説明

用紙処理装置及び用紙搬送方法

【課題】用紙にコルゲーションをつけ、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制する用紙処理装置及び用紙搬送方法を提供する。
【解決手段】用紙処理装置7は、給紙部24により給紙される用紙を検知する検知部60と、給紙部により給紙された用紙を積載し、用紙を搬送する第1のローラ66を有する待機トレイ10と、第1のローラに対向して位置し、回動により第1のローラと当接及び離間をする第2のローラ65と、第2のローラの回転軸の軸受部に接続し、第1のローラと第2のローラの当接時、用紙に接触し用紙を湾曲させる突出部と、待機トレイから落下供給される用紙を積載し、用紙に、要求される処理を施す間、用紙を保持する処理トレイ12と、待機トレイへの用紙の搬送中に、検知部による検知結果に伴い、所定のタイミングで第2のローラを第1のローラから離間させる制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、用紙処理装置及び用紙搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
排紙方向に例えば、通常のA4サイズよりも長い、所謂、ロングサイズの用紙が排出トレイに排出される時、用紙先端が下方向に垂れ下がる傾向がある。これによって、ロングサイズの用紙の先端が排出トレイの用紙積載面に接触する時、用紙が丸まって積載不良を起こす問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−308251公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、用紙に、排紙方向に沿い中央部に湾曲するコルゲーションをつけ、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制する用紙処理装置及び用紙搬送方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態における用紙処理装置は、前段の装置から搬送された用紙を受け入れ、給紙する給紙部と、前記給紙部により給紙される用紙を検知する検知部と、前記給紙部により給紙された用紙を積載し、用紙を搬送する第1のローラを有する待機トレイと、前記第1のローラに対向して位置し、回動により前記第1のローラと当接及び離間をする第2のローラと、前記第2のローラの回転軸の軸受部に接続し、前記第1のローラと前記第2のローラの当接時、前記用紙に接触し用紙を湾曲させる突出部と、前記待機トレイから落下供給される用紙を積載し、用紙に、要求される処理を施す間、用紙を保持する処理トレイと、前記待機トレイへの前記用紙の搬送中に、前記検知部による検知結果に伴い、所定のタイミングで前記第2のローラを前記第1のローラから離間させる制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第一の実施形態における、用紙処理装置の構成図である。
【図2】第一の実施形態における、待機トレイの斜視図である。
【図3】第一の実施形態における、用紙処理装置のブロック図である。
【図4】第一の実施形態における、画像形成装置のブロック図である。
【図5】第一の実施形態における、回動ローラ及び待機トレイローラを示す斜視図である。
【図6】第一の実施形態における、回動ローラ及び待機トレイローラの当接状態を示す図である。
【図7】第一の実施形態における、回動ローラ及び待機トレイローラの離間状態を示す図である。
【図8】第一の実施形態における、回動ローラの回動のタイミングチャートである。
【図9】第二の実施形態における、回動ローラの回動のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態の用紙処理装置を説明する。
【0008】
(第一の実施形態)
第一の実施形態の用紙処理装置は、回動ローラ65を回転可能に支持する回動ローラシャフト65aを支持する軸受部67に、回転ローラ65が待機トレイローラ65と当接する側に、一体的に形成されるリブ(突出部)73により、用紙Pにコルゲーションをつける。
【0009】
図1は、用紙処理装置の構成図である。この用紙処理装置による用紙の処理は、通常、用紙後処理と言われ、ステイプル、ソート、ホールパンチ、及び中綴じ等があるが、ここではステイプル処理を施す用紙処理装置について説明する。
【0010】
用紙処理装置7の上面部には固定トレイ75が設けられている。固定トレイ75は、積載される用紙Pの先端が後端より高くなる傾斜を有する。固定トレイ75の排紙口71に隣接して、排出機構があり用紙Pを挟持搬送する一対の用紙排出ローラ76、77が設けられている。画像形成装置5等の前段の装置から用紙Pを受け入れる入り口ローラ22から排紙口71までの間には、用紙Pの用紙排出ローラ76、77に導く固定トレイパス74が設けられる。
【0011】
排紙口71の下方には、用紙Pの後端を支持する後端支持体である複数本のトレイリブ80が設けられる。固定トレイ75及びトレイリブ80は一体成型されている。排紙口71の上方には、固定トレイ75上の、用紙Pの積載限界を検知するセンサ81が取着される。
【0012】
固定トレイ75は、前述のように、用紙Pの先端側が後端側より高くなるように傾斜して配置されている。そのため、固定トレイ75に搬送された用紙Pは、固定トレイ75の傾斜を利用してシート後端方向である矢印x方向に戻り、後端をトレイリブ80に当接して縦整合される。同様にして画像形成装置5から排紙された用紙Pは、所定枚数になるまで順次固定トレイ75に排紙され、縦整合される。
【0013】
固定トレイ75の下方には、待機トレイ10が設けられている。入り口ローラ22から待機トレイ10までの間に、用紙Pを一対の給紙ローラ(給紙部)24に導くペーパーパス36が設けられる。また、給紙ローラ24から待機トレイ10までの間に出口センサ(検知部)60が設けられる。本実施の形態では、出口センサ60は、給紙ローラ24に隣接して配置される。出口センサ60は、ペーパーパス36を介して搬送される用紙Pを検知する。出口センサ60が用紙Pを検知する場合、給紙ローラ24が用紙Pを挟持し搬送しているとする。
【0014】
待機トレイ10は、待機トレイローラ66を備えるための溝を有する。待機トレイローラ66は、待機トレイ10の溝にはめ込まれ、待機トレイローラ66の一部は待機トレイ10から上方に突出する。待機トレイローラ66の回転軸は、待機トレイ10に内蔵される。待機トレイローラ66は、トレイ部材10a、10bのそれぞれに内蔵される。回動ローラ65は、回動ローラシャフト65aと一体的に形成される。回動ローラ65は、待機トレイ10の上方に位置する。図2に示すように搬送方向の直交方向に、複数の回動ローラ65を回動ローラシャフト65aと一体的に構成する。また、これに限らず、搬送方向の直交方向に長い1つの回動ローラ65を回動ローラシャフト65aと一体的に構成しても良い。このように、搬送方向の直交方向に、回動ローラ65を複数個所あるいは、長い1つの回動ローラ65を回動ローラシャフト65aに一体的に設けることにより、用紙サイズに合わせてスライド移動する待機トレイローラ66と、回動ローラ65は当接する。待機トレイ10から一部突出した待機トレイローラ66と回動ローラ65が用紙Pを挟持し、用紙Pを待機トレイ10へ搬送する。
【0015】
待機トレイ10の下方には、待機トレイ10上、即ち、移動するトレイ部材10a、10bの間から落下供給される用紙Pを積載する処理トレイ12が配置される。回動ローラ65及び待機トレイローラ66で構成されるローラ対は、給紙ローラ24の下流側に位置し、給紙ローラ24により搬送される用紙Pを搬送する。
【0016】
処理トレイ12は、用紙後処理を行う処理機構であるステイプラ14により用紙Pをステイプル処理する間、積載される用紙を整合支持する。処理トレイ12は、ステイプラ14に向かって下方傾斜して配置されており、待機トレイ10から落下供給される複数枚の用紙Pを搬送方向である縦方向に整合する上下一対の整合ローラ38a、38bを有する。整合ローラ38a、38bは、ステイプラ14に近接して設けられ、ステイプル処理終了後の用紙束Tを挟持してステイプラ14から取り出す束搬送ローラを兼用する。
【0017】
また、用紙Pが待機トレイ10から処理トレイ12に落下供給される際に用紙P後端が落下する位置には、処理トレイ12に積載されるパドル44が配置される。パドル44は、回転可能であり、最上位の用紙Pを縦方向に整合する。パドル44はゴム材からなり弾性を有する。
【0018】
処理トレイ12のステイプラ14側の端部には、用紙P後端を当接し、後端位置を規制するストッパ45が設けられる。処理トレイ12の略中央には、搬送ベルト50が設けられる。搬送ベルト50は、ステイプル処理され上下縦整合ローラ38a、38bによりステイプラ14から取り出された用紙束Tを第1の排紙トレイ(排紙部)16まで搬送する。搬送ベルト50には、用紙束Tの後端を引っ掛ける送り爪50aが取り付けられる。
【0019】
待機トレイ10は、用紙Pを処理トレイ12に落下供給可能である。他方、待機トレイ10は、ステイプル処理をしない用紙Pを第1の排紙トレイ16方向に搬送可能となっている。第1の排紙トレイ16への用紙Pの搬送は、回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対により、待機トレイ10上の用紙Pに接触して行う。回動ローラ65は、アーム64を介して、回動ソレノイド63により回動駆動され、搬送モータ105(図3)により回転駆動される。搬送モータ105は、回動ローラ65を回転可能に支持する回動ローラシャフト65aに接続される。回動ローラ65が駆動ローラであり、待機トレイローラ66は従動ローラである。待機トレイローラ66は、回動ローラ65と当接している時に、回動ローラ65の回転に伴い回転する。待機トレイローラ66と回動ローラ65の当接時、待機トレイローラ66と回動ローラ65の間にニップが形成される。
【0020】
叩き部材62は、待機トレイ10の上方に設けられる。叩き部材62は、叩きソレノイド61により制御される。叩き部材62は、待機トレイ10に搬送された用紙Pを矢印w方向へ叩くことにより、用紙Pにその中央部に排紙方向に沿い湾曲するコルゲーション(以下、単にコルゲーションと言う)をつける。また、叩き部材62は、待機トレイ10から処理トレイ12に用紙Pを落下させる際にも用紙Pを叩く。叩き部材62が用紙Pを叩く際に、用紙Pが薄い場合、用紙Pに叩き部材62の叩き跡が残ってしまう虞もある。よって、叩き部材62の角や下面に、保護部材をつけても良い。保護部材とは、例えば、シートやスポンジである。また、叩き部材62の角をなくし、丸みを帯びた形状にしても良い。
【0021】
図2は、待機トレイ10の斜視図である。待機トレイ10は、用紙Pの先端が後端より高くなる傾斜を有して配置される。待機トレイ10は、一対のトレイ部材10a、10bで構成される。トレイ部材10a及び10bは、用紙Pの幅にスライドした状態で用紙Pを受け取り、用紙Pの両側を支持する。トレイ部材10a及び10bには、用紙Pの後端を規制する待機ストッパが設けられる。待機トレイ10は待機トレイモータ109(図3)によりスライド移動する。トレイ部材10aは、矢印y方向及び矢印y方向と逆方向へスライド移動する。トレイ部材10bは、矢印z方向及び矢印z方向と逆方向へスライド移動する。待機トレイローラ66は、待機トレイ10に備えられており、待機トレイ10のスライド移動に伴い、待機トレイローラ66も移動する。
【0022】
用紙処理装置7における用紙Pの一連の流れについて説明する。用紙Pの搬送経路は3つである。第1の搬送経路は、ステイプル処理を施さず、固定トレイ75に用紙Pが排紙される経路である。第2の搬送経路は、ステイプル処理を施さず、用紙Pが排紙トレイ16に排紙される経路である。第3の搬送経路は、ステイプル処理を施し、用紙Pが処理トレイ12から排紙トレイ16に排紙される経路である。
【0023】
まず、第1の搬送経路について説明する。ステイプル処理せずに、固定トレイ75に排紙する場合、画像形成装置5の給紙ローラ6から排紙された用紙Pは、入り口ローラ22によりトレイパス74を介して、用紙排出ローラ76、77に搬送され、固定トレイ75に排紙される。画像形成装置5から排紙された用紙Pは、所定枚数になるまで順次固定トレイ75に排紙され、縦整合される。
【0024】
次に第2の搬送経路について説明する。用紙Pにステイプル処理をせずに、第1の排紙トレイ16に排紙をする場合、例えば、排紙トレイ16は、予め図1に点線で示す位置にスライド移動する。ステイプル処理しない場合、入り口ローラ24に搬送された用紙Pは、入り口ローラ22からペーパーパス36を介して給紙ローラ24に搬送され、給紙ローラ24により待機トレイ10に給紙される。次いで用紙Pは、待機トレイ10上を回動ローラ65、及び待機トレイローラ66により搬送され、排紙トレイ16に排紙される。
【0025】
次に、第3の搬送経路について説明する。用紙Pにステイプル処理を行う時、待機トレイ10は、トレイ部材10a、10bがスライド移動して用紙Pを支持可能となっている。画像形成装置5から排出され、給紙ローラ24により供給される用紙Pは、例えば、処理トレイ12で先行する用紙Pへのステイプル処理が完了するのを待つため、待機トレイ10上に載置される。処理トレイ12でのステイプル処理が完了するのを待つ間、待機トレイ10に複数枚の用紙Pを積載する。
【0026】
処理トレイ12上の先行する用紙Pが排紙トレイ16に排出されて処理トレイ12でのステイプル処理が完了すると、図2のトレイ部材10aは矢印y方向へ、トレイ部材10bは矢印z方向へ、それぞれスライド移動する。また、トレイ部材10a、10bのスライド時、叩き部材62は用紙Pの上から矢印w方向へ叩く。このようにトレイ部材10a、10bのスライド、及び叩き部材62による用紙叩きにより、待機トレイ10に載置していた用紙Pを処理トレイ12に落下させる。ステイプル処理後、搬送ベルト50を駆動して、制御部100は、ステイプル処理を施した用紙束Tの後端を送り爪50aに引っ掛けて、排紙トレイ16へ搬送する。
【0027】
ロングサイズの用紙Pを待機トレイ10に搬送する場合、回動ローラ65を待機トレイローラ66から離間しても、給紙ローラ24による搬送で用紙Pを待機トレイ10に搬送可能である。駆動ローラである回動ローラ65が従動ローラである待機トレイローラ66から離間すると、待機トレイローラ66は用紙Pの搬送力を持たないが、FOLIO等のロングサイズの用紙Pは、十分な長さを持っているため、待機トレイローラ66の上流に位置する給紙ローラ24により、用紙Pを待機トレイ10へ搬送可能である。
【0028】
この時、FOLIO等のロングサイズの用紙Pは長手方向に長いため、回動ローラ65の待機トレイローラ66からの離間や、叩き部材62による用紙叩きによるコルゲーションをつけるような処理を施しても、下方向への垂れ下がりは抑制されるが、排紙トレイ16に用紙が接触する。上述した第3の搬送経路による用紙Pの搬送であっても、待機トレイ10に用紙Pを待機させた状態の時、排紙トレイ16に用紙Pの先端が接触する。
【0029】
図3は、用紙処理装置7のブロック図である。用紙処理装置7の制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)で構成される。ROMは、CPUを動作させるためのプログラムが格納する。RAMは、用紙Pの処理枚数データや、画像形成装置5から送信される各種情報等を格納する。制御部100は、システムバス101を介して接続された通信インターフェース(I/F)102によって、画像形成装置5、クライアントPC(図示せず)、外部サーバ(図示せず)と通信する。
【0030】
制御部100は、システムバス101を介して、通信インターフェース(I/F)102、センサ60、81、及びステイプラ14を制御するステイプラ制御駆動部103が接続される。また、制御部100は、システムバス101を介して、搬送モータ105を制御する搬送モータ駆動制御部104、回動ソレノイド63を制御する回動ソレノイド駆動制御部106、叩きソレノイド61を制御する叩きソレノイド駆動制御部107、及び待機トレイモータ109を制御する待機トレイモータ駆動制御部108と接続する。制御部100は、システムバス101を介して、搬送モータ105の駆動、回動ソレノイド63及び叩きソレノイド61のON、OFFの制御、及び待機トレイモータ109の駆動を制御する。
【0031】
搬送モータ105は、入り口ローラ22や給紙ローラ24、上下縦整合ローラ38a、38b、及び回動ローラ65に接続する。搬送モータ105は1つに限らず、それぞれのローラに接続する複数のモータでも良い。
【0032】
回動ソレノイド63は、アーム64を介して、回動ローラ65を第2のシャフト71(図5)を中心軸として回動させる。回動ローラ65を待機トレイローラ66との当接状態から矢印t方向に回動(図5)させた時、回動ローラ65は、待機トレイローラ66から離間する。回動ローラ66を待機トレイローラ66との離間状態から矢印t方向と逆方向に回動させた時、回動ローラ65は、待機トレイローラ66に当接する。
【0033】
叩きソレノイド61は、叩き部材62を回動させる。制御部100が叩きソレノイド61をONにすると、図1、図2に示すように矢印w方向へ叩き部材62が回動する。この矢印w方向への回動により、用紙Pを叩く。叩きソレノイド61をOFFにすると、矢印w方向の逆方向へ叩き部材62が回動し、元の位置へ戻る。元の位置とは、叩き部材62が矢印w方向へ回動する前の位置である。制御部100は、用紙Pを叩き部材62により叩き、用紙Pにコルゲーションをつける時以外は、用紙搬送の妨げとならないように、叩き部材62のホームポディションである用紙搬送路内に退避させるよう制御する。
【0034】
待機トレイモータ109は、トレイ部材10a及び10bをスライド移動させる。待機トレイモータ109は、正方向への回転及び、正方向とは逆の方向への回転が可能である。例えば、待機トレイモータ109を正方向へ回転させると、トレイ部材10aは矢印y方向へ、トレイ部材10bは矢印z方向へ、スライド移動する。待機トレイモータ109を正方向とは逆の方向へ回転させると、トレイ部材10aは矢印y方向と逆方向へ、トレイ部材10bは矢印z方向と逆方向へ、スライド移動する。
【0035】
図4は、本実施形態の用紙処理装置7の前段に位置する画像形成装置5のブロック図である。画像形成装置5は、例えばCPU、ROM、RAMを有する制御部200、通信I/F201、コントロールパネル202、読取部203、搬送ローラに接続される搬送モータ205を駆動する搬送モータ制御駆動部204、画像形成部206で構成される。これらは、システムバス207により接続される。コントロールパネル202は、表示部208及び操作部209を有する。表示部208はタッチパネル式でもよく、操作部をかねても良い。操作部209は、各種キーを有する。ユーザはコントロールパネル202により、用紙Pの種類、印字モード、用紙サイズを選択可能である。用紙の種類とは、例えば普通紙、再生紙、薄紙、厚紙である。印字モードとは、例えば、カラーモード、モノクロモードである。用紙サイズは、例えば、A3、A4、A5サイズ、LETERサイズ、FOLIOサイズ等である。画像形成装置5の制御部200が、ユーザが選択する用紙の種類、印字モード、用紙サイズ等の各種情報を通信I /F201から用紙処理装置7の通信インターフェース(I /F)102を介して、制御部100へ送信する。
【0036】
図5は、用紙処理装置7における回動ローラ65及び待機トレイローラ66を示す斜視図である。図6は、回動ローラ65及び待機トレイローラ66の当接状態を示す図であり、図7は、回動ローラ65及び待機トレイローラ66の離間状態を示す図である。
【0037】
図6に示す回動ローラ65及び待機トレイローラ66の当接状態がホームポディションである。アーム64は、第1のアーム68、第2のアーム69、及び第1のシャフト70、第2のシャフト71、回動ローラシャフト65aで構成される。第1のアーム68は回動ソレノイド63と接続する。第2のアーム69は、第1のシャフト70を介して、第1のアーム68と回動可能に接続される。第2のシャフト71は固定されており、第2のアーム69は、固定される第2のシャフト71を中心に回動する。回動ローラシャフト65aは、第2のアーム69と接続する。
【0038】
リブ73は、回動ローラシャフト65aに、その軸受部67を介して接続される。リブ73は、図5に示すように回動ローラシャフト65aを搬送方向と直交する向きから見たときに、略中央に位置するのが好ましい。すなわち、用紙Pの幅方向の略中央にコルゲーションがつくようにリブ73を配置する。
【0039】
リブ73は、回動ローラ65及び待機トレイローラ66の当接状態において、用紙Pにコルゲーションをつける形状である。例えば、リブ73の先端部は、回動ローラが待機トレイローラに当接する際に形成するニップ位置よりも下へ突き出すような形状である。この形状により、待機トレイ10に搬送されてくる用紙Pの中央部がリブ73により下方に押圧され、コルゲーションが形成される。
【0040】
リブ73が用紙Pに接触し、用紙Pにコルゲーションをつける際に、用紙Pが薄い場合等、用紙Pにリブ73の叩き跡が残ってしまう虞もある。よって、リブ73の下面に、保護部材をつけても良い。保護部材とは、例えば、シートやスポンジである。また、リブ73の角をなくし、丸みを帯びた形状にしても良い。
【0041】
回動ソレノイド63をONにすると、回動ソレノイド63は第1のアーム68と共に矢印s方向へ移動する。第2のシャフト71は固定軸である。第2のアーム69は、固定された第2のシャフト71を中心に矢印t方向へ回動する。このとき、第2のアーム69に接続される回動ローラシャフト65aも第2のアーム69と共に矢印t方向へ回動する。よって、回動ソレノイド63をONにすると、回動ローラ65は、待機トレイローラ66と離間する(図7)。この時、回動ローラシャフト65aに軸受けを介して接続されるリブ73も矢印t方向へ回動する。制御部100は、回動ソレノイド63をONにした時、リブ73は搬送される用紙Pに当接しない位置とするよう、回動ソレノイド63を駆動する。あるいは、回動ソレノイド63をONにした時、リブ73は搬送されてくる用紙Pに当接しない形状とする。
【0042】
回動ソレノイド63をOFFにすると、回動ソレノイド63は回動ソレノイド63に接続される第1のアーム68と共に矢印s方向と反対方向へ移動する。第2のアーム69は、固定された第2のシャフト71を中心に矢印t方向と反対方向へ回動する。第2のアーム69に接続される回動ローラシャフト65aも第2のアーム69と共に矢印s方向と反対方向へ回動する。この時、回動ローラシャフト65aに接続されるリブ73も矢印t方向と反対方向へ回動する。よって、回動ソレノイド63をOFFにすると、回動ローラ65は、待機トレイローラ66と当接し、回動ローラ65とともにリブ73も図6に示す状態に戻る。
【0043】
図8は、回動ローラ65の回動のタイミングチャートである。このタイミングチャートは複数枚、待機トレイ10に用紙Pを待機させる時のタイミングチャートである。図8では2枚の用紙Pを待機トレイ10へ待機させる場合の説明をする。
【0044】
出口センサ60が、1枚目の用紙Pを検知してから、E1ステップ数経過後、搬送モータ105を駆動する。1枚目の用紙Pの待機トレイ10への搬送中は、回動ソレノイド63はOFFの状態である。すなわち、制御部100は、1枚目の用紙Pを、リブ73が1枚目の用紙Pに接触し続ける状態で搬送するよう制御する。
【0045】
続いて、制御部100は、出口センサ60が、2枚目の用紙Pを検知してから、E2ステップ数経過後、回動ソレノイド63をONにする。制御部100は、回動ソレノイド63がONになってから、E3ステップ数後、回動ソレノイド63をOFFにする。
【0046】
2枚目の用紙Pの搬送時には、回動ローラ65及び待機トレイローラ66が形成するニップに挟まれた状態で、待機トレイ10の上に1枚目の用紙Pが積載されている。既に1枚目の用紙Pを挟んだ回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対へ2枚目の用紙Pを搬送する際、2枚目の用紙Pの搬送されるスペースが十分でない虞がある。つまり、2枚目の用紙Pの先端が回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対、またはリブ73でジャムを起こす虞がある。よって、2枚目の用紙Pを出口センサ60が検知してから、回動ソレノイド63をONにするタイミングは、待機トレイローラ66の上を2枚目の用紙Pの先端が通過する前が好ましい。制御部100は、2枚目の用紙Pの搬送時、回動ソレノイド63をONからOFFにするタイミングは、待機トレイローラ66の上を2枚目の用紙Pの先端が通過した後とする。
【0047】
上述のような制御に限らず、制御部100は、2枚目の用紙Pを出口センサ60が検知してから、回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対を2枚目の用紙Pの先端が通過後、早い段階で回動ソレノイド63をONにするよう制御しても良い。2枚目の用紙Pの先端が回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対を通過後、回動ソレノイド63をONにするのを、早い段階(例えばローラ対通過後10mm)とすると、ジャムを発生させずに2枚目の用紙Pを搬送することができる。上述では、2枚の用紙Pを待機トレイ10へ待機させる説明をしたが、用紙枚数は2枚に限らない。制御部100は、2枚目以降の用紙Pの待機トレイ10への搬送時も同様の制御を行う。
【0048】
複数枚の用紙Pを待機トレイ10に待機させる場合であっても、2枚目以降の用紙Pの搬送スペースを十分に確保することができる。また、他の実施の形態と同様に複数枚の用紙にコルゲーションを形成できる。
【0049】
上述では、用紙処理をステイプルとした用紙処理装置の説明をしたが、ソート、ホールパンチ、または中綴じをする用紙処理装置であっても良い。また、制御部100は、ステップ数にて処理を施す制御をしているが、これに限らず、経過時間で処理を施すように制御をしても良い。
【0050】
上述のような用紙処理装置及び用紙搬送方法により、用紙Pにコルゲーションをつけ、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制することができる。また、リブ73によりコルゲーションをつけるため、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制する効果がより得られる。また、複数枚の用紙Pを待機トレイ10に待機させる場合であっても、2枚目以降の用紙Pの搬送スペースを十分に確保することができる。また、他の実施の形態と同様に複数枚の用紙にコルゲーションを形成できる。
【0051】
(第二の実施形態)
第二の実施形態の用紙処理装置は、待機トレイ10の回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間し、回動ローラ65を回転可能に支持する回動ローラシャフト65aにその軸受けを介して接続するリブ73により、用紙Pにコルゲーションをつける。第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0052】
図9は、回動ローラの回動のタイミングチャートである。このタイミングチャートは複数枚、待機トレイ10に用紙Pを待機させる時のタイミングチャートである。図9では2枚の用紙Pを待機トレイ10へ待機させる場合の説明をする。
【0053】
出口センサ60が、1枚目の用紙Pを検知してから、F1ステップ数経過後、回動ソレノイド63をONにし、搬送モータ105を駆動する。回動ソレノイド63がONになってからF2ステップ数経過後、回動ソレノイド63をOFFにする。
【0054】
続いて、制御部100は、出口センサ60が、2枚目の用紙Pを検知してから、F3ステップ数経過後、回動ソレノイド63をONにする。制御部100は、回動ソレノイド63がONになってから、F4ステップ数後、回動ソレノイド63をOFFにする。
【0055】
1枚目の用紙Pを出口センサ60が検知してから、回動ソレノイド63をONにするタイミングは、待機トレイローラ66の上を1枚目の用紙Pの先端が通過する前、または、回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対を1枚目の用紙Pの先端が通過後、早い段階とする。複数の用紙Pを待機トレイ10に待機させる場合、2枚目以降の用紙Pを出口センサ60が検知してから、回動ソレノイド63をONにするタイミングは、待機トレイローラ66の上を2枚目の用紙Pの先端が通過する前、または、回動ローラ65及び待機トレイローラ66のローラ対を2枚目の用紙Pの先端が通過後、早い段階とする。
【0056】
上述のような用紙処理装置及び用紙搬送方法により、用紙にコルゲーションをつけ、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制することができる。また、待機トレイ10の回動ローラ65を待機トレイローラ66から一定時間離間し、さらにリブ73によりコルゲーションをつけるため、用紙先端の下方向への垂れ下がりを抑制する効果がより得られる。また、複数枚の用紙Pを待機トレイ10に待機させる場合であっても、2枚目以降の用紙Pの搬送スペースを十分に確保することができる。
【0057】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
5 画像形成装置
7 用紙処理装置
10 待機トレイ
10a、10b トレイ部材
12 処理トレイ
14 ステイプラ
16 排紙トレイ(排紙部)
24 給紙ローラ(給紙部)
60 出口センサ(検知部)
61 叩きソレノイド
62 叩き部材
63 回動ソレノイド
64 アーム
65 回動ローラ(第2のローラ)
65a 回動ローラシャフト
66 待機トレイローラ(第1のローラ)
67 軸受部
73 リブ(突出部)
100、200 制御部
101 システムバス
102、201 通信I/F
103 ステイプラ制御駆動部
104 搬送モータ駆動
105 搬送モータ回動ソレノイド
106 回動ソレノイド駆動制御部
107 叩きソレノイド駆動制御部
108 待機トレイモータ駆動制御部
109 待機トレイモータ
202 コントロールパネル
208 表示部
209 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前段の装置から搬送された用紙を受け入れ、給紙する給紙部と、
前記給紙部により給紙される用紙を検知する検知部と、
前記給紙部により給紙された用紙を積載し、用紙を搬送する第1のローラを有する待機トレイと、
前記第1のローラに対向して位置し、回動により前記第1のローラと当接及び離間をする第2のローラと、
前記第2のローラの回転軸の軸受部に接続し、前記第1のローラと前記第2のローラの当接時、前記用紙に接触し用紙を湾曲させる突出部と、
前記待機トレイから落下供給される用紙を積載し、用紙に、要求される処理を施す間、用紙を保持する処理トレイと、
前記待機トレイへの前記用紙の搬送中に、前記検知部による検知結果に伴い、所定のタイミングで前記第2のローラを前記第1のローラから離間させる制御部と、
を備えることを特徴とする用紙処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記トレイへ搬送する前記用紙が1枚目の場合に、前記用紙の先端が前記突出部に接触してから、前記待機トレイへの搬送が終了するまで、前記突出部を前記用紙に接触させることを特徴とする請求項1記載の用紙処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記用紙の先端が前記第1のローラ及び前記第2のローラのローラ対を通過する前に、前記第2のローラを前記第1のローラから離間させ、前記用紙の先端が前記第1のローラを通過してから前記第2のローラを前記第1のローラへ当接させることを特徴とする請求項1記載の用紙処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記用紙の先端が前記第1のローラ及び前記第2のローラ対を通過してから前記第2のローラを前記第1のローラから離間させ、一定時間搬送後、前記第2のローラを前記第1のローラに当接させることを特徴とする請求項1記載の用紙処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記待機トレイに待機させる前記用紙が複数枚の場合、前記用紙の搬送が2枚目以降の時、前記用紙の先端が前記突出部に接触する前に、前記第2のローラを前記第1のローラから離間させることを特徴とする請求項2記載の用紙処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記用紙の先端が前記第1のローラを通過してから前記第2のローラを前記第1のローラへ当接させることを特徴とする請求項5記載の用紙処理装置。
【請求項7】
前段の装置から搬送される用紙を検知し、
用紙を搬送する第1のローラを有する待機トレイに給紙される用紙を積載し、
前記待機トレイから落下供給される用紙を処理トレイに積載し、用紙に処理を施し、
前記用紙を積載する待機トレイへの前記用紙の搬送中、前記用紙の検知結果に基づき、前記用紙に突出部を接触させるよう制御する
ことを特徴とする用紙搬送方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−56770(P2013−56770A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−52785(P2012−52785)
【出願日】平成24年3月9日(2012.3.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】