説明

画像再生装置及び画像再生プログラム

【課題】スライドショーの表示方法の選択肢を増やし、より高い付加価値を得るようにして、商品価値を高める。
【解決手段】撮影した画像を再生するに際し、背景付でスライドショーを実行させると、再生画像300と背景画像200との合成画像がLCDモニタ17に表示される。その際、再生画像300を縮小表示させれば、その周囲に背景画像200が表示されるため、この背景画像200によって再生画像300を引き立たせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の再生画像とその背景画像となる第2の再生画像とを合成して自動連続再生させる画像再生装置及び画像再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラは、小型HDDやDVDなどに代表される大容量の記録媒体を搭載し、JPEG方式、MPEG方式などに代表される画像圧縮技術の進歩により、高画質な大量のディジタル画像を記録することが可能であるばかりでなく、記録されている画像を再生する画像再生装置も兼用している。
【0003】
デジタルカメラは、画像をデジタルデータで記憶しているため編集が容易で、撮影した画像を再生する場合であっても、様々な楽しみかたを提供することができる。スライドショーによる再生も、デジタルカメラの楽しみかたの1つとして捕らえることができる。
【0004】
記録媒体に記録されている画像を、自動連続再生の一態様であるスライドショーを用いて表示する場合、再生画像を、自動或いはマニュアル操作により順次表示していく。スライドショーを用いると、記録媒体に記録されている画像データを、操作者が一々選択することなく、順に表示させることができるため使い勝手が良く、再生画像の確認が容易となる。
【0005】
例えば特許文献1(特開2004−343472号公報)では、スライドショーを用いて表示される画像を、一定時間毎に順次重ねて表示させる技術が開示されている。この文献によれば、スライドショーで表示サイズの異なる画像を表示する場合、例えば最初に表示される画像の表示サイズが大きく、次に表示される画像の表示サイズが小さい場合であっても、モニタ上には大きいサイズの画像が背景画像として表示されるため、小さい表示サイズの画像が表示されても、その周囲に余白部分が形成されず、スライドショーを用いて一体感のある画像を表示させることができる。
【特許文献1】特開2004−343472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した文献に開示されている技術では、画像の表示サイズが小さい場合、モニタの余白部分には、大きいサイズの画像が背景画像として表示されるが、再生画像を単に羅列しているに過ぎず、デジタルカメラが本来有する機能を充分に発揮させることができない。又、スライドショーであっても、再生画像の単なる羅列は、観察者に飽きを覚えさせてしまう。
【0007】
スライドショーの表示方法ほ選択肢をもっと増やすことが可能で、新たな表示方法を選択肢として追加することで、看者に飽きをこさせることなく、高い付加価値を得ることが可能である。
【0008】
尚、このことは、デジタルカメラに限らず、画像再生機能を有する装置全体に当てはまる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、自動連続再生時における表示方法の選択肢を増やし、より高い付加価値を得ることのできる画像再生装置及び画像再生プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため第1発明は、複数の画像を記録する記録媒体と、上記複数の画像を自動連続再生する表示制御手段と、上記自動連続再生される上記画像を表示する表示手段とを備える画像再生装置において、上記画像は第1の再生画像と該第1の再生画像の背景画像となる第2の再生画像とを有し、上記表示制御手段は、上記第1の再生画像と上記第2の再生画像との合成画像を自動連続再生させて上記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0011】
第2発明は、複数の画像を記録する記録媒体と上記複数の画像を自動連続再生する表示制御手段と上記自動連続再生される上記画像を表示する表示手段とを制御するコンピュータを備え、上記コンピュータに、上記表示制御手段に対し、上記記録媒体に記録されている上記画像を構成する第1の再生画像と該第1の再生画像の背景画像となる第2の再生画像とを読込んで、合成画像を生成させると共に、該合成画像を自動連続再生させて上記表示手段に表示させる制御信号を出力する機能が備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1の再生画像を再生するに際し、この第1の再生画像と、その背景画像となる第2の再生画像を合成させた合成画像を自動連続再生させるようにしたので、自動連続再生時における表示方法の選択肢が増加し、より高い付加価値を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の一形態を説明する。図1はカメラ装置の概略構成を示すブロック図、図2はカメラ装置の外観構成を示し、(a)は正面斜視図、(b)は背面斜視図である。尚、本形態では、画像再生装置の一例としてカメラ装置を示す。このカメラ装置は、動画と静止画の双方の撮影が可能であるものとする。
【0014】
図2(a)に示すように、カメラ本体31の正面に、被写体光を取り込む光学レンズ32、静止画撮影時に操作するシャッタボタン33、赤外線によるリモートコントロール信号(以下、「リモコン信号」と略称)を受光するリモートコントロール受光部(以下、「リモコン受光部」と略称)34が設けられている。
【0015】
又、図2(b)に示すように、カメラ本体31の背面に、動画撮影時のON/OFF操作を行うプッシュプッシュ式の動画録画ボタン39、後述する撮影時における各操作モード項目の選択と録画した画像の再生時の早送り/早戻し等に用いるジョグダイヤル40、OK/方向ボタン41、各操作モード項目を読み出すメニューボタン42、動画と静止画の撮影モードと動画と静止画の再生モードを切り換えるモードレバー43、SDカード等の着脱自在な半導体記録媒体を収納するスロットル部の開口部を開閉するカードカバー44、光学レンズ32のズーム操作と電気的な撮影画像のズーム操作を行うズームレバー45等が設けられている。
【0016】
又、カメラ本体31の側面に、モニタ部37、このモニタ部37にてON/OFFされる電源ボタン46が設けられている。モニタ部37は、カメラ本体31の側面に回動自在に取り付けられ、非撮影時にはカメラ本体31の側面に収納され、撮影時にはカメラ本体31の側面から立ち上げて使用される。モニタ部37を立ち上げると、このモニタ部37は約360度方向に回動自在となり、操作者の見やすい位置にセットすることができる。
【0017】
又、電源ボタン46は、モニタ部37がカメラ本体31の側面に収納された際に、モニタ部37にてスイッチOFFされ、モニタ部37が立ち上げられるとスイッチONされる。尚、モニタ部37には、撮影時に選択する操作モードやメニューを表示したり、撮影被写体像や撮影後の再生画像を表示する表示手段としての液晶パネル(以下、「LCDモニタ」と称する)17と、撮影時に録音した音声を再生時に音声出力させるスピーカ38とが組み込まれている。
【0018】
OK/方向ボタン41は、上下と左右方向の矢印、中央部にOK文字が表記された円形状に形成されており、その周囲にジョグダイヤル40が配設されている。ジョグダイヤル40はリング状に形成されており、双方向に回転可能である。ジョグダイヤル40とOK/方向ボタン41とは一連の操作の中で互いに関連する操作が行われる。すなわち、例えば、モニタ部37のLCDモニタ17に表示される複数の操作モードやメニューは、ジョグダイヤル40を操作することでスクロールさせて選択することができる。そして、1つの項目を選択した状態でOK/方向ボタン41を押すと、選択したモードが確定され、その後、対応する処理が行われる。
【0019】
又、OK/方向ボタン41の上下左右方向を示す矢印は、例えば撮影時に使用することができる。すなわち、撮影時にOK/方向ボタン41の上矢印側を押すとフォーカス調整が行われ、下矢印側を押すと撮影シーンが選択され、右矢印側を押すと露出補正が行われ、左矢印側を押下すとフラッシュモードが選択される。
【0020】
同様に、OK/方向ボタン41の上下左右方向を示す矢印は、再生時には別の操作内容を実行させることができる。すなわち、再生時においては、このOK/方向ボタン41の上矢印側を押すと再生、下矢印側を押すと停止、右矢印側を押すと早送り、左矢印側を押すと早戻し等の各動作が実行される。
【0021】
又、カメラ本体31内部の、光学レンズ32の焦点位置に、被写体光(図示せず)を電気信号に変換する固体撮像素子の代表である電化結合素子(CCD)が設けられている。又、図1に示すように、カメラ本体31の内部には、信号処理部12、JPEG/MPEG処理部13、メモリ部14、ビデオ復調部15、LCD制御部16、ハードディスク(以下、「HDD」と略称)19、メモリカード20、LAN制御部21、USB制御部22、コンピュータの代表であるマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称する)25等が設けられている。
【0022】
尚、ビデオ復調部15とLCD制御部16とで表示制御部が構成されている。又、符号26は入力キー部で、この入力キー部26は、ジョグダイヤル40を除く複数のボタン33、39、41,42,43,45,46の総称である。
【0023】
HDD19は、大容量記録媒体の一例であり、所定に圧縮処理された画像などが記録される。又、メモリカード20は、SDメモリカードを代表とする比較的記録容量の大きな不揮発性メモリであり、図示しいなスロットを介してカメラ本体31から抜き差し自在にされている。このメモリカード20もHDD19と同様、所定に圧縮処理された画像などを記録することができる。又、本形態によるHDD19やメモリカード20には、第2の再生画像である動画ファイルがテーマ別に格納されている。この動画ファイルは、再生時の背景画像となるもので、以下、これを背景画像と称する。
【0024】
次に、各処理部の機能について簡単に説明する。CCDで撮影された画像(動画或いは静止画)は、A/D(アナログ/デジタル)変換された後、CCD出力デジタル信号として、信号処理部12に入力される。
【0025】
信号処理部12は、入力されたCCD出力デジタル信号に対して所定の色差補正、輪郭補正、及びγ補正等のデジタル信号処理を施す。
【0026】
JPEG/MPEG処理部13は、信号処理部12で信号処理されたCCD出力デジタル信号を、静止画の場合はJPEG方式を用い、動画の場合はMPEG方式を用いて圧縮処理し、データを一時記憶するメモリ部14を介して、HDD19或いはメモリカード20に記録する。或いは、HDD19又はメモリカード20に記録されている圧縮処理済みの画像データをJPEG方式やMPEG方式を用いて伸張処理する。又、ビデオ復調部15は、JPEG/MPEG処理部13で伸張処理された画像データを復調する。
【0027】
LCD制御部16は、ビデオ復調部15で復調された画像データをLCDモニタ17へ出力し、このLCDモニタ17に当該画像を表示させる。又、後述するように、自動連続再生の一態様であるスライドショーを用いて、第1の再生画像である画像データを再生するに際し、当該画像データと、その背景に表示される背景画像データとの合成画像を生成して出力する。
【0028】
LAN制御部21(及びUSB制御部22)は、HDD19やメモリカード20に記録されている画像データを、LAN伝送(USB伝送)により、パーソナルコンピュータ等の外部機器に、LAN端子23(USB端子34)を介して転送し、或いは、外部機器に記録されている動画ファイルや静止画ファイル等のデータを、LAN端子23(USB端子34)を介してHDD19やメモリカード20に転送する。
【0029】
マイコン25は、周知のCPU、RAM、ROM等を主体に構成されており、各処理部12〜15,19,21,22とバス30を介して接続され、予め記憶されている制御プログラムに従い各処理部12〜15,19,21,22に制御信号を出力し、これらの動作を制御する機能を有する。
【0030】
このような構成による画像再生装置を用いて被写体を撮影するに際しては、先ず、図2(b)に示すように、モニタ部37を立ち上げ、LCDモニタ17がユーザから視認できるような位置に回動させると共に、光学レンズ32を被写体の方向へ指向させる。モニタ部37が立ち上げられると電源ボタン46が自動的にONされ、カメラ本体31の各処理部12〜22、25等が起動する。
【0031】
そして、動画を撮影する場合は、カメラ本体31のモードレバー43を撮影モード側にスライドさせて撮影モードにセットする。又、静止画を撮影する場合は、モードレバー43を撮影モード側にスライドさせて撮影モードにセットする。
【0032】
すると、CCDで撮影された被写体は、A/D変換された後、CCD出力デジタル信号として、信号処理部12に入力されて所定に信号処理される。その後、メモリ部14を介してビデオ復調部15へ出力されて復調処理され、この復調された被写体像がLCDモニタ17上に表示される。
【0033】
そして、動画を撮影するに際しては、LCDモニタ17に表示されている被写体像を見ながら動画録画ボタン39をプッシュすると動画撮影が開始される。尚、この動画録画ボタン39を再度プッシュすると動画撮影が終了する。一方、静止画を撮影するに際しては、モニタ部37に表示される被写体の構図を決めてから、シャッタボタン33を押す。
【0034】
すると、信号処理部12で所定に信号処理されたCCD出力デジタル信号は、JPEG/MPEG処理部13において、動画の場合はMPEG方式を用いて圧縮処理し、静止画の場合はJPEG方式を用いて圧縮処理し、圧縮処理した画像データをメモリ部14を介して、HDD19或いはメモリカード20に記録する。
【0035】
又、HDD19或いはメモリカード20に記録されている画像データ(動画或いは静止画)を再生して、LCDモニタ17に表示する場合は、モードレバー43を動画再生モード、或いは静止画再生モード側にスライドさせる。
【0036】
すると、HDD19或いはメモリカード20から読み出された画像データ(動画或いは静止画)が、JPEG/MPEG処理部13において、画像データが静止画の場合はJPEG方式を用い、画像データが動画の場合はMPEG方式を用いて伸張処理し、所定に伸張処理した画像をメモリ部14を介してビデオ復調部15へ出力して復調処理し、この復調された画像をLCDモニタ17上に表示させる。
【0037】
又、HDD19或いはメモりカード20に記録されている画像データを、パーソナルコンピュータ等の外部機器に転送する場合、或いは外部機器に記録されている画像データをカメラ装置側で受信する場合は、カメラ装置と外部機器とをUSB端子34を介して接続し、USB制御部22を介して送受信を行う。又、DVDレコーダのような画像記録再生装置に、HDD19或いはメモりカード20に記録されている画像データを転送する場合は、LAN端子23を介してカメラ本体31と画像記録再生装置とを接続し、ネットワーク経由で送受信する。その結果、JPEG方式やMPEG方式で圧縮した画像データが、そのままストリーミングとしてネットワーク経由で画像記録再生装置に転送されることになる。
【0038】
一般に、HDD19或いはメモりカード20に記録されている画像を画像記録再生装置に記録させる場合、圧縮されている画像データを一度復調し、ビデオ端子やS端子を介してアナログ出力し、画像記録再生装置側で再圧縮して記録する。しかし、この方法では、画像データの再生時間と同じ時間をかけて記録する必要がある。これに対し、画像データをネットワーク経由で転送すれば、画像記録再生装置側での実記録時間が、再生時間の数十分の1で済む。又、画像データをネットワーク経由で転送するに際しては、当該画像データを再符号化する必要がないため劣化することはない。
【0039】
ところで、HDD19のような大容量記録媒体では、多くの画像を記録することができるため、ジョグダイヤル40を操作することで早送りが、早戻しを行うことができる。ジョグダイヤル40を操作すると、その回転角と回転スピードの情報がマイコン25に出力される。マイコン25では、ジョグダイヤル40からの情報に基づき画像の送り速度、戻速度などの表示スピードを制御する。
【0040】
又、再生モードを選択している状態で、メニューボタン42をONすると、LCDモニタ17に再生メニューが表示される。図3に示すように、再生メニューには、コマ表示、インデックス、スライドショーなどの選択項目が表示される。コマ表示は、HDD19或いはメモリカード20に記録されている、第1の再生画像としての画像(静止画と動画との双方を含む)ファイルを1コマずつ表示するもので、ジョグダイヤル40を回転させることで、順次コマ送りすることができる。インデックスは、ファイル番号の連続するサムネイル画像を所定個数ずつLCDモニタ17に表示するものである。
【0041】
又、スライドショーは、静止画ファイルを、所定のインターバルで順次再生するものである。尚、一般に、スライドショーは、スライド(静止画ファイル)が連続的に表示されるものを指すが、本形態では、静止画ファイルのスライド表示に混在して動画ファイルが表示される場合や、静止画ファイルに基づいて作成された動画ファイルを含む複数の動画ファイルが連続して再生する場合も、スライドショーと称する。この場合、本形態では、便宜的に、静止画ファイルと動画ファイルとの双方を指す場合は、画像ファイルと表現する。
【0042】
操作者がメニュー項目からスライドショーを選択する場合は、ジョグダイヤル40を回転させて、スライドショーを選び、OK/方向ボタン41を押す。この再生メニューは階層構造を有しており、順次表示されるメニューから所望の項目を選択する場合は、ジョグダイヤル40を回転させる。そして、その後、OK/方向ボタン41を押すことで、選択した項目が実行される。従って、以下においては、項目を選択する際のジョグダイヤル40の回転操作、及び項目を実行させる際のOK/方向ボタン41を押す操作の説明は省略し、単に「選択」と記載した場合は、ジョグダイヤル40等を操作してメニュー項目を所定に選択実行させることを意味するものとする。
【0043】
操作者がスライドショーを選択すると、次の画面において、表示する画像の種類を選択するメニューが表示される。このメニューは、HDD19やメモリカード20に静止画ファイルと動画ファイルとが混在して記録されている場合の再生画像を選択するもので、メニュー項目としては、「静止画のみ」、「動画のみ」、「静止画と動画」がある。「静止画と動画」を選択した場合、スライドショーは、静止画ファイルと動画ファイルとを順に表示する。又、「静止画のみ」或いは「動画のみ」を選択した場合は、当然、静止画ファイルのみ、或いは動画ファイルのみを、所定のインターバルで順に表示する。
【0044】
図4に示すように、HDD19やメモリカード20に、例えばI〜VIIIの画像ファイルが記録されており、その中で例えばファイルI〜V,VIIIが静止画ファイル、ファイルVI,VIIが動画ファイルとした場合、静止画のみを選択した場合は、ファイルI〜V,VIIIが所定のインターバルで順に再生される。又、動画のみを選択した場合、先ず、ファイルVIが再生され、このファイルVIの再生が終了した後、次のファイルVIIが再生される。更に、静止画と動画との双方を選択した場合は、ファイル I〜VIIIが順に再生される。
【0045】
そして、再生メニューからスライドショーを選択すると共に、表示させる再生画像を選択すると、次の画面に、再生パターンを選択するメニューが表示される。この再生パターンは、「スライドショーのみ」と「背景付き」とが設定されている。
【0046】
「スライドショーのみ」を選択すると、従来どおり、画像ファイルが順次再生される。一方、「背景付き」を選択した場合は、次の画面において、テーマ選択メニューが表示される。テーマ選択メニューは、再生時の背景画像となる動画ファイル(以下「背景画像ファイル」と称する)を選択するもので、図5に示すように、HDD19やメモリカード20には、テーマa,b,c…毎の背景画像ファイルが格納されている。この場合、テーマaの背景画像ファイルは山の風景、テーマbの背景画像ファイルは海中の景色、テーマcの背景画像ファイルは街の風景などである。この各背景画像ファイルは、メーカから提供されるもの以外に、撮影者が自ら撮影した動画ファイルを背景画像ファイルとして登録することも可能である。
【0047】
そして、テーマを選択して背景画像ファイルを特定すると、LCDモニタ17には、修飾画像を選択するメニューが表示される。修飾画像は、背景画像の周囲をマスクし、この背景画像の表示領域を予め設定されている枠形状内に制限して修飾するものであり、HDD19やメモリカード20には、複数の修飾画像1,2,3…が格納されている。図6に修飾画像を例示する。同図において、修飾画像1は背景画像の表示領域の四隅を丸めて表示させるもの、修飾画像2は背景画像をハート型に表示させるもの、修飾画像3は背景画像をキャラクタの形に表示させるものである。この場合、ハート型などでは、その周囲に花模様などを同時にテンプレート表示させるようにしても良い。尚、修飾画像を選択しなかった場合、LCDモニタ17全体に背景画像が表示される。
【0048】
そして、修飾画像を所定に選択し、或いは選択しないで次の画面を表示させると、表示モード選択メニューが表示される。表示モードは、本形態では縮小表示、透過表示が設定されており、この何れか一方、或いは双方を選択することができる。尚、何れも選択しなかった場合、当然、この表示モードは実行されない。
【0049】
縮小表示は、スライドショーの画像サイズを、LCDモニタ17の表示サイズよりも所定サイズに縮小した状態で表示せる、或いは画素数の少ない画像をそのまま表示させるもので、表示位置を、中央、右下、左下、右上、左上の何れかに設定することができる。スライドショーを縮小表示することで、スライドショーの周囲に背景画像の表示領域が設定される。
【0050】
従って、縮小表示を選択すると、スライドショー実行中は、その周囲に背景画像(動画)が表示されることになり、この背景画像によりスライドショーにより表示される画像を引き立たせることができる。例えば、運動会を撮影した画像をスライドショーで縮小表示するに際し、その背景画像として、運動会の風景を表示すれば、臨場感ある再生を行うことができる。同様に、例えばトレッキングの際に撮影した画像ファイルをスライドショーで表示させる場合、その背景画像として、山或いは山脈の風景を表示させることで、臨場感ある再生を行うことができる。尚、ここで、縮小表示を選択しなかった場合、スライドショーの表示領域はLCDモニタ17全体に設定される。
【0051】
透過表示は、再生画像を半透明化処理した半透明画像として、背景画像を透過表示させるもので、半透明化させるタイミングを、「常時」、「フェードイン・フェードアウトのみ」の2つから選択することができる。
【0052】
透過表示を「常時」に設定すると、再生画像が常時半透明化され、この再生画像から背景画像が透過されて表示される。又、「フェードイン・フェードアウトのみ」を選択すると、スライドショーで画像がフェードイン或いはフェードアウトするに際し、再生画像から背景画像が透過されて表示される。その結果、撮影後に何ら編集することなく、画像の切り替わり時の演出を効果的に行うことができる。
【0053】
そして、スライドショーを実行するに際し、背景付きが選択されると、背景画像と再生画像とで合成画像を生成し、この合成画像をLCDモニタ17に出力して表示させる。
【0054】
この合成画像は、ビデオ復調部15、及びLCD制御部16で生成されるもので、各処理部15,16では、図7に示すフローチャートに従って合成画像を生成し、出力する。
【0055】
このフローチャートでは、先ず、ステップS101で、選択したテーマ(a,b,c…)に対応する背景画像ファイルを見込み、ステップS102で、当該背景画像ファイルを構成する背景画像データを復調する。
【0056】
そして、ステップS103へ進み、当該背景画像データの表示設定を行う。表示設定は、背景画像の修飾が選択されている場合は、選択した修飾画像を読込み、当該修飾画像で背景画像をマスクし、所定の枠形状内に表示領域を設定する。そして、表示設定された背景画像データを1フレーム分ずつ出力する。
【0057】
一方、これと並行して、ステップS104で、スライドショーで再生する画像ファイル(再生画像ファイル)が読込まれ、ステップS105で、当該再生画像ファイルを構成する再生画像データを復調する。
【0058】
そして、ステップS106へ進み、当該再生画像データの表示設定を行う。表示設定は、表示モードが設定されている場合は、再生画像データを縮小表示処理すると共に、指定された表示位置に設定する。又、透過表示が設定されている場合は設定されている状態(「通常」或いは「フェードイン・フェードアウトのみ」)に応じて、再生画像データの半透明化処理を行う。そして、表示設定された再生画像データを1フレーム分ずつ出力する。
【0059】
その後、ステップS107で、1フレーム分の背景画像データ及び再生画像データとを合成して、1フレーム分の合成画像を生成する。
【0060】
ここで、1フレーム分の背景画像データと再生画像データとの合成方法について説明する。図8には、スライドショーにより表示される再生画像の縮小表示領域を、LCDモニタ17の右下に設定する態様が示されている。この場合、同図(b)に示す背景画像200(図においては、テーマaの画像ファイルに格納されている背景画像を代表として示す)と、同図(a)に示す再生画像300(図においては、画像ファイルIの画像を代表として示す)が合成されて、同図(c)に示すような、背景画像200の右下に再生画像300が取り込まれた合成画像が生成される。
【0061】
又、図9には、スライドショーにより表示される再生画像から背景画像を透過させて表示する態様が示されている。この場合、同図(b)に示す背景画像200と、同図(a)に示す再生画像300を合成すると、この再生画像300が半透明化処理されているため、同図(c)に示すように、再生画像300を透過して背景画像200が表示された合成画像が生成される。例えば、再生画像300の半透明化処理が、「通常」に設定されている場合、再生画像300の透過率を低くし、再生画像300のテーマに関連する背景画像(動画)200を再生画像300から薄く透過させて表示させるようにしておくことで、再生画像300を圧迫感なく表示させることができる。
【0062】
又、この再生画像300の半透明化処理が、「フェードイン・フェードアウトのみ」に設定されている場合、スライドショーで再生画像300がフェードイン及びフェードアウトする都度に、背景画像200が透過されて表示されるので、撮影後に何ら編集することなく、画像の切り替わり時の演出を効果的に行うことができる。
【0063】
又、図10には、スライドショーにより表示される再生画像を、LCDモニタ17の中央に縮小表示させると共に、この再生画像から背景画像を透過させる態様が示されている。この場合、同図(b)に示す背景画像200と、同図(a)に示す再生画像300を合成すると、この再生画像300が縮小され、且つ半透明化処理されているため、同図(c)に示すように、再生画像300の周囲に背景画像200が表示されると共に、再生画像300を透過して背景画像200が表示された合成画像が生成される。従って、例えば背景画像(動画)を運動会の風景を撮影した画像とし、スライドショーにより表示する再生画像を運動会を撮影した画像とすれば、臨場感のある再生を行うことができる。
【0064】
又、図11には、スライドショーにより表示される再生画像を、LCDモニタ17の中央に縮小表示させると共に、この再生画像から背景画像を透過させ、更に、背景画像を修飾画像400(図においては、修飾画像2を代表として示す)でマスクして、所定枠形状(図においてはハート型)に修飾した態様が示されている。
【0065】
この場合、図11(b)に示す背景画像200と、同図(c)に示す修飾画像400と、同図(a)に示す再生画像300を合成すると、同図(d)に示すように、背景画像200が修飾画像400でマスクされて、所定枠形状(図においてはハート型)に修飾され、その中央に再生画像300が縮小されて表示され、且つ半透明化処理されて表示された合成画像が生成される。
【0066】
例えば結婚式を撮影した画像をスライドショーを用いて表示する場合、その背景画像を結婚式場の風景を撮影した画像とし、これをハート型に修飾し、更に、その周囲にテンプレートを用いて花模様等を表示させれば、撮影後に何ら編集することなく、結婚式の画像を効果的な演出で再生させることができる。
【0067】
同様に、例えばテーマパークで撮影した画像をスライドショーを用いて表示する場合、その背景画像をテーマパーク内の撮影した画像とし、これをキャラクタの形(例えば修飾画像3)に修飾して表示させれば、撮影後に何ら編集することなく、テーマパークで撮影した画像を効果的な演出で再生させることができる。
【0068】
そして、このように生成された合成画像は、ステップS108でLCDモニタ17へ出力されて表示される。
【0069】
このように、本形態では、撮影した画像をスライドショーを用いて表示させるに際し、再生画像と背景画像との様々な態様による組み合わせの合成画像を表示できるようにしたので、スライドショーにて再生画像を表示させる際の選択肢が増え、付加価値が高くなり、その結果、商品価値をより高めることができる。
【0070】
尚、本発明は、上述した形態に限るものではなく、適用する機器はカメラ装置に限定されず、デジタルデータで記録されている画像を再生する画像再生装置を備える機器であれば、パーソナルコンピュータやビデオプレーヤなど、広範囲に適用することができる。又、記録媒体もHDD19やメモリカード20に限らず、DVD、CDなどの光学式記録媒体であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】カメラ装置の概略構成を示すブロック図
【図2】カメラ装置の外観構成を示し、(a)は正面斜視図、(b)は背面斜視図
【図3】階層構造を成す再生メニューの説明図
【図4】再生画像ファイルの説明図
【図5】背景画像ファイルの説明図
【図6】修飾画像の説明図
【図7】再生画像と背景画像との合成画像を生成する手順を示すフローチャート
【図8】再生画像を縮小表示した合成画像の説明図
【図9】再生画像から背景画像を透過させた合成画像の説明図
【図10】再生画像を縮小表示すると共に背景画像を透過させた合成画像の説明図
【図11】再生画像を縮小表示すると共に背景画像を修飾した状態の合成画像の説明図
【符号の説明】
【0072】
1,2,3…修飾画像
12…信号処理部
13…JPEG/MPEG処理部
14…メモリ部
15…ビデオ復調部
16…LCD制御部
17…LCDモニタ
20…メモリカード
25…マイコン
31…カメラ本体
37…モニタ部
42…メニューボタン
200…背景画像
300…再生画像
400…修飾画像
a,b,c…背景画像ファイル
I〜VIII…画像ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を記録する記録媒体と、
上記複数の画像を自動連続再生する表示制御手段と、
上記自動連続再生される上記画像を表示する表示手段と
を備える画像再生装置において、
上記画像は第1の再生画像と該第1の再生画像の背景画像となる第2の再生画像とを有し、
上記表示制御手段は、上記第1の再生画像と上記第2の再生画像との合成画像を自動連続再生させて上記表示手段に表示させる
ことを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
上記表示制御手段は、上記自動連続再生する上記第1の再生画像のサイズを上記表示手段の表示領域よりも縮小させ、該第1の再生画像の周囲に上記第2の再生画像の表示領域を設ける
ことを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
【請求項3】
上記表示制御手段は、上記自動連続再生する上記第1の再生画像のサイズを上記表示手段の表示領域と同一に設定すると共に、該第1の再生画像を半透明画像として表示させる
ことを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
【請求項4】
上記表示制御手段は、上記自動連続再生する上記第1の再生画像のサイズを上記表示手段の表示領域よりも縮小させると共に、該第1の再生画像を半透明画像として表示させる
ことを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
【請求項5】
上記表示制御手段は、上記第2の再生画像を枠形状の修飾画像でマスクして、該第2の再生画像の表示領域を該枠形状内に設定する
ことを特徴とする請求項1,2,4の何れかに記載の画像再生装置。
【請求項6】
複数の画像を記録する記録媒体と上記複数の画像を自動連続再生する表示制御手段と上記自動連続再生される上記画像を表示する表示手段とを制御するコンピュータを備え、
上記コンピュータに、
上記表示制御手段に対し、上記記録媒体に記録されている上記画像を構成する第1の再生画像と該第1の再生画像の背景画像となる第2の再生画像とを読込んで、合成画像を生成させると共に、該合成画像を自動連続再生させて上記表示手段に表示させる制御信号を出力する機能が備えられている
ことを特徴とする画像再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−303816(P2006−303816A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−121446(P2005−121446)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】