説明

用紙供給装置、及び画像形成装置

【課題】 用紙収納手段を装着する収納空間の直上に搬送ユニットを備える画像形成装置において、用紙収納手段の用紙残量を検出するアクチュエータの破損を防止できる用紙供給装置、及びこの用紙供給装置を備える画像形成装置を提供するものである。
【解決手段】 第3搬送手段を第1搬送手段から離間させて、収納空間の位置まで移動させる画像形成装置において、第1アクチュエータ手段と、用紙収納手段の用紙に当接される第2アクチュエータ手段と、この第2アクチュエータ手段を回転自在に軸支持する回転軸体と、第2アクチュエータ手段の位置を検出する検出手段と、第2アクチュエータ手段及び回転軸体に係止される付勢手段を備え、第1アクチュエータ手段が初期位置の場合で、第3搬送手段が収納空間まで移動したとき、第2アクチュエータ手段が前記検出位置側へ移動可能とする用紙供給装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙を収納する用紙収納手段、及び用紙収納手段の用紙残量を検出する用紙検出ユニットを備え、用紙収納手段に収納される用紙を画像形成装置内へ送り出す用紙供給装置、及びこの用紙供給装置を備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリやこれらの機能を併せ持たせた複合機等の画像形成装置は、用紙を画像形成部(中間転写ベルト等)に送り出す用紙供給装置を備えている。この用紙供給装置は、用紙を収納する給紙カセットを有し、この給紙カセットは画像形成装置の装置本体の収納空間に装着される。そして、給紙カセットの用紙をピックアップローラによって画像形成部へ送り出している。画像形成部(中間転写ベルト等)は、送り出された用紙に画像を転写する。
【0003】
また、用紙供給装置は、給紙カセットに収納されている用紙残量を検出する用紙検出ユニットを備えており、この用紙検出ユニットによって用紙残量を検出することで、画像形成装置の利用者に用紙がなくなったことを報知している。
【0004】
給紙カセットの用紙残量を検出する方法として、特許文献1〜3に開示する技術が提案されている。
特許文献1に開示する技術は、給紙カセット(収納空間)の直上に配置される用紙検出ユニットを備えている。この用紙検出ユニットは、回転軸、回転軸に軸支されたアクチュエータ、回転軸に配置される被検出部材、及び被検出部材の回転を検出する検出センサで構成されている。この特許文献1に開示する技術では、アクチュエータを回転して給紙カセットの用紙に当接させて、用紙残量に応じて回転される被検出部材を検出センサによって検出することで、給紙カセットの用紙残量を検出している。
【0005】
特許文献2に開示する技術は、複数のアクチュエータ、各アクチュエータを夫々軸支する回転軸、各回転軸に配置される被検出部材、及び各被検出部材の回転を夫々検出する検出センサを備え、これらを給紙カセット(収納空間)の直上に配置している。この特許文献2に開示する技術では、複数のアクチュエータを回転して給紙カセットに当接させて、用紙残量に応じて回転される被検出部材を検出センサによって検出することで、給紙カセットの用紙残量(用紙なし、用紙多い、用紙少ない)を検出している。
【0006】
特許文献3に開示する技術は、複数のアクチュエータ、各アクチュエータを夫々軸支する回転軸、各回転軸に配置される被検出部材、及び各被検出部材の回転を夫々検出する検出センサを備え、これらを給紙カセット(収納空間)の直上に配置している。この特許文献3に開示する技術では、複数のアクチュエータを回転して給紙カセットに当接させて、用紙残量に応じて回転される被検出部材を検出センサによって検出することで、給紙カセットの装着の有無、及び給紙カセットの用紙残量を検出している。
【0007】
ところで、画像形成装置においては、装置本体外側の給紙トレーから用紙を画像形成部(中間転写ベルト等)に搬送するための搬送ユニットを有し、この搬送ユニットを給紙カセット(収納空間)の直上に配置するものがある。この搬送ユニットは、上側搬送手段と下側搬送手段の間に搬送経路を形成し、この搬送経路で用紙を案内しながら画像形成部(中間転写ベルト等)に用紙を搬送する。
この画像形成装置では、搬送ユニットの紙詰り処理において、下側搬送手段を上側搬送手段から離間させて、給紙カセット未装着の収納空間に移動させることで、紙詰り用紙の取り除き(除去)を可能にしている。
【0008】
給紙カセット(収納空間)の直上に搬送ユニットを配置する画像形成装置において、特許文献1〜3に開示する技術を適用するとき、紙詰り処理において、下側搬送手段を収納空間に移動させると、収納空間の直上に配置されているアクチュエータに接触する。このとき、アクチュエータ、被検出部材の回転角を十分に取れない場合には、下側搬送手段の移動によってアクチュエータが破損する危険性がある。また、収納空間の直上に搬送ユニットを配置する画像形成装置では、各種装置、部材の配置、及び小型化の要請からアクチュエータ等の回転角も制限を受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−43145号公報
【特許文献2】特開2000−118792号公報
【特許文献3】特開2001−106397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
発明が解決しようとする課題は、用紙収納手段を装着する収納空間の直上に搬送ユニットを備える画像形成装置において、用紙収納手段の用紙残量を検出するアクチュエータの破損を防止できる用紙供給装置、及びこの用紙供給装置を備え、用紙収納手段の用紙残量を検出するアクチュエータの破損を防止できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、装置本体と、前記装置本体に形成される収納空間と、前記収納空間に対峙して配置され、用紙を搬送する搬送ユニットを含んでなり、前記搬送ユニットは、第1搬送手段と、前記収納空間の収納位置側に配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第2搬送手段と、前記第2搬送手段に連続して配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第3搬送手段を備え、前記第3搬送手段は、前記第1搬送手段から離間され、前記収納空間の位置まで移動可能な画像形成装置において、前記収納空間に向けて挿入動作することで前記装置本体に装着され、用紙を収納する用紙収納手段と、前記第2搬送手段に配置され、前記装置本体に装着される前記用紙収納手段の用紙残量を検出する用紙検出ユニットを備えて構成され、前記用紙収納手段に収納されている用紙を前記装置本体内へ送り出す用紙供給装置であって、前記用紙検出ユニットは、前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記収納空間の初期位置から前記挿入動作の方向の退避位置まで回転される第1アクチュエータ手段と、前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記第3搬送手段側の待機位置から前記用紙収納手段の用紙に当接する検出位置まで回転される第2アクチュエータ手段と、前記第2アクチュエータ手段を回転自在に軸支する回転軸体と、前記第2アクチュエータ手段の位置を検出する検出手段と、前記第1アクチュエータ手段と回転軸体の夫々には突起部材が配置され、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置のとき前記突起部材が互いに当接することにより前記回転軸体に軸支された第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持する回転制限手段と、前記回転軸体の外周に装着され、前記第2アクチュエータ手段及び前記回転軸体に係止される付勢手段を備えてなり、前記付勢手段は、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合、前記第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持し、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合で前記第3搬送手段が前記収納空間まで移動したときは、前記第2アクチュエータ手段が前記検出位置側に移動可能とすることを特徴とする用紙供給装置に関する。
【0012】
請求項2に係る発明は、装置本体と、前記装置本体に形成される収納空間と、前記収納空間に対峙して配置され、用紙を搬送する搬送ユニットと、用紙供給装置を含んでなり、前記前記搬送ユニットは、第1搬送手段と、前記収納空間の収納位置側に配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第2搬送手段と、前記第2搬送手段に連続して配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第3搬送手段を備え、前記第3搬送手段は、前記第1搬送手段から離間され、前記収納空間の位置まで移動可能であり、前記用紙供給装置は、前記収納空間に向けて挿入動作することで前記装置本体に装着され、用紙を収納する用紙収納手段と、前記第2搬送手段に配置され、前記装置本体に装着される前記用紙収納手段の用紙残量を検出する用紙検出ユニットを備えて構成される画像形成装置において、前記用紙検出ユニットは、前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記収納空間の初期位置から前記挿入動作の方向の退避位置まで回転される第1アクチュエータ手段と、前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記第3搬送手段側の待機位置から前記用紙収納手段の用紙に当接する検出位置まで回転される第2アクチュエータ手段と、前記第2アクチュエータ手段を回転自在に軸支する回転軸体と、前記第2アクチュエータ手段の位置を検出する検出手段と、前記第1アクチュエータ手段と回転軸体の夫々には突起部材が配置され、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置のとき前記突起部材が互いに当接することにより前記回転軸体に軸支された第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持する回転制限手段と、前記回転軸体の外周に装着され、前記第2アクチュエータ手段及び前記回転軸体に係止される付勢手段を備えてなり、前記付勢手段は、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合、前記第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持し、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合で前記第3搬送手段が前記収納空間まで移動したときは、前記第2アクチュエータ手段が前記検出位置側に移動可能とすることを特徴とする画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、装置本体と、前記装置本体に形成される収納空間と、前記収納空間に対峙して配置され、用紙を搬送する搬送ユニットを含んでなり、前記搬送ユニットは、第1搬送手段と、前記収納空間の収納位置側に配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第2搬送手段と、前記第2搬送手段に連続して配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第3搬送手段を備え、前記第3搬送手段は、前記第1搬送手段から離間され、前記収納空間の位置まで移動可能な画像形成装置において、前記収納空間に向けて挿入動作することで前記装置本体に装着され、用紙を収納する用紙収納手段と、前記第2搬送手段に配置され、前記装置本体に装着される前記用紙収納手段の用紙残量を検出する用紙検出ユニットを備えて構成され、前記用紙収納手段に収納されている用紙を前記装置本体内へ送り出す用紙供給装置であって、前記用紙検出ユニットは、前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記収納空間の初期位置から前記挿入動作の方向の退避位置まで回転される第1アクチュエータ手段と、前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記第3搬送手段側の待機位置から前記用紙収納手段の用紙に当接する検出位置まで回転される第2アクチュエータ手段と、前記第2アクチュエータ手段を回転自在に軸支する回転軸体と、前記第2アクチュエータ手段の位置を検出する検出手段と、前記第1アクチュエータ手段と回転軸体の夫々には突起部材が配置され、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置のとき前記突起部材が互いに当接することにより前記回転軸体に軸支された第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持する回転制限手段と、前記回転軸体の外周に装着され、前記第2アクチュエータ手段及び前記回転軸体に係止される付勢手段を備えてなり、前記付勢手段は、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合、前記第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持し、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合で前記第3搬送手段が前記収納空間まで移動したときは、前記第2アクチュエータ手段が前記検出位置側に移動可能とするので、第1アクチュエータ手段が初期位置の場合、第1アクチュエータ手段の突起部材に当接する回転軸体は待機位置に保持され、検出位置側への回転が不能な状態にされる。また、第2アクチュエータ手段は、付勢手段により待機位置に保持される。
この状態で、第3搬送手段が収納空間まで移動すると、第2アクチュエータ手段は回転軸体に対して回転して、第3搬送手段の移動に追従する。
この結果、紙詰り処理において、第3搬送手段を収納空間まで移動しても、第2アクチュエータ手段の回転移動を十分に確保でき、第3搬送手段の移動による第2アクチュエータ手段の破損を防止できる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、装置本体と、前記装置本体に形成される収納空間と、前記収納空間に対峙して配置され、用紙を搬送する搬送ユニットと、用紙供給装置を含んでなり、前記前記搬送ユニットは、第1搬送手段と、前記収納空間の収納位置側に配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第2搬送手段と、前記第2搬送手段に連続して配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第3搬送手段を備え、前記第3搬送手段は、前記第1搬送手段から離間され、前記収納空間の位置まで移動可能であり、前記用紙供給装置は、前記収納空間に向けて挿入動作することで前記装置本体に装着され、用紙を収納する用紙収納手段と、前記第2搬送手段に配置され、前記装置本体に装着される前記用紙収納手段の用紙残量を検出する用紙検出ユニットを備えて構成される画像形成装置において、前記用紙検出ユニットは、前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記収納空間の初期位置から前記挿入動作の方向の退避位置まで回転される第1アクチュエータ手段と、前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記第3搬送手段側の待機位置から前記用紙収納手段の用紙に当接する検出位置まで回転される第2アクチュエータ手段と、前記第2アクチュエータ手段を回転自在に軸支する回転軸体と、前記第2アクチュエータ手段の位置を検出する検出手段と、前記第1アクチュエータ手段と回転軸体の夫々には突起部材が配置され、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置のとき前記突起部材が互いに当接することにより前記回転軸体に軸支された第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持する回転制限手段と、前記回転軸体の外周に装着され、前記第2アクチュエータ手段及び前記回転軸体に係止される付勢手段を備えてなり、前記付勢手段は、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合、前記第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持し、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合で前記第3搬送手段が前記収納空間まで移動したときは、前記第2アクチュエータ手段が前記検出位置側に移動可能とするので、第1アクチュエータ手段が初期位置の場合、第1アクチュエータ手段の突起部材に当接する回転軸体は待機位置に保持され、検出位置側への回転が不能な状態にされる。また、第2アクチュエータ手段は、付勢手段により待機位置に保持される。
この状態で、第3搬送手段が収納空間まで移動すると、第2アクチュエータ手段は回転軸体に対して回転して、第3搬送手段の移動に追従する。
この結果、紙詰り処理において、第3搬送手段を収納空間まで移動しても、第2アクチュエータ手段の回転移動を十分に確保でき、第3搬送手段の移動による第2アクチュエータ手段の破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る用紙供給装置が配置される画像形成装置を示す概略図である。
【図2】図1の用紙収納手段及び用紙検出ユニットを示す斜視図である。
【図3】図1の用紙収納手段及び用紙検出ユニットを示す拡大側面図である。
【図4】図1の第2搬送手段及び用紙検出ユニットを示す拡大斜視図である。
【図5】図1の搬送ユニット及び用紙検出ユニットを示す要部拡大側面図である。
【図6】図1の第2搬送手段及び用紙検出ユニットを収納空間側から見た斜視図である。
【図7】図1の用紙検出ユニットを構成する各手段を示した分解斜視図である。
【図8】図1の用紙検出ユニットを示す図であって、用紙収納手段の未装着における状態を示す斜視図である。
【図9】図1の用紙検出ユニットを示す図であって、用紙収納手段を装着したときの状態を示す斜視図である。
【図10】図1の用紙検出ユニットを示す図であって、搬送ユニットの紙詰り処理における状態を示す斜視図である。
【図11】図1の搬送ユニット、及び用紙検出ユニットの構成を示す拡大図である。
【図12】図1の搬送ユニット、及び用紙検出ユニットの構成を示す図であって、紙詰り処理において、第3搬送手段を収納空間の処理位置まで回転移動させた状態を示す拡大図である。
【図13】図12の要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る用紙供給装置及び画像形成装置について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る用紙供給装置が配置される画像形成装置を示す概略図である。図2は図1の用紙収納手段及び用紙検出ユニットを示す斜視図である。図3は図1の用紙収納手段及び用紙検出ユニットを示す拡大側面図である。図4は図1の第2搬送手段及び用紙検出ユニットを示す拡大斜視図である。図5は図1の搬送ユニット及び用紙検出ユニットを示す要部拡大側面図である。図6は図1の第2搬送手段及び用紙検出ユニットを収納空間側から見た斜視図である。図7は図1の用紙検出ユニットを構成する各手段を示した分解斜視図である。図8は図1の用紙検出ユニットを示す図であって、用紙収納手段の未装着における状態を示す斜視図である。図9は図1の用紙検出ユニットを示す図であって、用紙収納手段を装着したときの状態を示す斜視図である。図10は図1の用紙検出ユニットを示す図であって、搬送ユニットの紙詰り処理における状態を示す斜視図である。図11は図1の搬送ユニット、及び用紙検出ユニットの構成を示す拡大図である。図12は図1の搬送ユニット、及び用紙検出ユニットの構成を示す図であって、紙詰り処理において、第3搬送手段を収納空間の処理位置まで回転移動させた状態を示す拡大図である。図13は図12の要部拡大断面図である。
【0017】
<画像形成装置の概略構成>
本発明に係る用紙供給装置を備える画像形成装置について、図1〜図3、図11〜図13を参照して説明する。
【0018】
図1において、画像形成装置(X)は、装置本体(2)、搬送ユニット(3)、用紙供給装置(Y)を含んで構成される。この画像形成装置(X)は、図1に示すように、トナー像を用紙に転写するカラー印刷タイプである。
【0019】
装置本体(2)は、図1に示すように、収納空間(Z)が形成されている。この収納空間(Z)は、図1に示すように、装置本体(2)の上下方向(U)の下端側に配置されている。また、収納空間(Z)は、図1に示すように、装置本体(2)の幅方向(H)の一端(2A)に開口しており、装置本体(2)の他端(2B)側近傍まで延設されている。
【0020】
搬送ユニット(3)は、図1及び図3に示すように、収納空間(Z)に対峙して配置されており、装置本体(2)の上下方向(U)であって、収納空間(Z)の直上に位置している。この搬送ユニット(3)は、図1に示すように、収納空間(Z)に並行して、装置本体(2)の一端(2A)側から他端(2B)側に延設されている。
また、搬送ユニット(3)は、図1及び図3に示すように、第1搬送手段(5)と、第2搬送手段(6)及び第3搬送手段(7)を備えている。
【0021】
第1搬送手段(5)は、図1及び図3に示すように、搬送ユニット(3)の上側搬送手段を構成している。
【0022】
第2搬送手段(6)は、図1及び図3に示すように、第1搬送手段(5)に対峙して装置本体(2)の上下方向(U)の下方側(収納空間(Z)側)に配置されている。この第2搬送手段(6)は、図1及び図3に示すように、装置本体(2)の幅方向(H)の他端(2B)側であって、収納空間(Z)の収納位置(A)側に配置されている。また、第2搬送手段(6)は、図1及び図3に示すように、第1搬送手段(5)の間に搬送経路(8)を形成している。なお、第2搬送手段(6)は、図1に示すように、搬送ユニット(3)の下側搬送手段の一部を構成している。
【0023】
第3搬送手段(7)は、図1及び図3に示すように、第2搬送手段(6)に連続して配置され、装置本体(2)の幅方向(H)の一端(2A)側に延設されている。この第3搬送手段(7)は、図1及び図3に示すように、第1搬送手段(5)に対峙して装置本体(2)の上下方向(U)の下方側(収納空間(Z)側)に配置されている。また、第3搬送手段(7)は、図1及び図3に示すように、第1搬送手段(5)の間に搬送経路(8)を形成している。なお、第3搬送手段(7)は、図1及び図3に示すように、搬送ユニット(3)の下側搬送手段の一部を構成している。
【0024】
この第3搬送手段(7)は、図11〜図13に示すように、第2搬送手段(6)の回転軸(6A)に回転自在に軸支されている。また、第3搬送手段(7)は、図11〜図13に示すように、幅方向(H)の第2搬送手段(6)側で2分割され、これらを回転軸(6B)によって回転自在に連結している。
また、第3搬送手段(7)は、図11に示すように、ロックレバー(51)及びロック部材(52)によって第1搬送手段(5)に保持される。
【0025】
画像形成装置(X)の利用者は、図11に示すように、ロックレバー(51)を操作して、第3搬送手段(7)を収納空間(Z)へ移動するように押下げると、ロック部材(52)のロックが解除される。これにより、第3搬送手段(7)は、図12及び図13に示すように、第2搬送手段(6)の回転軸(6A)を軸心として、第1搬送手段(5)から離間するように、収納空間(Z)に回転移動される。そして、第3搬送手段(7)は、図12及び図13に示すように、回転軸(6B)を軸心として回転することで、第1搬送手段(5)に並行となる姿勢にされる。
この結果、搬送ユニット(3)は、図12及び図13に示すように、収納空間(Z)の処理位置(B)まで回転移動される。なお、第3搬送手段(7)は、図12及び図13に示すように、ガイド部材及びガイド溝(図示しない)によって回転移動が案内される。
【0026】
搬送経路(8)は、図1及び図3に示すように、第1〜第3搬送手段(5)〜(7)によって、搬送ユニット(3)内に形成されており、図1に示すように、複数の搬送ローラ対(9)が配置されている。
【0027】
上記構成の搬送ユニット(3)は、図1に示すように、装置本体(2)の給紙トレイ(10)から挿入される用紙を搬送経路(8)で案内しつつ、複数の搬送ローラ対(9)で搬送する。給紙トレイ(10)は、図1に示すように、装置本体(2)の一端(2A)を構成し、開閉自在に装置本体(2)に配置されている。
【0028】
用紙供給装置(Y)は、図1〜図3に示すように、用紙収納手段(15)、用紙検出ユニット(16)及びピックアップローラ(17)を備えて構成される。
【0029】
用紙収納手段(15)は、図1〜図3に示すように、複数枚の用紙を収納する給紙カセット(以下、用紙収納手段(15)を給紙カセット(15)と称する。)であって、収納される用紙を支持する中板(18)を有している。この中板(18)は、図1及び図2に示すように、幅方向(H)の中間位置で回転自在に支持されており、装置本体(2)の他端(2B)側(収納空間(Z)の収納位置(A)側)まで延設されている。また、中板(18)は、図1及び図2に示すように、給紙カセット(15)の底(15a)間に配置されるバネ部材(図示しない)によって上下方向(U)の上方側へ付勢されている。
また、給紙カセット(15)には、図2に示すように、取手(19)が形成されている。この取手(19)は、図2に示すように、給紙カセット(15)の一端(15A)に配置されている。
【0030】
給紙カセット(15)は、図1及び図2に示すように、用紙を収納した後、中板(18)側から収納空間(Z)に挿入され、装置本体(2)の一端(2A)から収納空間(Z)の収納位置(A)に向けて挿入動作される。そして、給紙カセット(15)は、図1及び図2に示すように、給紙カセット(15)の他端(15B)が収納位置(A)まで達すると、装置本体(2)への装着が完了する。このとき、給紙カセット(15)の上下方向(U)の直上には、図1〜図3に示すように、搬送ユニット(3)の第2及び第3搬送手段(6)、(7)が対峙している。
【0031】
ピックアップローラ(17)は、図1に示すように、収納空間(Z)の収納位置(A)側に配置されており、装置本体(2)の上下方向(U)の上方側から給紙カセット(15)の用紙に押し付けられている。このピックアップローラ(17)は、図1に示すように、駆動回転によって給紙カセット(15)の用紙を一枚ずつ取出して装置本体(2)の搬送経路(29)に送り出す。
【0032】
用紙検出ユニット(16)は、図2及び図3に示すように、第2搬送手段(6)内に配置されている。この用紙検出ユニット(16)は、図2及び図3に示すように、第1アクチュエータ手段(31)、及び第2アクチュエータ手段(32)等の協働によって、装置本体(2)に装着(収納空間(Z)の挿入)された給紙カセット(15)の用紙残量を検出する。
【0033】
また、画像形成装置(X)は、複数のトナーコンテナ(11M)、(11S)、(11Y)、(11B)、複数の感光体ユニット(21)、複数のクリーニングユニット(12M)、(12S)、(12Y)、(12B)、複数の現像ユニット(13M)、(13S)、(13Y)、(13B)、定着装置(14)、露光装置(20)を備えている。
【0034】
複数のトナーコンテナ(11M)、(11S)、(11Y)、(11B)は、図1に示すように、装置本体(2)の上方側に並設して配置されている。これら各トナーコンテナ(11M)、(11S)、(11Y)、(11B)は、マゼンダ、シアン、イエロー及びブラックの各色のトナーを収容している。また、各トナーコンテナ(11M)、(11S)、(11Y)、(11B)は、図1に示すように、各現像ユニット(13M)、(13S)、(13Y)、(13B)に各色のトナーを供給する。
【0035】
複数の感光体ユニット(21)は、図1に示すように、搬送ユニット(3)の上方側において装置本体(2)の幅方向(H)に並設されている。これら各感光体ユニット(21)は、図1に示すように、感光体ドラム(a)を有している。複数のクリーニングユニット(12M)、(12S)、(12Y)、(12B)は、図1に示すように、帯電器(22)及びクリーニングローラ(23)を備えている。また、各感光体ユニット(21)の感光体ドラム(a)は、中間転写ベルト(24)に圧接されている。この中間転写ベルト(24)は、図1に示すように、複数の搬送ドラム(25)によって循環搬送される。
帯電器(22)は、図1に示すように、感光体ドラム(a)に接触して、帯電バイアスによって感光体ドラム(21)を負極性の電位に帯電する。また、クリーニングローラ(23)は、図1に示すように、感光体ドラム(a)に接触して、感光体ドラム(21)の残存トナーを除去する。
【0036】
複数の現像ユニット(13M)、(13S)、(13Y)、(13B)は、図1に示すように、装置本体(2)の幅方向(H)に並設されており、現像ローラ(26)を備えている。
これら各現像ユニット(13M)、(13S)、(13Y)、(13B)の現像ローラ(26)は、図1に示すように、各感光体ユニット(21)の感光体ドラム(a)に各色のトナー(マゼンダ、シアン、イエロー、ブラック)を付着する。
【0037】
定着装置(14)は、図1に示すように、加熱ドラム(14A)及び加圧ローラ(14B)を備えている。
【0038】
露光装置(20)は、図1に示すように、各感光体ユニット(21)及び搬送ユニット(3)の間に配置されている。この露光装置(20)は、図1に示すように、制御装置(図示しない)から入力される画像情報に基づくレーザ光を各感光体ドラム(a)に走査露光することで、各感光体ドラム(a)に画像情報に応じた各色(マゼンダ、シアン、イエロー、ブラック)の静電潜像を形成する。
【0039】
画像形成装置(X)は、図1に示すように、印刷(画像形成)指令を受けると、各感光体ユニット(21)の感光体ドラム(a)及びクリーニングローラ(23)を回転駆動する。また、各現像ユニット(13M)、(13S)、(13Y)、(13B)の現像ローラ(26)を回転駆動する。
【0040】
各感光体ユニット(21)の感光体ドラム(a)は、図1に示すように、帯電器(22)の帯電バイアスによって負極性の電位に帯電され、露光装置(20)の走査露光(レーザ光走査)によって、静電潜像が形成される。
【0041】
そして、マゼンダ用の感光体ドラム(a)に形成された静電潜像に対して、マゼンダ用の現像ローラ(26)に印加された現像バイアスによって、マゼンダトナーを付着する。
これにより、マゼンダ用の感光体ユニット(21)の感光体ドラム(a)には、静電潜像に対してマゼンダトナー像が形成される。
この間、感光体ドラム(a)のマゼンダトナー像は、図1に示すように、一次転写ローラ(27)に印加される一次転写バイアスによって中間転写ベルト(24)に一次転写される。
【0042】
同様にして、シアン用の感光体ドラム(a)に形成されたシアントナー像は、図1に示すように、中間転写ベルト(24)のマゼンダトナー像に重ねて一次転写され、順次、イエロー用の感光体ドラム(a)のイエロートナー像、ブラック用の感光体ドラム(a)のブラックトナー像を重ねて一次転写される。これにより、中間転写ベルト(24)には、フルカラートナー像が転写される。
【0043】
一次転写された中間転写ベルト(24)は、図1に示すように、二次転写ローラ(28)まで搬送される。
この間、画像形成装置(X)は、図1に示すように、給紙カセット(15)の用紙をピックアップローラ(17)によって搬送経路(29)に送り出し、搬送経路(29)の下流側の中間転写ベルト(24)及び二次転写ローラ(28)間に搬送する。
【0044】
続いて、中間転写ベルト(24)及び二次転写ローラ(28)によって、搬送される用紙に対してフルカラートナー像を二次転写する。フルカラートナー像が転写された用紙は、図1に示すように、定着装置(14)に搬送され、加熱ローラ(14A)及び加圧ローラ(14B)によって加熱、加圧される。これにより、用紙に対するフルカラートナー像を定着させる。
【0045】
フルカラートナー像が定着された用紙は、搬送経路(29)から装置本体(2)の排出トレイ(HT)に排出される。
また、給紙トレイ(10)から挿入(手差し)される用紙は、図1に示すように、搬送ユニット(3)によって搬送経路(29)まで搬送され、この搬送経路(29)から中間転写ベルト(24)及び二次転写ローラ(28)に搬送される。そして、用紙は、図1に示すように、中間転写ベルト(24)及び二次転写ローラ(28)でフルカラートナー像が転写され、定着部(14)でトナー像が定着されて、排出トレイ(HT)に排出される。
【0046】
<用紙検出ユニットの具体的構成>
用紙検出ユニット(16)の具体的構成を、図2〜図8を参照して説明する。なお、図8において、コイルバネ(34)及び付勢手段(38:コイルバネ)を省略して示している。
【0047】
用紙検出ユニット(16)は、図2〜図8に示すように、第1アクチュエータ手段(31)を備えている。この第1アクチュエータ手段(31)は、支持軸体(33)及びコイルバネ(34)を備えて構成されている。
【0048】
第1アクチュエータ手段(31)は、図4〜図8に示すように、給紙カセット(15)を装置本体(2)に装着する前(以下、「給紙カセット(15)の未装着」と称する)において、第2搬送手段(6)から収納空間(Z)に延設されている。これにより、第1アクチュエータ手段(31)は、図4〜図8に示すように、収納空間(Z)の初期位置(C)に位置されている。
また、図1〜図3において、給紙カセット(15)を収納空間(Z)の収納位置(A)側に向けて挿入すると、この挿入動作に基づいて、給紙カセット(15)は、図2及び図3に示すように、第1アクチュエータ手段(31)に当接して、第1アクチュエータ手段(31)を初期位置(C)から第2搬送手段(6)側の退避位置(D)まで回転させる。
【0049】
支持軸体(33)は、図6〜図8に示すように、第2搬送手段(6)内に回転自在に配置されている。この支持軸体(33)は、図6〜図8に示すように、装置本体(2)の前後方向(G)に延設されており、第1アクチュエータ手段(31)を軸支している。
【0050】
コイルバネ(34)は、図7に示すように、支持軸体(33)の外周に装着されており、第2搬送手段(2)及び第1アクチュエータ手段(32)に係止されている。
また、コイルバネ(34)は、図7に示すように、第1アクチュエータ手段(32)が初期位置(C)に位置するように第1アクチュエータ手段(32)を付勢している。
【0051】
また、用紙検出ユニット(16)は、図2〜図8に示すように、第2アクチュエータ手段(32)、回転軸体(35)、検出手段(36)、回転制限手段(37)及び付勢手段(38)を備えている。
【0052】
第2アクチュエータ手段(32)は、図5に示すように、給紙カセット(15)の未装着において、第2搬送手段(6)から第3搬送手段(7)側に延設され、収納空間(Z)直上の待機位置(E)に位置されている。また、図1〜図3において、給紙カセット(15)を収納空間(Z)の収納位置(A)側に向けて挿入すると、この挿入動作に基づいて、第2アクチュエータ手段(32)は、図4及び図5に示す待機位置(E)から図2及び図3に示す検出位置(F)まで回転され、装置本体(2)に装着された給紙カセット(15)の用紙に当接される。
【0053】
回転軸体(35)は、図6〜図8に示すように、第2搬送手段(6)内に回転自在に配置されている。この回転軸体(35)は、図6〜図8に示すように、支持軸体(33)の軸心上に連続して位置されており、装置本体(2)の前後方向(G)に延設されている。
また、回転軸体(35)には、図7及び図8に示すように、第2アクチュエータ手段(32)が装着されており、第2アクチュエータ手段(32)は回転軸体(35)に対して回転自在に配置されている。
【0054】
検出手段(36)は、図6に示すように、第2搬送手段(6)内に配置されている。この検出手段(36)は、図6に示すように、被検出部材(39:遮光部材)及び検出センサ(40)を備えている。被検出部材(39)は、図6〜図8に示すように、回転軸体(35)外周から突出するように形成されている。検出センサ(40)は、図6に示すように、投光器及び受光器で構成される光センサであって、被検出部材(39)に対峙する位置に配置されている。
検出手段(36)は、図6に示すように、第2アクチュエータ手段(32)が待機位置(E)に位置すると、被検出部材(39)によって検出センサ(40)の検出光を遮光している。これにより、検出手段(36)は、図6に示すように、回転軸体(35)に軸支される第2アクチュエータ手段(32)の位置を検出している。
【0055】
回転制限手段(37)は、図6〜図8に示すように、第2搬送手段(6)内に配置されている。この回転制限手段(37)は、図6〜図8に示すように、第1突起部材(41)及び第2突起部材(43)を備えている。
【0056】
第1突起部材(41)は、図6〜図8に示すように、第1アクチュエータ手段(31)の支持軸体(33)に配置されている。この第1突起部材(41)は、図6〜図8に示すように、支持軸体(33)外周に形成されている。また、第1突起部材(41)には、図7に示すように、支持軸体(33)の軸心上に連続する軸受溝(44)が形成されており、この軸受溝(44)によって回転軸体(35)の一端側を回転自在に軸支している。
【0057】
第2突起部材(43)は、図6〜図8に示すように、第2搬送手段(6)内に配置されている。この第2突起部材(43)は、図6〜図8に示すように、回転軸体(35)の外周に形成されている。また、第2突起部材(43)は、図8に示すように、待機位置(E)から検出位置(F)に回転する方向(時計方向への回転)から第1突起部材(41)に当接されている。
【0058】
付勢手段(38)は、図7に示すように、コイルバネで構成され、回転軸体(35)の外周に装着されている。また、付勢手段(38)は、図7に示すように、回転軸体(35)及び第2アクチュエータ手段(32)に係止されている。
この付勢手段(38)は、図7に示すように、第2アクチュエータ手段(32)が待機位置(E)に位置するように第2アクチュエータ手段(32)を付勢している。
この状態において、第2アクチュエータ手段(32)及び回転軸体(35)は、図7に示す付勢手段(38)によって一体化され、一体として回転される。
【0059】
上記構成の用紙検出ユニット(16)は、図4、図5及び図8に示すように、第1アクチュエータ手段(31)が初期位置(C)にあると、第1アクチュエータ手段(31)の第1突起部材(41)と回転軸体(35)の第2突起部材(43)が相互に当接しているので、回転軸体(35)に軸支された第2アクチュエータ手段(32)を待機位置(E)に保持する。
また、用紙検出ユニット(16)は、図7及び図8に示すように、第1アクチュエータ手段(31)が初期位置(C)の場合、付勢手段(38:コイルバネ)により回転軸体(35)を付勢することによって、第2アクチュエータ手段(32)を待機位置(E)に保持する。即ち、付勢手段(38)は、回転軸体(35)を付勢することによって、第2アクチュエータ手段(32)を待機位置(E)に保持している。
【0060】
<用紙供給装置の具体的動作>
次に、用紙供給装置(Y)及び搬送ユニット(3)の具体的動作を、図1〜図13を参照して説明する。
なお、図8〜図10において、コイルバネ(34)及び付勢手段(38:コイルバネ)を省略して示している。
【0061】
<給紙カセットの装着動作>
給紙カセット(15)を収納空間(A)に挿入して、装置本体(2)に装着する動作を説明する。なお、説明の便宜上、第1アクチュエータ手段(31)は、図4、図5及び図8に示すように、初期位置(C)に位置され、第2アクチュエータ手段(32)は、図4、図5及び図8に示すように、待機位置(F)に保持しているものとして説明する。
【0062】
図1及び図2において、画像形成装置(X)の利用者は、給紙カセット(15)に複数枚の用紙を収納する。そして、利用者は、図1に示すように、給紙カセット(15)を中板(18)側から収納空間(Z)に挿入して、収納空間(Z)の収納位置(A)側に向けて挿入動作する。
【0063】
給紙カセット(15)は、図2及び図3に示すように、初期位置(C)に位置する第1アクチュエータ手段(31)に当接して、第1アクチュエータ手段(31)をコイルバネ(34)のバネ力に抗して図8に示す初期位置(C)から図9に示す退避位置(D)側へ回転移動させる。支持軸体(33)も、初期位置(E)から退避位置(D)側へ移動されるので、回転軸体(35)は、図2、図3及び図9に示すように、待機位置(E)から検出位置(F)側へ回転される。
このとき、第2アクチュエータ手段(32)は、図7及び図8に示すように、付勢手段(38)の付勢力により、回転軸体(35)と一体化されている。従って、第2アクチュエータ手段(32)は、図8に示す待機位置(E)から図9に示す検出位置(F)側へ回転される。この回転は、第2アクチュエータ手段(32)の自重によって行われ、待機位置(E)から検出位置(F)側へ自然落下するように回転される。
【0064】
給紙カセット(15)の装着が完了すると、第2アクチュエータ手段(32)は、図2及び図3に示すように、給紙カセット(15)の用紙に当接する検出位置(F)に位置される。このとき、検出手段(36)の被検出部材(39)は、図6に示すように、検出センサ(40)の検出光を遮光している。
【0065】
給紙カセット(15)の用紙が画像形成(二次転写)に使用されると、この使用量に応じて第2アクチュエータ手段(32)は、図2に示すように、給紙カセット(15)の中板(18)側へ回転移動される。この第2アクチュエータ手段(32)の回転移動に伴って、回転軸体(35)の被検出部材(39)も同方向へ回転され、検出センサ(40)の検出光を遮光しなくなると、画像形成装置(X)の制御装置(図示しない)は、給紙カセット(15)の用紙がないと判断し、利用者に用紙なしを報知する。
【0066】
<給紙カセットの取外動作>
給紙カセット(15)の用紙がなくなると、利用者は、図1及び図2に示すように、給紙カセット(15)を収納空間(Z)から引出して、装置本体(2)から取外す。これにより、給紙カセット(15)が未装着となる。
この給紙カセット(15)の取外し動作に基づいて、第1アクチュエータ手段(31)は、図7に示すコイルバネ(34)のバネ力(付勢力)によって、図9に示す退避位置(D)から図8に示す初期位置(B)側へ回転され、初期位置(B)に復帰される。
このとき、支持軸体(33)も、図9に示す退避位置(D)から図8に示す初期位置(B)側に回転され、第1突起部材(41)が回転軸体(35)の第2突起部材(43)に当接されるので、回転軸体(35)は、図9に示す検出位置(F)から図8に示す待機位置(E)側へ回転される。
【0067】
一方、第2アクチュエータ手段(32)は、図7に示すように、付勢手段(38)の付勢力によって回転軸体(35)と一体化されている。これにより、第2アクチュエータ手段(35)も、回転軸体(35)と同時に図9に示す検出位置(F)から図8に示す待機位置(E)側へ回転され、待機位置(E)に復帰される。
【0068】
このように、第1アクチュエータ手段(31)を初期位置(C)側へ付勢するコイルバネ(34)のバネ力によって、第2アクチュエータ手段(32)を図9に示す検出位置(F)から図8に示す待機位置(E)まで復帰させる。
そうすると、コイルバネ(34)は、第2アクチュエータ手段(35)を図9に示す検出位置(F)から図8に示す待機位置(E)まで復帰させるに十分なバネ力(付勢力)にすることが有用である。
【0069】
<搬送ユニットの紙詰り処理>
画像形成装置(X)は、図1に示すように、搬送ユニット(3)の搬送経路(8)に紙が詰まると、利用者に紙詰りを報知する。
【0070】
利用者は、上記<給紙カセットの取外動作>と同様にして、給紙カセット(15)を装置本体(2)から取外して、給紙カセット(15)を未装着の状態とする。
【0071】
これにより、第1アクチュエータ手段(31)は、図7及び図8に示すように、コイルバネ(34)の付勢力(バネ力)によって図9に示す退避位置(D)から図8に示す初期位置(C)に復帰され、退避位置(C)側へ回転が不能な状態にされる。
【0072】
このとき、支持軸体(33)も、図9に示す退避位置(D)から図8に示す初期位置(C)側に回転され、第1突起部材(41)が回転軸体(35)の第2突起部材(43)に当接されるので、回転軸体(35)は、図9に示す検出位置(F)から図8に示す待機位置(E)側へ回転される。そして、第1アクチュエータ手段(31)の第1突起部材(41)と回転軸体(35)の第2突起部材(43)の当接によって、回転軸体(35)は、図8に示す待機位置(E)から図9に示す検出位置(F)への回転が不能な状態にされる。
これにより、第2アクチュエータ手段(31)も、図9に示す検出位置(F)から図8に示す待機位置(E)に復帰され、付勢手段(38)による付勢力によって、回転軸体(35)と一体にされ、図8に示す待機位置(E)から図9に示す検出位置(F)側への回転が不能な状態にされている。
【0073】
これにより、用紙検出ユニット(16)は、図8に示すように、第1アクチュエータ手段(31)が初期位置(C)にあり、第2アクチュエータ手段(32)を待機位置(E)に保持する。第2アクチュエータ手段(32)の待機位置(E)での保持は、図7及び図8に示すように、第1突起部材(41)及び第2突起部材(43)相互の当接と、付勢手段(38:コイルバネ)の付勢力によるものである。
【0074】
続いて、利用者は、図8に示す第1アクチュエータ手段(31)が初期位置(C)の場合であり、第2アクチュエータ手段(32)を待機位置(E)で保持している状態において、図11に示す第3搬送手段(7)のロックレバー(51)を操作して、第3搬送手段(7)を収納空間(Z)まで移動させるように押下げる。これにより、第3搬送手段(3)は、図12及び図13に示すように、第1搬送手段(5)に対するロック部材(52)のロックが解除され、第2搬送手段(3)の回転軸体(6A)を軸心として、収納空間(Z)まで回転移動される。なお、第3搬送手段(7)は、図12及び図13に示すように、ガイド部材及びガイド溝(図示しない)で案内される。
【0075】
このとき、第3搬送ユニット(7)は、図12及び図13に示すように、第2アクチュエータ手段(32)に接触しつつ回転移動される。
第3搬送手段(7)の接触によって、第2アクチュエータ手段(32)は、図12及び図13に示すように、待機位置(E)から検出位置(F)側へ回転されるような押付け力を第3搬送手段(7)から受けることになる。
このとき、回転軸体(35)は、図7及び図8に示すように、待機位置(E)から検出位置(F)側への回転が不能にされている。
【0076】
この結果、第2アクチュエータ手段(32)は、図8に示す待機位置(E)から検出位置(F)側へ回転移動される。このとき、付勢手段(38)の付勢力に抗して、第2アクチュエータ手段(32)は、図10に示すように、回転軸体(35)を軸心として回転移動される。
【0077】
そして、第3搬送手段(7)の回転移動が進んで、図12及び図13に示すように、収納空間(Z)の処理位置(A)まで回転移動され、第1搬送手段(5)に対して並行姿勢となる。
このとき、第2アクチュエータ手段(32)も、図12及び図13に示すように、第3搬送手段(3)の回転移動に追従するように、図8及び図11に示す待機位置(E)、検出位置(F)から図10、図12及び図13に示す退避位置(J)まで回転移動されることになる。また、第2アクチュエータ手段(32)の回転により、付勢手段(38)は、第2アクチュエータ手段(32)を待機位置(E)側へ付勢するような付勢力(バネ力)を有する。
【0078】
そして、第3搬送手段(7)は、図12及び図13に示すように、収納空間(Z)の処理位置(B)に回転移動されると、第1搬送手段(5)との間に十分な空間を形成する。
これにより、利用者は、第1搬送手段(5)又は第3搬送手段(7)に存在する紙詰り用紙を取り除く(除去)ことができる。
【0079】
利用者は、搬送ユニット(3)から紙詰り用紙を取り除く(除去)と、図12及び図13に示すように、収納空間(Z)の処理位置(B)から第1搬送手段(5)に向けて第3搬送手段(7)を押上げるように回転移動させる。
そして、第3搬送手段(7)を第1搬送手段(5)に押付けると、第3搬送手段(7)は、図11に示すように、ロック部材(52)によって第1搬送手段(5)にロックされて保持される。
【0080】
この第3搬送手段(3)の回転移動(押上げ動作)に伴って、第2アクチュエータ手段(32)は、図7に示すように、付勢手段(38)の付勢力(バネ力)によって図10、図12及び図13に示す退避位置(J)、検出位置(F)から図8及び図11に示す待機位置(E)まで回転され、待機位置(E)に復帰される。
【0081】
この紙詰り処理において、第2アクチュエータ手段(32)は、第3搬送手段(7)から受ける押付け力によって、付勢手段(38)の付勢力に抗して、回転軸体(35)を軸心として検出位置(F)側へ回転移動される。このとき、付勢手段(38)の付勢力に抗して、第2アクチュエータ手段(32)を回転軸体(35)に対して回転移動させるには、回転軸体(35)が回転不能に維持されている必要がある。
そうすると、第1アクチュエータ手段(31)を付勢するコイルバネ(34:付勢手段)の付勢力(バネ力)は、付勢手段(38)の付勢力(バネ力)より大きくして、付勢手段(38)の付勢力の影響を受けることなく、第1アクチュエータ手段(31)を初期位置(C)に維持(保持)することが有用である。
【0082】
以上の通り、本発明に係る用紙供給装置(Y)は、搬送ユニット(3)の紙詰り処理において、第2アクチュエータ手段(32)を、回転軸体(35)を軸心として、この回転軸体(35)に対して回転させるので、第3搬送手段(7)が当接して、押付け力を受けても、破損することがない。
また、回転軸体(35)の被検出部材(39)の回転角を十分に取れないときでも、回転軸体(35)に対して第2アクチュエータ手段(32)を回転させるので、被検出部材(39)が破損することもない。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、用紙を収納する用紙収納手段、及び用紙収納手段の用紙残量を検出する用紙検出ユニットを備え、用紙収納手段に収納される用紙を画像形成装置内へ送り出す用紙供給装置、及びこの用紙供給装置を備える画像形成装置に対して好適である。
【符号の説明】
【0084】
X 画像形成装置
Y 用紙供給装置
Z 収納空間
A 収納位置
C 初期位置
D 退避位置
E 待機位置
F 検出位置
J 退避位置
2 装置本体
3 搬送ユニット
5 第1搬送手段
6 第2搬送手段
7 第3搬送手段
15 用紙収納手段(給紙カセット)
16 用紙検出ユニット
31 第1アクチュエータ手段
32 第2アクチュエータ手段
35 回転軸体
36 検出手段
37 回転制限手段
38 付勢手段(コイルバネ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、前記装置本体に形成される収納空間と、前記収納空間に対峙して配置され、用紙を搬送する搬送ユニットを含んでなり、
前記搬送ユニットは、第1搬送手段と、前記収納空間の収納位置側に配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第2搬送手段と、前記第2搬送手段に連続して配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第3搬送手段を備え、前記第3搬送手段は、前記第1搬送手段から離間され、前記収納空間の位置まで移動可能な画像形成装置において、
前記収納空間に向けて挿入動作することで前記装置本体に装着され、用紙を収納する用紙収納手段と、
前記第2搬送手段に配置され、前記装置本体に装着される前記用紙収納手段の用紙残量を検出する用紙検出ユニットを備えて構成され、前記用紙収納手段に収納されている用紙を前記装置本体内へ送り出す用紙供給装置であって、
前記用紙検出ユニットは、
前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記収納空間の初期位置から前記挿入動作の方向の退避位置まで回転される第1アクチュエータ手段と、
前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記第3搬送手段側の待機位置から前記用紙収納手段の用紙に当接する検出位置まで回転される第2アクチュエータ手段と、
前記第2アクチュエータ手段を回転自在に軸支する回転軸体と、
前記第2アクチュエータ手段の位置を検出する検出手段と、
前記第1アクチュエータ手段と回転軸体の夫々には突起部材が配置され、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置のとき前記突起部材が互いに当接することにより前記回転軸体に軸支された第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持する回転制限手段と、
前記回転軸体の外周に装着され、前記第2アクチュエータ手段及び前記回転軸体に係止される付勢手段を備えてなり、
前記付勢手段は、
前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合、前記第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持し、
前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合で前記第3搬送手段が前記収納空間まで移動したときは、前記第2アクチュエータ手段が前記検出位置側に移動可能とすることを特徴とする用紙供給装置。
【請求項2】
装置本体と、前記装置本体に形成される収納空間と、前記収納空間に対峙して配置され、用紙を搬送する搬送ユニットと、用紙供給装置を含んでなり、
前記搬送ユニットは、
第1搬送手段と、前記収納空間の収納位置側に配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第2搬送手段と、前記第2搬送手段に連続して配置され、前記第1搬送手段の間に搬送経路を形成する第3搬送手段を備え、前記第3搬送手段は、前記第1搬送手段から離間され、前記収納空間の位置まで移動可能であり、
前記用紙供給装置は、
前記収納空間に向けて挿入動作することで前記装置本体に装着され、用紙を収納する用紙収納手段と、
前記第2搬送手段に配置され、前記装置本体に装着される前記用紙収納手段の用紙残量を検出する用紙検出ユニットを備えて構成される画像形成装置において、
前記用紙検出ユニットは、
前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記収納空間の初期位置から前記挿入動作の方向の退避位置まで回転される第1アクチュエータ手段と、
前記用紙収納手段の挿入動作に基づいて、前記第3搬送手段側の待機位置から前記用紙収納手段の用紙に当接する検出位置まで回転される第2アクチュエータ手段と、
前記第2アクチュエータ手段を回転自在に軸支する回転軸体と、
前記第2アクチュエータ手段の位置を検出する検出手段と、
前記第1アクチュエータ手段と回転軸体の夫々には突起部材が配置され、前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置のとき前記突起部材が互いに当接することにより前記回転軸体に軸支された第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持する回転制限手段と、
前記回転軸体の外周に装着され、前記第2アクチュエータ手段及び前記回転軸体に係止される付勢手段を備えてなり、
前記付勢手段は、
前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合、前記第2アクチュエータ手段を前記待機位置に保持し、
前記第1アクチュエータ手段が前記初期位置の場合で前記第3搬送手段が前記収納空間まで移動したときは、前記第2アクチュエータ手段が前記検出位置側に移動可能とすることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−207566(P2011−207566A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76259(P2010−76259)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】