説明

画像データ制御装置

【課題】監視カメラから送信するデータ量を削減し、監視対象の物体の位置と状態を把握することを可能とする画像データ制御装置を提供すること。
【解決手段】入力した画像データから物体の検出を行い、解析する画像解析部120と、送信した画像データと画像IDを対応付けて蓄積する送信済み画像確認リスト蓄積部150と、画像解析部120が検出した物体を分類し、一番近いと分類された送信済みの画像が、送信済み画像確認リスト蓄積部150も蓄積されている場合に、画像データを送信しないと判定する物体画像送信判定部180と、物体画像送信判定部180の判定に従って、送信済み画像確認リストに蓄積されている一番近いと分類された送信済みの画像の画像IDと画像解析手段が検出した物体の領域情報を出力するデータを送信する送信制御部190を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラと監視モニタとを接続した監視カメラシステムにおいて、特に、監視モニタ装置へ送信する画像データを制御する画像データ制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な場所に設置された多数の監視カメラが、ネットワークで接続された監視モニタに画像データを送信して、監視、モニタリングを行う監視システムに対するニーズは急速に拡大している。しかし、監視システムに利用できるネットワークの帯域は、データを送信する容量が十分に確保できない場合がある。多数の監視カメラが、同時に画像などの比較的データ量が大きいデータを大量に送信すると、ネットワークシステムに大きな負荷がかかる。最悪の場合ではネットワークシステムがダウンし、データ通信が行えなくなる問題が発生する。
【0003】
従来の技術として、監視カメラが、撮像した画像データ全てを送るのではなく、監視対象の物体(例えば人間や移動する物体)を特定し、特定した物体を切り出した一部の画像データのみを送信する技術がある(例えば、特許文献1参照)。前記特許文献1に記載された技術では、監視対象の物体を切り出した一部の画像データのみを送信することで、全体の画像データを送信する場合よりも、相対的に送信するデータ量を減らすことができる。また、前記特許文献1に記載された技術では、監視カメラが、特定した物体の移動量が一定量を越えた時に切り出した画像データを送信することで、更に、送信するデータ量を減らすことができる。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1の技術では、監視対象の物体の移動量が一定量を越えない場合、監視対象の物体の画像データを送信しない。このため、監視モニタに表示される画像は、監視対象の物体の画像が更新されず、監視者は、監視対象の物体の現在位置を正確に把握できなくなる。また、監視者は、監視対象の物体の移動途中の軌跡を詳細に把握することはできない。送信する頻度を高くした場合、相対的には全体画像データのデータ量よりも小さくなるが、画像データを送信することに変わりはなく、送信する画像のデータ量の総量が大きくなってしまう。
【0005】
この課題を解決する従来の技術として、監視カメラにて撮像した画像データを画像解析して、監視対象の物体(例えば人間や移動する物体)を検出し、当該の物体の位置情報のみを送付する技術がある(例えば、特許文献2参照)。前記特許文献2に記載された技術では、映像監視モニタに表示する画像を、システムで複数種類定義して、システムで定義した複数の画像から指定した画像を、監視カメラから送付された位置情報の位置に表示するように監視システム構成する。画像データを送信せずに位置情報を送信するので、画像データを送信する場合よりもデータ量を減らしつつ、監視モニタの監視者は、監視カメラにて撮像する範囲内において、監視対象の物体がどこに位置するのかを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−141700号公報
【特許文献2】国際公開第2007/037350号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の技術では、監視対象の物体の画像データを送信せずに位置情報を送信するので、監視対象の物体がどこに位置するのかを監視モニタに表示することはできるが、現在の画像を表示することができない。このため、監視モニタの監視者は、監視対象の物体がどこに位置するのかは把握できるが、どのような状態(様子)かを把握することができないという課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、監視カメラから送信するデータ量を削減し、監視対象の物体の位置と状態を把握することを可能とする画像データ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の画像データ制御装置は、入力した画像データから物体の検出を行い、前記検出した物体の画像を解析し、前記検出した物体の領域情報を出力する画像解析手段と、前記入力した画像データから、前記画像解析手段が出力した前記領域情報が示す領域の画像を切り出して出力する画像切り出し手段と、前記画像切り出し手段が出力した切り出し画像データを、エンコードして圧縮画像データを生成するエンコード手段と、画像データを識別する画像IDを付与し、画像データと画像IDと画像を対応付ける画像ID付与手段と、送信した画像データと、前記送信した画像データに付与された画像IDとを送信済み画像確認リストとして蓄積し、送信履歴を管理する送信済み画像確認リスト蓄積手段と、前記画像解析手段が検出した物体の画像に対し、前記画像確認リスト蓄積手段に蓄積されている画像の中で、一番近い画像に分類するためのルールであるカテゴリー化ルールを保持するカテゴリー化ルール保持手段と、前記カテゴリー化ルール保持手段が保持している前記カテゴリー化ルールを用いて、前記画像解析手段が検出した物体の画像に対する分類を行い、一番近いと分類された送信済みの画像が、前記送信済み画像確認リストに蓄積されている場合に、前記画像解析手段が検出した物体の画像データを送信しないと判定する物体画像送信判定手段と、前記物体画像送信判定手段が、前記画像解析手段が検出した物体の画像データを送信しないと判定した場合、送信済み画像確認リストに蓄積されている一番近いと分類された送信済みの画像の画像IDと、前記画像解析手段が検出した物体の領域情報を出力する送信制御手段とを備える。
【0010】
本構成によって、画像データ制御装置は、対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似している場合、画像データを送信せずに、類似している送信済み画像を識別する情報を送信することで、物体の状態を通知することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像データ制御装置によれば、対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似している場合、画像データを送信せずに、類似している送信済み画像を識別する情報を送信することで、物体の状態を通知することができる。これにより、画像データ制御装置を備えた監視カメラは、監視対象の物体の画像データを送信する場合と比べて、送信するデータ量を削減することができる。また、監視モニタは、画像データ制御装置が送信したデータを受け取り、監視対象の物体がどのような状態でどこに位置するかを表示することができる。これにより、監視モニタの監視者は、監視対象の物体の位置と状態を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成を示す構成図
【図2】本発明の実施の形態1における姿勢テンプレート画像リストの一例を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における送信済み画像確認リストの一例を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における送信制御部が出力するデータの一例を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における画像データ制御装置の動作の一例を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態1における画像送信判定処理の動作の一例を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態1における分類候補リストの一例を示す図
【図8】本発明の実施の形態1におけるデータ送信処理の動作の一例を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態1における映像表示装置の構成を示す図
【図10】本発明の実施の形態1における映像表示装置の動作の一例を示すフローチャート
【図11】本発明の実施の形態1における映像表示装置の動作の一例を示すフローチャート
【図12】本発明の実施の形態1における物体描画処理の動作の一例を示すフローチャート
【図13】本発明の実施の形態1における撮像装置が撮像する画像の一例を示す図
【図14】本発明の実施の形態1における送信済み画像確認リストの一例を示す図
【図15】本発明の実施の形態1における送信済み画像確認リストの一例を示す図
【図16】本発明の実施の形態1における映像表示装置に表示される画像の一例を示す図
【図17】本発明の実施の形態1における画像送信判定処理の動作の一例を示すフローチャート
【図18】本発明の実施の形態1における送信済み画像確認リストデータの一例を示す図
【図19】本発明の実施の形態1における画像送信判定処理の動作の一例を示す図
【図20】本発明の実施の形態1におけるデータ送信処理の動作の一例を示す図
【図21】本発明の実施の形態2における画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成を示す構成図
【図22】本発明の実施の形態2における画像データ制御装置の動作の一例を示す図
【図23】本発明の実施の形態2における画像送信判定処理の動作の一例を示す図
【図24】本発明の実施の形態2におけるデータ送信処理の動作の一例を示す図
【図25】本発明の本発明の実施の形態3における画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成図
【図26】本発明の実施の形態3における再送制御処理の動作の一例を示す図
【図27】本発明の実施の形態3における物体描画処理の動作の一例を示す図
【図28】本発明の実施の形態4における画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成を示す構成図
【図29】本発明の実施の形態5における画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成図
【図30】本発明の実施の形態6における画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成図
【図31】本発明の実施の形態6における画像データ制御装置の動作の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成図である。
【0015】
図1の撮像装置101は、ネットワークを介して撮像した画像を送信する監視用デジタルビデオカメラとして構成されている。撮像装置101は、ネットワーク9999と接続しており、ネットワーク9999を介して、映像表示装置200に画像などのデータを送信する。撮像装置101は監視カメラであり、映像表示装置200は監視モニタとして、監視システムを構成する。また、複数個の撮像装置101を備え、映像表示装置200は、複数個の撮像装置101からのデータを受け取り、監視、モニタリングを行うことができる。
【0016】
図1の撮像装置101は、撮像部102、送信部103、画像データ制御装置100を備えている。
【0017】
撮像部102は、光学レンズなどを通して装置内に入力された光学的な画像信号を画像データに変換する。また、撮像部102は、アナログ−デジタル変換回路を持ち、アナログの画像データをデジタルの画像データに変換する。変換した後のデータ形式は、各画素の色を輝度成分Y、色差成分CbとCrで表現するYCbCr形式を用いるようにしてもよいし、RGB形式などの形式を用いてもよい。
【0018】
撮像部102は、装置内に入力された画像信号を周期的に画像データに変換し、出力する。撮像部102は、30分の1秒ごとに入力された画像信号を画像データに変換し、出力するようにしてもよい。以下、画像信号を画像データに変換する1周期は、撮像周期と記載する。
【0019】
送信部103は、ネットワーク9999に接続しており、ネットワーク9999を介して映像表示装置200にデータを送信する。送信部103は、画像データ制御装置100から通知されたデータを、映像表示装置200に送信する。
【0020】
送信部103は、イーサネット(登録商標)規格や、TCP/IPやRTPといった一般的な通信プロトコルを利用することによって、映像表示装置200と通信する機能を実現する。送信部103は、これら通信プロトコルに準拠する形式でデータをパケット化し、送信する。
【0021】
送信部103は、映像表示装置200のアドレスを、内部の不揮発性のメモリーに保持しており、このアドレスを用いて、映像表示装置200との通信を行う。
【0022】
送信部103は、LANケーブルなどの有線によって、ネットワーク9999と接続するように構成してもよいし、無線LANを介して、ネットワークに接続するようにしてもよい。
【0023】
画像データ制御装置100は、撮像部102が出力した画像データを受け取り、対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似しているか否かを判定し、判定結果に基づいて、映像表示装置200へ送信するデータを決定する。画像データ制御装置100は、送信すると決定したデータを送信部103に通知する。
【0024】
画像データ制御装置100は、入力部110、画像解析部120、画像切り出し部130、エンコード部140、送信済み画像確認リスト蓄積部150、画像ID付与部160、カテゴリー化ルール保持部170、物体画像送信判定部180、送信制御部190を備えている。
【0025】
入力部110は、撮像部102が出力した画像データを受け取り、受け取った画像データを、画像解析部120、画像切り出し部130、エンコード部140に出力する。
【0026】
画像解析部120は、入力部110が出力した画像データを入力し、画像データ内に写されている1つまたは複数の物体を検出し、検出した物体の画像を解析する。画像解析部120で行う物体検出は、フレーム間差分法によって、動く物体(動体)を検出し、検出した動体を認識すべき物体として決定する。
【0027】
なお、画像解析部120は、予め人間などの物体がいない状態の背景画像を保持し、背景画像と入力した画像データとを比較して物体を認識する、背景差分法などを用いてもよい。また、画像解析部120は、顔検出や人物検出、ペット検出などの他の検出処理を用いてもよい。
【0028】
画像解析部120は、入力部110から入力した画像データ内の、全ての領域に対して、物体検出を行う。画像解析部120は、物体を検出した場合は、検出結果から割り出した物体の領域情報を、物体画像送信判定部180に出力する。
【0029】
物体の領域情報は、物体領域の高さ(物体領域高さFh)、幅(物体領域幅Fw)、水平方向の位置(物体領域水平位置Fx)、および垂直方向の位置(物体領域垂直位置Fy)からなる。なお、物体領域水平位置Fxは、例えば、画像データの左端から物体領域の左上端までの、水平方向の距離によって表され、物体領域垂直位置Fyは、例えば、画像データの上端から物体領域の左上端までの、垂直方向の距離によって表される。
【0030】
画像切り出し部130は、物体画像送信判定部180から指示を受け取り、入力部110から入力した画像データから、指示された領域の画像を切り出す。画像切り出し部130は、切り出しを指示された領域の各画素をコピーし、指示されたメモリー領域に記録する。
【0031】
画像切り出し部130は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)で構成された内部バッファを持つ。この内部バッファは、物体画像送信判定部180も参照可能とする。画像切り出し部130は、切り出した画像を内部バッファに一時的に保管することで、切り出し画像を複数のモジュールでの処理に利用することができる。
【0032】
エンコード部140は、入力部110が出力した画像データと、画像切り出し部130が出力した切り出し画像を入力し、エンコードして圧縮像データを生成する。エンコード部140は、圧縮画像データの形式として、JPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠した圧縮形式等により画像データを圧縮する。
【0033】
送信済み画像確認リスト蓄積部150は、送信した画像データと画像IDを、リスト形式で蓄積する。送信済み画像確認リスト蓄積部150は、送信した画像データと画像IDを組にした送信済み画像確認リストを保持、管理する。送信済み画像確認リスト蓄積部150は、送信制御部190から送信済みの圧縮画像データと画像IDの情報を受け取り、送信済み画像確認リストを更新する。
【0034】
送信済み画像確認リスト蓄積部150は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリー、HDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性の記録媒体に情報を蓄積するようにしてもよい。また、送信済み画像確認リスト蓄積部150は、DRAMのような揮発性の半導体メモリーによって構成するようにしてもよい。
【0035】
画像ID付与部160は、物体画像送信判定部180からの要求を受け取り、画像データを識別する識別子(画像ID)を付与し、画像IDと画像を対応付ける。
【0036】
画像ID付与部160は、DRAMなどにより構成された内部蓄積機能を持ち、付与済みの最新画像IDを記憶する。画像ID付与部160は、新しい画像IDを付与する際に、記憶している最新画像ID+1の値を、新しい画像IDとして付与する。なお、画像ID付与部160は、一つも画像IDの付与を行っていない初期状態では、所定の値を記憶し、付与後の状態と識別できるようにする。
【0037】
カテゴリー化ルール保持部170は、入力部110から入力した画像データ内の、物体の画像に対し、類似性を判断する際に使用するルール(カテゴリー化ルール)を保持する。カテゴリー化ルールとは、蓄積済みの画像の中で、一番近い画像に分類するためのルールである。
【0038】
カテゴリー化ルールには、「物体を人間の姿勢認識によって分類し、姿勢が近い画像に同じ画像に分類とする」ことを意味する情報が記載されている。記載方法は、テキスト形式の文字列で表現してもよい。また、記載方法は、予め定義された変数値によって表現してもよい。
【0039】
カテゴリー化ルール保持部170は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリー、HDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性の記録媒体に、カテゴリー化ルールを保持している。
【0040】
物体画像送信判定部180は、カテゴリー化ルール保持部170からカテゴリー化ルールを取得し、カテゴリー化ルールに従って、画像解析部120が検出した物体の画像を分類する。物体画像送信判定部180は、分類した結果に基づいて、画像解析部120が検出した物体の画像を分類し、物体の画像データを映像表示装置200に送信するか否かを判定する。
【0041】
姿勢認識を実現する方法は、例えば、次の手順で行う。
【0042】
カテゴリー化ルール保持部170は、認識対象の姿勢毎に、対応するテンプレート画像を、前もって保持している。テンプレート画像とは、例えば、しゃがんでいる、手で引っ張っているなど、人間の姿勢を、それぞれ単純な2値化データとして示し画像である。まず、画像解析部120は、人間の画像を検出する。次に、物体画像送信判定部180は、画像切り出し部130に画像の切り出しを指示し、画像解析部120が検出した物体画像を取得する。物体画像送信判定部180が、画像の姿勢を特徴化した濃淡画像を抽出し2値化する。次に、物体画像送信判定部180が、各テンプレート画像と比較して、最も適合するテンプレート画像を決定し、テンプレート画像が対応する姿勢を認識結果とする。
【0043】
また、姿勢認識を実現する他の方法は、例えば、人間の関節などの部位を抽出し、各関節間の距離によって姿勢を認識する手法を用いてもよい。
【0044】
なお、カテゴリー化ルール保持部170が、各テンプレート画像を保持しているとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、物体画像送信判定部180が保持してもよい。
【0045】
図2は、姿勢テンプレート画像リストの一例を示している。姿勢テンプレート画像リストは、前述したカテゴリー化ルールを示した情報であり、各姿勢とテンプレート画像とを対応付けて、カテゴリー化ルール保持部170が保持している。「立つ」、「腰掛ける」などの各姿勢にはテンプレートIDが割り振られており、このテンプレートIDを使ってテンプレート画像を管理している。そのため、テンプレートIDが決めれば、そのIDが示す姿勢の意味とテンプレート画像データが一意に特定できる。また、テンプレート画像データは2値化されており、テンプレートマッチングに適した形式に加工されているものとする。
【0046】
物体画像送信判定部180は、カテゴリー化ルール保持部170から姿勢テンプレート画像リストを取得し、画像解析部120が検出した物体の画像を、姿勢認識に基づいて分類する。すなわち、物体画像送信判定部180は、画像解析部120が検出した物体の画像とテンプレート画像リストの各テンプレート画像とを比較する。
【0047】
なお、物体画像送信判定部180は、前述した比較を行うために、画像切り出し部130に、画像解析部120が検出した物体画像の切り出しを指示する。物体画像送信判定部180は、画像切り出し部130に対して、画像解析部120から受け取った物体の領域情報を指定し、物体の部分の画像を切り出すように指示する。画像切り出し部130は、切り出した画像を内部バッファに記録する。物体画像送信判定部180は、内部バッファにアクセスし、画像解析部120が検出した物体画像を取得する。更に、物体画像送信判定部180は、画像切り出し部130が切り出した画像を濃淡2値化し、比較に用いる。また、物体画像送信判定部180は、比較を行いやすくするために、テンプレート画像の画角にリサイズして、比較してもよい。
【0048】
物体画像送信判定部180は、前記比較によって、画像解析部120が検出した物体画像に一番近いテンプレート画像を決定し、一番近いテンプレート画像のテンプレートIDを特定する。
【0049】
次に、物体画像送信判定部180は、送信済み画像確認リスト蓄積部150から送信済み画像確認リストを取得して、分類した姿勢の画像は送信済みか否かを確認する。
【0050】
図3は、送信済み画像確認リストの一例を示している。送信済み画像確認リストは、画像IDと送信した圧縮画像データとを対応付けて保持している。更に、送信済み画像確認リストは、テンプレートIDを各エントリーにもち、1つのテンプレートID(姿勢)に対して、一意に画像ID、及び、送信した画像データが決まるフォーマットとする。また、送信済み画像確認リストに記載の各画像が送信済みか否かを判定するには、各画像のエントリーに画像IDと圧縮画像データにデータ割り与えられているかを調べることによって判定できる。
【0051】
物体画像送信判定部180は、送信済み画像確認リストを参照し、一番近いテンプレート画像のテンプレートIDに対応する画像を送信済みであるか否かを確認する。
【0052】
物体画像送信判定部180は、テンプレートIDに対応する画像を送信済みであれば物体の画像は送信しないと判定する。一方、物体画像送信判定部180は、送信済みでなければ物体の画像を送信すると判定する。
【0053】
なお、実施の形態1の姿勢テンプレート画像リストは図2に示す情報を保持しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、テンプレート画像の画格情報を持つようにしてもよい。
【0054】
なお、実施の形態1の画像解析部120では、人間の姿勢認識の手法を用いて説明するが、例えば、物体の色ヒストグラムによる分類などを行ってもよい。
【0055】
また、実施の形態1においては、物体画像送信判定部180が、画像解析部120によって検出した物体画像を、画像切り出し部130に切り出ように指示する構成である。他の構成として、例えば、画像解析部120が、検出した物体画像を画像切り出し部130に切り出すように指示するようにしてもよい。
【0056】
物体画像送信判定部180は、物体画像を送信すると判定した場合は、画像ID付与部160より新たな画像IDを取得し、これを送信する画像を識別するIDとして使用する。
【0057】
送信制御部190は、物体画像送信判定部180の判定結果に応じて、映像表示装置200に送信するデータを、送信部103に出力する。
【0058】
図4は、送信制御部190が出力するデータの一例を示す。図4(a)は、画像データを送信する場合を示しており、送信制御部190は、送信する画像の画像IDと、画像データと、物体の領域情報を含むメタデータを生成し、出力する。図4(b)は、画像データを送信しない場合を示しており、送信制御部190は、一番近いと分類された、送信済みの画像の画像IDと、物体の領域情報を含むメタデータを生成し、出力する。
【0059】
なお、送信制御部190が出力するデータは、例えば、姿勢認識結果である姿勢情報などを含んでもよい。
【0060】
以上の構成により、画像データ制御装置を備えた撮像装置は、対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似している場合、画像データを送信せずに、類似している送信済み画像を識別する情報を送信することで、物体の状態を通知する。
【0061】
図5は、本発明の実施の形態1における画像データ制御装置100の、撮像部102から画像データを受け取った際の動作を示すフローチャートである。撮像部102は、周期的に画像データを画像データ制御装置100に出力する。そのため、図5の動作は、周期的に繰り替えされる。
【0062】
まず、ステップS100において、入力部110は、撮像部102から出力された画像データを受け取り、画像解析部120に出力する。画像解析部120は、入力部110が出力した画像データを入力し、画像データ内に存在する物体を検出し、物体の領域情報を得る。画像解析部120は、検出した物体の領域情報を、物体画像送信判定部180に出力する。
【0063】
次に、ステップS200において、物体画像送信判定部180は、画像送信判定処理を行う。物体画像送信判定部180は、ステップS100で検出した物体から、次の処理対象の物体を決定し、この物体の画像を、送信するか否かを判断する。
【0064】
ステップS400において、送信制御部190は、ステップS200で判定した結果に応じて、映像表示装置200に送信するデータを、送信部103に出力する。
【0065】
ステップS500において、物体画像送信判定部180は、ステップS100で検出した全ての物体に対して処理を行っていない場合、ステップS200に遷移する。一方、物体画像送信判定部180は、全ての物体に対して処理を行った場合、処理を終了する。つまり、物体画像送信判定部180と送信制御部190は、画像解析部120が検出した物体画像1つごとに、ステップS200とS400の処理を繰り返す。
【0066】
図6は、画像送信判定処理(図5のステップS200)の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0067】
ステップS210において、物体画像送信判定部180は、カテゴリー化ルール保持部170にアクセスし、カテゴリー化ルールを取得する。
【0068】
ステップS220において、物体画像送信判定部180は、送信済み画像確認リスト蓄積部150より、送信済み画像確認リストを取得する。送信済み画像確認リストは、物体画像を送信するか否かの判定に使用する。
【0069】
ステップS225において、物体画像送信判定部180は、物体画像の比較に使用する、画像解析部120が物体検出した物体画像を取得する。物体画像送信判定部180は、画像解析部120より入力された物体の位置情報を画像切り出し部130に入力し、画像データの物体画像部分を切り出すよう指示する。画像切り出し部130は、前記指示を受け取ると、入力部110より入力した画像データの物体画像部分を切り出し、内部バッファに記録する。物体画像送信判定部180は、画像切り出し部130にアクセスし、切り出した物体画像を取得する。
【0070】
以降のステップS230からステップS240までの一連の処理で、各姿勢のテンプレート画像リストに記録されている各画像と、ステップ100で画像解析部120が物体検出した物体画像を比較する。物体画像送信判定部180は、テンプレート画像リストの内テンプレートIDの番号が若い順に、画像解析部120が物体検出した物体画像との比較を行う。
【0071】
ステップS230において、物体画像送信判定部180は、テンプレート画像リストに記録されている物体画像のうち、まだ比較に使っていないテンプレートIDの中で一番番号の若いIDである画像を参照する。
【0072】
次に、物体画像送信判定部180は、ステップS225にて取得した物体画像とテンプレート画像リストに記録されている画像を比較し、比較した各々の画像がどのくらい近いかを示す一致率を算出する。一致率とは、比較した2つの画像において、画像内の画素毎に排他的論理和の合計を求め、この値によって2つの画像がどれくらい近いかを示す値である。よって、一致率は値が低いほうが近い、値が高いほうが近くないことを意味する。
【0073】
ステップS230では、図7に示す分類候補リストに算出した一致率を格納し、以降の処理にて利用する。
【0074】
ステップS240において、ステップS210にて取得したテンプレート画像リストに記録されている全ての画像と、物体検出した物体画像との比較が完了したかをチェックする。まだ、比較していない画像が残っている場合は、ステップS230に遷移し、そうでない場合はステップS250に遷移する。
【0075】
ステップS250において、物体画像送信判定部180は、分類候補リストを参照し、検出した物体に一番近いテンプレート画像のテンプレートIDを得る。
【0076】
ステップS260において、物体画像送信判定部180は、ステップS250にて取得したテンプレートIDに関連する画像が送信済みか否かを確認する。物体画像送信判定部180は、ステップS230からステップS250の処理で分類したテンプレート画像のテンプレートIDと、同じテンプレートIDを持つエントリーを、送信済み画像確認リストから抽出する。送信済み画像確認リストは、ステップS220にて取得したものである。物体画像送信判定部180は、抽出したエントリーを参照し、一番近いテンプレート画像に対応する画像が送信済みか否かを調べる。調べた結果、一番近いテンプレート画像に対応する画像が送信済みではない場合は、ステップS270に遷移し、送信済みであると判断された場合は、ステップS310に遷移する。
【0077】
ステップS270において、物体画像送信判定部180は、判定結果を「新たな画像IDを付与して、画像IDと画像(物体画像)の両方を送信する」として、ステップS280に遷移する。
【0078】
ステップS280において、物体画像送信判定部180は、画像ID付与部160にアクセスし、新たな画像IDを取得する。
【0079】
ステップS300において、物体画像送信判定部180は、送信制御部190に、取得した新たな画像IDと、一番近いテンプレート画像のテンプレートIDと、物体画像の領域情報と、判定結果を出力する。ここで、物体画像送信判定部180は、ステップS280で取得した新たな画像IDと、ステップS250で得た一番近いテンプレート画像のテンプレートIDとを用いる。ステップS300の処理が完了すると、リターンに遷移し、画像送信判定処理が終了する。
【0080】
一方、ステップS260にて、物体画像送信判定部180はステップS250で得たテンプレートIDに関連する画像がすでに送信済みであると判断した場合、ステップS310に遷移する。
【0081】
ステップS310において、物体画像送信判定部180は、判定結果を「新たな画像IDは付与せず、一番近い画像の画像IDと領域情報を送信し、画像そのものは送信しない」として、ステップS320に遷移する。
【0082】
ステップS320において、物体画像送信判定部180は、ステップS230からステップS250で分類した姿勢の、テンプレート画像のテンプレートIDと同じテンプレートIDを持つエントリーを、送信済み画像確認リストから抽出する。送信済み画像確認リストは、ステップS220にて取得したものである。物体画像送信判定部180は、抽出したエントリーを参照し、一番近いテンプレート画像に対応する画像の画像IDを取得する。
【0083】
ステップS330において、物体画像送信判定部180は、送信制御部190に、ステップS320で取得した画像IDと、物体画像の領域情報と判定結果を入力する。ステップS330の処理が完了すると、リターンに遷移し、画像送信判定処理が終了する。
【0084】
上記のように、物体画像送信判定部180は、外部の装置に画像を送信するか否かの判定し、判定結果や、送信する画像ID、物体画像の領域情報などのデータ送信処理に必要となる情報を送信制御部190に入力する。
【0085】
図8は、データ送信処理(図5のステップS400)の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0086】
まず、ステップS410において、送信制御部190は、図5のステップS200での判定結果に応じて、映像表示装置200に送信するデータを切り替える。判定結果が画像を送付するものである場合は、ステップS420に遷移し、以降、物体検出した物体画像の画像データを送信する一連の処理を行う。
【0087】
ステップS420において、送信制御部190は、画像切り出し部130に、物体画像送信判定部180から受け取った物体画像の領域情報を入力し、入力部110から入力した画像データの物体画像部分の切り出しを指示する。画像切り出し部130は、切り出画像をエンコード部140に出力し、エンコード部140は、エンコード処理して圧縮画像データを生成する。
【0088】
なお、画像切り出し部130がエンコード部140に出力する切り出し画像は、上記にように新たに切り出すのではなく、図6のステップS225において切り出し、内部バッファに記録している画像を使用してもよい。
【0089】
エンコード部140は、画像切り出し部より前記切り出し画像を受け取ると、エンコード処理を行い、圧縮画像データを生成し、送信制御部190に出力する。
【0090】
次に、ステップS430において、送信制御部190は、ステップS420で生成した圧縮画像データと、図5のステップS200で付与した新たな画像IDと、物体画像の領域情報を含むメタデータを生成し、送信部103に出力する。
【0091】
ステップS440において、送信制御部190は、送信済み画像確認リストの更新を行う。すなわち、送信制御部190は、ステップS430で出力した圧縮画像データと画像IDと、図6のステップS250で取得した一番近いテンプレート画像のテンプレートIDを、送信済み画像確認リスト蓄積部150に通知する。送信済み画像確認リスト蓄積部150は、受け取ったテンプレートIDのエントリーに画像IDと圧縮画像データを追加する。これにより、最初は当該のテンプレートIDに対応する画像IDと画像データが抜けている状態だったエントリーに、画像IDと圧縮画像データが追加される。
【0092】
ステップS440が終了すると、データ送信処理を終了し、ステップS500に遷移する。
【0093】
一方、ステップS410において、図5のステップS200での判定結果が画像を送付しないである場合は、ステップS450に遷移する。
【0094】
ステップS450において、送信制御部190は、図5のステップS200で取得した一番近いと分類された、送信済みの画像の画像IDと、物体画像の領域情報を含むメタデータを生成し、送信部103に出力する。
【0095】
ステップS450が終了すると、リターンに遷移し、データ送信処理が終了する。
【0096】
以上により、送信制御部190は、対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似している場合、画像データを送信せずに、類似している送信済み画像を識別する情報を送信することで、物体の状態を通知する。
【0097】
物体画像送信判定部180が「新たな画像IDを付与して、画像IDと画像の両方を送信する」と判定した場合、送信制御部190は、圧縮画像データと、画像IDと、物体画像の領域情報を、送信データとして出力する。
【0098】
物体画像送信判定部180が「送信済み画像の中で一番近い画像の画像IDと領域情報を送信し、新たな画像は送信しない」と判定した場合、送信制御部190は、送信済み画像の画像IDと物体画像の領域情報を、送信データとして出力する。
【0099】
実施の形態1の画像データ制御装置100を備えた撮像装置101は、送信履歴にない人物を物体検出により検出した時に、検出した物体画像を送信するのみで、物体画像を表示するベースとなる背景画像については送信しない。
【0100】
撮像装置101の電源が投入された直後に、画像データ制御装置100は、撮像部102から画像データを受け取る。画像データ制御装置100のエンコード部140は、受け取った画像データをエンコードして、圧縮画像データを生成し、送信制御部190に出力する。送信制御部190は、圧縮画像データを、背景データとして、送信部103を介して、映像表示装置200に送信する。
【0101】
送信した圧縮画像データは、撮像装置101の起動直後に、撮像部102が撮像した全体の画像データをエンコードしたものであり、受信側の映像表示装置200は、この画像を背景画像として表示する。
【0102】
なお、実施の形態1において、背景画像は、撮像装置101の起動を行う処理において送信するように説明するが、この限りではなく、例えば、定期的に送ってもよい。
【0103】
次に、撮像装置101が送信したデータを受信し、受信したデータを基に画像を表示する映像表示装置200について説明する。
【0104】
図9は、映像表示装置200の構成を示した図である。
【0105】
映像表示装置200は、受信した画像を表示する装置として構成されており、受信部210、画像蓄積部220、デコード部230、リサイズ部240、合成部250、及び、表示部260を備えている。
【0106】
受信部210は、ネットワークに接続されており、ネットワークを介して外部装置からデータを受信する。受信部210は、LANケーブルによって、ネットワークと接続している。また、受信部210は、無線LANを介して、ネットワークに接続するようにしてもよい。受信部210は、受信したデータ(画像)を、画像蓄積部220へ通知する。また、受信部210は、受信した画像IDを用いて、画像蓄積部220に記録された画像の中から、対応する画像を取得する。また、受信部210は、背景画像を表示した時刻から一定時間が経過したか否かを判断し、表示のリセットを制御する。
【0107】
画像蓄積部220は、受信部210が受信した画像を蓄積する。画像蓄積部220は、図3に一例を示した通り、受信した画像データと画像IDとを対応付けて保持している。画像蓄積部220は、圧縮画像データと画像IDを入力されると自身が管理するデータに追加する。
【0108】
画像蓄積部220は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリー、HDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性の記録媒体、DRAMなどの揮発性の半導体メモリーにより構成する。
【0109】
デコード部230は、受信部210が受信した圧縮画像データをデコードし、画像データを生成する。撮像装置101は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠した圧縮形式等により画像データを圧縮して、送信する。デコード部230は、これら圧縮形式に対応して、デコードする。
【0110】
リサイズ部240は、入力した画像を所定の大きさにリサイズして出力する。リサイズ部240は、デコード部230から画像データを受け取り、受信部210から領域情報を受け取る。リサイズ部240は、受け取った画像データを、領域情報が示すサイズに変更する。
【0111】
合成部250は、デコード部230から出力された画像データと、リサイズ部240から出力された画像データの内、1つないし複数を合成して出力する。合成部250は、デコード部230から画像データを受け取り、リサイズ部240から画像データと領域情報を受け取る。合成部250は、受け取った複数の画像データを合成して出力する。なお、起動力後など、映像表示装置200が背景画像のみ受信済みの場合、合成部250は、合成することなく、デコード部230から受け取った画像データをそのまま表示部に出力する。
【0112】
表示部260は、液晶パネルや有機ELパネルといったデバイスにより構成され、合成部250から出力された画像データを表示する。
【0113】
次に、映像表示装置200が、撮像装置101から送信された画像を受信し、表示する処理を説明する。
【0114】
図10は、映像表示装置200が受信した背景画像を表示する動作の一例を示したフローチャートである。
【0115】
ステップS700において、受信部210は、撮像装置101が送信した背景画像を受信する。受信部210は、受信した画像をデコード部230に通知する。
【0116】
次に、ステップS710において、デコード部230は、受信部210から通知された圧縮画像データをデコードして、画像データを生成する。デコード部230は、生成した画像データを、合成部250に通知する。合成部250は、合成処理を行わずに、デコード部230から受け取った画像データをそのまま表示部260に出力する。これにより、背景画像は表示部260に表示される。
【0117】
ステップS720において、受信部210は、受信した画像を、背景画像として画像蓄積部220に保存する。この保存した画像データは表示部260の表示をリセットするために使用される。
【0118】
図11は、映像表示装置200が受信した物体画像を表示する動作の一例を示したフローチャートである。映像表示装置200は、図10で説明した背景画像に、新たに受信した物体画像を合成して、表示する。
【0119】
ステップS800において、受信部210は、撮像装置101が送信したデータを受信する。
【0120】
ステップS810において、受信部210は、背景画像を表示した時刻から一定時間が経過したか否かを判断する。一定時間が経過済みの場合、受信部210は、表示をリセットすると決定する。
【0121】
リセットせずに物体画像を背景画像に合成するだけだと、表示部260に表示される画面内に同じ物体画像が多数表示され、その物体画像の位置が最新の位置なのかがわからなくなる。これでは、撮像装置101が撮像している範囲ないにおいて、どこに(全体画像のどこに)人間が位置するか、を把握することができなくなり、監視するという要求を満たせなくなる。
【0122】
映像表示装置200は、カメラが撮像する周期と同じ周期でリセット処理を行う。画像データの撮像されたタイムスタンプを利用し、受信した物体画像のタイムスタンプが、前回リセットしたタイムスタンプと1撮像周期分の和と等しい、もしくは、大きい場合はリセットする。
【0123】
前回リセットしたタイムスタンプは、例えば、受信部210が内蔵するメモリー(図示しない)、または、画像蓄積部220に記録する。
【0124】
ステップS810にて、受信部210が表示をリセットすると判定した場合、ステップS820に遷移する。一方、ステップS810にて、受信部210が表示をリセットしないと判定した場合、ステップS850に遷移する。
【0125】
ステップS820において、映像表示装置200は、物体表示処理を行い、受信した物体画像データを表示する。詳細は図12を用いて、後で説明する。
【0126】
ステップS830において、受信したデータには圧縮画像データが含まれて場合は、ステップS840に遷移する。一方、受信したデータに圧縮画像データが含まれていない場合は、処理を終了する。
【0127】
ステップS840において、受信部210は、圧縮画像データと受信した画像IDを画像蓄積部220へ通知する。画像蓄積部220は、受信部210から通知された圧縮画像データと画像IDを、管理しているデータに追加し、更新する。
【0128】
ステップS850において、受信部210は、画像蓄積部220から背景画像の圧縮画像データを取得する。受信部210は、取得した圧縮画像データをデコード部230に通知する。
【0129】
ステップS860において、デコード部230は、受信部210から通知された圧縮画像データをデコードして、画像データを生成する。デコード部230は、生成した画像データを、合成部250に通知する。合成部250は、合成処理を行わずに、デコード部230から受け取った画像データをそのまま表示部260に出力する。これにより、表示部260の表示がリセットされる。この後、ステップ820に遷移し、映像表示装置200は、物体描画処理を行う。
【0130】
図12は、物体表示処理(図11のS820)の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0131】
ステップS900において、受信部210は、受信したデータに物体の画像データが含まれているか否かにより処理を分岐する。受信したデータに物体画像データが含まれている場合、ステップS910に遷移し、新たに受信した物体画像を表示する処理を行う。一方、受信したデータに物体画像データが含まれていない場合、ステップS920に遷移し、画像蓄積部220が保持する画像を表示する処理を行う。
【0132】
ステップS910において、受信部210は、受信した物体画像の圧縮画像データを、デコード部230に通知する。デコード部230は、通知された圧縮画像データをデコードして、画像データを生成する。デコード部230は、生成した画像データをリサイズ部240に出力する。また、受信部210は、受信した物体画像の領域情報を、リサイズ部240に出力する。
【0133】
一方、ステップS920において、受信部210は、画像蓄積部220に記録された画像の中から、受信した画像IDと同じ画像IDを持つ画像を検索する。
【0134】
ステップS930において、受信部210は、同じ画像IDを持つ画像が画像蓄積部220にない場合、処理を終了する。一方、受信部210は、同じ画像IDを持つ画像が画像蓄積部220に存在する場合、ステップS940に遷移する。
【0135】
ステップS940において、受信部210は、受信した画像IDと同じIDを持つ画像を、画像蓄積部220から取得する。受信部210は、取得した圧縮画像データをデコード部230に通知する。デコード部230は、受信部210から通知された圧縮画像データをデコードして、画像データを生成する。デコード部230は、生成した画像データを、リサイズ部240に出力する。また、受信部210は、受信した物体画像の領域情報を、リサイズ部240に出力する。
【0136】
ステップS950において、リサイズ部240は、入力された画像データを、入力された領域情報のサイズにリサイズする。これにより、物体画像を領域情報に記載されたサイズに調整することができる。例えば、画像蓄積部220から取得した物体画像のサイズが、受信部210から受け取った領域情報のサイズと違う場合でも、受信部210から受け取った領域情報のサイズに合わせた画像データを、生成することができる。リサイズ部240は、リサイズした後の画像データと領域情報を、合成部250に出力する。
【0137】
ステップS960において、合成部250は、リサイズした後の画像と、合成部250が保持する内部バッファに記録している画像とを、合成する。合成部250は、内部バッファに、現時点で、表示部260で表示している画像を保持している。これにより、受信部210が、受信した複数の画像を追記的に合成することができる。撮像装置101の1撮像周期の間に、撮像装置101から受信した物体画像全てを合成した画像を作ることができる。
【0138】
合成部250は、内部バッファに記録している画像上の位置であって、受け取った領域情報に記載に位置に、リサイズした後の物体画像を重ねて配置し、この二つの画像を合成する。
【0139】
ステップS970において、合成部250は前記ステップ960で合成した画像を表示部260に出力する。これにより、表示部260は背景画像に、物体画像を合成した画像を表示する。
【0140】
ステップS970が終了すると、リターンに遷移し、物体描画処理を終了する。
【0141】
以上の構成により、映像表示装置は、受信したデータに対象の物体の画像データが含まれない場合でも、類似している過去に受信済みの物体画像を用いて、監視対象の物体がどのような状態でどこに位置するかを表示することができる。
【0142】
(ユースケースによる説明)
撮像装置101と映像表示装置200がどのように動作するかを、具体的なユースケースを交えて、説明する。
【0143】
図13は、撮像装置101が、撮像した画像の一例を示している。
【0144】
図13(a)は、時刻tにおいて、人物Aが撮像装置101の撮像範囲内に入ってきたときに撮像した画像を表したものである。
【0145】
図13(a)の場合に、撮像装置101が、データを送信する処理について、具体的に説明する。
【0146】
図5のステップS100において、撮像装置101の画像解析部120は、人物Aを物体として検出し、その物体の領域情報を、物体画像送信判定部180に出力する。
【0147】
図6のステップS210において、物体画像送信判定部180は、カテゴリー化ルール保持部170からカテゴリー化ルールと図2で一例を示したテンプレート画像リストを取得する。
【0148】
ステップS220において、物体画像送信判定部180は、送信済み画像確認リストを取得する。ここでは、図14に示した送信済み画像確認リストを取得したものとして、説明する。
【0149】
ステップS250において、物体画像送信判定部180は、物体画像とテンプレート画像の比較処理の結果、一番近いと判断されたテンプレート画像のテンプレートIDを特定する。物体画像送信判定部180は、図13(a)の人物Aの物体画像は、テンプレートID=0に一番近いと分類する。
【0150】
図14の送信済み画像確認リストは、テンプレートID=0に相当する画像データは、保持していない。そのため、ステップS260において、物体画像送信判定部180は、送信済みではないと判断し、ステップS270に遷移する。判定結果は「新たな画像IDを付与して、画像IDと画像(物体画像)の両方を送信する」となる。
【0151】
ステップS280において、物体画像送信判定部180は、画像ID付与部160より新しい画像IDの付与を受ける。図14の送信済み画像確認リストでは、付与済み最終画像は画像ID=2である。画像ID付与部160は、新たな画像ID(ID=3)を付与する。
【0152】
ステップS300において、物体画像送信判定部180は、送信制御部190に、新たな画像ID(ID=3)と、一番近いテンプレート画像のテンプレートIDと、人物Aの物体の領域情報と、判定結果を出力する。
【0153】
図8のステップS410において、送信制御部190は、判定結果が「新たな画像IDを付与して、画像IDと画像(物体画像)の両方を送信する」なので、ステップS420に遷移する。
【0154】
ステップS420において、送信制御部190が指示することで、物体画像の圧縮画像データを生成する。ステップS430において、送信制御部190は、生成した物体の画像圧縮データと、新たに付与した画像ID(ID=3)と、物体の領域情報を、送信部103に出力し、映像表示装置200に送信する。
【0155】
ステップS440において、送信制御部190は、一番近いテンプレート画像のテンプレートIDと、送信した画像IDと圧縮画像データを、送信済み画像確認リスト蓄積部150に入力する。送信済み画像確認リスト蓄積部150は、送信済み画像確認リストを更新する。その結果、送信済み画像確認リストは、図14から図15に更新される。
【0156】
図13(a)では、撮像した画像内に存在する物体画像が1つだけであるので、ステップ図5のS500において、検出した画像はすべて処理を行ったことになるので、処理が終了する。
【0157】
次に、図13(a)の場合に、映像表示装置200が、データを受信し、画像を表示する処理について、具体的に説明する。また、画像蓄積部220が蓄積する画像データは、図14と同様とする。
【0158】
映像表示装置200の受信部210は、図11のステップS800において、データを受信する。
【0159】
受信したデータは、物体の画像圧縮データであり、1撮像周期において最初に撮像された画像である。従って、表示部260に表示している画像をリセットする必要がある。ステップS810において、例えば、物体の画像圧縮データのタイムスタンプと前回表示した画像のタイムスタンプを比較して、1撮像周期分の差分があることを検知し、ステップS850に遷移する。
【0160】
受信部210は、ステップS850で、画像蓄積部220から背景画像の圧縮画像データを取得し、ステップS860で、表示部260の表示をリセットする。
【0161】
次に、ステップS820に遷移し、映像表示装置200は、物体の画像を描画する。
【0162】
図12のステップS900において、受信部210が受信したデータには物体の圧縮画像データが含まれているので、ステップS910に遷移する。ステップS910において、デコード部230が、物体の圧縮画像データをデコードして、画像データを生成する。
【0163】
ステップS950に遷移して、画像データが物体の領域情報の大きさとなるようにリサイズする。
【0164】
ステップS960において、合成部250は、リサイズした後の物体画像と、背景画像を合成する。合成部250は、リサイズ後の物体画像が、受信した物体の領域情報が示す位置となるように合成する。
【0165】
ステップS970において、合成部250は、ステップS960で合成した画像を表示部260に出力する。図16(a)は、表示部260が表示する時刻tの画像を示している。
【0166】
図11のステップS830において、受信したデータには物体の圧縮画像データが含まれているので、ステップS840に遷移し、物体の圧縮画像データと画像ID(ID=3)を画像蓄積部220に入力する。画像蓄積部220は、蓄積データを、図13と同様のデータから、図15と同様のデータに更新する。
【0167】
以上により、映像表示装置200は、対象の物体(人間)の画像を表示することができ、監視対象の物体がどのような状態でどこに位置するかを把握することができる。
【0168】
図13(b)は、時刻t+1において、撮像装置101が撮像した画像を表したものである。時刻tの画像と比べて、人物Aの位置が変化している。
【0169】
図13(b)の場合に、撮像装置101が、データを送信する処理について、具体的に説明する。
【0170】
図5のステップS100において、撮像装置101の画像解析部120は、人物Aを物体として検出し、その物体の領域情報を、物体画像送信判定部180に出力する。
【0171】
図6のステップS220において、物体画像送信判定部180は、図15に示した送信済み画像確認リストを取得する。
【0172】
ステップS250において、物体画像送信判定部180は、物体画像とテンプレート画像の比較処理の結果、一番近いと判断されたテンプレート画像のテンプレートIDを特定する。物体画像送信判定部180は、図13(b)の人物Aの物体画像は、テンプレートID=0に一番近いと分類する。
【0173】
図15の送信済み画像確認リストは、テンプレートID=0に相当する物体画像を保持している。そのため、ステップS260において、物体画像送信判定部180は、送信済みと判断し、ステップS310に遷移する。判定結果は「新たな画像IDを付与せず、過去に送信した画像の中で一番近い画像の画像IDと領域情報を送信し、画像そのものは送信しない」となる。
【0174】
ステップS320において、物体画像送信判定部180は、図15の送信済み画像確認リストを参照して、テンプレートID=0に対応する画像ID(ID=3)を取得する。
【0175】
ステップS330において、物体画像送信判定部180は、送信制御部190に、新たな画像ID(ID=3)と物体の領域情報と判定結果に出力する。
【0176】
図8のステップS410において、送信制御部190は、判定結果が「新たな画像IDは付与せず一番近い画像の画像IDと、領域情報を送付する」なので、ステップS450に遷移する。
【0177】
ステップS450において、送信制御部190は、図5のステップS200で取得した一番近いと分類された、送信済みの画像の画像ID(ID=3)と物体の領域情報を、送信部103に出力し、映像表示装置200に送信する。
【0178】
図13(b)では、撮像した画像内に存在する物体画像が1つだけであるので、ステップ図5のS500において、検出した画像はすべて処理を行ったことになるので、処理が終了する。他の人間が撮像されている場合は、再度画像送信判定処理を行う。
【0179】
次に、図13(b)の場合に、映像表示装置200が、データを受信し、画像を表示する処理について、具体的に説明する。また、画像蓄積部220が蓄積する画像データは図15と同様とする。
【0180】
映像表示装置200の受信部210は、図11のステップS800において、データを受信する。
【0181】
ステップS810において、受信部210は、受信したデータの時刻はt+1であり、前回の時刻tの場合から1撮像周期分の時間が経過していると判定し、ステップS850に遷移する。
【0182】
受信部210は、ステップS850で、画像蓄積部220から背景画像の圧縮画像データを取得し、ステップS860で、表示部260の表示をリセットする。
【0183】
次に、ステップS820に遷移し、映像表示装置200は、物体の画像を描画する。
【0184】
図12のステップS900において、受信部210が受信したデータには圧縮画像データが含まれていないので、ステップS920に遷移する。ステップS920において、受信部210は、画像蓄積部220にアクセスし、画像ID(ID=3)の画像圧縮データを検索する。画像蓄積部220に蓄積されているデータは、図15であるので、画像ID=3のエントリーが存在しており、ステップS930の分岐で、ステップS940に遷移する。
【0185】
ステップS940において、受信部210は、送信済み画像確認リスト蓄積部150から画像ID(ID=3)の画像を取得し、デコード部230が、デコードして、画像データを生成する。
【0186】
ステップS950に遷移して、画像データが物体の領域情報の大きさとなるようにリサイズする。
【0187】
ステップS960おいて、合成部250は、リサイズした後の物体画像と、背景画像を合成する。合成部250は、リサイズ後の物体画像が、受信した物体の領域情報が示す位置となるように合成する。
【0188】
ステップS970において、合成部250は、ステップS960で合成した画像を表示部260に出力する。図16(b)は、表示部260が表示する時刻t+1の画像を示している。
【0189】
図13(c)は、時刻t+2において、撮像装置101が撮像した画像を表したものである。時刻t+1の画像と比べて、人物Aの位置と、姿勢が少しだけ変化している。
【0190】
図13(c)の場合に、撮像装置101が、データを送信する処理について、具体的に説明する。
【0191】
時刻t+1の場合と同様に、図5のステップS100において、撮像装置101の画像解析部120は、人物Aを物体として検出し、その物体の領域情報を、物体画像送信判定部180に出力する。
【0192】
図6のステップS220において、物体画像送信判定部180は、図15に示した送信済み画像確認リストを取得する。
【0193】
ステップS250において、物体画像送信判定部180は、物体画像とテンプレート画像の比較処理の結果、一番近いと判断されたテンプレート画像のテンプレートIDを特定する。物体画像送信判定部180は、図13(c)の人物Aの物体画像は、テンプレートID=0に一番近いと分類する。
【0194】
図15の送信済み画像確認リストは、テンプレートID=0に相当する物体画像を保持している。そのため、ステップS260において、物体画像送信判定部180は、送信済みと判断し、ステップS310に遷移する。判定結果は「新たな画像IDを付与せず、過去に送信した画像の中で一番近い画像の画像IDと領域情報を送信し、画像そのものは送信しない」となる。
【0195】
ステップS320処理において、物体画像送信判定部180は、図15の送信済み画像確認リストを参照して、テンプレートID=0に対応する画像ID(ID=3)を取得する。
【0196】
ステップS330において、物体画像送信判定部180は、送信制御部190に、新たな画像ID(ID=3)と物体の領域情報と判定結果に出力する。
【0197】
図8のステップS410において、送信制御部190は、判定結果が「新たな画像IDは付与せず一番近い画像の画像IDと、領域情報を送付する」なので、ステップS450に遷移する。
【0198】
ステップS450において、送信制御部190は、図5のステップ200で取得した一番近いと分類された、送信済みの画像の画像ID(ID=3)と物体の領域情報を、送信部103に出力し、映像表示装置200に送信する。
【0199】
以下の動作は、時刻t+1の場合と同様となる。
【0200】
映像表示装置200は、時刻t+1の場合と同様に処理を行い、物体の画像と背景画像を合成し、合成した画像を表示する。図16(c)は、表示部260が表示する時刻t+1の画像を示している。
【0201】
以上により、映像表示装置200は、対象の物体(人間)の画像を表示することができ、監視対象の物体がどのような状態でどこに位置するかを把握することができる。
【0202】
図16(c)に示した時刻t+2の画像は、撮像装置101が撮像した画像を示した図13(c)とは、物体Aの姿勢が少し異なっている。同じ画像を映像表示装置200は表示することはできないが、近い画像を表示することができる。よって、撮像装置101が撮像した範囲内において、どこに人間がいて、その人間がどのような姿勢にあるのかを把握することができる。
【0203】
図13では、時刻t+1と時刻t+2において、撮像装置101は、同じ物体を、同じような姿勢で連続して撮像しており、過去に送信済みの画像の画像IDと領域情報を送信する。撮像装置101は、新しく物体の圧縮画像データを、送信しない。
【0204】
例えば、時刻t+2から時刻t+kにおいて、撮像装置101は、同じ物体を、同じような姿勢で連続して撮像した場合でも、同様に、撮像装置101は、過去に送信済みの画像の画像IDと領域情報を送信する。撮像装置101は、新しく物体の圧縮画像データを、送信しない。
【0205】
以上により、画像データ制御装置を備えた撮像装置は、送信するデータ量を減らすことができる。
【0206】
また、対象の物体が、撮像装置101の撮像範囲からフレームアウトしたとしても、同様の処理が可能である。つまり、撮像装置101の送信済み画像確認リスト蓄積部150が、物体の画像を蓄積している限り、撮像装置101は、過去に送信済みの画像の画像IDを用いて、送信するデータ量を削減することが可能となる。
【0207】
映像表示装置200は、過去に送付済みの画像IDが送付された場合、対応する送付済みの画像と背景画像とを合成して、表示することができる。これにより、撮像装置101が撮像している範囲内において、対象の物体がどの位置にどのような姿勢で位置するかを把握することができる。例えば、ATMなどの防犯上、厳しい監視が必要な場所において、不審者がATMの近くを徘徊していないか、ATM近くに長時間居座っている人物はいないかを把握することが可能となる。
【0208】
また、対象者の姿勢を時系列で見ることができ、撮像されている対象者の行動を類推し、異常な行動をしていないかを判断する材料とすることができる。
【0209】
さらに、映像表示装置200は、撮像装置101が実際に撮像した画像を受信して表示するので、予め複数の画像を用意する必要はない。
【0210】
なお、物体画像送信判定部180が行う処理であって、画像解析部120が検出した物体を姿勢認識する方法として、認識したい姿勢毎にテンプレート画像をテンプレート画像リストとして予め用意している例を説明した。
【0211】
他の方法として、例えば、物体画像送信判定部180は、送信済み画像確認リストに蓄積されている画像を、姿勢認識に利用してもよい。
【0212】
物体画像送信判定部180は、画像解析部120が検出した物体の画像と、送信済み画像確認リストに記載されている各画像データとを比較して、送信済み画像確認リスト内の画像で一番近い画像に、新しい物体の画像を分類する。テンプレート画像リストは予め用意せずに、送信済み画像確認リストの画像が姿勢認識で使用するテンプレート画像の役割を兼ねる。
【0213】
物体画像送信判定部180は、送信済み画像確認リストに、対応する画像データがない場合、新たに画像IDを付与して画像データを送信する。また、物体画像送信判定部180は、一致率を用いて、一致率がある閾値よりも低い画像が送信済み画像確認リストに存在しない(近い画像が存在しない)場合、新たに画像IDを付与して画像データを送信する。
【0214】
以上により、画像データ制御装置によれば、対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似している場合、画像データを送信せずに、類似している送信済み画像を識別する情報を送信することで、物体の状態を通知することができる。これにより、画像データ制御装置を備えた監視カメラは、監視対象の物体の画像データを送信する場合と比べて、送信するデータ量を削減することができる。
【0215】
また、監視モニタは、画像データ制御装置が送信したデータを受け取り、監視対象の物体がどのような状態でどこに位置するかを表示することができる。これにより、監視モニタの監視者は、監視対象の物体の位置と状態を把握することが可能となる。
【0216】
図17は、画像送信判定処理(図5のステップS200)の詳細な動作を示すフローチャートである。ここでは、物体画像送信判定部180が、送信済み画像確認リストに蓄積されている画像を姿勢認識に利用する場合を示している。なお、図17において、図6と同じ処理を行うステップについては、同じ符号を用い、説明を省略する。
【0217】
ステップS980において、物体画像送信判定部180は、送信済み画像確認リストに記録されている画像のうち、まだ比較に使っていない画像IDの中で一番番号の若い画像IDである画像を参照する。
【0218】
次に、物体画像送信判定部180は、ステップS225にて取得した物体画像と送信済み画像確認リストに記録されている画像を比較し、一致率を算出する。物体画像送信判定部180は、算出した一致率を、分類候補リストに格納する。なお、分類候補リストは、例えば、図7に示した分類候補リストのテンプレートIDを、画像IDに差し替えたものとなる。
【0219】
ステップS981において、ステップS220にて取得した送信済み画像確認リストに記録されている全ての画像と、物体検出した物体画像との比較が完了したかをチェックする。まだ、比較していない画像が残っている場合は、ステップS980に遷移し、そうでない場合はステップS980に遷移する。
【0220】
ステップS982において、物体画像送信判定部180は、分類候補リストを参照し、一致率が閾値よりも小さいエントリーがリストに存在するか否かを確認する。物体画像送信判定部180は、対応するエントリーが存在しない場合、画像解析部120にて検出した画像に近い画像は送信済みの画像の中にはないと判断し、ステップS270に遷移する。一方、物体画像送信判定部180は、対応するエントリーが存在する場合、画像解析部120にて検出した画像に近い画像は送信済みの画像の中にあると判断し、ステップS310に遷移する。
【0221】
なお、ステップS982で使用する閾値は、物体画像送信判定部180が予め保持する。また、この閾値をカテゴリー化ルールで定義し、物体画像送信判定部180が、ステップS220で取得してもよい。
【0222】
ステップS983において、物体画像送信判定部180は、ステップS980からステップS981の処理で分類した送信済み画像確認リストの中で、一番近い画像の画像IDを取得する。物体画像送信判定部180は、一致率を参照して、一番近い画像の画像IDを判断する。
【0223】
以上により、テンプレート画像リストを予め用意しなくても、ある程度近い画像がある場合は、既に送信済みの画像の画像IDを送信し、近い画像がない場合は、新たに画像データと画像IDを送信することになる。これにより、テンプレート画像リストを予め作成する手間が省ける。
【0224】
さらに、送信制御部190が、送信済み画像確認リストに、各エントリーに当該の画像を送信した回数を記録し、一定の周期毎にあまり使われていない画像のエントリーを削除するようにしてもよい。これにより、テンプレート画像のリストである送信済み画像確認リストを動的に更新することができ、かつ、送信済み画像確認リストを一定サイズ以下に制限することで、メモリーを適切に活用できる。
【0225】
なお、実施の形態1において、物体画像送信判定部180は、人間の姿勢認識の結果を用いて、画像解析部120が検出した画像を分類するとして説明した。他の方法として、例えば、画像解析部120が顔検出を行い、物体画像送信判定部180は、画像解析部120が検出した顔画像を分類し、映像表示装置200に送信するべきか否かを判定して処理することができる。
【0226】
顔検出処理を実現する方法は、弱識別器(識別能力の低い識別器)を複数個選び、各識別器の結果を統合して、結果を判定する手法を用いる。各々の識別器は顔を検出するのに、有効な特徴を識別するのに用いられる。物体画像送信判定部180は、顔の識別に必要な特徴を識別する識別器を複数用意し、これら複数の識別器を用いる。顔検出を行う場合は、対象となる画像を識別器にかけ、識別器それぞれの識別結果を統合的に判断する。これにより、顔を検出することができる。また、この手法では識別器を多数選択するための学習にAdaboostと呼ばれる機械学習アルゴリズムを利用する。この学習を行うことによって、より精度の高い顔検出が可能な識別器の組を得る。
【0227】
画像解析部120は、Adaboostアルゴリズムによって学習済みの識別器の組を予め用意し、入力部110が入力した画像内の、全ての領域に対して、顔検出を行うことができる。
【0228】
また、物体画像送信判定部180は、画像解析部120で検出した顔画像を比較する方法として、複数の方法を用いることができる。物体画像送信判定部180は、例えば、顔画像の各画素に対し、各画素の輝度の濃淡情報などをパターンマッチングする手法を用いる。また、物体画像送信判定部180は、顔の輪郭をエッジ検出により抽出してマッチングを行う手法を用いる。また、物体画像送信判定部180は、画像をフーリエ変換して周波数成分を抽出して比較する手法を用いる。また、物体画像送信判定部180は、これらの方法を複数組み合わせて使用する。これらの手法は顔を比較して、所定の人物か否かを判定する顔認証を実現する手法として、一般的に使われている。あるいは、物体画像送信判定部180は、顔画像データの比較方法として、顔の特徴的な部位である目や口などを、前記の弱識別器を使って検出し、それらの位置関係を抽出する、比較したい各々の画像間で比較する手法を用いてもよい。
【0229】
物体画像送信判定部180は、顔画像データの比較方法として、複数の方法を用いることができる。物体画像送信判定部180は、顔画像の各画素の輝度の濃淡情報などをパターンマッチングする手法を用いる。また、物体画像送信判定部180は、顔の輪郭をエッジ検出により抽出してマッチングを行う手法を用いる。また、物体画像送信判定部180は、画像をフーリエ変換して周波数成分を抽出し、比較する手法を用いる。また、物体画像送信判定部180は、これらの方法を複数組み合わせて使用する。
【0230】
あるいは、物体画像送信判定部180は、顔画像データの比較方法として、顔の特徴的な部位である目や口などを、前記の弱識別器を使って検出し、それらの位置関係を抽出す、比較したい各々の画像間で比較する手法を用いてもよい。
【0231】
なお、画像切り出し部130が、内部バッファを持ち、切り出した画像を格納するとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。物体画像送信判定部180は、前記の行動認識結果によって画像を分類する場合、画像解析部120が切り出した画像を取得する必要がない(ステップS225は不要となる)。よって、画像切り出し部130は、一時的に切り出した画像を格納する必要がなくなるので、画像切り出し部130に内部バッファを持たなくてもよい。
【0232】
なお、物体画像送信判定部180は、物体追跡を行い、追跡する物体ごとにカテゴリー化を行うようにしてもよい。物体追跡は、例えば、次の手順で実施する。(1)まず、画像解析部120が、物体を検出する。(2)物体画像送信判定部180は、検出した物体と、過去に検出した物体とパターンマッチングで比較する。(3)物体画像送信判定部180は、同じ物体であるか否かを判断する。(4)物体画像送信判定部180は、同じ物体と認識できれば、その認識した物体を継続して追跡する。(5)物体画像送信判定部180は、同じ物体と認識できなければ、新たな物体IDを付与し、新たな物体として内部メモリーに蓄積する。また、前記(2)から(5)の処理は、画像解析部120が実施し、追跡結果(例えば、物体の識別子と物体の領域情報など)を物体画像送信判定部180に通知するようにしてもよい。
【0233】
画像解析部120は、物体の追跡を行い、撮像した画像データに撮像されている物体毎に識別子を割り当て、物体画像送信判定部180に追跡結果を通知する。物体画像送信判定部180は、画像解析部120から追跡結果を受け取り、識別した物体毎に過去画像との比較、分類することができる。これにより、物体画像送信判定部180は、物体追跡して識別した物体毎に、画像を映像表示装置200に送信するべきか否かを判定することができる。
【0234】
例えば、物体画像送信判定部180は、ステップS260において、S220で取得した送信済み画像確認リストの画像から、同じ物体の識別子であって、かつ、ステップS250と同じテンプレートIDの画像が送信済みか否かを確認する。
【0235】
図18は、送信済み画像確認リスト蓄積部150が蓄積する送信済み画像確認リストの一例を示しており、物体の識別子を記憶している。送信済み画像確認リストが物体の識別子を保持することにより、ステップS260において、識別した物体毎に画像の送信判定を行うことができる。さらに、ステップS440において、送信制御部190は、行動認識結果も送信済み画像確認リスト蓄積部150に入力し、送信済み画像確認リストに行動認識結果を蓄積すればよい。
【0236】
もしくは、画像解析部120は、上記で説明した顔検出、顔認証を用いて、撮像した物体を識別し、識別した物体ごとにカテゴリー化を行うようにしてもよい。
【0237】
なお、物体画像送信判定部180は、物体がより明らかな画像が撮像できたか否かを解析し、画像を送信するか否かを判定してもよい。
【0238】
例えば、画像解析部120は、顔検出を行った後、顔の傾き角度を検出する。画像解析部120は、例えば、検出した顔おいて、複数の部位の位置を抽出し、顔モデルに基づいて顔の傾き角度を検出する方法を用いて、顔の傾きを検出する。
【0239】
画像解析部120は、顔検出を行った後、顔の傾き角度を検出し、顔の傾き角度などを検出結果として、物体画像送信判定部180に出力する。物体画像送信判定部180は、顔の傾き角度と、送信済み画像確認リストに記載の傾きを比較し、より傾きがない、すなわち、正対している場合は、画像を送信すると判定する。
【0240】
また、画像解析部120は、物体追跡も行い、追跡している物体毎に顔の傾き比較をしてもよい。
【0241】
なお、物体画像送信判定部180は、画像解析部120が検出した物体を分類し、物体の画像を映像表示装置200に送信するべきか否かを判定する処理を説明した。物体画像送信判定部180は、更に、一定時間周期ごとに、画像解析部120が検出した物体の画像を、送信するか否かを判定してもよい。送信済み画像確認リスト蓄積部150は、画像の画像IDと送信した圧縮画像データを蓄積するだけではなく、各画像が前回送信された時刻情報も保持する。送信済み画像確認リスト蓄積部150は、タイムスタンプなどの時刻情報が入力されると、前回送信された時刻を更新する。
【0242】
図19は、画像送信判定処理(図5のステップS200)の詳細な動作を示すフローチャートである。ここでは、物体画像送信判定部180が、一定時間周期毎に画像を送信する場合を示している。なお、図19において、図6と同じ処理を行うステップについては、同じ符号を用い、説明を省略する。
【0243】
ステップS990において、物体画像送信判定部180は、ステップS250の処理で取得したテンプレートIDに対応する画像のエントリーを、送信済み画像確認リストから得る。そして、物体画像送信判定部180は、取得した画像の送信時刻を参照し、一定時間以上経過したか否かを判断する。物体画像送信判定部180は、一定時間以上経過していると判断した場合、ステップS991に遷移し、そうでなれれば、ステップS310に遷移する。
【0244】
ステップS991において、物体画像送信判定部180は、判定結果を「画像IDと画像の両方を再び送信する」とする。
【0245】
ステップS992において、物体画像送信判定部180は、送信制御部190に、ステップS250の処理で取得したテンプレートIDに対応する画像の画像IDと、顔画像の領域情報と判定結果を出力する。ステップS992の処理が完了すると、リターンに遷移し、画像送信判定処理が終了する。画像送信判定処理が終了すると、データ送信処理に遷移する。
【0246】
図20は、データ送信処理(図5のステップS400)の詳細な動作を示すフローチャートである。ここでは、送信制御部190が、一定時間周期毎に画像を送信する場合を示している。図20において、図8と同じ処理を行うステップについては、同じ符号を用い、説明を省略する。
【0247】
ステップS993において、送信制御部190は、画像送信判定処理の判定結果が「新たな画像IDを付与して、画像IDと画像の両方を送信する」である場合、ステップS430に遷移する。また、送信制御部190は、判定結果が「画像IDと画像の両方を再び送信する」である場合、ステップS994に遷移する。
【0248】
ステップS994において、送信制御部190は、S420にて生成した圧縮画像データと、S992で用いた画像IDと領域情報を、送信部103にし出力し、映像表示装置200に送信する。なお、S922で用いた画像IDとは、画像解析部120で検出した物体の画像と一番近い画像の画像IDである。
【0249】
次に、ステップS995において、送信制御部190は、ステップS994で送信した画像IDと圧縮画像データと撮像されたタイムスタンプを、送信済み画像確認リスト蓄積部150に入力する。撮像されたタイムスタンプは、撮像装置101が保持するシステムクロックを使用するようにしてもよい。送信済み画像確認リスト蓄積部150は、画像IDの画像の送信時刻を入力されたシステムクロックに変更する。
【0250】
ステップS995の処理が完了すると、リターンに遷移し、データ送信処理が終了して、ステップS500に遷移する。
【0251】
以上のように、送信済みの画像に分類できる場合で、かつ、前回画像データを送信してから一定時間以上経過した場合は、ステップS990において、ステップS991に遷移する。物体画像送信判定部180は、「画像IDと画像の両方を再び送信する」と判定する。これにより、ステップS410ではステップS420に遷移し、さらにステップS993ではステップS994に遷移するので、送信制御部190は、画像IDと物体の領域情報とS420にて切り出した物体の圧縮画像データを出力する。
【0252】
これにより、撮像装置101は、一定時間周期ごとに、画像解析部120で検出した物体の画像を送信する。つまり、撮像装置101は、一定時間ごとに最新の画像を送信することができる。
【0253】
なお、物体画像送信判定部180は、画像解析部120で複数の物体を検出し、これら複数の物体の領域が重なった場合は、重なった画像を別の物体であると判断してもよい。この場合、物体画像送信判定部180は、新たな画像IDを付与して、重なった画像の画像データを送信するように判定する。
【0254】
複数の物体の領域が重なった画像を別の物体であると判断する方法として、複数の方法を用いることができる。画像解析部120が、複数の物体の重なりを検出した場合は、重なり合った画像を別の物体として判定し、重なり合った画像の領域情報を物体画像送信判定部180に送信する。これにより、画像解析部120が物体Aと物体Bという重なり合う2つの物体を検出した場合、別の物体Cを検出したと判断し、物体Cの領域情報(例えば、物体Aと物体Bを含む矩形の領域情報)を、物体画像送信判定部180に出力する。画像送信判定処理において、物体画像送信判定部180は、ステップS230からステップS240の処理で、物体Aと物体Bではない物体として、物体Cを分類し、ステップS260においてステップS270に分岐する。物体画像送信判定部180は、物体A(例えば、ID=1)や物体B(例えば、ID=2)と違う新しい画像ID(例えば、ID=3)を付与する。その後、物体画像送信判定部180は、画像IDと画像の物体Cの画像を送信するように判定する。また、物体Aと物体Bという2つの物体の重なりである物体Cの領域情報を入力しているので、物体画像送信判定部180と送信制御部190は、物体Cの画像を画像切り出し部130に物体Cの切り出しを指示できる。よって、ステップS420において、送信制御部190は、物体Cの圧縮画像データを生成し、ステップS420において、送信部103に、圧縮画像データと新たな画像ID、物体Cの領域情報を出力する。
【0255】
また、例えば、画像解析部120は、物体Aと物体Bが重なりあった場合に、物体Cのみの領域情報など情報を、物体画像送信判定部180に入力し、物体Aと物体Bの領域情報など情報を入力しないようにしてもよい。
【0256】
物体画像送信判定部180は、画像解析部120で複数の物体を検出し、これら複数の物体が近接している(物体の距離がある閾値以下)場合も、重なった画像を別の物体であると判断する。物体画像送信判定部180は、重なった画像に対して、新たな画像IDを付与して、重なった画像の画像データを送信するように判定してもよい。例えば、上記と同様に、画像解析部120は、物体Aと物体Bが近接している場合(物体の距離がある閾値以下)も、同様に物体Aと物体Bを合わせた物体Cとして検出するようにすればよい。
【0257】
なお、以上で説明した、「物体追跡」、「顔認識」、「行動認識」などは、各々を組み合わせるように構成してもよい。顔を検出して比較するだけでは、例えば、撮像途中で対象の人物が背を向けるなどして、顔が見えなくなった場合に対象をロストする。しかし、物体追跡を合わせて行うことにより、顔を検出できなくても、同じ物体であることを識別することができる。よって、カテゴリー化ルール保持部170は、物体追跡を合わせたカテゴリー化ルールを定義して保持し、物体画像送信判定部180は、同じ物体と認識して新たな画像を送信しないように判定する。これによって、画像の送信を抑制することができ、トラフィックを低減できる。
【0258】
以上のように、必要な認識技術と判定方法を組み合わせ可能とし、さまざまな状況に対応できるように、画像解析部120、物体画像送信判定部180、カテゴリー化ルール保持部170が保持するカテゴリー化ルールを、構成してもよい。
【0259】
(実施の形態2)
実施の形態2における画像データ制御装置400は、画像解析部120によって検出された物体が蓄積済みの画像に分類できないと判断した場合の処理が、実施の形態1と異なっている。画像データ制御装置400は、連続する所定回数(n回)の送信において、物体の切り出し画像と物体の領域情報と、同じ画像IDとを、送ることを特徴とする。
【0260】
図21は、本発明の画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成図である。
【0261】
図21の撮像装置101は、撮像部102、送信部103、画像データ制御装置400を備えている。図21において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0262】
画像データ制御装置400は、撮像部102が出力した画像データを受け取り、対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似しているか否かを判定し、判定結果に基づいて、映像表示装置200へ送信するデータを決定する。画像データ制御装置400は、送信すると決定したデータを送信部103に通知する。
【0263】
画像データ制御装置400は、入力部110、画像解析部120、画像切り出し部130、エンコード部140、送信済み画像確認リスト蓄積部410、画像ID付与部160、カテゴリー化ルール保持部170、物体画像送信判定部420、送信制御部430を備えている。
【0264】
送信済み画像確認リスト蓄積部410は、送信した画像データと画像IDと送信回数を、リスト形式で蓄積する。送信済み画像確認リスト蓄積部410は、送信した画像データと画像IDと送信回数を組にした送信済み画像確認リストを保持、管理する。送信済み画像確認リスト蓄積部410は、送信制御部430から送信済みの圧縮画像データと画像IDの情報を受け取り、送信済み画像確認リストを更新する。送信済み画像確認リスト蓄積部410は、受け取った画像IDが、送信済み画像確認リストで既に保持されている場合は、対応する送信回数を1つ加算し、送信回数を更新する。
【0265】
物体画像送信判定部420は、カテゴリー化ルール保持部170からカテゴリー化ルールを取得し、カテゴリー化ルールに従って、画像解析部120が検出した物体の画像を分類する。物体画像送信判定部420は、分類した結果に基づいて、画像解析部120が検出した物体の画像を分類し、物体の画像データを映像表示装置200に送信するか否かを判定する。物体画像送信判定部420は、画像解析部120が検出した物体を、送信済み画像確認リスト蓄積部410に蓄積されている画像に分類できないと判断した場合は、次の処理を行う。物体画像送信判定部420は、物体の切り出し画像と物体の領域情報と、同じ画像IDを、所定回数(n回)連続して送信すると判定する。物体画像送信判定部420は、予め規定されているnの値を内部の保持するようにしてもよいし、カテゴリー化ルールのパラメータとして持たせてもよい。
【0266】
送信制御部430は、物体画像送信判定部420の判定結果に応じて、映像表示装置200に送信するデータを、送信部103に出力する。画像データを送信する場合、送信制御部430は、送信する画像の画像IDと、画像データと、物体の領域情報を含むメタデータを生成し、出力する。画像データを送信しない場合は、送信制御部430は、一番近いと分類された、送信済みの画像の画像IDと、物体の領域情報を含むメタデータを生成し、出力する。また、所定回数(n回)連続して送信する場合は、送信制御部430は、所定回数(n回)、付与した同じ画像IDと物体の切り出し画像と物体の領域情報を含むメタデータを生成し、出力する。
【0267】
図22は、実施の形態2における画像データ制御装置400の、撮像部102から画像データを受け取った際の動作示すフローチャートである。撮像部102は、周期的に画像データを画像データ制御装置400に出力する。そのため、図22の動作は、周期的に繰り替えされる。なお、図22において、図5と同じ処理を行うステップについては、同じ符号を用い、説明を省略する。
【0268】
ステップS1010において、物体画像送信判定部420は、画像送信判定処理を行う。物体画像送信判定部420は、ステップS100で検出した物体から、次の処理対象の物体を決定し、この物体の画像を、送信するか否かを判断する。
【0269】
ステップS1020において、送信制御部430は、ステップS1010で判定した結果に応じて、映像表示装置200に送信するデータを、送信部103に出力する。
【0270】
図23は、画像送信判定処理(図22のステップS1010)の詳細な動作を示すフローチャートである。なお、図23において、図6と同じ処理を行うステップについては同じ符号を用い、説明を省略する。
【0271】
ステップS260において、物体画像送信判定部420は、ステップS250にて取得したテンプレートIDに関連する画像が送信済みか否かを確認する。物体画像送信判定部420は、ステップS230からステップS250の処理で分類したテンプレート画像のテンプレートIDと、同じテンプレートIDを持つエントリーを、送信済み画像確認リストから抽出する。送信済み画像確認リストは、ステップS220にて取得したものである。物体画像送信判定部420は、抽出したエントリーを参照し、一番近いテンプレート画像に対応する画像が送信済みか否かを調べる。調べた結果、一番近いテンプレート画像に対応する画像が送信済みではない場合は、ステップS270に遷移し、送信済みであると判断された場合は、ステップS1110に遷移する。
【0272】
ステップS1110において、物体画像送信判定部420は、送信済み画像確認リストから抽出したエントリーの送信回数と、連続して送付するように規定された所定回数(n)を比較する。物体画像送信判定部420が比較した結果、送信回数が所定回数(n)未満であれば、ステップS1120に遷移し、そうでなれれば、ステップS310に遷移する。画像の送信回数と所定回数(n)を比較することにより、連続するn回においては、画像を送信するステップS1120に遷移するように分岐する。
【0273】
ステップS1120において、物体画像送信判定部420は、判定結果を「付与済みの画像IDと画像の両方を送信する」とする。
【0274】
ステップS1128において、物体画像送信判定部420は、ステップS230からステップS250で分類した姿勢の、テンプレート画像のテンプレートIDと同じテンプレートIDを持つエントリーを、送信済み画像確認リストから抽出する。送信済み画像確認リストは、ステップS220にて取得したものである。物体画像送信判定部420は、抽出したエントリーを参照し、一番近いテンプレート画像に対応する画像の画像IDを取得する。
【0275】
ステップS1130において、物体画像送信判定部420は、送信制御部430に、ステップS1128で取得した画像IDと、物体画像の領域情報と判定結果を入力する。
【0276】
ステップS1130の処理が完了すると、リターンに遷移し、画像送信判定処理が終了する。
【0277】
図24は、データ送信処理(図22のステップS1020)の詳細な動作を示すフローチャートである。なお、図24において、図8と同じ処理を行うステップについては同じ符号を用い、説明を省略する。
【0278】
ステップS1210において、送信制御部430は、図22のステップS1010の判定結果に応じて、映像表示装置200に送信するデータを切り替える。判定結果が「新たな画像IDを付与して、画像IDと画像の両方を送信する」である場合、送信制御部430は、ステップS430に遷移する。判定結果が「付与済みの画像IDと画像の両方を送信する」である場合、送信制御部430は、ステップS1220に遷移する。
【0279】
ステップS1220において、送信制御部430は、ステップS420にて生成した圧縮画像データと、付与済みの連続したn回において同じ画像IDとステップS1130にて入力された物体の領域情報を含むメタデータを生成し、送信部103に出力する。同じ画像IDとは、S1130に入力された、画像解析部120で検出した物体の画像と一番近い画像の画像IDである。
【0280】
ステップ1230において、送信制御部430は、送信済み画像確認リストの更新を行う。すなわち、送信制御部430は、ステップS1220で出力した画像IDと圧縮画像データを、送信済み画像確認リスト蓄積部410に通知する。送信済み画像確認リスト蓄積部410は、受け取った画像IDに対応する画像の送信回数をインクリメントする。
【0281】
ステップS1230が完了すると、リターンに遷移し、データ送信処理が終了する。
【0282】
以上により、画像データ制御装置を備えた撮像装置は、送信済みの画像に分類できない画像が検出された場合、連続する所定回数(n回)、物体の切り出し画像と物体の領域情報と、同じ画像IDとを送信することになる。ステップS1120において、連続するn回の間は画像の送信回数はn未満になるので、ステップS1120に遷移し、物体画像送信判定部420は、「付与済みの画像IDと画像の両方を送信する」と判定する。よって、ステップS410ではステップS420に遷移し、さらに、ステップS1120ではステップS1220に遷移する。ステップS1220において、送信制御部430は、同じ画像IDとステップS420において切り出した画像の両方と、物体の領域情報を出力する。
【0283】
また、連続するn回の画像送信を終了した場合は、ステップS1230にて、送信済み画像確認リストの画像の送信回数がn回に達する。よって、次のn+1回目の処理では、ステップS1110においてステップS310に遷移する。物体画像送信判定部420は、「新たな画像IDを付与せず、送信済み画像の中で一番近い画像の画像IDと領域情報を送信し、新たな画像は送信しない」と判定する。これにより、ステップS410ではステップS450に遷移し、送信制御部430は、画像IDと物体の領域情報のみを、送信データとして出力し、圧縮画像データは出力しない。
【0284】
また、連続するn回の間に、画像解析部120で検出していた物体が、撮像部102の撮像範囲からフレームアウトする、他の物体と重なる、などの理由により、検出されなくなる場合がある。その結果、画像解析部120は、対象の物体を検出できなくなり、n回に至る途中で、同じ画像IDが付与された画像データの送信は途切れる。
【0285】
途切れた場合、送信済み画像確認リストが送信回数の値を保持しておき、再び対象の物体が検出された時に、物体画像送信判定部420は、連続するn回の間に同じIDと物体の領域情報と画像データを送信することを再開することができる。
【0286】
また、途切れた場合、送信済み画像確認リストが保持している送信回数の値を、リセットする、または、n(送信完了)としてもよい。
【0287】
以上により、画像データ制御装置を備えた撮像装置は、送信済みの画像に分類できない画像が検出された場合、その後に、連続する所定回数(n回)の送信において、物体の切り出し画像と物体の領域情報と、同じ画像IDとを送信する。対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似している場合、画像データを送信せずに、類似している送信済み画像を識別する情報を複数回送信することで、物体の状態を通知することができる。
【0288】
画像データ制御装置400を備えた撮像装置が、再送制御のないプロトコルを用いて送信した場合、映像表示装置200が圧縮画像データを欠損すると、映像表示装置200は欠損したデータを受信することができない。再送制御のないプロトコルとは、例えば、RTP(Real−time Transport Protocol)である。しかし、画像データ制御装置400を備えた撮像装置は、連続するn回、同じ画像IDの圧縮画像データを送信するため、映像表示装置200は、圧縮画像データを受信するn回の機会を、得ることができる。伝送路であるネットワーク9999で、画像データ制御装置400を備えた撮像装置が送信した圧縮画像データが数回(<n回)欠損した場合でも、映像表示装置200は、欠損した画像と同じ画像IDの画像を受信し、表示することができる。
【0289】
また、画像データ制御装置400を備えた撮像装置は、ステップS420、およびステップS1220で、連続するn回の画像の送信において、毎回、撮像部102から受け取った画像から、対象の画像を切り出して送信する画像を生成する。つまり、画像データ制御装置400を備えた撮像装置は、同じ分類はされているが、異なった画像を映像表示装置200に送信することができる。
【0290】
これにより、映像表示装置200は、表示する物体の様子を異なる画像を連続するn回の異なる表示で異なる複数の画像を表示することができる。映像表示装置200を視聴して監視する監視者は、検出した物体に対してより多くの画像(対象物体の姿勢)を視聴でき、利便性が向上する。
【0291】
なお、画像データ制御装置400を備えた撮像装置は、連続するn回において同じ画像を送信するようにしてもよい。例えば、ステップS1220において、ステップS420にて生成した画像ではなく、送信済み画像確認リスト蓄積部410に記録している画像で、送信する画像IDと同じ画像IDの画像を取得して、送信するようにすれば実現できる。画像データ制御装置400を備えた撮像装置が、複数の映像表示装置に同時に画像を送信する場合、ネットワーク上でデータの欠損が発生しても、複数の映像表示装置間で、必ず同じ画像を表示することを保証することができる。
【0292】
なお、画像データ制御装置400を備えた撮像装置は、ステップS1230において、入力した圧縮画像データを送信済み画像確認リスト蓄積部410に記録するようにしてもよい。この場合、送信済み画像確認リスト蓄積部410は、同じ画像IDのエントリーを追加し、入力された圧縮画像データを前記の画像IDと対応させて記録する。また、送信済み画像確認リスト蓄積部410は、特殊なフラグを設けて、連続した送信したn回において2回目以降に送信した画像はこのフラグをONするようにしてもよい。これにより、送信済み画像確認リスト蓄積部410は、同じ画像IDが複数存在してもデータの整合性が保てるようになる。
【0293】
なお、連続するn回の間に、画像解析部120が検出していた物体が、他の物体と重なったことを検出した場合は、n回に至る途中で、同じ画像IDと画像データを送信することを中断してもよい。画像解析部120は、複数の物体の重なりを検出した場合、重なり合った画像を別の物体として判定し、重なり合った画像の領域情報を物体画像送信判定部420に通知する。物体画像送信判定部420は、各々の画像の領域情報を入力しない。これにより、物体画像送信判定部420は、各々の物体の情報を個々に得ることができないので、重なり合った一つの物体として処理する。
【0294】
また、送信済み画像確認リストは、記録している送信回数の値を保持する。これにより、再び同じ物体が検出された時に、物体画像送信判定部420は、連続するn回の間に同じIDと物体の領域情報と画像データを送信することを再開することができる。また、送信済み画像確認リストが保持している送信回数の値を、リセットする、または、n(送信完了)としてもよい。
【0295】
(実施の形態3)
実施の形態3における画像データ制御装置500は、映像表示装置200などの外部の装置から、画像の再送要求を受け取り、画像を再送することを特徴とする。
【0296】
図25は、本発明の画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成図である。
【0297】
図25の撮像装置101は、撮像部102、送信部103、受信部104、画像データ制御装置500を備えている。図25において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0298】
画像データ制御装置500は、撮像部102が出力した画像データを受け取り、対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似しているか否かを判定し、判定結果に基づいて、映像表示装置200へ送信するデータを決定する。画像データ制御装置500は、送信すると決定したデータを送信部103に通知する。
【0299】
受信部104は、ネットワーク9999に接続しており、ネットワーク9999を介して映像表示装置200からデータを受信する。受信部104は、映像表示装置200から再送要求を受信し、画像データ制御装置500に通知する。
【0300】
受信部104は、送信部103と同様に、イーサネット(登録商標)規格や、TCP/IPやRTPといった一般的な通信プロトコルを利用することによって、映像表示装置200と通信する機能を実現する。受信部104は、これら通信プロトコルに準拠する形式でパケット化されたデータを、受信する。
【0301】
画像データ制御装置500は、入力部110、画像解析部120、画像切り出し部130、エンコード部140、送信済み画像確認リスト蓄積部150、画像ID付与部160、カテゴリー化ルール保持部170、物体画像送信判定部180、再送要求受信部510、送信制御部520を備えている。
【0302】
再送要求受信部510は、受信部104から、再送要求を受信する。再送要求は、再送する画像の画像IDを含んでいる。再送要求受信部510は、受信した再送要求に含まれている画像IDを送信制御部520に通知し、画像の再送を行うように指示する。
【0303】
送信制御部520は、物体画像送信判定部180の判定結果に応じて、映像表示装置200に送信するデータを、送信部103に出力する。画像データを送信する場合、送信制御部190は、送信する画像の画像IDと、画像データと、物体の領域情報を含むメタデータを生成し、出力する。画像データを送信しない場合は、送信制御部190は、一番近いと分類された、送信済みの画像の画像IDと、物体の領域情報を含むメタデータを生成し、出力する。また、送信制御部520は、再送要求受信部510からの指示を受け取り、再送制御処理を行う。
【0304】
実施の形態3における画像データ制御装置500の、撮像部102から画像データを受け取った際の動作は、実施の形態1で説明した図5の処理と同様である。
【0305】
図26は、実施の形態3における画像データ制御装置500が、外部装置(例えば、映像表示装置200)からの再送要求を受信した際の、動作の一例を示すフローチャートである。撮像装置101の受信部104は、外部の装置(例えば、映像表示装置200)から再送要求を受信し、画像データ制御装置500に通知する。画像データ制御装置500の再送要求受信部510は、再送要求を受け取り、処理を開始する。
【0306】
ステップS1310において、再送要求受信部510は、受信した再送要求含まれている画像IDを確認し、画像IDを送信制御部520に通知し、画像の再送を行うように指示する。送信制御部520は、再送要求受信部510からの指示を受け取り、送信済み画像確認リスト蓄積部150から送信済み画像確認リストを取得する。
【0307】
ステップS1320において、送信制御部520は、再送要求受信部510から通知された画像IDと同じ画像IDを持つ画像IDを、送信済み画像確認リスト内から検索し、同じ画像IDを持つ画像の圧縮画像データを取得する。
【0308】
最後に、ステップS1330において、送信制御部520は、ステップS1320で取得した圧縮画像データと画像IDを含むメタデータを生成し、送信部103に出力する。これにより、送信部103は、再送が要求された画像の圧縮画像データを、再送要求を通知した装置に送信することができる。
【0309】
なお、再送要求が送信先アドレスを含んでおり、再送要求受信部510が、この送信先アドレスを、送信制御部520に通知することで、送信制御部520は、再送先のアドレスを用いて、正しい再送先に送信を行うことができる。
【0310】
以上により、画像データ制御装置を備えた撮像装置においては、再送要求受信部510が再送要求を受け取り、送信制御部520に再送を指示し、送信制御部520が、以前に送信した画像と同じ画像を、映像表示装置200に再送する。映像表示装置200は、受信した画像IDの画像を画像蓄積部220に保持していない場合に、撮像装置に画像の再送を要求する。これにより、映像表示装置200は、再送された画像データを、受信することが可能となる。映像表示装置200は、受信した画像IDの画像を保持していない場合でも、再送された画像データを用いて、監視対象の物体がどのような状態でどこに位置するかを表示することができる。
【0311】
図27は、物体表示処理(図11のS820)の詳細な動作を示すフローチャートである。なお、図27において、図12と同じ処理を行うステップについては同じ符号を用い説明を省略する。
【0312】
映像表示装置200は、図10で説明した背景画像に、新たに受信した物体画像を合成して、表示する。実施の形態3における映像表示装置200は、再送処理を行う以外は、実施の形態1で説明した処理と同様である。
【0313】
まず、映像表示装置200の受信部210は、撮像装置101から受信したデータを判定する。圧縮画像データが含まれておらず(ステップS900がNo)、同じ画像IDの画像が画像蓄積部220に蓄積されていない場合(ステップS930がNo)、ステップS1370に遷移する。
【0314】
ステップS1370において、受信部210は、撮像装置101に画像の再送要求を要求し、物体描画処理を終了する。
【0315】
再送要求を受信した撮像装置101は、図26を用いて説明した通り、再送を要求した画像IDと圧縮画像データを再送する。
【0316】
映像表示装置200は、撮像装置101が再送した画像IDと圧縮画像データを受け取り、図11の部分画像受信処理を行うことにより、画像を表示することができる。
【0317】
以上により、画像データ制御装置を備えた撮像装置は、再送要求を受信し、受信した再送要求に基づいて、以前に送信した画像と同じ画像を、映像表示装置200に再送する。これにより、映像表示装置200は、ネットワーク伝送で画像データが欠損した場合に、再送された画像データを、受信することが可能となる。また、映像表示装置200が、内部メモリー容量の制約などにより、受信した画像すべてを保持できず、画像蓄積部220は蓄積した画像の総要領がメモリーの上限値に達した場合に蓄積した画像の一部を削除する場合にも有効である。映像表示装置200が、再送を要求し、再送された画像データを、受信することが可能となる。つまり、映像表示装置200は、受信した画像IDの画像を保持していない場合でも、再送された画像データを用いて、監視対象の物体がどのような状態でどこに位置するかを表示することができる。
【0318】
(実施の形態4)
実施の形態4における画像データ制御装置600は、映像表示装置200などの外部の装置から、画像を蓄積した送信済み画像確認リストに対するリフレッシュ要求を受け取ることを特徴とする。
【0319】
図28は、本発明の画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成図である。
【0320】
図28の撮像装置101は、撮像部102、送信部103、受信部104、画像データ制御装置600を備えている。図28において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0321】
画像データ制御装置600は、撮像部102が出力した画像データを受け取り、対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似しているか否かを判定し、判定結果に基づいて、映像表示装置200へ送信するデータを決定する。画像データ制御装置600は、送信すると決定したデータを送信部103に通知する。
【0322】
受信部104は、ネットワーク9999に接続しており、ネットワーク9999を介して映像表示装置200からデータを受信する。受信部104は、映像表示装置200からリフレッシュ要求を受信し、画像データ制御装置600に通知する。
【0323】
受信部104は、送信部103と同様に、イーサネット(登録商標)規格や、TCP/IPやRTPといった一般的な通信プロトコルを利用することによって、映像表示装置200と通信する機能を実現する。受信部104は、これら通信プロトコルに準拠する形式でパケット化されたデータを、受信する。
【0324】
画像データ制御装置600は、入力部110、画像解析部120、画像切り出し部130、エンコード部140、送信済み画像確認リスト蓄積部610、画像ID付与部160、カテゴリー化ルール保持部170、物体画像送信判定部180、リフレッシュ要求受信部620、送信制御部630を備えている。
【0325】
リフレッシュ要求受信部620は、受信部104から、リフレッシュ要求を受信する。リフレッシュ要求は、リフレッシュ対象の画像の画像IDを含んでいる。リフレッシュ要求受信部620は、受信したリフレッシュ要求に含まれている画像IDを送信済み画像確認リスト蓄積部610に通知し、指定した画像IDの画像を削除するように指示する。
【0326】
リフレッシュ要求受信部620は、リフレッシュ要求した映像表示装置200にリフレッシュ完了を通知するよう、送信制御部630に指示を出す。
【0327】
送信済み画像確認リスト蓄積部610は、送信した画像データと画像IDを、リスト形式で蓄積する。送信済み画像確認リスト蓄積部610は、送信した画像データと画像IDを組にした送信済み画像確認リストを保持、管理する。送信済み画像確認リスト蓄積部610は、送信制御部630から送信済みの圧縮画像データと画像IDの情報を受け取り、送信済み画像確認リストを更新する。
【0328】
送信済み画像確認リスト蓄積部610は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリー、HDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性の記録媒体に情報を蓄積するようにしてもよい。また、送信済み画像確認リスト蓄積部150は、DRAMのような揮発性の半導体メモリーによって構成するようにしてもよい。
【0329】
送信済み画像確認リスト蓄積部610は、リフレッシュ要求受信部620から、画像IDを指定した削除指示を受け取り、指定された画像IDのエントリーを送信済み画像確認リストから削除する。
【0330】
送信制御部630は、物体画像送信判定部180の判定結果に応じて、映像表示装置200に送信するデータを、送信部103に出力する。画像データを送信する場合、送信制御部630は、送信する画像の画像IDと、画像データと、物体の領域情報を含むメタデータを生成し、出力する。画像データを送信しない場合は、送信制御部630は、一番近いと分類された、送信済みの画像の画像IDと、物体の領域情報を含むメタデータを生成し、出力する。
【0331】
送信制御部630は、リフレッシュ要求受信部620から指示を受け、送信部103を介して、リフレッシュ要求をした映像表示装置200に、リフレッシュ完了通知を送信する。
【0332】
画像データ制御装置を備えた撮像装置が、リフレッシュ要求によって、指定された画像IDを削除した後に、リフレッシュした画像IDに分類できる画像が、撮像部102で撮像された場合について説明する。
【0333】
実施の形態4において、画像データ制御装置600の、撮像部102から画像データを受け取った際の動作は、実施の形態1で図5を用いて説明した処理と同様である。
【0334】
リフレッシュ処理によって、図6のステップS225で検出した物体の画像に対応する画像IDのエントリーは、送信済み画像確認リストから削除されているとする。つまり、送信済み画像確認リストは、ステップS250で取得した一番近いテンプレート画像に対応する画像が蓄積していない。よって、ステップS260において、物体画像送信判定部180は、送信済みでないと判定し、ステップS270に遷移する。そして、ステップS270以降の処理によって、ステップS225にて取得された画像は、新しい画像IDを付与され、新しい画像として以降処理が継続される。
【0335】
以上により、画像データ制御装置600を備えた撮像装置は、リフレッシュを実施した以降に、リフレッシュした画像IDに相当する画像を撮像した場合、新たな画像IDを付与し新しい画像として取り扱う。画像データ制御装置600を備えた撮像装置は、削除したIDを使用するのではなく、新しく付与した画像IDを用いて、圧縮画像データを映像表示装置200に送信する。
【0336】
撮像装置101が保持する送信済み画像確認リストと映像表示装置200が保持する画像蓄積データの間に不整合が起こった場合に、有効である。不整合となっている画像IDをリフレッシュし、不整合となっていた画像IDを破棄し、新しい画像IDにて、以降の処理を行うことが可能となる。不整合が発生する要因としては、例えば、ネットワーク上でデータが欠損した場合、映像表示装置200の予期せぬHW不具合などがある。
【0337】
なお、画像データ制御装置600は、指定された画像IDに対してリフレッシュ処理を行う。また、画像データ制御装置600は、付与済みの全画像IDについてリフレッシュしてもよい。リフレッシュ要求受信部620は、受信したリフレッシュ要求に含まれている画像IDが、全画像IDを削除するために規定された値の場合、送信済み画像確認リスト蓄積部610に、全画像IDの画像を削除するように指示する。送信済み画像確認リスト蓄積部610は、リフレッシュ要求受信部620から、全削除指示を受け取り、全ての画像IDのエントリーを送信済み画像確認リストから削除する。
【0338】
なお、画像データ制御装置600を備えた撮像装置101が、複数の映像表示装置に、同時に画像を送信している場合、送信制御部630は、複数の映像表示装置すべてにリフレッシュ完了を送信してもよい。これにより、複数の映像表示装置の間で、リフレッシュした状態を同期することができる。
【0339】
(実施の形態5)
実施の形態5における画像データ制御装置300は、カテゴリー化ルール保持部が保持するカテゴリー化ルールを変更可能とすることを特徴とする。
【0340】
図29は、本発明の画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成図である。
【0341】
図29の撮像装置101は、撮像部102、送信部103、受信部104、画像データ制御装置300を備えている。図29において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0342】
画像データ制御装置300は、撮像部102が出力した画像データを受け取り、対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似しているか否かを判定し、判定結果に基づいて、映像表示装置200へ送信するデータを決定する。画像データ制御装置300は、送信すると決定したデータを送信部103に通知する。
【0343】
受信部104は、ネットワーク9999に接続しており、ネットワーク9999を介して映像表示装置200からデータを受信する。受信部104は、映像表示装置200からカテゴリー化ルールの変更要求を受信し、画像データ制御装置300に通知する。
【0344】
受信部104は、送信部103と同様に、イーサネット(登録商標)規格や、TCP/IPやRTPといった一般的な通信プロトコルを利用することによって、映像表示装置200と通信する機能を実現する。受信部104は、これら通信プロトコルに準拠する形式でパケット化されたデータを、受信する。
【0345】
画像データ制御装置300は、入力部110、画像解析部120、画像切り出し部130、エンコード部140、送信済み画像確認リスト蓄積部150、画像ID付与部160、カテゴリー化ルール保持部320、物体画像送信判定部180、送信制御部190、ルール変更要求受信部310を備えている。
【0346】
ルール変更要求受信部310は、受信部104から、カテゴリー化ルールの変更要求を受信する。ルール変更要求受信部310は、受信した変更要求を、カテゴリー化ルール保持部320に通知する。
【0347】
カテゴリー化ルール保持部320は、入力部110から入力した画像データ内の、物体の画像に対し、類似性を判断する際に使用するルール(カテゴリー化ルール)を保持する。カテゴリー化ルールとは、蓄積済みの画像の中で、一番近い画像に分類するためのルールである。
【0348】
カテゴリー化ルールには、「物体を人間の姿勢認識によって分類し、姿勢が近い画像に同じ画像に分類とする」ことを意味する情報が記載されている。記載方法は、テキスト形式の文字列で表現してもよい。また、記載方法は、予め定義された変数値によって表現してもよい。
【0349】
カテゴリー化ルール保持部320は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリー、HDD(Hard Disc Drive)などの不揮発性の記録媒体に、カテゴリー化ルールを保持している。
【0350】
カテゴリー化ルール保持部320は、ルール変更要求受信部310から通知された変更要求に基づいて、カテゴリー化ルールを更新する。
【0351】
実施の形態5において、画像データ制御装置300の、撮像部102から画像データを受け取った際の動作は、実施の形態1で図5を用いて説明した処理と同様である。
【0352】
画像データ制御装置300は、カテゴリー化ルールの変更要求を受信することにより、カテゴリー化ルール保持部320が保持しているルールを更新する。画像送信判定処理において、図6のステップS210で、物体画像送信判定部180は、更新後のカテゴリー化ルールを取得する。よって、画像送信判定処理のステップS230からステップS250で行う、画像解析部120で検出した物体の画像を分類する仕方が変化し、送信する圧縮画像データを変化させることができる。
【0353】
画像データ制御装置300を備えた撮像装置は、カテゴリー化ルールの変更要求を受信し、カテゴリー化ルール保持部320が保持するカテゴリー化ルールを変更する。これにより、画像データ制御装置300を備えた撮像装置は、状況に応じて映像表示装置200が要求したカテゴリー化ルールに変更することでき、映像表示装置200を監視する監視者の利便性を向上することができる。
【0354】
(実施の形態6)
実施の形態6における画像データ制御装置330は、複数の映像表示装置に同時に圧縮画像データを送信する場合において、送信先の映像表示装置を動的に変更可能とすることを特徴とする。
【0355】
図30は、本発明の画像データ制御装置を備えた撮像装置の構成図である。
【0356】
図30の撮像装置360は、撮像部102、送信部103、受信部104、画像データ制御装置330を備えている。図30において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0357】
図30の撮像装置360は、ネットワークを介して撮像した画像を送信する監視用デジタルビデオカメラとして構成されている。撮像装置360は、ネットワーク9999と接続しており、ネットワーク9999を介して、複数の映像表示装置(200a、200b、200n)に画像などのデータを送信する。撮像装置360は監視カメラであり、映像表示装置(200a、200b、200n)は監視モニタとして、監視システムを構成する。
【0358】
新たに画像の要求を所望する映像表示装置(200a、200b、200nのいずれか)は、撮像装置360に、画像送信要求を送信する。また、画像送信の停止を所望する映像表示装置(200a、200b、200nのいずれか)は、撮像装置360に画像送信停止要求を送信する。
【0359】
画像データ制御装置330は、撮像部102が出力した画像データを受け取り、対象の物体の画像が既に送信済みの画像と状態が類似しているか否かを判定し、判定結果に基づいて、映像表示装置へ送信するデータを決定する。画像データ制御装置330は、送信すると決定したデータを送信部103に通知する。
【0360】
受信部104は、ネットワーク9999に接続しており、ネットワーク9999を介して映像表示装置からデータを受信する。受信部104は、映像表示装置から画像送信要求を受信し、画像データ制御装置330に通知する。
【0361】
受信部104は、送信部103と同様に、イーサネット(登録商標)規格や、TCP/IPやRTPといった一般的な通信プロトコルを利用することによって、映像表示装置200と通信する機能を実現する。受信部104は、これら通信プロトコルに準拠する形式でパケット化されたデータを、受信する。
【0362】
画像データ制御装置330は、入力部110、画像解析部120、画像切り出し部130、エンコード部140、送信済み画像確認リスト蓄積部150、画像ID付与部160、カテゴリー化ルール保持部170、物体画像送信判定部180、送信制御部350、画像送信要求受信部340を備えている。
【0363】
画像送信要求受信部340は、受信部104から、画像の送信を新たに要求する画像送信要求を受信する。画像送信要求は、送信を要求する映像表示装置のアドレスを含んでいる。画像送信要求受信部340は、画像送信要求を受信すると、送信制御部350に、画像送信要求に含まれるアドレスを、送信先アドレスに追加するよう指示する。
【0364】
画像送信要求受信部340は、画像送信を停止する要求である画像送信停止要求を受信する。画像送信要求は、送信の停止を要求する映像表示装置のアドレスを含んでいる。画像送信要求受信部340は、画像送信停止要求を受信すると、送信制御部350に、画像送信停止要求に含まれるアドレスを、送信先アドレスから削除するよう指示する。
【0365】
送信制御部350は、物体画像送信判定部180の判定結果に応じて、複数の映像表示装置に送信するデータを、送信部103に出力する。画像データを送信する場合、送信制御部350は、送信する画像の画像IDと、画像データと、物体の領域情報を含むメタデータを生成し、出力する。画像データを送信しない場合は、送信制御部350は、一番近いと分類された、送信済みの画像の画像IDと、物体の領域情報を含むメタデータを生成し、出力する。
【0366】
送信制御部350は、送信先の映像表示装置のアドレスを、送信先アドレスとして記憶した送信先リストを保持している。送信制御部350は、図8のステップS430、S450などにてデータを送信する際は、送信先リストに記憶されている全アドレスにデータを送信する。
【0367】
送信制御部350は、画像送信要求受信部340から、送信先アドレスの追加指示を受けると、送信先リストに新たな送信先のアドレスを追加する。
【0368】
送信制御部350は、画像送信要求受信部340から、送信先アドレスの削除指示を受けると、送信先リストから指示されたアドレスを削除する。
【0369】
これにより、送信制御部350は、画像送信中においても、送信先の映像表示装置を動的に増減することができる。
【0370】
図31は、実施の形態6における画像データ制御装置330の、撮像部102から画像データを受け取った際の動作を示すフローチャートである。なお、図31において、図5と同じ処理を行うステップについては同じ符号を用い、説明を省略する。
【0371】
ステップS1410において、送信制御部350は、送信先リストを参照し、送信先アドレスが格納されているか否かを確認する。確認の結果、送信先アドレスが格納されていれば、ステップS400に遷移する。送信先リストに送信先アドレスが格納されていない場合は、処理を終了する。
【0372】
画像データ制御装置330を備えた撮像装置は、画像送信要求や画像送信停止要求を受信し、受信した要求に応じて送信制御部350に送信先アドレスの追加、削除を指示し、データの送信先を動的に変更する。これにより、画像データ制御装置330を備えた撮像装置は、状況に応じて、送信先の映像表示装置(200a、200b、200n)を変更し、データの受信を望まない映像表示装置へのデータ送信を行わない。これにより、ネットワークのトラフィックを低減することができる。
【0373】
なお、画像データ制御装置330を備えた撮像装置は、初期状態では送信制御部350が保持する送信先リストを空にしておき、送信要求があった相手にのみ画像を送信する。
【0374】
なお、実施の形態1から実施の形態6のカテゴリー化ルール保持部は、物体画像送信判定部の外に配置していたが、例えば、カテゴリー化ルール保持部の内部に配置してもよい。
【0375】
なお、実施の形態1から実施の形態6の画像データ制御装置を備えた撮像装置は、ネットワークを介して、映像蓄積サーバ、状況解析サーバ(独自に画像を解析、例えば、高精度の顔認証用サーバ)などに接続し、必要な処理を外部の装置で分散処理してもよい。
【0376】
なお、実施の形態1から実施の形態6における各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。上記RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0377】
また、実施の形態1から実施の形態6において、画像データ制御装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。上記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。上記マイクロプロセッサが、上記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0378】
また、上記の各装置を構成する構成要素の各部は、個別に1チップ化されていてもよいし、一部またはすべてを含むように1チップ化されていてもよい。
【0379】
また、ここでは、システムLSIと呼称したが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0380】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて構成要素の集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【0381】
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0382】
また、本発明は、上記実施の形態1から実施の形態6をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。また、今回開示された実施の形態および変形例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0383】
本発明にかかる画像データ制御装置は、対象とする物体がすでに送信済みの画像と近い画像である場合は、画像データを送信せずに、類似している送信済み画像を識別する情報を送信する機能を有し、ネットワークを介して画像を送信する監視カメラ、Webカメラ、デジタルビデオカメラ等として有用である。また、テレビ会議システム、テレビ電話機能を有する携帯電話などの用途にも応用することができる。
【符号の説明】
【0384】
101,360 撮像装置
100,300,330,400,500,600 画像データ制御装置
102 撮像部
103 送信部
104 受信部
110 入力部
120 画像解析部
130 画像切り出し部
140 エンコード部
150,410,610 送信済み画像確認リスト蓄積部
160 画像ID付与部
170,320 カテゴリー化ルール保持部
180,420 物体画像送信判定部
190,350,430,520,630 送信制御部
200,200a,200b,200n 映像表示装置
210 受信部
220 画像蓄積部
230 デコード部
240 リサイズ部
250 合成部
260 表示部
510 再送要求受信部
620 リフレッシュ要求受信部
310 ルール変更要求受信部
340 画像送信要求受信部
9999 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力した画像データから物体の検出を行い、前記検出した物体の画像を解析し、前記検出した物体の領域情報を出力する画像解析手段と、
前記入力した画像データから、前記画像解析手段が出力した前記領域情報が示す領域の画像を切り出して出力する画像切り出し手段と、
前記画像切り出し手段が出力した切り出し画像データを、エンコードして圧縮画像データを生成するエンコード手段と、
画像データを識別する画像IDを付与し、画像データと画像IDと画像を対応付ける画像ID付与手段と、
送信した画像データと、前記送信した画像データに付与された画像IDとを送信済み画像確認リストとして蓄積し、送信履歴を管理する送信済み画像確認リスト蓄積手段と、
前記画像解析手段が検出した物体の画像に対し、前記画像確認リスト蓄積手段に蓄積されている画像の中で、一番近い画像に分類するためのルールであるカテゴリー化ルールを保持するカテゴリー化ルール保持手段と、
前記カテゴリー化ルール保持手段が保持している前記カテゴリー化ルールを用いて、前記画像解析手段が検出した物体の画像に対する分類を行い、一番近いと分類された送信済みの画像が、前記送信済み画像確認リストに蓄積されている場合に、前記画像解析手段が検出した物体の画像データを送信しないと判定する物体画像送信判定手段と、
前記物体画像送信判定手段が、前記画像解析手段が検出した物体の画像データを送信しないと判定した場合、送信済み画像確認リストに蓄積されている一番近いと分類された送信済みの画像の画像IDと、前記画像解析手段が検出した物体の領域情報を出力する送信制御手段とを備えることを特徴とする画像データ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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