画像処理装置、起動制御方法、及び起動制御プログラム
【課題】資源の無駄な消費を招くことなく、コントローラ側の起動時間を短くし、画像処理装置の起動時間の短縮化を図る。
【解決手段】シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン2と、エンジン2を含む装置全体を制御するメインコントローラ3と、エンジン2及びメインコントローラ3に電源を供給するPSU11と、を有するMFP1において、メインコントローラ3は、省エネルギ状態と通常状態と間の状態移行に伴う各部への電源供給を制御する省エネコントローラ6と、起動処理を行うための命令及びデータが格納されたDRAM7と、省エネルギ状態から通常状態への起動を制御するメインCPU4と、を含み、メインCPU4は、DRAM7に記憶された起動がコールドスタートかウォームスタートかを示すフラグをチェックし、そのチェック結果に基づいてコールドスタートあるいはウォームスタートを選択して起動処理を実行する。
【解決手段】シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン2と、エンジン2を含む装置全体を制御するメインコントローラ3と、エンジン2及びメインコントローラ3に電源を供給するPSU11と、を有するMFP1において、メインコントローラ3は、省エネルギ状態と通常状態と間の状態移行に伴う各部への電源供給を制御する省エネコントローラ6と、起動処理を行うための命令及びデータが格納されたDRAM7と、省エネルギ状態から通常状態への起動を制御するメインCPU4と、を含み、メインCPU4は、DRAM7に記憶された起動がコールドスタートかウォームスタートかを示すフラグをチェックし、そのチェック結果に基づいてコールドスタートあるいはウォームスタートを選択して起動処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の記録媒体に画像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ、デジタル複合機などの画像形成処理を行う画像処理装置に係り、特に、起動時間の短縮化を図った画像処理装置、画像処理装置における起動制御方法、及びその起動制御をコンピュータによって実行するための起動制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置は読み取った画像の画像データ、転送されてきた画像の画像データを可視画像に変換して出力するための画像処理を行う機能を有し、この画像処理装置として、複写機、プリンタ、ファクシミリ、デジタル複合機などシート状の記録媒体に画像を形成する画像形成装置が一般に普及している。この種の画像形成装置では、画像形成要求があったときに、省エネルギ状態から迅速に印刷動作に移行する必要があり、印刷動作では、所定の定着温度状態に昇温させ、その温度を保持する必要があることから、電力消費量も少なくはない。そのため、非使用時のさらなる省エネルギ化への対応が求められている。このように省エネルギへの対応が求められている一方、省エネルギ状態からの立ち上がり時間の短縮化など、使用性の向上の要求もある。
【0003】
そこで、従来から実施されている省エネルギ対応の画像形成装置についてまず説明する。図10は、省エネルギに対応した従来の画像形成装置としてのデジタル複合機のシステム構成を示すブロック図である。同図において、デジタル複合機(以下、MFP−Multi Function Peripheral)1は、エンジン2、メインコントローラ3、及びPSU(電源供給ユニット−Power Supply Unit)11から基本的に構成される。
【0004】
エンジン2は、原稿画像の読み取り、及び転写紙への画像形成を行う部分であり、省エネモード時、電源OFFされる。メインコントローラ3は、システム制御、インタフェース制御、省エネ制御を行う部分である。エンジン2、及びメインコントローラ3は、PSU11から電力供給を受ける。メインコントローラ3は、CPU4、メモリ等の制御を行う制御IC5、省エネ制御、I/O制御を行う省エネコントローラ6、DRAM7、及びROM12を備えている。
【0005】
PSU11は、ACからDCに電源を変換する第1のAC/DCコンバータ8、第2のAC/DCコンバータ9、及びACSW(以下、メインSWと称す)10を備え、第1のAC/DCコンバータ8は省エネコントローラ6によってON/OFF制御され、第2のAC/DCコンバータ9は常時ON状態である。なお、図10では、第1のAC/DCコンバータ8はAC/DC(1)として、第2のAC/DCコンバータ9はAC/DC(2)として図示している。なお、その他の図においても、図面上は同様に表記している。
【0006】
通常、電源OFF状態では、メインSW10をOFFするため、第1のAC/DCコンバータ8、及び第2のAC/DCコンバータ9ともに電源供給不能の状態となっている。この状態から、電源ONすると、PSU11からエンジン2、及びメインコントローラ3に電源が供給される。メインコントローラ3のCPU4は、
(A1)ROM12からのコード読み込み
(A2)イニシャライズ
(A3)コードのROM12からDRAM7への転送
(A4)DRAM実行
(A5)起動完了
という手順でエンジン2の使用が可能な状態となる。
【0007】
このような起動方式では、メインSW10がオンになってからコントローラ側の起動制御が開始され(A1〜A4)、その後、エンジン側の起動制御(A5)が実行されるが、エンジン2が使用可能な状態になるまで時間がかかっていた。なお、前記A5の起動完了については、画像形成装置の画像形成可能となるまでの起動時間、具体的には、エンジンの定着部のレディまでの時間(定着動作が開始可能な予め設定された温度に昇温するまでの時間)に基づいて決定されていた。
【0008】
そこで、起動時間を短縮する技術として、例えば特許文献1記載の発明が提案されている。この発明は、省エネルギモード時における立ち上げをより迅速に行うことができるようにするため、商用電源から直接給電されるPSUと、PSUから充電される二次電池を有する補助電源と、画像形成手段とを備え、コントローラによって各種モードに応じて各部の制御を実行する画像処理装置において、コントローラオプションあるいは操作パネルオプションが何もついていない状態で、スタンバイモード、充電省エネモードのいずれかの状態のときにAC電源OFFを検出した場合には、コントローラのDRAM部、DRAMコントローラ部、パワーマネージメント部、ネットワーク部、USB−I/F部、及び、オプションFCU部のうち備えられているものの電源を補助電源に切り替えることを特徴としている。
【0009】
図11は、この既提案の発明を図10の従来技術の電源部に適用した例を示すブロック図である。MFP1自体は図10の従来例と同一なので説明は省略する。この例では、PSU11が、商用電源との電源を遮断するメインSW10、AC/DC変換する主電源(AC/DCコンバータ)8、二次電池を搭載する補助電源9a、及び主電源8と補助電源9aを切り替える切り替え器13を備えている。
【0010】
このように構成されたPSU11では、メインSW10がOFFされた場合、切り替え器13が供給電源を主電源8から補助電源9aへ切り替え、電源OFF状態でありながら、メインコントローラ3への電源を供給し続ける(ただし、電源消費を抑えるため、省エネモードとなる)。この状態で、メインSW10がONされた場合、省エネモードから
(B1)ROM12からのコード読み込み
(B2)イニシャライズ
(B3)DRAM実行
(B4)起動完了
という手順で復帰する。
【0011】
前記特許文献1記載の発明では、省エネモードから復帰は速いが、業務終了後、夜間電源OFF(メインSW10−OFF)した場合、次の日の朝、補助電源(二次電池)9aの容量不足により補助電源9aからの起動ができずに、通常の起動(前記A1〜A5)と同じになる虞がある。これを回避するためには、補助電源(二次電池)9aの容量を大きくすればよいが、その分のコストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述のように、画像形成(処理)装置を立ち上げる場合、コントローラ側の起動制御に加えてエンジン側の起動制御が実行されるが、近年のエンジンの定着部の技術進歩に伴い、この起動時間が短縮されてきている。これに対し、画像処理コントローラ部のソフトウェア規模の肥大化により、画像処理コントローラ側の要因で、画像形成(処理)装置の起動時間が決まる場合があり、コントローラ側の起動制御が問題として認識されてきている。
【0013】
また、環境・省エネの観点から未使用時はこまめに電源をOFFしたいが、電源OFFからの待ち時間が長いとこまめに電源OFFが行われず、全体的に消費電力が大きくなってしまう。さらに、補助電源を使用した場合、容量との関係で省エネモードからの復帰ではなく、電源OFFからの復帰になる場合があり、これを回避しようとすると、補助電源の容量を大きくする必要があり、コストアップに繋がるだけでなく、容量を大きくすることにより資源の無駄な消費を招くことにもなる。
【0014】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、資源の無駄な消費を招くことなく、コントローラ側の起動時間を短くし、ひいては画像処理装置の起動時間の短縮化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するため、第1の手段は、シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、を有する画像処理装置であって、前記コントローラ部は、省エネルギ状態と通常状態と間の状態移行に伴う各部への電源供給を制御する省エネルギ制御手段と、起動処理を行うための命令及びデータが格納された記憶手段と、省エネルギ状態から通常状態への起動を制御する起動制御手段と、を含み、前記起動制御手段は、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がコールドスタートかウォームスタートかを判断し、その判断に基づいていずれかのスタートを選択して起動処理を実行することを特徴とする。
【0016】
第2の手段は、第1の手段において、前記電源供給部が、電源供給源からの電源供給を断接するスイッチ手段と、前記スイッチ手段の後段に接続され、当該スイッチ手段のオン・オフ操作により通電制御される第1の電源部と、電源供給源から常時通電される第2の電源部と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
第3の手段は、第2の手段において、前記第1及び第2の電源部は電源供給源である交流の商用電源を直流に変換するAC/DCコンバータであることを特徴とする。
【0018】
第4の手段は、第2又は第3の手段において、前記スイッチ手段がオフからオンに移行したとき、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部及び前記コントローラ部に搭載された各部への電源供給をオンとし、前記起動制御手段は前記起動処理を実行することを特徴とする。
【0019】
第5の手段は、第2ないし第4のいずれかの手段において、前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、前記検知手段が前記オフ状態からオン状態に変化したことを検知したときには、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部に電源供給し、前記起動制御手段はコールドスタートとして前記起動処理を開始することを特徴とする。
【0020】
第6の手段は、第2ないし第4のいずれかの手段において、前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、前記起動手段は、前記検知手段に対して次回の起動をコールドスタートとするか、ウォームスタートとするかを直接設定することを特徴とする。
【0021】
第7の手段は、第6の手段において、前記スイッチ手段がオフ状態のとき、前記省エネルギ制御手段は前記第1の電源部へのオン・オフ制御信号をオン状態に設定することを特徴とする。
【0022】
第8の手段は、第2ないし第4のいずれかの手段において、イーサネット(登録商標)に接続するI/O制御部を備え、前記スイッチ手段がオフ状態のとき、前記省エネルギ制御手段は前記I/O制御部への電源供給をオフ状態に設定することを特徴とする。
【0023】
第9の手段は、第2ないし第4のいずれかの手段において、前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、前記検知手段が前記オフ状態からオン状態に変化したことを検知したときには、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部に電源供給し、前記起動制御手段はウォームスタートで前記起動処理を開始し、ウォッチドッグエラー発生時、コールドスタートに切り替えて、再起動することを特徴とする。
【0024】
第10の手段は、第1ないし第9のいずれかの手段において、前記ウォームスタートによる起動処理では、前記記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を実行することを特徴とする。
【0025】
第11の手段は、第1ないし第9のいずれかの手段において、前記コールドスタートによる起動処理では、コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から起動処理を実行することを特徴とする。
【0026】
第12の手段は、シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、を有する画像処理装置の起動制御方法であって、起動処理を行うための命令及びデータを予め記憶手段に格納しておき、省エネルギ状態から通常状態に移行する際に、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がウォームスタートかコールドスタートかを判断し、ウォームスタートであれば、当該記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を開始し、コールドスタートであれば、前記コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から起動処理を実行することを特徴とする。
【0027】
第13の手段は、シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、を有する画像処理装置の起動制御をコンピュータによって実行するための起動制御プログラムであって、起動処理を行うための命令及びデータを予め記憶手段に格納しておく手順と、省エネルギ状態から通常状態に移行する際に、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がウォームスタートかコールドスタートかを判断する手順と、前記判断によりウォームスタートであれば、当該記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を開始する手順と、前記判断によりコールドスタートであれば、前記コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から前記起動処理を実行する手順と、を備えていることを特徴とする。
【0028】
後述の実施形態では、エンジン部は符号2に、コントローラ部は符号3に、電源供給部はPSU11に、画像処理装置はMFP1に、省エネルギ制御手段は省エネコントローラ6に、記憶手段はDRAM(メインメモリ)7に、起動制御手段はメインCPU4に、スイッチ手段はメインSW(ACSW)10に、第1の電源部は第1のAC/DCコンバータ8に、第2の電源部は第2のAC/DCコンバータ9に、検知手段は電源OFF→ON検知回路50に、イーサネットは符号56に、I/O制御部は符号55に、ROMは符号12に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がコールドスタートかウォームスタートかを判断し、その判断に基づいていずれかのスタートを選択して起動処理を実行するので、資源の無駄な消費を招くことなく、コントローラ側の起動時間を短くすることが可能となり、画像処理装置の起動時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態における実施例1に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1のMFPのメインCPUで実行される制御手順を示すフローチャートである。
【図3】実施例2に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。
【図4】実施例2のMFPのメインCPUで実行される制御手順を示すフローチャートである。
【図5】実施例3に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。
【図6】実施例3のMFPのメインCPUで実行される制御手順を示すフローチャートである。
【図7】実施例4に係るMFPのシステム構成を示すブロック図で、同図(a)はハード構成を、同図(b)は省エネコントローラ6の制御信号の状態を示す。
【図8】実施例5に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。
【図9】実施例6のMFPのメインCPUで実行される制御手順を示すフローチャートである。
【図10】省エネルギに対応した従来の画像形成装置としてのデジタル複合機のシステム構成を示すブロック図である。
【図11】既提案の発明を図1の従来技術の電源部に適用した例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、起動がコールドスタートかウォームスタートかを示すフラグをチェックして、ウォームスタートであれば、メインメモリ(DRAM)に事前に格納されている命令、データで起動する一方、常時電源ONのコンバータからの供給電源のOFFからONになったことを検知する検知手段を設け、OFFからONになったことを検知した場合は、強制的にコールドスタートさせることにより、省エネルギと起動時間の短縮化を図るようにしたものである。
【0032】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について各実施例を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、前述の従来技術と同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【実施例1】
【0033】
図1は本実施形態における実施例1に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。この実施例1に係るMFP1は、エンジン2、コントローラ3及びPSU11を備え、エンジン2には、エンジン制御のために、CPU30、I/O制御部31が搭載され、定着部40のON/OFF制御もCPU30の指示により実行される。メインコントローラ3は、前述の従来技術と同一であり、PSU11は、図10に示した従来例に対して第1のAC/DCコンバータ8から定着部40への電源供給ラインをON/OFFするリレー13を備え、このリレー13のON/OFF制御をI/O制御部31を介してCPU30が実行する。なお、メインSW(ACSW)10はON時には第1のAC/DCコンバータ8とリレー13の一端に電力を供給する。第2のAC/DCコンバータ9は電源プラグ14からの電源ケーブル15に直接接続されている。また、省エネコントローラ6はメインSW10のON/OFFを検知する機能を備えている。その他の各部は大略図10に示した従来例と同等に構成され、同等に機能する。なお、以下の説明では、メインコントローラ3側のCPU3をメインCPU3、エンジン2側のCPU30をエンジンCPU30と称し、両者を区別する。
【0034】
図2は実施例1のMFP1のメインCPU4で実行される制御手順を示すフローチャートである。このように構成されたMFP1では、メインSW10がOFFされた場合、メインCPU4は、その状態を検知し、DRAM7はSTR状態で、網点部のみ電源ONとなる最小電源供給状態へ移行する(ステップS101)。第1のAC/DCコンバータ9は、メインSW10を介していないので、電源ケーブル15がコンセントに接続されている場合、常時、電源供給可能な状態である。なお、STR状態とは、現在のシステム状態をRAMへ保管し、RAM以外のデバイスのパワーをオフとしたSuspend To RAM(STR)状態のことである。
【0035】
ここで、メインSW10が、電源ONされた場合(ステップS102−yes)、省エネコントローラ6は、電源ONとなったことを検知して、第1のAC/DCコンバータ8をON、及びメインコントローラ3内の各部の電源をONする。エンジン2内のエンジンCPU30は、起動後、すぐに、I/O制御部31よりリレー13をONし、定着部40をONし、定着部40への通電及び加熱を開始する(ステップS103)。メインコントローラ3では、メインCPU4がROM12よりコードを読み込む。そして、イニシャライズ処理を行った後(ステップS104)、DRAM7に記録されているフラグを読み取る(ステップS105)。その結果、“0”(ウォームスタートを示す)であれば(ステップS105−no)、STRからの復帰と解釈し、DRAM7から起動処理実行へ移行する。“1”(コールドスタートを示す)であれば(ステップS105−yes)、ROM12からコード及びデータをDRAM7へ転送後(ステップS107)、DRAM7から起動処理を開始し(ステップS108)、起動処理が行われる。
【0036】
この処理におけるコールドスタート(ステップS107)とは、電源OFFからONへの起動シーケンスと同じ処理を指し、メインCPU4は、ROM12からコードをフェッチ、ハードウェアイニシャライズ処理を実行後、ROM12より、圧縮されたコード及びデータを解凍しながら高速アクセス可能なDRAM7へ展開、RAM実行で起動する。ウォームスタート(ステップS106)では、ROM12からコードをフェッチ、ハードウェアイニシャライズを実行後、すでにDRAM7にコード・データが展開されるため、ROM12からDRAM7への転送時間なしで、RAM実行が可能である。このように処理するので、ウォームスタートでは、ROM12からDRAM7へのRAM転送時間を省略することが可能となり、高速起動を実現することができる。
【0037】
すなわち、システムの高機能化の進展に伴ってメインコントローラ3の起動時間が長くなる場合があるが、本実施例によれば、起動がコールドスタートかウォームスタートかを示すフラグをチェックして、ウォームスタートであれば、メインメモリ(DRAM7)に事前に格納されている命令及びデータでメインコントローラ3を起動し、コールドスタートであれば、直ちにROM12からRAM転送をおこなってDRAM7から起動処理を実行するので、高速起動が可能となる。
【0038】
なお、従来技術では、主電源8から補助電源9、補助電源9からメインコントローラ3というルートで電源供給されるため、電源ロスが多いが、本実施例では、商用電源から第2のAC/DCコンバータ8、第2のAC/DCコンバータ8からメインコントローラ3というルートで電源供給されるので、従来技術よりも電源ロスが小さい。また、省エネモードに近い状態が、電源OFF状態のため、起動が早いという利点もある。
【0039】
また、本実施例に係るMFP1では、特に図示していないが、エンジン2は画像形成エンジンの他に画像読み取りエンジンも含み、これらの制御はエンジンCPU30によって実行される。また、MFP1の他に、複写機、プリンタ、ファクシミリであっても良いことは言うまでもない。
【実施例2】
【0040】
図3は実施例2に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。この実施例2に係るMFP1は、図1に示した実施例1に係るMFP1のメインコントローラ3に電源OFFからONになったこと検知する検知回路(以下、電源OFF→ON検知回路と称す)50を搭載し、電源OFFからONに変わったことを省エネコントローラ6に通知する点が異なるだけで、その他の各部は実施例1と同一である。
【0041】
図4はこの実施例2のMFP1のメインCPU4における制御手順を示すフローチャートである。図3に示した構成のMFP1では、MFP1の電源プラグ14が商用電源に接続されていない状態であるとすると、メインコントローラ3への電源供給が遮断されている状態にある。ここで、電源プラグ14を商用電源に挿入すると、PSU11の第2のAC/DCコンバータ9がONとなり、電源OFF→ON検知回路50は、電源OFFから電源ONになったこと(OFF→ONあり)を検知する。OFF→ONありの場合、電源OFF→ON検知回路50は省エネコントローラ6に、“H”信号を出力する。一方、OFF→ONなしの場合は“L”信号を出力することになる(ステップS201)。
【0042】
メインCPU4は、ROM12より命令をフェッチし、イニシャライズ処理を実行する(ステップS202)。イニシャライズ処理後、省エネコントローラ6へアクセスし、電源OFF→ONの有無をチェックする(ステップS203)。電源OFF→ONありであれば(ステップS203−yes)、ROM→RAMへのコード及びデータ転送を行い(ステップS206)、転送後、RAM実行を開始する(ステップS207)。そして、電源OFF→ON検知信号をリセットし、“H”から“L”に変更する(ステップS208)。
【0043】
ステップS203で電源OFF→ONありでなければ(ステップS203−no)、さらに、実施例1で説明したDRAM7に記録されているフラグをチェックして(ステップS204)、ウォームスタートかコールドスタートかを判断し、“1”(コールドスタート)であれば(ステップS204−yes)、ステップS206以降の処理を実行して起動し、“0”(ウォームスタート)であれば(ステップS105−no)、STRからの復帰と解釈し、DRAM7から起動処理実行へ移行する(ステップS205)。
【0044】
以上のように本実施例によれば、電源OFF→ON検知回路50が常時電源ONの第2のAC/DCコンバータ9からの供給電源が電源OFFからONになったことを検知した場合は、強制的にコールドスタートとするので、電源プラグ14を外した場合、常時電源ONのAC/DCコンバータ9への電源供給が遮断され、DRAM7内に記憶されたコード・データが消え、その状態からコールドスタートしなければならないということがなくなる。
【実施例3】
【0045】
図5は実施例3に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。この実施例3は、図3に示した実施例2において、メインCPU4がメインコントローラ3の電源OFF→ON検知回路50に対して起動をコールドスタートとするか、ウォームスタートとするかを設定ができるようにしたものである。その他の各部は実施例2と同等に構成され、同等に機能する。
【0046】
図6は、この実施例3のMFP1のメインCPU4における制御手順を示すフローチャートである。図5に示したMFP1では、まず、MFP1が通常動作状態にあるとする。通常動作状態では、ウォームスタートで起動時間を早くする設定としているが、省エネコントローラ6内のS/Wの更新のための再起動や、設定値の初期化を行いたい等、コールドスタートが必要となった場合、CPU4は、電源OFF→ON検知回路50へ、コールドスタートの設定を行う。すなわち、メインCPU4はMFP1の状態に応じてコールドスタートかウォームスタートかを設定する(ステップS301)。
【0047】
そして、MFP1が再起動可能な状態になり、電源OFF→ON検知回路50が電源OFF→ONを検知すると、“H”信号を省エネコントローラ6に出力する(ステップS302)。メインCPU4は、ROM12より命令をフェッチし、イニシャライズ処理を実行する(ステップS302)。その後、電源OFF→ON検知回路50のOFF→ON検知信号をチェックし(ステップS304)、検知信号が“H”であれば(ステップS304−yes)、ステップS306からS308の処理を実行し、コールドスタートのシーケンスをとる。このシーケンスは実施例2におけるステップS206からステップS208の処理と同一である。
【0048】
一方、電源OFF→ON検知回路50のOFF→ON検知信号が“L”の場合(ステップS304−no)、ウォームスタートのシーケンスをとり、STRからの復帰と解釈し、DRAM7から起動処理実行へ移行する(ステップS305)。すなわち、本実施例3では、実施例2で実行したフラグチェック(ステップS204)の判断を行わずに、そのままウォームスタートのシーケンスとしてDRAM7からの起動処理を実行する。
【0049】
以上のように本実施例によれば、電源OFF→ON検知回路50に対して、次回の起動を、コールドスタートとするかウォームスタートとするかを、メインCPU3から直接設定するので、コールドスタート、あるいはウォームスタートの判断チェックステップを省略することが可能となり、実施例2に対して少しでも早く起動することができる。
【実施例4】
【0050】
図7は実施例4に係るMFPのシステム構成を示すブロック図で、同図(a)はハード構成を、同図(b)は省エネコントローラ6の制御信号の状態を示す。この実施例4は図5に示した実施例3において、電源OFF時(メインSW10:OFF状態)に、第1のAC/DCコンバータ8へのON/OFF制御信号をONするようにしたものである。その他の各部は実施例3と同等に構成され、同等に機能する。
【0051】
通常の省エネ状態では、前述の各実施例と同様にメインコントローラ3の省エネコントローラ6、及びDRAM7には電源が供給されており、第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号は、OFF制御としている。また、実施例1〜3では、電源OFF時に、省エネ状態と同じ状態のため、第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号は、OFFとしていた。このような状態でメインSW10をONして起動した場合、メインSW10のON/OFF状態を、省エネコントローラ6が検知、その後、第1のAC/DCコンバータ8をOFFからONにするOFF→ON制御を行っている。そのため、実施例1〜3の発明では、このシーケンス分の時間をロスすることになる。
【0052】
そこで、本実施例4では、メインSW10がOFFの状態になると、図7(b)に示すように省エネコントローラ6は、第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号をONとするようにした。このように設定すると、メインSW10が、OFF→ONとなった場合、第1のAC/DCコンバータ8は、省エネコントローラ6のON制御を待たずに、エンジン2へ電源供給を行うことできる。
【0053】
図7(b)では、メインSW10と第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号との関係を示しているが、同図を参照すると、メインSW10が電源ONである場合、省エネルギ状態では第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号はOFFに、通常状態では第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号はONになり、メインSW10が電源OFFの場合には、第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号はONに設定されることが分かる。
【0054】
このようにメインコントローラ3の起動時間が早くなると、エンジン2の定着部40が、MFP1の起動時間のボトルネックとなる。しかし、メインSW10のOFF時、メインコントローラ3の省エネコントローラ6は、ON/OFF制御可能な第1のAC/DCコンバータ8へのON/OFF制御信号をON状態としておく。これにより、メインSW10をONしたとき、省エネコントローラ6による第1のAC/DCコンバータ8をOFF状態からONにする制御を省略できるので、エンジン2の定着部40を少しでも早く起動させることができる。
【実施例5】
【0055】
図8は実施例5に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。この実施例5に係るMFP1は、図1に示した実施例1のMFP1をイーサネット(図ではEtherと記す)56に接続して使用する例である。この実施例5では、省エネコントローラ6にI/O制御部55を接続し、このI/O制御部55にイーサネット56を接続している。イーサネット56には、図示しないPC(パーソナルコンピュータ)が接続され、MFP1は、PCからの印刷データを受信し、エンジン2から前記印字データを印字出力することができる。その他の各部は実施例1と同等に構成され、同等に機能し、同等に動作する。
【0056】
このように構成したMFP1では、PCからの指示で省エネ復帰し、印字することができるように省エネルギ状態の場合においてもI/O制御部55、及びイーサネット56には電源が供給されている。一方、実施例1と同様に省エネコントローラ6、及びDRAM7にも電源の供給が行われている。しかし、メインSW10がOFFされている状態では、ユーザは、I/O制御部55からのアクセスは期待していない。そこで、このようなシステムで、MFP1のメインSW10がOFFされている状態では、電力をできる限り低減するため、I/O制御部55、及びイーサネット56への供給電源を省エネコントローラ6がOFFする。これにより、イーサネット接続の場合のMFP1の高速立ち上げと、省エネルギモードにおけるより少ない電力消費化が実現できる。
【実施例6】
【0057】
図9は実施例6に係るMFPの制御手順を示すフローチャートである。MFP自体の構成は図1に示した実施例1と同等なので、説明は省略する。
【0058】
この実施例6は、実施例1に対してウォームスタート、コールドスタートの起動判断をフラグの判断なしに行う例である。この実施例では、メインSW10がOFFされた場合、メインCPU4は、その状態を検知し、DRAM7:STR状態で、網点部のみ電源ONとなる最小電源供給状態へ移行する(ステップS401)。第1のAC/DCコンバータ9は、メインSW10を介していないので、電源ケーブル15がコンセントに接続されている場合、常時、電源供給可能な状態である。ここで、メインSW10が、電源ONされると(ステップS402−yes)、省エネコントローラ6は、電源ONとなったことを検知して、第1のAC/DCコンバータ8のON、及びメインコントローラ3内の各部の電源をONする。エンジン2内のエンジンCPU30は、起動後、すぐに、I/O制御部31よりリレー13をONし、定着部40をONし、定着部40への通電及び加熱を開始する(ステップS403)。
【0059】
メインコントローラ3では、メインCPU4がROM12よりコードを読み込む。そして、イニシャライズ処理を行った後(ステップS404)、そのままウォームスタートを開始し、DRAM7から起動処理を実行する(ステップS405)。ここで、DRAM7内にコード・データがない場合、ストール状態に陥り、ウォッチドッグエラーが発生する(ステップS406−yes)。ウォッチドッグエラー発生後、再起動、イニシャライズ処理実行し(ステップS407)、コールドスタートを開始する。コールドスタートではROM12からコード・データをDRAM7へ転送後(ステップS408)、DRAM7から起動処理実行処理を開始し(ステップS409)、起動される。なお、ステップS406でウォッチドッグエラーが発生しなければ、MFP1はそのままウォームスタートで起動される。
【0060】
このように本実施例によれば、メインCPU4は起動シーケンスをウォームスタートで開始し、ウォッチドッグエラー発生時、コールドスタートに切り替えて、再起動するので、複雑な制御を不要とし、また検知回路をなくしてシンプルな低コストの回路構成でMFP1の高速立ち上げを可能とすることができる。
【0061】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となる。
【符号の説明】
【0062】
1 MFP
2 エンジン
3 コントローラ
4 メインCPU
6 省エネコントローラ
7 DRAM(メインメモリ)
8 第1のAC/DCコンバータ
9 第2のAC/DCコンバータ
10 メインSW(ACSW)
11 PSU
12 ROM
50 電源OFF→ON検知回路
55 I/O制御部
56 イーサネット(Ether)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2008−233260号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の記録媒体に画像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ、デジタル複合機などの画像形成処理を行う画像処理装置に係り、特に、起動時間の短縮化を図った画像処理装置、画像処理装置における起動制御方法、及びその起動制御をコンピュータによって実行するための起動制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置は読み取った画像の画像データ、転送されてきた画像の画像データを可視画像に変換して出力するための画像処理を行う機能を有し、この画像処理装置として、複写機、プリンタ、ファクシミリ、デジタル複合機などシート状の記録媒体に画像を形成する画像形成装置が一般に普及している。この種の画像形成装置では、画像形成要求があったときに、省エネルギ状態から迅速に印刷動作に移行する必要があり、印刷動作では、所定の定着温度状態に昇温させ、その温度を保持する必要があることから、電力消費量も少なくはない。そのため、非使用時のさらなる省エネルギ化への対応が求められている。このように省エネルギへの対応が求められている一方、省エネルギ状態からの立ち上がり時間の短縮化など、使用性の向上の要求もある。
【0003】
そこで、従来から実施されている省エネルギ対応の画像形成装置についてまず説明する。図10は、省エネルギに対応した従来の画像形成装置としてのデジタル複合機のシステム構成を示すブロック図である。同図において、デジタル複合機(以下、MFP−Multi Function Peripheral)1は、エンジン2、メインコントローラ3、及びPSU(電源供給ユニット−Power Supply Unit)11から基本的に構成される。
【0004】
エンジン2は、原稿画像の読み取り、及び転写紙への画像形成を行う部分であり、省エネモード時、電源OFFされる。メインコントローラ3は、システム制御、インタフェース制御、省エネ制御を行う部分である。エンジン2、及びメインコントローラ3は、PSU11から電力供給を受ける。メインコントローラ3は、CPU4、メモリ等の制御を行う制御IC5、省エネ制御、I/O制御を行う省エネコントローラ6、DRAM7、及びROM12を備えている。
【0005】
PSU11は、ACからDCに電源を変換する第1のAC/DCコンバータ8、第2のAC/DCコンバータ9、及びACSW(以下、メインSWと称す)10を備え、第1のAC/DCコンバータ8は省エネコントローラ6によってON/OFF制御され、第2のAC/DCコンバータ9は常時ON状態である。なお、図10では、第1のAC/DCコンバータ8はAC/DC(1)として、第2のAC/DCコンバータ9はAC/DC(2)として図示している。なお、その他の図においても、図面上は同様に表記している。
【0006】
通常、電源OFF状態では、メインSW10をOFFするため、第1のAC/DCコンバータ8、及び第2のAC/DCコンバータ9ともに電源供給不能の状態となっている。この状態から、電源ONすると、PSU11からエンジン2、及びメインコントローラ3に電源が供給される。メインコントローラ3のCPU4は、
(A1)ROM12からのコード読み込み
(A2)イニシャライズ
(A3)コードのROM12からDRAM7への転送
(A4)DRAM実行
(A5)起動完了
という手順でエンジン2の使用が可能な状態となる。
【0007】
このような起動方式では、メインSW10がオンになってからコントローラ側の起動制御が開始され(A1〜A4)、その後、エンジン側の起動制御(A5)が実行されるが、エンジン2が使用可能な状態になるまで時間がかかっていた。なお、前記A5の起動完了については、画像形成装置の画像形成可能となるまでの起動時間、具体的には、エンジンの定着部のレディまでの時間(定着動作が開始可能な予め設定された温度に昇温するまでの時間)に基づいて決定されていた。
【0008】
そこで、起動時間を短縮する技術として、例えば特許文献1記載の発明が提案されている。この発明は、省エネルギモード時における立ち上げをより迅速に行うことができるようにするため、商用電源から直接給電されるPSUと、PSUから充電される二次電池を有する補助電源と、画像形成手段とを備え、コントローラによって各種モードに応じて各部の制御を実行する画像処理装置において、コントローラオプションあるいは操作パネルオプションが何もついていない状態で、スタンバイモード、充電省エネモードのいずれかの状態のときにAC電源OFFを検出した場合には、コントローラのDRAM部、DRAMコントローラ部、パワーマネージメント部、ネットワーク部、USB−I/F部、及び、オプションFCU部のうち備えられているものの電源を補助電源に切り替えることを特徴としている。
【0009】
図11は、この既提案の発明を図10の従来技術の電源部に適用した例を示すブロック図である。MFP1自体は図10の従来例と同一なので説明は省略する。この例では、PSU11が、商用電源との電源を遮断するメインSW10、AC/DC変換する主電源(AC/DCコンバータ)8、二次電池を搭載する補助電源9a、及び主電源8と補助電源9aを切り替える切り替え器13を備えている。
【0010】
このように構成されたPSU11では、メインSW10がOFFされた場合、切り替え器13が供給電源を主電源8から補助電源9aへ切り替え、電源OFF状態でありながら、メインコントローラ3への電源を供給し続ける(ただし、電源消費を抑えるため、省エネモードとなる)。この状態で、メインSW10がONされた場合、省エネモードから
(B1)ROM12からのコード読み込み
(B2)イニシャライズ
(B3)DRAM実行
(B4)起動完了
という手順で復帰する。
【0011】
前記特許文献1記載の発明では、省エネモードから復帰は速いが、業務終了後、夜間電源OFF(メインSW10−OFF)した場合、次の日の朝、補助電源(二次電池)9aの容量不足により補助電源9aからの起動ができずに、通常の起動(前記A1〜A5)と同じになる虞がある。これを回避するためには、補助電源(二次電池)9aの容量を大きくすればよいが、その分のコストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述のように、画像形成(処理)装置を立ち上げる場合、コントローラ側の起動制御に加えてエンジン側の起動制御が実行されるが、近年のエンジンの定着部の技術進歩に伴い、この起動時間が短縮されてきている。これに対し、画像処理コントローラ部のソフトウェア規模の肥大化により、画像処理コントローラ側の要因で、画像形成(処理)装置の起動時間が決まる場合があり、コントローラ側の起動制御が問題として認識されてきている。
【0013】
また、環境・省エネの観点から未使用時はこまめに電源をOFFしたいが、電源OFFからの待ち時間が長いとこまめに電源OFFが行われず、全体的に消費電力が大きくなってしまう。さらに、補助電源を使用した場合、容量との関係で省エネモードからの復帰ではなく、電源OFFからの復帰になる場合があり、これを回避しようとすると、補助電源の容量を大きくする必要があり、コストアップに繋がるだけでなく、容量を大きくすることにより資源の無駄な消費を招くことにもなる。
【0014】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、資源の無駄な消費を招くことなく、コントローラ側の起動時間を短くし、ひいては画像処理装置の起動時間の短縮化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するため、第1の手段は、シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、を有する画像処理装置であって、前記コントローラ部は、省エネルギ状態と通常状態と間の状態移行に伴う各部への電源供給を制御する省エネルギ制御手段と、起動処理を行うための命令及びデータが格納された記憶手段と、省エネルギ状態から通常状態への起動を制御する起動制御手段と、を含み、前記起動制御手段は、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がコールドスタートかウォームスタートかを判断し、その判断に基づいていずれかのスタートを選択して起動処理を実行することを特徴とする。
【0016】
第2の手段は、第1の手段において、前記電源供給部が、電源供給源からの電源供給を断接するスイッチ手段と、前記スイッチ手段の後段に接続され、当該スイッチ手段のオン・オフ操作により通電制御される第1の電源部と、電源供給源から常時通電される第2の電源部と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
第3の手段は、第2の手段において、前記第1及び第2の電源部は電源供給源である交流の商用電源を直流に変換するAC/DCコンバータであることを特徴とする。
【0018】
第4の手段は、第2又は第3の手段において、前記スイッチ手段がオフからオンに移行したとき、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部及び前記コントローラ部に搭載された各部への電源供給をオンとし、前記起動制御手段は前記起動処理を実行することを特徴とする。
【0019】
第5の手段は、第2ないし第4のいずれかの手段において、前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、前記検知手段が前記オフ状態からオン状態に変化したことを検知したときには、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部に電源供給し、前記起動制御手段はコールドスタートとして前記起動処理を開始することを特徴とする。
【0020】
第6の手段は、第2ないし第4のいずれかの手段において、前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、前記起動手段は、前記検知手段に対して次回の起動をコールドスタートとするか、ウォームスタートとするかを直接設定することを特徴とする。
【0021】
第7の手段は、第6の手段において、前記スイッチ手段がオフ状態のとき、前記省エネルギ制御手段は前記第1の電源部へのオン・オフ制御信号をオン状態に設定することを特徴とする。
【0022】
第8の手段は、第2ないし第4のいずれかの手段において、イーサネット(登録商標)に接続するI/O制御部を備え、前記スイッチ手段がオフ状態のとき、前記省エネルギ制御手段は前記I/O制御部への電源供給をオフ状態に設定することを特徴とする。
【0023】
第9の手段は、第2ないし第4のいずれかの手段において、前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、前記検知手段が前記オフ状態からオン状態に変化したことを検知したときには、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部に電源供給し、前記起動制御手段はウォームスタートで前記起動処理を開始し、ウォッチドッグエラー発生時、コールドスタートに切り替えて、再起動することを特徴とする。
【0024】
第10の手段は、第1ないし第9のいずれかの手段において、前記ウォームスタートによる起動処理では、前記記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を実行することを特徴とする。
【0025】
第11の手段は、第1ないし第9のいずれかの手段において、前記コールドスタートによる起動処理では、コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から起動処理を実行することを特徴とする。
【0026】
第12の手段は、シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、を有する画像処理装置の起動制御方法であって、起動処理を行うための命令及びデータを予め記憶手段に格納しておき、省エネルギ状態から通常状態に移行する際に、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がウォームスタートかコールドスタートかを判断し、ウォームスタートであれば、当該記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を開始し、コールドスタートであれば、前記コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から起動処理を実行することを特徴とする。
【0027】
第13の手段は、シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、を有する画像処理装置の起動制御をコンピュータによって実行するための起動制御プログラムであって、起動処理を行うための命令及びデータを予め記憶手段に格納しておく手順と、省エネルギ状態から通常状態に移行する際に、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がウォームスタートかコールドスタートかを判断する手順と、前記判断によりウォームスタートであれば、当該記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を開始する手順と、前記判断によりコールドスタートであれば、前記コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から前記起動処理を実行する手順と、を備えていることを特徴とする。
【0028】
後述の実施形態では、エンジン部は符号2に、コントローラ部は符号3に、電源供給部はPSU11に、画像処理装置はMFP1に、省エネルギ制御手段は省エネコントローラ6に、記憶手段はDRAM(メインメモリ)7に、起動制御手段はメインCPU4に、スイッチ手段はメインSW(ACSW)10に、第1の電源部は第1のAC/DCコンバータ8に、第2の電源部は第2のAC/DCコンバータ9に、検知手段は電源OFF→ON検知回路50に、イーサネットは符号56に、I/O制御部は符号55に、ROMは符号12に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がコールドスタートかウォームスタートかを判断し、その判断に基づいていずれかのスタートを選択して起動処理を実行するので、資源の無駄な消費を招くことなく、コントローラ側の起動時間を短くすることが可能となり、画像処理装置の起動時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態における実施例1に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1のMFPのメインCPUで実行される制御手順を示すフローチャートである。
【図3】実施例2に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。
【図4】実施例2のMFPのメインCPUで実行される制御手順を示すフローチャートである。
【図5】実施例3に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。
【図6】実施例3のMFPのメインCPUで実行される制御手順を示すフローチャートである。
【図7】実施例4に係るMFPのシステム構成を示すブロック図で、同図(a)はハード構成を、同図(b)は省エネコントローラ6の制御信号の状態を示す。
【図8】実施例5に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。
【図9】実施例6のMFPのメインCPUで実行される制御手順を示すフローチャートである。
【図10】省エネルギに対応した従来の画像形成装置としてのデジタル複合機のシステム構成を示すブロック図である。
【図11】既提案の発明を図1の従来技術の電源部に適用した例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、起動がコールドスタートかウォームスタートかを示すフラグをチェックして、ウォームスタートであれば、メインメモリ(DRAM)に事前に格納されている命令、データで起動する一方、常時電源ONのコンバータからの供給電源のOFFからONになったことを検知する検知手段を設け、OFFからONになったことを検知した場合は、強制的にコールドスタートさせることにより、省エネルギと起動時間の短縮化を図るようにしたものである。
【0032】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について各実施例を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、前述の従来技術と同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【実施例1】
【0033】
図1は本実施形態における実施例1に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。この実施例1に係るMFP1は、エンジン2、コントローラ3及びPSU11を備え、エンジン2には、エンジン制御のために、CPU30、I/O制御部31が搭載され、定着部40のON/OFF制御もCPU30の指示により実行される。メインコントローラ3は、前述の従来技術と同一であり、PSU11は、図10に示した従来例に対して第1のAC/DCコンバータ8から定着部40への電源供給ラインをON/OFFするリレー13を備え、このリレー13のON/OFF制御をI/O制御部31を介してCPU30が実行する。なお、メインSW(ACSW)10はON時には第1のAC/DCコンバータ8とリレー13の一端に電力を供給する。第2のAC/DCコンバータ9は電源プラグ14からの電源ケーブル15に直接接続されている。また、省エネコントローラ6はメインSW10のON/OFFを検知する機能を備えている。その他の各部は大略図10に示した従来例と同等に構成され、同等に機能する。なお、以下の説明では、メインコントローラ3側のCPU3をメインCPU3、エンジン2側のCPU30をエンジンCPU30と称し、両者を区別する。
【0034】
図2は実施例1のMFP1のメインCPU4で実行される制御手順を示すフローチャートである。このように構成されたMFP1では、メインSW10がOFFされた場合、メインCPU4は、その状態を検知し、DRAM7はSTR状態で、網点部のみ電源ONとなる最小電源供給状態へ移行する(ステップS101)。第1のAC/DCコンバータ9は、メインSW10を介していないので、電源ケーブル15がコンセントに接続されている場合、常時、電源供給可能な状態である。なお、STR状態とは、現在のシステム状態をRAMへ保管し、RAM以外のデバイスのパワーをオフとしたSuspend To RAM(STR)状態のことである。
【0035】
ここで、メインSW10が、電源ONされた場合(ステップS102−yes)、省エネコントローラ6は、電源ONとなったことを検知して、第1のAC/DCコンバータ8をON、及びメインコントローラ3内の各部の電源をONする。エンジン2内のエンジンCPU30は、起動後、すぐに、I/O制御部31よりリレー13をONし、定着部40をONし、定着部40への通電及び加熱を開始する(ステップS103)。メインコントローラ3では、メインCPU4がROM12よりコードを読み込む。そして、イニシャライズ処理を行った後(ステップS104)、DRAM7に記録されているフラグを読み取る(ステップS105)。その結果、“0”(ウォームスタートを示す)であれば(ステップS105−no)、STRからの復帰と解釈し、DRAM7から起動処理実行へ移行する。“1”(コールドスタートを示す)であれば(ステップS105−yes)、ROM12からコード及びデータをDRAM7へ転送後(ステップS107)、DRAM7から起動処理を開始し(ステップS108)、起動処理が行われる。
【0036】
この処理におけるコールドスタート(ステップS107)とは、電源OFFからONへの起動シーケンスと同じ処理を指し、メインCPU4は、ROM12からコードをフェッチ、ハードウェアイニシャライズ処理を実行後、ROM12より、圧縮されたコード及びデータを解凍しながら高速アクセス可能なDRAM7へ展開、RAM実行で起動する。ウォームスタート(ステップS106)では、ROM12からコードをフェッチ、ハードウェアイニシャライズを実行後、すでにDRAM7にコード・データが展開されるため、ROM12からDRAM7への転送時間なしで、RAM実行が可能である。このように処理するので、ウォームスタートでは、ROM12からDRAM7へのRAM転送時間を省略することが可能となり、高速起動を実現することができる。
【0037】
すなわち、システムの高機能化の進展に伴ってメインコントローラ3の起動時間が長くなる場合があるが、本実施例によれば、起動がコールドスタートかウォームスタートかを示すフラグをチェックして、ウォームスタートであれば、メインメモリ(DRAM7)に事前に格納されている命令及びデータでメインコントローラ3を起動し、コールドスタートであれば、直ちにROM12からRAM転送をおこなってDRAM7から起動処理を実行するので、高速起動が可能となる。
【0038】
なお、従来技術では、主電源8から補助電源9、補助電源9からメインコントローラ3というルートで電源供給されるため、電源ロスが多いが、本実施例では、商用電源から第2のAC/DCコンバータ8、第2のAC/DCコンバータ8からメインコントローラ3というルートで電源供給されるので、従来技術よりも電源ロスが小さい。また、省エネモードに近い状態が、電源OFF状態のため、起動が早いという利点もある。
【0039】
また、本実施例に係るMFP1では、特に図示していないが、エンジン2は画像形成エンジンの他に画像読み取りエンジンも含み、これらの制御はエンジンCPU30によって実行される。また、MFP1の他に、複写機、プリンタ、ファクシミリであっても良いことは言うまでもない。
【実施例2】
【0040】
図3は実施例2に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。この実施例2に係るMFP1は、図1に示した実施例1に係るMFP1のメインコントローラ3に電源OFFからONになったこと検知する検知回路(以下、電源OFF→ON検知回路と称す)50を搭載し、電源OFFからONに変わったことを省エネコントローラ6に通知する点が異なるだけで、その他の各部は実施例1と同一である。
【0041】
図4はこの実施例2のMFP1のメインCPU4における制御手順を示すフローチャートである。図3に示した構成のMFP1では、MFP1の電源プラグ14が商用電源に接続されていない状態であるとすると、メインコントローラ3への電源供給が遮断されている状態にある。ここで、電源プラグ14を商用電源に挿入すると、PSU11の第2のAC/DCコンバータ9がONとなり、電源OFF→ON検知回路50は、電源OFFから電源ONになったこと(OFF→ONあり)を検知する。OFF→ONありの場合、電源OFF→ON検知回路50は省エネコントローラ6に、“H”信号を出力する。一方、OFF→ONなしの場合は“L”信号を出力することになる(ステップS201)。
【0042】
メインCPU4は、ROM12より命令をフェッチし、イニシャライズ処理を実行する(ステップS202)。イニシャライズ処理後、省エネコントローラ6へアクセスし、電源OFF→ONの有無をチェックする(ステップS203)。電源OFF→ONありであれば(ステップS203−yes)、ROM→RAMへのコード及びデータ転送を行い(ステップS206)、転送後、RAM実行を開始する(ステップS207)。そして、電源OFF→ON検知信号をリセットし、“H”から“L”に変更する(ステップS208)。
【0043】
ステップS203で電源OFF→ONありでなければ(ステップS203−no)、さらに、実施例1で説明したDRAM7に記録されているフラグをチェックして(ステップS204)、ウォームスタートかコールドスタートかを判断し、“1”(コールドスタート)であれば(ステップS204−yes)、ステップS206以降の処理を実行して起動し、“0”(ウォームスタート)であれば(ステップS105−no)、STRからの復帰と解釈し、DRAM7から起動処理実行へ移行する(ステップS205)。
【0044】
以上のように本実施例によれば、電源OFF→ON検知回路50が常時電源ONの第2のAC/DCコンバータ9からの供給電源が電源OFFからONになったことを検知した場合は、強制的にコールドスタートとするので、電源プラグ14を外した場合、常時電源ONのAC/DCコンバータ9への電源供給が遮断され、DRAM7内に記憶されたコード・データが消え、その状態からコールドスタートしなければならないということがなくなる。
【実施例3】
【0045】
図5は実施例3に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。この実施例3は、図3に示した実施例2において、メインCPU4がメインコントローラ3の電源OFF→ON検知回路50に対して起動をコールドスタートとするか、ウォームスタートとするかを設定ができるようにしたものである。その他の各部は実施例2と同等に構成され、同等に機能する。
【0046】
図6は、この実施例3のMFP1のメインCPU4における制御手順を示すフローチャートである。図5に示したMFP1では、まず、MFP1が通常動作状態にあるとする。通常動作状態では、ウォームスタートで起動時間を早くする設定としているが、省エネコントローラ6内のS/Wの更新のための再起動や、設定値の初期化を行いたい等、コールドスタートが必要となった場合、CPU4は、電源OFF→ON検知回路50へ、コールドスタートの設定を行う。すなわち、メインCPU4はMFP1の状態に応じてコールドスタートかウォームスタートかを設定する(ステップS301)。
【0047】
そして、MFP1が再起動可能な状態になり、電源OFF→ON検知回路50が電源OFF→ONを検知すると、“H”信号を省エネコントローラ6に出力する(ステップS302)。メインCPU4は、ROM12より命令をフェッチし、イニシャライズ処理を実行する(ステップS302)。その後、電源OFF→ON検知回路50のOFF→ON検知信号をチェックし(ステップS304)、検知信号が“H”であれば(ステップS304−yes)、ステップS306からS308の処理を実行し、コールドスタートのシーケンスをとる。このシーケンスは実施例2におけるステップS206からステップS208の処理と同一である。
【0048】
一方、電源OFF→ON検知回路50のOFF→ON検知信号が“L”の場合(ステップS304−no)、ウォームスタートのシーケンスをとり、STRからの復帰と解釈し、DRAM7から起動処理実行へ移行する(ステップS305)。すなわち、本実施例3では、実施例2で実行したフラグチェック(ステップS204)の判断を行わずに、そのままウォームスタートのシーケンスとしてDRAM7からの起動処理を実行する。
【0049】
以上のように本実施例によれば、電源OFF→ON検知回路50に対して、次回の起動を、コールドスタートとするかウォームスタートとするかを、メインCPU3から直接設定するので、コールドスタート、あるいはウォームスタートの判断チェックステップを省略することが可能となり、実施例2に対して少しでも早く起動することができる。
【実施例4】
【0050】
図7は実施例4に係るMFPのシステム構成を示すブロック図で、同図(a)はハード構成を、同図(b)は省エネコントローラ6の制御信号の状態を示す。この実施例4は図5に示した実施例3において、電源OFF時(メインSW10:OFF状態)に、第1のAC/DCコンバータ8へのON/OFF制御信号をONするようにしたものである。その他の各部は実施例3と同等に構成され、同等に機能する。
【0051】
通常の省エネ状態では、前述の各実施例と同様にメインコントローラ3の省エネコントローラ6、及びDRAM7には電源が供給されており、第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号は、OFF制御としている。また、実施例1〜3では、電源OFF時に、省エネ状態と同じ状態のため、第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号は、OFFとしていた。このような状態でメインSW10をONして起動した場合、メインSW10のON/OFF状態を、省エネコントローラ6が検知、その後、第1のAC/DCコンバータ8をOFFからONにするOFF→ON制御を行っている。そのため、実施例1〜3の発明では、このシーケンス分の時間をロスすることになる。
【0052】
そこで、本実施例4では、メインSW10がOFFの状態になると、図7(b)に示すように省エネコントローラ6は、第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号をONとするようにした。このように設定すると、メインSW10が、OFF→ONとなった場合、第1のAC/DCコンバータ8は、省エネコントローラ6のON制御を待たずに、エンジン2へ電源供給を行うことできる。
【0053】
図7(b)では、メインSW10と第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号との関係を示しているが、同図を参照すると、メインSW10が電源ONである場合、省エネルギ状態では第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号はOFFに、通常状態では第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号はONになり、メインSW10が電源OFFの場合には、第1のAC/DCコンバータ8のON/OFF制御信号はONに設定されることが分かる。
【0054】
このようにメインコントローラ3の起動時間が早くなると、エンジン2の定着部40が、MFP1の起動時間のボトルネックとなる。しかし、メインSW10のOFF時、メインコントローラ3の省エネコントローラ6は、ON/OFF制御可能な第1のAC/DCコンバータ8へのON/OFF制御信号をON状態としておく。これにより、メインSW10をONしたとき、省エネコントローラ6による第1のAC/DCコンバータ8をOFF状態からONにする制御を省略できるので、エンジン2の定着部40を少しでも早く起動させることができる。
【実施例5】
【0055】
図8は実施例5に係るMFPのシステム構成を示すブロック図である。この実施例5に係るMFP1は、図1に示した実施例1のMFP1をイーサネット(図ではEtherと記す)56に接続して使用する例である。この実施例5では、省エネコントローラ6にI/O制御部55を接続し、このI/O制御部55にイーサネット56を接続している。イーサネット56には、図示しないPC(パーソナルコンピュータ)が接続され、MFP1は、PCからの印刷データを受信し、エンジン2から前記印字データを印字出力することができる。その他の各部は実施例1と同等に構成され、同等に機能し、同等に動作する。
【0056】
このように構成したMFP1では、PCからの指示で省エネ復帰し、印字することができるように省エネルギ状態の場合においてもI/O制御部55、及びイーサネット56には電源が供給されている。一方、実施例1と同様に省エネコントローラ6、及びDRAM7にも電源の供給が行われている。しかし、メインSW10がOFFされている状態では、ユーザは、I/O制御部55からのアクセスは期待していない。そこで、このようなシステムで、MFP1のメインSW10がOFFされている状態では、電力をできる限り低減するため、I/O制御部55、及びイーサネット56への供給電源を省エネコントローラ6がOFFする。これにより、イーサネット接続の場合のMFP1の高速立ち上げと、省エネルギモードにおけるより少ない電力消費化が実現できる。
【実施例6】
【0057】
図9は実施例6に係るMFPの制御手順を示すフローチャートである。MFP自体の構成は図1に示した実施例1と同等なので、説明は省略する。
【0058】
この実施例6は、実施例1に対してウォームスタート、コールドスタートの起動判断をフラグの判断なしに行う例である。この実施例では、メインSW10がOFFされた場合、メインCPU4は、その状態を検知し、DRAM7:STR状態で、網点部のみ電源ONとなる最小電源供給状態へ移行する(ステップS401)。第1のAC/DCコンバータ9は、メインSW10を介していないので、電源ケーブル15がコンセントに接続されている場合、常時、電源供給可能な状態である。ここで、メインSW10が、電源ONされると(ステップS402−yes)、省エネコントローラ6は、電源ONとなったことを検知して、第1のAC/DCコンバータ8のON、及びメインコントローラ3内の各部の電源をONする。エンジン2内のエンジンCPU30は、起動後、すぐに、I/O制御部31よりリレー13をONし、定着部40をONし、定着部40への通電及び加熱を開始する(ステップS403)。
【0059】
メインコントローラ3では、メインCPU4がROM12よりコードを読み込む。そして、イニシャライズ処理を行った後(ステップS404)、そのままウォームスタートを開始し、DRAM7から起動処理を実行する(ステップS405)。ここで、DRAM7内にコード・データがない場合、ストール状態に陥り、ウォッチドッグエラーが発生する(ステップS406−yes)。ウォッチドッグエラー発生後、再起動、イニシャライズ処理実行し(ステップS407)、コールドスタートを開始する。コールドスタートではROM12からコード・データをDRAM7へ転送後(ステップS408)、DRAM7から起動処理実行処理を開始し(ステップS409)、起動される。なお、ステップS406でウォッチドッグエラーが発生しなければ、MFP1はそのままウォームスタートで起動される。
【0060】
このように本実施例によれば、メインCPU4は起動シーケンスをウォームスタートで開始し、ウォッチドッグエラー発生時、コールドスタートに切り替えて、再起動するので、複雑な制御を不要とし、また検知回路をなくしてシンプルな低コストの回路構成でMFP1の高速立ち上げを可能とすることができる。
【0061】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となる。
【符号の説明】
【0062】
1 MFP
2 エンジン
3 コントローラ
4 メインCPU
6 省エネコントローラ
7 DRAM(メインメモリ)
8 第1のAC/DCコンバータ
9 第2のAC/DCコンバータ
10 メインSW(ACSW)
11 PSU
12 ROM
50 電源OFF→ON検知回路
55 I/O制御部
56 イーサネット(Ether)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2008−233260号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、
前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、
前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、
を有する画像処理装置であって、
前記コントローラ部は、
省エネルギ状態と通常状態と間の状態移行に伴う各部への電源供給を制御する省エネルギ制御手段と、
起動処理を行うための命令及びデータが格納された記憶手段と、
省エネルギ状態から通常状態への起動を制御する起動制御手段と、
を含み、
前記起動制御手段は、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がコールドスタートかウォームスタートかを判断し、その判断に基づいていずれかのスタートを選択して起動処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置であって、
前記電源供給部は、
電源供給源からの電源供給を断接するスイッチ手段と、
前記スイッチ手段の後段に接続され、当該スイッチ手段のオン・オフ操作により通電制御される第1の電源部と、
電源供給源から常時通電される第2の電源部と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像処理装置であって、
前記第1及び第2の電源部は電源供給源である交流の商用電源を直流に変換するAC/DCコンバータであることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の画像処理装置であって、
前記スイッチ手段がオフからオンに移行したとき、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部及び前記コントローラ部に搭載された各部への電源供給をオンとし、
前記起動制御手段は前記起動処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、
前記検知手段が前記オフ状態からオン状態に変化したことを検知したときには、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部に電源供給し、前記起動制御手段はコールドスタートとして前記起動処理を開始することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、
前記起動手段は、前記検知手段に対して次回の起動をコールドスタートとするか、ウォームスタートとするかを直接設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像処理装置であって、
前記スイッチ手段がオフ状態のとき、前記省エネルギ制御手段は前記第1の電源部へのオン/オフ制御信号をオン状態に設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
イーサネットに接続するI/O制御部を備え、
前記スイッチ手段がオフ状態のとき、前記省エネルギ制御手段は前記I/O制御部への電源供給をオフ状態に設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、
前記検知手段が前記オフ状態からオン状態に変化したことを検知したときには、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部に電源供給し、前記起動制御手段はウォームスタートで前記起動処理を開始し、ウォッチドッグエラー発生時、コールドスタートに切り替えて、再起動することを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記ウォームスタートによる起動処理では、前記記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記コールドスタートによる起動処理では、コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から起動処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、
前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、
前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、
を有する画像処理装置の起動制御方法であって、
起動処理を行うための命令及びデータを予め記憶手段に格納しておき、
省エネルギ状態から通常状態に移行する際に、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がウォームスタートかコールドスタートかを判断し、
ウォームスタートであれば、当該記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を開始し、
コールドスタートであれば、前記コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から起動処理を実行すること
を特徴とする起動制御方法。
【請求項13】
シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、
前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、
前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、
を有する画像処理装置の起動制御をコンピュータによって実行するための起動制御プログラムであって、
起動処理を行うための命令及びデータを予め記憶手段に格納しておく手順と、
省エネルギ状態から通常状態に移行する際に、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がウォームスタートかコールドスタートかを判断する手順と、
前記判断によりウォームスタートであれば、当該記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を開始する手順と、
前記判断によりコールドスタートであれば、前記コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から前記起動処理を実行する手順と、
を備えていることを特徴とする起動制御プログラム。
【請求項1】
シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、
前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、
前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、
を有する画像処理装置であって、
前記コントローラ部は、
省エネルギ状態と通常状態と間の状態移行に伴う各部への電源供給を制御する省エネルギ制御手段と、
起動処理を行うための命令及びデータが格納された記憶手段と、
省エネルギ状態から通常状態への起動を制御する起動制御手段と、
を含み、
前記起動制御手段は、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がコールドスタートかウォームスタートかを判断し、その判断に基づいていずれかのスタートを選択して起動処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像処理装置であって、
前記電源供給部は、
電源供給源からの電源供給を断接するスイッチ手段と、
前記スイッチ手段の後段に接続され、当該スイッチ手段のオン・オフ操作により通電制御される第1の電源部と、
電源供給源から常時通電される第2の電源部と、
を備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像処理装置であって、
前記第1及び第2の電源部は電源供給源である交流の商用電源を直流に変換するAC/DCコンバータであることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の画像処理装置であって、
前記スイッチ手段がオフからオンに移行したとき、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部及び前記コントローラ部に搭載された各部への電源供給をオンとし、
前記起動制御手段は前記起動処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、
前記検知手段が前記オフ状態からオン状態に変化したことを検知したときには、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部に電源供給し、前記起動制御手段はコールドスタートとして前記起動処理を開始することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、
前記起動手段は、前記検知手段に対して次回の起動をコールドスタートとするか、ウォームスタートとするかを直接設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像処理装置であって、
前記スイッチ手段がオフ状態のとき、前記省エネルギ制御手段は前記第1の電源部へのオン/オフ制御信号をオン状態に設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
イーサネットに接続するI/O制御部を備え、
前記スイッチ手段がオフ状態のとき、前記省エネルギ制御手段は前記I/O制御部への電源供給をオフ状態に設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記第2の電源部からの電源供給がオフ状態からオン状態に変化したことを検知する検知手段を備え、
前記検知手段が前記オフ状態からオン状態に変化したことを検知したときには、前記省エネルギ制御手段は前記エンジン部に電源供給し、前記起動制御手段はウォームスタートで前記起動処理を開始し、ウォッチドッグエラー発生時、コールドスタートに切り替えて、再起動することを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記ウォームスタートによる起動処理では、前記記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
前記コールドスタートによる起動処理では、コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から起動処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、
前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、
前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、
を有する画像処理装置の起動制御方法であって、
起動処理を行うための命令及びデータを予め記憶手段に格納しておき、
省エネルギ状態から通常状態に移行する際に、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がウォームスタートかコールドスタートかを判断し、
ウォームスタートであれば、当該記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を開始し、
コールドスタートであれば、前記コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から起動処理を実行すること
を特徴とする起動制御方法。
【請求項13】
シート状の記録媒体に対して可視画像を形成するエンジン部と、
前記エンジン部を含む装置全体を制御するコントローラ部と、
前記エンジン部及びコントローラ部に電源を供給する電源供給部と、
を有する画像処理装置の起動制御をコンピュータによって実行するための起動制御プログラムであって、
起動処理を行うための命令及びデータを予め記憶手段に格納しておく手順と、
省エネルギ状態から通常状態に移行する際に、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて起動がウォームスタートかコールドスタートかを判断する手順と、
前記判断によりウォームスタートであれば、当該記憶手段に格納されている命令及びデータに基づいて前記コントローラ部の起動処理を開始する手順と、
前記判断によりコールドスタートであれば、前記コントローラ部に搭載されたROMからコード及びデータを読み出し、前記記憶手段に転送し、当該記憶手段から前記起動処理を実行する手順と、
を備えていることを特徴とする起動制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−269496(P2010−269496A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122430(P2009−122430)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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