画像処理システム、画像処理装置
【課題】画像処理の実行の指示を固定されたユーザのみに負担させることを回避する。
【解決手段】画像形成システムは、ジョブに対して画像処理する機能部と、前記機能部に、前記ジョブに対する画像処理を指示する指示部と、前記指示部にて指示された機能部による画像処理を許可する許可部と、前記許可部にて画像処理を許可可能なユーザのユーザ情報を記憶する権限記憶部と、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、当該ユーザ情報とは別のユーザのユーザ情報に置き換える置換部と、を備える。
【解決手段】画像形成システムは、ジョブに対して画像処理する機能部と、前記機能部に、前記ジョブに対する画像処理を指示する指示部と、前記指示部にて指示された機能部による画像処理を許可する許可部と、前記許可部にて画像処理を許可可能なユーザのユーザ情報を記憶する権限記憶部と、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、当該ユーザ情報とは別のユーザのユーザ情報に置き換える置換部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブを画像処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子文書を装置内に保存し、管理者の承認を受けたことに応じて印刷を実行する画像形成装置の技術が開示されている。この技術によれば画像形成装置による印刷を許可するか否かを管理者が管理することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−090631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記文献のような技術では、印刷を許可することが可能な管理者が固定されたユーザであるため、画像形成装置にて印刷を実行するためには、当該管理者が最終的な印刷実行を指示する必要があった。そのため、一人の管理者に大きな負担がかかっていた。
【0005】
本発明は、印刷等の画像処理の実行の指示を固定されたユーザのみに負担させることのない画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の画像形成システムは、ジョブに対して画像処理する機能部と、前記機能部に、前記ジョブに対する画像処理を指示する指示部と、前記指示部にて指示された機能部による画像処理を許可する許可部と、前記許可部にて画像処理を許可可能なユーザのユーザ情報を記憶する権限記憶部と、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、当該ユーザ情報とは別のユーザのユーザ情報に置き換える置換部と、を備える。
【0007】
上記の構成を採用すれば、許可部による許可が可能なユーザを別のユーザに置換することが可能であるため、画像処理の実行の指示を固定されたユーザのみに負担させることを回避することが出来る。
【0008】
さらに、本発明の画像形成システムは、前記指示部による指示は、前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報とは別のユーザ情報を有するユーザからの指示であっても良い。
【0009】
上記の構成を採用すれば、他のユーザから指示されたジョブに対する画像処理を権限記憶部に記憶されているユーザによる許可によって実行可能であるため、適切にジョブの実行が可能である。
【0010】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を有するユーザが、前記許可部によって許可可能な状態であるか否かを判断する判断部を備え、前記置換部は、前記判断部にて肯定判断だった場合、ユーザ情報を置換せず、否定判断だった場合、別のユーザ情報に置換しても良い。
【0011】
上記構成を採用すれば、許可部による許可が可能なユーザによる許可不可能な状態であ
っても別のユーザに置換することが出来るため、機能部による画像処理が許可されないような状況を回避出来る。
【0012】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記許可部は、情報処理装置に設けられ、前記判断部は、前記情報処理装置から前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報がログアウトしたことに応じて、前記判断部が否定判断をしても良い。
【0013】
上記構成を採用すれば、情報処理装置からログアウトしたことで、ユーザは情報処理装置に備えられた許可部にて許可が不可能な状態となる。従って、ログアウトを検知したことでユーザが許可部による許可できない状態を好適に判断可能である。
【0014】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記置換部がユーザ情報を置換するときの、複数のユーザ情報の置換順序を記憶する順序記憶部を備え、前記判断部が否定判断であることに応じて、前記置換部は、前記順序記憶部に記憶されている順序に基づき、前記ユーザ情報を置換しても良い。
【0015】
上記構成を採用すれば、順序記憶部にユーザ情報の置換順序が記憶されているため、置換するユーザ情報を指定することなく容易にユーザ情報の置換が可能である。
【0016】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記置換部によって置換するユーザを選択する選択部を備え、前記判断部が否定判断であることに応じて、前記選択部にて前記ユーザ情報を選択しても良い。
【0017】
上記構成を採用すれば、置換するユーザ情報を自由に選択可能であるため、拡張性の高いシステムを提供可能である。
【0018】
さらに、本発明の画像処理システムは、権限記憶部に記憶されたユーザ情報を有するユーザによる指令により、前記ジョブを破棄可能な破棄部と、ユーザ情報を置換するときにジョブが待機していた場合、待機しているジョブに対して前記許可部による許可及び前記破棄部による破棄のいずれか一方が指示されたことに応じて、前記置換部がユーザ情報を置換しても良い。
【0019】
上記構成を採用すれば、ジョブに対する画像処理が許可及び破棄されたことに応じてユーザ情報が置換するため、置換前のユーザ情報を有するユーザにより適切にジョブを管理することが可能である。
【0020】
さらに、本発明の画像処理システムは、待機しているジョブに対して前記許可部による許可及び前記破棄部による破棄のいずれもが規定時間指示されないことに応じて、前記置換部がユーザ情報を置換しなくても良い。
【0021】
上記構成を採用すれば、待機しているジョブに対する画像処理の実行が、置換前のユーザ情報を有するユーザに適切に管理されるため、不適切な画像処理の実行を回避できる。
【0022】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記置換部による置換が可能であるユーザ情報を記憶する置換ユーザ記憶部を備え、前記置換部は、前記置換ユーザ記憶部に記憶されているユーザ情報に置換しても良い。
【0023】
上記構成を採用すれば、置換可能なユーザを制限することが可能であるので、セキュリティの高いシステムを提供することが可能である。
【0024】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記置換部により置換対象のユーザ情報が無いことに応じて、前記機能部への電源の供給を停止する停止部を備えても良い。
【0025】
上記構成を採用すれば、置換対象のユーザ情報が無いとは指示部による指示が可能なユーザがいない状況であるため、無駄な電源を停止することが可能である。
【0026】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記置換部にてユーザ情報を置換するとき、置換後のユーザ情報を有するユーザにて許可部による許可可能な時間を計測する計測部と、前記計測部が前記許可可能な時間を越えたことに応じて、前記置換後のユーザ情報を有するユーザにて許可部による許可を禁止する禁止部と、を備えても良い。
【0027】
上記構成を採用すれば、計測部にて特定のユーザ情報を有するユーザにて許可部による許可可能な時間を計測することで、置換したユーザに一時的に許可部による許可をする権限を与えることが可能であり、セキュリティの高いシステムを提供することが可能である。
【0028】
さらに、本発明の画像形成システムは、前記禁止部にて禁止したことに応じて、前記置換部は、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、置換される前のユーザ情報に再度置き換えても良い。
【0029】
上記構成を採用すれば、一時的に許可部による許可をする権限を与えられたユーザは、許可された時間を経過すると権限が元のユーザに戻るため、よりセキュリティの高いシステムを提供することが可能である。
【0030】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記機能部は、複数の画像処理を実行可能であり、前記権限記憶部は、各画像処理に対して、それぞれユーザ情報を記憶しても良い。
【0031】
上記構成を採用すれば、複数の画像処理に対して、それぞれ適切に許可可能なユーザを設定可能である。
【0032】
さらに、本発明の画像処理システムは、複数の装置により画像処理を実行可能であり、前記権限記憶部は、各装置に対して、それぞれのユーザ情報を記憶しても良い。
【0033】
上記構成を採用すれば、複数の装置に対して、それぞれ適切に許可可能なユーザを設定可能である。
【0034】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記指示部による指示の際、前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報を報知する報知部を備えても良い。
【0035】
上記構成を採用すれば、指示部による指示を実行するユーザは、指示をする際に許可部による許可可能なユーザ情報を認識可能である。
【0036】
また、本発明の画像処理装置は、ジョブに対する画像処理を指示する指示部を備える情報処理装置と接続可能な画像処理装置であって、前記ジョブに対して画像処理する機能部と、前記指示部にて指示された機能部による画像処理を許可する許可部と、前記許可部にて画像処理を許可可能なユーザのユーザ情報を記憶する権限記憶部と、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、当該ユーザ情報とは別のユーザのユーザ情報に置き換える置換部と、を備える。
【0037】
上記の構成を採用すれば、許可部による許可が可能なユーザを別のユーザに置換するこ
とが可能であるため、画像処理の実行の指示を固定されたユーザのみに負担させることを回避することが出来る。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、印刷等の画像処理の実行の指示を固定されたユーザのみに負担させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、画像形成システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、印刷処理を示すフローチャートである。
【図3】図3は、印刷データを送信する際の、表示部にて表示する操作画面例である。
【図4】図4は、実施形態1のログオフ処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施形態1の置換処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施形態1の時間計測処理を示すフローチャートである。
【図7】図7は、ユーザIDの置換順序情報を示すテーブルである。
【図8】図8は、実施形態2のログオフ処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施形態2の置換処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は、実施形態2の時間計測処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は、ユーザIDの置換可否情報を示すテーブルである。
【図12】図12は、複数の画像処理機能に対してそれぞれ管理者が設けられたテーブルである。
【図13】図13は、複数の画像処理装置に対してそれぞれ管理者が設けられたテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
<実施形態1>
本発明の実施形態1について図1から図7を参照して説明する。
【0041】
(1)画像処理システムの電気的構成
図1は、画像処理システム1の電気的構成を示すブロック図である。
【0042】
画像処理システム1は、MFP3(MultiFunction Printer)(画像処理装置)と、複数台(図1には4台図示)の通信端末5(情報処理装置)とがネットワーク回線Lを介して接続された構成になっている。
【0043】
(1−1)MFP
MFP3は、例えば印刷機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを有する複合機であり、CPU11、ROM13、RAM15、NVRAM17、操作部19、表示部21、印刷部23、スキャナ部25、ファクシミリ部27、通信部29等を備えている。
【0044】
ROM13には、MFP3の基本的な動作を制御するプログラムの他、後述する置換処理のプログラムなどが記録されており、CPU11(許可部、置換部、判断部、破棄部、停止部、計測部、禁止部)は、ROM13から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM15に記憶させながら、MFP3の動作を制御する。
【0045】
また、CPU11は、現在の管理者のユーザIDを別のユーザIDに置換する処理(置換処理)、各通信端末5のユーザログイン状況を監視する処理、各構成部に電力を伝える図示しない電源回路のオンオフを切替える処理、管理者のユーザIDが置換されてからの時間を計測する処理などの処理も制御する。尚、上記処理は後述にて詳細に説明する。
【0046】
NVRAM17(権限記憶部、順序記憶部、置換ユーザ記憶部)は、後述する現在の管理者のユーザID(ユーザ情報)、通信部29を介して受信した印刷データ(ジョブ)等の画像処理対象のデータ、ユーザIDの置換順序テーブル等を記憶する。
【0047】
操作部19は、複数のボタン等を有し、ユーザによって画像処理の実行指令などの各種の入力操作が可能である。画像処理には、印刷処理、スキャナ(画像読取)処理、ファクシミリ通信処理(PCファックス処理)等が含まれる。表示部21は、液晶ディスプレイやランプからなり、各種の設定画面や動作状態等を表示することが可能である。
【0048】
印刷部23(機能部)は、印刷処理の許可指令を、通信端末5から通信部29を介して受信したときに、予めNVRAM17に記憶させられている印刷データに基づき用紙への印刷を実行する。
【0049】
スキャナ部25(機能部)は、スキャナ処理の実行指令を、操作部19から受けたとき、または、通信端末5から通信部29を介して受信したときに、MFP3の図示しない原稿台に配置された原稿の画像を読み取って印刷データを生成する。尚、当該印刷データはNVRAM17に記憶する。
【0050】
ファクシミリ部27(機能部)は、ファクシミリ通信処理の許可指令を、通信端末5から通信部29を介して受信したときに、予めNVRAM17に記憶されているFAXデータに基づき、図示しない電話回線を通じて他のファクシミリ装置との間でファクシミリデータのやり取りを行う。
【0051】
通信部29は、ネットワークポート(例えばLANポート)、及び、ローカルポート(例えばUSBポート)など、複数の通信ポートを備える。図1では、ネットワークポートがネットワーク回線Lに接続されており、MFP3は、各通信端末5との間でデータの相互通信が可能になっている。
【0052】
(1−2)通信端末
各通信端末5A〜5Dは、CPU31、ROM33、RAM35、ハードディスク37(HDD)、操作部39、表示部41、ネットワークインターフェイス43等を備えている。
【0053】
ROM13には、通信端末5の基本的な動作を制御するBIOSなどのプログラムが記憶されており、CPU31(指示部、選択部)は、ROM13から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM15に記憶させながら、MFP3の動作を制御する。
【0054】
ハードディスク37には、印刷データを作成するためのアプリケーションソフトやプリンタドライバなどの各種プログラムが記憶されており、CPU31は、ハードディスク37から読み出した上記プリンタドライバに従って印刷データを作成し、通信部29を介してMFP3に印刷データを送信する。
【0055】
尚、特定のユーザIDにてログインしている通信端末5からは、CPU31による処理によりプリンタドライバにてMFP3のNVRAM17に記憶されている印刷データの印刷を許可する許可指令及び印刷データを破棄する破棄指令が送信可能である。
【0056】
操作部39はキーボードやポインティングデバイスを備え、表示部41(報知部)は例えば液晶ディスプレイ等を備える。また、表示部41は、プリンタドライバによる印刷指示などを実行する際の表示も表示部41にて表示され、この印刷指示の際には現在の管理
者のユーザのIDが表示されユーザに報知される。
【0057】
ネットワークインターフェイス43はネットワーク回線Lに接続される。
【0058】
(2)印刷処理
まずは、基本的な印刷処理に関して説明する。図2は、MFP3のCPU11が実行する印刷処理を示すフローチャートである。また、図3は、印刷データを通信端末5から送信する際の、表示部41にて表示する操作画面である。CPU11は、例えばMFP3の起動後、定期的に当該印刷処理を実行する。
【0059】
印刷処理では、S101でいずれかの通信端末5から印刷データを受信した又はスキャナ部25にて印刷データが作成されたか否かを判断する。ここで、受信した又は作成されたと判断した場合(S101:Y)、S102にて印刷データをジョブとしてNVRAM17に記憶し、当該印刷処理を終了する。
【0060】
尚、ユーザからの指示により印刷データを通信端末5から送信する際には、表示部41に図3の様な操作画面が表示される。当該操作画面にはMFP3の現在の管理者のユーザIDが表示されている。このため印刷データを送信するユーザは、現在の管理者を認識可能である。尚、管理者のユーザIDはMFP3のNVRAM17に記憶されているため、通信端末5は表示部41に図3の画面を表示する際に、ネットワークインターフェイス43を介して現在の管理者のユーザIDを取得する。尚、ユーザはこの画面を参照して操作部39を操作することで、用紙サイズ、部数、用紙種類等を指定可能である。
【0061】
一方、S101で印刷データを受信していない又は作成されていないと判断した場合(S101:N)、S103にて管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5から許可指令を受信したか否かを判断する。ここで、許可指令を受信したと判断した場合(S103:Y)、S104にて許可指令にて選択されているジョブを印刷部23にて印刷し、当該印刷処理を終了する。
【0062】
尚、許可指令は管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5からのみ送信可能であり、当該許可指令を送信する際には、通信端末5にてMFP3のNVRAM17に記憶されているジョブを取得して、その中から許可指令を出すジョブを選択する。この処理により、それぞれのジョブに対して許可指令を送信することが可能である。
【0063】
一方、S103で許可指令を受信していないと判断した場合は(S103:N)、当該印刷処理を終了する。
【0064】
即ち、MFP3は、定期的に印刷データの受信、作成、又は許可指令を受けたかを監視しており、上記いずれかのデータや指令を受け取った段階で、S102及びS104の処理をそれぞれ実行する。
【0065】
この様に本発明のMFP3では、特定のユーザID(管理者のユーザID)にてログインしている通信端末5から許可指令を受信しないと印刷を実行しない構成となっている。そのため、MFP3が管理者のユーザIDにて管理されているため、他のユーザIDを持つユーザからの無駄な印刷を回避できる。
【0066】
(3)ログオフ処理
次に、管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5にてログオフする際のログオフ処理を説明する。図4は、通信端末5のCPU31が実行するログオフ処理を示すフローチャートである。CPU31は、例えば通信端末5にMFP3の管理者のユーザID
がログインしてから、定期的に当該ログオフ処理を実行する。
【0067】
尚、ログインとは、通信端末5を使用するユーザを特定するために、ユーザ独自のIDであるユーザIDを使用して通信端末5を操作可能な状態に移す処理であり、ログオフとは、逆に操作可能な状態を抜ける処理である。一般的には、通信端末5の基本動作を制御するためのOSにて管理されている。
【0068】
また、通信端末5に管理者のユーザIDがログインしたか否かの判断は、通信端末5にいずれかのユーザIDがログインした際に、CPU31がMFP3と通信してNVRAM17に記憶されている管理者のユーザIDを参照することで判断しても良いし、MFP3がネットワーク回線L上の各通信端末5A〜5Dのログイン状況を監視し、NVRAM17に記憶されている管理者のユーザIDがいずれかの通信端末5A〜5Dにログインしたことに応じて、ログインした通信端末5に管理者のユーザIDがログインした旨をMFP3から受信したことで判断しても良い。
【0069】
ログオフ処理では、S201で管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5からログオフが指示されたか否かを判断する。尚、このログオフの指示は、通信端末5の操作部39をユーザが操作することで指示される処理である。また、本発明の形態ではOSの上でログオフが指示されるが、この指示が実行されても直ぐにはログオフを実行せず、S202以降の処理がOSとは異なるプログラムにより実行された後にログオフを実行する。
【0070】
指示されなかった場合は(S201:N)、何も処理されないままログオフ処理を終了するが、指示された場合(S201:Y)、S202にてネットワークインターフェイス43を介してMFP3にアクセスし、NVRAM17にジョブが記憶されているか否かを判断する。
【0071】
ここで、ジョブが一つでも記憶されている場合(S202:Y)、操作部39をユーザが操作することでNVRAM17内のジョブが一つ選択され、S203、S204及びS205にてNVRAM17に記憶されているジョブに対して印刷を許可する許可指令が指示されたか否か、当該ジョブを廃棄する廃棄指令が指示されたか否かを一定時間の間で判断する。
【0072】
印刷指示が当該ジョブに対して指示された場合(S203:Y)、S206にて許可指令をMFP3に送信する。また、廃棄指令が当該ジョブに対して指示された場合(S203:N、S204:Y)、S207にて廃棄指令をMFP3に送信する。尚、どちらの指示もなされない場合は(S203:N、S204:N)、S205にて一定時間経過したか否かが判断され、経過していない場合は(S205:N)、処理がS203に戻りS203からS205の間を一定時間ループする。
【0073】
尚、S206又はS207の処理が終了すると、処理がS202に戻り、更にNVRAM17にジョブが記憶されているか否かを判断する。また、S205にて一定時間経過した場合は(S205:Y)、S208にて管理者のユーザIDの置換を禁止する置換禁止指令をMFP3に送信する。
【0074】
一方、S202にてNVRAM17に記憶されている全てのジョブに対して許可指令又は廃棄指令が指示された場合(S202:N)、S209にて当該通信端末5はがログオフすることを通知するログオフ情報をMFP3に送信する。
【0075】
そして、S208及びS209の処理が終了した後、S210にて当該通信端末5をロ
グオフし、当該ログオフ処理を終了する。
【0076】
以上により、画像処理装置3のNVRAM17にジョブが記憶されている場合は、S206及びS207のいずれかの指令が送信されるまで待機し、全てのジョブに対していずれかの指示の送信が終了したことに応じて、通信端末5はログオフする。また、S206及びS207のいずれかの指令が送信されないまま一定時間経過すると、S208にて置換禁止指令を送信した後にログオフする。
【0077】
以上のログオフ処理により、NVRAM17に記憶されているジョブが無くなるまでログオフがなされないため、管理権限を持つユーザが管理者であった期間にNVRAM17にて記憶されたジョブに対しては、ログオフすることで画像処理の許可及び廃棄の指示が不可能な状況になる前に、指示を実行可能である。従って、特定のユーザが管理権限を有している間に指示可能となったジョブ(NVRAM17に記憶されたジョブ)に対しては、その時の管理者が適切に管理可能である。
【0078】
また例えば、管理者がログオフをする際までに上記いずれかの指令の送信を忘れていた場合に、適切にジョブを処理することが可能である。更に、例えば、管理者がログオフの際にいずれかの指令の送信を忘れた場合には、置換禁止指令が送信される。従って、上記した特定のユーザが管理権限を有している間に指示可能となったジョブに対して、不適切に処理されることを防止可能である。
【0079】
(4)置換処理
次に、MFP3のNVRAM17内に記憶されている、管理者のユーザIDを置換する置換処理に関して説明する。図5は、MFP3のCPU11が実行する置換処理を示すフローチャートであり、図6は、置換処理中のS305の時間計測処理を示すフローチャートである。また、図7は、MFP3のNVRAM17に記憶されているユーザIDの置換順序情報を示すテーブルである。CPU11は、例えばMFP3の起動後、定期的に置換処理を実行する。
【0080】
置換処理では、S301及びS302でログオフ情報又は置換禁止指令を受信したか否かを判断する。このログオフ情報及び置換禁止指令は、前述したログオフ処理にて通信端末5から送信される情報及び指令である。ここで、どちらも受信しなかった場合(S301:N、S302:N)、当該置換処理を終了する。
【0081】
一方、ログオフ情報を受信した場合(S301:Y)、S303にてNVRAM17内に記憶されているユーザIDの置換順序テーブルから置換先のユーザIDが有るか否かを判断する。この置換順序テーブルは図7にて示すものであり、ユーザIDと置換順序の優先度が規定されたテーブルである。当該置換順序テーブルは、NVRAM17に予め記憶されているもので、例えば、MFP3の使用を管理する立場のユーザによって設定される。尚、図7でのユーザBは管理者として置換出来ないユーザIDを示している。
【0082】
ここで置換先のユーザIDが無い場合(S303:N)、後述するS306の処理を実行し、置換先のユーザIDが有る場合(S303:Y)、S304にて管理者を次の順序のユーザIDに置換する。即ち、NVRAM17内に記憶されている管理者のユーザIDを削除して、次の順序のユーザIDを管理者として記憶する。
【0083】
図7を参照して具体的に説明すると、管理者のユーザIDがユーザAであり、ユーザAにてログインしている通信端末5からログオフ情報を受信した場合、置換順序テーブルにはユーザDが次の順序のユーザIDと設定されている。従って、NVRAM17に管理者として記憶していたユーザAというユーザIDを削除して、次の順序のユーザIDである
ユーザDを管理者として記憶する。また、置換先のユーザIDが無い場合とは、管理者のユーザIDがユーザCの場合である。この場合、次の順序のユーザIDが存在しないため、管理者のユーザIDの置換が不可能である。
【0084】
S304の処理が終了すると、S305にて時間計測処理を実行する。時間計測処置では、S401で予め決められている既定時間を経過したか否かを判断する。まだ経過していない場合(S401:N)、S402及びS403にて、S301及びS302の処理と同様にログオフ情報又は置換禁止指令を受信したか否かを判断する。ここで、どちらも受信しなかった場合は(S402:N、S403:N)、既定時間を経過するまでS401からS403の処理を繰り返す。尚、既定時間は予め定められ、NVRAM17に記憶されている時間である。
【0085】
一方、ログオフ情報を受信した場合は(S402:Y)、S301にて同様の判断をした場合と同様に、S303の処理を実行する。また、置換禁止指令を受信した場合は(S402:N、S403:Y)、後述するS306の処理を実行する。
【0086】
さらに、S401にて既定時間を経過したと判断した場合(S401:Y)、S404にて、管理者を直前に置換されたユーザIDに再度置換する。即ち、NVRAM17内に記憶されている管理者のユーザIDを削除して、置換前のユーザIDを管理者として記憶する。
【0087】
図7を参照して具体的に説明すると、管理者のユーザIDがユーザCであり、ユーザCにてログインしている通信端末5からログオフ情報を受信した場合、置換順序テーブルにはユーザDがユーザCに置換される前のユーザIDと設定されているため、NVRAM17に管理者として記憶していたユーザCというユーザIDを削除して、ユーザDを管理者として記憶する。
【0088】
尚、S404の処理が終了すると、当該時間計測処理を終了し、後述するS306の処理を実行する。
【0089】
S306の処理は、S302にて置換禁止指令を受信した場合(S302:Y)、S303にて置換先のユーザIDが無い場合(S303:N)、S403にて置換禁止指令を受信した場合(S403:Y)、S404にて管理者を直前のユーザIDに再度置換した場合、のいずれかの場合が終了したことに応じて実行され、印刷部23が使用出来ないように電源の供給を停止する。その後、当該置換処理を終了する。
【0090】
即ち、上記いずれかの場合(S302:Y、S303:N、S403:Y、S404)が終了することに応じて、管理者のユーザIDを持つユーザによってログインされていた通信端末5がログオフした状態になるため、NVRAM17に記憶されているジョブに対して許可指令を送信不可能である。従って、印刷部23が動作する可能性が無くなる為、この場合印刷部23が使用できないように、印刷部23への通電を切る等して印刷部23を停止する。
【0091】
以上の置換処理により、上述したログオフ処理にてログオフした管理者のユーザIDが置換されるため、管理者が不在となる可能性が低くなる。また、ログオフ処理にて管理者がNVRAM17に記憶されているジョブを適切に処理しなかった場合、管理者のユーザIDが置換されないため、安全に管理権限を扱うことが可能である。
【0092】
また、予め決められている順序にて管理者が置換していくため、適切な順序で置換順序テーブルを設定しておけば、置換先のユーザIDを指定することなく容易に管理者を置換
可能である。さらに、管理者となるユーザIDを置換順序テーブルに予め設定しているため、不適切なユーザIDが管理者となる可能性は低く、安全に管理者が置換可能である。
【0093】
また、置換後の管理者は時間計測処理により一時的に管理権限が許可されている状態となるため、例えば置換前のユーザIDが最上位の管理者で有る場合、それ以外のユーザIDには完全に管理権限を移譲することを回避できる。さらに、既定時間が経過した場合、その管理権限が置換前のユーザIDに戻るため、より安全に管理権限を扱うことが出来る。
【0094】
また、管理者にてログインしている通信端末5がネットワーク回線L上に無い場合は、印刷部23への電源の供給を停止するため、無駄な電力の消費を回避可能である。
【0095】
<実施形態2>
本発明の実施形態2について図8から図11を参照して説明する。前記実施形態1との相違点は、NVRAM17に記憶されていた置換順序テーブルの代わりに置換可否テーブルが記憶されている点、ログオフ処理にて置換先のユーザIDを指定可能で有る点である。従って、前記実施形態1における(1)画像処理システムの電気的構成の(1−2)通信端末、(2)印刷処理、は共通である。また、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0096】
本実施形態では、上述したようにMFP3のNVRAM17には置換可否テーブルが記憶されており、当該置換可否テーブルを用いて管理者のユーザIDを置換する際の置換先をユーザによって選択可能である。
【0097】
図8は、ログオフ処理を示すフローチャートである。図4のログオフ処理とほぼ同じ処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0098】
図8に示すように、本実施形態2におけるログオフ処理では、通信端末5のCPU31は、NVRAM17に記憶されている全てのジョブに対して許可指令又は廃棄指令が指示された場合(S202:N)、S501にて、MFP3とネットワーク回線Lを介して通信をし、MFP3のNVRAM17に記憶されている置換可否テーブルを参照して、置換可能情報を取得する。
【0099】
この置換可否テーブルは図11で示すものであり、ユーザIDと管理権限の置換が許可されているか否かを対応付けて保存されたテーブルである。当該置換可否テーブルは、NVRAM17に予め記憶されているもので、例えば、MFP3の使用を管理する立場のユーザによって設定される。尚、図11では、ユーザA、ユーザC、及びユーザDは管理者として置換が許可されているユーザIDを示し、ユーザBは管理者として置換出来ないユーザIDを示している。
【0100】
また、置換可能情報とは上記置換可否テーブルを参照して得られる情報であり、具体的には、置換可否テーブルを参照したときにネットワーク回線L上でログインされている通信端末5の中で、置換可否テーブルにて置換が許可されているユーザIDの情報である。
【0101】
S501の処理が終了すると、S502にて通信端末5の表示部41に置換が可能なユーザIDを表示し、S503にて、表示されたユーザIDの中から置換先のユーザIDがユーザの操作部39による操作により選択されるまで処理を待機する。置換先のユーザIDが選択されると(S503:Y)、S504にてネットワークインターフェイス43を介してMFP3に選択されたユーザID情報を送信し、S210にてログオフする。
【0102】
図9は、置換処理を示すフローチャートである。図5の置換処理とほぼ同じ処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0103】
図9に示すように、本実施形態2における置換処理では、MFP3のCPU11は、S601及びS302でユーザID情報又は置換禁止指令を受信したか否かを判断する。ここで、どちらも受信しなかった場合(S601:N、S302:N)、当該置換処理を終了する。
【0104】
一方、ユーザID情報を受信した場合(S601:Y)、S602にて管理者をS601にて受信したユーザID情報のユーザIDに置換する。即ち、NVRAM17内に記憶されている管理者のユーザIDを削除して、ログオフ処理にて送信されたユーザIDを管理者として記憶する。尚、この時、直前の管理者のユーザIDもNVRAM17に記憶する。この直前の管理者のユーザIDは、時間計測処理のS404の処理にて使用する。
【0105】
尚、S602の処理が終了すると、S603にて時間計測処理を実行する。図10は、時間計測処理を示すフローチャートである。図6の時間計測処理とほぼ同じ処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0106】
図10に示すように、本実施形態2における時間計測処理では、S701及びS403にて、図9のS601及びS302の処理と同様にユーザID情報又は置換禁止指令を受信したか否かを判断する。ここで、どちらも受信しなかった場合は(S701:N、S403:N)、既定時間を経過するまでS401、S701、及びS403の処理を繰り返す。
【0107】
一方、ユーザID情報を受信した場合は(S701:Y)、図9のS601にて同様の判断をした場合と同様に、S602の処理を実行する。
【0108】
尚、S404の処理では、管理者を前回の置換処理にて置換された直前のユーザIDに再度置換する。この時の直前のユーザIDはNVRAM17に記憶されている。
【0109】
この様に、本実施形態2では、ユーザによる操作によって管理権限を置換するユーザIDを選択可能であるため、ユーザが自由に置換先のユーザIDを選択できる。さらに、管理者となるユーザIDを置換可否テーブルに予め設定しているため、不適切なユーザIDが管理者となる可能性は低く、安全に管理者が置換可能である。
【0110】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。特に、各実施形態の構成要素のうち、最上位の発明の構成要素以外の構成要素は、付加的な要素なので適宜省略可能である。
【0111】
(1)上記実施形態では、画像処理として印刷処理を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。即ち、印刷処理、複写処理、FAX送信処理などの画像処理にても適用可能であり、画像処理装置として上記処理が実行可能な画像処理装置であれば良く、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置などに本発明が適用されても良い。
【0112】
(2)また、画像処理を複数実行可能なMFP3の場合、図12の様にそれぞれの画像処理に対してそれぞれの管理者が設けられたテーブルがNVRAM17に記憶され、それぞれの機能に対して独自に置換処理を実行しても良い。
【0113】
(3)上記実施形態では、置換順序テーブル及び置換可否テーブルがMFP3のNVRAM17に記憶されていたが、本発明はこれに限られない。各通信端末5が置換順序の前後の通信端末5の情報を記憶し、当該情報を参照して置換処理の際に、次の順序の置換先のユーザIDを決定しても良いし、各通信端末5が自身の端末に置換の可否を示した情報を記憶し、ログオフ処理の際にネットワーク上の各通信端末5から当該情報を取得しても良い。これらの場合は、管理者のユーザID自体はMFP3のNVRAM17に記憶されており、管理者のユーザIDが必要な場合は適宜アクセスして取得等の処理をする。更に、ネットワーク回線L上にサーバが接続され、当該サーバにて各テーブルを記憶しても良い。この場合は、管理者のユーザIDをサーバに記憶しても良い。
【0114】
(4)また、画像処理システム1に複数のMFP3がネットワーク回線Lによって接続され、それらを集中管理するサーバも接続されている場合、図13の様にそれぞれのMFP3に対してそれぞれの管理者が設けられたテーブルが、サーバに記憶され、それぞれのMFP3に対して独自に置換処理を実行しても良い。
【0115】
(5)上記実施形態では、管理者のユーザIDがログインしている通信端末5から、当該ユーザIDがログオフするタイミングにて管理者のユーザIDを置換しているが、本発明の置換するタイミングはこのタイミングに限られない。管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5からユーザの好きなタイミングにて置換指示をしても良いし、管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5が一定時間操作されないことで置換指示がなされても良い。
【0116】
(6)上記実施形態では、管理者のユーザIDを基にして管理者を対応付けているが、本発明はこれに限られない。例えば、各通信端末5の端末IDから管理端末を決めても良い。
【0117】
(7)上記実施形態では、MFP3は印刷処理の際、印刷データの受信と許可指令の受信とを個別に受信する形態をとっているが、本発明はこれに限られない。印刷データと許可指令とを同時に送信して印刷データを印刷しても良い。即ちこの形態は、許可指令を送信可能な管理者のみが印刷可能な形態であり、MFP3にいわゆる利用制限がかけられた状態であり、この様な場合であっても本発明を適用可能である。
【0118】
(8)上記実施形態では、管理者のユーザIDの数が一つの場合を説明したが、管理者のユーザIDの数は複数であっても良い。
【0119】
(9)上記実施形態では、時間計測処理の際に計測する既定時間は、予め定められた時間であるが、本発明はこれに限られない。この既定時間はユーザID毎に設定されていても良いし、ログオフ処理の際に置換前の管理者が置換後の管理者に管理権限を移譲する既定時間を指定しても良い。また、時間計測処理自体が無くてもよい。
【0120】
(10)上記実施形態では、ジョブに対する許可指令が管理者のユーザIDにてログインされている通信端末5から受信したことで印刷を実行しているが、本発明はこれに限られない。この許可指令は、MFP3のユーザが操作部19を操作することよって指示されても良い。
【0121】
(11)上記実施形態では、ログオフ処理の際に一定時間が経過すると、置換禁止指令を送信しているが、この置換禁止指令は送信しなくても良いし、ログオフ処理の際にMFP3のNVRAM17の中のジョブに対する指令の送信を指示しなくても良い。
【0122】
(12)上記実施形態では、時間計測処理の際に既定時間を経過したら管理者を前回の
置換処理にて置換された直前のユーザIDに再度置換しているが、このユーザIDは直前のユーザIDに限られない。再度置換するユーザIDは最上位のユーザID(例えば図7ではユーザAに相当)であっても良いし、再度置換する処理自体をしなくても良い。
【符号の説明】
【0123】
1 画像処理システム
3 MFP
5 通信端末
11 CPU
17 NVRAM
19 操作部
21 表示部
23 印刷部
25 スキャナ部
27 ファクシミリ部
29 通信部
31 CPU
39 操作部
41 表示部
L ネットワーク回線
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョブを画像処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子文書を装置内に保存し、管理者の承認を受けたことに応じて印刷を実行する画像形成装置の技術が開示されている。この技術によれば画像形成装置による印刷を許可するか否かを管理者が管理することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−090631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記文献のような技術では、印刷を許可することが可能な管理者が固定されたユーザであるため、画像形成装置にて印刷を実行するためには、当該管理者が最終的な印刷実行を指示する必要があった。そのため、一人の管理者に大きな負担がかかっていた。
【0005】
本発明は、印刷等の画像処理の実行の指示を固定されたユーザのみに負担させることのない画像処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の画像形成システムは、ジョブに対して画像処理する機能部と、前記機能部に、前記ジョブに対する画像処理を指示する指示部と、前記指示部にて指示された機能部による画像処理を許可する許可部と、前記許可部にて画像処理を許可可能なユーザのユーザ情報を記憶する権限記憶部と、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、当該ユーザ情報とは別のユーザのユーザ情報に置き換える置換部と、を備える。
【0007】
上記の構成を採用すれば、許可部による許可が可能なユーザを別のユーザに置換することが可能であるため、画像処理の実行の指示を固定されたユーザのみに負担させることを回避することが出来る。
【0008】
さらに、本発明の画像形成システムは、前記指示部による指示は、前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報とは別のユーザ情報を有するユーザからの指示であっても良い。
【0009】
上記の構成を採用すれば、他のユーザから指示されたジョブに対する画像処理を権限記憶部に記憶されているユーザによる許可によって実行可能であるため、適切にジョブの実行が可能である。
【0010】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を有するユーザが、前記許可部によって許可可能な状態であるか否かを判断する判断部を備え、前記置換部は、前記判断部にて肯定判断だった場合、ユーザ情報を置換せず、否定判断だった場合、別のユーザ情報に置換しても良い。
【0011】
上記構成を採用すれば、許可部による許可が可能なユーザによる許可不可能な状態であ
っても別のユーザに置換することが出来るため、機能部による画像処理が許可されないような状況を回避出来る。
【0012】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記許可部は、情報処理装置に設けられ、前記判断部は、前記情報処理装置から前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報がログアウトしたことに応じて、前記判断部が否定判断をしても良い。
【0013】
上記構成を採用すれば、情報処理装置からログアウトしたことで、ユーザは情報処理装置に備えられた許可部にて許可が不可能な状態となる。従って、ログアウトを検知したことでユーザが許可部による許可できない状態を好適に判断可能である。
【0014】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記置換部がユーザ情報を置換するときの、複数のユーザ情報の置換順序を記憶する順序記憶部を備え、前記判断部が否定判断であることに応じて、前記置換部は、前記順序記憶部に記憶されている順序に基づき、前記ユーザ情報を置換しても良い。
【0015】
上記構成を採用すれば、順序記憶部にユーザ情報の置換順序が記憶されているため、置換するユーザ情報を指定することなく容易にユーザ情報の置換が可能である。
【0016】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記置換部によって置換するユーザを選択する選択部を備え、前記判断部が否定判断であることに応じて、前記選択部にて前記ユーザ情報を選択しても良い。
【0017】
上記構成を採用すれば、置換するユーザ情報を自由に選択可能であるため、拡張性の高いシステムを提供可能である。
【0018】
さらに、本発明の画像処理システムは、権限記憶部に記憶されたユーザ情報を有するユーザによる指令により、前記ジョブを破棄可能な破棄部と、ユーザ情報を置換するときにジョブが待機していた場合、待機しているジョブに対して前記許可部による許可及び前記破棄部による破棄のいずれか一方が指示されたことに応じて、前記置換部がユーザ情報を置換しても良い。
【0019】
上記構成を採用すれば、ジョブに対する画像処理が許可及び破棄されたことに応じてユーザ情報が置換するため、置換前のユーザ情報を有するユーザにより適切にジョブを管理することが可能である。
【0020】
さらに、本発明の画像処理システムは、待機しているジョブに対して前記許可部による許可及び前記破棄部による破棄のいずれもが規定時間指示されないことに応じて、前記置換部がユーザ情報を置換しなくても良い。
【0021】
上記構成を採用すれば、待機しているジョブに対する画像処理の実行が、置換前のユーザ情報を有するユーザに適切に管理されるため、不適切な画像処理の実行を回避できる。
【0022】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記置換部による置換が可能であるユーザ情報を記憶する置換ユーザ記憶部を備え、前記置換部は、前記置換ユーザ記憶部に記憶されているユーザ情報に置換しても良い。
【0023】
上記構成を採用すれば、置換可能なユーザを制限することが可能であるので、セキュリティの高いシステムを提供することが可能である。
【0024】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記置換部により置換対象のユーザ情報が無いことに応じて、前記機能部への電源の供給を停止する停止部を備えても良い。
【0025】
上記構成を採用すれば、置換対象のユーザ情報が無いとは指示部による指示が可能なユーザがいない状況であるため、無駄な電源を停止することが可能である。
【0026】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記置換部にてユーザ情報を置換するとき、置換後のユーザ情報を有するユーザにて許可部による許可可能な時間を計測する計測部と、前記計測部が前記許可可能な時間を越えたことに応じて、前記置換後のユーザ情報を有するユーザにて許可部による許可を禁止する禁止部と、を備えても良い。
【0027】
上記構成を採用すれば、計測部にて特定のユーザ情報を有するユーザにて許可部による許可可能な時間を計測することで、置換したユーザに一時的に許可部による許可をする権限を与えることが可能であり、セキュリティの高いシステムを提供することが可能である。
【0028】
さらに、本発明の画像形成システムは、前記禁止部にて禁止したことに応じて、前記置換部は、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、置換される前のユーザ情報に再度置き換えても良い。
【0029】
上記構成を採用すれば、一時的に許可部による許可をする権限を与えられたユーザは、許可された時間を経過すると権限が元のユーザに戻るため、よりセキュリティの高いシステムを提供することが可能である。
【0030】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記機能部は、複数の画像処理を実行可能であり、前記権限記憶部は、各画像処理に対して、それぞれユーザ情報を記憶しても良い。
【0031】
上記構成を採用すれば、複数の画像処理に対して、それぞれ適切に許可可能なユーザを設定可能である。
【0032】
さらに、本発明の画像処理システムは、複数の装置により画像処理を実行可能であり、前記権限記憶部は、各装置に対して、それぞれのユーザ情報を記憶しても良い。
【0033】
上記構成を採用すれば、複数の装置に対して、それぞれ適切に許可可能なユーザを設定可能である。
【0034】
さらに、本発明の画像処理システムは、前記指示部による指示の際、前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報を報知する報知部を備えても良い。
【0035】
上記構成を採用すれば、指示部による指示を実行するユーザは、指示をする際に許可部による許可可能なユーザ情報を認識可能である。
【0036】
また、本発明の画像処理装置は、ジョブに対する画像処理を指示する指示部を備える情報処理装置と接続可能な画像処理装置であって、前記ジョブに対して画像処理する機能部と、前記指示部にて指示された機能部による画像処理を許可する許可部と、前記許可部にて画像処理を許可可能なユーザのユーザ情報を記憶する権限記憶部と、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、当該ユーザ情報とは別のユーザのユーザ情報に置き換える置換部と、を備える。
【0037】
上記の構成を採用すれば、許可部による許可が可能なユーザを別のユーザに置換するこ
とが可能であるため、画像処理の実行の指示を固定されたユーザのみに負担させることを回避することが出来る。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、印刷等の画像処理の実行の指示を固定されたユーザのみに負担させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、画像形成システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、印刷処理を示すフローチャートである。
【図3】図3は、印刷データを送信する際の、表示部にて表示する操作画面例である。
【図4】図4は、実施形態1のログオフ処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施形態1の置換処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施形態1の時間計測処理を示すフローチャートである。
【図7】図7は、ユーザIDの置換順序情報を示すテーブルである。
【図8】図8は、実施形態2のログオフ処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施形態2の置換処理を示すフローチャートである。
【図10】図10は、実施形態2の時間計測処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は、ユーザIDの置換可否情報を示すテーブルである。
【図12】図12は、複数の画像処理機能に対してそれぞれ管理者が設けられたテーブルである。
【図13】図13は、複数の画像処理装置に対してそれぞれ管理者が設けられたテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
<実施形態1>
本発明の実施形態1について図1から図7を参照して説明する。
【0041】
(1)画像処理システムの電気的構成
図1は、画像処理システム1の電気的構成を示すブロック図である。
【0042】
画像処理システム1は、MFP3(MultiFunction Printer)(画像処理装置)と、複数台(図1には4台図示)の通信端末5(情報処理装置)とがネットワーク回線Lを介して接続された構成になっている。
【0043】
(1−1)MFP
MFP3は、例えば印刷機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを有する複合機であり、CPU11、ROM13、RAM15、NVRAM17、操作部19、表示部21、印刷部23、スキャナ部25、ファクシミリ部27、通信部29等を備えている。
【0044】
ROM13には、MFP3の基本的な動作を制御するプログラムの他、後述する置換処理のプログラムなどが記録されており、CPU11(許可部、置換部、判断部、破棄部、停止部、計測部、禁止部)は、ROM13から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM15に記憶させながら、MFP3の動作を制御する。
【0045】
また、CPU11は、現在の管理者のユーザIDを別のユーザIDに置換する処理(置換処理)、各通信端末5のユーザログイン状況を監視する処理、各構成部に電力を伝える図示しない電源回路のオンオフを切替える処理、管理者のユーザIDが置換されてからの時間を計測する処理などの処理も制御する。尚、上記処理は後述にて詳細に説明する。
【0046】
NVRAM17(権限記憶部、順序記憶部、置換ユーザ記憶部)は、後述する現在の管理者のユーザID(ユーザ情報)、通信部29を介して受信した印刷データ(ジョブ)等の画像処理対象のデータ、ユーザIDの置換順序テーブル等を記憶する。
【0047】
操作部19は、複数のボタン等を有し、ユーザによって画像処理の実行指令などの各種の入力操作が可能である。画像処理には、印刷処理、スキャナ(画像読取)処理、ファクシミリ通信処理(PCファックス処理)等が含まれる。表示部21は、液晶ディスプレイやランプからなり、各種の設定画面や動作状態等を表示することが可能である。
【0048】
印刷部23(機能部)は、印刷処理の許可指令を、通信端末5から通信部29を介して受信したときに、予めNVRAM17に記憶させられている印刷データに基づき用紙への印刷を実行する。
【0049】
スキャナ部25(機能部)は、スキャナ処理の実行指令を、操作部19から受けたとき、または、通信端末5から通信部29を介して受信したときに、MFP3の図示しない原稿台に配置された原稿の画像を読み取って印刷データを生成する。尚、当該印刷データはNVRAM17に記憶する。
【0050】
ファクシミリ部27(機能部)は、ファクシミリ通信処理の許可指令を、通信端末5から通信部29を介して受信したときに、予めNVRAM17に記憶されているFAXデータに基づき、図示しない電話回線を通じて他のファクシミリ装置との間でファクシミリデータのやり取りを行う。
【0051】
通信部29は、ネットワークポート(例えばLANポート)、及び、ローカルポート(例えばUSBポート)など、複数の通信ポートを備える。図1では、ネットワークポートがネットワーク回線Lに接続されており、MFP3は、各通信端末5との間でデータの相互通信が可能になっている。
【0052】
(1−2)通信端末
各通信端末5A〜5Dは、CPU31、ROM33、RAM35、ハードディスク37(HDD)、操作部39、表示部41、ネットワークインターフェイス43等を備えている。
【0053】
ROM13には、通信端末5の基本的な動作を制御するBIOSなどのプログラムが記憶されており、CPU31(指示部、選択部)は、ROM13から読み出したプログラムに従って、その処理結果をRAM15に記憶させながら、MFP3の動作を制御する。
【0054】
ハードディスク37には、印刷データを作成するためのアプリケーションソフトやプリンタドライバなどの各種プログラムが記憶されており、CPU31は、ハードディスク37から読み出した上記プリンタドライバに従って印刷データを作成し、通信部29を介してMFP3に印刷データを送信する。
【0055】
尚、特定のユーザIDにてログインしている通信端末5からは、CPU31による処理によりプリンタドライバにてMFP3のNVRAM17に記憶されている印刷データの印刷を許可する許可指令及び印刷データを破棄する破棄指令が送信可能である。
【0056】
操作部39はキーボードやポインティングデバイスを備え、表示部41(報知部)は例えば液晶ディスプレイ等を備える。また、表示部41は、プリンタドライバによる印刷指示などを実行する際の表示も表示部41にて表示され、この印刷指示の際には現在の管理
者のユーザのIDが表示されユーザに報知される。
【0057】
ネットワークインターフェイス43はネットワーク回線Lに接続される。
【0058】
(2)印刷処理
まずは、基本的な印刷処理に関して説明する。図2は、MFP3のCPU11が実行する印刷処理を示すフローチャートである。また、図3は、印刷データを通信端末5から送信する際の、表示部41にて表示する操作画面である。CPU11は、例えばMFP3の起動後、定期的に当該印刷処理を実行する。
【0059】
印刷処理では、S101でいずれかの通信端末5から印刷データを受信した又はスキャナ部25にて印刷データが作成されたか否かを判断する。ここで、受信した又は作成されたと判断した場合(S101:Y)、S102にて印刷データをジョブとしてNVRAM17に記憶し、当該印刷処理を終了する。
【0060】
尚、ユーザからの指示により印刷データを通信端末5から送信する際には、表示部41に図3の様な操作画面が表示される。当該操作画面にはMFP3の現在の管理者のユーザIDが表示されている。このため印刷データを送信するユーザは、現在の管理者を認識可能である。尚、管理者のユーザIDはMFP3のNVRAM17に記憶されているため、通信端末5は表示部41に図3の画面を表示する際に、ネットワークインターフェイス43を介して現在の管理者のユーザIDを取得する。尚、ユーザはこの画面を参照して操作部39を操作することで、用紙サイズ、部数、用紙種類等を指定可能である。
【0061】
一方、S101で印刷データを受信していない又は作成されていないと判断した場合(S101:N)、S103にて管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5から許可指令を受信したか否かを判断する。ここで、許可指令を受信したと判断した場合(S103:Y)、S104にて許可指令にて選択されているジョブを印刷部23にて印刷し、当該印刷処理を終了する。
【0062】
尚、許可指令は管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5からのみ送信可能であり、当該許可指令を送信する際には、通信端末5にてMFP3のNVRAM17に記憶されているジョブを取得して、その中から許可指令を出すジョブを選択する。この処理により、それぞれのジョブに対して許可指令を送信することが可能である。
【0063】
一方、S103で許可指令を受信していないと判断した場合は(S103:N)、当該印刷処理を終了する。
【0064】
即ち、MFP3は、定期的に印刷データの受信、作成、又は許可指令を受けたかを監視しており、上記いずれかのデータや指令を受け取った段階で、S102及びS104の処理をそれぞれ実行する。
【0065】
この様に本発明のMFP3では、特定のユーザID(管理者のユーザID)にてログインしている通信端末5から許可指令を受信しないと印刷を実行しない構成となっている。そのため、MFP3が管理者のユーザIDにて管理されているため、他のユーザIDを持つユーザからの無駄な印刷を回避できる。
【0066】
(3)ログオフ処理
次に、管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5にてログオフする際のログオフ処理を説明する。図4は、通信端末5のCPU31が実行するログオフ処理を示すフローチャートである。CPU31は、例えば通信端末5にMFP3の管理者のユーザID
がログインしてから、定期的に当該ログオフ処理を実行する。
【0067】
尚、ログインとは、通信端末5を使用するユーザを特定するために、ユーザ独自のIDであるユーザIDを使用して通信端末5を操作可能な状態に移す処理であり、ログオフとは、逆に操作可能な状態を抜ける処理である。一般的には、通信端末5の基本動作を制御するためのOSにて管理されている。
【0068】
また、通信端末5に管理者のユーザIDがログインしたか否かの判断は、通信端末5にいずれかのユーザIDがログインした際に、CPU31がMFP3と通信してNVRAM17に記憶されている管理者のユーザIDを参照することで判断しても良いし、MFP3がネットワーク回線L上の各通信端末5A〜5Dのログイン状況を監視し、NVRAM17に記憶されている管理者のユーザIDがいずれかの通信端末5A〜5Dにログインしたことに応じて、ログインした通信端末5に管理者のユーザIDがログインした旨をMFP3から受信したことで判断しても良い。
【0069】
ログオフ処理では、S201で管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5からログオフが指示されたか否かを判断する。尚、このログオフの指示は、通信端末5の操作部39をユーザが操作することで指示される処理である。また、本発明の形態ではOSの上でログオフが指示されるが、この指示が実行されても直ぐにはログオフを実行せず、S202以降の処理がOSとは異なるプログラムにより実行された後にログオフを実行する。
【0070】
指示されなかった場合は(S201:N)、何も処理されないままログオフ処理を終了するが、指示された場合(S201:Y)、S202にてネットワークインターフェイス43を介してMFP3にアクセスし、NVRAM17にジョブが記憶されているか否かを判断する。
【0071】
ここで、ジョブが一つでも記憶されている場合(S202:Y)、操作部39をユーザが操作することでNVRAM17内のジョブが一つ選択され、S203、S204及びS205にてNVRAM17に記憶されているジョブに対して印刷を許可する許可指令が指示されたか否か、当該ジョブを廃棄する廃棄指令が指示されたか否かを一定時間の間で判断する。
【0072】
印刷指示が当該ジョブに対して指示された場合(S203:Y)、S206にて許可指令をMFP3に送信する。また、廃棄指令が当該ジョブに対して指示された場合(S203:N、S204:Y)、S207にて廃棄指令をMFP3に送信する。尚、どちらの指示もなされない場合は(S203:N、S204:N)、S205にて一定時間経過したか否かが判断され、経過していない場合は(S205:N)、処理がS203に戻りS203からS205の間を一定時間ループする。
【0073】
尚、S206又はS207の処理が終了すると、処理がS202に戻り、更にNVRAM17にジョブが記憶されているか否かを判断する。また、S205にて一定時間経過した場合は(S205:Y)、S208にて管理者のユーザIDの置換を禁止する置換禁止指令をMFP3に送信する。
【0074】
一方、S202にてNVRAM17に記憶されている全てのジョブに対して許可指令又は廃棄指令が指示された場合(S202:N)、S209にて当該通信端末5はがログオフすることを通知するログオフ情報をMFP3に送信する。
【0075】
そして、S208及びS209の処理が終了した後、S210にて当該通信端末5をロ
グオフし、当該ログオフ処理を終了する。
【0076】
以上により、画像処理装置3のNVRAM17にジョブが記憶されている場合は、S206及びS207のいずれかの指令が送信されるまで待機し、全てのジョブに対していずれかの指示の送信が終了したことに応じて、通信端末5はログオフする。また、S206及びS207のいずれかの指令が送信されないまま一定時間経過すると、S208にて置換禁止指令を送信した後にログオフする。
【0077】
以上のログオフ処理により、NVRAM17に記憶されているジョブが無くなるまでログオフがなされないため、管理権限を持つユーザが管理者であった期間にNVRAM17にて記憶されたジョブに対しては、ログオフすることで画像処理の許可及び廃棄の指示が不可能な状況になる前に、指示を実行可能である。従って、特定のユーザが管理権限を有している間に指示可能となったジョブ(NVRAM17に記憶されたジョブ)に対しては、その時の管理者が適切に管理可能である。
【0078】
また例えば、管理者がログオフをする際までに上記いずれかの指令の送信を忘れていた場合に、適切にジョブを処理することが可能である。更に、例えば、管理者がログオフの際にいずれかの指令の送信を忘れた場合には、置換禁止指令が送信される。従って、上記した特定のユーザが管理権限を有している間に指示可能となったジョブに対して、不適切に処理されることを防止可能である。
【0079】
(4)置換処理
次に、MFP3のNVRAM17内に記憶されている、管理者のユーザIDを置換する置換処理に関して説明する。図5は、MFP3のCPU11が実行する置換処理を示すフローチャートであり、図6は、置換処理中のS305の時間計測処理を示すフローチャートである。また、図7は、MFP3のNVRAM17に記憶されているユーザIDの置換順序情報を示すテーブルである。CPU11は、例えばMFP3の起動後、定期的に置換処理を実行する。
【0080】
置換処理では、S301及びS302でログオフ情報又は置換禁止指令を受信したか否かを判断する。このログオフ情報及び置換禁止指令は、前述したログオフ処理にて通信端末5から送信される情報及び指令である。ここで、どちらも受信しなかった場合(S301:N、S302:N)、当該置換処理を終了する。
【0081】
一方、ログオフ情報を受信した場合(S301:Y)、S303にてNVRAM17内に記憶されているユーザIDの置換順序テーブルから置換先のユーザIDが有るか否かを判断する。この置換順序テーブルは図7にて示すものであり、ユーザIDと置換順序の優先度が規定されたテーブルである。当該置換順序テーブルは、NVRAM17に予め記憶されているもので、例えば、MFP3の使用を管理する立場のユーザによって設定される。尚、図7でのユーザBは管理者として置換出来ないユーザIDを示している。
【0082】
ここで置換先のユーザIDが無い場合(S303:N)、後述するS306の処理を実行し、置換先のユーザIDが有る場合(S303:Y)、S304にて管理者を次の順序のユーザIDに置換する。即ち、NVRAM17内に記憶されている管理者のユーザIDを削除して、次の順序のユーザIDを管理者として記憶する。
【0083】
図7を参照して具体的に説明すると、管理者のユーザIDがユーザAであり、ユーザAにてログインしている通信端末5からログオフ情報を受信した場合、置換順序テーブルにはユーザDが次の順序のユーザIDと設定されている。従って、NVRAM17に管理者として記憶していたユーザAというユーザIDを削除して、次の順序のユーザIDである
ユーザDを管理者として記憶する。また、置換先のユーザIDが無い場合とは、管理者のユーザIDがユーザCの場合である。この場合、次の順序のユーザIDが存在しないため、管理者のユーザIDの置換が不可能である。
【0084】
S304の処理が終了すると、S305にて時間計測処理を実行する。時間計測処置では、S401で予め決められている既定時間を経過したか否かを判断する。まだ経過していない場合(S401:N)、S402及びS403にて、S301及びS302の処理と同様にログオフ情報又は置換禁止指令を受信したか否かを判断する。ここで、どちらも受信しなかった場合は(S402:N、S403:N)、既定時間を経過するまでS401からS403の処理を繰り返す。尚、既定時間は予め定められ、NVRAM17に記憶されている時間である。
【0085】
一方、ログオフ情報を受信した場合は(S402:Y)、S301にて同様の判断をした場合と同様に、S303の処理を実行する。また、置換禁止指令を受信した場合は(S402:N、S403:Y)、後述するS306の処理を実行する。
【0086】
さらに、S401にて既定時間を経過したと判断した場合(S401:Y)、S404にて、管理者を直前に置換されたユーザIDに再度置換する。即ち、NVRAM17内に記憶されている管理者のユーザIDを削除して、置換前のユーザIDを管理者として記憶する。
【0087】
図7を参照して具体的に説明すると、管理者のユーザIDがユーザCであり、ユーザCにてログインしている通信端末5からログオフ情報を受信した場合、置換順序テーブルにはユーザDがユーザCに置換される前のユーザIDと設定されているため、NVRAM17に管理者として記憶していたユーザCというユーザIDを削除して、ユーザDを管理者として記憶する。
【0088】
尚、S404の処理が終了すると、当該時間計測処理を終了し、後述するS306の処理を実行する。
【0089】
S306の処理は、S302にて置換禁止指令を受信した場合(S302:Y)、S303にて置換先のユーザIDが無い場合(S303:N)、S403にて置換禁止指令を受信した場合(S403:Y)、S404にて管理者を直前のユーザIDに再度置換した場合、のいずれかの場合が終了したことに応じて実行され、印刷部23が使用出来ないように電源の供給を停止する。その後、当該置換処理を終了する。
【0090】
即ち、上記いずれかの場合(S302:Y、S303:N、S403:Y、S404)が終了することに応じて、管理者のユーザIDを持つユーザによってログインされていた通信端末5がログオフした状態になるため、NVRAM17に記憶されているジョブに対して許可指令を送信不可能である。従って、印刷部23が動作する可能性が無くなる為、この場合印刷部23が使用できないように、印刷部23への通電を切る等して印刷部23を停止する。
【0091】
以上の置換処理により、上述したログオフ処理にてログオフした管理者のユーザIDが置換されるため、管理者が不在となる可能性が低くなる。また、ログオフ処理にて管理者がNVRAM17に記憶されているジョブを適切に処理しなかった場合、管理者のユーザIDが置換されないため、安全に管理権限を扱うことが可能である。
【0092】
また、予め決められている順序にて管理者が置換していくため、適切な順序で置換順序テーブルを設定しておけば、置換先のユーザIDを指定することなく容易に管理者を置換
可能である。さらに、管理者となるユーザIDを置換順序テーブルに予め設定しているため、不適切なユーザIDが管理者となる可能性は低く、安全に管理者が置換可能である。
【0093】
また、置換後の管理者は時間計測処理により一時的に管理権限が許可されている状態となるため、例えば置換前のユーザIDが最上位の管理者で有る場合、それ以外のユーザIDには完全に管理権限を移譲することを回避できる。さらに、既定時間が経過した場合、その管理権限が置換前のユーザIDに戻るため、より安全に管理権限を扱うことが出来る。
【0094】
また、管理者にてログインしている通信端末5がネットワーク回線L上に無い場合は、印刷部23への電源の供給を停止するため、無駄な電力の消費を回避可能である。
【0095】
<実施形態2>
本発明の実施形態2について図8から図11を参照して説明する。前記実施形態1との相違点は、NVRAM17に記憶されていた置換順序テーブルの代わりに置換可否テーブルが記憶されている点、ログオフ処理にて置換先のユーザIDを指定可能で有る点である。従って、前記実施形態1における(1)画像処理システムの電気的構成の(1−2)通信端末、(2)印刷処理、は共通である。また、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0096】
本実施形態では、上述したようにMFP3のNVRAM17には置換可否テーブルが記憶されており、当該置換可否テーブルを用いて管理者のユーザIDを置換する際の置換先をユーザによって選択可能である。
【0097】
図8は、ログオフ処理を示すフローチャートである。図4のログオフ処理とほぼ同じ処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0098】
図8に示すように、本実施形態2におけるログオフ処理では、通信端末5のCPU31は、NVRAM17に記憶されている全てのジョブに対して許可指令又は廃棄指令が指示された場合(S202:N)、S501にて、MFP3とネットワーク回線Lを介して通信をし、MFP3のNVRAM17に記憶されている置換可否テーブルを参照して、置換可能情報を取得する。
【0099】
この置換可否テーブルは図11で示すものであり、ユーザIDと管理権限の置換が許可されているか否かを対応付けて保存されたテーブルである。当該置換可否テーブルは、NVRAM17に予め記憶されているもので、例えば、MFP3の使用を管理する立場のユーザによって設定される。尚、図11では、ユーザA、ユーザC、及びユーザDは管理者として置換が許可されているユーザIDを示し、ユーザBは管理者として置換出来ないユーザIDを示している。
【0100】
また、置換可能情報とは上記置換可否テーブルを参照して得られる情報であり、具体的には、置換可否テーブルを参照したときにネットワーク回線L上でログインされている通信端末5の中で、置換可否テーブルにて置換が許可されているユーザIDの情報である。
【0101】
S501の処理が終了すると、S502にて通信端末5の表示部41に置換が可能なユーザIDを表示し、S503にて、表示されたユーザIDの中から置換先のユーザIDがユーザの操作部39による操作により選択されるまで処理を待機する。置換先のユーザIDが選択されると(S503:Y)、S504にてネットワークインターフェイス43を介してMFP3に選択されたユーザID情報を送信し、S210にてログオフする。
【0102】
図9は、置換処理を示すフローチャートである。図5の置換処理とほぼ同じ処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0103】
図9に示すように、本実施形態2における置換処理では、MFP3のCPU11は、S601及びS302でユーザID情報又は置換禁止指令を受信したか否かを判断する。ここで、どちらも受信しなかった場合(S601:N、S302:N)、当該置換処理を終了する。
【0104】
一方、ユーザID情報を受信した場合(S601:Y)、S602にて管理者をS601にて受信したユーザID情報のユーザIDに置換する。即ち、NVRAM17内に記憶されている管理者のユーザIDを削除して、ログオフ処理にて送信されたユーザIDを管理者として記憶する。尚、この時、直前の管理者のユーザIDもNVRAM17に記憶する。この直前の管理者のユーザIDは、時間計測処理のS404の処理にて使用する。
【0105】
尚、S602の処理が終了すると、S603にて時間計測処理を実行する。図10は、時間計測処理を示すフローチャートである。図6の時間計測処理とほぼ同じ処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0106】
図10に示すように、本実施形態2における時間計測処理では、S701及びS403にて、図9のS601及びS302の処理と同様にユーザID情報又は置換禁止指令を受信したか否かを判断する。ここで、どちらも受信しなかった場合は(S701:N、S403:N)、既定時間を経過するまでS401、S701、及びS403の処理を繰り返す。
【0107】
一方、ユーザID情報を受信した場合は(S701:Y)、図9のS601にて同様の判断をした場合と同様に、S602の処理を実行する。
【0108】
尚、S404の処理では、管理者を前回の置換処理にて置換された直前のユーザIDに再度置換する。この時の直前のユーザIDはNVRAM17に記憶されている。
【0109】
この様に、本実施形態2では、ユーザによる操作によって管理権限を置換するユーザIDを選択可能であるため、ユーザが自由に置換先のユーザIDを選択できる。さらに、管理者となるユーザIDを置換可否テーブルに予め設定しているため、不適切なユーザIDが管理者となる可能性は低く、安全に管理者が置換可能である。
【0110】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も本発明の技術的範囲に含まれる。特に、各実施形態の構成要素のうち、最上位の発明の構成要素以外の構成要素は、付加的な要素なので適宜省略可能である。
【0111】
(1)上記実施形態では、画像処理として印刷処理を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。即ち、印刷処理、複写処理、FAX送信処理などの画像処理にても適用可能であり、画像処理装置として上記処理が実行可能な画像処理装置であれば良く、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置などに本発明が適用されても良い。
【0112】
(2)また、画像処理を複数実行可能なMFP3の場合、図12の様にそれぞれの画像処理に対してそれぞれの管理者が設けられたテーブルがNVRAM17に記憶され、それぞれの機能に対して独自に置換処理を実行しても良い。
【0113】
(3)上記実施形態では、置換順序テーブル及び置換可否テーブルがMFP3のNVRAM17に記憶されていたが、本発明はこれに限られない。各通信端末5が置換順序の前後の通信端末5の情報を記憶し、当該情報を参照して置換処理の際に、次の順序の置換先のユーザIDを決定しても良いし、各通信端末5が自身の端末に置換の可否を示した情報を記憶し、ログオフ処理の際にネットワーク上の各通信端末5から当該情報を取得しても良い。これらの場合は、管理者のユーザID自体はMFP3のNVRAM17に記憶されており、管理者のユーザIDが必要な場合は適宜アクセスして取得等の処理をする。更に、ネットワーク回線L上にサーバが接続され、当該サーバにて各テーブルを記憶しても良い。この場合は、管理者のユーザIDをサーバに記憶しても良い。
【0114】
(4)また、画像処理システム1に複数のMFP3がネットワーク回線Lによって接続され、それらを集中管理するサーバも接続されている場合、図13の様にそれぞれのMFP3に対してそれぞれの管理者が設けられたテーブルが、サーバに記憶され、それぞれのMFP3に対して独自に置換処理を実行しても良い。
【0115】
(5)上記実施形態では、管理者のユーザIDがログインしている通信端末5から、当該ユーザIDがログオフするタイミングにて管理者のユーザIDを置換しているが、本発明の置換するタイミングはこのタイミングに限られない。管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5からユーザの好きなタイミングにて置換指示をしても良いし、管理者のユーザIDにてログインしている通信端末5が一定時間操作されないことで置換指示がなされても良い。
【0116】
(6)上記実施形態では、管理者のユーザIDを基にして管理者を対応付けているが、本発明はこれに限られない。例えば、各通信端末5の端末IDから管理端末を決めても良い。
【0117】
(7)上記実施形態では、MFP3は印刷処理の際、印刷データの受信と許可指令の受信とを個別に受信する形態をとっているが、本発明はこれに限られない。印刷データと許可指令とを同時に送信して印刷データを印刷しても良い。即ちこの形態は、許可指令を送信可能な管理者のみが印刷可能な形態であり、MFP3にいわゆる利用制限がかけられた状態であり、この様な場合であっても本発明を適用可能である。
【0118】
(8)上記実施形態では、管理者のユーザIDの数が一つの場合を説明したが、管理者のユーザIDの数は複数であっても良い。
【0119】
(9)上記実施形態では、時間計測処理の際に計測する既定時間は、予め定められた時間であるが、本発明はこれに限られない。この既定時間はユーザID毎に設定されていても良いし、ログオフ処理の際に置換前の管理者が置換後の管理者に管理権限を移譲する既定時間を指定しても良い。また、時間計測処理自体が無くてもよい。
【0120】
(10)上記実施形態では、ジョブに対する許可指令が管理者のユーザIDにてログインされている通信端末5から受信したことで印刷を実行しているが、本発明はこれに限られない。この許可指令は、MFP3のユーザが操作部19を操作することよって指示されても良い。
【0121】
(11)上記実施形態では、ログオフ処理の際に一定時間が経過すると、置換禁止指令を送信しているが、この置換禁止指令は送信しなくても良いし、ログオフ処理の際にMFP3のNVRAM17の中のジョブに対する指令の送信を指示しなくても良い。
【0122】
(12)上記実施形態では、時間計測処理の際に既定時間を経過したら管理者を前回の
置換処理にて置換された直前のユーザIDに再度置換しているが、このユーザIDは直前のユーザIDに限られない。再度置換するユーザIDは最上位のユーザID(例えば図7ではユーザAに相当)であっても良いし、再度置換する処理自体をしなくても良い。
【符号の説明】
【0123】
1 画像処理システム
3 MFP
5 通信端末
11 CPU
17 NVRAM
19 操作部
21 表示部
23 印刷部
25 スキャナ部
27 ファクシミリ部
29 通信部
31 CPU
39 操作部
41 表示部
L ネットワーク回線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブに対して画像処理する機能部と、
前記機能部に、前記ジョブに対する画像処理を指示する指示部と、
前記指示部にて指示された機能部による画像処理を許可する許可部と、
前記許可部にて画像処理を許可可能なユーザのユーザ情報を記憶する権限記憶部と、
前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、当該ユーザ情報とは別のユーザのユーザ情報に置き換える置換部と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記指示部による指示は、前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報とは別のユーザ情報を有するユーザからの指示であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を有するユーザが、前記許可部によって許可可能な状態であるか否かを判断する判断部を備え、
前記置換部は、前記判断部にて肯定判断だった場合、ユーザ情報を置換せず、否定判断だった場合、別のユーザ情報に置換することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記許可部は、情報処理装置に設けられ、
前記判断部は、前記情報処理装置から前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報がログアウトしたことに応じて、前記判断部が否定判断をすることを特徴とする請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記置換部がユーザ情報を置換するときの、複数のユーザ情報の置換順序を記憶する順序記憶部を備え、
前記判断部が否定判断であることに応じて、前記置換部は、前記順序記憶部に記憶されている順序に基づき、前記ユーザ情報を置換することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記置換部によって置換するユーザを選択する選択部を備え、
前記判断部が否定判断であることに応じて、前記選択部にて前記ユーザ情報を選択することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理システム。
【請求項7】
権限記憶部に記憶されたユーザ情報を有するユーザによる指令により、前記ジョブを破棄可能な破棄部と、
ユーザ情報を置換するときにジョブが待機していた場合、待機しているジョブに対して前記許可部による許可及び前記破棄部による破棄のいずれか一方が指示されたことに応じて、前記置換部がユーザ情報を置換することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項8】
待機しているジョブに対して前記許可部による許可及び前記破棄部による破棄のいずれもが規定時間指示されないことに応じて、前記置換部がユーザ情報を置換しないことを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記置換部による置換が可能であるユーザ情報を記憶する置換ユーザ記憶部を備え、
前記置換部は、前記置換ユーザ記憶部に記憶されているユーザ情報に置換することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記置換部により置換対象のユーザ情報が無いことに応じて、前記機能部への電源の供給を停止する停止部を備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記置換部にてユーザ情報を置換するとき、置換後のユーザ情報を有するユーザにて許可部による許可可能な時間を計測する計測部と、
前記計測部が前記許可可能な時間を越えたことに応じて、前記置換後のユーザ情報を有するユーザにて許可部による許可を禁止する禁止部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記禁止部にて禁止したことに応じて、前記置換部は、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、置換される前のユーザ情報に再度置き換えることを特徴とする請求項11に記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記機能部は、複数の画像処理を実行可能であり、
前記権限記憶部は、各画像処理に対して、それぞれユーザ情報を記憶することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項14】
複数の装置により画像処理を実行可能であり、
前記権限記憶部は、各装置に対して、それぞれのユーザ情報を記憶することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項15】
前記指示部による指示の際、前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報を報知する報知部を備えることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項16】
ジョブに対する画像処理を指示する指示部を備える情報処理装置と接続可能な画像処理装置であって、
前記ジョブに対して画像処理する機能部と、
前記指示部にて指示された機能部による画像処理を許可する許可部と、
前記許可部にて画像処理を許可可能なユーザのユーザ情報を記憶する権限記憶部と、
前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、当該ユーザ情報とは別のユーザのユーザ情報に置き換える置換部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項1】
ジョブに対して画像処理する機能部と、
前記機能部に、前記ジョブに対する画像処理を指示する指示部と、
前記指示部にて指示された機能部による画像処理を許可する許可部と、
前記許可部にて画像処理を許可可能なユーザのユーザ情報を記憶する権限記憶部と、
前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、当該ユーザ情報とは別のユーザのユーザ情報に置き換える置換部と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記指示部による指示は、前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報とは別のユーザ情報を有するユーザからの指示であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を有するユーザが、前記許可部によって許可可能な状態であるか否かを判断する判断部を備え、
前記置換部は、前記判断部にて肯定判断だった場合、ユーザ情報を置換せず、否定判断だった場合、別のユーザ情報に置換することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記許可部は、情報処理装置に設けられ、
前記判断部は、前記情報処理装置から前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報がログアウトしたことに応じて、前記判断部が否定判断をすることを特徴とする請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記置換部がユーザ情報を置換するときの、複数のユーザ情報の置換順序を記憶する順序記憶部を備え、
前記判断部が否定判断であることに応じて、前記置換部は、前記順序記憶部に記憶されている順序に基づき、前記ユーザ情報を置換することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記置換部によって置換するユーザを選択する選択部を備え、
前記判断部が否定判断であることに応じて、前記選択部にて前記ユーザ情報を選択することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理システム。
【請求項7】
権限記憶部に記憶されたユーザ情報を有するユーザによる指令により、前記ジョブを破棄可能な破棄部と、
ユーザ情報を置換するときにジョブが待機していた場合、待機しているジョブに対して前記許可部による許可及び前記破棄部による破棄のいずれか一方が指示されたことに応じて、前記置換部がユーザ情報を置換することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項8】
待機しているジョブに対して前記許可部による許可及び前記破棄部による破棄のいずれもが規定時間指示されないことに応じて、前記置換部がユーザ情報を置換しないことを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記置換部による置換が可能であるユーザ情報を記憶する置換ユーザ記憶部を備え、
前記置換部は、前記置換ユーザ記憶部に記憶されているユーザ情報に置換することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記置換部により置換対象のユーザ情報が無いことに応じて、前記機能部への電源の供給を停止する停止部を備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記置換部にてユーザ情報を置換するとき、置換後のユーザ情報を有するユーザにて許可部による許可可能な時間を計測する計測部と、
前記計測部が前記許可可能な時間を越えたことに応じて、前記置換後のユーザ情報を有するユーザにて許可部による許可を禁止する禁止部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記禁止部にて禁止したことに応じて、前記置換部は、前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、置換される前のユーザ情報に再度置き換えることを特徴とする請求項11に記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記機能部は、複数の画像処理を実行可能であり、
前記権限記憶部は、各画像処理に対して、それぞれユーザ情報を記憶することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項14】
複数の装置により画像処理を実行可能であり、
前記権限記憶部は、各装置に対して、それぞれのユーザ情報を記憶することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項15】
前記指示部による指示の際、前記権限記憶部に記憶されているユーザ情報を報知する報知部を備えることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一つに記載の画像処理システム。
【請求項16】
ジョブに対する画像処理を指示する指示部を備える情報処理装置と接続可能な画像処理装置であって、
前記ジョブに対して画像処理する機能部と、
前記指示部にて指示された機能部による画像処理を許可する許可部と、
前記許可部にて画像処理を許可可能なユーザのユーザ情報を記憶する権限記憶部と、
前記権限記憶部に記憶されたユーザ情報を、当該ユーザ情報とは別のユーザのユーザ情報に置き換える置換部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−43989(P2011−43989A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191743(P2009−191743)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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