説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び制御プログラム

【課題】ワイヤレスWUSB通信を介して接続される複数のホスト装置のうち、通信頻度が高いホスト装置との接続処理に要する時間を省略して、効率よく処理を行うことができる仕組みを提供する。
【解決手段】画像処理装置は、複数のホスト装置とワイヤレスUSB通信により接続され、ホスト装置から受信した情報に基づいて接続履歴情報を作成する作成手段(ステップS501)と、複数のホスト装置のいずれとも接続していない状態を検出する検出手段(ステップS502)と、検出手段により複数のホスト装置のいずれとも接続していない状態が検出された場合に、前記接続履歴情報に基づいて、複数のホスト装置の中から通信頻度が高いホスト装置を選択して、選択したホスト装置との接続処理を行う制御手段(ステップS504)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信により複数のホストPCに接続される画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のコンピュータ環境でもっとも頻繁に周辺機器との接続に使用され普及している規格の一つであるUSBインターフェースを無線化した、ワイヤレスUSB(以下、WUSBという)の規格が策定されている。
【0003】
図9を参照して、ホスト装置(例えばPC)とデバイス(例えば画像処理装置)との1対1のWUSB通信接続確立の概要について説明する。
【0004】
図9において、ホスト装置210には、WUSBホスト用アンテナ11が装備され、デバイス20には、WUSBデバイス用アンテナ21が装備されている。セキュリティ・ポリシーに基づいたWUSBの接続は、大別して、識別フェーズ、認証フェーズ、及び許可フェーズに分けられる。
【0005】
識別フェーズは、デバイス20がホスト装置10を検出して、ホスト装置10に対して接続要求を送信し、認証フェーズは、ホスト装置10とデバイス20間で相互信用を確立し、許可フェーズは、セキュアな通信での情報交換を認める。セキュアな接続が確立されると、データを暗号化してホスト装置10とデバイス20間で通信が行われる。
【0006】
具体的には、ホスト装置10側のアプリケーションによって印刷ジョブを作成して、デバイス20に対して印刷要求する場合、ホスト装置10は、WUSBホスト用アンテナ11からデバイス20の固有IDを含むビーコンを一定間隔でデバイス20に送信する。なお、ビーコンには、ホスト識別情報(ID)とデバイス識別情報(ID)等が含まれており、それぞれホスト装置10の固有IDとデバイス20の固有IDで構成される。
【0007】
この印刷要求であるビーコンをWUSBデバイス用アンテナ21を介して受信したデバイス20は、通信を確立させるための1対1の接続処理を開始する。
【0008】
まず、デバイス20は、ホスト装置10から受信したビーコンのデバイスIDを解析し、受信したデバイスIDが自身のデバイスIDか否かを確認し、デバイスIDが異なる場合は、自身のビーコンではないと判断し、ビーコンを破棄する。
【0009】
また、デバイス20は、受信したデバイスIDが自身のデバイスIDである場合、ビーコンのホストIDを解析し、ビーコンのホストIDがアソシエーションによってデバイス20に登録されているホストIDと同じか否かを確認する。
【0010】
そして、デバイス20は、ビーコンのホストIDがアソシエーションによってデバイス20に登録されているホストIDと同じでない場合は、アソシエーション未設定のホストと判断し、ビーコンを破棄する。
【0011】
なお、アソシエーションについては、いくつかの方法が用意されている。WUSBセキュリティでのアソシエーションプロセスにおいては、ホスト装置10とデバイス20とでセキュア接続を確立するために、CC(Connection Context)と呼ばれる情報をホスト装置10とデバイス20間で共有しなければならない。CCは、固有ホストID、固有デバイスID、ホスト装置10及びデバイス20で共有されるコネクションキーの情報からなる。
【0012】
一方、デバイス20は、ビーコンのホストIDがアソシエーションによってデバイス20に登録されているホストIDと同じである場合は、ホスト装置10に対して接続要求を返信する。
【0013】
この接続要求に対してホスト装置10が接続許可する等してホスト装置10とデバイス20間で相互の信用を確立すると、セキュアな通信での情報交換が認められる。
【0014】
そして、ホスト装置10は、スプールしていた印刷データをデバイス20に対して暗号化データとして送信し、データ送信が終了すると、別のホスト装置との接続等のため、切断要求により、通信を終了させる。なお、切断要求は、ホスト装置10側およびデバイス20側の両方から要求可能である。
【0015】
しかし、上記WUSB通信においては、一度に接続できるのは、1台のデバイス20に対して1台のホスト装置10である。従って、デバイス20は、ホスト装置10から印刷要求を受信すると、該ホスト装置10との通信に占有され、他のホスト装置からの印刷要求を受けることはできない。
【0016】
このような問題を解決するために、デバイスが複数のホスト装置から受信するビーコンからのホスト情報をリスト化し、リスト順に基づいてホスト装置に対して接続要求を送信するシステムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2007−251851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記特許文献1では、1台のデバイスを複数のホスト装置で無線通信を介して共有する場合、複数のホスト装置を順位付けしてデバイスと接続するため、無線化の利便性を生かすことは可能であるが、デバイスの接続処理に時間を要することになる。
【0019】
そこで、本発明は、WUSB通信を介して接続される複数のホスト装置のうち、通信頻度が高いホスト装置との接続処理に要する時間を省略して、効率よく処理を行うことができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、複数のホスト装置と無線通信により接続される画像処理装置において、前記ホスト装置から受信した情報に基づいて接続履歴情報を作成する作成手段と、前記複数のホスト装置のいずれとも接続していない状態を検出する検出手段と、前記検出手段により前記複数のホスト装置のいずれとも接続していない状態が検出された場合に、前記接続履歴情報に基づいて、前記複数のホスト装置の中から通信頻度が高いホスト装置を選択して、該選択したホスト装置との接続処理を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、WUSB通信を介して接続される複数のホスト装置のうち、通信頻度が高いホスト装置との接続処理に要する時間を省略することができるので、画像処理装置での処理を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態である画像処理装置と複数のホストPCとがWUSB通信で接続されるシステム構成例を示す斜視図である。
【図2】ホストPCの構成例について説明するためのブロック図である。
【図3】画像処理装置の構成例を説明するためのブロック図である。
【図4】ホストリスト記憶部に格納される、リスト化された履歴情報の一例を示す図である。
【図5】画像処理装置のホストPCとの接続処理例について説明するためのフローチャート図である。
【図6】本発明の第2の実施形態である画像処理装置において、ホストPCとの接続処理例について説明するためのフローチャート図である。
【図7a】本発明の第3の実施形態である画像処理装置において、ホストPCとの接続処理例について説明するためのフローチャート図である。
【図7b】本発明の第3の実施形態である画像処理装置において、ホストPCとの接続処理例について説明するためのフローチャート図である。
【図8a】本発明の第4の実施形態である画像処理装置において、ホストPCとの接続処理例について説明するためのフローチャート図である。
【図8b】本発明の第4の実施形態である画像処理装置において、ホストPCとの接続処理例について説明するためのフローチャート図である。
【図9】WUSB通信の接続確立手順の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態である画像処理装置と複数のホストPCとがWUSB通信で接続されるシステム構成例を示す斜視図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の画像処理装置(MFP)20は、複数(図では3台)のホストPC10a〜10cとWUSB通信により接続される。
【0026】
まず、図2を参照して、ホストPC10aの構成例について説明する。なお、ホストPC10b,10cの構成例については、ホストPC10aと同一であるため、その説明を省略する。
【0027】
図2に示すように、ホストPC10aには、コントローラ100、ディスプレイ101、及びWUSBホスト用アンテナ11が設けられる。
【0028】
コントローラ100は、CPU102、ROM103、RAM104、HDD105、表示制御部106、各種IOI/F制御部107、及び無線通信制御部108を備え、各ユニット102〜108は、システムバス109により接続される。
【0029】
CPU102は、ホストコントローラ100で実行される各種処理について統括的に制御する。ROM103はブートROMであり、システムのブートアップ用プログラムが格納されている。RAM104は、CPU102のメインメモリであり、システムを動作させるためのワークメモリや、印刷データ等の画像データを一時的に格納する画像メモリ等として機能する。また、RAM104は、不図示の増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。
【0030】
HDD105は、システムソフトウェアや画像データを格納する。表示制御部106は、ディスプレイ101に表示する画像データの出力を制御する。各種IOI/F制御部107は、不図示のキーボードやマウスなどの外部I/Fの制御部である。外部I/Fとしては、キーボード等の他に有線USBやLANなどを例示することができ、各I/Fを介して各通信網等と接続される。
【0031】
無線通信制御部108は、ホストPC10の周囲にWUSB通信を行うデバイスがある場合に、WUSBホスト用アンテナ11を介してWUSBを制御する。
【0032】
図3は、本発明の第1の実施形態である画像処理装置の構成例を説明するためのブロック図である。
【0033】
図3に示すように、本実施形態の画像処理装置20には、コントローラ200、プリンタエンジン201、操作ユニット202、及びWUSBデバイス用アンテナ21が設けられる。
【0034】
コントローラ200は、CPU203、ROM204、RAM205、プリンタI/F206、操作I/F207、無線通信制御部208、ホストリスト記憶部209、及びホストリスト制御部210を備える。各ユニット203〜210は、システムバス211により接続される。
【0035】
CPU203は、ROM204に格納された制御プログラムに等に基づいて、各ユニットとのアクセスを総括的に制御する。また、CPU203は、プリンタI/F206を介して接続されるプリンタエンジン部201に出力情報としての画像信号を出力する。
【0036】
RAM205は、CPU203のメインメモリであり、ワークエリア等として機能する他、不図示の増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM205は、出力情報展開領域、環境データ格納領域等に用いられる。
【0037】
操作I/F207には、操作スイッチ及びLED表示器等が配置された操作ユニット202が接続される。なお、操作ユニット202から入力されたモード設定情報等は、不図示のNVRAMに記憶させるようにしても良い。
【0038】
無線通信制御部208は、画像処理装置20の周辺にWUSB通信を行うホストPCがある場合に、WUSBデバイス用アンテナ21を介してWUSBの制御を行う。
【0039】
ホストリスト記憶部209には、ホストID等をリスト化したものを格納する。ホストPC10a〜10cのいずれかからWUSBホスト用アンテナ11を介して送信されるビーコンを、WUSBデバイス用アンテナ21を介して無線通信制御部208が受信する。CPU203は、ホストPCから印刷要求があった場合、受信したビーコンに含まれるホストID、接続回数、接続した時間をホストリスト記憶部209に登録し、接続履歴情報としてリスト化する。
【0040】
ホストリスト制御部210は、ホストリスト記憶部209に記憶されているホストIDリストを識別し、ジョブ処理終了の度に、ホストリスト記憶部209に記憶された接続履歴情報を更新する制御を行う。
【0041】
図4は、ホストリスト記憶部209に格納される、リスト化された接続履歴情報の一例を示す図である。
【0042】
図4においては、接続回数と接続された時間を1日単位での履歴としてリスト化した例を示している。なお、履歴としてリスト化する単位としては、日単位の他に月単位等での集計としても良い。
【0043】
ホストリスト制御部210は、ホストリスト記憶部209に格納された接続履歴情報及び別途設定された条件をもとに、画像処理装置20と接続可能な複数のホストPCのいずれとも接続していない状態を検出する。なお、ここでは複数のホストPCのいずれとも接続していない状態で一定時間が経過したことを検出するものとする。そして、複数のホストPCのいずれとも接続していない状態が検出された場合は、接続回数が多く、通信頻度の高いホストPCと接続するよう制御する。また、ホストリスト制御部210は、ジョブ処理を終える度に、ホストリスト記憶部209のリスト化された接続履歴情報を更新制御する。
【0044】
次に、図5を参照して、画像処理装置20のホストPCとの接続処理例について説明する。図5での各処理は、画像処理装置20のROM204等に記憶された制御プログラムがRAM205にロードされて、CPU203により実行される。
【0045】
図5において、ステップS500では、CPU203は、図4のホストPC10a〜10cのいずれかからWUSBを経由して送信された印刷要求を受信すると、印刷出力処理を実行し、ステップS501に進む。
【0046】
ステップS501では、CPU203は、接続したホストPCのホストIDと接続日時等の情報を基に接続履歴情報リストを作成して、ホストリスト記憶部209へ格納し、ステップS502に進む。
【0047】
ステップS502では、CPU203は、ホスト10a〜10cのいずれからも印刷要求がなく、ホストPCとの接続がない状態で一定時間経過したかを判断する。そして、CPU203は、一定時間経過した場合は、ステップS503に進み、一定時間経過する前にホストPCから接続要求を受信した場合は、ステップS509に進む。
【0048】
ステップS503では、CPU203は、現在までで接続回数が最も多いホストPCと接続するか否かを判断し、接続する場合は、ステップS504に進み、接続しない場合は、ステップS514に進み、通常のスタンバイのモードへと移行して、処理を終了する。なお、ステップS503の判断は、予め設定された内容に基づいて行う。即ち、画像処理装置20は、ホストPCとの接続がない状態で一定時間経過した場合に接続回数が最も多いホストPCと接続する処理を行うかどうかを、ユーザからの指示に基づいて予め設定しておくことができる。
【0049】
ステップS504では、CPU203は、ステップS501でホストリスト記憶部209に格納した接続履歴情報リストを基に接続回数が最も多いホストPCをホストリスト制御部210により選択し、WUSBでコネクト処理を行い、ステップS505に進む。なお、本実施形態では、ホストリスト制御部210より、接続回数が最も多いホストPCとしてホストPC10aを選択して、WUSBでのコネクト処理を行う。
【0050】
ステップS505では、CPU203は、ステップS504で接続したホストPC10aからの印刷要求か否かを判断し、ホストPC10aからの印刷要求である場合は、ステップS506に進み、そうでない場合は、ステップS511に進む。
【0051】
ステップS506では、CPU203は、既にコネクト処理は完了しているため、印刷ジョブを即時に処理し、ステップS507に進む。
【0052】
ステップS507では、CPU203は、印刷出力処理後に、前述の接続履歴情報(接続回数等)を更新して、更新された情報をホストリスト記憶部209に格納し、ステップS508に進む。
【0053】
ステップS508では、CPU203は、接続していたホストPC10aとのWUSB接続のディスコネクト処理を行い、接続を切断して、ステップS502に戻る。
【0054】
また、ステップS509では、CPU203は、接続要求を受信したホストPCとのコネクト処理を行い、ステップS510に進む。
【0055】
ステップS510では、CPU203は、接続したホストPCからの印刷ジョブを処理し、ステップS507に進む。
【0056】
ステップS507では、CPU203は、印刷出力処理後に、前述の接続履歴情報(接続回数等)を更新して、更新された情報をホストリスト記憶部209に格納し、ステップS508に進む。
【0057】
ステップS508では、CPU203は、接続していたホストPCとのWUSB接続のディスコネクト処理を行い、接続を切断して、ステップS502に戻る。
【0058】
また、ステップS511では、CPU203は、接続中のホストPC10aをディスコネクト処理し、ステップS512に進む。
【0059】
ステップS512では、CPU203は、印刷要求のあったホストPC10bもしくはホストPC10cとWUSBのコネクト処理を行い、ステップS513に進む。
【0060】
ステップS513では、CPU203は、接続したホストPCからの印刷ジョブを実行し、ステップS507に進む。
【0061】
ステップS507では、CPU203は、印刷出力処理後に、前述の接続履歴情報(接続回数等)を更新し、更新された情報をホストリスト記憶部209に格納し、ステップS508に進む。
【0062】
ステップS508では、CPU203は、接続していたホストPCとのWUSB接続のディスコネクト処理を行い、接続を切断して、ステップS502に戻る。
【0063】
以上説明したように、本実施形態では、画像処理装置20とホストPC10a〜10cがWUSBで通信する環境において、画像処理装置20は、どのホストPCとも通信しない状態で一定時間経過した場合、接続回数が最も多いホストPC10aと接続される。
【0064】
これにより、ホストPC10aが画像処理装置20と通信しようとしたとき、画像処理装置20に前もって接続されているため、接続に要する時間を省略することができ、画像処理装置20での処理を効率よく行うことができる。
【0065】
(第2の実施形態)
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施形態である画像処理装置について説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。
【0066】
本実施形態では、図6に示すように、上記第1の実施形態(図5)に対して、ステップS503において、現在までで接続回数が多いホストPCと接続しないと判断された場合に、ステップS600〜ステップS603の処理が追加される。
【0067】
ステップS600では、CPU203は、現在までで利用時間毎の接続回数の最も多いホストPCに切り替えて接続するか否かを判断し、接続する場合は、ステップS601に進み、接続しない場合は、ステップS602に進む。なお、ステップS600の判断は、予め設定された内容に基づいて行う。即ち、画像処理装置20は、ホストPCとの接続がない状態で一定時間経過した場合に利用時間毎の接続回数の最も多いホストPCと接続する処理を行うかどうかを、ユーザからの指示に基づいて予め設定しておくことができる。
【0068】
ステップS601では、CPU203は、ホストリスト記憶部209に格納された接続履歴情報リストを基に、ホストリスト制御部210により利用時間ごとの接続回数が多いホストPCを選択して、WUSBのコネクト処理を行い、ステップS505に進む。
【0069】
ステップS602では、CPU203は、ユーザにより操作ユニット202で接続するホストPCが指定されているか否かを判断する。そして、CPU203は、接続するホストPCが指定されている場合は、ステップS603で指定されたホストPCとのWUSBのコネクト処理を行い、ステップS505に進み、接続するホストPCが指定されていない場合は、ステップS514に進む。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施形態と同様である。
【0070】
以上説明した第2の実施形態によれば、ホストPCとの接続がない状態で一定時間経過した場合に接続するホストPCを選択する際の選択方法を設定することができる。即ち、接続回数が最も多いホストPCを選択するか、利用時間毎の接続回数が最も多いホストPCを選択するか、或いはユーザが予め指定したホストPCを選択するかを必要に応じて切り替えることが可能となる。
【0071】
(第3の実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の第3の実施形態である画像処理装置について説明する。なお、上記第1及び第2の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。
【0072】
本実施形態では、図7に示すように、上記第2の実施形態(図6)に対して、ステップS502とステップS503との間に、ステップS700及びステップS701が追加され、図6のステップS514がステップS702に変更されている。
【0073】
図7において、ステップS502では、CPU203は、ホスト10a〜10cのいずれからも印刷要求がなく、ホストPCとの接続がない状態で一定時間経過した場合は、ステップS700に進む。
【0074】
ステップS700では、CPU203は、省電力モードへと移行するか否かを判断し、省電力モードへ移行する場合は、ステップS701に進み、移行しない場合は、ステップS503に進む。
【0075】
ステップS701では、CPU203は、WUSBの接続に必要な無線通信制御部208等のみを有効とし、プリンタエンジン201の電源供給等を切断し、ステップS503に進む。
【0076】
また、ステップS602において、CPU203は、ユーザにより操作ユニット202で接続するホストPCが指定されていない場合は、ステップS702に進む。
【0077】
ステップS702では、CPU203は、省電力モードへ移行する場合は、無線通信制御部208を含め復帰に必要な部分のみ機能させるように移行処理を行い、その後に、復帰要因が入力されるまで待機状態とする。また、CPU203は、省電力モードに移行しない場合、通常のスタンバイモードへと移行し、処理を終了する。その他の構成及び作用効果は、上記第1及び第2の実施形態と同様である。
【0078】
以上説明した第3の実施形態によれば、省電力モードへを移行した状態においても、ホストPCとの接続がない状態で一定時間経過した場合に、使用頻度が高いホストPCと接続する処理を行うことができる。
【0079】
(第4の実施形態)
次に、図8を参照して、本発明の第4の実施形態である画像処理装置について説明する。なお、上記第1〜第3の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。
【0080】
本実施形態では、図8に示すように、上記第3の実施形態(図7)に対して、ステップS504、ステップS601及びステップS602とステップS505との間に、ステップS800〜ステップS803が追加されている。
【0081】
ステップS800では、CPU203は、ステップ504、ステップS601及びステップS602において、選択又は指定したホストPCとWUSBコネクト処理を行う際に、ホストPC側が接続できない状態(ダウン状態)になっているか否かを判断する。そして、CPU203は、接続できない状態になっていると判断した場合は、ステップS801に進み、そうでない場合は、ステップS505に進む。
【0082】
ステップS801では、CPU203は、接続対象のホストPCを他のホスト装置に変更するか否かを判断し、変更しない場合は、ステップS702に進み、変更する場合は、ステップS803に進む。ステップS801の判断は、予め設定された内容に基づいて行う。即ち、画像処理装置20は、選択又は指定したホストPCとコネクト処理を行う際に、ホストPC側がダウン状態になっている場合に他のホストPCと接続する処理を行うかどうかを、ユーザからの指示に基づいて予め設定しておくことができる。
【0083】
ステップS802では、CPU203は、前述した接続履歴情報リストを基に、ホストリスト制御部210により例えば次に接続回数の多いホストPCやユーザが操作ユニット202で指定したホストPCを選択する。そして、選択したホストPCとのコネクト処理を行い、ステップS800に戻る。その他の構成及び作用効果は、上記第1〜第3の実施形態と同様である。
【0084】
以上説明した第4の実施形態によれば、選択された使用頻度の高いホストPCとのコネクト処理を行う際に、該ホストPCがダウン状態となっている場合は、他のホストPC(次に使用頻度が高いホストPC)とのコネクト処理を行うことができる。
【0085】
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0086】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0087】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0088】
200 コントローラ
201 プリンタエンジン
202 操作ユニット
203 CPU
204 ROM
205 RAM
206 プリンタI/F
207 操作部I/F
208 無線通信制御部
209 ホストリスト記憶部
210 ホストリスト制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のホスト装置と無線通信により接続される画像処理装置において、
前記ホスト装置から受信した情報に基づいて接続履歴情報を作成する作成手段と、
前記複数のホスト装置のいずれとも接続していない状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記複数のホスト装置のいずれとも接続していない状態が検出された場合に、前記接続履歴情報に基づいて、前記複数のホスト装置の中から通信頻度が高いホスト装置を選択して、該選択したホスト装置との接続処理を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数のホスト装置の中から前記画像処理装置との接続回数が最も多いホスト装置を選択する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記複数のホスト装置の中から利用時間ごとの前記画像処理装置との接続回数が最も多いホスト装置を選択する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記選択したホスト装置との接続処理を行う際に、該選択したホスト装置が接続できない状態になっている場合に、前記選択したホスト装置とは異なる他のホスト装置との接続処理を行う、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記選択したホスト装置との接続中に他のホスト装置から接続要求があった場合に、前記選択したホスト装置との接続を切断し、前記接続要求のあったホスト装置との接続処理を行う、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記複数のホスト装置の中から接続するホスト装置をユーザによる操作により指定する指定手段を備え、
前記制御手段は、前記指定手段により接続するホスト装置が指定され、かつ前記検出手段により前記複数のホスト装置のいずれとも接続していない状態が検出された場合は、前記指定手段により指定されたホスト装置との接続処理を行う、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
複数のホスト装置と無線通信により接続される画像処理装置の制御方法において、
前記ホスト装置から受信した情報に基づいて接続履歴情報を作成する作成ステップと、 前記複数のホスト装置のいずれとも接続していない状態を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで前記複数のホスト装置のいずれとも接続していない状態が検出された場合に、前記接続履歴情報に基づいて、前記複数のホスト装置の中から通信頻度が高いホスト装置を選択して、該選択したホスト装置との接続処理を行う制御ステップと、
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項8】
複数のホスト装置と無線通信により接続される画像処理装置の制御プログラムであって、
前記ホスト装置から受信した情報に基づいて接続履歴情報を作成する作成ステップと、 前記複数のホスト装置のいずれとも接続していない状態を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで前記複数のホスト装置のいずれとも接続していない状態が検出された場合に、前記接続履歴情報に基づいて、前記複数のホスト装置の中から通信頻度が高いホスト装置を選択して、該選択したホスト装置との接続処理を行う制御ステップと、
をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする画像処理装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−199828(P2010−199828A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40886(P2009−40886)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】