説明

画像処理装置、方法及びプログラム

【課題】撮像装置において、対象物の検出においてユーザが容易に自分の所望する検出率と検出速度のバランスをとることができるようにする。
【解決手段】撮像装置は、被写体を撮像して取得した画像データを取得する撮像手段と、画像データから所定の対象物を検出する対象物検出手段と、対象物検出手段の検出条件を、ユーザが検出率重視及び検出速度重視のどちらか一方を選択して設定可能な検出条件設定手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタルカメラ等の撮像装置に関し、特に対象物検出機能を備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置において、撮影画像から顔等の対象物を検出する対象物検出機能を備えた撮像装置が提案されている。このような撮像装置では、対象物検出機能による対象物の検出結果に基づいて自動露出制御や自動合焦制御等を行って被写体を撮像する撮像方法や、顔検出機能によって検出された顔の向いている方向を判定し、この判定結果に応じて被写体記録動作を行うことにより、正面を向いた顔を確実に撮影できるようにしたもの(特許文献1)等が提案されている。
【0003】
また撮影画像から顔の向きを自動的に検出し、その顔の向きから正面を向いた顔画像を選別して照合用の正面顔画像と照合することにより特定の個人の認証を行う認証装置が開示されている(特許文献2)。
【0004】
また顔検出機能においては、顔の検出時に撮影環境によっては顔が検出できなかったり、検出精度が悪かったり等の問題が生じる場合がある。そこで人物を含む撮影シーンを想定した撮影モードが設定されたときにのみに顔検出を行うようにした撮像装置が開示されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−51338号公報
【特許文献2】特開2002−288670号公報
【特許文献3】特開2006−229367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
顔検出機能を使用するときに、様々な向きや大きさ等、複数の異なる状態の顔を検出するように検出対象の範囲を広げる場合には、様々な状態の顔が検出可能になるが、同時に誤検出が増えてしまう虞がある。また検出対象の範囲が広がることにより、検出にかかる時間が長くなってしまうため、追従性が悪くなってしまう場合がある。ここで言う検出対象の範囲とは、空間的な検出範囲(位置)だけでなく、検出すべき対象物の状態(大きさ、向き、傾き、など)のバリエーションの意味も含む。
【0007】
一方、顔検出機能を使用して撮影を行う際、顔検出の速度を重視したい場合や顔検出率を重視したい場合等、撮影シーンによってユーザの要求が変化する場合があり、このような場合に、上記従来の顔検出機能では顔検出の条件を設定や変更することが困難である。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、対象物の検出においてユーザが容易に自分の所望する検出率と検出速度のバランスをとることができる撮像装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮像装置は、被写体を撮像して画像データを取得する撮像手段と、
画像データから所定の対象物を検出する対象物検出手段と、
対象物検出手段の検出条件をユーザが検出率重視及び検出速度重視のどちらか一方を選択して設定可能な検出条件設定手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の撮像装置は、被写体を撮像して画像データを取得する撮像手段と、
画像データから所定の対象物を検出する対象物検出手段と、
対象物検出手段の検出条件を、ユーザが検出率重視と検出速度重視との間を段階的に区画した複数の区画点の中から一つを選択して設定可能な検出条件設定手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0011】
なお「検出率重視と検出速度重視との間を段階的に区画した複数の区画点」は、検出率重視及び検出速度重視そのものを含めた点も区画点として含むものとする。
【0012】
本発明の撮像装置は、検出条件が、対象物の向き、大きさ、傾き、検出領域の少なくとも1つを制限するものであることが好ましい。
【0013】
本発明の撮像装置は、検出条件が、検出速度重視が検出率重視よりも検出対象の範囲が狭くなるように設定されていることが好ましい。
【0014】
また本発明の撮像装置は、検出条件設定手段により設定された検出条件を表示する検出条件表示手段を備えることができる。
【0015】
この場合、検出条件表示手段は、検出条件を図示表示することができる。
【0016】
また検出条件表示手段が、撮像手段による前記撮像中に、前記表示することができる。
【0017】
また本発明の撮像装置は、画像データから生成された画像ファイルを外部記録メディア又は内部メモリに記録する記録手段を備え、
記録時に、検出条件を画像ファイルのタグ情報に記載するタグ情報記載手段をさらに備えてもよい。
【0018】
この場合、外部記録メディア又は内部メモリに記録された画像ファイルを表示手段に表示する表示制御手段を備え、
表示手段に画像ファイルを表示するときに、該画像ファイルのタグ情報に記載された検出条件を表示手段に表示するタグ情報表示制御手段をさらに備えてもよい。
【0019】
また検出条件設定手段が、画像ファイルのタグ情報に記載された検出条件とは異なる検出条件を再設定可能なものであり、
対象物検出手段が、外部記録メディア又は内部メモリに記録された画像ファイルの画像データに対して、検出条件設定手段により再設定された検出条件に基づいて検出を行うことができる。
【0020】
また異なる検出条件が、画像ファイルのタグ情報に記載された検出条件よりも検出対象の範囲が広いものであってもよいし、狭いものであってもよい。
【0021】
また本発明の撮像装置は、検出条件設定手段が、画像ファイルのタグ情報に記載された検出条件を取得し、該取得した検出条件を保持可能なものであり、
対象物検出手段が、保持された検出条件に基づいて検出を行うことができる。
【0022】
この場合、保持された検出条件に基づく検出は、撮像手段により取得された画像データに対して行ってもよいし、外部記録メディア又は内部メモリに記録された画像ファイルの画像データに対して行ってもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の撮像装置によれば、対象物検出手段の検出条件をユーザが検出率重視及び検出速度重視のどちらか一方を選択して設定可能なので、ユーザが、検出条件の設定による効果を分かり易い形で明示した「検出率重視」及び「検出速度重視」のどちらか一方を選択して検出条件を設定することができ、顔検出の検出対象となる範囲を広げたり、狭めたりした場合に、結果的にどのような効果になるのかユーザが分かり難くなるのを防止して、ユーザが検出条件を、撮影シーンに応じて自分の所望する検出率と検出速度のバランスで容易に設定することができる。
【0024】
また本発明の撮像装置によれば、対象物検出手段の検出条件をユーザが検出率重視と検出速度重視との間を段階的に区画した複数の区画点の中から一つを選択して設定可能なので、ユーザが、検出条件の設定による効果を分かり易い形で明示した「検出率重視」と「検出速度重視」との間を段階的に区画した複数の区画点の中から一つを選択して検出条件を設定することができ、顔検出の検出対象となる範囲を広げたり、狭めたりした場合に、結果的にどのような効果になるのかユーザが分かり難くなるのを防止して、ユーザが検出条件を、撮影シーンに応じて自分の所望する検出率と検出速度のバランスで容易に詳細に設定することができる。
【0025】
これにより例えば運動会等の動きの多い撮影シーンではユーザが「検出速度重視」を選択することにより、容易に顔の検出速度を早くすることができ、集合写真等を撮影するときにはユーザが「検出率重視」を選択することにより、容易に顔の検出率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】デジタルカメラの背面斜視図
【図2】デジタルカメラの前面斜視図
【図3】デジタルカメラの機能ブロック図
【図4】検出条件を設定するときのメニュー画面の表示例
【図5】検出条件を設定するときの顔検出設定処理のフローチャート
【図6】検出条件を設定するときのメニュー画面の別の表示例
【図7】検出条件を設定するときの顔検出設定処理の別のフローチャート
【図8】デジタルカメラの一連の処理のフローチャート
【図9】第二の実施形態のデジタルカメラの機能ブロック図
【図10】図9のデジタルカメラにおいて検出条件を設定するときの(a)メニュー画面の表示例及び(b)図示表示例
【図11】図10の顔検出条件設定処理のフローチャート
【図12】検出条件を設定したときの表示例
【図13】検出条件を設定したときの別の表示例
【図14】図12の顔検出条件設定処理のフローチャート
【図15】第三の実施形態のデジタルカメラの機能ブロック図
【図16】タグ情報の一例
【図17】画像ファイル再生時の表示例
【図18】画像再生処理のフローチャート
【図19】(a)撮影時の検出条件設定での顔検出結果の表示例、(b)記録後の顔検出結果の表示例
【図20】記録後の画像データに対する顔検出処理のフローチャート
【図21】追加記載されたタグ情報の一例
【図22】記録後の画像データに対する顔検出処理の第二のフローチャート
【図23】記録後の画像データに対する顔検出処理の第三のフローチャート
【図24】画像ファイル再生時の表示例
【図25】画像再生処理の第二のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の撮像装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施の形態では、本発明における撮像装置としてデジタルカメラを例に説明するが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、例えば、カメラ付き携帯電話、カメラ付きPDA等、電子撮像機能を備えた他の電子機器に対しても適用可能である。
【0028】
図1及び図2は、デジタルカメラの一例を示すものであり、それぞれ背面側及び前面側から見た外観図である。デジタルカメラ1の本体10の背面には、図1に示す如く、撮影者による操作のためのインターフェースとして、動作モードスイッチ11、メニュー/OKボタン12、ズーム/上下レバー13、左右ボタン14、Back(戻る)ボタン15、表示切替ボタン16が設けられ、更に撮影のためのファインダ17、撮影並びに再生のためのモニタ18及びレリーズボタン(撮影指示手段)19、顔検出ボタン27が設けられている。
【0029】
動作モードスイッチ11は、静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モードの各動作モードを切り替えるためのスライドスイッチである。メニュー/OKボタン12は、押下される毎に撮影モード、フラッシュ発光モード、セルフタイマーON/OFF、記録画素数や感度等の設定を行うための各種メニューをモニタ18に表示させたり、モニタ18に表示されたメニューに基づく選択・設定を決定したりするためのボタンである。
【0030】
ズーム/上下レバー13は、上下方向に倒すことによって、撮影時には望遠/広角の調整が行われ、各種設定時にはモニタ18に表示されるメニュー画面中のカーソルが上下に移動して表示される。左右ボタン14は、各種設定時にモニタ18に表示されるメニュー画面中のカーソルを左右に移動して表示させるためのボタンである。
【0031】
Back(戻る)ボタン15は、押下されることによって各種設定操作を中止し、モニタ18に1つ前の画面を表示するためのボタンである。表示切替ボタン16は、押下することによってモニタ18の表示のON/OFF、各種ガイド表示、文字表示のON/OFF等を切り替えるためのボタンである。ファインダ17は、ユーザが被写体を撮影する際に構図やピントを合わせるために覗くためのものである。ファインダ17から見える被写体像は、本体10の前面にあるファインダ窓23を介して映し出される。顔検出ボタン27は、後述の顔検出部65による顔検出のON/OFFを切り替えるためのボタンである。
【0032】
以上説明した各ボタン及びレバーの操作によって設定された内容は、モニタ18中の表示や、ファインダ17内のランプ、スライドレバーの位置等によって確認可能となっている。また、モニタ18には、撮影の際に被写体確認用のスルー画像が表示される。これにより、モニタ18は電子ビューファインダとして機能する他、撮影後の静止画や動画の再生表示、各種設定メニューの表示を行う。ユーザによってレリーズボタン19が半押し操作されると、後述するAE処理及びAF処理が行われ、レリーズボタン19が全押し操作されると、AE処理及びAF処理によって出力されたデータに基づいて撮影が行われ、モニタ18に表示された画像が撮影画像として記録される。
【0033】
更に、本体10の前面には、図2に示す如く、撮影レンズ20、レンズカバー21、電源スイッチ22、ファインダ窓23、フラッシュライト24、セルフタイマーランプ25及びAF補助光28が設けられ、側面にはメディアスロット26が設けられている。
【0034】
撮影レンズ20は、被写体像を所定の結像面上(本体10内部にあるCCD等)に結像させるためのものであり、フォーカスレンズやズームレンズ等によって構成される。レンズカバー21は、デジタルカメラ1の電源がオフ状態のとき、再生モードであるとき等に撮影レンズ20の表面を覆い、汚れやゴミ等から撮影レンズ20を保護するものである。
【0035】
電源スイッチ22は、デジタルカメラ1の電源のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。フラッシュライト24は、レリーズボタン19が押下され、本体10の内部にあるシャッタが開いている間に、撮影に必要な光を被写体に対して瞬間的に照射するためのものである。セルフタイマーランプ25は、セルフタイマーによって撮影する際に、シャッタの開閉タイミングすなわち露光の開始及び終了を被写体に知らせるためものである。
【0036】
AF補助光28は、例えばLEDで構成され、被写体に狭い範囲の光すなわち絞った光を長時間照射することのよって後述のAF処理をし易くするためのものである。メディアスロット26は、メモリカード等の外部記録メディア70が充填されるための充填口であり、外部記録メディア70が充填されると、データの読み取り/書き込みが行われる。
【0037】
図3にデジタルカメラ1の機能構成を示すブロック図を示す。図3に示す如く、デジタルカメラ1の操作系として、前述の動作モードスイッチ11、メニュー/OKボタン12、ズーム/上下レバー13、左右ボタン14、Back(戻り)ボタン15、表示切替ボタン16、レリーズボタン19、電源スイッチ22と、これらのスイッチ、ボタン、レバー類の操作内容をCPU75に伝えるためのインターフェースである操作系制御部74が設けられている。
【0038】
また、撮影レンズ20を構成するものとして、フォーカスレンズ20a及びズームレンズ20bが設けられている。これらの各レンズは、モータとモータドライバからなるフォーカスレンズ駆動部51、ズームレンズ駆動部52によってステップ駆動され、光軸方向に移動可能な構成となっている。フォーカスレンズ駆動部51は、AF処理部62から出力されるフォーカス駆動量データに基づいてフォーカスレンズ20aをステップ駆動する。ズームレンズ駆動部52は、ズーム/上下レバー13の操作量データに基づいてズームレンズ20bのステップ駆動を制御する。
【0039】
絞り54は、モータとモータドライバとからなる絞り駆動部55によって駆動される。この絞り駆動部55は、AE(自動露出)処理部63Aから出力される絞り値データに基づいて絞り54の絞り径の調整を行う。
【0040】
シャッタ56は、メカニカルシャッタであり、モータとモータドライバとからなるシャッタ駆動部57によって駆動される。シャッタ駆動部57は、レリーズボタン19の押下信号と、AE処理部63Aから出力されるシャッタ速度データとに応じてシャッタ56の開閉の制御を行う。
【0041】
上記光学系の後方には、撮影素子であるCCD(撮像手段)58を有している。CCD58は、多数の受光素子がマトリクス状に配置されてなる光電面を有しており、光学系を通過した被写体像が光電面に結像され、光電変換される。光電面の前方には、各画素に光を集光させるためのマイクロレンズアレイ(不図示)と、RGB各色のフィルタが規則的に配列されてなるカラーフィルタアレイ(不図示)とが配置されている。CCD58は、CCD制御部59から供給される垂直転送クロック信号及び水平転送クロック信号に同期して、画素毎に蓄積された電荷を1ラインずつ読み出して画像信号として出力する。各画素における電荷の蓄積時間(即ち露出時間)は、CCD制御部59から与えられる電子シャッタ駆動信号によって決定される。
【0042】
CCD58が出力する画像像信号は、アナログ信号処理部60に入力される。このアナログ信号処理部60は、画像信号のノイズ除去を行う相関2重サンプリング回路(CDS)と、画像信号のゲイン調整を行うオートゲインコントローラ(AGC)と、画像信号をデジタル画像データに変換するA/Dコンバータ(ADC)とからなる。そしてデジタル画像データは、画素毎にRGBの濃度値を持つCCD−RAWデータである。
【0043】
タイミングジェネレータ72は、タイミング信号を発生させるものであり、このタイミング信号がシャッタ駆動部57、CCD制御部59、アナログ信号処理部60に入力されて、レリーズボタン19の操作と、シャッタ56の開閉、CCD58の電荷取り込み、アナログ信号処理60の処理の同期が取られる。フラッシュ制御部73は、フラッシュライト24の発光動作を制御する。
【0044】
画像入力コントローラ61は、上記アナログ信号処理部60から入力されたCCD−RAWデータをフレームメモリ68に書き込む。このフレームメモリ68は、画像データに対して後述の各種デジタル画像処理(信号処理)を行う際に使用する作業用メモリであり、例えば、一定周期のバスクロック信号に同期してデータ転送を行うSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)から構成されている。
【0045】
表示制御部(表示制御手段)71は、フレームメモリ68に格納された画像データをスルー画像としてモニタ18に表示させるためのものであり、例えば、輝度(Y)信号と色(C)信号を一緒にして1つの信号としたコンポジット信号に変換して、モニタ18に出力する。スルー画像は、撮影モードが選択されている間、所定時間間隔で取得されてモニタ18に表示される。また、表示制御部71は、外部記録メディア70に記憶され、メディア制御部69によって読み出された画像ファイルに含まれる画像データに基づいた画像をモニタ18に表示させる。
【0046】
顔検出部(対象物検出手段)65は、フレームメモリ68に格納された画像データつまりスルー画像から人物の顔を検出する。具体的には、顔に含まれる顔の特徴を有する領域(例えば肌色を有する、目を有する、顔の形状を有する等)を顔領域として検出するが、これに限定されるものではない。そして顔検出ボタン27がONに設定された場合には常時スルー画像から顔の検出処理を行う。
【0047】
なお本実施形態ではスルー画像から顔を検出するが、プレ画像、又は外部記録メディア70や図示しない内部メモリ等に記録された画像データから顔を検出するようにしてもよい。なおプレ画像とは、レリーズボタン19が半押しされることによって発生する半押し信号を検出したCPU75がCCD58にプレ撮影を実行させた結果、フレームメモリ68に格納された画像データに基づいた画像である。また本発明において顔検出部65は、ソフトウェアにより構成されたものであっても単独でIC化されたものであってもよい。
【0048】
検出条件設定部(検出条件設定手段)66は、上記顔検出部65の検出条件をユーザが検出率重視及び検出速度重視のどちらか一方を選択して設定可能にする。なお検出条件設定部66については後で詳細に説明する。
【0049】
AF処理部62は、顔検出部65によって画像データから検出された顔検出結果に応じて焦点位置を検出し、フォーカスレンズ駆動量データを出力する(AF処理)。本実施の形態においては、焦点位置の検出方法としては、例えば、ピントが合った状態では画像の合焦評価値(コントラスト値)が高くなるという特徴を利用して、合焦位置を検出するパッシブ方式が適用される。
【0050】
AE処理部63Aは、顔検出部65によって画像データから検出された顔検出結果に応じて被写体輝度を測定し、測定した被写体輝度に基づいて絞り値やシャッタ速度等を決定し、絞り値データやシャッタ速度データを出力する。
【0051】
AWB処理部63Bは、撮影された画像に対してホワイトバランスを自動調整する。
【0052】
画像処理部64は、本画像の画像データに対してガンマ補正、シャープネス補正、コントラスト補正等の画質補正処理を施すと共に、CCD−RAWデータを輝度信号であるYデータと、青色色差信号であるCbデータ及び赤色色差信号であるCrデータとからなるYCデータに変換するYC処理を行う。この本画像とは、本撮影により得られた画像データつまりレリーズボタン19が全押しされることによってCCD58から画像信号が出力され、アナログ信号処理部60、画像入力コントローラ61経由でフレームメモリ68に格納された画像データに基づいた画像である。
【0053】
本画像の画素数の上限はCCD58の画素数によって決定されるが、例えば、ユーザが設定可能な画質設定(ファイン、ノーマル等の設定)により、記録画素数を変更することができる。一方、スルー画像やプレ画像の画素数は本画像より少なくてもよく、例えば、本画像の1/16程度の画素数で取り込まれてもよい。
【0054】
圧縮/伸長処理部67は、画像処理部64によって画質補正等の処理が行われた画像データに対して、例えばJPEG等の圧縮形式で圧縮処理を行って、画像ファイルを生成する。この画像ファイルには、各種データ形式に基づいて付帯情報が付加される。またこの圧縮/伸長処理部67は、再生モードにおいては外部記録メディア70から圧縮された画像ファイルを読み出し、伸長処理を行う。伸長後の画像データは表示制御部71に出力され、表示制御部71は画像データに基づいた画像をモニタ18に表示する。
【0055】
メディア制御部69は、図2におけるメディアスロット26に相当し、外部記録メディア70に記憶された画像ファイル等の読み出し、又は画像ファイルの書き込みを行う。
【0056】
CPU75は、各種ボタン、レバー、スイッチの操作や各機能ブロックからの信号に応じて、デジタルカメラ1の本体各部を制御する。またデータバス76は、画像入力コントローラ61、各種処理部62〜64、67、顔検出部65、検出条件設定部66、フレームメモリ68、各種制御部69、71、及びCPU75に接続されており、このデータバス76を介して各種信号、データの送受信が行われる。
【0057】
なお外部記録メディア70に画像ファイルを記録するときには、メディア制御部69が記録手段として機能し、不図示の内部メモリに画像ファイルを記録するときには、CPU75が記録手段として機能する。
【0058】
次に以上の構成のデジタルカメラ1の検出条件設定部66について図面を参照して詳細に説明する。図4は検出条件を設定するときのメニュー画面の表示例である。
【0059】
検出条件設定部66は、顔の検出条件として、検出する顔の向き、大きさ、傾き、検出領域等の条件を、ユーザが検出率重視及び検出速度重視のどちらか一方を選択して設定するものであり、図4に示す如く、メニュー画面91で顔検出設定92が選択されたときに、ユーザが「検出率重視」又は「速度重視」を選択93することができる。
【0060】
ここで図5に、図4の顔検出条件設定処理のフローチャートを示す。顔検出条件設定処理は、図5に示す如く、先ずCPU75が、検出率重視が選択されているか否かを判別し(ステップS1)、検出率重視が選択93されている場合(ステップS1;YES)には、検出条件設定部66が全ての顔を検出対象として検出条件を設定する(ステップS2)。
【0061】
一方、ステップS1にて検出率重視が選択されていない場合(ステップS1;NO)には、ユーザが速度重視を選択しているものとして検出条件設定部66が、顔の向きの検出条件を正面顔以外は検出対象外として設定し(ステップS3)、顔の傾きの検出条件を±30°より傾いた顔は検出対象外として設定する(ステップS4)。
【0062】
そしてさらに検出条件設定部66は、顔の大きさの検出条件を画像短辺の1/6より小さい顔は検出対象外として設定し(ステップS5)、検出領域の検出条件を長さ比で、中央から50%より外側は検出対象外として設定する(ステップS6)。
【0063】
なお「速度重視」が選択されたときには、顔検出にかかる時間を短くして追従性を良くするために、「検出率重視」が選択されたときよりも検出対象となる顔が少なくなるように、顔の向き、傾き、大きさ、検出領域等の検出条件を制限して設定する。
【0064】
また「速度重視」が選択されたときの検出条件及び「検出率重視」が選択されたときの検出条件はデジタルカメラ1の設計者によって予め決定されていてもよいし、ユーザが個別に設定可能にしてもよい。
【0065】
このようにデジタルカメラ1によれば、ユーザが、検出条件の設定による効果を分かり易い形で明示した「検出率重視」及び「検出速度重視」のどちらか一方を手動によって選択して検出条件を設定することができるので、顔検出の検出対象となる範囲を広げたり、狭めたりした場合に、結果的にどのような効果になるのかユーザが分かり難くなるのを防止し、ユーザが検出条件を、撮影シーンに応じて自分の所望する検出率と検出速度のバランスで容易に設定することができる。これにより例えば運動会等の動きの多い撮影シーンではユーザが「検出速度重視」を選択することにより、容易に顔の検出速度を早くすることができ、集合写真等を撮影するときにはユーザが「検出率重視」を選択することにより、容易に顔の検出率を向上させることができる。
【0066】
なお「検出率重視」又は「速度重視」の選択は、上述のような二択方式ではなく段階的に選択可能な方式であってもよい。ここで図6に検出条件を設定するときのメニュー画面の別の表示例、図7に図6の顔検出条件設定処理のフローチャートを示す。
【0067】
段階的に選択可能な方式は、図6に示す如く、検出率重視と速度重視とを例えば7段階に区画し、この区画点に、1〜7の数字を横に配列して表示94して、ユーザが例えば左右ボタン14等を操作することによりカーソル94aを移動させていずれかの数字を選択可能にする。このとき区画点は、検出率重視及び速度重視そのものを含めた点も含むように検出率重視の区画点を「1」、速度重視の区画点を「7」として表示する。
【0068】
顔検出設定処理は、図7に示す如く、先ずCPU75が、図6の表示94にて選択された数字がいずれであるかを判別するために、「1」が選択されたか否かを判別する(ステップS10)。そして「1」が選択された場合(ステップS10;YES)には、検出条件設定部66が、ユーザが最も検出率を重視していると判断して、全ての顔を検出対象として検出条件を設定する(ステップS11)。
【0069】
一方「1」が選択されていない場合(ステップS10;NO)には、CPU75は「2」が選択されたか否かを判別する(ステップS12)。そして「2」が選択された場合(ステップS12;YES)には、検出条件設定部66が、ユーザが「1」の次に検出率を重視していると判断して、顔の向きの検出条件を全ての向きが検出対象として設定し(ステップS13)、顔の傾きの検出条件を全ての傾きが検出対象として設定し(ステップS14)、顔の大きさの検出条件を検出できる限り小さい顔まで検出対象として設定し(ステップS15)、検出領域の検出条件を長さ比で、中央から80%より外側は検出対象外として設定する(ステップS16)。
【0070】
また「2」が選択されていない場合には、CPU75は「3」が選択されたか否かを判別し(ステップS17)、「3」が選択されている場合(ステップS17;YES)には、「2」の次に検出率を重視している、つまり「2」よりも検出速度を重視しているとして、検出条件設定部66が、「2」よりも検出対象となる顔が少なくなるように、顔の向き、傾き、大きさ、検出領域等の検出条件を制限して設定する。
【0071】
そして検出条件設定部66は、「7」が選択された場合に最も検出速度が速くなるように、すなわち検出対象となる顔が最も少なくなるように、顔の向き、傾き、大きさ、検出領域等の検出条件を制限して設定し、「4」〜「6」が選択された場合には、上記と同様にして、選択された数字が大きいほど検出対象となる顔が最も少なくなるように、検出条件を設定する。
【0072】
このようにして「検出率重視」と「検出速度重視」とを段階的に選択可能にする。このとき「1」〜「7」が選択されたときの検出条件は予めデジタルカメラ1の設計者によって決定されていてもよいし、ユーザが個別に設定可能にしてもよい。
【0073】
以上のようにして、ユーザが検出条件の設定による効果を分かり易い形で明示した「検出率重視」と「検出速度重視」との間を段階的に区画した区画点すなわち「1」〜「7」の数字の中から一つを手動によって選択することにより検出条件を設定することができるので、顔検出の検出対象となる範囲を広げたり、狭めたりした場合に、結果的にどのような効果になるのかユーザが分かり難くなるのを防止し、ユーザが検出条件を、撮影シーンに応じて自分の所望する検出率と検出速度のバランスで容易に詳細に設定することができる。これにより例えば運動会等の動きの多い撮影シーンではユーザが「検出速度重視」側の数字を選択することにより、容易に顔の検出速度を早くすることができ、集合写真等を撮影するときにはユーザが「検出率重視」側の数字を選択することにより、容易に顔の検出率を向上させることができる。
【0074】
次に上述のように顔検出条件が設定されたデジタルカメラ1の一連の処理を説明する。ここで図8にデジタルカメラ1の一連の処理のフローチャートを示す。
【0075】
まず図8に示す如く、CPU75が動作モードスイッチ11の設定に従って、動作モードが撮影モードであるか再生モードであるか判別する(ステップS30)。再生モードの場合(ステップS30;再生)、再生処理が行われる(ステップS33)。この再生処理は、メディア制御部69が外部記録メディア70に記憶された画像ファイルを読み出し、画像ファイルに含まれる画像データに基づいた画像をモニタ18に表示させるための処理である。再生処理が終了したら、CPU75はデジタルカメラ1の電源スイッチ22によってオフ操作がなされたか否かを判別し(ステップS32)、オフ操作がなされていなかったら(ステップS32;NO)、CPU75はステップS30へ処理を移行し、オフ操作がなされていたら(ステップS32;YES)、デジタルカメラ1の電源をオフし、処理を終了する。
【0076】
一方、ステップS30において動作モードが撮影モードであると判別された場合(ステップS30;撮影)、CPU75はスルー画像の表示制御を行う(ステップS31)。そして次にCPU75は、顔検出ボタン27がONに設定されているか否かを判別する(ステップS32)。ONに設定されている場合(ステップS32;YES)には、顔検出部65が検出条件設定部66により上述のように設定された検出条件に基づいて常時スルー画像から顔の検出処理を行い(ステップS33)、ONに設定されていない場合(ステップS32;NO)には、CPU75は処理をステップS34へ移行する。
【0077】
そして次にCPU75は、レリーズボタン19が半押しされたか否かを判別し(ステップS34)、半押しがされていない場合(ステップS34;NO)には、CPU75はステップS31へ処理を移行して、以降の処理を繰り返す。
【0078】
またレリーズボタン19が半押しされた場合(ステップS34;YES)には、AE処理部63AがAE処理を行い(ステップS35)、AF処理部62がAF処理を行う(ステップS36)。なおこのときAWB処理部63BによりAWB処理が行われてもよい。
【0079】
そして次にCPU75は、レリーズボタン19が全押しされたか否かを判別し(ステップS37)、全押しされていない場合(ステップS37;NO)には、レリーズボタン19が半押し解除されたか否かを判別する(ステップS38)。そして半押し解除されていない場合は(ステップS38;NO)CPU75はステップS37へ処理を移行し、半押し解除されている場合は(ステップS38;YES)CPU75はステップS31へ処理を移行する。
【0080】
一方、レリーズボタン19が全押しされた場合(ステップS37;YES)には、本撮影を行う(ステップS39)。そして本撮影が行われる(ステップS39)と、本撮影により取得された本画像に対して画像処理部64が画像処理を施す(ステップS40)。なおこのとき画像処理が施された本画像データに対してさらに圧縮/伸長処理部67によって圧縮処理が施されて画像ファイルが生成されてもよい。
【0081】
次にCPU75は、画像処理が施された本画像を、表示制御部71を介してモニタ18に表示する処理を行うともにメディア制御部69を介して外部記録メディア70に記録する(ステップ41)。そしてCPU75は電源スイッチ22によってオフ操作がなされたか否かを判別し(ステップS42)、オフ操作がなされていたら(ステップS42;YES)、デジタルカメラ1の電源をオフし、処理を終了する。オフ操作がなされていなかったら(ステップS42;NO)、ステップS30へ処理を移行し、ステップS30以降の処理を繰り返す。このようにしてデジタルカメラ1による撮影は行われる。
【0082】
次に本発明にかかる第二の実施形態のデジタルカメラ1−2について図面を参照して詳細に説明する。図9はデジタルカメラ1−2の機能構成を示すブロック図、図10は検出条件を設定するときの(a)メニュー画面の表示例及び(b)図示表示例である。
【0083】
本実施形態のデジタルカメラ1−2は、図9に示す如く、上記実施形態のデジタルカメラ1の構成に検出条件表示部(検出条件表示手段)77をさらに備えたものである。なお本実施形態のデジタルカメラ1−2は上述した実施形態のデジタルカメラ1と同じ箇所は同符号で示して説明を省略する。
【0084】
検出条件表示部77は、検出条件設定部66により設定された検出条件を表示するものであり、例えば検出条件として検出領域を表示して確認する場合には、図10(a)に示す如く、確認する検出条件を選択する選択項目96をモニタ18に表示し、ユーザが例えばズーム/上下レバー13を操作することにより「エリア」を指定可能にする。
【0085】
そして設定確認図示を「する」か、又は「しない」を選択する選択項目97をモニタ18に表示し、ユーザが例えば左右ボタン14を操作することにより「する」を選択した場合には、図10(b)に示す如く、画面左側にエリア設定99を表示し、画面右側に検出領域の設定結果すなわち顔の検出条件を図示表示する。
【0086】
この図示表示は、図10(b)に示す如く、モニタ18に、モニタ18の画面全体18’と、画面全体18’において検索領域となる検出対象エリアSを表示し、例えば画面全体18’の上方に、図10(a)の項目93で「速度重視」が選択されたときに、検出速度重視で予め設定されている長さ比の値(本実施形態では50%)に基づいて「中央50%の内側」を表示し、下方右側に「斜線が対象エリア」を表示する。
【0087】
そして、上記と同様に図示表示された検出条件で設定してよいか否かを選択する項目98を設定画面の下方に表示し、ユーザが例えば左右ボタン14を操作することにより「OK」又は「NG」を選択可能にする。こうすることにより、検出条件設定部66により選択された「検出速度重視」で予め設定されている検出条件に基づく検出領域の範囲が、ユーザの意図するものであるか否かを視覚的に確認することができるので、ユーザが意図しない検出条件が設定されるのを防止することができる。
【0088】
ここで図11に、図10(a)、図10(b)の顔検出条件設定処理のフローチャートを示す。先ずCPU75は、図10(a)において「検出率重視」が選択93されたか否かを判別し(ステップS50)、「検出率重視」が選択93されていない場合(ステップS50;NO)には、CPU75はユーザによる設定の確認を行って(ステップS51)、ユーザにより指定された検出条件(本実施形態では検出領域)を確認する(ステップS52)。
【0089】
そしてCPU75は、図10(a)において設定確認図示を「する」が選択97されたか否かを判別し(ステップS53)、「する」が選択されていない場合(ステップS53;NO)には、検出速度重視で予め設定されている検出領域の検出条件を図示せずに検出対象として設定する(ステップS54)。
【0090】
一方、「する」が選択されている場合(ステップS53;YES)には、検出条件表示部77が、検出条件設定部66により選択された速度重視で予め設定されている検出領域の検出条件に基づく検出対象を、図10(b)に示すように図示表示し(ステップS55)、CPU75は設定「OK」が選択されたか否かを判別する(ステップS56)。
【0091】
そして設定「OK」が選択されている場合(ステップS56;YES)には、CPU75は処理をステップS54へ移行し、設定された検出条件の範囲を検出対象として設定する(ステップS54)。なおこのときユーザが例えば「傾き」等の別の検出条件を、確認図示したい場合には、ユーザが設定「NG」を選択し、図10(a)に示す設定画面にて確認条件95を傾き96にし、この傾きの検出条件を図示表示させることができる。
【0092】
一方、設定「OK」が選択されていない場合(ステップS56;NO)には、CPU75は検出領域の検出対象の範囲が、ユーザが所望するものではないと判断し、ユーザが「検出率重視」又は「速度重視」を再設定可能なようにモニタ18の表示を図10(a)の設定画面へ戻し(ステップS57)、ステップS50へ処理を移行する。
【0093】
またステップS50にて「検出率重視」が選択されている場合(ステップS50;YES)には、全ての顔を検出対象として顔検出条件を設定する(ステップS58)。このようにして顔検出条件設定の処理を行う。
【0094】
以上にように検出条件設定部77によりユーザが選択した「検出率重視」又は「検出速度重視」に基づいて予め設定された検出条件を図示表示することにより、設定されている検出対象範囲が、ユーザが意図するものであるか否かを視覚的に確認することができるので、検出条件の誤設定を防止できて、ユーザが意図しない向きや大きさ等の顔が検出されるのを防止することができる。
【0095】
なお本実施形態のデジタルカメラ1−2では、顔の検出条件を図示表示するものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば文字等によって表示するものであってもよい。ここで図12の(a)に検出率重視が選択されたときの表示例、(b)に検出速度重視が選択されたときの表示例、図13の(a)に検出率重視が選択されたときの別の表示例、(b)に検出速度重視が選択されたときの別の表示例を示す。
【0096】
ユーザにより「検出率重視」が選択された場合には、ユーザが検出率を重視している旨を、例えば図12(a)に示す如く、画面左上に「検出率優先」Aを表示する。またユーザにより「速度重視」が選択された場合には、ユーザが検出速度を重視している旨を、例えば図12(b)に示す如く、画面左上に「検出速度優先」A’を表示する。
【0097】
ここで図14に顔検出条件設定処理のフローチャートを示す。図14に示す如く、先ずCPU75が、検出率重視が選択されているか否かを判別し(ステップS60)、検出率重視が選択されている場合(ステップS60;YES)には、検出条件設定部66が全ての顔を検出対象として検出条件を設定して(ステップS61)、図12(a)に示す如く、検出条件表示部77が「検出率優先」Aを表示する(ステップS62)。
【0098】
一方、ステップS60にて検出率重視が選択されていない場合(ステップS60;NO)には、ユーザが速度重視を選択しているものとして検出条件設定部66が、顔の向きの検出条件を正面顔以外は検出対象外として設定し(ステップS63)、顔の傾きの検出条件を±30°より傾いた顔は検出対象外として設定する(ステップS64)。
【0099】
そしてさらに検出条件設定部66は、顔の大きさの検出条件を画像短辺の1/6より小さい顔は検出対象外として設定し(ステップS65)、検出領域の検出条件を長さ比で、中央から50%より外側は検出対象外として設定して(ステップS66)、図12(b)に示す如く、検出条件表示部77が「検出速度優先」A’を表示する(ステップS67)。このようにして設定処理を行う。
【0100】
なお上記表示は、顔検出部65による顔検出が開始される前に行い、表示された「検出率優先」又は「検出速度優先」つまり「検出率重視」又は「速度重視」の検出条件で設定してもよいか否かをユーザによって選択可能としてもよい。この場合には、検出条件設定部66により設定された検出条件が、ユーザの意図する検出率重視の検出条件又は検出速度重視の検出条件であるか否かを視覚的に確認することができるので、ユーザが意図しない検出条件が設定されるのを防止することができる。
【0101】
またこの表示は、図12(a)、図12(b)に示す如く、顔検出部65による顔検出結果である顔検出枠Fと共にスルー画像に表示させてもよい。この場合、ユーザにより「検出率重視」が選択された場合には、図13(a)に示す如く、検出された顔を囲む枠Fを実線で表示し、ユーザにより「速度重視」が選択された場合には、図13(b)に示す如く、検出された顔を囲む枠Fを点線で表示すようにして検出率重視と検出速度重視とを区別するようにしてもよい。このとき枠Fの色、形状、線種等を変化させることにより前記区別させることができる。
【0102】
このように、ユーザが設定した検出条件が検出率重視と検出速度重視のどちらで設定されたものであるのか、撮像画面上に表示することにより、ユーザが意図しない検出条件での顔検出結果が例えばAF処理等に利用されるのを防止することが可能となる。
【0103】
次に本発明にかかる第三の実施形態のデジタルカメラ1−3について図面を参照して詳細に説明する。図15はデジタルカメラ1−3の機能構成を示すブロック図、図16は画像ファイルに記載されるタグ情報の一例、図17は画像ファイル再生時の表示例である。
【0104】
本実施形態のデジタルカメラ1−3は、図15に示す如く、上記実施形態のデジタルカメラ1−2の構成にタグ情報記載部78及びタグ情報表示制御部79をさらに備えたものである。なお本実施形態のデジタルカメラ1−3は上述した実施形態のデジタルカメラ1−2と同じ箇所は同符号で示して説明を省略する。
【0105】
タグ情報記載部78は、圧縮/伸長処理部67等によって生成された画像ファイルを外部記録メディア70又は図示しない内部メモリに記録するときに、この画像ファイルのタグ情報に検出条件を記載する。記載されるタグ情報は、例えば図16に示す如く、顔検出設定120についての設定項目を顔検出ON/OFF121、向き122、傾き123、大きさ124、エリア125とし、設定結果を例えば顔検出ON/OFF121はON、向き122は正面、傾き123は全方向、大きさ124は1/8〜1/2、エリア125は中央50%の内側とする。なおこのときタグ情報には、ユーザが選択した「検出率重視」又は「速度重視」の情報も記載することができる。
【0106】
このようにタグ情報に検出条件を記載することにより、顔検出結果を利用する、例えば明るさ補正や色補正等のアプリケーションと連携するときに、アプリケーションとの親和性を強化することが可能となる。
【0107】
タグ情報表示制御部79は、上述のようにタグ情報記載部78によってタグ情報が記載された画像ファイルをモニタ18に表示するときに、タグ情報に記載された検出条件をモニタ18に表示する。ここで図18に画像再生処理のフローチャートを示す。
【0108】
画像再生処理は、デジタルカメラ1−3において動作モードが再生モードに設定されたときに行う処理(図8中ステップS43参照)であり、先ず図18に示す如く、メディア制御部69が外部記録メディア70に記憶された画像ファイルを読み出し(ステップS70)、CPU75はタグの情報表示がONに設定されているか否かを判別する(ステップS71)。このとき情報表示のON/OFFはユーザが各種ボタンやレバー等を操作することにより設定可能としてもよいし、タグに情報が記載されている場合に自動的にONに設定されるようにしてもよい。
【0109】
そしてONに設定されている場合(ステップS71;YES)には、タグ情報表示制御部79がファイル名、日時、絞り、シャッタスピードを表示項目A1として設定する(ステップS73)。
【0110】
次にCPU75は、顔検出部65がONに設定されているか否かを判別し(ステップS74)、ONに設定されていない場合(ステップS74;NO)には、タグ情報表示制御部79が、顔検出がOFFに設定されていることを表示項目A2として表示項目に追加設定して(ステップS75)、画像とタグ情報に記載された表示項目A1、A2をモニタ18に表示する(ステップS79)。
【0111】
このときの表示は、例えば図17(d)に示す如く、モニタ18に画像データを表示し、画像データが表示された画面下側に、表示項目A1としてタグ情報に記載された内容「DSCFXXXX、20XX.XX.XX、F5、1/180」を表示する。また画面上側に、表示項目A2-dとしてタグ情報に記載された内容「FACE DETECTION OFF」すなわち顔検出がOFFに設定されている旨を表示する。
【0112】
一方、ステップS74にて顔検出がONに設定されている場合(ステップS74;YES)には、タグ情報表示制御部79が、検出条件設定部66により設定された顔の検出条件を表示項目A2として表示項目に追加設定し(ステップS76)、CPU75は顔が見つかっているか否かを判別して(ステップS77)、顔が見つかっていない場合(ステップS77;NO)には、画像とタグ情報に記載された表示項目A1、A2をモニタ18に表示する(ステップS79)。
【0113】
このときの表示は、例えば図17(c)に示す如く、モニタ18に画像データを表示し、画像データが表示された画面下側に、表示項目A1としてタグ情報に記載された内容「DSCFXXXX、20XX.XX.XX、F5、1/180」を表示する。また画面上側に、表示項目A2-cとしてタグ情報に記載された検出条件として、例えば「LIMIDED(SIZE:1/8〜1/2 OK)(AREA:center 50% (inside)OK)」すなわち顔の大きさは撮像画像短辺に対する割合が1/8〜1/2の範囲を検出対象とし、検出領域は撮像画像において長さ比が中央の50%の内側として検出条件を制限する旨を表示する。このときタグ情報にユーザが選択した「検出率重視」又は「速度重視」が記載されている場合には、「検出率重視」又は「速度重視」をモニタ18に表示させてもよい。
【0114】
またステップS77にて顔が見つかっている場合(ステップS77;YES)には、タグ情報表示制御部79が、さらに顔の検出枠Fを表示項目に追加して(ステップS78)、画像、タグ情報に記載された表示項目A1、A2及び表示項目である検出枠Fを表示する(ステップS79)。
【0115】
このときの表示は、例えば図17(b)に示す如く、モニタ18に画像データを表示し、画像データが表示された画面下側に、表示項目A1としてタグ情報に記載された内容「DSCFXXXX、20XX.XX.XX、F5、1/180」を表示する。また画面上側に、表示項目A2-bとしてタグ情報に記載された検出条件、例えば「LIMIDED(SIZE:1/8〜1/2 OK)(AREA:center 50% (inside)OK)」すなわち顔の大きさは撮像画像短辺に対する割合が1/8〜1/2の範囲を検出対象とし、検出領域は撮像画像において長さ比が中央の50%の内側として検出条件を制限する旨を表示する。そしてさらに検出された顔を囲む検出枠Fを表示する。
【0116】
このときタグ情報にユーザが選択した「検出率重視」又は「速度重視」が記載されている場合には、「検出率重視」又は「速度重視」をモニタ18に表示させてもよい。
【0117】
なおタグ情報に記載された検出条件が全ての顔を検出対象とするものである場合には、図17(a)に示す如く、表示項目A2−aとして「FULL」すなわち全ての顔を検出対象とする旨を表示する。このときタグ情報にユーザが選択した「検出率重視」が記載されている場合には、「検出率重視」をモニタ18に表示させてもよい。
【0118】
またステップS71にて情報表示がONに設定されていない場合(ステップS71;NO)には、表示制御部71が画像のみをモニタ18に表示する(ステップS72)。このようにして画像再生処理を行う。
【0119】
検出条件設定部66により検出条件が変更可能である場合に、外部記録メディア70又は図示しない内部メモリに記録された画像データがどのような検出条件の設定で撮影したものなのか分からなくなってしまう可能性があるが、上記のように検出条件を画像ファイルのタグ情報に記載しておくことにより、画像再生時にこの記載された検出条件を読み出すことで、顔検出結果と共に、撮影時に設定されていた検出条件を表示することができる。
【0120】
これにより、例えば顔が検出されていなかった場合に、なぜ検出されなかったのかユーザが把握し易くなり、今後似たようなシーンの撮影を行う場合の検出条件の設定に役立てることが可能となるので、将来の撮影に対して適切な検出条件を設定することができる。
【0121】
次に本発明にかかる第四の実施形態のデジタルカメラ1−4について詳細に説明する。本実施形態のデジタルカメラ1−4は、上記実施形態のデジタルカメラ1−3の機能構成(図15参照)と概略同様の構成であるため、図示は省略する。
【0122】
本実施形態のデジタルカメラ1−4では、検出条件設定部66が、画像ファイルのタグ情報に記載された検出条件とは異なる検出条件を再設定可能なものであり、顔検出部65が、外部記録メディア70又は図示しない内部メモリに記録された画像ファイルの画像データに対して、検出条件設定部66により再設定された検出条件に基づいて顔の検出を行う。
【0123】
ここで図19(a)に撮影時の検出条件設定での顔検出結果の表示例、図19(b)に記録後の顔検出結果の表示例を示す。通常、画像ファイルの記録後に行う画像再生処理時には、撮影時と比較して時間に余裕がある場合が多い。そこで検出条件設定部66によって、画像再生処理を行う画像ファイルのタグ情報に記載された撮影時の検出条件とは異なる、例えば検出対象の範囲を広くした検出条件に再設定することにより、再設定前すなわち撮影時の検出条件に基づく顔検出では、図19(a)に示す如く、顔F1のみが検出されていても、記録後すなわち検出条件を再設定後には、図19(b)に示す如く、再生時に検出されなかった顔F2を検出させることが可能となる。
【0124】
図20は記録後の画像データに対する顔検出処理のフローチャートである。記録後の顔検出は、図21に示す如く、メディア制御部69が外部記録メディア70に記憶された画像ファイルを読み出す(ステップS80)。
【0125】
そして次に検出条件設定部66がタグ情報に記載された撮影時の顔の検出条件を取得し(ステップS81)、検出対象に制限があるか否かを判別する(ステップS82)。検出対象に制限がない場合(ステップS82;YES)には、撮影時に全ての顔が検出対象とされた検出条件で顔の検出が行われているので、タグ情報に記載する追加情報はなしとする(ステップS83)。
【0126】
一方検出対象に制限がある場合(ステップS82;NO)には、撮影時に検出対象が制限された検出条件で顔の検出が行われているので、検出条件設定部66が検出対象を制限しない、つまり全ての顔を検出対象として検出条件を再設定し、顔検出部65はこの再設定された検出条件に基づいて画像再生されている画像データから顔の検出を行う(ステップS84)。
【0127】
そしてタグ情報記載部78が、再設定された今回の検出条件及び検出結果をタグ情報に追加記載する(ステップS85)。
【0128】
ここで図21に、追加記載されたタグ情報の一例を示す。タグ情報は、例えば図22に示す如く、顔検出130について、撮影時131の設定132の項目を顔検出ON/OFF133、向き134、傾き135、大きさ136、エリア137とし、設定結果を例えば顔検出ON/OFF133はON、向き134は正面、傾き135は全方向、大きさ136は1/8〜1/2、エリア137は中央50%の内側として記載し、さらに顔検出の結果138の項目を検出顔数139、位置140、大きさ141とし、例えば図20(a)に示す結果として、検出顔数139は1、位置140は例えば画面中央を原点としたときの座標を用いたときには、顔F1[左下(XL、YL)右上(XR、YR)](図示せず)とし、大きさ141は顔F1[1/3](図示せず)として記載する。
【0129】
そして記録後142の設定143を検出対象制限なし144とし、顔検出の結果145を、上記と同様に、検出顔数146は2、位置147は顔F1[左下(XL1、YL1)右上(XR1、YR1)]、顔F2[左下(XL2、YL2)右上(XR2、YR2)](図示せず)とし、大きさ141は顔F1[1/3]、顔F2[1/4](図示せず)として追加記載する。以上のようにして顔の検出を行う。
【0130】
なお本実施形態ではタグ情報は、図21に示す如く、撮影時の設定及び結果すなわち顔検出情報に記録後の顔検出情報を追加して記載する形式としたが、例えば記録後つまり最新の顔検出情報が残るように上書きで記載する形式としてもよい。
【0131】
また図22に記録後の画像データに対する顔検出処理の別のフローチャートを示す。なお図22において図20のフローチャートと同じ処理は、同じステップ番号で示して説明は省略する。
【0132】
記録後の顔検出は、図22に示す如く、ステップS72にて検出対象に制限があると判別された場合(ステップS82;NO)には、撮影時に検出対象が制限された検出条件で顔の検出が行われているので、検出条件設定部66は撮影時に検出対象外であった顔を検出対象とするように検出条件を再設定して、顔検出部65はこの再設定された検出条件に基づいて画像再生されている画像データから顔の検出を行う(ステップS84’)。
【0133】
これにより、撮影時に検出された顔F1(図19(a)参照)以外の顔F2(図19(b)参照)を検出することが可能となり、タグ情報に顔検出結果145(図21参照)として顔F2の情報を追加して記載することが可能となる。
【0134】
以上のように、検出条件を再設定して記録後の画像データにおいて顔検出を行うことにより、撮影時には検出されなかった顔を、記録後の画像データから検出することが可能となるので、顔検出結果を利用する、例えば明るさ補正や色補正等のアプリケーションにおいて、より適切な処理を施すことが可能となる。
【0135】
なお本実施形態では検出条件設定部66が、検出条件を画像ファイルのタグ情報に記載された検出条件よりも検出対象の範囲が広くなるように再設定しているが、本発明はこれに限られるものではなく、検出対象の範囲が狭くなるように再設定してもよい。この場合、記録後に誤検出が見つかったときに、誤検出された顔を排除することができる可能性がある。
【0136】
次に図23に記録後の画像データに対する顔検出処理のさらに別のフローチャートを示す。なお図23において図20のフローチャートと同じ処理は、同じステップ番号で示して説明は省略する。
【0137】
記録後の顔検出は、図23に示す如く、ステップS82にて検出対象に制限があるとされて(ステップS82;NO)、検出条件設定部66が検出対象を制限しないで検出条件を再設定し、顔検出部65がこの再設定された検出条件に基づいて画像再生されている画像データから顔の検出を行った後(ステップS84)に、CPU75は表示制御部71を介して、この顔検出の結果をモニタ18に表示する(ステップS86)。
【0138】
次にCPU75は、ユーザによってタグ情報の更新が許可されたか否かを判別する(ステップS87)。このときユーザによる許可は、例えばモニタ18に前記更新を許可するか否かを表示し、ユーザが各種ボタンやレバー等を操作することにより選択するようにしてもよい。
【0139】
そしてCPU75が、タグ情報の更新が許可されたと判別した場合(ステップS87;YES)には、タグ情報記載部78が、再設定された今回の検出条件及び検出結果をタグ情報に追加記載する(ステップS85)。
【0140】
一方、タグ情報の更新が許可されていないと判別した場合(ステップS87;NO)には、タグ情報に記載する追加情報はなしとする(ステップS83)。
【0141】
これにより、ユーザが顔検出結果を確認後にタグ情報を追加記載するので、記録後の画像データに対する顔検出処理の結果が、例えば撮影時の顔検出では生じていなかった誤検出がある等、ユーザが所望する結果とは異なるものであった場合に、タグ情報の追加記載を行わないようにすることが可能となる。
【0142】
以上により、画像ファイルの記録後にその画像ファイルの撮影時とは異なる検出条件を再設定し、再生された前記画像ファイルの画像データに対して再設定された検出条件に基づいて顔の検出を行うことにより、その画像データにおいてより適切な顔検出の結果を得ることが可能となる。
【0143】
次に本発明にかかる第五の実施形態のデジタルカメラ1−5について詳細に説明する。本実施形態のデジタルカメラ1−5は、上記実施形態のデジタルカメラ1−4の機能構成と概略同様の構成であるため、図示は省略する。
【0144】
本実施形態のデジタルカメラ1−5では、検出条件設定部66が、前記画像ファイルのタグ情報に記載された検出条件を取得し、取得した検出条件を保持可能なものであり、顔検出部65が、保持された検出条件に基づいて顔の検出を行う。ここで図24に画像ファイル再生時の表示例、図25に画像再生処理のフローチャートを示す。なお図25において図18のフローチャートと同じ処理は、同じステップ番号で示して説明は省略する。
【0145】
デジタルカメラ1−5における画像再生処理は、図25に示す如く、ステップS74にて顔検出がONに設定されていた場合(ステップS74;YES)に、ステップS79にてタグ情報表示制御部79が、図24に示す如く、画像とタグ情報に記載された検出条件を含む表示項目A1、A2-b、顔が検出された場合には表示項目として検出枠Fをモニタ18に表示し(ステップS79)、さらにタグ情報に記載された検出条件での設定を保持するか否かをユーザに選択させる項目A3をモニタ18に表示させる。
【0146】
そしてCPU75は、ユーザが検出条件の保持を選択したか否かを判別し(ステップS90)、検出条件の保持が選択されている場合(ステップS90;YES)には、検出条件設定部66が、タグ情報に記載された検出条件を読み出して取得し、取得した検出条件を保持し、以後の顔検出条件として設定する(ステップS91)。
【0147】
一方、検出条件の保持が選択されていない場合(ステップS90;NO)には、検出条件を例えばデフォルトに設定して処理を終了する。
【0148】
上記のように、画像ファイルの再生処理を行うときに、その画像ファイルの撮影時における検出条件及び顔検出結果として検出枠Fがモニタ18に表示され、モニタ18に表示された検出条件で所望する顔検出結果が得られているか否かをユーザが確認し、所望する顔検出結果が得られている場合にはその検出条件を保持して、保持された検出条件を以後の顔検出に適用することができるので、顔検出部65はユーザが所望する顔検出処理を安定して行うことが可能となる。
【0149】
なお、保持された検出条件は、次回の撮影時に、スルー画像等のCCD58により取得された画像データに対して顔検出部65が行う顔検出処理に使用してもよいし、外部記録メディア70又は図示しない内部メモリに記録後に画像再生処理が行われた画像データに対して使用してもよい。
【0150】
このように、検出条件設定部66によりユーザが個別に検出条件を設定可能な場合に、ユーザが所望する顔検出結果を得られたことが確認された検出条件を保持することにより、顔検出部65はユーザが所望する顔検出処理を安定して行うことが可能となる。
【0151】
本発明の撮像装置は、上述した実施形態のデジタルカメラに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。
【符号の説明】
【0152】
1 デジタルカメラ(撮像装置)
18 モニタ
19 レリーズボタン(撮影指示手段)
58 CCD(撮像手段)
65 顔検出部(対象物検出手段)
66 検出条件設定部(検出条件設定手段)
69 メディア制御部(記録手段)
77 検出条件表示部(検出条件表示手段)
78 タグ情報記載部(タグ情報記載手段)
79 タグ情報表示制御部(タグ情報表示制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データから所定の対象物を検出する対象物検出手段と、
前記対象物検出手段の検出条件を、ユーザが設定可能な検出条件設定手段と、
前記画像データと前記検出条件設定手段により設定された検出条件が記載されたタグ情報とを有する画像ファイルを外部記録メディア又は内部メモリに記録する記録手段とを備え、
前記検出条件設定手段が、前記画像ファイルのタグ情報に記載された前記検出条件とは異なる検出条件を再設定可能なものであり、
前記対象物検出手段が、前記外部記録メディア又は前記内部メモリに記録された画像ファイルの画像データに対して、前記検出条件設定手段により再設定された検出条件に基づいて前記検出を行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記検出条件が、前記対象物の向き、大きさ、傾き、検出領域の少なくとも1つを制限するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記検出条件設定手段により設定された前記検出条件を表示する検出条件表示手段を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記検出条件表示手段が、前記検出条件を図示表示することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記外部記録メディア又は前記内部メモリに記録された画像ファイルを表示手段に表示する表示制御手段を備え、
前記表示手段に前記画像ファイルを表示するときに、該画像ファイルのタグ情報に記載された前記検出条件を前記表示手段に表示するタグ情報表示制御手段をさらに備えてなること特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記異なる検出条件が、前記画像ファイルのタグ情報に記載された前記検出条件よりも検出対象の範囲が広いものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記異なる検出条件が、前記画像ファイルのタグ情報に記載された前記検出条件よりも検出対象の範囲が狭いものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記検出条件設定手段が、前記画像ファイルのタグ情報に記載された前記検出条件を取得し、該取得した検出条件を保持可能なものであり、
前記対象物検出手段が、前記保持された検出条件に基づいて前記検出を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記保持された検出条件に基づく前記検出が、前記外部記録メディア又は前記内部メモリに記録された画像ファイルの画像データに対して行われることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
画像データと、ユーザによって設定され前記画像データから所定の対象物を検出する検出条件が記載されたタグ情報と、を有する画像ファイルを外部記録メディア又は内部メモリから読み込み、
前記画像ファイルのタグ情報に記載された前記検出条件とは異なる検出条件を再設定し、
前記外部記録メディア又は前記内部メモリに記録された画像ファイルの画像データに対して、前記再設定した検出条件に基づいて前記所定の対象物を検出することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
画像データと、ユーザによって設定され前記画像データから所定の対象物を検出する検出条件が記載されたタグ情報と、を有する画像ファイルを外部記録メディア又は内部メモリから読み込む手順と、
前記画像ファイルのタグ情報に記載された前記検出条件とは異なる検出条件を再設定する手順と、
前記外部記録メディア又は前記内部メモリに記録された画像ファイルの画像データに対して、前記再設定した検出条件に基づいて前記所定の対象物を検出する手順とをコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図25】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−182813(P2012−182813A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−98854(P2012−98854)
【出願日】平成24年4月24日(2012.4.24)
【分割の表示】特願2007−157533(P2007−157533)の分割
【原出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】