説明

画像処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】よりコストの低い演算で、入力画像の構図を詳細な構図パターンに分類する。
【解決手段】対称度算出部31は、入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する線対称性を示す対称度を算出し、分割線検出部32は、入力画像における画素の画素情報の分布から、入力画像を分割する分割線を検出し、構図分類部33は、対称度および分割線の少なくともいずれか一方に基づいて、入力画像の構図を、予め決められている構図パターンのいずれかに分類する。本発明は、デジタルカメラに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、入力画像の構図を分類することができるようにする画像処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等の撮像装置によって撮像された画像の構図パターンを識別する技術がある。
【0003】
例えば、注目被写体を認識し、注目被写体の状態を認識し、認識された注目被写体の状態に基づいて、記録されている複数の構図パターンのうち、注目被写体を含む構図パターンを選択するようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、入力画像を解析して特徴パターンを検出し、予め用意された複数の構図と、検出された特徴パターンとの間の関連度を評価値として算出し、その評価値に基づいて、入力画像の構図を決定する画像処理装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、撮影画像における主要被写体の上端に対応するエッジや、撮影画像の対応する二辺の間に延びるエッジを抽出し、抽出されたエッジの位置や傾きを、予め定められた適正範囲と対比して、構図の良否を判定するカメラが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−81246号公報
【特許文献2】特開2009−159023号公報
【特許文献3】特許第4029174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の手法においては、被写体を認識したり、被写体の状態を認識するのに、コストの高い演算が必要であった。
【0008】
また、特許文献2の手法においては、予め用意された複数の構図と、入力画像を解析して検出された特徴パターンとの間についての評価値が、画素毎に算出されるため、やはり、コストの高い演算が必要であった。
【0009】
さらに、特許文献3の手法においては、構図の良否の判定基準が、撮影画像における主要被写体の上端に対応するエッジか、撮影画像の対応する二辺の間に延びるエッジのみであるので、判定される構図の種類が限られていた。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、よりコストの低い演算で、入力画像の構図を詳細な構図パターンに分類することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面の画像処理装置は、入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する線対称性を示す対称度を算出する算出手段と、前記入力画像における画素の画素情報の分布から、前記入力画像を分割する分割線を検出する検出手段と、前記対称度および前記分割線の少なくともいずれか一方に基づいて、前記入力画像の構図を、予め決められている構図パターンのいずれかに分類する分類手段とを備える。
【0012】
前記算出手段には、前記入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する、前記入力画像のエッジ情報および色情報の少なくともいずれか一方についての前記対称度を算出させることができる。
【0013】
前記算出手段には、前記入力画像の中心点からの距離に応じた重み付けをして、前記対称度を算出させることができる。
【0014】
前記検出手段には、前記入力画像において、所定の方向に対してエッジ情報を積算し、前記エッジ情報の積算値の分布の変化から、前記分割線を検出させることができる。
【0015】
前記検出手段には、前記入力画像の中心点からの距離に応じた重み付けをして、前記エッジ情報を積算させることができる。
【0016】
前記検出手段には、前記入力画像において、水平方向に対してエッジ情報を積算し、前記エッジ情報の積算値の分布の変化から、前記入力画像を水平方向に分割する前記分割線である水平分割線を検出させることができる。
【0017】
前記検出手段には、前記入力画像において、垂直方向に対してエッジ情報を積算し、前記エッジ情報の積算値の分布の変化から、前記入力画像を垂直方向に分割する前記分割線である垂直分割線を検出させることができる。
【0018】
前記検出手段には、前記入力画像において、斜め方向に対してエッジ情報を積算し、前記エッジ情報の積算値の分布の変化から、前記入力画像を斜め方向に分割する前記分割線である斜め分割線を検出させることができる。
【0019】
前記検出手段には、前記入力画像の前記エッジ情報を2値化し、前記入力画像を、前記斜め方向に対応する角度だけ回転して、2値化された前記エッジ情報を積算させることができる。
【0020】
本発明の一側面の画像処理方法は、入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する線対称性を示す対称度を算出する算出手段と、前記入力画像における画素の画素情報の分布から、前記入力画像を分割する分割線を検出する検出手段と、前記対称度および前記分割線の少なくともいずれか一方に基づいて、前記入力画像の構図を、予め決められている構図パターンのいずれかに分類する分類手段とを備える画像処理装置の画像処理方法であって、前記算出手段が、入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する線対称性を示す対称度を算出する算出ステップと、前記検出手段が、前記入力画像における画素の画素情報の分布から、前記入力画像を分割する分割線を検出する検出ステップと、前記分類手段が、前記対称度および前記分割線の少なくともいずれか一方に基づいて、前記入力画像の構図を、予め決められている構図パターンのいずれかに分類する分類ステップとを含む。
【0021】
本発明の一側面のプログラムは、入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する線対称性を示す対称度を算出する算出ステップと、前記入力画像における画素の画素情報の分布から、前記入力画像を分割する分割線を検出する検出ステップと、前記対称度および前記分割線の少なくともいずれか一方に基づいて、前記入力画像の構図を、予め決められている構図パターンのいずれかに分類する分類ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0022】
本発明の一側面においては、入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する線対称性を示す対称度が算出され、入力画像における画素の画素情報の分布から、入力画像を分割する分割線が検出され、対称度および分割線の少なくともいずれか一方に基づいて、入力画像の構図が、予め決められている構図パターンのいずれかに分類される。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一側面によれば、より低コストな演算で、入力画像の構図を詳細な構図パターンに分類することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】対称度算出部の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】エッジ対称度算出部の機能構成例を示すブロック図である。
【図4】色対称度算出部の機能構成例を示すブロック図である。
【図5】分割線検出部の機能構成例を示すブロック図である。
【図6】水平分割線検出部の機能構成例を示すブロック図である。
【図7】垂直分割線検出部の機能構成例を示すブロック図である。
【図8】斜め分割線検出部の機能構成例を示すブロック図である。
【図9】構図分類処理について説明するフローチャートである。
【図10】写真撮影などにおいて一般的に推奨される構図パターンについて説明する図である。
【図11】対称度算出処理について説明するフローチャートである。
【図12】エッジ対称度算出処理について説明するフローチャートである。
【図13】入力画像とエッジ画像について説明する図である。
【図14】エッジ左右対称度の算出の例について説明する図である。
【図15】エッジ上下対称度の算出の例について説明する図である。
【図16】入力画像とエッジ画像について説明する図である。
【図17】色対称度算出処理について説明するフローチャートである。
【図18】色差に応じた重み係数について説明する図である。
【図19】色差の総和の変換について説明する図である。
【図20】分割線検出処理について説明するフローチャートである。
【図21】入力画像とエッジ画像について説明する図である。
【図22】水平分割線検出処理について説明するフローチャートである。
【図23】エッジ情報の水平方向の積算値について説明する図である。
【図24】水平分割線の検出結果の例について説明する図である。
【図25】垂直分割線検出処理について説明するフローチャートである。
【図26】エッジ情報の垂直方向の積算値について説明する図である。
【図27】斜め分割線検出処理1について説明するフローチャートである。
【図28】入力画像とエッジ画像、エッジ画像の2値化、およびエッジ画像の回転について説明する図である。
【図29】斜め方向のライン毎のエッジ情報の積算値の正規化の例について説明する図である。
【図30】斜め方向のライン毎のエッジ情報の積算値の正規化の例について説明する図である。
【図31】エッジ情報の斜め方向の積算値について説明する図である。
【図32】斜め分割線の検出結果の例について説明する図である。
【図33】斜め方向のライン毎のエッジ情報の積算値の正規化の他の例について説明する図である。
【図34】斜め方向のライン毎のエッジ情報の積算値の正規化の他の例について説明する図である。
【図35】斜め方向のライン毎のエッジ情報の積算値の正規化の他の例について説明する図である。
【図36】入力画像の構図が分類される構図パターンの例について説明する図である。
【図37】水平分割線によって分類される構図パターンの例について説明する図である。
【図38】垂直分割線によって分類される構図パターンの例について説明する図である。
【図39】斜め分割線によって分類される構図パターンの例について説明する図である。
【図40】斜め分割線によって分類される構図パターンの例について説明する図である。
【図41】対称度と分割線との関係を示す図である。
【図42】他の構図分類処理について説明するフローチャートである。
【図43】撮像装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図44】構図の推奨の表示例について説明する図である。
【図45】構図の推奨の表示例について説明する図である。
【図46】コンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【0026】
[画像処理装置の構成例について]
図1は、本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の機能構成例を示している。
【0027】
図1の画像処理装置11は、例えば、デジタルカメラ等の撮像装置や、他の画像処理装置から入力された入力画像の線対称性を示す対称度を算出するとともに、入力画像を所定の領域に分割する分割線を検出し、対称度および分割線の少なくともいずれか一方に基づいて、入力画像の構図を、所定の構図パターンに分類する。
【0028】
画像処理装置11は、対称度算出部31、分割線検出部32、および構図分類部33から構成される。
【0029】
画像処理装置11に入力された入力画像は、対称度算出部31および分割線検出部32に供給される。
【0030】
対称度算出部31は、入力画像の左右方向および上下方向のそれぞれに対する、入力画像の画素毎の画素情報(画素値)についての線対称性を示す対称度を算出し、構図分類部33に供給する。
【0031】
[対称度算出部の機能構成例について]
図2は、対称度算出部31の機能構成例を示している。
【0032】
対称度算出部31は、エッジ対称度算出部41、色対称度算出部42、および対称度決定部43を備えている。
【0033】
エッジ対称度算出部41は、入力画像の画素毎の画素情報の1つであるエッジ情報についての対称度(以下、エッジ対称度という)を算出し、対称度決定部43に供給する。
【0034】
[エッジ対称度算出部の機能構成例について]
図3は、エッジ対称度算出部41の機能構成例を示している。
【0035】
エッジ対称度算出部41は、エッジ画像生成部51、左右対称度算出部52、および上下対称度算出部53を備えている。
【0036】
エッジ画像生成部51は、入力画像の各画素に基づいて、画素毎のエッジ情報からなるエッジ画像を生成し、左右対称度算出部52および上下対称度算出部53に供給する。
【0037】
左右対称度算出部52は、エッジ画像生成部51からのエッジ画像の左右方向の中心線に対する、エッジ情報についての対称度であるエッジ左右対称度を算出し、出力する。
【0038】
上下対称度算出部53は、エッジ画像生成部51からのエッジ画像の上下方向の中心線に対する、エッジ情報についての対称度であるエッジ上下対称度を算出し、出力する。
【0039】
このようにして、エッジ対称度算出部41は、エッジ左右対称度およびエッジ上下対称度を、エッジ対称度として、対称度決定部43に供給する。
【0040】
図2の説明に戻り、色対称度算出部42は、入力画像の画素毎の画素情報の1つである色情報についての対称度(以下、色対称度という)を算出し、対称度決定部43に供給する。
【0041】
[色対称度算出部の機能構成例について]
図4は、色対称度算出部42の機能構成例を示している。
【0042】
色対称度算出部42は、色空間変換部61、左右対称度算出部62、および上下対称度算出部63を備えている。
【0043】
色空間変換部61は、入力画像の各画素の画素情報(色情報)が表現される色空間を、他の色空間に変換し、変換された色空間で表現される色情報からなる入力画像を、左右対称度算出部62および上下対称度算出部63に供給する。
【0044】
左右対称度算出部62は、色空間変換部61からの入力画像の左右方向の中心線に対する、色情報についての対称度である色左右対称度を算出し、出力する。
【0045】
上下対称度算出部63は、色空間変換部61からの入力画像の上下方向の中心線に対する、色情報についての対称度である色上下対称度を算出し、出力する。
【0046】
このようにして、色対称度算出部42は、色左右対称度および色上下対称度を、色対称度として、対称度決定部43に供給する。
【0047】
図2の説明に戻り、対称度決定部43は、エッジ対称度算出部41からのエッジ対称度、および、色対称度算出部42からの色対称度に基づいて、入力画像の左右方向に対する線対称性を示す左右対称度、および、入力画像の上下方向に対する線対称性を示す上下対称度を決定する。具体的には、対称度決定部43は、エッジ対称度算出部41からエッジ対称度として供給されてくるエッジ左右対称度と、色対称度算出部42から色対称度として供給されてくる色左右対称度のうちの、所定の条件を満たす方を左右対称度に決定する。また、対称度決定部43は、エッジ対称度算出部41からエッジ対称度として供給されてくるエッジ上下対称度と、色対称度算出部42から色対称度として供給されてくる色上下対称度のうちの、所定の条件を満たす方を上下対称度に決定する。
【0048】
このようにして、対称度算出部31は、左右対称度および上下対称度を、対称度として構図分類部33に供給する。
【0049】
図1の説明に戻り、分割線検出部32は、入力画像における画素情報の分布の変化から、入力画像を分割する分割線を検出し、検出した分割線を表す分割線情報を、構図分類部33に供給する。
【0050】
[分割線検出部の機能構成例について]
図5は、分割線検出部32の機能構成例を示している。
【0051】
分割線検出部32は、エッジ画像生成部71、水平分割線検出部72、垂直分割線検出部73、および斜め分割線検出部74,75を備えている。
【0052】
エッジ画像生成部71は、図3のエッジ画像生成部51と同様に、入力画像の各画素に基づいて、画素毎のエッジ情報からなるエッジ画像を生成し、水平分割線検出部72乃至斜め分割線検出部75に供給する。
【0053】
水平分割線検出部72は、エッジ画像生成部71からのエッジ画像において、水平方向にエッジ情報を積算し、その積算値の分布から、入力画像を水平方向に(すなわち、上下に)分割する水平分割線を検出する。水平分割線検出部72は、検出した水平分割線を表す水平分割線情報を出力する。
【0054】
垂直分割線検出部73は、エッジ画像生成部71からのエッジ画像において、垂直方向にエッジ情報を積算し、その積算値の分布から、入力画像を垂直方向に(すなわち、左右に)分割する垂直分割線を検出する。垂直分割線検出部73は、検出した垂直分割線を表す垂直分割線情報を出力する。
【0055】
斜め分割線検出部74は、エッジ画像生成部71からのエッジ画像において、右上斜め方向にエッジ情報を積算し、その積算値の分布から、入力画像を右上斜め方向に分割する右上斜め分割線を検出する。斜め分割線検出部74は、検出した右上斜め分割線を表す第1の斜め分割線情報を出力する。
【0056】
斜め分割線検出部75は、エッジ画像生成部71からのエッジ画像において、左上斜め方向にエッジ情報を積算し、その積算値の分布から、入力画像を左上斜め方向に分割する左上斜め分割線を検出する。斜め分割線検出部75は、検出した左上斜め分割線を表す第2の斜め分割線情報を出力する。
【0057】
このようにして、分割線検出部32は、水平分割線情報、垂直分割線情報、第1の斜め分割線情報、および第2の斜め分割線情報を、分割線情報として構図分類部33に供給する。
【0058】
ここで、図6乃至8を参照して、水平分割線検出部72乃至斜め分割線検出部75の機能構成例を示している。
【0059】
[水平分割線検出部の機能構成例について]
図6は、水平分割線検出部72の機能構成例を示している。
【0060】
水平分割線検出部72は、水平方向積算部111、LPF(Low Pass Filter)112、ピーク値検出部113、および閾値処理部114を備えている。
【0061】
水平方向積算部111は、エッジ画像生成部71からのエッジ画像において、水平方向の画素のライン(以下、単にラインという)毎に、画素の画素情報(エッジ情報)を積算し、その積算結果をLPF112に供給する。ここで得られる積算結果は、エッジ画像(入力画像)の垂直方向の画素位置に対する、水平方向のエッジ情報の積算値となる。
【0062】
LPF112は、水平方向積算部111からの積算結果、すなわち、エッジ画像の垂直方向の画素位置に対する水平方向のエッジ情報の積算値に対してフィルタリング処理を施すことにより、積算結果のノイズ除去を行い、ピーク値検出部113に供給する。
【0063】
ピーク値検出部113は、LPF112によりノイズ除去された積算結果において、積算値のピーク値を検出し、検出したピーク値と、そのピーク値となる積算値が得られた水平方向のラインの垂直方向の画素位置とを、閾値処理部114に供給する。
【0064】
閾値処理部114は、ピーク値検出部113からのピーク値と、所定の閾値とを比較し、ピーク値が所定の閾値より大きい場合、そのピーク値となる積算値が得られた水平方向のラインを水平分割線とし、エッジ画像におけるそのラインの垂直方向の画素位置を、水平分割線情報として出力する。
【0065】
[垂直分割線検出部の機能構成例について]
図7は、垂直分割線検出部73の機能構成例を示している。
【0066】
垂直分割線検出部73は、垂直方向積算部121、LPF122、ピーク値検出部123、および閾値処理部124を備えている。
【0067】
垂直方向積算部121は、エッジ画像生成部71からのエッジ画像において、垂直方向のライン毎にエッジ情報を積算し、その積算結果をLPF122に供給する。ここで得られる積算結果は、エッジ画像(入力画像)の水平方向の画素位置に対する、垂直方向のエッジ情報の積算値となる。
【0068】
LPF122は、垂直方向積算部121からの積算結果、すなわち、エッジ画像の水平方向の画素位置に対する垂直方向のエッジ情報の積算値に対してフィルタリング処理を施すことにより、積算結果のノイズ除去を行い、ピーク値検出部123に供給する。
【0069】
ピーク値検出部123は、LPF122によりノイズ除去された積算結果において、積算値のピーク値を検出し、検出したピーク値と、そのピーク値となる積算値が得られた垂直方向のラインの水平方向の画素位置とを、閾値処理部124に供給する。
【0070】
閾値処理部124は、ピーク値検出部123からのピーク値と、所定の閾値とを比較し、ピーク値が所定の閾値より大きい場合、そのピーク値となる積算値が得られた水平方向のラインを垂直分割線とし、エッジ画像におけるそのラインの水平方向の画素位置を、垂直分割線情報として出力する。
【0071】
[斜め分割線検出部の機能構成例について]
図8は、斜め分割線検出部74の機能構成例を示している。
【0072】
斜め分割線検出部74は、斜め方向積算部131、LPF132、ピーク値検出部133、および閾値処理部134を備えている。
【0073】
斜め方向積算部131は、エッジ画像生成部71からのエッジ画像において、右上斜め方向のライン毎にエッジ情報を積算し、その積算結果をLPF132に供給する。ここで得られる積算結果は、エッジ画像(入力画像)の左上斜め方向の画素位置に対する、右上斜め方向のエッジ情報の積算値となる。
【0074】
LPF132は、斜め方向積算部131からの積算結果、すなわち、エッジ画像の左上斜め方向の画素位置に対する右上斜め方向のエッジ情報の積算値に対してフィルタリング処理を施すことにより、積算結果のノイズ除去を行い、ピーク値検出部133に供給する。
【0075】
ピーク値検出部133は、LPF132によりノイズ除去された積算結果において、積算値のピーク値を検出し、検出したピーク値と、そのピーク値となる積算値が得られた右上斜め方向のラインの左上斜め方向の画素位置とを、閾値処理部134に供給する。
【0076】
閾値処理部134は、ピーク値検出部133からのピーク値と、所定の閾値とを比較し、ピーク値が所定の閾値より大きい場合、そのピーク値となる積算値が得られた右上斜め方向のラインを右上斜め分割線とし、エッジ画像におけるそのラインについての、左上斜め方向の画素位置を、第1の分割線情報として出力する。
【0077】
なお、斜め分割線検出部75の機能構成例は、図8の斜め分割線検出部74の各部において、エッジ情報の右上斜め方向に対する処理が、左上斜め方向に対する処理に代わる以外は、基本的に同様であるので、その説明は省略する。
【0078】
さて、図1の説明に戻り、構図分類部33は、対称度算出部31からの対称度、および、分割線検出部32からの分割線情報に基づいて、入力画像の構図を、予め決められている構図パターンのいずれかに分類し、その構図パターンを、対称度および分割線情報とともに、図示せぬ情報処理装置や記憶装置等に出力する。
【0079】
[画像処理装置の構図分類処理について]
次に、図9のフローチャートを参照して、図1の画像処理装置11の構図分類処理について説明する。
【0080】
図9のフローチャートで示される構図分類処理によって、画像処理装置11に入力される入力画像の構図は、予め決められている構図パターンのいずれかに分類される。
【0081】
ここで、図10を参照して、写真撮影などにおいて一般的に推奨される構図パターンについて説明する。
【0082】
図10に示される構図パターンCには、3分割構図と対角線構図の2つの代表的な構図パターンが含まれている。
【0083】
3分割構図は、3分割線と呼ばれる、水平分割線H1,H2および垂直分割線V1,V2からなる構図であり、水平分割線H1,H2および垂直分割線V1,V2の少なくともいずれか1つの線上に、被写体や風景の境界を合わせたり、水平分割線H1,H2と垂直分割線V1,V2との4つの交点(3分割線交点)のいずれかに被写体を合わせることで、バランスのとれた画像が得られるようになる。
【0084】
また、対角線構図は、対角線D1,D2からなる構図であり、対角線D1,D2の少なくともいずれか1つの線上に、被写体や風景の境界を合わせることで、バランスのとれた画像が得られるようになる。
【0085】
以下において説明する構図分類処理においては、入力画像の構図が、左右方向または上下方向に対してどの程度の線対称性を有するか、または、上述した3分割構図や対角線構図のうちのいずれに近似しているかが判別される。
【0086】
図9のフローチャートのステップS11において、対称度算出部31は、対称度算出処理を実行し、入力画像の左右方向および上下方向のそれぞれに対する、入力画像の画素毎の画素情報についての対称度を算出する。
【0087】
[対称度算出部の対称度算出処理について]
ここで、図11のフローチャートを参照して、図9のフローチャートのステップS11における対称度算出処理について説明する。
【0088】
ステップS31において、対称度算出部31のエッジ対称度算出部41は、エッジ対称度算出処理を実行し、入力画像のエッジ対称度を算出する。
【0089】
[エッジ対称度算出部のエッジ対称度算出処理について]
ここで、図12のフローチャートを参照して、図11のフローチャートのステップS31におけるエッジ対称度算出処理について説明する。
【0090】
ステップS41において、エッジ対称度算出部41のエッジ画像生成部51は、入力画像から輝度画像を取得し、その輝度画像に対してSobelフィルタや、Gaborフィルタなどのエッジ抽出フィルタを適用することで得られるエッジ値(エッジ情報)からなるエッジ画像を生成する。
【0091】
また、エッジ画像生成部51は、入力画像からR,G,B等の色チャネル画像を取得し、色チャネル画像それぞれに対してエッジ抽出フィルタを適用することで得られるエッジ値をチャネル間で画素毎に比較し、それぞれの最大値からなるエッジ画像を生成するようにしてもよい。
【0092】
さらに、エッジ画像生成部51は、入力画像に対して、平均シフトアルゴリズム(Mean Shift法)等を用いた色の領域分割を行い、分割された領域の境界線上の画素に対して、エッジ値を与えることで、エッジ画像を生成するようにもできる。この場合、例えば、領域の境界線上の画素に対しては1のエッジ値を、それ以外の領域の画素には0のエッジ値を与える。
【0093】
例えば、図13に示されるように、被写体が山である風景画像が入力画像P1として入力された場合、エッジ画像生成部51により、山を含む風景の輪郭形状を表すエッジ画像P1eが生成される。このようにして生成されたエッジ画像P1eは、左右対称度算出部52および上下対称度算出部53に供給される。
【0094】
ステップS42において、左右対称度算出部52は、エッジ画像生成部51からのエッジ画像に基づいて、エッジ画像の左右対称度であるエッジ左右対称度を算出する。
【0095】
ここで、図14を参照して、エッジ左右対称度の算出の例について説明する。図14は、エッジ画像P1eを示している。
【0096】
図14に示されるように、エッジ画像P1eが、H×W画素から構成されるものとすると、エッジ画像P1eの左右方向の中心線は、画素位置W/2のラインとなる。
【0097】
また、上下方向の画素位置iとなる水平方向のラインに注目し、左右方向の中心線上の画素(画素位置W/2の画素)から右側にj個目の画素の画素位置を+jで表し、左側にj個目の画素の画素位置を−jで表すものとする。
【0098】
このとき、エッジ画像P1eにおいて、左右方向の中心線(画素位置W/2)を挟んで対となる、画素位置(i,j)および(i,-j)(以下、単に画素位置(i,j)という)の画素同士のエッジ情報の差分の総和d、左右方向の中心線を挟んで対となる画素のエッジ情報の総和(すなわち、全画素のエッジ情報の総和)sは、それぞれ以下の式(1),(2)で表される。
【0099】
【数1】

【0100】
【数2】

【0101】
式(1),(2)において、係数wは、エッジ画像の中心から注目画素の画素位置(i,j)が、入力画像の中心点から離れるほど重み付けが低くなる重み係数であり、入力画像の中心点から画素位置(i,j)までの距離をrで表わすと、以下の式(3)で表わされる。
【0102】
【数3】

【0103】
なお、式(3)における定数σは、任意に設定される値とする。
【0104】
式(1)で表わされる「エッジ情報の差分の総和」dは、エッジ画像P1eが左右対称であるほど0に近い値をとり、エッジ画像P1eが左右非対称であるほど、「エッジ情報の総和」sに近づく値をとる。そこで、エッジ画像の左右対称度であるエッジ左右対称度sym_edg_LRは、以下の式(4)で表わされるようになる。
【0105】
【数4】

【0106】
すなわち、エッジ左右対称度sym_edg_LRは、0<sym_edg_LR≦1の範囲の値をとり、エッジ画像P1eが左右対称であるほど1に近い値をとる。
【0107】
このようにして、エッジ左右対称度が算出される。
【0108】
図12のフローチャートに戻り、ステップS43において、上下対称度算出部53は、エッジ画像生成部51からのエッジ画像に基づいて、エッジ画像の上下対称度であるエッジ上下対称度を算出する。
【0109】
なお、エッジ上下対称度sym_edg_TBは、図15に示されるように、エッジ画像P1eの上下方向の中心線を、画素位置H/2のラインとして、左右方向の画素位置jとなる垂直方向の画素のラインに注目し、上下方向の中心線上の画素(画素位置H/2の画素)から下側にi個目の画素の画素位置を+iで表し、上側にi個目の画素の画素位置を−iで表すものとすると、式(1),(2)において値Hと値Wを入れ替えることにより、エッジ左右対称度sym_edg_LRと同様にして算出される。
【0110】
このようにして、エッジ上下対称度が算出される。
【0111】
ステップS43の後、処理は、図11のフローチャートのステップS31に戻り、ステップS32に進む。
【0112】
ところで、入力画像として、図16の左側に示されるような、被写体として略同一の形状をした色の異なる野菜が左右に並んでいる入力画像P2が入力された場合、エッジ対称度算出処理においては、図16の右側に示されるようなエッジ画像P2eが生成される
【0113】
図16のエッジ画像P2eは、左右方向に対する線対称性が高いので、エッジ左右対称度として大きい値が得られるが、実際の入力画像P2においては、左右に並んだ被写体の色が異なるので、決して左右方向に対する線対称性が高いとは言えない。
【0114】
このように、エッジ対称度算出処理では、入力画像の色についての線対称性を求めることはできない。
【0115】
そこで、ステップS32において、色対称度算出部42は、色対称度算出処理を実行し、入力画像の色対称度を算出することで、入力画像の色についての線対称性を求める。
【0116】
[色対称度算出部の色対称度算出処理について]
ここで、図17のフローチャートを参照して、図11のフローチャートのステップS31における色対称度算出処理について説明する。
【0117】
ステップS51において、色空間変換部61は、例えば、RGB空間で表現される入力画像の各画素を、L*a*b*空間で表現されるように、色空間を変換する。色空間変換部61は、L*a*b*空間で表現される入力画像を、左右対称度算出部62および上下対称度算出部63に供給する。
【0118】
ステップS52において、左右対称度算出部62は、色空間変換部61によって色空間が変換され、L*a*b*空間で表現される入力画像の左右対称度である色左右対称度を算出する。
【0119】
ここで、色左右対称度の算出の例について説明する。
【0120】
なお、L*a*b*空間で表現される入力画像は、図14で説明したエッジ画像P1eと同様に表されるものとする。
【0121】
このとき、入力画像において、左右方向の中心線(画素位置W/2)を挟んで対となる画素位置(i,j)の画素同士の色差の総和Dは、以下の式(5)で表される。
【0122】
【数5】

【0123】
式(5)において、画素位置(i,j)の画素同士の色差dE、L*軸成分Lの差分dL、a*軸成分aの差分da、および、b*軸成分bの差分dbは、それぞれ、以下の式(6)のように表される。
【0124】
【数6】

【0125】
また、式(5)における係数wは、画素位置(i,j)の画素同士の色差dEに係る重み係数であり、以下の式(7)で表わされる。
【0126】
【数7】



【0127】
式(7)において、重み係数wpは、画素位置(i,j)が、入力画像の中心点から離れるほど重み付けが低くなる重み係数であり、以下の式(8)で表わされる。
【0128】
【数8】

【0129】
なお、式(8)のおける定数βは、任意に設定される値とする。
【0130】
また、式(7)において、重み係数wEは、注目画素位置(i,j)の画素同士の色差dEが大きい領域ほど重み付けが高くなる重み係数であり、図18のような特性を有する。具体的には、重み係数wEは、色差dEが値dE1より小さい場合には1.0をとり、値dE2より大きい場合にはwEMをとる。なお、色差dEが値dE1乃至dE2のときには、色差dEの増加に応じて、重み係数wEも増加する。
【0131】
すなわち、重み係数wEによれば、図16の入力画像P2のように、左右で大きく色が異なる領域に対して、色差dEをより強調するように、色差dEに対して重み付けされる。
【0132】
したがって、式(5)で表わされる「色差の総和」Dは、入力画像の色が左右対称であるほど小さい値をとり、入力画像の色が左右非対称であるほど大きい値をとるが、扱いを簡便にするために、図19に示されるように変換する。
【0133】
すなわち、図19によれば、変換後の色差の総和D’は、色差の総和Dが、画素位置(i,j)の画素同士の色差dEの最小値dEminより小さい場合には0をとり、画素位置(i,j)の画素同士の色差dEの最大値dEmaxより大きい場合には1をとる。なお、色差の総和Dが、dEmin乃至dEmaxのときは、色差の総和Dの増加に応じて、変換後の色差の総和D’も増加する。
【0134】
そして、入力画像の色についての左右対称度である色左右対称度sym_col_LRは、以下の式(9)で表わされるようになる。
【0135】
【数9】

【0136】
すなわち、色左右対称度sym_col_LRは、0≦sym_col_LR≦1の範囲の値をとり、入力画像の色が左右対称であるほど1に近い値をとる。
【0137】
このようにして、色左右対称度が算出される。
【0138】
図17のフローチャートに戻り、ステップS53において、上下対称度算出部63は、色空間変換部61によって色空間が変換され、L*a*b*空間で表現される入力画像の上下対称度である色上下対称度を算出する。
【0139】
なお、色上下対称度sym_col_TBは、図15で説明したエッジ画像P1eと同様にして、入力画像の上下方向の中心線を、画素位置H/2のラインとして、左右方向の画素位置jとなる垂直方向のラインに注目し、上下方向の中心線上の画素(画素位置H/2の画素)から下側にi個目の画素の画素位置を+iで表し、上側にi個目の画素の画素位置を−iで表すものとすると、式(5),(6)において値Hと値Wを入れ替えることにより、色左右対称度sym_col_LRと同様にして算出される。
【0140】
このようにして、色上下対称度が算出される。
【0141】
ステップS53の後、処理は、図11のフローチャートのステップS32に戻り、ステップS33に進む。
【0142】
ステップS33において、対称度決定部43は、エッジ対称度算出部41からのエッジ対称度、および、色対称度算出部42からの色対称度に基づいて、入力画像の左右対称度および上下対称度を決定する。
【0143】
例えば、対称度決定部43は、エッジ対称度算出部41からのエッジ左右対称度と、色対称度算出部42からの色左右対称度のうちの小さい方を左右対称度に決定する。同様に、対称度決定部43は、エッジ対称度算出部41からのエッジ上下対称度と、色対称度算出部42からの色上下対称度のうちの小さい方を上下対称度に決定する。
【0144】
また、対称度決定部43は、エッジ左右対称度と色左右対称度のうちの大きい方を左右対称度に決定し、エッジ上下対称度と色上下対称度のうちの大きい方を上下対称度に決定するようにしてもよい。
【0145】
対称度算出部31は、このようにして決定した左右対称度および上下対称度を、対称度として構図分類部33に供給し、処理は図9のステップS11に戻る。
【0146】
ステップS11の後、ステップS12において、分割線検出部32は、分割線検出処理を実行し、入力画像における画素情報の分布の変化から分割線を検出する。
【0147】
[分割線検出部の分割線検出処理について]
ここで、図20のフローチャートを参照して、図9のフローチャートのステップS12における分割線検出処理について説明する。
【0148】
ステップS71において、分割線検出部32のエッジ画像生成部71は、図12のフローチャートのステップS41の処理と同様に、入力画像から輝度画像を取得し、その輝度画像に対してSobelフィルタや、Gaborフィルタなどのエッジ抽出フィルタを適用することで得られるエッジ値(エッジ情報)からなるエッジ画像を生成する。
【0149】
また、エッジ画像生成部71は、入力画像からR,G,B等の色チャネル画像を取得し、色チャネル画像それぞれに対してエッジ抽出フィルタを適用することで得られるエッジ値をチャネル間で画素毎に比較し、それぞれの最大値からなるエッジ画像を生成するようにしてもよい。
【0150】
さらに、エッジ画像生成部71は、入力画像に対して、平均シフトアルゴリズム(Mean Shift法)等を用いた色の領域分割を行い、分割された領域の境界線上の画素に対して、エッジ値を与えることで、エッジ画像を生成するようにもできる。この場合、例えば、領域の境界線上の画素に対しては1のエッジ値を、それ以外の領域の画素には0のエッジ値を与える。
【0151】
例えば、図21に示されるように、地平線を含む風景画像が入力画像P3として入力された場合、エッジ画像生成部71により、その風景の輪郭形状を表すエッジ画像P3eが生成される。このようにして生成されたエッジ画像P3eは、水平分割線検出部72乃至斜め分割線検出部75に供給される。
【0152】
ステップS72において、水平分割線検出部72は、水平分割線検出処理を実行し、エッジ画像生成部71からのエッジ画像に基づいて、入力画像を水平方向に(すなわち、上下に)分割する水平分割線を検出する。
【0153】
[水平分割線検出部の水平分割線検出処理について]
ここで、図22のフローチャートを参照して、図20のフローチャートのステップS72における水平分割線検出処理について説明する。
【0154】
ステップS81において、水平分割線検出部72の水平方向積算部111は、エッジ画像生成部71からのエッジ画像において、水平方向のライン毎にエッジ情報を積算し、その積算結果をLPF112に供給する。
【0155】
なお、水平方向積算部111は、エッジ情報を積算する際に、各画素のエッジ情報に対して、上述の式(3)で示したような重み係数wにより重み付けした後に積算するようにしてもよい。これにより、エッジ画像の中心から離れた積算値ほど、その値が小さくなるようになる。
【0156】
ここで得られる積算結果は、エッジ画像(入力画像)の垂直方向の画素位置に対する、水平方向のエッジ情報の積算値となり、図23に示されるグラフにおいて、黒塗りのひし形のプロットで表わされる。
【0157】
図23は、水平分割線検出処理により求められる、エッジ情報の水平方向の積算値、およびその積算値に対して後述する演算を施した値の例を示している。
【0158】
図23のグラフにおいて、横軸は、エッジ画像(入力画像)の垂直方向の画素位置を表している。
【0159】
さて、ステップS82において、LPF112は、水平方向積算部111からのエッジ情報の積算値に対して、フィルタリング処理を施すことによりノイズ除去を行い、ピーク値検出部113に供給する。図23において、ノイズ除去された積算結果は、白抜きの正方形のプロットで示される。
【0160】
ステップS83において、ピーク値検出部113は、LPF112によりノイズ除去された積算結果において、積算値のピーク値を検出する。
【0161】
具体的には、ピーク値検出部113は、ノイズ除去された積算値の1次微分値(図23中、白抜きの三角形のプロット)を求め、さらに、その絶対値である1次微分絶対値(図23中、バツ印のプロット)を求める。ピーク値検出部113は、1次微分値が負の値をとり、かつ、極大値をとる1次微分絶対値(図23中、破線の丸印で囲まれる点)に対応する積算値(図23中、実線の丸印で囲まれる点)を、積算値のピーク値とする。これにより、積算値において、急峻に変化しているピーク値が検出されるようになる。
【0162】
ピーク値検出部113は、検出したピーク値と、そのピーク値となる積算値が得られた水平方向のラインの垂直方向の画素位置(図23の例では、画素位置7)とを、閾値処理部114に供給する。
【0163】
ステップS84において、閾値処理部114は、ピーク値検出部113からのピーク値と、所定の閾値とを比較し、ピーク値が所定の閾値より大きいか否かを判定する。
【0164】
ステップS84において、ピーク値が所定の閾値より大きいと判定された場合、処理はステップS85に進み、閾値処理部114は、そのピーク値となる積算値が得られた水平方向のライン(垂直方向の画素位置7のライン)を水平分割線とする。また、閾値処理部114は、エッジ画像におけるそのラインの垂直方向の画素位置を、水平分割線情報として出力して、水平分割線検出処理は終了する。その後、処理は、図20のステップS72に戻る。
【0165】
このようにして、図21に示されたような入力画像P3が入力された場合、図24に示されるように、入力画像P3における地平線部分における水平方向のラインが、水平分割線として検出される。
【0166】
一方、ステップS84において、ピーク値が所定の閾値より大きくないと判定された場合、ステップS85の処理はスキップされる。この場合、水平分割線は検出されずに、水平分割線検出処理は終了する。その後、処理は、図20のステップS72に戻る。
【0167】
ステップS72の後、ステップS73において、垂直分割線検出部73は、垂直分割線検出処理を実行し、エッジ画像生成部71からのエッジ画像に基づいて、入力画像を垂直方向に(すなわち、左右に)分割する垂直分割線を検出する。
【0168】
[垂直分割線検出部の垂直分割線検出処理について]
ここで、図25のフローチャートを参照して、図20のフローチャートのステップS73における垂直分割線検出処理について説明する。
【0169】
ステップS91において、垂直分割線検出部73の垂直方向積算部121は、エッジ画像生成部71からのエッジ画像において、垂直方向のライン毎にエッジ情報を積算し、その積算結果をLPF122に供給する。
【0170】
なお、垂直方向積算部121は、エッジ情報を積算する際に、各画素のエッジ情報に対して、上述の式(3)で示したような重み係数wにより重み付けした後に積算するようにしてもよい。これにより、エッジ画像の中心から離れた積算値ほど、その値が小さくなるようになる。
【0171】
ここで得られる積算結果は、エッジ画像(入力画像)の水平方向の画素位置に対する、垂直方向のエッジ情報の積算値となり、図26に示されるグラフにおいて、黒塗りのひし形のプロットで表わされる。
【0172】
図26は、垂直分割線検出処理により求められる、エッジ情報の垂直方向の積算値、およびその積算値に対して後述する演算を施した値の例を示している。
【0173】
図26のグラフにおいて、横軸は、エッジ画像(入力画像)の水平方向の画素位置を表している。
【0174】
さて、ステップS92において、LPF122は、垂直方向積算部121からのエッジ情報の積算値に対して、フィルタリング処理を施すことによりノイズ除去を行い、ピーク値検出部123に供給する。図26において、ノイズ除去された積算結果は、白抜きの正方形のプロットで示される。
【0175】
ステップS93において、ピーク値検出部123は、LPF122によりノイズ除去された積算結果において、積算値のピーク値を検出する。
【0176】
具体的には、ピーク値検出部113は、ノイズ除去された積算値の1次微分値(図26中、白抜きの三角形のプロット)を求め、さらに、その絶対値である1次微分絶対値(図26中、バツ印のプロット)を求める。ピーク値検出部123は、1次微分値が負の値をとり、かつ、極大値をとる1次微分絶対値に対応する積算値を、積算値のピーク値とする。図26においては、図23の例のように急峻に変化しているピーク値は見られないが、水平方向の画素位置11において、ピーク値となる積算値が得られる。
【0177】
ピーク値検出部123は、検出したピーク値と、そのピーク値となる積算値が得られた垂直方向のラインの水平方向の画素位置(図26の例では、画素位置11)とを、閾値処理部124に供給する。
【0178】
ステップS94において、閾値処理部124は、ピーク値検出部123からのピーク値と、所定の閾値とを比較し、ピーク値が所定の閾値より大きいか否かを判定する。
【0179】
ステップS94において、ピーク値が所定の閾値より大きいと判定された場合、処理はステップS95に進み、閾値処理部124は、そのピーク値となる積算値が得られた垂直方向のラインを垂直分割線とする。また、閾値処理部124は、エッジ画像におけるそのラインについての、水平方向の画素位置を、垂直分割線情報として出力して、垂直分割線検出処理は終了する。その後、処理は、図20のステップS73に戻る。
【0180】
一方、ステップS94において、ピーク値が所定の閾値より大きくないと判定された場合、ステップS95の処理はスキップされる。例えば、図26におけるピーク値が所定の閾値より小さい場合、垂直分割線は検出されずに、垂直分割線検出処理は終了する。その後、処理は、図20のステップS73に戻る。
【0181】
ステップS73の後、ステップS74において、斜め分割線検出部74は、斜め分割線検出処理1を実行し、エッジ画像生成部71からのエッジ画像に基づいて、入力画像を右上斜め方向に分割する第1の斜め分割線を検出する。
【0182】
[斜め分割線検出部の斜め分割線検出処理について]
ここで、図27のフローチャートを参照して、図20のフローチャートのステップS74における斜め分割線検出処理1について説明する。
【0183】
ここで、図28の一番上に示されるように、右上から左下への山の斜面を含む風景画像が入力画像P4として入力されたとすると、エッジ画像生成部71により、図28の上から2番目に示される、その風景の輪郭形状を表すエッジ画像P4eが生成され、水平分割線検出部72乃至斜め分割線検出部75に供給される。
【0184】
ステップS101において、斜め分割線検出部74の斜め方向積算部131は、エッジ画像生成部71からのエッジ画像の各画素におけるエッジ情報を、所定の閾値に基づいて0または1のいずれかの値に2値化する。例えば、エッジ画像のエッジ情報が、0乃至255の値をもつ場合、斜め方向積算部131は、0から255までの間の値であるエッジ画像のエッジ情報に対して、例えば、閾値127より小さい値の画素値を0とし、127より大きい値の画素値を1とする。これにより、図28の上から3番目に示されるような、2値化エッジ画像P4fが得られる。
【0185】
ステップS102において、斜め方向積算部131は、2値化エッジ画像P4fにおける右上斜めの対角線が、任意に設定される座標における横軸に対して垂直になるように、2値化エッジ画像P4fを反時計回りに回転させる。このときの回転角度は、2値化エッジ画像P4f(入力画像P4)のアスペクト比により求められる。これにより、図28の上から4番目に示されるような、回転2値化エッジ画像P4rが得られる。
【0186】
このように、2値化された2値化エッジ画像P4fを回転させるようにしたので、2値化される前のエッジ画像P4eを回転させるより、回転処理の対象となる画素を少なくすることができるので、演算コストを低くすることができるようになる。
【0187】
ステップS103において、斜め方向積算部131は、回転2値化エッジ画像P4rにおいて、設定された座標における垂直方向のライン毎に、言い換えると、回転前の2値化エッジ画像P4fにおいて、右上斜めの対角線と平行な斜め方向のライン毎にエッジ情報を積算し、その積算結果をLPF132に供給する。
【0188】
なお、斜め方向にエッジ情報を積算する場合、積算されるラインによって含まれる画素数が異なるため、斜め方向積算部131は、ライン毎のエッジ情報の積算値を、積算した画素数で正規化する。
【0189】
ここで、図29および図30を参照して、斜め方向のライン毎のエッジ情報の積算値の正規化の例について説明する。
【0190】
図29および図30には、右上斜めの対角線D1が、設定された座標(X軸)に対して垂直になるように回転された回転2値化エッジ画像(以下、単に、エッジ画像ともいう)が示されている。なお、図29および図30に示されるように、回転前のエッジ画像の長辺の長さをa、短辺の長さをbとし、長辺と対角線D1のなす角度をθとする。なお、このエッジ画像は、例えば、図28の上から3番目に示される状態から、反時計回りに90°−θだけ回転されることで、対角線D1がX軸に対して垂直になっている。また、X軸上の座標xは、斜め方向のラインの仮想的な画素位置を示すものとする。
【0191】
なお、図29および図30において、X軸上に投影されるエッジ画像の両端の、幅mで表わされる部分については、積算される画素数が少ないため、積算処理の対象から除外するものとする。
【0192】
まず、図29に示されるように、エッジ情報が積算される斜め方向のラインが、対角線D1より左側に位置するとき、すなわち、座標xが、m≦x≦bcosθの範囲にあるとき、積算される画素数lは、以下の式(10)で表わされる。
【0193】
【数10】

【0194】
また、図30に示されるように、エッジ情報が積算される斜め方向のラインが、対角線D1より右側に位置するとき、すなわち、座標xが、bcosθ<x≦asinθ+bcosθ-mの範囲にあるとき、積算される画素数lは、以下の式(11)で表わされる。
【0195】
【数11】

【0196】
このようにして、斜め方向積算部131は、積算されるラインに含まれる画素数を求め、ライン毎のエッジ情報の積算値を、積算した画素数で正規化する。
【0197】
ここで得られる正規化された積算結果は、図29および図30に示されるエッジ画像のX軸方向の画素位置に対する、垂直方向のエッジ情報の積算値となり、図31に示されるグラフにおいて、黒塗りのひし形のプロットで表わされる。
【0198】
図30は、斜め分割線検出処理1により求められる、エッジ情報の右上斜め方向の積算値、およびその積算値に対して後述する演算を施した値の例を示している。
【0199】
図30のグラフにおいて、横軸は、図29および図30に示されるエッジ画像(入力画像)のX軸方向の画素位置を表している。
【0200】
さて、ステップS104において、LPF132は、斜め方向積算部131からのエッジ情報の積算値に対して、フィルタリング処理を施すことによりノイズ除去を行い、ピーク値検出部133に供給する。図30において、ノイズ除去された積算結果は、白抜きの正方形のプロットで示される。
【0201】
ステップS105において、ピーク値検出部133は、LPF132によりノイズ除去された積算結果において、積算値のピーク値を検出する。
【0202】
具体的には、ピーク値検出部133は、ノイズ除去された積算値の1次微分値(図30中、白抜きの三角形のプロット)を求め、さらに、その絶対値である1次微分絶対値(図30中、バツ印のプロット)を求める。ピーク値検出部133は、1次微分値が負の値をとり、かつ、極大値をとる1次微分絶対値(図30中、破線の丸印で囲まれる点)に対応する積算値(図30中、実線の丸印で囲まれる点)を、積算値のピーク値とする。これにより、積算値において、急峻に変化しているピーク値が検出されるようになる。
【0203】
ピーク値検出部133は、検出したピーク値と、そのピーク値となる積算値が得られた右上斜め方向のラインのX軸方向の画素位置(図30の例では、画素位置27)とを、閾値処理部134に供給する。
【0204】
ステップS106において、閾値処理部134は、ピーク値検出部133からのピーク値と、所定の閾値とを比較し、ピーク値が所定の閾値より大きいか否かを判定する。
【0205】
ステップS106において、ピーク値が所定の閾値より大きいと判定された場合、処理はステップS107に進み、閾値処理部134は、そのピーク値となる積算値が得られた右上斜め方向のライン(X軸方向の画素位置27のライン)を右上斜め分割線とする。また、閾値処理部134は、エッジ画像におけるそのラインについての、X軸方向の画素位置および角度θを、第1の斜め分割線情報として出力して、斜め分割線検出処理1は終了する。その後、処理は、図20のステップS74に戻る。
【0206】
このようにして、図28に示されたような入力画像P4が入力された場合、図32に示されるように、入力画像P4における山の斜面部分における右上斜め方向のラインが、右上斜め分割線として検出される。
【0207】
一方、ステップS106において、ピーク値が所定の閾値より大きくないと判定された場合、ステップS107の処理はスキップされる。この場合、右上斜め分割線は検出されずに、斜め分割線検出処理1は終了する。その後、処理は、図20のステップS74に戻る。
【0208】
ステップS74の後、ステップS75において、斜め分割線検出部75は、斜め分割線検出処理2を実行し、エッジ画像生成部71からのエッジ画像に基づいて、入力画像を左上斜め方向に分割する第2の斜め分割線を検出する。
【0209】
なお、斜め分割線検出部75による斜め分割線検出処理2は、エッジ画像の左上斜めの対角線をX軸に対して垂直になるようにエッジ画像を回転させる以外は、上述した斜め分割線検出処理1と基本的に同様であるので、その説明は省略する。
【0210】
ところで、以上においては、右上斜めの対角線D1および左上斜めの対角線D2がX軸に対して垂直になるように、エッジ画像を回転させることにより、右上斜め分割線および左上斜め分割線を検出するようにしたが、エッジ画像の任意の斜め方向のラインがX軸に対して垂直になるように、エッジ画像を回転させることにより、右上斜め分割線および左上斜め分割線を検出するようにしてもよい。
【0211】
なお、任意の斜め方向にエッジ情報を積算する場合でも、積算されるラインによって含まれる画素数が異なるため、ライン毎のエッジ情報の積算値を、積算した画素数で正規化する必要がある。
【0212】
ここで、図33乃至図35を参照して、任意の斜め方向のライン毎のエッジ情報の積算値の正規化の例について説明する。
【0213】
図33乃至図35には、エッジ画像に設定された、右上斜め線Dnが、X軸に対して垂直になるように回転された回転2値化エッジ画像(エッジ画像)が示されている。なお、図33乃至図35に示されるように、回転前のエッジ画像の長辺の長さをa、短辺の長さをbとし、長辺と右上斜め線Dnのなす角度をθとする。なお、このエッジ画像は、例えば、長辺がX軸に平行な状態から、反時計回りに90°−θだけ回転させることにより、右上斜め線DnがX軸に対して垂直になっている。また、X軸上の座標xは、斜め方向のラインの仮想的な画素位置を示すものとする。
【0214】
なお、図33乃至図35においても、X軸上に投影されるエッジ画像の両端の、幅mで表わされる部分については、エッジ情報が積算される画素数が少ないため、積算処理の対象から除外するものとする。
【0215】
まず、図33に示されるように、座標xが、m≦x≦bcosθの範囲にあるとき、積算される画素数lは、以下の式(12)で表わされる。
【0216】
【数12】

【0217】
また、図34に示されるように、座標xが、bcosθ<x≦asinθの範囲にあるとき、積算される画素数lは、以下の式(13)で表わされる。
【0218】
【数13】

【0219】
そして、図35に示されるように、座標xが、asinθ<x≦asinθ+bcosθ-mの範囲にあるとき、積算される画素数lは、以下の式(14)で表わされる。
【0220】
【数14】

【0221】
このようにして、任意の斜め方向のライン毎にエッジ情報が積算される場合でも、積算されるラインが含まれる画素数が求められ、ライン毎のエッジ情報の積算値が、積算した画素数で正規化されるようになる。
【0222】
以上のように、分割線検出部32は、水平分割線情報、垂直分割線情報、第1の斜め分割線情報、および第2の斜め分割線情報のうちの、分割線検出処理により検出された分割線を構図分類部33に供給し、処理は、図9のステップS12に戻る。
【0223】
ステップS12の後、ステップS13において、構図分類部33は、対称度算出部31からの対称度、および、分割線検出部32からの分割線情報に基づいて、入力画像の構図を、予め決められている構図パターンのいずれかに分類する。
【0224】
ここで、図36を参照して、入力画像の構図が分類される構図パターンの例について説明する。
【0225】
図36に示される構図パターンによれば、入力画像は、まず、対称度(左右対称度および上下対称度)によって分類される。
【0226】
[左右対称度が閾値Th_LR以上であり、かつ、上下対称度が閾値Th_TB以上である場合]
この場合、入力画像の構図は、「上下左右対称」の構図パターンに分類される。
【0227】
[左右対称度が閾値Th_LR以上であり、かつ、上下対称度が閾値Th_TBより小さい場合]
この場合、入力画像の構図は、水平分割線情報によってさらに分類される。すなわち、水平分割線情報で表される水平分割線が、図10で説明した3分割構図における水平分割線H2より上にあれば、「水平分割線上」の構図パターンに分類される。水平分割線情報で表される水平分割線が、図10で説明した3分割構図における水平分割線H2と水平分割線H1の間にあれば、「水平分割線中」の構図パターンに分類される。そして、水平分割線情報で表される水平分割線が、図10で説明した3分割構図における水平分割線H1より下にあれば、「水平分割線下」の構図パターンに分類される。
【0228】
例えば、図37に示されるように、高さ(短辺の長さ)bの入力画像において、図10の水平分割線H1,H2に対応するY軸上の座標位置は、それぞれb/3,2b/3となる。このとき、分割線検出処理によって、水平分割線Hpが検出され、画素位置(座標位置)y_Hを示す水平分割線情報が分割線検出部32から供給された場合、構図分類部33は、2b/3≦y_H≦bであると判断し、入力画像の構図を「水平分割線上」の構図パターンに分類する。また、構図分類部33は、0≦y_H≦b/3であると判断した場合には、入力画像の構図を「水平分割線下」の構図パターンに分類し、b/3<y_H≦2b/3であると判断した場合には、入力画像の構図を「水平分割線中」の構図パターンに分類する。
【0229】
また、分割線検出処理によって、水平分割線が検出されず、水平分割線情報が分割線検出部32から供給されなかった場合、構図分類部33は、入力画像の構図を「その他」の構図パターンに分類する。
【0230】
[左右対称度が閾値Th_LRより小さく、かつ、上下対称度が閾値Th_TB以上である場合]
この場合、入力画像の構図は、垂直分割線情報によってさらに分類される。すなわち、垂直分割線情報で表される垂直分割線が、図10で説明した3分割構図における垂直分割線V1より左にあれば、「垂直分割線左」の構図パターンに分類される。垂直分割線情報で表される垂直分割線が、図10で説明した3分割構図における垂直分割線V1と垂直分割線V2の間にあれば、「垂直分割線中」の構図パターンに分類される。そして、垂直分割線情報で表される垂直分割線が、図10で説明した3分割構図における垂直分割線V2より右にあれば、「垂直分割線右」の構図パターンに分類される。
【0231】
例えば、図38に示されるように、幅(長辺の長さ)aの入力画像において、図10の垂直分割線V1,V2に対応するX軸上の座標位置は、それぞれa/3,2a/3となる。このとき、分割線検出処理によって、垂直分割線Vgが検出され、画素位置(座標位置)x_Vを示す垂直分割線情報が分割線検出部32から供給された場合、構図分類部33は、a/3<x_V≦2a/3であると判断し、入力画像の構図を「垂直分割線中」の構図パターンに分類する。また、構図分類部33は、0≦x_V≦a/3であると判断した場合には、入力画像の構図を「垂直分割線左」の構図パターンに分類し、2a/3<x_V≦aであると判断した場合には、入力画像の構図を「垂直分割線右」の構図パターンに分類する。
【0232】
また、分割線検出処理によって、垂直分割線が検出されず、垂直分割線情報が分割線検出部32から供給されなかった場合、構図分類部33は、入力画像の構図を「その他」の構図パターンであると分類する。
【0233】
[左右対称度が閾値Th_LRより小さく、かつ、上下対称度が閾値Th_TBより小さい場合]
この場合、入力画像の構図は、第1または第2の斜め分割線情報によってさらに分類される。すなわち、第1の斜め分割線情報で表される斜め分割線の水平方向に対する角度が、図10で説明した対角線構図における対角線D1の水平方向に対する角度から所定の角度範囲内に含まれる場合、入力画像の構図は「右上斜め分割線」の構図パターンに分類される。具体的には、図39の左側に表されるように、対角線D1の水平方向に対する角度をθRとしたときに、第1の斜め分割線情報で示される斜め分割線の水平方向に対する角度θが、θR−δθ≦θ≦θR+δθの範囲内に含まれる場合、入力画像の構図は「右上斜め分割線」の構図パターンに分類される。また、第2の斜め分割線情報で表される斜め分割線の水平方向に対する角度が、図10で説明した対角線構図における対角線D2の水平方向に対する角度から所定の角度範囲内に含まれる場合、入力画像の構図は「左上斜め分割線」の構図パターンに分類される。具体的には、図39の右側に示されるように、対角線D2の水平方向に対する角度をθLとしたときに、斜め分割線情報で表される斜め分割線の水平方向に対する角度θが、θL−δθ≦θ≦θL+δθの範囲内に含まれる場合、入力画像の構図は「左上斜め分割線」の構図パターンに分類される。
【0234】
例えば、図40に示される入力画像において、分割線検出処理によって、斜め分割線Dsが検出され、角度θを表す第1の斜め分割線情報が分割線検出部32から供給された場合、構図分類部33は、θR−δθ≦θ≦θR+δθであると判断し、入力画像の構図を「右上斜め分割線」の構図パターンに分類する。また、構図分類部33は、θL−δθ≦θ≦θL+δθであると判断した場合には、入力画像の構図を「左上斜め分割線」の構図パターンに分類する。
【0235】
また、分割線検出処理によって、右上斜め分割線および左上斜め分割線のいずれもが検出されず、第1および第2の斜め分割線情報のいずれもが分割線検出部32から供給されなかった場合、構図分類部33は、入力画像の構図を「その他」の構図パターンに分類する。
【0236】
このようにして分類された構図パターンは、対称度および分割線情報とともに、図示せぬ情報処理装置や記憶装置等に出力する。
【0237】
以上の処理によれば、入力画像におけるエッジ情報および色情報の線対称性を示す対称度と、入力画像における画素情報(エッジ情報)の分布の変化を表す分割線とに基づいて、入力画像の構図が分類されるので、被写体や被写体の状態を認識したり、入力画像と予め用意された構図との間で画素毎に評価値を算出する必要なく、入力画像の構図を分類することができる。また、エッジ情報の線対称性だけを用いて構図を分類するのではなく、色情報の線対称性や分割線の位置をさらに用いて、入力画像の構図を分類することができる。したがって、よりコストの低い演算で、入力画像の構図を詳細な構図パターンに分類することが可能となる。
【0238】
なお、構図パターンとともに図示せぬ情報処理装置や記憶装置等に出力された対称度および分割線情報を、入力画像のメタデータとして付与するようにしてもよい。
【0239】
これにより、記録されている画像を、対称度や分割線情報(分割線の位置)によって検索したり、分類することができるようになる。
【0240】
さらに、入力画像の特徴量として、周波数分布や色分布とともに、対称度や分割線情報を用いることで、画像認識における認識精度を向上させることができるようになる。
【0241】
ところで、以上においては、図36を参照して説明したように、入力画像の構図を分類する場合、まず対称度によって大まかに分類し、さらに分割線の位置によって細かく分類するようにした。ここで、図36を参照して説明した対称度と分割線との関係を、図41に示す。
【0242】
図41において、横軸は左右対称度を、縦軸は上下対称度をそれぞれ示しており、それぞれによって与えられる2次元空間上に、構図パターンC1乃至C4が分布している。
【0243】
図41に示される2次元空間において、左右対称度、上下対称度がともに大きい領域には、「上下左右対称」の構図パターンを示す構図パターンC1が位置している。また、左右対称度が大きく、上下対称度が小さい領域には、「水平分割線中」の構図パターンを示す構図パターンC2が位置しており、左右対称度が小さく、上下対称度が大きい領域には、「垂直分割線中」の構図パターンを示す構図パターンC3が位置している。そして、左右対称度、上下対称度がともに小さい領域には、「右上斜め分割線」の構図パターンを示す構図パターンC4が位置している。
【0244】
なお、左右対称度が大きく、上下対称度が小さい領域に、例えば「垂直分割線上」の構図パターンが位置したり、左右対称度が小さく、上下対称度が大きい領域に、例えば「す平分割線下」の構図パターンが位置することはない。
【0245】
このように、左右対称度および上下対称度の算出結果によって、検出されうる分割線や、分類されうる構図パターンは限られるので、分割線検出処理の一部または全てを省略するようにできる。
【0246】
すなわち、左右対称度、上下対称度がともに大きい場合には、入力画像の構図は、分割線の検出結果に関わらず「上下左右対称」の構図パターンに分類されるので、分割線検出処理を全て省略することができる。
【0247】
また、左右対称度が大きく、上下対称度が小さい場合には、入力画像の構図は、「水平分割線上」、「水平分割線中」、「水平分割線下」、または「その他」のいずれかの構図パターンに分類されるので、水平分割線検出処理が実行されればよく、垂直分割線検出処理、および斜め分割線検出処理1,2を省略することができる。
【0248】
同様に、左右対称度が小さく、上下対称度が大きい場合には、入力画像の構図は、「垂直分割線左」、「垂直分割線中」、「垂直分割線右」、または「その他」のいずれかの構図パターンに分類されるので、垂直分割線検出処理が実行されればよく、水平分割線検出処理、および斜め分割線検出処理1,2を省略することができる。
【0249】
さらに、左右対称度、上下対称度がともに小さい場合には、入力画像の構図は、「右上斜め分割線」、「左上斜め分割線」、または「その他」のいずれかの構図パターンに分類されるので、斜め分割線検出処理1および2が実行されればよく、水平分割線検出処理および垂直分割線検出処理を省略することができる。
【0250】
このようにして、対称度算出処理の後に、分割線検出処理を実行することで、対称度算出処理の算出結果に応じて、分割線検出処理の一部または全部を省略することができるので、さらにコストの低い演算で、入力画像の構図を分類することが可能となる。
【0251】
なお、以上においては、図9のフローチャートのように、対称度算出処理の後に、分割線検出処理を実行するようにしたが、逆に、図42のフローチャートのように、分割線検出処理の後に、対称度算出処理を実行するようにしてもよい。
【0252】
図42は、分割線検出処理の後に、対称度算出処理を実行するようにした構図分類処理について説明するフローチャートである。
【0253】
なお、図42のフローチャートにおけるステップS211乃至S213の処理は、図9のフローチャートにおけるステップS12の処理とステップS11の処理とを入れ替えただけであるのでその詳細な説明は省略する。
【0254】
ただし、図41で説明した対称度と分割線との関係から、分割線の検出結果によっても、算出されうる分割線や、分類されうる構図パターンは限られるので、対称度算出処理の一部を省略するようにできる。
【0255】
すなわち、分割線として、水平分割線のみが検出された場合には、左右対称度が大きく、上下対称度が小さくなる傾向があるので、エッジ対称度算出処理や色対称度算出処理における上下対称度の算出処理を省略するようにしてもよい。
【0256】
また、分割線として、垂直分割線のみが検出された場合には、左右対称度が小さく、上下対称度が大きくなる傾向があるので、エッジ対称度算出処理や色対称度算出処理における左右対称度の算出処理を省略するようにしてもよい。
【0257】
このようにして、分割線検出処理の後に、対称度算出処理を実行することで、分割線検出処理の検出結果に応じて、対称度算出処理の一部を省略することができるので、さらにコストの低い演算で、入力画像の構図を分類することが可能となる。
【0258】
以上においては、撮像装置等で撮像された画像を入力画像として、入力画像の構図を分類する画像処理装置について説明してきたが、撮像した撮像画像の構図をそのまま分類する構成を撮像装置に設けるようにしてもよい。
【0259】
[撮像装置の構成例について]
図43は、撮像した撮像画像の構図を分類するようにした撮像装置の構成例を示している。なお、図43の撮像装置311において、図1の画像処理装置11に設けられたものと同様の機能を備える構成については、同一名称および同一符号を付するものとし、その説明は、適宜省略するものとする。
【0260】
すなわち、図43の撮像装置311において、図1の画像処理装置11と異なるのは、撮像部331、画像処理部332、表示部333、および記憶部334を新たに設けた点である。
【0261】
なお、図43の構図分類部は、構図パターンとともに、対称度および分割線情報を、表示部333または記憶部334に供給する。
【0262】
撮像部331は、光学レンズ、撮像素子、A/D(Analog/Digital)変換部(いずれも図示せず)を含むように構成される。撮像部331は、光学レンズに入射された光を、撮像素子が受光して光電変換することにより被写体を撮像し、得られたアナログの画像信号をA/D変換する。撮像部331は、A/D変換の結果得られたデジタルの画像データ(撮像画像)を画像処理部332に供給する。
【0263】
画像処理部332は、撮像部331からの撮像画像に対し、ノイズ除去処理等の画像処理を施し、リアルタイムな入力画像(いわゆるスルー画)として、対称度算出部31、分割線検出部32、および表示部333に供給する。すなわち、対称度算出部31および分割線検出部32は、動画像としてのリアルタイムな入力画像に対して、それぞれ対称度算出処理および分割線検出処理を行う。
【0264】
また、画像処理部332は、撮像装置311を操作するユーザのシャッタ操作によって図示せぬシャッタボタン等が操作されると、その時の撮像画像に対し、ノイズ除去処理等の画像処理を施し、静止画像としての入力画像を、対称度算出部31、分割線検出部32、および記憶部334に供給する。この場合、対称度算出部31および分割線検出部32は、静止画像としての入力画像に対して、それぞれ対称度算出処理および分割線検出処理を行う。
【0265】
表示部333は、画像処理部332からの撮像画像(スルー画)とともに、構図分類部33からの構図パターン、対称度、および分割線情報の少なくともいずれか1つに基づいた情報を表示する。例えば、表示部333は、スルー画とともに、そのスルー画の構図が分類される構図パターンの名称や、左右対称度および上下対称度を数値化したスコア、分割線情報で表される分割線を表示する。
【0266】
記憶部334は、画像処理部332からの撮像画像(静止画像)とともに、構図分類部33からの構図パターン、対称度、および分割線情報を、撮像画像のメタデータとして記憶する。
【0267】
これにより、記憶部334に記憶された画像を、対称度や分割線情報(分割線の位置)によって検索したり、分類することができるようになる。
【0268】
このような構成により、撮像装置311は、撮像画像の構図を分類する構図分類処理を実行する。なお、撮像装置311の構図分類処理は、図9または図42を参照して説明した、画像処理装置11の構図分類処理と同様にして実行され、同様の効果を奏するので、その説明は省略する。
【0269】
さらに、撮像装置311は、構図分類処理により得られた構図パターン、対称度や分割線情報に基づいて、推奨される構図をユーザに提示するようにしてもよい。
【0270】
例えば、表示部333に表示されているスルー画が、左右対称度が大きく、「水平分割線中」の構図パターンに分類された場合、表示部333には、図44の左側に示されるように、スルー画とともに、分割線検出処理により検出された水平分割線が表示される。このとき、例えば、ユーザにより、図示せぬ操作部が操作されることにより、図44の右側に示されるように、3分割構図を表す3分割線(破線)が表示されるとともに、分割線検出処理により検出された水平分割線を、図10で示された水平分割線H2に対応する3分割線に合わせるようにユーザに示唆する矢印が表示されるようにしてもよい。
【0271】
また、表示部333に表示されているスルー画が、図45の左側に示される左右対称度が小さい状態から、図45の右側に示される左右対称度が大きい状態になったときに、構図が左右対称になったことを示す線(破線)が表示されるようにしてもよい。
【0272】
さらに、撮像装置311において、撮像部331の光学レンズとして、標準的な画角のメインレンズと、メインレンズと比較して十分画角の広いサブレンズとを設けるようにして、表示部333に、メインレンズを介して撮像したメイン画像と、サブレンズを介して撮像したサブ画像とを合成した合成画像を表示させるようにした構成を考える。
【0273】
合成画像は、画角の広いサブ画像の一部に、画角の狭いメイン画像が、被写体の位置が一致するように合成された画像であり、ユーザは、合成画像を確認することで、メイン画像だけでは確認することができなかった広い範囲の構図(サブ画像に対応する構図)を確認することができるようになる。
【0274】
このような構成の撮像装置311において、メイン画像およびサブ画像のそれぞれに対して構図分類処理が行われることによって、メイン画像の対称度よりサブ画像の対称度の方が高い場合、または、サブ画像の分割線が3分割構図の3分割線にごく近い場合に、メイン画像の構図がサブ画像の構図と同様になるよう撮像装置311を操作するようにユーザに示唆する表示を行うようにしてもよい。
【0275】
以上のように、ユーザは、撮像している画像について、推奨される構図を知ることができるので、よりよい構図で撮影を行うことが可能となる。さらに、推奨される構図となったときには、撮像装置311が自動でシャッタ操作を行うようにしてもよい。
【0276】
なお、以上において説明した、対称度を算出するとともに分割線を検出し、対称度と分割線とに基づいて入力画像の構図を分類する処理は、動画像に対して実行されるようにしてももちろんよい。
【0277】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0278】
図46は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0279】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。
【0280】
バス904には、さらに、入出力インタフェース905が接続されている。入出力インタフェース905には、キーボード、マウス、マイクロホン等よりなる入力部906、ディスプレイ、スピーカ等よりなる出力部907、ハードディスクや不揮発性のメモリ等よりなる記憶部908、ネットワークインタフェース等よりなる通信部909、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等のリムーバブルメディア911を駆動するドライブ910が接続されている。
【0281】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU901が、例えば、記憶部908に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース905およびバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0282】
コンピュータ(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等よりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア911に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0283】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インタフェース905を介して、記憶部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記憶部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記憶部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0284】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0285】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0286】
11 画像処理装置, 31 対称度算出部, 32 分割線検出部, 33 構図分類部, 41 エッジ対称度算出部, 42 色対称度算出部, 72 水平分割線検出部, 73 垂直分割線検出部, 74,75 斜め分割線検出部, 311 撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する線対称性を示す対称度を算出する算出手段と、
前記入力画像における画素の画素情報の分布から、前記入力画像を分割する分割線を検出する検出手段と、
前記対称度および前記分割線の少なくともいずれか一方に基づいて、前記入力画像の構図を、予め決められている構図パターンのいずれかに分類する分類手段と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記算出手段は、前記入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する、前記入力画像のエッジ情報および色情報の少なくともいずれか一方についての前記対称度を算出する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記入力画像の中心点からの距離に応じた重み付けをして、前記対称度を算出する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記入力画像において、所定の方向に対してエッジ情報を積算し、前記エッジ情報の積算値の分布の変化から、前記分割線を検出する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記入力画像の中心点からの距離に応じた重み付けをして、前記エッジ情報を積算する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記入力画像において、水平方向に対してエッジ情報を積算し、前記エッジ情報の積算値の分布の変化から、前記入力画像を水平方向に分割する前記分割線である水平分割線を検出する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記検出手段は、前記入力画像において、垂直方向に対してエッジ情報を積算し、前記エッジ情報の積算値の分布の変化から、前記入力画像を垂直方向に分割する前記分割線である垂直分割線を検出する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記検出手段は、前記入力画像において、斜め方向に対してエッジ情報を積算し、前記エッジ情報の積算値の分布の変化から、前記入力画像を斜め方向に分割する前記分割線である斜め分割線を検出する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記検出手段は、前記入力画像の前記エッジ情報を2値化し、前記入力画像を、前記斜め方向に対応する角度だけ回転して、2値化された前記エッジ情報を積算する
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する線対称性を示す対称度を算出する算出手段と、
前記入力画像における画素の画素情報の分布から、前記入力画像を分割する分割線を検出する検出手段と、
前記対称度および前記分割線の少なくともいずれか一方に基づいて、前記入力画像の構図を、予め決められている構図パターンのいずれかに分類する分類手段とを備える画像処理装置の画像処理方法において、
前記算出手段が、入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する線対称性を示す対称度を算出する算出ステップと、
前記検出手段が、前記入力画像における画素の画素情報の分布から、前記入力画像を分割する分割線を検出する検出ステップと、
前記分類手段が、前記対称度および前記分割線の少なくともいずれか一方に基づいて、前記入力画像の構図を、予め決められている構図パターンのいずれかに分類する分類ステップと
を含む画像処理方法。
【請求項11】
入力画像の左右方向および上下方向の少なくともいずれか一方向の中心線に対する線対称性を示す対称度を算出する算出ステップと、
前記入力画像における画素の画素情報の分布から、前記入力画像を分割する分割線を検出する検出ステップと、
前記対称度および前記分割線の少なくともいずれか一方に基づいて、前記入力画像の構図を、予め決められている構図パターンのいずれかに分類する分類ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2012−42720(P2012−42720A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183877(P2010−183877)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】