説明

画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム

【課題】実際の視環境と想定した視環境が異なる場合であっても、製作者の意図した3D画像をユーザが視聴できるようにする。
【解決手段】読出部51は、3D画像の画像データとともに、コンテンツ製作者により想定される視環境のパラメータである想定視環境パラメータを取得する。想定視環境パラメータは、補正処理部54に供給される。操作入力部55は、ユーザによって入力された3D画像を視聴するユーザの実際の視環境のパラメータである実視環境パラメータを取得し、補正処理部54に供給する。補正処理部54は、取得された想定視環境パラメータと実視環境パラメータの差に応じて3D画像を補正する。本発明は、例えば、取得された3D画像の画像データを処理する画像処理装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、およびプログラムに関し、特に、実際の視環境と想定した視環境が異なる場合であっても、製作者の意図した3D画像をユーザが視聴できるようにする画像処理装置、画像処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像コンテンツとしては2D画像が主流であるが、最近では、3D画像が注目を集めており、3D画像の表示装置や、3D画像の符号化と復号の方法について様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
3D画像は、左目で視認する左目用画像と右目で視認する右目用画像により構成され、左目用画像と右目用画像に所定の視差が設定されていることにより、視聴者が画像を立体的に知覚することができるものである。
【0004】
ここで、コンテンツの制作者は、3D画像を作成する場合、視距離、両眼視差、ディスプレイサイズなどの、ユーザの視聴環境(以下、視環境ともいう。)を予め想定し、視差量を設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−327430号公報
【特許文献2】特開2008−182669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ユーザの実際の視環境は製作者が想定した視環境とは異なる場合が多い。実際の視環境と想定した視環境が異なる場合には、3D画像の奥行きが変化してしまう。具体的には、画像の飛び出し量が大きすぎたり、小さすぎたりする。即ち、画像が製作者の想定より飛び出しすぎたり、引っ込みすぎたりする。また例えば、立方体が直方体に見えたりするなど、「奥行き」と「画面上の平面的な大きさ」の比が変わって立体的に歪む場合もある。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、実際の視環境と想定した視環境が異なる場合であっても、製作者の意図した3D画像をユーザが視聴できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面の画像処理装置は、3D画像の画像データとともに、想定される視環境のパラメータである想定視環境パラメータを取得する第1の取得手段と、前記3D画像を視聴するユーザの実際の視環境のパラメータである実視環境パラメータを取得する第2の取得手段と、取得された前記想定視環境パラメータと前記実視環境パラメータの差に応じて前記3D画像を補正する補正処理手段とを備える。
【0009】
本発明の第1の側面の画像処理方法は、データを取得する第1および第2の取得手段と、3D画像を補正する補正処理手段とを備える画像処理装置の、前記第1の取得手段が、前記3D画像の画像データとともに、想定される視環境のパラメータである想定視環境パラメータを取得し、前記第2の取得手段が、前記3D画像を視聴するユーザの実際の視環境のパラメータである実視環境パラメータを取得し、前記補正処理手段が、取得された前記想定視環境パラメータと前記実視環境パラメータの差に応じて前記3D画像を補正するステップを含む。
【0010】
本発明の第1の側面のプログラムは、コンピュータに、3D画像の画像データとともに、想定される視環境のパラメータである想定視環境パラメータを取得させ、前記3D画像を視聴するユーザの実際の視環境のパラメータである実視環境パラメータを取得させ、取得された前記想定視環境パラメータと前記実視環境パラメータの差に応じて前記3D画像を補正するステップを含む処理を実行させるためのものである。
【0011】
本発明の第1の側面においては、3D画像の画像データとともに、想定される視環境のパラメータである想定視環境パラメータが取得され、3D画像を視聴するユーザの実際の視環境のパラメータである実視環境パラメータが取得され、取得された想定視環境パラメータと実視環境パラメータの差に応じて3D画像が補正される。
【0012】
なお、プログラムは、伝送媒体を介して伝送することにより、又は、記録媒体に記録して、提供することができる。
【0013】
画像処理装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1乃至第4の側面によれば、実際の視環境と想定した視環境が異なる場合であっても、製作者の意図した3D画像をユーザが視聴できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用した記録装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の記録装置による記録処理を説明するフローチャートである
【図3】記録媒体に記録されるデータの階層構造を示す図である。
【図4】MPEG4のボックスの拡張領域の例を示す図である。
【図5】MPEG4のボックスの拡張領域の他の例を示す図である。
【図6】MPEG4のボックスの拡張領域のさらに他の例を示す図である。
【図7】本発明を適用した再生装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図8】図7の再生装置による再生処理を説明するフローチャートである。
【図9】補正処理部の第1の構成例を示すブロック図である。
【図10】仮想カメラ間隔画像の生成を説明する図である。
【図11】カメラ間隔を変更した場合の視差量の変化を示す図である。
【図12】スケーリング前後の左目用画像と右目用画像を示す図である。
【図13】スケーリング量を変更した場合の視差量の変化を示す図である。
【図14】各視環境パラメータと奥行きの関係を決定するのに必要な変数を説明する図である。
【図15】各視環境パラメータが変化したときの元の奥行きZと変化後の奥行きZa,Zb,Zcの関係を表す図である。
【図16】視距離が変化したときの補正量を説明する図である。
【図17】視距離が変化したときの補正量を説明する図である。
【図18】第1の補正処理の内容をまとめた図である。
【図19】補正処理部の第1の構成による補正処理を説明するフローチャートである。
【図20】補正処理部の第2の構成が行う補正処理について説明する図である。
【図21】補正処理部の第2の構成が行う補正処理について説明する図である。
【図22】補正処理部の第2の構成が行う補正処理について説明する図である。
【図23】補正処理部の第2の構成例を示すブロック図である。
【図24】第2の補正処理の内容をまとめた図である。
【図25】補正処理部の第2の構成による補正処理を説明するフローチャートである。
【図26】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.本発明を適用した再生装置で再生される記録媒体を作成する記録装置の構成例
2.本発明を適用した再生装置の全体構成例
3.再生装置内の補正処理部の第1の実施の形態(仮想カメラ間隔と画像スケーリング量で補正処理する例)
4.再生装置内の補正処理部の第2の実施の形態(画像シフト量で補正処理する例)
5.本発明を適用したコンピュータの実施の形態
【0017】
<記録装置の構成例>
[記録装置の構成ブロック図]
図1は、本発明を適用した記録装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0018】
図1の記録装置10は、ビデオエンコーダ11、オーディオエンコーダ12、多重化部13、および記録制御部14により構成される。
【0019】
記録装置10は、3Dコンテンツのコンテンツデータを符号化して、BDROM(Blu-Ray(登録商標) Disc Read Only Memory)等の記録媒体20に記録させる。コンテンツデータは、3D画像の画像データ(以下、3Dビデオデータという。)、その画像データに対応する音声データを含み、3Dビデオデータは左目用画像の画像データと右目用画像の画像データとからなる。また、コンテンツデータには、3Dコンテンツのコンテンツ制作者が想定した視環境のパラメータ(以下、想定視環境パラメータという。)が付加情報(メタデータ)として含まれる。
【0020】
なお、本明細書の実施の形態において、視環境のパラメータは、視聴するユーザの両眼間隔、ユーザからディスプレイまでの距離である視距離、および、3D画像が表示されるディスプレイのサイズ(ディスプレイサイズ)の3種類とする。
【0021】
記録装置10のビデオエンコーダ11は、外部から入力された3Dビデオデータを、MPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2),MPEG4,AVC(Advanced Video Coding)等の符号化方式で符号化する。ビデオエンコーダ11は、符号化の結果得られるES(Elementary Stream)であるビデオストリームを多重化部13に供給する。
【0022】
オーディオエンコーダ12は、外部から入力された3Dビデオデータに対応するオーディオデータをMPEG等の符号化方式で符号化し、その結果得られるESであるオーディオストリームを多重化部13に供給する。
【0023】
多重化部13は、ビデオエンコーダ11から供給されるビデオストリームと、オーディオエンコーダ12から供給されるオーディオストリームを多重化し、その結果得られる多重化ストリームを記録制御部14に供給する。
【0024】
記録制御部14は、多重化部13から供給される多重化ストリームを記録媒体20に記録させる。また、記録制御部14は、図示せぬ操作入力部等から入力される想定視環境パラメータを定義ファイルとして記録媒体20に記録させる。
【0025】
以上のように構成される記録装置10では、3Dコンテンツのコンテンツデータの他に、想定視環境パラメータが付加情報(メタデータ)として記録媒体20に記録されるので、再生時に想定視環境と実際の視環境との違いを補正する処理を行わせることができる。
【0026】
[記録装置の記録処理の説明]
図2は、図1の記録装置10による記録処理を説明するフローチャートである。この記録処理は、例えば、付加情報、3Dビデオデータ、およびオーディオデータが入力されたとき、開始される。
【0027】
ステップS10において、記録制御部14は、操作入力部等から入力された付加情報としての想定視環境パラメータを定義ファイルとして記録媒体20に記録させる。具体的には、コンテンツ制作者が想定した、両眼間隔、視距離、および、ディスプレイサイズの3種類の値が定義ファイルとして記録媒体20に記録される。
【0028】
ステップS11において、ビデオエンコーダ11は、外部から入力された3Dビデオデータを、MPEG2,MPEG4,AVC等の符号化方式で符号化する。そして、ビデオエンコーダ11は、符号化の結果得られるビデオストリームを多重化部13に供給する。
【0029】
ステップS12において、オーディオエンコーダ12は、外部から入力された3Dビデオデータに対応するオーディオデータをMPEG等の符号化方式で符号化し、その結果得られるオーディオストリームを多重化部13に供給する。
【0030】
ステップS13において、多重化部13は、ビデオエンコーダ11からのビデオストリームとオーディオエンコーダ12からのオーディオストリームを多重化し、その結果得られる多重化ストリームを記録制御部14に供給する。
【0031】
ステップS14において、記録制御部14は、多重化部13から供給される多重化ストリームを記録媒体20に記録媒体に記録させ、処理を終了する。
【0032】
[付加情報のデータ構造]
図3は、記録媒体20に記録されるデータの階層構造を示す図である。
【0033】
図3に示すように、記録媒体20に記録されるデータの階層は、オーディオストリームやビデオストリーム等のESのレイヤC、多重化ストリームのシステムレイヤであるレイヤB、記録媒体20に唯一の情報のレイヤA等により構成される。
【0034】
上述した例では、付加情報としての想定視環境パラメータが記録媒体20に唯一の定義ファイルとして、即ち、レイヤAに記録されるように説明した。しかしながら、想定視環境パラメータは、レイヤBやレイヤCに記録されるようにすることもできる。
【0035】
例えば、レイヤCにおいて付加情報が記録される場合、符号化方式がAVCであれば、付加情報は、SEI(Supplemental Enhancement Information)として、または、SPS(Sequence Parameter Set)やPPS(Picture Parameter Set)の一部として記録される。また、符号化方式がMPEG2であれば、ビデオシーケンス(Video Sequence)やエクステンションアンドユーザデータ(extension_and_user_data)として記録される。
【0036】
この場合、1つのビデオストリーム内で付加情報を可変にすることができる。また、1つの記録媒体20に異なる想定視環境パラメータが設定されている3D画像のビデオストリームが複数記録されている場合であっても、各想定視環境パラメータを再生装置に提供することができる。
【0037】
一方、レイヤBにおいて付加情報が記録される場合、付加情報は、TS(Transport Stream)のプライベートパケット、PS(Program Stream)のプライベートパック、MPEG4のコンフィグレーション(Config)情報に含まれるボックス(Box)の拡張領域等に記録される。
【0038】
付加情報が記録されるMPEG4のボックスの拡張領域は、例えば、図4に示すように、ファイルの先頭に位置するftypボックスの直後のPrivate Extension ボックス(図4中uuid)に設けられる。この場合、記録媒体20に記録された3Dビデオデータを再生する再生装置は、復号処理の前に想定視環境パラメータを取得することができるが、想定視環境パラメータはファイル内で不変となる。
【0039】
なお、Private Extension ボックスには、想定視環境パラメータのほか、コーデックの種類、ビットレート、フレームサイズ、アスペクト比、画像が2D画像であるか3D画像であるかを示す情報等が記述される。
【0040】
また、付加情報が記録されるMPEG4のボックスの拡張領域は、図5に示すように、moovボックス内のトラック情報(trak)の領域(図5中stsd)に設けられるようにしてもよい。この場合、ビデオストリームに参照先の付加情報の領域を表す情報が含まれており、再生装置は、その情報に基づいて、想定視環境パラメータを取得する。従って、この場合、ビデオストリーム内で想定視環境パラメータを可変にすることができる。但し、図4の場合に比べてアクセス性は悪い。
【0041】
さらに、付加情報が記録されるMPEG4のボックスの拡張領域は、図6に示すように、mdatボックス内に設けられるようにしてもよい。即ち、付加情報が1つのメディアストリーム(side info.stream)として記録されるようにしてもよい。この場合、ビデオストリームと付加情報は時間情報で同期するため、想定視環境パラメータを時々刻々と変化させることができる。
【0042】
なお、図4乃至図6の例では、ftypボックスの後に、moov ボックス、mdat ボックスが順に配置されているが、moov ボックスとmdat ボックスの配置はこれに限定されない。
【0043】
<本発明を適用した再生装置の実施の形態>
[再生装置の構成ブロック図]
図7は、本発明を適用した再生装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0044】
図7の再生装置50は、読出部51、分離部52、ビデオデコーダ53、補正処理部54、操作入力部55、およびオーディオデコーダ56により構成される。再生装置50は、記録媒体20に記録されている3Dビデオデータとそれに対応する音声データを付加情報とともに再生し、付加情報に基づいて、適切に3D画像を表示させる。
【0045】
具体的には、再生装置50の読出部51は、記録媒体20に付加情報として記録されている想定視環境パラメータを読み出し、補正処理部54に供給する。また、読出部51は、記録媒体20に記録されている多重化ストリームを読み出し、分離部52に供給する。
【0046】
分離部52は、読出部51から供給される多重化ストリームをビデオストリームとオーディオストリームに分離する。そして、分離部52は、ビデオストリームをビデオデコーダ53に供給し、オーディオストリームをオーディオデコーダ56に供給する。
【0047】
ビデオデコーダ53は、分離部52から供給されるビデオストリームを、図1のビデオエンコーダ11における符号化方式に対応する方式で復号し、その結果得られる3Dビデオデータを補正処理部54に供給する。
【0048】
補正処理部54は、ビデオデコーダ53から供給される3Dビデオデータに対し、読出部51から供給される想定視環境パラメータと、操作入力部55から供給される実視環境パラメータとの差に応じて3D画像を補正する3D画像補正処理を行う。そして、補正処理部54は、補正後の3Dビデオデータ、即ち、左目用画像の画像データと右目用画像の画像データを表示部61に出力する。
【0049】
操作入力部55は、3D画像を視聴するユーザによる実視環境パラメータの入力を受け付ける。ユーザは、操作入力部55において、ユーザの実際の視環境を入力する。具体的には、想定視環境パラメータと同様の、両眼間隔、視距離、および、ディスプレイサイズの3種類の値がユーザにより入力される。操作入力部55は、入力された実視環境パラメータを補正処理部54に供給する。
【0050】
オーディオデコーダ56は、分離部52から供給されるオーディオストリームを、図1のオーディオエンコーダ12における符号化方式に対応する方式で復号し、その結果得られるオーディオデータをスピーカ62に供給する。
【0051】
表示部61は、補正処理部54から供給される3Dビデオデータに対応する左目用画像と右目用画像を、例えば時分割で表示する。このとき、視聴者は、例えば、左目用画像と右目用画像の切り替えに同期したシャッタ付き眼鏡を装着し、左目用画像を左目だけで見て、右目用画像を右目だけで見る。これにより、視聴者は、3D画像を立体的に知覚することができる。
【0052】
スピーカ62は、オーディオデコーダ56から供給されるオーディオデータに対応する音声を出力する。
【0053】
[再生装置の再生処理の説明]
図8は、再生装置50による再生処理を説明するフローチャートである。この再生処理は、例えば、記録媒体20に記録されている3Dコンテンツの再生がユーザにより指示されたとき開始される。
【0054】
初めに、ステップS31において、操作入力部55は、3D画像を視聴するユーザによる実視環境パラメータの入力を受け付け、入力された実視環境パラメータを補正処理部54に供給する。なお、この処理は、以下のステップS32以降の処理とは別に先に実行されてもよい。即ち、3Dコンテンツの再生が指示されるより前に、設定画面等により事前に実視環境パラメータが入力されるようにしてもよい。
【0055】
ステップS32において、読出部51は、記録媒体20に付加情報として記録されている想定視環境パラメータを読み出し、補正処理部54に供給する。
【0056】
ステップS33において、再生装置50は、記録媒体20に記録されている3Dコンテンツの多重化ストリームを読み出し、復号する。即ち、読出部51が、記録媒体20から3Dコンテンツの多重化ストリームを読み出して分離部52に供給し、分離部52は、多重化ストリームをビデオストリームとオーディオストリームに分離する。ビデオデコーダ53は、ビデオストリームを、記録装置10の符号化方式に対応する方式で復号し、その結果得られる3Dビデオデータを補正処理部54に供給する。オーディオデコーダ56は、オーディオストリームを、記録装置10の符号化方式に対応する方式で復号し、その結果得られるオーディオデータをスピーカ62に供給する。
【0057】
ステップS34において、補正処理部54は、供給された3Dビデオデータに対し、読出部51から供給された想定視環境パラメータと、操作入力部55から供給された実視環境パラメータとの差に応じて3D画像を補正する3D画像補正処理を行う。
【0058】
ステップS35において、補正処理部54は、補正後の3Dビデオデータ、即ち、左目用画像と右目用画像の画像データを表示部61に出力する。また、ステップS35では、オーディオデコーダ56が、補正後の3Dビデオデータに対応するオーディオデータをスピーカ62に出力する。再生指示された3Dコンテンツの画像および音声の全てが出力された時点で、再生処理は終了する。
【0059】
以上のように、再生装置50では、コンテンツ製作者が想定した視環境と、ユーザの実際の視環境の違いを補正することにより、視環境の違いによる3D画像の歪みを補正した3D画像を提供することができる。
【0060】
そこで、以下では、補正処理部54が行う3D画像補正処理について詳しく説明する。再生装置50は、補正処理部54の構成として、図9に示す第1の構成または図23に示す第2の構成を採用することができる。
【0061】
<補正処理部54の第1の実施の形態>
[補正処理部54の第1の構成例]
図9は、補正処理部54の第1の構成例を示すブロック図である。
【0062】
図9の補正処理部54は、視差制御パラメータ算出部81と視差制御部82により構成される。さらに、視差制御部82は、視差検出部91、仮想カメラ間隔画像生成部92、および画像スケーリング部93により構成される。
【0063】
読出部51からの想定視環境パラメータと、操作入力部55からの実視環境パラメータは、視差制御パラメータ算出部81に供給される。視差制御パラメータ算出部81は、想定視環境パラメータと実視環境パラメータとの差から、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量の2つの視差制御パラメータを算出する。
【0064】
詳細は後述するが、視環境パラメータのうちの視距離が想定視環境パラメータと実視環境パラメータとで異なる場合には、仮想カメラ間隔を制御(変更)することで3D画像の歪みを補正することができる。
【0065】
一方、視環境パラメータのうちの両眼間隔またはディスプレイサイズが想定視環境パラメータと実視環境パラメータとで異なる場合には、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量のいずれか一方または両方を制御(変更)することで3D画像の歪みを補正することができる。仮想カメラ間隔と画像スケーリング量の両方を使って補正する場合には、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量の制御の比率を決定し、その決定された比率に従って、それぞれが担当する補正量に対応する視差制御パラメータが算出される。仮想カメラ間隔と画像スケーリング量の制御の比率は固定値として予め内部に記憶しておいてもよいし、操作入力部55等から入力されるようにしてもよい。
【0066】
視差検出部91は、ビデオデコーダ53(図7)から供給される3Dビデオデータの左目用画像と右目用画像に対し、例えば、ブロックマッチングの手法等を用いて、左目用画像と右目用画像の各画素の視差量を検出する。視差検出部91は、検出された左目用画像と右目用画像の各画素の視差量を、例えば、視差量に応じた輝度値で表現した視差マップとして、仮想カメラ間隔画像生成部92に供給する。なお、仮想カメラ間隔画像生成部92では、検出された各画素の視差量が分かればよいので、視差マップに限らず、どのような形式で供給されても構わない。
【0067】
仮想カメラ間隔画像生成部92には、ビデオデコーダ53(図7)から、所定のカメラ間隔で撮影されたオリジナル(補正前)の画像である左目用画像と右目用画像が供給される。また、仮想カメラ間隔画像生成部92には、視差検出部91から、オリジナルの左目用画像と右目用画像の各画素の視差量が視差マップとして供給される。仮想カメラ間隔画像生成部92は、オリジナルの所定のカメラ間隔を、仮想のカメラ間隔に変更した左目用画像と右目用画像を生成する。即ち、仮想カメラ間隔画像生成部92は、オリジナルの左目用画像と右目用画像とその視差量を用いて、視差制御パラメータ算出部81から供給される仮想カメラ間隔の画像(仮想カメラ間隔画像)を生成する。
【0068】
視差制御パラメータ算出部81から供給される仮想カメラ間隔は、オリジナルのカメラ間隔に対する比率で与えられる。例えば、図10に示すように、オリジナルの左目用画像と右目用画像が撮像されたときのカメラ間隔を1として、オリジナルの左目用画像のカメラ位置が0.0、オリジナルの右目用画像のカメラ位置が1.0に設定される。
【0069】
そして、視差制御パラメータ算出部81から仮想カメラ間隔として、0.5が供給された場合、図10に示すように、仮想カメラ間隔画像生成部92は、仮想カメラ位置が0.25の左目用画像と、仮想カメラ位置が0.75の右目用画像を生成する。この場合、生成後の左目用画像と右目用画像のカメラ間隔は、オリジナルのカメラ間隔と比較して0.5となる。
【0070】
図11は、カメラ間隔を変更した場合の視差量の変化を示している。なお、視差量は、正方向の変化が飛び出し方向(手前方向)への変化を表し、負方向の変化が引っ込み方向(奥方向)への変化を表す。
【0071】
図11に示されるように、カメラ間隔をオリジナルの50%(0.5)に変更すると、変更後の視差量も変更前の1/2倍となり、カメラ間隔を200%(2.0)に変更すると、変更後の視差量も2倍となる。
【0072】
図9に戻り、画像スケーリング部93は、仮想カメラ間隔画像生成部92から供給される左目用画像と右目用画像を、視差制御パラメータ算出部81から供給される画像スケーリング量に応じて、スケーリングする。視差制御パラメータ算出部81から供給される画像スケーリング量は、スケーリング補正前に対する比率で与えられる。そして、画像スケーリング部93は、スケーリング後の左目用画像と右目用画像の画像データを表示部61(図7)に出力する。
【0073】
図12は、スケーリング前後の左目用画像と右目用画像を示している。
【0074】
図12においてオリジナル画像として示されるスケーリング前の左目用画像と右目用画像を、視差の生じている方向(横方向)に、0.5のスケーリング量(スケーリング率)で補正された左目用画像と右目用画像がスケーリング画像として示されている。
【0075】
図13は、スケーリング量を変更した場合の視差量の変化を示している。
【0076】
図13に示されるように、スケーリング量を50%(0.5)にすると、変更後の視差量も変更前の1/2倍となり、スケーリング量を200%(2.0)にすると、変更後の視差量も2倍となる。
【0077】
[視環境パラメータの変化と奥行きの変化の関係]
次に、視距離、両眼間隔、およびディスプレイサイズの各視環境パラメータの変化と奥行きの変化の関係について説明する。
【0078】
まず、図14を参照して、各視環境パラメータと奥行きの関係を決定するのに必要な変数を定義する。
【0079】
3D画像を視聴するユーザの両眼間隔がEであり、ユーザから3D画像を表示するディスプレイまでの距離(視距離)がLである。ユーザは、左目用画像の画素xに対応する画素が右目用画像では画素xに表示される3D画像を視聴するものとする。即ち、ユーザは、視差量d=(x−x)の3D画像を見ているとする。このとき、ユーザの網膜において、再現される奥行きはZとなる。
【0080】
この場合、奥行きZと視差量dの関係を考えると、Zは次式(1)で表すことができる。
E/(L−Z)=d/Z
Z=L・d/(E+d) ・・・・・・・・・・・・・・(1)
なお、本明細書および図面において、式中の中黒(・)は、乗算を意味する。
【0081】
最初に、視距離と奥行きの関係について説明する。
【0082】
視距離が元の視距離LのS倍の視距離L’=S・Lになったときの奥行きZaを考える。式(1)より、
Za=L’・d/(E+d)
であるが、L’=S・Lであるから
Za=S・L・d/(E+d) ・・・・・・・・・・・・・・(2)
となる。式(2)は、さらに、
Za=S・Z ・・・・・・・・・・・・・・(3)
と表すことができる。従って、視距離がS倍になれば、奥行き(飛び出し引っ込み量)Zaも元の奥行きZのS倍になる。
【0083】
次に、ディスプレイサイズと奥行きの関係について説明する。
【0084】
ディスプレイサイズが元のディスプレイサイズのS倍になったとすると、そのときの視差量d’はS倍(d’=S・d)となる。視差量がd’=S・dのときの奥行きZbは、式(1)より、
Zb=L・d’/(E+d’)
であるが、d’=S・dであるから、
Zb=L・S・d/(E+S・d) ・・・・・・・・・・・・・(4)
となる。
【0085】
式(4)のdを、式(1)を用いて消去すると、式(5)となる。
Zb=L・S・Z/(L−Z+S・Z) ・・・・・・・・・・・(5)
【0086】
従って、ディスプレイサイズが元のディスプレイサイズのS倍になると、奥行きZbは、元の奥行きZと式(5)で表される非線形の関係を有する。
【0087】
両眼間隔と奥行きの関係について説明する。
【0088】
両眼間隔が元の両眼間隔EのS倍の両眼間隔E’=S・Eになったときの奥行きZcを考える。式(1)より、
Zc=L・d/(E’+d)
であるが、E’=S・Eであるから、
Zc=L・d/(S・E+d) ・・・・・・・・・・・・・・(6)
となる。
【0089】
式(6)のdを、式(1)を用いて消去すると、式(7)となる。
Zc=L・Z/(S・L−S・Z+Z) ・・・・・・・・・・(7)
【0090】
従って、両眼間隔が元の両眼間隔EのS倍になると、奥行きZcは、元の奥行きZと式(7)で表される非線形の関係を有する。
【0091】
図15は、視距離、ディスプレイサイズ、または両眼間隔が変化したときの、元の奥行きZと変化後の奥行きZa,Zb,Zcの関係を表す式(3)、式(5)、および式(7)の例を示している。
【0092】
図15において、元の視環境パラメータとしての視距離Lは1500mm、ディスプレイサイズは42インチ、両眼間隔Eは65mmに設定されている。
【0093】
図15の式(3)は、視距離L’が2250mmとなったときの元の奥行きZと変化後の奥行きZaの関係を示している。
【0094】
図15の式(5)は、ディスプレイサイズが63インチとなったときの元の奥行きZと変化後の奥行きZbの関係を示している。
【0095】
図15の式(7)は、両眼間隔E’が97.5mmにとなったときの元の奥行きZと変化後の奥行きZcの関係を示している。
【0096】
[補正量の算出]
次に、上述したような視環境パラメータの変化と奥行きの変化の関係を考慮して、補正量、即ち、仮想カメラ間隔または画像スケーリング量をいくつにすればよいかについて説明する。
【0097】
最初に、視距離が元のS倍の視距離L’=S・Lになったときの補正量について説明する。
【0098】
視距離L’になったときの奥行きZaをZ’と書くことにすると、式(2)は次式(8)で表すことができる。
Z’(d)=S・L・d/(E+d) ・・・・・・・・・・・・(8)
【0099】
ここで、元の奥行きZと変化後の奥行きZ’が同じになるような視差量dの変換式を考える。変換後の視差量をd’として、式(9)の変換式を定義する。
d’=f(d) ・・・・・・・・・・・・・(9)
【0100】
式(8)に視差量変換を施すと、式(10)が得られる。
Z’(d’)=S・L・d’/(E+d’) ・・・・・・・・・(10)
【0101】
ZとZ’が同じになるような変換式d’=f(d)を求めればよいので、Z=Z’より、式(11)が求められる。
Z=Z’
L’・d/(E+d)=S・L・d’/(E+d’)
S・d’・(E+d)=d・(E+d’)
d’・(S・E+S・d−d)=d・E
d’=d・E/(S・E+S・d−d) ・・・・・・・・・(11)
【0102】
従って、視距離が元のS倍になった場合、その視距離の変化を打ち消すためには、式(11)の非線形変換式によって得られる視差量d’となるように視差量を変化させればよい。
【0103】
図16は、視距離の変化(L’/L)が200%と50%になったときの式(11)を示している。
【0104】
なお、本実施の形態では、仮想カメラ間隔を視差制御パラメータとして与えるので、視距離が元のS倍になった場合、視距離の変化を打ち消すためには、
C(d)=d’/d ・・・・・・・・・・・・・(12)
で得られる仮想カメラ間隔C(d)を、補正量として与えることになる。
【0105】
図17Aは、視距離L=1500mm、ディスプレイサイズ=42インチ、両眼間隔E=65mmの視環境から、視距離L’が2倍に変化したときの式(11)を示している。
【0106】
また、図17Bは、図17Aに示した式(11)を、式(12)の仮想カメラ間隔C(d)=d’/dで示した図である。
【0107】
次に、ディスプレイサイズが元のS倍のディスプレイサイズになったときの補正量について説明する。
【0108】
ディスプレイサイズがS倍になると、視差量もS倍になるので、視差量を1/S倍にする仮想カメラ間隔または画像スケーリング量を補正量とすればよい。例えば、視差量が4倍になった場合には、仮想カメラ間隔を25%とするか、または、画像スケーリング量を25%とすればよい。
【0109】
また、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量を組み合わせた補正量としてもよい。例えば、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量の制御の比率が50:50である場合、仮想カメラ間隔50%の画像を生成し、その生成された3D画像に画像スケーリング量50%の画像スケーリング処理を行ってもよい。
【0110】
次に、両眼間隔が元のS倍の両眼間隔E’=S・Eになったときの補正量について説明する。
【0111】
上述した視距離の場合と同様に、両眼間隔E’になったときの奥行きZcをZ’と書くことにすると、式(6)は次式(13)で表すことができる。
Z’(d)=L・d/(S・E+d) ・・・・・・・・・・・(13)
【0112】
ここで、元の奥行きZと変化後の奥行きZ’が同じになるような式(9)の変換式を考える。
【0113】
式(13)に視差量変換を施すと式(14)となる。
Z’(d’)=L・d’/(S・E+d’) ・・・・・・・・・(14)
【0114】
ZとZ’が同じになるような変換式d’=f(d)を求めればよいので、式(13)と式(14)より、次式(15)が求められる。
Z=Z’
L・d/(E+d)=L・d’/(S・E+d’)
d’・(E+d)=d・(S・E+d’)
d’・E+d’・d=d・S・E+d・d’
d’=S・d ・・・・・・・・・・・・(15)
【0115】
従って、両眼間隔が元のS倍になった場合、視差量を元のS倍にすることで、両眼間隔の変化による奥行きの変化を打ち消すことができる。
【0116】
以上の説明における、変化前の視距離、ディスプレイサイズ、および両眼間隔が、本実施の形態における想定視環境パラメータとなり、変化後の視距離、ディスプレイサイズ、および両眼間隔が、実視環境パラメータに相当する。
【0117】
図18は、上述した視距離、ディスプレイサイズ、および両眼間隔の想定視環境パラメータと実視環境パラメータが異なる場合の、変化を打ち消すための処理をまとめた図である。
【0118】
なお、図18では、S=4or1/4、即ち、視距離、ディスプレイサイズ、および両眼間隔の各視環境パラメータが、元の4倍または1/4倍に変化した場合の例を示している。
【0119】
また、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量を組み合わせた補正量とする例では、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量の制御の比率が50:50である場合の例を示している。
【0120】
仮想カメラ間隔を制御した画像では、オクルージョンがある画像に対してアーティファクトが発生する。また、スケーリングによる画像では、画像のアスペクト比が変わる。そこで、仮想カメラ間隔制御とスケーリング制御を組み合わせることで、アーティファクトを低減しつつ、アスペクト比の変化を抑える制御を行うことができる。この場合、スケーリング量をRs、仮想カメラ間隔をRc、必要な視差量の倍率をR’とすると、R’=Rs・RcとなるようなRsとRcを用いることができる。
【0121】
[補正処理部54の第1の補正処理]
次に、図19のフローチャートを参照して、補正処理部54の第1の構成による補正処理、即ち、図8のステップS34の第1の補正処理の詳細について説明する。
【0122】
なお、本実施の形態においては、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量の制御の比率は、50:50であるとする。また、本実施の形態においては、説明を簡単にするため、視距離、ディスプレイサイズ、および両眼間隔の3つの視環境パラメータのうち、いずれか一つのみが異なる例として説明する。
【0123】
初めに、ステップS51において、視差制御パラメータ算出部81は、読出部51から供給された想定視環境パラメータと、操作入力部55から供給された実視環境パラメータを取得する。なお、実視環境パラメータは、操作入力部55において入力されたものが所定の記憶部に予め記憶されており、その記憶部から視差制御パラメータ算出部81が取得するようにしてもよい。
【0124】
ステップS52において、視差検出部91は、ブロックマッチングの手法等を用いて、ビデオデコーダ53から供給される左目用画像と右目用画像の各画素の視差量を検出する。検出された左目用画像と右目用画像の各画素の視差量は、例えば、視差マップとして、仮想カメラ間隔画像生成部92に供給される。
【0125】
ステップS53において、視差制御パラメータ算出部81は、供給された想定視環境パラメータと実視環境パラメータとを比較して、視距離が異なるかを判定する。ステップS53で、視距離が異なると判定された場合、処理はステップS54に進み、視差制御パラメータ算出部81は、視距離の変化に応じた仮想カメラ間隔を求める。ここで、仮想カメラ間隔は、式(11)および式(12)により決定され、変化前は、想定視環境パラメータの視距離であり、変化後は実視環境パラメータの視距離である。視差制御パラメータ算出部81は、得られた視差制御パラメータとしての仮想カメラ間隔を、仮想カメラ間隔画像生成部92に供給する。
【0126】
そして、ステップS55として、仮想カメラ間隔画像生成部92は、視差制御パラメータ算出部81から供給された仮想カメラ間隔の左目用画像と右目用画像を生成し、画像スケーリング部93に供給する。画像スケーリング部93は、供給された左目用画像と右目用画像をそのまま出力する。
【0127】
一方、ステップS53で、視距離が同一であると判定された場合には、ステップS54およびS55の処理はスキップされ、処理はステップS56に進む。
【0128】
ステップS56において、視差制御パラメータ算出部81は、供給された想定視環境パラメータと実視環境パラメータとを比較して、ディスプレイサイズが異なるかを判定する。ステップS56で、ディスプレイサイズが異なると判定された場合、処理はステップS57に進み、視差制御パラメータ算出部81は、ディスプレイサイズの変化に応じた仮想カメラ間隔と画像スケーリング量を求める。ここで、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量の制御の比率は、50:50であるので、視差制御パラメータ算出部81は、ディスプレイサイズの変化に伴う視差量の変化量の半分を補正するための仮想カメラ間隔と画像スケーリング量を求める。視差制御パラメータ算出部81は、得られた仮想カメラ間隔を仮想カメラ間隔画像生成部92に供給し、得られた画像スケーリング量を画像スケーリング部93に供給する。
【0129】
ステップS58において、仮想カメラ間隔画像生成部92は、視差制御パラメータ算出部81から供給された仮想カメラ間隔の左目用画像と右目用画像を生成し、画像スケーリング部93に供給する。
【0130】
ステップS59において、画像スケーリング部93は、視差制御パラメータ算出部81から供給された画像スケーリング量の左目用画像と右目用画像を生成し、出力する。
【0131】
一方、ステップS56で、ディスプレイサイズが同一であると判定された場合には、ステップS57乃至S59の処理はスキップされる。
【0132】
そして、ステップS60において、視差制御パラメータ算出部81は、供給された想定視環境パラメータと実視環境パラメータとを比較して、両眼間隔が異なるかを判定する。ステップS60で、両眼間隔が異なると判定された場合、処理はステップS61に進み、視差制御パラメータ算出部81は、両眼間隔の変化に応じた仮想カメラ間隔と画像スケーリング量を求める。ここで、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量の制御の比率は、50:50であるので、視差制御パラメータ算出部81は、両眼間隔の変化に伴う視差量の変化量の半分を補正するための仮想カメラ間隔と画像スケーリング量を求める。視差制御パラメータ算出部81は、得られた仮想カメラ間隔を仮想カメラ間隔画像生成部92に供給し、得られた画像スケーリング量を画像スケーリング部93に供給する。
【0133】
ステップS62において、仮想カメラ間隔画像生成部92は、視差制御パラメータ算出部81から供給された仮想カメラ間隔の左目用画像と右目用画像を生成し、画像スケーリング部93に供給する。
【0134】
ステップS63において、画像スケーリング部93は、視差制御パラメータ算出部81から供給された画像スケーリング量の左目用画像と右目用画像を生成し、出力して、処理を終了する。
【0135】
以上のように、補正処理部54の第1の構成によれば、仮想カメラ間隔または画像スケーリング量を変更する処理を行うことで、想定視環境パラメータと実視環境パラメータの違いのためユーザが知覚する立体感の歪みを補正することができる。
【0136】
なお、上述した例では、第1の補正処理を、視距離、ディスプレイサイズ、および両眼間隔の3つの視環境パラメータのうちの一つのみが異なる例として説明したが、2以上の視環境パラメータが異なる場合でも同様に補正することができる。例えば、視距離とディスプレイサイズの2つが異なる場合に、視距離の違いによる仮想カメラ間隔とディスプレイサイズの違いによる仮想カメラ間隔とを乗算した結果が、補正する補正量としての仮想カメラ間隔となる。
【0137】
また、上述した例では、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量の制御の比率を50:50であるとして説明したが、仮想カメラ間隔または画像スケーリング量のいずれか一方で補正する場合には、ステップS58またはS59とステップS62またはS63の一方が省略される。
【0138】
<補正処理部54の第2の実施の形態>
[補正処理部54の第2の構成による補正処理の説明]
次に、補正処理部54の第2の構成が行う補正処理について説明する。
【0139】
上述した補正処理部54の第1の構成では、仮想カメラ間隔と画像スケーリング量を変更することにより立体感の歪みが補正された。これに対し、補正処理部54の第2の構成では、左目用画像と右目用画像を視差の生じている方向(横方向)にシフトすることにより、想定視環境パラメータと実視環境パラメータの違いからくる立体感の歪みを補正する。この場合の視差制御パラメータは、画像シフトさせる画素量である画像シフト量となる。
【0140】
図20は、画像シフトによる補正前後の左目用画像と右目用画像の例を示している。
【0141】
図20において、オリジナル画像として示されている左目用画像と右目用画像が、補正前の画像である。
【0142】
図20において、外側シフト画像として示されている左目用画像と右目用画像は、左右の画像で合わせて100ピクセル外側(−100ピクセル)の方向、換言すれば、奥行きが奥方向に変化するように画像全体をシフトさせた画像である。
【0143】
そして、図20において、内側シフト画像として示されている左目用画像と右目用画像は、左右の画像で合わせて100ピクセル内側(+100ピクセル)の方向、換言すれば、奥行きが手前方向に変化するように画像全体をシフトさせた画像である。
【0144】
図21は、図20の例のように画像シフト量を変更した場合の視差量の変化を示している。
【0145】
図21に示されるように、外側シフトを行うと奥行きは奥方向に変化し、内側シフトを行うと奥行きは手前方向に変化する。
【0146】
なお、画像シフトによる補正処理では、想定視環境パラメータと実視環境パラメータの違いのためユーザが知覚する立体感の歪みを完全に補正することができない。そこで、補正処理部54の第2の構成は、左目用画像と右目用画像の各画素の視差量全体の平均値、最大値、最小値、または最頻値などの、所定の視差量の部分をピンポイント的に補正する。
【0147】
例えば、図22Aは、ある左目用画像と右目用画像の各画素の視差量の頻度分布を示している。実視環境のディスプレイサイズが想定視環境に対して2倍である場合、ユーザが視聴する左目用画像と右目用画像の各画素の視差量の頻度分布は、図22Bのようになる。
【0148】
図22Bに示される、実視環境における視差量の頻度分布では、ディスプレイサイズが2倍となったことにより、ディスプレイより奥はさらに奥側へ、ディスプレイより手前はさらに手前側になり、視差量は、視差0を中心に2倍となる。
【0149】
そして、図22Cは、図22Bの実視環境における視差量の頻度分布を、例えば、視差量の最頻値が一致するような画像シフトを行った結果を示している。
【0150】
このように、補正処理部54の第2の構成では、左目用画像と右目用画像に対して、所定の視差量の部分をピンポイント的に補正する画像シフト処理が行われる。
【0151】
[補正処理部54の第2の構成例]
図23は、上述した画像シフト処理を行う補正処理部54の第2の構成例を示すブロック図である。
【0152】
図23の補正処理部54は、視差制御パラメータ算出部101と視差制御部102により構成される。さらに、視差制御部102は、視差検出部111および画像シフト部112により構成される。
【0153】
読出部51からの想定視環境パラメータと、操作入力部55からの実視環境パラメータは、視差制御パラメータ算出部101に供給される。また、視差制御パラメータ算出部101には、視差制御部102の視差検出部111から、視差マップが供給される。
【0154】
視差制御パラメータ算出部101は、視差検出部111から供給される視差マップに基づいて、左目用画像と右目用画像の各画素の視差量の頻度分布を生成する。
【0155】
視差制御パラメータ算出部101は、想定視環境パラメータと実視環境パラメータとの差から、生成された頻度分布の所定の基準ポイントを画像シフトする画像シフト量を算出する。なお、視差制御パラメータ算出部101には、左目用画像と右目用画像の各画素の視差量全体の平均値、最大値、最小値、または最頻値の、いずれを基準ポイントとした画像シフトを行うかが予め記憶されている。平均値、最大値、最小値、または最頻値の、いずれを基準とした画像シフトを行うかは、例えば、設定画面等によりユーザにより指定され、記憶される。視差制御パラメータ算出部101は、算出の結果得られた視差制御パラメータとしての画像シフト量を、視差制御部102の画像シフト部112に供給する。
【0156】
視差検出部111は、補正処理部54の第1の構成における視差検出部91と同様、ブロックマッチングの手法等を用いて、左目用画像と右目用画像の各画素の視差量を検出する。検出結果としての視差マップは、視差制御パラメータ算出部101に供給される。
【0157】
画像シフト部112は、ビデオデコーダ53(図7)から供給されるオリジナル(補正前)の画像である左目用画像と右目用画像に対し、視差制御パラメータ算出部101から供給される画像シフト量による画像シフト処理を実行する。そして、画像シフト処理後の左目用画像と右目用画像の画像データが、表示部61(図7)に出力される。
【0158】
[視環境パラメータの変化と画像シフト量の変化の関係]
次に、視距離、両眼間隔、およびディスプレイサイズの各視環境パラメータの変化と画像シフト量の変化の関係について説明する。
【0159】
最初に、視距離が元のS倍の視距離L’=S・Lになったときの画像シフト量について説明する。
【0160】
視距離が元の視距離LのS倍の視距離L’=S・Lになったときの奥行きZaは、上述した式(2)で表される。また、視距離L’になったときの奥行きZaをZ’と書くことにすると、式(2)は式(8)で表される。
【0161】
ここで、元の奥行きZと変化後の奥行きZ’が同じになるような視差量dの変換式を考える。変換後の視差量をd’、求めるべき画像シフト量shiftとすると、変換式は式(16)のように定義することができる。
d’=f(d)=d+shift ・・・・・・・・・・・・・・(16)
【0162】
そして、ZとZ’が同じになるような変換式d’=f(d)を求めればよいので、上述した式(11)を用いて、画像シフト量shiftは、式(17)のように表すことができる。
d’=d・E/(S・E+S・d−d)
d+shift=d・E/(S・E+S・d−d)
shift=d・E/(S・E+S・d−d)−d・・・・・・・・・・・・(17)
【0163】
従って、視距離が元のS倍になった場合には、視距離の変化を打ち消すためには、式(17)で表される画像シフト量shiftだけ画像シフトを行えばよい。
【0164】
例えば、視距離L=1500mm、ディスプレイサイズ=46インチ、両眼間隔E=65mm、最大視差量=20ピクセル(ピクセルピッチが0.53mm/ピクセルとして10.6mm)である場合に、視距離が2倍になったときの画像シフト量shiftは、以下に示すように、−11ピクセルである。
shift=10.6×65/(2.0×65+2.0×10.6−10.6)−10.6
=−5.7mm
=−10.8ピクセル
≒−11ピクセル
【0165】
次に、両眼間隔が元のS倍になったときの画像シフト量について説明する。
【0166】
両眼間隔がS倍になったとき、その変換を打ち消すためには、式(15)の通り、視差量をS倍にする必要がある。また、式(16)より、d’=d+shiftであるから、画像シフト量shiftは、式(18)のように表すことができる。
d’=S・d
d+shift=S・d
shift=(S−1)・d・・・・・・・・・・・・・・(18)
【0167】
従って、両眼間隔がS倍になった場合、視距離の変化を打ち消すためには、式(18)で表される画像シフト量shiftだけ画像シフトを行えばよい。なお、式(18)における視差量dは、左目用画像と右目用画像の各画素の視差量全体の平均値、最大値、最小値、または最頻値などの、基準ポイントの変換前の視差量を表す。
【0168】
例えば、変換前の基準ポイントの視差量の最大値が20ピクセルであり、両眼間隔が2倍になったときの画像シフト量shiftは、
shift=(2−1)×20=20ピクセル
となり、20ピクセルである。
【0169】
図24は、視距離、ディスプレイサイズ、および両眼間隔の想定視環境パラメータと実視環境パラメータが異なる場合に、画像シフト補正によって変化を打ち消すための処理をまとめた図である。
【0170】
なお、図24では、S=4or1/4、即ち、視距離、ディスプレイサイズ、および両眼間隔の各視環境パラメータが、元の4倍または1/4倍に変化した場合の例を示している。
【0171】
[補正処理部54の第2の構成例による補正処理]
次に、図25のフローチャートを参照して、補正処理部54の第2の構成による補正処理、即ち、図8のステップS34の第2の補正処理の詳細について説明する。なお、図25の処理においても、図19と同様に、視距離、ディスプレイサイズ、および両眼間隔の3つの視環境パラメータのうち、いずれか一つのみが異なる例として説明する。
【0172】
初めに、ステップS71において、視差制御パラメータ算出部101は、読出部51から供給された想定視環境パラメータと、操作入力部55から供給された実視環境パラメータを取得する。
【0173】
ステップS72において、視差検出部111は、ブロックマッチングの手法等を用いて、ビデオデコーダ53から供給される左目用画像と右目用画像の各画素の視差量を検出する。検出された左目用画像と右目用画像の各画素の視差量は、例えば、視差マップとして、視差制御パラメータ算出部101に供給される。
【0174】
ステップS73において、視差制御パラメータ算出部101は、視距離、ディスプレイサイズ、または両眼間隔の変化に応じた画像シフト量を求める。得られた画像シフト量は、画像シフト部112に供給される。
【0175】
ステップS74において、画像シフト部112は、視差制御パラメータ算出部101から供給された画像シフト量だけシフトした左目用画像と右目用画像を生成する。そして、画像シフト部112は、生成された画像シフト後の左目用画像と右目用画像の画像データを出力して、処理を終了する。
【0176】
以上のように、補正処理部54の第2の構成によれば、画像シフト処理を行うことで、想定視環境パラメータと実視環境パラメータの違いのためユーザが知覚する立体感の歪みを補正することができる。
【0177】
なお、上述した例では、補正処理部54は、第1の構成または第2の構成のいずれか一方を有するとして説明したが、第1の構成または第2の構成の両方を備え、いずれの補正処理をも実行可能に構成することができる。この場合、第1の補正処理または第2の補正処理のいずれを行うかをユーザに選択させたり、再生される画像によって選択するようにさせることができる。
【0178】
また、視環境のパラメータは、両眼間隔、視距離、および、ディスプレイサイズの3種類として説明したが、これら3種類のうちの1つまたは2つでもよい。
【0179】
さらに、上述した例では、本発明を再生装置に適用した例について説明したが、本発明は再生装置以外の装置にも適用することができる。例えば、3Dコンテンツの画像データと想定視環境パラメータは、衛星放送、ケーブルTV、インターネットなどのネットワークを介した伝送により提供されてもよい。従って、本発明はネットワークを介した伝送により送信されてくる3Dコンテンツの画像データと想定視環境パラメータを受信して、想定視環境パラメータと実視環境パラメータとの差に応じて3D画像を補正し、表示させる表示装置や記録再生装置にも適用できる。また、3Dコンテンツの画像データと想定視環境パラメータを取得するとともに、実視環境パラメータを取得して、3D画像を補正して出力する画像処理装置単体として構成してもよい。
【0180】
[本発明を適用したコンピュータの実施の形態]
上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0181】
そこで、図26は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0182】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としての記憶部208やROM(Read Only Memory)202に予め記録しておくことができる。
【0183】
あるいはまた、プログラムは、リムーバブルメディア211に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブルメディア211は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。ここで、リムーバブルメディア211としては、例えば、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリ等がある。
【0184】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブルメディア211からドライブ210を介してコンピュータにインストールする他、通信網や放送網を介して、コンピュータにダウンロードし、内蔵する記憶部208にインストールすることができる。すなわち、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部209で受信し、記憶部208にインストールすることができる。
【0185】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)201を内蔵しており、CPU201には、バス204を介して、入出力インタフェース205が接続されている。
【0186】
CPU201は、入出力インタフェース205を介して、ユーザによって、入力部206が操作等されることにより指令が入力されると、それに従って、ROM202に格納されているプログラムを実行する。あるいは、CPU201は、記憶部208に格納されたプログラムを、RAM(Random Access Memory)203にロードして実行する。
【0187】
これにより、CPU201は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU201は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース205を介して、出力部207から出力、あるいは、通信部209から送信、さらには、記憶部208に記録等させる。
【0188】
なお、入力部206は、キーボードや、マウス、マイク等で構成される。また、出力部207は、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される。
【0189】
本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。
【0190】
また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0191】
上述した実施の形態は、3D画像として、視点の数が2個である2視点の3D画像について説明したが、視点の数が3以上の多視点の3D画像についても同様に適用できる。
【0192】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0193】
50 再生装置, 51 読出部, 54 補正処理部, 55 操作入力部, 81 視差制御パラメータ算出部, 82 視差制御部, 91 視差検出部, 92 仮想カメラ間隔画像生成部, 93 画像スケーリング部, 101 視差制御パラメータ算出部, 102 視差制御部, 111 視差検出部, 112 画像シフト部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D画像の画像データとともに、想定される視環境のパラメータである想定視環境パラメータを取得する第1の取得手段と、
前記3D画像を視聴するユーザの実際の視環境のパラメータである実視環境パラメータを取得する第2の取得手段と、
取得された前記想定視環境パラメータと前記実視環境パラメータの差に応じて前記3D画像を補正する補正処理手段と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記視環境パラメータは、両眼間隔、視距離、および、ディスプレイサイズのうちの少なくとも1つである
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
取得された前記3D画像は、所定のカメラ間隔で撮像された左目用画像と右目用画像で構成され、
前記補正処理手段は、
前記所定のカメラ間隔を、仮想のカメラ間隔に変更した左目用画像と右目用画像を生成する仮想カメラ間隔画像生成手段と、
前記左目用画像と右目用画像をスケーリングする画像スケーリング手段と、
前記想定視環境パラメータと前記実視環境パラメータの前記両眼間隔、視距離、または、ディスプレイサイズの差から、前記仮想カメラ間隔画像生成手段の補正量である前記仮想のカメラ間隔、または、前記画像スケーリング手段の補正量である画像スケーリング量を算出する制御パラメータ算出手段と
を備える
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
取得された前記3D画像は、左目用画像と右目用画像で構成され、
前記補正処理手段は、
前記左目用画像と右目用画像の視差量が所定量になるように前記左目用画像と右目用画像をシフトする画像シフト処理手段と、
前記想定視環境パラメータと前記実視環境パラメータの前記両眼間隔、視距離、または、ディスプレイサイズの差から、前記左目用画像と右目用画像の視差量が前記所定量になるための画像シフト量を算出する制御パラメータ算出手段と
を備える
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
データを取得する第1および第2の取得手段と、3D画像を補正する補正処理手段とを備える画像処理装置の、
前記第1の取得手段が、前記3D画像の画像データとともに、想定される視環境のパラメータである想定視環境パラメータを取得し、
前記第2の取得手段が、前記3D画像を視聴するユーザの実際の視環境のパラメータである実視環境パラメータを取得し、
前記補正処理手段が、取得された前記想定視環境パラメータと前記実視環境パラメータの差に応じて前記3D画像を補正する
ステップを含む画像処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
3D画像の画像データとともに、想定される視環境のパラメータである想定視環境パラメータを取得させ、
前記3D画像を視聴するユーザの実際の視環境のパラメータである実視環境パラメータを取得させ、
取得された前記想定視環境パラメータと前記実視環境パラメータの差に応じて前記3D画像を補正する
ステップを含む処理を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−223482(P2011−223482A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92816(P2010−92816)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】