説明

生産情報管理システム及び方法

【課題】管理している生産性・信頼性評価指標のデータを設定のみで表示したい方式で柔軟に表示できる生産情報管理システム及び方法を提供する。
【解決手段】データ収集・集計機能ブロック120は、データ収集処理を実行する機能ブロック122により収集処理したデータをRDB124に格納し、RDB124に格納された情報を用いて各種汎用View(汎用Viewファイルを含む)126を作成する。エンジニアリング機能ブロック180は、エンジニアリングツール処理182により、XML構造ファイル184の生成処理が行われる。一方、画面表示系200は、画面表示機能ブロック210を備える。画面表示機能ブロック210は、情報管理装置10の画面に生産システムにおける生産性・信頼性評価指標を提示する各種グラフをユーザの設定に基づいて表示実行させる機能を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産情報管理システム及び方法に関し、特に、キーパフォーマンスインジケータ(KPI)など生産システムにおける生産性・信頼性の評価指標となる情報を管理する生産情報管理システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、時間稼動率を算出する手段と、性能稼動率を算出する手段と、良品率を算出する手段と、上記時間稼動率、性能稼動率及び良品率の積を算出する手段と、を備え、加工現場における複数の設備それぞれの生産効率を同列に評価できる指標を提供し、その指標を算出する設備総合効率(OEE:Overall Equipment Effectiveness)算出装置を開示している。
【0003】
また下記特許文献2は、現在稼動中の複数の設備の稼動状況を自動的に収集し、また定期的に収集した設備総合効率(OEE)から改善計画にしたがって未来の設備総合効率を予測し、予測した結果に基づいて未来の設備負荷率を算出し、これらの情報を蓄積するとともに、将来の設備投入計画に役立てるようにする設備管理システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−182725号公報
【特許文献2】特開2008−015738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術ではもっぱら生産システムにおける、場所、設備、ワーク等に関する情報を個別に収集し、収集した生産に関する情報にせいぜいデータ項目を関連付けて管理するものが大半で、そのため従来では場所、設備、ワーク等の順でデータを時間軸で表示するようにしており、そのデータの各階層での集計結果を表示するのに、改めてデータを集計し直してその結果を表示するようにしていた。また、表示するデータは固定であって、実際には必要でないものまで表示されてしまうという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、管理している生産性・信頼性評価指標の情報を設定のみで表示したい方式で柔軟に表示できる生産情報管理システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の生産情報管理システムは、キーパフォーマンスインジケータ(KPI)など生産システムにおける生産性・信頼性の評価指標となる情報を管理する生産情報管理システムにおいて、管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報をXML形式の階層構造で定義するデータ構造定義手段と、前記定義したデータ構造の情報に係るデータ項目に算術演算を施して新たな生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目を設定する項目間演算定義手段と、前記新たに設定された生産性・信頼性の評価指標となる情報を含めて前記生産性・信頼性の評価指標となる情報をXMLデータ構造で格納するデータ格納手段と、前記XML形式の階層構造で定義したデータ項目と、表示させる前記生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目とを紐付ける紐付け手段と、前記格納されたXMLデータ構造のデータ項目をグラフ表示候補とし、該グラフ表示候補の中からユーザによるGUI(グラフィック・ユーザ・インタフェース)画面における検索でグラフ表示候補を絞込み、該絞り込んだグラフ表示候補を前記GUI画面に表示し、表示されたグラフ表示候補をユーザが選択することで前記紐付け手段を介して表示するデータを取得し表示するデータ表示手段と、を有する。
【0008】
また本発明の生産情報管理システムは、上記構成のデータ構造定義手段による定義により、前記管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目ごとに、時間、場所、ワーク別にデータ収集した情報を予め集計する情報集計手段と、前記時間、場所、ワークをキーとする情報格納構造体にXML情報を階層構造化して格納する情報格納手段と、前記GUI画面上で、時間、場所、ワークの何れか2又は3ベクトルを軸とするグラフ表示形式を設定するグラフ表示形式設定手段と、該グラフ表示形式設定手段で設定されたグラフ表示形式で表示するために前記時間、場所、ワークをキーに前記情報格納手段から情報を取得して表示する情報表示手段と、を有する。
【0009】
さらに本発明の生産情報管理システムは、上記構成のデータ構造定義手段は、自社の生産システムに応じて、前記管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報として管理するデータ項目を階層トップとする時間モデル及び情報モデルとして定義するモデル定義手段を有し、前記時間モデル及び情報モデルをGUI画面に表示し、前記GUI画面上で前記紐付け手段を用いてユーザが表示したいデータ項目を紐付け登録することを特徴とする。
【0010】
また本発明の生産情報管理方法は、キーパフォーマンスインジケータ(KPI)など生産システムにおける生産性・信頼性の評価指標となる情報を管理する生産情報管理方法において、管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報をXML形式の階層構造で定義する過程と、前記定義したデータ構造の情報に係るデータ項目に算術演算を施して新たな生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目を設定する過程と、前記新たに設定された生産性・信頼性の評価指標となる情報を含めて前記生産性・信頼性の評価指標となる情報をXMLデータ構造で格納する過程と、前記XML形式の階層構造で定義したデータ項目と、表示させる前記生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目とを紐付ける過程と、前記前記格納されたXMLデータ構造のデータ項目をグラフ表示候補とし、該グラフ表示候補の中からユーザによるGUI画面における検索でグラフ表示候補を絞込み、該絞り込んだグラフ表示候補を前記GUI画面に表示し、表示されたグラフ表示候補をユーザが選択することで表示するデータを取得し表示する過程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また本発明の生産情報管理方法は、上記構成において、管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報をXML形式の階層構造で定義する過程と、前記定義後に、前記管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目ごとに、時間、場所、ワーク別にデータ収集した情報を予め集計する過程と、前記時間、場所、ワークをキーとする情報格納構造体にXML情報を階層構造化して格納する過程と、前記GUI画面上で、時間、場所、ワークの何れか2又は3ベクトルを軸とするグラフ表示形式を設定する過程と、前記時間、場所、ワークをキーに前記情報格納構造体から情報を取得して前記設定されたグラフ表示形式で表示する過程、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、データ項目をトップとする階層構造化したXMLによる情報格納方式を採用し、且つ、ユーザが表示したいデータ項目をGUI画面上で紐付けすることで、管理及び表示したいデータを場所、時間、ワーク(製造対象)などの任意の切り口で、また、それぞれのベクトルにおける任意の階層で表示することができる。また自社の生産システムに応じて、設備の稼働状況、ダウンタイム、設備の総合効率など生産システムにおける生産性・信頼性評価指標の情報について管理するデータ項目を階層トップとする情報モデル及び時間モデルをユーザが定義することができるので、ユーザニーズに合った生産情報の管理及び表示を行う生産情報管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る生産情報管理システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る生産情報管理システムの詳細なブロック構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る生産情報管理システムの更に詳細なブロック構成を示す図(その1)である。
【図4】本発明の実施形態に係る生産情報管理システムの更に詳細なブロック構成を示す図(その2)である。
【図5】本発明の実施形態に係る情報集計における各種ベクトルでの階層構造を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る情報モデルの構造例および時間モデルの構造例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るデータ項目の階層化データ構造(XML)例を示す図(その1)である。
【図8】本発明の実施形態に係るデータ項目の階層化データ構造(XML)例を示す図(その2)である。
【図9】本発明の実施形態に係るデータ項目の階層化データ構造(XML)例を示す図(その3)である。
【図10】本発明の実施形態に係る画面表示機能ブロックにおける画面遷移の様子を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るテンプレート選択画面の画面構成及び該画面からの画面遷移の様子を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係るレイアウト設定画面の画面構成及び該画面からの画面遷移の様子を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係るグラフ表示画面の画面構成を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係るグラフ表示画面へのRDBデータ取得処理の概要を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係るグラフ表示画面に表示されるグラフのベクトル軸例を示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係る1次データの項目例を示す図(その1)である。
【図17】本発明の実施形態に係る1次データの項目例を示す図(その2)である。
【図18】本発明の実施形態に係る項目演算定義の一覧を示す図である。
【図19】本発明の実施形態に係る汎用ビュー(VIEW)テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る生産情報管理システムの概略構成を示す図である。図1に示す本発明の実施形態に係る生産情報管理システムは、大きくは、ネットワーク1を介して相互接続されるWeb形式のクライアント・サーバシステムで構成され、Web形式のクライアント4には本発明の中核をなす情報管理装置10が備えられ、また、Web形式のサーバ5には、一元管理されるRDB(relational database)20が置かれる。そのRDB20には、ゲートウェイ2を通して本発明の生産管理システムとは別に存在する運転管理/監視・制御システム3によって生産現場から採取される生産管理の基となる各種制御/計測に関するデータが生データとして格納される。情報管理装置10はRDB20に格納された生データを加工処理して生産情報管理を行うものである。以下、これについて詳述していく。
【0015】
図2は、本発明の実施形態に係る生産情報管理システムの詳細なブロック構成を示す図である。図1に概略構成を示した本発明の実施形態に係る生産情報管理システムは、データ収集系100と画面表示系200に区分けされる。さらに細分すれば、データ収集系100は、データ収集・集計機能ブロック120とエンジニアリング機能ブロック180とに別けられる。
【0016】
データ収集・集計機能ブロック120は、データ収集処理を実行する機能ブロック122により収集処理したデータをRDB(relational database)124に格納し、RDB124に格納された情報を用いて各種汎用View(汎用Viewファイルを含む)126が作成される。データ収集処理を実行する機能ブロック122は図1のWebサーバ5により実現され、またRDB124は、上述したように図1のRDB20に一元化されているものである。各種汎用View(汎用Viewファイルを含む)126について、その一例として月単位の時間情報を集計させるための汎用ビュー(VIEW)ファイルの構成を図19に示す。またエンジニアリング機能ブロック180は、エンジニアリングツール処理182により、XML構造ファイル184の生成が行われる。ここでXMLファイルとは、本発明では、タグ(TAG)名というキーと値によって構成されたデータが記載されたファイルであり、また、タグ名によって、階層構造を構成できるファイルである、として定義したものである。XML構造ファイル184はこの定義に沿って生成される。
【0017】
一方、画面表示系200は、画面表示機能ブロック210を備える。画面表示機能ブロック210は、情報管理装置10の画面に生産システムにおける生産性・信頼性評価指標(キーパフォーマンスインジケータ:Key Performance Index (KPI)を含む)を提示する各種グラフをユーザの設定に基づいて表示実行させる機能を備えている。ここでは、情報管理装置10の画面にレイアウト設定画面230を表示させ、該画面においてXML構造ファイル184に基づいてグラフ項目の候補を表示させ、表示されたグラフ項目の候補からどのような生産性・信頼性評価指標を表示するかのユーザによる設定を行わせる。そのあとでユーザによる表示ボタン押下によりグラフ表示画面(表示ボタン押下)処理240が行われる。グラフ表示画面(表示ボタン押下)240において、ユーザによるSQL文作成処理250が行われる。このSQL文作成処理250により画面・RDB関係表251が参照されて、データ項目名をRDBのフィード名に変換する。次いで、RDBからのデータ獲得処理260が行われ、RDB124からグラフデータを獲得する。これによりグラフ表示画面(グラフ表示)処理270が行われる。これにより情報管理装置10の画面にグラフが表示される。
【0018】
図3及び図4は、本発明の実施形態に係る生産情報管理システムの更に詳細なブロック構成を示す図である。そして図3は、生産情報管理システムの更に詳細なブロック構成を示す図(その1)で、図4は、生産情報管理システムの更に詳細なブロック構成を示す図(その2)である。図3には、図2で概略説明したデータ収集・集計機能ブロック120とエンジニアリング機能ブロック180の詳細が示されている。
【0019】
図3においてエンジニアリング機能ブロック180は、時間モデルカスタマイズ部171と演算式定義部172を有する情報管理指標定義部170と、時間モデルカスタマイズ部171によりカスタマイズされた時間モデルに基づいて必要1次データ一覧を作成し、データ収集・集計機能ブロック120の1次データ管理マスタ130に出力する必要1次データ一覧作成機能部173と、時間モデルカスタマイズ部171によりカスタマイズされた時間モデルと定義された演算式に基づいてデータ構造及び項目間演算式を作成するデータ構造及び項目間演算式作成機能部174と、作成された項目間演算式に基づいて項目間演算式の初期設定を行う項目間演算式初期セット部175と、作成されたデータ構造を格納するデータ構造(XML)格納部184と、を有している。
【0020】
ここで、時間モデルモデルカスタマイズとは、図6(b)に例示するように、ユーザが時間モデルとして必要1次データをカスタマイズするものであり、カスタマイズされた時間モデルに基づいて必要1次データ一覧作成機能部173が必要1次データ一覧を作成し、データ収集・集計機能ブロック120の1次データ管理マスタ130に出力することで1次データ管理マスタ130に登録される。ついでに1次データについて説明すると、1次データは図16及び図17に示すように、データ種別(ステータス時間、ステータス回数、サイクルタイム、生産実績、生産計画、定数データ)毎にテーブルに定義されると共に管理単位(時間、場所、ワーク)毎に抽出すべきか否かが管理されるようになっている。なお図17に示す1次データの項目中の「MTBF」は、Mean Time Between Failureの略であり、また「MTTR」は、Mean Time To Repairの略であり、MTBF目標値及びMTTR目標値は定数データとして設定画面から入力することで設定されるものである。
【0021】
またデータ構造(XML)は、図5に示すように、情報集計における各種ベクトルでXML表現された階層構造を有するデータ構造を指し、「場所」的階層構造として、製作所(サイト)、工場(エリア)、ライン、工程、設備(マシン)に階層化され、また「ワーク(対象物)」的階層構造として、オーダー、ロット、品目に階層化され、また「時間」的階層構造として、年、月、日、勤務シフト(直)、時、分に階層化されている。そして、図6(a)に例示するように、データ項目の集計レベルでは、上記した「場所」×「ワーク」×「時間」で展開される「情報モデル」としてXML表現された階層構造で表わされる。
【0022】
ここでデータ構造(XML)について、図6(b)に示した時間モデルや図6(b)には図示しなかった管理指標について具体的に示したものが図7ないし図9に示すデータ構造(XML)である。図7ないし図9は、本発明の実施形態に係るデータ項目の階層化データ構造(XML)例を示す図(その1〜その3)である。図7ないし図9では、階層上位を「CLASS」で表し、それを階層化してデータ項目を表現し、さらに「CLASS」間で、「CLASS01」(図7参照),「CLASS02」(図8参照),・・・,「CLASS04」・・・,「CLASS07」(図9参照)というように、時間モデルおよび管理指標に区分してXML表現された階層構造で表している。
【0023】
図3に戻って、データ収集・集計機能ブロック120は、1次データ管理マスタ130と、計画的メンテナンス・生産停止に関して定義するための計画的メンテナンス・生産停止入力部131と、定義された計画的メンテナンス・生産停止を格納する計画的メンテナンス・生産停止格納部132と、1次データ管理マスタ130に格納された情報及び計画的メンテナンス・生産停止格納部132に格納された情報に基に、生データRDB21から情報を収集して収集したデータを1次データRDB22に出力するデータ収集機能部133と、データインポート/エクスポート部141から入力/出力された定数データを格納する定数データマスタ142と、項目間演算定義部144で定義し、項目間演算定義として項目間演算式初期セット部175から初期設定されて出力された項目間演算式とを格納する項目間演算格納部145と、定数データマスタ142から出力された定数データ、1次データRDB22に格納された1次データ、および、項目間演算定義格納部145から出力された項目間演算定義の各情報を基に項目間演算を行って集計データRDB23に出力する項目間演算機能部143と、雛形VIEW設計書150の情報と、集計データRDB23に格納された集計データと、一次データRDB22に格納された一次データを基にVIEWファイルを作成するVIEW作成機能(スクリプト)部151と、作成されたVIEWファイルを格納するVIEW格納部160と、を有している。
【0024】
ここで項目間演算定義の一覧を図18に示す。図18に示すように項目間演算定義は、新たに管理・表示する情報、例えば正味稼動時間、を設定するために、管理・表示する情報項目すなわち1次データ項目に算術演算(正味稼動時間 = 自動時間 + 材待時間 + 満載時間)を施すものである。項目間演算により定義されるデータには、上記正味稼動時間の外に、スピードロス時間、実稼動時間、異常時間、トータル稼動時間、・・・、負荷時間、合計時間、・・・、品質率、・・などがある。
【0025】
図4において画面表示機能ブロック210は、画面表示するレイアウトを設定するためのレイアウト設定画面230を有する。レイアウト設定画面230は、テンプレート情報(雛形)格納部220から画面表示するテンプレート情報を選択可能にするテンプレート選択画面222において、ユーザが「新規グラフ作成」ボタン(後述する)を押すことで画面表示される。レイアウト設定画面230では、図3に示したデータ構造(XML)184から全グラフ項目候補を取得できるようにするとともに予め設定した画面・RDB関係表251から汎用VIEW160とそれを通じて画面にグラフ表示するグラフ項目との定義を取得する。なお画面にグラフ表示するグラフ項目はレイアウト設定画面230のグラフ項目名欄に表示されるものであり、グラフ項目名欄にグラフ項目を設定してグラフ項目の追加・削除が可能になる。レイアウト設定画面230で「グラフ表示」ボタン(後述する)を押下すると、グラフ表示画面300に遷移する。これらについては図10ないし図12の説明において詳述する。
【0026】
グラフ表示画面300では、検索条件設定部310において検索条件を設定してグラフ表示するグラフ項目を絞り込む。検索条件設定部310でグラフ項目を絞り込んだうえで表示ボタンをクリックすると、SQL文生成・実行部320に処理が移る。なお検索条件設定部310でグラフ項目を絞り込んだ内容とレイアウト設定画面230で取得した画面・RDB関係表251の関係定義に基づいてSQL文生成部232でSQL文を生成し、これをSQL文生成・実行部320に渡せるようになっている。SQL文生成・実行部320では、検索条件設定部310で設定された情報をもとに、SQL文を生成・実行することで、汎用VIEW160を通じて集計データRDB23のテーブルからデータを獲得できるようにする。次いでSQL文実行結果展開部330では、汎用VIEW160を通じて集計データRDB23のテーブルから獲得されたデータの展開が行われる。またXML構造のデータ取得部350がメモリ上になされる。このようにしてSQL文実行結果の展開がなされたあとで検索結果表示処理340が行われ、検索結果としてのグラフ表示がなされる。検索結果表示処理340からはXML形式のデータが出力され、XML形式データ格納部360に格納が行われる。またデータ格納部360への格納のあとで必要に応じて帳票XML出力400がなされる。
【0027】
図10は、本発明の実施形態に係る画面表示機能ブロックにおける画面遷移の様子を示す図である。図10のメニュー画面202上においてメニュー表示されている「グラフ表示」ボタン204を押すと、テンプレート選択画面222に遷移する。テンプレート選択画面222上において「新規グラフ作成」ボタン224が押下されると、レイアウト設定画面230に遷移する。また、テンプレート選択画面222上において、テンプレート選択欄228で一覧表示されたテンプレートファイルを選択し、「テンプレートグラフ表示」ボタン226が押下されると、グラフ表示画面300に遷移する。一方、レイアウト設定画面230上において、表示するグラフ項目が選択グラフ項目名欄236に表示されている状態で「グラフ表示」ボタン234を押下すると、グラフ表示画面300に遷移し、選択グラフ項目名欄236に表示されたグラフ項目のグラフ表示がなされる。またレイアウト設定画面230上において、選択グラフ項目名欄236において追加するグラフ項目を設定して「追加」ボタンを押すとグラフ項目名欄238に設定されたグラフ項目が追加される。グラフ表示画面300上で「テンプレート保存」ボタン302が押下されると、テンプレート保存画面500に遷移する。また「XML出力」ボタンが押されると、XMLファイルが出力され、さらに「レイアウト設定」ボタンが押されるとレイアウト設定画面230に遷移する。テンプレート保存画面500上で「テンプレート保存」ボタン502が押下されると、テンプレートの保存が行われるとともに保存が終了した際にグラフ表示画面300に遷移する。
【0028】
図11は、本発明の実施形態に係るテンプレート選択画面の画面構成及び該画面からの画面遷移の様子を示す図である。テンプレート選択画面222は、ユーザがデータ収集処理によって獲得したデータをグラフ表示する場合に、初期表示する画面である。グラフ表示する方法には、以下の2つがある。
【0029】
(1)ユーザが新たにグラフ表示する。
「新規グラフ作成」ボタン224を押下することによって、レイアウト設定画面230(図12参照)を表示する。このレイアウト設定画面230によって、新規グラフ表示を行うための情報を設定する。複数選択する場合、追加したい項目名を右クリックする操作を繰り返す。
【0030】
(2)出荷時定義テンプレートまたは、ユーザ定義テンプレートを操作する。
この場合、テンプレートファイル(X軸グラフ項目・Y軸グラフ項目・グラフ種別・グラフ条件などのグラフを表示するのに必要なデータが格納されたファイル)の情報をテンプレート選択欄228に一覧表示し、出力したいテンプレートファイルを選択し、「テンプレートグラフ表示」ボタン226を押下することで、選択されたテンプレートファイルがグラフ表示画面300の画面上にグラフ表示される。複数項目を追加する時は、XML構造ファイル184に格納されている項目毎の単位情報(秒や個や%)が同一であるかをチェックし同一でなければ追加させない。
【0031】
またテンプレートファイル一覧でテンプレートファイルを選択し、「テンプレートグラフ削除」ボタンを押下することで、選択したテンプレートファイルを削除する。
図12は、本発明の実施形態に係るレイアウト設定画面の画面構成及び該画面からの画面遷移の様子を示す図である。図12の左上側に表示されたテンプレート選択画面222で「新規グラフ作成」ボタン224が押下された場合、レイアウト設定画面230には、デフォルト値が設定される。デフォルト値の内容は、「グラフ名」は設定なしで、また「X軸項目選択」は日付を選択し、また「グラフ項目」は日で、さらに「データ単位」は選択なし、である。また、「Y1軸グラフ項目名選択」233、「Y2軸グラフ項目名選択」235、「表項目名選択」237には、グラフ項目名の設定がなされない。また図12の左下側に表示されたグラフ表示画面300で「レイアウト設定」ボタンが押下された場合、レイアウト設定画面230には、呼出元のグラフ表示画面300で設定していた内容が表示される。
【0032】
次に、レイアウト設定画面230上でX軸項目231、Y1軸グラフ項目名選択欄233、Y2軸グラフ項目名選択欄235、表項目名選択欄237で選択したデータを使用して図12の右側に示すグラフ表示画面300にグラフ表示が行われる。これについては後述する。
【0033】
またレイアウト設定画面230の上部に表示されるグラフ項目選択欄のグラフ名において、グラフ表示画面300に表示するグラフのタイトルを指定する。さらにX軸項目231のX軸項目選択欄では、X軸に表示するグラフ項目を場所・ワーク・日付・故障要因の中からラジオボタンで指定する。またY1軸グラフ項目名選択欄233、Y2軸グラフ項目名選択欄235、表項目名選択欄237で、それぞれのタイトルを記載したタブを左クリックすると、選択グラフ項目名欄233では、XML構造ファイルを読み込み、グラフ項目候補をトリーで表示する。ここでトリー表示の並び順は、XML構造ファイルに設定されている内容順である。そしてトリー表示時の動作は、次のとおりである。(1)項目をダブルクリックして子項目を開く。(2)子項目を表示している状態で、項目をダブルクリックして子項目を閉じる。なお、初期表示時は、トリーの先頭項目を表示する。さらに、グラフ項目名欄238では、グラフに表示する対象としたグラフ項目名を一覧表示する。
【0034】
グラフ項目名欄238におけるグラフ項目名の設定は次の手順で行う。(1)選択グラフ候補名欄236でグラフ表示したい項目名を右クリックし、選択する。(2)追加ボタン239を押下すると、グラフ項目名欄238に指定名称が設定される。既に設定されていた場合は、登録せず終了する。またグラフ項目名欄238からグラフ項目名の削除は次の手順で行う。(1)グラフ項目名欄238で削除したいグラフ項目名を右クリックし、選択する。(2)削除ボタンを押下すると、グラフ項目名欄238に一覧表示された指定名称を削除できる。なおレイアウト設定画面230上の「グラフ表示」ボタン234を押下した時、画面上に設定された内容がワークテンプレートファイル(図示せず)に保存されるとともにそのデータがグラフ表示画面300に反映される。
【0035】
X軸項目231のグラフ項目は、ラジオボタンの場所、ワーク、日付、故障要因の中から選択する。ラジオボタンによる選択が行われた場合には、選択されたボタン内容に応じて次のように、データ項目名とデータ単位がそれぞれ決まる。(1)場所が選択されると、データ項目選択候補は、製作所,工場,ライン,工程,マシンとなる。またデータ単位は、月,日,直,時となる。さらにY1軸グラグ項目,Y2軸グラフ項目,表項目はXML構造ファイルの内容により決まる。(2)ワークが選択されると、データ項目選択候補は、機種,ロット,バッチとなる。またデータ単位は月,日,直,時となる。Y1軸グラグ項目,Y2軸グラフ項目,表項目はXML構造ファイルの内容により決まる。(3)日付が選択されると、データ項目選択候補は月,日,直,時となる。なお、データ単位は同じく月,日,直,時となるため設けない。Y1軸グラグ項目,Y2軸グラフ項目,表項目はXML構造ファイルの内容により決まる。(4)故障要因が選択されると、データ項目選択候補は故障要因となる。またデータ単位は月,日,直,時となる。Y1軸グラグ項目,Y2軸グラフ項目,表項目は合計時間,合計個数となる。
【0036】
次に、Y1軸グラフ項目名選択タブ233のグラフ項目名欄(図示せず)にグラフ候補を指定してグラフ表示を行うと、グラフ画面の1軸側目盛の単位を表示したグラフを表示する。また、Y2軸グラフ項目名選択タブ235のグラフ項目名欄(図示せず)にグラフ候補を指定してグラフ表示を行うと、グラフ画面の2軸側目盛の単位を表示したグラフを表示する。さらに、表項目名選択タブ237の表項目名欄(図示せず)にグラフ候補を指定してグラフ表示を行うと、グラフ画面下に表を表示する。
【0037】
図13は、本発明の実施形態に係るグラフ表示画面の画面構成を示す図である。図13に示すグラフ表示画面では、図2におけるデータ収集系100のデータ収集・集計機能ブロック120によって収集・集計したデータを、各種グラフパターンとグラフ種別で表示する。各種グラフパターンとグラフ種別のグラフ表示例については図15を参照されたい。
【0038】
汎用Viewテーブル160を介してグラフ表示するデータを集計データRDB23(図3参照)より獲得する時、グラフ表示画面300において絞込み条件となるデータを設定する。この場合、例えば場所上の絞込み項目について絞り込みを行う場合には、場所上の絞込み項目「製作所・工場・ライン・工程・マシン」は、場所上の絞込みコンボボックス303から選択して行う。そして表示するデータを集計データRDB23から獲得する。ワーク上の絞込み項目について絞り込みを行う場合には、ワーク上の絞込みコンボボックス304から「機種・ロット・バッチ」を選択して行う。また時刻の絞込み項目について絞り込みを行う場合には、日付の指定欄305に日付の期間または直を指定することで行う。なお、初期表示時、ワークテンプレートファイルに記載されている内容がグラフ表示画面300の上部にある検索条件(絞込み条件)部(製作所・工場・ライン・工程・マシン・機種・ロット・年月日期間)303〜305に反映される。
【0039】
ワーク上の絞込みコンボボックス304には、環境設定ファイル(図示せず)に定義しているワーク情報に従って、機種/ロット/バッチなどを表示する。ただし、レイアウト設定画面230のX軸項目231におけるX軸項目選択のラジオボタンでワークが選択された場合、データ項目で指定したワーク項目を表示する。これは、機種/ロット/バッチが同時に指定されることがないためである。
【0040】
日付の指定欄305における期間指定内容は、レイアウト設定画面230のX軸項目231のデータ単位によって決まってくる。例えば、X軸項目231のデータ単位が(1) "月"または"日"の場合は年月日のみ、(2) "直"の場合は年月日と直(勤務シフト1〜3)、(3) "時"の場合は年月日と時刻、となる。
【0041】
レイアウト設定画面230で、Y1軸グラフ項目選択欄233に設定したグラフ項目とY2軸グラフ項目選択欄235に設定したグラフ項目とに設定がなされていれば、設定したグラフ項目を表示する。この項目を修正するには、グラフ表示画面300上の「レイアウト設定」ボタンを押下し、レイアウト設定画面230に遷移したあとで変更する。いずれにしてもグラフ項目選択欄233などに表示しているグラフ項目が、グラフ表示時のY軸データ値となる。
【0042】
次に、グラフ表示画面300の中央部に設けられたグラフ表示内容制御部分について説明する。このグラフ表示内容制御部分に設けられている、1軸候補表示欄306、2軸候補表示欄307、詳細表示308、1軸累積折線、大きい順、1軸グラフ種、2軸グラフ種、をそれぞれ指定することにより、グラフ表示内容を次のように制御することができる。すなわち、(1)詳細表示308の指定により1軸候補表示欄306で選択した項目を表示するのに必要な項目の内容をグラフ表示する。(2)1軸累積折線の指定は、グラフ表示内容に、1軸候補表示欄306で選択した項目の累積値を折線表示グラフで表示するよう追加する(詳細表示時には行わない)。(3)大きい順の指定は、グラフ表示内容に対し、1軸候補表示欄306で選択した項目を大きい順で並べかえる。ここで指定しない場合には、次のような並びとなる。(a)X軸が場所の場合は名称順、(b)X軸がワークの場合は名称順、(c)X軸が日付の場合は日付が古い順、となる。(4)1軸グラフ種の指定は、グラフ表示内容に対し、1軸のグラフ種を変更する(デフォルト:棒グラフ)。(5)2軸グラフ種の指定は、グラフ表示内容に対し、2軸のグラフ種を変更する(デフォルト:折線グラフ)。なおこれらの設定をグラフ表示に反映させるには、1軸候補表示欄306、2軸候補表示欄307で項目を選択した状態で「表示ボタン」309を押して反映されるもので、押さない場合には反映されない。
【0043】
グラフ表示画面300の中央部に表示する画面の内容を示すグラフ名は、レイアウト設定画面230などで、グラフ名欄に設定したグラフ名を表示する。この項目を修正するには、「レイアウト設定」ボタンを押下し、レイアウト設定画面230に遷移して変更する。
【0044】
グラフ表示画面300の画面右部にある「表示ボタン」309を押下した時、汎用Viewテーブル1個からグラフデータを獲得し、グラフ表示する。また、この時、画面・RDB関係表251を使用しSQL文を作成する(図2参照)。また「表示ボタン」309の押下時は、グラフ表示と同時に、グラフ値と凡例を表示する。グラフ値は、Y軸の値のみを表示する。また凡例は、グラフの右に1軸と2軸に分けてグラフ項目名を表示する(図15参照)。グラフのX軸サイズは固定であり、そのサイズ内でX軸の項目を表示する。
【0045】
図13のグラフ表示画面300に示す棒グラフ表示例のように、棒グラフを表示している状態で画面下の棒幅変更欄を操作することで棒の幅を変更することができる(デフォルト:80%、範囲:1〜100)。また、グラフ値を表示しない場合には、画面下のグラフ値を表示しない項目のチェック欄にレ点をつけるとグラフのY軸値を表示しない。また凡例を表示しない場合には、画面下の凡例を表示しない項目のチェック欄にレ点をつけると凡例を表示しない。
【0046】
さらに図12に示したレイアウト設定画面230の表項目名選択タブ237の表項目欄で表項目を指定して「グラフ表示」ボタン234を押下すると、図13のグラフ表示画面300においてグラフ画面下に表を表示する(図示せず)。表中の「行」には、レイアウト設定画面230の表項目名選択タブ237の表項目欄で指定した表項目名を表に表示する。また表中の「列」には、X軸の項目を表示する。表のサイズは固定であり、そのサイズより大きい行または列の項目を表示した場合は、スクロールを表示して、表示されない値を表示する。
【0047】
図14は、本発明の実施形態に係るグラフ表示画面へのRDBデータ取得処理の概要を示す図である。本発明の実施形態では上記までに説明したように、図2に示した画面・RDB関係表251を使用しSQL文作成250でSQL文を作成する。SQL文を作成することで、グラフ表示画面300上でRDB20から抽出したデータをWeb画面(Webクライアント4のグラフ表示画面300)に表示する。図1に倣って本発明の生産情報管理システムでは、Webクライアント4とWebサーバ5との間でのデータのやり取りが行われており、図14においてWebクライアント4内の情報管理装置10に示されるグラフ表示画面300上でRDBデータの獲得要求がWebサーバ5のServlet処理機能25に渡される。なおServlet(サーブレット)とは、Java(登録商標)を用いて、ウェブページのためのHTML文書などを動的に生成するサーバ上で動くプログラム、またはその仕様のことであり、当該分野に通じる技術者には広く知られているものである。Servlet処理機能25では、JavaBean(Java)で書かれた再利用可能なソフトウェアコンポーネント)を起動して、RDB20のデータ抽出処理と獲得したデータのメモリ格納処理を行う。そしてその結果をServlet処理機能25からWebクライアント4内の情報管理装置10のグラフ表示画面300に処理を渡すようにしている。
【0048】
例としてレイアウト設定画面230のX軸項目231に「場所」が選択されたとして、レイアウト設定画面230の「グラフ表示」ボタン234が押下されると、グラフ表示画面300に遷移する。そしてグラフ表示画面300では、以下に示す処理でRDBへの抽出処理を実行する。すなわち、
(1) 場所(製作所・工場・ライン・工程・マシン)のコンボボックス303のデータ抽出を行い、SQL文に、SELECT <場所の項目のフィールド名> FROM <テーブル名> GROUP <場所の項目のフィールド名> ORDER BY <場所の項目のフィールド名> を記述する。
【0049】
(2) グラフ表示するデータの抽出では、SQL文に、SELECT <検索条件項目のフィールド名>,<Y軸項目のフィールド名> FROM <テーブル名> WHERE <検索条件項目のフィールド名> を記述する。
【0050】
(3) 表データの抽出では、SQL文に、SELECT <表項目のフィールド名> FROM <テーブル名> WHERE <検索条件項目のフィールド名> GROUP <表項目のフィールド名> を記述する。
【0051】
上記した(1)及び(3)の場合は、Listデータで結果をメモリ上に格納するが、(2)の場合は、DOM(XMLファイル処理用クラス)の関数を使用してメモリに格納する。このようにして結果のデータを保持することによって、次のメリットがある。すなわち、場所・ワーク・日付単位にデータをメモリに保持できるため、データが重複することなく、メモリに保持することができる。また全レコードを参照しなくても、データを獲得することができ、効率的なデータ抽出を行うことができる。このようにしてServletで蓄えたメモリデータをWebクライアント4にデータ送信し、グラフ表示画面300にグラフ表示する。
【0052】
ここで改めてデータ構造XMLファイル184とグラフ表示画面300とのデータのやり取りについて説明すると、本発明の実施形態では、Web形式のクライアント−サーバ間のデータの遣り取りの中でデータ構造XMLファイル184へのファイル生成とデータ構造XMLファイル184からデータの抽出を行うものである。上記図14でも説明したように、データ構造XMLファイル184からデータをWeb画面(レイアウト設定画面230、グラフ表示画面300)上にXMLファイルのデータを取り込む処理はDOM関数を使用して行っている。すなわち、レイアウト設定画面230上で上述したようにXML構造ファイル読込操作を行って、画面初期表示(Webクライアント4上)を行う。また、XML構造ファイルをDOM関数を使用し、クラアイアントメモリ上に格納する。またグラフ表示画面300上でXML構造ファイル書込操作を行って、画面初期表示(Servlet上)を行う。この場合、XML構造ファイルをDOM関数を使用し、サーバメモリ上に格納する。またグラフ表示画面300上でXML構造ファイルへのファイル生成を行う場合、XMLファイル保存(Servlet上)を行う。そしてグラフ表示するためのデータ処理によってメモリ格納したDOM関数のデータをWebクラアイアント4側のファイルへファイル出力をする(ファイル出力処理はJAVA入出力関数使用)。
【0053】
図15は、本発明の実施形態に係るグラフ表示画面に表示されるグラフのベクトル軸の例を示す図である。図15において(a)は、X軸に時間、Y軸にN種のデータを棒グラフで表示した例、(b)は、X軸にワーク、Y軸に場所N毎のデータを棒グラフで表示した例、(c)は、X軸に場所、Y軸の1軸データとして2種のデータを棒グラフで、また2軸データとして1種のデータを折線グラフで表示した例、および、(d)は、X軸に故障要因、Y軸の1軸データとして大きい順にデータを棒グラフで、また2軸データとして累積折線グラフで表示した例を示すものである。
【0054】
図19は、本発明の実施形態に係る汎用ビュー(VIEW)テーブルの一例を示すものである。汎用VIEWテーブルの選択は、上述したレイアウト設定画面230のX軸項目欄231の「X軸項目選択欄」の内容によって決まる。(ワークはX軸項目選択欄でワークを指定しない限り、"機種"を指定している。ワーク指定の場合は、データ項目で指定したワーク項目を使用する。)図19に示す汎用ビュー(VIEW)テーブルは、月集計汎用VIEW (月毎にデータ収集・データ集計したデータをまとめたテーブル)を示すものであり、場所・ワーク・日付のいずれかを選択し、データ単位が月を指定した場合に選ばれる。データ収集・データ集計するデータには、製造所コード、工場、ラインコード、マシン、品名、ロット、日付、実稼働時間、実稼働時間平均値、実稼働時間最小値、実稼働時間最大値、正味稼働時間合計、正味稼働時間平均値、正味稼働時間最小値、正味稼働時間最大値、スピードロス時間合計、スピードロス時間平均値、スピードロス時間最小値、スピードロス時間最大値などを設定することができる。なお、時間合計、平均値、最小値、最大値などは収集したデータを集計処理することによって得られる値である。
【0055】
なお、図示例の月集計汎用VIEW以外に、本発明では、日集計汎用VIEW (日毎にデータ収集・データ集計したデータをまとめたテーブル)、直集計汎用VIEW (直毎にデータ収集・データ集計したデータをまとめたテーブル)、時集計汎用VIEW (時間毎にデータ収集・データ集計したデータをまとめたテーブル)、月アラーム集計汎用VIEW (月毎にアラーム状態時のデータを収集・データ集計したデータをまとめたテーブル)、日アラーム集計汎用VIEW (日毎にアラーム状態時のデータを収集・データ集計したデータをまとめたテーブル)、直アラーム集計汎用VIEW (直毎にアラーム状態時のデータを収集・データ集計したデータをまとめたテーブル)などを設定しているが、これらの内容は図示した月集計汎用VIEWに基づいて構造を推察できるためここでの詳細説明は省くことにする。
【符号の説明】
【0056】
1 ネットワーク
2 ゲートウェイ
3 運転管理/監視・制御システム
4 Webクライアント
5 Webサーバ
10 情報管理装置
20 RDB(統合DB)
21 生データ(RDB)
22 1次データRDB
23 集計データRDB
100 データ収集系
120 データ収集・集計機能ブロック
122 データ収集処理
124 RDB
126 汎用VIEW
130 1次データ管理マスタ
131 計画的メンテナンス・生産停止入力部
132 計画的メンテナンス・生産停止格納部
133 データ収集機能部
141 データインポートエクスポート部
142 定数データマスタ
143 項目間演算機能部
144 項目間演算定義部
145 項目間演算定義格納部
150 雛形VIEW設計書
151 VIEW作成機能(スクリプト)部
160 VIEW格納部
170 情報管理指標定義部
171 時間モデルカスタマイズ部
172 演算式定義部
173 必要1次データ一覧作成機能部
174 データ構造及び項目演算式作成機能部
175 項目間演算式初期セット部
180 エンジニアリングツール機能ブロック
182 エンジニアリングツール処理
184 XML構造ファイル(データ構造XML)
200 画面表示系
210 画面表示機能ブロック
220 テンプレート情報(雛形)格納部
222 テンプレート選択画面
230 レイアウト設定画面
232 SQL文生成部
240 グラフ表示画面(表示ボタン押下時)
250 SQL文作成処理
251 画面・RDB関係表
260 RDBからデータ獲得処理
270 グラフ表示画面(グラフ表示時)
300 グラフ表示画面
310 検索条件設定部
320 SQL文作成・実行部
330 SQL文実行結果展開部
340 検索結果表示処理
350 XML構造のデータ取得部
360 XML形式データ格納部
400 帳票XML出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーパフォーマンスインジケータ(KPI)など生産システムにおける生産性・信頼性の評価指標となる情報を管理する生産情報管理システムにおいて、
管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報をXML形式の階層構造で定義するデータ構造定義手段と、
前記定義したデータ構造の情報に係るデータ項目に算術演算を施して新たな生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目を設定する項目間演算定義手段と、
前記新たに設定された生産性・信頼性の評価指標となる情報を含めて前記生産性・信頼性の評価指標となる情報をXMLデータ構造で格納するデータ格納手段と、
前記XML形式の階層構造で定義したデータ項目と、表示させる前記生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目とを紐付ける紐付け手段と、
前記格納されたXMLデータ構造のデータ項目をグラフ表示候補とし、該グラフ表示候補の中からユーザによるGUI(グラフィック・ユーザ・インタフェース)画面における検索でグラフ表示候補を絞込み、該絞り込んだグラフ表示候補を前記GUI画面に表示し、表示されたグラフ表示候補をユーザが選択することで前記紐付け手段を介して表示するデータを取得し表示するデータ表示手段と、
を有することを特徴とする生産情報管理システム。
【請求項2】
前記データ構造定義手段は、自社の生産システムに応じて、前記管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報として管理するデータ項目を階層トップとする時間モデル及び情報モデルとして定義するモデル定義手段を有し、
前記時間モデル及び情報モデルをGUI画面に表示し、前記GUI画面上で前記紐付け手段を用いてユーザが表示したいデータ項目を紐付け登録することを特徴とする請求項1記載の生産情報管理システム。
【請求項3】
前記データ構造定義手段による定義により、前記管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目ごとに、時間、場所、ワーク別にデータ収集した情報を予め集計する情報集計手段と、
前記時間、場所、ワークをキーとする情報格納構造体にXML情報を階層構造化して格納する情報格納手段と、
前記GUI画面上で、時間、場所、ワークの何れか2又は3ベクトルを軸とするグラフ表示形式を設定するグラフ表示形式設定手段と、
該グラフ表示形式設定手段で設定されたグラフ表示形式で表示するために前記時間、場所、ワークをキーに前記情報格納手段から情報を取得して表示する情報表示手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の生産情報管理システム。
【請求項4】
前記データ構造定義手段による定義により、前記管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目ごとに、時間、場所、ワーク別にデータ収集した情報を予め集計する情報集計手段と、
前記時間、場所、ワークをキーとする情報格納構造体にXML情報を階層構造化して格納する情報格納手段と、
該情報格納手段に格納されたXML情報をグラフ表示候補とし、該グラフ表示候補の中からユーザによる前記GUI画面における検索でグラフ表示候補を絞込み、該絞り込んだグラフ表示候補を前記GUI画面に表示し、表示されたグラフ表示候補をユーザが選択することで前記XML情報中の管理データ項目と前記生産性・信頼性の評価指標となる情報の表示データ項目とを紐付ける管理データ項目・表示データ項目紐付け手段と、
該管理データ項目・表示データ項目紐付け手段によって紐付けした後、前記GUI画面に表示された前記XML情報中の管理データ項目を選択し当該管理データ項目に展開されるトリーのデータ項目のデータを表示させる展開データ表示手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の生産情報管理システム。
【請求項5】
キーパフォーマンスインジケータ(KPI)など生産システムにおける生産性・信頼性の評価指標となる情報を管理する生産情報管理システムにおいて、
管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報をXML形式の階層構造で定義する過程と、
前記定義したデータ構造の情報に係るデータ項目に算術演算を施して新たな生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目を設定する過程と、
前記新たに設定された生産性・信頼性の評価指標となる情報を含めて前記生産性・信頼性の評価指標となる情報をXMLデータ構造で格納する過程と、
前記XML形式の階層構造で定義したデータ項目と、表示させる前記生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目とを紐付ける過程と、
前記格納されたXMLデータ構造のデータ項目をグラフ表示候補とし、該グラフ表示候補の中からユーザによるGUI画面における検索でグラフ表示候補を絞込み、該絞り込んだグラフ表示候補を前記GUI画面に表示し、表示されたグラフ表示候補をユーザが選択することで表示するデータを取得し表示する過程と、
を含む生産情報管理方法。
【請求項6】
管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報をXML形式の階層構造で定義する過程と、
前記定義後に、前記管理及び表示する生産性・信頼性の評価指標となる情報のデータ項目ごとに、時間、場所、ワーク別にデータ収集した情報を予め集計する過程と、
前記時間、場所、ワークをキーとする情報格納構造体にXML情報を階層構造化して格納する過程と、
前記GUI画面上で、時間、場所、ワークの何れか2又は3ベクトルを軸とするグラフ表示形式を設定する過程と、
前記時間、場所、ワークをキーに前記情報格納構造体から情報を取得して前記設定されたグラフ表示形式で表示する過程、
を含むことを特徴とする請求項5記載の生産情報管理方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図18】
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【図1】
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【図2】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−238084(P2010−238084A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86859(P2009−86859)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】