説明

画像処理装置、立体画像印刷システム、画像処理方法およびプログラム

【課題】立体度を用いて、より自然で立体視しやすい立体合成画像を生成する画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、立体画像データを入力するための立体画像データ入力手段と、立体画像データから被写体を抽出する被写体抽出手段と、立体画像データに含まれる視点の異なる複数の平面画像データから被写体の立体度を算出する立体度算出手段と、立体度と立体画像データとを関連付けて記録する立体画像データ記録手段と、テンプレート記録手段に記録された複数種類の立体画像テンプレートの中から、立体画像データと関連付けて記録された立体度に基づいて所定数の立体画像テンプレートを選択するテンプレート選択手段と、立体画像データとテンプレート選択手段により選択される所定数の立体画像テンプレートのうちユーザにより選択される1つの立体画像テンプレートとを合成し、合成立体画像を構成する合成立体画像データを出力する合成手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像データに対して画像処理を行って立体画像を生成する画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、視線の異なる複数の画像を組み合わせて表示することで、視差を利用した立体視が実現されている。例えば、(1)左目用と右目用の画像に対して、それぞれ直交する直線偏光をかけて、偏光メガネを用いて立体視を行う方法、(2)左目用と右目用の画像を交互に表示して、表示手段と同期した液晶シャッターを備えたメガネを用いて立体視を行う方法、(3)左目用と右目用の画像に対して、それぞれ赤と青の光を重ねて表示し、左右に赤と青のカラーフィルタの付いたメガネを用いて立体視を行う方法が挙げられる。
【0003】
また、いわゆる裸眼立体視の方法として、例えば、複数の画像を短冊状に切り取って交互に配置し、パララックスバリア(視差バリア)、またはレンチキュラーレンズを用いて、左右の眼でそれぞれの画像を見ることで立体視を行う方法も挙げられる。
【0004】
ここで、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1〜4が挙げられる。
特許文献1には、複数の位置から複数の撮像装置によって撮影され、当該複数の位置のうちの所望の位置と所望の撮影時刻が指定されると、撮影時刻の異なる複数のフレーム画像が選択され、立体画像形成部により、所定の光学系を介して観察した場合に観察視点位置の移動に従って順次観察できるように合成され立体印刷される、立体画像形成装置が開示されている。
【0005】
特許文献2には、3次元表示面または該3次元表示面の近傍に配置された実物体の位置または姿勢若しくは形状を検出する検出部と、実物体の形状と位置または姿勢とに基づいて、実物体が3次元表示面により照射された光線を遮蔽する領域である遮蔽領域を算出する遮蔽領域算出部と、遮蔽領域に対して、遮蔽領域以外の領域と異なる描画処理を行って、立体画像を描画する描画部とを備えた立体画像生成装置が開示されている。
【0006】
特許文献3には、撮影空間を撮影したときに撮像系により捉えられた各点の輝度値を表す輝度画像を取得する輝度画像取得手段と、各点の空間的な位置を所定の座標系で表した3次元情報を取得する3次元情報取得手段と、所定の入力装置から、座標系の軸方向ごとのオフセット値を指定する入力を受け付けて、該各オフセット値を所定のメモリに記憶し、座標系の原点をオフセット値分変位させた点をオフセット原点として設定するオフセット原点設定手段とを備え、それぞれの情報を格納する領域を有する所定フォーマットのファイルを生成するファイル生成装置が開示されている。
【0007】
特許文献4には、立体強度のレベル値が大きいほど立体感の強い立体視画像が表示されることを表わす、立体視画像の立体強度を示すタグ(立体強度タグ)が画像制御情報として含まれ、立体視画像を表示させたい表示装置の指定を付属情報として管理することが可能な立体視画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−165795号公報
【特許文献2】特開2008−90617号公報
【特許文献3】特開2008−252493号公報
【特許文献4】特開2004−334833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
立体画像を印刷した立体プリント(立体写真)を得るとき、通常の平面画像のプリントのように、立体画像の被写体と立体画像テンプレートのキャラクタとを合成した合成画像を得たい場合がある。しかし、立体画像は立体度(奥行き量)を考慮する必要があり、ユーザが撮影した立体画像(ユーザ画像)の立体度とテンプレートの立体度とが大きく異なっていると、立体視しづらく、奥行き感にアンバランスが生じてしまうという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、ユーザが撮影した立体画像の立体度に合わせて、合成用の立体画像テンプレートの立体度、およびテンプレート内のキャラクタの方向を変更することで、より自然で立体視しやすい立体合成画像を生成する画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、立体画像を構成する立体画像データを外部から入力するための立体画像データ入力手段と、
前記立体画像データから被写体を抽出する被写体抽出手段と、
前記立体画像データに含まれる視点の異なる複数の平面画像データから前記被写体の立体度を算出する立体度算出手段と、
前記立体度と前記立体画像データとを関連付けて記録する立体画像データ記録手段と、
複数種類の立体画像テンプレートが記録されたテンプレート記録手段と、
前記テンプレート記録手段に記録された複数種類の立体画像テンプレートの中から、前記立体画像データと関連付けて記録された立体度に基づいて所定数の立体画像テンプレートを選択するテンプレート選択手段と、
前記立体画像データと前記テンプレート選択手段により選択される所定数の立体画像テンプレートのうちユーザにより選択される1つの立体画像テンプレートとを合成し、合成立体画像を構成する合成立体画像データを出力する合成手段と、を有することを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0012】
ここで、前記テンプレート選択手段は、前記被写体の立体度をNとして、N/3よりも大きく3Nよりも小さい範囲の立体度のキャラクタを含む立体画像テンプレートを選択するものであることが好ましい。
【0013】
また、前記被写体抽出手段は、さらに、前記被写体の顔を抽出するものであって、
さらに、前記被写体の顔の向きを検出する顔の向き検出手段を有することが好ましい。
【0014】
また、前記テンプレート選択手段は、さらに、前記立体画像における被写体の顔の向きおよび該被写体の位置に基づいて、前記立体画像テンプレートを選択するものであることが好ましい。
【0015】
また、前記テンプレート選択手段は、前記被写体の顔の向きが左側もしくは右側で、該被写体が前記立体画像の左側もしくは右側に配置され、前記立体画像テンプレートに含まれるキャラクタが右側もしくは左側に配置される場合、該被写体の顔の向きが前記キャラクタの方を向く場合には、上下方向のうち前記被写体の顔の向きと逆方向の前記キャラクタの顔の向きを非選択とし、前記被写体の顔の向きが前記キャラクタの方を向かない場合には、左右方向のうち前記被写体の顔の向きと逆方向の前記キャラクタの顔の向きを非選択とし、かつ、上下方向のうち前記被写体の顔の向きと逆方向の前記キャラクタの顔の向きを非選択とし、それ以外の顔の向きの前記キャラクタを含む立体画像テンプレートを選択するものであることが好ましい。
【0016】
また、前記テンプレート選択手段は、前記被写体の顔の向きが左側もしくは右側で、該被写体が中央に配置され、前記立体画像テンプレートに含まれるキャラクタが前記被写体の右側もしくは左側に配置される場合には、前記被写体の顔の向きに係わらず、上下方向のうち該被写体の顔の向きと逆方向の前記キャラクタの顔の向きを非選択とし、それ以外の顔の向きの前記キャラクタを含む立体画像テンプレートを選択するものであることが好ましい。
【0017】
また、前記テンプレート選択手段は、前記被写体の顔の向きが中央の場合には、該被写体の配置および顔の向きに係わらず、上下方向のうち前記被写体の顔の向きと逆方向の前記立体画像テンプレートに含まれるキャラクタの顔の向きを非選択とし、それ以外の顔の向きの前記キャラクタを含む立体画像テンプレートを選択するものであることが好ましい。
【0018】
また、前記テンプレート選択手段は、前記立体画像テンプレートに含まれるキャラクタの立体度および顔の向きに優先順位を設け、該優先順位に従って前記立体画像テンプレートを選択するものであることが好ましい。
【0019】
また、前記テンプレート選択手段は、前記立体画像テンプレートに含まれるキャラクタの立体度および顔の向きをプレビュー画面に表示して、該プレビュー画面に表示された複数の立体画像テンプレートの中から、ユーザにより選択される1つの立体画像テンプレートを選択するものであることが好ましい。
【0020】
また、前記被写体抽出手段は、前記被写体の複数の部位を抽出し、
前記立体度算出手段は、前記被写体の複数の部位の立体度を算出するものであることが好ましい。
【0021】
また、前記立体画像データ記録手段は、前記被写体の立体度を、前記立体画像データのExifタグに記録するものであることが好ましい。
【0022】
また、前記立体画像データ記録手段は、前記被写体の立体度を、前記立体画像データとは別のファイルに記録するものであることが好ましい。
【0023】
また、前記立体度算出手段は、前記視点の異なる複数の平面画像データから前記被写体の視差および前記視点から前記被写体までの距離を算出し、該視差および距離から前記被写体の立体度を算出するものであることが好ましい。
【0024】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置から出力される合成立体画像データに対応する合成立体画像を印刷する印刷装置と、を有することを特徴とする立体画像印刷システムを提供する。
【0025】
また、本発明は、外部から入力される、立体画像を構成する立体画像データを受け取る立体画像データ入力ステップと、
前記立体画像データから被写体を抽出する被写体抽出ステップと、
前記立体画像データに含まれる視点の異なる複数の平面画像データから前記被写体の立体度を算出する立体度算出ステップと、
前記立体度と前記立体画像データとを関連付けて記録する立体画像データ記録ステップと、
あらかじめ記録されている複数種類の立体画像テンプレートの中から、前記立体画像データと関連付けて記録された立体度に基づいて所定数の立体画像テンプレートを選択するテンプレート選択ステップと、
前記立体画像データと前記選択された所定数の立体画像テンプレートのうちユーザにより選択される1つの立体画像テンプレートとを合成し、合成立体画像を構成する合成立体画像データを出力する合成ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法を提供する。
【0026】
また、本発明は、上記に記載の画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、立体度を意識することなく、より自然で立体視しやすいレイアウトのユーザ画像とキャラクタ画像の合成画像、およびこれらを印刷した立体プリントを、失敗なく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(a)は、平面画像データの軸を示す説明図であり、(b)は、本発明に係る立体画像データの軸および立体度の一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る立体画像印刷システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る立体画像データの軸および立体度の、他の一例を示す説明図である。
【図4】顔の向きの立体度の一例を示す説明図である。
【図5】立体プリントの一例を示す説明図である。
【図6】立体プリントの他の一例を示す説明図である。
【図7】立体プリントの他の一例を示す説明図である。
【図8】立体プリントの他の一例を示す説明図である。
【図9】立体プリントの他の一例を示す説明図である。
【図10】本発明に係る画像処理装置の一実施形態における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】立体画像データのファイル構成の一例を示す説明図である。
【図12】立体画像データのファイルの、ヘッダの一例を示す説明図である。
【図13】立体画像データのファイルの、ヘッダの他の一例を示す説明図である。
【図14】立体画像データのファイルの、ヘッダの他の一例を示す説明図である。
【図15】本発明に係る立体画像印刷システムにおける立体プリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図16】図15のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
【図17】図15のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
【図18】図15のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係る画像処理方法を実施する画像処理装置、および立体画像印刷システムを、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
【0030】
始めに、本発明に係る立体画像における被写体の立体度について説明する。
図1(a)および(b)は、ユーザ画像の平面画像データと立体画像データとを比較した図である。
図1(a)は、従来の平面画像を構成する平面画像データ(X,Y軸の2次元データ)の軸を示す図であり、水平軸をX軸、垂直軸をY軸として表現している。図1(b)は、本発明に係る立体画像を構成する立体画像データ(X,Y,Z軸の3次元データ)の軸および立体度の一例を示す図であり、平面画像データのX軸、Y軸、および平面画像データのX軸、Y軸からなる平面に直交するZ軸を有し、Z軸は被写体の飛び出し方向(奥行き量、または飛び出し量、つまり被写体の立体度)を表す軸である。つまり、立体度は、立体画像データに含まれるX,Y,Z軸の3次元データのうち、Z軸のデータを表す。
【0031】
立体画像データとしては、例えば、右目用の平面画像および左目用の平面画像を含むステレオ画像の画像データを例示することができる。つまり、ステレオ画像の画像データは、1つの画像データ内に、右目用の平面画像の画像データおよび左目用の平面画像の画像データを含む。なお、立体画像データは、ステレオ画像の画像データに限らず、視点の異なる複数の平面画像の画像データを1つの立体画像データ内に含むものであればよい。
【0032】
ここで、立体画像における被写体の立体度を求めるためには、まず、例えば、特開2006−165795号公報、特開2001−346226号公報、特開2008−90617号公報等に記載の方法により、被写体をボリュームデータ(X,Y,Z軸の3次元データ)として描画し、右目用と左目用のそれぞれの平面画像(主画像、副画像)間のテンプレートマッチングによる対応点検出結果より、右目用の平面画像と左目用の平面画像との間の視差(視差量)および視点から被写体までの距離を算出する。
【0033】
次に、例えば、特開2010−45584号公報等に記載されているように、求められた視差および距離から、Z軸で表される立体度の軸の値を算出することで、(Z)で表される立体度を求めることができる。つまり、立体度は、視差および距離に比例し、視差が大きくなると大きくなり、距離が長くなると大きくなる。従って、立体度は、距離が求まれば、視差に応じて一意に算出することができる。例えば、図1(b)では、Z軸の値(Z軸方向の飛び出し量)をZ1とすると、立体度は(Z1)(始点座標(0,0,0)、終点座標(0,0,Z1)))となる。なお、立体度の算出方法は何ら限定されず、既存の方法を含む各種の方法を用いることができる。
【0034】
次に、本発明に係る立体画像印刷システムについて説明する。
図2は、本発明に係る画像処理方法を実施する、本発明に係る立体画像印刷システムの構成を表す一実施形態のブロック図である。
図2に示す立体画像印刷システム1は、画像処理装置10、および印刷装置46によって構成される。また、画像処理装置10は、立体画像データ入力手段12、被写体抽出手段14、立体度算出手段16、立体画像データ記録手段18、テンプレート記録手段40、テンプレート選択手段42、および合成手段44によって構成される。
【0035】
立体画像データ入力手段12は、立体画像データを入力するための入力手段であって、立体画像データを画像処理装置10の外部から入力するための外部インタフェースを有する。立体画像データの作成方法には特に限定はなく、ユーザが3D対応のデジタルスチルカメラまたはデジタルビデオカメラで撮影した動画像/静止画像データ、ならびにネットワーク上からダウンロードした動画像/静止画像データなど、種々の立体画像データを入力することができる。外部インタフェースは、USB(Universal Serial Bus)、メモリーカードR/W(reader/writer)、光学ディスク、および有線/無線LAN(Local Area Network)などであればよい。立体画像データは、外部から外部インタフェースを介して入力される。立体画像データ入力手段12は、外部から入力される立体画像データを受け取って画像処理装置10の各部位へ供給する。
【0036】
被写体抽出手段14には、立体画像データ入力手段12から立体画像データが入力される。被写体抽出手段14は、立体画像データを解析して立体画像における被写体(の領域)を抽出する。被写体の抽出方法は、例えば、エッジ検出、色彩検出等の既存の方法を含む各種の方法を用いることができる。また、被写体の各部位、例えば、顔、左右の手、胴体、足等について、それぞれの領域を抽出する。被写体抽出手段14は、抽出された被写体の情報および被写体の各部位の情報を生成し、被写体情報として出力する。
【0037】
また、被写体抽出手段14は、顔の向き検出手段20を有する。
顔の向き検出手段20は、被写体の顔の領域から、天地方向の顔の向き(角度)、および左右方向の顔の向き(角度)を算出する。顔の向き検出方法は、例えば、マシンラーニング手法を利用して、顔画像からランドマークを示す点の位置を検出する特開2006−202276号に記載の方法、および、一定の大きさの画像データを切り出して、特徴部分の画像データと照合を行う特開2004−334836号に記載の方法等の既存の方法を含む各種の方法を用いることができる。ここで、顔の認識については、複数の人物の顔を認識してもよいし、特定の人物の顔について認識してもよい。また、複数の人物のうち、特定の人物は顔を含む各部位を検出し、残りの人物は顔のみを検出するようにしてもよい。なお、顔の向きの情報についても、被写体情報として出力する。
【0038】
顔の向き検出手段20は、本実施形態では、被写体抽出段手段14の内部に設けられているが、これに限定されず、顔の向き検出手段20が被写体抽出手段14の外部に設けられていてもよい。
【0039】
立体度算出手段16には、立体画像データ入力手段12から立体画像データ、および被写体抽出手段14から被写体情報が入力される。立体度算出手段16は、前述のように、立体画像データに含まれる主画像データおよび副画像データ間の被写体のテンプレートマッチングを行って対応点を検出し、対応点検出結果に基づいて、被写体または被写体の各部位ごとに視差および距離を算出する。また、算出された視差および距離から、立体度を算出して立体度(被写体の顔の向きの情報を含む)出力する。
【0040】
立体度算出手段16は、図3の例では、顔の立体度を(Z2)(始点座標(0,0,0)、終点座標(0,0,Z2)、以下同様である。)、右手の立体度を(Z3)、左手の立体度を(Z4)、および、胴体の立体度を(Z5)とし、被写体の立体度として、これらのうち1以上を出力する。なお、出力する立体度はこれらに限定されず、足等の他の部位の立体度を出力してもよい。
また、図4に被写体の顔の向きと立体度の例を示す。例えば、「左上(1)」であれば、顔は左上を向き、立体度は(1)であることを示している。これ以外の被写体の顔の向きおよび立体度についても同様である。
【0041】
立体画像データ記録手段18には、立体画像データ入力手段12から立体画像データ、および立体度算出手段16から立体度および顔の向きが入力される。立体画像データ記録手段18は、立体度および顔の向きと立体画像データとを関連付けて記録する。立体画像データ記録手段18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリでもよいし、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記録媒体でもよい。
【0042】
また、立体度は、立体画像データのExif(Exchangeable image file format)タグの一部にその値を書き込んでもよいし、立体画像データファイル(例えば、ファイル名:Image0001.jpg)と別のファイル(例えば、ファイル名:Image0001.vct)として記録するようにしてもよい。
【0043】
テンプレート記録手段40には、ユーザの立体画像データと合成するための複数種類の立体画像テンプレートがあらかじめ記録されている。合成用の立体画像テンプレートとしては、例えば、テーマパーク等におけるキャラクタを用いたものが挙げられ、ユーザの立体画像(ユーザ画像)の被写体と立体画像テンプレートのキャラクタとを合成した立体合成画像を得ることができるものである。
【0044】
テンプレート選択手段42には、立体画像データ記録手段18から立体画像データと関連付けて記録された立体度および顔の向き、およびテンプレート記録手段40から立体画像テンプレートが入力される。テンプレート選択手段42は、テンプレート記録手段40に記憶された複数種類の立体画像テンプレートの中から、立体度および顔の向きに基づき、所定数の適切な立体画像テンプレートを選択し、図示しない表示装置に表示する。テンプレート選択手段42は、表示装置に表示された所定数の立体画像テンプレートの中から、図示しない入力手段を介してユーザにより選択された立体画像テンプレートを出力する。
【0045】
なお、本実施形態では、被写体抽出手段14から立体度算出手段16に入力される被写体情報に含まれる被検者の顔の向きの情報(被写体情報)を立体度とともにまとめて立体度算出手段16から出力しているが、本発明はこれに限定されず、被写体抽出手段14から出力される被写体の顔の向きの情報(被写体情報)と、立体度算出手段16から出力される被写体の立体度を別々に、立体画像データ記録手段18およびテンプレート選択手段42にそれぞれ入力する構成としてもよい。
【0046】
ここで、テンプレート選択手段42による立体画像テンプレートの選択方法について説明する。
図5は、立体画像60a上において、ユーザの立体画像の被写体61が右側、立体画像テンプレートのキャラクタ62が左側に配置された例である。被写体61の立体度66は(1)であり、キャラクタ62の立体度68は(3)である。また、被写体61およびキャラクタ62の顔の向きは左下である。この状態では、両者の顔の向きは同じであるが、被写体61の立体度よりも、キャラクタ62の立体度の方が極端に大きく、被写体61とキャラクタ62のZ軸方向の位置関係に不整合が生じてしまう。
【0047】
このため、テンプレート選択手段42では、被写体61の立体度に基づいて、被写体63の立体度69に対応する立体度、例えば、図6に示す立体画像60bのように、被写体63の立体度69と同じ大きさの立体度70(どちらも立体度は(3))を持ち、顔の向きが同じキャラクタ64を配置することができるように、適切な立体画像テンプレートが選択される。
【0048】
また、図7に示す立体画像60cの例は、被写体72の顔の向きが左上、キャラクタ74の顔の向きが右上であり、被写体72とキャラクタ74が向かい合わせとなる配置である。しかし、キャラクタ74の立体度78が(3)であり、被写体72の立体度76の(1)よりも極端に大きいため、被写体72よりもキャラクタ74の方が目立ってしまい好ましくない。
【0049】
さらに、図8に示す立体画像60dの例も同様に、被写体88の顔の向きが左上、キャラクタ90の顔の向きが右上であり、被写体88とキャラクタ90が向かい合わせとなる配置である。しかし、キャラクタ90の立体度94が(1)、被写体88の立体度92が(3)であるため、被写体88とキャラクタ90のバランスが崩れてしまい好ましくない。
【0050】
ユーザの立体画像(ユーザ画像)の被写体の立体度、顔の向き、および配置と、合成用立体画像テンプレートのキャラクタ(表1ではキャラと記載)の立体度および顔の向きとの組み合わせのうち、ユーザ立体度として、被写体の顔の向きが上向きで、立体度が(N)の場合のマトリックスの一例を表1に示す。なお、被写体の顔の向きが下向きの場合には、OK(適切)およびNG(不適切)となるキャラクタの顔の向きは逆の組み合わせとなる。
【0051】
【表1】

【0052】
ユーザ画像の被写体が立体画像の左側に配置されている場合、キャラクタ画像のキャラクタは被写体の右側に配置され、被写体が右側に配置されている場合、キャラクタは被写体の左側に配置されるものとする。また、被写体が中央に配置されている場合、キャラクタは被写体の右側もしくは左側に配置される(どちら側に配置されるかはユーザにより選択される)ものとする。
【0053】
被写体の顔の向きが左側(左上、左正、左下)もしくは右側(右上、右正、右下)で、被写体が左側もしくは右側に配置されている場合に、被写体の顔の向きがキャラクタの方を向く場合には、上下方向のうち被写体の顔の向きと逆方向のキャラクタの顔の向きをNG(非選択)とする。また、被写体の顔の向きがキャラクタの方を向かない場合には、左右方向のうち被写体の顔の向きと逆方向のキャラクタの顔の向きをNGとし、かつ、上下方向のうち被写体の顔の向きと逆方向のキャラクタの顔の向きをNGとする。
【0054】
また、被写体の顔の向きが左側もしくは右側で、被写体が中央に配置されている場合には、キャラクタが被写体の左側に配置されるか右側に配置されるかに応じて、被写体の顔の向きがキャラクタの方を向くか向かないかが変わってくる。従って、被写体が中央に配置されている場合には、被写体の顔の向きに係わらず、上下方向のうち被写体の顔の向きと逆方向のキャラクタの顔の向きをNGとする。
【0055】
また、被写体の顔の向きが中央(中央上、中央正、中央下)の場合には、被写体が左側、中央、右側のどの位置に配置されている場合であっても、被写体の顔の向きはキャラクタの配置に係わらず中立な向きとなる。従って、被写体の顔の向きが中央の場合には、被写体の配置および顔の向きに係わらず、上下方向のうち被写体の顔の向きと逆方向のキャラクタの顔の向きをNGとする。
【0056】
例えば、被写体の顔の向きが左上で、左側に配置されている場合、被写体の顔の向きは、右側に配置されるキャラクタの方を向かない。従って、キャラクタの右側方向の顔の向きをNGとし、かつ、キャラクタの下側方向の顔の向きをNGとする。つまり、キャラクタの顔の向きのうち、右側方向に含まれる右上、右正、右下をNG、下側方向に含まれる右下、中央下、左下をNGとし、それ以外の中央上、左上、左正、中央正をOK(選択)とする。
【0057】
被写体の顔の向きが左上で、右側に配置されている場合、被写体の顔の向きは、左側に配置されるキャラクタの方を向く。従って、キャラクタの下側方向の顔の向きをNGとする。つまり、キャラクタの顔の向きのうち、下側方向に含まれる右下、中央下、左下をNGとし、それ以外の右正、右上、中央上、左上、左正、中央正をOKとする。
【0058】
被写体の顔の向きが左上で、中央に配置されている場合、被写体の顔の向きに係わらず、キャラクタの下側方向の顔の向きをNGとする。つまり、キャラクタの顔の向きのうち、下側方向に含まれる右下、中央下、左下をNGとし、それ以外の右正、右上、中央上、左上、左正、中央正をOKとする。
【0059】
続いて、被写体の顔の向きが右上で、左側に配置されている場合は、被写体の顔の向きが左上で、右側に配置される場合に対して左右逆の状態となる。従って、この場合には、NGとするキャラクタの顔の向きを左右逆向きにすればよく、キャラクタの下側方向の顔の向きをNGとする。つまり、下側方向に含まれる右下、中央下、左下をNGとし、それ以外の右正、右上、中央上、左上、左正、中央正をOKとする。
【0060】
被写体の顔の向きが右上で、右側に配置されている場合、同じく、被写体の顔の向きが左上で、左側に配置される場合に対して左右逆の状態となる。従って、同様に、NGとするキャラクタの顔の向きを左右逆向きにして、キャラクタの左側方向の顔の向きをNGとし、かつ、下側方向の顔の向きをNGとする。つまり、左側方向に含まれる左上、左正、左下、および、下側方向に含まれる右下、中央下、左下をNGとし、それ以外の右正、右上、中央上、中央正をOKとする。
【0061】
被写体の顔の向きが右上で、中央に配置されている場合も同様に、被写体の顔の向きが左上で、中央に配置される場合に対して左右逆の状態となる。従って、同様に、NGとするキャラクタの顔の向きを左右逆向きにして、キャラクタの下側方向の顔の向きをNGとする。つまり、下側方向に含まれる右下、中央下、左下をNGとし、それ以外の右正、右上、中央上、左上、左正、中央正をOKとする。
【0062】
続いて、被写体の顔の向きが中央上の場合、被写体の配置および顔の向きに係わらず、キャラクタの下側方向の顔の向きをNGとする。つまり、下側方向に含まれる右下、中央下、左下をNGとし、それ以外の右正、右上、中央上、左上、左正、中央正をOKとする。
【0063】
なお、表1では、被写体の立体度(N)を超えない範囲であるという意味でキャラクタの立体度を(N以下)としているが、被写体とキャラクタのバランスが取れる範囲であれば、被写体の立体度とキャラクタの立体度とが異なっていてもよい。具体的には、例えば、被写体の立体度(N)に対してキャラクタの立体度が(N/3)よりも大きく(3N)よりも小さい範囲であることが望ましい。
【0064】
また、組み合わせ可能なキャラクタの立体度および顔の向きに優先順位を設けて、優先順位に従って立体画像テンプレートが選択されるようにしてもよい。例えば、図9および表2に示すように、ユーザ立体度が左上(1)の場合、立体画像100における被写体102の立体度および顔の向き106に対して、キャラクタ104の立体度および顔の向き108a〜108hのうち、108bを1番、108dを2番というように優先順位を付け、立体度および顔の向き108f、108g、および108hの不適切な組み合わせの場合は、選択されないようにNGとする。
【0065】
【表2】

【0066】
また、優先順位の替わりに、これらの立体度および顔の向きをプレビュー画面に表示して、ユーザが選択可能なように構成してもよい。さらに、保存容量を節約するために、あらゆる組み合わせを用意するのではなく、最も適切な組み合わせに近い立体画像テンプレートを用意するようにしてもよい。
【0067】
続いて、合成手段44には、立体画像データ記録手段18から立体度および顔の向きと関連付けられた立体画像データと、テンプレート選択手段で選択された立体画像テンプレートが入力される。合成手段44は、立体画像データと、テンプレート選択手段によって選択された立体画像テンプレート(つまり、立体画像の被写体と立体画像テンプレートのキャラクタ)とを合成して、合成立体画像を構成する合成立体画像データを生成し出力する。
【0068】
印刷装置46には、合成手段44から合成立体画像データが入力される。印刷装置46は、合成立体画像データに対応する合成立体画像をプリントアウトすることができるプリンタである。立体画像のプリントとしては、例えば、複数の画像を短冊状に切り取って交互に配置し、パララックスバリア(視差バリア)、またはレンチキュラーレンズを用いて裸眼立体視が可能なように印刷することが挙げられる。
【0069】
次に、本発明に係る画像処理方法を実現する、本発明に係る立体画像印刷システム1および画像処理装置10の動作を説明する。
【0070】
図10は、本発明に係る画像処理方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、立体画像データ入力手段12を介して、素材となる立体画像データが入力される(ステップS10)。立体画像データは、被写体抽出手段14に入力されて立体画像が解析され(ステップS12)、被写体が抽出される。また、被写体の各部位、例えば、顔、左右の手、胴体、足等について、それぞれの領域が抽出される。被写体の顔については顔の向きの検出が行われ、抽出された被写体、被写体の各部位の情報、および被写体の顔の向きの情報が生成され、被写体情報として出力される(ステップS14)。
【0071】
立体画像データ、および被写体情報は、立体度算出手段16に入力され、立体画像データの主画像データおよび副画像データ間の、被写体(顔)のマッチングが行われて対応点が検出される(ステップS16)。対応点検出結果に基づいて、被写体および被写体の顔ごとに視差および距離が算出される(ステップS18)。また、算出された視差および距離から、立体度が算出され出力される(ステップS20)。
【0072】
立体度が求められると、立体画像に写っている全ての人物について、立体度の算出が終了したか判定され(ステップS22)、全ての人物についての立体度の算出が終了していなければ、ステップS16へと戻り、残りの人物について立体度が求められる(ステップS22で“N”)。
【0073】
全ての人物についての立体度の算出が終了していれば(ステップS22で“Y”)、立体画像データ、ならびに立体度および顔の向きは、立体画像データ記録手段18に入力され、立体度および顔の向き(以下、立体度には顔の向きを含む)と立体画像データとが関連付けられて、すなわち、立体度が立体画像データのExifタグへ書き込まれて、または別のファイルへ出力されて記録される(ステップS24)。例えば、図11に示すファイルフォーマットの例では、立体画像データ30のヘッダ32内のExifタグに立体度が書き込まれる。
【0074】
また、ヘッダ32内のExifタグへの記入の例としては、被写体の立体度のみ記録する場合を図12に示し、被写体の各部位ごとの立体度を記録する場合を図13に示す。さらに、複数の被写体がある場合のExifタグへの記入の例としては、図14に示すように、顔立体度を含む各部位の立体度をそれぞれの被写体ごとに記録することができる。
【0075】
このように、被写体の立体度および顔の向きと立体画像データとを関連付けて記録することで、被写体抽出の精度を上げることができ、より自然で立体視しやすい立体画像を得ることができる。
【0076】
続いて、図15〜図18は、立体画像データ記録手段18に記録された、立体画像データおよび立体度(ユーザ立体画像データおよびユーザ立体度)を用いて、立体画像データと立体画像テンプレートとを合成し、立体画像データを印刷する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0077】
まず、ユーザ立体画像データおよびユーザ立体度、および被写体情報(立体画像データのExifタグから、もしくは、立体画像データファイル(Image0001.vct)から)を読み込む(ステップS104)。次に、被写体(ユーザ)情報およびユーザ立体度に基づいて、適切な立体画像テンプレートをテンプレート記録手段40から読み込み、図示しない表示装置に複数表示し(ステップS106)、操作者による合成用の立体画像テンプレート(キャラクタ)の選択が行われる(ステップS108)。なお、ここで選択される立体画像テンプレート(キャラクタ)は、配置については決定されていない。また、合成用の立体画像テンプレート(キャラクタ)の選択は、自動的に行われてもよい。
【0078】
合成用の立体画像テンプレート(キャラクタ)が選択されると、立体画像データの被写体の配置位置が検出または選択される(ステップS110)。被写体(ユーザ)の配置位置が左の場合には(ステップS110で“左”)、被写体が左に配置された場合のマトリックスが選択され(ステップS112)、被写体の配置位置が中央の場合には(ステップS110で“中央”)、被写体が中央に配置された場合のマトリックスが選択され(ステップS114)、被写体の配置位置が右の場合には(ステップS110で“右”)、被写体が右に配置された場合のマトリックスが選択される(ステップS116)。
【0079】
続いて、被写体の立体度(ユーザ立体度)に基づいて、マトリックスが選択される。ユーザ立体度(顔の向き)の左右方向の向きが左の場合であって(ステップS118で“左”)、ユーザ立体度(顔の向き)の上下方向の向きが上の場合(ステップS120で“上”)、ユーザ立体度が左上のマトリックスが選択される(ステップS126)。同様に、ユーザ立体度の左右方向の向きが左の場合であって(ステップS118で“左”)、ユーザ立体度の上下方向の向きが正面の場合(ステップS120で“正面”)、ユーザ立体度が左正面のマトリックスが選択される(ステップS128)。また、ユーザ立体度の左右方向の向きが左の場合であって(ステップS118で“左”)、ユーザ立体度の上下方向の向きが下の場合(ステップS120で“下”)、ユーザ立体度が左下のマトリックスが選択される(ステップS130)。
【0080】
立体度の左右方向の向きが中央の場合(ステップS118で“中央”)も同様に、ステップS122,S132〜S136において、ユーザ立体度が中央上、中央正面、または中央下のいずれかのマトリックスが選択される。ユーザ立体度の左右方向の向きが右の場合(ステップS118で“右”)も同様に、ステップS124,S138〜S142において、ユーザ立体度が右上、右正面、または右下のいずれかのマトリックスが選択される。
【0081】
ユーザ立体度に基づきマトリックスが選択されると、当該マトリックスに含まれる被写体(ユーザ)とキャラクタの位置関係から、合成可能(適切)な複数の立体画像テンプレートが提示され、一意のキャラクタの配置位置と立体度を有する立体画像テンプレートが、操作者によって選択される(ステップS144)。なお、最も適切と考えられるキャラクタの配置位置と立体度を有する立体画像テンプレートが自動的に選択されるようにしてもよい。
【0082】
キャラクタの配置位置と立体度を有する立体画像テンプレート、および立体画像データは、合成手段44に入力される。キャラクタの配置位置と立体度を有する立体画像テンプレート、および立体画像データは合成されて、合成立体画像データが生成され出力される(ステップS146)。
【0083】
合成立体画像データは、印刷装置46に入力され、立体画像が印刷される(ステップS148)。
【0084】
このように、ユーザは立体度の値を意識することなく、所望の合成用の立体画像テンプレートを選択するだけで、被写体の配置と立体度(ユーザ立体度)に基づいて、不適切な立体画像テンプレートが選択されることを排除することが可能となり、満足度を向上させることができる。
【0085】
また、被写体の配置に合わせて、立体画像テンプレートのキャラクタの配置および立体度を変更することで、つまり、被写体とキャラクタの立体感が最も適合した立体画像テンプレートが選択されることで、よりエンターテイメント性が高く満足度が高い立体画像が印刷された立体プリントを得ることができる。
【0086】
なお、本発明においては、上述した画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムとして構成しても良いし、また、コンピュータを、画像処理方法の各工程を実施する各手段として、または、上述した画像処理装置を構成する各手段として機能させる画像処理プログラムとして構成しても良い。
また、本発明を、上述した画像処理プログラムをコンピュータにより読取可能な媒体またはコンピュータにより読取可能なメモリとして構成してもよい。
【0087】
以上、本発明の画像処理装置、立体画像印刷システム、画像処理方法およびプログラムについて詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 立体画像印刷システム
10 画像処理装置
12 立体画像データ入力手段
14 被写体抽出手段
16 立体度算出手段
18 立体画像データ記録手段
20 顔の向き検出手段
30 立体画像データ
32 ヘッダ
40 テンプレート記録手段
42 テンプレート選択手段
44 合成手段
46 印刷装置
60a〜60d,100 立体画像
61,63,72,88,102 被写体
62,64,74,90,104 キャラクタ
66,68,69,70,76,78,92,94,106,108a〜108h 立体度(顔の向きを含む)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体画像を構成する立体画像データを外部から入力するための立体画像データ入力手段と、
前記立体画像データから被写体を抽出する被写体抽出手段と、
前記立体画像データに含まれる視点の異なる複数の平面画像データから前記被写体の立体度を算出する立体度算出手段と、
前記立体度と前記立体画像データとを関連付けて記録する立体画像データ記録手段と、
複数種類の立体画像テンプレートが記録されたテンプレート記録手段と、
前記テンプレート記録手段に記録された複数種類の立体画像テンプレートの中から、前記立体画像データと関連付けて記録された立体度に基づいて所定数の立体画像テンプレートを選択するテンプレート選択手段と、
前記立体画像データと前記テンプレート選択手段により選択される所定数の立体画像テンプレートのうちユーザにより選択される1つの立体画像テンプレートとを合成し、合成立体画像を構成する合成立体画像データを出力する合成手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記テンプレート選択手段は、前記被写体の立体度をNとして、N/3よりも大きく3Nよりも小さい範囲の立体度のキャラクタを含む立体画像テンプレートを選択するものである請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記被写体抽出手段は、さらに、前記被写体の顔を抽出するものであって、
さらに、前記被写体の顔の向きを検出する顔の向き検出手段を有する請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記テンプレート選択手段は、さらに、前記立体画像における被写体の顔の向きおよび該被写体の位置に基づいて、前記立体画像テンプレートを選択するものである請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記テンプレート選択手段は、前記被写体の顔の向きが左側もしくは右側で、該被写体が前記立体画像の左側もしくは右側に配置され、前記立体画像テンプレートに含まれるキャラクタが右側もしくは左側に配置される場合、該被写体の顔の向きが前記キャラクタの方を向く場合には、上下方向のうち前記被写体の顔の向きと逆方向の前記キャラクタの顔の向きを非選択とし、前記被写体の顔の向きが前記キャラクタの方を向かない場合には、左右方向のうち前記被写体の顔の向きと逆方向の前記キャラクタの顔の向きを非選択とし、かつ、上下方向のうち前記被写体の顔の向きと逆方向の前記キャラクタの顔の向きを非選択とし、それ以外の顔の向きの前記キャラクタを含む立体画像テンプレートを選択するものである請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記テンプレート選択手段は、前記被写体の顔の向きが左側もしくは右側で、該被写体が中央に配置され、前記立体画像テンプレートに含まれるキャラクタが前記被写体の右側もしくは左側に配置される場合には、前記被写体の顔の向きに係わらず、上下方向のうち該被写体の顔の向きと逆方向の前記キャラクタの顔の向きを非選択とし、それ以外の顔の向きの前記キャラクタを含む立体画像テンプレートを選択するものである請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記テンプレート選択手段は、前記被写体の顔の向きが中央の場合には、該被写体の配置および顔の向きに係わらず、上下方向のうち前記被写体の顔の向きと逆方向の前記立体画像テンプレートに含まれるキャラクタの顔の向きを非選択とし、それ以外の顔の向きの前記キャラクタを含む立体画像テンプレートを選択するものである請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記テンプレート選択手段は、前記立体画像テンプレートに含まれるキャラクタの立体度および顔の向きに優先順位を設け、該優先順位に従って前記立体画像テンプレートを選択するものである請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記テンプレート選択手段は、前記立体画像テンプレートに含まれるキャラクタの立体度および顔の向きをプレビュー画面に表示して、該プレビュー画面に表示された複数の立体画像テンプレートの中から、ユーザにより選択される1つの立体画像テンプレートを選択するものである請求項1〜8のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記被写体抽出手段は、前記被写体の複数の部位を抽出し、
前記立体度算出手段は、前記被写体の複数の部位の立体度を算出するものである請求項1〜9のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記立体画像データ記録手段は、前記被写体の立体度を、前記立体画像データのExifタグに記録するものである請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記立体画像データ記録手段は、前記被写体の立体度を、前記立体画像データとは別のファイルに記録するものである請求項1〜10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記立体度算出手段は、前記視点の異なる複数の平面画像データから前記被写体の視差および前記視点から前記被写体までの距離を算出し、該視差および距離から前記被写体の立体度を算出するものである請求項1〜12のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置から出力される合成立体画像データに対応する合成立体画像を印刷する印刷装置と、を有することを特徴とする立体画像印刷システム。
【請求項15】
外部から入力される、立体画像を構成する立体画像データを受け取る立体画像データ入力ステップと、
前記立体画像データから被写体を抽出する被写体抽出ステップと、
前記立体画像データに含まれる視点の異なる複数の平面画像データから前記被写体の立体度を算出する立体度算出ステップと、
前記立体度と前記立体画像データとを関連付けて記録する立体画像データ記録ステップと、
あらかじめ記録されている複数種類の立体画像テンプレートの中から、前記立体画像データと関連付けて記録された立体度に基づいて所定数の立体画像テンプレートを選択するテンプレート選択ステップと、
前記立体画像データと前記選択された所定数の立体画像テンプレートのうちユーザにより選択される1つの立体画像テンプレートとを合成し、合成立体画像を構成する合成立体画像データを出力する合成ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項16】
請求項15に記載の画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−160058(P2012−160058A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19751(P2011−19751)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】