説明

生理学的pHの緩衝液中で向上した溶解性及び安定性を示すグルカゴン類縁体

グルカゴンアゴニスト活性を保持しながら、向上した溶解性及び/又は半減期を有する、修飾されたグルカゴンペプチドが開示される。本グルカゴンペプチドは、荷電アミノ酸での天然アミノ酸の置換により、及び/又はカルボキシ末端への荷電アミノ酸の付加により、修飾されている。本修飾グルカゴンアゴニストを、ペグ化、若しくは、配列番号20、配列番号21、配列番号23からなる群より選択されるカルボキシ末端ペプチドの付加、又はそれらの両方、により更に修飾して、グルカゴンペプチド類縁体の溶解性を更に向上させることができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルカゴンアゴニスト活性を有するグルカゴンペプチドであって、(i)α,α−二置換アミノ酸により16、20、21、及び24位のうちの1、2、3個又は全てのアミノ酸が置換されている配列番号1のアミノ酸配列、を含む、グルカゴンペプチド。
【請求項2】
以下のいずれかを含む、請求項1記載のグルカゴンペプチド:
(a)16位にアミノ酪酸(AIB)、
(b)20位にAIB、
(c)21位にAIB、
(d)24位にAIB、
(e)16及び20位にAIB、
(f)16及び24位にAIB、
(g)20及び24位にAIB、又は
(h)16、20、及び24位にAIB。
【請求項3】
16位にAIBを含む、請求項2記載のグルカゴンペプチド。
【請求項4】
アミノ酸修飾を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のグルカゴンペプチドの類縁体であって、該グルカゴンペプチドが、(i)C末端から27位までのアミノ酸のうちに、少なくとも1つの荷電アミノ酸;(ii)3位のアミノ酸のグルタミン類縁体による置換;又は(iii)(i)と(ii)の両方、のいずれかを含む、類縁体。
【請求項5】
以下からなる群より選択される少なくとも1個のアミノ酸置換を含む、請求項4記載のグルカゴンペプチドの類縁体:
荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、28位のAsnの置換;
Asn、Asp、又はGluによる28位での置換;
Aspによる28位での置換;
Gluによる28位での置換;
荷電アミノ酸による29位のThrの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、29位のThrの置換;
Asp、Glu、又はLysによる29位での置換;
Gluによる29位での置換;
29位の後への1〜3個の荷電アミノ酸の挿入;
29位の後へのGlu又はLysの挿入;
29位の後へのGlu−Lys又はLys−Lysの挿入;
下記の構造I、II、又はIIIで示される側鎖を含むアミノ酸による3位のGlnの置換:
【化1】

〔式中、Rは、C0−3アルキル又はC0−3ヘテロアルキルであり;Rは、NHR又はC1−3アルキルであり;Rは、C1−3アルキルであり;Rは、H又はC1−3アルキルであり;Xは、NH、O、又はSであり;そしてYは、NHR、SR、又はORである〕、及び
これらの組み合わせ。
【請求項6】
以下からなる群より選択される少なくとも1個のアミノ酸修飾を更に含む、請求項4又は5記載の類縁体:
Ala、Ser、又はThrによる20位のGlnの置換;
Ala、Ser、又はThrによる24位のGlnの置換;
C末端への配列番号20のアミノ酸の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);及び、
これらの組み合わせ。
【請求項7】
配列番号71〜74のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項6記載の類縁体。
【請求項8】
親水性部分を更に含む、請求項4〜7のいずれか1項記載の類縁体。
【請求項9】
親水性部分が、類縁体の、アミノ酸位置16、17、20、21、24、若しくは29のいずれか、又はC末端アミノ酸に共有結合している、請求項8記載の類縁体。
【請求項10】
親水性部分が、Lys、Cys、Orn、ホモシステイン、又はアセチル−フェニルアラニンに共有結合している、請求項8又は9記載の類縁体。
【請求項11】
親水性部分がポリエチレングリコール(PEG)である、請求項8〜10のいずれか1項記載の類縁体。
【請求項12】
PEGが約1,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項11記載の類縁体。
【請求項13】
PEGが約20,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項12記載の類縁体。
【請求項14】
(i)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、1位のHisの置換、(ii)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、2位のSerの置換;又は、(iii)(i)と(ii)の両方、のいずれかを更に含む、請求項4〜13のいずれか1項記載の類縁体。
【請求項15】
1位のHisが、D−His、N−メチル−His、アルファ−メチル−Hi、イミダゾール酢酸、デス−アミノ−His、ヒドロキシル−His、アセチル−His、ホモ−His、又はアルファ,アルファ−ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)、のいずれかにより置換されている、請求項14記載の類縁体。
【請求項16】
1位のHisがDMIAで置換されている、請求項15記載の類縁体。
【請求項17】
2位のSerが、D−Ser、D−Ala、Gly、N−メチル−Ser、Val、又はアルファ,アミノ−イソ酪酸(AIB)のいずれかにより置換されている、請求項14〜16のいずれか1項記載の類縁体。
【請求項18】
アシル基又はアルキル基に共有結合している側鎖を含むアミノ酸を含み、該アシル基又はアルキル基は天然型のアミノ酸に対して非天然型である、請求項4〜17のいずれか1項記載の類縁体。
【請求項19】
アシル基又はアルキル基が結合しているアミノ酸は、10位のアミノ酸又はC末端アミノ酸である、請求項18記載の類縁体。
【請求項20】
アシル基又はアルキル基は、スペーサーを介してアミノ酸の側鎖に結合している、請求項18又は19記載の類縁体。
【請求項21】
アシル基がC〜C30脂肪アシル基である、又は、アルキル基がC〜C30アルキルである、請求項18〜20のいずれか1項記載の類縁体。
【請求項22】
以下からなる群より選択される1個のアミノ酸修飾を更に含む、請求項4〜21のいずれか1項記載の類縁体:
ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸による7位のThrの置換;
C末端から27位までのアミノ酸のうちの1又は2個のアミノ酸の欠失;
C末端アルファカルボキシレート;及び
これらの組み合わせ。
【請求項23】
ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸が、Ile又はアミノ酪酸(Abu)である、請求項22記載の類縁体。
【請求項24】
以下からなる群より選択される1個のアミノ酸修飾を更に含む、請求項4〜23のいずれか1項記載の類縁体:
Phe又はValによる10位のTyrの置換;
Argによる12位のLysの置換;
Gluによる15位のAspの置換;
Thrによる16位のSerの置換;
Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;
Gluによる21位のAspの置換;
Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;
Leu又はNleによる27位のMetの置換;
27〜29位のアミノ酸の欠失;
28〜29位のアミノ酸の欠失;
29位のアミノ酸の欠失;
C末端への配列番号20のアミノ酸の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);及び、
これらの組み合わせ。
【請求項25】
グルカゴンアゴニスト活性を有するグルカゴンペプチドであって、配列番号77のアミノ酸配列を含み、3位のXaaが、下記の構造I、II、又はIIIで示される側鎖を含むアミノ酸である、グルカゴンペプチド:
【化2】

〔式中、Rは、C0−3アルキル又はC0−3ヘテロアルキルであり;Rは、NHR又はC1−3アルキルであり;Rは、C1−3アルキルであり;Rは、H又はC1−3アルキルであり;Xは、NH、O、又はSであり;そしてYは、NHR、SR、又はORである〕。
【請求項26】
XがNHであるか、又はYがNHRである、請求項25記載のグルカゴンペプチド。
【請求項27】
が、C0−2アルキル又はCヘテロアルキルである、請求項25又は26記載のグルカゴンペプチド。
【請求項28】
が、NHR又はCアルキルである、請求項25〜27のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項29】
が、H又はCアルキルである、請求項25〜28のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項30】
3位のXaaが、以下の構造のいずれかを有する側鎖を含むアミノ酸である、請求項25記載のグルカゴンペプチド:
(i)構造Iであって、式中、RがCH−Sであり、XがNHであり、そしてRがCHである(C(Acm));
(ii)構造Iであって、式中、RがCHであり、XがNHであり、そしてRがCHである(Dab(Ac));
(iii)構造Iであって、式中、RがCアルキルであり、XがNHであり、RがNHRであり、そしてRがHである(Dap(尿素)):
(iv)構造IIであって、式中、RがCHであり、YがNHRであり、そしてRがCHである(Q(Me));
(v)構造IIIであって、式中、RがCHであり、そして構造IIIのRがHである(M(O));又は
(vi)構造Iであって、式中、RがCH−CHであり、XがNHであり、そしてRがCHである(Om(Ac))。
【請求項31】
(i)iの位置のアミノ酸の側鎖と、i+4の位置のアミノ酸の側鎖とを連結する分子内架橋(ここでiは12、16、20、又は24である)、(ii)16、20、21、及び24位のうちの1、2、3つ、若しくは全てにおけるα,α−二置換アミノ酸;又は(iii)(i)と(ii)の両方、のいずれかを含む、請求項25〜30のいずれか1項記載のグルカゴンペプチドの類縁体。
【請求項32】
α,α−二置換アミノ酸がAIBである、請求項31記載の類縁体。
【請求項33】
AIBがグルカゴンペプチドの16位にある、請求項32記載の類縁体。
【請求項34】
以下からなる群より選択される1個のアミノ酸修飾を含む、請求項31〜33のいずれか1項記載のグルカゴンペプチドの類縁体:
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、1位のHisの置換;
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、2位のSerの置換;
Abu又はIleによる7位のThrの置換;
Phe又はValによる10位のTyrの置換;
Argによる12位のLysの置換;
Gluによる15位のAspの置換;
Thr又はAIBによる16位のSerの置換;
Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;
Gluによる21位のAspの置換;
Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;
Leu又はNleによる27位のMetの置換;
27〜29位のアミノ酸の欠失;
28〜29位のアミノ酸の欠失;
29位のアミノ酸の欠失;
C末端への配列番号20のアミノ酸配列の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);
天然型のアミノ酸に対して非天然型であるアシル又はアルキル基に共有結合している側鎖を含むアミノ酸の置換又は付加;及び
これらの組み合わせ。
【請求項35】
グルカゴンペプチドが、配列番号62〜67及び69〜74のいずれかのアミノ酸配列を含む、請求項34記載の類縁体。
【請求項36】
16、17、20、21、24、及び29位のいずれかのアミノ酸又はC末端アミノ酸に共有結合している、1個の親水性部分を含む、請求項31〜35のいずれか1項記載の類縁体。
【請求項37】
親水性部分がPEGである、請求項36記載の類縁体。
【請求項38】
アシル基又はアルキル基が、10位のアミノ酸又はC末端アミノ酸の側鎖に共有結合している、請求項34〜37のいずれか1項記載の類縁体。
【請求項39】
アシル基がC〜C30脂肪アシル基である、又は、アルキル基がC〜C30アルキルである、請求項34〜38のいずれか1項記載の類縁体。
【請求項40】
アシル又はアルキル基は、スペーサーを介してアミノ酸の側鎖に結合している、請求項34〜39のいずれか1項記載の類縁体。
【請求項41】
グルカゴンペプチドが、ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸を7位に含む、請求項40記載の類縁体。
【請求項42】
ヒドロキシル基を欠いているアミノ酸が、Abu又はIleである、請求項41記載の類縁体。
【請求項43】
グルカゴンアゴニスト活性を有するグルカゴンペプチドであって、1〜3個のアミノ酸修飾を含む以下のアミノ酸配列を含む、グルカゴンペプチド:
X1−X2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Z(配列番号39)
〔ここで、X1及びX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸であり、
Zは、−COOH、−Asn−COOH、Asn−Thr−COOH、及びY−COOHからなる群より選択され、Yは1〜2個のアミノ酸であり、
ラクタム架橋が、iの位置のアミノ酸の側鎖と、i+4の位置のアミノ酸の側鎖とを連結し、ここでiは、12、16、20、又は24である〕。
【請求項44】
配列番号39のiの位置及びi+4の位置のアミノ酸が、Lys及びGluである、請求項43記載のグルカゴンペプチド。
【請求項45】
16位のアミノ酸がGluであり、そして20位のアミノ酸がLysである、請求項44記載のグルカゴンペプチド。
【請求項46】
X1が、D−His、N−メチル−His、アルファ−メチル−Hi、イミダゾール酢酸、デス−アミノ−His、ヒドロキシル−His、アセチル−His、ホモ−His、及びアルファ,アルファ−ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)からなる群より選択される、請求項43〜45のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項47】
X1がDMIAである、請求項46記載のグルカゴンペプチド。
【請求項48】
X2が、D−Ser、D−Ala、Gly、N−メチル−Ser、Val、及びアルファ,アミノ−イソ酪酸(AIB)からなる群より選択される、請求項43〜47のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項49】
ZがAsn−Thr−COOHである、請求項43〜48のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項50】
ZがAsn−COOHである、請求項43〜48のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項51】
Zが−COOHである、請求項43〜48のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項52】
16、17、20、21、24、若しくは29位のいずれかのアミノ酸又はC末端アミノ酸において親水性部分と共有結合している、請求項43〜51のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項53】
親水性部分が、Lys、Cys、Orn、ホモシステイン、又はアセチル−フェニルアラニンに共有結合している、請求項52記載のグルカゴンペプチド。
【請求項54】
親水性部分がポリエチレングリコール(PEG)である、請求項52又は53記載のグルカゴンペプチド。
【請求項55】
PEGが約1,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項54記載のグルカゴンペプチド。
【請求項56】
PEGが約20,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項54記載のグルカゴンペプチド。
【請求項57】
グルカゴン受容体を過剰発現しているHEK293細胞におけるcAMP誘導を測定するインビトロでのアッセイにおいて、ヒトグルカゴン受容体に対して約10nM以下のEC50を有すると決定されることを特徴とする、請求項43〜56のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項58】
グルカゴンアゴニスト活性を有するグルカゴンペプチドであって、以下のアミノ酸配列を含み、更に、16、17、20、21、24、若しくは29位のいずれかのアミノ酸、又はC末端アミノ酸において親水性部分と共有結合していてもよい、グルカゴンペプチド:
X1−X2−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Z(配列番号39)
〔ここで、X1及びX2は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する(又は耐性を増加する)非天然アミノ酸であり、
16、20、21及び24位のうちの1、2、3つ、又は全てのアミノ酸が、α,α−二置換アミノ酸で置換されており、
Zは、−COOH(天然型のC−末端カルボキシレート)、−Asn−COOH、Asn−Thr−COOH、及びY−COOHからなる群より選択され、Yは1〜2個のアミノ酸である〕。
【請求項59】
以下のいずれかを含む、請求項58記載のグルカゴンペプチド:
(a)16位にAIB、
(b)20位にAIB、
(c)21位にAIB、
(d)24位にAIB、
(e)16及び20位にAIB、
(f)16及び24位にAIB、
(g)20及び24位にAIB、又は
(h)16、20、及び24位にAIB。
【請求項60】
X1が、D−His、N−メチル−His、アルファ−メチル−Hi、イミダゾール酢酸、デス−アミノ−His、ヒドロキシル−His、アセチル−His、ホモ−His、及びアルファ,アルファ−ジメチルイミダゾール酢酸(DMIA)からなる群より選択される、請求項58又は59項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項61】
X1がDMIAである、請求項60記載のグルカゴンペプチド。
【請求項62】
X2が、D−Ser、D−Ala、Gly、N−メチル−Ser、Val、及びアルファ,アミノ−イソ酪酸(AIB)からなる群より選択される、請求項58〜61のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項63】
ZがAsn−Thr−COOHである、請求項58〜62のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項64】
ZがAsn−COOHである、請求項58〜62のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項65】
Zが−COOHである、請求項58〜62のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項66】
親水性部分が、Lys、Cys、Orn、ホモシステイン、又はアセチル−フェニルアラニンに共有結合している、請求項58〜65のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項67】
親水性部分がポリエチレングリコール(PEG)である、請求項58〜66のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項68】
PEGが約1,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項67記載のグルカゴンペプチド。
【請求項69】
PEGが約20,000ダルトン〜約40,000ダルトンの分子量を有する、請求項67記載のグルカゴンペプチド。
【請求項70】
グルカゴン受容体を過剰発現しているHEK293細胞におけるcAMP誘導を測定するインビトロでのアッセイにおいて、ヒトグルカゴン受容体に対して約10nM以下のEC50を有すると決定されることを特徴とする、請求項58〜69のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド。
【請求項71】
グルカゴンアゴニスト活性を有し、以下からなる群より選択される1個の更なるアミノ酸修飾を含む、請求項43又は請求項58記載のグルカゴンペプチドの類縁体:
Phe又はValによる10位のTyrの置換;
Argによる12位のLysの置換;
Gluによる15位のAspの置換;
Thr又はAIBによる16位のSerの置換;
Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;
Gluによる21位のAspの置換;
Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;
Leu又はNleによる27位のMetの置換;
荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、28位のAsnの置換;
Asn、Asp又はGluによる28位での置換;
Aspによる28位での置換;
Gluによる28位での置換;
荷電アミノ酸による29位のThrの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、29位のThrの置換;
Asp、Glu、又はLysによる29位での置換;
Gluによる29位での置換;
29位の後への1〜3個の荷電アミノ酸の挿入;
30位へのGlu又はLysの挿入;
31位へのLysの挿入;或いは
これらの組み合わせ。
【請求項72】
以下のアミノ酸修飾のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、請求項71記載の類縁体:
下記の構造I、II、又はIIIで示される側鎖を含むアミノ酸による、3位のGlnの置換:
【化3】

〔式中、Rは、C0−3アルキル又はC0−3ヘテロアルキルであり;Rは、NHR又はC1−3アルキルであり;Rは、C1−3アルキルであり;Rは、H又はC1−3アルキルであり;Xは、NH、O、又はSであり;そしてYは、NHR、SR、又はORである〕;
アシル又はアルキル基(該アシル又はアルキル基は天然型のアミノ酸に対して非天然型である)に共有結合(該結合は場合によりスペーサーを介してでもよい)している側鎖を含むアミノ酸による置換又は付加であって、更に、Abu又はIleによる7位のThrの置換と組み合わされてもよい、置換又は付加;
Ala、Ser、又はThrによる20位のGlnの置換;
Ala、Ser、又はThrによる24位のGlnの置換;
C末端への配列番号20のアミノ酸配列の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);
親水性部分に共有結合しているアミノ酸の置換又は付加;或いは
これらの組み合わせ。
【請求項73】
グルカゴンアゴニスト活性を有し、以下のアミノ酸修飾のうちの1つ又は組み合わせを含む、請求項43又は58記載のグルカゴンペプチドの類縁体:
下記の構造I、II、又はIIIで示される側鎖を含むアミノ酸による3位のGlnの置換:
【化4】

〔式中、Rは、C0−3アルキル又はC0−3ヘテロアルキルであり;Rは、NHR又はC1−3アルキルであり;Rは、C1−3アルキルであり;Rは、H又はC1−3アルキルであり;Xは、NH、O、又はSであり;そしてYは、NHR、SR、又はORである〕;
アシル又はアルキル基(該アシル又はアルキル基は天然型のアミノ酸に対して非天然型である)に共有結合(該結合は場合によりスペーサーを介してでもよい)している側鎖を含むアミノ酸による置換又は付加であって、更に、Abu又はIleによる7位のThrの置換と組み合わされてもよい、置換又は付加;
Ala、Ser、又はThrによる20位のGlnの置換;
Ala、Ser、又はThrによる24位のGlnの置換;
C末端への配列番号20のアミノ酸の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);
親水性部分に共有結合しているアミノ酸の置換又は付加;或いは
これらの組み合わせ。
【請求項74】
グルカゴンアゴニスト活性を有する、配列番号1のグルカゴンペプチドの類縁体であって、
(a)下記:
荷電アミノ酸による28位のAsnの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、28位のAsnの置換;
Asn、Asp又はGluによる28位での置換;
Aspによる28位での置換;
Gluによる28位での置換;
荷電アミノ酸による29位のThrの置換;
Lys、Arg、His、Asp、Glu、システイン酸、及びホモシステイン酸からなる群より選択される荷電アミノ酸による、29位のThrの置換;
Asp、Glu又はLysによる29位での置換;
Gluによる29位での置換;
29位の後への1〜3個の荷電アミノ酸の挿入;
29位の後へのGlu又はLysの挿入;
29位の後へのGlu−Lys又はLys−Lysの挿入;或いは
これらの組み合わせ
からなる群より選択される少なくとも1個のアミノ酸修飾と、
A群若しくはB群又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも1個のアミノ酸修飾と
を含む、類縁体。
〔ここで、
A群は、Gluによる15位のAspの置換、及びThr又はAIBによる16位のSerの置換、からなる群より選択されるアミノ酸修飾であり、
B群は、以下からなる群より選択されるアミノ酸修飾である:
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、1位のHisの置換;
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による切断に対するグルカゴンペプチドの感受性を低減する非天然アミノ酸による、2位のSerの置換;
Phe又はValによる10位のTyrの置換;
Argによる12位のLysの置換;
Ala又はAIBによる20位のGlnの置換;
Gluによる21位のAspの置換;
Ala又はAIBによる24位のGlnの置換;
Leu又はNleによる27位のMetの置換;
27〜29位のアミノ酸の欠失;
28〜29位のアミノ酸の欠失;
29位のアミノ酸の欠失;或いは
これらの組み合わせ。〕
【請求項75】
以下のアミノ酸修飾のうちの1つ又は組み合わせを更に含む、請求項74記載の類縁体:
下記の構造I、II、又はIIIで示される側鎖を含むアミノ酸による、3位のGlnの置換:
【化5】

〔式中、Rは、C0−3アルキル又はC0−3ヘテロアルキルであり;Rは、NHR又はC1−3アルキルであり;Rは、C1−3アルキルであり;Rは、H又はC1−3アルキルであり;Xは、NH、O、又はSであり;そしてYは、NHR、SR、又はORである〕;
アシル又はアルキル基(該アシル又はアルキル基は天然型のアミノ酸に対して非天然型である)と共有結合(該結合は場合によりスペーサーを介してでもよい)している側鎖を含むアミノ酸による置換又は付加であって、更に、Abu又はIleによる7位のThrの置換と組み合わされてもよい、置換又は付加;
Ala、Ser、又はThrによる20位のGlnの置換;
Ala、Ser、又はThrによる24位のGlnの置換;
C末端への配列番号20のアミノ酸配列の付加(ここで29位のアミノ酸はThr又はGlyである);
親水性部分に共有結合しているアミノ酸の置換又は付加;或いは
これらの組み合わせ。
【請求項76】
ラクタム架橋が、iの位置のアミノ酸の側鎖と、i+4の位置のアミノ酸の側鎖とを連結し、ここでiは、12、16、20、又は24である、請求項74又は75記載の類縁体。
【請求項77】
類縁体の16、20、21、及び24位のうちの1、2、3個又は全てのアミノ酸が、α,α−二置換アミノ酸で置換されている、請求項74〜76のいずれか1項記載の類縁体。
【請求項78】
α,α−二置換アミノ酸がAIBである、請求項77記載の類縁体。
【請求項79】
配列番号76のアミノ酸配列を含む、請求項78記載の類縁体。
【請求項80】
配列番号40〜56のいずれかのアミノ酸配列を含む、グルカゴンペプチド。
【請求項81】
配列番号40のアミノ酸配列を含む、グルカゴンペプチド。
【請求項82】
請求項1〜81のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド又はその類縁体であって、親水性部分を欠いている場合、グルカゴン受容体に対する天然グルカゴンの活性の少なくとも約20%の活性を示す、グルカゴンペプチド又は類縁体。
【請求項83】
請求項1〜82のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド又はその類縁体であって、親水性部分を欠いている場合、GLP−1受容体に対する天然GLP−1の活性の約0.5%以下の活性を示す、グルカゴンペプチド又は類縁体。
【請求項84】
リンカーを介して互いに結合している2つのペプチドを含む二量体であって、該2つのペプチドの少なくとも一方が、請求項1〜3、25〜30、43〜70、及び80〜83のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド、又は、請求項4〜24、31〜42、及び71〜79記載の類縁体のいずれかである、二量体。
【請求項85】
二量体がホモ二量体である、請求項84記載の二量体。
【請求項86】
リンカーが、二官能チオール架橋剤及び二官能アミン架橋剤からなる群より選択される、請求項84又は85記載の二量体。
【請求項87】
結合体部分と、請求項1〜3、25〜30、43〜70、及び80〜83のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド、請求項4〜24、31〜42、及び71〜79記載の類縁体、請求項84〜86のいずれか1項記載の二量体、又はこれらの組み合わせと、を含む、結合体。
【請求項88】
請求項1〜3、25〜30、43〜70、及び80〜83のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド、請求項4〜24、41〜42、及び71〜79記載のうちの1つの類縁体、又は、請求項84〜86のいずれか1項記載の二量体、のいずれかを含む融合ペプチドであって、該グルカゴンペプチド、類縁体、又は二量体が、配列番号20のアミノ酸配列を含むペプチドと融合している、融合ペプチド。
【請求項89】
請求項1〜3、25〜30、43〜70、及び80〜83のいずれか1項記載のグルカゴンペプチド、請求項4〜24、31〜42、及び71〜79記載の類縁体、請求項84〜86のいずれか1項記載の二量体、請求項87記載の二量体、請求項88記載の融合ペプチド、又はこれらの組み合わせと、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物。
【請求項90】
グルカゴンアゴニストを必要とする患者に、グルカゴンアゴニストを投与するためのキットであって、請求項89記載の医薬組成物と、該医薬組成物を該患者に投与する装置とを含む、キット。
【請求項91】
装置がシリンジ及び針を含み、医薬組成物がシリンジ内に予め包装されている、請求項90記載のキット。
【請求項92】
腸管の一過性麻痺を必要とする患者において、腸管の一過性麻痺を起こす方法であって、該患者において腸管の一過性麻痺を起こすのに有効な量の請求項89記載の医薬組成物を、該患者に投与することを含む方法。
【請求項93】
体重増加の低減又は減量の誘導を必要とする患者において、体重増加の低減又は減量の誘導を行う方法であって、該患者において体重増加を低減する又は減量を誘導するのに有効な量の請求項89記載の医薬組成物を、該患者に投与することを含む方法。
【請求項94】
低血糖症の治療又は予防を必要とする患者において、低血糖症の治療又は予防を行う方法であって、該患者において低血糖症を治療又は予防するのに有効な量の請求項89記載の医薬組成物を、該患者に投与することを含む方法。
【請求項95】
血中グルコースレベルの安定化を必要とする患者において、血中グルコースレベルの安定化を行う方法であって、該患者の血中グルコースレベルを安定化するのに有効な量の請求項89記載の医薬組成物を、該患者に投与することを含み、該患者がインスリンの投与を含む治療レジメンを受けていることを特徴とする、方法。
【請求項96】
医薬組成物がインスリンを更に含む、請求項95記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2011−524418(P2011−524418A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514733(P2011−514733)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/047437
【国際公開番号】WO2009/155257
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(507277642)インディアナ ユニバーシティー リサーチ アンド テクノロジー コーポレーション (21)
【氏名又は名称原語表記】INDIANA UNIVERSITY RESEARCH AND TECHNOLOGY CORPORATION
【Fターム(参考)】