説明

生産計画作成装置及び生産計画作成プログラム

【課題】各場所での製品の収納限度数量を満たす生産計画を作成する。
【解決手段】生産計画作成装置は、納品数量が納品先の収納限度数量より多い場合(S3)、納品数量を収納限度数量で割って分納回数を算出し(S6)、納品数量と分納回数とを用いて各分納時における分納数量を算出し(S7)、最終分納時が最終納期以前になるよう分納期間を算出し(S8)、複数の分納の分納時を定め、複数の該分納時と複数の分納時毎の分納数量とを関連付けて、生産計画として記憶装置に格納し(S9)、複数の分納時毎に、分納された直後の納品先での在庫数量を算出し(S10)、複数の分納時毎の在庫数量が、いずれも収納限度数量以下であるか否かを判断し(S11)、ステップ11でYESの判断がなされると生産計画を出力し、ステップ11でNOの判断がなされると先の分納回数に1を加算した分納回数で、S7〜S11の処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の納品先からの依頼に応じて、生産元における当該製品の生産計画を作成する生産計画作成装置及び生産計画作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生産計画の作成方法としては、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されている方法がある。
【0003】
これらの特許文献1,2には、納品先から依頼された納品数量と最終納期に関する情報を用いて、製品の生産計画を作成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−114599号公報
【特許文献1】特開2009−116569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、納品先や生産元では、製品の収納スペースの関係から、当該製品の収納限度数量が存在する。特に、都市部の納品先や生産元では、この収納スペースが小さい傾向があるため、当該製品の収納限度数量も小さくなりがちである。また、製品に危険物が含まれる場合には、消防法の観点から、危険物の量や当該危険物の管理体制等に応じて収納限度数量が制限されている。
【0006】
仮に、納品先から、当該納品先の収納限度数量を越えた数量の納品を依頼された場合、この数量の製品を一度に納品しようとしても、当該納品先では、収納限度数量の関係で、全ての製品を受け入れることができない。
【0007】
そこで、本発明は、各場所での在庫量が収納限度数量を満たす生産計画を作成することができる生産計画作成装置及び生産計画作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための生産計画作成装置に係る第一の発明は、
製品の最終納期、該製品の納品数量、該製品の納品先での該製品の収納限度数量、及び該製品の単位期間あたりの消費量である消費率を含む納品条件を受け付ける納品条件受付手段と、前記納品数量が前記収納限度数量より多いか否かを判断する第一判断手段と、前記納品数量が前記収納限度数量よりも多いと判断されると、該納品数量を該収納限度数量で割って、分納回数を算出する分納回数算出手段と、前記分納回数算出手段により、前記分納回数が格納される分納回数記憶手段と、前記納品数量と前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数とを用いて、各分納時における分納数量を算出する分納数量算出手段と、最終分納時が前記最終納期以前になるよう、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を用いて、該最終分納時を除く各分納時から次の分納時までの期間である分納期間を算出し、該分納回数と該最終納期と該分納期間とを用いて、各分納の該分納時を定める分納時設定手段と、前記分納時設定手段により、複数の前記分納時と、該複数の分納時毎の前記分納数量とが関連付けられて、生産計画として格納される生産計画記憶手段と、複数の前記分納時毎に、前記消費率を用いて当該分納時までの製品の未消費数量を算出し、該未消費数量と当該分納時の前記分納数量とを用いて、分納された直後の納品先での在庫数量を算出する在庫数量算出手段と、前記在庫数量算出手段で算出された前記複数の分納時毎の前記在庫数量が、いずれも、前記収納限度数量以下であるか否かを判断する第二判断手段と、前記第二判断手段で、前記複数の分納時毎の前記在庫数量が、いずれも、前記収納限度数量以下であると判断されたことを出力条件として、前記生産計画記憶手段に格納され、該第二判断手段で判断対象となった前記生産計画を出力する出力手段と、前記第二判断手段で、前記複数の分納時毎の前記在庫数量のいずれかが、前記収納限度数量以下でないと判断されると、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増大させた値に更新する分納回数更新手段と、を備え、
前記分納回数更新手段により、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数が更新されると、前記分納数量算出手段、前記分納期間算出手段、前記分納時設定手段、前記第二判断手段は、更新された前記分納回数に基づく処理を実行する、ことを特徴とする。
【0009】
なお、上記生産計画作成装置は、以下の生産計画作成プログラムをコンピュータにインストールすることで、構成することができる。
【0010】
当該生産計画作成プログラムは、
コンピュータの入力装置により、製品の最終納期、該製品の納品数量、該製品の納品先での該製品の収納限度数量、及び該製品の単位期間あたりの消費量である消費率を含む納品条件を受け付ける納品条件受付ステップと、前記納品数量が前記収納限度数量より多いか否かを判断する第一判断ステップと、前記納品数量が前記収納限度数量よりも多いと判断されると、該納品数量を該収納限度数量で割って、分納回数を算出し、該分納回数を前記コンピュータの記憶装置に格納する分納回数算出ステップと、前記納品数量と前記記憶装置に格納されている前記分納回数とを用いて、各分納時における分納数量を算出する分納数量算出ステップと、最終分納時が前記最終納期以前になるよう、前記記憶装置に格納されている前記分納回数を用いて、該最終分納時を除く各分納時から次の分納時までの期間である分納期間を算出し、該分納回数と該最終納期と該分納期間とを用いて、各分納の該分納時を定め、複数の該分納時と、該複数の分納時毎の前記分納数量とを関連付けて、生産計画として、前記記憶装置に格納する分納時設定ステップと、複数の前記分納時毎に、前記消費率を用いて当該分納時までの製品の未消費数量を算出し、該未消費数量と当該分納時の前記分納数量とを用いて、分納された直後の納品先での在庫数量を算出する在庫数量算出ステップと、前記在庫数量算出ステップで算出された前記複数の分納時毎の前記在庫数量が、いずれも、前記収納限度数量以下であるか否かを判断する第二判断ステップと、前記第二判断ステップで、前記複数の分納時毎の前記在庫数量が、いずれも、前記収納限度数量以下であると判断されたことを出力条件として、前記記憶装置に格納され、該第二判断手段で判断対象となった前記生産計画を、前記コンピュータの出力装置から出力させる出力ステップと、前記第二判断ステップで、前記複数の分納時毎の前記在庫数量のいずれかが、前記収納限度数量以下でないと判断されると、前記記憶装置に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増加させた値に更新する分納回数更新ステップと、を前記コンピュータの演算装置に実行させ、
前記分納回数更新ステップで、前記記憶装置に格納されている前記分納回数が更新されると、前記分納数量算出ステップ、前記分納期間算出ステップ、前記分納時設定ステップ、前記第二判断ステップでは、更新された前記分納回数に基づく処理を実行する、ことを特徴とする。
【0011】
上記第一の発明では、納品先での収納限度数を考慮し、納品先からの依頼された納品数量がこの収納限度数量を上回る場合には、納品数量分の製品の分納する生産計画を作成するので、納品先で製品を収納できなくなる事態や、納品先で製品を収納する場所を確保するための混乱等を回避することができる。
【0012】
また、前記課題を解決するための生産計画作成装置に係る第二の発明は、
前記第一の発明において、前記分納時設定手段は、前記最終納期から、前記納品数量を前記消費率で割った値を減算して、初回分納時を定め、該初回分納時を基準にして、以降の分納時を定めることを特徴とする。なお、前記分納時設定手段は、前記最終納期を最終分納時とし、該最終分納時を基準にして、それ以前の分納時を定めてもよい。
【0013】
前記課題を解決するための生産計画作成装置に係る第三の発明は、
前記第一又は第二の発明において、前記分納数量算出手段は、前記納品数量を前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数で除算し、該除算で得られた値の自然数部分の値を、最終分納時を除く全ての分納時における分納数量とし、前記納品数量から該最終分納時を除く全ての分納時における分納数量の合計値を減算した値を、該最終分納時における分納数量とすることを特徴とする。
【0014】
前記課題を解決するための生産計画作成装置に係る第四の発明は、
前記第一から第三のいずれか一の発明において、前記製品の生産元での該製品の収納限度数量を受け付ける生産元条件受付手段と、前記複数の分納時毎の分納数量のうち、最大分納数量を用いて、該最大分納数量の分納時直前における前記生産元での在庫数量を算出する生産元在庫数量算出手段と、前記生産元在庫数量算出手段で算出された前記生産元での在庫数量が、該生産元での前記収納限度数量以下であるか否かを判断する第三判断手段と、を備え、
前記出力手段は、前記出力条件として、前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下であると判断されたことを含め、該出力上条件を満たすと、該出力条件を満たした前記生産計画を出力し、前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下でないと判断されると、前記分納回数更新手段は、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増加させた値に更新する、ことを特徴とする。
【0015】
第四の発明では、納品先の依頼に応じた生産計画は、生産元での在庫数量がこの生産元での収納限度数量以下である場合に出力される。
【0016】
前記課題を解決するための生産計画作成装置に係る第五の発明は、
前記第四の発明において、前記生産元条件受付手段は、前記生産元での単位期間あたりの最大生産量である最大生産率を受け付け、
当該生産計画作成装置は、前記分納数量算出手段で算出された複数の前記分納時毎の分納数量と前記分納期間とを用いて、各分納数量分の製品を製造するために必要な、前記製品の単位期間あたりの前記生産元での生産量である必要生産率を算出する必要生産率算出と、前記必要生産率が前記最大生産率以下であるか否かを判断する第四判断手段と、を備え、
前記出力手段は、前記出力条件として、前記第四判断手段により、前記必要生産率が前記最大生産率以下であると判断されたことを含め、該出力条件を満たすと、該出力条件を満たした前記生産計画を出力し、前記第四判断手段により、前記必要生産率が前記最大生産率以下でないと判断されると、前記分納回数更新手段は、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増加させた値に更新する、ことを特徴とする。
【0017】
第五の発明では、納品先の依頼に応じた生産計画は、生産元での必要生産率が、この生産元での最大生産率以下である場合に出力される。
【0018】
前記課題を解決するための生産計画作成装置に係る第六の発明は、
前記第一から第三のいずれか一の発明において、前記製品の生産元での該製品の収納限度数量を受け付ける生産元条件受付手段と、前記生産計画記憶手段に新たな生産計画が格納されると、前記生産計画記憶手段に、初回分納時から最終分納時までの期間が該新たな生産計画の初回分納時から最終分納時までの期間と、少なくとも部分的に重複する1以上の他の生産計画が、格納されているか否かを判断する期間重複判断手段と、前記期間重複判断手段で前記重複する1以上の他の生産計画が格納されていると判断されると、該1以上の他の生産計画における各分納時の分納数量と、前記新たな生産計画における各分納時の分納数量とを用いて、重複している期間中における、前記生産元での在庫数量を算出する生産元在庫数量算出手段と、前記生産元在庫数量算出手段で算出された前記生産元での在庫数量が、該生産元での前記収納限度数量以下であるか否かを判断する第三判断手段と、を備え、
前記出力手段は、前記出力条件として、前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下であると判断されたことを含め、該出力条件を満たすと、該出力条件を満たした前記生産計画を出力し、前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下でないと判断されると、前記分納回数更新手段は、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増加させた値に更新する、ことを特徴とする。
【0019】
第六の発明では、新たな生産計画の期間と他の生産計画の期間とが重複する場合でも、新たな生産計画は、生産元での統合在庫数量がこの生産元での収納限度数量以下である場合に出力される。
【0020】
前記課題を解決するための生産計画作成装置に係る第七の発明は、
前記第一から第三のいずれか一の発明において、前記生産元での前記製品の収納限度数量と、該生産元での単位期間あたりの最大生産量である最大生産率と、を受け付ける生産元条件受付手段と、前記生産計画記憶手段に新たな生産計画が格納されると、前記生産計画記憶手段に、初回分納時から最終分納時までの期間が該新たな生産計画の初回分納時から最終分納時までの期間と、少なくとも部分的に重複する1以上の他の生産計画が、格納されているか否かを判断する期間重複判断手段と、前記期間重複判断手段で前記重複する1以上の他の生産計画が格納されていると判断されると、該1以上の他の生産計画における各分納時の分納数量と、前記新たな生産計画における各分納時の分納数量とを用いて、重複している期間中における、前記生産元での在庫数量を算出する生産元在庫数量算出手段と、前記生産元在庫量算出手段で算出された前記生産元での在庫数量が、該生産元での前記収納限度数量以下であるか否かを判断する第三判断手段と、前記期間重複判断手段で前記重複する1以上の他の生産計画が存在すると判断されると、各生産計画毎に、当該生産計画における複数の前記分納時毎の分納数量と前記分納期間とを用いて、当該生産計画における各分納数量分の製品を製造するために必要な、前記製品の単位期間あたりの前記生産元での生産量である必要生産率を算出し、各生産計画毎の必要生産率を用いて、前記重複している期間中における、各生産計画を合わせた前記生産元での統合必要生産率を算出する必要生産率算出手段と、前記必要生産率算出手段で算出された前記統合必要生産率が前記最大生産率以下であるか否かを判断する第四判断手段と、を備え、
前記出力手段は、前記出力条件として、前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下であると判断されたことと、前記第四判断手段により、前記統合必要生産率が前記最大生産率以下であると判断されたことと、を含め、該出力条件を満たすと、該出力条件を満たした前記生産計画を出力し、前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下でないと判断されるか、前記第四判断手段により、前記統合必要生産率が前記最大生産率以下であると判断されると、前記分納回数更新手段は、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増加させた値に更新する、ことを特徴とする。
【0021】
第七の発明では、新たな生産計画の期間と他の生産計画の期間とが重複する場合でも、新たな生産計画は、生産元での統合生産率がこの生産元での最大生産率以下である場合に出力される。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、各場所での在庫量が収納限度数量を満たす生産計画を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る一実施形態における生産計画作成装置と納品先端末との関係を示す説明図である。
【図2】本発明に係る一実施形態における生産計画作成装置の構成図である。
【図3】本発明に係る一実施形態における生産元情報テーブルのデータ構成を示す説明図である。
【図4】本発明に係る一実施形態における納品先情報テーブルのデータ構成を示す説明図である。
【図5】本発明に係る一実施形態における納品条件テーブルのデータ構成を示す説明図である。
【図6】本発明に係る一実施形態における生産計画テーブルのデータ構成を示す説明図である。
【図7】本発明に係る一実施形態における生産計画作成装置の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図8】本発明に係る一実施形態における生産計画作成装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図9】本発明に係る一実施形態における生産計画作成装置の動作を示すフローチャート(その3)である。
【図10】本発明に係る一実施形態における生産計画作成装置の動作を示すフローチャート(その4)である。
【図11】本発明に係る一実施形態における納品依頼画面を示す説明図である。
【図12】本発明に係る一実施形態における納品計画(生産計画)画面を示す説明図である。
【図13】本発明に係る一実施形態における生産元での在庫数量の変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る一実施形態としての生産計画作成装置について説明する。
【0025】
ここで、本実施形態においては、生産対象がリチウムイオン電池とする。このリチウムイオン電池は、セル内に封入されている電解液が消防法上の危険物であるため、その保管量や保管方法に関して消防法や各地域の条例等による規制を受ける。このため、このリチウムイオン電池の保管場所では、そこの管理体制や地域等に応じて、このリチウムイオン電池の収容数量に制限がある。
【0026】
そこで、本実施形態では、リチウムイオン電池の生産元での収容限度数量、生産元からの納品先での収納限度数量を考慮して、リチウムイオン電池の生産計画を作成する生産計画作成装置を提案する。
【0027】
本実施形態の生産計画作成装置100は、図1に示すように、生産元の管理棟等に設置される。この生産元には、製品であるリチウムイオン電池Pを保管する保管庫2が存在する。
【0028】
この生産計画作成装置100は、製品の納品先である納品先端末10a,10bと通信ネットワーク1を介して、通信可能に接続されている。各納品先にも、生産元から納品された製品Pを保管する保管庫3a,3bが存在する。
【0029】
生産計画作成装置100は、図2に示すように、コンピュータであり、各種演算処理を行うCPU110と、ハードディスクドライブ装置等の記憶装置130と、通信ネットワーク1を介して外部装置10a,10bと通信する通信装置101と、CPU110のワークエリア等になるメモリ102と、キーボードやマウス等の入力装置104と、表示装置105と、入力装置104や表示装置105のインタフェース103と、ディスク型記憶媒体109に対してデータの記憶処理や再生処理を行う記憶・再生装置106と、を有している。
【0030】
記憶装置130には、生産計画作成プログラム137、通信制御プログラム138、入出力制御プログラム139等の各種プログラムが予め格納されている。これらのプログラム137,138,139は、記憶・再生装置106を介して、ディスク型記憶媒体109から記憶装置130に取り込まれる。なお、これらのプログラム137,138,139は、通信装置101を介して外部装置から記憶装置130に取り込まれてもよい。
【0031】
この記憶装置130には、さらに、生産計画作成プログラム137の実行過程で、以下のテーブルが設けられる。すなわち、生産元の各種情報が格納される生産元情報テーブル131と、納品先の各種情報が格納される納品先情報テーブル132と、納品先の納品条件が格納される納品条件テーブル133と、生産計画が格納される生産計画テーブル134とが、記憶装置130に設けられる。なお、以上の各テーブル131〜134のデータ構成については、後述する。
【0032】
CPU110は、機能的に、生産計画を作成する生産計画作成部111と、通信装置101を制御する通信制御部128と、入出力装置104,105を制御する入出力制御部129と、を有している。なお、生産計画作成部111は、記憶装置130に格納されている生産計画作成プログラム137をCPU110が実行することで機能し、通信制御部128は、記憶装置130に格納されている通信制御プログラム138をCPU110が実行することで機能し、入出力制御129は、記憶装置130に格納されている入出力制御プログラム139をCPU110が実行することで機能する。
【0033】
生産計画作成部111は、生産元の各種条件を受け付ける生産元条件受付部112と、納品先の各種条件を受け付ける納品条件受付部113と、納品先から依頼された納品数量分の製品を分納する際の分納回数を算出する分納回数算出部114と、各分納回における分納数量を算出する分納数量算出部115と、ある分納回から次の分納回までの期間である分納期間を算出する分納期間算出部116と、各分納回の分納日を定める分納時設定部117と、納品先の在庫数量を算出する納品先在庫数量算出部118と、生産元の在庫数量を算出する生産元在庫数量算出部119と、所定の条件を満たさない場合に分納回数を1つ増やす分納回数更新部122と、分納数量を生産するために必要な単位期間当たりの生産数量である必要生産率を算出する必要生産率算出部123と、各種条件等を満たしているか否かを判断する判断部124と、出力データを作成して、この出力データを通信制御部128や入出力制御部129に渡す出力部125と、を有している。
【0034】
次に、図3を用いて、生産元情報テーブル131のデータ構成について説明する。
【0035】
この生産元情報テーブル131は、生産元での製品の収納限度数量が格納される収納限度数量領域131aと、生産元での単位期間当たりの最大生産数量である最大生産率が格納される最大生産率領域131bと、を有している。なお、ここでは、生産元での収納限度数量が5000個、生産元での最大生産率が1000個/日である。
【0036】
次に、図4を用いて、納品先情報テーブル132のデータ構成について説明する。
【0037】
この納品先情報テーブル132は、納品先の名称が格納される納品先名領域132aと、当該納品先のIDが格納される納品先ID領域132bと、当該納品先での製品の収納限度数量が格納される収納限度数量領域132cと、当該納品先での単位期間当たりの製品消費量である消費率が格納される消費率領域132dと、当該納品先の通信アドレスが格納される通信アドレス領域132eと、当該納品先の納品場所の住所が格納される納品場所領域132fと、を有する。
【0038】
次に、図5を用いて、納品条件テーブル133のデータ構成について説明する。
【0039】
この納品条件テーブル133は、納品先からの納品依頼毎に付される依頼IDが格納される依頼ID領域133aと、納品先IDが格納される納品先ID領域133bと、当該納品先から納品依頼された日付が格納される依頼日領域133cと、納品依頼された製品種が格納される製品種領域133dと、当該納品先から依頼された最終納期が格納される最終納期領域133eと、当該納品先から依頼された納品数量が格納される納品数量領域133fと、当該納品先での製品の収納限度数量が格納される収納限度数量領域133gと、当該納品先での単位期間当たりの製品消費数量である消費率が格納される消費率領域133hと、を有している。
【0040】
ところで、本実施形態の場合、収納限度数量は、製品種によって異なる。例えば、ある製品種の製品では、危険物である電解液の量がAmlであるため、収納限度数量が5000個になるが、他の製品種の製品では、電解液の量がBmlであるため、収納限度数量が4000個になるような場合がある。そこで、本実施形態では、基準となる製品種を定め、その製品種の製品に関する生産元での収納限度数量が、生産元情報テーブル131の収納意限度数量領域131aに格納される。また、納品先情報テーブル132の収納限度数量領域132c及び納品条件テーブル133の収納限度数量領域133gにも、前述の基準となる製品種の製品に関する納品先での収納限度数量が格納される。
【0041】
また、本実施形態の場合、生産元での生産率や納品先での消費率も、製品種によって異なる。このため、本実施形態では、収納限度数量の扱いと同様、基準となる製品種を定め、その製品種の製品に関する生産元での生産率が、生産元情報テーブル131の生産率領域131bに格納される。また、納品先情報テーブル132の消費率領域132d及び納品条件テーブル133の消費率領域133hにも、前述の基準となる製品種の製品に関する納品先での消費率が格納される。
【0042】
次に、図6を用いて、生産計画テーブル134のデータ構成について説明する。
【0043】
この生産計画テーブル134は、依頼IDが格納される依頼ID領域134aと、納品先IDが格納される納品先ID領域134bと、納品依頼された製品種が格納される製品種領域134cと、納品先から依頼された納品数量分の製品を分納する際の分納回数が格納される分納回数領域134dと、各分納回における分納日及び分納数量が格納される分納日/数量領域134eと、を有している。
【0044】
次に、本実施形態の生産計画作成装置100の動作について説明する。
【0045】
生産計画作成装置100は、生産計画の作成に先立ち、生産元及び納品先の情報を受け付ける。
【0046】
具体的には、生産元における生産計画の管理者等が生産計画作成装置100の入力装置106を操作して、生産元の各種情報を生産計画作成装置100に入力する。ここで入力する情報としては、生産元の収納限度数量と生産率である。収納限度数量及び生産率は、前述したように、製品種によって異なる。このため、ここで入力する収納限度数量及び生産率は、基準となる製品種に関する収納限度数量及び生産率である。
【0047】
生産計画作成部100の生産元条件受付部112は、入力装置106から、入出力制御部129を介して、収納限度数量及び生産率を受け付けると、これらを図3に示す生産元情報テーブル131の該当領域に格納する。
【0048】
さらに、生産計画の管理者等は、生産計画作成装置100の入力装置106を操作して、納品先の各種情報を生産計画作成装置100に入力する。ここで入力する情報としては、納品先の名称、収納限度数量、消費率、通信アドレス、納品場所の住所等である。なお、ここで、ここで入力する収納限度数量及び消費率も、基準となる製品種に関する収納限度数量及び生産率である。
【0049】
生産計画作成装置100の納品条件受付部113は、入力装置106から、入出力制御部129を介して、納品先の名称、収納限度数量、消費率、通信アドレス、納品場所の住所を受け付けると、図4に示す納品先情報テーブル132に新たなレコードを作成し、このレコードの該当領域に、受け付けた情報を格納する。さらに、納品条件受付部113は、納品先を一意に特定する納品先IDを定め、これを新たなレコードの納品先ID領域132bに格納する。
【0050】
生産計画作成装置100の出力部125は、納品先情報テーブル132に新たなレコードが作成されると、新たなレコードの納品先ID領域132bから納品先IDを取得すると共に、通信アドレス領域132eから納品先の通信アドレスを取得する。次に、出力部125は、この納品先IDが納品先の会社のIDである旨を示す送信データ、例えば、「貴社のIDは、A052です。」等の送信データを作成する。そして、出力部125は、この送信データと、納品先で納品依頼するため及び納品計画通知を受けるためアプリケーションソフトと、これらの送信先を示す通信アドレスを通信制御部128に渡す。通信制御部128は、送信データ、アプリケーションソフト及び通信アドレスを受け取ると、送信データ及びアプリケーションソフトを通信アドレスが示す装置、つまり納品先端末に送信する。
【0051】
以上で、生産計画作成のための初期設定処理が終了する。
【0052】
次に、納品先から生産元に納品依頼する場合の処理について説明する。
【0053】
納品先から生産元に納品依頼する場合、納品先の管理人等は、納品先端末を操作して、先に生産計画作成装置100から送られてきたアプリケーションソフトを起動させて、図11に示す納品依頼画面150を呼び出す。
【0054】
この納品依頼画面150には、現在の日付が示されている日付領域151と、当該納品先のIDである会社IDが入力される会社ID入力領域152と、納品依頼する製品種が入力される製品種入力領域153と、最終納期が入力される最終納期入力領域154と、納品数量が入力される納品数量入力領域155と、当該納品先の収納限度数量が入力される収納限度数量領域156と、当該納品先での製品の消費率が入力される消費率入力領域157と、決定ボタン158とが表示されている。
【0055】
この納品依頼画面150中の各入力領域のうち、会社ID入力領域152、収納限度数量領域156及び消費率入力領域157には、データが予め入力されている。具体的に、会社ID入力領域152には、当該納品先情報の入力処理の際に、生産計画作成装置100で設定された納品先IDが入力されており、収納限度数量領域156には、前記入力処理の際に入力された収納限度数量が入力されており、消費率入力領域157には、前記入力処理の際に入力された収納限度数量が入力されている。
【0056】
納品先の管理人等は、この納品依頼画面150を見ながら、納品先端末の入力装置を操作して、未入力の入力領域153,154,155の全てに、データを入力する。この際、最終納期入力領域154には、現在日(今日)から最終納期までの日数を入力する。また、収納限度数量領域156に既に入力されている収納限度数量、消費率入力領域157に既に入力されている消費率が、現時点での当該納品先の値と異なっている場合には、これらの領域156,157にも、新たな値のデータを入力する。
【0057】
納品先の管理人等は、入力領域の全てにデータを入力すると、決定ボタン158をクリックする。納品先端末は、決定ボタン158がクリックされると、全入力領域152〜157に入力されているデータの集まりを納品条件として、生産元の生産計画作成装置100へ送信する。
【0058】
以上で、納品先での納品依頼処理が終了する。
【0059】
次に、図7〜図10に示すフローチャートに従って、生産計画作成装置100における生産計画作成処理について説明する。
【0060】
なお、本実施形態の生産計画作成装置100は、以下の前提の下で、生産計画作成処理を実行する。
(1) 納品先は、分納した製品を分納日の次の日以降に消費する。
(2)納品先は、在庫が存在する限り、製品を連日消費し、その消費率は一定である。
(3)生産元及び納品先の収容限度数量は、基本的に一定である。
(4)生産元の生産率は可変である。但し、生産元の最大生産率は不変である。
(5)最終納期は、現在日(本日)を0とした残日数である。
(6)分納日の分納は、この分納日の定時後に行う。
【0061】
生産計画作成装置100の納品条件受付部113は、通信制御部128を介して、納品先端末からの納品条件を受け付けると(S1)、図5に示す納品条件テーブル133に新たなレコードを作成し、この新たなレコード中の該当領域に、納品条件に含まれている各データを格納する。さらに、納品条件受付部113は、この納品条件の納品依頼に対する依頼IDを定め、これを新たなレコード中の依頼ID領域133aに格納すると共に、新たなレコード中の依頼日領域133cに、納品条件を受け付けた日付を格納する(S2)。
【0062】
ここで、納品条件テーブル133の新たなレコードに格納されたデータは、図5に示すように、依頼IDが「X0087」、納品先IDがA会社のIDである「A052」、依頼日が「2010/04/11」、製品種が「X01」、最終納期が「50(日)」、納品数量が「2000(個)」、収納限度数量が「300(個)」、消費率が「50(個/日)」であるとする。なお、製品種「X01」は、以下の説明の簡略化のため、収納限度数量、消費率及び生産率の基準となる製品種であるとする。
【0063】
納品条件受付部113により、納品条件が格納されると(S2)、判断部124は、納品条件テーブル133の納品数量領域133fに格納された納品数量Qが、同テーブル133の収納限度数量領域133gに格納された収納限度数量Rd以下であるか否かを判断する。
【0064】
納品数量Qが収納限度数量Rd以下でなければ、言い換えると、納品数量Qが収納限度数量Rdより多ければ、納品数量分の製品を何回かに分けて分納する必要があるとして、ステップ4に進み、納品数量Qが収納限度数量Rd以下であれば、基本的に分納する必要がないとして、ステップ20に進む。
【0065】
この場合、納品数量「2000(個)」が収納限度数量「300(個)」以下でないため、分納する必要があるとして、ステップ4に進む。なお、納品条件に含まれている製品種が基準となる製品種でない場合、判断部124は、納品数量を基準となる製品種の納品数量に換算するための換算係数を掛けた後、収納限度数量との大小関係を比較する。
【0066】
分納時設定部117は、ステップ4で、初回分納日Kを算出する。具体的に、分納時設定部117は、まず、以下の数(1)に示すように、納品数量Qを消費率γで割って、この納品数量Q分の製品を全て消費する日数Tを求める。
納品数量消費日数T=S(Q/γ) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
なお、関数Sは、Q/γの値が、小数点以下の数値を含む場合、小数点以下を切り上げる処理を示す関数である。すなわち、ここでは、この納品数量Q分の製品を全て完全に消費する日数Tを求めるために、Q/γの値が、小数点以下の数値を含む場合、小数点以下を切り上げる。
【0067】
分納時設定部117は、次に、以下の数(2)に示すように、最終納期Pから、納品数量消費日数Tに1日を加えた値を減算して、初回分納日Kを算出する。なお、初回分納日Kも現在日(本日)を0とした残日数である。
初回分納日K=P−(T+1)
=P−{S(Q/γ)+1} ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
【0068】
この場合、以下に示すように、初回分納日Kは9日になる。
初回分納日K=50−{S(2000/50)+1}
=9
【0069】
次に、判断部124は、初回分納日Kが現在日より後であるか否かを判断する(S5)。具体的には、初回分納日K>0であるか否かを判断する。初回分納日Kが現在日より後でない場合には、当該納品数量Q分の製品を最終納期Pまでに納品できないとして、ステップ41へ進む。また、初回分納日Kが現在日より後である場合には、ステップ6に進む。
【0070】
この場合、初回分納日K(=9)>0なので、ステップ6に進む。
【0071】
分納回数算出部115は、ステップ6で、以下の数(3)に示すように、納品数量Qを納品先の収納限度数量Rdで割って、分納回数Nを算出する。
分納回数N=S(Q/Rd)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
なお、ここでも、Q/Rdの値が、小数点以下の数値を含む場合、小数点以下を切り上げる。
【0072】
この場合、以下に示すように、分納回数Nは7回となる。
分納回数N=S(2000/300)
=S(6.666)
=7
【0073】
次に、分納数量算出部115が、各分納回毎の分納数量Uxを算出する(S7)。具体的に、分納数量算出部115は、以下の数(4)に示すように、納品数量Qを分納回数Nで割って、初回から最終回の一回前までの各分納回の分納数量Uxを求める。
分納数量Ux=F(Q/N) (1≦x≦(N−1)) ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
なお、関数Fは、Q/Nの値が、小数点以下の数値を含む場合、小数点以下を切り捨てる処理を示す関数である。
【0074】
さらに、分納数量算出部115は、以下の数(5)に示すように、初回から最終回の一回前までの各分納回の分納数量Uxの合計値を、納品数量Qから減算して、最終回の分納数量Uを求める。すなわち、ここでは、初回から最終回の一回前までの各分納回の分納数量を、納品数量Qを分納回数Nで割った際の商(自然数)の値とし、余り分を最終回の分納で帳尻を合わせている。
分納数量U=Q−(N−1)・U ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
【0075】
この場合、以下に示すように、初回から最終回の一回前まで、つまり初回から第6回までの各分納回の分納数量U1〜6が285個で、最終回の第7回の分納数量Uが290個となる。
分納数量U1〜6=F(2000/7)
=F(285.71)
=285
分納数量U7=2000−(7−1)×285
=290
【0076】
次に、分納期間算出部116が、ある分納回から次の分納回までの期間である分納期間Iを算出する(S8)。ここでは、以下の数(6)に示すように、納品数量消費日数Tに1日を加えた値を分納回数Nで割った値を分納期間Iとする。
分納期間I=F{(T+1)/N}
=F{(S(Q/γ)+1)/N} ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
なお、ここでも、(T+1)/Nの値が、小数点以下の数値を含む場合、小数点以下を切り捨てる。
【0077】
この場合、以下に示すように、分納期間Iは5日間になる。
分納期間I=F{(S(2000/50)+1)/7}
=F{(40+1)/7}
=F(5.85)
=5
【0078】
次に、分納時設定部117が、初回分納日Kを基準として、以降の分納回の分納日を定め、生産計画テーブル134に各分納日等を格納する(S9)。
【0079】
まず、分納時設定部117は、現在日を0としたきの残日数で示されている初回分納日Kを実際の日付に変更する。次に、初回分納日の日付に、分納期間Iを加えて、以降の分納日の日付を定める。
【0080】
この場合、分納時設定部117は、現在日、つまり依頼日の日付が「2010/04/11」で、初回分納日Kが9(日)であるため、初回分納の日付を「2010/04/20」とする。次に、初回分納の日付に分納期間(5日間)を加えて、第二回分納の日付を「2010/04/25」とする。以降、同様に、最終回までの各日付を定める。
【0081】
次に、分納時設定部117は、図6に示す生産計画テーブル134に新たなレコードを作成し、新たなレコード中の依頼ID領域134a、納品先ID領域134b、製品種領域134cに、図5に示す納品条件テーブル133の依頼ID領域133aに格納されている依頼ID「X0087」、納品先ID領域133bに格納されている納品先ID「A052」、製品種領域133dに格納されている製品種「X01」を格納する。続いて、生産計画テーブル134の新たなレコード中の分納回数領域134dに、ステップ6で求められた分納回数「7」を格納する。そして、この新たなレコード中の分納日/数量領域134eに、各分納回の日付を格納すると共に、ステップ7で求めた分納回毎の分納数量を、各分納回の日付に対応付けて格納する。
【0082】
次に、納品先在庫数量算出部118が、各分納時直後の納品先の在庫数量Sdxを算出する(S10)。
【0083】
ここで、2回目以降における、各分納時直前における該当分納期間中の未消費分は、前回の分納数量Uから分納期間での消費量(I・γ)を減算した値(U−I・γ)である。このため、各分納時直前までの未消費分の積算値Σxは、式(7)に示すように、各分納時直前における該当分納期間中の未消費分に、(当該回数−1)を掛けた値になる。
Σx=C{(U−I・γ)・(X−1)} ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
なお、関数Cは、{ }内の値が負の値のときは、出力を「0」にする関数である。また、ここでは、初回分納時直前の納品先での在庫数量は0であるとしている。
よって、各分納時直後の納品先の在庫数量Sdxは、式(8)に示すように、各分納時の分納数量Uxに、各分納時直前までの未消費分の積算値Σxを加えた値となる。
在庫数量Sdx=Ux+Σx
=Ux+C{(U−I・γ)・(X−1)} ・・・・・・・・・・・・・・・(8)
【0084】
この場合、以下に示すように、初回分納時直後の在庫数量Sdは285個となり、2回目直後の在庫数量Sdは320個となり、最終の7回目の分納直後の在庫数量Sd7は600個となる。
在庫数量Sd=285+C{(285−5×50)×(1−1)}=285
在庫数量Sd=285+C{(285−5×50)×(2−1)}
=285+C{35×1}=320
在庫数量Sd=285+C{(285−5×50)×(3−1)}
=285+C{35×2}=355

在庫数量Sd7=290+C{(285−5×50)×(3−1)}
=290+C{35×6}=600
【0085】
各分納時直後の納品先の在庫数量Sdxが算出されると(S10)、判断部124は、各分納直後の在庫数量Sdxが、いずれも納品先の収納限度数量Rd以下であるか否かを判断する(S11)。そして、各分納直後の在庫数量Sdxが、いずれも納品先の収納限度数量Rd以下であると判断すると、ステップ20(図8)に進み、各分納直後の在庫数量Sdxのいずれかが、納品先の収納限度数量Rd以下でないと判断すると、ステップ12に進む。
【0086】
この場合、納品先の収納限度数量Rdが300個であるのに対して、2回目以降の分納直後の在庫数量Sdは、いずれも320個以上であるから、各分納直後の在庫数量Sdxのいずれかが、納品先の収納限度数量Rd以下でないと判断して、ステップ12に進む。
【0087】
判断部124は、ステップ12で、分納回数Nと納品数量を消費する日数である消費日数T(=Q/γ)とが等しいか否かを判断する。
【0088】
判断部124は、ステップ12で、分納回数Nが納品数量の消費日数T(=Q/γ)と等しいと判断した場合、さらに、前述したステップ5で、初回分納日Kが現在日より後でないと判断した場合には、ステップ41(図10)に進む。このステップ41において、判断部124は、出力部125に、納品先へ納品不能である旨の送信データを作成させ、通信制御部128から納品先へこの送信データを送信させる。続いて、判断部124は、ステップ2で納品条件テーブル133に作成された新たなレコード、及びステップ9で生産計画テーブル134に作成された新たなレコードを削除し(S42)、一連の処理を終了する。
【0089】
一方、判断部124が、ステップ12で、分納回数Nは納品数量の消費日数T(=Q/γ)と等しくないと判断すると、分納回数更新部122が、生産計画テーブル134の新たなレコードの分納回数領域134d内の分納回数Nを、(N+1)に更新する。
【0090】
この場合、分納回数Nが7で、納品数量の消費日数Tが40(=2000/50)であから、ステップ12において、分納回数Nは納品数量の消費日数Tと等しくないと判断され、ステップ13において、生産計画テーブル134の新たなレコードの分納回数領域134d内の分納回数が7から8に更新させる。
【0091】
分納回数が更新されると(S13)、ステップ7に戻り、以降、ステップ11で、各分納直後の在庫数量Sdxがいずれも納品先の収納限度数量Rd以下であると判断されるか、ステップ12で、分納回数Nは納品数量の消費日数Tと等しいと判断されない限り、ステップ7〜ステップ13の処理が繰り返し実行される。
【0092】
この場合、二回目のステップ7の処理では、以下に示すように、各分納回の分納数量U1〜8として250個が算出される。
分納数量U1〜6=F(2000/8)=F(250.0)=250
分納数量U7=2000−(8−1)×250=250
【0093】
また、二回目のステップ8の処理では、以下に示すように、分納期間Iとして5日間が算出される。
分納期間I=F{(S(2000/50)+1)/8}
=F{(40+1)/8}
=F(5.12)
=5
【0094】
二回目のステップ9の処理では、分納2回目以降の分納の日付を定め、1回目のステップ9で生産計画テーブル134に作成したレコードの分納日/数量領域134eに、各分納回の日付及び分納数量を上書きする。なお、この場合では、1回目のステップ8で算出された分納期間も二回目のステップ8で算出された分納期間も、5日間であるため、各分納回の日付は変わらず、各分納回の分納数量のみが変わる。
【0095】
また、二回目のステップ10の処理では、以下に示すように、各分納回直後の在庫数量Sd1〜8として250個が算出される。
在庫数量Sd=250+C{(250−5×50)×(1−1)}=250
在庫数量Sd=250+C{(250−5×50)×(2−1)}=250

在庫数量Sd8=250+C{(250−5×50)×(8−1)}=250
【0096】
また、二回目のステップ11の処理では、各分納直後の在庫数量Sd1〜8(=250)が、いずれも納品先の収納限度数量Rd(=300)以下であると判断され、ステップ20へ進む。
【0097】
ステップ20では、判断部124が、先のステップ9で生産計画テーブル134に格納された新生産計画に対して、分納期間が重複する他の生産計画が生産計画テーブル134中に存在するか否かを判断する。分納期間が重複する他の生産計画が存在しない場合にはステップ21にステップ21に進み、分納期間が重複する他の生産計画が存在する場合にはステップ31(図9)に進む。
【0098】
ここでは、新生産計画の最終分納日が他の生産計画の初回分納日より前であるか、新生産計画の初回分納日が他の生産計画の最終分納日より後であれば、新生産計画の分納期間と当該他の生産計画の分納期間とは、重複しないと判断する。一方、新生産計画の最終分納日が他の生産計画の初回分納日以降(他の生産計画の初回分納日より前でない)であり)、且つ新生産計画の初回分納日が他の生産計画の最終分納日以前(他の生産計画の最終分納日より後でない)であれば、新生産計画の分納期間と当該他の生産計画の分納期間とは、重複すると判断する。
【0099】
この場合、仮に、判断部124が、新生産計画に対して、分納期間が重複する他の生産計画が生産計画テーブル134中に存在しないと判断して、ステップ21に進んだとする。
【0100】
ステップ21では、必要生産率算出部123が、生産元で、新生産計画の各分納時毎に分納数量を生産するために必要な生産率αnsxを算出する。
【0101】
具体的に、生産元では、分納期間I中に分納数量Uxを生産できればよいので、必要生産率算出部123は、以下の数(9)に示すように、新生産計画の各分納時毎の分納数量Uxを分納期間Iで割って、各分納時毎の必要生産率αnsxを算出する。なお、ここでは、も、Ux/Iの値が、小数点以下の数値を含む場合、小数点以下を切り上げる。
必要生産率αnsx=S(Ux/I)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9)
【0102】
この場合、初回から最終回までの分納数量がいずれも250個であるため、新生産計画の各分納時毎の必要生産率αnsxは、以下に示すように、50個/日となる。
必要生産率αnx=250/50
=50
【0103】
必要生産率算出部123により、新生産計画の各分納時毎の必要生産率αnsxが算出されると(S21)、判断部124は、各分納時毎の必要生産率αnsxが、いずれも最大生産率αm以下であるか否かを判断する(S22)。各分納時毎の必要生産率αnsxが、いずれも最大生産率αm以下である場合には、ステップ23に進む。また、各分納時毎の必要生産率αnsxのいずれかが最大生産率αm以下でない場合、該当する分納時の分納数量を生産できないことになるので、ステップ12に戻り、前述したように、新生産計画を変更する処理が実行される。
【0104】
ステップ23では、生産元在庫数量算出部119が、新生産計画の各分納時毎に、分納時直前の在庫数量Spxを算出する。生産元在庫数量算出部119は、日々、その日の定時終了後の生産元の在庫数量を入出力制御部129を介して受け付けている。生産元在庫数量算出部119は、以下の数(10)に示すように、新生産計画の各分納時毎の分納数量Uxに、入出力制御部129を介して受け付けた現在日の在庫数量Stを加えて、生産元での各分納時直前の在庫数量Spxを算出する。
在庫数量Spx=Ux+St ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(10)
【0105】
この場合、仮に、現在日の在庫数量Stを0とすると、各分納時毎の分納数量Uxが250であるから、生産元での各分納時直前の在庫数量Spxは、以下に示すように、いずれのときも250個となる。
在庫数量Spx=250+0
【0106】
生産元在庫数量算出部119により、生産元での各分納時直前の在庫数量Spxが算出されると(S23)、判断部124は、各分納時直前の在庫数量Spxが、いずれも生産元での収納限度数量Rp以下であるか否かを判断する(S24)。分納時直前の在庫数量Spxが、いずれも生産元での収納限度数量Rp以下である場合には、ステップ25に進む。また、分納時直前の在庫数量Spxのいずれかが、生産元での収納限度数量Rp以下でない場合、生産元では、該当する分納時直前の在庫数量を収納できないことになるので、ステップ12に戻り、前述したように、新生産計画を変更する処理が実行される。
【0107】
この場合、生産元での各分納時直前の在庫数量Spxがいずれも250であり、生産元の収納限度数量Rpが5000個であるから、分納時直前の在庫数量Spxが、いずれも生産元での収納限度数量Rp以下であると判断して、ステップ25に進む。
【0108】
判断部124により、各分納時直前の在庫数量Spxがいずれも生産元での収納限度数量Rp以下であると判断されると(S24)、出力部125は、新生産計画に関する納品先用の計画表示データ、及び生産元用の計画表示データを作成し、納品先用の計画表示データを通信制御部128により、納品先端末へ送信させると共に、生産元の計画表示データを入出力制御部129を介して、生産計画作成装置100の表示装置105に出力させ(S25)、一連の処理を終了する。
【0109】
出力部125は、新生産計画を作成するために用いた納品条件に関するデータを納品条件テーブル133(図5)から取得すると共に、この新生産計画に関するデータを生産計画テーブル134(図6)から取得する。さらに、当該納品条件に含まれている納品先IDを検索キーとして、納品先情報テーブル132から当該納品先IDに対応する納品先名を取得する。そして、納品先用及び生産元用の計画表示データを作成する。
【0110】
納品先端末は、生産計画作成装置100から納品先用の計画表示データを受信すると、図12に示すように、表示装置に納品計画(生産計画)画面160を表示する。この納品計画画面160には、納品先名「A会社」及び納品先ID「A052」161と、納品計画を以下で表示している旨の文言162と、依頼内容163と、納品計画(生産計画)164とが表示される。なお、納品先名「A会社」及び納品先ID「A052」161は、生産計画作成装置100の出力部125が納品条件テーブル133(図5)及び納品先情報テーブル132(図4)から取得したデータである。文言162は、当該表示データの送信に先立ち、出力部125が作成したデータである。依頼内容163は、納品条件テーブル133(図5)から取得したデータで、納品計画(生産計画)164は、生産計画テーブル134(図6)から取得したデータである。
【0111】
また、生産計画作成装置100の表示装置105には、納品先端末の表示装置に表示された内容と実質的に同じ内容の生産計画画面が表示される。但し、この生産計画画面中には、納品計画画面160中の文言162は表示されない。
【0112】
次に、ステップ20において、判断部124が、新生産計画に対して分納期間が重複する他の生産計画が生産計画テーブル134中に存在すると判断して、ステップ31(図9)に進む場合について説明する。
【0113】
ここで、生産計画作成装置100の納品条件受付部113は、ステップ1において、通信制御部128を介して、前述のA会社の端末とは異なるB会社の端末からの納品条件を受け付けたとする。納品条件受付部113は、B会社の端末からの納品条件を受け付けると(S1)、前述したように、納品条件テーブル133(図5)に納品条件を格納する(S2)。この場合、納品条件テーブル133に新たに格納されたデータは、図5に示すように、依頼IDが「X0088」、納品先IDがB会社のIDである「A029」、依頼日が「2010/05/07」、製品種が「X01」、最終納期が「30(日)」、納品数量が「2200(個)」、収納限度数量が「400(個)」、消費率が「80(個/日)」であるとする。
【0114】
納品条件受付部113により、納品条件が格納されると(S2)、判断部124は、前述したように、納品条件テーブル133の納品数量領域133fに格納された納品数量Qが、同テーブル133の収納限度数量領域133gに格納された収納限度数量Rd以下であるか否かを判断する(S3)。
【0115】
納品数量Qが収納限度数量Rd以下であれば、基本的に分納する必要がないとして、ステップ20に進む。判断部124は、ステップ20において、分納回数が「1(回)」で、最終分納日が最終納期Iの「2010/06/06」(=(2010/05/07)+30(日))で、分納期間Iが以下に示すように29日であるとして、この分納期間Iに重複する他の生産計画があるか否かを判断する。
【0116】
分納期間I=F{(S(Q/γ)+1)/1}
=F{(S(2200/80)+1)/1}
=F{((27.5)+1)/1}
=29
ここでは、前述の式(6)をそのまま適用して、上記分納期間Iを算出する。
【0117】
また、判断部124は、ステップ3において、納品数量Qが収納限度数量Rd以下であると判断すると、ステップ4に進む。この場合、納品数量Qが「2200(個)」で、収納限度数量Rdが「300(個)」であるから、納品数量Qが収納限度数量Rd以下でないと判断して、ステップ4に進む。
【0118】
ステップ4では、分納時設定部117が、初期分納日Kを算出する。この場合、以下に示すように、初回分納日Kは1日になる。
初回分納日K=P−{S(Q/γ)+1}
=30−{S(2200/80)+1}
=30−{S(27.5)+1}
=1
【0119】
次に、判断部124は、初回分納日Kが現在日より後であるか否かを判断する(S5)。この場合、初回分納日K(=1)>0なので、ステップ6に進む。
【0120】
ステップ6では、分納回数算出部115が分納回数Nを算出する。この場合、分納回数Nは、以下に示すように、6回となる。
分納回数N=S(Q/Rd)
=S(2200/400)
=S(5.5)
=6
【0121】
次に、分納数量算出部115が、各分納回毎の分納数量Uxを算出する(S7)。この場合、以下に示すように、初回から最終回の一回前まで、つまり初回から5回までの各分納回の分納数量U1〜5が366個で、最終回の分納数量Uが270個となる。
分納数量Ux=F(Q/N) (1≦x≦(N−1))
=F(2200/6)
=F(366.66)
=366
分納数量U=Q−(N−1)・U
=2200−(6−1)×366
=370
【0122】
次に、分納期間算出部116が、分納期間Iを算出する(S8)。この場合、以下に示すように、分納期間Iは4日間となる。
分納期間I=S((T+1)/N)
=S(29/6)
=S(4.83)
=4
【0123】
次に、分納時設定部117が、初回分納日を基準として、以降の分納回の分納日を定め、生産計画テーブル134に各分納日等を格納する(S9)。
【0124】
次に、納品先在庫数量算出部118が、各分納時直後の納品先の在庫数量Sdxを算出する(S10)。この場合、初回分納時直後の在庫数量Sdは366個で、2回目分納直後の在庫数量Sdは412個で、最終回(6回)分納直後の在庫数量Sdは600個となる。
在庫数量Sd=366+C{(366−4×80)×(1−1)}=366
在庫数量Sd=366+C{(366−4×80)×(2−1)}
=366+C{46×1}=412
在庫数量Sd=366+C{(366−4×80)×(3−1)}
=366+C{46×2}=458

在庫数量Sd=370+C{(366−4×80)×(6−1)}
=370+C{46×5}=600
【0125】
次に、判断部124は、各分納直後の在庫数量Sdxが、いずれも納品先の収納限度数量Rd以下であるか否かを判断する(S11)。この場合、納品先の収納限度数量Rdが400個であるのに対して、2回目以降の分納時直後の在庫数量Sdがいずれも412以上であるから、各分納直後の在庫数量Sdxのいずれかが、納品先の収納限度数量Rd以下でないと判断して、ステップ12に進む。
【0126】
判断部124は、ステップ12で、分納回数Nが納品数量の消費日数T(=Q/γ)と等しいか否かを判断する。この場合、分納回数Nが6で、納品数量の消費日数Tが28(=S(2200/80))であるから、分納回数Nは納品数量の消費日数Tと等しくないと判断され、ステップ13に進む。
【0127】
ステップ13では、分納回数更新部122が、生産計画テーブル134の分納回数領域134d内の分納回数Nを、(N+1)に更新する。この場合、分納回数を6から7に更新する。
【0128】
そして、再び、ステップ7に戻り、この二回目のステップ7でも、各分納回毎の分納数量Uxが算出される。この場合、初回から最終回の一回前まで、つまり初回から6回までの各分納回の分納数量U1〜6が314個、最終回の7回目の分納数量Uが316個となる。
【0129】
二回目のステップ8では、以下に示すように、分納期間Iとして、一回目と同じ4日間が算出される。
分納期間I=S((T+1)/N)=S(29/7)=S(4.14)=4
【0130】
そして、二回目のステップ9では、分納時設定部117が、図6に示す生産計画テーブル134の依頼ID領域134aに「X0088」が格納されているレコードの分納日/数量領域134eに以下のデータを格納する。すなわち、分納時設定部117は、このレコードに、初回分納日として「2010/05/08」、初回以降の分納日として、前回の分納日に分納期間(4日間)を加えた日付を格納する。また、初回から6回までの各分納回の分納数量U1〜6として314個、最終回の7回目の分納数量Uとして316個を格納する。
【0131】
二回目のステップ10では、初回から6(=7−1)回目までの分納時直後の在庫数量Sd1〜6として314個が算出され、最終回(7回)分納直後の在庫数量Sdとして314個が算出される。すなわち、各分納直後の在庫数量Sdxは、各分納時の分納数量Uxとなる。
在庫数量Sdx=Ux+C{(U−I・γ)・(X−1)}
在庫数量Sd=314+C{314−4×80}・(1−1)
=314+C{−6}×0=314
在庫数量Sd=314+{314−4×80}(2−1)
=314+C{−6}×1=314

在庫数量Sd=316+{314−4×80}(6−1)
=316+C{−6}×5=316
【0132】
二回目のステップ11では、各分納直後の在庫数量Sdx(=314or316)が、いずれも納品先の収納限度数量Rd(=400)以下であると判断され、ステップ20へ進む。
【0133】
ステップ20では、判断部124が、先のステップ9で生産計画テーブル134に格納したB会社の新生産計画に対して、分納期間が重複する他の生産計画が生産計画テーブル134中に存在するか否かを判断する。B会社の新生産計画に対して、分納期間が重複する他の生産計画が生産計画テーブル134中に存在する場合には、ステップ31に進み、B会社の新生産計画に対して、分納期間が重複する他の生産計画が生産計画テーブル134中に存在しない場合には、前述したステップ21に進む。
【0134】
判断部124は、このステップ20において、前述したように、新生産計画の最終分納日が他の生産計画の初回分納日以降(他の生産計画の初回分納日より前でない)であり)、且つ新生産計画の初回分納日が他の生産計画の最終分納日以前(他の生産計画の最終分納日より後でない)であれば、新生産計画の分納期間と当該他の生産計画の分納期間とは、重複すると判断する。
【0135】
ここで、図13に示すように、B会社の新生産計画の初回分納日は「2010/05/08」である。また、B会社の新生産計画の最終分納日は、初回分納日「2010/05/08」に、{分納期間I×(分納回数N−1)}(=4×(7−1)分の日数を加えた日付であるから、「2010/06/01である。
【0136】
A会社の生産計画の初回分納日は「2010/04/20」である。また、A会社の清算計画の最終分納日は、初回分納日「2010/04/20」に、{分納期間I×(分納回数N−1)}(=5×(8−1)分の日数を加えた日付であるから、「2010/05/25」である。
【0137】
このため、このステップ20では、B会社の新生産計画の最終分納日「2010/06/01」がA会社の生産計画の初回分納日「2010/04/20」以降であり)、且つB会社の新生産計画の初回分納日「2010/05/08」がA会社の生産計画の最終分納日「2010/05/25」以前であるから、B会社の新生産計画の分納期間とA会社の生産計画の分納期間とは、重複すると判断され、ステップ31に進む。
【0138】
ステップ31では、必要生産率算出部123が、生産元で、分納期間が重複すると判断された複数の生産計画を合わせた分納数量を生産するために必要な生産率αntxを算出する。
【0139】
具体的に、必要生産率算出部123は、以下の数(11)に示すように、重複期間中の各生産計画における各分納時の必要生産率αnsxの最大値を合計して、複数の生産計画を合わせた分納数量を生産するために必要な生産率αntxを求める。なお、数(11)において、関数Mは、各分納時の必要生産率αnsx中で最大の値を出力する関数である。また、ある一つの生産計画を実行する場合の必要生産率αnsxは、前述の式(9)に示すように、各分納時毎の分納数量Uxを分納期間Iで割った値である。
必要生産率αntx=Σ〔M(αnsx)〕
=Σ〔{S(Ux/I)}〕 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(11)
【0140】
この場合、B会社の新生産計画では、初回から6回目の分納数量Uxが314個で、最終回の7回目の分納数量Uが316個であり、分納期間Iは4日間であるから、この新生産計画における必要生産率αnsxは、以下に示すように、いずれの分納時においても79個/日となる。このため、重複期間中の必要生産率αnsxの最大値も79個/日となる。
必要生産率αns1〜6=S(314/4)=S(78.5)=79
必要生産率αns=S(316/4)=S(79.0)=79
【0141】
また、A会社の生産計画では、前述したように、いずれの分納時においても、分納数量Uxが50個/日である。このため、重複期間中の必要生産率αnsxの最大値も50個/日となる。
【0142】
よって、この場合、各生産計画を合わせた分納数量を生産するための必要生産率αntxは、以下のように、129個/値となる。
必要生産率αntx=Σ〔M(αnsx)〕=79+50=129
【0143】
必要生産率算出部123により、期間が重複する各生産計画を合わせた分納数量を生産するための必要生産率αntxが算出されると(S31)、判断部124は、この必要生産率αntxが、生産元の最大生産率αm以下であるか否かを判断する(S32)。必要生産率αntxが生産元の最大生産率αm以下である場合には、ステップ33に進む。また、必要生産率αntxが生産元の最大生産率αm以下でない場合、生産元では、各生産計画を合わせた分納数量を生産できないことになるので、ステップ12に戻り、前述したように、新生産計画を変更する処理が実行される。
【0144】
ステップ33では、生産元在庫数量算出部119が、期間が重複する各生産計画を実行した場合の、重複期間の初日から最終日までの各日nにおける生産元の在庫数量Spt(n)を算出する。
【0145】
生産元在庫数量算出部119は、重複期間の各日nにおける各生産計画で生じる在庫数量Sps(n)の合計値Σ(Sps(n))に、期間が重複する複数の生産計画の依頼日のうちで、最も早い依頼日における生産元の在庫数量Stを加えて、重複期間の各日nにおける生産元の在庫数量Spt(n)を算出する。
在庫数量Spt(n)=Σ(Sps(n))+St ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(12)
【0146】
この場合、図13に示すように、重複期間の初日(第0日)は「2010/05/08(B会社の初回分納日)」で、重複期間の最終日(第17日)は「2010/05/25(A会社の最終分納日)」である。なお、図13中、横軸は時間で、横軸より上の縦軸はA会社の重複期間の各日nにおけるA会社用の在庫数量Sp(n)で、横軸より下の縦軸はB会社の重複期間の各日nにおけるB会社用の在庫数量Sp(n)である。
【0147】
重複期間の第0日の在庫数量は、以下に示すように、B会社用の第0日の在庫数量Sp(0)と、A会社用の第0日の在庫数量Sp(0)と、当初の生産元の在庫数量Stとを加算したものである。ここで、B会社用の第0日の在庫数量Sp(0)は、B会社への初回分納数量U1Bである。また、A会社用の第0日の在庫数量Sp(0)は、前回の分納日から3日目であるから、A会社への初回分納量U1Aに(3/5(=分納期間)を掛けた値である。よって、重複期間の第0日の在庫数量は、(464+St)個となる。
在庫数量Spt(0)=Sp(0)+Sp(0)+St
=U1B+S(U1B・3/5)+St
=314+S(250×3/5)+St
=314+S(150)+St=314+150+St
=464+St
重複期間の第1日の在庫数量Spt(1)は、以下に示すように、B会社用の第1日の在庫数量Sp(1)と、A会社用の第1日の在庫数量Sp(1)と、当初の生産元の在庫数量Stとを加算したものである。ここで、B会社用の第1日の在庫数量Sp(1)は、前回の分納日から1日目であるから、B会社への初回分納数量U1Bに(1/4(=分納期間)を掛けた値である。また、A会社用の第1日の在庫数量Sp(1)は、前回の分納日から4日目であるから、A会社への初回分納量U1Aに(4/5(=分納期間)を掛けた値である。よって、重複期間の第0日の在庫数量は、464個である。よって、重複期間の第1日の在庫数量は、(279+St)個となる。
在庫数量Spt(1)=Sp(1)+Sp(1)+St
=S(U1B・1/4)+S(U1A・4/5)+St
=S(314・1/4)+S(250×4/5)+St
=S(78.5)+S(200)+St
=79+200=279+St
以下、同様に、重複期間の第2日の在庫数量Spt(2)は(407+St)個、…、重複期間の第12日の在庫数量Spt(12)は(514+St)個、… 重複期間の最終日である第17日の在庫数量Spt(17)は(329+St)個となる。
在庫数量Spt(2)=Sp(2)+Sp(2)+St
=S(U1B・2/4)+U1A+St
=S(314・2/4)+250+St
=S(157.0)+250+St
=157+250=407+St

在庫数量Spt(12)=Sp(12)+Sp(12)+St
=U1B+U1A+St
=314+250+St=514+St

在庫数量Spt(17)=Sp(17)+Sp(17)+St
=S(U1B・1/4)+U1A+St
=S(314・1/4)+250+St
=S(78.5)+250+St
=79+250=329+St
生産元在庫数量算出部119により、期間が重複する各生産計画の生産元の在庫数量Spt(n)が算出されると(S33)、判断部124は、重複期間中の各日の在庫数量Spt(n)が、いずれも生産元での収納限度数量Rp以下であるか否かを判断する(S24)。重複期間中の各日の在庫数量Spt(n)が、いずれも生産元での収納限度数量Rp以下である場合には、ステップ25(図8)に進む。また、重複期間中の各日の在庫数量Spt(n)のいずれかが、生産元での収納限度数量Rp以下でない場合、生産元では、該当日の在庫数量を収納できないことになるので、ステップ12に戻り、前述したように、新生産計画を変更する処理が実行される。
【0148】
この場合、重複期間中の各日の在庫数量Spt(n)の最大値が、(514+St(=在庫数量Spt(12)))であり、仮に、当初の在庫数量Stが0個であれば、生産元の収納限度数量Rpが5000個であるから、重複期間中の各日の在庫数量Spt(n)が、いずれも生産元での収納限度数量Rp以下であると判断して、ステップ25に進み、B会社の新生産計画の出力処理が実行される。
【0149】
以上のように、本実施形態では、納品先での収納限度数を考慮し、納品先からの依頼された納品数量がこの収納限度数量を上回る場合には、納品数量分の製品の分納する生産計画を作成するので、納品先で製品を収納できなくなる事態や、納品先で製品を収納する場所を確保するための混乱等を回避することができる。
【0150】
また、本実施形態では、ある納品先から製品の納品依頼があり、この納品のために立てた生産計画で、生産元での在庫数量が生産元での収納限度数量を上回る場合には、この在庫数量がこの収納限度数量以内に収まるよう、生産計画を変更するので、生産元で生産した製品を生産元で収納できなくなる事態や、生産元で製品を収納する場所を確保するための混乱等を回避することができる。
【0151】
なお、以上の実施形態において、ステップ3,11,24,34では、納品数量又は在庫数量が収納限度数量以下であるか否かを判断しているが、納品数量又は在庫数量と収納限度数量とが等しいことは好ましい状況ではないので、現実の場合、ステップ3,11,24,34では、納品数量又は在庫数量が収納限度数量未満であるか否かを判断することが好ましい。また、ステップ22,32では、必要生産率が生産元の最大生産率以下であるか否かを判断しているが、以上と同様の理由で、現実の場合、ステップ22,32では、必要生産率が生産元の最大生産率以下であるか否かを判断することが好ましい。
【0152】
また、以上の実施形態では、初回分納日を定めてから、この初回分納日を基準として、以降の分納日を定めているが、最終納期を最終分納日とし、この最終分納日を基準として、前の分納日を定めるようにしてもよい。
【0153】
また、以上の実施形態では、新生産計画と他の生産計画との間に重複期間が存在する場合、重複期間中の各日の在庫数量を求めているが、計算の単純化のため、例えば、各生産計画における最大分納数量の合計値を、新生産計画と他の生産計画とを合わせて実行する際の生産元での在庫数量としてもよい。
【符号の説明】
【0154】
100:生産計画作成装置、110:CPU、111:生産計画作成部、112:生産元条件受付部、113:納品条件受付部、114:分納回数算出部、115:分納数量算出部、116:分納期間算出部、117:分納時設定部、118:納品先在庫数量算出部、119:生産元在庫数量算出部、122:分納回数更新部、123:必要生産率算出部、124:判断部、125:出力部、130:記憶装置、131:生産元情報テーブル、132:納品先情報テーブル、133:納品条件テーブル、134:生産計画テーブル、137:生産計画作成プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の最終納期、該製品の納品数量、該製品の納品先での該製品の収納限度数量、及び該製品の単位期間あたりの消費量である消費率を含む納品条件を受け付ける納品条件受付手段と、
前記納品数量が前記収納限度数量より多いか否かを判断する第一判断手段と、
前記納品数量が前記収納限度数量よりも多いと判断されると、該納品数量を該収納限度数量で割って、分納回数を算出する分納回数算出手段と、
前記分納回数算出手段により、前記分納回数が格納される分納回数記憶手段と、
前記納品数量と前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数とを用いて、各分納時における分納数量を算出する分納数量算出手段と、
最終分納時が前記最終納期以前になるよう、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を用いて、該最終分納時を除く各分納時から次の分納時までの期間である分納期間を算出し、該分納回数と該最終納期と該分納期間とを用いて、各分納の該分納時を定める分納時設定手段と、
前記分納時設定手段により、複数の前記分納時と、該複数の分納時毎の前記分納数量とが関連付けられて、生産計画として格納される生産計画記憶手段と、
複数の前記分納時毎に、前記消費率を用いて当該分納時までの製品の未消費数量を算出し、該未消費数量と当該分納時の前記分納数量とを用いて、分納された直後の納品先での在庫数量を算出する在庫数量算出手段と、
前記在庫数量算出手段で算出された前記複数の分納時毎の前記在庫数量が、いずれも、前記収納限度数量以下であるか否かを判断する第二判断手段と、
前記第二判断手段で、前記複数の分納時毎の前記在庫数量が、いずれも、前記収納限度数量以下であると判断されたことを出力条件として、前記生産計画記憶手段に格納され、該第二判断手段で判断対象となった前記生産計画を出力する出力手段と、
前記第二判断手段で、前記複数の分納時毎の前記在庫数量のいずれかが、前記収納限度数量以下でないと判断されると、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増加させた値に更新する分納回数更新手段と、
を備え、
前記分納回数更新手段により、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数が更新されると、前記分納数量算出手段、前記分納期間算出手段、前記分納時設定手段、前記第二判断手段は、更新された前記分納回数に基づく処理を実行する、
ことを特徴とする生産計画作成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生産計画作成装置において、
前記分納時設定手段は、前記最終納期から、前記納品数量を前記消費率で割った値を減算して、初回分納時を定め、該初回分納時を基準にして、以降の分納時を定める、
ことを特徴とする生産計画作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の生産計画作成装置において、
前記分納数量算出手段は、前記納品数量を前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数で除算し、該除算で得られた値の自然数部分の値を、最終分納時を除く全ての分納時における分納数量とし、前記納品数量から該最終分納時を除く全ての分納時における分納数量の合計値を減算した値を、該最終分納時における分納数量とする、
ことを特徴とする生産計画作成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の生産計画作成装置において、
前記製品の生産元での該製品の収納限度数量を受け付ける生産元条件受付手段と、
前記複数の分納時毎の分納数量のうち、最大分納数量を用いて、該最大分納数量の分納時直前における前記生産元での在庫数量を算出する生産元在庫数量算出手段と、
前記生産元在庫数量算出手段で算出された前記生産元での在庫数量が、該生産元での前記収納限度数量以下であるか否かを判断する第三判断手段と、
を備え、
前記出力手段は、前記出力条件として、前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下であると判断されたことを含め、該出力上条件を満たすと、該出力条件を満たした前記生産計画を出力し、
前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下でないと判断されると、前記分納回数更新手段は、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増加させた値に更新する、
ことを特徴とする生産計画作成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の生産計画作成装置において、
前記生産元条件受付手段は、前記生産元での単位期間あたりの最大生産量である最大生産率を受け付け、
当該生産計画作成装置は、前記分納数量算出手段で算出された複数の前記分納時毎の分納数量と前記分納期間とを用いて、各分納数量分の製品を製造するために必要な、前記製品の単位期間あたりの前記生産元での生産量である必要生産率を算出する必要生産率算出と、前記必要生産率が前記最大生産率以下であるか否かを判断する第四判断手段と、を備え、
前記出力手段は、前記出力条件として、前記第四判断手段により、前記必要生産率が前記最大生産率以下であると判断されたことを含め、該出力条件を満たすと、該出力条件を満たした前記生産計画を出力し、
前記第四判断手段により、前記必要生産率が前記最大生産率以下でないと判断されると、前記分納回数更新手段は、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増加させた値に更新する、
ことを特徴とする生産計画作成装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の生産計画作成装置において、
前記製品の生産元での該製品の収納限度数量を受け付ける生産元条件受付手段と、
前記生産計画記憶手段に新たな生産計画が格納されると、前記生産計画記憶手段に、初回分納時から最終分納時までの期間が該新たな生産計画の初回分納時から最終分納時までの期間と、少なくとも部分的に重複する1以上の他の生産計画が、格納されているか否かを判断する期間重複判断手段と、
前記期間重複判断手段で前記重複する1以上の他の生産計画が格納されていると判断されると、該1以上の他の生産計画における各分納時の分納数量と、前記新たな生産計画における各分納時の分納数量とを用いて、重複している期間中における、前記生産元での在庫数量を算出する生産元在庫数量算出手段と、
前記生産元在庫数量算出手段で算出された前記生産元での在庫数量が、該生産元での前記収納限度数量以下であるか否かを判断する第三判断手段と、
を備え、
前記出力手段は、前記出力条件として、前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下であると判断されたことを含め、該出力条件を満たすと、該出力条件を満たした前記生産計画を出力し、
前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下でないと判断されると、前記分納回数更新手段は、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増加させた値に更新する、
ことを特徴とする生産計画作成装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか一項に記載の生産計画作成装置において、
前記生産元での前記製品の収納限度数量と、該生産元での単位期間あたりの最大生産量である最大生産率と、を受け付ける生産元条件受付手段と、
前記生産計画記憶手段に新たな生産計画が格納されると、前記生産計画記憶手段に、初回分納時から最終分納時までの期間が該新たな生産計画の初回分納時から最終分納時までの期間と、少なくとも部分的に重複する1以上の他の生産計画が、格納されているか否かを判断する期間重複判断手段と、
前記期間重複判断手段で前記重複する1以上の他の生産計画が格納されていると判断されると、該1以上の他の生産計画における各分納時の分納数量と、前記新たな生産計画における各分納時の分納数量とを用いて、重複している期間中における、前記生産元での在庫数量を算出する生産元在庫数量算出手段と、
前記生産元在庫量算出手段で算出された前記生産元での在庫数量が、該生産元での前記収納限度数量以下であるか否かを判断する第三判断手段と、
前記期間重複判断手段で前記重複する1以上の他の生産計画が存在すると判断されると、各生産計画毎に、当該生産計画における複数の前記分納時毎の分納数量と前記分納期間とを用いて、当該生産計画における各分納数量分の製品を製造するために必要な、前記製品の単位期間あたりの前記生産元での生産量である必要生産率を算出し、各生産計画毎の必要生産率を用いて、前記重複している期間中における、各生産計画を合わせた前記生産元での統合必要生産率を算出する必要生産率算出手段と、
前記必要生産率算出手段で算出された前記統合必要生産率が前記最大生産率以下であるか否かを判断する第四判断手段と、
を備え、
前記出力手段は、前記出力条件として、前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下であると判断されたことと、前記第四判断手段により、前記統合必要生産率が前記最大生産率以下であると判断されたことと、を含め、該出力条件を満たすと、該出力条件を満たした前記生産計画を出力し、
前記第三判断手段により、前記生産元での前記在庫数量が該生産元での前記収納限度数量以下でないと判断されるか、前記第四判断手段により、前記統合必要生産率が前記最大生産率以下であると判断されると、前記分納回数更新手段は、前記分納回数記憶手段に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増加させた値に更新する、
ことを特徴とする生産計画作成装置。
【請求項8】
コンピュータの入力装置により、製品の最終納期、該製品の納品数量、該製品の納品先での該製品の収納限度数量、及び該製品の単位期間あたりの消費量である消費率を含む納品条件を受け付ける納品条件受付ステップと、
前記納品数量が前記収納限度数量より多いか否かを判断する第一判断ステップと、
前記納品数量が前記収納限度数量よりも多いと判断されると、該納品数量を該収納限度数量で割って、分納回数を算出し、該分納回数を前記コンピュータの記憶装置に格納する分納回数算出ステップと、
前記納品数量と前記記憶装置に格納されている前記分納回数とを用いて、各分納時における分納数量を算出する分納数量算出ステップと、
最終分納時が前記最終納期以前になるよう、前記記憶装置に格納されている前記分納回数を用いて、該最終分納時を除く各分納時から次の分納時までの期間である分納期間を算出し、該分納回数と該最終納期と該分納期間とを用いて、各分納の該分納時を定め、複数の該分納時と、該複数の分納時毎の前記分納数量とを関連付けて、生産計画として、前記記憶装置に格納する分納時設定ステップと、
複数の前記分納時毎に、前記消費率を用いて当該分納時までの製品の未消費数量を算出し、該未消費数量と当該分納時の前記分納数量とを用いて、分納された直後の納品先での在庫数量を算出する在庫数量算出ステップと、
前記在庫数量算出ステップで算出された前記複数の分納時毎の前記在庫数量が、いずれも、前記収納限度数量以下であるか否かを判断する第二判断ステップと、
前記第二判断ステップで、前記複数の分納時毎の前記在庫数量が、いずれも、前記収納限度数量以下であると判断されたことを出力条件として、前記記憶装置に格納され、該第二判断手段で判断対象となった前記生産計画を、前記コンピュータの出力装置から出力させる出力ステップと、
前記第二判断ステップで、前記複数の分納時毎の前記在庫数量のいずれかが、前記収納限度数量以下でないと判断されると、前記記憶装置に格納されている前記分納回数を、該分納回数から増加させた値に更新する分納回数更新ステップと、
を前記コンピュータの演算装置に実行させ、
前記分納回数更新ステップで、前記記憶装置に格納されている前記分納回数が更新されると、前記分納数量算出ステップ、前記分納期間算出ステップ、前記分納時設定ステップ、前記第二判断ステップでは、更新された前記分納回数に基づく処理を実行する、
ことを特徴とする生産計画作成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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