説明

画像処理システムおよび画像処理プログラム

【課題】操作者によって色付きペンを用いて意味を持たされた領域を有する用紙の解析ができるようにした画像処理システムを提供する。
【解決手段】画像処理システムは、画像入力手段が色付きペンにて追記された画像を入力し、追記抽出手段が前記画像入力手段によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出し、追記色判定手段が前記追記抽出手段によって抽出された領域の色を判定し、色毎領域分離手段が前記追記色判定手段によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離し、追記位置算出手段が前記色毎領域分離手段によって分離された領域の位置を算出し、領域間関連判定手段が前記追記位置算出手段によって算出された領域の位置から領域間の関連を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システムおよび画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
調査のためにアンケートをとることはよく行われている。このアンケートの方法として、回答者がパソコン等の電子機器を用いるものもあるが、アンケート用紙に回答者がペンによって書き込む方法が、簡単でより広い層の回答者を得ることができるため、一般的に広く使用されている。
アンケート用紙に記入されたアンケート回答を集計する際、最も一般的には人間が手作業で集計を行っている。電子機器を用いて、自動化されている場合もあるが、自動集計するためには回答欄の位置情報が必要であり、下記のような方法がとられている。
(1)GUI(Graphical User Interface)を用いたアンケート用紙作成システムを使用して、ボタンなどを貼り付けていく感覚(ドラッグ&ドロップ)で、回答欄などをアンケート用紙に配置する方法
(2)あるいは、一般的な文書作成ソフトにてアンケート用紙を作成した後、所定のツールにて回答欄位置情報を取得する方法
しかし、上記(1)の方法では、アンケート用紙作成システムが許す形式(フォーマット)の文書しか作成することができず、アンケート内容の自由度が制限されてしまう。また、上記(2)の方法では、全ての回答欄の位置情報をほぼ正確に取得していく必要があり、回答欄の個数が多いと、非常に作業が煩雑になり、その作業効率を低下させている。
【0003】
これらに関係する技術として、例えば、特許文献1には、原稿上の1つ以上の領域を指定し(マークし)、マークされた色に対応して画像処理内容を決定し、指定された領域に対し決定された画像処理を行うことが記載されている。
また、例えば、特許文献2には、原稿中の所定マークに基づいて目的のエリアを検出し、そのエリア内の原稿種類を判定し、その判定結果に従って、その検出エリアに対して他のエリアと異なる処理を行うことが記載されている。
例えば、特許文献3には、読取範囲が記入された範囲指定用原稿を読み取って得られた画像データ中の読取範囲を認識する読取範囲認識手段と、読取範囲認識手段が認識した読取範囲を読み取って画像データを得る第2読取手段とを備えたことを特徴とする技術が記載されている。
例えば、特許文献4には、紙原稿に対して切り出したい領域を線で囲んでスキャンさせ、線で囲んだ領域を切り出し保存することが記載されている。
【特許文献1】特開平06−276358号公報
【特許文献2】特開平07−058966号公報
【特許文献3】特開2000−270196号公報
【特許文献4】特開2000−165651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような背景技術の状況の中でなされたもので、操作者によって色付きペンを用いて意味を持たされた領域を有する用紙の解析ができるようにした画像処理システムおよび画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出手段と、
前記追記抽出手段によって抽出された領域の色を判定する追記色判定手段と、
前記追記色判定手段によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する色毎領域分離手段と、
前記色毎領域分離手段によって分離された領域の位置を算出する追記位置算出手段と、
前記追記位置算出手段によって算出された領域の位置から領域間の関連を判定する領域間関連判定手段
を具備することを特徴とする画像処理システム。
【0006】
[2] 操作者によって追記された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像の原本画像に関するデータを入力する原本画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像および前記原本画像入力手段によって入力された原本画像に関するデータから追記された領域を抽出する追記抽出手段と、
前記追記抽出手段によって抽出された領域の位置を算出する追記位置算出手段と、
前記原本画像入力手段によって入力された原本画像に関するデータからレイアウトを解析するレイアウト解析手段と、
前記追記位置算出手段によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析手段によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定手段
を具備することを特徴とする画像処理システム。
【0007】
[3] 色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像の原本画像に関するデータを入力する原本画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像および前記原本画像入力手段によって入力された原本画像に関するデータから色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出手段と、
前記追記抽出手段によって抽出された領域の色を判定する追記色判定手段と、
前記追記色判定手段によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する色毎領域分離手段と、
前記色毎領域分離手段によって分離された領域の位置を算出する追記位置算出手段と、
前記原本画像入力手段によって入力された原本画像に関するデータからレイアウトを解析するレイアウト解析手段と、
前記追記位置算出手段によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析手段によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定手段
を具備することを特徴とする画像処理システム。
【0008】
[4] 色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出手段と、
前記追記抽出手段によって抽出された領域の位置を算出する追記位置算出手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像および前記追記抽出手段によって抽出された領域に基づいて原本に関する画像を生成する原本画像生成手段と、
原本画像生成手段によって生成された原本に関する画像からレイアウトを解析するレイアウト解析手段と、
前記追記位置算出手段によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析手段によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定手段
を具備することを特徴とする画像処理システム。
【0009】
[5] 色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出手段と、
前記追記抽出手段によって抽出された領域の色を判定する追記色判定手段と、
前記追記色判定手段によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する色毎領域分離手段と、
前記色毎領域分離手段によって分離された領域の位置を算出する追記位置算出手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像および前記追記抽出手段によって抽出された領域に基づいて原本に関する画像を生成する原本画像生成手段と、
原本画像生成手段によって生成された原本に関する画像からレイアウトを解析するレイアウト解析手段と、
前記追記位置算出手段によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析手段によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定手段
を具備することを特徴とする画像処理システム。
【0010】
[6] 前記領域間関連判定手段は、前記追記色判定手段によって判定された領域の色をも用いて領域間の関連を判定する
ことを特徴とする[1]、[3]または[5]記載の画像処理システム。
【0011】
[7] 前記追記抽出手段は、色、領域の形状、線幅のうちいずれか1つ以上を用いて追記された領域を抽出する
ことを特徴とする[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]または[7]記載の画像処理システム。
【0012】
[8] コンピュータに、
色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出機能と、
前記追記抽出機能によって抽出された領域の色を判定する追記色判定機能と、
前記追記色判定機能によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する色毎領域分離機能と、
前記色毎領域分離機能によって分離された領域の位置を算出する追記位置算出機能と、
前記追記位置算出機能によって算出された領域の位置から領域間の関連を判定する領域間関連判定機能
を具備することを特徴とする画像処理プログラム。
【0013】
[9] コンピュータに、
操作者によって追記された画像を入力する画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像の原本画像に関するデータを入力する原本画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像および前記原本画像入力機能によって入力された原本画像に関するデータから追記された領域を抽出する追記抽出機能と、
前記追記抽出機能によって抽出された領域の位置を算出する追記位置算出機能と、
前記原本画像入力機能によって入力された原本画像に関するデータからレイアウトを解析するレイアウト解析機能と、
前記追記位置算出機能によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析機能によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定機能
を具備することを特徴とする画像処理プログラム。
【0014】
[10] コンピュータに、
色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出機能と、
前記追記抽出機能によって抽出された領域の位置を算出する追記位置算出機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像および前記追記抽出機能によって抽出された領域に基づいて原本に関する画像を生成する原本画像生成機能と、
原本画像生成機能によって生成された原本に関する画像からレイアウトを解析するレイアウト解析機能と、
前記追記位置算出機能によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析機能によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定機能
を実現させることを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる画像処理システムおよび画像処理プログラムによれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、操作者によって色付きペンを用いて意味を持たされた領域を有する用紙の解析ができる。特に、操作者は色付きペンを用いて指定することができるので、操作性、利便性がより一層向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の好適な各種の実施の形態を説明する。
図1から図7は本発明の第1の実施の形態を説明するものである。図1は、第1の実施の形態である画像処理システムの概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはハードウェア構成におけるモジュールのことだけでなく、プログラムにおけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、システム、プログラムおよび方法の説明をも兼ねている。また、モジュールは機能にほぼ一対一に対応しているが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよい。逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散または並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続を含む。
また、システムとは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク等で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータによって実現される場合も含まれる。
【0017】
本実施の形態の概要を説明する。
以下、画像処理システムとして、アンケート用紙のデータ取得領域の設定を行う画像システムを主に例示して説明する。つまり、アンケートは、予め定めた一定のアンケート用紙に回答者による手書きによる書き込み等がなされることによって行われるのが一般的である。回答済みのアンケート用紙を集計するのに、手書きが行われる領域(すなわち回答欄)を予め集計装置に設定する必要がある。これを操作者がそのアンケート用紙に色付きペンで印付け(マーキング)することによってできるようにしたものである。これによって、アンケートを集計する際に、手書き位置の抽出、すなわち回答の認識、取得、集計が電子的に可能となる。
すなわち、色付きペンで印付けされたアンケート用紙(紙文書)からその印付けされたところに関する情報(位置など)を取得する。そして、その情報を用いて、回答後の複数枚のアンケート用紙に書き込まれた情報を認識、取得、集計するための領域情報を設定するものである。
【0018】
ここで、色付きペンとは、黒以外の色を有しており、黒色文字の上から塗ってもその下の文字が読めるような塗料を用いたペンであり、一般的にはマーカーペン、蛍光ペン、カラーペンとも呼ばれている。また、その塗料には蛍光塗料が含まれていてもよい。
【0019】
画像処理システムは、図1に示すように、画像入力モジュール101、追記抽出モジュール102、追記色判定モジュール103、色毎領域分離モジュール104、追記位置算出モジュール105、回答欄関連判定モジュール106により構成されている。
マーキング原稿10は、一般の文書作成ソフトを用いて作成、印刷されたアンケート用紙であり、その用紙に操作者によって色付きペンを用い、所定のルールに則り、回答欄などに印付けされたものである。ここでの印付けのルールの例としては、アンケート内の質問ごとに色を変え、1つの質問内の選択肢ごとにその色で色付けを行うというものである。詳細については、図4を用いて後述する。
【0020】
画像入力モジュール101は、マーキング原稿10を入力する。具体的には、スキャナ(スキャナ等のデータ読み取り部417)を用いて画像をデジタルデータとして入力する。また、ファックス等の通信によって外部から入力してもよい。また、少なくとも色付きペンのカラーを識別できるようなデジタルデータであり、一般的には、RGB、YCrCb等の色空間によって表現されており、各色8ビットの3プレーンで構成されている。
【0021】
追記抽出モジュール102は、画像入力モジュール101によって入力されたマーキング原稿10から色付きペンによって色付けされた領域を抽出する。
色付きペンによって色付けされた領域を抽出するには、色相情報または色度情報を用いて、黒以外の色がある領域の画像を抽出することによって行われる。予め色付きペンによる画像の色相または色度を測定し、その色相または色度に近い値を有している領域を色付きペンによって色付けされた領域として抽出することもできる。また、原本画像には色がない画像(白色、黒色のみで構成された画像)であるならば、何らかの色が付された領域を色付けされた領域として抽出するようにしてもよい。また、カラー画像であったとしても、淡い色が付された領域を色付きペンによって色付けされた領域として抽出するようにしてもよい。
【0022】
さらに、色付きペンによって色付けされた領域は、手書きによって記載されたものであるので、色付き領域であってかつ周囲が曲線によって構成されている領域を追記された領域として抽出することもできる。色付きペンのペン先は一定の太さであるので、一定の太さによって構成されている領域、または色付き領域であってかつ一定の太さによって構成されている領域を色付けされた領域として抽出することもできる。
もちろんのことながら、色付けされた領域を抽出するのに、以上の条件を、1つのみ、または任意に複数組み合わせて用いてもよい。
【0023】
追記色判定モジュール103は、追記抽出モジュール102によって抽出された領域の色を判定する。
また、色付きペンで色付けされたところは常に一定の色であるわけではない。色付きペンに濃淡がある場合が、操作者の筆圧の変化、筆記速度(すばやく動かした場合と止めた場合では濃淡に差がある)、スキャナのセンサによるノイズ等によって発生するからである。これらに対応するために、多少の色の相違があったとしても同一色による色付けと判断する。その際、その領域内で最も頻度の多い色を代表色とする。あるいは、平均色や、画素数で重み付けをした重み付け平均色を代表色としても良い。
【0024】
色毎領域分離モジュール104は、追記色判定モジュール103によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する。追記色判定モジュール103によって、色付けされた領域の各々の色が判明している。同一色の領域は、色付けルールに沿って、1つの質問における選択肢群であると判断する。ここでも、領域の色は、多少の色の相違があったとしても同一色による色付けと判断する。
【0025】
追記位置算出モジュール105は、色毎領域分離モジュール104によって分離された領域の位置を算出する。例えば、画像入力モジュール101によって入力された画像データの左上を原点(0,0)とし、2次元のXY座標で表してもよく、また、領域間の相対的な位置関係によって位置を表現してもよい。
【0026】
回答欄関連判定モジュール106は、追記位置算出モジュール105によって算出された領域の位置から領域間の関連を判定する。追記位置算出モジュール105によって、各領域の位置が判明している。この領域間の位置関係を用いて、選択肢群を特定する。つまり、アンケートにおける質問内の選択肢の配置は規則的に並べられているものが多い。例えば、横一列、または近傍に集まって配置されている等である。これらを利用して、追記抽出モジュール102によって抽出された色付け領域(回答欄)間の関連を判定する。また、追記色判定モジュール103によって判定された領域の色をも判定の条件として加えて領域間の関連を判定するようにしてもよい。つまり、同一色は、同一の質問に対しての選択肢であるので、これを利用して領域間の関係を判定するようにしてもよい。回答欄関連判定モジュール106による結果は、マーキング原稿10の上から質問1の回答欄群の選択肢1の領域位置、同じく選択肢2の領域位置、質問2の回答欄群の選択肢1の領域位置、同じく選択肢2の領域位置等のようになる。
【0027】
このようにして、色付け領域の位置、およびその関連が画像処理システムによって判明した。これによって、そのアンケート用紙を用いて手書きのアンケートが行われ、その結果である記入済みのアンケート用紙をスキャナで読み取ることによって集計することができる。つまり、色付け領域の位置が判明しているので、アンケートによって記入された回答欄の領域位置およびその周辺にある画像のみを解析して、そこに記入があるか否かを判断することが可能になる。単に、チェックをするような質問の場合には、その領域内にチェックの画像があるか否かを判断することによって集計することが可能になる。また、アンケートが単にチェックではなく、文字等を記入するものである場合は、その領域内部を切り出して収集するようにしてもよい。また、文字認識処理を行い、記入された回答をデータ処理してもよい。
また、1つの質問内に1つのチェックであり、複数のチェックは許さないような場合は、回答欄関連判定モジュール106によって回答欄群ごとに関連性が判明しているので、そのような検査をすることも可能である。
【0028】
図2を参照して、第1の実施の形態の画像処理システムのハードウェア構成例について説明する。なお、第2、第3の実施の形態の画像処理システムも同様のハードウェア構成例である。図2に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などによって構成される画像処理システムであり、スキャナ等のデータ読み取り部417と、プリンタなどのデータ出力部418を備えたハード構成例を示している。なお、このハードウェア構成は、他の実施の形態についても適用する。
【0029】
CPU(Central Processing Unit)401は、上述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、追記抽出モジュール102、追記色判定モジュール103、色毎領域分離モジュール104、追記位置算出モジュール105、回答欄関連判定モジュール106等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムに従った処理を実行する制御部である。
【0030】
ROM(Read Only Memory)402は、CPU401が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)403は、CPU401の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス404により相互に接続されている。
【0031】
ホストバス404は、ブリッジ405を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス406に接続されている。
【0032】
キーボード408、マウス等のポインティングデバイス409は、操作者により操作される入力デバイスである。ディスプレイ410は、液晶表示装置またはCRT(Cathode Ray Tube)などから成り、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。
【0033】
HDD(Hard Disk Drive)411は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU401によって実行するプログラムや情報を記録または再生させる。ハードディスクは、入力されたマーキング原稿10や回答欄関連判定モジュール106の結果データなどが格納される。さらに、その他の各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0034】
ドライブ412は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体413に記録されているデータまたはプログラムを読み出して、そのデータまたはプログラムを、インタフェース407、外部バス406、ブリッジ405、およびホストバス404を介して接続されているRAM403に供給する。リムーバブル記録媒体413も、ハードディスクと同様のデータ記録領域として利用可能である。
【0035】
接続ポート414は、外部接続機器415を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート414は、インタフェース407、および外部バス406、ブリッジ405、ホストバス404等を介してCPU401等に接続されている。通信部416は、ネットワークに接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部417は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部418は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0036】
なお、図2に示す画像処理システムのハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態の画像処理システムは、図2に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェアで構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図2に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、複写機、ファックス、複合機(多機能複写機とも呼ばれ、スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等の機能を有している)などに組み込まれていてもよい。
【0037】
次に作用・働き(動作)を説明する。その概要は次の通りである。
(1)一般の文書作成ソフトを用いて作成されたアンケート用紙をプリントアウトする。
(2)操作者は、そのアンケート用紙に対して、色付きペンを用いて、所定のルールに則り、回答欄・回答語句などに印付けしていく。これによって、マーキング原稿10が完成する。
(3)マーキングしたアンケート用紙を画像入力モジュール101(データ読み取り部417)によってスキャンし、追記抽出モジュール102によって色付きペンによって追記された領域を抽出する。
(4)追記色判定モジュール103によって、抽出された領域の色、つまり色付きペンの色を判定する。そして、色毎領域分離モジュール104によって、色毎に領域を分離する。
(5)そして、追記位置算出モジュール105、回答欄関連判定モジュール106によって、回答欄・回答語句の領域情報(位置情報、種別)を算出する。
(6)回答済みアンケートを集計する際には、算出された領域情報を用いて集計を行う。
【0038】
図3を用いて、アンケート用紙(原本)の例について説明する。アンケート原本(画像)300は、各ブース毎に説明等を行う展覧会におけるアンケート用紙である。ここでは、7つ(所属、職種、役職、今回のフェアの感想、そのコメント、印象に残ったブース番号、そのコメント)の質問により構成されている。記入方法として、丸をつけて選択するもの、数字を記載するもの、文章を記載するものがある。
アンケート原本(画像)300は、一般的な文書作成ソフトを用いて作成されている。
【0039】
図4を用いて、処理対象となるアンケート用紙に色付きペンで印付けした例について説明する。多色マーキング用紙400は、アンケート原本(画像)300に対して、色付きペンで印付けしたものであり、図1で説明したマーキング原稿10である。ここでの印付けのルールとしては、アンケート内の質問ごと、つまり集計したい対象ごとに色を変えることが挙げられる。したがって、多色マーキング用紙400は7色の色付きペンで色付けされている。具体的には、所属欄の研究所401a〜その他401e、職種欄の研究402a〜その他402g、役職欄の役員403a〜一般403f、今回のフェアの感想欄の大変満足404a〜不満404e、そのコメント欄のコメント欄左かっこ405a〜コメント欄右かっこ405b、印象に残ったブース番号欄の印象に残ったブース番号406a〜印象に残ったブース番号406e、そのコメント欄のコメント407aは、それぞれ異なる色で色付けが行われている。
そして、1つの質問内の選択肢ごとにその色で色付けを行うというものである。例えば、研究所401a、商品開発部401b、商品製造部401c、営業部401d、その他401eは同一色で、それぞれの選択肢が区別できるように色付けされている。
このように、操作者は、意味を持たせたい領域を、紙の用紙に色付きペンを用いて指定することができるようになる。
【0040】
この多色マーキング用紙400を画像入力モジュール101(データ読み取り部417)により入力する。
画像入力モジュール101により入力された画像から色付けされた領域を、追記抽出モジュール102が抽出する。つまり、多色マーキング用紙400内の研究所401a〜その他401e、研究402a〜その他402g、役員403a〜一般403f、大変満足404a〜不満404e、コメント欄左かっこ405a〜コメント欄右かっこ405b、印象に残ったブース番号406a〜印象に残ったブース番号406e、コメント407aを抽出する。
【0041】
追記抽出モジュール102により抽出された領域の各々の色を、追記色判定モジュール103が判定する。つまり、多色マーキング用紙400内の研究所401a〜その他401e、研究402a〜その他402g、役員403a〜一般403f、大変満足404a〜不満404e、コメント欄左かっこ405a〜コメント欄右かっこ405b、印象に残ったブース番号406a〜印象に残ったブース番号406e、コメント407aごとに付けられた領域毎の色、例えば代表色を判定する。
【0042】
追記色判定モジュール103により判定された色毎の色付け領域を、色毎領域分離モジュール104が分離する。つまり、多色マーキング用紙400内の研究所401a〜その他401eそれぞれに付けられた色を同色と判定し、1つの群として、研究402a〜その他402gを同様に1つの群、役員403a〜一般403fを同様に1つの群、大変満足404a〜不満404eを同様に1つの群、コメント欄左かっこ405a〜コメント欄右かっこ405bを同様に1つの群、印象に残ったブース番号406a〜印象に残ったブース番号406eを同様に1つの群、コメント407aを同様に1つの群としてそれぞれ分離する。
【0043】
色毎領域分離モジュール104により分離された色付け領域の位置を、追記位置算出モジュール105が算出する。算出結果はRAM403、HDD411に格納する。そのデータ構造は、図7で示す解析結果テーブル700の構造である。つまり、抽出した色付き領域毎に番号を割り当て、その番号を解析結果テーブル700内のNo.欄701に格納する。この番号によって、多色マーキング用紙400内の色付き領域が一意に識別できる。色付き領域の位置は、左上のx座標、左上のy座標、幅(w)、高さ(h)により特定される。それぞれ解析結果テーブル700内のx欄702、y欄703、w欄704、h欄705に格納する。また、追記色判定モジュール103によって判定された領域の色を解析結果テーブル700内の色欄706に格納する。
【0044】
追記位置算出モジュール105により算出された領域の位置から回答欄の関連性を、回答欄関連判定モジュール106が判定する。1つの質問に対する選択肢群は、横一列に並んでいる、近辺に位置している等の性質があるので、解析結果テーブル700内のx欄702〜h欄705を用いて、その性質に合致する領域を1つの選択肢群として関連付ける。また、1つの質問に対する選択肢群は、同一色によって色付けされているので、解析結果テーブル700内の色欄706を用いて、同一色の領域を1つの選択肢群として関連付けるようにしてもよい。
そして、1つの選択肢群として関連付けられた領域に対して、質問1に対する回答、質問2に対する回答等のように区別して、解析結果テーブル700内のレイアウト構成欄707に格納する。これによって、より領域の意味が明確となる。
【0045】
図8、図9は第2の実施の形態を示している。
本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、マーキング原稿10のほかに原本原稿/ファイル20を用いてアンケート用紙のレイアウト構造を解析したものを利用する画像処理システムである。そして、黒色のペンまたは1色の色付きペンで全ての領域に対して色付け(黒色ペンで加筆したものもここでは色付けと称する)を行ったマーキング原稿10を対象としたものを図8に示し、複数色の色付きペンで色付けを行ったマーキング原稿10を対象としたものを図9に示す。原本画像を用いてレイアウト解析して、そのレイアウト解析の結果とともに領域間の関連性を判定するので、より正確な判定ができるようになる。さらに、原本のアンケート用紙がカラーであっても対応できるようになる。
【0046】
第2の実施の形態である画像処理システムは、図8に示すように、第1画像入力モジュール201、追記抽出モジュール202、追記位置算出モジュール205、第2画像入力モジュール206、レイアウト解析モジュール207、回答欄関連判定モジュール208により構成されている。
マーキング原稿10は、図6に示すように黒色のペンまたは1色の色付きペンで色付けが行われているものである。つまり、1色マーキング用紙600内の研究所601a〜その他601e、研究602a〜その他602g、役員603a〜一般603f、大変満足604a〜不満604e、コメント欄左かっこ605a〜コメント欄右かっこ605b、印象に残ったブース番号606a〜印象に残ったブース番号606e、コメント607aは、1色で色付けが行われている。
原本原稿/ファイル20は、色付けが行われていないアンケート用紙(図3参照)、つまり原本原稿である。また、文書作成ソフトによって作成された電子データであってもよい。
【0047】
第1画像入力モジュール201は、図1の画像入力モジュール101と同様である。
第2画像入力モジュール206は、原本原稿/ファイル20を入力する。具体的には、スキャナ(データ読み取り部417)を用いて画像をデジタルデータとして入力する。また、ファックス等による通信によって外部から入力してもよい。また、原本原稿/ファイル20が文書作成ソフトによって作成された電子データである場合は、HDD411、リムーバブル記録媒体413に記憶された電子データを読み取る、または外部接続機器415、通信部416によって外部から送付されてきた電子データを受信等するものである。また、黒色のペンにより色付けが行われている場合は、カラースキャナでなく、白黒スキャナであってもよい。
【0048】
追記抽出モジュール202は、第1画像入力モジュール201によって入力されたマーキング原稿10と、第2画像入力モジュール206によって入力された原本原稿/ファイル20から黒色のペンまたは色付きペンによって色付けされた領域を抽出する。つまり、第1画像入力モジュール201によって入力されたマーキング原稿10と第2画像入力モジュール206によって入力された原本原稿/ファイル20との差分領域を抽出することによって、色付け領域を抽出してもよい。これによって、第1の実施の形態よりも、より正確に色付け領域を抽出することが可能となる。
追記位置算出モジュール205は、第1の実施の形態の追記位置算出モジュール105と同様に、各々の領域の位置を算出する。ここでは、第1の実施の形態と異なり、マーキング原稿10は1色のみで色付けされているので、解析結果テーブル700の色欄706は不要である。
【0049】
レイアウト解析モジュール207は、第2画像入力モジュール206によってスキャン入力された原本原稿/ファイル20からレイアウトを解析する。図5を用いて説明する。一定の大きさを持つ黒画素の塊を1文字とし、その文字の一定距離内にある文字を連結することによって単語として抽出する。これによって、図5のレイアウト解析結果500内の研究所501a〜その他501e、研究502a〜その他502g、役員503a〜一般503fを各々の領域として抽出できる。そして、黒画素の連結した塊で一定以上の大きさのものは、選択肢が数直線状に並んでいるものとして抽出する。これによって、レイアウト解析結果500内の今回のフェアの感想504aが抽出できる。さらに線で構成されているものという条件を付加してもよい。また、黒枠に囲まれている一定面積以上の領域があるものは、数字等の記入欄として抽出する。これによって、レイアウト解析結果500内のコメント505a、印象に残ったブース番号506a、コメント507aが抽出できる。もちろんのことながら、その位置も抽出する。
また、原本原稿/ファイル20は文書作成ソフトによって作成された電子データでもよいが、その場合はどの領域がどの質問の選択肢であるかを正確に把握できる。特に、文書内にタグ情報が埋め込まれているものは、そのタグ情報を用いることによってレイアウト解析が可能である。
【0050】
回答欄関連判定モジュール208は、追記位置算出モジュール205によって算出された色付け領域の位置およびレイアウト解析モジュール207によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する。つまり、研究所601aは研究所501aに、研究602aは研究502aに、役員603aは役員503aに対応しており、第1の実施の形態と同様に、研究所601a〜その他601eは選択肢群として関連付ける。また、大変満足604aは今回のフェアの感想504a内の1つの選択肢として、コメント欄左かっこ605aはコメント505aの枠として、印象に残ったブース番号606aは印象に残ったブース番号506aの記入欄として、コメント607aはコメント507aとして、それぞれ関連付ける。
【0051】
また、第2の実施の形態である画像処理システムは、図9に示すように、第1画像入力モジュール201、追記抽出モジュール202、追記色判定モジュール203、色毎領域分離モジュール204、追記位置算出モジュール205、第2画像入力モジュール206、レイアウト解析モジュール207、回答欄関連判定モジュール208により構成されていてもよい。図8の画像処理システムと異なるのは、追記色判定モジュール203、色毎領域分離モジュール204を付加した点である。つまり、この付加したモジュールによって、第1の実施の形態と同様に、マーキング原稿10が複数色の色付きペンで色付けされていた場合には、さらに高精度に対応できるようになっている。
【0052】
マーキング原稿10は、第1の実施の形態と同様に、複数色の色付きペンで色付けが行われており、同じルールで色付けが行われている。
原本原稿/ファイル20、第1画像入力モジュール201、追記抽出モジュール202、第2画像入力モジュール206、レイアウト解析モジュール207、回答欄関連判定モジュール208は、図8を用いて説明したものと同様である。
追記色判定モジュール203は、第1の実施の形態と同様に、追記抽出モジュール202によって抽出された領域の色を判定する。
色毎領域分離モジュール204は、第1の実施の形態と同様に、追記色判定モジュール203によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する。
追記位置算出モジュール205は、第1の実施の形態と同様に、色毎領域分離モジュール204によって分離された領域の位置を算出する。
【0053】
図10、図11は第3の実施の形態を示している。
本実施の形態では、前記の実施の形態と異なり、色付きペンで色付けされたアンケート用紙からレイアウトを解析し、そのレイアウト解析結果をも利用した画像処理システムである。そして、1色の色付きペンで全ての領域に対して色付けを行ったマーキング原稿10を対象としたものを図10に示し、複数色の色付きペンで色付けを行ったマーキング原稿10を対象としたものを図11に示す。原本のレイアウト解析を行うと、より正確な領域間の判定が可能となるが、必ずしも原本が存在するとは限らない。原本が存在しないような場合であっても、色付け画像から元の原本画像を生成することによって、原本画像のレイアウト解析を行うことができるようになる。
【0054】
第3の実施の形態である画像処理システムは、図10に示すように、画像入力モジュール301、追記抽出モジュール302、追記位置算出モジュール305、原本画像生成モジュール306、レイアウト解析モジュール307、回答欄関連判定モジュール308により構成されている。
マーキング原稿10は、図6に示すように1色の色付きペンで色付けが行われているものである。
画像入力モジュール301は、図1の画像入力モジュール101と同様である。
追記抽出モジュール302は、図1の追記抽出モジュール102と同様である。
追記位置算出モジュール305は、図8の追記位置算出モジュール205と同様である。
【0055】
原本画像生成モジュール306は、画像入力モジュール301によって入力された画像および追記抽出モジュール302によって抽出された領域に基づいて原本に関する画像を生成する。つまり、マーキング原稿10はアンケート用紙の原本が白黒画像であり、色付きペンで色付けが行われているので、画像入力モジュール301によって入力された画像から追記抽出モジュール302によって抽出された領域を削除することによって原本画像を生成することができる。
レイアウト解析モジュール307は、図8のレイアウト解析モジュール207と同様である。つまり、原本画像生成モジュール306によって生成された原本画像からレイアウトを解析する。ただし、文書作成ソフトで作成された電子データの原本ということはないので、画像データからの解析を行う。
回答欄関連判定モジュール308は、図8の回答欄関連判定モジュール208と同様である。
【0056】
また、第3の実施の形態である画像処理システムは、図11に示すように、画像入力モジュール301、追記抽出モジュール302、追記色判定モジュール303、色毎領域分離モジュール304、追記位置算出モジュール305、原本画像生成モジュール306、レイアウト解析モジュール307、回答欄関連判定モジュール308により構成されていてもよい。図10の画像処理システムと異なるのは、追記色判定モジュール303、色毎領域分離モジュール304を付加した点である。つまり、この付加したモジュールによって、第1の実施の形態と同様に、マーキング原稿10が複数色の色付きペンで色付けされていた場合には、さらに高精度に対応できるようになっている。
【0057】
マーキング原稿10は、第1の実施の形態と同様に、複数色の色付きペンで色付けが行われており、同じルールで色付けが行われている。
画像入力モジュール301、追記抽出モジュール302、原本画像生成モジュール306、レイアウト解析モジュール307、回答欄関連判定モジュール308は、図10を用いて説明したものと同様である。
追記色判定モジュール303は、第1の実施の形態と同様に、追記抽出モジュール302によって抽出された領域の色を判定する。
色毎領域分離モジュール304は、第1の実施の形態と同様に、追記色判定モジュール303によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する。
追記位置算出モジュール305は、第1の実施の形態と同様に、色毎領域分離モジュール304によって分離された領域の位置を算出する。
【0058】
前記実施の形態においては、アンケート用紙のデータ取得領域の設定を行う画像システムを主に説明したが、他の用途に用いてもよい。例えば、学生に対して行うテストであって、そのテスト用紙の解答欄の設定を行ってもよい。
【0059】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納することも可能であり、その場合は、例えば以下の発明としても把握することができる。
コンピュータに、
色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出機能と、
前記追記抽出機能によって抽出された領域の色を判定する追記色判定機能と、
前記追記色判定機能によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する色毎領域分離機能と、
前記色毎領域分離機能によって分離された領域の位置を算出する追記位置算出機能と、
前記追記位置算出機能によって算出された領域の位置から領域間の関連を判定する領域間関連判定機能
を具備することを特徴とする画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0060】
コンピュータに、
操作者によって追記された画像を入力する画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像の原本画像に関するデータを入力する原本画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像および前記原本画像入力機能によって入力された原本画像に関するデータから追記された領域を抽出する追記抽出機能と、
前記追記抽出機能によって抽出された領域の位置を算出する追記位置算出機能と、
前記原本画像入力機能によって入力された原本画像に関するデータからレイアウトを解析するレイアウト解析機能と、
前記追記位置算出機能によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析機能によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定機能
を具備することを特徴とする画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0061】
コンピュータに、
色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出機能と、
前記追記抽出機能によって抽出された領域の位置を算出する追記位置算出機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像および前記追記抽出機能によって抽出された領域に基づいて原本に関する画像を生成する原本画像生成機能と、
原本画像生成機能によって生成された原本に関する画像からレイアウトを解析するレイアウト解析機能と、
前記追記位置算出機能によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析機能によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定機能
を実現させることを特徴とする画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0062】
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、上記のプログラムまたはその一部は、上記記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能である。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に乗せて搬送することも可能である。
さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】画像処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】画像処理システムのハードウェア構成例について説明する図である。
【図3】アンケート用紙(原本)の例について説明する図である。
【図4】処理対象となるアンケート用紙に色付きペンでマーキングした例について説明する図である。
【図5】レイアウトの解析の例について説明する図である。
【図6】処理対象となるアンケート用紙に色付きペンでマーキングした例について説明する図である。
【図7】領域に関するデータ構造の例について説明する図である。
【図8】第2の実施の形態に係る画像処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図9】第2の実施の形態に係る画像処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図10】第3の実施の形態に係る画像処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図11】第3の実施の形態に係る画像処理システムの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
10…マーキング原稿
20…原本原稿/ファイル
101…画像入力モジュール
102…追記抽出モジュール
103…追記色判定モジュール
104…色毎領域分離モジュール
105…追記位置算出モジュール
106…回答欄関連判定モジュール
201…第1画像入力モジュール
202…追記抽出モジュール
203…追記色判定モジュール
204…色毎領域分離モジュール
205…追記位置算出モジュール
206…第2画像入力モジュール
207…レイアウト解析モジュール
208…回答欄関連判定モジュール
300…アンケート原本(画像)
301…画像入力モジュール
302…追記抽出モジュール
303…追記色判定モジュール
304…色毎領域分離モジュール
305…追記位置算出モジュール
306…原本画像生成モジュール
307…レイアウト解析モジュール
308…回答欄関連判定モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出手段と、
前記追記抽出手段によって抽出された領域の色を判定する追記色判定手段と、
前記追記色判定手段によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する色毎領域分離手段と、
前記色毎領域分離手段によって分離された領域の位置を算出する追記位置算出手段と、
前記追記位置算出手段によって算出された領域の位置から領域間の関連を判定する領域間関連判定手段
を具備することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
操作者によって追記された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像の原本画像に関するデータを入力する原本画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像および前記原本画像入力手段によって入力された原本画像に関するデータから追記された領域を抽出する追記抽出手段と、
前記追記抽出手段によって抽出された領域の位置を算出する追記位置算出手段と、
前記原本画像入力手段によって入力された原本画像に関するデータからレイアウトを解析するレイアウト解析手段と、
前記追記位置算出手段によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析手段によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定手段
を具備することを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像の原本画像に関するデータを入力する原本画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像および前記原本画像入力手段によって入力された原本画像に関するデータから色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出手段と、
前記追記抽出手段によって抽出された領域の色を判定する追記色判定手段と、
前記追記色判定手段によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する色毎領域分離手段と、
前記色毎領域分離手段によって分離された領域の位置を算出する追記位置算出手段と、
前記原本画像入力手段によって入力された原本画像に関するデータからレイアウトを解析するレイアウト解析手段と、
前記追記位置算出手段によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析手段によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定手段
を具備することを特徴とする画像処理システム。
【請求項4】
色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出手段と、
前記追記抽出手段によって抽出された領域の位置を算出する追記位置算出手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像および前記追記抽出手段によって抽出された領域に基づいて原本に関する画像を生成する原本画像生成手段と、
原本画像生成手段によって生成された原本に関する画像からレイアウトを解析するレイアウト解析手段と、
前記追記位置算出手段によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析手段によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定手段
を具備することを特徴とする画像処理システム。
【請求項5】
色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出手段と、
前記追記抽出手段によって抽出された領域の色を判定する追記色判定手段と、
前記追記色判定手段によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する色毎領域分離手段と、
前記色毎領域分離手段によって分離された領域の位置を算出する追記位置算出手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像および前記追記抽出手段によって抽出された領域に基づいて原本に関する画像を生成する原本画像生成手段と、
原本画像生成手段によって生成された原本に関する画像からレイアウトを解析するレイアウト解析手段と、
前記追記位置算出手段によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析手段によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定手段
を具備することを特徴とする画像処理システム。
【請求項6】
前記領域間関連判定手段は、前記追記色判定手段によって判定された領域の色をも用いて領域間の関連を判定する
ことを特徴とする請求項1、3または5記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記追記抽出手段は、色、領域の形状、線幅のうちいずれか1つ以上を用いて追記された領域を抽出する
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の画像処理システム。
【請求項8】
コンピュータに、
色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出機能と、
前記追記抽出機能によって抽出された領域の色を判定する追記色判定機能と、
前記追記色判定機能によって判定された領域の色を用いて色毎に領域を分離する色毎領域分離機能と、
前記色毎領域分離機能によって分離された領域の位置を算出する追記位置算出機能と、
前記追記位置算出機能によって算出された領域の位置から領域間の関連を判定する領域間関連判定機能
を具備することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
操作者によって追記された画像を入力する画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像の原本画像に関するデータを入力する原本画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像および前記原本画像入力機能によって入力された原本画像に関するデータから追記された領域を抽出する追記抽出機能と、
前記追記抽出機能によって抽出された領域の位置を算出する追記位置算出機能と、
前記原本画像入力機能によって入力された原本画像に関するデータからレイアウトを解析するレイアウト解析機能と、
前記追記位置算出機能によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析機能によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定機能
を具備することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
色付きペンにて追記された画像を入力する画像入力機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像から色付きペンにて追記された領域を抽出する追記抽出機能と、
前記追記抽出機能によって抽出された領域の位置を算出する追記位置算出機能と、
前記画像入力機能によって入力された画像および前記追記抽出機能によって抽出された領域に基づいて原本に関する画像を生成する原本画像生成機能と、
原本画像生成機能によって生成された原本に関する画像からレイアウトを解析するレイアウト解析機能と、
前記追記位置算出機能によって算出された領域の位置および前記レイアウト解析機能によって解析されたレイアウトから領域間の関連を判定する領域間関連判定機能
を実現させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−9785(P2008−9785A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180534(P2006−180534)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】