説明

画像ファイル生成装置、画像ファイル再生装置、画像ファイル生成方法、画像ファイル再生方法

【課題】従来、撮影装置から表示装置へ、視差調整されたか画像かどうかを伝送する手段がなかった。
【解決手段】本発明の画像ファイル生成装置は、同一のシーンにおける複数の視点に対応する複数の画像を取得する第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102と、前記複数の画像に基づき、当該複数の画像を立体映像として視聴した際の飛出しまたは引っ込みに関連する視差情報を取得する視差情報ファイル読み込み部201と、前記視差情報ファイル読み込み部201が取得した視差情報が、予め設定した飛出しまたは引っ込みに関連する視差条件を満たすか否かを判定する視差条件判定部104と、前記第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102が取得した複数の画像ならびにヘッダ部を対応づけた画像ファイルを生成するファイル生成部107と、を備え、前記ヘッダ部は、前記視差条件判定部104の判定結果に関する情報を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像を構成する2枚の画像と、当該2枚の画像を撮影した際の視差条件の判定結果を対応付けた画像ファイルを生成するための画像ファイル生成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数の視点に対応した複数の画像から構成される立体画像を視差調整した後に記録する立体画像記録装置を開示する。
【0003】
この立体画像記録装置は、立体画像を記録する際、当該立体画像の視差調整に関する情報である調整情報も記録する。この調整情報は、ディスプレイに依存しない物理的な長さを示す単位に変換した後、記録される。
【0004】
これにより、この立体画像記録装置に記録された立体画像は、ディスプレイに依存することなく、最初に視差調整を行ったユーザの意図に合った視差量調整を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−73012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に示す立体画像記録装置は、立体画像を構成する複数の画像と当該立体画像の視差調整に関する調整情報を記録することができる。
【0007】
しかし、立体画像を構成する複数の画像に対して、視差調整が必要かどうか判断することはできなかった。実際、立体画像を構成する複数の画像に対して、視差が所定の条件の範囲内に収まっている場合は、視差調整が不必要な場合も多い。
【0008】
そこで、本発明は立体画像を構成する複数の画像とヘッダ部とを対応づけた画像ファイルを生成または再生する際の処理を改良することにより、使用者にとって使い勝手のよい画像ファイル生成装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の画像ファイル生成装置は、立体視用の画像を取得する画像取得部と、前記取得した立体視用の画像に基づき、画像の飛出しまたは引っ込みに関連する視差情報を取得する視差情報取得部と、前記視差情報取得部が取得した視差情報が、予め設定した飛出しまたは引っ込みに関連する視差条件を満たすか否かを判定する判定部と、ヘッダ部と、前記画像取得部が取得した立体視用の画像を格納する画像格納部とを有する画像ファイルを生成する生成部と、を備え、前記生成部は、前記ヘッダ部に、前記判定部の判定結果に関する情報を格納する。
【0010】
このようにすれば、画像ファイルを再生装置において再生する際、ヘッダ部を解析するだけで、当該画像を撮影した際の視差が予め設定する視差条件を満たすか否かを確認することができる。これにより、画像ファイルを再生する再生装置において、複数の画像ファイルの視差調整を行うか否かを簡単に判断することが可能となり、画像ファイルの再生動作を簡略化することができる。
【0011】
また好ましくは、前記生成部は、前記ヘッダ部に、他の視差に関する情報を格納するとともに、前記判定部の判定結果に関する情報を前記他の視差に関する情報よりも時間的に前に読み出される位置に格納する。
【0012】
このようにすれば、画像ファイル再生装置において再生する際、前記ヘッダ部の判定結果を先に参照することにより、前記判定結果で視差調整不要の場合は、他の視差に関する情報を参照する必要がなく、画像ファイルの再生動作を簡略化することができる。
【0013】
また好ましくは、前記生成部は、前記ヘッダ部に、さらに、前記判定部が判定に用いた視差条件のうち、飛出しまたは引っ込みに関連する条件の少なくとも一方の情報または両方の情報を格納する。
【0014】
このようにすれば、画像ファイルを再生する再生装置において、画像ファイル生成装置においてどのような視差条件にしたがって判定したのか簡単に確認でき、画像ファイルの再生動作を効率化することができる。
【0015】
また好ましくは、立体視用の画像を取得する画像取得部と、前記取得した立体視用の画像に基づき、画像の飛出しまたは引っ込みに関連する視差情報を取得する視差情報取得部と、前記視差情報取得部が取得した視差情報に基づいて、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨されるディスプレイサイズに関するディスプレイ情報を設定するディスプレイ情報設定部と、ヘッダ部と、前記画像取得部が取得した立体視用の画像を格納する画像格納部とを有する画像ファイルを生成する生成部と、を備え、前記生成部は、前記ヘッダ部に、前記ディスプレイ情報設定部で設定されたディスプレイ情報を格納する。
【0016】
このようにすれば、画像ファイルを再生装置において再生する際、ヘッダ部を解析するだけで、当該画像を撮影した際の視差条件の判定に用いた推奨ディスプレイサイズに関する情報を確認できる。これにより、画像ファイルを再生する再生装置において、当該推奨ディスプレイサイズに関する情報に応じて、複数の画像を視差調整するか否かを簡単に判断することが出来る。
【0017】
また好ましくは、立体視用の画像を取得する画像取得部と、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨される、前記立体視用の画像を表示する表示装置から視聴者までの距離である推奨視聴距離を示す推奨視聴距離情報を設定する距離情報設定部と、ヘッダ部と、前記画像取得部が取得した立体視用の画像を格納する画像格納部とを有する画像ファイルを生成する生成部と、を備え、前記生成部は、前記ヘッダ部に、前記距離情報設定部で設定された推奨視聴距離情報を格納する。
【0018】
このようにすれば、画像ファイルを再生装置において再生する際、ヘッダ部を解析するだけで、表示装置から視聴者までの推奨視聴距離を確認できる。これにより、画像ファイルを再生する再生装置において、特別な処理を設けることなく推奨視聴距離情報を利用することができ当該推奨視聴距離に関する情報に応じて、複数の画像を視差調整するか否かを簡単に判断することが出来る。
【0019】
また好ましくは、前記取得した立体視用の画像に基づき、画像の飛出しまたは引っ込みに関連する視差情報を取得する視差情報取得部と、前記視差情報取得部が取得した視差情報に基づいて、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨されるディスプレイサイズに関するディスプレイ情報を設定するディスプレイ情報設定部と、をさらに備え、前記距離情報設定部は、前記ディスプレイ情報設定部で設定されたディスプレイ情報に基づいて推奨視聴距離情報を設定する。
【0020】
このようにすれば、画像ファイル生成装置は、ディスプレイ情報に基づいた推奨視聴距離に関する情報を設定することが可能となる。これにより、画像ファイルを再生装置においてもより安全に画像ファイルの再生動作を簡単に実行できる。
【0021】
また本発明の画像ファイル再生装置は、立体視用の画像を格納する画像格納部と、当該立体視用の画像の視差情報が所定の視差条件を満たしているか否かを示す判定結果に関する情報を含むヘッダ部が対応づけられた画像ファイルを取得する取得部と、前記取得した画像ファイルの前記ヘッダ部に含まれる視差条件判定結果情報を取得する解析部と、前記解析部が取得した視差条件判定結果情報に応じて、前記画像ファイルに含まれる前記立体視用の画像に対する映像処理方式を切り替える再生部と、を備える。
【0022】
このようにすれば、画像ファイル再生装置は、取得した複数の画像の画素データに基づいて、視差調整可能か否かを判定しなくとも、ヘッダ部を解析するだけで視差調整をすべきかどうかを判断することができる。
【0023】
また好ましくは、立体視用の画像を格納する画像格納部と、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨されるディスプレイサイズに関するディスプレイ情報を含むヘッダ部が対応づけられた画像ファイルを取得する取得部と、前記取得した画像ファイルの前記ヘッダ部に含まれるディスプレイ情報を取得する解析部と、前記立体視用の画像を表示する表示装置のディスプレイに関する情報である表示ディスプレイ情報を取得する表示ディスプレイ情報取得部と、前記解析部が取得したディスプレイ情報と、前記表示ディスプレイ情報取得部が取得した表示ディスプレイ情報との比較結果に応じて、前記立体視用の画像に対して視差調整を行なうか否かを切り替える再生部と、を備える。
【0024】
このようにすれば、実際の表示デバイスの情報に合わせて、確実に視差調整を実施することが可能となる。
【0025】
また好ましくは、前記再生部は、前記解析部が取得したディスプレイ情報および前記表示ディスプレイ情報取得部が取得した表示ディスプレイ情報からそれぞれ前記立体視用の画像を視聴する際の視聴距離を算出し、算出した2つの視聴距離の比較結果に応じて、前記立体視用の画像に対して視差調整を行なうか否かを切り替える。
【0026】
このようにすれば、実際の表示デバイスの情報に合わせて、確実に視差調整を実施することが可能となる。
【0027】
また好ましくは、立体視用の画像を格納する画像格納部と、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨される、前記立体視用の画像を表示する表示装置から視聴者までの視聴距離を示す推奨視聴距離を示す推奨視聴距離情報を含むヘッダ部が対応づけられた画像ファイルを取得する取得部と、前記取得した画像ファイルの前記ヘッダ部に含まれる推奨視聴距離情報を取得する解析部と、前記立体視用の画像を表示する表示装置のディスプレイに関する情報である表示ディスプレイ情報を取得する表示ディスプレイ情報取得部と、前記表示ディスプレイ情報取得部が取得した表示ディスプレイ情報から前記立体視用の画像を視聴する際の前記表示装置から視聴者までの視聴距離を示す情報を算出し、算出した情報および前記解析部が取得した推奨視聴距離情報の比較結果に応じて、前記立体視用の画像に対して視差調整を行なうか否かを切り替える再生部と、を備える。
【0028】
このようにすれば、実際の表示デバイスの情報に合わせて、確実に視差調整を実施することが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の画像ファイル生成装置によれば、画像ファイルを再生装置において再生する際、ヘッダ部を解析するだけで、当該画像を撮影した際の視差が予め設定する視差条件を満たすか否か確認可能な画像ファイルを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施形態の画像ファイル生成装置の構成図
【図2】飛び出しおよび引っ込みの視差情報に関する説明図
【図3】視差条件に関する説明図
【図4】本実施形態で生成される画像ファイルのデータ構造の説明図
【図5】本実施形態の画像ファイル再生装置の構成図
【発明を実施するための形態】
【0031】
(実施形態)
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施例では、2視点の場合について説明する。
【0032】
図1は、本実施形態の画像ファイル生成装置1の構成図である。画像ファイル生成装置としては、デジタルカメラ、デジタルムービーなどが想定される。要するに、立体映像を構成する第1視点画像および第2視点画像が生成可能な装置であれば、どのようなものを利用しても構わない。
【0033】
図1に示すように、画像ファイル生成装置は、第1視点画像取得部101、第2視点画像取得部102、視差解析部103、視差条件判定部104、映像処理部105、撮影制御部106、ファイル生成部107、ファイル記録部108およびメモリカード109から構成される。
【0034】
第1視点画像取得部101は、撮影制御部106からの制御に基づいて、ズーム(焦点距離の変更)、フォーカス、絞り、手振れ補正などの撮影パラメータを設定する。そして、設定した撮影パラメータに基づいて、第1視点における第1視点画像を生成する。生成した第1視点画像は、視差解析部103および映像処理部105に出力する。
【0035】
第2視点画像取得部102は、撮影制御部106からの制御に基づいて、ズーム(焦点距離の変更)、フォーカス、絞り、手振れ補正などの撮影パラメータを設定する。この場合、第1視点画像取得部101と同様の撮影パラメータを設定するのが好ましい。そして、設定した撮影パラメータに基づいて、第2視点における第2視点画像を生成する。生成した第2視点画像は、視差解析部103および映像処理部105に出力する。
【0036】
なお、第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102は、撮影制御部106からの制御信号に基づいて、第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102間の視点間距離を変更することができる。また、第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102は、撮影制御部106からの制御信号に基づいて、第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102の光軸が成す輻輳角を変更することができる。
【0037】
視差解析部103は、2つの視点画像から視差情報を取得し、視差条件判定部104に出力する。
【0038】
図2に飛び出しおよび引っ込みの視差情報に関する説明図を示す。例えば、表示画面よりも視聴者側に飛び出している物体または引っ込んでいる物体は、図中(a)または(b)に示すように、第1視点画像と第2視点画像とでは水平方向にずれた位置に映し出される。この“ずれ”に関する量を示す情報を視差情報とする。この視差情報は、例えばピクセル値や、このピクセル値を表示画面の横幅除算した値で表現される。なお、視差情報は上記の値に限定されるものではなく、ずれを特定可能な値であればどのような指標を用いても構わない。
【0039】
視差条件判定部104は、予め理想的な視差条件が設定されており、視差解析部103から入力された視差情報がこの視差条件を満たすか否かを判定する機能を有する。視差条件判定部104は、判定結果をファイル生成部107に出力する。ここで、判定結果は、例えば、1ビットの値を想定し、視差条件に収まる場合は1、視差条件に収まらない場合は0というような設定が考えられる。ただし、判定結果は1ビットの値に限定されるものではなく、視差条件の判定結果を識別できれば、どのような値を用いても構わない。
【0040】
また、視差条件判定部104は、上記判定の結果、視差情報が視差条件を満たさない場合、視差条件に収まるような撮影パラメータを算出する。そして、視差条件判定部104は算出した撮影パラメータを撮影制御部106に出力する。この撮影パラメータは、第1視点画像および第2視点画像を立体映像として視聴した際、当該立体映像の飛出しまたは引っ込みに起因するパラメータであり、輻輳角、ステレオベース、画角、ズーム等の情報が該当する。なお、視差条件判定部104は映像処理部105に対して算出した撮影パラメータを出力する構成にしても構わない。
【0041】
ここで、予め設定される撮影条件について図面を参照しながら説明する。
【0042】
図3は、視差条件を説明するための図である。図3(a)に示すように、第1視点画像および第2視点画像の画像情報に基づいて、視差条件判定部104は、視差が略0となる表示画面における視差角α、飛び出している被写体の最大限界の視差角α1および、最も引っ込んでいる被写体の最大限限界の視差角α2を設定する。設定した角度に基づいて、視差条件判定部104はαとα1の差、およびαとα2の差が所定の範囲内(例えば±1°)に収まると見やすいという従来の事実に基づいて、α1−α<1°、α−α2<1°という視差条件を設定する。視差条件については、立体視しやすい条件、立体感が得られやすい条件など、安全、高品位に立体視可能な条件であればよい。
【0043】
また、視差条件判定部104は、図3(b)に示すように、最も飛び出している被写体の視差角β1および、最も引っ込んでいる被写体の視差角β2を設定する。そして、奥行きレンジ(β1−β2)が所定の範囲内(例えば1°)に収まると見やすいという従来の事実に基づいて、視差条件判定部104はβ1−β2<1°という視差条件を想定してもよい。また、引っ込みの最大視差が画面上のずれ量に換算して、人間の眼間距離(例えば、子供の場合で50mm)以下という条件を想定してもよい。これらの条件は、組み合わせた条件でも構わない。
【0044】
なお、視差条件判定部104は使用者によって画像を表示する想定ディスプレイサイズに関する情報を入力可能な構成にしても構わない。また、入力された想定ディスプレイサイズに関する情報に基づいて、画像を視聴する際の推奨距離を設定する構成にしても構わない。この場合、例えば想定ディスプレイサイズの縦サイズの3倍の距離が推奨距離として設定される。
【0045】
映像処理部105は、入力される2つの視点画像に対して、各種の処理を施す。映像処理部105は、例えば、第1視点画像および第2視点画像に対してガンマ補正やホワイトバランス補正、傷補正などの各種映像処理を行う。さらに、映像処理部105は、上記処理された第1視点画像および第2視点画像に対して、それぞれJPEG規格に準拠した圧縮形式等により画像を圧縮する。映像処理部105は、圧縮した画像をファイル生成部107に出力する。
【0046】
なお、映像処理部105は、視差条件判定部104から撮影パラメータが入力される場合、入力される2つの視点画像に対して、視差調整を実施する。視差調整とは、視差条件判定部104から出力される撮影パラメータを満たすような画像となるように、信号処理によって2つの視点画像を補正する動作をいう。例えば、2つの視点画像をトリミングする動作または、画素データをシフトする動作がある。なお、視差調整は、上記の方法に限定されるものではなく、2つの視点画像を立体映像として視聴した際に、立体感が変更される調整方法であればどのような方法を用いても構わない。
【0047】
撮影制御部106は、視差条件判定部104から出力される撮影パラメータに基づき、第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102におけるズーム(焦点距離の変更)、2つの視点画像取得部間の輻輳角、2つの視点画像取得部間の間隔、フォーカス、絞り、手振れ補正などの撮影パラメータを変更する。
【0048】
ファイル生成部107は、視差条件判定部104から出力される判定結果および映像処理部105が出力する2つの視点画像を対応付けた画像ファイルを生成する。ファイル生成部107は、生成した画像ファイルをファイル記録部108に出力する。上記の画像ファイルは、例えばマルチピクチャフォーマットに即して生成される。なお、ファイル生成部107は、視差条件判定部104から出力される判定結果および映像処理部105が出力する2つの視点画像を対応付けた状態で格納できるファイルフォーマットであればどのようなものを利用しても構わない。
【0049】
なお、視差条件判定部104から撮影パラメータを取得した場合、ファイル生成部107は視差条件判定部104から出力される判定結果および撮影パラメータならびに映像処理部105が出力する2つの視点画像を対応づけた画像を生成する。
【0050】
図4に本実施形態で生成される画像ファイルのデータ構造の説明図を示す。本実施形態の画像ファイル生成装置で生成される画像ファイルは複数の画像データを含み、図4に示すように、画像ファイルは第1視点画像データ503と、第2視点画像データを含むものとする。ここで、第1視点画像データ503は、メインヘッダ部502のヘッダ部領域以外のデータ領域に格納される。また、第2視点画像データは、第2視点画像用ヘッダ部506のヘッダ部領域以外のデータ領域に格納される。なお、図4では、画像ファイルに2つの画像データが格納されているが、複数の画像データを格納することも可能である。つまり、第1視点画像および第2視点画像に加えて第3視点画像を格納することが可能である。
【0051】
先頭識別子501、メインヘッダ部502、第1視点画像データ503および末尾識別子504は、第1視点画像に関する1つグループとして、画像ファイル内に格納される。
【0052】
先頭識別子501は、第1視点画像データ503が格納されるグループの起点をあらわすマーカである。先頭識別子501は、例えば、JPEG規格で規定されたファイルのスタート情報(xFFD8)である。
【0053】
メインヘッダ部502は、画像ファイル全体の管理データの格納部である。メインヘッダ部502は、記録された第1視点画像データ503および第2視点画像データの視差情報が所定の視差条件を満たしているかどうかを示す視差判定結果の情報を含む。この視差判定結果の情報は、視差条件判定部104から取得される判定結果に基づいて生成される情報となる。この視差判定結果の情報は、視差条件の判定結果を識別できる情報であればどのようなものを利用してもよく、例えば1ビットのフラグ情報を利用することができる。
【0054】
また、メインヘッダ部502には、視差条件を判定する際に想定したディスプレイサイズの情報や視聴距離などの情報、飛び出し最大視差条件、引っ込み最大視差条件、奥行きレンジ条件、眼間視差条件などを含む構成でも構わない。
【0055】
また、映像処理部105で視差調整を行なった場合、当該視差調整に利用した撮影パラメータを含んでも構わない。
【0056】
第1視点画像データ503は、例えば第1視点画像をJPEG形式で圧縮したものである。
【0057】
末尾識別子504は、第1視点画像データ503の終点を示すマーカ(xFFD9)である。第1視点画像データ503の最後尾にこのマーカを設けておくことにより、画像ファイルを第1視点画像データ503からなる画像ファイルと第2視点画像データからなる画像ファイルの2つの画像ファイルに分割する際に、ファイルに新たに先頭識別子(SOI)や末尾識別子(EOI)を付加する必要がない。従って、画像ファイルの分割を容易に行うことができる。
【0058】
先頭識別子505、第2視点画像用ヘッダ部506、第2視点画像データおよび末尾識別子508は、第2視点画像に関する1つのグループとして、画像ファイル内に格納される。
【0059】
先頭識別子505は、第2視点信号に関するグループの起点を示すマーカである。このマーカを管理するテーブルをメインヘッダ部502に設ける。これにより、第2視点画像データの検索を容易に行うことができる。また、ファイルを分割する際、分割点を容易に見つけることができる。さらに、このマーカを設けておくことにより、画像ファイルを複数の画像ファイルに分割する際に、ファイルに新たにSOIやEOIを付加する必要がない。従って、ファイルの分割を容易に行うことができる。
【0060】
第2視点画像用ヘッダ部506は、第2視点画像データの属性情報などを格納する。
【0061】
第2視点画像データは、例えば第2視点画像をJPEG形式で圧縮したものである。
【0062】
末尾識別子508は、第2視点信号に関するグループの終点を示すマーカである。このマーカを管理するテーブルをメインヘッダ部502に設ける。これにより、第2視点画像データの検索を容易に行うことができる。また、ファイルを分割する際、分割点を容易に見つけることができる。さらに、このマーカを設けておくことにより、画像ファイルを分割する際に、ファイルに新たにSOIやEOIを付加する必要がなく、ファイルの分割を容易に行うことができる。
【0063】
ファイル記録部108は、ファイル生成部107から入力された画像ファイルをメモリカード109に記録する。メモリカード109は、SDカードなどのフラッシュメモリカードなど、ファイル生成部107で生成した画像ファイルを記録できる記録媒体であればどのようなものを利用しても構わない。
【0064】
なお、本実施形態の画像ファイル生成装置は、視差解析部103、視差条件判定部104、映像処理部105、撮影制御部106、ファイル生成部107は、マイクロコンピュータやDSPのソフトウェアとして実装してもよい。
【0065】
図5は、上記の画像ファイル生成装置が生成した画像ファイルを再生する画像ファイル再生装置の構成図である。画像ファイル再生装置は、デジタルテレビ、デジタルビデオプレーヤ/デジタルビデオレコーダとデジタルテレビのシステム、デジタルカメラ/デジタルムービーとデジタルテレビのシステムなどが想定される。
【0066】
画像ファイル再生装置は、ファイル読み込み部201、ファイル解析部202、視差調整判定部203、画像再生部204、視差調整部205および映像表示部206から構成される。
【0067】
ファイル読み込み部201は、メモリカード109に記録される画像ファイルを読み出す。そして、ファイル読み込み部201は、読み出した画像ファイルをファイル解析部202に出力する。
【0068】
ファイル解析部202は、ファイル読み込み部201から取得した画像ファイルの解析を行なう。具体的に、ファイル解析部202は画像ファイルのヘッダ部から視差判定結果の情報および各視点の画像データを抽出する。ファイル解析部202は、抽出した情報のうち各視点の画像データを画像再生部204に出力し、視差判定結果の情報を視差調整判定部203に出力する。なお、画像ファイルの解析の結果、ファイル解析部202は画像ファイルのヘッダ部から撮影パラメータまたは視差条件を抽出した場合、視差調整判定部203に出力する構成となる。また、ファイル解析部202は、視差解析部103において視差条件を判定する際に想定したディスプレイサイズの情報、視聴距離などの情報、飛び出し最大視差条件、引っ込み最大視差条件、奥行きレンジ条件、眼間視差条件などを抽出した場合、視差調整判定部203に出力する。
【0069】
視差調整判定部203は、ファイル解析部202から取得される視差判定結果の情報に基づいて、画像再生部204が出力する立体映像を構成する複数の画像に対して、視差調整を行なうか否かを設定する制御信号を生成する。例えば、ファイル解析部202から視差判定結果の情報が「1」のフラグ情報を受け取った場合、視差調整をしない旨を示す制御信号を視差調整部205に出力する。逆に、ファイル解析部202から視差判定結果の情報が「0」のフラグ情報を受け取った場合、視差調整を実施する旨を示す制御信号を視差調整部205に出力する。なお、視差調整を実施する旨を示す制御信号を視差調整部205に出力する場合、視差調整判定部203は、ファイル解析部202から取得した撮影パラメータ、視差条件等の情報を、この制御信号と合わせて視差調整部205に出力する。
【0070】
画像再生部204は、各視点の画像データを復号化などを実施して、表示可能な形式に処理して、視差調整部205に出力する。
【0071】
視差調整部205は、視差調整判定部203からの制御信号に基づいて、画像再生部204から取得する各視点の画像に対して視差調整を行なうか否かを切り替える。視差調整部205は、視差調整を行なった画像または視差調整を行なわなかった画像を映像表示部206に出力する。
【0072】
なお、視差調整部205は、画像再生部204から取得した画像に対して、視差調整を行なう場合、視差調整判定部203から取得される情報を用いる。
【0073】
さらに、視差調整部205は、視差調整判定部203から視差条件を判定する際に想定したディスプレイサイズの情報や視聴距離などの情報が入力される場合、実際のディプレイサイズや実際の視聴距離、実際のディスプレイサイズで想定される視聴距離などと比較し、記録時の想定と一致もしくは近くなるように視差調整する構成でも構わない。また、視差調整部205は、視差判定結果の情報に基づいて視差調整をしない場合であっても、視差条件を判定する際に想定したディスプレイサイズの情報や視聴距離などの情報が入力される場合、実際のディプレイサイズや実際の視聴距離、実際のディスプレイサイズで想定される視聴距離などと比較し、記録時の想定と一致もしくは近くなるように視差調整する構成にしても構わない。
【0074】
映像表示部206は、視差調整部205から取得した画像を立体映像として表示する。
【0075】
上記で説明した画像ファイル再生装置では、ファイル解析部202、視差調整判定部203、画像再生部204、視差調整部205は、マイクロコンピュータやDSPのソフトウェアとして実装してもよい。
【0076】
なお、視差調整部205は、視差調整をして複数の画像を映像表示部206に出力する場合、視差調整を行なった旨示す情報を、当該複数の画像と同時に表示させる構成でも構わない。また、視差調整を行なったとしても、視差条件に収まらない画像である場合は、映像表示部206に警告表示をおこなう構成にしても構わない。
【0077】
(まとめ)
本実施形態における画像ファイル生成装置は、立体視用の画像を取得する第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102と、前記取得した立体視用の画像に基づき、画像の飛出しまたは引っ込みに関連する視差情報を取得する視差解析部103と、前記視差解析部103が取得した視差情報が、予め設定した飛出しまたは引っ込みに関連する視差条件を満たすか否かを判定する視差条件判定部104と、ヘッダ部と、前記第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102が取得した立体視用の画像を格納する画像格納部とを有する画像ファイルを生成するファイル生成部107と、を備え、前記ファイル生成部107は、前記ヘッダ部に、前記視差条件判定部104の判定結果に関する情報を格納する。
【0078】
このようにすれば、画像ファイルを再生装置において再生する際、ヘッダ部を解析するだけで、当該画像を撮影した際の視差が予め設定する視差条件を満たすか否かを確認することができる。これにより、画像ファイルを再生する再生装置において、複数の画像ファイルの視差調整を行うか否かを簡単に判断することが可能となり、画像ファイルの再生動作を簡略化することができる。
【0079】
また好ましくは、前記ファイル生成部107は、前記ヘッダ部に、他の視差に関する情報を格納するとともに、前記視差条件判定部104の判定結果に関する情報を前記他の視差に関する情報よりも時間的に前に読み出される位置に格納する。
【0080】
このようにすれば、画像ファイル再生装置において再生する際、前記ヘッダ部の判定結果を先に参照することにより、前記判定結果で視差調整不要の場合は、他の視差に関する情報を参照する必要がなく、画像ファイルの再生動作を簡略化することができる。
【0081】
また好ましくは、前記ファイル生成部107は、前記ヘッダ部に、さらに、前記視差条件判定部104が判定に用いた視差条件のうち、飛出しまたは引っ込みに関連する条件の少なくとも一方の情報または両方の情報を格納する。
【0082】
このようにすれば、画像ファイルを再生する再生装置において、画像ファイル生成装置においてどのような視差条件にしたがって判定したのか簡単に確認でき、画像ファイルの再生動作を効率化することができる。
【0083】
また好ましくは、立体視用の画像を取得する第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102と、前記取得した立体視用の画像に基づき、画像の飛出しまたは引っ込みに関連する視差情報を取得する視差解析部103と、前記視差解析部103が取得した視差情報に基づいて、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨されるディスプレイサイズに関するディスプレイ情報を設定する視差条件判定部104と、ヘッダ部と、前記第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102が取得した立体視用の画像を格納する画像格納部とを有する画像ファイルを生成するファイル生成部107と、を備え、前記ファイル生成部107は、前記ヘッダ部に、前記視差条件判定部104で設定されたディスプレイ情報を格納する。
【0084】
このようにすれば、画像ファイルを再生装置において再生する際、ヘッダ部を解析するだけで、当該画像を撮影した際の視差条件の判定に用いた推奨ディスプレイサイズに関する情報を確認できる。これにより、画像ファイルを再生する再生装置において、当該推奨ディスプレイサイズに関する情報に応じて、複数の画像を視差調整するか否かを簡単に判断することが出来る。
【0085】
また好ましくは、立体視用の画像を取得する第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102と、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨される、前記立体視用の画像を表示する表示装置から視聴者までの距離である推奨視聴距離を示す推奨視聴距離情報を設定する視差条件判定部104と、ヘッダ部と、前記第1視点画像取得部101および第2視点画像取得部102が取得した立体視用の画像を格納する画像格納部とを有する画像ファイルを生成するファイル生成部107と、を備え、前記ファイル生成部107は、前記ヘッダ部に、前記視差条件判定部104で設定された推奨視聴距離情報を格納する。
【0086】
このようにすれば、画像ファイルを再生装置において再生する際、ヘッダ部を解析するだけで、表示装置から視聴者までの推奨視聴距離を確認できる。これにより、画像ファイルを再生する再生装置において、特別な処理を設けることなく推奨視聴距離情報を利用することができ当該推奨視聴距離に関する情報に応じて、複数の画像を視差調整するか否かを簡単に判断することが出来る。
【0087】
また好ましくは、前記取得した立体視用の画像に基づき、画像の飛出しまたは引っ込みに関連する視差情報を取得する視差解析部103と、前記視差解析部103が取得した視差情報に基づいて、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨されるディスプレイサイズに関するディスプレイ情報を設定する視差条件判定部104と、をさらに備え、前記視差条件判定部104は、前記視差条件判定部104で設定されたディスプレイ情報に基づいて推奨視聴距離情報を設定する。
【0088】
このようにすれば、画像ファイル生成装置は、ディスプレイ情報に基づいた推奨視聴距離に関する情報を設定することが可能となる。これにより、画像ファイルを再生装置においてもより安全に画像ファイルの再生動作を簡単に実行できる。
【0089】
また本発明の画像ファイル再生装置は、立体視用の画像を格納する画像格納部と、当該立体視用の画像の視差情報が所定の視差条件を満たしているか否かを示す判定結果に関する情報を含むヘッダ部が対応づけられた画像ファイルを取得するファイル読み込み部201と、前記取得した画像ファイルの前記ヘッダ部に含まれる視差条件判定結果情報を取得するファイル解析部202と、前記ファイル解析部202が取得した視差条件判定結果情報に応じて、前記画像ファイルに含まれる前記立体視用の画像に対する映像処理方式を切り替える画像再生部204と、を備える。
【0090】
このようにすれば、画像ファイル再生装置は、取得した複数の画像の画素データに基づいて、視差調整可能か否かを判定しなくとも、ヘッダ部を解析するだけで視差調整をすべきかどうかを判断することができる。
【0091】
また好ましくは、立体視用の画像を格納する画像格納部と、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨されるディスプレイサイズに関するディスプレイ情報を含むヘッダ部が対応づけられた画像ファイルを取得するファイル読み込み部201と、前記取得した画像ファイルの前記ヘッダ部に含まれるディスプレイ情報を取得するファイル解析部202と、前記立体視用の画像を表示する表示装置のディスプレイに関する情報である表示ディスプレイ情報を取得する表示ディスプレイ情報ファイル読み込み部201と、前記ファイル解析部202が取得したディスプレイ情報と、前記表示ディスプレイ情報ファイル読み込み部201が取得した表示ディスプレイ情報との比較結果に応じて、前記立体視用の画像に対して視差調整を行なうか否かを切り替える画像再生部204と、を備える。
【0092】
このようにすれば、実際の表示デバイスの情報に合わせて、確実に視差調整を実施することが可能となる。
【0093】
また好ましくは、前記画像再生部204は、前記ファイル解析部202が取得したディスプレイ情報および前記表示ディスプレイ情報ファイル読み込み部201が取得した表示ディスプレイ情報からそれぞれ前記立体視用の画像を視聴する際の視聴距離を算出し、算出した2つの視聴距離の比較結果に応じて、前記立体視用の画像に対して視差調整を行なうか否かを切り替える。
【0094】
このようにすれば、実際の表示デバイスの情報に合わせて、確実に視差調整を実施することが可能となる。
【0095】
また好ましくは、立体視用の画像を格納する画像格納部と、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨される、前記立体視用の画像を表示する表示装置から視聴者までの視聴距離を示す推奨視聴距離を示す推奨視聴距離情報を含むヘッダ部が対応づけられた画像ファイルを取得するファイル読み込み部201と、前記取得した画像ファイルの前記ヘッダ部に含まれる推奨視聴距離情報を取得するファイル解析部202と、前記立体視用の画像を表示する表示装置のディスプレイに関する情報である表示ディスプレイ情報を取得する表示ディスプレイ情報ファイル読み込み部201と、前記表示ディスプレイ情報ファイル読み込み部201が取得した表示ディスプレイ情報から前記立体視用の画像を視聴する際の前記表示装置から視聴者までの視聴距離を示す情報を算出し、算出した情報および前記ファイル解析部202が取得した推奨視聴距離情報の比較結果に応じて、前記立体視用の画像に対して視差調整を行なうか否かを切り替える画像再生部204と、を備える。
【0096】
このようにすれば、実際の表示デバイスの情報に合わせて、確実に視差調整を実施することが可能となる。
【0097】
以上のように、画像ファイル生成装置において、見やすく高品位の立体視を実現する所定の視差条件を判定し、視差判定結果を画像ファイルに記録することで、画像ファイル再生装置にて、視差判定結果を参照することで、再生時の視差調整の処理を簡略化することが可能となる。また、画像ファイル生成装置において、視差条件を判定する際に想定したディスプレイサイズの情報や視聴距離などの情報を画像ファイルに記録することで、画像ファイル再生装置にて、実際のディスプレイサイズや視聴距離と比較することで、実際の視環境に即した視差調整が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明にかかる画像ファイル生成装置および画像ファイル再生装置によれば、3次元映像として視聴した際の立体感に関係する情報をヘッダ部に含む画像ファイルの生成および再生方法を与えるものであるので、3次元映像を撮影するデジタルカメラ、放送用カメラおよび、3次元映像の記録再生を行うレコーダーまたは、プレーヤーならびに、テレビ、フォトフレームおよび携帯情報端末のようなディスプレイ装置に応用することが可能である。
【符号の説明】
【0099】
101 第1視点画像取得部
102 第2視点画像取得部
103 視差解析部
104 視差条件判定部
105 映像処理部
106 撮影制御部
107 ファイル生成部
108 ファイル記録部
109 メモリカード
201 ファイル読み込み部
202 ファイル解析部
203 視差調整判定部
204 画像再生部
205 視差調整部
206 映像表示部
501、505 先頭識別子
502 メインヘッダ部
503 第1視点画像データ
504、508 末尾識別子
506 第2視点画象用ヘッダ部
507 第2視点画像データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体視用の画像を取得する画像取得部と、
前記取得した立体視用の画像に基づき、画像の飛出しまたは引っ込みに関連する視差情報を取得する視差情報取得部と、
前記視差情報取得部が取得した視差情報が、予め設定した飛出しまたは引っ込みに関連する視差条件を満たすか否かを判定する判定部と、
ヘッダ部と、前記画像取得部が取得した立体視用の画像を格納する画像格納部とを有する画像ファイルを生成する生成部と、を備え、
前記生成部は、前記ヘッダ部に、前記判定部の判定結果に関する情報を格納する、
画像ファイル生成装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記ヘッダ部に、他の視差に関する情報を格納するとともに、前記判定部の判定結果に関する情報を前記他の視差に関する情報よりも時間的に前に読み出される位置に格納する、
請求項1に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記ヘッダ部に、さらに、前記判定部が判定に用いた視差条件のうち、飛出しまたは引っ込みに関連する条件の少なくとも一方の情報または両方の情報を格納する、請求項1から請求項2に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項4】
立体視用の画像を取得する画像取得部と、
前記取得した立体視用の画像に基づき、画像の飛出しまたは引っ込みに関連する視差情報を取得する視差情報取得部と、
前記視差情報取得部が取得した視差情報に基づいて、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨されるディスプレイサイズに関するディスプレイ情報を設定するディスプレイ情報設定部と、
ヘッダ部と、前記画像取得部が取得した立体視用の画像を格納する画像格納部とを有する画像ファイルを生成する生成部と、を備え、
前記生成部は、前記ヘッダ部に、前記ディスプレイ情報設定部で設定されたディスプレイ情報を格納する、
画像ファイル生成装置。
【請求項5】
立体視用の画像を取得する画像取得部と、
前記立体視用の画像を視聴する際に推奨される、前記立体視用の画像を表示する表示装置から視聴者までの距離である推奨視聴距離を示す推奨視聴距離情報を設定する距離情報設定部と、
ヘッダ部と、前記画像取得部が取得した立体視用の画像を格納する画像格納部とを有する画像ファイルを生成する生成部と、を備え、
前記生成部は、前記ヘッダ部に、前記距離情報設定部で設定された推奨視聴距離情報を格納する、
画像ファイル生成装置。
【請求項6】
前記取得した立体視用の画像に基づき、画像の飛出しまたは引っ込みに関連する視差情報を取得する視差情報取得部と、
前記視差情報取得部が取得した視差情報に基づいて、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨されるディスプレイサイズに関するディスプレイ情報を設定するディスプレイ情報設定部と、をさらに備え、
前記距離情報設定部は、前記ディスプレイ情報設定部で設定されたディスプレイ情報に基づいて推奨視聴距離情報を設定する、
請求項5に記載の画像ファイル生成装置。
【請求項7】
立体視用の画像を格納する画像格納部と、当該立体視用の画像の視差情報が所定の視差条件を満たしているか否かを示す判定結果に関する情報を含むヘッダ部が対応づけられた画像ファイルを取得する取得部と、
前記取得した画像ファイルの前記ヘッダ部に含まれる視差条件判定結果情報を取得する解析部と、
前記解析部が取得した視差条件判定結果情報に応じて、前記画像ファイルに含まれる前記立体視用の画像に対する映像処理方式を切り替える再生部と、を備える、
画像ファイル再生装置。
【請求項8】
立体視用の画像を格納する画像格納部と、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨されるディスプレイサイズに関するディスプレイ情報を含むヘッダ部が対応づけられた画像ファイルを取得する取得部と、
前記取得した画像ファイルの前記ヘッダ部に含まれるディスプレイ情報を取得する解析部と、
前記立体視用の画像を表示する表示装置のディスプレイに関する情報である表示ディスプレイ情報を取得する表示ディスプレイ情報取得部と、
前記解析部が取得したディスプレイ情報と、前記表示ディスプレイ情報取得部が取得した表示ディスプレイ情報との比較結果に応じて、前記立体視用の画像に対して視差調整を行なうか否かを切り替える再生部と、を備える、
画像ファイル再生装置。
【請求項9】
前記再生部は、前記解析部が取得したディスプレイ情報および前記表示ディスプレイ情報取得部が取得した表示ディスプレイ情報からそれぞれ前記立体視用の画像を視聴する際の視聴距離を算出し、算出した2つの視聴距離の比較結果に応じて、前記立体視用の画像に対して視差調整を行なうか否かを切り替える請求項8記載の画像ファイル再生装置。
【請求項10】
立体視用の画像を格納する画像格納部と、前記立体視用の画像を視聴する際に推奨される、前記立体視用の画像を表示する表示装置から視聴者までの視聴距離を示す推奨視聴距離を示す推奨視聴距離情報を含むヘッダ部が対応づけられた画像ファイルを取得する取得部と、
前記取得した画像ファイルの前記ヘッダ部に含まれる推奨視聴距離情報を取得する解析部と、
前記立体視用の画像を表示する表示装置のディスプレイに関する情報である表示ディスプレイ情報を取得する表示ディスプレイ情報取得部と、
前記表示ディスプレイ情報取得部が取得した表示ディスプレイ情報から前記立体視用の画像を視聴する際の前記表示装置から視聴者までの視聴距離を示す情報を算出し、算出した情報および前記解析部が取得した推奨視聴距離情報の比較結果に応じて、前記立体視用の画像に対して視差調整を行なうか否かを切り替える再生部と、を備える、
画像ファイル再生装置。
【請求項11】
立体視用の画像を取得し、
前記取得した立体視用の画像に基づき、画像の飛出しまたは引っ込みに関連する視差情報を取得し、
前記取得した視差情報が、予め設定した飛出しまたは引っ込みに関連する視差条件を満たすか否かを判定し、
前記判定の結果に関する情報を含むヘッダ部と、前記取得した立体視用の画像を格納する画像格納部とを有する画像ファイルを生成する、
画像ファイル生成方法。
【請求項12】
立体視用の画像を格納する画像格納部と、当該立体視用の画像の視差情報が所定の視差条件を満たしているか否かを示す判定結果に関する情報を含むヘッダ部が対応づけられた画像ファイルを取得し、
前記取得した画像ファイルの前記ヘッダ部に含まれる視差条件判定結果情報を取得し、
前記取得した視差条件判定結果情報に応じて、前記画像ファイルに含まれる前記立体視用の画像に対する映像処理方式を切り替える、
画像ファイル再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−151536(P2012−151536A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6589(P2011−6589)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】