説明

画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

【課題】鑑賞者が所望する視点で撮影されたのと等価な画像を容易に得ること。
【解決手段】オブジェクト画像取得部61は、光軸方向を視点とする撮像画像を撮像する撮像部101及び撮像画像のデータを送信する送信部104を備えたオブジェクト11であって、姿勢変化をしながら移動し得るオブジェクト11から逐次送信される撮像画像のデータを、オブジェクト画像のデータとして逐次取得する。オブジェクト画像加工部62は、オブジェクト画像取得部61により逐次取得されたオブジェクト画像のデータを加工することで、オブジェクト又はそれ以外の物体(実物体又は仮想物体)に配置された仮想視点が所定の移動方向に移動しながら所定の眺望方向を眺めた様子を表わす画像のデータを、視点変換画像のデータとして生成する。出力制御部71は、オブジェクト画像加工部62により生成された視点変換画像のデータを出力する制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鑑賞者が所望する視点で撮影されたのと等価な画像を容易に得ることを可能にする、画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サッカー等のスポーツ競技における放送に用いる映像の撮影では、定点カメラや、報道席のカメラマンが保持するカメラ等が用いられている。即ち、これらのカメラによって、遠方から望遠撮影されたスポーツ競技の映像が放送等されている。
【0003】
しかしながら、このような遠方から撮像された映像では、たとえ望遠撮影等を織り交ぜたとしても、迫力に乏しいという印象を鑑賞者に与えてしまう。
【0004】
そこで、サッカー等の球技について、より迫力のある映像を得るために、球技用のボールの中に、カメラやセンサを内蔵する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。このような技術を適用することで、ボール内のセンサが衝撃や加速度を検出したら、ボール内のカメラが所定の瞬間の画像を撮影することができるので、ボール視点とした画像の再生が可能になる。ただし、ボールは回転したり振動するので、落下するボール自体の姿勢制御を行うことで画像を安定化する技術も特許文献1に記載されている。
【0005】
なお、サッカーや格闘技等、スポーツを模擬したゲーム機器も近年開発されている(例えば、特許文献4参照)。このようなゲーム機器では、所定のシーンを模擬した3次元CG(Computer Graphics)を再構成して、リプレイ表示することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−104254号公報
【特許文献2】特開2001−042420号公報
【特許文献3】特開2007−104234号公報
【特許文献4】特開平07−116343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1〜3の従来の技術を適用してボール視点の画像を得るためには、ボールは逐次姿勢変化していることから、当該ボール自身又は内蔵されたカメラの姿勢制御を逐次的確に行わなければならない。このためには、複雑な構造の大掛かりな設備が必要となり、ボール視点の画像を容易に得ることができなかった。
【0008】
また、鑑賞者の中には、ボールだけではなく、選手等他のオブジェクトを視点とした画像を得ることを要求するものも多く存在するが、特許文献1〜3の従来の技術では当該要求に十分に応えることはできない。
【0009】
また、特許文献4の従来の技術は、あくまでもゲームという仮想現実に適用可能な技術であり、現実のスポーツ等を撮像する技術にはそのまま適用することは困難である。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、鑑賞者が所望する視点で撮影されたのと等価な画像を容易に得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の画像処理装置は、
光軸方向を視点とする撮像画像を撮像する撮像部及び前記撮像画像のデータを送信する送信部を備えたオブジェクトであって、姿勢変化をしながら移動し得る前記オブジェクトから逐次送信される前記撮像画像のデータを、オブジェクト画像のデータとして逐次取得するオブジェクト画像取得手段と、
前記オブジェクト画像取得手段により逐次取得された前記オブジェクト画像のデータを加工することで、前記オブジェクト又はそれ以外の物体(実物体又は仮想物体)に配置された仮想視点が所定の移動方向に移動しながら所定の眺望方向を眺めた様子を表わす画像のデータを、視点変換画像のデータとして生成するオブジェクト画像加工手段と、
前記オブジェクト画像加工手段により生成された前記視点変換画像のデータを出力する制御を実行する出力制御手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、鑑賞者が所望する視点で撮影されたのと等価な画像を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像処理システムの概略的な構成を示す模式図であって、ボールのオブジェクトが視点として選択された場合の模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像処理システムの概略的な構成を示す模式図であって、選手のオブジェクトが視点として選択された場合の図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像処理システムの概略的な構成を示す模式図であって、競技場の周囲の仮想視点が選択された場合の図である。
【図4】図1〜図3の画像処理システムにより得られる、視点変換画像の各種具体例を示す図である。
【図5】図1〜図3の画像処理システムのうち画像処理装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図6】図5の画像処理装置の機能ブロック図である。
【図7】図6の画像処理装置が実行する画像表示処理の流れの一連を説明するフローチャートである。
【図8】図7の画像表示処理のうち、画像変換処理の詳細な流れの一連を説明するフローチャートである。
【図9】第2実施形態に係る画像変換処理の詳細な流れの一連を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を用いて説明する。
【0015】
図1〜3は、本発明の第1実施形態に係る画像処理システムの概略的な構成を示す模式図である。
本実施形態に係る画像処理システム10は、競技場で開催されるサッカーの試合を撮像する用途で設定されている。
このため、サッカーボール(以下、「ボール」と略記する)や選手等から、鑑賞者に提供される画像の視点となり得るオブジェクトがm個採用されるものとする。ここで、mは、1以上の任意の整数値であるが、本実施形態ではボール及び選手数と同一の値である「7」とする。
【0016】
具体的には、図1は、ボールのオブジェクトが視点として選択された場合における、本実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示している。
図1に示すように、本実施形態に係る画像処理システム10においては、ボールであるオブジェクト11−1及び各選手のそれぞれであるオブジェクト11−2〜11−7と、画像処理装置12と、中継装置13と、n台の外部端末14−1〜14−nと、がネットワークNを介して相互に接続されている。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)やインターネット等の任意のネットワークである。
以下、外部端末14−1〜14−nを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「外部端末14」と単に呼ぶ。また、外部端末14と呼んでいる場合には、その構成要素の符号についても、1〜nを省略して説明する。
また、以下、オブジェクト11−1〜11−7を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「オブジェクト11」と単に呼ぶ。また、オブジェクト11と呼んでいる場合には、その構成要素の符号についても、1〜7を省略して説明する。
オブジェクト11は、詳細については図6を参照して説明するが、撮像部及び送信部を備えており、回転したり振動したりしながら姿勢変化しながら移動している最中に撮影した画像のデータを画像処理装置12に逐次送信する。
【0017】
図1に示すように、画像処理装置12は、各オブジェクト11−1〜11−7のうち、ボールのオブジェクト11−1を、視点として選択することができる。このように視点として選択されたオブジェクトを、以下、「選択オブジェクト」と呼ぶ。
この場合、画像処理装置12は、移動方向A1に移動している選択オブジェクト11−1から逐次送信されてくる一連の画像(動画像)のデータを加工することによって、当該選択オブジェクト11−1を視点として、その視点がブレや回転をすることなく移動方向A1に移動していくような一連の画像(動画像)のデータを生成する。即ち、この場合、画像処理装置12は、選択オブジェクト11−1の移動方向A1に基づく画像(動画像)のデータを生成する。
【0018】
換言すると、移動方向A1に移動している選択オブジェクト11−1から逐次送信されてくる一連の画像(動画像)のデータとは、選択オブジェクト11−1の実際の視点から眺めた様子を表わす画像のデータである。ここで、実際の視点とは、実空間を実際に撮像する撮像部の視点をいい、具体的には図1の例では、選択オブジェクト11−1と連動して回転する、当該選択オブジェクト11−1の撮像部の実際の視点をいう。
これに対して、画像処理装置12による生成後のデータとは、選択オブジェクト11−1が実際に回転していても、ブレや回転をすることなく移動方向A1に移動していく仮想視点から眺めた様子を表わす画像のデータである。ここで、仮想視点とは、撮像部以外の実物体又は仮想物体に可変可能に配置される仮想的な視点をいう。具体的には図1の例では、仮想視点は、選択オブジェクト11−1に配置されるが、実際の視点のように固定的に配置されるのではなく、水平方向は常に一定方向を眺望するように(その結果回転することなく移動方向A1に移動していくように)可変配置される仮想的な視点である。
従って、画像処理装置12は、選択オブジェクト11−1の実際の視点から眺めた様子を表わす画像のデータを、回転することなく移動方向A1に移動していく仮想視点から眺めた様子を表わす画像のデータに変換している、と把握することもできる。
【0019】
図2は、選手のオブジェクトが視点として選択された場合における、本実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示している。
図1に示すボールのオブジェクト11−1の他、各選手のオブジェクト11−2〜11−7の中からも、視点となる選択オブジェクトの設定が可能である。図2の例では、オブジェクト11−3が選択オブジェクトに設定されている。
この場合、画像処理装置12は、移動方向A3に移動している選択オブジェクト11−3から逐次送信されてくる一連の画像(動画像)のデータを加工することによって、当該選択オブジェクト11−3を視点として、その視点がブレることなく移動方向A3に移動していくような一連の画像(動画像)のデータを生成する。即ち、この場合、画像処理装置12は、選択オブジェクト11−3の移動方向A3に基づく画像(動画像)のデータを生成する。
【0020】
換言すると、移動方向A3に移動している選択オブジェクト11−3から逐次送信されてくる一連の画像(動画像)のデータとは、選択オブジェクト11−3の実際の視点(図2の例では、選択オブジェクト11−3自体が移動方向A3とは別の方向に揺れれば、その別の方向にブレが生じる選択オブジェクト11−3の撮像部の視点)から眺めた様子を表わす画像のデータである。
これに対して、画像処理装置12による生成後のデータとは、選択オブジェクト11−3が移動方向A3とは別の方向に揺れたりしても、その別の方向にブレることなく移動方向A3に移動していく仮想視点から眺めた様子を表わす画像のデータである。ここで、図2の例の仮想視点は、選択オブジェクト11−3に配置されるが、実際の視点のように固定的に配置されるのではなく、水平方向は常に一定方向を眺望するように(その結果ブレることなく移動方向A3に移動していくように)可変配置される仮想的な視点である。
従って、画像処理装置12は、選択オブジェクト11−3の実際の視点から眺めた様子を表わす画像のデータを、ブレることなく移動方向A3に移動していく仮想視点から眺めた様子を表わす画像のデータに変換している、と把握することもできる。
【0021】
図3は、競技場の周囲の仮想視点15−1〜15−3が選択された場合における、本実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示している。
仮想視点は、図1に示すボールのオブジェクト11−1や、図2に示す各選手のオブジェクト11−2〜11−7に配置するのみならず、オブジェクト11−7以外の任意の位置(当該位置に存在する仮想物体と把握してもよい)や実物体に配置することが可能である。図3の例では、競技場の周囲の位置の仮想物体に仮想視点15−1〜15−3の各々が配置可能とされている。
この場合、画像処理装置12は、各オブジェクト11−1〜11−7のそれぞれから逐次送信されてくる一連の画像(動画像)のデータの中から、1以上の画像のデータを選択し、選択した画像のデータを加工することによって、仮想視点15−1〜15−3のうちの少なくとも1つから眺めた様子を表わす一連の画像(動画像)のデータを生成する。
【0022】
換言すると、各オブジェクト11−1〜11−7のそれぞれから逐次送信されてくる一連の画像(動画像)のデータの中から選択されたものとは、1以上のオブジェクト11の各々の実際の視点から眺めた様子を表わす画像のデータである。
これに対して、仮想視点15−1〜15−3を結ぶ方向を移動方向と捉え、移動速度0の場合も移動の一形態と捉えるならば、画像処理装置12による生成後のデータとは、回転やブレ等生ずることなく移動方向に所定の移動速度(移動速度0の場合も含む)で移動していく仮想視点15−1〜15−3の少なくとも1つから眺めた様子を表わす画像のデータである。
より具体的には、移動速度が0を超えている場合には、仮想視点15−1〜15−3の各々は同一の移動物体に固定配置(眺める方向(以下、「眺望方向」と呼ぶは可変可能)されていると把握される。ここでいう移動物体は、競技場に現存する実物体のみならず、仮想物体も含む。この場合、当該移動物体が移動方向に所定の移動速度で連続的に移動していくのに伴い、1つの仮想視点が連続的に移動していくことになる。この1つの仮想視点は移動中に3か所の位置を通過することになるが、3か所のそれぞれの位置を通過した時点の様子が、仮想視点15−1〜15−3の各々として図3に描画されていると把握することができる。
これに対して、移動速度が0の場合には、仮想視点15−1〜15−3は、相互に離間した3つの静止物体(3つの定点)に固定配置(眺望方向は可変可能)されると把握される。即ち、仮想視点15−1〜15−3は定点カメラと同様の振る舞いとなり、複数の定点カメラが適宜切り換えられて放送されるのと同様に、固定の仮想視点15−1〜15−3の各々が適宜変更されると把握することができる。従って、画像処理装置12は、1以上のオブジェクト11の各々の実際の視点から眺めた様子を表わす画像のデータを、回転やブレ等生ずることなく移動方向に所定の移動速度(移動速度0の場合も含む)移動していく物体に配置された仮想視点(仮想視点15−1〜15−3を含む)から眺めた様子を表わす画像のデータに変換している、と把握することもできる。この場合、画像処理装置12は、オブジェクト11とは別の物体に配置された仮想視点が移動した場合の一連の画像(動画像)のデータを生成する。
【0023】
以上説明したように、画像処理装置12は、オブジェクト11の実際の視点から眺めた様子を表わす画像のデータを、所定の移動方向に移動していく仮想視点から所定の方向(以下、「眺望方向」と適宜呼ぶ)を眺めた様子を表わす画像のデータに変換することができる。そこで、以下、所定の移動方向に移動していく仮想視点から眺望方向を眺めた様子を表わす画像のデータを、「視点変換画像のデータ」と呼ぶ。
【0024】
図4は、このようにして画像処理装置12によって生成される視点変換画像の各種具体例を示している。
【0025】
図4(1)は、ボールのオブジェクト11−1の実際の視点(回転をしながら移動方向A1に移動する視点)から眺めた様子を表わす一連の画像(動画像)から変換されたものであり、回転を伴わずに移動方向A1に移動していく仮想視点から眺めた様子を表わす視点変換画像である。
【0026】
なお、図4(1)の視点変換画像の生成手法は、特に限定されないが、例えば、次のような手法を採用することができる。
即ち、ボールのオブジェクト11−1は、上述の如く、回転をしながら移動方向A1に移動している。例えば、水平方向を軸にして回転しているものとする。
この場合、オブジェクト11−1に内蔵されているカメラの光軸方向も回転していく。従って、当該カメラからは、図示はしないが、
(a)光軸が移動方向A1と一致した際の撮像画像(ゴールG1を被写体として含む撮像画像)、
(b)光軸が移動方向A1よりも上方向に回転した際の撮像画像(空を被写体として含む撮像画像)、
(c)光軸が移動方向A1と反対方向に回転した際の撮像画像(反対側のゴールG2を被写体として含む撮像画像)、
(d)光軸が移動方向A1よりも下方向に回転した際の撮像画像(地面を被写体として含む撮像画像)といった各データを1単位として、
この1単位のデータ(ただし、移動方向A1に移動しながらゴールG1に近付いていくデータ)が繰り返し出力されていくことになる。
そこで、画像処理装置12は、このような1単位のデータ毎に、(1)光軸が移動方向A1と一致した際の撮像画像(ゴールG1を被写体として含む撮像画像)のデータのみを抽出していく。
ボールの回転速度が速ければ、このようにして抽出された各撮像画像のデータの集合体は、各撮像画像間の時間間隔は短くスムーズな動画像のデータになるので、回転を伴わずに移動方向A1に移動していく仮想視点から眺めた様子を表わす視点変換画像(動画像)のデータとしてそのまま採用してもよい。
ただし、ボールの回転速度が遅ければ、このようにして抽出された各撮像画像のデータの集合体は、各撮像画像間の時間間隔は長くスムーズな動画像のデータとはならないため、回転を伴わずに移動方向A1に移動していく仮想視点から眺めた様子を表わす視点変換画像(動画像)のデータとしてそのまま採用することは不適である。
そこで、このような場合には、画像処理装置12は、各撮像画像のデータの時間方向の合間に、補間或いは創造した新たな画像のデータを挿入すればよい。時間方向への新たな画像の補間或いは創造の手法は、公知の任意の手法を採用することができる。即ち、第1の画像と第2の画像との間に時間方向に補完される画像は、特に限定されず、公知の任意の手法により得られる任意の画像であってもよいし、第1の画像又は第2の画像そのものであってもよい。また、時間方向への新たな画像の創造の公知の手法としては、例えば特開2004−266381号公報等に開示されている。
【0027】
また、本実施形態では、オブジェクト11−1に内蔵されているカメラの撮像画像のデータのうち、(a)光軸が移動方向A1と一致した際の撮像画像(ゴールG1を被写体として含む撮像画像)のデータのみが抽出されたが、抽出対象は特にこれに限定されない。例えば、光軸が移動方向A1よりも上又は下方向に若干回転した際の撮像画像のデータであっても、補正をすることで、光軸が移動方向A1と一致した際の撮像画像と等価なデータになるのであれば、抽出対象に加えてもよい。
【0028】
さらに、ボールのオブジェクト11−1が、移動方向A1及び回転方向とは別方向に揺れているような場合には、画像処理装置12は、公知の「手ぶれ補正」を採用して、当該揺れを除去するようにすればよい。
「手ぶれ補正」とは、撮像画像内の手ぶれの領域を画像処理により補正する手法をいう。
公知の「手ぶれ補正」として、動画像のうちの何枚かの連続するフレーム群や、連写により連続して得られた何枚かの静止画像群を処理対象にして、処理対象の各画素のデータをそれぞれ加算平均することで、処理対象を合成する手法、即ちいわゆるマルチプレーン加算方式が用いられている。
なお、以下、マルチプレーン加算方式により処理対象(フレーム群や静止画像群)が合成された結果得られる画像を、「合成画像」と呼ぶ。
ここで、マルチプレーン加算方式において、フレーム群や静止画像群の全画素(全領域)が加算平均の対象になると、その結果得られる合成画像においては、手ぶれの領域は有効に補正されているが、動被写体の領域では、単純に合成されたことに起因してボケが生じてしまう。
そこで、このような動被写体のボケを低減すべく、動被写体以外の領域のみを加算平均する一方、動被写体の領域については加算平均しない手法が、特開2009−290827号公報に開示されている。
画像処理装置12は、このように特開2009−290827号公報に開示された公知の「手ぶれ補正」を採用することで、ボールのオブジェクト11−1の揺れを除去した視点変換画像のデータを生成することができる。
【0029】
ここで、視点変換画像における仮想視点の眺望方向は、当該仮想視点の移動方向と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
即ち、図4(1)は、仮想視点の眺望方向が移動方向A1と一致している場合の視点変換画像を示している。
一方、図4(2)は、ボールのオブジェクト11−1の実際の視点から眺めた様子を表わす一連の画像(動画像)から変換されたものであり、回転を伴わずに移動方向A1に移動していく仮想視点から眺めた様子を示す視点変換画像を示している点は図4(1)と同様であるが、仮想視点の眺望方向が移動方向A1の左方90度となっている点が図4(1)と異なる。
なお、図4(2)の視点変換画像の生成手法は、特に限定されず、例えば、ボールのオブジェクト11−1に内蔵されているカメラのレンズの光軸方向が自在に変更可能な場合には、当該光軸方向をオブジェクト11−1の移動方向A1の左方90度に変更した上で、図4(1)の視点変換画像の生成手法と同様の手法を採用すればよい。一方、ボールのオブジェクト11−1に内蔵されているカメラのレンズの光軸方向が固定の場合には、当該オブジェクト11−1に内蔵されているカメラの撮像画像のデータに加えて、各選手のオブジェクト11−2〜11−7のそれぞれに内蔵されているカメラの各撮像画像のデータを適宜用いて、図4(2)の視点変換画像を生成する手法を採用すればよい。
【0030】
図4(3)は、選手のオブジェクト11−3の実際の視点(揺れながら移動方向A3に移動する視点)から眺めた様子を示す一連の画像(動画像)から変換されたものであり、ブレを伴わずに移動方向A3に移動していく仮想視点から、移動方向A3と同一方向を眺望方向として眺めた様子を示す視点変換画像を示している。
なお、図4(3)の視点変換画像の生成手法は、特に限定されず、例えば、図4(1)の生成手法(特に手ぶれ補正)と同様な手法を採用すればよい。
図4(4)は、選手のオブジェクト11−3の実際の視点から眺めた様子を示す一連の画像(動画像)から変換されたものであり、ブレを伴わずに移動方向A3に移動していく仮想視点から、移動方向A3の左方90度の方向を眺望方向として眺めた様子を示す視点変換画像を示している。
なお、図4(4)の視点変換画像の生成手法は、特に限定されず、例えば、図4(2)の生成手法と同様な手法を採用すればよい。
【0031】
図4(5)は、オブジェクト11−1〜11−7の各々の実際の視点から眺めた様子を示す一連の画像(動画像)から変換されたものであり、回転やブレを伴わずに移動方向に移動速度0で移動していく仮想視点15−1(即ち固定された仮想視点15−1)から、それが仮想配置された競技場Fの手前左側コーナーから右斜め45度の方向を眺望方向として眺めた様子を示す視点変換画像を示している。
図4(6)は、オブジェクト11−1〜11−7の各々の実際の視点から眺めた様子を示す一連の画像(動画像)から変換されたものであり、回転やブレを伴わずに移動方向に移動速度0で移動していく仮想視点15−2(即ち固定された仮想視点15−2)から、それが仮想配置された競技場Fの手前センターラインから正面方向を眺望方向として眺めた様子を示す視点変換画像を示している。
図4(7)は、オブジェクト11−1〜11−7の各々の実際の視点から眺めた様子を示す一連の画像(動画像)から変換されたものであり、回転やブレを伴わずに移動方向に移動速度0で移動していく仮想視点15−3(即ち固定された仮想視点15−3)から、それが仮想配置された競技場Fの手前右側コーナーから左斜め45度の方向を眺望方向として眺めた様子を示す視点変換画像を示している。
【0032】
なお、上述の如く、仮想視点15−1〜15−3は、オブジェクト11以外の移動物体(仮想物体含む)に配置された1つの仮想視点が、その移動中に3つの位置をそれぞれ通過した際の様子を示すものと把握することもできる。この場合、図4(5)、図4(6)、及び図4(7)を含む複数の視点変換画像が連続的に、即ち一連の画像(動画像)として順次表示されることになる。
【0033】
図1に戻り、中継装置13は、ネットワークNを介して接続される画像処理装置12と、外部端末14との間で授受される各種情報、例えば視点変換画像のデータを中継する。
【0034】
外部端末14は、例えばスマートフォン等で構成されおり、例えば画像処理装置12から中継装置13を経由して送信されてきた視点変換画像のデータを受信すると、当該視点変換画像をディスプレイ等に表示する。
ここで、ネットワークNがインターネットであるならば、外部端末14は、視点変換画像のデータの取得要求等の指示を、例えばHTTP(Hypertext Transfer Protocol)によるURL(Uniform Resource Locator)要求により行うことができる。
さらに、外部端末14は、各種制御信号を中継装置13を介して画像処理装置12に送信することで、選択オブジェクトの変更指示等の遠隔制御を実行できる。
【0035】
次に、このような本実施形態の画像処理システム10のうち、主要構成要素たる画像処理装置12の構成について説明する。
[画像処理装置12]
図5は、本実施形態に係る画像処理装置12のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0036】
画像処理装置12は、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、画像処理部34と、バス35と、入出力インターフェース36と、入力部37と、表示部38と、記憶部39と、通信部40と、ドライブ41と、を備えている。
【0037】
CPU31は、ROM32に記録されているプログラム、又は、記憶部39からRAM33にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0038】
RAM33には、CPU31が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0039】
画像処理部34は、DSP(Digital Signal Processor)や、VRAM(Video Random Access Memory)等から構成されており、CPU31と協働して、画像のデータに対して各種画像処理を施す。
【0040】
CPU31、ROM32、RAM33及び画像処理部34は、バス35を介して相互に接続されている。このバス35にはまた、入出力インターフェース36も接続されている。入出力インターフェース36には、入力部37、表示部38、記憶部39、通信部40及びドライブ41が接続されている。
【0041】
入力部37は、キーボードやマウス等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
表示部38は、ディスプレイにより構成され、各種画像、例えば上述の視点変換画像を表示する。
記憶部39は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像、例えば上述の視点変換画像のデータを記憶する。
通信部40は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置、例えば画像処理システム10内のオブジェクト11(図1参照)や外部端末14(図1参照)との間で行う通信を制御する。
【0042】
ドライブ41には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア51が適宜装着される。ドライブ41によってリムーバブルメディア51から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部39にインストールされる。また、リムーバブルメディア51は、記憶部39に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部39と同様に記憶することができる。
【0043】
図6は、このような各構成要素を含む画像処理装置12の機能的構成のうち、画像表示処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
本明細書における画像表示処理とは、次のような一連の処理をいう。即ち、画像処理装置12は、選択オブジェクトから送信された画像のデータに基づいて、所定の移動方向に移動(移動速度0による移動、即ち静止も含む)を行う仮想視点から眺めた様子を示す視点変換画像のデータを生成し、当該視点変換画像を表示部38に表示したり、当該視点変換画像のデータを外部端末14に送信する制御処理を実行する。
【0044】
ここで、画像処理装置12の機能的構成の理解を容易なものとすべく、その詳細な説明の前に、オブジェクト11の構成について説明する。
図6に示すように、オブジェクト11は、撮像部101と、センサ部102と、オブジェクトデータ生成部103と、送信部104と、を備える。
【0045】
撮像部101は、図示はしないが、光学レンズ部と、イメージセンサと、を備えている。
【0046】
光学レンズ部は、被写体を撮影するために、光を集光するレンズ、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。
フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
光学レンズ部にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。
【0047】
イメージセンサは、光電変換素子や、AFE(Analog Front End)等から構成される。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、ディジタル信号が生成され、撮像部101の出力信号として出力される。
このような撮像部101の出力信号を、以下、「オブジェクト画像のデータ」と呼ぶ。オブジェクト画像のデータは、オブジェクトデータ生成部103に適宜供給される。即ち、撮像部101は、周囲の空間を連続撮影し、その結果得られる連写画像や動画像のデータを、バッファ(図示せず)に一次記憶しながら順次圧縮符号化して、送信部104を介して画像処理装置12に送信する。
【0048】
なお、本実施形態においては、光学レンズ部は1つ形成されているがこれに限られるものではない。例えば、光学レンズ部を複数個備えていてもよい。
また、光学レンズ部の光軸方向は、任意の方向に変更可能であってもよいし、固定であってもよい。
【0049】
センサ部102は、ピエゾ抵抗型もしくは静電容量型の検出機構を備える3軸加速度センサにより構成され、当該検出機構を用いて、加速度の3軸(X,Y,Z)成分を検出し、その検出結果を示すデータを出力する。なお、センサ部102の検出結果を示すデータを、以下、「3軸加速度データ」と呼ぶ。3軸加速度データは、オブジェクトデータ生成部103に適宜供給される。
ここで、3軸加速度データのうち、X成分はオブジェクト11の垂直方向の振動周期に、Y成分はオブジェクト11の水平方向の振動周期に、Z成分はオブジェクト11の進行方向の振動周期に、それぞれ対応する。
【0050】
また、センサ部102は、任意の姿勢(傾斜角度)状態においても、傾斜角度に応じて補正した3軸加速度データを出力することができる。従って、センサ部102は、傾斜角度に応じて補正された3軸加速度データに対応して、ジャイロセンサを用いた傾斜センサ(図示せず)等から出力するデータを補正するようにする。これによって、オブジェクト11に遠心力等の外力がかかる動状態で使用するような場合、例えば移動中に被写体を撮像するような場合でも、各種データの正確な取得及び正確な測位演算が実行可能になる。
ただし、後述するように、本実施形態の画像処理装置12は、当該センサ部102から出力される3軸加速度データを用いずに、撮像部101から出力されるオブジェクト画像のデータを用いた画像処理を実行することで、視点変更画像のデータを生成するようにしている。
【0051】
オブジェクトデータ生成部103は、撮像部101から出力された動画像を含むオブジェクト画像のデータに対して、センサ部102から出力された3軸加速度データを付加することによって、オブジェクトデータを生成する。例えば、オブジェクト画像が動画像である場合には、当該動画像を構成する各フレームやフィールド(これらを「単位画像」と呼ぶ)を単位として、単位画像毎にオブジェクトデータが生成される。
これにより、処理対象の単位画像が、撮像部101の光軸がどの方向に向いたときに撮像された画像であるのか容易に判断することができる。
【0052】
送信部104は、オブジェクトデータ生成部103により生成された動画像を含むオブジェクトデータを単位画像を単位として、画像処理装置12へ無線送信する。
【0053】
このような構成のオブジェクト11を用いて画像表示処理が実行される場合には、図6に示すように、画像処理装置12の画像処理部34において、オブジェクト画像取得部61と、オブジェクト画像加工部62と、が機能する。また、CPU31において、出力制御部71と、視点変更部72と、オブジェクト変更部73と、制御信号受信部74と、が機能する。
ただし、図6は例示であり、画像処理部34の機能の少なくとも一部をCPU31に委譲してもよいし、逆に、CPU31の機能の少なくとも一部を画像処理部34に委譲してもよい。
また、画像処理装置12の記憶部39の一領域として、オブジェクトデータ記憶部81と、参照情報記憶部82と、が設けられている。なお、オブジェクトデータ記憶部81及び参照情報記憶部82が記憶部39の一領域として設けられていることは例示であって、その他例えばリムーバブルメディア51の一領域として設けられるようにしてもよい。
【0054】
オブジェクトデータ記憶部81は、オブジェクト11から逐次送信されて画像処理装置12に受信されたオブジェクトデータを逐次記憶する。オブジェクトデータは、オブジェクト11−1〜11−7毎にそれぞれ独立してオブジェクトデータ記憶部81に記憶される。
【0055】
参照情報記憶部82は、視点変換画像を生成する上で参照される情報、例えば、競技場の各種位置において各種方向をそれぞれ予め撮像した撮像画像のデータを記憶する。
【0056】
オブジェクト画像取得部61は、オブジェクトデータ記憶部81にオブジェクト11毎に記憶されているオブジェクトデータのうち、選択オブジェクト11のオブジェクトデータを含む、視点変換画像のデータの生成に必要な1以上のオブジェクト11の各々のオブジェクトデータを取得して、オブジェクト画像加工部62へ供給する。
なお、オブジェクトデータ記憶部81にオブジェクト11毎に記憶されているオブジェクトデータが動画像データである場合には、オブジェクト画像取得部61は、当該動画像データをオブジェクトデータとして取得し、オブジェクト画像加工部62へ供給する。
【0057】
オブジェクト画像加工部62は、オブジェクト画像取得部61により取得された1以上のオブジェクトデータに基づいて、所定の移動方向に移動(移動速度0による移動、即ち静止も含む)を行う仮想視点から眺望方向に眺めた様子を示す視点変換画像のデータを生成する。
具体的には、オブジェクト画像加工部62は、姿勢変化算出部91と、移動方向算出部92と、画像変換部93と、を備える。
なお、オブジェクト画像取得部61により取得されたオブジェクトデータに動画像データが含まれる場合には、オブジェクト画像加工部62は、当該動画像データを加工することで、視点変換画像のデータを動画像データとして生成する。
【0058】
姿勢変化算出部91は、オブジェクトデータ記憶部81に記憶されているオブジェクトデータの履歴から、選択オブジェクト11等の姿勢変化を単位画像毎に算出する。
姿勢変化の算出手法は、特に限定されず、選択オブジェクト11等の3軸加速度データを用いて算出する手法を採用してもよいが、本実施形態では、選択オブジェクト11等のオブジェクト画像のデータについての前後の単位画像間の差分を用いて算出する手法を採用している。
【0059】
移動方向算出部92は、オブジェクトデータ記憶部81に記憶されているオブジェクトデータの履歴から、選択オブジェクト11の移動方向を単位画像毎に算出する。
移動方向の算出手法は、特に限定されず、選択オブジェクト11等の3軸加速度データを用いて算出する手法を採用してもよいが、本実施形態では、選択オブジェクト11等のオブジェクト画像のデータについての前後の単位画像間の差分を用いて算出する手法を採用している。
【0060】
画像変換部93は、姿勢変化算出部91により算出された姿勢変化及び移動方向算出部92により算出された移動方向に応じて、オブジェクト画像取得部61により単位画像毎に取得されるオブジェクト画像のデータを加工することによって、当該移動方向に移動を行う仮想視点から眺望方向に眺めた様子を示す視点変換画像のデータを生成する。
ここで、仮想視点は、選択オブジェクト11における仮想視点の他、任意の位置の物体(仮想物体含む)に配置された仮想視点(例えば図3の仮想視点15−1〜15−3)も含む。また、仮想視点の移動とは、移動速度が0の移動、即ち静止状態も含む。
オブジェクト画像加工部62は、生成した視点変換画像のデータをオブジェクトデータ記憶部81に記憶する。
【0061】
出力制御部71は、オブジェクト画像加工部62により生成された視点変換画像のデータの出力を制御する。
ここで、視点変換画像のデータの出力の形態は、特に限定されないが、本実施形態では、画像処理装置12の表示部38に表示出力する形態と、外部端末14に送信出力する形態とがある。
即ち、出力制御部71は、視点変換画像を表示部38に表示する制御と、視点変換画像のデータを通信部40及びネットワークNを介して外部端末14へ送信する制御とを実行する。
なお、オブジェクト画像加工部62により生成された視点変換画像のデータが動画像データである場合には、出力制御部71は、動画像データとして生成された視点変換画像のデータの出力を制御する。
【0062】
視点変更部72は、入力部37に対してなされた操作、又は外部端末14からの遠隔操作が視点の変更を指示する操作(以下、「視点変更指示操作」と呼ぶ)であった場合、オブジェクト画像加工部62により生成される視点変換画像のデータについての仮想視点の配置先を変更する。視点変更部72が変更対象とする仮想視点の配置候補となるオブジェクト又はそれ以外の物体(仮想物体含む)は複数存在する。
ここで、仮想視点の配置先の変更とは、仮想視点の位置(対象)の変更と、仮想視点の眺望方向の変更とを含む。仮想視点の位置(対象)の変更とは、オブジェクト11−1〜11−7の各々における仮想視点、及び、任意の位置の仮想視点(図3の仮想視点15−1〜15−3等)のうち、指定された仮想視点を選択することをいう。仮想視点の眺望方向の変更とは、仮想視点の位置は保持したまま、仮想視点が眺める方向を任意に変更することをいう。
【0063】
オブジェクト変更部73は、入力部37に対してなされた操作、又は外部端末14からの遠隔操作が選択オブジェクトの変更を指示する操作(以下、「オブジェクト変更指示操作」と呼ぶ)に基づいて、複数のオブジェクト11−1〜11−7の中から選択オブジェクトを変更する。
【0064】
制御信号受信部74は、外部端末14から送信された制御信号を、ネットワークN及び通信部40を介して受信する。即ち、外部端末14は、上述の如く各種指示を制御信号として送信することで、画像処理装置12を遠隔操作することができる。このような遠隔操作の対象となる制御信号としては、視点変更部72に対して視点変更を指示する制御信号や、オブジェクト変更部73に対して選択オブジェクトを指示する制御信号が存在する。
【0065】
以上、本実施形態の画像処理装置12の機能的構成について説明した。続いて、図7を参照して、このような機能的構成を備える画像処理装置12が実行する画像表示処理について説明する。
図7は、図6の機能的構成を備える画像処理装置12が実行する画像表示処理の一連の流れを説明するフローチャートである。
【0066】
画像処理装置12の入力部37を操作するユーザは、画像表示処理の開始を指示する所定の操作をすることができる。
画像表示処理は、このようなユーザによる所定の操作を契機として開始され、次のような処理が実行される。
【0067】
ステップS11において、CPU31及び画像処理部34の図6に示す各機能ブロックは、後述の図8を参照して説明する画像変換処理を実行することで、視点変換画像のデータを生成して、オブジェクトデータ記憶部81に記憶させる。
【0068】
ステップS12において、CPU31の出力制御部71は、オブジェクトデータ記憶部81に記憶されているデータのうち、ステップS11の画像変換処理でオブジェクト画像加工部62により生成された視点変換画像のデータを取得し、当該視点変換画像を表示部38に表示させる。
【0069】
ステップS13において、出力制御部71は、ステップS12の処理で表示対象となった視点変換画像のデータを、通信部40及びネットワークNを介して外部端末14に送信する。
【0070】
ステップS14において、視点変更部72は、視点変更操作の指示を受け付けたか否かを判定する。
視点変更操作の指示を受けた場合には、ステップS14においてYESであると判定されて、処理はステップS15に進む。
【0071】
ステップS15において、視点変更部72は、オブジェクト画像加工部62により生成される視点変換画像についての仮想視点を変更する。この処理が終了すると、処理はステップS20に進む。ただし、ステップS20以降の処理については後述する。
【0072】
これに対して、視点変更操作の指示を受けていない場合には、ステップS14においてNOであると判定されて、処理はステップS16に進む。
【0073】
ステップS16において、オブジェクト変更部73は、オブジェクト選択操作の指示を受け付けたか否かを判定する。
オブジェクト変更操作の指示を受けた場合には、ステップS16においてYESであると判定されて、処理はステップS17に進む。
【0074】
ステップS17において、オブジェクト変更部73は、選択オブジェクトを、複数のオブジェクト11−1〜11−7の中から選択した1つに変更する。この処理が終了すると、処理はステップS20に進む。ただし、ステップS20以降の処理については後述する。
【0075】
これに対して、オブジェクト変更操作の指示を受けていない場合には、ステップS16においてNOであると判定されて、処理はステップS18に進む。
ステップS18において、制御信号受信部74は、外部端末14から制御信号を受信したか否かを判定する。外部端末14から制御信号を受信していない場合には、ステップS18においてNOであると判定されて、処理はステップS20に進む。ただし、ステップS20以降の処理については後述する。
【0076】
これに対して、外部端末14から制御信号を受信した場合には、ステップS18においてYESであると判定されて処理はステップS19に進む。
ステップS19において、視点変更部72又はオブジェクト変更部73は、受信した制御信号に応じて、仮想視点又は選択オブジェクトを変更する。
この処理では、視点変更指示操作を示す制御信号であった場合には、当該制御信号が視点変更部72に供給され、ステップS15の処理と同様の処理が実行されて、仮想視点が変更される。また、オブジェクト変更指示操作を示す制御信号であった場合には、当該制御信号がオブジェクト変更部73に供給され、ステップS17の処理と同様の処理が実行されて、選択オブジェクトが変更される。なお、視点変更指示操作及びオブジェクト変更指示操作の両者を含む制御信号であった場合には、仮想視点と選択オブジェクトの両者が変更される。この処理が終了すると処理はステップS20に進む。
【0077】
ステップS20において、出力制御部71は、画像表示処理の終了指示を受けたか否かを判定する。
終了指示を受けていない場合には、ステップS20においてNOであると判定されて、処理はステップS11に戻る。即ち、画像表示処理の終了指示が受け付けるまでの間、ステップS11乃至ステップS20の処理が繰り返し実行される。そして、画像表示処理の終了指示が受け付けられると、ステップS20においてYESであると判定されて、画像表示処理は終了となる。
【0078】
次に、図8を参照して、図7の画像表示処理のうち、ステップS11の画像変換処理の詳細な流れについて説明する。
図8は、図7の画像表示処理のうち、第1実施形態に係る画像変換処理について説明するフローチャートである。
なお、図8には、選択オブジェクト11が仮想視点となって視点変換画像が生成される場合であって、選択オブジェクト11からのオブジェクトデータには、オブジェクト画像のデータのみが含まれている場合を例とした画像変換処理が示されている。
【0079】
ステップS31において、通信部40は、選択オブジェクト11からのオブジェクト画像のデータを、ネットワークNを介して逐次受信する。
ステップS32において、通信部40は、オブジェクト画像のデータを、それが撮像された時刻(近似的に現時刻でもよい)と対応付けてオブジェクトデータ記憶部81に記憶させる。
【0080】
ステップS33において、姿勢変化算出部91は、オブジェクトデータ記憶部81に記憶されているオブジェクト画像のデータの履歴から、選択オブジェクト11の姿勢変化を算出する。
【0081】
ステップS34において、移動方向算出部92は、オブジェクトデータ記憶部81に記憶されているオブジェクト画像のデータの履歴から、選択オブジェクト11の移動方向を算出する。
【0082】
ステップS35において、画像変換部93は、ステップS33において姿勢変化算出部91が算出した姿勢変化と、ステップS34において移動方向算出部92が算出した移動方向とに応じた画像変換を行うことで、移動方向に移動する選択オブジェクト11を仮想視点として、当該仮想視点が所定の眺望方向に眺めた様子を示す視点変換画像のデータを生成する。
この処理が終了すると、画像変換処理は終了となり、即ち、図7のステップ11の処理が終了し、処理はステップS12に進む。
【0083】
以上説明したように、本実施形態の画像処理装置12は、オブジェクト画像取得部61と、オブジェクト画像加工部62と、出力制御部71と、を具備する。
オブジェクト画像取得部61は、光軸方向を視点とする撮像画像を撮像する撮像部101及び撮像画像のデータを送信する送信部104を備えたオブジェクト11であって、姿勢変化をしながら移動し得るオブジェクト11から逐次送信される撮像画像のデータを、オブジェクト画像のデータとして逐次取得する。
オブジェクト画像加工部62は、オブジェクト画像取得部61により逐次取得されたオブジェクト画像のデータを加工することで、オブジェクト11又はそれ以外の実物体若しくは仮想物体に配置された仮想視点15−1〜15−3が所定の移動方向に移動しながら所定の眺望方向を眺めた様子を表わす画像のデータを、視点変換画像のデータとして生成する。
出力制御部71は、オブジェクト画像加工部62により生成された視点変換画像のデータを出力する制御を実行する。
この場合、画像処理装置12は、姿勢変化しながら移動しているオブジェクト11が撮影した画像のうち、所定の移動方向に移動しながら所定の眺望方向を眺めた様子を表わす画像のデータのみを得ることができる。そして得られた画像データを出力することができる。
即ち、上下左右360度姿勢変化しながら移動しながら撮影されるオブジェクト11により撮像される画像のうち、所望する方向の画像のみを確認することができる。従って、ボールや選手等をオブジェクトとして選択するだけで、実際のスポーツ競技やプレー中の情景を、ボール等の用具や選手等の視点で映像として見ることができる。また、ボール等の用具や選手等の運動や速度、高さ等で、新しい眺望世界や、迫力あるダイナミックな映像を再現することができる。このため、鑑賞者が所望する視点で撮影されたとの等価な画像を容易に得ることができる。また、オブジェクト11自体は高度な画像処理を行う必要がないため、オブジェクト11に対する軽量化及びコストの低減を図ることもできる。
【0084】
また、画像処理装置12における仮想視点はオブジェクト11に配置されたものであり、仮想視点の所定の移動方向はオブジェクトの移動方向に基づく方向であってもよい。この場合、鑑賞者はオブジェクト11の視点で撮影されたとの等価な画像を得ることができる。
【0085】
また、画像処理装置12のオブジェクト画像加工部62は、オブジェクト画像のデータを、姿勢変化を補正しつつ加工することで、視点変換画像のデータを生成してもよい。
この場合、画像処理装置12は、姿勢変化しながら移動しているオブジェクト11が撮像した画像のうち、オブジェクトの移動方向に基づく視点とした視点変換画像のデータを得ることができる。従って、オブジェクト11がブレたり、別の方向に揺れたりしても、それに追随してブレたり、揺れたりすることなくオブジェクト11の仮想視点から眺めた様子を表わす画像のデータを得ることができる。
【0086】
また、画像処理装置12におけるオブジェクト11は、さらに回転を伴う移動をし得るものである。
オブジェクト画像加工部62は、オブジェクト画像のデータのうち、光軸方向がオブジェクト11の移動方向と略一致しているときに撮像部101により撮像された撮像画像のデータを抽出し、抽出した撮像画像のデータを加工することで、視点変換画像のデータを生成してもよい。
この場合、画像処理装置12は、オブジェクト11の移動方向のみの撮像画像のデータに基づいて視点変更画像のデータを生成する。従って、オブジェクト11が回転したり、揺れたりすることにより、撮像部101の光軸方向がオブジェクトの進行方向とは異なる方向に向いた画像を除外し、オブジェクト11の移動方向から眺めた様子を表わす画像のデータを得ることができる。
【0087】
また、オブジェクト画像加工部62は、抽出した複数の撮像画像のデータの時間方向の合間に、補間又は創造した画像のデータを挿入する加工をさらにすることで、視点変換画像のデータを生成することができる。
この場合、視点変換画像は、よりスムーズに表現される動画像となるので、迫力あるダイナミックな映像をよりリアルに再現することができる。
【0088】
また、画像処理装置12のオブジェクト画像加工部62は、姿勢変化算出部91と、画像変換部93と、を備える。
姿勢変化算出部91は、オブジェクト画像取得部61により逐次取得されたオブジェクト画像のデータの履歴に基づいて、オブジェクト画像の各々が撮像部101に撮影された際のオブジェクトの姿勢の変化を算出する。
画像変換部93は、姿勢変化算出部の算出結果に基づいて、オブジェクト画像のデータを、視点変換画像のデータに変換する。
この場合、オブジェクト11として球状のボール等が選択された場合であっても、取得されたオブジェクト画像のデータを用いた画像処理のみで、オブジェクト11からの視点の画像が、姿勢変化に合わせて目まぐるしく変化することなく安定して出力される。
【0089】
また、画像処理装置12のオブジェクト画像加工部62は、移動方向算出部92をさらに備える。
移動方向算出部92は、オブジェクト画像取得部61により逐次取得されたオブジェクト画像のデータの履歴に基づいて、オブジェクトの移動方向を算出する。
画像変換部93は、姿勢変化算出部91の算出結果に加えてさらに移動方向算出部92の算出結果基づいて、オブジェクト画像のデータを、視点変換画像のデータに変換する。この場合、鑑賞者が所望する移動方向から眺めた様子を表わす画像のデータを得ることができる。
【0090】
また、画像処理装置12は、オブジェクト変更部73をさらに備えてもよい。
オブジェクトは複数であり、オブジェクト変更部73は、複数のオブジェクトの中で、オブジェクト画像取得部61によるオブジェクト画像のデータの取得の対象となるオブジェクトを変更する。
この場合、鑑賞者は必要に応じて、複数のオブジェクト11のうち所望のオブジェクト11の視点の映像を得ることができる。
【0091】
また、画像処理装置12は、視点変更部72をさらに備えてもよい。
仮想視点の配置候補となるオブジェクト又は物体は複数であり、視点変更部72は、複数の配置候補の中で、仮想視点の配置先を変更する。
この場合、鑑賞者は必要に応じて、複数の視点のうち所望の視点の映像を得ることができる。
【0092】
また、画像処理装置12における仮想視点15−1〜15−3は、移動速度が0の物体に配置されたものであってもよい。
この場合、鑑賞者は必要に応じて、所望の視点において安定した映像を得ることができる。
【0093】
また、画像処理装置12における仮想視点15−1〜15−3は、移動速度が0の相互に離間した複数の物体に配置されてもよい。
オブジェクト画像加工部62は、仮想視点15−1〜15−3が複数の物体の各々に移動した場合の視点変換画像のデータを生成してもよい。
この場合、所望の視点において新しい眺望世界や、迫力あるダイナミックな映像を再現することができる。
【0094】
また、画像処理装置12における仮想視点は、オブジェクト11以外の移動物体に配置されてもよい。ここでいう移動物体は、仮想的な移動物体を含む。この場合、仮想視点15−1〜15−3は、上述の如く、仮想的な移動物体に配置された1つの仮想視点が、その移動中に3つの位置をそれぞれ通過した際の様子を示すものと把握することもできる。
この場合、さらに選択の自由度の高い様々な視点において、新しい眺望世界や、迫力あるダイナミックな映像をより適切に再現することができる。
【0095】
また、画像処理装置12は、画像を表示する表示部38をさらに備えてもよい。
出力制御部71は、視点変換画像を表示部38に表示する制御を実行する。
この場合、鑑賞者であるテレビ局の編集局員等は、表示部38を通じて、容易にオブジェクト11の視点の画像を確認することができる。
【0096】
また、画像処理装置12は、表示機能を備えた外部端末14と通信する通信部40をさらに備えてもよい。
出力制御部71は、視点変換画像のデータを、通信部40から外部端末14に送信する制御を実行する。
これにより、鑑賞者は、インターネット回線等を通じて接続された外部端末14を操作するだけで、あたかも自分自身が競技場内を移動するボール等のオブジェクト11になったかのような視点の画像を見ることができる。
【0097】
また、画像処理装置12は、通信部40を介して外部端末14からの制御信号を受信する制御信号受信部74をさらに備えてもよい。
オブジェクト画像加工部62は、制御信号受信部74に受信された制御信号に応じた画像変換を行うことで、視点変換画像のデータを生成する。
これにより、鑑賞者は、インターネット回線等を通じて接続された外部端末14を操作するだけで、鑑賞者自身の好みの画像を選択することができる。
【0098】
また、画像処理装置12におけるオブジェクト11から送信される撮像画像のデータは動画像データであってもよい。
オブジェクト画像取得部61は、オブジェクトから送信される動画像データを、オブジェクト画像のデータとして取得する。
オブジェクト画像加工部62は、オブジェクト画像取得部61により取得された動画像データを加工することで、視点変換画像のデータを動画像データとして生成する。
出力制御部71は、オブジェクト画像加工部62により動画像データとして生成された視点変換画像のデータを出力する制御を実行する。
この場合、オブジェクト11の視点での迫力のあるダイナミックな動画像データを得ることができる。
【0099】
以上、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置12について説明した。
次に、本発明の第2実施形態に係る画像処理装置12について説明する。
【0100】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る画像処理装置12は、第1実施形態に係る画像処理装置12と基本的に同様のハードウェア構成及び機能的構成を取ることができる。
従って、図5は、第2実施形態に係る画像処理装置12のハードウェアの構成を示すブロック図でもある。
【0101】
さらに、第2実施形態に係る画像処理装置12が実行する画像表示処理は、第1実施形態に係る画像表示処理と基本的に同様の流れとなる。従って、図7は、第2実施形態に係る画像表示処理の流れを説明するフローチャートでもある。
さらに、第2実施形態に係る画像処理装置12が実行する画像変換処理は、第1実施形態に係る画像変換処理と基本的に同様の流れとなる。従って、図8は、第2実施形態に係る画像変換処理の流れを説明するフローチャートでもある。
ただし、第2実施形態では、画像変換処理のうちステップS31乃至ステップS34の処理については、第1実施形態で採用された図8のフローチャートではなく、図9のフローチャートが採用される。
図9は、図6の機能的構成を備える図5の画像処理装置12が実行する、第2実施形態に係る画像変換処理の流れを説明するフローチャートである。
【0102】
上述した第1実施形態における図8の画像変換処理では、
オブジェクト画像のデータの履歴からオブジェクト11の姿勢変化や移動方向を算出しているのに対して、第2実施形態における図9の画像変換処理では、オブジェクトデータに付加された3軸加速度データに基づいてオブジェクト11の姿勢変化や移動方向を算出している点が差異点である。詳細には、第2実施形態では、第1実施形態に係るステップS31乃至ステップS34の処理に代えて、ステップS51乃至ステップS54の処理が実行される点が差異点である。
そこで、以下、このような差異点について主に説明し、一致点の説明は適宜省略する。
【0103】
ステップS51において、通信部40は、選択オブジェクトからのオブジェクトデータを、ネットワークNを介して逐次受信する。
ステップS52において、通信部40は、オブジェクトデータを、オブジェクトデータに含まれるオブジェクト画像が撮像された時刻(近似的に現時刻でもよい)と対応付けてオブジェクトデータ記憶部81に記憶させる。
【0104】
ステップS53において、姿勢変化算出部91は、オブジェクトデータ記憶部81に記憶されているオブジェクトデータに付加された3軸加速度データから、選択オブジェクト11の姿勢変化を算出する。
【0105】
ステップS54において、移動方向算出部92は、オブジェクトデータ記憶部81に記憶されているオブジェクトデータに付加された3軸加速度データから、選択オブジェクト11の移動方向を算出する。
【0106】
ステップS55において、画像変換部93は、ステップS53において姿勢変化算出部91が算出した姿勢方向と、ステップS54において移動方向算出部92が算出した移動方向とに応じた画像変換を行うことで、移動方向に移動する選択オブジェクト11を仮想視点として、当該仮想視点が所定方向に眺めた様子を示す始点変換画像のデータを生成する。
この処理が終了すると、画像変換処理は終了となり、即ち、図7のステップS11の処理が終了し、処理はステップS12に進む。
【0107】
以上説明したように、本実施形態の画像処理装置12におけるオブジェクト11は加速度センサをさらに搭載し、加速度センサにより取得された情報を撮像画像のデータに付加して送信してもよい。
オブジェクト画像取得部61は、撮像画像のデータに付加された情報をさらに取得する。
オブジェクト画像加工部62は、視点変換画像の生成の際に、オブジェクト画像取得部61により取得された情報を利用する。
この場合、画像認識等の技術を用いずに視点変更画像のデータを得ることができるため、画像処理に要する負担の軽減を図ることができる。また、各種センサにより得られる情報に基づいて視点変更画像を生成することができるため、より正確な視点を認識して視点変更画像を生成することができる。
【0108】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0109】
上述の実施形態では、センサ部102は、3軸加速度センサにより形成されているがこれに限られるものではない。例えば、センサ部102は、重力センサにより構成することでオブジェクト11の傾きを検出してもよい。撮像部101から出力されたオブジェクト画像のデータに対して、重力センサにより検出された傾斜データを付加することによって、オブジェクトデータを生成することができる。
上述の実施形態では、本発明が適用される上述の実施形態では、ボールをオブジェクトとして選択する例について説明したがこれに限定されない。例えば、スポーツ競技用のバット、ラケット、クラブ、シューズ等の弾性体や半透明体の球体やスポーツ用具状の外装の中に撮像部を組み込むか、着脱式に装着するか、又は貼付して使用することができる。
【0110】
撮像部101は、連続撮影した画像の画像データを逐次送信部104を通じて画像処理装置12へ送信しているがこれに限られるものではない。例えば、大容量のメモリ(図示せず)に記憶した後、所定の時間毎、容量毎、又は通信速度に応じて分割して、画像処理装置12へ送信することができる。
【0111】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される画像処理装置12が使用される画像処理システム10は、スポーツが行われる競技場で用いられる例について説明したがこれに限定されない。例えば、舞台中継等に適用可能である。
【0112】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図6の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が画像処理装置12に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図6の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0113】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワーク21や記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0114】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図5のリムーバブルメディア51により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア51は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図5のROM32や、図5の記憶部39に含まれるハードディスク等で構成される。
【0115】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0116】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0117】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
光軸方向を視点とする撮像画像を撮像する撮像部及び前記撮像画像のデータを送信する送信部を備えたオブジェクトであって、姿勢変化をしながら移動し得る前記オブジェクトから逐次送信される前記撮像画像のデータを、オブジェクト画像のデータとして逐次取得するオブジェクト画像取得手段と、
前記オブジェクト画像取得手段により逐次取得された前記オブジェクト画像のデータを加工することで、前記オブジェクト又はそれ以外の物体(実物体若しくは仮想物体)に配置された仮想視点が所定の移動方向に移動しながら所定の眺望方向を眺めた様子を表わす画像のデータを、視点変換画像のデータとして生成するオブジェクト画像加工手段と、
前記オブジェクト画像加工手段により生成された前記視点変換画像のデータを出力する制御を実行する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
[付記2]
前記仮想視点は前記オブジェクトに配置されたものであり、前記仮想視点の前記所定の移動方向は前記オブジェクトの移動方向に基づく方向である、
ことを特徴とする付記1に記載の画像処理装置。
[付記3]
前記オブジェクト画像加工手段は、前記オブジェクト画像のデータを、前記姿勢変化を補正しつつ加工することで、前記視点変換画像のデータを生成する、
ことを特徴とする付記2に記載の画像処理装置。
[付記4]
前記オブジェクトはさらに回転を伴う移動をし得るものであり、
前記オブジェクト画像加工手段は、前記オブジェクト画像のデータのうち、光軸方向が前記オブジェクトの移動方向と略一致しているときに前記撮像部により撮像された撮像画像のデータを抽出し、抽出した前記撮像画像のデータを加工することで、前記視点変換画像のデータを生成する、
ことを特徴とする付記2又は3に記載の画像処理装置。
[付記5]
前記オブジェクト画像加工手段は、抽出した複数の前記撮像画像のデータの時間方向の合間に、補間又は創造した画像のデータを挿入する加工をさらにすることで、前記視点変換画像のデータを生成する、
ことを特徴とする付記4に記載の画像処理装置。
[付記6]
前記オブジェクト画像加工手段は、
前記オブジェクト画像取得手段により逐次取得された前記オブジェクト画像のデータの履歴に基づいて、前記オブジェクト画像の各々が前記撮像部に撮影された際の前記オブジェクトの姿勢の変化を算出する姿勢変化算出手段と、
前記姿勢変化算出手段の算出結果に基づいて、前記オブジェクト画像のデータを、前記視点変換画像のデータに変換する画像変換手段と、
を備えることを特徴とする付記1乃至5の何れか1つに記載の画像処理装置。
[付記7]
前記オブジェクト画像加工手段は、前記オブジェクト画像取得手段により逐次取得された前記オブジェクト画像のデータの履歴に基づいて、前記オブジェクトの移動方向を算出する移動方向算出手段をさらに備え、
前記画像変換手段は、前記姿勢変化算出手段の算出結果に加えてさらに前記移動方向算出手段の算出結果基づいて、前記オブジェクト画像のデータを、前記視点変換画像のデータに変換する
ことを特徴とする付記6に記載の画像処理装置。
[付記8]
前記オブジェクトは加速度センサ又は重力センサをさらに搭載し、
前記加速度センサ又は前記重力センサにより取得された情報を前記撮像画像のデータに付加して送信し、
前記オブジェクト画像取得手段は、前記撮像画像のデータに付加された前記情報をさらに取得し、
前記オブジェクト画像加工手段は、前記視点変換画像の生成の際に、前記オブジェクト画像取得手段により取得された前記情報を利用する、
ことを特徴とする付記1乃至7のうち何れか1つに記載の画像処理装置。
[付記9]
前記オブジェクトは複数であり、
複数の前記オブジェクトの中で、前記オブジェクト画像取得手段による前記オブジェクト画像のデータの取得の対象となるオブジェクトを変更するオブジェクト変更手段をさらに備える、
ことを特徴とする付記1乃至8のうち何れか1つに記載の画像処理装置。
[付記10]
前記仮想視点の配置候補となる前記オブジェクト又は前記物体は複数であり、
前記複数の配置候補の中で、前記仮想視点の配置先を変更する視点変更手段をさらに備える、
ことを特徴とする付記1乃至9のうち何れか1つに記載の画像処理装置。
[付記11]
前記仮想視点は、移動速度が0の前記物体に配置されたものである、
ことを特徴とする付記1に記載の画像処理装置。
[付記12]
前記仮想視点は、移動速度が0の相互に離間した複数の物体に配置され、
前記オブジェクト画像加工手段は、前記仮想視点が前記複数の物体の各々に移動した場合の前記視点変換画像のデータを生成する、
ことを特徴とする付記11に記載の画像処理装置。
[付記13]
前記仮想視点は、前記物体として移動物体に配置されたものである、
ことを特徴とする付記1に記載の画像処理装置。
[付記14]
画像を表示する表示手段をさらに備え、
前記出力制御手段は、前記視点変換画像を前記表示手段に表示する制御を実行する、
ことを特徴とする付記1乃至13の何れか1つに記載の画像処理装置。
[付記15]
表示機能を備えた外部端末と通信する通信手段をさらに備え、
前記出力制御手段は、前記視点変換画像のデータを、前記通信手段から前記外部端末に送信する制御を実行する、
ことを特徴とする付記1乃至14の何れか1つに記載の画像処理装置。
[付記16]
前記通信手段を介して前記外部端末からの制御信号を受信する制御信号受信手段をさらに備え、
前記オブジェクト画像加工手段は、前記制御信号受信手段に受信された前記制御信号に応じた画像変換を行うことで、前記視点変換画像のデータを生成する、
ことを特徴とする付記15に記載の画像処理装置。
[付記17]
前記オブジェクトから送信される撮像画像のデータは動画像データであって、
前記オブジェクト画像取得手段は、前記オブジェクトから送信される前記動画像データを、前記オブジェクト画像のデータとして取得し、
前記オブジェクト画像加工手段は、前記オブジェクト画像取得手段により取得された前記動画像データを加工することで、前記視点変換画像のデータを動画像データとして生成し、
前記出力制御手段は、前記オブジェクト画像加工手段により動画像データとして生成された前記視点変換画像のデータを出力する制御を実行する、
ことを特徴とする付記1乃至16の何れか1つに記載の画像処理装置。
[付記18]
視点変換画像のデータを出力する制御を実行する画像処理装置が実行する画像処理方法であって、
光軸方向を視点とする撮像画像を撮像する撮像部及び前記撮像画像のデータを送信する送信部を備えたオブジェクトであって、姿勢変化をしながら移動し得る前記オブジェクトから逐次送信される前記撮像画像のデータを、オブジェクト画像のデータとして逐次取得するオブジェクト画像取得ステップと、
前記オブジェクト画像取得ステップにより逐次取得された前記オブジェクト画像のデータを加工することで、前記オブジェクト又はそれ以外の物体(実物体若しくは仮想物体)に配置された仮想視点が所定の移動方向に移動しながら所定の眺望方向を眺めた様子を表わす画像のデータを、視点変換画像のデータとして生成するオブジェクト画像加工ステップと、
前記オブジェクト画像加工ステップにより生成された前記視点変換画像のデータを出力する制御を実行する出力制御ステップと、
を含む画像処理方法。
[付記19]
視点変換画像のデータを出力する制御を実行する画像処理装置を制御するコンピュータに、
光軸方向を視点とする撮像画像を撮像する撮像部及び前記撮像画像のデータを送信する送信部を備えたオブジェクトであって、姿勢変化をしながら移動し得る前記オブジェクトから逐次送信される前記撮像画像のデータを、オブジェクト画像のデータとして逐次取得するオブジェクト画像取得機能、
前記オブジェクト画像取得機能、により逐次取得された前記オブジェクト画像のデータを加工することで、前記オブジェクト又はそれ以外の物体(実物体若しくは仮想物体)に配置された仮想視点が所定の移動方向に移動しながら所定の眺望方向を眺めた様子を表わす画像のデータを、視点変換画像のデータとして生成するオブジェクト画像加工機能、
前記オブジェクト画像加工機能、により生成された前記視点変換画像のデータを出力する制御を実行する出力制御機能、
を含む機能を実現させるプログラム。
【符号の説明】
【0118】
10・・・画像処理システム、11・・・オブジェクト、12・・・画像処理装置、13・・・中継装置、14・・・外部端末、31・・・CPU、32・・・ROM、33・・・RAM、34・・・画像処理部、35・・・バス、36・・・入出力インターフェース、37・・・入力部、38・・・表示部、39・・・記憶部、40・・・通信部、41・・・ドライブ、51・・・リムーバブルメディア、61・・・オブジェクト画像取得部、62・・・オブジェクト画像加工部、71・・・出力制御部、72・・・視点変更部、73・・・オブジェクト変更部、74・・・制御信号受信部、81・・・オブジェクトデータ記憶部、82・・・参照情報記憶部、101・・・撮像部、102・・・センサ部、103・・・オブジェクトデータ生成部、104・・・送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向を視点とする撮像画像を撮像する撮像部及び前記撮像画像のデータを送信する送信部を備えたオブジェクトであって、姿勢変化をしながら移動し得る前記オブジェクトから逐次送信される前記撮像画像のデータを、オブジェクト画像のデータとして逐次取得するオブジェクト画像取得手段と、
前記オブジェクト画像取得手段により逐次取得された前記オブジェクト画像のデータを加工することで、前記オブジェクト又はそれ以外の物体(実物体若しくは仮想物体)に配置された仮想視点が所定の移動方向に移動しながら所定の眺望方向を眺めた様子を表わす画像のデータを、視点変換画像のデータとして生成するオブジェクト画像加工手段と、
前記オブジェクト画像加工手段により生成された前記視点変換画像のデータを出力する制御を実行する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記仮想視点は前記オブジェクトに配置されたものであり、前記仮想視点の前記所定の移動方向は前記オブジェクトの移動方向に基づく方向である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記オブジェクト画像加工手段は、前記オブジェクト画像のデータを、前記姿勢変化を補正しつつ加工することで、前記視点変換画像のデータを生成する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記オブジェクトはさらに回転を伴う移動をし得るものであり、
前記オブジェクト画像加工手段は、前記オブジェクト画像のデータのうち、光軸方向が前記オブジェクトの移動方向と略一致しているときに前記撮像部により撮像された撮像画像のデータを抽出し、抽出した前記撮像画像のデータを加工することで、前記視点変換画像のデータを生成する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記オブジェクト画像加工手段は、抽出した複数の前記撮像画像のデータの時間方向の合間に、補間又は創造した画像のデータを挿入する加工をさらにすることで、前記視点変換画像のデータを生成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記オブジェクト画像加工手段は、
前記オブジェクト画像取得手段により逐次取得された前記オブジェクト画像のデータの履歴に基づいて、前記オブジェクト画像の各々が前記撮像部に撮影された際の前記オブジェクトの姿勢の変化を算出する姿勢変化算出手段と、
前記姿勢変化算出手段の算出結果に基づいて、前記オブジェクト画像のデータを、前記視点変換画像のデータに変換する画像変換手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記オブジェクト画像加工手段は、前記オブジェクト画像取得手段により逐次取得された前記オブジェクト画像のデータの履歴に基づいて、前記オブジェクトの移動方向を算出する移動方向算出手段をさらに備え、
前記画像変換手段は、前記姿勢変化算出手段の算出結果に加えてさらに前記移動方向算出手段の算出結果基づいて、前記オブジェクト画像のデータを、前記視点変換画像のデータに変換する
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記オブジェクトは加速度センサ又は重力センサをさらに搭載し、
前記加速度センサ又は前記重力センサにより取得された情報を前記撮像画像のデータに付加して送信し、
前記オブジェクト画像取得手段は、前記撮像画像のデータに付加された前記情報をさらに取得し、
前記オブジェクト画像加工手段は、前記視点変換画像の生成の際に、前記オブジェクト画像取得手段により取得された前記情報を利用する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記オブジェクトは複数であり、
複数の前記オブジェクトの中で、前記オブジェクト画像取得手段による前記オブジェクト画像のデータの取得の対象となるオブジェクトを変更するオブジェクト変更手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記仮想視点の配置候補となる前記オブジェクト又は前記物体は複数であり、
前記複数の配置候補の中で、前記仮想視点の配置先を変更する視点変更手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記仮想視点は、移動速度が0の前記物体に配置されたものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記仮想視点は、移動速度が0の相互に離間した複数の物体に配置され、
前記オブジェクト画像加工手段は、前記仮想視点が前記複数の物体の各々に移動した場合の前記視点変換画像のデータを生成する、
ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記仮想視点は、前記物体として移動物体に配置されたものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項14】
画像を表示する表示手段をさらに備え、
前記出力制御手段は、前記視点変換画像を前記表示手段に表示する制御を実行する、
ことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項15】
表示機能を備えた外部端末と通信する通信手段をさらに備え、
前記出力制御手段は、前記視点変換画像のデータを、前記通信手段から前記外部端末に送信する制御を実行する、
ことを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記通信手段を介して前記外部端末からの制御信号を受信する制御信号受信手段をさらに備え、
前記オブジェクト画像加工手段は、前記制御信号受信手段に受信された前記制御信号に応じた画像変換を行うことで、前記視点変換画像のデータを生成する、
ことを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記オブジェクトから送信される撮像画像のデータは動画像データであって、
前記オブジェクト画像取得手段は、前記オブジェクトから送信される前記動画像データを、前記オブジェクト画像のデータとして取得し、
前記オブジェクト画像加工手段は、前記オブジェクト画像取得手段により取得された前記動画像データを加工することで、前記視点変換画像のデータを動画像データとして生成し、
前記出力制御手段は、前記オブジェクト画像加工手段により動画像データとして生成された前記視点変換画像のデータを出力する制御を実行する、
ことを特徴とする請求項1乃至16の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項18】
視点変換画像のデータを出力する制御を実行する画像処理装置が実行する画像処理方法であって、
光軸方向を視点とする撮像画像を撮像する撮像部及び前記撮像画像のデータを送信する送信部を備えたオブジェクトであって、姿勢変化をしながら移動し得る前記オブジェクトから逐次送信される前記撮像画像のデータを、オブジェクト画像のデータとして逐次取得するオブジェクト画像取得ステップと、
前記オブジェクト画像取得ステップにより逐次取得された前記オブジェクト画像のデータを加工することで、前記オブジェクト又はそれ以外の物体(実物体若しくは仮想物体)に配置された仮想視点が所定の移動方向に移動しながら所定の眺望方向を眺めた様子を表わす画像のデータを、視点変換画像のデータとして生成するオブジェクト画像加工ステップと、
前記オブジェクト画像加工ステップにより生成された前記視点変換画像のデータを出力する制御を実行する出力制御ステップと、
を含む画像処理方法。
【請求項19】
視点変換画像のデータを出力する制御を実行する画像処理装置を制御するコンピュータに、
光軸方向を視点とする撮像画像を撮像する撮像部及び前記撮像画像のデータを送信する送信部を備えたオブジェクトであって、姿勢変化をしながら移動し得る前記オブジェクトから逐次送信される前記撮像画像のデータを、オブジェクト画像のデータとして逐次取得するオブジェクト画像取得機能、
前記オブジェクト画像取得機能、により逐次取得された前記オブジェクト画像のデータを加工することで、前記オブジェクト又はそれ以外の物体(実物体若しくは仮想物体)に配置された仮想視点が所定の移動方向に移動しながら所定の眺望方向を眺めた様子を表わす画像のデータを、視点変換画像のデータとして生成するオブジェクト画像加工機能、
前記オブジェクト画像加工機能、により生成された前記視点変換画像のデータを出力する制御を実行する出力制御機能、
を含む機能を実現させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−78037(P2013−78037A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217561(P2011−217561)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】