説明

生産実行システム用クラウドコンピューティング

コンピューティングクラウドシステムは、少なくとも1つの生産実行システムに関連する情報をストアするように構成される少なくとも1つのデータ記憶装置(112,602〜606)を含む。コンピューティングクラウドシステムは、少なくとも1つの生産実行システムと関連する命令を実行するように構成される少なくとも1つの演算処理装置(110,612)と、少なくとも1つの生産サイトから情報を受信し、情報を解釈するように構成される少なくとも1つの通信インターフェース(610)と、も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]この開示は、一般に、計算機システムに関し、より具体的には、生産実行システムにおけるクラウドコンピューティングの使用と、生産実行システムにおけるクラウドコンピューティングの使用に関連するシステム及び方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]クラウドコンピューティングは、情報技術(IT)産業における新興技術である。クラウドコンピューティングは、デスクトップコンピューターからメインサーバーファームへアプリケーション、サービス、及びデータを移動することを可能にする。サーバーファームは、外部に出し得、サービスとして実装され得る。アプリケーションの実行、サービスの利用、及びデータの記憶を再配置することによって、クラウドコンピューティングが、オープンシステムコストを管理し、情報を集中化し及び堅牢性機能を強化し、並びにエネルギーコストを低減するための系統的方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、生産実行システムにおいてクラウドコンピューティングを使用するためのシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0003]この開示は、生産実行システムにおいてクラウドコンピューティングを使用するためのシステム及び方法を提供する。
[0004]第1の実施形態において、コンピューティングクラウドシステムが、少なくとも1つの生産実行システムに関連する情報をストアするように構成される少なくとも1つのデータ記憶装置を含む。コンピューティングクラウドシステムは、少なくとも1つの生産実行システムと関連する命令を実行するように構成される少なくとも1つの演算処理装置と、少なくとも1つの生産サイトから情報を受信し、情報を解釈するように構成される少なくとも1つの通信インターフェースと、も含む。
【0005】
[0005]特定の実施例において、少なくとも1つのデータ記憶装置が、少なくとも1つの生産履歴をストアするように構成される。
[0006]別の特定の実施例において、少なくとも1つの生産サイトからの情報は、少なくとも1つの生産サイトの少なくとも1つのマシンに関連する情報を含む。少なくとも1つのマシンに関連する情報が、少なくとも1つの生産サイトのセンサーによって取得される情報を含み得る。
【0006】
[0007]更に別の特定の実施例において、情報は少なくとも1つの通信インターフェースを介し少なくとも1つの生産サイトへ提供される。少なくとも1つの生産サイトへ提供される情報は、少なくとも1つの生産サイトにおける少なくとも1つのマシンの動作に関連する命令を含み得る。
【0007】
[0008]更に別の特定の実施例において、少なくとも1つの通信インターフェースが、少なくとも1つの通信インターフェースを介しシンクライアントをコンピューティングクラウドシステムと接続するように構成される。
【0008】
[0009]第2の実施形態において、方法が生産実行システムを作動することを含む。生産実行システムは、少なくとも1つのクライアントと関連する情報をストアするように構成されるデータ記憶装置と、データ記憶装置にストアされる情報を利用するように構成されている演算処理装置と、を含む。本方法は、少なくとも1つのクライアントと接続し、少なくとも1つのクライアントの動作をトラッキングすることを含む。
【0009】
[0010]第3の実施形態において装置は、生産実行システムに関連する命令をストアするように構成されるデータ記憶装置を含む。本装置は、生産実行システムと関連する命令を実行するように構成されるプロセッサーと、情報を交換するために使用される少なくとも1つの通信リンクを提供するように構成される通信インターフェースと、も含む。
【0010】
[0011]別の技術的特徴が、以下の図面、説明、及び請求項から当業者にとって容易に明らかになり得る。
[0012]ここで、この開示をより完全に理解するための参照が、以下の記述に対し添付する図面と併用し実行される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】[0013]この開示によるクラウドコンピューティング環境例を示している。
【図2】[0014]この開示によるローカルシステム環境例を示している。
【図3】[0015]この開示による生産システム例を示している。
【図4】[0016]この開示によるプロセス及びデータを割り当てる方法例を示している。
【図5】[0017]この開示によるプロセス及びデータを割り当てる別の方法例を示している。
【図6】[0018]この開示によるクラウドコンピューティングを支援する計算機システム例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0019]以下に論述される図1〜図6と、この特許明細書において本発明の原理を説明するために使用されている様々な実施形態とは、例示によるものに過ぎず、多少なりとも本発明の範囲を限定するように解釈してはならない。当業者は、本発明の原理が、適切に配置される任意のタイプの機器又はシステムにおいて実装されることを理解されよう。
【0013】
[0020]図1は、この開示によるシステム例(100)を示している。図1は、コンピューティングクラウド(108)と接続されるクライアント(102)、(104)、及び(106)を示している。コンピューティングクラウド(108)は、演算処理装置(110)及びデータ記憶装置(112)を含んでいて、その双方がクライアント(102)、(104)、及び(106)にアクセス可能である。この開示の革新的態様の1つは、革新的ハイブリッド手法を介し、様々な環境に展開するサービスが可能な柔軟かつ堅牢なクラウド(108)を設計する能力である。このハイブリッド手法は、必要とされている情報タイプ、及びその情報が必要とされている場所の双方を認識する。例えば、生産実行システム(MES)において、自動出荷時設定に使用される際、本システムは、処理されるために必要とされる情報タイプ、及びどの情報がローカルにストアされる必要があってどの情報がコンピューティングクラウドにストアされるか双方を認識しておく必要がある。
【0014】
[0021]コンピューティングクラウド(108)は、情報をストアすること及び情報上のデータ関数を実行すること双方が可能なコンピューティングクラウドである。コンピューティングクラウドは、離れた場所からアクセス可能な少なくとも1つの計算機を含む。コンピューティングクラウド(108)は、記憶装置(112)として集合的に参照される複数の記憶装置、及び処理装置(110)と集合的に参照される複数の処理装置を含み得る。コンピューティングクラウド(108)が、個々のクライアント(102)、(104)、及び(106)において、展開し、維持するための法外なコストであるハードウェアを含み得る。加えてコンピューティングクラウド(108)は、個々のコンピューティングクラウドにおいて、インストールし、展開し、維持するための法外なコストであるソフトウェアを含み得る。故に、コンピューティングクラウド(108)が、クライアント(102)、(104)、及び(106)とのセキュア接続を介しこのハードウェア及びソフトウェアを提供し得る。1つのコンピューティングクラウド(108)が図1に示されているが一方、複数のクラウドがこの開示と一貫性があり得ることを明示的に理解されよう。
【0015】
[0022]クライアント(102)、(104)、及び(106)は、コンピューティングクラウド(108)と通信する個々の計算機、プラントサイト、又は動作場所である。クライアント(102)、(104)、及び(106)は、コンピューティングクラウド(108)に位置付けられる演算処理装置(110)及び記憶装置(112)双方にアクセス可能である。クライアント(102)、(104)、及び(106)は、コンピューティングクラウド(108)からローカルプロセス及び情報双方にアクセス可能である。クライアント(102〜106)は、工業環境において製造ツールを監視するための複数の製造ツール及びセンサーを含み得る。クライアント(102〜106)は、複数のシンクライアント、個々の計算機、又は別の通信機器も含み得る。センサーが、温度、振動、又はその他測定可能な動作パラメーター(単数又は複数)のような製造ツールの1つ以上の任意の動作状況を検出し得る。
【0016】
[0023]クライアント(102)、(104)、及び(106)は、ハイパーテキスト転送プロトコルセキュア(HTTPS)、セキュアテルネット、又はファイル転送プロトコルセキュア(FTPS)を含む任意のセキュアな方法又は非セキュアな方法を介しコンピューティングクラウド(108)と通信する。セキュアな方法が、非セキュアな方法よりも好まれ、選択された特定の方法が、アクセスされる機能要件によることを理解されよう。この開示をある特定のデータ送信プロトコル又は方法に限定して解釈してはならない。
[0024]実施形態の中には、コンピューティングクラウド(108)が、サービス指向アーキテクチャー(SOA)を活用し、クラウドサービスの一般消費者を位置サービス自体から抽象化し得るものもいくつかある。特定のクライアントにおいてクラウドユーザーが、MES機能などの機能を呼び出したとき、その機能は、コンピューティングクラウド(108)における同一クライアントにローカルのMESコンポーネントによって実行され得るか、又はサーバ上で実行するMESコンポーネントへ出力先が変更(リダイレクト)され得る。この出力先の変更はサービスバスによって実行され、あたかもサービスがローカルに存在するように、これらのサービスと対話するユーザーへ一連のサービス端点を公開する。サービスバスが、構成されるマッピングに基づいてローカルか又はクラウドのどちらか一方の適切なサービスプロバイダーへそれらのサービスに対するリクエストを方向付ける。マッピングがサービスベース単位で実行され得、ローカルベース及びクラウドベースサービスの混合が利用可能になる。サービスバスそれ自体は、プラントにとってローカルであり得るか又はクラウドにおいても配置され得る。開示される本システム及び方法は、マルチテナンシー用に設計され得、多くの会社が同一の物理的データベースリソースを共有するが、しかしながらそれらのデータそれぞれを完全に私的に保持し得る。
【0017】
[0025]この開示の革新的な特徴の1つは、生産実行システムによって使用する際、複数のクラウドの間においてデータ記憶及びデータ処理を分散するときのハイブリッド手法の使用である。クラウドとオンサイトアプリケーションとの混合が同時に使用され得、構成の中には、ユーザーが、クラウド又はローカルでMESアプリケーションをホスティングするための選択を有するものもいくつかあることを理解されよう。この構成は、MESアプリケーションの場所にかかわらず、能力及び機能性が、一貫性のあるレベルでユーザーに提供されることを可能にする。クライアント(102)、(104)、及び(106)の機能の中には、クライアント(102)、(104)、及び(106)において実行され得るよりも、コンピューティングクラウド(108)によって実行され得る方がよいものもいくつかある。ローカルクライアント(102)、(104)、及び(106)において実行され得るよりもコンピューティングクラウド(108)において、どの機能がより効率的に実行され得るか決定することによって、コンピューター資源が、性能を最大化するような方法で割り当てられ得る。
【0018】
[0026]図2は、ローカルシステム(202)の例示(200)である。クライアント(102)、(104)、及び(106)それぞれはローカルシステム(202)を含む。ローカルシステム(202)は、ローカル演算処理装置(208)、ローカルデータ記憶装置(210)、及びローカルデータ入力/出力(212)を含む。ローカル演算処理装置(208)は、リアルタイム機能(204)及び非リアルタイム機能(206)双方を含む。
【0019】
[0027]リアルタイム機能は、工場において使用される実際の機械システムを含む別の装置に命令するか又はそれを制御する機能である。これらのリアルタイム機能は、通常、常に利用可能であることが要求され得、リソースを集中的に使用しないように設計され得る。これらリアルタイム機能の例は、特定の期間、(例えば物質の中へ穴をあける)具体的な機能を実行する基本自動システムプログラムを含み得る。
【0020】
[0028]非リアルタイム機能は、リアルタイム機能を形成するために使用され得る機能である。非リアルタイム機能の例は、それらの機能がリアルタイム機能をトレーニングし、非リアルタイム機能によって生成される製品をシミュレーションするために使用される機能である。これらの非リアルタイム機能は、プロセッサーを集中的に使用し得、専用ソフトウェアを要求し得る。
【0021】
[0029]機能が、リアルタイムベース又は非リアルタイムベースで実行され得るだけではなく、データもリアルタイムベース又は非リアルタイムベースシステムによって要求され得る。一実施形態において、リアルタイムベースで要求されるデータは、ローカルデータ記憶装置(210)にローカルにストアされるが一方、リアルタイムベース上で必要とされないデータは、コンピューティングクラウド(108)の記憶装置(112)にストアされ得る。
【0022】
[0030]従来のMESシステム展開を用いる課題の1つは、最も正確なシミュレーションモデルが、ローカルシステムの中で展開できないくらい高価なことである。加えて、最も正確なシミュレーションモデルは、ローカルデータ記憶装置(210)の利用可能なストレージを超えるストレージ要件を有していた。この開示は、データとプロセス双方の分離プロセスを介しこれらの課題を克服する。特定のプロセス又はデータが、リアルタイム又は非リアルタイムに実行されることを要求されているか否か決定することによって、遅延され得るそれらの機能が、コンピューティングクラウド(108)の中に配置され得る。
【0023】
[0031]リアルタイムと非リアルタイムとの間の線引きは、どのプロセスとデータとがローカルにストアされる必要があるか、及びどのプロセスとデータとがコンピューティングクラウド(108)にストアされる必要があるかを決定する例示的方法であることを意図している。別の線引きがデータの優先順位又は別の特性に基づいて使用され得ることを明確に理解されよう。共有プロセス及び記憶装置を区別しその後、コンピューティングクラウド(108)及びローカルシステム(202)双方に対しハイブリッド手法を使用してシステム又は方法を実行するシステム又は方法のいくつかが、この開示によって明示的に想定されている。
【0024】
[0032]どのデータとどの機能とが、コンピューティングクラウド(108)の中に置かれるか決定するために使用され得る別の線引きの例は、データ及び機能が「高水準」又は「低水準」であるか否かに基づいている。低水準機能は、非常に正確、特有、かつ、粒状のプロセスを参照している。高水準機能は、多くの低水準機能からデータを取得し、プロセスに関するより高順位の情報を形成するために使用されるプロセスを参照している。高水準機能は、機械の一部の実際の動作と直接に関係しない機能を含み得る。高水準機能の例は、コンピューティングクラウド(108)において実行され得るスケジューリング、調停、又はその他の機能を含み得る。
【0025】
[0033]開示されるハイブリッド手法に対する利点の1つは、生産実行システム(MES)の向上である。生産実行システムが、基本自動システムに命令又はルーチンを提供するために使用される。次に、システムに実行すべき動作(例えば自動化ハードウェアの実際の動作)に対し直接に命令するための基本自動システムが使用される。
【0026】
[0034]今開示されるシステム及び方法の別の利点は、クライアント自身に対する変更を実行することを必要とせずに新規サービス又は機能を複数のクライアントへ迅速に展開する能力である。新規サービスが利用可能になる(例えばシミュレーションが利用可能になる)とき、このサービスが提供され得、サイトにおける再プログラミングを必要とせずに所与のサイトにおける生産プロセスを改善し得る。
【0027】
[0035]今開示されるシステム及び方法の更に別の利点は、向上したデータ収集及び分析に関する能力である。コンピューティングクラウド(108)とクライアント(102)、(104)、及び(106)とのリンクを介し、データ処理に関連したリアルタイム情報を示すデータが、クライアント(102)、(104)、及び(106)によってクラウド(108)へアップロードされ得る。生産結果を監視し、潜在的な設備の問題を特定することを含む多くの機能に関しこの情報が、次にコンピューティングクラウド(108)によって利用され得る。例えば、実施形態の中には、クラウドが、ヒューリスティックモデルのようなモデルを適用し得、設備の潜在的な不具合を特定するものもいくつかある。これが設備の革新的な予防的メンテナンスを可能にする。
【0028】
[0036]実施形態の中には、クラウドMESが、サイト全域で機能し得、複数のシステムからデータを関連付けし得るものもいくつかある。この手法が、複数のサイト又はシステムからの総合的システム利用又はプロセス設備の改善を可能にする。
【0029】
[0037]図3は、生産実行システム(302)を使用する一システムの実施形態例(300)である。この実施形態例において、生産実行システム(302)は、コンピューティングクラウド(108)及びローカルシステム(202)双方を含む。生産実行システム(302)が、基本自動システム(304)を制御するために使用される。生産実行システムが、複数のローカルシステム及び複数のコンピューティングクラウドを含み得ることを理解されよう。
【0030】
[0038]図4は、今開示されるハイブリッド手法実行の一方法例(400)である。この実施形態のブロック(402)において、ローカル環境(202)とコンピューティングクラウド(108)との間にプロセス及びデータを割り当てるためのモデルが選択される。ブロック(404)において、クラウドに対するプロセスがセットアップされ、データがクラウドにストアされる。ブロック(406)において、ローカル環境に対するプロセスがセットアップされ、データがローカル環境にストアされる。ブロック(408)において、コンピューティングクラウド(108)がローカル環境(202)とリンクされる。ブロック(410)において、生産プロセスが実行される。
【0031】
[0039]図5は、リアルタイム及び非リアルタイム間における前述の線引きを使用し、特定のプロセスが、ローカル環境(202)又はコンピューティングクラウド(108)において実行されるか否か決定する一方法を例示している流れ図(500)である。この開示に関して用語「リアルタイム」プロセスは、リアルタイムプロセスによって生成されるデータが、生成されたとき、データパスにおける途絶を許容しないプロセスを参照している。流れ図(500)に示されるように、ブロック(502)において、実行されるプロセスが識別される。ブロック(504)において、プロセスが、リアルタイムプロセスによって要求されているか否かに関する決定が実行される。プロセスがリアルタイムプロセスによって要求されている場合、ブロック(512)において、プロセスはローカル環境(202)において実行される。プロセスがリアルタイムプロセスによって要求されていない場合、ブロック(506)において、プロセスが記憶装置を集中的に使用するか否かに関する決定が実行される。プロセスが記憶装置を集中的に使用する場合、ブロック(510)において、プロセスがコンピューティングクラウド(108)において実行される。プロセスが記憶装置を集中的に使用しない場合、ブロック(508)において、プロセスがプロセッサーを集中的に使用するか否かに関する決定が実行される。プロセスがプロセッサーを集中的に使用する場合、ブロック(510)において、プロセスがコンピューティングクラウド(108)において実行され、そうでない場合、ブロック(512)において、プロセスがローカル環境(202)において実行される。データ記憶装置が、ローカル環境か又はコンピューティングクラウド(108)にストアされる必要があるか否かに関する決定をするための同様の方法が適用されることが、明白に理解されよう。
【0032】
[0040]前述したコンピューティングクラウド(108)及びローカル環境(202)のエレメントは任意の汎用計算機(600)上で十分な処理能力、メモリー資源、及びそれに発行される必要な作業負荷を処理するためのネットワークスループット能力を用いて実装され得る。インターネットのような広域ネットワークを介しコンピューティングクラウド(108)とネットワーク接続される一般消費者のホームパーソナルコンピューターが、開示される実施形態と関連し使用され得る。一般消費者のホームパーソナルコンピューターは、コンピューティングクラウド(108)のエレメントのいくつか又はすべてと共有し得る。図6は、本明細書に開示される1つ以上の実施形態を実装するために適切な典型的計算機システムを示している。汎用計算機(600)は、補助記憶装置(602)、読み出し専用メモリー、(ROM)(604)、ランダムアクセスメモリー(RAM)(606)、入力/出力(I/O)装置(608)、及びネットワーク接続装置(610)を含む記憶装置と通信する(中央演算処理装置又はCPUとして参照される)プロセッサー(612)を含む。プロセッサーは1つ以上のCPUチップとして実装され得る。
【0033】
[0041]補助記憶装置(602)は、典型的に、1つ以上のディスクドライブ、テープドライブから成っていて、RAM(606)が作業データすべてを保持するために十分に大きくない場合、不揮発性データ記憶装置用及びオーバーフローデータ記憶装置として使用される。補助記憶装置(602)は、そのようなプログラムが実行のために選択されたとき、RAM(606)の中にロードされるプログラムをストアするために使用される。ROM(604)は、プログラム実行中に読み出される命令及びことによるとデータをストアするために使用される。ROM(604)は、典型的に、補助記憶装置のより大きな記憶容量に対し小さな記憶容量を有する不揮発性メモリー素子である。RAM(606)は、揮発性データをストアするため及びおそらく命令をストアするために使用される。ROM(604)及びRAM(606)双方へのアクセスは、典型的に、補助記憶装置(602)よりも高速である。
【0034】
[0042]I/O(608)装置は、プリンター、映像モニター、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、スイッチ、ダイヤル、マウス、トラックボール、音声認識装置、カードリーダー、紙テープ読取装置、又はその他周知の入力装置を含み得る。ネットワーク接続装置(610)は、モデム、モデムバンク、イーサネットカード、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースカード、シリアルインターフェース、トークンリングカード、ファイバー分散データインターフェース(FDDI)カード、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)カード、符号分割多重接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)のような無線送受信カード、及び/又はモバイル通信用グローバルシステム(GSM)、及びその他周知のネットワーク装置形式を取り得る。これらネットワーク接続装置(610)は、プロセッサー(612)がインターネット又は1つ以上のイントラネットと通信可能にする。そのようなネットワーク接続を用いると、プロセッサー(612)が、前述した方法の手順を実行する間、ネットワークから情報を受信するか又はネットワークへ情報を出力することを想定している。そのような情報は、プロセッサー(612)を使用し実行される命令列としてしばしば示され、例えば、搬送波で具体化される計算機データ信号形式でネットワークから受信され得、ネットワークへ出力され得る。
【0035】
[0043]そのような情報は、例えば、データ又はプロセッサー(612)を使用し実行される命令を含み得、例えば、コンピューターデータベースバンド信号又は搬送波で具体化される信号形式でネットワークから受信され得、ネットワークへ出力され得る。ネットワーク接続装置(610)によって生成されるベースバンド信号又は搬送波で具体化される信号は、導体表面内又は導体表面上、同軸ケーブル内、導波路内、光学式媒体内、例えば光ファイバー、又は大気中、又は自由空間を伝播し得る。ベースバンド信号に含まれる情報又は搬送波に埋め込まれる信号が、異なるシーケンスに従って順序付けられ得、情報を処理するか、又は生成するか、又は送信するか、又は受信するか、のうちいずれか一方が望まれ得る。本明細書において送信媒体として参照されるベースバンド信号、搬送波に埋め込まれる信号、又は現在使用されているか又は今後開発される別のタイプの信号が、当業者によく知られているいくつかの方法によって生成され得る。
【0036】
[0044]プロセッサー(612)は、それがハードディスク、フロッピーディスク、光ディスク(これら様々なディスクベースシステムはすべて、補助記憶装置(602)であると考えられ得る)、ROM(604)、RAM(606)、又はネットワーク接続装置(610)からアクセスする命令、コード、コンピュータープログラム、スクリプトを実行する。
【0037】
[0045]一連のステップとして示されているが一方、図4及び図5における様々なステップは、重複発生するか、並列発生するか、異なる順番で発生するか、又は複数回発生し得る。更に、これらのステップが、ユーザー装置又は外部装置又はシステムからのコマンドなどに応答し、適切な任意の時間に生じ得ることを留意されたい。
【0038】
[0046]実施形態の中には、前述した様々な機能が、計算機可読プログラムコードから形成され、計算機可読媒体において具体化されるコンピュータープログラムによって、実装さるか又は支援されるものもいくつかある。語句「計算機可読プログラムコード」は、ソースコード、オブジェクトコード、及び実行可能コードを含む任意のタイプのコンピューターコードを含む。語句「計算機可読媒体」は、読み出し専用メモリー(ROM)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、又は別の任意のタイプのメモリーなど、計算機によってアクセス可能な任意のタイプの媒体を含む。
【0039】
[0047]この特許明細書を通して使用されている単語及び語句の一定の定義を詳細に説明することは便利であり得る。用語「接続」及びその派生語は、それらのエレメントが物理的にお互いと接続しているか否かに関わらず2つ以上のエレメントの間の任意の直接的又は間接的通信を参照している。用語「送信」、「受信」、及び「通信」、並びにその派生語は、直接的及び間接的通信を包含している。用語「含む」及び「から成る」、並びにその派生語は、限定しない包含を意味している。用語「又は」は、包括的に「及び/又は」を意味している。語句「と関連する」及び「それに関する」並びにその派生語は、含む、内部に含まれている、相互接続する、包含する、包含される、それに又はそれと接続する、それに又はそれと連結する、と容易に伝達できる、と連携する、交互配置する、並置する、隣接する、それに又はそれと結合する、有する、特性を有するなど、を意味している。用語「コントローラー」は、少なくとも1つの動作を制御する任意の装置、システム、又はその一部を意味している。コントローラーが、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は少なくとも同一の2つ組み合わせいくつかで実装され得る。特定の任意のコントローラーに関連する機能性は、ローカルか又はリモートにかかわらず、集中化又は分散され得る。
【0040】
[0048]この開示は、実施形態のいくつかを説明しているが一方、通常、これらの実施形態及び方法の変更及び順列が当業者には明らかであろう。したがって、上記実施形態例の説明は、この開示を定義することも制約もしない。その他の変化、代替、及び変更も以下の請求項によって定義されるこの開示の趣旨及び範囲から逸脱せずに可能である。
【符号の説明】
【0041】
100 クラウドコンピューティング環境例
102 クライアント
104 クライアント
106 クライアント
108 コンピューティングクラウド
110 演算処理装置
112 データ記憶装置
200 ローカルシステム環境例
202 ローカルシステム環境
204 リアルタイム機能
206 非リアルタイム機能
208 ローカル演算処理装置
210 ローカルデータ記憶装置
212 ローカルデータ入力/出力装置
300 生産システム例
302 生産実行システム
304 基本自動システム
600 汎用計算機
602 補助記憶装置
604 読み出し専用メモリー(ROM)
606 ランダムアクセスメモリー(RAM)
608 入力/出力(I/O)装置
610 ネットワーク接続装置
612 演算処理装置(プロセッサー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの生産実行システムと関連する情報をストアするように構成される少なくとも1つのデータ記憶装置(112,602〜606)と、
前記少なくとも1つの生産実行システムと関連する命令を実行するように構成される少なくとも1つの処理装置(110,612)と、
少なくとも1つの生産サイトから情報を受信し、前記少なくとも1つの生産サイトからの前記情報を解釈し、前記少なくとも1つの生産サイトと関連する情報を提供するように構成される少なくとも1つの通信インターフェース(610)と、を含むコンピューティングクラウドシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのデータ記憶装置が、少なくとも1つの生産履歴をストアするように構成されていて、あたかも前記情報が前記少なくとも1つの生産サイトにストアされているかのように、前記情報が、前記少なくとも1つの生産サイトに提供されることを特徴とする請求項第1記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの生産サイトからの前記情報が、前記少なくとも1つの生産サイトにおける、少なくとも1つのマシンと関連する情報を含んでいて、前記情報が、前記少なくとも1つの生産サイトにおいてセンサーによって取得されることを特徴とする請求項第1記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの生産サイトにおいて前記センサーによって取得される前記情報が、前記少なくとも1つの演算処理装置によって利用され、将来の設備故障を予測することを特徴とする請求項第3記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの生産サイトにおいて前記センサーによって取得される前記情報が、前記少なくとも1つの演算処理装置によって利用され、前記少なくとも1つのマシンに関する動作パラメーターを改善することを特徴とする請求項第3記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの通信インターフェースが、前記少なくとも1つの通信インターフェースを介しシンクライアント(102〜106)を前記コンピューティングクラウドシステムと接続するように構成される請求項第1記載のシステム。
【請求項7】
生産実行システムを作動するステップであって、
前記生産実行システムが、
少なくとも1つのクライアント(102〜106)と関連する情報をストアするように構成されるデータ記憶装置(112,602〜606)と、
前記データ記憶装置にストアされる前記情報を利用するように構成される演算処理装置(110,612)と、を含んでいて、
前記少なくとも1つのクライアントと接続するステップと、
前記少なくとも1つのクライアントの動作をトラッキングするステップと、を含む方法。
【請求項8】
前記データ記憶装置が、前記少なくとも1つのクライアントの動作履歴と関連する情報をストアすることを特徴とする請求項第7記載の方法。
【請求項9】
生産実行システムと関連する命令を含むデータ記憶装置(602〜606)と、
前記命令を実行するように構成されるプロセッサー(612)と、
前記生産実行システムと関連する情報を交換するために使用される少なくとも1つの通信リンクを提供するように構成される通信インターフェース(610)と、を含む装置。
【請求項10】
前記装置が、前記装置に接続されるクライアント(102〜106)すべての生産履歴を提供するように構成される請求項第9記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−523041(P2012−523041A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503496(P2012−503496)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/028222
【国際公開番号】WO2010/120444
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.GSM
3.フロッピー
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】