説明

画像処理装置、サーバ装置、それらの制御方法、及びプログラム

【課題】容易な操作で設定情報のやり取りを可能とし、ユーザの利便性を向上させることを可能とした画像処理装置、サーバ装置、それらの制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置110は、CPU301を有するコントロールユニット111、操作部112、ウェブブラウザ及びウェブサーバモジュール115等を備える。画像処理装置110のCPU301は、画像処理装置110からのHTTP要求に対する画像処理装置120からのHTTP応答に基づいて操作画面を表示する際に、画像処理装置110に現在設定されている設定情報を画像処理装置120の設定情報として設定することを指示するための指示手段を含む操作画面を操作部112に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して外部装置と接続された画像処理装置、ネットワークを介して画像処理装置と接続されたサーバ装置、それらの制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェブページの記述に使用するマークアップ言語としてHTML(HyperText Markup Language)がある。HTMLにおいては、フォーム(FORM)により、ウェブページ製作者(ウェブサーバ側)が、当該ウェブページを閲覧するユーザ(クライアント側)に対して情報の入力を要求することができる。HTMLのフォームは、ユーザからの入力を必要とする多種多様なアプリケーションにとって有効な手段である。
【0003】
また、インターネットの技術仕様書群であるRFC(Request for Comments)がある。RFC1867では、「HTMLにおけるフォームに基づくファイルアップロード」の手法が開示されている。この手法は、HTMLフォームによる情報伝達の双方向性を拡張して、クライアントのプラットフォームに蓄積されているファイルを、分散アプリケーションのサーバに対する入力としてアップロードすることを可能とするものである。この手法に則して、現在実用されている一般的なウェブブラウザと多くのウェブコンテンツが実装されている。
【0004】
RFC1867の従来技術により一般的なウェブブラウザに表示されるフォームの画面例を図8に示す。図8に示すフォームの画面は、図7に示すHTML文書に基づいて生成されるものであり、ウェブブラウザのコンテンツ表示領域1101に表示される。この画面においては、表示1102(機器情報を送信します)が図7の6行目のh1要素に対応する。また、表示1103の線で囲まれた領域が図7の8行目のfile型のinput要素に対応する。また、表示1104が図7の9行目のsubmit型のinput要素に対応する。
【0005】
表示1103の領域内は、従来のウェブブラウザにおいて一般的に採用されている手法による実装であり、この実装は、RFC1867でも示されている。表示1103の領域内において、表示1105がファイル名入力フィールドに対応する。ファイル名入力フィールドから、アップロードされるファイルのファイルシステム中のファイルパス(ファイル名)のリストをタイプ入力することができる。
【0006】
また、表示1106がファイル選択ボタンに対応する。ファイル選択ボタンが押下されると、ウェブブラウザが稼動しているプラットフォームに適するファイル選択モードに入ることができる。汎用コンピュータ上で稼動するウェブブラウザでは、ファイル選択モードでファイル選択ダイアログが開き、ファイルシステムに格納されているファイル群の中からアップロードされるべきファイルを選択することができる。
【0007】
また、従来、装置が装置本来の機能に加えてウェブサーバ機能を兼ね備え、装置のユーザインタフェースを遠隔のウェブブラウザに提供するリモートユーザインタフェースが製品化されている。また、装置が装置本来の機能に加えてウェブクライアント(ウェブブラウザ)機能を兼ね備え、遠隔のウェブサーバから様々なコンテンツを取得(ダウンロード)してブラウジングを行い、装置の機能に役立てる技術が知られている。
【0008】
上述した機能を備えた装置の例として例えば、ウェブブラウザを組み込んだ画像処理装置がある。この種の画像処理装置においては、単なる装置の状態や情報、設定の表示や登録に留まらず、装置の様々な機器情報をファイルとして取り出す/取り込むといった機能をウェブブラウザ上で実現している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−149320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した特許文献1に記載された画像処理装置では、自機のウェブブラウザから他の画像処理装置に組み込まれたウェブサーバにアクセスすることで、他機の装置状態や設定等の閲覧、登録を自機から操作することが可能である。
【0011】
しかしながら、自機の設定情報を他機の装置に送信して他機の設定情報として設定させるためには、予め自機の設定情報をHDD等の記憶装置にファイルとして格納しておく必要がある。その後、送信対象とする画像処理装置のウェブサーバにアクセスし直して当該格納しておいたファイルをアップロードしなければならない。このように、ウェブブラウザを通じて他機を自機で操作することは可能であるが、その反面、設定情報のやり取りにおいては操作が煩雑であった。
【0012】
本発明の目的は、容易な操作で設定情報のやり取りを可能とし、ユーザの利便性を向上させることを可能とした画像処理装置、サーバ装置、それらの制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、ネットワークを介して外部装置と接続された画像処理装置であって、前記外部装置に情報を入力するとともに該入力した情報を前記外部装置の設定情報として設定することを指示するための第1の指示手段を含む画面情報を、前記外部装置に対して要求する要求手段と、前記要求手段による要求に対する前記外部装置からの応答に基づいて操作画面を表示する表示手段と、前記表示手段が前記操作画面を表示する際に、前記画像処理装置に現在設定されている設定情報を前記外部装置の設定情報として設定することを指示するための第2の指示手段をユーザに提示する提示手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のサーバ装置は、ネットワークを介して画像処理装置と接続されたサーバ装置であって、前記画像処理装置から、前記サーバ装置に情報を入力するとともに該入力した情報を前記サーバ装置の設定情報として設定することを指示するための第1の指示手段を含む画面情報の要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記要求を受け付けた場合に、当該要求を行った画像処理装置が特定の画像処理装置であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定の結果、前記要求を行った画像処理装置が特定の画像処理装置であると判定された場合に、前記画像処理装置の記憶手段に記憶されている情報の中からユーザにより選択された情報を前記サーバ装置に入力することにより該選択された情報を前記サーバ装置の設定情報として設定することを指示するための前記第1の指示手段と、前記画像処理装置に現在設定されている設定情報を読み出して前記サーバ装置に入力することにより、該読み出した設定情報を前記サーバ装置の設定情報として設定することを指示するための第2の指示手段とを含む操作画面を表示するための画面情報を、前記要求を行った画像処理装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、容易な操作で設定情報のやり取りを可能とし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るHTTPクライアント/サーバシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】ネットワークシステムの画像処理装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図4】操作部及び操作部I/Fの詳細構成を示すブロック図である。
【図5】ユーザインタフェースモジュールによりLCD表示部に表示されるウェブブラウザの画面構成を示す図である。
【図6】HTTPによる要求と応答の処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】フォームを含むと共にフォームの送信方法としてPOSTメソッドが指定されたHTML文書の一例を示す図である。
【図8】RFC1867の従来技術により一般的なウェブブラウザに表示されるフォームの画面例を示す図である。
【図9】図7のHTML文書に基づいてウェブブラウザのコンテンツ表示領域に表示される画面を示す図である。
【図10】画像処理装置のウェブブラウザにより実行されるfile型のINPUT要素に対応するオブジェクトのレイアウト処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】画像処理装置のウェブブラウザにおいて自機の設定情報の読み込み中に表示されるダイアログウィンドウの一例を示す図である。
【図12】画像処理装置により実行される自機の設定情報の読み込み処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】設定情報ファイルが格納されているボックスを選択するために表示されるダイアログウィンドウの一例を示す図である。
【図14】ボックスから設定情報ファイルを選択するために表示されるダイアログウィンドウの一例を示す図である。
【図15】画像処理装置のウェブブラウザにより実行されるフォームのサブミット処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る設定情報をアップロードするページが要求された場合における、画像処理装置のウェブサーバの処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るHTTPクライアント/サーバシステムの全体構成を示すブロック図である。
【0018】
図1において、本システムは、画像処理装置110、画像処理装置120、ホストコンピュータ101がLAN100を介して接続されている。尚、図1はネットワークシステムの構成例を示したものであり、画像処理装置の接続台数等は図示の構成に限定されるものではない。
【0019】
画像処理装置110は、画像の入出力(原稿からの画像の読み取り、用紙への画像形成)、情報の送受信、各種の画像処理を行う複合機(MFP:Multi Function Peripheral)として構成されている。画像処理装置110は、スキャナ113、プリンタ114、操作部112、ウェブブラウザ及びウェブサーバモジュール(WEB)115、コントロールユニット111を備える。画像処理装置110は、サーバ(本実施形態では画像処理装置120)とHTTP(HyperText Transfer Protocol)による通信を行うHTTPクライアント機能を有する。
【0020】
スキャナ113は、原稿から画像を読み取る画像入力デバイスである。プリンタ114は、用紙に画像を形成する画像出力デバイスである。操作部112は、各種操作・設定を行う際に用いるユーザインタフェースである。ウェブブラウザ及びウェブサーバモジュール115については図2で説明する。コントロールユニット111は、LAN100に接続されると共に上記各部に命令を出力し制御する。
【0021】
画像処理装置120は、画像処理装置110と同様の機器構成を有し、LAN100に接続されており、スキャナ123、プリンタ124、操作部122、ウェブブラウザ及びウェブサーバモジュール(WEB)125、コントロールユニット121を備える。画像処理装置120は、クライアント(本実施形態では画像処理装置110)とHTTPによる通信を行うHTTPサーバ機能を有する。
【0022】
ホストコンピュータ101は、LAN100に接続されている。ホストコンピュータ101は、後述するようにウェブブラウザを備え、画像処理装置110、画像処理装置120から受信したHTMLファイルの解析に基づいて、画像処理装置110、画像処理装置120の状態(ステータス)等を表示する。
【0023】
本実施形態では、画像処理装置110から画像処理装置120にアクセスし、画像処理装置120のウェブサーバにより提供されるHTMLファイルに従った操作画面を、画像処理装置110のウェブブラウザが表示する。そして、この表示された操作画面を介した指示に従って、画像処理装置110の設定情報を画像処理装置120に送信し、画像処理装置120の設定情報として設定する場合を例に挙げて説明する。
【0024】
図2は、図1の画像処理装置110のソフトウェア構成を示すブロック図である。尚、画像処理装置110、画像処理装置120のソフトウェア構成は同じであるため、画像処理装置110のソフトウェア構成を説明するものとする。
【0025】
図2において、画像処理装置110には、ユーザインタフェース(以下UI)モジュール201以下、後述の各モジュールが搭載されている。UIモジュール201は、ユーザが画像処理装置110に対する各種操作・設定を行う際に、画像処理装置110とユーザ操作との仲介を行うモジュールである。UIモジュール201は、ユーザの操作に従い、後述の各種モジュールに入力情報を転送することで処理の依頼やデータの設定などを行う。
【0026】
アドレスブック(Address-Book)モジュール202は、データの送付先・通信先などを管理するデータベースモジュールである。アドレスブックモジュール202が管理するデータに関しては、UIモジュール201からの操作によりデータの追加、削除、取得が可能である。また、アドレスブックモジュール202は、ユーザの操作により後述の各モジュールにデータの送付先・通信先を示す情報を与える。
【0027】
ウェブサーバ(Web-Server)モジュール203は、ウェブクライアント(例えばホストコンピュータ101)からの要求により、画像処理装置110の管理情報をウェブクライアントに通知する。管理情報は、後述の統合送信部モジュール204、リモートコピースキャンモジュール209、リモートコピープリントモジュール210、制御APIモジュール218を介して取得される。取得された管理情報は、HTTPモジュール212、TCP/IP通信モジュール216、ネットワークドライバ217を介してウェブクライアントに通知される。
【0028】
ウェブブラウザ(Web Browser)モジュール211は、インターネットまたはイントラネット上の各種ウェブサイト(ホームページ)の情報を読み込んで表示を行う。ウェブブラウザモジュール211の詳細構成は後述する。
【0029】
統合送信部(Universal-Send)モジュール204は、データの配信を司る。統合送信部モジュール204は、UIモジュール201を介してユーザにより指示されたデータを、指示された通信(出力)先に配布する。また、統合送信部モジュール204は、ユーザにより画像処理装置110のスキャナ機能を使用して配布データの生成が指示された場合は、制御APIモジュール218を介して画像処理装置110を動作させ、データの生成を行う。
【0030】
統合送信部モジュール204は、モジュール(P550)205、モジュール(E-mail)206、(DB)モジュール207、(DP)モジュール208を含む。モジュール(P550)205は、出力先にプリンタが指定された際に実行される。モジュール(E-mail)206は、通信先にE-mailアドレスが指定された際に実行される。(DB)モジュール207は、出力先にデータベースが指定された際に実行される。(DP)モジュール208は、出力先に画像処理装置110と同様構成の画像処理装置120が指定された際に実行される。
【0031】
リモートコピースキャン(Remote-Copy-Scan)モジュール209は、画像処理装置110のスキャナ機能を使用して画像情報を読み取り、読み取った画像情報をLAN100に接続された他の画像処理装置120に出力する。これにより、画像処理装置単体で実現しているコピー機能を他の画像処理装置を使って行うことを可能にする。
【0032】
リモートコピープリント(Remote-Copy-Print)モジュール210は、LAN100に接続された他の画像処理装置120で得られた画像情報を、画像処理装置110のプリンタ機能を使用して出力する。これにより、画像処理装置単体で実現しているコピー機能を他の画像処理装置を使って行うことを可能にする。
【0033】
HTTPモジュール212は、画像処理装置110がHTTPによる通信を行う際に使用され、TCP/IP通信モジュール216を使って、ウェブサーバモジュール203、ウェブブラウザモジュール211に通信機能を提供する。また、HTTPモジュール212は、HTTPを始めとするウェブで用いられる各種プロトコルに対応し、特にセキュリティ対応したプロトコルによる通信機能を提供する。
【0034】
lprモジュール213は、TCP/IP通信モジュール216を使って、統合送信部モジュール204内のモジュール(P550)205に通信機能を提供する。
【0035】
SMTPモジュール214は、TCP/IP通信モジュール216を使って、統合送信部モジュール204内のモジュール(E-mail)206に通信機能を提供する。
【0036】
SLM(Salutation-Manager)モジュール215は、TCP/IP通信モジュール216を使って、統合送信部モジュール204内の(DB)モジュール207、(DP)モジュール208に通信機能を提供する。また、SLMモジュール215は、リモートコピースキャンモジュール209、リモートコピープリントモジュール210に通信機能を提供する。
【0037】
TCP/IP通信モジュール216は、ネットワークドライバ217を用いて、上記の各モジュールにネットワーク通信機能を提供する。ネットワークドライバ217は、ネットワークに物理的に接続される部分を制御する。
【0038】
制御APモジュールI218は、統合送信部モジュール204などの上流モジュールに、ジョブマネージャモジュール219などの下流モジュールに対するインタフェースを提供する。これにより、上流及び下流のモジュール間の依存関係が軽減され、それぞれの流用性を高めることができる。
【0039】
ジョブマネージャモジュール(Job-Manager)219は、上記の各モジュールから制御APIモジュール218を介して指示される様々な処理を解釈し、各モジュール220、224、226に指示を与える。また、ジョブマネージャモジュール219は、画像処理装置110内で実行されるハード的な処理を一元管理する。
【0040】
コーデックマネージャ(CODEC-Manager)モジュール220は、ジョブマネージャモジュール219が指示する処理の中で、データの各種圧縮・伸長を管理・制御する。
【0041】
FBEエンコーダモジュール(FBE-Encoder)221は、ジョブマネージャモジュール219やスキャンマネージャモジュール224により実行されたスキャン処理により読み込まれたデータを、FBEフォーマットを用いて圧縮する。
【0042】
JPEGコーデック(JPEG-CODEC)モジュール222は、スキャン処理または印刷処理において読み込まれたデータのJPEG圧縮及び印刷データのJPEG展開処理を行う。上記スキャン処理は、ジョブマネージャモジュール219やスキャンマネージャモジュール224により実行された処理である。上記印刷処理は、プリントマネージャモジュール226により実行された処理である。
【0043】
MMRコーデック(MMR-CODEC)モジュール223は、スキャン処理または印刷処理において読み込まれたデータのMMR圧縮及び印刷データのMMR伸長処理を行う。上記スキャン処理は、ジョブマネージャモジュール219やスキャンマネージャモジュール224により実行された処理である。上記印刷処理は、プリントマネージャモジュール226により実行された処理である。
【0044】
スキャンマネージャ(Scan-Manager)モジュール224は、ジョブマネージャモジュール219が指示するスキャン処理を管理・制御する。スキャンマネージャモジュール224と画像処理装置110に内部的に接続しているスキャナ113との間の通信が、SCSIドライバ225を介して行われる。
【0045】
プリントマネージャ(Print−Manager)モジュール226は、ジョブマネージャモジュール219が指示する印刷処理を管理・制御する。プリントマネージャモジュール226とプリンタ114との間のインタフェースがエンジンインタフェース(Engine-I/F)モジュール227により提供される。
【0046】
パラレルポートドライバ228は、パラレルポートを介して不図示の出力機器にデータを出力する際のインタフェースを提供する。
【0047】
図3は、画像処理装置110の詳細構成を示すブロック図である。尚、画像処理装置110、画像処理装置120の構成は同じであるため、画像処理装置110の構成を説明するものとする。
【0048】
図3において、コントロールユニット111は、画像処理装置全体を制御するものであり、画像入力デバイスであるスキャナ113や画像出力デバイスであるプリンタ114を接続し、これらを制御する。また、コントロールユニット111は、LAN100や公衆回線と接続され、これらを介して画像情報やデバイス情報の入出力を行う。コントロールユニット111は、CPU301、RAM302、ROM303、操作部インタフェース(以下I/F)306、ネットワークI/F308、デバイスI/F312、スキャナ画像処理部313、プリンタ画像処理部314等を備えている。
【0049】
CPU301は、システムバス307を介して、RAM302、ROM303、HDD(ハードディスクドライブ)304、イメージバスI/F305、操作部I/F306、ネットワークI/F308、モデム309と接続される。CPU301は、プログラムに基づき後述の各フローチャートに示す処理を実行する。
【0050】
RAM302は、CPU301の作業領域を提供する作業メモリや、画像データを一時記憶する画像メモリとして使用される。ROM303は、ブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD304には、システムソフトウェア、画像データなどが格納される。
【0051】
ここで、本発明に関わるボックス機能について説明する。画像処理装置のHDD304は、テンポラリ領域とボックス領域を備えている。テンポラリ領域は、スキャナ113により原稿から読み取った画像データや、送信すべき設定情報などを一時的に記憶する領域である。ジョブ終了後にそれらのデータは消去される。テンポラリ領域には、後述の図9の画面上でユーザから「自機情報を送信」が指定された場合にCPU301により読み出される機器情報(例えば画像処理装置からFAXを送信する宛先を示す情報など)が記憶される。
【0052】
ボックス領域は、スキャナ113で原稿から読み取った画像やホストコンピュータ101から送られたPDL画像を展開したもの或いは機器情報などをユーザの指示に応じて格納する領域である。ボックス領域は、複数のボックス(例えば100)に分かれている。各ボックスには番号が付加され、それぞれ識別可能である。ボックス領域には、後述の図9の画面上でユーザから「ボックスから選択」が指定された場合にCPU301により読み出される設定情報(例えば他機で使用して画像処理装置に移したアドレス帳の情報など)が格納される。
【0053】
操作部I/F306は、操作部112との間で入出力を行うためのインタフェースであり、操作部112に表示する画像データを操作部112に対して出力し、ユーザが操作部112を介して入力した情報をCPU301に伝送するなどの役割を果たす。
【0054】
ネットワークI/F308は、LAN100と接続され、LAN100に対して情報の入出力を行う。モデム309は、公衆回線と接続され、公衆回線に対して情報の入出力を行う。イメージバスI/F305は、システムバス307と画像データを高速で転送する画像バス310とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0055】
画像バス310には、RIP(ラスタイメージプロセッサ)311、デバイスI/F312、スキャナ画像処部313、プリンタ画像処理部314、画像回転部315、画像圧縮部316が接続されている。RIP311は、LAN100から受信したPDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F312は、スキャナ113及びプリンタ114とコントロールユニット111とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0056】
スキャナ画像処理部313は、スキャナ113により入力された画像データに対して補正、加工、編集などを行う。プリンタ画像処理部314は、プリンタ114から出力する画像データに対して補正、解像度変換などを行う。画像回転部315は、画像データの回転を行う。画像圧縮部316は、多値画像データに対してはJPEG圧縮伸長処理を行い、2値画像データに対してはJBIG、MMR、MHなどの圧縮伸長処理を行う。
【0057】
図4は、操作部112の詳細構成を示すブロック図である。
【0058】
図4において、操作部112は、LCD表示部501、タッチパネル502、LED表示部506、各種ハードキー503〜507を備えている。操作部I/F306は、ユーザ入力制御用の入力ポート601、画面出力デバイス制御用の出力ポート602を備える。入力ポート601は、タッチパネル502、各種ハードキーを含むキー群からのユーザ入力をCPU301に渡す。CPU301は、ユーザ入力の内容と制御プログラムに基づいて表示画面データを生成し、出力ポート602を介してLCD表示部501に表示画面を出力する。また、CPU301は、出力ポート602を介して必要に応じてLED表示部506を制御する。
【0059】
図5は、UIモジュール201によりLCD表示部501に表示されるウェブブラウザの画面構成を示す図である。
【0060】
図5において、LCD表示部501には、タブ901、URL入力フィールド902、OKボタン903、プログレスバー904、コンテンツ表示領域905が表示されている。更に、LCD表示部501には、戻るボタン906、進むボタン907、リロードボタン908、中止ボタン909、ステータス領域910が表示されている。
【0061】
タブ901は、ウェブブラウザ機能と他の機能(コピー、ボックス、送信、拡張)との画面切り替えを行うものである。URL入力フィールド902は、ユーザが所望のリソースのURLを入力するフィールドである。URL入力フィールド902をユーザが押すと、文字入力を行うための仮想的なフルキーボード(不図示)が表示される。ユーザは、仮想的なフルキーボード上に配置されたキートップを模したソフトキーにより所望の文字列を入力することができる。
【0062】
OKボタン903は、入力したURL文字列を確定するソフトキーである。URLが確定されると、ウェブブラウザモジュール211は、当該リソースの取得を行うためのHTTP要求を発行する。プログレスバー904は、HTTP要求応答によるコンテンツ取得処理の進捗状況を示す。コンテンツ表示領域905は、取得したリソースを表示する領域である。戻るボタン906は、コンテンツ表示の履歴をさかのぼり、現時点で表示しているコンテンツの前に表示したコンテンツを表示し直すためのソフトキーである。
進むボタン907は、コンテンツ表示の履歴をさかのぼって表示しているときに、現時点で表示しているコンテンツの後に表示したコンテンツの表示に戻るためのソフトキーである。リロードボタン908は、現時点で表示しているコンテンツの再取得と再表示を行うためのソフトキーである。中止ボタン909は、実行中のコンテンツ取得処理を中止するためのソフトキーである。
【0063】
ステータス領域910は、画像処理装置の各種機能からのメッセージを表示する領域である。ステータス領域910には、ウェブブラウザ画面を表示中であっても、スキャナ113やプリンタ114や他の機能などから、ユーザの注意を促すためのメッセージを表示することができる。また、ステータス領域910には、同様にウェブブラウザ機能からもメッセージの表示を行うことができる。ウェブブラウザ機能は、リンク先のURL文字列、コンテンツのタイトル文字列、スクリプトにより指示されたメッセージなどを表示する。
【0064】
次に、上記構成を有する本実施形態のHTTPクライアント/サーバシステムの動作について図6乃至図15を参照しながら詳細に説明する。
【0065】
図6は、HTTPによる要求と応答の処理の流れを示すシーケンス図である。図6において、クライアント1001は、HTTP要求をサーバ1002に送信しHTTP応答をサーバ1002から受信するソフトウェアである。該ソフトウェアは、画像処理装置110に内蔵のウェブブラウザや、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話機などで稼動する一般的なウェブブラウザに相当する。尚、ウェブブラウザと同様の方法でウェブサーバにアクセスしてサービスの利用または中継を行う各種のソフトウェアであってもよい。
【0066】
サーバ1002は、クライアント1001からのHTTP要求を受信して対応する処理を行い、更にHTTP応答をクライアント1001に返信するソフトウェアである。該ソフトウェアは、画像処理装置120に内蔵のウェブサーバ上で稼動するソフトウェアを含むHTTPサーバに相当する。
【0067】
クライアント1001は、HTTP要求をGETメソッドまたはPOSTメソッドのいずれかの方法で送信することができる。まず、HTTP要求をGETメソッドで送信する場合を説明する。クライアント1001が所望のリソースに対するHTTP要求1003をGETメソッドでサーバ1002に送信する場合、リソースは一般にURI(Uniform Resource Identifier)(特にURL)形式により指定される。サーバ1002は、HTTP要求1003により指定されたリソースに対応するデータを取得または生成し、このデータをHTTP応答1004によりクライアント1001に返信する。
【0068】
指定されたリソースが静的なファイルに対応する場合は、サーバ1002は、例えばサーバ1002のファイルシステムから該当するファイルを読み出してそのデータを取得する。一方、指定されたリソースがCGI(Common Gateway Interface)プログラムやサーブレット(Servlet)などの処理に対応する場合は、サーバ1002は、該当する処理を実行する。この処理は、要求に対する応答を生成するものである。この過程で所定のサービスを達成するために必要なビジネスロジックの実行やバックエンドのDBMS(Database Management System)へのアクセスなどの副作用が発生する。
【0069】
サーバ1002は、処理の結果として生成されたデータをクライアント1001に返信する。例えば、画像処理装置で使用する消耗品(用紙やトナー等)を示す消耗品情報を表示するためのリソースが指定された場合、消耗品情報を取得するためのソフトウェアが実行される。これにより、ソフトウェアにより、設定情報の中から用紙やトナーの状況などのレコードを参照し、これらの情報をHTML形式またはXML形式に整形してデータを生成する処理が行われる。
【0070】
クライアント1001においては、サーバ1002からのHTTP応答1004で得られたデータが表示可能な形式である場合、そのコンテンツの表示が行われる。得られたデータがHTML文書などであれば、ウェブブラウザ上に表示された文書にハイパーテキストとして埋め込まれたリンク情報を選択するだけで、次々に新たなリソースの取得や表示を繰り返すことができる。
【0071】
次に、HTTP要求をPOSTメソッドで送信する場合を説明する。HTML文書にフォーム(FORM)(特定の書式情報)が含まれ、その送信方法にPOSTメソッドが指定されている場合(図7のHTML文書を参照)、以下の処理が行われる。即ち、ユーザにより入力された情報がクライアント1001のウェブブラウザにより表示されたフォームに符号化され、符号化された情報(フォームの入力内容)はHTTP要求1005に添付されてサーバ1002に送信される。サーバ1002では、指定されたリソースがクライアント1001から送信されたデータを受信して処理を行い、HTTP応答1006を生成しクライアント1001に返信する。
【0072】
次に、上述したHTTPによる要求と応答の処理に関わる、HTTPクライアント機能を有する画像処理装置110(クライアント)と、HTTPサーバ機能(ウェブサーバ機能)を有する画像処理装置120(サーバ)の制御の特徴を以下に列挙する。
【0073】
画像処理装置110は、画像処理装置120に情報を入力するとともに、その情報を画像処理装置120の設定情報として設定するための記述が含まれる画面情報を要求するためのHTTP要求を、画像処理装置120に対して送信する。そして、この要求に対する画像処理装置120からのHTTP応答に基づく操作画面を表示する際に、自機の設定情報を送信するか或いはボックスから設定情報を選択するかを指示するための操作画面(ウェブページ)を操作部112に表示する。即ち、ユーザに提示する。
【0074】
尚、このとき画像処理装置120からのHTTP応答に含まれる画面情報に従った操作画面を表示するか、またはHTTP応答に含まれる画面情報に代えて画像処理装置110が生成した画面情報に従った操作画面を表示するかを切り替えるようにしてもよい。この場合、これら両方の操作画面のうちどちらの操作画面を表示するかは、HTTP応答のヘッダフィールドまたはボディ内の情報、もしくは、ヘッダフィールド及びボディ内の情報を基に判断される。
【0075】
画像処理装置120では、画像処理装置110からのHTTP要求を受け付ける受付処理を行う。更に、HTTP要求に対して、画像処理装置110のHDD内から設定情報を選択して画像処理装置120に送信させるための第1の書式情報(HTMLページデータのフォーム)を画像処理装置110に提供する。
【0076】
図7は、フォームを含むと共にフォームの送信方法としてPOSTメソッドが指定されたHTML文書の一例を示す図である。
【0077】
図7において、HTML文書においては、1行目にHTML要素の開始を示すタグが記述されている。2行目にはHEAD要素の開始を示すタグ、3行目にHEAD要素に含まれるTITLE要素、4行目にHEAD要素の終了タグが記述されている。5行目にはBODY要素の開始を示すタグ、6行目にはH1要素が記述されている。7行目にはFORM要素の開始を示すタグが記述されている。このタグにより、本フォームにおいては、入力された情報がmultipart/form-data形式で符号化され、regist.cgiリソースに対してPOSTメソッドで送信されることが属性により示されている。
【0078】
8行目は第1のINPUT要素を示す。第1のINPUT要素においては、名前がuserFileであり型がfileであることが属性により示されている。9行目は第2のINPUT要素を示す。第2のINPUT要素においては、型がsubmitであり値が文字列“送信”であることが属性により示されている。10行目はFORM要素の終了を示す。11行目はBODY要素の終了を示すタグが記述されている。12行目はHTML要素の終了を示すタグが記述されている。
【0079】
図9は、図7のHTML文書に基づいてウェブブラウザのコンテンツ表示領域905に表示される画面を示す図である。図9に示す操作画面は、クライアント1001において、画像処理装置120からのHTTP応答の受信に応じてコンテンツ表示領域905に表示される。図示の画面では、図10の3行目のH1要素に対応する表示が表示1201となる。また、図10の8行目のfile型のINPUT要素に対応する表示が矩形領域の表示1202となる。また、図10の9行目のsubmit型のINPUT要素に対応する表示が表示1203となる。
【0080】
表示1202の領域内には、画像処理装置110のウェブブラウザに特徴的な固有の表示1204、1205が行われる。表示1204(自機情報を送信ボタン)(第2の指示手段)は、画像処理装置110に現在設定されている設定情報を送信する動作を開始するためのボタンを示す。表示1205(ボックスから選択ボタン)(第1の指示手段)は、予め画像処理装置110内のボックスに保存されている設定情報ファイルを選択する操作を開始するためのボタンを示す。
【0081】
図10は、画像処理装置110のウェブブラウザにより行われるfile型のINPUT要素に対応するオブジェクトのレイアウト処理の手順を示すフローチャート(提示手段)である。ここでは、本レイアウト処理により、図9に示す画面の表示1202に対応するレイアウトが生成されるものとして説明を行う。
【0082】
図10において、画像処理装置110のCPU301(提示手段)は、まず、レイアウト処理の単位となるコンポーネントオブジェクトを生成する(ステップS1301)。次に、CPU301は、図9の表示1204に対応するボタン、即ち「自機情報を送信」ボタンを生成し、コンポーネントに配置する(ステップS1302)。次に、CPU301は、生成された「自機情報を送信」ボタンを押下するイベントが生起したときに起動するイベントハンドラとして、自機に現在設定されている設定情報の読み込み処理を登録する(ステップS1303)。
【0083】
次に、CPU301は、図9の表示1205に対応するボタン、即ち「ボックスから選択」ボタンを生成し、コンポーネントに配置する(ステップS1304)。次に、CPU301は、生成された「ボックスから選択」ボタンを押下するイベントが生起したときに起動するイベントハンドラとして、ボックスから設定情報を選択する処理を登録する(ステップS1305)。その後、CPU301は、コンポーネントを該コンポーネントの親コンポーネントであるFORM要素に対応するコンポーネントオブジェクトに配置し(ステップS1306)、本処理を終了する。
【0084】
上記と同様の手順により、各要素に対応するコンポーネントオブジェクト間の包含関係を表現するツリー構造が生成され、このツリーを再帰的に処理することで画面表示のレイアウトが行われる。
【0085】
次に、本実施形態のウェブブラウザにおいて「自機情報を送信」を選択した際に表示されるダイアログウィンドウについて図11を参照しながら説明する。
【0086】
図11は、画像処理装置のウェブブラウザにおいて自機の設定情報(機器情報)の読み込み処理のために表示されるダイアログウィンドウの一例を示す図である。図11において、図9の表示1204のボタン、即ち「自機情報を送信」ボタンがユーザにより押下されると、図示のようにダイアログウィンドウ1501がウェブブラウザのコンテンツ表示領域905に表示される。ダイアログウィンドウ1501においては、メッセージ1502、キャンセルボタン1503が表示される。
【0087】
メッセージ1502は、画像処理装置において設定情報の読み込み処理が進行中であることを伝えるものである。キャンセルボタン1503は、設定情報の読み込み処理を中止して図9の画面に戻る際に押下する。設定情報の読み込み処理が終了すると、図11のダイアログウィンドウは消去され図9の画面に戻る。
【0088】
尚、図9の選択画面で「自機情報を送信」が選択された場合、HDD304から自機の設定情報を読み出す処理を行う。この場合は自機の設定情報を優先して送信するよう動作するため、図9の選択画面をスキップして図11の画面の表示になる。
【0089】
図12は、画像処理装置110により実行される自機の機器情報の読み込み処理の手順を示すフローチャートである。
【0090】
図12において、画像処理装置110のCPU301は、画像処理装置110に現在設定されている値や管理情報などの設定値(自機の設定情報)を読み出す処理を行う(ステップS1601)。次に、CPU301は、読み出した設定値を規定のファイル形式に整形する(ステップS1602)。次に、CPU301は、規定のファイル形式に整形したデータをHDD304のテンポラリ領域に格納する(ステップS1603)。その後、CPU301は、読み込み処理ダイアログを閉じて図9の画面に戻り(ステップS1604)、本処理を終了する。
【0091】
尚、図9の画面に戻った時、CPU301は、表示1204と表示1203を反転表示することで、自機の設定情報ファイルがHDD304のテンポラリ領域にあり、送信可能であることがユーザに分かるようにする。
【0092】
次に、本実施形態のウェブブラウザにおいて「ボックスから選択」の処理で表示されるダイアログウィンドウについて図13を参照しながら説明する。
【0093】
図13は、設定情報ファイルが格納されているボックスを選択するために表示されるダイアログウィンドウの一例を示す図である。図13において、図9の表示1205のボタン、即ち「ボックスから選択」ボタンが押下されると、図示のようにダイアログウィンドウ1701がウェブブラウザのコンテンツ表示領域905に表示される。ダイアログウィンドウ1701においては、ボックス選択欄1702、スクロールボタン1703、スクロールボタン1704、キャンセルボタン1705が表示される。
【0094】
ボックス選択欄1702には、各行が1つのボックスに関しての情報(ボックス番号、ボックスに付与されたボックス名称)を表示している。いずれかの行が選択されると、HDD304のボックス領域における選択されたボックス内に格納されているファイルの一覧を表示する画面に遷移する。スクロールボタン1703及び1704が押下されると、ボックス選択欄1702に表示するボックスの範囲を変更する。キャンセルボタン1705は、処理を中止して図9の画面に戻るためのボタンである。
【0095】
図14は、ボックスから設定情報ファイルを選択するために表示されるダイアログウィンドウの一例を示す図である。図14において、ダイアログウィンドウ1801がウェブブラウザのコンテンツ表示領域905に表示される。ダイアログウィンドウ1801においては、ファイル選択欄1802、スクロールボタン1803、スクロールボタン1804、戻るボタン1805、キャンセルボタン1806が表示される。
【0096】
ファイル選択欄1802には、HDD304のボックス領域における選択されたボックスに格納されているファイルについての情報(種類、ファイル名、更新日時など)を1ファイルにつき1行で表示している。いずれかの行が選択されると、選択されたものを送信ファイルとして決定して図9の画面に戻る。この場合、図9の画面では、表示1205と表示1203を反転表示し、ボックスから機器情報ファイルが選択されており送信可能であることをユーザに分かるようにする。
【0097】
スクロールボタン1803及び1804が押下されると、ファイル選択欄に表示されるファイルの範囲を変更する。戻るボタン1805は、図13の画面に戻る際に押下する。キャンセルボタン1806は、ボックス選択処理を中止して図9の画面に戻る際に押下する。
【0098】
尚、自機の設定情報ファイルをHDD304のテンポラリ領域に格納した後でボックスから表示1205が選択されると、テンポラリ領域に格納したデータを削除し、ボタン1204の反転表示を解除する。また、表示1205が反転表示されている状態、即ちボックスから送信ファイルが選択された後で表示1204が選択されると、選択されていたファイルは選択解除し、表示1205の反転表示を解除する。即ち、後から設定されたものが有効となる。
【0099】
図15は、画像処理装置110のウェブブラウザにより実行されるフォームのサブミット処理(フォームオブジェクト送信処理)の手順を示すフローチャート(設定実行手段)である。本処理は、submit型のINPUT要素に対応するオブジェクトの入力イベントが生起したときに実行される。即ち、図9の表示1203の「送信」ボタンを押下するイベントが生起したとき、そのINPUT要素を含むFORM要素に関して実行されるものである。尚、処理の実装は、複数のオブジェクトに分散しているが、詳細は省略して一連の手順として説明する。
【0100】
図15において、画像処理装置110のCPU301(設定実行手段)は、まず、FORM要素に対応するオブジェクトのaction属性に設定されたURIのリソースに対してHTTP接続を行う(ステップS1901)。尚、HTTP1.1の場合、接続対象のサーバに対する接続が既に確立していればステップS1901は省略可能である。次に、CPU301は、FORM要素に対応するオブジェクトのmethod属性に設定されている送信方法でHTTP要求を開始する(ステップS1902)。ここでは、送信方法としてPOST送信が設定されている場合を例に取る。
【0101】
次に、CPU301は、設定情報ファイルがHDD304のテンポラリ領域に存在するかどうかを確認する(ステップS1903)。設定情報ファイルがテンポラリ領域に存在する場合は、CPU301は、テンポラリ領域のデータをFORM要素のenctype属性に設定されている符号化形式(multipart/form-data)に合わせて符号化する(ステップS1904)。他方、設定情報ファイルがテンポラリ領域に存在しない場合は、CPU301は、ボックスから設定情報ファイルが選択されているかどうかを判断する(ステップS1905)。
【0102】
ボックスから設定情報ファイルが選択されている場合は、CPU301は、選択されている設定情報ファイルをFORM要素のenctype属性に設定されている符号化形式に合わせて符号化し(ステップS1906)、ステップS1907に移行する。尚、符号化形式はmultipart/form-dataである(図7参照)。他方、ボックスから設定情報ファイルが選択されていない場合は、直接、ステップS1907に移行する。
【0103】
次に、CPU301は、ステップS1904またはステップS1906で符号化されたデータをサーバに送信する(ステップS1907)。その後、CPU301は、HTTP要求を完了し(ステップS1908)、本処理を終了する。
【0104】
上記のように、設定情報を取り込みたい画像処理装置側に特別の実装を施すことなく、ファイルアップロードを求めるフォームを備えた(ホストコンピュータ101に提供するものと同じ)ウェブページにより設定情報の取得要求を行えばよい。ウェブブラウザを内蔵した画像処理装置のユーザは、自機に現在設定されている設定情報を読み出して送信する場合でも、ボックスに予め保存しておいたファイルから設定情報を選択する場合でも、簡易な操作手順で設定情報を送信することができる。
【0105】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、ウェブブラウザが組み込まれた画像処理装置、ウェブサーバが組み込まれた画像処理装置において、自機に現在設定されている設定情報を他機に取り込む際に、予め設定情報を取り出して用意しておく必要がない。これにより、少ないステップの容易な操作で設定情報のやり取りが可能になるため、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0106】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態にかかる画像処理装置は、HTTPクライアント機能を有する上記第1の実施形態で説明した画像処理装置と比較して、HTTPサーバ機能を有する点において相違する。本実施形態にかかる画像処理装置の構成要素は、上記第1の実施形態(図1〜図4)の対応するものと同一なので説明を省略する。
【0107】
上記第1の実施形態では、画像処理装置に現在設定されている設定情報を読み出して送信することを指示するための操作画面の表示制御を、設定情報を送信するクライアント側の画像処理装置で実現する例について説明した。これに対し、本実施形態では、設定情報を受信するサーバ側の画像処理装置で上記表示制御を実現する例について説明する。本実施形態では、画像処理装置120のCPU301がウェブサーバにより以下の制御を行う。
【0108】
図16は、本実施形態に係る設定情報をアップロードするページが要求された時における、画像処理装置120のウェブサーバの処理の手順を示すフローチャートである。
【0109】
図16において、画像処理装置120のCPU301はウェブサーバにより以下の処理を行うよう制御する。ウェブサーバは、クライアントから送信されたHTTP要求が設定情報を画像処理装置120にアップロードするためのページデータの要求であるか否かを判定する(ステップS2001)。HTTP要求が設定情報をアップロードするためのページデータの要求であった場合は、ウェブサーバは、当該クライアントが特定の画像処理装置(ここでは、画像処理装置110)のウェブクライアントであるか否かを判定する(ステップS2002)。他方、HTTP要求が設定情報をアップロードするためのページデータの要求でない場合は、ステップS2004に移行する。
【0110】
当該クライアントが画像処理装置110のウェブクライアントであった場合は、ウェブサーバは次の処理を行う。画像処理装置110のウェブクライアント(クライアントMFP)の設定情報か、もしくは他の記憶装置から設定情報ファイルを選択するためのHTMLページデータを作成する。そして、画像処理装置110のウェブクライアントに返信する(ステップS2003)。これにより、画像処理装置110の操作部112のウェブブラウザには、図9で示したような表示がなされる。他方、当該クライアントが特定の画像処理装置(画像処理装置110)のウェブクライアントでない場合は、ステップS2004に移行する。
【0111】
ここで、画像処理装置110に設定情報送出処理を行わせるScript(不図示)などを画像処理装置110に対するレスポンスデータに埋め込んでおくことで、図9に示したような選択操作を画像処理装置110のユーザにさせないことも可能である。設定情報のバックアップの用途を考慮すれば、こちらの方がより利便性は高いといえる。
【0112】
他方、ステップS2001でHTTP要求が設定情報をアップロードするためのページデータの要求でない場合や、ステップS2002で当該クライアントが特定の画像処理装置(画像処理装置110)のウェブクライアントでない場合は、以下の処理を行う。
【0113】
即ち、HTTP要求が設定情報のアップロードに無関係のページデータの場合や、クライアントが特定の画像処理装置でない(一般のPCである)場合は、ウェブサーバは次の返信を行う。通常のHTMLデータ(図7参照)を画像処理装置110のウェブクライアントに返信する(ステップS2004)。
【0114】
この後、画像処理装置120のCPU301は、図9に示す操作画面を介したユーザからの指示に応じて送信されてくる情報(画像処理装置110に現在設定されている設定情報または画像処理装置110の記憶装置の中から選択された情報)を受信する。そして、受信した情報を画像処理装置120の設定情報として設定する処理を実行する。
【0115】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様に、少ないステップの容易な操作で設定情報のやり取りが可能になるため、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0116】
〔他の実施形態〕
第1の実施形態では、画像処理装置から他の画像処理装置に設定情報を送信する際の選択肢として、説明の便宜上から、「自機情報を送信」「ボックスから選択」の二者択一の構成を例に挙げたが、これに限定されるものではない。画像処理装置にUSBメモリなどの可搬性メディアが接続されている場合や、ネットワーク上のファイルサーバから設定情報を選択させる場合などの可能な拡張は、すべて本発明に含まれることは言うまでもない。
【0117】
第1及び第2の実施形態では、画像処理装置のHDDに設定情報の記憶/格納領域を設けた場合を例に挙げたが、これに限定されるものではない。コンピュータ等の外部装置に設定情報の記憶/格納領域を設ける構成としてもよい。
【0118】
第1及び第2の実施形態では、画像処理装置の設定情報としてFAXを送信する宛先、アドレス帳を例に挙げたが、これに限定されるものではない。画像処理装置の設定情報は画像処理装置の使用形態に応じた任意の情報とすることが可能である。
【0119】
第1及び第2の実施形態では、図1に示すシステムを例に挙げたが、これに限定されるものではない。画像処理装置やコンピュータの設置台数等は本発明の主旨を逸脱しない範囲で所望の形態とすることが可能である。
【0120】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0121】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0122】
100 LAN
110、120 画像処理装置
112、122 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して外部装置と接続された画像処理装置であって、
前記外部装置に情報を入力するとともに該入力した情報を前記外部装置の設定情報として設定することを指示するための第1の指示手段を含む画面情報を、前記外部装置に対して要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に対する前記外部装置からの応答に基づいて操作画面を表示する表示手段と、
前記表示手段が前記操作画面を表示する際に、前記画像処理装置に現在設定されている設定情報を前記外部装置の設定情報として設定することを指示するための第2の指示手段をユーザに提示する提示手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記提示手段は、前記第1の指示手段と前記第2の指示手段の両方を含む前記操作画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記操作画面を表示するための画面情報を生成する生成手段を更に備え、
前記表示手段は、前記外部装置からの応答に含まれている画面情報ではなく、前記生成手段により生成された画面情報に従って前記操作画面を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2の指示手段を用いてユーザからの指示が行われた場合、前記画像処理装置に現在設定されている設定情報を読み出して前記外部装置に送信することにより、当該読み出した設定情報を前記外部装置の設定情報として設定させる設定実行手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数の情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記設定実行手段は、前記第1の指示手段を用いてユーザからの指示が行われた場合、前記記憶手段に記憶されている複数の情報のうちユーザにより選択された情報を前記外部装置に送信することにより、当該選択された情報を前記外部装置の設定情報として設定させることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記外部装置は、ウェブサーバ機能を有し、
前記表示手段は、前記外部装置から送信されるHTMLファイルを解析し、当該HTMLファイルに従った操作画面を表示するウェブブラウザ機能を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
ネットワークを介して画像処理装置と接続されたサーバ装置であって、
前記画像処理装置から、前記サーバ装置に情報を入力するとともに該入力した情報を前記サーバ装置の設定情報として設定することを指示するための第1の指示手段を含む画面情報の要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記要求を受け付けた場合に、当該要求を行った画像処理装置が特定の画像処理装置であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定の結果、前記要求を行った画像処理装置が特定の画像処理装置であると判定された場合に、前記画像処理装置の記憶手段に記憶されている情報の中からユーザにより選択された情報を前記サーバ装置に入力することにより該選択された情報を前記サーバ装置の設定情報として設定することを指示するための前記第1の指示手段と、前記画像処理装置に現在設定されている設定情報を読み出して前記サーバ装置に入力することにより、該読み出した設定情報を前記サーバ装置の設定情報として設定することを指示するための第2の指示手段とを含む操作画面を表示するための画面情報を、前記要求を行った画像処理装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
前記第1の指示手段または前記第2の指示手段を用いたユーザからの指示に従って前記画像処理装置から送信される情報を受信し、前記サーバ装置の設定情報として設定する設定手段を更に備えることを特徴とする請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記画像処理装置は、ウェブブラウザ機能を有し、
前記サーバ装置は、前記画像処理装置に前記操作画面を表示するための前記画面情報としてHTMLファイルを送信するウェブサーバ機能を有することを特徴とする請求項7または8に記載のサーバ装置。
【請求項10】
ネットワークを介して外部装置と接続された画像処理装置の制御方法であって、
前記外部装置に情報を入力するとともに該入力した情報を前記外部装置の設定情報として設定することを指示するための第1の指示手段を含む画面情報を、前記外部装置に対して要求する要求工程と、
前記要求工程での要求に対する前記外部装置からの応答に基づいて操作画面を表示手段に表示する表示工程と、
前記表示工程で前記操作画面を表示する際に、前記画像処理装置に現在設定されている設定情報を前記外部装置の設定情報として設定することを指示するための第2の指示手段をユーザに提示する提示工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項11】
ネットワークを介して画像処理装置と接続されたサーバ装置の制御方法であって、
前記画像処理装置から、前記サーバ装置に情報を入力するとともに該入力した情報を前記サーバ装置の設定情報として設定することを指示するための第1の指示手段を含む画面情報の要求を受け付ける受付工程と、
前記受付工程で前記要求を受け付けた場合に、当該要求を行った画像処理装置が特定の画像処理装置であるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程における判定の結果、前記要求を行った画像処理装置が特定の画像処理装置であると判定された場合に、前記画像処理装置の記憶手段に記憶されている情報の中からユーザにより選択された情報を前記サーバ装置に入力することにより該選択された情報を前記サーバ装置の設定情報として設定することを指示するための前記第1の指示手段と、前記画像処理装置に現在設定されている設定情報を読み出して前記サーバ装置に入力することにより、該読み出した設定情報を前記サーバ装置の設定情報として設定することを指示するための第2の指示手段とを含む操作画面を表示するための画面情報を、前記要求を行った画像処理装置に送信する送信工程と、
を備えることを特徴とするサーバ装置の制御方法。
【請求項12】
請求項10に記載の画像処理装置の制御方法または請求項11に記載のサーバ装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−191685(P2010−191685A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35399(P2009−35399)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】