説明

画像再生装置及び撮像装置

【課題】本発明の目的は、互いに関連する一連の画像と、それ以外の単独画像との双方をユーザが快適に観察することにある。
【解決手段】本発明の画像再生装置は、画像を表示可能な画像表示素子と、互いに関連付けられた一連の画像を一括し、それを他の単独画像と同列の関係で前記画像表示素子へ表示する表示制御手段(S12)とを備え、前記表示制御手段は、前記一連の画像に割り当てられた表示領域(A)に、前記一連の画像に属する少なくとも1つの画像と、それが一連の画像に属する旨を示すグラフィック画像(12A)とを表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像ストレージャやディジタルカメラなどに適用される画像再生装置、及びディジタルカメラなどの撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタルカメラの中には、連写撮影機能、ブラケティング撮影機能などを搭載したものがある。特許文献1には、これらの機能で撮影された一連の画像を、その記録時に互いに関連付け、再生時に纏めて取り扱う技術が開示されている。例えば、一連の画像の全体を1枚の画像で代表させ、その代表画像を他の単独画像と同列に並べてコマ送り表示すれば、必要な単独画像を高速に探し出すことも可能である。
【特許文献1】特開2003−101910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、一連の画像を1枚の画像で代表させると、一連の画像の多くをユーザが見落とす可能性もある。
そこで本発明の目的は、互いに関連する一連の画像と、それ以外の単独画像との双方を快適に観察することのできる再生装置を提供することにある。また、本発明の目的は、操作性の高い撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の画像再生装置は、画像を表示可能な画像表示素子と、互いに関連付けられた一連の画像を一括し、それを他の単独画像と同列の関係で前記画像表示素子へ表示する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記一連の画像に割り当てられた表示領域に、前記一連の画像に属する少なくとも1つの画像と、それが一連の画像に属する旨を示すグラフィック画像とを表示することを特徴とする。
【0005】
なお、前記表示領域には、前記一連の画像に属する1つの画像と、画像群を象徴するアイコンとが表示されてもよい。
また、前記表示領域には、前記一連の画像に属する2以上の画像が表示されてもよい。
また、前記表示領域には、前記一連の画像に属する2以上の画像がオーバーラップ表示されてもよい。
【0006】
また、前記表示領域には、前記一連の画像に属する2以上の画像がサムネイル表示されてもよい。
また、前記表示領域には、前記一連の画像に属する2以上の画像がスライドショー表示されてもよい。
また、本発明の何れかの画像再生装置は、前記表示領域へ主として表示すべき代表画像を、前記一連の画像の中からユーザに選択させる選択手段を更に備えてもよい。
【0007】
また、前記画像再生装置は、前記ユーザの選択内容を記録する記録手段を更に備えてもよい。
また、本発明の何れかの画像再生装置は、前記表示領域へ主として表示すべき代表画像を、前記一連の画像の中から自動選択する選択手段を更に備えてもよい。
また、本発明の撮像装置は、被写体の画像を取得する撮像素子と、前記撮像素子が取得した画像の属性情報を作成する情報作成部と、前記撮像素子が取得した複数の画像を、前記属性情報に基づき表示する本発明の何れか一項に記載の画像再生装置とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、互いに関連する一連の画像と、それ以外の単独画像との双方を快適に観察することのできる画像再生装置が実現する。また、本発明によれば、操作性の高い撮像装置が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態は、ディジタルカメラの実施形態である。
先ず、ディジタルカメラの構成を説明する。
図1は、ディジタルカメラを背面から観た図である。図1に示すとおり、ディジタルカメラ100には、液晶表示パネル等のモニタ12が設けられると共に、レリーズ釦11A、コマンドダイアル11B、モードダイアル11C、再生釦11D、サムネイル釦11Eなどの各種の操作釦が設けられる。ユーザは、これら各種の操作釦を操作することで、ディジタルカメラ100へ各種の指示を入力することができる。
【0010】
図2は、ディジタルカメラの機能ブロック図である。図2では、各種の操作釦を1つのブロック(符号11)で表した。図2に示すとおり、ディジタルカメラ100には、交換レンズ200と、書き換え可能なカードメモリなどの記憶媒体300とが装着される。交換レンズ200には、撮影レンズ201とレンズ駆動部202とが備えられる。
ディジタルカメラ100には、操作釦11やモニタ12の他に、撮像素子13、信号処理回路14、A/D変換器(A/D)15、フレームメモリ16、タイミングジェネレータ(TG)17、表示制御部18、画像処理部19、記録部20、CPU21などが備えられる。このうち、フレームメモリ16、表示制御部18、画像処理部19、記録部20、及びCPU21は、共通のシステムバスに接続されている。
【0011】
このうち、CPU21は、操作釦11から入力されるユーザの指示に従い、タイミングジェネレータ17、フレームメモリ16、表示制御部18、画像処理部19、記録部20、及び交換レンズ200のレンズ駆動部202を制御し、図2に示すシステムの全体を動作させる。その動作の種類には、被写体の画像を取得して記録する撮影と、過去に記録された画像を表示する再生とがある。また、撮影の種類には、単写撮影、連写撮影、オートブラケティング撮影などがある。
【0012】
次に、撮影に関するディジタルカメラ100の動作を説明する。
撮影時、被写体からの光束は、撮影レンズ201によって結像され、撮像素子13上に被写体像を形成する。この被写体像は、撮像素子13によってアナログ画像信号へ変換された後、信号処理回路14において信号処理され、A/D変換器15においてディジタル画像信号へ変換される。このディジタル画像信号は、フレームメモリ16へ一時的に格納される。このときの撮像素子13、信号処理回路14、A/D変換器15の駆動タイミングは、タイミングジェネレータ17が発生するタイミングパルスによって制御される。
【0013】
フレームメモリ16に格納されたディジタル画像信号は、画像処理部19へ取り込まれ、必要な画像処理が施された後、画像ファイルに纏められる。この画像ファイルは、記録部20を介して記憶媒体300へと書き込まれる。これによって、撮影が完了である。
特に、単写撮影のときには、以上の動作が1回のみ行われ、連写撮影のときには、以上の動作が連続して複数回行われ、オートブラケティング撮影のときには、以上の動作が、撮影条件を変化させながら連続して複数回行われる。したがって、単写撮影では、他の画像と関連しない単独画像の画像ファイルが取得される。連写撮影又はオートブラケティング撮影では、互いに関連する一連の画像の各々の画像ファイルが取得される。なお、撮影条件とは、撮影レンズ201のレンズポジション、撮像素子13の露光時間、画像処理部19の画像処理特性等の組み合わせのことである。
【0014】
ここで、各画像の画像ファイルには、コマ番号、撮影条件、属性情報などの情報が添付される。このうち、属性情報は、単独画像/非単独画像の識別情報であって、非単独画像の場合は、その画像の属する一連の画像のグループ番号、代表画像/非代表画像の識別情報も含む。代表画像とは、一連の画像を代表する画像であって、デフォールトの状態では、例えば、一連の画像の中でコマ番号の最も小さい画像が自動的に代表画像に選定される。このような属性情報は、再生時に有効利用される。
【0015】
次に、再生に関するディジタルカメラ100の基本動作を説明する。
再生時、記録部20は、記憶媒体300に格納された画像ファイルを読み出す。読み出された画像ファイルは、画像処理部19において再生され、画像のディジタル画像信号が生成される。そのディジタル画像信号は、表示制御部18へ与えられる。表示制御部18は、そのディジタル画像信号で表示用の画像信号を生成し、それをモニタ12へ送出する。これによって、記憶媒体300に格納されていた画像ファイルの画像が、モニタ12の表示画面へ表示されることになる。
【0016】
このとき、CPU21は、操作釦11から入力されるユーザの指示と、画像ファイルの属性情報とに基づき、再生対象となる画像ファイルを決定して画像処理部19へ指示すると共に、表示画面上のレイアウトや表示画面に重畳表示すべきグラフィック画像などを決定して表示制御部18へ指示する。これによってCPU21は、コマ送り再生やサムネイル再生などの再生制御を行う。
【0017】
次に、CPU21の再生制御を、コマ送り再生とサムネイル再生とに分けて具体的に説明する。なお、ここでは、CPU21の動作と、CPU21の指示の下で行われる記録部20、画像処理部19、表示制御部18の動作とを、全てCPU21の動作として説明する。
また、ここでは、図3に示すような7つの画像の画像ファイルが記憶媒体300に格納されていると仮定し、このうちコマ番号1の画像は単独画像であり、コマ番号2−5の画像は互いに関連する一連の画像であり、コマ番号6,7の画像は、何れも単独画像と仮定する。また、一連の画像のうち、コマ番号2の画像を代表画像と仮定する。
【0018】
(コマ送り再生)
図4は、本実施形態のコマ送り再生を説明する図である。図4に示すとおり、ユーザが再生釦11Dを押下すると、CPU21は、画像再生の指示が入力されたとみなし、記憶媒体300に格納された各画像ファイルのうち、最新の画像ファイル又は最後に再生表示されていた画像ファイルを再生し、その画像を表示画面の全域へ表示する(ステップS11)。
【0019】
続いて、ユーザがコマンドダイアル11Bを右方向へ操作すると、CPU21は記憶媒体300に格納された各画像ファイルをコマ番号順に再生し、それらの画像を表示画面へコマ送り表示する(ステップS11→S12→S13→S14)。
但し、一連の画像(コマ番号2−5)については一括で扱うこととし、それらを代表する代表画像(コマ番号2)を、他の単独画像(コマ番号1,6,7)と同列に表示する(ステップS12)。その際、一連の画像(コマ番号2−5)に割り当てられた表示領域Aには、代表画像(コマ番号2)と共に、画像群を象徴するアイコン12Aが重畳表示される。その表示箇所は、図4に示すとおり表示画面の右下などである。
【0020】
さらに、一連の画像の代表画像(コマ番号2)が表示されているとき(ステップS12)に、ユーザが再生釦11Dを押下しながらコマンドダイアル11Bを右方向へ操作すると、CPU21は、詳細表示指示が入力されたとみなし、表示対象を、一連の画像(コマ番号2−5)の中でサイクリックに切り替える(ステップS12→121→S122→S123→S12→S121→…)。なお、一連の画像が表示されているとき(ステップS121,S122,S123の何れか)には、アイコン12Aの表示は継続される。
【0021】
さらに、一連の画像のうち、代表画像以外の画像(コマ番号3,4,5)が表示されているとき(ステップS121,S122,S123の何れか)に、ユーザが再生釦11Dを解除すると、CPU21は、その時点で表示されていた画像を新たな代表画像とみなし、一連の画像の属性情報を更新する。したがって、ユーザは一連の画像の代表画像を所望の画像に選定することができる。その後、CPU21は、ステップS12へ移行する。属性情報が更新されたので、それ以降のステップ12で表示されるのは、新たな代表画像(コマ番号3,4,5の何れか)となる。
【0022】
なお、属性情報の格納先は記憶媒体300であるので、ユーザの選定内容は、次に更新が行われるまで、ディジタルカメラ200の電源のオン/オフに拘わらず保存され続ける(コマ送り再生の説明終了)。
(サムネイル再生)
図5は、本実施形態のサムネイル再生を説明する図である。図5に示すとおり、ユーザがサムネイル釦11Eを押下すると、CPU21は、サムネイル再生の指示が入力されたとみなし、記憶媒体300に格納された各画像ファイルのうち、最新の画像ファイル又は最後に再生表示されていた画像を含む4つの画像ファイルを再生し、それら4つの画像を表示画面へサムネイル表示する(ステップS21)。
【0023】
但し、一連の画像(コマ番号2−5)については一括で扱うこととし、それらを代表する代表画像(コマ番号2)を、他の単独画像(コマ番号1,6,7)と同列に表示する。また、一連の画像に割り当てられた表示領域Aには、その代表画像(コマ番号2)と共に、画像群を象徴するアイコン12Aを重畳表示する(ステップS21)。その表示箇所は、表示領域Aの右下などである。
【0024】
なお、表示画面上には、同時に表示された4つの画像の何れかを指し示すカーソル12Bも重畳表示されており、表示当初、カーソル12Bは、コマ番号の最も小さい画像(コマ番号1)を指し示す(ステップS21)。ユーザがコマンドダイアル11Bを右方向へ操作すると、CPU21は、カーソル12Bの移動指示が入力されたとみなし、カーソル12Bの指示先を別の画像へ移動させる(ステップS21→S22→S23→…)。
【0025】
さらに、カーソル12Bの指示先が一連の画像の代表画像(コマ番号2)であるとき(ステップS22)に、ユーザが再生釦11Dを押下しながらコマンドダイアル11Bを右方向へ操作すると、CPU21は、詳細表示指示が入力されたとみなし、表示領域Aの表示対象を、一連の画像(コマ番号2−5)の中でサイクリックに切り替える(ステップS22→S221→S222→S223→S22→S221→…)。なお、このように、一連の画像の何れかが表示されているとき(ステップS221,S222,S223の何れか)には、アイコン12Aは表示され続ける。
【0026】
さらに、一連の画像のうち、代表画像以外の画像(コマ番号3,4,5)が表示されているとき(ステップS221,S222,S223の何れか)に、ユーザが再生釦11Dを解除すると、CPU21は、その時点で表示されていた画像を新たな代表画像とみなし、一連の画像の属性情報を更新する。したがって、ユーザは一連の画像の代表画像を所望の画像に変更することができる。その後、CPU21は、ステップS22へ移行する。属性情報が更新されたので、それ以降のステップS22で表示されるのは、新たな代表画像(コマ番号3,4,5の何れか)となる。
【0027】
なお、属性情報の格納先は記憶媒体300であるので、ユーザの選定内容は、次に更新が行われるまで、ディジタルカメラ200の電源のオン/オフに拘わらず保存され続ける(サムネイル再生の説明終了)。
以上、本実施形態のCPU21は、一連の画像(コマ番号2-5)を一括して扱い、それを単独画像(コマ番号1,6,7)と同列に表示する(図4の上段,図5の上段を参照)。したがって、ユーザは、複数の単独画像(コマ番号1,6,7)の各々を高速に観察することができる。
【0028】
しかも、本実施形態のCPU21は、一連の画像(コマ番号2-5)に割り当てられた表示領域A(図4,図5参照)に、代表画像(コマ番号2)と、一連の画像を想起させるグラフィック画像(ここではアイコン12A)とを表示する。したがって、ユーザは、一連の画像の存在を表示画面上で確実に認識することができる。
なお、本実施形態では、コマ送り再生中又はサムネイル再生中、詳細表示指示をユーザに入力させるために、再生釦11Dをシフト釦として使用したが、他の釦をシフト釦として使用してもよい。
【0029】
また、本実施形態では、詳細表示指示をユーザに入力させるために、2つの釦を組み合わせて使用したが、1つの操作釦のみを使用してもよい。
また、本実施形態では、コマ送り指示をユーザに入力させるために、コマンドダイアル11Bを使用したが、他の操作釦(例えば、不図示の十字釦)を使用してもよい。
また、本実施形態では、カーソルの移動指示をユーザに入力させるために、コマンドダイアル11Bを使用したが、他の操作釦(例えば、不図示の十字釦)を使用してもよい。
【0030】
また、本実施形態では、再生時、連写撮影された一連の画像と、オートブラケティング撮影された一連の画像とを区別しなかったが、両者を区別し、2種類のアイコンを用意して使い分けてもよい。
また、本実施形態では、画像群を象徴するアイコン12Aを使用したが、画像群を象徴するのであれば、他のアイコン、例えば、アイコン12Aを左右反転させたものや、アイコン12Aを上下反転させたものなどを使用してもよい。また、アイコンの代わりに、「連写」,「ブラケティング撮影」,「一連画像」,「グループ画像」など、画像群を表すテキスト画像を使用してもよい。
【0031】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態も、ディジタルカメラの実施形態である。ここでは、第1実施形態との相違点のみ説明する。相違点は、サムネイル再生におけるCPU21の再生制御の内容にある。
図6は、本実施形態のサムネイル再生を説明する図である。図6に示すとおり、ユーザがサムネイル釦11Eを押下すると、CPU21は、第1実施形態と同様に、一連の画像(コマ番号2−5)を一括で扱い、他の単独画像(コマ番号1,6,7)と同列にサムネイル表示する(ステップS31,S32,S33)。
【0032】
但し、一連の画像に割り当てられた表示領域Aには、一連の画像(コマ番号2-5)がオーバーラップ表示される(ステップS31,S32,S33)。このとき最前列に配置されるのは、代表画像(コマ番号2)である。
さらに、カーソル12Bの指示先が一連の画像の代表画像(コマ番号2−5)であるとき(ステップS32)に、ユーザが再生釦11Dを押下しながらコマンドダイアル11Bを右方向へ操作すると、CPU21は、詳細表示指示が入力されたとみなし、表示領域Aの表示対象を、一連の画像(コマ番号2−5)の中でオーバーラップの順序をサイクリックに切り替える(ステップS32→S321→S322→S323→S32→S321→…)。なお、一連の画像は互いに類似しており、見分けがつきにくいので、少なくとも最前列の画像には、コマ番号を示すテキスト画像が重畳表示されることが望ましい。コマ番号の表示箇所は、例えば画像の右下である。これによって、ユーザは、一連の画像の各々を、区別することができる。
【0033】
さらに、一連の画像のうち、代表画像以外の画像(コマ番号3,4,5)が最前列に配置されているとき(ステップS321,S322,S323の何れか)に、ユーザが再生釦11Dを解除すると、CPU21は、その時点で最前列に表示されていた画像を新たな代表画像とみなし、一連の画像の属性情報を更新する。したがって、ユーザは一連の画像の代表画像を所望の画像に変更することができる、その後、CPU21は、ステップS32へ移行する。属性情報が更新されたので、それ以降のステップS32で最前列に表示されるのは、新たな代表画像(コマ番号3,4,5の何れか)となる。
【0034】
以上、本実施形態のCPU21は、一連の画像(コマ番号2-5)に割り当てられた表示領域Aに、一連の画像(コマ番号2-5)をオーバーラップ表示させる。したがって、本実施形態のユーザも、一連の画像(コマ番号2-5)の存在を表示画面上で確実に認識することができる。
なお、本実施形態は、第1実施形態のサムネイル再生を変形したものであるが、第1実施形態のコマ送り再生を同様に変形してもよい。
【0035】
また、本実施形態では、一連の画像をオーバーラップ表示する際に、コマ番号を表示したが、コマ番号の代わりに、グループ番号とグループ内番号(連写撮影の場合は連写番号)との組み合わせを表示してもよい。その場合、一連の画像に、「2-1」,「2-2」,「2-3」,…などのテキスト画像が重畳表示される。或いは、一連の画像のグループ内の総数と、グループ内番号との組み合わせを表示してもよい。その場合、一連の画像に、「1/10」,「2/10」,「3/10」,…,「10/10」などのテキスト画像が重畳表示される。
【0036】
また、本実施形態では、一連の画像を限られたサイズの表示領域Aへオーバーラップ表示するので、仮に、一連の画像のグループ内の総数が多過ぎると(例えば7以上だと)、個々の画像のサイズが小さくなり過ぎて目視困難になる。よって、CPU21は、オーバーラップ表示する画像の枚数に上限を設けることが望ましい。その場合、非表示の画像が存在していることをユーザへ通知するため、「…」(三点リーダ)を表示するとよい。
【0037】
また、本実施形態では、一連の画像をオーバーラップ表示するので、表示用の画像信号が生成されるまでに多少の演算を要する。その演算量を削減したい場合には、代表画像以外の画像の表示を省略し、数枚の無地画像を代表画像の背後へオーバーラップ表示させてもよい。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態も、ディジタルカメラの実施形態である。ここでは、第1実施形態との相違点のみ説明する。相違点は、サムネイル再生におけるCPU21の再生制御の内容にある。
【0038】
図7は、本実施形態のサムネイル再生を説明する図である。図7に示すとおり、ユーザがサムネイル釦11Eを押下すると、CPU21は、第1実施形態と同様に、一連の画像(コマ番号2-5)を一括で扱い、他の単独画像(コマ番号1,6,7)と同列にサムネイル表示する(ステップS41,S42,S43)。
但し、一連の画像に割り当てられた表示領域Aには、一連の画像(コマ番号2-5)が、詳細にサムネイル表示される(ステップS41,S42,S43)。
【0039】
さらに、カーソル12Bの指示先が一連の画像(コマ番号2-5)であるとき(ステップS42)に、ユーザが再生釦11Dを押下しながらコマンドダイアル11Bを右方向へ操作すると、CPU21は、詳細表示指示が入力されたとみなし、その表示領域Aへ一連の画像を、第1実施形態と同様にサイクリックにコマ送り表示する(ステップS42→421→S422→S423→S424)。このときには、各画像と共に、画像群を象徴するアイコン12Aが重畳表示される。その表示箇所は、表示領域Aの右下などである。
【0040】
以上、本実施形態のCPU21は、一連の画像(コマ番号2-5)に割り当てられた表示領域Aに、一連の画像(コマ番号2-5)をサムネイル表示させる。したがって、本実施形態のユーザも、一連の画像(コマ番号2-5)の存在を表示画面上で確実に認識することができる。
なお、本実施形態では、詳細表示指示が入力されたときの表示方法を、第1実施形態と同じ(コマ送り表示)にしたが、第2実施形態と同じ(オーバーラップ表示)としてもよい。
【0041】
また、本実施形態のCPU21は、詳細表示指示が入力されたとき、一連の画像に割り付けられた表示領域Aの位置やサイズを変化させなかったが、表示領域Aのサイズを表示画面の全体へ拡大してもよい。また、詳細表示指示が入力されたとき、表示領域Aを拡大する場合は、そのときの表示方法を、サムネイル表示としてもよい。
また、本実施形態は、第1実施形態のサムネイル再生を変形したものであるが、第1実施形態のコマ送り再生を同様に変形してもよい。但し、コマ送り再生中に突然サムネイル表示が始まるとユーザを混乱させる虞があるので、そのときには前述したアイコン12Aを一緒に表示し、そのサムネイル表示が一連の画像を表している旨をユーザへ通知するとよい。或いは、アイコン12Aを表示する代わりに、一連の画像の何れかを指し示すカーソルを表示し、ルーレットのように、そのカーソルの指示先を、適当な時間間隔(例えば0.5〜1秒)で移動させてもよい。その場合、カーソルの移動順序は、コマ番号順であっても、ランダムであっても構わない。
【0042】
また、本実施形態では、一連の画像を限られた表示領域Aへサムネイル表示するので、仮に、一連の画像に属する画像の枚数が多過ぎると(例えば7以上だと)、画像が小さくなりすぎて目視困難になる。よって、CPU21は、同時にサムネイル表示する画像の枚数に上限を設けることが望ましい。多くの画像を複数画面に分けてサムネイル表示する方法は公知なので説明を省略する。
【0043】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態を説明する。本実施形態も、ディジタルカメラの実施形態である。ここでは、第1実施形態との相違点のみ説明する。相違点は、サムネイル再生におけるCPU21の再生制御の内容にある。
ユーザがサムネイル釦11Eを押下すると、CPU21は、第1実施形態と同様に、一連の画像(コマ番号2−5)を一括で扱い、他の単独画像(コマ番号1,6,7)と同列にサムネイル表示する(図5参照)。但し、一連の画像に割り当てられた表示領域Aの表示対象は、図8に示すとおり、一連の画像(コマ番号2-5)の間で自動的にサイクリックに切り替わる。例えば、一連の画像(コマ番号2-5)は、コマ番号順に適当な時間間隔でサイクリックに切り替わる(ステップS51→S52→…→S58→S51)。
【0044】
ここで、一連の画像は互いに類似しており、見分けがつきにくいので、互いに連続する画像の間に、黒画像が短期間だけ表示されることが望ましい(ステップS52,S54,S56,S58)。画像切り替えの間隔は、その切り替わりをユーザが認識できる程度に短期間(例えば0.5〜1秒)であることが望ましい。
以上、本実施形態のCPU21は、一連の画像(コマ番号2-5)に割り当てられた表示領域Aに、一連の画像(コマ番号2-5)を適当な速度でスライドショー表示させる。したがって、本実施形態のユーザも、一連の画像(コマ番号2-5)の存在を表示画面上で確実に認識することができる。
【0045】
なお、本実施形態は、第1実施形態のサムネイル再生を変形したものであるが、第1実施形態のコマ送り再生を同様に変形してもよい。但し、コマ送り再生中に突然スライドショー表示が始まるとユーザを混乱させる虞があるので、そのときには前述したアイコン12Aを一緒に表示し、そのスライドショー表示が一連の画像を表している旨をユーザへ通知するとよい。
【0046】
[その他の実施形態]
なお、上述した第1実施形態、第2実施形態では、一連の画像の代表画像をユーザが選定したが、ディジタルカメラが一連の画像の各々を評価し、最も評価の高かった画像を自動的に代表画像に選定してもよい。その評価方法としては、以下の何れかの評価方法が適用可能である。
【0047】
・画像の輝度ヒストグラムの形状を評価するもの
・画像内の白飛びの量を評価するもの
・画像内の黒潰れの量を評価するもの
・画像のコントラストを評価するもの
・これら評価方法の2以上を組み合わせたもの
また、それらの評価方法をユーザに選択させるディジタルカメラを構成してもよい。
【0048】
また、上述した各実施形態の2以上が適用されたディジタルカメラを構成してもよい。例えば、一連の画像のグループ内の総数が上限値を超えなかった場合には第2実施形態又は第3実施形態の表示方法(オーバーラップ表示又はサムネイル表示)を採用し、かつ上限値を超えた場合には第1実施形態の表示方法(コマ送り表示)を採用するディジタルカメラである。
【0049】
また、上述した各実施形態の2以上の機能を搭載し、かつそれらの機能をユーザに選択させるディジタルカメラを構成してもよい。
また、上述した各実施形態は何れも交換レンズは別体で構成されたディジタルカメラの実施形態であったが、それと同じ再生機能を搭載したレンズ一体型のディジタルカメラを構成してもよい。
【0050】
また、上述した各実施形態は何れもディジタルカメラの実施形態であったが、上述した何れかの実施形態と同じ再生機能を搭載した画像ストレージャ、プリンタ、画像再生装置などを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】ディジタルカメラを背面から観た図である。
【図2】ディジタルカメラの機能ブロック図である。
【図3】記憶媒体300に格納されている画像の例を示す図である。
【図4】第1実施形態のコマ送り再生を説明する図である。
【図5】第1実施形態のサムネイル再生を説明する図である。
【図6】第2実施形態のサムネイル再生を説明する図である。
【図7】第3実施形態のサムネイル再生を説明する図である。
【図8】第4実施形態のサムネイル再生を説明する図である。
【符号の説明】
【0052】
100…ディジタルカメラ,11B…コマンドダイアル,11D…再生釦,11E…サムネイル釦,200…交換レンズ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示可能な画像表示素子と、
互いに関連付けられた一連の画像を一括し、それを他の単独画像と同列の関係で前記画像表示素子へ表示する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記一連の画像に割り当てられた表示領域に、前記一連の画像に属する少なくとも1つの画像と、それが一連の画像に属する旨を示すグラフィック画像とを表示する
ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像再生装置において、
前記表示領域には、
前記一連の画像に属する1つの画像と、画像群を象徴するアイコンとが表示される
ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像再生装置において、
前記表示領域には、
前記一連の画像に属する2以上の画像が表示される
ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像再生装置において、
前記表示領域には、
前記一連の画像に属する2以上の画像がオーバーラップ表示される
ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像再生装置において、
前記表示領域には、
前記一連の画像に属する2以上の画像がサムネイル表示される
ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項6】
請求項3に記載の画像再生装置において、
前記表示領域には、
前記一連の画像に属する2以上の画像がスライドショー表示される
ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の画像再生装置において、
前記表示領域へ主として表示すべき代表画像を、前記一連の画像の中からユーザに選択させる選択手段を更に備えた
ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像再生装置において、
前記ユーザの選択内容を記録する記録手段を更に備えた
ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の画像再生装置において、
前記表示領域へ主として表示すべき代表画像を、前記一連の画像の中から自動選択する選択手段を更に備えた
ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項10】
被写体の画像を取得する撮像素子と、
前記撮像素子が取得した画像の属性情報を作成する情報作成部と、
前記撮像素子が取得した複数の画像を、前記属性情報に基づき表示する請求項1〜請求項9の何れか一項に記載の画像再生装置と
を備えたことを特徴とする撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−67009(P2008−67009A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242053(P2006−242053)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】