説明

画像処理システム、画像処理装置及び画像処理方法

【課題】 撮影装置によって撮影した画像を補正するための補正情報であって、製品として出荷された後に生じたバラツキにも対応可能な補正情報を容易に生成することを可能にするとともに、生成した補正情報を適切に管理・提供することが可能な画像処理システム、画像処理装置及び画像処理方法を提供する。
【解決手段】 画像処理システム1は、3D多眼カメラ10及び画像処理装置100を含んでおり、3D多眼カメラ10によって撮影される画像の補正に使用する補正情報を生成するためのシステムである。3D多眼カメラ10は、複数の撮影部12を備えており、補正用チャート150を撮影する。補正用チャート150を撮影して得られたチャート画像150Pは、画像処理装置100に送出される。画像処理装置100は、3D多眼カメラ10からチャート画像150P及び補正関連情報150Iを取得して補正情報D10を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理システム、画像処理装置及び画像処理方法に係り、特に多視点の画像を撮影する撮影装置の光学系等の誤差に起因する画像の補正を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の撮影レンズを有する撮像装置において、撮影レンズ間の焦点距離、Fナンバー、撮影レンズ光軸角が異なる場合に、各撮影レンズ間の差を補正することが開示されている。
【0003】
特許文献2には、複数のカメラからなるステレオカメラを用いて検査スクリーンを撮影し、ステレオ画像特性のバラツキを補正するための補正データを生成するステレオ画像特性検査システムが開示されている。
【0004】
特許文献3には、画像を記録保存可能な撮像装置において、画像補正データを取得して画像補正を行うことが開示されている。
【0005】
特許文献4には、複数のモノキュラ画像の集合体として構成された立体画像データが記録される3D画像ファイルにおいて、複数のモノキュラ画像の撮影時の撮影条件の同一性を示す情報を含むメタデータを付加することが開示している。
【特許文献1】特開平7−87385号公報
【特許文献2】特開2003−254748号公報
【特許文献3】特開2006−197212号公報
【特許文献4】特開2007−28295号公報(請求項8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、撮像装置が製品として出荷された後に生じたバラツキに対応するための画像補正をユーザが自分で行うことは困難であった。
【0007】
また、特許文献2から4に記載の技術では、カメラごとに補正データを生成して、当該補正データを総合的に管理することはできなかった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、撮影装置によって撮影した画像を補正するための補正情報であって、製品として出荷された後に生じたバラツキにも対応可能な補正情報を容易に生成することを可能にするとともに、生成した補正情報を適切に管理・提供することが可能な画像処理システム、画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る画像処理システムは、画像処理装置と、前記画像処理装置と通信可能な撮影装置とを備えており、前記撮影装置は、画像を撮影するための撮影手段と、前記撮影手段によって補正用チャートを撮影して得られたチャート画像を前記画像処理装置に送出する画像送出手段と前記チャート画像の撮影に関連する補正関連情報を前記画像処理装置に送出する関連情報送出手段とを備え、前記画像処理装置は、前記撮影装置から送出されたチャート画像を取得するチャート画像取得手段と、前記撮影装置から送出された補正関連情報を取得する補正関連情報取得手段と、前記チャート画像及び前記補正関連情報を送出した撮影装置によって撮影された画像の補正に用いる補正情報を生成するとともに、該撮影装置を特定するための撮影装置特定情報を前記補正情報に付加する補正情報生成手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
上記第1の態様によれば、補正用チャートを撮影して得られたチャート画像と撮影時の補正関連情報を画像処理装置に送出して補正情報を生成し、チャート画像を撮影した撮影装置を特定するための情報とともに保存することで、画像の補正を行うときに適切な補正情報を提供することができる。
【0011】
本発明の第2の態様に係る画像処理システムは、上記第1の態様において、前記撮影手段は、複数視点からの画像を撮影することを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の態様に係る画像処理システムは、上記第1又は第2の態様において、前記画像処理装置は、前記撮影装置によって撮影された補正対象画像を取得する画像取得手段と、前記補正対象画像を撮影した撮影装置の撮影装置特定情報に基づいて、前記補正情報生成手段によって生成された補正情報の中から前記補正対象画像を撮影した撮影装置の補正情報を取得する補正情報取得手段と、前記補正情報を用いて前記補正対象画像を補正する画像補正手段とを更に備えることを特徴とする。
【0013】
上記第3の態様によれば、画像処理装置において生成、保存された補正情報の中から、補正対象画像を撮影した撮影装置用の補正情報を読み出して画像を補正することができる。これにより、様々な撮影装置に対応する補正情報を、画像処理装置において総合的に管理することができる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る画像処理システムは、上記第1から第3の態様において、前記画像処理装置は、前記撮影装置特定情報によって特定される撮影装置に対して前記補正情報を送出する補正情報送出手段を更に備え、前記撮影装置は、前記画像処理装置から送出された補正情報を取得する補正情報取得手段と、前記補正情報を用いて前記補正対象画像を補正する画像補正手段とを更に備えることを特徴とする。
【0015】
上記第4の態様によれば、画像処理装置において生成、保存された補正情報の中から、補正対象画像を撮影した撮影装置用の補正情報を読み出して当該撮影装置に送出することにより、撮影装置側で画像を補正することができる。これにより、様々な撮影装置に対応する補正情報を、画像処理装置において総合的に管理することができる。
【0016】
本発明の第5の態様に係る画像処理システムは、上記第4の態様において、前記画像処理装置は、前記補正情報送出手段により補正情報を送出するときに、前記撮影装置との間で通信可能であるかどうかを確認する確認手段を更に備えることを特徴とする。
【0017】
上記第5の態様によれば、送出先の撮影装置が補正情報を受入可能であるかどうか事前に確認するようにしたので、送出先の撮影装置に適切な補正情報を確実に提供することができる。
【0018】
本発明の第6の態様に係る画像処理システムは、上記第4又は第5の態様において、前記撮影装置は、前記補正情報取得手段により取得した補正情報から撮影装置特定情報を取得し、自己の撮影装置特定情報と照合することを特徴とする。
【0019】
上記第6の態様によれば、撮影装置が取得した補正情報が適切なものであるかどうか確認することができる。
【0020】
本発明の第7の態様に係る画像処理システムは、上記第4から第6の態様において、前記画像処理装置は、前記チャート画像の撮影時の設定情報を取得する取得手段を更に備え、前記補正情報生成手段は、前記設定情報を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加し、前記補正情報取得手段は、前記補正対象画像の撮影時の設定情報と同一の設定情報が付加された補正情報を取得することを特徴とする。
【0021】
上記第7の態様によれば、撮影時の設定情報に基づいて、補正対象画像の補正に使用する補正情報を特定することができる。
【0022】
本発明の第8の態様に係る画像処理システムは、上記第1から第7の態様において、前記画像処理装置は、前記チャート画像及び補正関連情報を送出した撮影装置を特定するための識別子を取得する取得手段を更に備え、前記補正情報生成手段は、前記チャート画像を撮影した撮影装置を特定するための識別子を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加することを特徴とする。
【0023】
上記第8の態様によれば、撮影装置に固有の識別子(カメラID)に基づいて、補正対象画像の補正に使用する補正情報を特定することができる。
【0024】
本発明の第9の態様に係る画像処理システムは、上記第1から第8の態様において、前記画像処理装置は、前記補正用チャートを画像データとして記憶する第1の記憶手段と、前記撮影装置からの要求に応じて、前記補正用チャートを前記撮影装置に送出する第1の送出手段とを更に備えることを特徴とする。
【0025】
上記第9の態様によれば、補正用チャートを撮影装置に提供することにより、補正情報の作成作業を容易に行うことができる。
【0026】
本発明の第10の態様に係る画像処理システムは、上記第1から第9の態様において、前記画像処理装置は、前記チャート画像の撮影及び送出を行うための手順が記載されたマニュアル情報を記憶する第2の記憶手段と、前記撮影装置からの要求に応じて、前記マニュアル情報を前記撮影装置に送出する第2の送出手段とを更に備えることを特徴とする。
【0027】
上記第10の態様によれば、マニュアル情報を提供することにより、一般のユーザであっても補正情報の作成作業を容易に行うことができる。
【0028】
本発明の第11の態様に係る画像処理システムは、上記第10の態様において、前記撮影装置は、画像を表示するための表示手段を更に備え、前記第2の記憶手段は、前記表示手段に表示可能な形式の画像データとして前記マニュアル情報を記憶することを特徴とする。
【0029】
上記第11の態様によれば、通常の撮影装置に設けられた画像表示用の表示手段にマニュアル情報を表示させることができるので、マニュアル情報の確認のための特別な装置又は作業工程を要しない。これにより、補正情報の作成作業をより容易化することができる。
【0030】
本発明の第12の態様に係る画像処理装置は、撮影装置によって補正用チャートを撮影して得られたチャート画像を取得する画像取得手段と、前記チャート画像の撮影に関連する補正関連情報を前記撮影装置から取得する補正関連情報取得手段と、前記チャート画像及び前記補正関連情報を送出した撮影装置によって撮影された画像の補正に用いる補正情報を生成するとともに、該撮影装置を特定するための撮影装置特定情報を前記補正情報に付加する補正情報生成手段とを備えることを特徴とする。
【0031】
本発明の第13の態様に係る画像処理装置は、上記第12の態様において、前記チャート画像取得手段は、前記補正用チャートが複数視点から撮影されたチャート画像を取得すること特徴とする。
【0032】
本発明の第14の態様に係る画像処理装置は、上記第12又は第13の態様において、前記撮影装置によって撮影された補正対象画像を取得する画像取得手段と、前記補正対象画像を撮影した撮影装置の撮影装置特定情報に基づいて、前記補正情報生成手段によって生成された補正情報の中から前記補正対象画像を撮影した撮影装置の補正情報を取得する補正情報取得手段と、前記補正情報を用いて前記補正対象画像を補正する画像補正手段とを更に備えることを特徴とする。
【0033】
本発明の第15の態様に係る画像処理装置は、上記第12から第14の態様において、前記撮影装置特定情報によって特定される撮影装置に対して前記補正情報を送出する補正情報送出手段を更に備えることを特徴とする。
【0034】
本発明の第16の態様に係る画像処理装置は、上記第15の態様において、前記補正情報送出手段により補正情報を送出するときに、前記撮影装置との間で通信可能であるかどうかを確認する確認手段を更に備えることを特徴とする。
【0035】
本発明の第17の態様に係る画像処理装置は、上記第14から第16の態様において、前記チャート画像の撮影時の設定情報を取得する取得手段を更に備え、前記補正情報生成手段は、前記設定情報を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加し、前記補正情報取得手段は、前記補正対象画像の撮影時の設定情報と同一の設定情報が付加された補正情報を取得することを特徴とする。
【0036】
本発明の第18の態様に係る画像処理装置は、上記第12から第17の態様において、前記チャート画像及び補正関連情報を送出した撮影装置を特定するための識別子を取得する取得手段を更に備え、前記補正情報生成手段は、前記チャート画像を撮影した撮影装置を特定するための識別子を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加することを特徴とする。
【0037】
本発明の第19の態様に係る画像処理装置は、上記第12から第18の態様において、前記補正用チャートを画像データとして記憶する第1の記憶手段と、前記撮影装置からの要求に応じて、前記補正用チャートを前記撮影装置に送出する第1の送出手段とを更に備えることを特徴とする。
【0038】
本発明の第20の態様に係る画像処理装置は、上記第12から第19の態様において、前記チャート画像の撮影及び送出を行うための手順が記載されたマニュアル情報を記憶する第2の記憶手段と、前記撮影装置からの要求に応じて、前記マニュアル情報を前記撮影装置に送出する第2の送出手段とを更に備えることを特徴とする。
【0039】
本発明の第21の態様に係る画像処理装置は、上記第20の態様において、前記第2の記憶手段は、前記撮影装置に設けられた画像表示用の表示手段に表示可能な形式の画像データとして前記マニュアル情報を記憶することを特徴とする。
【0040】
本発明の第22の態様に係る画像処理方法は、撮影装置によって補正用チャートを撮影して得られたチャート画像を、画像処理装置に送出する画像送出工程と、前記チャート画像の撮影に関連する補正関連情報を、前記撮影装置から前記画像処理装置に送出する補正関連送出取得工程と、前記画像処理装置によって、前記チャート画像及び前記補正関連情報を送出した撮影装置によって撮影された画像の補正に用いる補正情報を生成するとともに、該撮影装置を特定するための撮影装置特定情報を前記補正情報に付加する補正情報生成工程とを備えることを特徴とする。
【0041】
本発明の第23の態様に係る画像処理方法は、上記第22の態様において、前記チャート画像取得工程では、前記補正用チャートが複数視点から撮影されたチャート画像を取得すること特徴とする。
【0042】
本発明の第24の態様に係る画像処理方法は、上記第22又は第23の態様において、前記撮影装置によって撮影された補正対象画像を、前記画像処理装置に送出する画像送出工程と、前記補正対象画像を撮影した撮影装置の撮影装置特定情報に基づいて、前記補正情報生成工程において生成された補正情報の中から前記補正対象画像を撮影した撮影装置の補正情報を取得する補正情報取得工程と、前記補正情報を用いて前記補正対象画像を補正する画像補正工程とを更に備えることを特徴とする。
【0043】
本発明の第25の態様に係る画像処理方法は、上記第22から第24の態様において、前記撮影装置特定情報によって特定される撮影装置に対して前記画像処理装置から補正情報を送出する補正情報取得工程と、前記撮影装置において、前記画像処理装置から送出された補正情報を用いて前記補正対象画像を補正する画像補正工程とを更に備えることを特徴とする。
【0044】
本発明の第26の態様に係る画像処理方法は、上記第25の態様において、前記補正情報送出手段により補正情報を送出するときに、前記撮影装置との間で通信可能であるかどうかを前記画像処理装置により確認する確認工程を更に備えることを特徴とする。
【0045】
本発明の第27の態様に係る画像処理方法は、上記第25又は第26の態様において、前記撮影装置は、前記補正情報取得工程において取得した補正情報から撮影装置特定情報を取得し、自己の撮影装置特定情報と照合することを特徴とする。
【0046】
本発明の第28の態様に係る画像処理方法は、上記第24から第27の態様において、前記チャート画像の撮影時の設定情報を取得する取得工程を更に備え、前記補正情報生成工程では、前記設定情報を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加し、前記補正情報取得工程では、前記補正対象画像の撮影時の設定情報と同一の設定情報が付加された補正情報を取得することを特徴とする。
【0047】
本発明の第29の態様に係る画像処理方法は、上記第22から第28の態様において、前記チャート画像及び補正関連情報を送出した撮影装置を特定するための識別子を取得する取得工程を更に備え、前記補正情報生成工程では、前記チャート画像を撮影した撮影装置を特定するための識別子を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加することを特徴とする。
【0048】
本発明の第30の態様に係る画像処理方法は、上記第22から第29の態様において、前記撮影装置からの要求に応じて、画像データとして前記画像処理装置に記憶された補正用チャートを前記撮影装置に送出する第1の送出工程を更に備えることを特徴とする。
【0049】
本発明の第31の態様に係る画像処理方法は、上記第22から第30の態様において、前記撮影装置からの要求に応じて、前記チャート画像の撮影及び送出を行うための手順が記載されたマニュアル情報を前記撮影装置に送出する第2の送出工程を更に備えることを特徴とする。
【0050】
本発明の第32の態様に係る画像処理方法は、上記第31の態様において、前記マニュアル情報は、前記撮影装置に設けられた画像表示用の表示工程に表示可能な形式の画像データとして前記画像処理装置に記憶されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、補正用チャートを撮影して得られたチャート画像と撮影時の補正関連情報を画像処理装置に送出して補正情報を生成し、チャート画像を撮影した撮影装置を特定するための情報とともに保存することで、画像の補正を行うときに適切な補正情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、添付図面に従って本発明に係る画像処理システム、画像処理装置及び画像処理方法の好ましい実施の形態について説明する。
【0053】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理システムの主要構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像処理システム1は、3D多眼カメラ10及び画像処理装置100を含んでおり、3D多眼カメラ10によって撮影される画像の補正に使用する補正情報を生成するためのシステムである。
【0054】
3D多眼カメラ10は、複数の撮影部12を備えており、補正用チャート150を撮影する。補正用チャート150を撮影して得られたチャート画像150Pは、画像処理装置100に送出される。
【0055】
画像処理装置100は、3D多眼カメラ10からチャート画像150P及び補正関連情報150I(例えば、チャート画像150Pの撮影時の撮影条件を含む情報)を取得して補正情報D10を生成する。画像処理装置100によって生成された補正情報D10は、3D多眼カメラ10に送出され、3D多眼カメラ10によって撮影される画像の補正に使用される。
【0056】
[3D多眼カメラ10の構成]
図2は、3D多眼カメラ10の主要構成を示すブロック図である。図2に示すように、3D多眼カメラ10(以下、カメラ10という)は、複数の撮影部12−1、12−2、…、12−N(N≧2)を備えており、同一の被写体を多視点から撮影した視差画像を取得し、3次元表示用の画像ファイルとして記録する。
【0057】
本体CPU14(以下、CPU14という)は、各種の操作部材からの入力に基づき所定の制御プログラムに従ってカメラ10全体の動作を統括制御する制御手段として機能する。
【0058】
カメラ10は、ユーザからの入力を受け付けるための操作部材として、電源スイッチ(電源SW)68、レリーズボタン46及び入力部26を備えている。
【0059】
電源スイッチ68は、カメラ10の電源のオン・オフの切り替え手段として機能する。CPU14は、電源スイッチ68がオン操作されたことを検知すると、電源制御部64に対して起動指令の信号を与えて、電源制御部64を起動させる。電源制御部64は、DC/DCコンバータ62を制御して、バッテリ66から供給される電力を所要の電圧に変換させてカメラ10内の各部に供給させる。これにより、カメラ10が動作可能になる。
【0060】
レリーズボタン46は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる2段ストローク式のスイッチで構成されている。静止画撮影モード時には、レリーズボタン46が半押しされると、撮影準備処理(即ち、AE(Automatic Exposure:自動露出)、AF(Auto Focus:自動焦点合わせ)、AWB(Automatic White Balance:自動ホワイトバランス))が行われ、レリーズボタン46が全押しされると、画像の撮影・記録処理が行われる。また、動画撮影モード時には、レリーズボタン46が全押しされると、動画の撮影が開始され、再度全押しされると、撮影が終了する。設定により、レリーズボタン46が全押しされている間、動画の撮影が行われ、全押しが解除されると、撮影を終了するようにすることもできる。なお、静止画撮影用のレリーズボタンと動画撮影用のレリーズボタンを別々に設けるようにしてもよい。
【0061】
入力部26は、モードスイッチ、モードダイヤル、十字ボタン、ズームボタン、MENU/OKボタン、DISPボタン及びBACKボタン等の操作入力手段を含んでいる。入出力ポート(I/O)28は、入力部26からの入力に使用される端子である。
【0062】
モードスイッチは、カメラ10の動作モードを再生モードと撮影モードとの間で切り替えるための操作手段として機能する。
【0063】
モードダイヤルは、カメラ10の撮影モードを切り替えるための操作手段であり、モードダイヤルの設定位置に応じて、2次元の静止画を撮影する2D静止画撮影モード、2次元の動画を撮影する2D動画撮影モード、3次元の静止画を撮影する3D静止画撮影モード及び3次元の動画を撮影する3D動画撮影モードの間で撮影モードが切り替えられる。なお、以下の説明では、2D静止画撮影モード及び2D動画撮影モードを2Dモード、3D静止画撮影モード及び3D動画撮影モードを3Dモードという。
【0064】
十字ボタンは、上下左右4方向に押圧操作可能に設けられており、各方向のボタンには、カメラ10の動作モード等に応じた機能が割り当てられる。例えば、撮影モード時には、左ボタンにマクロ機能のオン/オフを切り替える機能が割り当てられ、右ボタンにフラッシュ発光モードと非発光モードとを切り替える機能が割り当てられる。また、撮影モード時には、上ボタンに表示部38の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンにセルフタイマのオン/オフを切り替える機能が割り当てられる。再生モード時には、左ボタンにコマ送りの機能が割り当てられ、右ボタンにコマ戻しの機能が割り当てられる。また、再生モード時には、上ボタンに表示部38の明るさを替える機能が割り当てられ、下ボタンに再生中の画像を削除する機能が割り当てられる。また、各種設定時には、表示部38に表示されたカーソルを各ボタンの方向に移動させる機能が割り当てられる。
【0065】
ズームボタンは、撮影部12−1、12−2、…、12−Nのズーミング操作を行うための操作手段であり、望遠側へのズームを指示するズームテレボタンと、広角側へのズームを指示するズームワイドボタンとを備えている。
【0066】
MENU/OKボタンは、メニュー画面の呼び出し(MENU機能)に用いられるとともに、選択内容の確定、処理の実行指示等(OK機能)に用いられ、カメラ10の設定状態に応じて割り当てられる機能が切り替えられる。メニュー画面では、MENU/OKボタンは、例えば、露出値、色合い、撮影感度、記録画素数等の画質調整やセルフタイマの設定、測光方式の切り替え、デジタルズームを使用するか否か等、カメラ10が持つすべての調整項目の設定が行われる。カメラ10は、このメニュー画面で設定された条件に応じて動作する。
【0067】
DISPボタンは、表示部38の表示内容の切り替え指示等の入力に用いられ、BACKボタンは入力操作のキャンセル等の指示の入力に用いられる。
【0068】
CPU14には、バス16を介してシステムメモリ18及び不揮発性メモリ20が接続されている。システムメモリ18は、CPU14が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されるROMと、CPU14の演算作業用領域(ワークメモリ)として使用されるRAMを含んでいる。不揮発性メモリ20は、ユーザ設定情報等のカメラ10の動作に関する各種設定情報等を格納するためのメモリである。不揮発性メモリ20は、電源オフ後にも格納した情報を保持することが可能になっている。
【0069】
カメラ10は、メモリカード32を装着するためのメモリカードスロット34を備えている。メモリカード32としては、例えば、xDピクチャカード(登録商標)、SDカード(登録商標)、スマートメディア(登録商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等、種々の媒体を用いることができる。カードインターフェイス部(カードI/F)36は、CPU14からの指令に従い、メモリカード32に対するデータの読み書きを制御する。
【0070】
表示部38は、例えば、カラー液晶パネル又は有機ELを備えた表示装置により構成される。表示部38は、撮影済み画像を表示するための画像表示部として使用されるとともに、各種設定時にGUIとして使用される。また、表示部38は、撮影モード時に、撮影部12により撮影されたライブビュー画像(スルー画)を表示する電子ファインダとして利用される。
【0071】
カメラ10は、画像を表示部38に2次元で再生(2D再生)するための2D再生モードと、3次元で再生(3D再生)するための3D再生モードとを有している。ここで、3D再生の方式としては、例えば、特殊なメガネを使用するアナグリフ方式、カラーアナグリフ方式、偏光フィルタ方式、時分割立体テレビジョン方式のほか、例えば、表示部38前面に垂直方向のスリットを形成し、スリット後方の表示部38の表示面に左右の像を示す短冊状の画像断片を交互に配列して表示するパララックスバリア(視差バリア)方式、かまぼこ状のレンズ群を有したいわゆるレンチキュラレンズを表示部38の表面に配置するレンチキュラ方式、マイクロレンズアレイシートを用いるインテグラルフォトグラフィ方式、干渉現象を利用するホログラフィ方式を適用可能である。なお、3次元表示を行うための手段は、上記に列挙したものに限定されるものではない。
【0072】
表示制御部40は、メモリカード32又は撮影部12から読み出された画像データを表示用の画像信号(例えば、NTSC信号、PAL信号又はSCAM信号)に変換して表示部38に出力する。フレームメモリ42は、表示用の画像データを一時記憶する。OSD生成部44は、所定の文字、図形情報(例えば、オンスクリーン表示用のデータ)を表示制御部40に出力する。表示制御部40は、OSD生成部44から入力されたオンスクリーン表示用のデータを表示用の画像信号に重畳して表示部38に出力する。また、表示制御部40は、所定のインターフェイス(例えば、USB、IEEE1394、LAN)を介して接続された外部表示装置(不図示)に表示用の画像信号を出力可能となっている。
【0073】
コネクタ22は、外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、画像ストレージ装置、サーバ)と接続するためのインターフェイスである。USBドライバ24は、コネクタ22を介して接続された外部機器との間の入出力の制御を行うとともに、所定のプロトコル処理を行う。なお、外部機器との間の通信の方式としては、USBのほか、例えば、IEEE1394、LAN、赤外線通信(IrDA)等を用いてもよい。
【0074】
タイマ52は、タイマ撮影時に時間を測定するための回路である。カレンダ・時計54は、日付及び時刻の計時を行うための回路である。なお、カレンダ・時計54は、電源オフ時にもバッテリ66又はバックアップ用の電池(不図示)から電源の供給を受けて動作するようになっている。
【0075】
次に、カメラ10の撮影機能について説明する。なお、図2では、各撮影部12−1、12−2、…、12−N内の各部にそれぞれ符号1、2、…、Nを付して区別しているが、各部の機能は略同様であるため、以下の説明では、符号1、2、…、Nを省略して説明する。
【0076】
撮影部12は、光学系70、撮像素子72、アナログ信号処理部74、A/D変換器76、駆動制御部78、タイミングジェネレータ(TG)80及び積算回路82を含んでいる。
【0077】
光学系70は、ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞りを備えている。CPU14は、入力部26からの入力に従って、光学系70のズーム、フォーカス及び絞りを制御するための制御信号を駆動制御部78に出力する。駆動制御部78は、CPU14からの制御信号に従って、ズームレンズの位置を制御してズーミングを行うとともに、フォーカスレンズの位置を制御してフォーカシングを行う。また、駆動制御部78は、CPU14からの制御信号に従って、絞りの開口量(絞り値、F値)を制御して撮像素子72への入射光量を制御する。
【0078】
CPU14は、各撮影部の光学系70−1、70−2、…、70−Nを同期させて駆動する。即ち、光学系70−1、70−2、…、70−Nは、常に同じ焦点距離(ズーム倍率)に設定され、常に同じ被写体にピントが合うように焦点調節が行われる。また、常に同じ入射光量(絞り値)となるように絞りが調整される。
【0079】
撮像素子72は、カラーCCD固体撮像素子により構成されている。なお、本実施形態では、撮像素子72としてCCDを用いたが、例えば、CMOS等の他の形態の撮像素子を用いるようにしてもよい。
【0080】
撮像素子72(以下、CCD72という)の受光面には、多数のフォトダイオードが2次元的に配列されており、各フォトダイオードには所定の配列でR、G、Bの3色のカラーフィルタが配置されている。光学系70によってCCD72の受光面上に結像された被写体の光学像は、このフォトダイオードによって入射光量に応じた信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU14の指令に従ってTG80から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)としてCCD72から順次読み出される。CCD72は、電子シャッタ機能を備えており、フォトダイオードへの電荷蓄積時間を制御することにより、露光時間(シャッタスピード)が制御される。また、CPU14は、CCD72のOFD(Overflow Drain)の電位を制御して、CCD72のフォトダイオードに蓄積される信号電荷の上限値を調整する。
【0081】
アナログ信号処理部74は、CCD72から出力された画像信号に含まれるリセットノイズ(低周波)を除去するための相関2重サンプリング回路(CDS)、画像信号を増幅して一定レベルの大きさにコントロールするためのAGS回路を含み、CCD72から出力される画像信号を相関2重サンプリング処理するとともに増幅する。アナログ信号処理部74におけるR、G、B信号の増幅ゲインは、撮影感度(ISO感度)に相当する。CPU14は、この増幅ゲインを調整することにより撮影感度を設定する。
【0082】
A/D変換器76は、アナログ信号処理部74から出力されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換する。A/D変換器76から出力されたR、G、Bの画像信号は、システムメモリ18のRAMに格納される。
【0083】
デジタル信号処理部30は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス調整回路、階調変換処理回路(例えば、ガンマ補正回路)、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含む画像処理手段として機能し、システムメモリ18のRAMに格納されたR、G、Bの画像信号に対して所定の信号処理を行う。即ち、R、G、Bの画像信号は、デジタル信号処理部30において輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)を含むYUV信号に変換されるとともに、階調変換処理(例えば、ガンマ補正)等の所定の処理が施される。デジタル信号処理部30により処理された画像データはフレームメモリ42に格納される。
【0084】
撮影した画像を表示部38に出力する場合、フレームメモリ42から画像データが読み出されて表示制御部40に送られる。表示制御部40は、入力された画像データを表示用の所定方式のビデオ信号(例えば、NTSC方式のカラー複合画像信号)に変換して表示部38に出力する。
【0085】
フレームメモリ42は、少なくとも2つの記憶領域(以下、A領域及びB領域という)を有している。各撮影部12−1、12−2、…、12−Nから出力された画像データは、撮影コマごとにまとめられてフレームメモリ42のA領域及びB領域に交互に書き込まれる。ライブビュー画像(スルー画)を表示する場合には、フレームメモリ42のA領域及びB領域に書き込まれた画像データは交互に読み出されて、表示制御部40によってビデオ信号に変換された後、表示部38に供給される。これにより、撮影中の画像がリアルタイムに表示部38に表示される。撮影者は、このライブビュー画像によって撮影画角を確認できる。
【0086】
レリーズボタンが半押しされ、S1がオンすると、AE及びAF処理が開始される。積算回路82は、A/D変換器76からR、G、Bの画像信号を取り込み、AF制御に必要な焦点評価値を算出する。積算回路82は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面に設定された所定のフォーカスエリア内の信号を切り出すフォーカスエリア抽出部、及びフォーカスエリア内の絶対値データを積算する積算部を含み、この積算部で積算されたフォーカスエリア内の絶対値データを焦点評価値としてCPU14に出力する。
【0087】
CPU14は、AF制御時には積算回路82−1、82−2、…、82−Nのいずれか1つから焦点評価値を取り込んで、焦点評価値が極大となる位置をサーチし、その位置にフォーカスレンズを移動させることにより、主要被写体への焦点合わせを行う。例えば、CPU14は、AF制御時には、まず、フォーカスレンズを至近から無限遠まで移動させ、その移動過程で積算回路82から焦点評価値を逐次取得し、その焦点評価値が極大となる位置を検出する。そして、検出された焦点評価値が極大の位置を合焦位置と判定し、その位置にフォーカスレンズ44を移動させる。これにより、フォーカスエリアに位置する被写体(主要被写体)にピントが合わせられる。
【0088】
また、積算回路82は、A/D変換器76からR、G、Bの画像信号を取り込み、AE制御及びAWB制御に必要な積算値を算出する。即ち、積算回路82は、1画面を複数のエリア(例えば、8×8=64エリア)に分割し、分割されたエリアごとにR、G、B信号の積算値を算出する。
【0089】
CPU14は、AE制御時に、積算回路82−1、82−2、…、82−Nのいずれか1つからエリアごとのR、G、B信号の積算値を取得し、被写体の明るさ(測光値)を求めて、適正な露光量を得るための露出設定を行う。即ち、CPU14は、撮影感度、絞り値、シャッタスピードを設定する。また、CPU14は、オート撮影時にフラッシュ発光の要否を判定し、フラッシュ発光モード/非発光モードの設定を行う。
【0090】
CPU14は、フラッシュ発光モードの場合にフラッシュ制御部50に制御信号を送って動作させる。フラッシュ制御部50は、フラッシュ発光部(放電管、キセノン管)48を発光させるための電流を供給するためのメインコンデンサを含んでおり、CPU14からのフラッシュ発光指令に従ってメインコンデンサの充電制御、フラッシュ発光部48の放電(発光)のタイミング及び放電時間の制御等を行う。なお、フラッシュ発光部48としては、LED等の他の発光手段を用いてもよい。
【0091】
また、CPU14は、AWB制御時に、積算回路82−1、82−2、…、82−Nのいずれか1つからエリアごとのR、G、B信号の積算値を取得してデジタル信号処理部30に入力する。デジタル信号処理部30は、積算回路82により算出された積算値に基づいてホワイトバランス調整用のゲイン値を算出する。また、デジタル信号処理部30は、積算回路82により算出された積算値に基づいて光源種を検出する。
【0092】
レリーズボタン46が半押しされて(S1オン)、AE及びAF処理が行われた後、レリーズボタン46が全押しされると(S2オン)、記録用の撮影動作がスタートする。
【0093】
2Dモード時には、S2オンに応動して取得された画像データはデジタル信号処理部30において輝度/色差信号(Y/C信号)に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、システムメモリ18のRAMに格納される。上記RAMに格納されたY/C信号は、圧縮・伸張処理部58によって圧縮された後、所定形式の画像ファイルとしてメモリカード32に記録される。例えば、静止画についてはJPEG(Joint Photographic Experts Group)、動画についてはMPEG2又はMPEG4、H.264規格に準拠した圧縮画像ファイルとして記録される。
【0094】
一方、3Dモード時には、S2オンに応動して、撮影部12−1、12−2、…、12−Nから多視点の画像データが取得される。この多視点の画像データは、デジタル信号処理部30においてY/C信号に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、システムメモリ18のRAMに格納される。
【0095】
画像差分演算回路56は、上記多視点の画像データの中の所定の1枚の基準画像のY/C信号と、該基準画像以外の画像のY/C信号との差分情報を求める。ここで、基準画像としてどの撮影部によって撮影された画像を用いるかについては、設定により変更可能となっている。
【0096】
上記基準画像のY/C信号が圧縮・伸張処理部58によって圧縮される。そして、圧縮されたY/C信号と差分情報とを格納する3D画像ファイルが生成されてメモリカード32に記録される。ここで、差分情報は、3D画像ファイル内に付加情報として記録されるようにしてもよいし、上記3D画像ファイルと関連付けられた別のファイルとして記録されるようにしてもよい。
【0097】
次に、カメラ10の画像再生機能について説明する。モード選択スイッチにより再生モードが選択されると、メモリカード32に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録された画像ファイル)が読み出されて、画像の再生動作がスタートする。
【0098】
読み出された画像ファイルが2D画像ファイルの場合には、圧縮・伸張処理部58によって非圧縮のY/C信号に伸張される。このY/C信号は、表示制御部40によって表示用の画像信号に変換されて表示部38に出力される。これにより、当該画像ファイルの画像内容が表示部38に表示される。
【0099】
画像の再生中に(動画の先頭フレーム再生中も含む)、十字キーの右キー又は左キーを操作することによって、再生対象の画像ファイルを切り換えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされた位置の画像ファイルがメモリカード32から読み出されて表示部38に再生表示される。
【0100】
2D再生モードで3D画像ファイルを再生する場合には、画像生成部60により3D画像ファイルから基準画像の圧縮画像データが読み出される。そして、基準画像の圧縮画像データは伸張処理された後、上記と同様にして表示制御部40に出力される。これにより、3D画像ファイル中の基準画像が2D再生される。
【0101】
一方、3D再生モードで3D画像ファイルを再生する場合、画像生成部60によって3D画像ファイルから基準画像の圧縮画像データと差分情報とが読み出される。次に、基準画像の圧縮画像データが圧縮・伸張処理部58によって伸張され、基準画像のY/C信号が生成される。画像生成部60は、基準画像のY/C信号と差分情報から多視点の画像データを生成して表示制御部40に出力する。これにより、3D画像ファイルが3D再生される。
【0102】
なお、本実施形態では、多視点画像を記録する際に、Y/C信号の差分情報を求めるようにしたが、R、G、B信号の差分情報を求めるようにしてもよい。この場合、3D表示を行う際には、基準画像のY/C信号をR、G、B信号に変換した後、基準画像のR、G、B信号と差分情報から多視点の画像データを生成して出力するようにすればよい。
【0103】
[画像処理装置(PC)100の構成]
図3は、画像処理装置100の主要構成を示すブロック図である。本実施形態では、画像処理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)によって構成されている。図3に示すように、中央処理装置(CPU)102は、バス104を介して画像処理装置100内の各ブロックに接続されており、各ブロックの動作を制御する。主メモリ106は、制御プログラムが格納される記憶領域や、プログラム実行時の作業領域を含んでいる。ハードディスク装置108には、画像処理装置100のオペレーティングシステム(OS)や、各種のアプリケーションソフト、カメラ10又はメモリカード32から読み込まれた画像ファイル等が格納される。CD−ROM装置110は、図示せぬCD−ROMからのデータの読み込みを行う。カードインターフェイス部(カードI/F)112は、メモリカード32内の画像データの読み書きを行う。表示メモリ116は、表示用データを一時記憶する。モニタ118は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)モニタや液晶モニタにより構成され、この表示メモリ116から出力される画像データ、文字データ等に基づいて画像や文字等を表示する。キーボード120及びマウス122は、操作者からの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた信号をCPU102に入力する。なお、ポインティングデバイスとしては、マウス122のほか、タッチパネルやタッチパッド等を用いることができる。マウスコントローラ124は、マウス122の状態を検出してモニタ118上のマウスポインタの位置、及びマウス122の状態等を示す信号をCPU102に出力する。オーディオ入出力回路126には、マイク128及びスピーカ130が接続され、各種の音声信号が入力されるとともに、キーボード120等からの操作入力に応じて各種動作音が再生出力される。通信インターフェイス部(通信I/F)132は、インターネットNWとの間のデータの送受信の制御を行うとともに、所定のプロトコル処理を行う。USBインターフェイス部(USB I/F)134は、カメラ10及びプリンタ136等のUSB接続可能な機器との間の入出力の制御を行うとともに、所定のプロトコル処理を行う。
【0104】
[補正情報の生成処理]
次に、補正情報の生成処理について、図4のデータフロー図を参照して説明する。まず、ユーザからの入力に応じて、カメラ10から画像処理装置100に補正用チャートの送出が要求される。画像処理装置100は、カメラ10からの補正用チャートの送出要求に応じて補正用チャート150及び説明用画像を読み出し(ステップS10、S12)、カメラ10に送出する。
【0105】
次に、カメラ10において、撮影モードが3Dモードに設定されて、補正用チャート150が多視点から撮影が行われる(ステップS14)。補正用チャート150を撮影して得られたチャート画像は、カメラ10から画像処理装置100に送出される。
【0106】
図5は、補正用チャート150を示す平面図である。図5に示すように、補正用チャート150は、白黒のパターンが形成されたシートである。なお、補正用チャート150の例としては、図5に示したもののほか、特開平9−42946号公報の図5又は図6、特開平10−104033号公報の図10に記載されているものがある。
【0107】
図6は、説明用画像を示す図である。図6に示すように、説明用画像(HELP.JPG)は、チャート画像の撮影、補正情報の生成のためのマニュアルが記載された画像ファイルである。説明用画像は、画像ファイルであるため、撮影した画像と同様にして表示部38に表示させることができる。ステップS14では、ユーザは、図6の説明用画像の記載に従って、カメラ10側にダウンロードした補正用チャート150を印刷して撮影する。これにより、チャート画像150Pが生成される。なお、チャート画像の撮影、補正情報の生成のためのマニュアルは、画像ファイル以外の形態(例えば、テキストデータ)で提供されるようにしてもよい。
【0108】
次に、画像処理装置100は、カメラ10から送出されたチャート画像150P及び補正関連情報150Iを取得する(ステップS16、S18)。
【0109】
図7は、補正関連情報150Iの構造を模式的に示すブロック図である。図7に示すように、補正関連情報150Iには、チャート画像150Pの撮影に使用されたカメラ10に特定するためのカメラID、チャート画像150Pの撮影に用いた撮影部12の数を示す視点数、視点ごとの撮影情報(例えば、座標情報、焦点距離、絞り、シャッタスピード、感度)及びチャート画像150Pの撮影時における輻輳角の情報が格納されている。
【0110】
次に、画像処理装置100は、カメラ10から取得したチャート画像150P中の各視点画像のパターンの位置、形状、歪み、色を示す情報、及び補正関連情報150Iに基づいて補正情報を生成し、所定の格納形式でハードディスク装置108に保存する(ステップS20)。ここで、補正情報とは、例えば、光学系70−1〜70−Nの設計誤差、光学系70−1〜70−N内のレンズ特性を示す情報、レンズの歪み、取付誤差(例えば、レンズの位置関係を示す数値パラメータ)、色収差を示す情報である。補正情報の補正方法及び補正情報を用いた画像の補正方法としては、例えば、特開平8−14828号公報、特開2002−27507号公報に記載されているものを適用することができる。
【0111】
図8は、補正情報の格納形式を模式的に示すブロック図である。図8に示すように、補正情報D10は、チャート画像150Pの撮影に使用したカメラ10を特定するためのカメラID、補正情報を特定するための補正情報ID及び補正情報の格納領域を含んでいる。
【0112】
図9は、補正情報の格納形式の別の実施例を示すブロック図である。図9に示す例では、補正情報D10は、補正情報ID、チャート画像150Pの撮影に使用したカメラ10を特定するためのカメラ情報及び補正情報の格納領域を含んでいる。ここで、カメラ情報は、例えば、撮影部12の焦点距離、絞り、シャッタスピード、撮影感度、輻輳角、カメラ位置に関する情報を含んでいる。
【0113】
次に、画像処理装置100は、カメラ10から補正情報の送出要求を受け付けると、補正情報を送出するかどうかの判定を行う(ステップS22)。そして、画像処理装置100は、補正情報の送出を要求してきたカメラ10のカメラID又はカメラ情報に基づいて補正情報を読み出してカメラ10に送出する(ステップS24)。カメラ10は、この補正情報を取得して、メモリカード32又は不揮発性メモリ20に記録する(ステップS26)。
【0114】
図10は、画像処理装置100における補正情報の生成処理を示すフローチャートである。まず、チャート画像150P及び補正関連情報を取得すると(ステップS30、S32)、チャート画像150P及び補正関連情報に基づいて補正情報D10が生成される(ステップS34)。ここで、補正情報の生成が正常に終了すると(ステップS36のYes)、補正情報D10が所定の格納形式のデータとしてハードディスク装置108に保存される(ステップS40)。一方、補正情報の生成が正常に終了しなかった場合には(ステップS36のNo)、エラー処理が実行され、補正情報が生成されなかったこと及び補正用チャート150の撮影をやり直すことを促すエラーメッセージがモニタ118に表示される(ステップS38)。
【0115】
次に、カメラ10から補正情報D10の配信要求を受信すると(ステップS42のYes)、当該配信要求を送信してきたカメラ10のカメラID又はカメラ情報を用いてハードディスク装置108に保存された補正情報D10が検索され、補正情報の配信が実行される(ステップS44)。
【0116】
[画像の補正処理]
次に、補正情報を用いた画像の補正処理をカメラ10で行う場合の処理の流れについて、図11のフローチャートを参照して説明する。まず、撮影モードが3Dモードに設定されて、補正対象の多視点画像が撮影され(ステップS50)、撮影時の補正関連情報が取得される(ステップS52)。そして、カメラ10から画像処理装置100に補正情報の配信要求が送信される(ステップS54)。
【0117】
補正情報を取得すると、カメラ10において、補正情報に付されたカメラID又はカメラ情報と、自己のカメラID又はカメラ情報とを照合する。補正情報が取得できなかった場合、又は取得した補正情報のカメラID又はカメラ情報が自己のものと一致しなかった場合には(ステップS56のNo)、ステップS50において撮影された未補正のままの多視点画像から3D画像ファイルが生成されてメモリカード32に保存される(ステップS58)。一方、取得した補正情報のカメラID又はカメラ情報が自己のものと一致した場合には(ステップS56のYes)、ステップS50において撮影された多視点画像が補正されて補正済み画像が生成される(ステップS60)。そして、補正済み画像から3D画像ファイルが生成されてメモリカード32に保存される(ステップS62)。
【0118】
画像の補正処理は、画像処理装置100において行うことも可能である。図12は、補正情報を用いた画像の補正処理を画像処理装置100で行う場合の処理を示すフローチャートである。まず、画像処理装置100は、USB I/F134を介して接続されたカメラ10又はカードI/F112を介して接続されたメモリカード32から、補正対象の多視点画像(ステップS70)及び当該多視点画像の撮影時の補正関連情報が取得される(ステップS72)。
【0119】
次に、ハードディスク装置108に保存された補正情報の中から、上記多視点画像を撮影したカメラ10とカメラID又はカメラ情報が一致する補正情報が検索される(ステップS74)。ここで、補正情報が取得できなかった場合には(ステップS76のNo)、ステップS70において取得した未補正のままの多視点画像から3D画像ファイルが生成されてハードディスク装置108に保存される(ステップS78)。一方、カメラID又はカメラ情報が一致する補正情報を取得した場合には(ステップS76のYes)、ステップS70において撮影された多視点画像が補正されて補正済み画像が生成される(ステップS80)。そして、補正済み画像から3D画像ファイルが生成されてハードディスク装置108に保存される(ステップS82)。
【0120】
本実施形態によれば、補正用チャート150を撮影して得られたチャート画像150Pと撮影時の補正関連情報を画像処理装置100に送出して補正情報を生成し、カメラ10を特定するための情報(カメラID)とともに保存することで、多視点画像の補正を行うときに適切な補正情報を提供することができる。また、本実施形態では、説明用画像をカメラ10に送出するようにしたので、説明用画像をカメラ10の表示部38に表示させて手順を確認しながら容易に補正用チャート150の撮影及び補正情報の生成を実行することができる。
【0121】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の説明において上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0122】
本実施形態は、画像処理装置100からカメラ10に補正情報を送出する際に、カメラ10との間の通信可能かどうかを確認するようにしたものである。
【0123】
図13は、本実施形態に係る補正情報の生成処理を示すデータフロー図である。まず、ユーザからの入力に応じて、カメラ10から画像処理装置100に補正用チャートの送出が要求される。画像処理装置100は、カメラ10からの補正用チャートの送出要求に応じて補正用チャート150及び説明用画像を読み出し(ステップS90、S92)、カメラ10に送出する。
【0124】
次に、カメラ10において、撮影モードが3Dモードに設定されて、補正用チャート150が多視点から撮影が行われる(ステップS94)。補正用チャート150を撮影して得られたチャート画像は、カメラ10から画像処理装置100に送出される。
【0125】
画像処理装置100は、カメラ10から送出されたチャート画像及び補正関連情報を取得する(ステップS96、S98)。そして、画像処理装置100は、取得したチャート画像及び補正関連情報に基づいて補正情報を生成する(ステップS100)。
【0126】
画像処理装置100は、補正情報の生成が終了すると、チャート画像150Pの送出元のカメラ10のカメラIDにより、補正情報の送出先のカメラ10を決定する(ステップS102)。そして、画像処理装置100は、送出先のカメラ10に対して、補正情報の受入が可能であるかどうか(通信が可能であるかどうか)確認するためのメッセージを送信する。カメラ10は、このメッセージに応答して補正情報の送出要求を画像処理装置100に送出する。
【0127】
画像処理装置100は、カメラ10から補正情報の送出要求を受け付けると、補正情報を送出するかどうかの判定を行う(ステップS104)。そして、画像処理装置100は、補正情報の送出を要求してきたカメラ10のカメラID又はカメラ情報に基づいて補正情報を読み出してカメラ10に送出する(ステップS106)。カメラ10は、この補正情報を取得して、メモリカード32又は不揮発性メモリ20に記録する(ステップS108)。
【0128】
本実施形態によれば、送出先のカメラ10が補正情報を受入可能であるかどうか事前に確認するようにしたので、送出先のカメラ10に適切な補正情報を確実に提供することができる。
【0129】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、以下の説明において上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0130】
図14は、本実施形態に係る画像処理システムの主要構成を示すブロック図である。図14に示すように、本実施形態に係る画像処理装置200は、インターネットNWに接続可能なサーバにより構成される。
【0131】
カメラ10は、インターネットNWに接続可能な情報端末250(例えば、パーソナルコンピュータ又は携帯電話機)を介して画像処理装置200との間で通信が可能となっている。
【0132】
図14に示すように、画像処理装置200は、本体CPU202、メモリ206、ディスク装置208、入出力ポート(I/O)210、入出力装置212及び通信インターフェイス部(通信I/F)214を備えている。
【0133】
本体CPU202は、バス204を介して画像処理装置200内の各ブロックに接続されており、各ブロックの動作を制御する。メモリ206は、制御プログラムが格納される記憶領域や、プログラム実行時の作業領域を含んでいる。ディスク装置208には、画像処理装置200のオペレーティングシステム(OS)や、各種のアプリケーションソフト、カメラ10から読み込まれた画像ファイル等が格納される。入出力装置212は、操作者からの操作入力を受け付けて、入出力ポート(I/O)210を介して操作入力に応じた信号をCPU202に入力する。通信I/F214は、インターネットNWとの間のデータの送受信の制御を行うとともに、所定のプロトコル処理を行う。
【0134】
本実施形態に係る画像処理システム1においても、上記図4及び図10から図13に示した処理を行うことにより、カメラ10に適切な補正情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理システムの主要構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る3D多眼カメラ10の主要構成を示すブロック図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置100の主要構成を示すブロック図
【図4】本発明の第1の実施形態に係る補正情報の生成処理を示すデータフロー図
【図5】補正用チャート150を示す平面図
【図6】説明用画像を示す図
【図7】補正関連情報150Iの構造を模式的に示すブロック図
【図8】補正情報の格納形式を模式的に示すブロック図
【図9】補正情報の格納形式の別の実施例を示すブロック図
【図10】画像処理装置100における補正情報の生成処理を示すフローチャート
【図11】補正情報を用いた画像の補正処理をカメラ10で行う場合の処理を示すフローチャート
【図12】補正情報を用いた画像の補正処理を画像処理装置100で行う場合の処理を示すフローチャート
【図13】本発明の第2の実施形態に係る補正情報の生成処理を示すデータフロー図
【図14】本発明の第3の実施形態に係る画像処理システムの主要構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0136】
1…画像処理システム、10…3D多眼カメラ、12…撮影部、100…画像処理装置(PC)、150…補正用チャート、200…画像処理装置(サーバ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と、前記画像処理装置と通信可能な撮影装置とを備えており、
前記撮影装置は、
画像を撮影するための撮影手段と、
前記撮影手段によって補正用チャートを撮影して得られたチャート画像を前記画像処理装置に送出する画像送出手段と
前記チャート画像の撮影に関連する補正関連情報を前記画像処理装置に送出する関連情報送出手段とを備え、
前記画像処理装置は、
前記撮影装置から送出されたチャート画像を取得するチャート画像取得手段と、
前記撮影装置から送出された補正関連情報を取得する補正関連情報取得手段と、
前記チャート画像及び前記補正関連情報を送出した撮影装置によって撮影された画像の補正に用いる補正情報を生成するとともに、該撮影装置を特定するための撮影装置特定情報を前記補正情報に付加する補正情報生成手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記撮影手段は、複数視点からの画像を撮影することを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画像処理装置は、
前記撮影装置によって撮影された補正対象画像を取得する画像取得手段と、
前記補正対象画像を撮影した撮影装置の撮影装置特定情報に基づいて、前記補正情報生成手段によって生成された補正情報の中から前記補正対象画像を撮影した撮影装置の補正情報を取得する補正情報取得手段と、
前記補正情報を用いて前記補正対象画像を補正する画像補正手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記画像処理装置は、前記撮影装置特定情報によって特定される撮影装置に対して前記補正情報を送出する補正情報送出手段を更に備え、
前記撮影装置は、
前記画像処理装置から送出された補正情報を取得する補正情報取得手段と、
前記補正情報を用いて前記補正対象画像を補正する画像補正手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記画像処理装置は、前記補正情報送出手段により補正情報を送出するときに、前記撮影装置との間で通信可能であるかどうかを確認する確認手段を更に備えることを特徴とする請求項4記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記撮影装置は、前記補正情報取得手段により取得した補正情報から撮影装置特定情報を取得し、自己の撮影装置特定情報と照合することを特徴とする請求項4又は5記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記画像処理装置は、前記チャート画像の撮影時の設定情報を取得する取得手段を更に備え、
前記補正情報生成手段は、前記設定情報を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加し、
前記補正情報取得手段は、前記補正対象画像の撮影時の設定情報と同一の設定情報が付加された補正情報を取得することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記画像処理装置は、前記チャート画像及び補正関連情報を送出した撮影装置を特定するための識別子を取得する取得手段を更に備え、
前記補正情報生成手段は、前記チャート画像を撮影した撮影装置を特定するための識別子を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記画像処理装置は、
前記補正用チャートを画像データとして記憶する第1の記憶手段と、
前記撮影装置からの要求に応じて、前記補正用チャートを前記撮影装置に送出する第1の送出手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記画像処理装置は、
前記チャート画像の撮影及び送出を行うための手順が記載されたマニュアル情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記撮影装置からの要求に応じて、前記マニュアル情報を前記撮影装置に送出する第2の送出手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記撮影装置は、画像を表示するための表示手段を更に備え、
前記第2の記憶手段は、前記表示手段に表示可能な形式の画像データとして前記マニュアル情報を記憶することを特徴とする請求項10記載の画像処理システム。
【請求項12】
撮影装置によって補正用チャートを撮影して得られたチャート画像を取得する画像取得手段と、
前記チャート画像の撮影に関連する補正関連情報を前記撮影装置から取得する補正関連情報取得手段と、
前記チャート画像及び前記補正関連情報を送出した撮影装置によって撮影された画像の補正に用いる補正情報を生成するとともに、該撮影装置を特定するための撮影装置特定情報を前記補正情報に付加する補正情報生成手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項13】
前記チャート画像取得手段は、前記補正用チャートが複数視点から撮影されたチャート画像を取得すること特徴とする請求項12記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記撮影装置によって撮影された補正対象画像を取得する画像取得手段と、
前記補正対象画像を撮影した撮影装置の撮影装置特定情報に基づいて、前記補正情報生成手段によって生成された補正情報の中から前記補正対象画像を撮影した撮影装置の補正情報を取得する補正情報取得手段と、
前記補正情報を用いて前記補正対象画像を補正する画像補正手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項12又は13記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記撮影装置特定情報によって特定される撮影装置に対して前記補正情報を送出する補正情報送出手段を更に備えることを特徴とする請求項12から14のいずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記補正情報送出手段により補正情報を送出するときに、前記撮影装置との間で通信可能であるかどうかを確認する確認手段を更に備えることを特徴とする請求項15記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記チャート画像の撮影時の設定情報を取得する取得手段を更に備え、
前記補正情報生成手段は、前記設定情報を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加し、
前記補正情報取得手段は、前記補正対象画像の撮影時の設定情報と同一の設定情報が付加された補正情報を取得することを特徴とする請求項14から16のいずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記チャート画像及び補正関連情報を送出した撮影装置を特定するための識別子を取得する取得手段を更に備え、
前記補正情報生成手段は、前記チャート画像を撮影した撮影装置を特定するための識別子を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加することを特徴とする請求項12から17のいずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記補正用チャートを画像データとして記憶する第1の記憶手段と、
前記撮影装置からの要求に応じて、前記補正用チャートを前記撮影装置に送出する第1の送出手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項12から18のいずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項20】
前記チャート画像の撮影及び送出を行うための手順が記載されたマニュアル情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記撮影装置からの要求に応じて、前記マニュアル情報を前記撮影装置に送出する第2の送出手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項12から19のいずれか1項記載の画像処理装置。
【請求項21】
前記第2の記憶手段は、前記撮影装置に設けられた画像表示用の表示手段に表示可能な形式の画像データとして前記マニュアル情報を記憶することを特徴とする請求項20記載の画像処理装置。
【請求項22】
撮影装置によって補正用チャートを撮影して得られたチャート画像を、画像処理装置に送出する画像送出工程と、
前記チャート画像の撮影に関連する補正関連情報を、前記撮影装置から前記画像処理装置に送出する補正関連送出取得工程と、
前記画像処理装置によって、前記チャート画像及び前記補正関連情報を送出した撮影装置によって撮影された画像の補正に用いる補正情報を生成するとともに、該撮影装置を特定するための撮影装置特定情報を前記補正情報に付加する補正情報生成工程と、
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項23】
前記チャート画像取得工程では、前記補正用チャートが複数視点から撮影されたチャート画像を取得すること特徴とする請求項22記載の画像処理方法。
【請求項24】
前記撮影装置によって撮影された補正対象画像を、前記画像処理装置に送出する画像送出工程と、
前記補正対象画像を撮影した撮影装置の撮影装置特定情報に基づいて、前記補正情報生成工程において生成された補正情報の中から前記補正対象画像を撮影した撮影装置の補正情報を取得する補正情報取得工程と、
前記補正情報を用いて前記補正対象画像を補正する画像補正工程と、
を更に備えることを特徴とする請求項22又は23記載の画像処理方法。
【請求項25】
前記撮影装置特定情報によって特定される撮影装置に対して前記画像処理装置から補正情報を送出する補正情報取得工程と、
前記撮影装置において、前記画像処理装置から送出された補正情報を用いて前記補正対象画像を補正する画像補正工程と、
を更に備えることを特徴とする請求項22から24のいずれか1項記載の画像処理方法。
【請求項26】
前記補正情報送出手段により補正情報を送出するときに、前記撮影装置との間で通信可能であるかどうかを前記画像処理装置により確認する確認工程を更に備えることを特徴とする請求項25記載の画像処理方法。
【請求項27】
前記撮影装置は、前記補正情報取得工程において取得した補正情報から撮影装置特定情報を取得し、自己の撮影装置特定情報と照合することを特徴とする請求項25又は26記載の画像処理方法。
【請求項28】
前記チャート画像の撮影時の設定情報を取得する取得工程を更に備え、
前記補正情報生成工程では、前記設定情報を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加し、
前記補正情報取得工程では、前記補正対象画像の撮影時の設定情報と同一の設定情報が付加された補正情報を取得することを特徴とする請求項24から27のいずれか1項記載の画像処理方法。
【請求項29】
前記チャート画像及び補正関連情報を送出した撮影装置を特定するための識別子を取得する取得工程を更に備え、
前記補正情報生成工程では、前記チャート画像を撮影した撮影装置を特定するための識別子を前記撮影装置特定情報として前記補正情報に付加することを特徴とする請求項22から28のいずれか1項記載の画像処理方法。
【請求項30】
前記撮影装置からの要求に応じて、画像データとして前記画像処理装置に記憶された補正用チャートを前記撮影装置に送出する第1の送出工程を更に備えることを特徴とする請求項22から29のいずれか1項記載の画像処理方法。
【請求項31】
前記撮影装置からの要求に応じて、前記チャート画像の撮影及び送出を行うための手順が記載されたマニュアル情報を前記撮影装置に送出する第2の送出工程を更に備えることを特徴とする請求項22から30のいずれか1項記載の画像処理方法。
【請求項32】
前記マニュアル情報は、前記撮影装置に設けられた画像表示用の表示工程に表示可能な形式の画像データとして前記画像処理装置に記憶されることを特徴とする請求項31記載の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−49509(P2009−49509A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211415(P2007−211415)
【出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】