説明

画像処理方法、画像処理装置、プログラム、及び記憶媒体

【課題】ユーザに判り易い演出画面を提供可能な画像処理技術を提供する。事を目的とする。
【解決手段】画像処理装置が、複数の表示体を、表示領域に、互いに実質上重ならないように配置し、その結果を表示手段に表示するように処理する画像処理方法である。前記画像処理装置は、前記表示体に第1の重なり判定領域と、当該第1の重なり判定領域内に定義された第2の重なり判定領域とを設定するステップと、前記表示体同士が前記第1の重なり判定領域で重なる場合には、前記第2の重なり判定領域で重ならないように、当該表示体を前記表示領域に配置するステップと、を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理技術に係るものであり、特に、ゲーム装置の画面を入力装置でタッチして、問いに答えたり、タッチしたキャラクタが飛び上がるなどの画像処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像処理を実行する装置として、例えば、WO97/04381号公報に記載のものが存在する。この装置は、対象体が移動することを機械式の構成によらずに提供しながら、対象体に対して「叩き」による入力を与えることができるものである。情報処理ボードからの映像信号はディスプレイに供給される。これによりディスプレイには叩かれる(タッチされる)対象体やその他必要な画像が表示される。ディスプレイに表示された対象体を遊技者がハンマー型入力装置でタッチする(叩く)。
【0003】
これにより入力装置の振動スイッチ部から操作信号が出力される。この操作信号は情報処理ボードに供給される。情報処理ボードでは操作信号を基にディスプレイの画面全体を所定時間だけ明るくする。このときに入力装置内の光検出基板で検出した光検出信号が処理ボードに供給される。処理ボードでは、この光検出信号を基に入力装置がディスプレイをタッチした位置を特定し、タッチした対象体と入力装置との衝突判定を行い、タッチした対象体を画面から消したり、飛び跳ねさせたりなどの画像処理を行う。
【0004】
また、特許2972346号公報に記載のものは、知育玩具に係るものであり、絵本上のキャラクタをタッチペンで触れると、その情報が情報処理装置に送られ、情報処理装置は絵本上のタッチ位置を取得し、その結果、すなわち問いに対する正解或いは不正解を音声或いは画像によってユーザに告知するように構成されている。
【特許文献1】WO97/04381号公報
【特許文献2】特許2972346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の画像処理装置では、次のような問題があった。問いに対する回答例を画面上に多数並べて正確をタッチする遊戯のための画像処理装置では、近年、問題の単調さを避けるために、問題をその都度発生させて、多くの回答例の中からユーザが正解を選択できるように、この多数の回答例を画面の上で重ならないようにユーザに見せる必要があった。しかしながら、従来の遊戯用画像処理装置では係る点の配慮が無かった。
【0006】
また、従来の画像処理装置では画面に表示されたキャラクタをタッチすると、キャラクタ飛び上がるなどの映像に替わり、得点を競うものがある。キャラクタの配置や種類が変わった画面に切り替わった場合、切り換え前の画面におけるキャラクタへのタッチが成功したか否かが、ユーザには俄かに判り難いという問題があった。
【0007】
本発明はこれらの課題を解決するために、ユーザに判り易い演出画面を提供可能な画像処理技術を提供する事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、画像処理装置が、複数の表示体を、表示領域に、互いに実質上重ならないように配置し、その結果を表示手段に表示するように処理する画像処理方法において、前記画像処理装置は、前記表示体に第1の重なり判定領域と、当該第1の重なり判定領域内に定義された第2の重なり判定領域とを設定するステップと、前記表示体同士が前記第1の重なり判定領域で重なる場合には、前記第2の重なり判定領域で重ならないように、当該表示体を前記表示領域に配置するステップと、を実行する、ことを特徴とする。
【0009】
第2の重なり領域を、例えば、表示体の主要部に設定すれば、主要部において重ならないように、多数の表示体を表示領域に配置することができる。したがって、例えば、問いに対する回答を多数所定領域に表示しなければ成らない場合でも、本願発明は、実質上の重なりが無く複数のカードが配置された画像を表示することができる。なお、主要部とは問いに対する正解又は不正解の内容が記載された部分を、例えば、云う。
【0010】
第1の発明の実施形態において、画像処理装置は、前記第2の重なり領域が重ならないように、幾度と無く演算を行って、表示体同士が重ならないようにしているが、所定回数の演算を行っても表示体が第2の判定領域において重なってしまう場合には、予め第1或いは第2の重なり判定領域で重ならないように定められた配置例に基づいて、表示体を配置領域に配置する。画像処理装置は、2次元又は3次元の座標を認識し、配置領域はこの座標によって定義される。画像処理装置は、表示体の形状を認識し、表示体を配置領域にマッピングする。この座標系及び表示体、並びに、ユーザに示される問題などはゲームアプリケーションプログラムとしての画像処理プログラムによって定義される。
【0011】
本発明の第2は、第2の課題を解決するために、画像処理装置が、複数のキャラクタを含む第1画像をパターンチェンジして、キャラクタの配置状態が前記第1画像とは異なる第2画像を表示手段に表示する、画像処理方法において、前記画像処理装置は、前記第1画像のキャラクタを動作させるステップと、動作中の当該第1画像のキャラクタを前記パターンチェンジ後の前記第2画像に重ねて表示するステップであり、当該第1画像のキャラクタを第2画像のキャラクタと区別できる態様に表示するステップと、を実行するように構成されてなる、ことを特徴とするものである。区別できる態様とは、画面に表示される、第1画像のキャラクタの明度を第2画像のキャラクタのそれとは変える、例えば、第1画像のキャラクタを暗く表示することが、一例である。勿論、これに限定されるものではなく、第1画像のキャラクタの映像をメッシュで表示するなどでも良い。
【0012】
第2の本発明によれば、現在の画面が、キャラクタの配置や種類が変わった画面に切り替わった場合、キャラクタへのタッチが成功したか否かが、ユーザに判り易くなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザに判り易い演出画面を提供可能な画像処理技術を提供する事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明に画像処理方法を実行するための画像処理装置(遊戯装置)の全体斜視図を示したものである。遊戯装置の筐体10の正面側に、表示画面12、及び操作手段(タッチ装置/タッチペン)14が存在する。タッチ装置は、表示画面上のタッチ位置を特定するための信号を後述の画像処理回路に出力するものである。タッチ装置がタッチした画面上の位置を特定する手法は、例えば、既述のWO97/04381号公報などで公知である。タッチ装置は、左右一対設けられており、二人に遊戯者が共同して、タッチ装置によって、進行する遊戯を行うことができるようになっている。
【0015】
図2は、画像処理回路のハードウエアブロックの一例であり、業務用または家庭用向けのゲーム装置およびパーソナルコンピュータや携帯型コンピュータ、携帯電話などに適応可能である。
【0016】
この装置は、プログラムにより動作し、装置全体を制御するCPU20と、CPUが使用するプログラムやデータを格納するシステムメモリ22と、ゲームプログラムや出力する画像や音声などのデータが記憶されたプログラムデータ用ROMなどの記憶媒体24と、装置を起動させた際に各ブロックを初期化するためのプログラムを格納するブートロム26と、各ブロック間でプログラムやデータのやり取りを行うバスを制御するバスアービタ28と、ディスプレイに表示する(ポリゴン)オブジェクト(表示体)の3次元仮想空間又は2次元座標内での位置座標や向きを計算するジオメトリプロセッサ30と、ジオメトリプロセッサによって算出されたオブジェクトの向きや位置座標等に基づいて、ディスプレイに出力する画像を生成(描画)するレンダリングプロセッサ32と、それに接続され、画像を生成するためのデータやコマンドなど格納するグラフィックメモリ34と、スピーカに出力する音声を生成するオーディオプロセッサ36と、それに接続され、音声を生成するためのデータやコマンドなど格納するオーディオメモリ38とで構成される。符号38は、通信I/Fであり、符号40はペリフェラルインターフェースである。
【0017】
尚、システムメモリ、グラフィックメモリ、サウンドメモリは、1つのメモリをバスアービタに接続して各機能で共通に使用するようにしてもよく、各機能ブロックも機能として画像処理装置内に存在すればよく、機能ブロック同士が統合されていても、また、機能ブロック内部の各構成要素が他のブロックとして分離されていても良い。
【0018】
プログラムデータ用のROMは、マスクロムやフラッシュロムなどの電気的にデータを読み出せるICメモリや、CD-ROM、DVD-ROMなどの光学的にデータを読み出せる装置と光ディスクまたは磁気ディスク等であっても良い。バスアービタには、外部からのデータ入出力を行うインターフェースが組み込まれており、ここに周辺装置としてのペリフェラルが接続される。
【0019】
ペリフェラルには、マウス(ポインティングデバイス)やキーボード、ゲーム用コントローラ等のキー操作のためのスイッチ、及び既述のタッチペン(タッチ装置、図1の符号14)の他、プログラムの途中経過や生成したデータを保存するバックアップメモリ、表示装置、撮影装置等、画像処理装置本体あるいは他のペリフェラルに接続可能なものが含まれる。
第1実施例
図3は、前記画像処理装置によって生成された遊戯画面の一例である。この遊戯画面に、問題50として「羊(画像)を2つさがそう」が表示されている。回答例52として、多数の種類の羊(画像)が、主として問題文の下の表示領域に表示されている。問題の部分に表示された羊(画像)と、回答例に表示された羊(画像)とを遊戯者が比較して、問題文の中の羊(画像)と同じ羊(画像)を二つそれぞれタッチペンでタッチすると、画像処理装置のゲームアプリケーションプログラムは、この操作を正解と判定して得点を加算するとともに次の問題に進むようにする。不正解の場合は得点が加算されないか、或いは減算されるなどして、次の問題に進むか或いはゲームオーバとなる。
【0020】
図4は、問題と回答の他の例である。問題56として「Eを2つさがそう」が提示され、回答58として、多数の矩形の枠体に描かれた、大小のアルファベットがユーザに提示される。
【0021】
アプリケーションプログラムに基づいてCPU20は、先ず、問題を生成するための処理や演算を行う。問題の発生手順は次のとおりである。第1に難易度が計算される。難易度は、ゲームスタートからの経過時間、問題の累積生成数などによって適宜決定される。ゲームが進むに従って難易度が増すようにプログラムされている。
【0022】
難易度(例えば、1,2,3・・・・n:nは自然数)の各々に対して、テーブルが一つ又は複数設けられている。各テーブルには、次のファクタが定義されている。
【0023】
回答の数、回答の種類(平仮名、カタカナ、アルファベット、数字、又は図形)、図形の区別(羊、狼、熊・・・・)、回答を構成する枠体の大中小(大きさ)及び大中小の各割合など。
【0024】
ゲームアプリケーションプログラムは、難易度によって定まるテーブルから、画面上の配置領域に配置される回答の種類や数を決定する。更にこの回答の中から、「**を○○さがそう」の「**」をランダムに定め、「○○」の部分を「**」が何個あるかによって定める。図3の例でいうと「**」が羊(図形)であり、図4の例では「E」であり、両方の例とも「○○」は「2つ」である。
【0025】
次に、ゲームアプリケーションプログラムは、決定された回答としての、複数の表示体が表示領域で互いに重ならないように配置するための演算を行う。表示領域は、画面内でかつ問題文などの必要表示領域以外の部分である。表示体は矩形の枠体とこの枠体内に付された、文字や図形(動物)などのキャラクタについてのテクスチャーとから構成される。
【0026】
表示体を構成する枠体は、図4の符号60に示されるように、長方形又は正方形の矩形体から構成されている。表示体を表示領域の座標系に配置するためのデータは記憶媒体に予め記憶されている。枠体の中心位置cと、直交する2辺の長さのデータa,bから、キャラクタのテクスチャーが付された枠体60が定義される。
【0027】
図5は、CPU20が、表示体(回答)を表示領域に表示する際のフローチャートである。先ず、CPUは、既述のように決定された複数の表示体の中から、一つの表示体を選択し、この表示体の中心がマッピングされる表示領域の座標(図3においてX,Yで定義される)と、表示領域の座標系に対する表示体のマッピング角度とをランダムに決定する(ステップ500)。但し、この角度には上限及び下限が定義されている。角度がこの範囲外であるときには、CPUは、角度を再計算する。文字や図形がユーザに判読し難くなるのを防ぐためである。
【0028】
次に、第2以降の各表示体についても、同様に配置される座標及び角度を決定する。この時、表示領域に配置された他の表示体との重なりが判定される。重なりがいずれかの表示体に対して肯定された場合には、再度配置のための演算が行われる。
【0029】
次に、この重なりの判定について詳説する。図6に示すように、各表示体には、矩形各頂点(80A−80D)によって囲まれる第1の重なり判定領域80と、この第1の重なり判定領域内であり、絵や図形などの要部の周りに定義された第2の重なり判定領域82とが定義されている。第2の重なり判定領域内に、図6の例でいうと、狼のテクスチャ(要部)が付されている。第2の重なり判定領域は、要部の近い回りを取り囲むように設定されている。第2の重なり判定領域外で第1の重なり判定領域内の、要部が存在しない空白部86同士において、複数の枠体が重なっても、第2の重なり判定領域を利用した重なり判定では、重なりなし、と判定される。即ち、複数の表示体間で重なりが実質上なしと判断される。
【0030】
先ず、各表示体が表示領域に配置されるための演算の都度、第1の重なり判定領域同士での重なりがあるか否かが判定される(ステップ502)。この判定が肯定されると、再度、表示体を配置するための、前記表示領域中の座標と表示体の角度がランダムに決定され、次いで、再度この判定を行う。この重なり判定処理は、各表示体について順番に行われる。
【0031】
この演算及び判定を所定回数繰り返しても、第1の重なり領域での重なりが解消できない場合には、CPU20は、第1の重なり領域での重なり判定が解消できないと判断して、第2の重なり判定領域に基づいて重なり判定を行う(ステップ504)。既述の図6は枠体に狼の絵が描かれた表示体を示すものである。第1の重なり領域は矩形の枠体の縁辺によって定まり、第2の重なり判定領域は、この枠体内で狼の図形の周りに定義された、6頂点からなる非正六角形から構成される。
【0032】
図6に示される2つの表示体90,92は、互いに第2の重なり判定領域で重なりがあると判定される。この判定のための演算は、次のようにして行われる。Aは表示体90の第2の重なり判定領域、Bは表示体92の第2の重なり判定領域、Cは表示体80の第2の重なり判定領域である。
【0033】
各頂点(a0からa5、c0からc5)の座標は、表示領域と表示体(スプライト)の回転角度にて求めることができる。Aに対して、まず、c0が重なっているかどうかの判定をする。c0→a0のベクトルと、c0→a1のベクトルを求め、2つのベクトルの外積を求める。次にc0→a0のベクトルと、c0→a2のベクトルを求め、その外積を求める。同じように全ての頂点から外積を求める。もしc0がAの領域中にあるのであれば求めた全ての外積が同じ向きになっているはずである。c0がAの中に入っていなかったので、同様にc1からc5までも計算を行う。
【0034】
その結果、Cの頂点はAには入っていなかったので、次に、Cに対してa0からa5までの頂点の重なり判定を行う。a3がCの中にあったので、重なっていると判定される。
【0035】
なお、第1の重なり領域での判定についても、同様である。即ち、第1の重なり判定領域を規定する4頂点について、同様な計算が行われて、重なりの判定が行われる。
【0036】
次に、配置しようとする表示体が既に配置が決定されている全ての表示体と、第2の重なり判定領域で重ならないように配置できない場合は、表示体の配置のための演算を再度行い、続いて、第2の重なり判定領域において互いに重なりがあるか否かを既存配置の表示体に対して順番に行う。この操作を規定回数以上繰り返しても、第2の重なり判定領域での重なりを解消できない場合には、典型的な配置情報に基づいて表示体の配置を行う(ステップ508)。
【0037】
ここで典型的配置情報とは、予め、複数の表示体が第1の重なり判定領域及び/又は第2の重なり判定領域で重ならないように決められた配置パターンである。この配置パターンは、問題を生成するときに利用された既述のテーブル毎に予め定められている。複数の表示体の典型的配置パターンは、記憶媒体に予め記憶されている。図7は典型的配置パターンを図示した例である。このものでは、多数の表示体が実質上重なり無く、表示領域に整然と配置されていることがわかる。
【0038】
ゲームプログラムは、以上の処理によって、回答として表示領域に表示される表示体の配置データを決定し、これに基づいて、表示体の配置像をグラフィックメモリ34にレンダリングする。
第2の実施形態
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図8−図13は、この実施形態に関係するものであって、第1の画像から第2の画像への変化の過程が示されている。図8は第1の画像に属する、最終フレームであり、図9以降は第2の画像に属する連続フレームである。第1の画像と第2の画像とは、キャラクタの数、キャラクタの種類、キャラクタの配置などが異なっている。すなわち、第1の画像から第2の画像へは、ゲームステージの変更が行なわれている。
【0039】
図2のゲーム装置は、記憶媒体24に記録されたデータ及びプログラムに基づいて、次のようなゲームをユーザに対して可能とする。すなわち、遊戯者が既述のタッチ装置で、寝ているキャラクタ(画面に表示されている)を入力装置でタッチすると、ゲーム装置はタッチされた位置を検出し、寝ているキャラクタに対してタッチが行なわれると、寝ていたキャラクタ(図8の100)は飛び起きてその後一定時間覚醒状態を維持する。一定時間後、キャラクタは再度睡眠し始める挙動をとる。この過程で遊戯者にはゲームポイントが与えられる。
【0040】
一方、寝ているキャラクタに対して所定時間以内にユーザがタッチしないと、キャラクタは自身が乗っている台から画面下方に向けて自動的に落下する映像が所定期間表示される。この際、遊戯者にはゲームポイントは加算されない。なお、ユーザに対して、寝ているキャラクタが落下するタイミングが近づいていることを、キャラクタが寝ている挙動に伴う「こっくり」の角度を大きくすることによって告知する。また、一回落下したキャラクタは復帰しない。所定の期間内に所定の数のキャラクタを覚醒させることが、ユーザが出来ない場合、次の画面に切り替わる、即ち、次のゲームステージの画面(第2画像)にが切り替わる。また、ユーザが所定数以上のキャラクタを所定時間内に覚醒させることが出来た場合にも同様である。ユーザが覚醒させたキャラクタ数や頻度に応じて、ステージの画面の内容が異なる。
【0041】
あるステージから他のステージに切り換えは短時間に実行されるが、第1の画像のキャラクタと第2の画像のキャラクタが重なり合うと、第1の画像の落下途中のキャラクタを第2の画像のキャラクタとから区別して、ユーザが認識することができない。この時、第1の画像から第2の画像に至る過程において、第1の画像で飛び起きるモーションをしたキャラクタ100が第2の画像に重ねて配置される(図9)。このとき、図10−13に示されるように、第2の画像と区別するため、図第1のキャラクタ(飛び起きたモーションが再生中)の明度が第2の画像のキャラクタより低くなっている。
【0042】
以上のこの動作を図14のフローチャートに基づいて説明する。ゲームアプリケーションプログラムは、第1の画像で示される、寝ているキャラクタにタッチ入力があったか否かを判定する(1400)。この判定が否定された場合には、所定時間経過後キャラクタが木の上から落下するなどの失敗モーションが再生される(1402)。次いで、この判定が肯定された場合は、キャラクタが飛び起きるモーション(成功モーション)を再生する(1404)。その後、ゲームステージの変更が、必要か否かが判断される(1406)。例えば、起こしたキャラクタの累積数が既定数以上の場合にゲームステージを変更する。この変更が必要と判定された場合は、タッチ入力があったキャラクタが飛び起きるモーションが再生される際、キャラクタの明度を下げ、ゲームステージの変更が実行されて第2画像に切り換えられる(1408)。以後、第2画像でも同様なことが行われる(1410/NO)。すなわち、ゲームステージの変更の要否判定が否定された場合は、ゲームオーバか否かが判定され、否定判定の場合は図14の1400−1408のステップが繰り返され、肯定判定の場合は、ゲームオーバとなる。なお、寝ているキャラクタを規定時間内にタッチできた場合には、ゲーム得点が加算される。
【0043】
以上の処理により、ユーザは第1画像から第2画像に変更された場合でも、第1画像でのキャラクタの挙動を確認できる、即ち、第1画像での入力が成功したことを確認することができる。第2画像への変更の際、第1画像でのキャラクタの動きが中止されてしまうと、ユーザは入力が成功した事を確認することができない。一方、第1画像のキャラクタのモーションが終了するまで第2画像へ変更されないとすると、ゲームの展開が冗長になる。
第3の実施形態
この実施形態は、表示体同士の重なり判定の他の例である。第1の実施形態において、第1の領域と第2の領域を基準にして、重なりを判定していたが、この実施形態では、表示体の形状に基づいて重なり判定の方法を変えながら、重なり判定を第1の実施形態のように2段階で行なうのではなく、重なり判定を一段階で行なうこととした。
【0044】
重なり判定がされる同士の表示体が矩形のときには頂点座標で重なり判定(図5のステップ502)を行い、この表示体が多角形のときには内積・外積を用いた判定(図5のステップ507,図6)を行うようにしている。また、表示体が円の時は、2つの表示体同士の中心点距離が演算され、この距離が円の直径以下の場合には、2つの表示体間で重なりがあると判定される。重なり判定がされる表示体同士の形状が異なる場合には、これらの重なり判定方法を適宜組み合わせる。画像処理装置(図2)のCPUは、重なり判定される表示体の形状をゲームプログラムに基づいて認識し、所定の重なり判定の方法によって重なり判定をする。
【0045】
また、前記第1の実施形態においては、各表示体の表示位置を決定する際に、表示体の表示角度をランダムで決定するとしたが、表示体のサイズもランダムに決定しても良い。この場合、表示体のサイズ及び/又は表示角度に上限値と下限値がプログラム上定義されていて、ランダムに決定した、表示体の表示角度やサイズがその上限/下限の範囲を外れたときは表示角度やサイズを再度演算するようにしても良い。更に、何度か計算をやり直しても、表示体の表示角度やサイズが上限/下限に入らない場合は、CPUは記憶媒体に予め設定されている標準サイズ/角度、あるいは、典型的角度/サイズからランダムに、表示用データを選択して、表示体を表示領域に表示すれば良い。これらの処理は、重なり判定の前に行っても良いし、重なり判定の処理後行っても良い。
【0046】
第1の実施形態において、重なり判定領域を第1及び第2のものから構成したが、重なり判定領域内に順次第3、第4・・・・の重なり判定領域を設けることは妨げられない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】画像処理装置(ゲーム装置)の全体斜視図である。
【図2】ゲーム装置のハードウエアブロック図である。
【図3】前記画像処理装置によって生成された遊戯画面の一例である。
【図4】遊技画面の他の例である。
【図5】CPUが表示体(回答)を表示領域に表示する際のフローチャートである。
【図6】各表示体の重なり判定の動作を示す図である。
【図7】多数の表示体が実質上重なり無く、表示領域に整然と配置されている、典型的配置パターンを示した図である。
【図8】第1のステージのゲーム画面である。
【図9】第2のステージでのゲーム画面である。
【図10】第2のステージでの、図9に続くゲーム画面である。
【図11】第2のステージであの、図10に続くゲーム画面である。
【図12】第2のステージでの、図11に続くゲーム画面である。
【図13】第2のステージでの、図12に続くゲーム画面である。
【図14】第1のステージから第2のステージへ切り替わる際の、コンピュータが実行するキャラクタの表示制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
20:CPU、22:システムメモリ、24:記憶媒体、30:ジオメトライザ、32:レンダリングプロセッサ、34:グラフィックメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示体を表示領域に配置し、その結果を表示手段に表示する処理を行う画像処理制御手段としてコンピュータを機能させる画像処理プログラムにおいて、前記複数の表示体をランダムで所定数前記表示領域配置すると共に各表示体の重なり判定を行い、重なりがあったら前記表示体の配置を最初からやり直して、所定数かやり直しても前記重なりが解消されない場合、前記コンピュータがメモリから予め定められた、前記複数の表示体の配置パターンを読み出してその配置パターンに基づいて、前記表示体を配置する、処理を実行するよう前記コンピュータを機能させる画像処理プログラム。
【請求項2】
複数の表示体を表示領域に配置し、その結果を表示手段に表示する処理を行う画像処理制御手段としてコンピュータを機能させる画像処理プログラムにおいて、前記複数の表示体をランダムで所定数前記表示領域配置すると共に、所定の表示許可条件を満たさない場合は、前記コンピュータは前記表示体の配置を何度かやり直し、所定数かやり直しても前記許可条件が満たされない場合、前記コンピュータがメモリから予め定められた、前記複数の表示体の配置パターンを読み出してその配置パターンに基づいて、前記表示体を配置する、処理を実行するよう前記コンピュータを機能させるための画像処理プログラム。
【請求項3】
複数の表示体を表示領域に配置し、その結果を表示手段に表示する処理を行う画像処理制御手段としてコンピュータを機能させる画像処理プログラムにおいて、
前記複数の表示体に関わる情報を記憶する記憶手段、
乱数を発生させ、発生させた乱数値に基づいて表示領域内における複数の表示体の表示位置座標を演算する表示位置演算手段、
前記記憶手段から前記表示体の重なり判定領域情報を読み出す重なり判定領域情報読み出し手段、
前記表示体の重なり判定領域情報と、前記表示位置演算手段によって演算された表示位置の情報とに基づいて、前記表示体が重なり合って表示されるか否かを判定する重なり判定手段、
前記表示体が重なり合って表示されないと判定されたときは、前記表示位置演算手段によって演算された表示位置の情報に基づいて前記表示体の表示位置座標を決定し、前記表示体が重なり合って表示されると判定されたときは、前記複数の表示体の表示位置演算処理が行われた回数を判定し、所定の回数に達していなかったら、前記表示体の表示位置座標の情報をクリアして前記表示位置決定手段に再度前記表示体の表示位置座標を演算させると共に、所定の回数に達していたら、前記記憶手段に記憶された典型的配置情報を読み出し、前記表示体配置情報に基づいて前記表示体の表示位置座標を決定する表示体配置位置決定手段、
決定された表示位置座標に基づいて前記表示体を表示手段に表示させる表示処理制御手段、
としてコンピュータを機能させる画像処理プログラム。
【請求項4】
画像処理装置が、複数のキャラクタを含む第1画像を、前記キャラクタの配置状態が前記第1画像とは異なる第2画像に変更する過程を表示手段に表示する、画像処理方法において、
前記第1画像から第2画像へ変更される間、前記第1画像を所定時間残して前記第2画像とともに、当該第1画像が前記第2画像から区別できる態様で表示するようにした画像処理方法。
【請求項5】
画像処理装置が、複数の表示体を、表示領域に、互いに実質上重ならないように配置し、その結果を表示手段に表示するように処理する画像処理方法において、
前記画像処理装置は、前記表示体に第1の重なり判定領域と、当該第1の重なり判定領域内に定義された第2の重なり判定領域とを設定するステップと、
前記表示体同士が前記第1の重なり判定領域で重なる場合には、前記第2の重なり判定領域で重ならないように、当該表示体を前記表示領域に配置するステップと、
を実行する、画像処理方法。
【請求項6】
前記画像処理装置は、前記表示体同士が前記第2の重なり領域で重なる場合には、予め、表示体同士が重ならないように定められた、典型的配置パターンに基づいて、前記複数の表示体を前記表示領域に配置するステップ、
をさらに実行する、請求項5記載の画像処理方法。
【請求項7】
画像処理装置が、複数の表示体を所定の表示領域に、互いに実質上重ならないように、配置するように処理する画像処理方法において、
前記画像処理装置は、
前記表示体に、第1の重なり判定領域と、当該第1の重なり判定領域内に定義された第2の重なり判定領域と、を設定するステップと、
前記表示体の全て又は一部が互いに前記第1重なり判定領域で重ならないように、当該表示体を前記表示領域に配置できるか否かの第1判定を行うステップと、
前記第1判定が肯定された場合には、前記表示体を前記表示領域に配置するステップと、
前記第1判定が否定された場合には、前記表示体を前記表示領域に配置することなく、当該表示体を前記第2の重なり判定領域で重ならないように、当該表示体を前記表示領域に配置できるか否かの第2判定を行うステップと、
前記第2判定が肯定された場合には、前記表示体を前記表示領域に配置するステップと、
前記第2判定が否定された場合には、前記複数の表示体が互いに重ならないようにした、典型的配置パターンに基づいて、前記表示体を前記表示領域に配置するステップと、
を実行するようにした、画像処理方法。
【請求項8】
複数の表示体を所定の表示領域に、互いに実質上重ならないように、配置し、その結果を表示手段に表示するように処理する画像処理装置において、
前記表示体に、第1の重なり判定領域と、当該第1の重なり判定領域内に定義された第2の重なり判定領域と、を設定する手段と、
前記表示体同士が前記第1の重なり判定領域で重なる場合には、前記第2の重なり判定領域で重ならないように、当該表示体を前記表示領域に配置する手段と、
を備えてなる画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置が、複数のキャラクタを含む第1画像を、前記キャラクタの配置状態が前記第1画像とは異なる第2画像に変更する過程を表示手段に表示する、画像処理方法において、
前記画像処理装置は、
前記第1画像のキャラクタを動作させるステップと、
動作中の当該第1画像のキャラクタを前記第2画像に重ねて表示するステップであり、当該第1画像のキャラクタを第2画像のキャラクタと区別できる態様に表示するステップと、
を実行するように構成されてなる、画像処理方法。
【請求項10】
請求項5−7,9の何れか1項記載の各ステップを、画像処理コンピュータに実行させる、当該コンピュータが読み取り可能なプログラム。
【請求項11】
請求項10記載のプログラムが記憶された、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
複数のキャラクタを含む第1画像をから、キャラクタの配置状態が前記第1画像とは異なる第2画像に変更する過程を表示手段に表示する、画像処理装置において、
前記第1画像のキャラクタを動作させる手段と、
動作中の当該第1画像のキャラクタを前記第2画像に重ねて表示するステップであり、当該第1画像のキャラクタを第2画像のキャラクタと区別できる態様に表示する手段と、
を実行するように構成されてなる、画像処理装置。
【請求項13】
ゲームの画像に対して定義される所定の表示領域に複数の表示体を配置して、表示手段に表示させる処理を行う画像処理制御手段としてコンピュータを機能させる画像処理プログラムにおいて、前記複数の表示体をランダムで所定数前記表示領域に配置すると共に各表示体の重なり判定を行い、重なりがあったら前記表示体の配置を最初からやり直して、所定回数やり直しても前記重なりが解消されない場合、前記複数の表示体を配置する位置が予め定められた配置パターン情報を記憶手段から読み出し、読み出した配置パターン情報に基づいて前記表示体を配置する、処理を実行するよう前記コンピュータを機能させる画像処理プログラム。
【請求項14】
ゲームの画像に対して定義される所定の表示領域に、所定の表示許可条件に基づいて複数の表示体を配置して、表示手段に表示させる処理を行う画像処理制御手段としてコンピュータを機能させる画像処理プログラムにおいて、前記複数の表示体をランダムで所定数前記表示領域に配置すると共に、前記表示許可条件を満たさない場合は、前記表示体の配置を所定回数やり直し、所定回数やり直しても前記表示許可条件が満たされない場合、前記複数の表示体の配置が予め前記表示許可条件を満たすように定められた配置パターン情報を記憶手段から読み出し、読み出した配置パターン情報に基づいて前記表示体を配置する、処理を実行するよう前記コンピュータを機能させるための画像処理プログラム。
【請求項15】
ゲームの画像に対して定義される所定の表示領域に複数の表示体を配置して、表示手段に表示させる処理を行う画像処理制御手段としてコンピュータを機能させる画像処理プログラムにおいて、
前記複数の表示体に関わる情報を記憶する記憶手段、
乱数を発生させ、発生させた乱数値に基づいて表示領域内における複数の表示体の表示位置座標を演算する表示位置演算手段、
前記記憶手段から前記表示体の重なり判定領域情報を読み出す重なり判定領域情報読み出し手段、
前記表示体の重なり判定領域情報と、前記表示位置演算手段によって演算された表示位置の情報とに基づいて、前記表示体が重なり合って表示されるか否かを判定する重なり判定手段、
前記表示体が重なり合って表示されないと判定されたときは、前記表示位置演算手段によって演算された表示位置の情報に基づいて前記表示体の表示位置座標を決定し、前記表示体が重なり合って表示されると判定されたときは、前記複数の表示体の表示位置演算処理が行われた回数を判定し、所定の回数に達していなかったら、前記表示体の表示位置座標の情報をクリアして前記表示位置決定手段に再度前記表示体の表示位置座標を演算させ、所定の回数に達していたら、前記記憶手段に記憶された典型的配置情報を読み出し、前記典型的配置情報に基づいて前記表示体の表示位置座標を決定する表示体配置位置決定手段、
決定された表示位置座標に基づいて前記表示体を表示手段に表示させる表示処理制御手段、
としてコンピュータを機能させる画像処理プログラム。
【請求項16】
複数のキャラクタが表示画像上に配置された第1画像を、前記キャラクタの配置状態が前記第1画像とは異なる第2画像に変更する過程を表示手段に表示させる画像処理手段としてコンピュータを機能させる画像処理プログラムにおいて、
前記第1画像から第2画像へ変更される間、前記第1画像における前記キャラクタの少なくとも一部を、前記第2画像とともに当該第1画像と前記第2画像とが視覚的に識別可能に所定時間表示させる画像変更処理手段、
としてコンピュータを機能させる、画像処理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−143706(P2007−143706A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340043(P2005−340043)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】