説明

生産システム

【課題】ワークを自動加工する加工装置を備えた生産システムにおいて、生産ラインの生産性を向上させる。
【解決手段】生産システムXは、ワークWを自動加工する生産ラインLに配置された加工装置40aと、作業手順を含む加工データを用いて加工装置40aにワークWの加工を実行させる制御装置40bと、加工装置40aにワークWを搬送する無人搬送装置60と、スケジューリング端末20とを有する。また、作業手順の中の所定作業にマーキングデータが付けられている。また、加工装置40aは、ワークの加工を開始した場合、マーキングデータが付けられた所定作業を実施した場合、およびワークの加工が完了した場合、それぞれ、スケジューリング端末20に向け、その旨を示す信号を送信する。スケジューリング端末20は、加工装置40aからの信号により、加工装置40aにおける加工の進捗状況を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産システムに関し、例えば、自動車等の製造工場において、無人でワークを生産する生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工業製品等の生産ラインでは、ワークを自動加工する加工装置(NC加工装置)が利用されている。
ここで、従来から知られているNC加工装置(加工装置)を備えた生産システムについて、図8に基づいて説明する。
【0003】
図8に示すように、従来技術の生産システムは、加工データ端末150と、スケジューリング端末250と、機械監視端末30と、生産ラインLに配置された複数の加工装置40a1、40a2(ここでは、説明の便宜上、2台だけ示す)と、それぞれの加工装置40a1、40a2を制御する制御装置40b1、40b2と、ワークWを搬送するクレーン装置Bとを備えている。
また、加工データ端末150および制御装置40b1、40b2は、ネットワークaに接続され、相互に通信できるようになされている。
また、スケジューリング端末250、機械監視端末30、および加工装置40a1、40a2は、ネットワークb(図中では破線で示している)に接続され、相互に通信できるようになされている。
【0004】
また、加工データ端末150は、ワークWの設計情報(CADデータ)等を用いて各加工装置40a1、40a2を駆動制御する加工データ(指示情報)160を生成し、ネットワークaを介して、各制御装置40b1、40b2に、加工データ160を送信する。そして、制御装置40b1(又は制御装置40b2)は、加工データ端末10からの加工データ160を受信し、その加工データ160を用いて、加工装置40a1(又は加工装置40a2)の駆動制御を行う。
なお、加工データ端末150は、CPUおよびメモリを備えるコンピュータにより構成され、当該メモリにはCAMプログラムが格納されている。そして、前記CPUが前記CAMプログラムを実行することにより、加工データ100が作成される。
【0005】
また、スケジューリング端末250は、生産ラインLのスケジュール管理を行う。
そして、作業者は、スケジューリング端末250に、加工データ端末150で求めた加工データ160を入力する(例えば、作業者がキーボードで入力する)。スケジューリング端末250は、入力された加工データ160を用いて、生産ラインLの生産計画を作成する。また、スケジューリング端末250は、作成した生産計画にしたがい、機械監視端末30を介して、各加工装置40a1、40a2の駆動開始の指示を行う。
【0006】
また、各加工装置40a1、40a2は、ワークWの加工が終了すると、その旨を示す信号(終了信号)を機械監視端末30に送信するようになされている(ネットワークbを介して送信する)。
そして、機械監視端末30は、各加工装置40a1、40a2からの加工終了信号を受信すると、スケジューリング端末250に、受信した加工終了信号を送信する。また、スケジューリング端末250は、加工終了信号を受信すると、作業者にその旨を通知する(ブザー等を鳴らす)。
作業者は、前記の通知を受けると(ブザー音を聞くと)、クレーン装置Bを操作して、次工程の加工装置40a1、40a2に、ワークWを搬送して設置し、その搬送終了を示すデータをスケジューリング端末250に入力する。
【0007】
その後、スケジューリング端末250は、搬送終了の入力を受けると、前記生産計画にしたがい、機械監視端末30を介して各加工装置40a1、40a2に、次工程の加工開始に指示を与える。これにより、各加工装置40a1、40a2によりワークWが自動的に加工される。
なお、上記のように、ワークWを自動加工する加工装置の構成は、例えば、特許文献1に開示されている。
また、従来から、生産ラインLでは、ワークWの搬送手段として、クレーン装置Bではなく、無人搬送システムを利用することも行われている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2002−200540号公報
【特許文献2】特開2005−209161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来技術の生産システムは、以下に示す技術的課題を有している。
具体的には、図8に示す従来技術の生産システムは、加工装置が作業を完了した場合、作業者に対して作業完了を通知しているが、各加工装置におけるワークの加工の進捗状況が把握できないという技術的課題を有している。
そのため、従来技術の生産システムは、搬送の段取り待ちを発生させたり、ワークの搬送遅れによって次工程の加工装置にアイドルタイムを発生させたりしていた。その結果、従来技術の生産システムは、生産ラインの生産性を低下させていた。
また、従来技術の生産システムは、CAMの手法により算出した加工時間をそのまま利用して生産計画を作成しているが、各加工装置の特性(反応時間、加減速)が考慮されていないため、実際の工程と、生産計画との間にズレが発生していた。すなわち、従来技術の生産システムは、精度の高い生産計画を作成することができないため、生産ラインの生産性を向上させることができなかった。
【0009】
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ワークを自動加工する加工装置を備える生産システムにおいて、生産ラインの生産性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた本発明は、ワークを載置する作業台を備え、該作業台に載置された該ワークを自動加工する生産ラインに配置された加工装置と、作業手順を含む加工データを用いて該加工装置に該ワークの加工を実行させる制御装置と、該加工装置の作業台に該ワークを搬送する無人搬送装置と、生産計画にしたがい前記加工装置および前記無人搬送装置に駆動開始を指示するスケジューリング端末とを有する生産システムに適用される。
そして、前記加工データに含まれる作業手順には、該作業手順の中の所定作業にマーキングデータが付けられており、前記加工装置は、前記作業台の上に載置されたワークの加工を開始すると前記スケジューリング端末に向けて作業開始を示す開始信号を送信し、前記マーキングデータが付けられた所定作業を実施すると前記スケジューリング端末に向けてその旨を示す中間信号を送信し、該ワークの加工が完了すると前記スケジューリング端末に向けて作業完了を示す終了信号を送信し、前記スケジューリング端末は、前記加工装置が送信する前記開始信号、前記中間信号、および前記終了信号を用いて、該加工装置におけるワークの加工の進捗状況を示す進捗情報を生成し、前記生産計画および該進捗情報に基づいて前記加工装置への加工開始の指示および前記無人搬送装置へのワークの搬送指示を行うことを特徴としている。
【0011】
このように、本発明の生産システムは、加工データに含まれる作業手順に、その作業手順の中の所定作業にマーキングデータが付けられている。
また、加工装置は、ワークの加工を開始するとスケジューリング端末に向けて作業開始を示す開始信号を送信し、マーキングデータが付けられた所定作業を実施するとスケジューリング端末に向けてその旨を示す中間信号を送信し、ワークの加工が完了するとスケジューリング端末に向けて作業完了を示す終了信号を送信している。
そのため、本発明によれば、スケジューリング端末が、加工装置からの「開始信号、中間信号、および終了信号」により、加工装置の作業の進捗状況を把握することができる。
また、本発明の生産システムによれば、加工装置の作業の進捗状況に応じて、加工装置および無人搬送装置の駆動を制御できるため、生産ライン全体のアイドルタイムを減少させることができる。
【0012】
また、本発明の生産システムは、ワークの加工を自動的に行う加工装置と、ワークを無人で搬送する無人搬送システムとを備えているため、生産ラインの無人化を図ることができる。
【0013】
また、前記生産システムは、前記加工データと、前記加工装置の特性を示す情報とを用いて、該加工装置が行う作業時間を算出する加工時間算出端末を備え、前記スケジューリング端末は、前記加工時間算出端末が算出した作業時間を用いて前記生産計画を作成することが望ましい。
このように本発明では、生産計画の基となる作業時間の算出において、加工装置の特性を示す情報を加味しているため、実際の作業時間と誤差の少ない作業時間を算出することができ、これにより精度の高い生産計画を作成することができる。
その結果、本発明によれば、精度の高い生産計画にしたがい、生産ラインを稼働させることができるので、生産ラインの生産性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明によれば、ワークを自動加工する加工装置を備える生産システムにおいて、生産ラインの生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の生産システムを図面に基づいて説明する。
先ず、本発明の実施形態の生産システムのシステム構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態の生産システムのシステム構成図である。
なお、本実施形態の説明において、上述した実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、その説明を簡略化する。
【0016】
図示するように、本実施形態の生産システムXは、加工データ端末10と、加工時間算出端末15と、スケジューリング端末20と、機械監視端末30と、生産ラインLに配置された複数の加工装置(NC工作機械)40a1〜40an(nは2以上の整数)と、それぞれの加工装置40a1〜40anを制御する制御装置40b1〜40bn(nは2以上の整数)と、複数の無人搬送機60と、複数の無人搬送機60の駆動を制御する搬送機制御端末70とを備えている。
ここで、加工装置40a1〜40anは、加工対象のワークWが載置される作業台(図示せず)を備え、制御装置40b1〜40bnからの指示にしたがい、作業台に載置されたワークWを自動加工する。
【0017】
また、加工データ端末10、スケジューリング端末20、制御装置40b1〜40bn、および搬送機制御端末70は、ネットワークa(例えば、工場内LAN)に接続され、ネットワークaを介して相互間でデータの授受ができるようになされている。
また、スケジューリング端末20、機械監視端末30、および加工装置40a1〜40anは、ネットワークb(例えば、工場内LAN)に接続され、ネットワークbを介して相互間でデータの授受ができるようになされている。
また、加工時間算出端末15は、加工データ端末10およびスケジューリング端末20にネットワーク接続されている。
なお、図示するネットワーク構成は、あくまでも一例である。また、ネットワークaおよびネットワークbは、有線であっても無線(例えば、無線LAN)であってもかまわない。
【0018】
上記のように構成された生産システムXは、スケジューリング端末20が、機械監視端末30を介して各加工装置40a1〜40anが行っている作業の進捗状況を把握する。
また、スケジューリング端末20は、前記の進捗状況に基づいて無人搬送機60への搬送指示を行い(搬送機制御端末70を介して無人搬送機60を駆動させ)、ワークWの搬送を行う。また、スケジューリング端末20は、前記の進捗状況に基づいて加工装置40a1〜40anに加工開始を指示する。
このように、本実施形態によれば、各加工装置40a1〜40anの作業の進捗状況にしたがい、生産ラインLの各装置の駆動制御を行うため、生産ラインL全体のアイドルタイムを減少させることができる。
また、生産システムXは、ワークWの加工を自動的に行う加工装置40a1〜40anと、ワークWを無人で搬送する無人搬送システム(無人搬送機60および搬送機制御端末70)とを備えているため、生産ラインLの無人化を図ることができる。
以下、本実施形態の生産システムXを構成する各装置を順次説明していく。
【0019】
先ず、加工データ端末10について説明する。
加工データ端末10は、各加工装置40a1〜40anの駆動を制御する加工データを生成すると共に、各制御装置40b1〜40bnに、その生成した加工データを送信する。
具体的には、加工データ端末10は、加工データを生成する加工データ生成部11と、加工時間算出端末15との間で行われるデータの授受を制御するI/О処理部12と、ネットワークaに接続されている各装置との間で行われるデータの授受を制御する通信部13とを有する。
【0020】
加工データ生成部11は、ワークWの設計情報(CADデータ)等を用いて、各加工装置40aを駆動制御するための加工データ100を生成する。
ここで、加工データ生成部11が生成する加工データ100について、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の実施形態の加工データのデータ構造を模擬的に示した模式図である。
【0021】
図示するように、加工データ100は、各加工装置40aが担当する工程を示すデータ名毎に、その工程を担当する加工装置40aを制御する指示情報が対応付けられている。
具体的には、加工データ100は、工程名を登録するフィールド101aと、フィールド101aに登録された工程名の工程を担当する加工装置40aを制御する指示情報を登録するフィールド101bとを備え、1つのレコードが形成されている。また、加工データ100は、工程毎にレコードが作られている(複数のレコードにより構成されている)。
なお、以下では、説明の便宜上、荒取り加工を担当する荒機を加工装置40a1とし、中仕上加工を担当する中仕上機を加工装置40a2とし、仕上加工を担当する仕上機を加工装置40a3(図示せず)として説明する。
【0022】
例えば、フィールド101aに「荒取り加工データ」が登録されたレコード100aでは、フィールド101aに対応するフィールド101bに、荒取り加工を担当する加工装置(荒機)40a1の駆動を制御するための指示情報(例えば、移動方法、移動量、担当装置等)が登録されている。
また、フィールド101aに「中仕上加工データ」が登録されたレコード100bでは、対応するフィールド101bに、中仕上加工を担当する加工装置(中仕上機)40a2の駆動を制御するための指示情報(図示せず)が対応付けられている。
【0023】
また、各工程を示す加工データ100には、その工程の作業手順を示すデータ(図示せず)が含まれ、且つその作業手順を示すデータの中の所定作業を示すデータにフラグデータ(中間マーキング)が対応付けられている。
例えば、ある工程(例えば、荒取り加工工程)の手順を示すデータが「第1作業、第2作業・・・・第X作業」により構成されていれば、中間の第n作業(1<n<X)に中間マーキングが付けられている。
【0024】
また、上記の中間マーキングの位置は、システム管理者からの指定により特定されるようになされていてもよい。また、例えば、工程(荒取り加工工程等)の手順を示すデータが「第1作業、第2作業・・・・第X作業」により構成されている場合、最後の手順の1つ前の手順((X−1)手順)や、最後の手順の2つ前の手順((X−2)手順)に中間マーキングが付けられていてもよい。
そして、この中間マーキングは、後述するように、各加工装置40aにおける作業の進捗状況の把握に用いられる。
【0025】
図1に戻り、加工データ端末10の説明を続ける。
加工データ生成部11により生成された加工データ100は、I/О処理部12により、加工時間算出端末15に送信され、加工時間の算出に用いられる。また、加工データ100は、通信部13により、ネットワークaを介して、対応する各制御装置40bに送られる(例えば、荒取り加工データの指示情報(図2のレコード100a)は、荒取り加工を行う加工装置40a1の駆動を制御する制御装置40b1に送られる)。
【0026】
また、本実施形態では、加工データ端末10のハードウェア構成について、特に限定されるものではないが、例えば、加工データ端末10は、CPUおよびメモリを備えるコンピュータにより構成される。
そして、前記メモリには、加工データ生成部11、I/О処理部12、および通信部13の機能を実現するためのプログラム(加工データ端末PG)が格納されている。そして、加工データ生成部11、I/О処理部12、および通信部13の機能は、前記CPUが、前記メモリに格納されたプログラム(加工データ端末PG)を実行することにより実現される。
なお、前記プログラム(加工データ端末PG)には、CAMプログラムが含まれており、上述した中間マーキングを付与する以外の処理は、従来技術のものと同じである。
【0027】
次に、加工時間算出端末15の構成を説明する。
加工時間算出端末15は、工程毎にその工程の加工時間を算出する加工時間算出部16と、I/О処理部17と、加工機特性データベース18とを備えている。
なお、I/О処理部17は、加工データ端末10との間で行われるデータの授受を制御する。また、I/О処理部17は、スケジューリング端末20との間で行われるデータの授受を制御する。
具体的には、I/О処理部17は、加工データ端末10から送信される加工データ100を受信し、加工時間算出部16に出力する。また、I/О処理部17は、スケジューリング端末20に加工時間算出部16が算出した加工時間を送信する。
【0028】
また、加工機特性データベース18には、各工程を担当する加工装置40a毎の特性情報(加工装置40aの特性を示す情報)が登録されている。
ここで、図3を用いて、加工機特性データベース18について説明する。
図3は、本発明の実施形態の加工機特性データベースのデータ構造を模擬的に示した模式図である。
加工機特性データベース18は、加工装置名毎に、その加工装置の特性を示す情報が対応付けられている。
【0029】
具体的には、加工機特性データベース18は、加工装置名を登録するフィールド180と、フィールド180に登録された加工装置の特性を示す情報を登録するフィールド181とを備え、1つのレコードが形成されている。また、加工機特性データベース18は、加工装置毎にレコードが作られている(複数のレコードにより構成されている)。
例えば、図示するように、フィールド180に「荒機(加工装置40a1)」が登録されたレコード18aでは、フィールド180に対応するフィールド181に「荒機(加工装置40a1)の特性を示す情報(モータ出力、加速能力、減速能力、モータ反応速度等)が登録されている。
また、フィールド180に「仕上機(加工装置40a3(図示せず))」が登録されたレコード18cでは、フィールド180に対応するフィールド181に「仕上機(加工装置40a3)の特性を示す情報(図示せず)が登録されている。
【0030】
図1に戻り、加工時間算出端末15の説明を続ける。
加工時間算出部16は、加工データ端末10からの加工データ100に加え、加工機特性データベース18に登録されている各加工装置40aが持つ特性を利用して工程毎の加工時間を算出する(例えば、加工装置40のモータ出力値、加速能力等により補正係数を求めて、従来技術により求められる加工時間に補正係数を乗算した値を加工時間とする)。
例えば、荒取り加工の加工時間を算出する場合、加工時間算出部16は、前記加工データ100の中から、データ名に「荒取り加工データ」が登録されているレコード100aを抽出する。また、加工時間算出部16は、加工機特性データベース18の中から、装置名に「荒機」が登録されているレコード18aを抽出する。
そして、加工時間算出部16は、データ名に「荒取り加工データ」が登録されているレコード100aと、装置名に「荒機」が登録されているレコード18aとを用いて、荒取り加工の作業時間(加工時間)を算出する。
【0031】
このように、本実施形態では、各工程の作業時間の算出に、加工装置40aの特性を加味するようにしている。
そのため、本実施形態によれば、上述した従来技術のものと比べて、算出する作業時間の精度を高めることができる。
【0032】
ここで、加工時間算出部16が算出した工程毎の加工時間を示した加工時間情報を図4に示す。
図示するように、加工時間情報200は、各工程に、加工時間算出部16が算出した加工時間が対応付けられている。なお、図示する例では、3工程(荒取り加工、中仕上、仕上)だけを示しているが、あくまでもこれは例示である。
【0033】
また、本実施形態では、加工時間算出端末15のハードウェア構成について、特に限定されるものではないが、例えば、加工時間算出端末15は、CPUおよびメモリを備えるコンピュータにより構成される。
そして、前記メモリには、加工時間算出端末15およびI/О処理部17の機能を実現するためのプログラム(加工時間算出端末PG)が格納されている。また、前記メモリの所定領域には、加工機特性データベース18が格納されている。
そして、加工時間算出部16およびI/О処理部17の機能は、前記CPUが、前記メモリに格納されたプログラム(加工時間算出端末PG)を実行することにより実現される。
【0034】
次に、スケジューリング端末20について説明する。
スケジューリング端末20は、生産計画生成部21、生産計画管理部22、I/О処理部23、および通信部24を有する。
なお、I/О処理部23および通信部24の機能は、加工データ端末10が有するI/О処理部12および通信部13と同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0035】
生産計画生成部21は、加工時間算出端末15から送信された加工時間200を用いて、生産ラインLの生産計画を作成する。
例えば、生産計画生成部21は、図5に示すように、前記加工時間200を用いて、ガントチャート形式の生産計画を作成する。
図示するように、生産計画情報300は、縦軸(Y方向)に各加工装置40a(すなわち、各加工装置が担当する工程)を示し、横軸(X方向)に時間をとって、横棒310で工程行うタイミングおよび作業時間を示している。
なお、図示する例では、最初に荒機40a1で荒取り加工を行い、次に、中仕上機40a2で中仕上加工を行い、最後に仕上機40a3で仕上加工を行う場合を例に示している。
また、生産計画情報300には、計画を示した横棒310(実線で示している)の下に、実績(その工程での実際の作業時間)を登録するためのスペース(エントリ)311が設けられている。そして、生産計画管理部22より、このスペース311に実際の作業時間が登録されていく。
【0036】
図1に戻り、スケジューリング端末20の説明を続ける。
また、生産計画管理部22は、生産計画生成部21が作成した生産計画情報300に基づいて、機械監視端末30および搬送機制御端末70を制御し、各加工装置40a1〜40anの加工作業を制御すると共に、無人搬送機60を制御して各加工装置40a1〜40anへのワークWの配送を行う。
【0037】
具体的には、生産ラインLに配置された各加工装置40a1〜40anは、ワークWの加工作業を開始すると、機械監視端末30を介して、スケジューリング端末20に「作業開始」を示す信号(開始信号)を送信するようになされている。また、各加工装置40a1〜40anは、加工作業の中の指定作業(中間マーキングが付けられた作業)を実施(開始或いは終了)すると、機械監視端末30に、その旨を示す信号(中間信号)を送信するようになされている。また、各加工装置40a1〜40anは、ワークWに対する加工作業を終了すると、機械監視端末30に「作業終了」を示す信号(終了信号)を送信するようになされている。
【0038】
そして、生産計画管理部22は、機械監視端末30から「開始信号」、「中間信号」および「終了信号」を受け付け、当該受け付けた信号により、生産ラインLの進捗状況を把握する。
例えば、生産計画管理部22に、図6に示すような進捗管理テーブル400を保持させ、生産ラインLの進捗状況を把握する(進捗管理テーブル400を利用して進捗状況を示す情報を作成する)。
【0039】
図6では、各工程(荒加工工程、中仕上工程、仕上工程)を担当する加工装置40a毎(荒機40a1、中仕上機40a2、仕上機40a3)に、ワークWに対する加工作業の進捗状況を登録するエントリが対応付けられている(なお、図6では、n個のワークWを加工する場合を例にしている)。
そして、生産計画管理部22は、機械監視端末30を介して、加工装置40aからの信号(「開始信号」、「中間信号」および「終了信号」)を受け付けて、進捗管理テーブル400を更新する。
【0040】
例えば、生産計画管理部22は、荒機(加工装置40a1)から1つ目のワークWに対する「終了信号」を受信した場合、進捗管理テーブル400の荒機(加工装置40a1)のワーク1の進捗状況を登録するエントリに「終了」を登録する(信号に応じて進捗状況を更新する)。
なお、進捗管理テーブル400では、加工前のワークWのエントリには、予め「ヌル(NULL)」が登録されている。
【0041】
また、本実施形態では、スケジューリング端末20のハードウェア構成について、特に限定されるものではないが、例えば、スケジューリング端末20は、CPUおよびメモリを備えるコンピュータにより構成される。
また、前記メモリには、生産計画生成部21、生産計画管理部22、I/О処理部23、および通信部24の機能を実現するためのプログラム(スケジューリング端末PG)が格納されている。また、前記メモリの所定領域には生産計画情報300が格納される。また、前記メモリの所定領域には、進捗管理テーブル400が格納される。
そして、生産計画生成部21、生産計画管理部22、I/О処理部23、および通信部24の機能は、前記CPUが、前記メモリに格納されたプログラム(スケジューリング端末PG)を実行することにより実現される。
【0042】
次に、機械監視端末30について説明する。
図1に示すように、機械監視端末30は、各加工装置40a1〜40a2を監視する装置監視部31および通信部32を備えている。
装置監視部31は、各加工装置40a1〜40anが送信する「開始信号」、「中間信号」および「終了信号」を受け付け、スケジューリング端末20に、その受け付けた信号を送信(転送)する。また、装置監視部31は、スケジューリング端末20からの信号を受け付け、各加工装置40a1〜40anに、その受け付けた信号を送信する。また、通信部32は、ネットワークbに接続されている各種装置(例えば、加工装置40a1〜40an)との間で行われるデータの授受を制御する。
なお、機械監視端末30は、上述した各端末(例えば、加工データ端末10)と同様、CPUおよびメモリを備えるコンピュータにより構成される。この場合、前記メモリには、装置監視部31および通信部32の機能を実現するプログラムが格納されている。そして、装置管理部31および通信部32の機能は、前記CPUが前記プログラムを実行することにより実現される。
【0043】
つぎに、無人搬送機60および搬送機制御端末70について説明する。
無人搬送機60および搬送機制御端末70は、相互間で無線通信できるように構成されている。
また、無人搬送機60は、ワークWを搭載する荷台60aと、荷台60aと外部装置(加工装置40a)等との間でワークWを移載させるロボットアーム(図示せず)とを備えている。
【0044】
そして、無人搬送機60は、搬送機制御端末70からの指示に従い、前記ロボットアームにより、ワーク置場(図示せず)に載置されているワークWを掴み、自身の荷台60aの上に積み込んで、ワークWの加工を行う加工装置40aまで搬送する。そして、無人搬送機60は、前記ロボットアームにより、加工装置40aの作業台に荷台60aの上のワークWを載置する。
また、例えば、無人搬送機60は、搬送機制御端末70からの指示にしたがい、前記ロボットアームにより、加工装置40aの作業台に載置されたワークWを掴み、自身の荷台60aに搭載し、次の工程を受け持つ加工装置40aの作業台まで搬送する。
【0045】
また、搬送機制御端末70は、スケジューリング端末20からの搬送指示信号を受け付け、その搬送指示信号にしたがい、無人搬送機60に動作命令を送信し、無人搬送機60の動作を制御する。
なお、本実施形態の無人搬送機60および搬送機制御端末70は、既存の技術により実現されるものである。
【0046】
つぎに、加工装置40a1〜40anおよび制御装置40b1〜40bnについて説明する。
各加工装置40a1〜40anは、対応する制御装置40b1〜40bnに設定された加工データ100にしたがい動作して、作業台に載置されたワークWの加工を自動的に行う(すなわち、制御装置40b1〜40bnは、加工データ100を用いて各加工装置40a1〜anにワークWの加工を実行させる)。
なお、本実施形態の加工装置40a1〜40anおよび制御装置40b1〜40bnは、上述した「開始信号」、「中間信号」および「終了信号」を送信する以外は、周知の構成のものと同じである。
【0047】
つぎに、本実施形態の生産システムXにより行われる加工処理の流れについて、図7を用いて説明する。
図7は、本発明の実施形態の生産システムが行うワークWの加工処理の流れを示したシーケンス図である。
なお、以下では、説明の便宜上、複数の加工装置40a1〜40anの中から加工装置(荒機)40a1の加工動作だけをピックアップして説明するが、加工装置40a1以外についても、同様の手順により駆動制御される。
【0048】
まず、最初に、スケジューリング端末20の生産計画管理部22が、生産計画情報300にしたがい、搬送機制御端末70に向けて搬送指示を送信する(S20)。なお、ここでは、最初に、生産計画管理部22が、荒取り加工を行う荒機40a1の作業台にワークWを設置させる搬送指示を送信するものとする。
また、生産計画管理部22は、機械監視端末30に向けて、荒機40a1に対する作業の開始指示信号を送信する(S21)。
また、機械監視端末30は、前記開始指示信号を受信すると、荒機40a1に前記開始指示信号を転送する(S10)。
そして、前記開始指示信号を転送された荒機40a1は、前記開始信号を受信すると(S1)、無人搬送機60により、作業台にワークWが設置されるまで待機する。
【0049】
つぎに、搬送機制御端末70は、S20による搬送指示を受信すると、無人搬送機60に対して、荒機40a1の作業台にワークWを設置させる搬送指示を送信する(S30)。
無人搬送機60は、搬送機制御端末70からの指示に従い、図示しないワーク置場に載置されたワークWを自身の荷台60aに搭載し、荒機40a1が配置された位置まで移動する。そして、無人搬送機60は、自身のロボットアーム(図示せず)により、荷台60aに搭載されたワークWを取り出し、荒機40a1の作業台の上に、取り出したワークWを載置する(作業台にワークWを設置する)。
【0050】
つぎに、荒機40a1の動作を説明する。
荒機40a1の作業台の上に、ワークWが載置されると(S2)、荒機40a1は、機械監視端末30に「開始信号」を送信し(S3)、荒取加工を開始する(S4)。
なお、荒機40a1には、センサ(赤外線センサや重量センサ等)が搭載されており、前記センサにより作業台にワークWが設置されたことを検知できるようになされている。
そして、荒機40a1は、作業台にワークWが設置されたことを検知すると、機械監視端末30に、「開始信号」を送信する。また、荒機40a1は、制御端末40b1に入力された加工データ100にしたがい(制御端末40b1からの指示にしがたい)、ワークWに対する荒取り加工を開始する。
【0051】
また、機械監視端末30は、荒機40a1からの「開始信号」を受信すると、その「開始信号」をスケジューリング端末20に転送する(S11)。
また、スケジューリング端末20の生産計画管理部22は、機械監視端末30からの「開始信号」を受信すると、進捗管理テーブル400を更新する(S22)。
なお、本ステップ(S22)では、進捗管理テーブル400の荒機(加工装置40a1)の対応するワークW(例えばワーク1)の進捗状況を登録するエントリに「開始」を登録する。
また、生産計画管理部22は、荒機40a1からの「開始信号」を受信すると、荒機40a1の作業時間の計測を開始する。
【0052】
また、上述したS4によりワークWの自動加工を開始した荒機40a1は、荒取り加工工程の中の指定作業(前記中間マーキングにより指定された作業)を実施(開始或いは終了)した場合、機械監視端末30に「中間信号」を送信する(S5)。
また、機械監視端末30は、荒機40a1からの「中間信号」を受信すると、その「中間信号」をスケジューリング端末20に転送する(S11)。
【0053】
また、スケジューリング端末20の生産計画管理部22は、機械監視端末30からの「中間信号」を受信すると、搬送機制御端末70に搬送指示を送信する(S23)。
この場合、生産計画管理部22は、荒機40a1の作業台にある荒取り加工が終了したワークWの取り出しと、前記作業台に、新たなワーク(荒取り加工前のワーク)Wを設置させる搬送指示信号を送信する。
また、生産計画管理部22は、機械監視端末30からの「中間信号」を受信すると進捗管理テーブル400を更新する(S24)。
なお、S24では、進捗管理テーブル400の荒機(加工装置40a1)の対応するワークW(例えばワーク1)の進捗状況を登録するエントリに「中間」が登録される。
【0054】
つぎに、搬送機制御端末70は、スケジューリング管理端末20からの搬送指示を受信すると、無人搬送機60に対して、荒機40a1の作業台にある荒取り加工済みのワークWの取り出しと、新たなワークWを設置させる搬送指示を送信する(S31)。
例えば、搬送機制御端末70は、第1の無人搬送機60に対して、荒取り加工済みのワークWを取り出し(ワークWを搬出し)、次の工程を行う加工装置(中仕上機)40a2への搬送を指示する。また、搬送機制御端末70は、第2の無人搬送機60に対して、S30と同様、荒取り加工を行う荒機40a1の作業台にワークWを設置させる搬入指示を送信する。
【0055】
そして、上述した第1の無人搬送機60は、荒機40a1が配置された位置まで移動して、荒機40a1の前で荒取加工が終了するまで待機する。また、上述した第2の無人搬送機60は、S30と同様、荷台にワークWを積んでから、荒機40a1が配置された位置まで移動して、荒機40の前で第1の無人搬送機60が荷物を取り出すまで待機する。
【0056】
つぎに、S5で中間信号を送信した後の荒機40a1について説明する。
前記荒機40a1は、荒取り加工が完了すると(S6)、機械監視端末30に、「終了信号」を送信する(S7)。
また、荒機40a1から「終了信号」送信された機械監視端末30は、スケジューリング端末20に、荒機40a1からの「終了信号」を転送する(S13)。
また、スケジューリング端末20の生産計画管理部22は、機械監視端末30からの「終了信号」を受信すると、進捗管理テーブル400を更新し(S25)、上述したS21と同様、機械監視端末30を介して、荒機40a1に「開始指示信号」を送信する(S26)。
なお、S25では、進捗管理テーブル400の荒機(加工装置40a1)の対応するワークW(例えばワーク1)の進捗状況を登録するエントリに「終了」を登録する。
【0057】
また、S25において、生産計画管理部22は、機械監視端末30からの「終了信号」を受信すると、S21で開始した荒機40a1の作業時間の計測を終了し、生産計画情報300の中の計画を示す横棒(実線で示している)310の下に、計測された作業時間(実績)を登録する(図5参照)。
このように構成することにより、本実施形態によれば、自動的に生産計画の検証を行うことができる。
【0058】
また、S25において、生産計画管理部22は、搬送機制御端末70経由で、荒機40a1の前で待機している第1無人搬送機60に、前記の「終了信号」を送信する(図示せず)。
第1の無人搬送機60は、前記の「終了信号」を受け付けると、荒機40a1の作業台にある荒取り加工済みのワークWを取り出し、自身の荷台60aに搭載して、次の工程を行う加工装置(中仕上機)40a2に搬送する。
【0059】
また、第2の無人搬送機60は、第1の無人搬送機60が荒取り加工済みのワークWの取り出した後に、作業台へのワークWの設置作業を行うように制御されている。
例えば、第1の無人搬送機60および第2の無人搬送機60は、相互に無線通信できるようになされている。
そして、第1の無人搬送機60は、荒機40a1の作業台にある荒取り加工済みのワークWを取り出した際、第2の無人搬送機60に「取出完了信号」を送信するようになされている。
また、第2の無人搬送機60は、第1の無人搬送機60からの「取出完了信号」を受信した場合、ロボットアームで自身の荷台60a1の上にあるワークWを取り出し、荒機40a1の作業台に当該ワークWを設置する。
【0060】
一方、S26により作業開始指示が送られた機械監視端末30は、荒機40a1に当該作業開始指示を転送し(S10b)、その転送された作業開始指示が荒機40a1により受信される(S1b)。その後、荒機40a1は、上述したS2〜S4と同様の処理を行う(S2b、S3b、S4b)。
なお、以降は、各装置(荒機40a1、機械監視端末30、スケジューリング端末20、搬送システム(無人搬送機60および搬送機制御装置70))が、上記同様の処理を繰り返す。
【0061】
以上説明したように、本実施形態では、生産計画の基となる作業時間の算出に、各工程を行う加工装置40aの特性情報を加味しているため、実際の作業時間と誤差の少ない作業時間計画を算出することができる。また、本実施形態では、前記の作業時間計画を利用して生産計画を作成するため、精度の高い生産計画を作成することができる。
その結果、本実施形態によれば、精度の高い生産計画にしたがい、製造ラインを稼働させることができるので、製造ラインの生産性を向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態では、各工程を行う加工装置40aを駆動させる加工データ100に、工程の作業手順を示すデータが含まれている。また、前記作業手順を示すデータには、作業手順の中の所定作業に中間マーキングが付けられている。
また、各加工装置40a〜40nは、中間マーキングに対応付けられた所定作業を実施(開始或いは終了)すると、その旨をスケジューリング端末20に送信するようになされている。
そして、これにより、スケジューリング端末20が、各加工装置40a〜40nの作業の進捗状況を把握することができる。そのため、例えば、ある工程の作業手順のなかで、後半に行われる作業手順に中間マーキングを対応付けることで、スケジューリング端末20は、実施している工程が終了する加工装置40aを推定することができる。
【0063】
また、スケジューリング端末20は、各加工装置40a〜40nの作業の進捗状況を考慮して、無人搬送機60を制御してワークWの配送を行っている。
そのため、例えば、ある工程の作業手順を示すデータのなかで、後半に行われる作業手順に中間マーキングを対応付けるようにすれば、スケジューリング端末20は、ある工程の後半の作業を行っている加工装置40a1の前に、加工されたワークを運び出す無人搬送機60と、新たなワークを設置する無人搬送機60とを待機させておくことができる。
また、上記のように無人搬送機60を手配することができるので、加工装置40a1の作業が終了するとすぐにワークWを取り出して、次の工程を行う加工装置40a2に搬送させ、且つ加工装置40a1の作業台の上に新たなワークWを設置させることができる。
【0064】
また、本実施形態の生産システムXによれば、スケジューリング端末20および機械監視端末30により、各加工装置40a1〜40anの駆動を自動制御しているため、上述した従来技術の生産システムのように、加工装置を操作する作業者を配置する必要がない。さらに、本実施形態の生産システムXによれば、ワークWを無人で搬送する無人搬送システム(無人搬送機60および搬送機制御端末70)を備えているため、生産ラインLの無人化を図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0065】
例えば、上述した実施形態では、スケジューリング端末20および機械監視端末30により、各加工装置40a1〜40anを管理しているがあくまでもこれは例示に過ぎない。スケジューリング端末20および機械監視端末30が1つの装置として構成されていてもよい。
また、例えば、加工データ端末10、加工時間算出端末15、スケジューリング端末20、および機械監視端末30が、1つの装置として構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態の生産システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態の加工データのデータ構造を模擬的に示した模式図である。
【図3】本発明の実施形態の加工機特性データベースのデータ構造を模擬的に示した模式図である。
【図4】本発明の実施形態の加工時間情報のデータ構造を模擬的に示した模式図である。
【図5】本発明の実施形態の生産システムにより作成された生産計画を示した、模式図である。
【図6】本発明の実施形態の生産システムの進捗管理テーブルのデータ構造を模擬的に示した模式図である。
【図7】本発明の実施形態の生産システムが行うワークの加工処理の流れを示したシーケンス図である。
【図8】従来から知られているNC加工装置を備えた生産システムの構成図である。
【符号の説明】
【0067】
L 生産ライン
W ワーク
X 生産システム
10 加工データ端末
11 加工データ生成部
12 I/О処理部
13 通信部
15 加工時間算出端末
16 加工時間算出部
17 I/О処理部
18 加工機特性データベース
20 スケジューリング端末
21 生産計画生成部
22 生産計画管理部
23 I/О処理部
24 通信部
30 機械監視端末
31 機械監視部
32 通信部
40a 加工装置
40a1〜40an 加工装置
40b 制御装置
40b1〜40bn 制御装置
60 無人搬送機
60a 荷台(無人搬送機)
70 搬送機制御端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを載置する作業台を備え、該作業台に載置された該ワークを自動加工する生産ラインに配置された加工装置と、作業手順を含む加工データを用いて該加工装置に該ワークの加工を実行させる制御装置と、該加工装置の作業台に該ワークを搬送する無人搬送装置と、生産計画にしたがい前記加工装置および前記無人搬送装置に駆動開始を指示するスケジューリング端末とを有する生産システムであって、
前記加工データに含まれる作業手順には、該作業手順の中の所定作業にマーキングデータが付けられており、
前記加工装置は、前記作業台の上に載置されたワークの加工を開始すると前記スケジューリング端末に向けて作業開始を示す開始信号を送信し、前記マーキングデータが付けられた所定作業を実施すると前記スケジューリング端末に向けてその旨を示す中間信号を送信し、該ワークの加工が完了すると前記スケジューリング端末に向けて作業完了を示す終了信号を送信し、
前記スケジューリング端末は、前記加工装置が送信する前記開始信号、前記中間信号、および前記終了信号を用いて、該加工装置におけるワークの加工の進捗状況を示す進捗情報を生成し、前記生産計画および該進捗情報に基づいて前記加工装置への加工開始の指示および前記無人搬送装置へのワークの搬送指示を行うことを特徴とする生産システム。
【請求項2】
前記加工データと、前記加工装置の特性を示す情報とを用いて、該加工装置が行う作業時間を算出する加工時間算出端末を備え、
前記スケジューリング端末は、前記加工時間算出端末が算出した作業時間を用いて前記生産計画を作成することを特徴とする請求項1に記載の生産システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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