説明

用紙搬送装置

【課題】簡易な方式で記録用紙に表紙や挿入紙を付加する機能を備えた用紙搬送装置を提供する。
【解決手段】用紙搬送装置100は、第1搬送部103を構成する第1筐体121と、第2搬送部104を構成する支点位置160を基準として回転可能に設けられた第2筐体120と、搬送された用紙が合流する部分である第3筐体123とで構成される。通常位置において、第1筐体121と第2筐体120とは密着した状態で用いられる。第2筐体120は回転可能に設けられており、第1筐体121と第2筐体120とを分離した状態とすることが可能である。その際には、第2搬送部104は、挿入用紙収納部として機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に画像を形成する画像形成装置のうち特に本体上部等に画像形成後の用紙を排出するとともに後処理装置を連接させるタイプの画像形成装置への適用が可能な用紙搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
用紙に画像を形成する画像形成装置のうち特に本体上部等に画像形成後の用紙を排出するタイプの画像形成装置においては、そのままでは、後処理装置(ソータ、ステープラ、パンチャー等に対する記録用紙に対する後処理を行う手段)まで搬送することができない。
【0003】
従来より、当該構成においては、記録用紙を後処理装置まで搬送するための搬送路を備えた用紙搬送装置が各種提案されている(特許文献1)。
【0004】
この点で、当該特許文献1においては、画像形成装置の高速な出力速度に合わせた後処理を後処理装置で実行するために記録用紙を2枚重ね合わせた状態で後処理装置に排出することにより画像形成装置の生産性と後処理装置の生産性を両立する方式が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−273454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、近年、記録用紙に表紙や挿入紙を付加して排出する機能を設けた画像形成システムが提案されているが、当該システムにおいては、専用の給紙トレイを設けて、専用の搬送経路を設ける必要があるためシステム全体のコストアップやサイズアップの原因となっていた。
【0007】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、簡易な方式で記録用紙に表紙や挿入紙を付加する機能を備えた用紙搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面に従う用紙搬送装置は、記録用紙に画像を形成する画像形成装置と画像が形成された記録用紙に対して後処理を実行する後処理装置との間で用紙を搬送する用紙搬送装置であって、画像形成装置から第1の記録用紙が排紙される第1排紙部と接続可能に設けられ、第1の記録用紙を搬送するための第1搬送部と、画像形成装置から第2の記録用紙が排紙される第2排紙部と接続可能に設けられ、第2の記録用紙を搬送するための第2搬送部と、指示に従って第1搬送部の第1搬送経路を介して搬送される第1の記録用紙と、第2搬送部の第2搬送経路を介して搬送される第2の記録用紙とを重ね合わせて、後処理装置へと搬送するための合流部とを備える。第2搬送部は、第2排紙部との接続から切り離された場合には、外部から挿入される挿入用紙を収容して当該挿入用紙を搬送する。
【0009】
好ましくは、画像形成装置は、第2搬送部が第2排紙部との接続から切り離されたことを検知した場合には、第2排紙部からの第2の記録用紙の排紙を中止し、第1の排紙部から第1の記録用紙を排紙する。
【0010】
好ましくは、第2搬送部は、複数の挿入用紙を収容可能であり、第2排紙部との接続から切り離された場合には、1枚ずつ搬送する。
【0011】
好ましくは、合流部は、第2排紙部との接続から切り離された場合には、指示に従って、第1搬送部の第1搬送経路を介して搬送される第1の記録用紙と第2搬送部の第2搬送経路を介して搬送される挿入用紙とを重ね合わせて、後処理装置へと搬送する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のある局面に従う用紙搬送装置において、第2搬送部は、第2排紙部との接続から切り離された場合には、外部から挿入される挿入用紙を収容して当該挿入用紙を搬送する。すなわち、第1搬送部と、第2搬送部とを設けた構成において、接続が切り離された場合に第2搬送部を挿入用紙を収容して搬送する。当該構成により、新たな専用の搬送経路を設ける必要が無く簡易な方式で挿入紙を付加することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に従う画像形成システムの概観を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う画像形成システムの概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う画像形成装置1の操作パネル54について説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に従う画像形成装置1の主に画像形成に関する部材を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に従う用紙搬送装置100の構成を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う画像形成システムの概観を説明する別の図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う第2搬送部104を挿入用紙収納部として用いる場合の操作について説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に従う画像形成システムにおける画像形成装置1の画像形成のフロー図である。
【図9】本発明の実施の形態に従う画像形成システムの用紙搬送装置100における用紙搬送処理のフロー図である。
【図10】本発明の実施の形態に従う挿入紙給紙モードについて説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に従う画像形成システムの概観を説明する図である。
図1を参照して、画像形成システムとして、本例においては、画像形成装置の一例である複合器であるMFP(Mutli Function Peripheral)を用いた場合について説明する。なお、複写機、プリンタ、またはファクシミリ等についても同様に適用可能である。
【0016】
本発明の実施の形態に従う画像形成システムは、MFP1と、用紙搬送装置100と、後処理装置(フィニッシャー)200とを含む。
【0017】
MFP1は、後述するが本体の上部に操作パネル54が設けられ、ユーザからの各種の指示等を受ける。また、本体の上面には、スキャナ53およびADF(Auto Document Feeder)52が設けられている。ADF52は原稿をスキャナ53に送る。本体の下部には、後述する画像形成部58等が設けられている。本体の中央部には、画像形成部58で形成された記録用紙が排出される排出口が設けられている。
【0018】
また、MFP1の側には、後処理装置200が設けられている。そして、本例においては、一例として、MFP1と後処理装置200との間に本発明の実施の形態に従う用紙搬送装置100を設ける。後述するが、用紙搬送装置100は、MFP1の排出口から排出された記録用紙を後処理装置200に搬送する。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態に従う画像形成システムの概略ブロック図である。
図2を参照して、本発明の実施形態に従う画像形成システムにおいて、画像形成装置1は、画像形成装置制御部C1と、記録用紙収納部18と、給送部57と、ADF52と、スキャナ53と、記憶部55と、シリアル通信部51と、操作パネル54と、画像形成部58と、定着部32と、第1排紙部60と、第2排紙部61とを含む。
【0020】
画像形成装置制御部C1は、主にCPU(Central Processing Unit)やRAM(Random access Memory)を含んで構成され、画像形成装置1全体における画像読取、画像形成、用紙給送、等の処理を含むシステム全体の処理等、画像形成システムの全制御を司る。
【0021】
また、画像形成装置制御部C1は、ユーザが操作パネル54を介して設定した各種後処理等の出力設定を操作信号として受信すると、当該操作信号に基づいて、画像形成を行う用紙ごとに、必要となる後処理の種別、当該用紙のサイズ等、から構成される用紙情報(後処理情報)を生成してRAMに記憶するとともに、当該情報を必要に応じて用紙搬送装置100や、後処理装置200に伝達する。
【0022】
シリアル通信部51は、用紙搬送装置100とシリアル通信でやり取りする機能を果たす。また、シリアル通信部51は、RAMに記憶された用紙情報を画像形成を行う用紙ごとに用紙搬送装置100に送信する。さらに、シリアル通信部51は、用紙搬送装置100のシリアル通信部101より送信される後処理装置200の装置情報を取得することができる。
【0023】
記録用紙収納部18は、画像形成を行う各種サイズ(例えば、A4、B5等)の記録用紙を必要に応じて収納する。
【0024】
給送部57は、記録用紙収納部18に収納された記録用紙を給紙して、画像形成部58に搬送するとともに、画像形成装置1から排出するため第1排紙部60あるいは第2排紙部61に記録用紙を搬送する。
【0025】
ADF52は、上部のトレイに載置された原稿をスキャナ53に搬送する。スキャナ53に搬送された原稿は、CCD(Charge Coupled Device)等により読み取られ画像データが取得される。スキャナ53で取得された画像データは記憶部55に記憶され、一例として記憶部55で記憶された画像データに基づいて画像形成部58において記録用紙に対する画像形成処理が実行される。
【0026】
画像形成部58で記録用紙上に形成された画像は定着部32で定着されて、第1排紙部60あるいは第2排紙部61のいずれか一方から排出される。
【0027】
用紙搬送装置100は、用紙搬送装置制御部C2と、シリアル通信部101,102と、第1搬送部103と、第2搬送部104と、画像形成装置装着検知部108と、重ね合わせ部106と、排出部107と、後処理装置装着検知部109とを含む。
【0028】
用紙搬送装置制御部C2は、主にCPUやRAMを含んで構成され、用紙搬送装置100全体における用紙搬送処理等の全制御を司る。
【0029】
シリアル通信部101は、画像形成装置1のシリアル通信部51との間で情報をシリアル通信でやり取りする機能を果たす。また、シリアル通信部102は、後処理装置200のシリアル通信部201との間で情報をシリアル通信でやり取りする機能を果たす。したがって、例えば、画像形成装置1からの用紙情報等を用紙搬送装置100のシリアル通信部101,102を介して後処理装置200のシリアル通信部201に伝達することが可能となる。また、その逆も可能である。すなわち、後処理装置200の装置情報を画像形成装置1のシリアル通信部51に伝達することが可能となる。
【0030】
第1搬送部103は、後述する第1搬送経路142を介して画像形成装置1の第1排紙部60から排紙された記録用紙を搬送する。
【0031】
第2搬送部104は、後述する第2搬送経路140を介して画像形成装置1の第2排紙部61から排紙された記録用紙を搬送する。また、第2搬送部104は、後述するが挿入用紙収納部としても機能する。
【0032】
画像形成装置装着検知部108は、用紙搬送装置100が所定の位置に配置されて、画像形成装置1の第1排紙部60、第2排紙部61と第1搬送部103、第2搬送部104とがそれぞれ連結されたことを検知する。例えば、電気的に通電状態であれば連結した状態と判断しても良いし、機械的な連結による部材の位置変化を検知して連結した状態と判断しても良い。
【0033】
用紙搬送装置100の用紙搬送装置制御部C2は、画像形成装置装着検知部108からの当該検知に従って画像形成装置1と連結されたことを検知して、画像形成装置1から排紙された記録用紙に対する搬送処理を実行する。また、画像形成装置装着検知部108は、第2搬送部分離検知部105を含む。
【0034】
第2搬送部分離検知部105は、第2搬送部104の位置に従って第2排紙部61と第2搬送部104との連結が解除されたことを検知する。用紙搬送装置100の用紙搬送装置制御部C2は、第2搬送部分離検知部105からの当該検知に従って第2搬送部104が分離されたことを検知して、第2搬送部104を挿入用紙収納部として機能するように制御する。
【0035】
重ね合わせ部106は、第1搬送部103、第2搬送部104からそれぞれ搬送された用紙を重ね合わせる処理を実行する。具体的には、後述する検知センサ150を用いて合流位置114における用紙の合流を検知する。
【0036】
排出部107は、第1搬送部103あるいは第2搬送部104から搬送された用紙あるいは重ね合わせ部106の処理により重ね合わせた2枚の用紙を後処理装置200に排出する。
【0037】
後処理装置装着検知部109は、用紙搬送装置100が所定の位置に配置されて、後処理装置200の用紙導入部202と排出部107とが連結されたことを検知する。例えば、電気的に通電状態であれば連結した状態と判断しても良いし、機械的な連結による部材の位置変化を検知して連結した状態と判断しても良い。
【0038】
用紙搬送装置100の用紙搬送装置制御部C2は、後処理装置装着検知部109からの当該検知に従って後処理装置200と連結されたことを検知して、排出部107から排出される記録用紙を用紙導入部202に排出する。すなわち、用紙搬送装置100は、画像形成装置装着検知部108および後処理装置装着検知部109からのそれぞれの検知を受けて、ともに装着を検知したときに用紙搬送処理を実行する。
【0039】
後処理装置200は、後処理装置制御部C3と、シリアル通信部201と、用紙導入部202と、用紙搬送部203と、パンチ処理部204と、ステープル処理部205と、折り処理部206と、用紙束収容部207と、排紙部208とを含む。
【0040】
後処理装置制御部C3は、主にCPUやRAMを含んで構成され、後処理装置200全体における後処理等の全制御を司る。
【0041】
シリアル通信部201は、用紙搬送装置100のシリアル通信部102との間で情報をシリアル通信でやり取りする機能を果たす。例えば、用紙搬送装置100から用紙情報を受信したり、後処理装置200の装置情報等を送信したりすることが可能となる。
【0042】
用紙導入部202は、用紙搬送装置100から排出された記録用紙を後処理装置200内に導入する機能を果たす。
【0043】
用紙搬送部203は、用紙情報に基づく後処理装置制御部C3からの指示に従って、記録用紙を指定された各種の後処理機能を実行する処理部に搬送する。
【0044】
パンチ処理部204は、記録用紙にパンチ(孔)を空ける後処理を実行する。
ステープル処理部205は、記録用紙にステープルを打つ後処理を実行する。
【0045】
折り処理部206は、記録用紙を製本等するために折る後処理を実行する。
排紙部208は、各種後処理を実行した記録用紙を排紙する。なお、後処理を実行しない記録用紙も排紙することが可能である。
【0046】
用紙束収容部207は、排紙部208から排紙された記録用紙を用紙束として収容する。
【0047】
なお、これらの後処理の各機能は、用紙情報に従って1つの機能のみを実行することも可能であるし、組み合わせて実行することも可能である。
【0048】
図3は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置1の操作パネル54について説明する図である。
【0049】
図3を参照して、本発明の実施の形態に従う画像形成装置1の操作パネル54には、表示部70と、操作キーとが設けられる。
【0050】
表示部70には、タッチパネル72が設けられており、表示部70上において所定の操作が可能である。
【0051】
また、操作キーとして、10キー74やスタートボタン76が設けられており、コピー等の枚数を入力して、スタートボタン76を選択することにより、コピー/スキャン等の処理の実行を指示が可能である。
【0052】
また、表示部70には、各種モードの表示やその他の表示が行われる。そして、タッチパネル72によって、表示内容に従った各種設定を行うことができる。例えば、表示部70には、通常は、コピー動作やスキャン動作を実行する際に行う基本的/応用的な設定のためのボタンが配置されている。各ボタンを押下すると、その詳細設定を行うための階層画面が表示される。例えば、応用的な設定として、パンチ処理やステープル処理といった後処理を実行する設定指示が可能である。なお、本発明の実施の形態に従う用紙搬送装置100を装着することにより記録用紙が搬送されて後処理装置200における記録用紙の後処理が可能となるため用紙搬送装置100が所定位置に装着された場合に当該後処理を実行する設定指示を可能にするようにしても良い。
【0053】
さらに、表示部70には、その時点で画像形成装置1に予約されているジョブ情報が表示される。具体的には、実行されるべきジョブがジョブID順に表示される。特定のジョブに対して消去や変更等の操作を行う場合は、ジョブ操作ボタンを選択した後、操作対象となるジョブ番号ボタンを押下する。それらの操作によってジョブ操作画面が表示され、特定のジョブに対する操作が可能となる。
【0054】
また、後述するが操作パネル54の表示部70には、各種のエラー通知が表示される。
また、操作パネル54を介して、用紙搬送装置100の第2搬送部104を用いた挿入紙モードの設定が可能であるものとする。具体的には、表紙を付ける場合、また、部数単位で印刷する場合に部間に挿入紙を挟む場合、裏表紙を付ける場合等の設定が可能であるものとする。
【0055】
また、操作パネル54を介して、用紙搬送装置100から後処理装置200に記録用紙を搬送する際における複数の記録用紙の重ね合わせの実行指示(設定指示)が可能であるものとする。
【0056】
図4は、本発明の実施の形態に従う画像形成装置1の主に画像形成に関する部材を説明する図である。
【0057】
図4を参照して、本発明の実施の形態に従う画像形成装置1は、タンデム方式の転写部を持ち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを順次重ね合わせることによってカラー画像を形成することが可能である。なお、図4においては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)に対応した各構成部をそれぞれa、b、c、dで識別している。
【0058】
画像形成部58は、図4に示すように、露光装置6による露光によって感光体3上に形成される静電潜像を、現像装置4によって現像し、得られたトナー像を一次転写ローラ(図示せず)によって中間転写ベルト2に転写し、さらに記録用紙に転写するように構成されている。
【0059】
すなわち、画像形成装置1には、Y、M、C、Kの4色のカートリッジ(イメージングユニット)28が、タンデム配列で配置されており、これらのカートリッジ28で形成された各色のトナー像(トナー画像)が、中間転写ベルト2上に重ねられて転写され合成される。
【0060】
各カートリッジ28は、ドラム形状の感光体3の近傍に、現像装置4、帯電装置5および露光装置6等が配置されて構成されている。感光体3の表面は、帯電装置5によって所定の電圧(帯電電位)V0に帯電され、露光装置6からの露光によって静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像バイアス電圧Vdcが印加された現像ローラにより、静電潜像の電位と現像バイアス電圧Vdcとの電位ギャップΔVに現像ローラから帯電したトナーが供給されることによってトナー像となり、顕像化される。
【0061】
感光体3の表面に顕像化されたトナー像は、一次転写ローラによって中間転写ベルト2に1次転写される。中間転写ベルト2上のトナー像は、二次転写ローラ37によって、記録媒体が収納されている記録用紙収納部18からカセット給紙ローラ8により搬送された記録用紙に2次転写される。なお、カセット給紙ローラ8により搬送された記録用紙はタイミングローラ38によって、必要に応じて一旦停止される。さらに、手差しによって記録用紙を供給する場合に、当該記録用紙をタイミングローラ38へ搬送する手差し給紙ローラ9が設けられている。なお、タイミングローラ38の上流側に用紙検知センサ29が設けられ、当該センサの検知出力に従ってタイミング制御が行われる。また、用紙材質検知センサ22も設けられている。
【0062】
記録用紙上に二次転写されたトナー像は定着部32の定着ローラ32aによって定着される。定着ローラ32aに対向し接触するように加圧ローラ32bが設けられている。また、定着ローラ32aの近傍には、当該定着ローラ32aの表面温度を検出する温度センサが設けられ、定着ローラ32aの内部には当該定着ローラ32aを加熱する定着ヒータが設けられている。なお、定着ローラ32aの上流側には定着ループセンサ27が設けられている。
【0063】
定着後の記録用紙は、第1排紙部60を構成する排紙ローラ33によって排出されるか、あるいは、第2排紙部61を構成する排紙ローラ39によって排出される。排紙切換部材41が設けられており、排紙切換部材41の切換位置に従って、第1排紙部60を構成する排紙ローラ30を用いた排紙が行われるか、第2排紙部61を構成する排紙ローラ39を用いた排紙が行われる。
【0064】
なお、両面画像を形成する際には、排紙ローラ39を用いて一旦原稿が排出側へと引き込まれ、そして両面搬送経路35へ搬送される。両面搬送経路35は上記のタイミングローラ38に通じる経路につながっている。両面搬送経路35には、両面搬送ローラ34a、34bが設けられており、両面搬送モータ45がこれらの両面搬送ローラ34a、34bを駆動することで、両面搬送経路35上の記録用紙がタイミングローラ38へ搬送される。
【0065】
上記した2次転写で転写しきれずに中間転写ベルト2上に残留しているトナー(転写残トナー)は、中間転写ベルトクリーナ7によって除去され回収される。つまり、2次転写の後で、中間転写ベルトクリーナ7によって中間転写ベルト2の表面が清掃される。なお、中間転写ベルトクリーナ7として、本実施形態では、中間転写ベルト2に対して圧接と離間との間を移動可能に設けられたクリーニングブレード方式のものを用いるが、これ以外に、中間転写ベルト2に対して印加される電圧がオンオフ制御されるブラシ方式のもの等、種々の方式または機構のものを用いることが可能である。転写残トナーは、廃トナーボックス36に回収される。
【0066】
カートリッジ28の上方には、攪拌羽26を動作させることでトナーを補給するトナーボトル25が設けられている。また、攪拌羽26a、26b,26c,26dをそれぞれ動作させるトナー補給モータ24a,24b,24c,24dが設けられている。
【0067】
また、カラーPCモータ48、メインモータ44、定着モータ46、カラー用現像モータ40、および現像モータ42が設けられている。
【0068】
図5は、本発明の実施の形態に従う用紙搬送装置100の構成を説明する図である。
図5を参照して、本発明の実施の形態に従う用紙搬送装置100は、第1搬送部103を構成する第1筐体121と、第2搬送部104を構成する支点位置160を基準として回転可能に設けられた第2筐体120と、搬送された用紙が合流する部分である第3筐体123とで構成される。
【0069】
通常位置において、第1筐体121と第2筐体120とは密着した状態で用いられる。その際には、第1搬送部103と第1排紙部60とは連結された状態であるとともに、第2搬送部104と第2排紙部61とは連結された状態である。
【0070】
一方、第2筐体120は回転可能に設けられており、第1筐体121と第2筐体120とを分離した状態とすることが可能である。その際には、第1搬送部103と第1排紙部60とは連結された状態であるが、第2搬送部104と第2排紙部61とは分離した状態である。この第2搬送部104と第2排紙部61とが分離した状態において、第2搬送部104は、挿入用紙収納部として機能する。
【0071】
第1搬送部103には、複数の搬送上ローラ125と、複数の搬送下ローラ127とが設けられ、図示しないモータにより駆動されて第1搬送部103の第1搬送経路142を用いて記録用紙を搬送する。
【0072】
第2搬送部104には、複数の搬送上ローラ124と、複数の搬送下ローラ126とが設けられ、図示しないモータにより駆動されて第2搬送部104の第2搬送経路140を用いて記録用紙を搬送する。
【0073】
第2搬送部104を構成する第2筐体120の上側は開閉可能に設けられた上蓋122を有する。後述するが上蓋122を開くことにより第2搬送部104に挿入用紙を収容することが可能となる。
【0074】
排出部107を構成する排紙ローラ130の近傍の合流位置114には、検知センサ150が設けられ、当該検知センサ150を用いて合流が検知される。すなわち、第1搬送部103の第1搬送経路142を用いて搬送されてきた記録用紙と第2搬送部104の第2搬送経路140を用いて搬送されてきた用紙との重ね合わせが判断される。
【0075】
また、第2搬送部104には、用紙検知センサ152が設けられ、用紙の有無を検知する。なお、これら検知センサ150、用紙検知センサ152は、用紙搬送装置100の用紙搬送装置制御部C2と接続されているものとする。
【0076】
図6は、本発明の実施の形態に従う画像形成システムの概観を説明する別の図である。
図6を参照して、図1で説明した画像形成システムと比較して、用紙搬送装置100における第2搬送部104がリフトアップされて位置が変化した場合が示されている。具体的には、第2筐体120を支点位置160を基準として所定角度回転させた状態が示されている。当該状態は、第2搬送部104と第2排紙部61とが分離した状態である。一方、第1搬送部103と第1排紙部60とは連結した状態が維持されている。したがって、上述したように第2搬送部104は、挿入用紙収納部として機能することになる。その他の部分については同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。
【0077】
図7は、本発明の実施の形態に従う第2搬送部104を挿入用紙収納部として用いる場合の操作について説明する図である。
【0078】
図7を参照して、第2搬送部104を挿入用紙収納部として用いる場合、第2筐体120の上側に設けられた上蓋122を開いて、挿入用紙を収納する。複数の搬送上ローラ124は、上蓋122に連結して設けられており、上蓋122を開くことにより連結された複数の搬送上ローラ124も上蓋122とともに移動するため、複数の搬送上ローラ124と複数の搬送下ローラ126との間に挿入用紙を収納することが可能となる。
【0079】
そして、上蓋122を閉じて複数の搬送上ローラ124と複数の搬送下ローラ126で挿入用紙を挟み込み、第2搬送経路140を用いて挿入用紙を搬送することが可能となる。
【0080】
本例においては、複数の挿入用紙を挿入した場合が示されており、挿入用紙は、当該ローラを用いて1枚ずつ搬送される。
【0081】
図8は、本発明の実施の形態に従う画像形成システムにおける画像形成装置1の画像形成のフロー図である。
【0082】
当該処理は、主に画像形成装置制御部C1が記憶部55に格納されているプログラムを読み出すことにより実行されるものである。
【0083】
図8を参照して、まず、画像形成装置制御部C1は、用紙搬送装置100の第2搬送部104と第2排紙部61とが接続されているかどうかを判断する(ステップS2)。具体的には、シリアル通信部51を介して用紙搬送装置100の用紙搬送装置制御部C2から送信される情報に基づいて接続の有無を判断する。
【0084】
ステップS2において、用紙搬送装置100の第2搬送部104と第2排紙部61とが接続されていると判断した場合(ステップS2においてYES)には、次に、記録用紙重ね合わせ処理モードの指示が有るかどうかを判断する(ステップS4)。具体的には、操作パネル54を介して、用紙搬送装置100における記録用紙の重ね合わせの実行指示がユーザからあったかどうかを判断する。記録用紙の重ね合わせの実行指示とは、2枚の記録用紙を用紙搬送装置100内に重ね合わせてともに後処理装置200に搬送する処理である。当該処理により、後処理装置200における後処理の生産性を向上させることが可能となる。
【0085】
ステップS4において、記録用紙重ね合わせ処理モードの指示が有ると判断した場合(ステップS4においてYES)には、重ね合わせ設定とする(ステップS6)。当該設定は、記録用紙の排紙毎に用紙搬送装置100に送信されるものとする。なお、本例においては、操作パネル54からユーザの意図のもとに記録用紙の重ね合わせの実行指示がある場合に重ね合わせ設定を実行する場合について説明するが、特にユーザからの指示がない場合であっても第2搬送部104と第2排紙部61とが接続されている場合には、自動的に記録用紙の重ね合わせの実行指示が有ると判断して処理を実行するようにしても良い。
【0086】
そして、次に、印刷指示が有るかどうかを判断する(ステップS8)。具体的には、操作パネル54において、各種印刷設定とともにスタートボタン76の押下があった場合には、印刷指示が有ると判断する。
【0087】
そして、ステップS8において、印刷指示が有ると判断した場合(ステップS8においてYES)には、画像形成部58に印刷指示して印刷シーケンスを実行する(ステップS10)。印刷シーケンスは、図4で説明した画像形成に関する各部材を用いて記録用紙に画像を形成する。画像の形成方式等については公知の技術であるのでその説明は省略する。また、例えば、複数枚印刷する場合には、印刷が終了する毎に、所定タイミングで印刷指示が入力されたものと判断して、画像形成部58に印刷指示するものとする。
【0088】
一方、ステップS8において、印刷指示が無いと判断した場合(ステップS8においてNO)には、ステップS2に戻る。
【0089】
次に、ステップS10において、印刷シーケンスを実行した後、次に、重ね合わせ設定が有るかどうかを判断する(ステップS11)。具体的には、上述したユーザからの操作指示に従って重ね合わせ設定がなされたかどうかを判断する。
【0090】
ステップS11において、重ね合わせ設定が有ると判断した場合(ステップS11においてYES)には、1枚目の処理であるかどうかを判断する(ステップS12)。すなわち、複数枚印刷するような場合に印刷枚数目が奇数晩目であるかどうかを判断する。
【0091】
ステップS12において、1枚目の処理であると判断した場合(ステップS12においてYES)には、第1排紙部60を用いて記録用紙を排紙する(ステップS14)。第1排紙部60から排紙された記録用紙の搬送処理については後述する。
【0092】
一方、ステップS12において、1枚目の処理でない、すなわち、2枚目の処理であると判断した場合(印刷枚数目が偶数番目)(ステップS12においてNO)には、第2排紙部61を用いて記録用紙を排紙する(ステップS16)。第2排紙部61から排紙された記録用紙の搬送処理については後述する。
【0093】
そして、処理を終了する(エンド)。当該処理を印刷用紙毎に実行する。
ステップS11において、重ね合わせ設定がないと判断した場合(ステップS11においてNO)には、第1排紙部60を用いて記録用紙を排紙する(ステップS14)。そして、処理を終了する。この場合は、重ね合わせの処理を実行しないため第1排紙部60のみを用いて記録用紙を排紙する。
【0094】
一方、ステップS2において、用紙搬送装置100の第2搬送部104と第2排紙部61とが接続されていないと判断した場合(ステップS2においてNO)には、第2排紙部61からの記録用紙の排紙を禁止する(ステップS18)。すなわち、第2搬送部104が接続されていないため第2搬送部104は、挿入用紙収納部として機能している。
【0095】
そして、次に、挿入紙モードの指示が有るかどうかを判断する(ステップS20)。具体的には、挿入紙モードとして、表紙を付ける場合、また、部数単位で印刷する場合に部間に挿入紙を挟む場合、裏表紙を付ける場合等がある。図示しないが当該挿入紙モードは、操作パネル54を介して設定可能であるものとする。なお、用紙搬送装置100が画像形成装置1に装着されていて、第2搬送部104が挿入用紙収納部として機能しているときのみ当該設定が可能であるようにしても良い。
【0096】
ステップS20において、挿入紙モードの指示が有ると判断した場合(ステップS20においてYES)には、挿入紙挿入タイミングであるかどうかを判断する(ステップS22)。具体的には、例えば、挿入紙モードとして、表紙を付ける場合が設定されている場合に、次の記録用紙の印刷タイミングが表紙を付加するタイミングであるかどうかを判断する。あるいは、挿入紙モードとして、部間に挿入紙を挟む場合が設定されている場合において、複数部印刷する際、次の記録用紙の印刷タイミングが部の最終頁であるかどうかを判断する。あるいは、裏表紙を付ける場合が設定されている場合において、次の記録用紙の印刷タイミングが最終頁であるかどうかを判断する。
【0097】
ステップS22において、挿入紙挿入タイミングであると判断した場合(ステップS22においてYES)には、次に、表紙を付加するタイミングであるかどうかを判断する(ステップS24)。
【0098】
ステップS24において、表紙を付加するタイミングであると判断した場合(ステップS24においてYES)には、表紙排出指示を出力する(ステップS28)。具体的には、画像形成装置制御部C1は、シリアル通信部51を介して用紙搬送装置100の用紙搬送装置制御部C2に対して、表紙排出指示を出力する。用紙搬送装置100は、表紙排出指示の入力を受けた場合には、後述するが先送りとして挿入用紙収納部として機能している第2搬送部104の挿入紙を先に搬送して、後処理装置200に排出するものとする。先送りすることにより、挿入紙が表紙となる。
【0099】
一方、ステップS24において、表紙を付加するタイミングで無いと判断した場合(ステップS24においてNO)には、重ね合わせ設定とする(ステップS26)。当該設定は、記録用紙の排紙毎に用紙搬送装置100に送信されるものとする。
【0100】
そして、次に、印刷指示が有るかどうかを判断する(ステップS30)。具体的には、操作パネル54において、各種印刷設定とともにスタートボタン76の押下があった場合には、印刷指示が有ると判断する。
【0101】
そして、ステップS30において、印刷指示が有ると判断した場合(ステップS30においてYES)には、画像形成部58に印刷指示して印刷シーケンスを実行する(ステップS32)。印刷シーケンスは、図4で説明した画像形成に関する各部材を用いて記録用紙に画像を形成する。画像の形成方式等については公知の技術であるのでその説明は省略する。また、例えば、複数枚印刷する場合には、印刷が終了する毎に、所定タイミングで印刷指示が入力されたものと判断して、画像形成部58に印刷指示するものとする。
【0102】
そして、次に、第1排紙部60から記録用紙を排紙する(ステップS34)。第1排紙部60から排紙された記録用紙の搬送処理については後述する。
【0103】
そして、処理を終了する(エンド)。当該処理を印刷用紙毎に実行する。
図9は、本発明の実施の形態に従う画像形成システムの用紙搬送装置100における用紙搬送処理のフロー図である。
【0104】
当該処理は、主に用紙搬送装置制御部C2が図示しない記憶部に格納されているプログラムを読み出すことにより実行されるものである。
【0105】
まず、第2搬送部104と第2排紙部61とが接続されているかどうかを判断する(ステップS42)。当該判断は、画像形成装置装着検知部108の第2搬送部分離検知部105の検知に従って判断される。なお、当該判断結果は、用紙搬送装置100の用紙搬送装置制御部C2からシリアル通信部101を介して画像形成装置1の画像形成装置制御部C1に送信されるものとする。当該情報に基づいて、画像形成装置制御部C1は、第2搬送部104と第2排紙部61とが接続されているか否かを判断することが可能である。
【0106】
ステップS42において、第2搬送部104と第2排紙部61とが接続されていると判断した場合(ステップS42においてYES)には、第2搬送経路140に用紙が有るかどうかを判断する(ステップS44)。当該判断は、用紙検知センサ152で用紙の有無が検知されて判断することが可能である。
【0107】
ステップS44において、第2搬送経路140に用紙が有ると判断される場合(ステップS44においてYES)には、第2搬送経路140上に用紙があることをエラー通知する(ステップS48)。
【0108】
そして、処理を終了する(エンド)。具体的には、用紙搬送装置制御部C2は、シリアル通信部101を介して当該エラー通知を出力する。画像形成装置1の画像形成装置制御部C1は、当該エラー通知に基づいて、操作パネル54の表示部70に当該エラー通知を表示し、用紙の除去を促すものとする。当該エラー通知が有る場合には、用紙搬送処理は実行できないようにすることが可能である。
【0109】
ステップS44において、第2搬送経路140に用紙が無いと判断される場合(ステップS44においてNO)には、記録用紙排紙タイミングであるかどうかを判断する(ステップS46)。具体的には、画像形成装置1の第1排紙部60あるいは第2排紙部61から記録用紙が排紙されるタイミングであるかどうかを判断する。
【0110】
ステップS46において、記録用紙排紙タイミングであると判断される場合(ステップS46においてYES)には、重ね合わせ設定が有るかどうかを判断する(ステップS50)。具体的には、画像形成装置1から用紙搬送装置100に重ね合わせ設定が送信されたか否かに基づいて判断することが可能である。
【0111】
ステップS50において、重ね合わせ設定があると判断した場合(ステップS50においてYES)には、第1排紙部60から記録用紙が排紙されたかどうかを判断する(ステップS52)。
【0112】
ステップS52において、第1排紙部60から記録用紙が排紙されたと判断した場合(ステップS52においてYES)には、第1搬送部103で記録用紙を保持する(ステップS54)。そして、処理を終了する(エンド)。後に、第2搬送部104で搬送される記録用紙と重ね合わせ処理を実行するためである。
【0113】
一方、ステップS52において、第1排紙部60から記録用紙が排紙されていないと判断した場合(ステップS52においてNO)、すなわち、第2排紙部61から排紙された場合には、第2搬送部104を用いて記録用紙を合流位置114まで搬送する(ステップS56)。
【0114】
そして、次に、第1搬送部103で保持された記録用紙と第2搬送部104を介して搬送される記録用紙を重ね合わせる(ステップS58)。重ね合わせたかどうかについては、検知センサ150が判断する。
【0115】
そして、次に、後処理装置200へ排出する(ステップS60)。すなわち、2枚重ね合わせた状態で記録用紙を後処理装置200へ排出する。当該処理により後処理装置200の生産性を向上させることが可能となる。そして、処理を終了する(エンド)。さらに、記録用紙が排紙される場合には、再びステップS42に戻る。
【0116】
一方、ステップS50において、重ね合わせ設定が無いと判断した場合(ステップS50においてNO)には、第1搬送部103を用いて記録用紙を搬送する(ステップS62)。そして、後処理装置200へ排出する(ステップS64)。そして、処理を終了する(エンド)。さらに、記録用紙が排紙される場合には、再びステップS42に戻る。
【0117】
一方で、ステップS42で第2搬送部104と第2排紙部61とが接続されていないと判断した場合(ステップS42においてNO)には、挿入紙給紙モードに移行する(ステップS66)。
【0118】
挿入紙給紙モードの詳細については後述する。
図10は、本発明の実施の形態に従う挿入紙給紙モードについて説明するフロー図である。
【0119】
図10を参照して、まず、第2搬送経路140に用紙があるかどうかを判断する(ステップS70)。挿入紙給紙モードの場合には、第2搬送部104は、挿入用紙収納部として機能するため挿入紙が無い場合にはエラーになる。
【0120】
ステップS70において、第2搬送経路140に用紙が無いと判断された場合(ステップS70においてNO)には、第2搬送経路140上に用紙が無いことをエラー通知する(ステップS84)。
【0121】
そして、処理を終了する(エンド)。具体的には、用紙搬送装置制御部C2は、シリアル通信部101を介して当該エラー通知を出力する。画像形成装置1の画像形成装置制御部C1は、当該エラー通知に基づいて、操作パネル54の表示部70に当該エラー通知を表示し、用紙のセットを促すものとする。当該エラー通知が有る場合には、用紙搬送処理は実行できないようにすることが可能である。
【0122】
ステップS70において、第2搬送経路140に用紙が有ると判断した場合(ステップS70においてYES)には、表紙排紙タイミングであるかどうかを判断する(ステップS72)。具体的には、用紙搬送装置制御部C2は、画像形成装置制御部C1から表紙排紙指示の入力を受けたかどうかを判断する。
【0123】
ステップS72において、表紙排紙タイミングであると判断した場合(ステップS72においてYES)には、第2搬送部104を用いて挿入紙を搬送(先送り)する(ステップS86)。
【0124】
次に、先送りした挿入紙を後処理装置200へ排出する(ステップS88)。そして、処理を終了する(エンド)。すなわち、ステップS76に戻る。表紙を先送りすることにより、表紙の後に、次の記録用紙が搬送されて、記録用紙に表紙を付加することが可能となる。
【0125】
ステップS72において、表紙排紙タイミングで無いと判断した場合(ステップS72においてNO)には、記録用紙排紙タイミングであるかどうかを判断する(ステップS74)。具体的には、画像形成装置1の第1排紙部60あるいは第2排紙部61から記録用紙が排紙されるタイミングであるかどうかを判断する。
【0126】
ステップS74において、記録用紙排紙タイミングであると判断される場合(ステップS74においてYES)には、重ね合わせ設定が有るかどうかを判断する(ステップS76)。具体的には、画像形成装置1から用紙搬送装置100に重ね合わせ設定が送信されたか否かに基づいて判断することが可能である。
【0127】
ステップS76において、重ね合わせ設定があると判断した場合(ステップS76においてYES)には、第2搬送部104を用いて挿入紙を合流位置114まで搬送する(ステップS78)。
【0128】
次に、挿入紙と第1搬送部103を用いて搬送される記録用紙を重ね合わせる(ステップS80)。重ね合わせたかどうかについては、検知センサ150が判断する。
【0129】
そして、後処理装置200へ排出する(ステップS82)。すなわち、2枚重ね合わせた状態、挿入紙と記録用紙とを重ねた状態で後処理装置200へ排出する。当該処理により後処理装置200の生産性を向上させることが可能となる。そして、処理を終了する(エンド)。さらに、記録用紙が排紙される場合には、再びステップS76に戻る。
【0130】
例えば、挿入紙モードとして、部数単位で印刷する場合に部間に挿入紙を挟む場合、次の記録用紙の印刷タイミングが部の最終頁である場合に重ね合わせ設定が有りとされて2枚重ね合わせた状態で排紙される。つまり、最終頁の次に、挿入紙が排紙された形式となり、部数単位で印刷する場合に部間に挿入紙を挟むことが可能となる。
【0131】
また、裏表紙を付ける場合、次の記録用紙の印刷タイミングが最終頁である場合に重ね合わせ設定が有りとされて2枚重ね合わせた状態で排紙される。つまり、最終頁の後に、挿入紙が排紙された形式となり、裏表紙を付けることが可能となる。
【0132】
一方、ステップS76において、重ね合わせ設定が無いと判断した場合(ステップS76においてNO)には、第1搬送部103を用いて記録用紙を搬送する(ステップS90)。
【0133】
そして、次に、後処理装置200へ排出する(ステップS92)。そして、処理を終了する(エンド)。さらに、記録用紙が排紙される場合には、再びステップS76に戻る。
【0134】
上記で説明したように、本発明の実施の形態に従う方式により用紙搬送装置100の第2搬送部104を挿入用紙収納部として機能させることが可能となり、簡易な方式で記録用紙に表紙や挿入紙を付加することが可能である。
【0135】
なお、本発明にかかる画像形成装置は、MFPに限定されない。また、コンピュータ(CPU)を機能させて、上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0136】
なお、プログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0137】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0138】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0139】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0140】
1 画像形成装置、2 中間転写ベルト、3 感光体、4 現像装置、5 帯電装置、6 露光装置、7 中間転写ベルトクリーナ、8 カセット給紙ローラ、9 手差し給紙ローラ、22 用紙材質検知センサ、24a,24b,24c,24d トナー補給モータ、25 トナーボトル、26,26a 攪拌羽、27 定着ループセンサ、28 カートリッジ、29 用紙検知センサ、31 二次転写ローラ、32a 定着ローラ、32b 加圧ローラ、33,230 排紙ローラ、34a 両面搬送ローラ、35 両面搬送経路、36 廃トナーボックス、38 タイミングローラ、40 カラー用現像モータ、42 現像モータ、44 メインモータ、45 両面搬送モータ、46 定着モータ、100 用紙搬送装置、200 後処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録用紙に画像を形成する画像形成装置と画像が形成された前記記録用紙に対して後処理を実行する後処理装置との間で用紙を搬送する用紙搬送装置であって、
前記画像形成装置から第1の記録用紙が排紙される第1排紙部と接続可能に設けられ、前記第1の記録用紙を搬送するための第1搬送部と、
前記画像形成装置から第2の記録用紙が排紙される第2排紙部と接続可能に設けられ、前記第2の記録用紙を搬送するための第2搬送部と、
指示に従って前記第1搬送部の第1搬送経路を介して搬送される前記第1の記録用紙と、前記第2搬送部の第2搬送経路を介して搬送される前記第2の記録用紙とを重ね合わせて、前記後処理装置へと搬送するための合流部とを備え、
前記第2搬送部は、前記第2排紙部との接続から切り離された場合には、外部から挿入される挿入用紙を収容して当該挿入用紙を搬送する、用紙搬送装置。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前記第2搬送部が前記第2排紙部との接続から切り離されたことを検知した場合には、前記第2排紙部からの前記第2の記録用紙の排紙を中止し、前記第1の排紙部から前記第1の記録用紙を排紙する、請求項1記載の用紙搬送装置。
【請求項3】
前記第2搬送部は、複数の挿入用紙を収容可能であり、前記第2排紙部との接続から切り離された場合には、1枚ずつ搬送する、請求項1または2記載の用紙搬送装置。
【請求項4】
前記合流部は、前記第2排紙部との接続から切り離された場合には、指示に従って、前記第1搬送部の第1搬送経路を介して搬送される前記第1の記録用紙と前記第2搬送部の第2搬送経路を介して搬送される挿入用紙とを重ね合わせて、前記後処理装置へと搬送する、請求項1〜3のいずれかに記載の用紙搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−111575(P2012−111575A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260208(P2010−260208)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】