説明

画像データ処理装置

【課題】 画像データ処理装置の操作を利便性よくする。
【解決手段】 ネットワーク複合機100は、処理対象の原稿または画像データに対する処理の指示を、所定の形式の2次元コード情報で取得する画像データ取得部108と、画像データ取得部108が取得した所定の形式の2次元コード情報をデコードする2次元コード情報デコード部112と、2次元コード情報デコード部112がデコードした指示に基づき、処理対象の原稿または画像データへの処理を制御する制御部116と、を含む

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像データ処理装置に関し、とくに2次元コード情報を取り扱う画像データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水平方向および垂直方向の2次元方向に情報を持つ2次元コード情報が普及してきている。2次元コードは、一次元コードに比べて大容量の情報を扱うことができるため、コード自体に種々の情報を持たせることが可能である。
【0003】
特許文献1には、プリンタ装置が端末装置から依頼された印刷データを印刷する際に、用紙上端部と用紙下端部にそれぞれ印刷データを識別する情報と、印刷状態を識別するための情報が含まれたバーコードを印刷データとともに印刷し、用紙排出口にて前記バーコードを読み取ることにより印刷の状態を識別し、印刷履歴として管理するように構成されたシステムが開示されている。ここで、用紙排出口にバーコードリーダが設けられており、用紙排出口にてバーコードを読み取ることにより、印刷の状態を識別して、用紙排出が完了したことをユーザに通知できるようになっている。
【特許文献1】特開2004−90235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、たとえば一台の装置にファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能、およびスキャン機能等の複数の機能を備えた複合機や、これらの機能のいずれかを有するたとえばファクシミリ装置やスキャナ等においては、原稿や画像データに対する処理を指示する場合、操作部を用いてユーザがいちいち設定を入力しなければならず、複数の設定を行わなければならない場合に、手間がかかるという課題があった。
【0005】
本発明はこうした点に鑑みてなされたもので、その目的は、画像データ処理装置の操作を利便性よくする技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、処理対象の原稿または画像データに対する処理の指示を、所定の形式の2次元コード情報で受け付ける指示受付手段と、受付手段が受け付けた所定の形式の2次元コード情報をデコードするデコード手段と、デコード手段がデコードした指示に基づき、処理対象の原稿または画像データへの処理を制御する制御手段と、を含むことを特徴とする画像データ処理装置が提供される。
【0007】
所定の形式の2次元コード情報は、たとえばQRコードとすることができる。
【0008】
画像データ処理装置は、スキャナ等の原稿読取手段をさらに含むことができ、原稿読取手段により原稿を読み取ることに処理対象の画像データを生成することができる。また、画像データ処理装置は、ネットワークを介して他の端末と送受信を行う通信制御手段をさらに含むことができ、他の端末からネットワークを介して画像データを取得することができる。
【0009】
ここで、処理対象の原稿または画像データに対する処理は、たとえば、原稿の読み取り、画像データの送信、回覧、処理依頼等である。
【0010】
ここで、画像データ処理装置は、たとえば一台の装置にファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能、およびスキャン機能等の複数の機能を備えた複合機や、これらの機能のいずれかを有するたとえばファクシミリ装置やスキャナ等とすることができる。このような装置において、従来、原稿や画像データに対する処理の指示は、ユーザが操作部等を用いていちいち入力する必要があった。
【0011】
本発明の画像データ処理装置によれば、処理対象の原稿や画像データに対する処理の指示を、2次元コード情報を印刷した原稿または2次元コード情報を含む画像データとして保持しておけば、その2次元コード情報に基づき、画像データ処理装置に処理対象の原稿や画像データに対する処理を行わせることができる。これにより、たとえば複雑な処理手順があるような場合に、ユーザがいちいち操作部を用いて指示を入力することなく、画像データ処理装置に所望の処理を実行させることができる。
【0012】
本発明の画像データ処理装置は、原稿を読み取り、画像データを生成する原稿読取手段をさらに含むことができ、制御手段は、指示受付手段が受け付けた指示に基づき、原稿読取手段の動作を制御することができる。
【0013】
ここで、原稿に対する処理の指示は、たとえば原稿読取手段が、原稿をカラーで読み取るか白黒で読み取るか、両面を読み取るか、片面のみを読み取るか等とすることができる。
【0014】
本発明の画像データ処理装置によれば、原稿読取手段に原稿を読み取らせる際の原稿読取手段の動作をいちいち指定することなく、所望の処理を実行させることができる。
【0015】
本発明の画像データ処理装置は、原稿を読み取り、画像データを生成する原稿読取手段をさらに含むことができ、制御手段は、指示受付手段が受け付けた指示に基づき、原稿読取手段が生成した画像データへの処理を制御することができる。
【0016】
画像データ処理装置は、画像データを印刷する印刷手段をさらに含むことができる。たとえば、原稿読取手段に原稿を読み取らせてコピーさせたり、原稿読取手段が生成した画像データを印刷手段に印刷させたりする際には、印刷枚数、印刷サイズ、インク濃度、両面/片面印刷、用紙サイズ等、種々の設定を行う必要がある。従来、ユーザはこれらの設定をいちいち操作部から指定していた。また、よく設定される設定条件については、たとえばワンタッチキー等に対応づけて登録することも可能である。しかし、ワンタッチキー等には数に限りがあり、一つの画像データ処理装置を複数のユーザで共有して利用する場合には、登録できる設定条件が限られていた。また、せっかく登録していても、それらを読み出すのにかえって手間がかかるということもあった。
【0017】
本発明の画像データ処理装置によれば、種々の設定条件を2次元コード情報として印刷等しておき、画像データを印刷等させる際に、指示として2次元コード情報を入力すれば良いだけなので、簡単に画像データ処理装置に所望の処理を実行させることができる。また、このような2次元コード情報をユーザが各自で保持しておくことにより、一つの画像データ処理装置を複数のユーザで共有して利用する場合であっても、画像データ処理装置に自分の所望の処理を簡単に実行させることができる。さらに、一つの2次元コード情報を、複数の画像データ処理装置に利用することができる。
【0018】
本発明の画像データ処理装置において、原稿読取手段は、所定の形式の2次元コード情報を含む原稿を読み取り、所定の形式の2次元コード情報を含む画像データを生成することができ、指示受付手段は、原稿読取手段が生成した所定の形式の2次元コード情報を含む画像データを指示として受け付けることができる。
【0019】
このようにすれば、原稿読み取り時や画像データの印刷や送信時に、所望の指示を含む2次元コード情報が印刷された原稿を原稿読取手段に読み取らせるだけで、簡単に画像データ処理装置に所望の処理を実行させることができる。
【0020】
本発明の画像データ処理装置は、所定の形式の2次元コード情報を読み取り、所定の形式の2次元コード情報を含む画像データを生成する2次元コード情報読取手段をさらに含むことができ、指示受付手段は、2次元コード情報読取手段が生成した画像情報を指示として受け付けることができる。
【0021】
ここで、画像データ処理装置がスキャナ機能を有する場合は、スキャナが2次元コード情報読取手段を兼ねることができる。これにより、画像データ処理装置に新たに2次元コード情報を読み取るバーコードリーダ等を設けることなく、2次元コード情報を読み取ることができる。また、他の例において、画像データ処理装置は、2次元コード情報を読み取るための専用のバーコードリーダ等を含むこともできる。
【0022】
本発明の画像データ処理装置において、制御手段は、デコード手段がデコードした情報にコマンド情報が含まれるか否かを解析することができる。
【0023】
本発明によれば、ユーザの操作による処理対象の原稿または画像データに対する処理の指示を受け付ける操作受付手段と、操作受付手段が受け付けた指示を示す文字情報を、所定の形式の2次元コード情報に変換する変換手段と、変換手段が変換した2次元コード情報を印刷する印刷手段と、を含むことを特徴とする画像データ処理装置が提供される。
【0024】
たとえばユーザが操作部等を用いて原稿または画像データに対する処理の指示を入力した場合に、その指示を後にも行いたいような場合には、その指示をコマンドやパラメータで表した文字情報を2次元コード情報として印刷しておくことができる。これにより、後に同じ処理を行うような場合に、2次元コード情報を読み取らせるだけで、上述したような画像データ処理装置に、所望の処理を実行させることができる。
【0025】
本発明の画像データ処理装置において、印刷手段は、2次元コード情報とともに、指示を示す文字情報を印刷することができる。
【0026】
このようにしておけば、2次元コード情報に含まれる指示の内容をユーザが把握できる。これにより、2次元コード情報を用いて画像データ処理装置に原稿や画像データに対する処理を指示する際のユーザの利便性が高まる。ここで、2次元コード情報と、指示を示す文字情報とは並置して1枚の原稿に印刷することができる。
【0027】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、画像データ処理装置の操作を利便性よくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下の実施の形態において、画像データ処理装置は、ファクシミリ、プリンタ、コピー、スキャナ機能等を統合したネットワーク複合機である。本実施の形態におけるネットワーク複合機は、たとえばネットワークファクシミリ装置やMFP(Multi Functional Peripheral)等である。ここで、ネットワーク複合機は、インターネット等のネットワークやPSTN(公衆交換電話網)に接続可能である。ネットワーク複合機は、PSTNを通じてG3ファクシミリ装置等と通信する。また、ネットワーク複合機は、インターネット等を介して他のネットワークファクシミリ装置やEメール端末とデータの送受信を行う。
【0030】
(第一の実施の形態)
本実施の形態におけるネットワーク複合機は、所定の形式の2次元コード情報をデコードして文字情報に変換する機能を有する。ここで、2次元コード情報は、一般的に2次元コード情報として知られている種々のものを用いることができるが、たとえばQRコードを用いることができる。ネットワーク複合機は、処理対象の原稿または画像データに対する処理の指示を、所定の形式の2次元コード情報で受け付け、2次元コード情報をデコードした文字情報に含まれるコマンド情報やパラメータに基づき、処理対象の原稿または画像データに対する処理を行う。
【0031】
図1は、本実施の形態におけるネットワーク複合機の構成を示すブロック図である。
ネットワーク複合機100は、指示受付部102、原稿読取部104、通信制御部106、画像データ取得部108、検出部110、2次元コード情報デコード部112、解析処理部114、制御部116、印刷処理部118、および表示部120を含む。
【0032】
なお、図1において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、たとえば、一般的なネットワーク複合機の構成である画像処理部等は図示していない。
【0033】
指示受付部102は、ユーザから、処理対象の原稿や画像データに対する処理の指示を受け付ける。指示受付部102は、ユーザから原稿や画像データに対するジョブの指定や処理の指示を受け付ける。ここで、ジョブとは、たとえば、コピー、FAX送信、メール送信、スキャン等である。たとえば、指示受付部102は、ユーザから原稿の読み取り指示を受け付ける。また、本実施の形態において、後述するように、ネットワーク複合機100は、このようなジョブの指定や処理の指示を、2次元コード情報により受け付けることができる。
【0034】
通信制御部106は、ネットワーク150を介して他のファクシミリ装置や端末と画像データの送受信を行う。ネットワーク150は、たとえばPSTN(公衆交換電話網)、インターネット等のパブリックネットワーク、またはLAN等のプライベートネットワークである。ここでは、これらをまとめてネットワーク150として示す。
【0035】
原稿読取部104は、原稿を読み取り、画像データを生成する。画像データ取得部108は、原稿読取部104が生成した画像データや、通信制御部106を介して他の端末から送信された画像データを取得する。検出部110は、画像データ取得部108が取得した画像データに2次元コード情報が含まれるか否かを検出し、画像データに2次元コード情報が含まれる場合は、2次元コード情報を抽出する。
【0036】
2次元コード情報デコード部112は、検出部110が抽出した2次元コード情報をデコードして文字情報に変換する。
【0037】
解析処理部114は、2次元コード情報デコード部112がデコードした文字情報に、コマンド情報が含まれるか否かを解析する。
【0038】
表示部120は2次元コード情報デコード部112がデコードした文字情報等を表示する。印刷処理部118は、画像データ取得部108が取得した画像データ等を印刷出力する。
【0039】
制御部116は、2次元コード情報デコード部112がデコードした文字情報にコマンド情報が含まれる場合、そのコマンド情報に基づいて、原稿読取部104が読み取る原稿や画像データ取得部108が取得した画像データに対する処理を制御する。具体的には、制御部116は、たとえば画像データ取得部108に、原稿読取部104による原稿の読み取り方法等を指示する。たとえば、画像データ取得部108は、制御部116からの指示に基づき、原稿読取部104に、原稿をカラーで読み取らせたり白黒で読み取らせたり等する。また、制御部116は、たとえば印刷処理部118に画像データの印刷枚数等を指示する。また、制御部116は、たとえば通信制御部106に、画像データの送信指示等を行う。
【0040】
図2は、本実施の形態におけるネットワーク複合機100の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0041】
画像データ取得部108が画像データを取得すると(S100のYES)、検出部110は、その画像データに2次元コード情報が含まれるか否かを検出する(S102)。画像データが2次元コード情報を含む場合(S102のYES)、検出部110は、画像データから2次元コード情報を抽出し、2次元コード情報デコード部112に送出する。2次元コード情報デコード部112は、検出部110から送出された2次元コード情報をデコードして文字情報に変換する(S104)。解析処理部114は、2次元コード情報デコード部112が変換した文字情報にコマンド情報が含まれるか否かを判断する(S106)。文字情報にコマンド情報が含まれる場合(S106のYES)、解析処理部114は、文字情報を解析し、コマンド情報およびパラメータ等を取得する(S108)。ここで、たとえば、ユーザからの指示が、ファクシミリ送信指示の場合、コマンド情報は、送信先のアドレス、送信するタイミング等を含む。また、パラメータとして、ファクシミリ送信のリトライ回数等が含まれる。この場合、文字情報は、たとえば「送信文書/送信先:○○−××××−××××/送信時刻:即時送信/リトライ回数:10回/分」と表される。
【0042】
制御部116は、解析処理部114が解析した文字情報に基づき、ネットワーク複合機100の各機能を制御して、処理対象の原稿や画像データへの処理を開始する(S110)。たとえば、ユーザからの指示がファクシミリ送信の場合、画像データ取得部108を制御して原稿読取部104にセットされた原稿を読み取らせ、画像データを生成させて画像データを取得させる。ついで、通信制御部106を制御して、画像データ取得部108が取得した画像データを文字情報に含まれるコマンド情報及びパラメータに従って所定の送信先に送信させる。
【0043】
処理が終了すると(S112のYES)、一連の手順を終了して、次の指示があるまで待機する。
【0044】
一方、ステップS102において、画像データ取得部108が取得した画像データに2次元コード情報が含まれない場合、画像データ取得部108は、その画像データが処理対象の画像データであると判断して、制御部116からの指示を待つ(S114)。ユーザからの処理対象の画像データに対する指示を受け付けると(S114のYES)、ステップS110に進み、制御部116は、ユーザからの指示に基づき、ネットワーク複合機100の各機能を制御して、処理対象の原稿や画像データへの処理を開始する(S110)。
【0045】
図3は、原稿読取部104が読み取る原稿を模式的に示す図である。本実施の形態において、原稿読取部104は、処理対象原稿160および2次元コード情報原稿162を読み取ることができる。2次元コード情報原稿162により、処理対象原稿160への処理を指示する場合の原稿の読み取らせ方法は、ネットワーク複合機100ごとに予め設定しておくことができる。たとえば、2次元コード情報原稿162を先に原稿読取部104に読み取らせ、つづいて処理対象原稿160を原稿読取部104に読み取らせるようにすることができる。また、処理対象原稿160を先に原稿読取部104に読み取らせた後、2次元コード情報原稿162を原稿読取部104に読み取らせるようにすることもできる。
【0046】
また、たとえば以下に説明するように、2次元コード情報原稿162を読み取らせる際には、ユーザに操作部(不図示)等から2次元コード情報を含む原稿を読み取らせることを指定させるようにすることもできる。
【0047】
図4は、本実施の形態におけるネットワーク複合機100の処理手順の他の例を示すフローチャートである。ここでは、ユーザが2次元コード情報を用いて処理対象の原稿や画像データへの処理を指示する場合、ユーザが予め2次元コード情報を用いて指示を行うことを指定する場合を例として説明する。
【0048】
ここで、ユーザが2次元コード情報を用いて処理対象の原稿や画像データへの処理を指示する場合、ユーザは、処理対象の原稿または画像データに対するコマンド情報等を含む所定の形式の2次元コード情報が印刷された原稿を原稿読取部104にセットするとともに、操作部(不図示)から「指示読み込み」等のボタンを選択する。指示受付部102は、ユーザの操作部の選択に基づき、ユーザからの指示が原稿読み込みであること、およびその原稿がコマンド情報を含む2次元コード情報が印刷された原稿であることを把握する。原稿読取部104は、原稿読取部104にセットされた原稿を読み取り、2次元コード情報を含む画像データを生成する。画像データ取得部108は、原稿読取部104から2次元コード情報を含む画像データを取得する。また、指示受付部102は、検出部110に、ユーザからの指示が2次元コード情報を用いた指示であることを通知する。
【0049】
画像データ取得部108が画像データを取得すると(S120のYES)、検出部110は、その画像データが2次元コード情報を用いた指示であるか否かを判断する(S122)。検出部110は、指示受付部102からの通知に基づき、画像データ取得部108が取得した画像データが2次元コード情報を用いた指示であるか否か判断する。
【0050】
画像データ取得部108が取得した画像データが2次元コード情報を用いた指示の場合(S122のYES)、検出部110は、画像データ取得部108が取得した画像データから、2次元コード情報を抽出し(S124)、2次元コード情報デコード部112に送出する。2次元コード情報デコード部112は、検出部110から送出された2次元コード情報をデコードして文字情報に変換する(S126)。解析処理部114は、2次元コード情報デコード部112が変換した文字情報を解析し、コマンド情報およびパラメータ等を取得する(S128)。
【0051】
制御部116は、解析処理部114が解析した文字情報に基づき、ネットワーク複合機100の各機能を制御して、処理対象の原稿や画像データへの処理を行う(S130)。たとえば、ユーザからの指示がファクシミリ送信の場合、画像データ取得部108を制御して原稿読取部104にセットされた原稿を読み取らせ、画像データを生成させて画像データを取得させる。ついで、通信制御部106を制御して、画像データ取得部108が取得した画像データを文字情報に含まれるコマンド情報及びパラメータに従って所定の送信先に送信させる。
【0052】
処理が終了すると(S132のYES)、一連の手順を終了して、次の指示があるまで待機する。
【0053】
また、ステップ122において、画像データ取得部108が取得した画像データが2次元コード情報を用いた指示ではない場合(S122のNO)、画像データ取得部108は、その画像データが処理対象の画像データであると判断して、制御部116からの指示を待つ(S134)。ユーザからの処理対象の画像データに対する指示を受け付けると(S134のYES)、ステップS110に進み、制御部116は、ユーザからの指示に基づき、ネットワーク複合機100の各機能を制御して、処理対象の原稿や画像データへの処理を開始する(S130)。
【0054】
本実施の形態において、処理対象の原稿や画像データに対する処理の指示を、2次元コード情報を印刷した原稿または2次元コード情報を含む画像データとして保持しておけば、その2次元コード情報に基づき、画像データ処理装置に処理対象の原稿や画像データに対する処理を行わせることができる。これにより、たとえば複雑な処理手順があるような場合に、ユーザがいちいち操作部を用いて指示を入力することなく、画像データ処理装置に所望の処理を実行させることができる。
【0055】
また、一つのネットワーク複合機100を複数のユーザで共有する場合等であっても、所望の処理の指示を示す2次元コード情報をユーザが各自で保持しておくことにより、ネットワーク複合機100に自分の所望の処理を簡単に実行させることができる。さらに、一つの2次元コード情報を、複数のネットワーク複合機100で利用することもできる。
【0056】
(第二の実施の形態)
本実施の形態におけるネットワーク複合機は、文字情報を変換して所定の形式の2次元コード情報を生成する機能を有する。ここで、2次元コード情報は、一般的に2次元コード情報として知られている種々のものを用いることができるが、たとえばQRコードを用いることができる。ネットワーク複合機は、処理対象の原稿または画像データに対する処理の指示を受け付けると、その指示を示す文字情報を所定の2次元コード情報に変換して印刷出力する。これにより、その2次元コード情報のデコード機能を有するネットワーク複合機等の装置において、2次元コード情報を読み取らせることにより、処理対象の原稿または画像データに対する処理の指示を入力することができる。
【0057】
図5は、本実施の形態におけるネットワーク複合機の構成を示すブロック図である。
ネットワーク複合機200は、操作部122、指示受付部102、原稿読取部104、通信制御部106、画像データ取得部108、制御部116、印刷処理部118、表示部120、2次元コード情報生成部124、および指示記憶部126を有する。なお、図5において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、たとえば、一般的なネットワーク複合機の構成である画像処理部等は図示していない。
【0058】
本実施の形態において、第一の実施の形態において図1を参照して説明したネットワーク複合機100の構成要素と同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0059】
操作部122は、キーボード、テンキー、タッチパネル等により構成され、ユーザからの処理対象の原稿または画像データに対する処理の指示を入力する。指示受付部102は、操作部122から入力されたユーザからの指示を受け付ける。 制御部116は、指示受付部102が受け付けた指示に基づき、原稿読取部104が読み取る原稿や画像データ取得部108が取得した画像データに対する処理を制御する。指示記憶部126は、指示受付部102が受け付けた一連の指示を記憶する。
【0060】
2次元コード情報生成部124は、指示受付部102が受け付けた指示を示す文字情報を2次元コード情報に変換する。印刷処理部118は、2次元コード情報生成部124が生成した2次元コード情報を紙媒体等に印刷する。
【0061】
このようにすれば、第一の実施の形態で説明したような機能を有するネットワーク複合機100への指示を、印刷処理部118により印刷された2次元コード情報を含む原稿を用いて行うことができる。
【0062】
図6は、本実施の形態におけるネットワーク複合機200の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図5も参照して説明する。
【0063】
操作部122が、ユーザからの操作を受け付けると(S150のYES)、指示受付部102は、操作部122から入力されたユーザの指示を受け付ける。制御部116は、指示受付部102が受け付けた指示に基づき、原稿読取部104が読み取る原稿や画像データ取得部108が取得した画像データへの処理を開始する(S152)。以上の処理は、通常のネットワーク複合機等で行われているのと同様の手順である。なお、指示受付部102が受け付けた指示は、指示記憶部126に一時的に記憶される。
【0064】
つづいて、原稿や画像データへの処理が終了すると(S154のYES)、制御部116は、指示受付部102が受け付けたユーザの指示を示す文字情報を2次元コード情報に変換して印刷するか否かを判断する(S156)。制御部116は、たとえば表示部120に、「いまの設定を2次元コード情報として印刷しますか?」等の問い合わせを表示し、ユーザが「印刷する」旨を選択した場合、2次元コード情報を印刷すると判断することができる。また、ユーザが「印刷する」旨を選択した場合、2次元コード情報とともに指示を示す文字情報も印刷するか否かについて、ユーザに問い合わせることもできる。
【0065】
ステップS156において、2次元コード情報を印刷すると判断した場合(S156のYES)、2次元コード情報生成部124は、制御部116は、指示記憶部126からユーザの指示を読み出し、2次元コード情報生成部124に送出する。2次元コード情報生成部124は、ユーザの指示を変換して所定の形式の2次元コード情報を生成する(S158)。印刷処理部118は、2次元コード情報生成部124が生成した2次元コード情報を紙媒体等に印刷する(S160)。ユーザが2次元コード情報とともに指示を示す文字情報も印刷する旨の選択をしている場合、印刷処理部118は、2次元コード情報とともに、指示を示す文字情報も印刷する。以上により、処理が終了する。
【0066】
ステップS156において、2次元コード情報を印刷しない場合は、処理を終了する。
【0067】
本実施の形態において、ユーザは、原稿や画像データに対して初めて処理を行う際は、従来通り操作部122等を介して指示を入力する。その後、その指示内容を印刷出力しておきたい場合は、2次元コード情報生成部124に指示内容を2次元コード情報に変換させ、印刷処理部118から2次元コード情報を印刷させて、その原稿を保持しておくことができる。その後、第一の実施の形態で説明したネットワーク複合機100のような2次元コード情報をデコードする機能を有する装置において、2次元コード情報を読み取らせることにより、次回からは、操作部122から指示をいちいち行わなくても、ネットワーク複合機100に所望の処理を行わせることができる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0069】
ネットワーク複合機100およびネットワーク複合機200の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インターフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。実施の形態で説明した各図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0070】
以上の実施の形態においては、画像データ管理装置の例として、第一の実施の形態で2次元コード情報をデコードする機能を有するネットワーク複合機100を示し、第二の実施の形態で2次元コード情報を生成する機能を有するネットワーク複合機200につき説明したが、画像データ管理装置は、2次元コード情報をデコードする機能および2次元コード情報を生成する機能の両方を含むものとすることができる。
【0071】
また、以上の実施の形態においては、おもに原稿読取部104から読み取る原稿やその原稿に基づき生成された画像データに対する処理について説明したが、画像データ取得部108は、ネットワーク150を介して画像データを取得することもできる。この場合、2次元コード情報は、原稿読取部104から読み取る構成としてもよく、また、2次元コード情報を含む画像データもネットワーク150を介して他の端末から送信されてもよい。
【0072】
また、ネットワーク複合機100は、原稿読取部104とは別に2次元コード情報を読み取る専用のバーコードリーダを含む構成とすることもできる。このようにすれば、たとえばプラスチックシート等に2次元コード情報を印刷しておき、それをバーコードリーダで読み取らせるだけで、ネットワーク複合機100に所望の処理を実行させることができる。
【0073】
以上の実施の形態においては、ネットワーク複合機を例として説明したが、本発明の画像データ処理装置は、ファクシミリ装置やスキャナ等とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施の形態におけるネットワーク複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態におけるネットワーク複合機の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】原稿読取部が読み取る原稿を模式的に示す図である。
【図4】実施の形態におけるネットワーク複合機の処理手順の他の例を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態におけるネットワーク複合機の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態におけるネットワーク複合機の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
100 ネットワーク複合機
102 指示受付部
104 原稿読取部
106 通信制御部
108 画像データ取得部
110 検出部
112 2次元コード情報デコード部
114 解析処理部
116 制御部
118 印刷処理部
120 表示部
122 操作部
124 2次元コード情報生成部
150 ネットワーク
160 処理対象原稿
162 2次元コード情報
200 ネットワーク複合機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の原稿または画像データに対する処理の指示を、所定の形式の2次元コード情報で受け付ける指示受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記所定の形式の2次元コード情報をデコードするデコード手段と、
前記デコード手段がデコードした前記指示に基づき、前記処理対象の原稿または画像データへの処理を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像データ処理装置において、
原稿を読み取り、画像データを生成する原稿読取手段をさらに含み、
前記制御手段は、前記指示受付手段が受け付けた指示に基づき、前記原稿読取手段の動作を制御することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像データ処理装置において、
原稿を読み取り、画像データを生成する原稿読取手段をさらに含み、
前記制御手段は、前記指示受付手段が受け付けた指示に基づき、前記原稿読取手段が生成した画像データへの処理を制御することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の画像データ処理装置において、
前記原稿読取手段は、前記所定の形式の2次元コード情報を含む原稿を読み取り、前記所定の形式の2次元コード情報を含む画像データを生成し、
前記指示受付手段は、前記原稿読取手段が生成した前記所定の形式の2次元コード情報を含む画像データを前記指示として受け付けることを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至3いずれかに記載の画像データ処理装置において、
前記所定の形式の2次元コード情報を読み取り、前記所定の形式の2次元コード情報を含む画像データを生成する2次元コード情報読取手段をさらに含み、
前記指示受付手段は、前記2次元コード情報読取手段が生成した画像情報を前記指示として受け付けることを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかに記載の画像データ処理装置において、
前記制御手段は、前記デコード手段がデコードした情報にコマンド情報が含まれるか否かを解析することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項7】
ユーザの操作による処理対象の原稿または画像データに対する処理の指示を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段が受け付けた指示を示す文字情報を、所定の形式の2次元コード情報に変換する変換手段と、
前記変換手段が変換した2次元コード情報を印刷する印刷手段と、
を含むことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像データ処理装置において、
前記印刷手段は、前記2次元コード情報とともに、前記指示を示す文字情報を印刷することを特徴とする画像データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−80940(P2006−80940A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263302(P2004−263302)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】