メディアにおいて複数の視聴者が相互作用する複数のイベントを決定し、前記複数の視聴者のそれぞれが前記複数のイベントのそれぞれにおいて費やす時間期間を計算するように動作可能な決定モジュールと、
前記複数のイベントのそれぞれを視聴する前記複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定するように動作可能な一つ又はそれ以上のセンサと、
前記複数の視聴者それぞれの前記生理学的データから前記複数のイベントそれぞれに対する生理学的反応を導き出し、前記複数の視聴者に渡る前記複数のイベントのそれぞれに対する前記反応を集約するように動作可能なプロフィール作成モジュールと、
前記複数の視聴者に渡る前記複数のイベントのうちの二つ又はそれ以上に対する前記反応を、客観的に比較するように動作可能な評価モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項19】
請求項18記載のシステムであって、前記評価モジュールが、更に、前記反応の一貫性、前記反応の総計の又は平均の大きさ、及び前記反応の大きさの変化のうちの一つ又はそれ以上を測定することを介して、前記複数のイベントのうちの二つ又はそれ以上に対する前記反応を比較するように動作可能であるシステム。
【請求項20】
請求項18記載のシステムであって、前記評価モジュールが、更に、前記メディアの前記複数のイベントに対する前記反応に基づいて、前記メディアを、得点で評価及び/又は改善するように動作可能であるシステム。
【請求項21】
請求項20記載のシステムであって、前記評価モジュールが、更に、前記得点の原因となる前記メディアの一つ又はそれ以上のイベントを指摘するように動作可能であるシステム。
【請求項22】
請求項20記載のシステムであって、前記評価モジュールが、更に、前記メディアを非線形重み付けにより評価するように動作可能であるシステム。
【請求項23】
メディアに対する生理学的反応の比較をサポートするシステムであって、
前記メディアにおいて複数の視聴者が相互作用する複数のイベントを決定し、前記複数の視聴者のそれぞれが前記複数のイベントのそれぞれにおいて費やす時間期間を計算するように動作可能な決定モジュールと、
前記複数のイベントそれぞれを視聴する前記複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定するように動作可能な一つ又はそれ以上のセンサと、
前記複数の視聴者それぞれの前記生理学的データから前記複数のイベントそれぞれに対する生理学的反応を導き出し、前記複数の視聴者に渡る前記複数のイベントそれぞれに対する前記反応を集約し、前記複数のイベントを順番に結合するように動作可能なプロフィール作成モジュールと、
前記順番付けられた複数のイベントに対する前記複数の視聴者からの前記反応の一貫性を計算するように動作可能な評価モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項24】
メディアに対する生理学的反応の集約をサポートする方法であって、
前記メディアにおいて複数の視聴者が相互作用する複数のイベントを決定するステップと、
前記複数の視聴者のそれぞれが前記複数のイベントのそれぞれにおいて費やす時間期間を計算するステップと、
前記複数のイベントそれぞれを視聴する前記複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定するステップと、
前記複数の視聴者それぞれについて、前記生理学的データから生理学的反応を導き出すステップと、
前記複数の視聴者に渡る前記複数のイベントのそれぞれに対する前記反応を集約するステップと、
前記複数のイベントを順番に結合するステップと、
前記順序付けられた複数のイベントに対する前記集約された反応に基づいてプロフィールを作成するステップと、
を備える方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法であって、更に、前記メディアを視聴している前記複数の視聴者のそれぞれから測定された前記生理学的データを記録するステップを備える方法。
【請求項26】
請求項24記載の方法であって、更に、前記複数の視聴者について、前記反応の強さ、及びそのような反応が起こる時間の平均をとることにより、前記複数のイベントのそれぞれに対する前記反応を集約するステップを備える方法。
【請求項27】
請求項24記載の方法であって、更に、前記複数の視聴者のそれぞれが相互作用している前記メディアにおける位置を識別するステップを備える方法。
【請求項28】
請求項24記載の方法であって、更に、自動化された記録プロセスを通して前記複数のイベントを決定するステップを備える方法。
【請求項29】
請求項24記載の方法であって、更に、前記メディアの種別に基づいて前記複数のイベントを決定するステップを備える方法。
【請求項30】
請求項24記載の方法であって、更に、前記複数の視聴者がいつ、及び/又は、前記複数のイベントのうちのいずれに関心を持っているか、及び、前記複数の視聴者がいつ及び/又は何に関心を持っていないか、を正確に決定するステップを備える方法。
【請求項31】
請求項24記載の方法であって、更に、前記複数の視聴者からの所望の反応を生成するために、前記複数のイベントのうちのいずれを変更する必要があるかを決定するステップを備える方法。
【請求項32】
請求項24記載の方法であって、更に、前記メディアの時間又は位置により、前記複数のイベントを順序付けるステップを備える方法。
【請求項33】
メディアに対する生理学的反応の比較をサポートする方法であって、
前記メディアにおいて複数の視聴者が相互作用する複数のイベントを決定するステップと、
前記複数の視聴者のそれぞれが前記複数のイベントのそれぞれにおいて費やす時間期間を計算するステップと、
前記複数のイベントそれぞれを視聴する前記複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定するステップと、
前記複数の視聴者それぞれについて、前記生理学的データから生理学的反応を導き出すステップと、
前記複数の視聴者に渡る前記複数のイベントのそれぞれに対する前記反応を集約するステップと、
前記複数の視聴者に渡る前記複数のイベントのうちの二つ又はそれ以上に対する前記反応を、客観的に比較するステップと、
を備える方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法であって、更に、前記反応の一貫性、前記反応の総計の又は平均の大きさ、及び前記反応の大きさの変化のうちの一つ又はそれ以上を測定することを介して、前記複数のイベントのうちの二つ又はそれ以上に対する前記反応を比較するステップを備える方法。
【請求項35】
請求項33記載の方法であって、更に、前記メディアの前記複数のイベントに対する前記反応に基づいて、前記メディアを得点で評価するステップを備える方法。
【請求項36】
請求項35記載のシステムであって、更に、前記得点の原因となる前記メディアの一つ又はそれ以上のイベントを指摘するステップを備える方法。
【請求項37】
請求項35記載のシステムであって、更に、前記メディアを非線形重み付けにより評価するステップを備える方法。
【請求項38】
メディアに対する生理学的反応の比較をサポートする方法であって、
前記メディアにおいて複数の視聴者が相互作用する複数のイベントを決定するステップと、
前記複数の視聴者のそれぞれが前記複数のイベントのそれぞれにおいて費やす時間期間を計算するステップと、
前記複数のイベントそれぞれを視聴する前記複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定するステップと、
前記複数の視聴者それぞれについて、前記生理学的データから生理学的反応を導き出すステップと、
前記複数の視聴者に渡る前記複数のイベントそれぞれに対する前記反応を集約するステップと、
前記複数のイベントを順番に結合するステップと、
前記順番付けられた複数のイベントに対する前記複数の視聴者からの前記反応の一貫性を計算するステップと、
を備える方法。
【請求項39】
機械読み取り可能媒体であって、実行された際に、
前記メディアにおいて複数の視聴者が相互作用する複数のイベントを決定するステップと、
前記複数の視聴者のそれぞれが前記複数のイベントのそれぞれにおいて費やす時間期間を計算するステップと、
前記複数のイベントそれぞれを視聴する前記複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定するステップと、
前記複数の視聴者それぞれについて、前記生理学的データから生理学的反応を導き出すステップと、
前記複数の視聴者に渡る前記複数のイベントのそれぞれに対する前記反応を集約するステップと、
前記複数のイベントを順番に結合するステップと、
前記順序付けられた複数のイベントに対する前記集約された反応に基づいてプロフィールを作成するステップと、
をシステムに実行させる、該媒体内に格納された命令を有する機械読み取り可能媒体。
【請求項40】
メディアに対する生理学的反応の比較をサポートするシステムであって、
前記メディアにおいて複数の視聴者が相互作用する複数のイベントを決定する手段と、
前記複数の視聴者のそれぞれが前記複数のイベントのそれぞれにおいて費やす時間期間を計算する手段と、
前記複数のイベントそれぞれを視聴する前記複数の視聴者それぞれからの生理学的データを受信及び/又は測定する手段と、
前記複数の視聴者それぞれについて、前記生理学的データから生理学的反応を導き出す手段と、
前記複数の視聴者に渡る前記複数のイベントそれぞれに対する前記反応を集約する手段と、
前記複数の視聴者に渡る前記複数のイベントのうちの二つ又はそれ以上に対する前記反応を、客観的に比較する手段と、
を備えるシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−520554(P2010−520554A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552658(P2009−552658)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/016796
【国際公開番号】WO2008/108806
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(508059085)エムセンス コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】