説明

画像処理システム及び画像処理方法

【課題】3次元モデルを使用してより高度な2次元的表示を可能にする画像処理システムを提供する。
【解決手段】キャラクタAに対して視点位置VP4が補間視点方向VDi2にある時、視点方向VDiを含む補間範囲INrを構成する2つのモデル視点方向VDm1、VDm2を特定する。一方のモデル視点方向VDm1に対応する正面モデルM1を形成する各頂点と、他方のモデル視点方向VDm2に対応する45度モデルM2を形成する各頂点とを補間することにより、視点位置VP4からキャラクタAを見た時の補間画像Ima―i2をモニタ3に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元モデルに基づいて画像を表示する画像処理システム及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モデリング時に3次元モデルを1つ生成しておき、レンダリング時に生成された3次元モデル及び視点方向に基づいて、モニタに表示すべき画像を決定する画像処理システムは周知である。しかし、3次元モデルに基づいて2次元媒体であるマンガやアニメ-ションで知られるキャラクタの画像を表示する場合、視点位置から見た3次元モデルを忠実に表示するだけでは、2次元で表現されていたキャラクタの表示上の特徴を損ねる場合がある。この問題に対しては、基準方向から見た所望の基準画像を予め生成しておき、視点方向と基準方向とのずれに応じて、基準画像に配置されたキャラクタのオブジェクトをずらす方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−1567773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の処理方法では、基準方向に関する基準画像に設けられたオブジェクトの形状をずらすだけであるため、例えば、視点方向の変化に伴って形状が全く異なるように変化する場合や、細やかな形状の変化を表現することができない。
【0005】
そこで、本発明は、3次元モデルを使用してより高度な2次元的表示を可能にする画像処理システム及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の手段により上述した課題を解決する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明の第1の画像処理システム(1)は、仮想3次元空間(GS)に配置された表示対象体(A)の3次元モデル(M)に基づいて、前記表示対象体に対する視点位置(VP)の方向である視点方向(VD)に応じて前記表示対象体の画像を表示部(3)に表示する画像処理システム(1)であって、前記表示対象体に対して視点位置が第1の視点方向(VDm1)にある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとして使用される第1のモデル(M1)を形成するための第1のモデルデータ(MD1)と、前記表示対象体に対して視点位置が、前記表示対象体を中心に前記第1の視点方向が所定の周方向に移動した第2の視点方向(VDm2)にある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとして使用される第2のモデル(M2)を形成するための第2のモデルデータ(MD2)を記憶するモデルデータ記憶手段(4)と、前記周方向に関して前記第1の視点方向から前記第2の視点方向までの間に存在する補間視点方向(VDi)に対応する前記表示対象体の2次元画像である補間画像(INima)を、前記第1のモデルデータから得られる前記第1のモデルの各頂点座標と、前記第2のモデルデータから得られる前記第2のモデルの各頂点座標とに基づいて補間処理を行うことにより生成し、前記補間画像を所定の描画領域に描画する補間画像生成手段(5a)と、前記描画領域に描画された前記補間画像を、前記表示対象体に対して視点位置が前記補間視点方向にある場合に、前記視点位置から見た前記表示対象体として、前記表示部に表示する補間画像表示手段(5b)とを有する、ことにより、上記の課題を解決する。
【0008】
本発明の第1の画像処理システムによれば、表示対象体を第1の視点方向から見た時に表現されるべき態様が得られるように、第1のモデルを設定し、第2の視点方向から見た時に表現されるべき態様が得られるように、第2のモデルを設定しておけば、当該第1及び第2の視点方向に関して、表示対象体を表現されるべき態様で表現することができる。一方、表示対象体に対する視点位置が、第1の視点方向と第2の視点方向との間の補間視点方向にある時は、第1のモデルを形成するための第1のモデルデータ及び第2のモデルを形成するための第2のモデルデータに基づいて補間処理を行ことにより、表示対象体を当該補間視点方向から見た時の補間画像を生成することができる。これにより、3次元モデルを使用して、2次元的な表現を可能にしつつ、態様の切り替わりを自然に表現することができ、より高度な2次元的表現を可能にする画像処理システムを提供することができる。
【0009】
第1のモデルデータ及び第2のモデルデータは、対応するモデルを形成するための頂点座標の集合体である場合と、基準の形状から対応するモデルの頂点座標を得るための関数である場合とを含む。表示対象体は、例えば、ゲームやアニメーションに登場するキャラクタのように顔がある場合と、顔のない無機的な立体形状である場合とを含む。補間画像生成手段では、第1のモデルデータ及び第2のモデルデータのそれぞれから2次元画像を取得して、各2次元画像における座標を補間して、補間画像の座標を得る場合と、第1のモデルデータ及び第2のモデルデータの各頂点座標を補間して、3次元モデルを生成し、生成された3次元モデルから2次元画像を得る場合とを含む。
【0010】
前記第1及び第2のモデルデータのそれぞれには、前記第1のモデルを形成する各頂点と、前記第2のモデルを形成する各頂点とを互いに対応付ける対応付け情報(30)が含まれ、前記補間画像生成手段は、前記各頂点の対応関係を保ちつつ補間処理を行うことにより、前記補間画像を生成してもよい。これにより、補間処理が容易となる。
【0011】
前記第1及び第2のモデルデータのそれぞれにおいて、前記複数のポリゴンの各頂点に対して、前記各頂点がグループを形成するように、対応するグループを識別するグループ識別情報が対応付けられ、前記各グループ毎に前記補間画像生成手段において使用される補間方法が対応付けられて記憶されたグループ補間情報記憶手段(4)が更に設けられ、前記補間画像生成手段は、前記各グループに対応付けられた補間方法によって、そのグループに対応する各頂点座標に基づいた前記補間処理を行うことにより、前記補間画像を生成してもよい。これにより、例えば、表示対象体がキャラクタである場合、キャラクタの髪、鼻、口、目等のパーツをグループとして設定すれば、各パーツはパーツに応じた補間方法によって補間され、パーツによって変化の態様が異なる補間画像を得ることができる。
【0012】
前記第1の視点方向と前記第2の視点方向との間の補間範囲において設定された前記補間視点方向と、前記第1の視点方向及び前記第2の視点方向のそれぞれとの相対的な位置関係に応じて、前記第1のモデルデータ及び前記第2のモデルデータのそれぞれが、前記補間画像生成手段における補間に与える影響の大きさを示す第1の影響度及び第2の影響度を特定する影響度特定手段(4)を更に有し、前記補間画像生成手段は、前記影響度特定手段により、特定された前記第1の影響度及び前記第2の影響度に基づいて、前記第1のモデルデータから得られる各頂点座標と前記第2のモデルデータから得られる各頂点座標とに基づいた前記補間処理を行ってもよい。
【0013】
これにより、第1のモデルから第2のモデルに変化する態様において、第1のモデル又は第2のモデルの影響を大きくなるように設定したり、どちらか一方の影響を大きくなるように設定することができる。なお、第1及び第2の影響度を特定する方法としては、例えば、第1の視点方向及び第2の視点方向のそれぞれに対する補間視点方向の相対的な位置関係と、影響度とを対応付けて影響度テーブルとして記憶しておき、当該影響度テーブルを参照することにより特定する方法と、第1及び第2の視点方向のそれぞれに対する補間視点方向の相対的な位置関係から各影響度が得られる関数を設定しておき、当該関数から特定する方法とがある。
【0014】
前記ユーザの入力操作を受け付ける操作入力手段(2)を更に備え、前記第1のモデルを前記表示部に表示させ、前記ユーザの操作に応じて、前記表示部に表示された第1のモデルの特定部分を切り出す切り出し手段(5c)と、切り出された前記特定部分に対して、前記ユーザによる修正操作を受け付ける修正手段(5d)と、前記特定部分が前記修正手段によって修正された前記第1のモデルを、前記第2のモデルとして設定する第2のモデル設定手段(5e)とを有してもよい。
【0015】
本発明の第1の画像処理システムにおいては、複数の3次元モデルを用意する必要があるが、上記発明によれば、1つの3次元モデルを生成しておけば、その生成した3次元モデルに基づいて他の3次元モデルを容易に生成することができる。
【0016】
前記表示対象体を通り、所定方向に伸びる基準軸(CA)が設定され、前記モデルデータ記憶手段において、第2の視点方向は、前記基準軸を中心に前記第1の視点方向が所定の周方向に移動した方向であり、前記補間画像生成手段には、前記基準軸に対する視点位置の方向を、前記表示対象体に対する視点方向として特定する視点方向特定手段が設けられ、前記特定された視点方向が前記第1の視点方向から前記第2の視点方向までの間に存在する場合に、前記視点方向を前記補間視点方向として前記補間画像を生成してもよい。これにより、表示対象体に対する視点位置の方向を、表示対象体を通る基準軸に対する視点位置の方向として特定することができ、仮想3次元空間における任意の視点位置の視点方向の特定が用意となる。
【0017】
前記モデルデータ記憶手段は、前記基準軸を中心にした周方向上に設定された複数のモデル視点方向に関して、前記各モデル視点方向に対応する前記表示対象体の3次元モデルを形成するためのモデルデータ(MD)を記憶し、前記補間画像生成手段は、前記視点方向特定手段によって特定された視点方向が、前記補間視点方向である場合に、前記周方向に関して挟まれる2つのモデル視点方向を特定し、一方のモデル視点方向を前記第1の視点方向とし、他方のモデル視点方向を前記第2の視点方向として設定するモデル視点方向設定手段を、更に備え、前記補間画像生成手段は、前記モデル視点方向設定手段によって設定された前記第1の視点方向と前記第2の視点方向に基づいて、前記特定された視点方向に対応する前記補間画像を生成してもよい。これにより、仮想3次元空間における任意の補間視点方向に対応する補間画像を生成することができる。
【0018】
前記周方向に関して隣接する2つの前記モデル視点方向によって構成される補間範囲毎に、対応する2つのモデルの補間に関する情報が設定された範囲情報(RI)が記憶される補間情報記憶手段(4)を更に備え、前記モデル視点方向特定手段は、前記補間情報記憶手段を参照して、前記特定された視点方向が含まれる補間範囲の範囲情報を特定することにより、前記2つのモデル視点方向を特定し、前記補間画像生成手段は、前記補間に関する情報に基づいて、前記2つのモデルに対応するモデルデータの補間を行ってもよい。これにより、補間範囲に応じて異なる補間方法を設定することができ、表示対象体を見る角度に応じて、より適切な変化の態様を表現することができる。
【0019】
前記補間画像生成手段は、前記第1のモデルデータから得られる各頂点座標及び前記第2のモデルデータから得られる各頂点座標を補間することにより、3次元補間モデルを生成する補間モデル生成手段を更に備え、前3次元補間モデルを前記表示対象体の3次元モデルとして前記所定位置に配置し、前記視点位置から所定の注視点を見た時の前記3次元補間モデルから得られる画像を、前記表示対象体の前記補間画像として生成してもよい。
【0020】
これにより、任意の視点位置から任意の注視点を見た時に表現されるべき表示対象体の補間画像を得ることができる。なお、視点位置から注視点を見た時に得られる画像とは、視点位置を含み、視点位置と注視点とを結ぶ注視ベクトルに垂直な平面に3次元モデルを投影させた画像である。
【0021】
前記補間画像生成手段は、前記視点位置と前記基準軸からの距離が同じで、前記設定された第1の視点方向にある点を第1の仮視点位置として設定し、前記設定された第1の視点方向に対応する第1のモデルを、前記表示対象体の3次元モデルとして前記所定位置に配置し、前記第1の仮視点位置から所定の注視点を見た時に、前記第1のモデルから得られる第1仮画像を取得する第1の仮画像取得手段と、前記視点位置と前記基準軸からの距離が同じで、前記設定された第2の視点方向にある点を第2の仮視点位置として設定し、前記設定された第2の視点方向に対応する第2のモデルを前記表示対象体の3次元モデルとして前記所定位置に配置し、前記第2の仮視点位置から前記注視点を見た時に、前記第2のモデルから得られる第2仮画像を取得する第2の仮画像取得手段とを更に備え、前記特定された視点方向に応じて、前記第1の仮画像の各頂点座標と前記第2の仮画像の各頂点座標を補間することにより得られる画像を、前記表示対象体に対して前記特定された視点方向にある視点位置から前記注視点を見た時の前記表示体の補間画像として生成してもよい。
【0022】
これにより、2次元画像の座標を補間することにより、補間画像を生成することができる。なお、仮視点位置から注視点を見た時に得られる3次元モデルの画像は、仮視点位置を含み、仮視点位置から注視点を結ぶ注視ベクトルに垂直な平面に3次元モデルが投影された像である。
【0023】
前記表示対象体における所定の中心点(CP)を中心にした球状態の仮想領域(G)において、緯線方向(VM)及び経線方向(VL)に分割された複数の領域(VA)が設定され、前記第1のモデルデータは、前記第1の視点方向を含む第1の領域(VAm1)のいずれかの視点方向に視点位置がある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとしての前記第1のモデルを形成するためのデータであり、前記第2のモデルデータは、前記中心点を中心に前記第1の領域を周方向に位置する第2の領域(VAm2)のいずれかの視点方向に視点位置がある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとしての前記第2のモデルを形成するためのデータであり、前記補間画像生成手段は、前記周方向に関して前記第1の領域から前記第2の領域までの間に存在する補間領域に含まれる前記補間視点方向に視点位置がある場合、前記補間視点方向に対応する補間画像を、前記第1のモデルデータに基づいて得られる各頂点座標と、前記第2のモデルデータに基づいて得られる各頂点座標を補間することにより生成して、所定の描画領域に描画してもよい。
【0024】
これにより、表示対象の全方位に関して、特徴的な態様を有する表示対象体を表示する場合であっても、効率的に補間画像を生成することができる。
【0025】
本発明の第1の画像処理方法は、コンピュータに、仮想3次元空間(GS)に配置された表示対象体(A)の3次元モデル(M)に基づいて、前記表示対象体に対する視点位置(VP)の方向である視点方向(VD)に応じて前記表示対象体の画像を表示部(3)に表示させる画像処理方法であって、前記表示対象体に対して視点位置が第1の視点方向にある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとして使用される第1のモデルを形成するための第1のモデルデータと、前記表示対象体に対して視点位置が、前記表示対象体を中心に前記第1の視点方向が所定の周方向に移動した第2の視点方向にある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとして使用される第2のモデルを形成するための第2のモデルデータを記憶するステップと、前記周方向に関して前記第1の視点方向から前記第2の視点方向までの間に存在する補間視点方向に対応する前記表示対象体の2次元画像である補間画像を、前記第1のモデルデータから得られる前記第1のモデルデータの各頂点座標と前記第2のモデルデータから得られる前記第2のモデルの各頂点座標とに基づいて補間処理を行うことにより生成して所定の描画領域に描画するステップと、前記描画領域に描画された前記補間画像を、前記補間視点方向に対応する前記表示対象体として、前記表示部に表示するステップとを備えることにより、上記の課題を解決する。本発明の第1の画像処理方法は、本発明の第1の画像処理システムとして実現される。
【0026】
本発明の第2の画像処理システム(100)は、仮想3次元空間の所定位置に配置された表示対象体(A)の3次元モデル(M)に基づいて、前記表示対象体に対する視点位置(VP)の方向である視点方向(VD)に応じて前記表示対象体の画像を表示部(3)に表示する画像処理システムであって、前記表示対象体に対する視点位置が所定の基準方向にある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとして使用される基準モデルを形成するための基準モデルデータを記憶するモデルデータ記憶部(104)と、前記表示対象体に対する視点位置が、前記基準方向を前記表示対象体を中心に周方向に移動させた移動視点方向にある場合に、前記移動視点方向に対応する前記表示対象体の3次元モデルとして使用される移動モデルを構成する複数のポリゴンの各頂点を、前記基準モデルを構成する複数のポリゴンの各頂点座標と、前記移動視点方向の前記基準方向からの移動量とに基づいて得られるように設定されたモデル形成関数(F)を、前記移動視点方向に応じて記憶する関数記憶部(104)と、前記表示対象体を見る視点位置が、前記関数記憶部に記憶されたいずれの移動視点方向にあるかを特定し、特定された前記移動視点方向に対応する前記モデル形成関数を選択し、前記移動量及び前記基準モデルの各頂点座標に基づいて、前記選択されたモデル形成関数により、前記所定位置に前記移動モデルを生成する移動モデル生成手段(105a)と、前記視点位置から前記生成された移動モデルを見た移動モデル画像を、所定の描画領域に描画する描画手段(105b)と、前記描画領域に描画された移動モデル画像を、前記視点位置から前記表示対象体を見た時の前記表示対象体の画像として、前記表示部に表示する描画表示手段(105c)とを有することにとにより、上述の課題を解決する。
【0027】
第2の画像処理システムによれば、表示対象体を表示部に表示するために使用される3次元モデルを形成するためのモデルデータとして、視点方向が基準方向にある時に使用される基準モデルに関するモデルデータのみがモデルデータ記憶部に記憶され、任意の移動視点方向から表示対象体を見た時に使用される移動モデルは、モデル形成関数によって生成され、生成された移動モデルを移動視点位置から見た表示対象体の画像が、描画領域に描画される。各移動視点方向に対して、所望の表示態様が得られるようにモデル形成関数を設定しておくことにより、1つの3次元モデルに基づいて、所望の表示態様のモデル画像を得ることができる。これにより、3次元モデルを使用して、2次元的な表現を可能にしつつ、態様の変化を自然に表現することができ、より高度な2次元的表現を可能にする画像処理システムを提供することができる。
【0028】
基準モデルデータは、対応するモデルを形成する複数のポリゴンの頂点座標で構成される。各頂点座標は、相対的に設定されている場合と、絶対値が設定されている場合とを含む。表示対象体は、例えば、ゲームやアニメーションに登場するキャラクタのように顔がある場合と、顔のない無機的な立体形状である場合とを含む。
【0029】
前記関数記憶部において、前記表示対象体の前記周方向に設けられた複数の関数区間のそれぞれに対して、前記移動視点方向の移動量と前記基準モデルの各頂点座標とに基づいて、前記移動モデルの各頂点座標が得られるように設定された前記モデル形成関数が対応付けられ、前記移動モデル生成手段は、前記基準モデータの各頂点座標と前記移動量に基づいて、前記選択されたモデル形成関数により、前記移動モデルを生成してもよい。これにより、同じ関数区間に含まれる移動視点方向には、同じ関数を対応付けることができる。
【0030】
前記基準モデルデータでは、前記基準モデルを構成する複数のポリゴンの頂点座標が、複数のグループにグループ化されて設定され、前記関数記憶部において、、前記各グループ毎に、そのグループに対応する前記基準モデルの各頂点座標から、前記移動モデルの各頂点座標が得られるモデル形成関数が設定されていてもよい。これにより、表示対象体の周方向の表示態様が、表示対象体のパーツによって異なる場合、同じように変化するパーツに含まれる頂点座標を同じグループに設定し、各グループ毎にそのグループの表示態様を表現できるように設定された関数を対応付ければ、パーツによって異なる表示態様を表現することができる。
【0031】
前記表示対象体を通り、所定方向に伸びる基準軸(CA)が設定され、前記周方向は前記基準軸を中心にした方向であり、前記移動モデル生成手段は、前記基準軸に対する視点位置の方向を、前記表示対象体に対する視点方向として特定する視点方向特定手段(105d)を有し、前記視点方向特定手段にて特定された視点方向を、前記移動視点方向として特定し、前記移動モデルを生成してもよい。これにより、例えば、所定のアプリケーションにて任意に決定される視点位置の移動視点方向を、基準軸に対する方向として特定できる。
【0032】
本発明の第2の画像処理方法は、表示対象体(A)に対する視点位置(VP)が所定の基準方向(VDc)にある場合に、前記表示対象体の3次元モデル(M)として使用される基準モデル(Mc)を形成するための基準モデルデータ(MD’)を記憶するモデルデータ記憶部(104)と、前記表示対象体に対する視点位置が、前記基準方向を前記表示対象体を中心に周方向に移動させた移動視点方向(MVD)にある場合に、前記移動視点方向に対応する前記表示対象体の3次元モデルとして使用される移動モデルを構成する複数のポリゴンの各頂点を、前記基準モデルを構成する複数のポリゴンの各頂点座標と、前記移動視点方向の前記基準方向からの移動量とに基づいて得られるように設定されたモデル形成関数(F)を、前記移動視点方向に応じて記憶する関数記憶部(104)と、を有するコンピュータに、仮想3次元空間(GS)の所定位置に配置された前記表示対象体の3次元モデルに基づいて、前記表示対象体に対する視点位置の方向である視点方向に応じて前記表示対象体の画像を表示部(3)に表示させる画像処理方法であって、前記コンピュータに、前記表示対象体を見る視点位置が、前記関数記憶部に記憶されたいずれの移動視点方向にあるかを特定し、特定された移動視点方向に対応する前記モデル形成関数を選択し、前記移動量及び前記基準モデルの各頂点座標に基づいて、前記選択されたモデル形成関数により、前記所定位置に前記移動モデルを生成させるステップと、前記視点位置から前記生成された移動モデルを見た移動モデル画像を、所定の描画領域に描画させるステップと、前記描画領域に描画された移動モデル画像を、前記視点位置から前記表示対象体を見た時の前記表示対象体の画像として、前記表示部に表示させるステップとを実行させることにより、上記の課題を解決する。本発明の第2の画像処理方法は、コンピュータに実行させることにより、第2の画像処理システムとして具現化する。
【発明の効果】
【0033】
上述したように、本発明によれば、第1の視点方向から表示対象体を見た時の表示対象体を表示する際に使用される第1のモデルを形成するための第1のモデルデータと、第1の視点方向を表示対象体を中心に周方向に移動させた第2の視点方向から見た時の表示対象体を表現する際に使用される第2のモデルを形成するための第2のモデルデータを用意し、第1の視点方向から第2の視点方向までの間に存在する補間視点方向に対応する補間画像を、補間処理によって得ることにより、3次元モデルを使用してより高度な2次元的表示を可能にする画像処理システム及び画像処理方法を提供することができる。また、所定の基準方向から表示対象体を見た時の表示対象体を表示する際に使用される基準モデルを形成するための基準モデルデータに基づいて、移動視点方向から見た時の表示対象体を表示する際に使用される移動モデルを生成し、移動モデルを移動視点方向から見た時の画像を得るように構成することにより、3次元モデルを使用してより高度な2次元的表示を可能にする画像処理システム及び画像処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の形態において画像生成空間に配置されたキャラクタの俯瞰図。
【図2】キャラクタを正面から見た正面キャラクタ画像を示す図。
【図3】キャラクタを右45度から見た45度キャラクタ画像を示す図。。
【図4】キャラクタを左90度から見た90度キャラクタ画像を示す図。
【図5】補間視点方向及び補間範囲の例を示す図。
【図6】1つの補間範囲に複数の補間視点方向が設定されたようすを示す図。
【図7】2つの影響度テーブルの例を示す図。
【図8】モデル視点方向に関してキャラクタの2次元画像を生成する手順を示す図。
【図9】第1の形態における第1の画像生成方法に基づいて、キャラクタの補間画像を生成する手順を示す図。
【図10】第1の形態における第2の画像生成方法に基づいて、キャラクタの補間画像を生成する手順を示す図。
【図11】第1の形態における画像処理システムのハードウェア構造の一例を示す図。
【図12】第1の形態におけるモデルデータのデータ構造を示す図。
【図13】補間情報のデータ構造を示す図。
【図14】モデリング処理における処理の流れを示すフローチャート。
【図15】第1の形態におけるレンダリング処理における処理の流れを示すフローチャート。
【図16】第1の形態におけるレンダリング処理において、第1の画像生成方法に基づいてキャラクタ画像が生成されるようす示す図。
【図17】第1の形態におけるレンダリング処理において、第2の画像生成方法に基づいてキャラクタ画像が生成されるようす示す図。
【図18】第1の形態における基準軸の設定に関して、他の形態を示す図。
【図19】仮想領域に対して3次元モデルが設定される形態において、仮想領域と方向ベクトルとの関係を示す図。
【図20】第2の形態において画像生成空間に配置されたキャラクタの俯瞰図。
【図21】4つの関数区間が設けられたようすを示す図。
【図22】任意の視点位置からキャラクタを見た時のキャラクタの画像を生成する手順を示す図。
【図23】第2の形態における画像処理システムのハードウェア構成を示す図。
【図24】第2の形態におけるモデルデータのデータ構造を示す図。
【図25】関数区間情報のデータ構造を示す図。
【図26】第2の形態におけるレンダリング処理における処理の流れを示すフローチャート。
【図27】関数区間に加えて基準区間が設けられたようすを示す図。
【図28】第2の形態における基準軸の設定に関して、他の形態を示す図。
【図29】第2の形態において仮想領域に対して3次元モデルが設定される形態において、仮想領域と方向ベクトルとの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(1)第1の形態(第1の画像処理システム)
まず、本発明の第1の画像処理システムの概要について、図1〜図10を用いて説明する。図1は、中心点CPを中心とするキャラクタAの頭部(以下、単に「キャラクタA」という。)が、その上下方向がZ軸方向に一致するように仮想3次元空間である画像生成空間GSに配置されたようすを示す俯瞰図である。なお、俯瞰図における鼻部分Anは、キャラクタAの正面方向を便宜的に示すものであり、キャラクタAの実際の鼻部分とは限らない。キャラクタA内には、Z軸方向に平行でキャラクタAの中心点CPを通る基準軸CAが設定されている。中心点CPとは、キャラクタAにおける上下方向及び左右方向の中点である。キャラクタAに対する視点位置VPの方向を視点方向VDといい、本形態では基準軸CAに対する視点位置VPの方向である。即ち、本形態の視点方向VDは、視点位置VPから基準軸CAに垂直に下ろした方向ベクトルVdが示す方向である。視点方向VDは、基準軸CAを中心に回転するように移動するので、視点方向VDは、基準軸CAに垂直な平面(XY平面)上に仮想円Cirを描くように移動する。
【0036】
図1において、視点方向VD1は、キャラクタAを正面から見る視点方向VDであり、本形態では、キャラクタAに対する視点方向VDを特定するための基準方向として使用される。視点方向VD2は、視点方向VD1を基準にして周方向CDに関して45度移動した方向であり、視点方向VD3は、視点方向VD1を基準にして周方向CDに関して90度移動した方向である。例えば、視点方向VD1を示す方向ベクトルVd1上にある視点位置VP1の視点方向VDは視点方向VD1である。同様に、視点位置VP2の視点方向VDは視点方向VD2であり、視点位置VP3の視点方向VDは視点方向VD3である。
【0037】
以下、視点方向VD間の相対的な距離を周方向CDに関して回転する角度で示す。なお、図1において、視点位置VP1〜VP3は基準軸CAからの距離は等しいが、各視点位置VPから基準軸CAへの距離は問わない。また、仮想円Cirは基準軸CAを中心に水平方向に形成される概念的な円であり、半径の長さは問わない。
【0038】
図2〜図4は、視点位置VP1、VP2、VP3のZ軸値がキャラクタAの中心点CPのZ軸値と同じ場合に、各視点位置VP1、VP2、VP3から中心点CPを見た時に、表現されるべきキャラクタAの画像である。正面キャラクタ画像A1は、視点位置VP1から中心点CPを見た時に表現されるべきキャラクタAの画像であり、45度キャラクタ画像A2は、視点位置VP2から中心点CPを見た時に表現されるべきキャラクタAの画像であり、90度キャラクタ画像A3は視点位置VP3から中心点CPを見た時に表現されるべきキャラクタAの画像である。
【0039】
図2〜図4に示すように、キャラクタAの髪型の状態及び口の状態は、45度キャラクタ画像A2において既に90度キャラクタ画像A3における状態と同じように表示されるのに対して、45度キャラクタ画像A2における目は、正面キャラクタ画像A1における目をそのまま左に少し寄せただけの状態である。このように、キャラクタAは、視点方向VDの移動量に応じた態様ではなく、特定の視点方向VDに対して2次元的表現が切り替わるような特徴を有している。このようなキャラクタAの画像は、従来の画像処理システムのように、キャラクタAに対応する3次元モデルを1つ生成し、生成された3次元モデルに対して視点位置VPを移動させてモニタに表示する方法では、表現することができない。
【0040】
本発明の第1の画像処理システムにおいては、見る角度に応じて、2次元的な変化を表現したい場合、当該変化を表現したい方向(例えば、正面方向、45度方向、90度方向)に対応する視点方向VD1、VD2、VD3のそれぞれに対応する3次元モデルM1、M2、M3をそれぞれ作成しておき、各視点方向VD1、VD2、VD3にある視点位置VPから見たキャラクタAを表現する時は、対応する3次元モデルMを使用する。以下、対応する3次元モデルMが用意された特定の視点方向VDを、「モデル視点方向VDm」という時がある。
【0041】
一方、対応する3次元モデルMが用意されていない視点方向VD、例えば、図5に示すように、モデル視点方向VDm1とモデル視点方向VDm2との間にある補間視点方向VDiに対応するキャラクタAの画像は、モデル視点方向VDm1に対応する正面モデルM1及びモデル視点方向VDm2に対応する45度モデルM2を用いて、各3次元モデルMの頂点が、所定の補間方法により補間されることにより生成される。以下、補間視点方向VDiに対応する画像、即ち、2つの3次元モデルMを用いて補間されることにより生成される2次元画像を、「補間画像INima」という。
【0042】
周方向CDに関して1つのモデル視点方向VDmから次のモデル視点方向VDmまでの範囲、即ち補間視点方向VDiが存在する範囲を、以下、「補間範囲INr」という。本形態では、モデル視点方向VDm1からモデル視点方向VDm2までの範囲は補間範囲INr−1であり、モデル視点方向VDm2からモデル視点方向VDm3までの範囲は補間範囲INr−2である。なお、本形態においては、2つの3次元モデルMに基づいて補間処理が行われる際に、補間視点方向VDiと各モデル視点方向VDmとの距離に応じて各モデル視点方向VDmの影響の大きさを示すパラメータとして、影響度を設定することができる。
【0043】
影響度について、図6及び図7を用いて説明する。影響度は、例えば、補間視点方向VDiと各モデル視点方向VDmとの距離に応じて、所定の関数によって得られるように設定される。また、補間範囲INr内の特定の補間視点方向VDiに対して所望の影響度を設定してもよい。本形態では、図6に示すように、補間範囲INr−1に、影響度が設定される補間視点方向VDiとして、4つの補間視点方向VDi1、VDi2、VDi3、VDi4が設定されている。補間視点方向VDi1〜VDi4は、モデル視点方向VDm1から周方向CDに関して9度ずつ移動した方向である。本形態の影響度は、補間処理に与える影響度の合計を100%とした場合において、各3次元モデルM1、M2が与える割合である。
【0044】
例えば、正面モデルM1から45度モデルM2まで、キャラクタAの状態を、視点方向VDに応じて一様に変化させたい場合、各3次元モデルM1、M2の影響度は、図7の影響度テーブルT1のように設定される。影響度テーブルT1のように、各3次元モデルM1、M2の影響度の増加量及び減少量が、一定になるように設定すれば、キャラクタAの状態を一様に変化させることができる。一方、正面モデルM1及び45度モデルM2のうち、いずれか一方の影響を大きくして変化させたい場合は、図7の影響度テーブルT2のように各3次元モデルのM1、M2の影響度を設定すればよい。
【0045】
影響度テーブルT2においては、補間視点方向VDi3はモデル視点方向VDm1よりもモデル視点方向VDm2に近いが、補間視点方向VDi3において、モデル視点方向VDm1に対応する正面モデルM1の影響度の方がモデル視点方向VDm2に対応する45度モデルM2の影響度より高く設定されている。これにより、補間範囲INr―1において、正面モデルM1の影響を高めて補間画像INimaを生成することができる。
【0046】
影響度テーブルTに設定されていない、補間視点方向VDixの影響度は、補間視点方向VDixを挟む2つの補間視点方向VDiのそれぞれと補間視点方向VDixとの距離関係に応じて適宜設定すればよい。例えば、図6に示す補間視点方向VDixの場合、補間視点方向VDi1及び補間視点方向VDi2のそれぞれに対して設定されている影響度を、補間視点方向VDi1と補間視点方向VDixとの距離、及び補間視点方向VDi2と補間視点方向VDixとの距離の相対的な関係に応じて設定すればよい。
【0047】
所定の視点位置VPから所定の注視点GPを見た場合に、3次元モデルM1、M2、M3に基づいたキャラクタ画像を得る具体的な手順について説明する。以下の説明にて、キャラクタAの3次元モデルMが画像生成空間GSに配置される時は、いずれの3次元モデルMも、上述したように、3次元モデルMの正面方向は基準方向VD1と一致し、3次元モデルMの上下方向はZ軸方向に一致するように配置される。
【0048】
まず、図8Aに示すように、視点位置VPの視点方向VDがモデル視点方向VDm1である場合は、正面モデルM1がキャラクタAの3次元モデルMとして画像生成空間GSに配置される。そして、視点位置VPを含み、視点位置VPから注視点GPへ向かう注視ベクトルVgが直交する平面P1上に、正面モデルM1を投影させ、その投影像Ima―1がキャラクタ画像として、所定の描画領域に生成される。図8Bに示すように、視点位置VPの視点方向VDがモデル視点方向VDm2である場合は、45度モデルM2がキャラクタAの3次元モデルMとして画像生成空間GSに配置される。そして、視点位置VPを含み、注視ベクトルVgに直交する平面P2上に、45度モデルM2を投影させ、その投影像Ima―2がキャラクタ画像として、所定の描画領域に生成される。
【0049】
更に、図8Cに示すように、方向ベクトルVdに対応する視点方向VDがモデル視点方向VDm3である場合は、90度モデルM3がキャラクタAの3次元モデルとして画像生成空間GSに配置される。そして、視点位置VPを含み、注視ベクトルVgに直交する平面P3上に、90度モデルM3を投影させ、その投影像Ima―3がキャラクタ画像として、所定の描画領域に生成される。なお、3次元モデルMを平面P1、P2、P3に投影するとは、3次元モデルMを所定の平面上にいわゆるレンダリングすることをいう。
【0050】
次に、2つの3次元モデルMに基づいて得られる補間画像INimaの生成方法について説明する。補間画像INimaの生成方法には、2つの3次元モデルMから得られる2次元画像を補間処理することにより補間画像INimaを生成する第1の画像生成方法と、2つの3次元モデルMから補間処理により3次元補間モデルMiを得て補間画像INimaを生成する第2の画像生成方法がある。説明の便のため、図5における視点位置VP1及び視点位置VP2と同じ仮想円Cir上にある視点位置VP4から、基準軸CA上にある注視点GPを見た場合の補間画像INima−i2について説明する。
【0051】
視点位置VP4の方向ベクトルVd4は補間視点方向VDi2と一致し、即ち、視点位置VP4の視点方向VDは補間視点方向VDi2であるため、補間画像INima―i2を生成するために使用される2つの3次元モデルMは、補間視点方向VDi2を挟んで隣接するモデル視点方向VDm1、VDm2に対応する正面モデルM1と45度モデルM2である。
【0052】
第1の画像生成方法によって補間画像INima−i2が生成される手順について、図9を用いて説明する。まず、正面モデルM1を画像生成空間GSに配置して、正面モデルM1から仮投影像Ima−6を得る。仮投影像Ima−6は、モデル視点方向VDm1にあり、視点位置VP4を通る仮想円Cir上にある視点位置VP1から、注視点GPへ向かう注視ベクトルVg1に垂直であって、視点位置VP1を含む平面P6上に、正面モデルM1を投影することにより得られる。
【0053】
次に、45度モデルM2を画像生成空間GSに配置して、45度モデルM2から仮投影像Ima−7を得る。仮投影像Ima−7は、モデル視点方向VDm2にあり、視点位置VP4を通る仮想円Cir上にある視点位置VP2から、注視点GPへ向かう注視ベクトルVg2に垂直であって、視点位置VP2を含む平面P7上に、45度モデルM2を投影することにより得られる。
【0054】
仮投影像Ima−6と仮投影像Ima―7とにおいて、一致しない部分については、その一致しない部分に対応する各仮投影像Ima−6、Ima―7の座標を用いて、所定の補間方法により、視点位置VP4に対応する補間画像INima―i2の座標を補間する。使用される補間方法は、ベジエ補間、リニア補間等の周知の補間方法を適宜採用すればよい。
【0055】
補間処理により得られた座標を、「一致しない部分」に対応する補間画像INima−i2の部分の座標として設定する。「一致する部分」の座標は、そのまま「一致する部分」に対応する部分の補間画像INima―i2の座標として設定する。なお、補間処理の際には、各3次元モデルM1、M2の影響度が設定された影響度テーブルTを参照し、設定された影響度に応じて各座標に重みをつけて処理を行う。以上の方法により、視点位置VP4から注視点GPを見た時の補間画像INima―i2を得ることができる。
【0056】
続いて、第2の画像生成方法によって補間画像INima―i2が生成される手順について、図10を用いて説明する。第2の画像生成方法においては、まず、正面モデルM1及び45度モデルM2の各頂点を所定の補間方法によって補間することにより、視点方向VDi2に対応する3次元補間モデルMiを生成する。生成した3次元補間モデルMiを画像生成空間GSに配置し、視点位置VP4から注視点GPへ向かう注視ベクトルVg4に垂直で、視点位置VP4を含む平面Pi2に3次元補間モデルMiを投影させる。その投影像が補間画像INima―i2として、所定の描画領域に生成される。なお、後述するように、本形態の3次元モデルMの頂点には法線が設定されている。第1の画像生成方法及び第2の画像生成方法では、各頂点の法線に関しても、座標の場合と同様に従来の補間方法によって補間処理が行われる。
【0057】
以下、上記構成を実現する本発明の画像処理システム1について説明する。図11は、本発明の画像処理システム1の構成の一例を示す図である。画像処理システム1は、ユーザの操作を受け付ける操作入力部2と、所定の画像をユーザに提示する表示部3と、本発明を実現するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶する記憶部4と、画像処理システム1の動作を制御する制御部5とで構成される。操作入力部2には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等が含まれる。表示部3には、例えば、モニタやプロジェクタ等が含まれる。
【0058】
制御部5は、CPU及びその動作に必要なRAM、ROM、描画領域としての描画メモリ等の各種記憶域で構成され、記憶部4に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、主に、補間画像生成手段5a、補間画像表示手段5b、切り出し手段5c、修正手段5d、第2のモデル設定手段5e、及び視点方向特定手段5gとして機能する。記憶部4には、コンピュータプログラムの他、3次元モデルMに関する情報であるモデルデータMDや補間画像INimaに関する情報である補間情報INinfが記憶される。これにより、記憶部4はモデルデータ記憶手段及び補間情報記憶手段として機能する。
【0059】
モデルデータMDは、キャラクタAに関して、各モデル視点方向VDmに対応する3次元モデルMに関する情報である。モデルデータMDは、図12に示すように、対応する視点方向10と、複数のパーツ情報PI1、PI2・・・で構成される。以下、パーツ情報PI1、PI2・・・を区別する必要がない時は、「パーツ情報PI」という。モデルデータMDにおける「パーツ」とは、3次元モデルMにおける部分であり、視点方向VDの移動による変化の態様が同じように変化する頂点のグループである。具体的な「パーツ」としては、例えば、髪、鼻、口、目等がある。但し、本形態における「パーツ」は、視点方向VDの移動による変化の態様が同じように変化する部分であれば、離れた複数の部分であっても、1つの「パーツ」として設定されてもよい。
【0060】
パーツ情報PIは、パーツを識別するパーツ識別情報31に頂点情報30が対応付けられて構成されている。頂点情報30は、パーツ識別情報31に対応するパーツを構成する複数のポリゴンの各頂点に関する情報であり、各頂点の座標の座標情報と法線情報とが含まれる。座標情報は、所定の点に対する相対的な座標であってもよいし、画像生成空間GSにおける座標値であってもよい。キャラクタAに対して用意される各3次元モデルMの頂点の数、及び各ポリゴンの対応関係は同じであり、各3次元モデル間の頂点の対応関係を示す情報も、頂点情報30に含まれる。
【0061】
補間情報INinfは、図13に示すように、複数の範囲情報RI1、RI2・・・で構成される。以下、範囲情報RI1、RI2・・・を区別する必要のない時は「範囲情報RI」という。範囲情報RIは、補間範囲INrに関する情報が設定され、補間範囲50、使用モデル60、補間方法70及び影響度80が含まれる。補間範囲50には、対応する補間範囲INrを特定する情報が設定される。例えば、補間範囲INr−2の場合は、補間範囲INr―2を構成するモデル視点方向VDm2とモデル視点方向VDm3が設定されればよい。
【0062】
使用モデル60には、対応する補間範囲INrを構成する2つのモデル視点方向VDmのそれぞれに対応する3次元モデルMが設定される。補間方法70には、対応する補間範囲INrに適用される補間方法が設定される。影響度80には、使用モデル60にて設定された各3次元モデルMの影響度が示された影響度テーブルTが設定される。また、補間範囲RIに対して、特定のパーツに対する補間方法及び影響度が設定されたパーツ補間情報90も含まれる。パーツ補間情報は、対応するパーツ識別情報が対応付けられている。図13においては、範囲情報RI1に、パーツ1に対する補間方法が設定されたパーツ1補間情報90aが含まれ、範囲情報RI2に、パーツ2に対する補間方法が設定されたパーツ2補間情報90bが含まれている。これにより、記憶部4はグループ補間情報記憶手段として機能する。
【0063】
キャラクタAに関するモデルデータMD及び補間情報INinfを生成するモデリング処理について、図14のフロ−チャートに従って説明する。本形態では、主に、モデル視点方向VDm1からモデル視点方向VDm2までの補間範囲INr―1に関して説明する。モデリング処理は、制御部5によって制御される。まず、ステップS100にて、補間範囲を特定する情報が補間範囲50に設定される。本形態では、補間範囲INr―1を特定する情報が設定される。本形態では、モデル視点方向VDm1からモデル視点方向VDm2までの範囲を特定する情報が設定される。当該設定は、例えば、ユーザの入力操作によって設定される。
【0064】
次に、ステップS105にて、第1の3次元モデルとしての3次元モデルMが設定される。モデリング処理の開始時のように、設定すべき3次元モデルMがまだ生成されていない場合は、周知の3次元モデル生成方法により生成される。例えば、第1の3次元モデルMが正面モデルM1の場合、正面モデルM1が生成されることにより、正面モデルM1のモデルデータMD1が生成される。なお、パーツ情報PIと頂点情報30の対応付けは、例えば、マウスのドラッグ操作により、生成された正面モデルM1の一部を指定し、その指定された部分に対して、パーツを識別するパーツ識別情報31を設定すればよい。
【0065】
次に、ステップS110にて、ステップS100で設定された3次元モデルMに基づいて、第2の3次元モデルとして、ステップS100にて設定された補間範囲INr−1を構成するモデル視点位置VDmに対応する3次元モデルM(本形態では45度モデルM2)を生成する。本形態の場合、第1の3次元モデルとしての正面モデルM1をモニタ3に表示させ、正面モデルM1をモデル視点方向VDm2から見た状態に回転させる。当該状態の正面モデルM1において、45度モデルM2と状態が異なる領域を切り出して、その切り出した領域を45度モデルM2の状態に変形し、変形された領域を、モニタ3に表示されている正面モデルM1に戻す。
【0066】
正面モデルM1において、45度モデルM2と状態が異なる全ての領域について、このように処理することにより、最終的にモデル視点方向VDm2に対応する45度モデルM2が生成される。即ち、45度モデルM2のモデルデータMD2が生成される。ステップS110の処理により、制御部5は切り出し手段5c、修正手段5d、及び第2のモデル設定手段5eとして機能する。なお、切り出した領域が変形される際に、当該領域を構成する複数のポリゴンの対応関係は変形の前後において変化しない。従って、正面モデルM1を構成するポリゴンの各頂点は、45度モデルM2を構成するポリゴンの各頂点に対応する。モデルデータMD1の頂点情報30及びモデルデータMD2の頂点情報30のそれぞれには、互いに対応する頂点が識別されるように、例えば、各頂点に対して対応頂点が設定される。
【0067】
次に、ステップS120に進み、補間範囲INr―1に対応する範囲情報RIが、初期設定されることにより生成される。本形態では、範囲情報RIは次のように初期設定される。補間範囲50には、ステップS100にて設定された補間範囲が設定され、補間方法70及び影響度80のそれぞれには、予め所定の補間方法及び所定の影響度テーブルTが設定される。また、使用モデル60には、モデルデータMDを参照して、補間範囲INr−1を構成するモデル視点方向VDm1、VDm2に対応するモデルデータMD1、MD2が設定される。
【0068】
初期設定の範囲情報RIが生成されると、ステップS125へ進み、表示処理が行われる。表示処理では、画像生成空間GSにおいて範囲情報RIに対応する視点位置VPを決定すると、中心点CPを注視点GPとした場合の、即ち、視点位置VPから中心点CPを見た場合のキャラクタAの画像が、上述したように生成され、描画メモリに描画されることにより、モニタ3に表示される。本形態では、モデル視点方向VDm1とモデル視点方向VDm2の間の補間視点方向VDiに対応する補間画像INimaは、正面モデルM1のモデルデータMD1と45度モデルM2のモデルデータMD2に基づいて、上述した補間処理(第1の画像生成方法又は第2の画像生成方法)が行われることにより得られる。なお、補間視点方向VDiは、視点位置VPの基準軸CAに対する方向として特定される。これにより、制御部5は、補間画像生成手段5a、補間画像表示手段5b及び補間視点方向特定手段5gとして機能する。
【0069】
そして、キャラクタAの一連の画像がモニタ3に表示された後、ステップS130にて範囲情報RIの修正がされるか否かが判断される。ユーザによる所定の修正操作があると、ステップS135に進み、範囲情報RIの修正を受け付ける状態となる。例えば、補間画像INimaの生成に関して、正面モデルM1の影響を相対的に大きくしたい場合は、影響度テーブルT2のように、正面モデルM1の影響度が45度モデルM2の影響度よりも大きい補間視点方向VDiの範囲が広くなるように設定すればよい。また、より適した補間方法がある場合は、そのより適した補間方法に変更できるように構成してもよい。
【0070】
また、パーツ毎に補間方法や影響度が設定できるように構成してもよい。その場合は、パーツがユーザに指定されることにより、指定されたパーツに関して、処理中の範囲情報RIにおけるパーツ補間情報90が設定される。以上のように、所望のキャラクタAの画像を得るべく、範囲情報RIの修正処理が行われた後、ステップS125へ戻って表示処理が行われる。これにより、修正後の状態を確認することができる。パーツ補間情報90が設定された場合は、対応するパーツに関しては、パーツ補間情報90に設定された補間方法及び影響度に基づいて補間処理が行われる。
【0071】
ステップS130にて修正操作がない時は、範囲情報RIは生成されたとして、ステップS140へ進む。ステップS140では、ユーザにより終了操作又は継続操作がされたか否かが判断される。継続操作がされた場合は、ステップS100へ戻る。これにより、次の補間範囲INrに対応する範囲情報RIを生成することができる。例えば、モデル視点方向VDm2からモデル視点方向VDm3までの補間範囲INr―2に対応する範囲情報RIを生成する場合、ステップS100では、当該補間範囲が設定される。以下、補間範囲INr―1に関する処理と同様の処理が行われ、各補間範囲に関する範囲情報RIが生成される。
【0072】
なお、ステップS105にて設定される第1の3次元モデルは、生成する範囲情報RIの補間にて使用される3次元モデルMである必要はなく、ステップS110にて生成される第2の3次元モデルMの生成が容易になるように、3次元モデルMを適宜設定すればよい。例えば、正面モデルM1が第1の3次元モデルMとして常に設定されてもよい。
【0073】
ステップS140にて、ユーザにより終了操作がされたと判断された場合は、ステップS145にて記憶処理を行ない、その後、モデリング処理を終了する。記憶処理では、モデリング処理にて生成された全ての範囲情報RIがキャラクタAの基準軸CAに関する補間情報INinfとして、記憶部4に記憶される。
【0074】
次に、所定のアプリケーションの実行中に、当該アプリケーションのキャラクタAをモニタ3に表示するためのレンダリング処理について説明する。まず、第2の画像生成方法に基づいてレンダリング処理が行われる場合について、図15に示すフローチャートに従って説明する。レンダリング処理は、制御部5によって制御される。本形態では、キャラクタAがモニタ3に表示されるアプリケーションが、ゲームである場合について説明する。この場合、制御部5に所定のゲームの実行を制御するゲーム制御部が備えられることにより、画像処理システム1はゲームシステムとして機能し、ゲーム中のゲーム画面においてキャラクタAが表示される。
【0075】
まず、ステップS200にて、キャラクタAが配置される画像生成空間GSにおいて、視点位置VPが特定される。キャラクタAが配置される位置は、例えば中心点CPによって特定される。キャラクタAが配置される位置及び視点位置VPは、ユーザの操作内容、ゲーム内容、スコア等に応じて決定されればよい。以下のレンダリング処理において、図16に示すように、特定された視点位置VP9から注視点GPを見た場合に、モニタ3に表示される画像を生成する場合について説明する。ステップS205にて、視点位置VP9の視点方向VDを特定する。これにより、制御部5は、視点方向特定手段5gとして機能する。視点位置VP9の方向ベクトルVd9により、視点位置VP9の視点方向VDが決定される。本形態では、方向ベクトルVd9が補間視点方向Di2を示す。即ち、視点位置VP9の視点方向VDは補間視点方向VDi2である。
【0076】
視点方向VDの決定後、ステップS210にて、補間情報INinfを参照して、補間視点方向VDi2に対応する範囲情報RIが選択される。補間情報INinfにおける各範囲情報RIの補間範囲50を参照して、補間視点方向VDi2が含まれる補間範囲50を特定し、特定された補間範囲50に対応する範囲情報RIを、補間視点方向VDi2に対応する範囲情報RIとして選択する。例えば、基準方向V1からの距離に基づいて、補間視点方区VDi2が含まれる補間範囲50を特定すればよい。本形態では、補間視点方向VDi2が含まれるモデル視点方向VDm1からモデル視点方向VDm2までの補間範囲INr−1が、補間範囲50に設定された範囲情報RIが選択される。これにより、補間視点方向VDi2に対する2つのモデル視点方向VDm1、VDm2が決定され、制御部5はモデル視点方向設定手段として機能する。
【0077】
続いて、ステップS220に進み、選択された範囲情報RIにおける使用モデル60を参照して、補間処理に使用される2つの3次元モデルMを特定する。本形態では、正面モデルM1と45度モデルM2が特定される。次に、ステップS230にて、特定された正面モデルM1及び45度モデルM2を画像生成空間GSに配置し、上述した補間処理を行うことにより3次元補間モデルMiを生成する。これにより、制御部5は、補間モデル生成手段として機能する。補間処理は、選択された範囲情報RIを参照し、補間方法70、影響度80、及びパーツ補間方法90に基づいて補間処理が行われる。なお、影響度は、影響度80に設定された影響度テーブルTを参照することにより特定する。補間視点方向VDixが影響度テーブルTに設定されていない場合は、影響度テーブルTに設定され、補間視点方向VDixを挟む2つの補間視点方向VDiを特定し、各補間視点方向VDiとの周方向CDに関する距離に応じて、補間視点方向VDixに対する各3次元モデルMの影響度を特定すればよい。これにより、制御部5は影響度特定手段として機能する。
【0078】
次に、ステップS240にて、生成した3次元補間モデルMiを画像生成空間GSに配置し、視点位置VPを含み視点位置VP9から注視点GPへ向かう注視ベクトルVg9に直交する平面P9に、3次元補間モデルMiを投影させる。これにより、平面P9上に補間画像INima―i2を得る。ステップS250にて、補間画像INima―i2が、描画メモリに描画されることにより、キャラクタAの補間画像INima―i2がモニタ3に表示される。以上で、レンダリング処理を終了する。
【0079】
なお、第1の画像生成方法がレンダリング処理に適用される場合は、ステップS230にて、モデル視点方向VDm1、VDm2に対応する仮投影画像Ima―10、Ima―11を生成し、ステップS240にて、2つの仮投影画像Ima―10、Ima―11の補間処理を行うことにより、平面P9上に補間画像INima―i2を生成し、ステップS250にて、生成された補間画像INima―i2が描画メモリに描画されることにより、補間画像INima−i2がモニタ3に表示される。ステップS200からステップS220までの処理は、第2の画像生成方法の場合の処理と同様である。
【0080】
第1の画像生成方法が適用される場合の具体的な手順について、図17を用いて説明する。ステップS230にて、仮投影画像Ima―10、Ima―11を得るために、次のような処理が行われる。まず、モデル視点方向VDm1にあり、視点位置VP9を通る仮想円Cir上にある仮視点位置VP10を特定し、モデル視点方向Dm2にあり、視点位置VPを通る仮想円Cir上にある仮視点位置VP11を特定する。仮視点位置VP10から注視点GPを見た注視ベクトルVg10に直交し、仮視点位置VP10を含む平面P10に、画像生成空間GSに配置した正面モデルM1を投影させて、第1仮画像としての仮投影画像Ima―10を生成する。これにより、制御部5は第1の仮画像取得手段として機能する。
【0081】
また、仮視点位置VP11から注視点GPへ向かう注視ベクトルVg11に直交し、仮視点位置VP11を含む平面P11に画像生成空間GSに配置した45度モデルM2を投影させて、第2仮画像としての仮投影画像Ima―11を生成する。これにより、制御部5は第2の仮画像取得手段として機能する。次に、ステップS240にて、仮投影画像Ima―10及び仮投影画像Ima−11に基づいて、上述した補間処理を行うことにより、補間画像INima―i2を、注視ベクトルVg9に直交し、視点位置VP9を含む平面P9上に生成する。
【0082】
本発明は上述の形態に限らず種々の形態にて実施されてよい。例えば、仮想円Cir上に設定されるモデル視点方向VDmの位置及び数は、キャラクタAの表示すべき特徴に併せて適宜設定すればよい。補間範囲INrに関係なく補間方法及び影響度が一定の場合は、各補間範囲INrに関する範囲情報RIを設定する必要はない。視点方向VDを特定するための基準方向は正面方向に限らず、いずれの視点方向VDを基準方向としてもよい。モデル視点方向VDmに対応する3次元モデルMの各頂点座標は、1つの基本の3次元モデルの各頂点に基づいた関数によって得られるようにしてもよい。この場合は、モデルデータMDの頂点情報30には、頂点座標を得るための関数が設定される。
【0083】
画像処理システム1は、ゲームシステムとしてのみ機能する場合、制御部5は、切り出し手段5a、修正手段5d、及び第2のモデル設定手段等のモデリング処理を行うための機能を備えていなくてもよい。キャラクタAの頭部だけでなく体部分を含む3次元モデルMについても同様に処理すればよい。また、3次元モデルMに基づいてモニタに表示される対象は、キャラクタに限らず、生物、植物、無機物を問わない。
【0084】
更に、基準軸CAはキャラクタA内を通る軸であればよく、キャラクタAの特徴に応じて適宜設定すればよい。この場合、視点方向VDによって形成される仮想円Cirは、基準軸CAを中心にして、基準軸CAに垂直な平面上に形成される。
【0085】
例えば、図18に示すように、YZ平面に垂直なX軸方向に平行な基準軸CAaを設定してもよい。上下方向に関して2次元的に変化するキャラクタAに対応することができる。この場合、基準軸CAaを上記形態のZ軸とし、基準軸CAaに垂直なYZ平面上に形成される仮想円Ciraを、上記形態における仮想円Cirとし、特徴的な態様を示す視点方向VDを、例えば、モデル視点方向VDm10、VDm11、VDm12として設定して、上記形態と同様の処理を行えばよい。また、X軸、Y軸及びZ軸のいずれにも平行でない基準軸CAbを設定してもよい。この場合は、基準軸CAbを上記形態のZ軸とし、基準軸CAbに垂直な平面上に形成される仮想円Cirbを上記形態の仮想円Cirとして上述の形態と同様の処理を行えばよい。
【0086】
また、複数の視点方向VDを含む仮想領域VAを単位にして、本願発明を実現してもよい。その場合は、図19に示すように、キャラクタAの中心点CPを中心にした仮想球Gを画像生成空間GSに配置させる。そして、水平方向の仮想緯線VL及び鉛直方向の仮想経線VMによって複数の仮想領域VAを形成し、仮想領域VAのうち特定のモデル領域VAm1、VAm2を、中心点CPを中心に円を描く方向に設け、各モデル領域VAmに対応する3次元モデルMを対応付ける。
【0087】
この場合、視点位置VPに対してキャラクタAの方向を決定する方向ベクトルVdは、視点位置VPからキャラクタAの中心点CPへ向かうベクトルである。方向ベクトルVd100のようにキャラクタ領域VAmを通る場合は、方向ベクトルVdが通るモデル領域VAmに対応する3次元モデルMを、画像生成区間GSに配置して視点位置VPに対応する画像を生成する。方向ベクトルVd110のように、モデル領域VAmではない補間領域VAiを通る場合は、例えば、補間領域VAiを挟む2つのモデル領域VAm1、VAm2を特定し、特定されたモデル領域VAm1、Rm2に対応する3次元モデルMを用いて、上述したような補間処理することにより、補間領域VAiに対応する補間画像INimaを生成すればよい。
【0088】
特定の補間領域VAiに関する補間処理に使用されるモデル領域VAmは、例えば、各補間領域VAiに対して予め設定しておけばよい。なお、仮想球Gに設定される複数の仮想領域VAは、中心点CPを中心にして周方向に配置されればよく、その形状や大きさは問わない。
【0089】
(2)第2の形態(第2の画像処理システム)
本発明の第2の画像処理システムの概要について、図20〜図21を用いて説明する。第2の画像処理システムは、第1の画像処理システムと同様に、1つの3次元モデルを任意の視点位置から見ることにより、キャラクタを表現する従来の方法では表現することができない、キャラクタの2次元的な表現を可能とする。以下、主に第1の画像処理システムと異なる点について説明する。中心点CP、基準軸CA、各視点位置VP1〜VP3、各方向ベクトルVd1〜Vd3、及び各視点方向VD1〜VD3の概念は、第1の形態と同様である。なお、本形態では、視点方向VD20は、視点方向VD1から135度移動した視点方向VDであり、視点位置VP20は、視点方向VD20上にある視点位置VPであり、方向ベクトルVd20は、視点位置VP20から基準軸CAに対して垂直に交わるベクトルである。
【0090】
以下、本形態では視点方向VD1を基準方向VDcといい、その他の視点方向VD、即ち、基準方向VDcから周方向CDに移動した視点方向VDを移動視点方向MVDという。例えば、視点方向VD2、VD3、VD20のそれぞれも、基準方向VDcから45度、90度、135度にそれぞれ移動した移動視点方向MVD2、MVD3、MVD20のそれぞれである。本形態では、基準方向VDcからキャラクタAを見た時に使用される3次元モデルMが基準モデルMcとして用意され、移動視点方向MVDからキャラクタAを見た時に使用される3次元モデルMは、移動視点方向MVDに対応する関数Fによって生成する。以下、移動視点方向MVDからキャラクタAを見た時に使用される3次元モデルMを「移動モデルMm」という。
【0091】
本形態では、中心点CPを中心とした周方向CDに関して、複数の関数区間FRが設けられ、各関数区間FRには、関数区間FRに含まれる移動視点方向MVDに対して使用される関数Fが対応付けられている。図21の例では、キャラクタAに関して、基準方向VDc〜移動視点方向MVD2の関数区間FR1と、移動視点方向MVD2〜移動視点方向MVD3の関数区間FR2と、移動視点方向MVD3〜移動視点方向MVD20の関数区間FR3と、移動視点方向MVD20〜基準方向VDcの関数区間FR4とが設けられている。本形態では、関数区間FR1〜FR4のそれぞれには、例えば関数F1〜F4のそれぞれ対応付けられる。
【0092】
関数F1は、関数区間FR1内の移動視点方向MVDfr1に対応するキャラクタAの3次元モデルMである移動モデルMm1を生成するため関数である。具体的には、関数F1は、基準モデルMcの各頂点座標と、基準方向VDcから移動視点方向MVDfr1までの移動量Mq1とを設定することにより、移動モデルMm1の各頂点座標が得られるように設定されている。
【0093】
また、関数F2は、関数区間FR2内の移動視点方向MVDfr2に対応するキャラクタAの3次元モデルMである移動モデルMm2を生成するための関数である。具体的には、関数F2は、基準モデルMcの各頂点座標と、基準方向VDcから移動視点方向MVDfr2までの移動量Mq2とを設定することにより、移動モデルMm2の各頂点座標が得られるように設定されている。
【0094】
そして、関数F3は、関数区間FR3内の移動視点方向MVDfr3に対応するキャラクタAの3次元モデルMである移動モデルMm3を生成するための関数である。具体的には、関数F3は、基準モデルMcの各頂点座標と、基準方向VDcから移動視点方向MVDfr3までの移動量Mq3とを設定することにより、移動モデルMm3の各頂点座標が得られるように設定されている。
【0095】
最後に、関数F4は、関数区間FR4内の移動視点方向MVDfr4に対応するキャラクタAの3次元モデルMである移動モデルMm4を生成するための関数である。具体的には、関数F4は、基準モデルMcの各頂点座標と、基準方向VDcから移動視点方向MVDfr4までの移動量Mq4とを設定することにより、移動モデルMm4の各頂点座標が得られるように設定されている。なお、キャラクタAのパーツによって変化する態様が異なる場合は、各関数区間FRには各パーツに対応する関数Fが対応付けられる。
【0096】
次に、図22に示すように、キャラクタAが登場するアプリケーション(例えば、ゲーム)の実行中に、キャラクタAに対して移動視点方向MVDa上にある視点位置VPaから注視点GPを見た状態をモニタに表示する場合において、キャラクタAを表現する手順について説明する。移動視点方向MVDaは、図22に示すように、関数区間FR2に含まれるので、関数区間FR2に対応付けられた関数F2が、移動モデルMm生成のために使用される関数Fとして決定される。
【0097】
移動視点方向MVDaの移動量Mqaと、基準モデルMcの各頂点座標を関数F2に設定することにより、移動モデルMmの各頂点座標を得る。これにより、中心点CPを中心とする位置に、移動視点位置MVDaに対応する3次元モデルMである移動モデルMmが生成される。続いて、視点位置VPaから注視点GPへ向かう視線ベクトルVgaに直交する平面Paに、移動モデルMmを投影した投影像を描画する。当該投影像が、所定の描画領域に描画されることにより、視点位置VPaから注視点GPを見た時のキャラクタAの画像としてモニタに表示される。
【0098】
上述の画像表示を実現する第2の画像処理システム100の具体的な構成について説明する。まず、画像処理システム100のハードウェア構造は、図23に示す。第2の画像処理ステム100は、操作入力部2、表示部3、記憶部104及び制御部105で構成される。制御部105は、CPU及びその動作に必要なRAM、ROM等の各種記憶域を備える。記憶部104のコンピュータプログラムが実行されることにより、主に、移動モデル生成手段105a、描画手段105b、描画表示手段105c、及び視点方向特定手段105dとして、機能する。各手段の機能については後述する。
【0099】
記憶部104には、本発明を実現するためのコンピュータプログラムの他、基準モデルMcを画像生成空間GSに生成するための基準モデルデータとしてのモデルデータMD’、及び関数区間情報FRIが記憶されている。本形態のモデルデータMD’のデータ構造を図24に示す。モデルデータMD’は、第1の形態のモデルデータMDのデータ構造と同様に、パーツ識別情報31と頂点情報30とで構成される。頂点情報30には、各パーツに含まれる複数のポリゴンの頂点座標と法線情報とが含まれる。頂点座標は所定の点に関して相対的な座標であってもよいし、画像生成空間GSにおける座標値であってもよい。なお、第2の形態においては、モデルデータMD’は基準方向VDcからキャラクタAを見た時に使用される3次元モデルMだけであるため、モデルデータMD’に視点方向VDを対応付ける必要はない。記憶部104は、モデルデータMD’を記憶することにより、モデルデータ記憶部として機能する。
【0100】
次に、関数区間情報FRIのデータ構造について図25を用いて説明する。関数区間情報FRIは、関数区間FRと、パーツ情報120と、関数情報130とで構成される。パーツ情報120には、基準モデルMcにおける少なくとも1つのパーツを示すパーツ識別情報が設定され、関数情報130には、対応する関数区間FRに関して、対応するパーツに対して使用されるモデル形成関数としての関数F及び関数Fに関する条件が設定されている。関数Fは、対応する関数区間FR内の移動視点方向MVDの移動量Mqと、基準モデルMcの各パーツの各頂点座標に基づいて、移動視点方向MVDに対応する移動モデルMcの各パーツの頂点座標が得られるように設定されている。これにより、任意の角度から見たキャラクタAを見た場合に、所望のキャラクタAを表現することができる。記憶部104は、関数Fを記憶することにより関数記憶部として機能する。
【0101】
各関数区間FRに対応付けられる関数情報130の数は関数区間FRに応じて異なる。図25の例では、4つの関数区間FR1〜FR4のうち、関数区間FR1に関しては、3つの関数情報130a〜130cが対応付けられ、各関数情報130a〜130cには、その関数が使用されるパーツが設定されたパーツ情報120a〜120cが対応付けられている。また、関数区間FR3に関しては、1つの関数情報130gが対応付けられ、その関数情報130gには、全てのパーツが設定されたパーツ情報120gが対応付けられている。これにより、関数情報130gに設定された関数Fは、全てのパーツに対して適用される。
【0102】
画像生成空間GSにおける任意の視点位置VPaから注視点GPを見た場合において、キャラクタAの画像をモニタに表示するためのレンダリング処理について、図26のフローチャートに従って説明する。レンダリング処理によって、例えば、キャラクタAがゲームに登場する場合、ゲームの実行中に視点位置VPaから見たキャラクタAがモニタに表示される。まず最初に、ステップS500にて画像生成空間GSにおけるキャラクタAの位置を決定する。例えば、キャラクタAの中心点CPの位置によって決定すればよい。これにより、キャラクタAの基準モデルMcの座標値が決定する。キャラクタAの位置は、実行されているゲームの状況やプレイヤの操作によって決定される。続いて、ステップS505にて視点位置VPaを決定する。視点位置VPaは、実行されているゲームの状況やプレイヤの操作によって決定される。
【0103】
次に、ステップS510にて、視点位置VPaに関する移動視点方向MVDa、即ち、視点位置VPaに対するキャラクタAの方向である視点方向VDを決定する。これにより、制御部105は視点方向特定手段105dとして機能する。移動視点方向MVDは、視点位置VPaからキャラクタAの基準軸CAに垂直に直交する方向ベクトルVdaが示す方向として決定される。次に、ステップS520にて、移動量Mqaを決定する。移動量Mqaは、基準方向VDcが移動視点方向MVDに移動する角度である。移動量Mqaの決定後、ステップS530にて、少なくとも1つの関数Fが決定される。移動視点方向MVDが含まれる関数区間FRを決定し、決定された関数区間FRに関する関数区間情報FRIを決定すればよい。
【0104】
使用される関数Fの決定後、ステップS540に進み、移動モデルMmを生成する。移動モデルMmは、ステップS530にて決定された関数区間情報FRIに基づいて生成する。例えば、ステップS530にて、図25の関数区間情報FRIを参照することにより、関数区間FR1の関数区間情報FRIが決定されると、基準モデルMcの頂点座標及び移動量Mqaを、各関数情報130a、130b、130cの関数Fに設定することによって、対応する各パーツ情報120a、120b、120cのパーツの頂点座標を得る。これにより、移動モデルMmの各頂点が得られ、移動モデルMmがステップS500にて決定された位置に生成される。
【0105】
移動モデルMmの生成後、ステップS550に進む。ステップS550では、視点位置VPから注視点GPへ向かう視線ベクトルVgaに垂直に交わる平面Paに、生成された移動モデルMmを投射させ、その投射像を所定の描画領域に描画する。続いて、ステップS560にて、描画領域に描画された投射像を、キャラクタAの画像としてモニタに表示する。
【0106】
ステップS510〜ステップS540により、制御部105は移動モデル生成手段105aとして機能する。特に、ステップS510により、制御部105は視点方向特定手段105dとして機能する。また、ステップS550により、制御部105は描画手段105bとして機能し、ステップS560により、制御部105は描画表示手段105cとして機能する。
【0107】
本発明は上述の形態に限らず、種々の形態にて実行されてもよい。例えば、表示すべきキャラクタに対して設定される関数区間FRの数は、表示態様に応じて設定すればよい。また、特定の移動視点方向MVDにのみ使用される関数Fが設定されてもよい。その場合は、関数区間情報FRIの関数区間には、当該特定の移動視点方向を設定すればよい。キャラクタAのモデルデータMD’は、各ポリゴンの頂点座標が求められる関数が設定されていてもよい。キャラクタAの頭部だけでなく体部分を含む3次元モデルMについても同様に処理すればよい。また、3次元モデルMに基づいてモニタに表示される対象は、キャラクタに限らず、生物、植物、無機物を問わない。
【0108】
関数Fによって生成される3次元モデルMが使用される関数区間FRだけでなく、基準モデルMcが使用される基準区間CRが設けられてもよい。2つの基準区間CR1、CR2が設けられた例を図27に示す。更に、基準軸CAは、図28に示すように、YZ平面に垂直なX軸方向に平行な基準軸CAaとして設定してもよい。これにより、上下方向に関して2次元的に変化するキャラクタAに対応することができる。この場合、基準軸CAaを上記形態のZ軸とし、基準軸CAaに垂直なYZ平面上に形成される仮想円Ciraを、上記形態における仮想円Cirとし、基準方向VDc100の時に使用されるキャラクタAの3次元モデルMを基準モデルMcとし、仮想円Ciraに関して関数区間FRを設定し、上記形態と同様の処理をすればよい。また、X軸、Y軸及びZ軸のいずれにも平行でない基準軸CAbを設定してもよい。この場合は、基準軸CAbを上記形態のZ軸とし、基準軸CAbに垂直な平面上に形成される仮想円Cirbを上記形態の仮想円Cirとして上述の形態と同様の処理を行えばよい。
【0109】
また、複数の視点方向VDを含む仮想領域VAを単位にして、本願発明を実現してもよい。その場合は、図29に示すように、キャラクタAの中心点CPを中心にした仮想球Gを画像生成空間GSに配置させる。そして、水平方向の仮想緯線VL及び鉛直方向の仮想経線VMによって複数の仮想領域VAを形成する。この場合、方向ベクトルVdは、視点位置VPからキャラクタAの中心点CPへ向かうベクトルである。方向ベクトルVd100のように、仮想領域VAのうち基準領域VAc内を通る方向ベクトルVdに対応する移動視点方向MVDに関しては、基準モデルMcが使用される。
【0110】
一方、1つ以上の仮想領域VAによって、複数の関数区間領域FRAが形成され、各関数区間領域FRAに対して、基準モデルMcからキャラクタAの移動モデルMmを生成する関数Fが設定されている。図29には、8つの仮想領域VAによって、関数区間領域FRAが設定されている状態が示されている。この場合、関数区間領域Fに対応付けられている関数Fは、方向ベクトルVd110のように、関数区間領域FRA内を通る方向ベクトルVdに対応する移動視点方向MVDに関して、使用される関数Fである。
【0111】
基準領域Acを通る基準方向Vcと移動視点方向MVDとの移動量と、基準モデルMcの頂点座標が関数Fに設定されることにより、移動モデルMmが生成される。なお、仮想球Gに設定される複数の仮想領域VAは、中心点CPを中心にして周方向に配置されればよく、その形状や大きさは問わない。
【符号の説明】
【0112】
A キャラクタ
1 第1の画像処理システム
100 第2の画像処理システム
2 操作入力部
3 表示部
4、104 記憶部
5、105 制御部
5a 補間画像生成手段
5b 補間画像表示手段
CA 基準軸
CP 中心点
Vd 方向ベクトル
VD 視点方向
VDc 基準方向
VDi 補間視点方向
VDm モデル視点方向
MVD 移動視点方向
Mq 移動量
VP 視点位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想3次元空間の所定位置に配置された表示対象体の3次元モデルに基づいて、前記表示対象体に対する視点位置の方向である視点方向に応じて前記表示対象体の画像を表示部に表示する画像処理システムであって、
前記表示対象体に対して視点位置が第1の視点方向にある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとして使用される第1のモデルを形成するための第1のモデルデータと、前記表示対象体に対して視点位置が、前記表示対象体を中心に前記第1の視点方向が所定の周方向に移動した第2の視点方向にある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとして使用される第2のモデルを形成するための第2のモデルデータを記憶するモデルデータ記憶手段と、
前記周方向に関して前記第1の視点方向から前記第2の視点方向までの間に存在する補間視点方向に対応する前記表示対象体の2次元画像である補間画像を、前記第1のモデルデータから得られる前記第1のモデルの各頂点座標と、前記第2のモデルデータから得られる前記第2のモデルの各頂点座標とに基づいて補間処理を行うことにより生成し、前記補間画像を所定の描画領域に描画する補間画像生成手段と、
前記描画領域に描画された前記補間画像を、前記表示対象体に対して視点位置が前記補間視点方向にある場合に、前記視点位置から見た前記表示対象体として、前記表示部に表示する補間画像表示手段とを有する、ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記第1及び第2のモデルデータのそれぞれには、前記第1のモデルを形成する各頂点と、前記第2のモデルを形成する各頂点とを互いに対応付ける対応付け情報が含まれ、
前記補間画像生成手段は、前記各頂点の対応関係を保ちつつ補間処理を行うことにより、前記補間画像を生成する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記第1及び第2のモデルデータのそれぞれにおいて、前記複数のポリゴンの各頂点に対して、前記各頂点がグループを形成するように、対応するグループを識別するグループ識別情報が対応付けられ、
前記各グループ毎に前記補間画像生成手段において使用される補間方法が対応付けられて記憶されたグループ補間情報記憶手段が更に設けられ、
前記補間画像生成手段は、前記各グループに対応付けられた補間方法によって、そのグループに対応する各頂点座標に基づいた前記補間処理を行うことにより、前記補間画像を生成する、ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記第1の視点方向と前記第2の視点方向との間の補間範囲において設定された前記補間視点方向と、前記第1の視点方向及び前記第2の視点方向のそれぞれとの相対的な位置関係に応じて、前記第1のモデルデータ及び前記第2のモデルデータのそれぞれが、前記補間画像生成手段における補間に与える影響の大きさを示す第1の影響度及び第2の影響度を特定する影響度特定手段を更に有し、
前記補間画像生成手段は、
前記影響度特定手段により、特定された前記第1の影響度及び前記第2の影響度に基づいて、前記第1のモデルデータから得られる各頂点座標と前記第2のモデルデータから得られる各頂点座標とに基づいた補間処理を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記ユーザの入力操作を受け付ける操作入力手段を更に備え、
前記第1のモデルを前記表示部に表示させ、前記ユーザの操作に応じて、前記表示部に表示された第1のモデルの特定部分を切り出す切り出し手段と、
切り出された前記特定部分に対して、前記ユーザによる修正操作を受け付ける修正手段と、
前記特定部分が前記修正手段によって修正された前記第1のモデルを、前記第2のモデルとして設定する第2のモデル設定手段とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記表示対象体を通り、所定方向に伸びる基準軸が設定され、
前記モデルデータ記憶手段において、第2の視点方向は、前記基準軸を中心に前記第1の視点方向が所定の周方向に移動した方向であり、
前記補間画像生成手段には、
前記基準軸に対する視点位置の方向を、前記表示対象体に対する視点方向として特定する視点方向特定手段が設けられ、
前記特定された視点方向が前記第1の視点方向から前記第2の視点方向までの間に存在する場合に、前記視点方向を前記補間視点方向として前記補間画像を生成する、ことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記モデルデータ記憶手段は、前記基準軸を中心にした周方向上に設定された複数のモデル視点方向に関して、前記各モデル視点方向に対応する前記表示対象体の3次元モデルを形成するためのモデルデータを記憶し、
前記補間画像生成手段は、
前記視点方向特定手段によって特定された視点方向が、前記補間視点方向である場合に、前記周方向に関して挟まれる2つのモデル視点方向を特定し、一方のモデル視点方向を前記第1の視点方向とし、他方のモデル視点方向を前記第2の視点方向として設定するモデル視点方向設定手段を、更に備え、
前記補間画像生成手段は、前記モデル視点方向設定手段によって設定された前記第1の視点方向と前記第2の視点方向に基づいて、前記特定された視点方向に対応する前記補間画像を生成する、ことを特徴とする請求項6記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記周方向に関して隣接する2つの前記モデル視点方向によって構成される補間範囲毎に、対応する2つのモデルの補間に関する情報が設定された範囲情報が記憶される補間情報記憶手段を更に備え、
前記モデル視点方向特定手段は、前記補間情報記憶手段を参照して、前記特定された視点方向が含まれる補間範囲の範囲情報を特定することにより、前記2つのモデル視点方向を特定し、
前記補間画像生成手段は、前記補間に関する情報に基づいて、前記2つのモデルに対応するモデルデータの補間を行う、ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記補間画像生成手段は、
前記第1のモデルデータから得られる各頂点座標及び前記第2のモデルデータから得られる各頂点座標を補間することにより、3次元補間モデルを生成する補間モデル生成手段を更に備え、
前3次元補間モデルを前記表示対象体の3次元モデルとして前記所定位置に配置し、前記視点位置から所定の注視点を見た時の前記3次元補間モデルから得られる画像を、前記表示対象体の前記補間画像として生成する、ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記補間画像生成手段は、
前記視点位置と前記基準軸からの距離が同じで、前記設定された第1の視点方向にある点を第1の仮視点位置として設定し、前記設定された第1の視点方向に対応する第1のモデルを、前記表示対象体の3次元モデルとして前記所定位置に配置し、前記第1の仮視点位置から所定の注視点を見た時に、前記第1のモデルから得られる第1仮画像を取得する第1の仮画像取得手段と、
前記視点位置と前記基準軸からの距離が同じで、前記設定された第2の視点方向にある点を第2の仮視点位置として設定し、前記設定された第2の視点方向に対応する第2のモデルを前記表示対象体の3次元モデルとして前記所定位置に配置し、前記第2の仮視点位置から前記注視点を見た時に、前記第2のモデルから得られる第2仮画像を取得する第2の仮画像取得手段とを更に備え、
前記特定された視点方向に応じて、前記第1の仮画像の各頂点座標と前記第2の仮画像の各頂点座標を補間することにより得られる画像を、前記表示対象体に対して前記特定された視点方向にある視点位置から前記注視点を見た時の前記表示体の補間画像として生成する、ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記表示対象体における所定の中心点を中心にした球状態の仮想領域において、緯線方向及び経線方向に分割された複数の領域が設定され、前記第1のモデルデータは、前記第1の視点方向を含む第1の領域のいずれかの視点方向に視点位置がある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとしての前記第1のモデルを形成するためのデータであり、前記第2のモデルデータは、前記中心点を中心に前記第1の領域を周方向に位置する第2の領域のいずれかの視点方向に視点位置がある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとしての前記第2のモデルを形成するためのデータであり、
前記補間画像生成手段は、前記周方向に関して前記第1の領域から前記第2の領域までの間に存在する補間領域に含まれる前記補間視点方向に視点位置がある場合、前記補間視点方向に対応する補間画像を、前記第1のモデルデータに基づいて得られる各頂点座標と、前記第2のモデルデータに基づいて得られる各頂点座標を補間することにより生成して、所定の描画領域に描画する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記表示対象体は所定のゲームに登場するゲームキャラクタである、ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項13】
コンピュータに、仮想3次元空間に配置された表示対象体の3次元モデルに基づいて、前記表示対象体に対する視点位置の方向である視点方向に応じて前記表示対象体の画像を表示部に表示させる画像処理方法であって、
前記コンピュータに
前記表示対象体に対して視点位置が第1の視点方向にある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとして使用される第1のモデルを形成するための第1のモデルデータと、前記表示対象体に対して視点位置が、前記表示対象体を中心に前記第1の視点方向が所定の周方向に移動した第2の視点方向にある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとして使用される第2のモデルを形成するための第2のモデルデータを記憶するステップと、
前記周方向に関して前記第1の視点方向から前記第2の視点方向までの間に存在する補間視点方向に対応する前記表示対象体の2次元画像である補間画像を、前記第1のモデルデータから得られる前記第1のモデルデータの各頂点座標と前記第2のモデルデータから得られる前記第2のモデルの各頂点座標とに基づいて補間処理を行うことにより生成して所定の描画領域に描画するステップと、
前記描画領域に描画された前記補間画像を、前記補間視点方向に対応する前記表示対象体として、前記表示部に表示するステップとを実行させる、ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
仮想3次元空間の所定位置に配置された表示対象体の3次元モデルに基づいて、前記表示対象体に対する視点位置の方向である視点方向に応じて前記表示対象体の画像を表示部に表示する画像処理システムであって、
前記表示対象体に対する視点位置が所定の基準方向にある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとして使用される基準モデルを形成するための基準モデルデータを記憶するモデルデータ記憶部と、
前記表示対象体に対する視点位置が、前記基準方向を前記表示対象体を中心に周方向に移動させた移動視点方向にある場合に、前記移動視点方向に対応する前記表示対象体の3次元モデルとして使用される移動モデルを構成する複数のポリゴンの各頂点座標を、前記基準モデルを構成する複数のポリゴンの各頂点座標と、前記移動視点方向の前記基準方向からの移動量とに基づいて得られるように設定されたモデル形成関数を、前記移動視点方向に応じて記憶する関数記憶部と、
前記表示対象体を見る視点位置が、前記関数記憶部に記憶されたいずれの移動視点方向にあるかを特定し、特定された前記移動視点方向に対応する前記モデル形成関数を選択し、前記移動量及び前記基準モデルの各頂点座標に基づいて、前記選択されたモデル形成関数により、前記所定位置に前記移動モデルを生成する移動モデル生成手段と、
前記視点位置から前記生成された移動モデルを見た移動モデル画像を、所定の描画領域に描画する描画手段と、
前記描画領域に描画された移動モデル画像を、前記視点位置から前記表示対象体を見た時の前記表示対象体の画像として、前記表示部に表示する描画表示手段と
を有する、ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項15】
前記関数記憶部において、前記表示対象体の前記周方向に設けられた複数の関数区間のそれぞれに対して、前記移動視点方向の移動量と前記基準モデルの各頂点座標とに基づいて、前記移動モデルの各頂点座標が得られるように設定された前記モデル形成関数が対応付けられ、
前記移動モデル生成手段は、前記基準モデルデータの各頂点座標と前記移動量に基づいて、前記選択されたモデル形成関数により、前記移動モデルを生成する、ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理システム。
【請求項16】
前記基準モデルデータでは、前記基準モデルを構成する複数のポリゴンの頂点座標が、複数のグループにグループ化されて設定され、
前記関数記憶部において、前記各グループ毎に、そのグループに対応する前記基準モデルの各頂点座標から、前記移動モデルの各頂点座標が得られるモデル形成関数が設定されている、ことを特徴とする請求項14又は15に記載の画像処理システム。
【請求項17】
前記表示対象体を通り、所定方向に伸びる基準軸が設定され、
前記周方向は前記基準軸を中心にした方向であり、
前記移動モデル生成手段は、前記基準軸に対する視点位置の方向を、前記表示対象体に対する視点方向として特定する視点方向特定手段を有し、前記視点方向特定手段にて特定された視点方向を、前記移動視点方向として特定し、前記移動モデルを生成する、ことを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項18】
表示対象体に対する視点位置が所定の基準方向にある場合に、前記表示対象体の3次元モデルとして使用される基準モデルを形成するための基準モデルデータを記憶するモデルデータ記憶部と、前記表示対象体に対する視点位置が、前記基準方向を前記表示対象体を中心に周方向に移動させた移動視点方向にある場合に、前記移動視点方向に対応する前記表示対象体の3次元モデルとして使用される移動モデルを構成する複数のポリゴンの各頂点座標を、前記基準モデルを構成する複数のポリゴンの各頂点座標と、前記移動視点方向の前記基準方向からの移動量とに基づいて得られるように設定されたモデル形成関数を、前記移動視点方向に応じて記憶する関数記憶部と、を有するコンピュータに、仮想3次元空間の所定位置に配置された前記表示対象体の3次元モデルに基づいて、前記表示対象体に対する視点位置の方向である視点方向に応じて前記表示対象体の画像を表示部に表示させる画像処理方法であって、
前記コンピュータに、
前記表示対象体を見る視点位置が、前記関数記憶部に記憶されたいずれの移動視点方向にあるかを特定し、特定された移動視点方向に対応する前記モデル形成関数を選択し、前記移動量及び前記基準モデルの各頂点座標に基づいて、前記選択されたモデル形成関数により、前記所定位置に前記移動モデルを生成させるステップと、
前記視点位置から前記生成された移動モデルを見た移動モデル画像を、所定の描画領域に描画させるステップと、
前記描画領域に描画された移動モデル画像を、前記視点位置から前記表示対象体を見た時の前記表示対象体の画像として、前記表示部に表示させるステップとを実行させる、ことを特徴とする画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−39828(P2011−39828A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187296(P2009−187296)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】