説明

画像処理装置、画像処理方法、プログラム、および記録媒体

【課題】本発明課題は、撮影装置および印刷装置で類似する検出器を有する場合に、ユーザの利便性を向上させることである。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、入力装置から画像データを入力し、画像データに対して画像処理を行う画像処理装置において、入力装置の検出器と画像処理装置の検出器の検出性能を比較し、検出性能が高いほうの検出器を選択する選択手段と、選択手段によって選択された検出器を用いて、画像データに検出処理を行う検出手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置と印刷装置で類似の検出処理が行われる場合に、効率的な画像処理を実現する画像処理装置、画像処理方法、プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮影装置(入力デバイス)では、撮影時に、被写体との焦点距離や露出設定を合わせるために、顔検出、人物検出等の被写体を検出する処理が行われる場合が多い。また、プリンタ等の印刷装置(出力デバイス)でも、被写体に合わせた補正処理を行うために、入力画像に対し、顔検出、人物検出等の被写体を検出する、撮影装置と同じような処理が行われる場合が多い。
【0003】
例えば、特許文献1は、撮影装置に人物検出機能がある場合に、その座標データを画像データとともに読み出して、印刷装置による印刷時の補正に利用する方法を開示している。特許文献1では、撮影装置の人物座標情報に基づいて、画像範囲に対する所定の位置及び大きさとなるように人物データを拡大縮小及び変位する。そして、トリミング補正した画像データを、印刷装置で出力する画像処理方法が提案されている。
【0004】
一方、特許文献2には、印刷装置における補正処理として、検出結果が不十分な場合に検出方法の条件を変更して、再検出を行って精度向上を図る画像処理方法が提案されている。
【0005】
さらに、近年普及しているインクジェットプリンタのような印刷装置では、PCを介さずに、印刷装置が撮影装置の画像データを直接印刷する機能を有するものもあり、各種の画像補正処理技術も充実している。とりわけ、この数年の間に、人物の顔検出技術が実用レベルになり、撮影装置および印刷装置の両方に、人物の顔検出の機能が搭載されている製品が増加している。
【0006】
【特許文献1】特開2004−207987号公報
【特許文献2】特開平11−250221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、顔検出を代表する検出技術の進化は目覚しいものがあり、日々、検出性能が向上し続けている。また、印刷装置本体の処理においては、性能の向上とともに処理負荷が増大する。加えて、印刷装置本体に搭載する機能は、製品リリース後の性能向上は容易なことではないため、ユーザが買い換えるまでは、性能が固定されてしまうことが多い。
【0008】
さらに、ユーザの撮影装置と印刷装置の購入時期は、必ずしも一致しないため、どちらか一方の検出器の性能が著しく改善されているといったケースが起こりうる。
【0009】
そこで、本発明は、撮影装置および印刷装置で類似する検出器を有する場合に、ユーザの利便性を向上させることができる画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、入力装置から画像データを入力し、画像データに対して画像処理を行う画像処理装置において、入力装置の検出器と画像処理装置の検出器の検出性能を比較し、検出性能が高いほうの検出器を選択する選択手段と、選択手段によって選択された検出器を用いて、画像データに検出処理を行う検出手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザが有する撮影装置と印刷装置の双方に、類似の検出器がある場合に、性能の高いものを選択することで効率的な画像処理を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、本実施形態に係る印刷装置101のハードウェアの一例を示したものである。印刷装置は、CPU102、ROM103、RAM104、さらに、印刷処理を行うためのプリンタエンジン105を保持している。また、印刷装置101は、原稿を読み取るためのスキャナエンジン107を有していても良い。
【0013】
図1に示されているように、印刷装置101に内蔵するCPU102には、ROM103、RAM104、プリンタエンジン105、表示部106、スキャナエンジン107、ユーザインターフェイス108、シリアルI/F109が接続されている。ここで、I/Fは、インターフェイスの略である。また、シリアルI/F109には、外部機器110が接続される。
【0014】
図1の表示部106は、プリントを行う際に用紙、印刷品位などの様々な設定を行うための表示装置である。また、図1のユーザインターフェイス108は、ボタン、タッチパネル等のユーザインターフェイスである。また、図1のシリアルI/F109は、パーソナルコンピュータ等の外部機器110と接続するためのインターフェイスである。上記デバイスが、システムバスを介して接続されている状態が、印刷装置内部の基本構造である。
【0015】
なお、このほかにも印刷装置を構成する要素として様々なものが考えられる。たとえば、電源部や、用紙をハンドリングするためのフィーダ部や、ネットワークと直接接続するためのインターフェイスなどである。しかし、それらについては本実施形態では直接言及することはないため、ここでは説明を割愛する。
【0016】
図2は、本実施形態で考えられる印刷環境の一例を示す図である。図2は、撮影装置で撮影された画像データが、印刷される形態を示したものである。
【0017】
まず、撮影装置201で撮影された画像データは、メモリカード202に保存される。そして、メモリカード202は印刷装置203に接続され、撮影装置201により撮影された画像データが印刷装置203から印刷される。
【0018】
ここで、撮影装置201と印刷装置203は、検出器を有しており、検出器には、撮影装置201から入力された画像中の顔を検出する検出機能を有している。ここで、検出器の検出機能は、撮影装置201から入力された画像中の顔の検出に限られない。
【0019】
図3は、パーソナルコンピュータを主とした印刷環境の一例を示した図である。パーソナルコンピュータ303は、ハードディスクを保持している。
【0020】
パーソナルコンピュータ303のハードディスクには、カードリーダ302を介してメモリカード301内の画像データが保存されても良い。
【0021】
また、パーソナルコンピュータ303のハードディスクには、ルータ305を介してインターネット306に接続してダウンロードされた画像データが保存されても良い。
また、パーソナルコンピュータ303のハードディスクには、上記以外の様々な経路から入手されたデータが保存されても良い。
【0022】
パーソナルコンピュータ303のハードディスクに保存されたデータは、パーソナルコンピュータ303による制御により、印刷装置304から印刷される。
【0023】
上記のように、本実施形態においては、撮影装置で作成された画像データを印刷装置で画像出力を行う形態について説明する。ここで、撮影装置とは、例えば、デジタルカメラでも良い。
【0024】
撮影装置201で撮影された画像データは、一般的に、図4に示すようなExifフォーマット(Exchangeable image file format)401で記録される。Exifフォーマットでは、デバイス名(モデル名)や撮影時の情報がExif必須タグ402として記録される。
【0025】
撮影装置の検出器が顔領域検出などの機能を有する場合、その検出結果が、Exif必須タグ情報の一部の人物座標情報403として記録される。
【0026】
すなわち、印刷装置は、入力画像のExif必須タグ402を解析することで、撮影装置の検出器が顔検出機能を有するかどうかを判定することができる。
【0027】
図5は、本実施形態における画像処理フローの一例を示す。図5に示されている処理は、例えば、印刷装置101のCPU102によって実行される。
【0028】
まず、図5のステップS501で、撮影装置、印刷装置双方に、同様の顔検出機能を有する検出器が認証された場合に、ユーザに通知が行われる。この通知は、例えば、撮影装置あるいは印刷装置のユーザインターフェイス上に行われても良い。
【0029】
次に、ステップS502で、撮影装置と印刷装置のどちらの検出器の顔検出機能を優先するかについての選択が受け付けられる。この選択は、例えば、撮影装置あるいは印刷装置のユーザインターフェイス上で受け付けられても良い。
【0030】
例えば、撮影装置と印刷装置の購入時期やメーカーなどの情報に基づいて、撮影装置と印刷装置のどちらかの検出器の顔検出機能を優先するかが選択される。もし、撮影装置の顔検出性能が十分に信頼できるものであれば、撮影装置の検出機能を優先して印刷時に、印刷装置に余分な負荷をかけずに出力物を得ることができる。
【0031】
逆に、利用している撮影装置が古くて、印刷装置側に最新の顔検出機能があることが分かれば、印刷装置の検出器の顔検出機能が選択される。
【0032】
ステップS502で、印刷装置の検出器の顔検出機能が優先するという選択が受け付けられた場合には、ステップS504に処理が進む。
【0033】
一方、ステップS502で、撮影装置の検出器の顔検出機能が優先するという選択が受け付けられた場合には、ステップS503に処理が進む。
【0034】
ステップS504で、印刷装置の検出器の顔検出機能を用いて、顔検出が実行される。
【0035】
次に、ステップS505で、画像の補正処理が、印刷装置で実行される。
【0036】
ステップS503では、撮影装置の検出器の顔検出機能を用いて、顔検出が実行される。また、ステップS503では、後述するように、画像補正を、印刷装置で抑制しても良い。
【0037】
ここで、複数の撮影装置が存在する場合には、複数の撮影装置のモデルごとに検出器の検出機能に関する情報を管理するDB(データベース)を印刷装置本体に構築しても良い。そして、撮影装置からの撮影画像データのExif情報を用いて、撮影装置のモデルを識別し、撮影装置からの入力画像に応じて画像処理を切り替えても良い。
【0038】
ここで、印刷装置の画像補正処理としては、顔領域の明るさを解析することで、例えば、逆光シーンであることを判定し、顔の明るさを最適なものとするような補正が可能である。また、顔がないシーンもしくは検出が困難なシーンでは、撮影装置の検出器の検出結果が得られないこともある。その場合には、風景シーンであると判定するなど、彩度強調するような別の画像補正処理が印刷装置において可能となる。
【0039】
ただし、本実施形態においては、画像補正処理の種類や方法そのものには何ら制限を受けるものではなく、検出結果を利用した画像補正処理であれば、どのような補正処理にも適用できることは言うまでもない。また、画像補正処理の範疇には、オリジナル画像をそのまま出力するのがよいと判断して、補正処理を行わないことも含まれることは言うまでもない。
【0040】
上記の説明では、検出機能の例として、顔検出機能を用いて説明したが、本実施形態は、顔検出機能以外の検出機能に適用されても良い。
【0041】
また、本実施形態では、撮影装置と印刷装置が接続されている形態について説明したが、撮影装置とディスプレイなどの表示装置が接続されている形態についても、本実施形態を適用できる。この場合、撮影装置と表示装置の双方に検出機能をもたせる。
【0042】
<実施形態2>
以下、本発明に係る第2の実施形態の画像処理装置を説明する。
第1の実施形態では、撮影装置と印刷装置双方の検出機能のどちらを選択するかが、例えば、ユーザインターフェイス上で受け付けられた。
【0043】
撮影装置と印刷装置が同じメーカーである場合には、同じ検出器が、撮影装置と印刷装置の双方に搭載される場合がある。また、検出器のみを提供するメーカーもあるため、異なるメーカーのデバイス間であっても、同じ検出器を利用していることも考えられる。
ただし、いずれの場合でも、製品のリリース時期に応じて、検出器の検出機能の性能向上のためのバージョンアップは実施されていくものと考えられる。
【0044】
そこで、本実施形態では、図4のExif必須タグに記述された検出器の検出機能のバージョン情報404によって、撮影装置による入力画像から検出器の検出機能のバージョンを認識する。
【0045】
すなわち、本実施形態では、検出器の検出機能のバージョンの情報に基づいて、性能の高い検出器の検出機能が自動的に選択される。また、本実施形態では、必要に応じて、撮影装置のモデル名も用いて、検出機能の選択が行われる。
【0046】
また、撮影装置と印刷装置の検出器の検出機能のバージョンが同じ場合には、少なくとも印刷装置の検出器の検出機能は用いられない。これにより、印刷装置の処理負荷を低減することができる。印刷装置の検出器の検出機能が用いられなくても、撮影装置の検出器の検出機能は、被写体を動画として扱うことができるため、一般的に、被写体の動きを利用して性能をあげることができる。
【0047】
図6は、本実施形態における画像処理フローの一例を示す。図6に示されている処理は、例えば、印刷装置101のCPU102によって実行される。
【0048】
ステップS601で、図4のExif必須タグに記述された検出器の検出機能のバージョン情報404によって、撮影装置と印刷装置のどちらの検出器の顔検出機能を優先するかについての選択が受け付けられる。
【0049】
ステップS601で、撮影装置の検出器の顔検出機能を優先するという選択が受け付けられた場合には、ステップS602に処理が進む。
【0050】
一方、ステップS601で、撮影装置の検出器の顔検出機能を優先せず、印刷装置の検出器の顔検出機能を優先するという選択が受け付けられた場合には、ステップS603に処理が進む。
【0051】
ステップS602で、撮影装置の検出器による顔検出結果が取得される。
【0052】
次に、ステップS604で、ステップS602で取得された顔検出結果に基づいて、画像補正処理が実行される。そして、処理が終了する。
【0053】
ステップS603で、印刷装置の検出器により顔検出が行われ、ステップS604に処理が進む。
【0054】
ここで、撮影装置および印刷装置のメーカーが同じメーカーであれば、印刷装置が、撮影装置の画像補正処理の内容を認識できていることが考えられる。このとき、画像補正処理そのものが同じものである場合には、図5のステップS503のように画像補正処理を、印刷装置で抑制することもできる。さらに、複数の画像補正処理を有する場合には、撮影装置にはない画像補正処理だけを適用することで、効率的な画像補正処理を実現できる。
【0055】
<実施形態3>
以下、本発明にかかる第3の実施形態の画像処理装置を説明する。
【0056】
本発明に係る第1の実施形態によれば、例えば、撮影装置と印刷装置のどちらの検出器の顔検出機能を選択するかがユーザインターフェイス上で受け付けられる。
【0057】
また、本発明に係る第2の実施形態では、撮影装置および印刷装置で同じ種類の検出器の検出機能のバージョン情報に基づいて、自動的に優先される検出機能が選択される。
【0058】
ここで、例えば、検出機能のバージョン情報は、図4のExif必須タグ402に格納される。Exif必須タグ402は、通常、メーカー間で非公開としていることも多いため、たとえ、同じ種類の検出器を利用するデバイス間であっても、検出器の検出機能のバージョンを取得できないケースも考えられる。
【0059】
そこで、本実施形態は、ユーザインターフェイスも用いず、撮影装置および印刷装置の双方の検出器の検出機能のバージョン情報も用いないで、検出機能を選択する。
【0060】
図7は、本実施形態における画像処理フローの一例を示す。図7に示されている処理は、例えば、印刷装置101のCPU102によって実行される。
【0061】
本実施形態に係る印刷装置は、例えば、印刷装置が搭載する検出器の検出機能の性能を十分に熟知することができる。このような場合、印刷装置は、印刷装置に搭載されている検出器の検出機能が検出するのを不得手とする画像も把握することができる。例えば、印刷装置は、極端に暗いシーンの顔検出性能は低い、あるいは、暗いシーンの顔検出をターゲットにしているため、逆に明るいシーンでは検出性能が低い、などの印刷装置の検出器の検出機能の特性を把握できる。
【0062】
そこで、本実施形態では、図7に示されている以下のような処理が行なわれる。
【0063】
まず、ステップS701で、印刷装置で印刷が行われるときに、印刷装置の入力画像のヒストグラム解析が行われ、印刷装置の検出器が検出するのが不得手な画像であるか否かが判定される。
【0064】
ステップS701で、印刷装置の入力画像が、印刷装置の検出器が検出するのが不得手な画像であると判定された場合には、ステップS702に処理が進む。
【0065】
一方、ステップS702で、印刷装置の入力画像が、印刷装置の検出器が検出するのが不得手な画像でないと判定された場合には、ステップS703に処理が進む。
【0066】
ステップS702で、撮影装置の検出器の検出機能により顔検出結果が取得される。
【0067】
次に、ステップS704で、ステップS702の顔検出結果に基づいた画像補正処理が実行される。
【0068】
ステップS703で、印刷装置の検出器の検出機能を用いて検出が実行され、ステップS704に処理が進む。
【0069】
ステップS702で、印刷装置の検出器が検出を不得手とする入力画像に対する撮影装置の検出結果も得られない場合には、検出結果が得られない場合の画像補正処理が、ステップS704で行われる。
【0070】
また、印刷装置の検出器が不得手とする入力画像に対して、撮影装置の検出器の検出機能により、検出が成功している場合には、撮影装置の検出器の検出機能が優先されても良い。
【0071】
この場合には、撮影装置の検出器の検出機能が優先された時点から、それ以降の入力画像に対して、撮影装置の検出器の検出機能が検出に用いられても良い。また、この場合でも、設定された撮影装置の検出器の検出機能が検出に用いられても良い。また、入力画像ごとに印刷装置の検出器が検出を不得手とする入力画像か否かを判定されても良い。ここで、印刷装置の検出器が検出を不得手とする入力画像であると判定された場合には、撮影装置の検出器の検出機能による検出が行われ、画像補正処理が実行されても良い。
【0072】
また、撮影装置と印刷装置の検出器の検出機能から、一つの検出機能が選択される場合に、より簡易的には、撮影装置と印刷装置の両方の検出器の検出機能の検出結果が比較されて、一つの検出機能が選択されても良い。例えば、撮影装置と印刷装置の検出器の検出機能により、一定の人数が検出された画像データにおいて、以下のような処理が行なわれても良い。すなわち、撮影装置と印刷装置の検出器のどちらの検出機能がより多くの人を検出できたかによって、一つの検出機能が選択されても良い。
【0073】
さらに、撮影装置の検出器の検出機能の検出領域によっては、印刷装置の画像補正処理に相応しくない場合も考えられる。
【0074】
具体的には、撮影装置の検出器の検出機能は、顔領域の周りも含めて大きく領域を検出する場合もある。一方、印刷装置の画像補正処理が、肌色領域に特化した検出結果を要求する場合には、撮影装置の検出器の検出結果は相応しくないことも起こりえる。
【0075】
また、印刷装置の検出器の検出機能は、顔領域の周りも含めて大きく領域を検出する場合もある。一方、撮影装置の画像補正処理が、肌色領域に特化した検出結果を要求する場合には、印刷装置の検出器による検出結果は相応しくないことも起こりえる。
【0076】
このように、印刷装置の画像補正処理の特性に応じて、撮影装置の検出器の検出機能が決定されても良い。
【0077】
<実施形態4>
以下、本発明にかかる第4の実施形態の画像処理装置を説明する。
【0078】
第1の実施形態によれば、例えば、撮影装置と印刷装置のどちらの検出器の顔検出機能を選択するかがユーザインターフェイス上で受け付けられる。
【0079】
第2、第3の実施形態によれば、撮影装置と印刷装置のどちらの検出器の顔検出機能を選択するかが自動的に決定される。
【0080】
コンシューマ製品である撮影装置や印刷装置は、毎年、多くの製品がリリースされる。そのため、工業製品にあまり詳しくないユーザからすると、撮影装置および印刷装置の検出器の性能を把握することは困難である場合も考えられる。
【0081】
そこで、本実施形態では、データベース(DB)を利用して、撮影装置と印刷装置のどちらの検出器の検出機能を選択するかを決定する。
【0082】
このデータベースには、撮影装置と印刷装置の組み合わせにおいて、どの装置の検出器の検出機能を選択すべきかを評価したデータが格納されている。
【0083】
上記のようなデータベースは、例えば、印刷装置のメーカーによって構築されても良い。
【0084】
本実施形態において、図3の印刷装置304は、パーソナルコンピュータ303を介してネットワーク環境につながっており、入力画像データのモデル名と印刷装置のモデル名とともに評価DB307に問い合わせる。そして、印刷装置304は、撮影装置と印刷装置の組み合わせにおいて、どの装置の検出器の検出機能を選択すべきかを評価したデータを取得する。
【0085】
印刷装置304は、入力画像データのモデル名が変更されるか、入力画像に複数のモデル名があるときは、随時DBに問い合わせを行い、その情報を取得し、印刷装置で管理する。
【0086】
ここで、評価DB307は、インターネット上にあってもよいし、ユーザがメーカーのWebサイトからパーソナルコンピュータ303にダウンロードしても良い。
【0087】
また、印刷装置304が、ネットワークプリンタであれば、直接、インターネット上の評価DB307に問い合わせを行っても良い。
【0088】
また、印刷装置304が、常時、ネットワークにつながっている環境であれば、印刷ごとに、評価DB307に問い合わせても良い。
【0089】
さらに、評価DB307は、画像補正処理の制御フラグを含んでいても良い。例えば、この制御フラグを指定した場合には、撮影装置の検出器の検出機能の肌色補正が、印刷装置の検出器の検出機能の肌色補正と同じ、もしくは十分近い場合に、印刷装置の検出器の検出機能で肌色補正が実行されない。
【0090】
また、最近のWeb環境の中では、ユーザ参画型のサイトも普及しているため、オープン型のサイトを運営して、ユーザインターフェイス上で、ユーザの入力を受け付けて、評価DBがアップデートされても良い。この場合、撮影装置と印刷装置の膨大な組み合わせにおいて、どの装置の検出器の検出機能を選択すべきかを評価したデータを、インターネットユーザの協力によって、簡単に、評価DB307に集積することができる。
【0091】
<他の実施形態>
前述した実施形態の機能を実現するように前述した実施形態を動作させるプログラムを記録媒体に記憶させ、該記録媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。
【0092】
該記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。また、前述のプログラムが記憶された記録媒体はもちろんそのプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。
【0093】
かかる記録媒体としては、たとえばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD―ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。
【0094】
また前述の記録媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウエア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し前述の実施形態の動作を実行するものも前述した実施形態の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】印刷装置内のハードウェアの一例を示す図である。
【図2】印刷装置の接続環境の一例を示す図である。
【図3】印刷装置の接続環境の一例を示す図である。
【図4】Exifファイルのデータ構造を示す図である。
【図5】実施形態1の画像処理装置における動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施形態2の画像処理装置における動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態3の画像処理装置における動作手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
101 印刷装置
102 CPU
103 ROM
104 RAM
105 プリンタエンジン
106 表示部
107 スキャナエンジン
108 ユーザインターフェイス
109 シリアルI/F
110 外部機器
201 撮影装置
202 メモリカード
203 印刷装置
301 メモリカード
302 カードリーダ
303 パーソナルコンピュータ
304 印刷装置
305 ルータ
306 インターネット
307 評価DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置から画像データを入力し、前記画像データに対して画像処理を行う画像処理装置において、
前記入力装置の検出器と前記画像処理装置の検出器の検出性能を比較し、検出性能が高いほうの検出器を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された検出器を用いて、前記画像データに検出処理を行う検出手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記選択手段による選択は、ユーザインターフェイス上で受け付けられることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記選択手段による選択は、前記検出器のバージョンに基づいて実行されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記入力装置から入力された画像データを解析する解析手段と、
前記解析手段によって、前記画像データが印刷装置の不得手な画像データであるか否かを判定する画像の判定手段と、
前記画像の判定手段に基づいて撮影装置の検出器の性能を判定する検出器の性能の判定手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記選択手段による選択は、前記検出器の性能の判定手段の判定の結果に基づいて行われることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記選択手段による選択に必要な情報が、データベースに格納されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記検出器の検出機能は、人物の顔を検出することであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
入力装置から画像データを入力し、前記画像データに対して画像処理を行う画像処理装置において、
前記入力装置の検出器と前記画像処理装置の検出器の検出性能を比較し、検出性能が高いほうの検出器を選択する選択ステップと、
前記選択ステップによって選択された検出器を用いて、前記画像データに検出処理を行う検出ステップとを備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
前記選択ステップによる選択は、ユーザインターフェイス上で受け付けられることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記選択ステップによる選択は、前記検出器のバージョンに基づいて実行されることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記入力装置から入力された入力画像データを解析する解析ステップと、
前記解析ステップによって、前記画像データが印刷装置の不得手な画像データであるか否かを判定する画像の判定ステップと、
前記画像の判定ステップに基づいて撮影装置の検出器の性能を判定する検出器の性能の判定ステップとをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記選択ステップによる選択は、前記検出器の性能の判定ステップの判定の結果に基づいて行われることを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項13】
前記選択ステップによる選択に必要な情報が、データベースに格納されることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項14】
前記検出器の検出機能は、人物の顔を検出することであることを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項15】
請求項8乃至14のいずれかに記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−10947(P2010−10947A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166327(P2008−166327)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】