画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
【課題】 スクロール表示制御の状況に応じて次に表示される可能性の高いコンテンツデータを予測し、表示に先立って復号処理を施す。
【解決手段】 表示位置制御部101は、複数のコンテンツデータをスクロール表示させる。表示位置予測部102は、表示位置制御部101によるスクロール表示制御の状況に応じて、複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する。復号処理部104は、表示位置予測部102により予測されたコンテンツデータを、当該コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する。
【解決手段】 表示位置制御部101は、複数のコンテンツデータをスクロール表示させる。表示位置予測部102は、表示位置制御部101によるスクロール表示制御の状況に応じて、複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する。復号処理部104は、表示位置予測部102により予測されたコンテンツデータを、当該コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンテンツデータをスクロール表示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークの高速化、ハードディスク等の記憶装置の容量拡大に伴い、ネットワーク経由や、記憶装置に大量に保存された映像コンテンツの再生が一般的になりつつある。そして、そのような複数の映像コンテンツをスクロールさせながら同時にディスプレイ画面上に再生、表示させることが行われる。
【0003】
従来、複数の映像コンテンツを同時にディスプレイ画面上に表示させる場合、ユーザからの入力等を受け付けた後、次に表示する映像コンテンツを決定し、復号処理を行い、画面上に表示させるといった手段がとられている。この方法では、表示する映像コンテンツを決定した後に復号処理を行うため、表示する映像コンテンツ決定から画面上への表示までの間に遅延が生じてしまうといった問題がある。
【0004】
また、複数の映像コンテンツ又はそれらのサムネイル画像をマルチ画面表示する場合に予めキャッシュメモリ内に次に出力される可能性の高いデータを保持しておくという方法がある(例えば、特許文献1参照)。これは、ファイルの管理構造より、現在出力中のデータとその前後の所定の範囲内のデータをキャッシュメモリの容量が許す範囲内でできるだけ出力画像を作成し保持しておくという技術である。
【0005】
【特許文献1】特開2006−66944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、ファイルの管理構造によらない任意の複数の映像コンテンツのマルチ画面表示時には、次に出力される可能性の高いデータを予測し準備することができない。また、マルチ画面表示時の画面の動作状況に応じて、次に出力される可能性の高いデータを予測し準備することができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、スクロール表示制御の状況に応じて次に表示される可能性の高いコンテンツデータを予測し、表示に先立って復号処理を施すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理装置は、複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段によるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測手段と、前記予測手段により予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号手段とを有することを特徴とする。
本発明の画像処理方法は、複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御ステップと、前記表示制御ステップによるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測ステップと、前記予測ステップにより予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御ステップと、前記表示制御ステップによるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測ステップと、前記予測ステップにより予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、複数のコンテンツデータのスクロール表示制御の状況に応じて、未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測し、予測されたコンテンツデータを当該コンテンツデータが表示領域に移動する前の復号するように構成している。従って、本発明によれば、スクロール表示制御の状況に応じて次に表示される可能性の高いコンテンツデータを予測し、表示に先立って復号処理を施すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して、本発明を適用可能な好適な実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る映像表示装置の主要部の構成を示すブロック図である。図1において、映像表示装置1は、表示位置制御部101において表示映像操作通知を受信し、また、復号処理部104において映像コンテンツを受信し、映像合成/表示部106より表示デバイスに対して映像コンテンツを出力する。なお、映像表示装置1は、本発明の画像処理装置の適用例となる構成であり、映像コンテンツは、本発明におけるコンテンツデータの適用例となる構成である。
【0012】
表示位置制御部101は、リモコン、携帯端末等によるユーザからのコンテンツ表示位置操作入力や、映像表示装置1に入力される映像コンテンツ情報を受け取り、スクロール表示する映像コンテンツの配置、位置、移動速度等を制御する。また、表示位置制御部101は、蓄積部105に対して表示デバイスの表示画面に表示する映像コンテンツの出力指示を与え、映像合成/表示部106に対して表示画面上での映像コンテンツの配置情報等を与える。なお、表示位置制御部101は、本発明の表示制御手段の適用例となる構成である。
【0013】
表示位置予測部102は、表示位置制御部101より円環状に配置された映像コンテンツの総数及びスクロール表示の回転速度、加速度を受け取る。また、表示位置予測部102は、復号部制御部103より余剰デコーダ量を受け取る。そして、表示位置予測部102は、未表示の映像コンテンツに対する復号処理部104のリソース分配比率を計算し、復号部制御部103に対して未表示の映像コンテンツに対する復号処理部104のリソース分配比率を与える。なお、表示位置予測部102は、本発明の予測手段の適用例となる構成である。
【0014】
復号部制御部103は、表示位置制御部101より円環状に配置された映像コンテンツの配置位置情報と現在表示画面上に表示される映像コンテンツ情報とを受け取る。そして、復号部制御部103は、表示領域にある映像コンテンツに対して優先的に割り当てられる復号リソース量を計算し、表示位置予測部102に対して余剰デコーダ量を与える。次に、復号部制御部103は、表示位置予測部102より現在未表示の映像コンテンツに対する復号処理部104のリソース分配比率を受け取る。そして、復号部制御部103は、復号処理部104に対して、復号処理を行う映像コンテンツ情報及び復号処理部104の復号処理リソースの各映像コンテンツに対しての時間配分を与える。
【0015】
復号処理部104は、ネットワークI/Fを介して映像コンテンツを受信する。ネットワークI/Fで接続される通信回線として、電話回線、公衆ネットワーク回線のDSL(Digital Subscribe Line)、CATV(Cable Television)、光ファイバ等の広帯域ネットワークが挙げられる。また、HDDレコーダや内部記憶等の記憶装置から映像コンテンツを入力してもよい。復号処理部104は、復号部制御部103から受信した復号対象の映像コンテンツ情報及び復号処理リソースの時間配分に基づいて、各映像コンテンツに対して復号処理を実行し、復号処理を施した映像コンテンツを蓄積部105に蓄積する。復号処理部104は、本発明の復号手段の適用例となる構成である。
【0016】
蓄積部105は、復号処理部104より受け取った復号処理済みの映像コンテンツを保持し、表示位置制御部101より受け取る出力指示により映像合成/表示部106に対して復号処理済みの映像コンテンツを出力する。
【0017】
映像合成/表示部106は、蓄積部105より受け取った復号処理済みの映像コンテンツを、表示位置制御部101より受け取った表示画面上での映像コンテンツの配置情報を基に一画面に合成し、液晶ディスプレイ等の表示デバイスに対して出力する。
【0018】
図2は、表示デバイスの表示画面200に出力される映像コンテンツの一例を示した図である。
【0019】
表示画面200の中の1から8はそれぞれ別々の映像コンテンツを表示するウィンドウを示している。表示画面200の中の手前に存在するウィンドウ(1から4)は、表側を向いており、映像コンテンツが表示されている。表示画面200の中の奥に存在するウィンドウ(5から8)は、裏側を向いており、映像コンテンツは表示されていない。
【0020】
これらの円環状に配置されたウィンドウは、ユーザからの入力操作等を契機に回転、回転の加速及び停止等の動作を行う。回転動作に伴い裏側から表側に変化する場合にはウィンドウ上に映像コンテンツが表示されるようになり、表側から裏側に変化する場合にはウィンドウ上に表示されていた映像コンテンツが表示されなくなる。このような映像コンテンツの配置及び動作は、図1の表示位置制御部101によって制御される。
【0021】
図3は、図1に示した映像表示装置1の表示位置予測部102における動作を示したフローチャートである。以下、図3を参照しながら表示位置予測部102の動作について説明する。
【0022】
ステップS301は、以降のステップS302、S303、S304の動作を単位時間毎に繰り返すことを示している。ここで単位時間とは、設計者が任意の値に設定することができる処理単位の区切り時間である。本実施形態では、1単位時間を1秒とする。
【0023】
ステップS302では、表示位置予測部102は、表示位置制御部101よりスクロールの回転速度及び加速度を取得するとともに、復号部制御部103より余剰デコーダ量を取得する。
【0024】
ステップS303では、表示位置予測部102は、ステップS302で得た回転速度、加速度より、評価式を計算する。評価式とは、回転速度及び加速度の関数であり、後のステップS304で求める復号リソースの分配比率を決定するための指標となる。本実施形態で用いる評価式を式1に示す。
【0025】
【数1】
【0026】
式1におけるvはステップS302で得た回転速度、aはステップS302で得た加速度、kは何単位時間後の速度で評価したいかにより決める正の定数であり、本実施形態ではk=1としている。即ち、f(v,a)はk単位時間後の速度を表す式となっている。
【0027】
ステップS304では、表示位置予測部102は、ステップS303で求めたfを用いて非表示の映像コンテンツに対する復号リソースの分配比率を決定する。
【0028】
本実施形態で用いた分配比率を決定するためのグラフを図4及び図5に示す。図4中のnは円環状に並べた映像コンテンツの総数である。mは余剰デコーダ量(単位は処理単位時間)である。図4及び図5中のwは円環状に並べた映像コンテンツが時計回り方向に回っているときに非表示領域から表示領域に入ってくる映像コンテンツの方向(図2の表示画面200中のウィンドウ5の方向)にリソースを分配する比率である。図4、図5のどちらのグラフを用いるかは、式2により決定する。
【0029】
【数2】
【0030】
式2におけるvはステップS302で得た回転速度、aはステップS302で得た加速度である。式2のgの値が0より小さい場合は、回転速度と加速度が逆方向であることを意味しており、その際は図4のグラフを選択する。図4のグラフは、回転速度と加速度とが逆方向である場合、現在の回転方向に続く非表示の映像コンテンツと逆方向の非表示の映像コンテンツがどちらも未来に表示領域に入ってくる可能性があることを予測していることを意味している。fの絶対値がm/nより小さい場合には、両方向の非表示の映像コンテンツに復号リソースを配分するものとなっている。また、式2のgの値が0以上の場合は、回転速度と加速度とが同方向である、もしくは回転速度、加速度のどちらかまたは両方が0であることを意味しており、その際は図5のグラフを選択する。図5のグラフは、回転速度と加速度とが同方向である場合、現在の回転方向に続く非表示の映像コンテンツが未来に表示領域に入ってくる可能性が高いと予測するものとなっている。そして、fの符号(未来の回転方向)により、片方向の非表示の映像コンテンツに復号リソースを配分するものとなる。また、gが0以上且つf=0の時は、v、aともに0であるので、そのときは両方向の非表示の映像コンテンツに対して等しく復号リソースを分配することを意味している。以上のように、表示位置予測部102は、未表示領域から表示領域に移動する映像コンテンツの予測結果に応じて、映像コンテンツに対する復号リソースの分配比率を決定している。
【0031】
上記の動作により復号リソースの配分比率を決定すると、表示位置予測部102は復号部制御部103に対して配分比率を受け渡す。
【0032】
以下、具体的な数値を用いて本実施形態における映像表示装置1の動作を説明する。ここでは、復号処理部104は1秒当たり4.25秒分の映像コンテンツを復号する能力を持っているものとする。また、復号処理部104は非表示領域にある映像コンテンツをプリデコードし、蓄積部105に保存する復号処理済のデータ量の最大は単位時間(本実施形態では1秒)までとする。
【0033】
図6は、本実施形態における表示画面600の初期表示状態を示す図である。本実施形態では8つの映像コンテンツを円環状に並べて表示するケースを考え、それぞれのコンテンツに1から8の番号をふっている。
【0034】
図7は、0秒後から5秒後において表示位置制御部101が決定した円環状に並んだ映像コンテンツの回転速度と加速度を示す図である。これらの値はユーザからの入力等による表示画面の動作指示により決定される。回転速度の単位は(回転数/秒)、加速度の単位は(回転数/(秒の2乗))である。なお、回転速度、加速度ともに時計回り方向(図6の映像コンテンツ2から映像コンテンツ1への方向)を正としている。
【0035】
図8は、表示開始0秒後の表示画面800における表示状態を示す図である。ここでは0秒後から1秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0036】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図8の映像コンテンツ1、映像コンテンツ2、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4)に優先的に割り当てられる。これらの映像コンテンツを単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、4秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は0.25となる。
【0037】
次に、図7より表示開始0秒後の回転速度は1/8、加速度は0であるので、式2により図5のグラフが選択され、式1及び図5より、wは1となる。よって余剰デコーダ量の0.25は、図8の映像コンテンツ5に割り当てられ、0秒後から1秒後の間に映像コンテンツ5は0.25秒分デコードされる。
【0038】
表示領域にある映像コンテンツ1、映像コンテンツ2、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ5の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ5が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105で保持される。
【0039】
図9は、表示開始1秒後の表示画面900における表示状態を示す図である。ここでは1秒後から2秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0040】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図9の映像コンテンツ2、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5)に優先的に割り当てられる。映像コンテンツ5は0秒後から1秒後の間に0.25秒分デコードされているので1秒後から2秒後の間の表示のためには0.75秒分のデコードが必要となる。従って、映像コンテンツ2、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5を単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、3.75秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は0.5となる。
【0041】
次に、図7より表示開始1秒後の回転速度は1/8、加速度は0であるので、式2により図5のグラフが選択され、式1及び図5より、wは1となる。よって、余剰デコーダ量の0.5は、図9のコンテンツ6に割り当てられ、1秒後から2秒後の間にコンテンツ6は0.5秒分デコードされる。
【0042】
表示領域にある映像コンテンツ2、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ6の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ6が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105で保持される。
【0043】
図10は、表示開始2秒後の表示画面1000における表示状態を示す図である。ここでは2秒後から3秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0044】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図10の映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6)に優先的に割り当てられる。映像コンテンツ6は1秒後から2秒後の間に0.5秒分デコードされているので2秒後から3秒後の間の表示のためには0.5秒分のデコードが必要となる。従って、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6を単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、3.5秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は0.75となる。
【0045】
次に、図7より表示開始2秒後の回転速度は1/8、加速度は−1/8であるので、式2により図4のグラフが選択され、式1及び図4より、wは0.5となる。よって、余剰デコーダ量の0.75は、図10の映像コンテンツ2及び映像コンテンツ7にそれぞれ0.375ずつ割り当てられ、2秒後から3秒後の間に映像コンテンツ2及び映像コンテンツ7はそれぞれ0.375秒分ずつデコードされる。
【0046】
表示領域にある映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ2及び映像コンテンツ7の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ2及び映像コンテンツ7が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105で保持される。
【0047】
図11は、表示開始3秒後の表示画面1100における表示状態を示す図である。ここでは3秒後から4秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0048】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図11の映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6、映像コンテンツ7)に優先的に割り当てられる。映像コンテンツ7は2秒後から3秒後の間に0.375秒分デコードされているので3秒後から4秒後の間の表示のためには0.625秒分のデコードが必要となる。従って、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6、映像コンテンツ7を単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、3.625秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は0.625となる。
【0049】
次に、図7より表示開始3秒後の回転速度は0、加速度は−1/8であるので、式2により図5のグラフが選択され、式1及び図5より、wは0となる。よって、余剰デコーダ量の0.625は、図11の映像コンテンツ3に割り当てられ、3秒後から4秒後の間に映像コンテンツ3は0.625秒分デコードされる。
【0050】
表示領域にある映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6、映像コンテンツ7の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ3の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ3が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105で保持される。
【0051】
図12は、表示開始4秒後の表示画面1200における表示状態を示す図である。ここでは4秒後から5秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0052】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図12の映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6、映像コンテンツ7)に優先的に割り当てられる。これらの映像コンテンツを単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、4秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は0.25となる。
【0053】
次に、図7より表示開始4秒後の回転速度は−1/8、加速度は0であるので、式2により図5のグラフが選択され、式1及び図5より、wは0となる。よって、余剰デコーダ量の0.25は、図11の映像コンテンツ3に割り当てられる。映像コンテンツ3は4秒後から5秒後の間に0.25秒分デコードされる。映像コンテンツ3は3秒後から4秒後の間に既に0.625秒分デコードされているので、合計0.875秒分プリデコードされていることになる。
【0054】
表示領域にある映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6、映像コンテンツ7の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ3の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ3が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105で保持される。
【0055】
図13は、表示開始5秒後の表示画面1300における表示状態を示す図である。ここでは5秒後から6秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0056】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図13の映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6)に優先的に割り当てられる。映像コンテンツ3は3秒後から4秒後の間及び4秒後から5秒後の間に計0.875秒分デコードされているので5秒後から6秒後の間の表示のためには0.125秒分のデコードが必要となる。従って、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6を単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、3.125秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は1.125となる。
【0057】
次に、図7より表示開始5秒後の回転速度は−1/8、加速度は0であるので、式2により図5のグラフが選択され、式1及び図5より、wは0となる。よって、余剰デコーダ量の1.125は、図13の映像コンテンツ2及び映像コンテンツ1に割り当てられる。映像コンテンツ2は2秒後から3秒後の間に0.375秒分デコードされているので、映像コンテンツ2には余剰デコーダ量のうち0.625が割り当てられ、0.625秒分デコードされる。映像コンテンツ1には余剰デコーダ量の残りの0.5が割り当てられ、0.5秒分デコードされる。
【0058】
表示領域にある映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ2及び映像コンテンツ1の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ2及び映像コンテンツ1が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105に保持される。
【0059】
以上、表示開始から6秒後までの各映像コンテンツに対するデコーダの割り当てについて説明した。0秒後から6秒後までの各映像コンテンツに対するデコーダの割り当てを図14に示す。図14の表中の白塗りの部分はその瞬間に表示されているコンテンツであることを、斜線部分はその瞬間に非表示のコンテンツであることを示している。
【0060】
以上のように本実施形態では、複数の映像コンテンツのスクロール表示制御の状況に応じて、未表示領域から表示領域に移動する映像コンテンツを予測し、予測された映像コンテンツを当該映像コンテンツが表示領域に移動する前の復号するように構成している。従って、本実施形態によれば、スクロール表示制御の状況に応じて次に表示される可能性の高い映像コンテンツを予測し、表示に先立って復号処理を施すことが可能となる。よって、映像コンテンツが非表示領域から表示領域に移動してくる際に、復号処理による遅延を発生することなく表示することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、円環状に配置したコンテンツの表示についてのみ説明したが、本発明はスクロール動作を伴う任意の配置形状のコンテンツの表示に適用可能である。
【0062】
<その他の実施形態>
本発明は、複数の機器から構成されるシステムの1部として適用しても、1つの機器からなる装置の1部に適用してもよい。
【0063】
また、本発明は上記実施形態を実現するための装置及び方法のみに限定されるものではない。
【0064】
例えば、上記システム又は装置内のコンピュータ(CPU或いはMPU)に、上記実施形態を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給するものも本発明の範疇に含まれる。また、このプログラムコードに従って上記システム或いは装置のコンピュータが上記各種デバイスを動作させることにより上記実施例を実現する場合も本発明の範疇に含まれる。
【0065】
この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が上記実施形態の機能を実現することになる。即ち、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、具体的には上記プログラムコードを格納した記憶媒体も本発明の範疇に含まれる。
【0066】
このようなプログラムコードを格納する記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0067】
また、本発明は上記プログラムコードのみに従って各種デバイスを制御することにより、上記実施形態の機能が実現される場合に限らない。例えば、上記プログラムコードがコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)、或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上記実施形態が実現される場合も本発明の範疇に含まれる。
【0068】
更に、コンピュータの機能拡張ボードに備わるメモリに格納された上記プログラムコードの指示に基づいて、その機能拡張ボードに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合なども本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態に係る映像表示装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】表示デバイスの表示画面に出力される映像コンテンツの一例を示した図である。
【図3】図1に示した映像表示装置の表示位置予測部における動作を示したフローチャートである。
【図4】分配比率を決定するためのグラフを示す図である。
【図5】分配比率を決定するためのグラフを示す図である。
【図6】表示画面の初期表示状態を示す図である。
【図7】0秒後から5秒後において表示位置制御部が決定した円環状に並んだ映像コンテンツの回転速度と加速度を示す図である。
【図8】表示開始0秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図9】表示開始1秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図10】表示開始2秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図11】表示開始3秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図12】表示開始4秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図13】表示開始5秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図14】0秒後から6秒後までの各映像コンテンツに対するデコーダの割り当てを示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1 映像表示装置
101 表示位置制御部
102 表示位置予測部
103 復号部制御部
104 復号処理部
105 蓄積部
106 映像合成/表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンテンツデータをスクロール表示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークの高速化、ハードディスク等の記憶装置の容量拡大に伴い、ネットワーク経由や、記憶装置に大量に保存された映像コンテンツの再生が一般的になりつつある。そして、そのような複数の映像コンテンツをスクロールさせながら同時にディスプレイ画面上に再生、表示させることが行われる。
【0003】
従来、複数の映像コンテンツを同時にディスプレイ画面上に表示させる場合、ユーザからの入力等を受け付けた後、次に表示する映像コンテンツを決定し、復号処理を行い、画面上に表示させるといった手段がとられている。この方法では、表示する映像コンテンツを決定した後に復号処理を行うため、表示する映像コンテンツ決定から画面上への表示までの間に遅延が生じてしまうといった問題がある。
【0004】
また、複数の映像コンテンツ又はそれらのサムネイル画像をマルチ画面表示する場合に予めキャッシュメモリ内に次に出力される可能性の高いデータを保持しておくという方法がある(例えば、特許文献1参照)。これは、ファイルの管理構造より、現在出力中のデータとその前後の所定の範囲内のデータをキャッシュメモリの容量が許す範囲内でできるだけ出力画像を作成し保持しておくという技術である。
【0005】
【特許文献1】特開2006−66944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、ファイルの管理構造によらない任意の複数の映像コンテンツのマルチ画面表示時には、次に出力される可能性の高いデータを予測し準備することができない。また、マルチ画面表示時の画面の動作状況に応じて、次に出力される可能性の高いデータを予測し準備することができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、スクロール表示制御の状況に応じて次に表示される可能性の高いコンテンツデータを予測し、表示に先立って復号処理を施すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像処理装置は、複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段によるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測手段と、前記予測手段により予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号手段とを有することを特徴とする。
本発明の画像処理方法は、複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御ステップと、前記表示制御ステップによるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測ステップと、前記予測ステップにより予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御ステップと、前記表示制御ステップによるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測ステップと、前記予測ステップにより予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、複数のコンテンツデータのスクロール表示制御の状況に応じて、未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測し、予測されたコンテンツデータを当該コンテンツデータが表示領域に移動する前の復号するように構成している。従って、本発明によれば、スクロール表示制御の状況に応じて次に表示される可能性の高いコンテンツデータを予測し、表示に先立って復号処理を施すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して、本発明を適用可能な好適な実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る映像表示装置の主要部の構成を示すブロック図である。図1において、映像表示装置1は、表示位置制御部101において表示映像操作通知を受信し、また、復号処理部104において映像コンテンツを受信し、映像合成/表示部106より表示デバイスに対して映像コンテンツを出力する。なお、映像表示装置1は、本発明の画像処理装置の適用例となる構成であり、映像コンテンツは、本発明におけるコンテンツデータの適用例となる構成である。
【0012】
表示位置制御部101は、リモコン、携帯端末等によるユーザからのコンテンツ表示位置操作入力や、映像表示装置1に入力される映像コンテンツ情報を受け取り、スクロール表示する映像コンテンツの配置、位置、移動速度等を制御する。また、表示位置制御部101は、蓄積部105に対して表示デバイスの表示画面に表示する映像コンテンツの出力指示を与え、映像合成/表示部106に対して表示画面上での映像コンテンツの配置情報等を与える。なお、表示位置制御部101は、本発明の表示制御手段の適用例となる構成である。
【0013】
表示位置予測部102は、表示位置制御部101より円環状に配置された映像コンテンツの総数及びスクロール表示の回転速度、加速度を受け取る。また、表示位置予測部102は、復号部制御部103より余剰デコーダ量を受け取る。そして、表示位置予測部102は、未表示の映像コンテンツに対する復号処理部104のリソース分配比率を計算し、復号部制御部103に対して未表示の映像コンテンツに対する復号処理部104のリソース分配比率を与える。なお、表示位置予測部102は、本発明の予測手段の適用例となる構成である。
【0014】
復号部制御部103は、表示位置制御部101より円環状に配置された映像コンテンツの配置位置情報と現在表示画面上に表示される映像コンテンツ情報とを受け取る。そして、復号部制御部103は、表示領域にある映像コンテンツに対して優先的に割り当てられる復号リソース量を計算し、表示位置予測部102に対して余剰デコーダ量を与える。次に、復号部制御部103は、表示位置予測部102より現在未表示の映像コンテンツに対する復号処理部104のリソース分配比率を受け取る。そして、復号部制御部103は、復号処理部104に対して、復号処理を行う映像コンテンツ情報及び復号処理部104の復号処理リソースの各映像コンテンツに対しての時間配分を与える。
【0015】
復号処理部104は、ネットワークI/Fを介して映像コンテンツを受信する。ネットワークI/Fで接続される通信回線として、電話回線、公衆ネットワーク回線のDSL(Digital Subscribe Line)、CATV(Cable Television)、光ファイバ等の広帯域ネットワークが挙げられる。また、HDDレコーダや内部記憶等の記憶装置から映像コンテンツを入力してもよい。復号処理部104は、復号部制御部103から受信した復号対象の映像コンテンツ情報及び復号処理リソースの時間配分に基づいて、各映像コンテンツに対して復号処理を実行し、復号処理を施した映像コンテンツを蓄積部105に蓄積する。復号処理部104は、本発明の復号手段の適用例となる構成である。
【0016】
蓄積部105は、復号処理部104より受け取った復号処理済みの映像コンテンツを保持し、表示位置制御部101より受け取る出力指示により映像合成/表示部106に対して復号処理済みの映像コンテンツを出力する。
【0017】
映像合成/表示部106は、蓄積部105より受け取った復号処理済みの映像コンテンツを、表示位置制御部101より受け取った表示画面上での映像コンテンツの配置情報を基に一画面に合成し、液晶ディスプレイ等の表示デバイスに対して出力する。
【0018】
図2は、表示デバイスの表示画面200に出力される映像コンテンツの一例を示した図である。
【0019】
表示画面200の中の1から8はそれぞれ別々の映像コンテンツを表示するウィンドウを示している。表示画面200の中の手前に存在するウィンドウ(1から4)は、表側を向いており、映像コンテンツが表示されている。表示画面200の中の奥に存在するウィンドウ(5から8)は、裏側を向いており、映像コンテンツは表示されていない。
【0020】
これらの円環状に配置されたウィンドウは、ユーザからの入力操作等を契機に回転、回転の加速及び停止等の動作を行う。回転動作に伴い裏側から表側に変化する場合にはウィンドウ上に映像コンテンツが表示されるようになり、表側から裏側に変化する場合にはウィンドウ上に表示されていた映像コンテンツが表示されなくなる。このような映像コンテンツの配置及び動作は、図1の表示位置制御部101によって制御される。
【0021】
図3は、図1に示した映像表示装置1の表示位置予測部102における動作を示したフローチャートである。以下、図3を参照しながら表示位置予測部102の動作について説明する。
【0022】
ステップS301は、以降のステップS302、S303、S304の動作を単位時間毎に繰り返すことを示している。ここで単位時間とは、設計者が任意の値に設定することができる処理単位の区切り時間である。本実施形態では、1単位時間を1秒とする。
【0023】
ステップS302では、表示位置予測部102は、表示位置制御部101よりスクロールの回転速度及び加速度を取得するとともに、復号部制御部103より余剰デコーダ量を取得する。
【0024】
ステップS303では、表示位置予測部102は、ステップS302で得た回転速度、加速度より、評価式を計算する。評価式とは、回転速度及び加速度の関数であり、後のステップS304で求める復号リソースの分配比率を決定するための指標となる。本実施形態で用いる評価式を式1に示す。
【0025】
【数1】
【0026】
式1におけるvはステップS302で得た回転速度、aはステップS302で得た加速度、kは何単位時間後の速度で評価したいかにより決める正の定数であり、本実施形態ではk=1としている。即ち、f(v,a)はk単位時間後の速度を表す式となっている。
【0027】
ステップS304では、表示位置予測部102は、ステップS303で求めたfを用いて非表示の映像コンテンツに対する復号リソースの分配比率を決定する。
【0028】
本実施形態で用いた分配比率を決定するためのグラフを図4及び図5に示す。図4中のnは円環状に並べた映像コンテンツの総数である。mは余剰デコーダ量(単位は処理単位時間)である。図4及び図5中のwは円環状に並べた映像コンテンツが時計回り方向に回っているときに非表示領域から表示領域に入ってくる映像コンテンツの方向(図2の表示画面200中のウィンドウ5の方向)にリソースを分配する比率である。図4、図5のどちらのグラフを用いるかは、式2により決定する。
【0029】
【数2】
【0030】
式2におけるvはステップS302で得た回転速度、aはステップS302で得た加速度である。式2のgの値が0より小さい場合は、回転速度と加速度が逆方向であることを意味しており、その際は図4のグラフを選択する。図4のグラフは、回転速度と加速度とが逆方向である場合、現在の回転方向に続く非表示の映像コンテンツと逆方向の非表示の映像コンテンツがどちらも未来に表示領域に入ってくる可能性があることを予測していることを意味している。fの絶対値がm/nより小さい場合には、両方向の非表示の映像コンテンツに復号リソースを配分するものとなっている。また、式2のgの値が0以上の場合は、回転速度と加速度とが同方向である、もしくは回転速度、加速度のどちらかまたは両方が0であることを意味しており、その際は図5のグラフを選択する。図5のグラフは、回転速度と加速度とが同方向である場合、現在の回転方向に続く非表示の映像コンテンツが未来に表示領域に入ってくる可能性が高いと予測するものとなっている。そして、fの符号(未来の回転方向)により、片方向の非表示の映像コンテンツに復号リソースを配分するものとなる。また、gが0以上且つf=0の時は、v、aともに0であるので、そのときは両方向の非表示の映像コンテンツに対して等しく復号リソースを分配することを意味している。以上のように、表示位置予測部102は、未表示領域から表示領域に移動する映像コンテンツの予測結果に応じて、映像コンテンツに対する復号リソースの分配比率を決定している。
【0031】
上記の動作により復号リソースの配分比率を決定すると、表示位置予測部102は復号部制御部103に対して配分比率を受け渡す。
【0032】
以下、具体的な数値を用いて本実施形態における映像表示装置1の動作を説明する。ここでは、復号処理部104は1秒当たり4.25秒分の映像コンテンツを復号する能力を持っているものとする。また、復号処理部104は非表示領域にある映像コンテンツをプリデコードし、蓄積部105に保存する復号処理済のデータ量の最大は単位時間(本実施形態では1秒)までとする。
【0033】
図6は、本実施形態における表示画面600の初期表示状態を示す図である。本実施形態では8つの映像コンテンツを円環状に並べて表示するケースを考え、それぞれのコンテンツに1から8の番号をふっている。
【0034】
図7は、0秒後から5秒後において表示位置制御部101が決定した円環状に並んだ映像コンテンツの回転速度と加速度を示す図である。これらの値はユーザからの入力等による表示画面の動作指示により決定される。回転速度の単位は(回転数/秒)、加速度の単位は(回転数/(秒の2乗))である。なお、回転速度、加速度ともに時計回り方向(図6の映像コンテンツ2から映像コンテンツ1への方向)を正としている。
【0035】
図8は、表示開始0秒後の表示画面800における表示状態を示す図である。ここでは0秒後から1秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0036】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図8の映像コンテンツ1、映像コンテンツ2、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4)に優先的に割り当てられる。これらの映像コンテンツを単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、4秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は0.25となる。
【0037】
次に、図7より表示開始0秒後の回転速度は1/8、加速度は0であるので、式2により図5のグラフが選択され、式1及び図5より、wは1となる。よって余剰デコーダ量の0.25は、図8の映像コンテンツ5に割り当てられ、0秒後から1秒後の間に映像コンテンツ5は0.25秒分デコードされる。
【0038】
表示領域にある映像コンテンツ1、映像コンテンツ2、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ5の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ5が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105で保持される。
【0039】
図9は、表示開始1秒後の表示画面900における表示状態を示す図である。ここでは1秒後から2秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0040】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図9の映像コンテンツ2、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5)に優先的に割り当てられる。映像コンテンツ5は0秒後から1秒後の間に0.25秒分デコードされているので1秒後から2秒後の間の表示のためには0.75秒分のデコードが必要となる。従って、映像コンテンツ2、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5を単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、3.75秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は0.5となる。
【0041】
次に、図7より表示開始1秒後の回転速度は1/8、加速度は0であるので、式2により図5のグラフが選択され、式1及び図5より、wは1となる。よって、余剰デコーダ量の0.5は、図9のコンテンツ6に割り当てられ、1秒後から2秒後の間にコンテンツ6は0.5秒分デコードされる。
【0042】
表示領域にある映像コンテンツ2、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ6の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ6が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105で保持される。
【0043】
図10は、表示開始2秒後の表示画面1000における表示状態を示す図である。ここでは2秒後から3秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0044】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図10の映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6)に優先的に割り当てられる。映像コンテンツ6は1秒後から2秒後の間に0.5秒分デコードされているので2秒後から3秒後の間の表示のためには0.5秒分のデコードが必要となる。従って、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6を単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、3.5秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は0.75となる。
【0045】
次に、図7より表示開始2秒後の回転速度は1/8、加速度は−1/8であるので、式2により図4のグラフが選択され、式1及び図4より、wは0.5となる。よって、余剰デコーダ量の0.75は、図10の映像コンテンツ2及び映像コンテンツ7にそれぞれ0.375ずつ割り当てられ、2秒後から3秒後の間に映像コンテンツ2及び映像コンテンツ7はそれぞれ0.375秒分ずつデコードされる。
【0046】
表示領域にある映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ2及び映像コンテンツ7の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ2及び映像コンテンツ7が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105で保持される。
【0047】
図11は、表示開始3秒後の表示画面1100における表示状態を示す図である。ここでは3秒後から4秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0048】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図11の映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6、映像コンテンツ7)に優先的に割り当てられる。映像コンテンツ7は2秒後から3秒後の間に0.375秒分デコードされているので3秒後から4秒後の間の表示のためには0.625秒分のデコードが必要となる。従って、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6、映像コンテンツ7を単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、3.625秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は0.625となる。
【0049】
次に、図7より表示開始3秒後の回転速度は0、加速度は−1/8であるので、式2により図5のグラフが選択され、式1及び図5より、wは0となる。よって、余剰デコーダ量の0.625は、図11の映像コンテンツ3に割り当てられ、3秒後から4秒後の間に映像コンテンツ3は0.625秒分デコードされる。
【0050】
表示領域にある映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6、映像コンテンツ7の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ3の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ3が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105で保持される。
【0051】
図12は、表示開始4秒後の表示画面1200における表示状態を示す図である。ここでは4秒後から5秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0052】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図12の映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6、映像コンテンツ7)に優先的に割り当てられる。これらの映像コンテンツを単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、4秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は0.25となる。
【0053】
次に、図7より表示開始4秒後の回転速度は−1/8、加速度は0であるので、式2により図5のグラフが選択され、式1及び図5より、wは0となる。よって、余剰デコーダ量の0.25は、図11の映像コンテンツ3に割り当てられる。映像コンテンツ3は4秒後から5秒後の間に0.25秒分デコードされる。映像コンテンツ3は3秒後から4秒後の間に既に0.625秒分デコードされているので、合計0.875秒分プリデコードされていることになる。
【0054】
表示領域にある映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6、映像コンテンツ7の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ3の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ3が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105で保持される。
【0055】
図13は、表示開始5秒後の表示画面1300における表示状態を示す図である。ここでは5秒後から6秒後までの映像表示装置1の動作を説明する。
【0056】
先ず、復号処理部104のリソースは、現在表示されている画面(図13の映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6)に優先的に割り当てられる。映像コンテンツ3は3秒後から4秒後の間及び4秒後から5秒後の間に計0.875秒分デコードされているので5秒後から6秒後の間の表示のためには0.125秒分のデコードが必要となる。従って、映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6を単位時間分復号するために、復号処理部104のリソースのうち、3.125秒分が割り当てられる。よって、このときの余剰デコーダ量は1.125となる。
【0057】
次に、図7より表示開始5秒後の回転速度は−1/8、加速度は0であるので、式2により図5のグラフが選択され、式1及び図5より、wは0となる。よって、余剰デコーダ量の1.125は、図13の映像コンテンツ2及び映像コンテンツ1に割り当てられる。映像コンテンツ2は2秒後から3秒後の間に0.375秒分デコードされているので、映像コンテンツ2には余剰デコーダ量のうち0.625が割り当てられ、0.625秒分デコードされる。映像コンテンツ1には余剰デコーダ量の残りの0.5が割り当てられ、0.5秒分デコードされる。
【0058】
表示領域にある映像コンテンツ3、映像コンテンツ4、映像コンテンツ5、映像コンテンツ6の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡されると直ちに蓄積部105から映像合成/表示部106に渡される。映像合成/表示部106では、復号処理済みのデータに対して映像合成処理が施され、映像合成/表示部106から表示デバイスへと出力される。一方、非表示領域にある映像コンテンツ2及び映像コンテンツ1の復号処理済みのデータは、復号処理部104から蓄積部105に渡され、映像コンテンツ2及び映像コンテンツ1が表示領域に移動するまでの間、蓄積部105に保持される。
【0059】
以上、表示開始から6秒後までの各映像コンテンツに対するデコーダの割り当てについて説明した。0秒後から6秒後までの各映像コンテンツに対するデコーダの割り当てを図14に示す。図14の表中の白塗りの部分はその瞬間に表示されているコンテンツであることを、斜線部分はその瞬間に非表示のコンテンツであることを示している。
【0060】
以上のように本実施形態では、複数の映像コンテンツのスクロール表示制御の状況に応じて、未表示領域から表示領域に移動する映像コンテンツを予測し、予測された映像コンテンツを当該映像コンテンツが表示領域に移動する前の復号するように構成している。従って、本実施形態によれば、スクロール表示制御の状況に応じて次に表示される可能性の高い映像コンテンツを予測し、表示に先立って復号処理を施すことが可能となる。よって、映像コンテンツが非表示領域から表示領域に移動してくる際に、復号処理による遅延を発生することなく表示することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、円環状に配置したコンテンツの表示についてのみ説明したが、本発明はスクロール動作を伴う任意の配置形状のコンテンツの表示に適用可能である。
【0062】
<その他の実施形態>
本発明は、複数の機器から構成されるシステムの1部として適用しても、1つの機器からなる装置の1部に適用してもよい。
【0063】
また、本発明は上記実施形態を実現するための装置及び方法のみに限定されるものではない。
【0064】
例えば、上記システム又は装置内のコンピュータ(CPU或いはMPU)に、上記実施形態を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給するものも本発明の範疇に含まれる。また、このプログラムコードに従って上記システム或いは装置のコンピュータが上記各種デバイスを動作させることにより上記実施例を実現する場合も本発明の範疇に含まれる。
【0065】
この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が上記実施形態の機能を実現することになる。即ち、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、具体的には上記プログラムコードを格納した記憶媒体も本発明の範疇に含まれる。
【0066】
このようなプログラムコードを格納する記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0067】
また、本発明は上記プログラムコードのみに従って各種デバイスを制御することにより、上記実施形態の機能が実現される場合に限らない。例えば、上記プログラムコードがコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)、或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上記実施形態が実現される場合も本発明の範疇に含まれる。
【0068】
更に、コンピュータの機能拡張ボードに備わるメモリに格納された上記プログラムコードの指示に基づいて、その機能拡張ボードに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合なども本発明の範疇に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態に係る映像表示装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】表示デバイスの表示画面に出力される映像コンテンツの一例を示した図である。
【図3】図1に示した映像表示装置の表示位置予測部における動作を示したフローチャートである。
【図4】分配比率を決定するためのグラフを示す図である。
【図5】分配比率を決定するためのグラフを示す図である。
【図6】表示画面の初期表示状態を示す図である。
【図7】0秒後から5秒後において表示位置制御部が決定した円環状に並んだ映像コンテンツの回転速度と加速度を示す図である。
【図8】表示開始0秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図9】表示開始1秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図10】表示開始2秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図11】表示開始3秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図12】表示開始4秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図13】表示開始5秒後の表示画面における表示状態を示す図である。
【図14】0秒後から6秒後までの各映像コンテンツに対するデコーダの割り当てを示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1 映像表示装置
101 表示位置制御部
102 表示位置予測部
103 復号部制御部
104 復号処理部
105 蓄積部
106 映像合成/表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段によるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測手段と、
前記予測手段により予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記予測手段は、前記複数のコンテンツデータのスクロール表示の速度及び加速度のうちの少なくとも何れか一方に基づいて、未表示領域から表示領域に移動する前記コンテンツデータを予測することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記予測手段は、未表示領域から表示領域に移動する前記コンテンツデータの予測結果に応じて、前記コンテンツデータに対する前記復号手段のリソースの分配比率を決定し、前記復号手段は、前記予測手段により決定されたリソースの分配比率で前記コンテンツデータを復号することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御ステップと、
前記表示制御ステップによるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測ステップと、
前記予測ステップにより予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号ステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御ステップと、
前記表示制御ステップによるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測ステップと、
前記予測ステップにより予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御手段と、
前記表示制御手段によるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測手段と、
前記予測手段により予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記予測手段は、前記複数のコンテンツデータのスクロール表示の速度及び加速度のうちの少なくとも何れか一方に基づいて、未表示領域から表示領域に移動する前記コンテンツデータを予測することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記予測手段は、未表示領域から表示領域に移動する前記コンテンツデータの予測結果に応じて、前記コンテンツデータに対する前記復号手段のリソースの分配比率を決定し、前記復号手段は、前記予測手段により決定されたリソースの分配比率で前記コンテンツデータを復号することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御ステップと、
前記表示制御ステップによるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測ステップと、
前記予測ステップにより予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号ステップとを含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
複数のコンテンツデータをスクロール表示させる表示制御ステップと、
前記表示制御ステップによるスクロール表示制御の状況に応じて、前記複数のコンテンツデータのうち未表示領域から表示領域に移動するコンテンツデータを予測する予測ステップと、
前記予測ステップにより予測された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータが表示領域に移動する前に復号する復号ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−123081(P2010−123081A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298654(P2008−298654)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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