説明

画像処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体

【課題】より精度良くブロックノイズを検出する。
【解決手段】動き予測処理部は、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出し、動き補償処理部は、動きベクトルを用いて参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成し、差分算出部は、基準画像と動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出し、閾値処理部は、差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する。本技術は、画像処理装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、より精度良くブロックノイズを検出することができるようにする画像処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像の符号化処理および復号処理は、ブロック単位で行われるが、画像信号の圧縮率を高くした場合、隣り合うブロック間に階調差が生じることがある。特に、階調変化の緩やかな部分においては、その階調差が生じやすい。この階調差によるノイズはブロックノイズと呼ばれている。
【0003】
このようなブロックノイズを検出するために、画像において、隣接するブロックの1次微分値を求めるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2001−119695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術においては、画像に含まれるエッジ部分とブロックの境界部分とが一致した場合、ブロックノイズを含まないのにもかかわらず、そのブロックが、ブロックノイズを含むブロックとして誤検出されてしまっていた。
【0006】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より精度良くブロックノイズを検出することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の一側面の画像処理装置は、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出する動き予測処理部と、前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成する動き補償処理部と、前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出する差分算出部と、前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する閾値処理部とを備える。
【0008】
前記差分算出部には、ブロック単位の前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出させ、前記差分値を、所定の関数で近似する近似処理部と、前記所定の関数を積分する積分処理部とをさらに設け、前記閾値処理部には、前記積分処理部により得られた積分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定させることができる。
【0009】
前記差分算出部には、前記基準画像と前記動き補償画像の、注目ブロックにおいて隣接ブロックに隣接する境界部分の画素の画素値の差分値を算出させることができる。
【0010】
前記差分算出部には、前記基準画像と前記動き補償画像の、注目ブロックにおいて隣接ブロックに隣接する境界部分の画素を間引いた画素の画素値の差分値を算出させることができる。
【0011】
前記閾値処理部には、前記積分処理部により得られた積分値と、画像の輝度値に対応するノイズ強度に基づいて設定される閾値とを比較することで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定させることができる。
【0012】
前記差分算出部には、前記基準画像の画素の画素値を微分した第1の微分値と、前記動き補償画像の画素の画素値を微分した第2の微分値の差分値を算出させ、前記閾値処理部には、前記第1の微分値と前記第2の微分値の差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定させることができる。
【0013】
前記差分算出部には、前記基準画像における、注目ブロックおよび隣接ブロックの境界部分の画素の画素値を微分した前記第1の微分値と、前記動き補償画像における、前記注目ブロックおよび前記隣接ブロックの境界部分の画素の画素値を微分した前記第2の微分値の差分値を算出させることができる。
【0014】
ブロックの境界部分の前記差分値の平均値を算出する平均値算出部をさらに設け、前記閾値処理部には、前記平均値算出部により算出された平均値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定させることができる。
【0015】
前記閾値処理部には、前記第1の微分値と前記第2の微分値の差分値と、画像の輝度値に対応するノイズ強度に基づいて設定される閾値とを比較することで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定させることができる。
【0016】
前記差分算出部により算出された前記差分値を微分する微分処理部をさらに設け、前記閾値処理部には、前記微分処理部により算出された微分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定させることができる。
【0017】
前記微分処理部には、注目ブロックおよび隣接ブロックの境界部分の前記差分値を微分させることができる。
【0018】
ブロックの境界部分の前記微分値の平均値を算出する平均値算出部をさらに設け、前記閾値処理部には、前記平均値算出部により算出された平均値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定させることができる。
【0019】
前記閾値処理部には、前記微分処理部により算出された前記微分値と、画像の輝度値に対応するノイズ強度に基づいて設定される閾値とを比較することで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定させることができる。
【0020】
本技術の一側面の画像処理方法は、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出する動き予測処理部と、前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成する動き補償処理部と、前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出する差分算出部と、前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する閾値処理部とを備える画像処理装置の画像処理方法であって、前記画像処理装置が、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出し、前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成し、前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出し、前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定するステップを含む。
【0021】
本技術の一側面のプログラムおよび一側面の記録媒体に記録されるプログラムは、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップと、前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成する動き補償処理ステップと、前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出する差分算出ステップと、前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する判定ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0022】
本技術の一側面においては、基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルが検出され、動きベクトルを用いて参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像が生成され、基準画像と動き補償画像の画素の画素値の差分値が算出され、差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かが判定される。
【発明の効果】
【0023】
本技術の一側面によれば、より精度良くブロックノイズを検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本技術を適用した画像処理装置の一実施の形態の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】ブロックノイズ検出部の第1の構成例を示すブロック図である。
【図3】ブロックノイズ検出の仕組みについて説明する図である。
【図4】ブロックノイズ検出結果出力処理について説明するフローチャートである。
【図5】図2のブロックノイズ検出部によるブロックノイズ検出処理について説明するフローチャートである。
【図6】ブロックの境界部分の差分値について説明する図である。
【図7】輝度値に対するノイズ強度について説明する図である。
【図8】ブロックノイズ検出の第1の構成の変形例を示すブロック図である。
【図9】図8のブロックノイズ検出部によるブロックノイズ検出処理について説明するフローチャートである。
【図10】ブロックノイズ検出部の第2の構成例を示すブロック図である。
【図11】図10のブロックノイズ検出部によるブロックノイズ検出処理について説明するフローチャートである。
【図12】差分値の近似について説明する図である。
【図13】積分処理について説明する図である。
【図14】区分求積法について説明する図である。
【図15】区分求積法について説明する図である。
【図16】コンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.画像処理装置の構成
2.ブロックノイズ検出部の第1の構成例
3.ブロックノイズ検出結果出力処理とブロックノイズ検出処理について
4.ブロックノイズ検出部の第1の構成の変形例とブロックノイズ検出処理
5.ブロックノイズ検出部の第2の構成例とブロックノイズ検出処理
【0026】
<1.画像処理装置の構成>
図1は、本技術を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成を示している。
【0027】
図1の画像処理装置11は、例えば、図示せぬ撮像装置から供給(入力)されてくる基準画像(以下、Cur画という)と、そのCur画より時間的に前の参照画像(以下、Ref画という)とを用いてブロックマッチングを行い、Cur画の予測画像を生成する。そして、画像処理装置11は、Cur画と予測画像とを比較することで、予測画像に含まれるブロックノイズを検出し、その検出結果を出力する。なお、画像処理装置11に入力される画像は、時間的に連続した複数のフレームからなる動画像であり、Ref画は、ブロックノイズの検出結果に基づいて、他の画像処理装置によってCur画に対してノイズ低減処理が施されたノイズ低減画像である。また、画像処理装置11は、それ自身がデジタルカメラ等の撮像装置に設けられるようにしてもよい。
【0028】
図1の画像処理装置11は、動き予測処理部31、動き補償処理部32、およびブロックノイズ検出部33から構成される。
【0029】
動き予測処理部31は、注目しているフレームとしてのCur画と、1フレーム前のRef画とから、これらの画像を構成するブロック単位の動きベクトルMVを検出し、動き補償処理部32に供給する。具体的には、動き予測処理部31は、Cur画のブロックと、対応するRef画のブロックとの位置合わせを行うことで、ブロック単位の動きベクトルMVを求める。
【0030】
動き補償処理部32は、動き予測処理部31からの、ブロック単位の動きベクトルMVを用いてRef画の動き補償を行うことで、Ref画をブロック単位でCur画に位置合わせした動き補償画像(以下、MC画という)を生成し、ブロックノイズ検出部33に供給する。
【0031】
ブロックノイズ検出部33は、Cur画と、動き補償処理部32からのMC画とを比較することで、MC画に含まれるブロックノイズを検出し、その検出結果を出力する。具体的には、ブロックノイズ検出部33は、Cur画とMC画の画素の画素値の差分値を求め、その差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位のMC画に含まれるブロックノイズを検出する。
【0032】
<2.ブロックノイズ検出部の第1の構成例>
次に、図2を参照して、ブロックノイズ検出部33の第1の構成例について説明する。
【0033】
図2のブロックノイズ検出部33は、フィルタ処理部51、フィルタ処理部52、微分処理部53、微分処理部54、差分算出部55、平均値算出部56、および閾値処理部57から構成される。
【0034】
フィルタ処理部51は、Cur画に対してフィルタ処理を施し、微分処理部53に供給する。具体的には、フィルタ処理部51は、メディアンフィルタやローパスフィルタ、メディアンフィルタとローパスフィルタとの組み合わせのフィルタ等を用いて、Cur画に対してフィルタ処理を施す。
【0035】
フィルタ処理部52は、MC画に対してフィルタ処理を施し、微分処理部54に供給する。具体的には、フィルタ処理部52は、フィルタ処理部51と同様に、メディアンフィルタやローパスフィルタ、メディアンフィルタとローパスフィルタとの組み合わせのフィルタ等を用いて、MC画に対してフィルタ処理を施す。
【0036】
微分処理部53は、フィルタ処理部51によってフィルタ処理が施されたCur画の画素の画素値を微分した微分値を求め、差分算出部55に供給する。例えば、図3Aに示されるように、図中矢印方向(x軸方向)に並ぶCur画の画素間の画素値の差分値(1次微分値)を求める。図3Aに示されるように、Cur画の1次微分値は、Cur画におけるエッジ部分(Cur画の左右方向中心部分)で、その値が大きくなる。
【0037】
微分処理部54は、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたMC画の画素の画素値を微分した微分値を求め、差分算出部55に供給する。例えば、図3B示されるように、図中矢印方向(x軸方向)に並ぶブロック単位のMC画の画素間の画素値の差分(1次微分値)を求める。図3Bに示されるように、MC画の1次微分値は、MC画におけるエッジ部分(Cur画の左右方向中心部分)とブロックノイズを含むブロック(網掛けされているブロック)の境界部分で、その値が大きくなる。
【0038】
差分算出部55は、微分処理部53からのCur画の微分値と、微分処理部54からのMC画の微分値の差分値を算出し、平均値算出部56に供給する。すなわち、図3Aに示されるCur画の1次微分値と、図3Bに示されるMC画の1次微分値との差分値は、図3Cに示されるように、それぞれのエッジ部分の値は相殺され、ブロックノイズを含むブロックの境界部分のみが値をもつようになっている。
【0039】
平均値算出部56は、差分算出部55からの差分値の平均値を、ブロック単位で算出し、閾値処理部57に供給する。
【0040】
閾値処理部57は、平均値算出部56からの平均値が、所定の閾値より大きいか否かをブロック単位で判定することで、そのブロックのMC画にブロックノイズが含まれているか否かを示す検出結果を出力する。
【0041】
<3.ブロックノイズ検出結果出力処理とブロックノイズ検出処理について>
次に、図4および図5のフローチャートを参照して、図1の画像処理装置11によるブロックノイズ検出結果出力処理、および、図2のブロックノイズ検出部33によるブロックノイズ検出処理について説明する。
【0042】
[ブロックノイズ検出結果出力処理について]
まず、図4のフローチャートを参照して、図1の画像処理装置11によるブロックノイズ検出結果出力処理について説明する。
【0043】
ステップS11において、動き予測処理部31は、Cur画とRef画とから、ブロック毎に、動きベクトルMVを検出し、動き補償処理部32に供給する。
【0044】
ステップS12において、動き補償処理部32は、動き予測処理部31からの動きベクトルMVを用いてRef画の動き補償を行うことで、動き補償画像(MC画)を生成し、ブロックノイズ検出部33に供給する。
【0045】
ステップS13において、ブロックノイズ検出部33は、ブロックノイズ検出処理を実行することで、MC画に含まれるブロックノイズを検出し、その検出結果を出力する。
【0046】
以上のようにして、MC画におけるブロックノイズの検出結果が出力される。
【0047】
[ブロックノイズ検出処理について]
次に、図5のフローチャートを参照して、図4のフローチャートのステップS13におけるブロックノイズ検出処理について説明する。
【0048】
ステップS31において、フィルタ処理部51は、Cur画に対してフィルタ処理を施し、微分処理部53に供給する。
【0049】
ステップS32において、フィルタ処理部52は、MC画に対してフィルタ処理を施し、微分処理部54に供給する。
【0050】
このように、Cur画およびMC画に対してフィルタ処理を施すことにより、それぞれの画像に含まれるノイズを抑制することができる。なお、ステップS31,S32の処理は、並列して実行されてもよい。
【0051】
ステップS33において、微分処理部53は、フィルタ処理部51によってフィルタ処理が施された、注目している注目ブロックと、注目ブロックに隣接する隣接ブロックの境界部分のCur画に対して微分処理を施す。具体的には、微分処理部53は、Cur画において、注目ブロックの4辺と、その4辺に隣接する隣接ブロックの画素の画素値の差分値を求め、差分算出部55に供給する。
【0052】
ステップS34において、微分処理部54は、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施された、注目ブロックと隣接ブロックの境界部分のMC画に対して微分処理を施す。具体的には、微分処理部54は、MC画において、注目ブロックの4辺と、その4辺に隣接する隣接ブロックの画素の画素値の差分値を求め、差分算出部55に供給する。
【0053】
ステップS35において、差分算出部55は、微分処理部53からの、注目ブロック4辺分のCur画の微分値(差分値)と、微分処理部54からの、注目ブロック4辺分のMC画の微分値(差分値)の差分値を算出し、平均値算出部56に供給する。
【0054】
ステップS36において、平均値算出部56は、差分算出部55からの4辺分の差分値の平均値を、1辺毎に算出し、閾値処理部57に供給する。例えば、1ブロックが8×8画素で構成される場合、平均値算出部56は、8画素分の差分値の平均値を1辺毎に算出する。
【0055】
すなわち、図6の右側に示されるように、注目ブロックと隣接ブロックの境界部分の画素値が画素(ピクセル)単位で比較された値が用いられるのではなく、注目ブロックと隣接ブロックの境界部分の画素値が境界線単位(ブロックの1辺単位)で比較された値が用いられる。このように、差分値を合算して平均することで、Cur画に含まれるイメージセンサ由来のノイズの影響を抑えることができるようになる。
【0056】
ここで、Cur画の微分値(差分値)をΔCur、MC画の微分値(差分値)をΔMcとすると、平均値算出部56により得られる平均値block_strengthは、以下の式(1)で表わされる。
【0057】
【数1】

・・・(1)
【0058】
なお、式(1)におけるblocksizeは、ブロックサイズであり、上述した例では8となる。また、式(1)において、abs(A)は、Aの絶対値を示している。この平均値block_strengthの値が大きいほど、注目ブロックと隣接ブロックとの間に階調差が生じているということができる。
【0059】
なお、ブロックの4辺それぞれについて、差分値の平均値を求めるようにしたが、例えば、8画素分(ブロックの1辺分)の差分値のうちのいずれか1つを平均値として扱うようにしてもよい。
【0060】
このようにして、注目ブロックについての平均値は4つ、すなわち、ブロックの4辺分得られる。
【0061】
図5のフローチャートに戻り、ステップS37において、閾値処理部57は、平均値算出部56からの、ブロックの4辺それぞれについての平均値が、予め求められた、輝度値に対するノイズ強度に基づいて設定された閾値より大きいか否かを判定する。
【0062】
図7は、図示せぬ撮像装置によって得られる画像の、輝度値に対するノイズ強度を示している。
【0063】
図7において、横軸は、画素の輝度値を示しており、縦軸は、ノイズ強度を示している。ノイズ強度は、画素によってばらつきを持っているので、画像全体おける画素毎のノイズ強度の分布を予め求め、そのノイズ強度の分布に基づいて、図7に示されるノイズ強度が得られる。
【0064】
なお、ノイズ強度は、R,G,Bの3チャンネルの輝度値(輝度信号)について与えられるものであり、図7に示されるノイズ強度は、例えばG信号についてのノイズ強度を示しているものとする。
【0065】
すなわち、閾値処理部57は、注目ブロックの、Cur画における画素の輝度値(例えばG信号)に基づいて、図7に示される関係から、その輝度値に対応するノイズ強度に基づいた閾値Thを設定する。そして、閾値処理部57は、その閾値Thと、平均値算出部56からの、ブロックの4辺それぞれについての平均値とを、以下の式(2)を用いて比較し、平均値が閾値より大きいか否かを判定する。
【0066】
【数2】

・・・(2)
【0067】
ステップS37において、ブロックの4辺それぞれについての平均値のうちのいずれか1つが閾値より大きいと判定された場合、処理はステップS38に進み、閾値処理部57は、ブロックノイズが検出された旨の検出結果を出力する。
【0068】
一方、ステップS37において、ブロックの4辺それぞれについての平均値の全てが閾値より大きくないと判定された場合、処理はステップS39に進み、閾値処理部57は、ブロックノイズが検出されなかった旨の検出結果を出力する。
【0069】
ステップS40において、閾値処理部57は、全てのブロックについて処理したか否かを判定する。
【0070】
ステップS40において、全てのブロックについて処理していないと判定された場合、処理はステップS33に戻り、これ以降の処理が繰り返される。
【0071】
一方、ステップS40において、全てのブロックについて処理したと判定された場合、ブロックノイズ検出処理は終了する。その後、処理は、図4のフローチャートのステップS13に戻る。
【0072】
以上の処理によれば、Cur画のブロック境界部分の微分値と、MC画のブロック境界部分の微分値の差分値が算出され、その差分値が、ノイズ強度に応じて設定される閾値より大きいか否かが判定されることで、MC画のブロックに含まれるブロックノイズが検出されるようになる。したがって、画像に含まれるエッジ部分とブロックの境界部分とが一致した場合であっても、エッジ部分の値は相殺されるので、エッジ部分でブロックノイズを誤検出することなく、より精度良くブロックノイズを検出することができる。
【0073】
また、ノイズ強度に応じて設定される閾値を用いることにより、撮像環境において照度が変化した場合であっても、そのときの輝度値に対応するノイズ強度に応じて閾値処理を行うことができるので、照度変化に対しても精度良くブロックノイズを検出ことができる。
【0074】
なお、上述した説明では、ブロックの4辺それぞれについての平均値のうちのいずれか1つが閾値より大きいと判定された場合に、ブロックノイズが検出された旨の検出結果が出力されるものとしたが、ブロックの4辺それぞれについての平均値のうちの少なくともいずれか1つ(例えば、2つまたは3つ)や全てが閾値より大きいと判定された場合に、ブロックノイズが検出された旨の検出結果が出力されるようにしてもよい。
【0075】
以上においては、Cur画およびMC画の微分値を求めてから、それぞれの差分値を求める構成について説明してきたが、以下においては、Cur画およびMC画の差分値を求めてから、その微分値を求める構成について説明する。
【0076】
<3.ブロックノイズ検出部の第1の構成の変形例とブロックノイズ検出処理>
[ブロックノイズ検出部の第1の構成の変形例]
まず、図8を参照して、ブロックノイズ検出部の第1の構成の変形例について説明する。
【0077】
図8のブロックノイズ検出部131は、フィルタ処理部51、フィルタ処理部52、閾値処理部57、差分算出部151、微分処理部152、および平均値算出部153から構成される。
【0078】
なお、図8のブロックノイズ検出部131において、図2のブロックノイズ検出部33に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は省略する。
【0079】
すなわち、差分算出部151は、フィルタ処理部51によってフィルタ処理が施されたCur画の画素の画素値と、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたMC画の画素の画素値の差分値を算出し、微分処理部152に供給する。
【0080】
微分処理部152は、差分算出部151からの差分値を微分した微分値を求め、平均値算出部153に供給する。
【0081】
平均値算出部153は、微分処理部152からの微分値の平均値を、ブロック単位で算出し、閾値処理部57に供給する。
【0082】
[ブロックノイズ検出処理について]
次に、図9のフローチャートを参照して、図8のブロックノイズ検出部131によるブロックノイズ検出処理について説明する。
【0083】
なお、図9のフローチャートのステップS131,S132,S136乃至S139の処理は、図5のフローチャートのステップS31,S32,S37乃至S40の処理とそれぞれ同様であるので、その説明は省略する。
【0084】
すなわち、ステップS133において、差分算出部151は、フィルタ処理部51からのCur画の画素の画素値と、フィルタ処理部52からのMC画の画素の画素値の差分値を算出し、微分処理部152に供給する。
【0085】
ステップS134において、微分処理部152は、差分算出部151から差分値に対して微分処理を施す。具体的には、微分処理部152は、注目ブロックの4辺と、その4辺に隣接する隣接ブロックの画素の差分値の微分値(差分値)を求め、平均値算出部153に供給する。
【0086】
ステップS135において、平均値算出部153は、微分処理部152からの4辺分の微分値の平均値を、1辺毎に算出し、閾値処理部57に供給する。
【0087】
図9のフローチャートで示されるブロックノイズ検出処理においても、図5のフローチャートで示されるブロックノイズ検出処理と同様の作用効果を奏することができる。
【0088】
<4.ブロックノイズ検出処理部の第2の構成例とブロックノイズ検出処理>
[ブロックノイズ検出処理部の第2の構成例]
次に、図10を参照して、ブロックノイズ検出処理部の第2の構成例について説明する。
【0089】
図10のブロックノイズ検出部231は、フィルタ処理部51、フィルタ処理部52、差分算出部251、近似処理部252、積分処理部253、および閾値処理部254から構成される。
【0090】
なお、図10のブロックノイズ検出部231において、図2のブロックノイズ検出部33に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は省略する。
【0091】
すなわち、差分算出部251は、フィルタ処理部51によってフィルタ処理が施されたCur画の画素の画素値と、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたMC画の画素の画素値の差分値を算出し、近似処理部252に供給する。
【0092】
近似処理部252は、差分算出部251からの差分値を、所定の関数で近似し、積分処理部253に供給する。
【0093】
積分処理部253は、近似処理部252からの関数に対して積分処理を施し、得られた積分値を、閾値処理部254に供給する。
【0094】
閾値処理部254は、積分処理部253からの積分値が、所定の閾値より大きいか否かをブロック単位で判定することで、そのブロックのMC画にブロックノイズが含まれているか否かを示す検出結果を出力する。
【0095】
[ブロックノイズ検出処理について]
ここで、図11のフローチャートを参照して、図10のブロックノイズ検出部231によるブロックノイズ検出処理について説明する。
【0096】
なお、図11のフローチャートのステップS231,S232の処理は、図5のフローチャートのステップS31,S32の処理とそれぞれ同様であるので、その説明は省略する。
【0097】
すなわち、ステップS233において、差分算出部251は、フィルタ処理部51によってフィルタ処理が施されたCur画の注目ブロックの、隣接ブロックに隣接する境界部分の画素の画素値と、フィルタ処理部52によってフィルタ処理が施されたMC画の注目ブロックの、隣接ブロックに隣接する境界部分の画素の画素値の差分値を算出し、近似処理部252に供給する。具体的には、差分算出部251は、Cur画とMC画の、注目ブロックの4辺を構成する画素の画素値の差分値を求める。
【0098】
ステップS234において、近似処理部252は、差分算出部251からの、注目ブロック4辺分の差分値を、1次関数で近似し、積分処理部253に供給する。
【0099】
例えば、図12に示される、8×8画素の注目ブロックBLについて、その4辺のうちの上辺を構成する画素の差分値(図中太線部分)が、d0乃至d3で与えられているものとする。なお、注目ブロックBLは、8×8画素で構成されているので、1辺あたりの差分値は8つ求められるが、ここでは、画素を間引いて(1画素飛ばしで)、画素位置−3,−1,1,3の4画素について、4つの差分値d0乃至d3が求められているものとする。このように、画素を間引いた形で差分値を求めることで、演算コストを抑えることができる。
【0100】
この場合、近似処理部252は、4つの差分値d0乃至d3に対して、1次近似直線Lを求める。このように、1次近似直線を求めることで、Cur画に含まれるイメージセンサ由来のノイズの影響を抑えることができるようになる。
【0101】
ステップS235において、積分処理部253は、近似処理部252によって求められた1次関数に対して積分処理を施し、注目ブロックの4辺それぞれについて求められた積分値を、閾値処理部254に供給する。
【0102】
すなわち、積分処理部253は、図12に示される画素位置をx軸の座標とした場合、以下の式(3)を用いて、近似処理部252によって求められた1次関数に対して積分処理を施す。
【数3】

・・・(3)
【0103】
式(3)において、値aは、1次近似直線Lの傾き、値bは、1次近似直線Lの切片を表す。
【0104】
なお、値aおよび値bを、差分値d0乃至d3を用いて、最小二乗法により計算すると、式(3)は、以下の式(4)で表わされる。
【0105】
【数4】

・・・(4)
【0106】
このようにして、注目ブロックについての積分値は4つ、すなわち、ブロックの4辺分得られる。
【0107】
図11のフローチャートに戻り、ステップS236において、閾値処理部254は、積分処理部253からの、ブロックの4辺分それぞれについての積分値が、予め求められた、輝度値に対するノイズ強度に基づいて設定された閾値より大きいか否かを判定する。
【0108】
具体的には、閾値処理部254は、注目ブロックの、Cur画における画素の輝度値(例えばG信号)に基づいて、図7に示される関係から、その輝度値に対応するノイズ強度に基づいた閾値Thを設定する。そして、閾値処理部254は、その閾値Thと、積分処理部253からの積分値とを、以下の式(5)を用いて比較し、ブロックの4辺分それぞれについての積分値が閾値より大きいか否かを判定する。
【0109】
【数5】

・・・(5)
【0110】
ステップS236において、ブロックの4辺分それぞれについての積分値のうちのいずれか1つが閾値より大きいと判定された場合、処理はステップS237に進み、閾値処理部234は、ブロックノイズが検出された旨の検出結果を出力する。
【0111】
一方、ステップS236において、ブロックの4辺分それぞれについての積分値の全てが閾値より大きくないと判定された場合、処理はステップS238に進み、閾値処理部234は、ブロックノイズが検出されなかった旨の検出結果を出力する。
【0112】
ステップS239において、閾値処理部234は、全てのブロックについて処理したか否かを判定する。
【0113】
ステップS234において、全てのブロックについて処理していないと判定された場合、処理はステップS233に戻り、これ以降の処理が繰り返される。
【0114】
一方、ステップS234において、全てのブロックについて処理したと判定された場合、ブロックノイズ検出処理は終了する。
【0115】
以上の処理によれば、Cur画のブロック境界部分の画素値と、MC画のブロック境界部分の画素値の差分値が算出され、その差分値の近似関数の積分値が、ノイズ強度に応じて設定される閾値より大きいか否かが判定されることで、MC画のブロックに含まれるブロックノイズが検出されるようになる。したがって、画像に含まれるエッジ部分とブロックの境界部分とが一致した場合であっても、エッジ部分の値は相殺されるので、エッジ部分でブロックノイズを誤検出することなく、より精度良くブロックノイズを検出することができる。
【0116】
また、ノイズ強度に応じて設定される閾値を用いることにより、撮像環境において照度が変化した場合であっても、そのときの輝度値に対応するノイズ強度に応じて閾値処理を行うことができるので、照度変化に対してもより精度良くブロックノイズを検出ことができる。
【0117】
さらに、上述した処理においては、注目ブロックの画素と隣接ブロックの画素との差分値(微分値)を求める必要がないので、注目ブロックのみを参照すればよく、図5や図9のフローチャートを参照して説明した処理と比較して、演算コストを削減することが可能となる。
【0118】
なお、上述した説明では、ブロックの4辺それぞれについての積分値のうちのいずれか1つが閾値より大きいと判定された場合に、ブロックノイズが検出された旨の検出結果が出力されるものとしたが、ブロックの4辺それぞれについての積分値のうちの少なくともいずれか1つ(例えば、2つまたは3つ)や全てが閾値より大きいと判定された場合に、ブロックノイズが検出された旨の検出結果が出力されるようにしてもよい。
【0119】
また、上述のステップS235においては、1次近似直線Lに対して積分処理を行うようにしたが、これは、図13に示されるように、x軸と1次近似直線Lとで与えられる、網掛けされた領域の面積を求めることと同義である。
【0120】
そこで、処理を簡略化するために、1次近似直線Lに対する積分処理に代えて、1次近似直線Lについて区分求積法を用いるようにしてもよい。
【0121】
例えば、図14に示されるように、注目ブロックの所定の1辺についての差分値と1次近似直線Lが与えられている場合、1次近似直線Lに対する積分値、すなわち、網掛けされた領域の面積は、図15に示される、4つの矩形領域の面積を求めることで得られる。
【0122】
なお、1ブロックが8×8画素で構成され、ブロック1辺について4つの画素(差分値)を用いて積分値(面積)を求める場合、図15における矩形の幅は2となり、高さは各画素についての1次近似直線Lとなる。
【0123】
ここで、4つの矩形領域の面積をAとすると、面積Aは、以下の式(6)で与えられる。
【0124】
【数6】

・・・(6)
【0125】
式(6)において、d0はx=0における差分値、d1はx=2における差分値、d2はx=4における差分値、d3はx=6における差分値をそれぞれ表しており、式(6)は、以下の式(7)に示すように展開することができる。
【0126】
【数7】

・・・(7)
【0127】
このように、積分処理の代わりに、区分求積法を用いることで、演算が簡単になるので、演算コストを削減することが可能となる。
【0128】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0129】
図16は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0130】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。
【0131】
バス904には、さらに、入出力インタフェース905が接続されている。入出力インタフェース905には、キーボード、マウス、マイクロホン等よりなる入力部906、ディスプレイ、スピーカ等よりなる出力部907、ハードディスクや不揮発性のメモリ等よりなる記憶部908、ネットワークインタフェース等よりなる通信部909、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等のリムーバブルメディア911を駆動するドライブ910が接続されている。
【0132】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU901が、例えば、記憶部908に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース905およびバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0133】
コンピュータ(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等よりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア911に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0134】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インタフェース905を介して、記憶部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記憶部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記憶部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0135】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0136】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0137】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0138】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0139】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0140】
また、本技術は以下のような構成をとることができる。
(1) 基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出する動き予測処理部と、
前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成する動き補償処理部と、
前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出する差分算出部と、
前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する閾値処理部と
を備える画像処理装置。
(2) 前記差分算出部は、ブロック単位の前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出し、
前記差分値を、所定の関数で近似する近似処理部と、
前記所定の関数を積分する積分処理部とをさらに備え、
前記閾値処理部は、前記積分処理部により得られた積分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
(1)に記載の画像処理装置。
(3) 前記差分算出部は、前記基準画像と前記動き補償画像の、注目ブロックにおいて隣接ブロックに隣接する境界部分の画素の画素値の差分値を算出する
(2)に記載の画像処理装置。
(4) 前記差分算出部は、前記基準画像と前記動き補償画像の、注目ブロックにおいて隣接ブロックに隣接する境界部分の画素を間引いた画素の画素値の差分値を算出する
(3)に記載の画像処理装置
(5) 前記閾値処理部は、前記積分処理部により得られた積分値と、画像の輝度値に対応するノイズ強度に基づいて設定される閾値とを比較することで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
(2)乃至(4)のいずれかに記載の画像処理装置。
(6) 前記差分算出部は、前記基準画像の画素の画素値を微分した第1の微分値と、前記動き補償画像の画素の画素値を微分した第2の微分値と差分値を算出し、
前記閾値処理部は、前記第1の微分値と前記第2の微分値の差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
(1)に記載の画像処理装置。
(7) 前記差分算出部は、前記基準画像における、注目ブロックおよび隣接ブロックの境界部分の画素の画素値を微分した前記第1の微分値と、前記動き補償画像における、前記注目ブロックおよび前記隣接ブロックの境界部分の画素の画素値を微分した前記第2の微分値の差分値を算出する
(6)に記載の画像処理装置。
(8) ブロックの境界部分の前記差分値の平均値を算出する平均値算出部をさらに備え、
前記閾値処理部は、前記平均値算出部により算出された平均値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
(7)に記載の画像処理装置。
(9) 前記閾値処理部は、前記第1の微分値と前記第2の微分値の差分値と、画像の輝度値に対応するノイズ強度に基づいて設定される閾値とを比較することで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
(6)乃至(8)のいずれかに記載の画像処理装置。
(10) 前記差分算出部により算出された前記差分値を微分する微分処理部をさらに備え、
前記閾値処理部は、前記微分処理部により算出された微分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
(1)に記載の画像処理装置。
(11) 前記微分処理部は、注目ブロックおよび隣接ブロックの境界部分の前記差分値を微分する
(10)に記載の画像処理装置。
(12) ブロックの境界部分の前記微分値の平均値を算出する平均値算出部をさらに備え、
前記閾値処理部は、前記平均値算出部により算出された平均値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
(11)に記載の画像処理装置。
(13) 前記閾値処理部は、前記微分処理部により算出された前記微分値と、画像の輝度値に対応するノイズ強度に基づいて設定される閾値とを比較することで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
(10)乃至(12)のいずれかに記載の画像処理装置。
(14) 基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出する動き予測処理部と、
前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成する動き補償処理部と、
前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出する差分算出部と、
前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する閾値処理部と
を備える画像処理装置の画像処理方法であって、
前記画像処理装置が、
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出し、
前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成し、
前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出し、
前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する
ステップを含む画像処理方法。
(15) 基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップと、
前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成する動き補償処理ステップと、
前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出する差分算出ステップと、
前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する判定ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(16) 基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップと、
前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成する動き補償処理ステップと、
前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出する差分算出ステップと、
前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する判定ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。
【符号の説明】
【0141】
11 画像処理装置, 31 動き予測処理部, 32 動き補償処理部, 33 ブロックノイズ検出部, 53 微分処理部, 54 微分処理部, 55 差分算出部, 56 平均値算出部, 57 閾値処理部, 151 差分算出部, 152 微分処理部, 153 平均値算出部, 251 差分算出部, 252 近似処理部, 253 積分処理部, 254 閾値処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出する動き予測処理部と、
前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成する動き補償処理部と、
前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出する差分算出部と、
前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する閾値処理部と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記差分算出部は、ブロック単位の前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出し、
前記差分値を、所定の関数で近似する近似処理部と、
前記所定の関数を積分する積分処理部とをさらに備え、
前記閾値処理部は、前記積分処理部により得られた積分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記差分算出部は、前記基準画像と前記動き補償画像の、注目ブロックにおいて隣接ブロックに隣接する境界部分の画素の画素値の差分値を算出する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記差分算出部は、前記基準画像と前記動き補償画像の、注目ブロックにおいて隣接ブロックに隣接する境界部分の画素を間引いた画素の画素値の差分値を算出する
請求項3に記載の画像処理装置
【請求項5】
前記閾値処理部は、前記積分処理部により得られた積分値と、画像の輝度値に対応するノイズ強度に基づいて設定される閾値とを比較することで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記差分算出部は、前記基準画像の画素の画素値を微分した第1の微分値と、前記動き補償画像の画素の画素値を微分した第2の微分値と差分値を算出し、
前記閾値処理部は、前記第1の微分値と前記第2の微分値の差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記差分算出部は、前記基準画像における、注目ブロックおよび隣接ブロックの境界部分の画素の画素値を微分した前記第1の微分値と、前記動き補償画像における、前記注目ブロックおよび前記隣接ブロックの境界部分の画素の画素値を微分した前記第2の微分値の差分値を算出する
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
ブロックの境界部分の前記差分値の平均値を算出する平均値算出部をさらに備え、
前記閾値処理部は、前記平均値算出部により算出された平均値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記閾値処理部は、前記第1の微分値と前記第2の微分値の差分値と、画像の輝度値に対応するノイズ強度に基づいて設定される閾値とを比較することで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記差分算出部により算出された前記差分値を微分する微分処理部をさらに備え、
前記閾値処理部は、前記微分処理部により算出された微分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記微分処理部は、注目ブロックおよび隣接ブロックの境界部分の前記差分値を微分する
請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
ブロックの境界部分の前記微分値の平均値を算出する平均値算出部をさらに備え、
前記閾値処理部は、前記平均値算出部により算出された平均値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記閾値処理部は、前記微分処理部により算出された前記微分値と、画像の輝度値に対応するノイズ強度に基づいて設定される閾値とを比較することで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項14】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出する動き予測処理部と、
前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成する動き補償処理部と、
前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出する差分算出部と、
前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する閾値処理部と
を備える画像処理装置の画像処理方法であって、
前記画像処理装置が、
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出し、
前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成し、
前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出し、
前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像に前記ブロックノイズが含まれるか否かを判定する
ステップを含む画像処理方法。
【請求項15】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップと、
前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成する動き補償処理ステップと、
前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出する差分算出ステップと、
前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する判定ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
基準画像および参照画像から、画像を構成するブロック単位の動きベクトルを検出する動きベクトル検出ステップと、
前記動きベクトルを用いて前記参照画像の動き補償を行うことで、動き補償画像を生成する動き補償処理ステップと、
前記基準画像と前記動き補償画像の画素の画素値の差分値を算出する差分算出ステップと、
前記差分値に対して閾値処理を施すことで、ブロック単位の前記動き補償画像にブロックノイズが含まれるか否かを判定する判定ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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