説明

画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

【課題】画像編集を制限し、用紙の白紙印刷を防止する画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明に係る画像処理装置は、画像データの濃度調整の処理を行う濃度調整手段と、前記濃度調整手段により濃度調整された画像データの白紙検知を行う白紙検知手段と、濃度調整の設定を操作入力する操作入力手段と、前記白紙検知手段により、濃度調整された画像データが白紙検知されたとき、前記操作入力手段において、当該画像データが白紙検知された際の濃度への設定を制限する制限手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法及びプログラムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置、コピーおよびスキャナなどの複数の機能を一つの筐体内に収納した画像形成装置が知られている。現在の画像形成装置(MFP:Multi-Function Peripheral)は、CPUの性能向上、メモリの大容量化、通信技術の高速化及びデジタル画像技術の高度化等、MFPに関連する技術の進化に伴い、単にデジタル複写機としての機能だけでなく、例えば、ネットワークやファクシミリ等で画像や文書などのデータの送受信を可能とし、ユーザ環境において様々な利用形態を提供するものである。
【0003】
また画像形成装置は、白紙原稿読取防止、白紙印刷等を防止する目的で、白紙検知機能を備えていることも知られている(例えば特許文献1参照)。コピー原稿を読み取る際に、読み取った原稿画像に含まれる白領域の割合を算出し、白領域の割合がある一定率以上である場合には、原稿画像は白紙であるものと判定され、ユーザに注意を促し、原稿が白紙でスキャンされることを防止する。
【0004】
具体的に、画像形成装置における画像処理では、画像データの再利用性を向上させる為、入力装置(スキャナ等)から取得された画像データは、第一の画像処理が行われてから、所定フォーマットでメモリに一旦蓄積される。そして画像出力操作時、蓄積された画像データは、ユーザの要求(操作)に従って、第二の画像処理が行われてから、出力装置(例えばプリンタ)から出力される。第一の画像処理とは、例えば、白紙検知処理、スキャナγ変換、フィルタ処理、色変換、変倍処理などであり、第二の画像処理とは、例えば、濃度調整処理、シャープソフト調整、フィルタ処理、色変換、変倍処理、適応γ処理、階調処理などである。
【0005】
ところで、画像全体が淡い原稿や、白地の上に細線で書かれた文字しかないような原稿が入力された場合、白領域の割合如何によっては、第一の画像処理での白紙検知処理を通過してメモリ蓄積されうる。そして画像出力操作時、ユーザが操作パネル等からこの画像に対し濃度を淡くするような濃度調整を行った場合、第二の画像処理で画像全体はさらに淡く調整され、その結果、画像は殆んど白紙の状態で出力されてしまうという問題がある。つまり、画像形成装置において白紙検知処理を行っている場合でも、その後のユーザ要求(操作)によっては、依然として、用紙が白紙で排出されてしまう場合があるのである。
【0006】
これに関し、特許文献2には、意図しない白紙出力による用紙の無駄を防ぐとともに、意図しない白紙出力を招いてしまい再度出力方法を変えたときの原稿の再読み込みを省くことができる発明が記載されている。画像データ蓄積後、編集(特に濃度調整)した画像データの一部もしくは一ページ分だけ試し出力し、試し出力の結果の確認後、結果の適否が適の場合は、編集結果をそのまま適用し出力する。結果の適否が否の場合は、再度編集するようユーザに促し、またその場合でも画像データを蓄積しているため、再度原稿を読み取らせる手間を省く装置が開示されている。本発明によれば、画像データの一部もしくは一ページ分は、試し出力により出力されてしまうものの、全体としては、白紙出力による用紙の無駄を防止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載される発明においては、画像データの一部もしくは一ページ分の用紙は、依然として試し出力により出力されてしまうことになる。また、試し出力の結果の確認後、結果の適否が否の場合は、ユーザは、再度、例えば濃度を変えて濃度調整をやり直す操作が必要であるが、仮に濃度調整後、試し出力により出力された用紙が依然としてとして白紙である場合、ユーザは、再々度、濃度を変えて濃度調整をやり直す操作が必要となってくるので、画像出力操作時、場合によっては操作に非常に手間がかかってしまうことになる。
【0008】
なお、第二の画像処理後の印刷出力前に再度白紙検知を行うことも考えられる。ここで白紙検知された場合、白紙が出力されることは防止できるが、ユーザは、再度、再々度というように濃度を変えて繰り返し濃度調整をやり直す操作は依然必要とされる。
【0009】
そこで本発明では上記のような問題に鑑みて、画像編集を制限し、用紙の白紙印刷を防止する画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像処理装置は、画像データの濃度調整の処理を行う濃度調整手段と、前記濃度調整手段により濃度調整された画像データの白紙検知を行う白紙検知手段と、濃度調整の設定を操作入力する操作入力手段と、前記白紙検知手段により、濃度調整された画像データが白紙検知されたとき、前記操作入力手段において、当該画像データが白紙検知された際の濃度への設定を制限する制限手段とを有すること特徴とする。
【0011】
また上記課題を解決するため、前記画像処理装置において、前記白紙検知手段が、前記濃度調整手段により処理可能な最も薄い濃度に調整された画像データについて白紙検知した場合、前記濃度調整手段は、前記最も薄い濃度からノッチ順に濃い濃度へ、画像データの濃度を多段階調整し、前記白紙検知手段は、前記濃度調整手段によりノッチ順に濃度調整された画像データの白紙検知を行い、ノッチ順に濃度調整された画像データが白紙検知されたとき、前記制限手段は、前記操作入力手段において、白紙検知された当該濃度より薄い全ての濃度への設定を制限することを特徴とする。
【0012】
また上記課題を解決するため、前記画像処理装置において、前記操作入力手段は、複数の画像データの濃度調整の設定を一括して操作入力可能であって、前記制限手段は、前記白紙検知手段により、濃度調整された複数の画像データのうち少なくとも一の画像データが白紙検知されたとき、前記操作入力手段において、当該一の画像データが白紙検知された際の当該濃度への設定を一律に制限することを特徴とする。
【0013】
また上記課題を解決するため、前記画像処理装置において、前記操作入力手段は、複数の画像データの濃度調整の設定を一括して操作入力可能であって、前記制限手段は、前記白紙検知手段により、濃度調整された複数の画像データのうち少なくとも一の画像データが白紙検知されたとき、前記操作入力手段において、当該一の画像データについては、当該一の画像データが白紙検知された際の当該濃度への設定を制限し、前記複数の画像データのうち白紙検知されなかった画像データについては、当該濃度への設定を制限しないことを特徴とする。
【0014】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像編集を制限し、用紙の白紙印刷を防止する画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】画像形成装置100の一実施形態の主要構成を示す機能ブロック図である。
【図3】画像形成装置100の前半動作全体を説明するフローチャートである。
【図4】濃度調整処理及び白紙検知処理を説明するフローチャートである。
【図5】濃度調整ノッチN毎の画像例を示す。
【図6】画像形成装置100の後半動作全体を説明するフローチャートである。
【図7】濃度調整の設定画面(制限前)の一例を示す。
【図8】濃度調整の設定の制限を示す図である。
【図9】表示又は編集の制限を概念的に示す図である。
【図10】従来の画像形成装置において、蓄積画像データを一括で編集し出力した結果を概念的に示す図である。
【図11】複数枚の画像データに対する編集制限を説明する図である。
【図12】濃度調整の設定の一部制限を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施するための形態を各実施形態において図面を用いて説明する。なお、本発明を説明するにあたって、本発明による画像処理装置の一実施形態である画像形成装置に本発明を適用した例を以下に示す。
【0018】
<構成>
(ハードウェア)
本発明の実施形態に係る画像形成装置には、例えば、プリンタ、コピーおよびスキャナなどの複数の機能を一つの筐体内に収納した複合機が適用できる。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。画像形成装置100は、以下のように複数の装置からなる組み込み機として構成される。
【0019】
読取装置1は、一般的なスキャナなどの装置であり、読み取り面に配置された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。例えば、原稿をスキャンすることで得る原稿の濃淡情報から、RGB各8ビットの600dpiデジタル画像データ(以下、単に画像データ、画像という場合がある)を生成し出力する。
【0020】
画像データ処理装置2aは、読取装置1からの画像データに対して、最適な画像に変換する為の各種画像処理を行う装置である。読取装置1からの画像データに対して最適な画像に変換する。画像データ処理装置2bは、CPU7から送られてくる画像データを、プロッタ装置10に合わせた最適な画像に変換する装置である。
【0021】
白紙検知装置3は、画像データが白紙であるかどうかの判定を行い、白紙を検知する装置である。本実施形態においては、CPU7によるプログラムの実行で、白紙検知の開始、終了を制御し、検知レベルの決定を操作表示装置11で選択できる範囲に対応する濃度ノッチレベルに関して白紙検知を行う。詳細は後述する。
【0022】
バス制御装置4は、画像処理装置100内で必要な画像データや制御コマンド等各種データのやり取りを行う。
【0023】
画像編集装置5は、画像データに対して、濃度調整、シャープソフト調整、集約、指定色変換などの画像編集処理を行う。詳細は後述する。
【0024】
画像蓄積装置6は、入力されたデジタル画像データ、及びデジタル画像データの付帯情報等を蓄積するための記憶装置である。
【0025】
CPU7は、画像処理装置100の制御全体を司るマイクロプロセッサである。メモリ8は、CPU7が画像処理装置100の制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶するためのなどに使用される揮発性メモリである。
【0026】
プロッタI/F装置9は、画像データ処理装置2bから送られてくるCMYKのデジタル画像データを受け取り、プロッタ装置10の専用I/Fに出力する。プロッタ装置10は、CMYKのデジタル画像データを受け取ると、レーザービームを用いた電子写真プロセスなどにより、転写紙に画像出力する。
【0027】
操作表示装置11は、画像処理装置100とユーザとのインターフェースを行う部分である。操作パネル(タッチパネル)のように、LCD(液晶表示装置)とキースイッチから構成され、装置の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザからのキースイッチ入力を検知する。画像編集操作や画像出力(印刷)操作などは、この操作表示装置11から行われる。
【0028】
S.B.(14)は、South Bridgeと呼ばれるバスのブリッジ機能を汎用回路化したものである。ROM15は、CPU7が画像処理装置100の制御を行う際のプログラムが格納されるメモリである。
【0029】
また、画像処理装置100は、自装置外にあるFAX16と、電話回線及び回線I/F装置12を介して、画像データの授受を行う。さらに、自装置外にあるPC17と、ネットワーク及び外部I/F装置13を介して、各種制御や画像データの入出力を行う。
【0030】
このように、画像処理装置の一実施形態としての画像形成装置100は、上記ハードウェア構成により、コピー、プリンタ、ファクシミリ、スキャナなどの複数の機能を実現している。
【0031】
なお、一例として、前述の画像処理装置2における画像処理には、次のようなものがある。この点、補足的に説明しておく。
・スキャナγ変換:画像処理装置2aで行われる。RGB各8ビット読取画像データに対してγ変換を行い、グレーバランスを合わせたり、階調特性を変換したりする。
・フィルタ処理:画像処理装置2a、2bの両装置で行われる。画像の絵柄部を滑らかにするための平滑化や、文字部をくっきりさせるためのエッジ強調を行う。
・色変換:画像処理装置2a、2bの両装置で行われる。決められた特性の色空間のRGBデータに変換して出力する。この色空間は、例えば、Adobe社が定義したAdobe−RGB空間のようなものである。さらに画像データ処理装置2bは、RGB各8ビットのデータをプロッタ装置の色空間であるCMYK各8ビット(モノクロ出力する場合にはK信号のみ)に変換する。
・変倍処理:画像処理装置2a、2bの両装置で行われる。画像データを出力の解像度や画像サイズに変換するための拡大・縮小処理を行う。
・適応γ処理:画像処理装置2bで行われる。プロッタ特性(ハーフトーン有)のリニアリティーを保障し、さらに画像の濃淡特性を最適化する処理を行う。
・階調処理:画像データ処理装置2aで行われる。CMYK各8ビットのデータをプロッタ装置の階調数(例えばCMYK各2ビット)に変換するために、ディザ処理や誤差拡散処理といった疑似中間調処理を行う。
【0032】
(機能)
図2は、画像形成装置100の一実施形態の主要構成を示す機能ブロック図である。画像形成装置100の動作について、機能的な観点から示される図である。画像形成装置100は、濃度調整部21、白紙検知部22、操作入力部23、制限部24、及び記憶部25を含む構成である。各機能についてより詳しくは後述するので、ここでは簡単に説明する。
【0033】
濃度調整部21は、画像データの濃度調整の処理を行う機能を有している(例えば前述の画像編集装置5により実現される)。濃度調整部21は、前述の画像処理装置2aにより所定の画像処理がなされた画像データに対して、多段階の濃度調整を行う。またもしくは、画像蓄積装置6に蓄積された画像データに対して、操作表示装置11を介した濃度調整の設定に従い、設定(指定)された濃度での濃度調整を行う。詳しくは後述する。
【0034】
白紙検知部22は、画像データの白紙検知を行う機能を有している(例えば前述の白紙検知装置3により実現される)。白紙検知部22は、前述の画像処理装置2aによる所定の画像処理後、濃度調整部21により濃度調整された画像データを対象にして白紙検知を行う。多段階の濃度調整がなされる場合、当該回数分の白紙検知を行う。詳しくは後述する。
【0035】
操作入力部23は、画像編集の設定、特に濃度調整の設定を操作入力する機能を有している(例えば前述の操作表示装置11により実現される)。画像出力操作時、操作パネル(タッチパネル)に濃度調整の設定画面を表示し、設定画面から濃度調整の設定を入力できるようになっている。
【0036】
制限部24は、白紙検知部22により、濃度調整された画像データが白紙検知されたとき、白紙検知された際の画像データの濃度に基づき、操作入力部23において濃度調整の設定が操作入力される際、白紙検知された当該濃度への設定を制限する機能を有している(例えばCPU7が実行する本発明に係るプログラムにより実現される)。制限部24は、操作入力部23の濃度調整の設定画面の表示について、白紙検知された当該濃度への設定、及び当該濃度より薄い濃度への設定ができないように制限する制御を行なう。
【0037】
記憶部25は、白紙検知部22により画像データが白紙検知された場合、白紙検知された際の画像データの濃度(濃度値又は濃度調整ノッチ)を記憶する(例えば前述の画像蓄積装置6により実現される)。記憶された画像データの濃度は、操作入力部23において濃度調整の設定が操作入力される際、制限部24により参照される。続いて、本発明に係る画像形成装置100の動作について、各機能部の機能を含めより詳しく説明していく。
【0038】
<動作>
本発明に係る画像形成装置100の動作について、以下説明する。なお、理解を容易にする為に、便宜上、前半動作及び後半動作の2つに分けて説明していく。
【0039】
(前半動作)
画像形成装置100の前半動作について説明する。画像形成装置100においては、前述したように、まず読取装置1から画像データが入力され、画像データ処理装置2aにより各種画像処理が行われる。そして、以下詳細に説明する白紙検知装置3及び画像編集装置5による処理がなされた後、画像データは画像蓄積装置6に蓄積される。なお、蓄積された画像データは、画像出力操作時、その印刷の対象とされる画像である。ここまでを画像形成装置100の前半動作として、以下フローチャートを参照しながら説明を行う。
【0040】
図3は、画像形成装置100の前半動作全体を説明するフローチャートである。繰り返しになるが、まず読取装置1から画像データが入力され(S301)、画像データ処理装置2aにより各種の画像処理が行われる(S302)。そして、画像編集装置5による濃度調整処理(S303)、白紙検知装置3による白紙検知処理(S304)がなされた後、画像データは画像蓄積装置6に蓄積される(S305)。ここで、濃度調整処理(S303)、白紙検知処理(S304)は複数回繰り返される場合がある。以上が前半動作全体の流れとなるが、次に、濃度調整処理(S303)及び白紙検知処理(S304)について、詳しく説明する。
【0041】
図4は、濃度調整処理及び白紙検知処理を説明するフローチャートである。まず、画像編集装置5は、濃度調整(濃度変更)を行う為、濃度調整ノッチNを最大値に設定する(S401)。操作表示装置11の操作パネル上、濃度調整用のユーザインターフェースは、中央の基準点から「濃い」、「薄い(淡い)」方向に段階的に濃度の調整ができるようになっており、この段階のことをノッチという。また、Nが最大値のとき濃度は最も薄く(淡く)調整され、Nが最小値のとき濃度は最も濃く調整されるものとする。本実施形態においては、濃度調整ノッチとして、nを基準値(デフォルト)とする5段階の設定を有し、具体的には、濃度が濃い順から(n−2)、(n−1)、n、(n+2)、(n+2)の濃度調整ノッチを有する。以上からすると、画像編集装置5は、S401において濃度調整ノッチNを最大値に設定すべく、N←(n+2)と設定する。濃度調整ノッチNが濃度調整可能な最大の濃度段階(濃度値)に設定されると、濃度は最も薄く調整される。
【0042】
濃度調整ノッチNが設定されると、画像編集装置5は、調整すべき濃度をNとして、入力されて画像データ処理装置2aにより各種画像処理が行われた画像データに対し、濃度調整(濃度変更)処理を行う(S402)。なお、入力された画像データは、例えば画像全体が淡い原稿や、白地の上に細線で書かれた文字しかないような原稿から入力された画像(即ち白紙に近い原稿)であるとする。
【0043】
次に、白紙検知装置3は、濃度調整処理された画像データに対して白紙検知処理を行う(S403)。その結果、白紙として検知されない場合(S404)、画像蓄積装置6は、濃度調整ノッチN(の値)を画像データとともに蓄積する(S405)。なおここで、濃度調整ノッチN=最大値(n+2)のときに白紙検知されない場合は、その後の画像出力操作時において、ユーザの画像編集操作(設定操作)によりどのような濃度レベルに濃度調整されても白紙が出力されることはない。画像データは、濃度調整可能な最大の濃度段階(濃度値)に設定されており、最も薄く濃度調整されている画像データに対しても白紙として検知されていないからである。
【0044】
一方、白紙として検知された場合(S404)、濃度調整ノッチNは、濃度調整可能な最小値=(n−2)であるかの判定を行う(S406)。ここで濃度調整ノッチNは、濃度調整可能な最小値でないとして説明を進める。
【0045】
濃度調整ノッチNが濃度調整可能な最小値でない場合は、濃度調整ノッチNをさらに小さく設定できる。よって、濃度調整ノッチNを一段階小さく設定する(S407)。具体的に、濃度調整ノッチNを(n+1)に設定して、一段階濃度が濃くなるよう設定する。
【0046】
再び、画像編集装置5は、調整すべき濃度を濃度調整ノッチN=(n+1)として、入力された画像データに対して濃度調整処理を行う(S402)。また、白紙検知装置3は、濃度調整ノッチN=(n+1)として濃度調整処理された画像データに対し、白紙検知処理を行う(S403)。
【0047】
このように、S407、S402〜S404のステップを繰り返して、濃度を段階的に濃くしてゆき(n+1、n、n−1、n−2)、白紙検知を行う。そしてある濃度調整ノッチの値において白紙として検知されなかった場合(S404)、画像蓄積装置6は、その濃度調整ノッチの値を画像データとともに蓄積する(S405)。ここで、前述の画像全体が淡い原稿や、白地の上に細線で書かれた文字しかないような原稿から入力された画像は、このルートで処理されうる。画像全体が淡いので、濃度調整ノッチN=最大値とされた場合は白紙として検知される可能性が高い。しかし、段階的に高濃度に調整され、ある濃度調整ノッチでの濃度であれば、白紙として検知されなくなる。このとき、当該淡い画像は、当該濃度調整ノッチの値とともに蓄積されるのである。
【0048】
また一方、濃度を段階的に濃くしてゆき、白紙検知を行うものの白紙として検知され続け、濃度調整ノッチは濃度調整可能な最小値(n−2)まで到達してしまう場合がある。これ以上濃度調整ノッチの値を小さく設定することはできない。従って、濃度調整ノッチNは、濃度調整可能な最小値であると判定され(S406)、画像データは「白紙」であるものとしてユーザに通知される。理由は、濃度調整ノッチNを濃度調整可能な最小値、つまり最も濃度を濃く設定して濃度調整を行った画像データですら白紙と検知されてしまっているからである。よって、入力された画像データは白紙であるから再度原稿を確認し読取りを行うべき旨の注意等を促す表示を行う。
【0049】
図5は、濃度調整ノッチN毎の画像例を示す。濃度調整ノッチNの最大値を(n+2)とし、最小値を(n−2)とした場合であり、濃度調整ノッチN=(n+2)、(n+1)のとき、白紙と検知されているものとする。この例では、濃度調整ノッチN=nのとき白紙と検知されていないので、画像データとともに画像蓄積装置6に蓄積される濃度調整ノッチN(の値)は、nとなる。
【0050】
なお、画像蓄積装置6に蓄積される画像データは、画像データ処理装置2aにより画像処理が行われた後の画像データが蓄積される。画像編集装置5による濃度調整は、あくまで白紙検知される濃度調整ノッチNを取得する為であるからである。
【0051】
(後半動作)
次に、画像形成装置100の後半動作について説明する。後半動作は、画像出力処理動作に関する。操作表示装置11からの画像編集操作に従って、画像編集装置5により、画像蓄積装置6に蓄積された画像データに対して、少なくとも濃度調整を含む画像編集処理が行われる。画像編集操作は、ユーザにより操作表示装置11からのキースイッチ入力に従って行われる。その後、画像処理装置2bにより所定の画像処理がなされる。プロッタ装置10は、画像処理後の画像データを受け取ると、レーザービームを用いた電子写真プロセスなどにより、転写紙に画像出力する。
【0052】
図6は、画像形成装置100の後半動作全体を説明するフローチャートである。まず、ユーザが画像を編集してから印刷をすべく、操作表示装置11を操作して、対象の画像データを指定する。画像データが指定されると、画像編集装置5は、画像蓄積装置6から画像データ及び濃度調整ノッチNの値を取得する(S601)。具体的に、ここで取得される濃度調整ノッチNの値は、nである。
【0053】
操作表示装置11は、指定された画像データに対して濃度調整の設定を操作入力する為の設定画面を表示する(S602)。図7は、濃度調整の設定画面(制限前)の一例を示す。当該画面においては、中央の基準点から段階的に左右方向に「濃い」、「薄い」の濃度の調整ができるようになっている。
【0054】
ここで制限部24は、濃度調整の設定が操作入力される際、白紙検知されている当該濃度への設定を制限する動作を行う。具体的に、制限部24は、記憶されている濃度調整ノッチN(の値)を取得し、濃度調整の設定画面の表示について、濃度調整ノッチNより大きい濃度への設定、即ち当該濃度より薄い濃度への設定ができないように、その表示(又は編集)を制限する制御を行なう。具体的に、取得されている濃度調整ノッチNの値は、nであるので、濃度調整ノッチが(n+1)、(n+2)への設定ができないように、その表示(又は編集)を制限する制御を行なう。
【0055】
画像編集装置5は、画像蓄積装置6から画像データとともに、濃度調整ノッチNの値を取得している(S601)。制限部24の機能を画像編集装置5が有するように構成すれば、画像編集装置5から操作表示装置11に対して、濃度調整の編集を制限すべく、濃度調整の設定画面の表示について、当該濃度調整ノッチNより大きい濃度への設定、即ち当該濃度より薄い濃度への設定ができないように、その表示を制限する制御を行うようにするとよい。
【0056】
図8は、濃度調整の設定の制限を示す図である。制限前においては5段階レベルの濃度調整を設定可能であるところ、図に示されるように制限後においては、nより大きい濃度への設定、即ち濃度調整ノッチNが(n+1)及び(n+2)に相当する濃度調整レベルへの設定は不可となっている。逆にいえば、濃度調整ノッチNが(n−2)、(n−1)、nに相当する濃度調整レベルへの設定のみ許可される。
【0057】
濃度調整の設定画面から、上記制限の下、濃度調整操作がなされると、画像編集装置5は、その濃度に対応した濃度調整処理を行う(S603)。そして、画像データ処理装置2bにより各種の画像処理が行われてから(S604)、プロッタ装置10は、転写紙に画像を出力する(S605)。
【0058】
以上のように、画像形成装置100は前半動作において、入力画像に対し低濃度から順に多段階の濃度調整を行い、各段階の濃度調整後の画像に対して白紙検知を行う。濃度調整可能な範囲の中である濃度での画像が白紙と検知された場合、当該濃度(値)を画像とともに記憶しておく。そして後半動作の、画像出力操作時、白紙と検知されたときの濃度に基づき、濃度調整の設定画面の表示において、当該濃度への設定、及び当該濃度より薄い濃度への設定ができないように、その表示(又は編集)を制限する制御を行なう。このように、白紙で印刷出力されることになる濃度への調整は、設定画面から予め設定できないようになっているので、ユーザが白紙で印刷出力される濃度調整をしてしまうことを未然に防止でき、また白紙で印刷出力されうる画像に対して高濃度化を促すことにより、用紙の無駄を省くことが可能となる。
【0059】
図9は、表示又は編集の制限を概念的に示す図である。実線で示される濃度調整ノッチへの濃度調整は可能である。一方、点線で示される濃度調整ノッチへの濃度調整は、当該濃度によると白紙と検知されており、この濃度調整ノッチでの濃度調整を行った場合、白紙が出力されることになる。従って、濃度調整の設定画面から、点線で示される濃度調整ノッチへの濃度調整は不可能となっている。
【0060】
<変形例1>
従来からの画像形成装置においては、蓄積された複数の画像データに対して一括編集を加えてから画像を出力することができる。例えば、画像データを1枚ずつ編集して出力することも可能であるし、蓄積した画像全てに対して一括して同一の編集を加えて出力することも可能である。ここで、ユーザが画像を淡くする為、複数の画像を一括して一律に低濃度調整を行うと、中には白紙で出力されてしまう場合がある。
【0061】
図10は、従来の画像形成装置において、蓄積画像データを一括で編集し出力した結果を概念的に示す図である。複数の蓄積画像データが示され、それぞれの画像は白紙検知されないノッチレベルを少なくとも保持しているものとする。複数の蓄積画像データに対して、一括して低い濃度調整を行うと、画像の中には当該濃度調整によって、結果白紙で出力されてしまう場合がある。従来の画像形成装置においては、白紙で出力されうる原稿に対して白紙検知を行うのは、蓄積前の、即ち画像編集前の画像データに対してであり、編集後の画像が白紙として出力されうることが考慮されていないからである。本変形例においては、蓄積された複数の画像データに対して一括編集(特に濃度調整)を加えて画像を出力する場合でも、画像が白紙で出力されることを防止する画像形成装置100について説明を行う。
【0062】
図11は、複数枚の画像データに対する編集制限を説明する図である。図に示されるように、前述の前半動作(図4)によって、蓄積される画像データ1〜Mのそれぞれ毎に、濃度調整ノッチNの値が記憶されている。この濃度調整ノッチNの値をそれぞれN〜Nとする。また、濃度調整ノッチの値は大きいほど濃度が薄く(淡く)、濃度ノッチの値が小さいほど濃度が濃いことを示すものとする。
【0063】
再び図6を参照して、本変形例における後半動作を説明する。ユーザが画像を編集してから印刷をすべく、操作表示装置11を操作して複数の画像データ1〜Mを指定する。複数の画像データが指定されると、画像編集装置5は、画像蓄積装置6から複数の画像データ及び複数の濃度調整ノッチNの値を取得する(S601)。ここで取得される濃度調整ノッチNの値は、それぞれN〜Nである。
【0064】
操作表示装置11は、指定された画像データに対して濃度調整の設定を操作入力する為の設定画面を表示する(S602)。ここで制限部24は、濃度調整の設定が操作入力される際、白紙検知されている当該濃度への設定を制限する動作を行う。具体的に、制限部24は、記憶されている濃度調整ノッチN(の値)であるN〜Nを取得し、そのN〜Nの中から最小値を求める。最小値をNminとする。そして、濃度調整の設定画面の表示について、複数の濃度調整ノッチNにおける最小値Nminより大きい濃度への設定、即ち当該濃度より薄い濃度への設定ができないように、その表示(又は編集)を制限する制御を行なう。このように、最小値Nminに基づき編集制限を行えば、複数の全ての画像データが白紙として出力されることはない。
【0065】
濃度調整の設定画面から上記制限の下、濃度調整操作がなされると、画像編集装置5は、その濃度に対応した濃度調整処理を行う(S603)。画像データ処理装置2bにより各種の画像処理が行われてから(S604)、プロッタ装置10は、転写紙に画像を出力する(S605)。
【0066】
以上のように、本変形例の画像形成装置100は、複数の画像を一括編集して画像出力を行う場合、複数の画像とともに記憶される濃度調整ノッチNの値の中から、最小値を求め、当該白紙と検知されたときの濃度の最小値に基づき、濃度調整の設定画面の表示において、当該濃度への設定、及び当該濃度より薄い濃度への設定ができないように、その表示(又は編集)を制限する制御を行なう。このように、1枚でも白紙で印刷出力される濃度への調整は、設定画面から予め設定できないようになっているので、複数の画像データに対して同じ濃度調整をしても、ユーザが白紙で印刷出力される濃度調整をすることを未然に防止でき、また白紙で印刷出力されうる画像に対して高濃度化を促すことにより、用紙の無駄を省くことが可能となる。
【0067】
<変形例2>
前述の変形例1において、複数の画像を一括編集して画像出力を行う場合、制限部24は、濃度調整の設定画面の表示について、複数の濃度調整ノッチNにおける最小値Nminより大きい濃度への設定、即ち当該濃度より薄い濃度への設定ができないように、その表示(又は編集)を制限する制御を行なった。このような場合、複数の画像とともに記憶される濃度調整ノッチNの値の中に、1枚でも特に小さい濃度調整ノッチNの値があると、その1枚の画像にその他の画像が一律に引きずられて、濃度調整可能なノッチが制限される。つまり、他の画像からすれば、本来、より薄い(淡い)濃度調整が可能であるにも関わらず、その1枚の画像の為にそれが叶わないということになる。
【0068】
本変形例においては、複数の画像を一括編集して画像出力を行う場合であって、濃度調整の設定画面から、濃度調整を前述の最小値Nminより大きい(薄い)濃度の編集を実施した場合、その濃度では白紙で出力されてしまう画像については、これまで説明を行ってきたように、白紙とならない濃度で濃度調整を行い、その他の画像については濃度調整の設定画面からの入力操作に従い濃度調整を行うようにする。
【0069】
再び図6を参照して、本変形例における後半動作を説明する。ユーザが画像を編集してから印刷をすべく、操作表示装置11を操作して複数の画像データ1〜Mを指定する。複数の画像データが指定されると、画像編集装置5は、画像蓄積装置6から複数の画像データ及び複数の濃度調整ノッチNの値を取得する(S601)。ここで取得される濃度調整ノッチNの値は、それぞれN〜Nである。
【0070】
操作表示装置11は、指定された画像データに対して濃度調整の設定を操作入力する為の設定画面を表示する(S602)。ここで制限部24は、濃度調整の設定が操作入力される際、白紙検知されている当該濃度への設定を制限する動作を行う。具体的に、制限部24は、記憶されている濃度調整ノッチN(の値)であるN〜Nを取得すし、そのN〜Nの中から最小値を求める。最小値をNminとする。なお前述と同様に、濃度調整ノッチとして、nを基準値とする5段階の設定を有し、具体的には、濃度が薄い順から(n−2)、(n−1)、n、(n+2)、(n+2)の濃度調整ノッチを有するものとする。
【0071】
そして、濃度調整の設定画面の表示について、複数の濃度調整ノッチNにおける最小値Nminより大きい濃度への設定、即ち当該濃度より薄い濃度への設定は、一部の画像について設定できないように、その編集を一部制限する制御を行なう。
【0072】
例えば、最小値がNmin=nである場合、nより大きい濃度への設定、即ち(n+1)及び(n+2)に相当する濃度調整ノッチへの設定は、条件付きで設定可となっている。つまり、複数の画像の中から一部の画像については、(n+1)及び(n+2)に相当する濃度へ調整されることはなく、Nmin=nに相当する濃度調整ノッチに設定される。ここでいう一部の画像とは、記憶されている濃度調整ノッチNの値が設定画面から指定された濃度より小さい画像である。仮に、一部の画像について、設定画面の指定に従い、(n+1)及び(n+2)に相当する濃度に調整された場合、白紙で出力されてしまうことになる。その一方、その他の画像については、設定画面から(n+1)及び(n+2)に相当する濃度調整レベルが指定された場合、当該濃度調整レベルに調整される。
【0073】
より具体的に、4つの画像データ、画像1、画像2、画像3、画像4について、濃度調整ノッチNはそれぞれ、(n+2)、(n+2)、n、(n+2)であるとする。画像1、画像2、画像4については、(n+2)に相当する濃度調整レベルに濃度調整された場合であっても白紙検知されることはない。しかしながら、画像2(一部の画像に相当)については、(n+1)又は(n+2)に相当する濃度調整レベルに濃度調整された場合、白紙出力されてしまう。ここで、設定画面から、濃度調整レベルが(n+1)又は(n+2)相当に濃度調整操作された場合、画像1、画像2、画像4については、操作に従い当該濃度調整レベルで濃度調整される。一方、画像2については、nより大きい濃度への設定、即ち当該濃度より薄い濃度への設定ができないように、その表示又は編集を一部制限する制御を行う。つまり、ここで設定画面から、濃度調整レベルが(n+1)又は(n+2)相当に濃度調整操作された場合でも、画像2については、濃度レベルがnに相当する濃度に濃度調整される。
【0074】
図12は、濃度調整の設定の一部制限を示す図である。図に示されるように、nより大きい濃度への設定、即ち(n+1)及び(n+2)に相当する濃度調整レベルへの設定は一部制限付きで可となっている。また、(n−2)、(n−1)、nに相当する濃度調整レベルへ設定は制限なく許可される。(n+1)又は(n+2)に相当する濃度調整レベルに設定された場合、一部の画像については、(n+1)及び(n+2)に相当する濃度調整レベルに濃度調整されることはなく、nに相当する濃度調整レベルに濃度調整される。この一部の画像について、白紙で出力されることを防止するためである。一方、その他の画像については、設定画面からの操作を優先する為、(n+1)又は(n+2)に相当する濃度調整レベルに濃度調整される。
【0075】
このように、濃度調整の設定画面から上記制限の下、濃度調整操作がなされると、画像編集装置5は、その濃度に対応した濃度調整処理を行う(S603)。画像データ処理装置2bにより各種の画像処理が行われてから(S604)、プロッタ装置10は、転写紙に画像を出力する(S605)。
【0076】
以上のように、本変形例の画像形成装置100は、複数の画像を一括編集して画像出力を行う場合であって、ある画像については、濃度調整の設定画面からの濃度調整レベルによっては白紙出力されうる場合、その濃度調整レベルより大きい濃度への設定、即ち当該濃度より薄い濃度への設定は、一部の画像について設定できないように、その編集を一部制限する制御を行なう。白紙出力されうる画像については、編集制限を行うことで、白紙で印刷出力されることを未然に防止でき、その他の画像については、濃度調整の設定画面からの操作を優先して、操作に従った濃度調整を行うことが可能となる。
【0077】
以上、本発明によれば、画像編集を制限し、用紙の白紙印刷を防止する画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することが可能となる。
【0078】
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 読取装置
2 画像処理装置
3 白紙検知装置
4 バス制御装置
5 画像編集装置
6 画像蓄積装置
7 CPU
8 メモリ
9 プロッタI/F装置
10 プロッタ装置
11 操作表示装置
12 回線I/F装置
13 外部I/F装置
14 S.B.
15 ROM
16 FAX
17 PC
21 濃度調整部
22 白紙検知部
23 操作入力部
24 制限部
25 記憶部
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2007‐074270号公報
【特許文献2】特開2008‐236258号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データの濃度調整の処理を行う濃度調整手段と、
前記濃度調整手段により濃度調整された画像データの白紙検知を行う白紙検知手段と、
濃度調整の設定を操作入力する操作入力手段と、
前記白紙検知手段により、濃度調整された画像データが白紙検知されたとき、前記操作入力手段において、当該画像データが白紙検知された際の濃度への設定を制限する制限手段と、
を有すること特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記白紙検知手段が、前記濃度調整手段により処理可能な最も薄い濃度に調整された画像データについて白紙検知した場合、
前記濃度調整手段は、前記最も薄い濃度からノッチ順に濃い濃度へ、画像データの濃度を多段階調整し、前記白紙検知手段は、前記濃度調整手段によりノッチ順に濃度調整された画像データの白紙検知を行い、
ノッチ順に濃度調整された画像データが白紙検知されたとき、前記制限手段は、前記操作入力手段において、白紙検知された当該濃度より薄い全ての濃度への設定を制限すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記操作入力手段は、複数の画像データの濃度調整の設定を一括して操作入力可能であって、
前記制限手段は、前記白紙検知手段により、濃度調整された複数の画像データのうち少なくとも一の画像データが白紙検知されたとき、前記操作入力手段において、当該一の画像データが白紙検知された際の当該濃度への設定を一律に制限すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記操作入力手段は、複数の画像データの濃度調整の設定を一括して操作入力可能であって、
前記制限手段は、前記白紙検知手段により、濃度調整された複数の画像データのうち少なくとも一の画像データが白紙検知されたとき、前記操作入力手段において、当該一の画像データについては、当該一の画像データが白紙検知された際の当該濃度への設定を制限し、前記複数の画像データのうち白紙検知されなかった画像データについては、当該濃度への設定を制限しないこと、
を特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像データの濃度調整の処理を行う濃度調整手順と、
前記濃度調整手順により濃度調整された画像データの白紙検知を行う白紙検知手順と、
濃度調整の設定を操作入力する操作入力手順と、
前記白紙検知手順により、濃度調整された画像データが白紙検知されたとき、前記操作入力手順において、当該画像データが白紙検知された際の濃度への設定を制限する制限手順と、
を有すること特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記白紙検知手順が、前記濃度調整手順により処理可能な最も薄い濃度に調整された画像データについて白紙検知した場合、
前記濃度調整手順は、前記最も薄い濃度からノッチ順に濃い濃度へ、画像データの濃度を多段階調整し、前記白紙検知手順は、前記濃度調整手順によりノッチ順に濃度調整された画像データの白紙検知を行い、
ノッチ順に濃度調整された画像データが白紙検知されたとき、前記制限手順は、前記操作入力手順において、白紙検知された当該濃度より薄い全ての濃度への設定を制限すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記操作入力手順は、複数の画像データの濃度調整の設定を一括して操作入力可能であって、
前記制限手順は、前記白紙検知手順により、濃度調整された複数の画像データのうち少なくとも一の画像データが白紙検知されたとき、前記操作入力手順において、当該一の画像データが白紙検知された際の当該濃度への設定を一律に制限すること、
を特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記操作入力手順は、複数の画像データの濃度調整の設定を一括して操作入力可能であって、
前記制限手順は、前記白紙検知手順により、濃度調整された複数の画像データのうち少なくとも一の画像データが白紙検知されたとき、前記操作入力手順において、当該一の画像データについては、当該一の画像データが白紙検知された際の当該濃度への設定を制限し、前記複数の画像データのうち白紙検知されなかった画像データについては、当該濃度への設定を制限しないこと、
を特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理方法。
【請求項9】
請求項5ないし8何れか一項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図11】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−288018(P2010−288018A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139466(P2009−139466)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】