画像処理装置および画像処理方法
【課題】装置の姿勢に関わらず、被写体が正常な向きの画像を得る。
【解決手段】画像処理装置100は、筐体101と、筐体101の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部140と、被写体を撮像して撮像画像を出力する撮像部110と、撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、撮像画像を撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換する画像変換部122と、撮像画像から生成した画像データを記録する記録再生部123と、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、撮像画像に代えて縦横変換画像から画像データを生成するように画像変換部122および記録再生部123を制御する制御部125とを備える。
【解決手段】画像処理装置100は、筐体101と、筐体101の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部140と、被写体を撮像して撮像画像を出力する撮像部110と、撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、撮像画像を撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換する画像変換部122と、撮像画像から生成した画像データを記録する記録再生部123と、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、撮像画像に代えて縦横変換画像から画像データを生成するように画像変換部122および記録再生部123を制御する制御部125とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラやビデオカメラなどの装置によって、静止画像や動画像などの撮像をすることが一般的になってきている。撮像によって得られた画像信号は、所定のフォーマットを用いて画像データとして記録される。ここで、画像データの記録のために用いられるフォーマットでは、画像の縦横比を規定する画面アスペクト比が定められていることが多い。例えば動画像の場合、画面アスペクト比としては横:縦=16:9、または横:縦=4:3などといったものが一般的である。近年、このような画面アスペクト比を扱う技術が開発されている。例えば特許文献1には、複数種類の画面アスペクト比を互いに判別し、最適なアスペクト比で画像を出力する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−3240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、撮像の際に、装置が一定の姿勢であるとは限らない。例えば、装置が横倒しになった状態で撮像されることもあれば、装置の上下が逆になった状態で撮像されることもありうる。その場合、画像データにも、横倒しになったり上下が逆になったりした画像が記録される。このような画像データを再生すると、横倒しになったり上下が逆になったりした画像が表示されるという問題があった。特許文献1に記載の技術は、上記のような横長の画面アスペクト比を有する画像の間で画面アスペクト比を最適化するものであるが、画像の向きを修正するものではないので、この問題は解決されていなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、装置の姿勢に関わらず、被写体が正常な向きの画像を得ることが可能な、新規かつ改良された画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、筐体と、上記筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部と、被写体を撮像して撮像画像を出力する撮像部と、上記撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、上記撮像画像を上記撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換する画像変換部と、上記撮像画像から生成した画像データを記録する記録再生部と、上記筐体の姿勢が上記縦姿勢である場合、上記撮像画像に代えて上記縦横変換画像から上記画像データを生成するように上記画像変換部および上記記録再生部を制御する制御部とを備える画像処理装置が提供される。
【0007】
上記画像処理装置は、上記筐体の姿勢に関わらず上記撮像画像を表示する表示部をさらに備えてもよい。
【0008】
上記画像処理装置は、上記撮像画像を外部の表示装置に出力する通信部をさらに備え、上記制御部は、上記筐体の姿勢が上記縦姿勢である場合、上記撮像画像に代えて上記縦横変換画像を出力するように上記画像変換部および上記通信部を制御してもよい。
【0009】
上記画像処理装置は、上記画像データに、上記画像データに含まれる画像が上記縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを付加するメタデータ処理部をさらに備えてもよい。
【0010】
上記制御部は、上記記録再生部が上記画像データの記録を開始するときに、上記筐体の姿勢が上記縦姿勢であるか否かを判定してもよい。
【0011】
上記姿勢検出部は、上記筐体の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、上記画像変換部は、上記撮像画像または上記縦横変換画像を上下が逆転するように回転することによって、上記撮像画像または上記縦横変換画像を逆転画像に変換し、上記制御部は、上記筐体の姿勢が上記逆姿勢である場合、上記撮像画像または上記縦横変換画像に代えて上記逆転画像から上記画像データを生成するように上記画像変換部および上記記録再生部を制御してもよい。
【0012】
上記画像処理装置は、再生画像を表示する表示部をさらに備え、上記記録再生部は、上記画像データから上記再生画像を取得し、上記メタデータ処理部は、上記画像データに付加された上記メタデータを取得し、上記画像変換部は、上記メタデータに基づいて、上記再生画像を上記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、上記再生画像を拡縮画像に変換し、上記制御部は、上記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、上記再生画像に代えて上記拡縮画像を表示するように上記画像変換部および上記表示部を制御してもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、筐体と、上記筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部と、画像データから再生画像を取得する記録再生部と、上記再生画像を表示する表示部と、上記画像データに付加された、上記画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを取得するメタデータ処理部と、上記メタデータに基づいて、上記再生画像を上記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、上記再生画像を拡縮画像に変換する画像変換部と、上記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、上記再生画像に代えて上記拡縮画像を表示するように上記画像変換部および上記表示部を制御する制御部とを備える画像処理装置が提供される。
【0014】
上記画像処理装置は、上記筐体の姿勢に関わらず上記再生画像を外部の表示装置に出力する通信部をさらに備えてもよい。
【0015】
上記姿勢検出部は、上記筐体の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、上記画像変換部は、上記再生画像または上記拡縮画像を上下が逆転するように回転することによって、上記再生画像または上記拡縮画像を逆転画像に変換し、上記制御部は、上記筐体の姿勢が上記逆姿勢である場合、上記再生画像または上記拡縮画像に代えて上記逆転画像を表示するように上記画像変換部および上記表示部を制御してもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出するステップと、被写体を撮像して撮像画像を出力するステップと、上記撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、上記撮像画像を上記撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換するステップと、上記撮像画像から生成した画像データを記録するステップとを含み、上記筐体の姿勢が上記縦姿勢である場合、上記撮像画像に代えて上記縦横変換画像から上記画像データが生成される画像処理方法が提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出するステップと、画像データから再生画像を取得するステップと、上記再生画像を表示部に表示させるステップと、上記画像データに付加された、上記画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを取得するステップと、上記メタデータに基づいて、上記再生画像を上記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、上記再生画像を拡縮画像に変換するステップとを含み、上記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、上記再生画像に代えて上記拡縮画像が表示される画像処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、装置の姿勢に関わらず、被写体が正常な向きの画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の外観構成を示す正面図である。
【図2】同実施形態に係る画像処理装置の外観構成を示す背面図である。
【図3】同実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態に係る画像処理装置の筐体の姿勢変化についての説明図である。
【図5】同実施形態に係る画像処理装置の筐体の姿勢変化についての説明図である。
【図6】同実施形態に係る画像処理装置の撮像時の処理を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態に係る画像処理装置によって記録または表示される画像についての説明図である。
【図8】同実施形態に係る画像処理装置によって記録または表示される画像についての説明図である。
【図9】同実施形態に係る画像処理装置の再生時の処理を示すフローチャートである。
【図10】同実施形態に係る画像処理装置によって表示される画像についての説明図である。
【図11】同実施形態に係る画像処理装置によって表示される画像についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態
1−1.画像処理装置の構成
1−2.筐体の姿勢変化について
1−3.画像処理装置の撮像時の処理
1−4.画像処理装置の再生時の処理
2.まとめ
【0022】
<1.第1の実施形態>
(1−1.画像処理装置の構成)
まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像処理装置100の外観構成を示す正面図である。図2は、本実施形態に係る画像処理装置100の外観構成を示す背面図である。図3は、本実施形態に係る画像処理装置100の機能構成を示すブロック図である。本発明の画像処理装置は、例えば、図1〜3に示す画像処理装置100のようなデジタルカメラとして実現されるほか、画像処理機能を有する任意の電子機器として実現されうる。
【0023】
画像処理装置100は、被写体を撮像し、撮像によって得られた静止画または動画をデジタル方式の画像データとして記録媒体に記録する機能を有するデジタルカメラ(例えばデジタルスチルカメラ、またはデジタルビデオカメラ)である。また、画像処理装置100は、記録媒体に記録された画像データを、静止画または動画として再生する機能を有していてもよい。
【0024】
図1および図2を参照すると、画像処理装置100は、筐体101を有する。本実施形態において、筐体101の形状は、ユーザが携帯および撮像するのに便利な、小型で横長の形状である。筐体101には、被写体を撮像する撮像部110、撮像画像または再生画像が表示される表示部150、および撮像画像または再生画像を外部の表示装置に出力する通信部160が設けられている。また、筐体101の内部には、画像処理装置100の制御部および記憶部などが内蔵されている。筐体101には、さらに、撮像または再生のためのユーザの操作を受け付けるための操作部として、動画の撮像および記録を開始または終了するためのレコードボタン102、静止画を撮像および記録するためのレリーズボタン103、および、表示部150の表面に設けられたタッチパネル104を有する。タッチパネル104は、例えば表示部150に表示される操作子に対するユーザの接触を検知し、撮像または再生のためのユーザの様々な操作を取得する。
【0025】
図示されている例では、筐体101は横長に配置され、筐体101を背面から見た場合左側に表示部150が、右側にレコードボタン102がそれぞれ配置される。このような姿勢が、筐体101の本来の姿勢であるが、後述するように、画像処理装置100は、筐体101に任意の回転が加えられた状態でも機能し、画像の撮像または再生が可能である。
【0026】
図3を参照すると、画像処理装置100は、撮像部110、DSP(Digital Signal Processor)120、記憶部130、姿勢検出部140、表示部150、および通信部160を有する。DSP120は、信号処理部121、画像変換部122、記録再生部123、メタデータ処理部124、および制御部125として機能する。
【0027】
撮像部110は、被写体を撮像して、撮像画像を出力する。撮像部110は、例えば、撮像光学系、撮像素子、タイミングジェネレータ、および光学部品駆動部などを含む。ここで、撮像光学系は、フォーカスレンズ、ズームレンズ等の各種レンズ、不要な波長を除去する光学フィルタ、および絞りなどの光学部品からなる。被写体から入射された光学像(被写体像)は、撮像光学系における各光学部品を介して、撮像素子の露光面に結像される。撮像素子(イメージセンサ)は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子で構成される。この撮像素子は、撮像光学系から導かれた光学像を光電変換し、撮像画像を表す画像信号(アナログ画像信号)を出力する。
【0028】
DSP120は、撮像画像の画像処理、および画像処理装置100の動作制御のための演算処理装置である。DSP120に含まれる信号処理部121は、撮像部110から出力される撮像画像を表す画像信号に対して所定の信号処理を実行し、信号処理後の画像信号を出力する。信号処理部121は、さらに、アナログ信号処理部、アナログ/デジタル変換部、およびデジタル信号処理部などを含む。ここで、アナログ信号処理部は、画像信号を前処理するいわゆるアナログフロントエンドである。アナログ信号処理部は、例えば、撮像部110から出力される画像信号に対して、CDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)処理、PGA(Programmable Gain Amplifier)によるゲイン処理などを実行する。アナログ/デジタル変換部は、アナログ信号処理部から入力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換して、デジタル信号処理部に出力する。デジタル信号処理部は、入力されたデジタル画像信号に対して、例えば、ノイズ除去、ホワイトバランス調整、色補正、エッジ強調、ガンマ補正などのデジタル信号処理を実行し、デジタル信号処理後の画像信号を出力する。なお、信号処理部121は、必ずしもアナログおよびデジタル信号処理を実行しなくてもよい。例えば、撮像部110がデジタル画像信号を出力し、信号処理部121がデジタル信号処理だけを実行してもよい。
【0029】
DSP120に含まれる画像変換部122は、信号処理部121または記録再生部123から出力される画像信号を処理し、画像信号によって表される画像に、回転、縮小または拡大などの変形を加える。これによって、画像変換部122は、撮像画像、または再生画像を、記録または表示に適した画像に変換する。例えば、画像変換部122は、撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、撮像画像と同じサイズの縦横逆転画像に変換してもよい。また、画像変換部122は、再生画像を表示部150のサイズに合わせて拡大または縮小することによって拡縮画像に変換してもよい。さらに、画像変換部122は、撮像画像または再生画像を上下が逆転するように回転することによって逆転画像に変換してもよい。なお、縦横逆転画像、拡縮画像、および逆転画像がどのような画像であるか、ならびに、これらの画像の変換のための制御部125の制御については後述する。
【0030】
DSP120に含まれる記録再生部123は、撮像画像から画像データを生成して記憶部130に格納する。記録再生部123は、制御部125による制御に応じて、撮像画像に代えて、画像変換部122によって撮像画像から変換された縦横変換画像、または逆転画像を用いてもよい。なお、制御部125による記録再生部123の制御については後述する。記録再生部123は、例えば動画撮影モードにおいてレコードボタン102が押下された場合に、信号処理部121、または画像変換部122から出力される画像信号を、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)4などの所定のフォーマットで圧縮して、画像データを生成する。さらに、記録再生部123は、画像データを記憶部130から読み出し、画像データから再生画像を取得してもよい。記録再生部123は、例えばタッチパネル104を介して、動画再生のためのユーザの操作が取得された場合に、画像データを例えばMPEG4などの所定のフォーマットで伸張して、取得された再生画像を出力してもよい。
【0031】
ここで、記録再生部123において画像データの生成または再生画像の取得に用いられるフォーマットでは、画像の縦横比を規定する画面アスペクト比が定められている。画面アスペクト比は、例えば横:縦=16:9、または横:縦=4:3などのように定められる。ここでは、上記フォーマットにおいて定められた画面アスペクト比が、横長の画面アスペクト比、例として横:縦=16:9であるものとする。なお、本発明において画面アスペクト比の具体的な値は本質的な要素ではない。例えば、上記フォーマットにおいて定められた画面アスペクト比は、横:縦=4:3など、他の横長の画面アスペクト比でもよい。また、上記フォーマットにおいて定められた画面アスペクト比は、縦長の画面アスペクト比であってもよい。
【0032】
DSP120に含まれるメタデータ処理部124は、記録再生部123によって生成された画像データにメタデータを付加する。また、メタデータ処理部は、記憶部130から読み出される画像データに付加されたメタデータを取得してもよい。メタデータ処理部124は、例えば、画像データのファイルに含まれるタグ情報として、メタデータの付加および取得を行う。メタデータ処理部124は、制御部125の制御に応じて、画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを、その画像データに付加してもよい。また、メタデータ処理部124は、画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを画像データから取得し、制御部125に出力してもよい。
【0033】
DSP120に含まれる制御部125は、マイクロコントローラなどの演算処理装置で構成され、画像処理装置100の各部の動作を制御する。制御部125は、例えば記憶部130に含まれるフラッシュROM(Read Only Memory)などに格納されたプログラムに従って動作することによって、制御のために必要な各種の演算処理を実行する。この演算処理には、記憶部130に含まれるDRAM(Dynamic Random Access Memory)が用いられてもよい。なお、上記のプログラムは、ディスク状記録媒体、またはメモリカードなどのリムーバブル記憶媒体に格納されて画像処理装置100に提供されるものであってもよく、またLAN(Local Area Network)、インターネット等のネットワークを介して画像処理装置100にダウンロードされるものであってもよい。例えば、制御部125は、姿勢検出部140によって検出された筐体101の姿勢が縦姿勢である場合に、撮像画像に代えて縦横変換画像から画像データを生成するように画像変換部122および記録再生部123を制御してもよい。また、制御部125は、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合に、撮像画像または縦横変換画像に代えて逆転画像から画像データを生成するように画像変換部122および記録再生部123を制御してもよい。さらに、制御部125は、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合に、再生画像に代えて拡縮画像を表示するように画像変換部122および表示部150を制御してもよい。また、制御部125は、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合に、再生画像または拡縮画像に代えて逆転画像を表示するように画像変換部122および表示部150を制御してもよい。なお、姿勢検出部140の出力に基づく制御部125の動作については後述する。
【0034】
記憶部130には、画像処理装置100の処理に関するデータが格納される。記憶部130は、例えば、フラッシュROM、もしくはDRAMなどの半導体メモリ、BD(Blu-ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、もしくはCD(Compact Disc)などの光ディスク、またはハードディスクなどでありうる。記憶部130は、画像処理装置100に内蔵される記憶装置であってもよく、画像処理装置100に着脱可能なメモリカードなどのリムーバブルメディアであってもよい。また、記憶部130は、複数の種類の記憶装置またはリムーバブルメディアを含んでもよい。記憶部130には、記録再生部123によって生成または読み出しされる画像データが格納されるほか、制御部125が動作するためのプログラムなどが格納されうる。
【0035】
姿勢検出部140は、画像処理装置100の筐体101の姿勢を検出し、検出の結果を制御部125に出力する。姿勢検出部140は、例えば加速度センサ、磁気センサ、またはジャイロスコープなどを用いて検出した筐体101の3軸方向の回転に基づいて、筐体101の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する。また、姿勢検出部140は、同様にして、筐体101の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出してもよい。なお、縦姿勢および逆姿勢が具体的にどのような姿勢であるかについては後述する。
【0036】
表示部150は、撮像部110から出力された撮像画像、または、記録再生部123から出力された再生画像を表示する。表示部150は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含む。表示部150は、撮像時には、筐体101の姿勢に関わらず撮像画像を表示してもよい。また、表示部150は、再生時には、制御部125による制御に応じて、再生画像に代えて、画像変換部122によって再生画像から変換された拡縮画像を用いてもよい。なお、制御部125による表示部150の制御については後述する。
【0037】
通信部160は、撮像部110から出力された撮像画像、または、記録再生部123から出力された再生画像を、外部の表示装置に出力する。通信部160は、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)を含む。通信部160は、撮像時には、制御部125による制御に応じて、撮像画像に代えて、画像変換部122によって撮像画像から変換された縦横変換画像、または逆転画像を用いてもよい。また、通信部160は、再生時には、筐体101の姿勢に関わらず再生画像を出力してもよい。なお、制御部125による通信部160の制御については後述する。
【0038】
(1−2.筐体の姿勢変化について)
次に、図4および図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置における、筐体の姿勢変化について説明する。図4および図5は、いずれも、本実施形態に係る画像処理装置100の筐体101の姿勢変化についての説明図である。
【0039】
図4には、本実施形態において、被写体200を撮像する画像処理装置100の筐体101の4種類の姿勢が、筐体101a〜101dとして示されている。ここで、筐体101は、図1および図2を参照して説明されたように、本来筐体101aの姿勢であるものとして設計されている。しかし、例えば、被写体200の男の子だけを撮像するために縦長の構図を用いる場合、またはユーザが左手で筐体101を操作する場合など、様々な状況によって、ユーザが筐体101を回転させるなどした結果、筐体101の姿勢が筐体101b〜101dのような姿勢になることもありうる。
【0040】
以下で、筐体101の姿勢について、2つの分類を用いて説明する。ここでは、図示された例における筐体101a〜101dの姿勢のうち、筐体101bおよび筐体101dの姿勢を、縦姿勢とする。また、筐体101cおよび筐体101dの姿勢を、逆姿勢とする。以下で、この縦姿勢および逆姿勢についてそれぞれ説明する。なお、筐体101の姿勢は、画像処理装置100が被写体を撮像する場合においても、画像処理装置100が画像データを再生する場合においても同様に定義される。
【0041】
まず、筐体101の姿勢が、縦姿勢である場合について説明する。図1および図2を参照して説明されたように、筐体101は、横長の形状であるように設計されている。つまり、筐体101の本来の姿勢は、筐体101が横長に配置されている姿勢である。これに対して、筐体101bおよび筐体101dのように、筐体101が縦長に配置されるような姿勢は、筐体101の本来の姿勢と比べて縦横が逆転したものである。この筐体101bおよび筐体101dのような姿勢を、ここでは縦姿勢と呼ぶ。なお、縦姿勢とは、本質的には、筐体101の本来の姿勢と比べて縦横が逆転した姿勢を指し、必ずしも筐体101が縦長に配置されることを指すものではない。例えば、筐体101の本来の姿勢が、筐体101が縦長に配置されている姿勢である場合、縦姿勢は、筐体101が横長に配置されるような姿勢である。
【0042】
次に、筐体101の姿勢が、逆姿勢である場合について説明する。上述のように、筐体101は、背面の左側に表示部150が、右側にレコードボタン102が、それぞれ配置されるように設計されている。つまり、筐体101の本来の姿勢は、筐体101を背面から見た場合に、左側に表示部150が、右側にレコードボタン102がそれぞれ配置される姿勢である。これに対して、筐体101cのように、筐体101を背面から見た場合に、右側に表示部150が、左側にレコードボタン102がそれぞれ配置されるような姿勢は、筐体101の本来の姿勢と比べて上下が逆転したものである。このような筐体101cの姿勢を、ここでは逆姿勢と呼ぶ。
【0043】
さらに、筐体101の姿勢が、逆姿勢である別の場合について説明する。上述のように、筐体101の縦姿勢には、筐体101bの姿勢と、筐体101dの姿勢との2種類がある。ここでは、この2種類の姿勢を区別するために、縦姿勢についても、逆姿勢であるか否かという区別を用いる。ここでは、筐体101bの姿勢、すなわち、筐体101を背面から見た場合に、上側に表示部150が、下側にレコードボタン102がそれぞれ配置されるような姿勢を、筐体101の本来の縦姿勢とする。これに対して、筐体101dの姿勢、すなわち、筐体101を背面から見た場合に、下側に表示部150が、上側にレコードボタン102がそれぞれ配置されるような姿勢を、筐体101の縦姿勢かつ逆姿勢とする。
【0044】
図5には、筐体101の姿勢が縦姿勢または逆姿勢である場合に、撮像部110から出力される被写体200の撮像画像が図示されている。図示された例において、筐体101bの姿勢は、本来の姿勢である筐体101aの姿勢から、−90°回転して縦姿勢になっている。この場合、撮像部110も筐体101に伴って−90°回転しているため、出力される撮像画像において、被写体200は90°回転した横倒しの状態になる。また、筐体101cの姿勢は、本来の姿勢である筐体101aの姿勢から、180°回転して逆姿勢になっている。この場合、撮像部110も筐体101に伴って180°回転しているため、出力される撮像画像において、被写体200は180°回転して上下が逆転した状態になる。
【0045】
なお、図示していないが、画像処理装置100が画像データの再生をする場合にも、記録再生部123から出力される再生画像がそのまま表示部150に出力されれば、同様に筐体101の姿勢による影響が生じる。例えば、筐体101aの姿勢で撮像および記録された画像データを、筐体101bの姿勢で再生する場合、表示部150に表示される再生画像において、被写体200は−90°回転した横倒しの状態になる。また、筐体101aの姿勢で撮像および記録された画像データを、筐体101cの姿勢で再生する場合、表示部150に表示される再生画像において、被写体200は180°回転して上下が逆転した状態になる。
【0046】
(1−3.画像処理装置の撮像時の処理)
続いて、図6〜図8を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の撮像時の処理について説明する。図6は、本実施形態に係る画像処理装置100の撮像時の処理を示すフローチャートである。図7および図8は、図6において示される処理の結果、画像処理装置100によって記録または表示される画像についての説明図である。
【0047】
図6は、画像処理装置100の制御部125が、姿勢検出部140の出力に基づいて、画像変換部122を制御して縦横変換画像または逆転画像を生成する処理を示すフローチャートである。
【0048】
なお、図6に示すフローチャートにおいて、制御部125は、記録再生部123が画像データの記録を開始するときに、姿勢検出部140の出力に基づいて筐体101の姿勢を判定し、以後その判定を用いる。つまり、制御部125は、動画像の撮影で記録再生部123による画像データの記録が持続する場合であっても、記録再生部123が画像データの記録を開始したときの筐体101の姿勢に基づいて画像変換部122を制御する。例えば、一旦撮像画像の記録が開始された後の筐体101の姿勢の変化は、ユーザが意図的に行っているものであると想定される場合、このような構成が有効である。そうではない場合、制御部125は、記録再生部123による画像データの記録の間、姿勢検出部140の出力に基づいて筐体101の姿勢を判定し続け、判定された姿勢に基づいて画像変換部122を制御してもよい。
【0049】
まず、制御部125は、姿勢検出部140から出力された筐体101の姿勢が、縦姿勢であるか否かを判定する(ステップS101)。ここで、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、撮像部110から信号処理部121を経て出力される撮像画像を、縦横変換画像に変換する。この場合、まず、画像変換部122は、画像を−90°回転する(ステップS103)。この−90°回転によって、撮像画像の縦横が逆転する。筐体101の姿勢が縦姿勢の場合、撮像画像の縦横は元々逆転しているので、その画像の縦横をさらに逆転させることによって、撮像画像の縦横は元に戻る。
【0050】
次に、画像変換部122は、画像を縮小する(ステップS105)。本実施形態において、画像データの生成に用いられるフォーマットでは、横:縦=16:9という横長の画面アスペクト比が定められている。ステップS103における回転後の画像の画面アスペクト比は、横:縦=9:16であるため、縦のサイズが、上記フォーマットによって記録可能なサイズを超えてしまう。そこで、ステップS105において、縦のサイズが上記フォーマットによって記録可能なサイズを超えないように画像を縮小する。
【0051】
次に、画像変換部122は、縮小された画像に黒帯を付加する(ステップS107)。ステップS105における縮小後の画像では、横長の画面アスペクト比の画像に、縮小した縦長の画像が含まれるため、画像の左右が開いてしまう。そこで、画像変換部122は、画像の左右両側に黒帯を挿入する。なお、ステップS107の処理では、画像の開いた部分が埋められればよいため、黒帯以外の表示要素、例えば壁紙などの画像が代わりに付加されてもよい。以上のステップS103〜ステップS107の処理によって、撮像画像と同じサイズの縦横変換画像が生成される。ここで、制御部125は、ステップS109の処理に移る。
【0052】
一方、ステップS101において、筐体101の姿勢が縦姿勢ではなかった場合、制御部125は、撮像画像を縦横変換画像に変換せず、ステップS109の処理に移る。
【0053】
続いて、制御部125は、姿勢検出部140から出力された筐体101の姿勢が、逆姿勢であるか否かを判定する(ステップS109)。ここで、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、撮像画像、または、ステップS103〜ステップS107の処理によって生成された縦横変換画像を、逆転画像に変換する。この場合、画像変換部122は、画像を180°回転する(ステップS111)。この180°回転によって、撮像画像、または縦横変換画像の上下が逆転する。筐体101の姿勢が逆姿勢の場合、撮像画像の上下は元々逆転しているので、その画像の上下をさらに逆転させることによって、撮像画像、または縦横変換画像の上下は元に戻る。ここまでで、制御部125は処理を終了する。
【0054】
一方、ステップS109において、筐体101の姿勢が逆姿勢ではなかった場合、制御部125は、撮像画像または縦横変換画像を逆転画像に変換せず、処理を終了する。
【0055】
制御部125は、上記の処理によって縦横変換画像または逆転画像が生成された場合、縦横変換画像または逆転画像を撮像画像に代えて画像データの生成に用いるように記録再生部123を制御する。また、制御部125は、上記の処理によって縦横変換画像または逆転画像が生成された場合、縦横変換画像または逆転画像を撮像画像に変えて外部の表示装置に出力するように通信部160を制御する。さらに、制御部125は、上記の処理によって縦横変換画像が生成された場合、画像が縦横変換画像であることを示すメタデータを、例えばファイルに含まれるタグ情報として、記録再生部123が生成した画像データに付加するように、メタデータ処理部124を制御する。
【0056】
一方、上記の処理によって縦横変換画像または逆転画像が生成された場合でも、表示部150には、撮像部110から出力された撮像画像110が表示される。表示部150が筐体101上に設けられている場合、表示部150は、撮像部110とともに回転している。そのため、筐体101の姿勢に関わらず、表示部150に表示される画像では縦横または上下が逆転しないからである。
【0057】
図7は、図6を参照して説明した処理によって生成される縦横変換画像について説明するための図である。図7には、画像処理装置100の筐体101の姿勢が縦姿勢である場合に、記録再生部123によって記録される画像データ400v、および通信部160から出力された画像を表示する外部の表示装置300が模式的に示されている。
【0058】
図示された例において、筐体101bの姿勢は、本来の姿勢から−90°回転して縦姿勢になっている。この場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、図6を参照して説明したような処理によって、撮像部110から出力された撮像画像を縦横変換画像に変換させる。さらに制御部125は、記録再生部123を制御して、縦横変換画像から画像データを生成して記録させる。また、制御部125は、通信部160を制御して、縦横変換画像を外部の表示装置300に出力させる。その結果、記録再生部123によって記録される画像データ400vでは、縦姿勢で撮像された画像が、縦長の画像として表示される。記録される画像自体は横長であるため、撮像された画像は縦のサイズが記録される画像のサイズを超えないように縮小されており、両側に黒帯が表示されている。また、通信部160から出力された画像を表示する表示装置300でも同様に、縦姿勢で撮像された画像が、縦長の画像として表示される。
【0059】
図8は、図6を参照して説明した処理によって生成される逆転画像について説明するための図である。図8には、画像処理装置100の筐体101の姿勢が逆姿勢である場合に、記録再生部123によって記録される画像データ400r、および通信部160から出力された画像を表示する外部の表示装置300が模式的に示されている。
【0060】
図示された例において、筐体101cの姿勢は、本来の姿勢から180°回転して逆姿勢になっている。この場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、図6を参照して説明したような処理によって、撮像部110から出力された撮像画像を逆転画像に変換させる。さらに制御部125は、記録再生部123を制御して、逆転画像から画像データを生成して記録させる。また、制御部125は、通信部160を制御して、縦横変換画像を外部の表示装置300に出力させる。その結果、記録再生部123によって記録される画像データ400rでは、逆姿勢で撮像された画像が、正しい上下の画像として表示される。撮像された画像自体は横長であるため、サイズは変更されていない。また、通信部160から出力された画像を表示する表示装置300でも同様に、逆姿勢で撮像された画像が、正しい上下の画像として表示される。
【0061】
(1−4.画像処理装置の再生時の処理)
続いて、図9〜11を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の再生時の処理について説明する。図9は、本実施形態に係る画像処理装置100の再生時の処理を示すフローチャートである。図10および図11は、図9において示される処理の結果、画像処理装置100によって表示される画像についての説明図である。
【0062】
図9は、画像処理装置100の制御部125が、メタデータ処理部124および姿勢検出部140の出力に基づいて、画像変換部122を制御して拡縮画像または逆転画像を生成する処理を示すフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートにおいて、制御部125は、記録再生部123による画像データの再生の間、姿勢検出部140の出力に基づいて筐体101の姿勢を判定し続け、判定された姿勢に基づいて画像変換部122を制御する。例えば、一旦画像データの再生が開始された後でも、ユーザが視聴しやすいように筐体101の姿勢を変更することが想定される場合、このような構成は有効である。そうではない場合、制御部125は、記録再生部123が画像データの再生を開始するときに姿勢検出部140の出力に基づいて筐体101の姿勢を判定し、以後その判定を用いてもよい。
【0063】
まず、制御部125は、メタデータ処理部124によって再生の対象となる画像データから取得されたメタデータから、再生画像が縦横変換画像であるか否かを判定する(ステップS201)。ここで、再生画像が縦横変換画像である場合、制御部125は、姿勢検出部140から出力された筐体101の姿勢が、縦姿勢であるか否かを判定する(ステップS203)。
【0064】
ここで、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、記録再生部123が画像データから取得した再生画像を、拡縮画像に変換する。この場合、まず、画像変換部122は、縦横変換画像の左右両側に挿入されている黒帯を削除する(ステップS205)。次に、画像変換部122は、黒帯が取り除かれた画像を、表示部150のサイズに合わせて拡大する(ステップS207)。ここで、制御部125は、ステップS215の処理に移る。
【0065】
ステップS203において、筐体101の姿勢が縦姿勢ではなかった場合、制御部125は、再生画像を拡縮画像に変換せず、ステップS215の処理に移る。
【0066】
一方、ステップS201において、再生画像が縦横変換画像ではないと判定された場合、制御部125は、姿勢検出部140から出力された筐体101の姿勢が、縦姿勢であるか否かを判定する(ステップS209)。
【0067】
ここで、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、再生画像を拡縮画像に変換する。この場合、まず、画像変換部122は、表示部150による表示可能なサイズを超えないように再生画像を縮小する(ステップS211)。次に、画像変換部122は、縮小された画像に黒帯を付加する(ステップS213)。ステップS211における縮小の画像では、縦長に配置される表示部150に、縮小した横長の画像が表示されるため、画像の上下が開いてしまう。そこで、画像変換部122は、画像の上下両側に黒帯を挿入する。なお、ステップS213の処理では、画像の開いた部分が埋められればよいため、黒帯以外の表示要素、例えば壁紙などの画像が代わりに付加されてもよい。ここで、制御部125は、ステップS215の処理に移る。
【0068】
一方、ステップS209において、筐体101の姿勢が縦姿勢ではなかった場合、制御部125は、再生画像を拡縮画像に変換せず、ステップS215の処理に移る。
【0069】
続いて、制御部125は、姿勢検出部140から出力された筐体101の姿勢が、逆姿勢であるか否かを判定する(ステップS215)。ここで、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、再生画像、または、ステップS205およびステップS207もしくはステップS211およびステップS213の処理によって生成された拡縮画像を、逆転画像に変換する。この場合、画像変換部122は、画像を180°回転する(ステップS217)。この180°回転によって、再生画像、または拡縮画像の上下が逆転する。筐体101の姿勢が逆姿勢の場合、再生画像または拡縮画像をそのまま表示部150に表示すると上下が逆転してしまうので、再生画像または拡縮画像の上下を逆転させることによって、表示部150に正しい上下の再生画像を表示する。ここまでで、制御部125は処理を終了する。
【0070】
一方ステップS215において、筐体101の姿勢が逆姿勢ではなかった場合、制御部125は、再生画像または拡縮画像を逆転画像に変換せず、処理を終了する。
【0071】
制御部125は、上記の処理によって拡縮画像または逆転画像が生成された場合、拡縮画像または逆転画像を再生画像に代えて表示するように表示部150を制御する。一方、上記の処理によって拡縮画像または逆転画像が生成された場合でも、通信部160は、記録再生部123が取得した再生画像を出力する。通信部160から出力される画像を表示する外部の表示装置300は、画像処理装置100の筐体101の姿勢に関わらず一定の姿勢である。従って、筐体101の姿勢に関わらず、再生画像と表示装置300に表示される画像との間では縦横または上下が逆転しないからである。
【0072】
図10は、図9を参照して説明した処理によって生成される拡縮画像のうち、拡大されるものについて説明するための図である。図10には、画像処理装置100の筐体101の姿勢が縦姿勢である場合に、縦横変換画像である画像データ400vによって、画像処理装置100の表示部150と、外部の表示装置300とに表示される画像が模式的に示されている。
【0073】
図示された例において、筐体101bの姿勢は、本来の姿勢から−90°回転して縦姿勢になっている。この場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、図9のステップS205およびステップS207を参照して説明したような処理によって、記録再生部123が縦横変換画像である画像データ400vから取得した再生画像を拡縮画像に変換させる。さらに制御部125は、表示部150を制御して、再生画像に代えて拡縮画像を表示させる。その結果、表示部150に表示される画像は、画像データ400vから黒帯を取り除いた部分が、縦長に配置されている表示部150に合わせて拡大された画像になる。
【0074】
つまり、筐体101の姿勢が縦姿勢であることによって表示部150の画面アスペクト比が縦長になっている場合には、縦長の画面アスペクト比で撮像された画像は、縦横変換画像における縮小されたサイズから撮像時のサイズに拡大されて、表示部150に表示される。一方、筐体101の姿勢に関わらず横長の画面アスペクト比を有する外部の表示装置300には、記録再生部123が画像データ400vから取得した、横長の画面アスペクト比を有する再生画像が表示される。
【0075】
図11は、図9を参照して説明した処理によって生成される拡縮画像のうち、縮小されるものについて説明するための図である。図11には、画像処理装置の筐体101が縦姿勢である場合に、縦横変換画像ではない画像データ400hによって、画像処理装置100の表示部150と、外部の表示装置300とに表示される画像が模式的に示されている。
【0076】
図示された例において、筐体101bの姿勢は、本来の姿勢から−90°回転して縦姿勢になっている。この場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、図9のステップS211およびステップS213を参照して説明したような処理によって、記録再生部123が画像データ400hから取得した再生画像を拡縮画像に変換させる。さらに制御部125は、表示部150を制御して、再生画像に代えて拡縮画像を表示させる。その結果、表示部150に表示される画像は、画像データ400hを表示部150の横のサイズに合わせて縮小した画像の上下に黒帯を付加した画像になる。
【0077】
つまり、筐体101の姿勢が縦姿勢であることによって表示部150の画面アスペクト比が縦長になっている場合には、横長の画面アスペクト比で撮像された画像は、横のサイズが表示部150において表示可能なサイズになるように縮小されて、表示部150に表示される、一方、筐体101の姿勢に関わらず横長の画面アスペクト比を有する外部の表示装置300には、記録再生部123が画像データ400vから取得した、横長の画面アスペクト比を有する再生画像が表示される。
【0078】
<2.まとめ>
上記の本発明の実施形態において、画像処理装置100は、筐体101と、筐体101の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部140と、被写体200を撮像して撮像画像を出力する撮像部110と、撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、撮像画像を撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換する画像変換部122と、撮像画像から生成した画像データを記録する記録再生部123と、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、撮像画像に代えて縦横変換画像から画像データを生成するように画像変換部122および記録再生部123を制御する制御部125とを備える。このような構成によって、撮像時の装置の姿勢が、装置の本来の姿勢に対して縦横が逆転した縦姿勢であっても、記録される画像が横倒しになることなく、被写体200が正常な向きの画像を記録することができる。この記録された画像は、例えば本発明の実施形態に係る画像処理装置100以外の装置において再生される場合であっても、別途の処理をすることなく、被写体200が正常な向きの画像として再生される。
【0079】
画像処理装置100は、筐体101の姿勢に関わらず撮像画像を表示する表示部150をさらに備えてもよい。表示部150が撮像部110とともに筐体101に設置されている場合、表示部150は撮像部110とともに筐体101の姿勢の変化に従う。よって、上記の構成によって、表示部150に被写体200が正常な向きの画像を表示することができる。
【0080】
画像処理装置100は、撮像画像を外部の表示装置300に出力する通信部160をさらに備え、制御部125は、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、撮像画像に代えて縦横変換画像を出力するように画像変換部122および通信部160を制御してもよい。外部の表示装置300に撮像画像を出力する場合、外部の表示装置300の姿勢は筐体101の姿勢に影響されないため、上記の構成によって、外部の表示装置300において、別途の処理をすることなく、被写体200が正常な向きの撮像画像を表示することができる。
【0081】
画像処理装置100は、画像データに、画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを付加するメタデータ処理部124をさらに備えてもよい。このような構成によって、画像データから画像を再生するときに、画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを認識できる。これによって、縦横変換画像を再生して縦長の表示部150に表示する場合に、画像を拡大して表示部150のサイズに合わせることができる。なお、縦長の表示部は表示部150には限られず、画像処理装置100以外の装置の表示部であってもよい。
【0082】
制御部125は、記録再生部123が画像データの記録を開始するときに、筐体101の姿勢が縦姿勢であるか否かを判定してもよい。一旦撮影が開始された後の筐体101の姿勢の変化を、ユーザによる意図的な姿勢の変化と考える場合、このような構成によって、ユーザが意図的に筐体101を回転させたことによる画像の向きの変化を修正してしまわないようにすることができる。
【0083】
姿勢検出部140は、筐体101の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、画像変換部122は、撮像画像または縦横変換画像を上下が逆転するように回転することによって、撮像画像または縦横変換画像を逆転画像に変換し、制御部125は、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合、撮像画像または縦横変換画像に代えて逆転画像から画像データを生成するように画像変換部122および記録再生部123を制御してもよい。このような構成によって、撮像時の装置の姿勢が、装置の本来の姿勢に対して上下が逆転した姿勢であっても、記録される画像が上下逆転することなく、被写体200が正常な向きの画像を記録することができる。この記録された画像は、例えば本発明の実施形態に係る画像処理装置100以外の装置において再生される場合であっても、別途の処理をすることなく、被写体200が正常な向きの画像として再生される。
【0084】
画像処理装置100は、再生画像を表示する表示部150をさらに備え、記録再生部123は、画像データから再生画像を取得し、メタデータ処理部124は、画像データに付加されたメタデータを取得し、画像変換部122は、メタデータに基づいて、再生画像を表示部150のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、再生画像を拡縮画像に変換し、制御部125は、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、再生画像に代えて拡縮画像を表示するように画像変換部122および表示部150を制御してもよい。このような構成によって、筐体101が縦姿勢である場合に、撮像時に縮小された縦横変換画像の縦長の画像を拡大し、被写体200が正常な向きの画像を、表示部150に合ったサイズで再生することができる。また、筐体101が縦姿勢である場合に、横長の再生画像を縮小し、被写体200が正常な向きの画像を、表示部150に合ったサイズで再生することができる。
【0085】
また、上記の本発明の実施形態において、画像処理装置100は、筐体101と、筐体101の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部140と、画像データから再生画像を取得する記録再生部123と、再生画像を表示する表示部150と、画像データに付加された、画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを取得するメタデータ処理部124と、メタデータに基づいて、再生画像を表示部150のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、再生画像を拡縮画像に変換する画像変換部122と、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、再生画像に代えて拡縮画像を表示するように画像変換部122および表示部150を制御する制御部125とを備える。このような構成によって、筐体101が縦姿勢である場合に、撮像時に縮小された縦横変換画像の縦向きの画像を拡大し、被写体200が正常な向きの画像を、表示部150に合ったサイズで再生することができる。また、筐体101が縦姿勢である場合に、横長の再生画像を縮小し、被写体200が正常な向きの画像を、表示部150に合ったサイズで再生することができる。
【0086】
画像処理装置100は、筐体101の姿勢に関わらず再生画像を外部の表示装置300に出力する通信部160をさらに備えてもよい。外部の表示装置300に再生画像を出力する場合、外部の表示装置300の姿勢は筐体101の姿勢に影響されないため、このような構成によって、外部の表示装置300に被写体200が正常な向きの再生画像を表示することができる。
【0087】
姿勢検出部140は、筐体101の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、画像変換部122は、再生画像または拡縮画像を上下が逆転するように回転することによって、再生画像または拡縮画像を逆転画像に変換し、制御部125は、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合、再生画像または拡縮画像に代えて逆転画像を表示するように画像変換部122および表示部150を制御してもよい。このような構成によって、再生時の装置の姿勢が、装置の本来の姿勢に対して上下が逆転した姿勢であっても、再生される画像が上下逆転することなく、被写体200が正常な向きの画像を再生することができる。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0089】
例えば、上記実施形態では、撮像時の画像データを画像処理装置の記憶部に格納するものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、撮像時の画像データは、通信部を介して画像処理装置の外部にある記憶装置に格納されてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、再生時の画像データを画像処理装置の記憶部から読み出すものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、再生時の画像データは、通信部を介して画像処理装置の外部にある記憶装置から読み出されてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、画像データに付加されるメタデータによって、画像が縦横変換画像であるか否かなどの情報を保持するものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、記憶部に別途作成されるプロパティファイルによって、記憶部に格納されている画像データについての情報が保持されてもよい。
【符号の説明】
【0092】
100 画像処理装置
101 筐体
110 撮像部
122 画像変換部
123 記録再生部
124 メタデータ処理部
125 制御部
130 記憶部
140 姿勢検出部
150 表示部
160 通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラやビデオカメラなどの装置によって、静止画像や動画像などの撮像をすることが一般的になってきている。撮像によって得られた画像信号は、所定のフォーマットを用いて画像データとして記録される。ここで、画像データの記録のために用いられるフォーマットでは、画像の縦横比を規定する画面アスペクト比が定められていることが多い。例えば動画像の場合、画面アスペクト比としては横:縦=16:9、または横:縦=4:3などといったものが一般的である。近年、このような画面アスペクト比を扱う技術が開発されている。例えば特許文献1には、複数種類の画面アスペクト比を互いに判別し、最適なアスペクト比で画像を出力する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−3240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、撮像の際に、装置が一定の姿勢であるとは限らない。例えば、装置が横倒しになった状態で撮像されることもあれば、装置の上下が逆になった状態で撮像されることもありうる。その場合、画像データにも、横倒しになったり上下が逆になったりした画像が記録される。このような画像データを再生すると、横倒しになったり上下が逆になったりした画像が表示されるという問題があった。特許文献1に記載の技術は、上記のような横長の画面アスペクト比を有する画像の間で画面アスペクト比を最適化するものであるが、画像の向きを修正するものではないので、この問題は解決されていなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、装置の姿勢に関わらず、被写体が正常な向きの画像を得ることが可能な、新規かつ改良された画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、筐体と、上記筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部と、被写体を撮像して撮像画像を出力する撮像部と、上記撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、上記撮像画像を上記撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換する画像変換部と、上記撮像画像から生成した画像データを記録する記録再生部と、上記筐体の姿勢が上記縦姿勢である場合、上記撮像画像に代えて上記縦横変換画像から上記画像データを生成するように上記画像変換部および上記記録再生部を制御する制御部とを備える画像処理装置が提供される。
【0007】
上記画像処理装置は、上記筐体の姿勢に関わらず上記撮像画像を表示する表示部をさらに備えてもよい。
【0008】
上記画像処理装置は、上記撮像画像を外部の表示装置に出力する通信部をさらに備え、上記制御部は、上記筐体の姿勢が上記縦姿勢である場合、上記撮像画像に代えて上記縦横変換画像を出力するように上記画像変換部および上記通信部を制御してもよい。
【0009】
上記画像処理装置は、上記画像データに、上記画像データに含まれる画像が上記縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを付加するメタデータ処理部をさらに備えてもよい。
【0010】
上記制御部は、上記記録再生部が上記画像データの記録を開始するときに、上記筐体の姿勢が上記縦姿勢であるか否かを判定してもよい。
【0011】
上記姿勢検出部は、上記筐体の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、上記画像変換部は、上記撮像画像または上記縦横変換画像を上下が逆転するように回転することによって、上記撮像画像または上記縦横変換画像を逆転画像に変換し、上記制御部は、上記筐体の姿勢が上記逆姿勢である場合、上記撮像画像または上記縦横変換画像に代えて上記逆転画像から上記画像データを生成するように上記画像変換部および上記記録再生部を制御してもよい。
【0012】
上記画像処理装置は、再生画像を表示する表示部をさらに備え、上記記録再生部は、上記画像データから上記再生画像を取得し、上記メタデータ処理部は、上記画像データに付加された上記メタデータを取得し、上記画像変換部は、上記メタデータに基づいて、上記再生画像を上記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、上記再生画像を拡縮画像に変換し、上記制御部は、上記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、上記再生画像に代えて上記拡縮画像を表示するように上記画像変換部および上記表示部を制御してもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、筐体と、上記筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部と、画像データから再生画像を取得する記録再生部と、上記再生画像を表示する表示部と、上記画像データに付加された、上記画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを取得するメタデータ処理部と、上記メタデータに基づいて、上記再生画像を上記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、上記再生画像を拡縮画像に変換する画像変換部と、上記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、上記再生画像に代えて上記拡縮画像を表示するように上記画像変換部および上記表示部を制御する制御部とを備える画像処理装置が提供される。
【0014】
上記画像処理装置は、上記筐体の姿勢に関わらず上記再生画像を外部の表示装置に出力する通信部をさらに備えてもよい。
【0015】
上記姿勢検出部は、上記筐体の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、上記画像変換部は、上記再生画像または上記拡縮画像を上下が逆転するように回転することによって、上記再生画像または上記拡縮画像を逆転画像に変換し、上記制御部は、上記筐体の姿勢が上記逆姿勢である場合、上記再生画像または上記拡縮画像に代えて上記逆転画像を表示するように上記画像変換部および上記表示部を制御してもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出するステップと、被写体を撮像して撮像画像を出力するステップと、上記撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、上記撮像画像を上記撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換するステップと、上記撮像画像から生成した画像データを記録するステップとを含み、上記筐体の姿勢が上記縦姿勢である場合、上記撮像画像に代えて上記縦横変換画像から上記画像データが生成される画像処理方法が提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出するステップと、画像データから再生画像を取得するステップと、上記再生画像を表示部に表示させるステップと、上記画像データに付加された、上記画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを取得するステップと、上記メタデータに基づいて、上記再生画像を上記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、上記再生画像を拡縮画像に変換するステップとを含み、上記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、上記再生画像に代えて上記拡縮画像が表示される画像処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、装置の姿勢に関わらず、被写体が正常な向きの画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の外観構成を示す正面図である。
【図2】同実施形態に係る画像処理装置の外観構成を示す背面図である。
【図3】同実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態に係る画像処理装置の筐体の姿勢変化についての説明図である。
【図5】同実施形態に係る画像処理装置の筐体の姿勢変化についての説明図である。
【図6】同実施形態に係る画像処理装置の撮像時の処理を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態に係る画像処理装置によって記録または表示される画像についての説明図である。
【図8】同実施形態に係る画像処理装置によって記録または表示される画像についての説明図である。
【図9】同実施形態に係る画像処理装置の再生時の処理を示すフローチャートである。
【図10】同実施形態に係る画像処理装置によって表示される画像についての説明図である。
【図11】同実施形態に係る画像処理装置によって表示される画像についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態
1−1.画像処理装置の構成
1−2.筐体の姿勢変化について
1−3.画像処理装置の撮像時の処理
1−4.画像処理装置の再生時の処理
2.まとめ
【0022】
<1.第1の実施形態>
(1−1.画像処理装置の構成)
まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像処理装置100の外観構成を示す正面図である。図2は、本実施形態に係る画像処理装置100の外観構成を示す背面図である。図3は、本実施形態に係る画像処理装置100の機能構成を示すブロック図である。本発明の画像処理装置は、例えば、図1〜3に示す画像処理装置100のようなデジタルカメラとして実現されるほか、画像処理機能を有する任意の電子機器として実現されうる。
【0023】
画像処理装置100は、被写体を撮像し、撮像によって得られた静止画または動画をデジタル方式の画像データとして記録媒体に記録する機能を有するデジタルカメラ(例えばデジタルスチルカメラ、またはデジタルビデオカメラ)である。また、画像処理装置100は、記録媒体に記録された画像データを、静止画または動画として再生する機能を有していてもよい。
【0024】
図1および図2を参照すると、画像処理装置100は、筐体101を有する。本実施形態において、筐体101の形状は、ユーザが携帯および撮像するのに便利な、小型で横長の形状である。筐体101には、被写体を撮像する撮像部110、撮像画像または再生画像が表示される表示部150、および撮像画像または再生画像を外部の表示装置に出力する通信部160が設けられている。また、筐体101の内部には、画像処理装置100の制御部および記憶部などが内蔵されている。筐体101には、さらに、撮像または再生のためのユーザの操作を受け付けるための操作部として、動画の撮像および記録を開始または終了するためのレコードボタン102、静止画を撮像および記録するためのレリーズボタン103、および、表示部150の表面に設けられたタッチパネル104を有する。タッチパネル104は、例えば表示部150に表示される操作子に対するユーザの接触を検知し、撮像または再生のためのユーザの様々な操作を取得する。
【0025】
図示されている例では、筐体101は横長に配置され、筐体101を背面から見た場合左側に表示部150が、右側にレコードボタン102がそれぞれ配置される。このような姿勢が、筐体101の本来の姿勢であるが、後述するように、画像処理装置100は、筐体101に任意の回転が加えられた状態でも機能し、画像の撮像または再生が可能である。
【0026】
図3を参照すると、画像処理装置100は、撮像部110、DSP(Digital Signal Processor)120、記憶部130、姿勢検出部140、表示部150、および通信部160を有する。DSP120は、信号処理部121、画像変換部122、記録再生部123、メタデータ処理部124、および制御部125として機能する。
【0027】
撮像部110は、被写体を撮像して、撮像画像を出力する。撮像部110は、例えば、撮像光学系、撮像素子、タイミングジェネレータ、および光学部品駆動部などを含む。ここで、撮像光学系は、フォーカスレンズ、ズームレンズ等の各種レンズ、不要な波長を除去する光学フィルタ、および絞りなどの光学部品からなる。被写体から入射された光学像(被写体像)は、撮像光学系における各光学部品を介して、撮像素子の露光面に結像される。撮像素子(イメージセンサ)は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子で構成される。この撮像素子は、撮像光学系から導かれた光学像を光電変換し、撮像画像を表す画像信号(アナログ画像信号)を出力する。
【0028】
DSP120は、撮像画像の画像処理、および画像処理装置100の動作制御のための演算処理装置である。DSP120に含まれる信号処理部121は、撮像部110から出力される撮像画像を表す画像信号に対して所定の信号処理を実行し、信号処理後の画像信号を出力する。信号処理部121は、さらに、アナログ信号処理部、アナログ/デジタル変換部、およびデジタル信号処理部などを含む。ここで、アナログ信号処理部は、画像信号を前処理するいわゆるアナログフロントエンドである。アナログ信号処理部は、例えば、撮像部110から出力される画像信号に対して、CDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)処理、PGA(Programmable Gain Amplifier)によるゲイン処理などを実行する。アナログ/デジタル変換部は、アナログ信号処理部から入力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換して、デジタル信号処理部に出力する。デジタル信号処理部は、入力されたデジタル画像信号に対して、例えば、ノイズ除去、ホワイトバランス調整、色補正、エッジ強調、ガンマ補正などのデジタル信号処理を実行し、デジタル信号処理後の画像信号を出力する。なお、信号処理部121は、必ずしもアナログおよびデジタル信号処理を実行しなくてもよい。例えば、撮像部110がデジタル画像信号を出力し、信号処理部121がデジタル信号処理だけを実行してもよい。
【0029】
DSP120に含まれる画像変換部122は、信号処理部121または記録再生部123から出力される画像信号を処理し、画像信号によって表される画像に、回転、縮小または拡大などの変形を加える。これによって、画像変換部122は、撮像画像、または再生画像を、記録または表示に適した画像に変換する。例えば、画像変換部122は、撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、撮像画像と同じサイズの縦横逆転画像に変換してもよい。また、画像変換部122は、再生画像を表示部150のサイズに合わせて拡大または縮小することによって拡縮画像に変換してもよい。さらに、画像変換部122は、撮像画像または再生画像を上下が逆転するように回転することによって逆転画像に変換してもよい。なお、縦横逆転画像、拡縮画像、および逆転画像がどのような画像であるか、ならびに、これらの画像の変換のための制御部125の制御については後述する。
【0030】
DSP120に含まれる記録再生部123は、撮像画像から画像データを生成して記憶部130に格納する。記録再生部123は、制御部125による制御に応じて、撮像画像に代えて、画像変換部122によって撮像画像から変換された縦横変換画像、または逆転画像を用いてもよい。なお、制御部125による記録再生部123の制御については後述する。記録再生部123は、例えば動画撮影モードにおいてレコードボタン102が押下された場合に、信号処理部121、または画像変換部122から出力される画像信号を、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)4などの所定のフォーマットで圧縮して、画像データを生成する。さらに、記録再生部123は、画像データを記憶部130から読み出し、画像データから再生画像を取得してもよい。記録再生部123は、例えばタッチパネル104を介して、動画再生のためのユーザの操作が取得された場合に、画像データを例えばMPEG4などの所定のフォーマットで伸張して、取得された再生画像を出力してもよい。
【0031】
ここで、記録再生部123において画像データの生成または再生画像の取得に用いられるフォーマットでは、画像の縦横比を規定する画面アスペクト比が定められている。画面アスペクト比は、例えば横:縦=16:9、または横:縦=4:3などのように定められる。ここでは、上記フォーマットにおいて定められた画面アスペクト比が、横長の画面アスペクト比、例として横:縦=16:9であるものとする。なお、本発明において画面アスペクト比の具体的な値は本質的な要素ではない。例えば、上記フォーマットにおいて定められた画面アスペクト比は、横:縦=4:3など、他の横長の画面アスペクト比でもよい。また、上記フォーマットにおいて定められた画面アスペクト比は、縦長の画面アスペクト比であってもよい。
【0032】
DSP120に含まれるメタデータ処理部124は、記録再生部123によって生成された画像データにメタデータを付加する。また、メタデータ処理部は、記憶部130から読み出される画像データに付加されたメタデータを取得してもよい。メタデータ処理部124は、例えば、画像データのファイルに含まれるタグ情報として、メタデータの付加および取得を行う。メタデータ処理部124は、制御部125の制御に応じて、画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを、その画像データに付加してもよい。また、メタデータ処理部124は、画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを画像データから取得し、制御部125に出力してもよい。
【0033】
DSP120に含まれる制御部125は、マイクロコントローラなどの演算処理装置で構成され、画像処理装置100の各部の動作を制御する。制御部125は、例えば記憶部130に含まれるフラッシュROM(Read Only Memory)などに格納されたプログラムに従って動作することによって、制御のために必要な各種の演算処理を実行する。この演算処理には、記憶部130に含まれるDRAM(Dynamic Random Access Memory)が用いられてもよい。なお、上記のプログラムは、ディスク状記録媒体、またはメモリカードなどのリムーバブル記憶媒体に格納されて画像処理装置100に提供されるものであってもよく、またLAN(Local Area Network)、インターネット等のネットワークを介して画像処理装置100にダウンロードされるものであってもよい。例えば、制御部125は、姿勢検出部140によって検出された筐体101の姿勢が縦姿勢である場合に、撮像画像に代えて縦横変換画像から画像データを生成するように画像変換部122および記録再生部123を制御してもよい。また、制御部125は、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合に、撮像画像または縦横変換画像に代えて逆転画像から画像データを生成するように画像変換部122および記録再生部123を制御してもよい。さらに、制御部125は、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合に、再生画像に代えて拡縮画像を表示するように画像変換部122および表示部150を制御してもよい。また、制御部125は、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合に、再生画像または拡縮画像に代えて逆転画像を表示するように画像変換部122および表示部150を制御してもよい。なお、姿勢検出部140の出力に基づく制御部125の動作については後述する。
【0034】
記憶部130には、画像処理装置100の処理に関するデータが格納される。記憶部130は、例えば、フラッシュROM、もしくはDRAMなどの半導体メモリ、BD(Blu-ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、もしくはCD(Compact Disc)などの光ディスク、またはハードディスクなどでありうる。記憶部130は、画像処理装置100に内蔵される記憶装置であってもよく、画像処理装置100に着脱可能なメモリカードなどのリムーバブルメディアであってもよい。また、記憶部130は、複数の種類の記憶装置またはリムーバブルメディアを含んでもよい。記憶部130には、記録再生部123によって生成または読み出しされる画像データが格納されるほか、制御部125が動作するためのプログラムなどが格納されうる。
【0035】
姿勢検出部140は、画像処理装置100の筐体101の姿勢を検出し、検出の結果を制御部125に出力する。姿勢検出部140は、例えば加速度センサ、磁気センサ、またはジャイロスコープなどを用いて検出した筐体101の3軸方向の回転に基づいて、筐体101の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する。また、姿勢検出部140は、同様にして、筐体101の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出してもよい。なお、縦姿勢および逆姿勢が具体的にどのような姿勢であるかについては後述する。
【0036】
表示部150は、撮像部110から出力された撮像画像、または、記録再生部123から出力された再生画像を表示する。表示部150は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含む。表示部150は、撮像時には、筐体101の姿勢に関わらず撮像画像を表示してもよい。また、表示部150は、再生時には、制御部125による制御に応じて、再生画像に代えて、画像変換部122によって再生画像から変換された拡縮画像を用いてもよい。なお、制御部125による表示部150の制御については後述する。
【0037】
通信部160は、撮像部110から出力された撮像画像、または、記録再生部123から出力された再生画像を、外部の表示装置に出力する。通信部160は、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)を含む。通信部160は、撮像時には、制御部125による制御に応じて、撮像画像に代えて、画像変換部122によって撮像画像から変換された縦横変換画像、または逆転画像を用いてもよい。また、通信部160は、再生時には、筐体101の姿勢に関わらず再生画像を出力してもよい。なお、制御部125による通信部160の制御については後述する。
【0038】
(1−2.筐体の姿勢変化について)
次に、図4および図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置における、筐体の姿勢変化について説明する。図4および図5は、いずれも、本実施形態に係る画像処理装置100の筐体101の姿勢変化についての説明図である。
【0039】
図4には、本実施形態において、被写体200を撮像する画像処理装置100の筐体101の4種類の姿勢が、筐体101a〜101dとして示されている。ここで、筐体101は、図1および図2を参照して説明されたように、本来筐体101aの姿勢であるものとして設計されている。しかし、例えば、被写体200の男の子だけを撮像するために縦長の構図を用いる場合、またはユーザが左手で筐体101を操作する場合など、様々な状況によって、ユーザが筐体101を回転させるなどした結果、筐体101の姿勢が筐体101b〜101dのような姿勢になることもありうる。
【0040】
以下で、筐体101の姿勢について、2つの分類を用いて説明する。ここでは、図示された例における筐体101a〜101dの姿勢のうち、筐体101bおよび筐体101dの姿勢を、縦姿勢とする。また、筐体101cおよび筐体101dの姿勢を、逆姿勢とする。以下で、この縦姿勢および逆姿勢についてそれぞれ説明する。なお、筐体101の姿勢は、画像処理装置100が被写体を撮像する場合においても、画像処理装置100が画像データを再生する場合においても同様に定義される。
【0041】
まず、筐体101の姿勢が、縦姿勢である場合について説明する。図1および図2を参照して説明されたように、筐体101は、横長の形状であるように設計されている。つまり、筐体101の本来の姿勢は、筐体101が横長に配置されている姿勢である。これに対して、筐体101bおよび筐体101dのように、筐体101が縦長に配置されるような姿勢は、筐体101の本来の姿勢と比べて縦横が逆転したものである。この筐体101bおよび筐体101dのような姿勢を、ここでは縦姿勢と呼ぶ。なお、縦姿勢とは、本質的には、筐体101の本来の姿勢と比べて縦横が逆転した姿勢を指し、必ずしも筐体101が縦長に配置されることを指すものではない。例えば、筐体101の本来の姿勢が、筐体101が縦長に配置されている姿勢である場合、縦姿勢は、筐体101が横長に配置されるような姿勢である。
【0042】
次に、筐体101の姿勢が、逆姿勢である場合について説明する。上述のように、筐体101は、背面の左側に表示部150が、右側にレコードボタン102が、それぞれ配置されるように設計されている。つまり、筐体101の本来の姿勢は、筐体101を背面から見た場合に、左側に表示部150が、右側にレコードボタン102がそれぞれ配置される姿勢である。これに対して、筐体101cのように、筐体101を背面から見た場合に、右側に表示部150が、左側にレコードボタン102がそれぞれ配置されるような姿勢は、筐体101の本来の姿勢と比べて上下が逆転したものである。このような筐体101cの姿勢を、ここでは逆姿勢と呼ぶ。
【0043】
さらに、筐体101の姿勢が、逆姿勢である別の場合について説明する。上述のように、筐体101の縦姿勢には、筐体101bの姿勢と、筐体101dの姿勢との2種類がある。ここでは、この2種類の姿勢を区別するために、縦姿勢についても、逆姿勢であるか否かという区別を用いる。ここでは、筐体101bの姿勢、すなわち、筐体101を背面から見た場合に、上側に表示部150が、下側にレコードボタン102がそれぞれ配置されるような姿勢を、筐体101の本来の縦姿勢とする。これに対して、筐体101dの姿勢、すなわち、筐体101を背面から見た場合に、下側に表示部150が、上側にレコードボタン102がそれぞれ配置されるような姿勢を、筐体101の縦姿勢かつ逆姿勢とする。
【0044】
図5には、筐体101の姿勢が縦姿勢または逆姿勢である場合に、撮像部110から出力される被写体200の撮像画像が図示されている。図示された例において、筐体101bの姿勢は、本来の姿勢である筐体101aの姿勢から、−90°回転して縦姿勢になっている。この場合、撮像部110も筐体101に伴って−90°回転しているため、出力される撮像画像において、被写体200は90°回転した横倒しの状態になる。また、筐体101cの姿勢は、本来の姿勢である筐体101aの姿勢から、180°回転して逆姿勢になっている。この場合、撮像部110も筐体101に伴って180°回転しているため、出力される撮像画像において、被写体200は180°回転して上下が逆転した状態になる。
【0045】
なお、図示していないが、画像処理装置100が画像データの再生をする場合にも、記録再生部123から出力される再生画像がそのまま表示部150に出力されれば、同様に筐体101の姿勢による影響が生じる。例えば、筐体101aの姿勢で撮像および記録された画像データを、筐体101bの姿勢で再生する場合、表示部150に表示される再生画像において、被写体200は−90°回転した横倒しの状態になる。また、筐体101aの姿勢で撮像および記録された画像データを、筐体101cの姿勢で再生する場合、表示部150に表示される再生画像において、被写体200は180°回転して上下が逆転した状態になる。
【0046】
(1−3.画像処理装置の撮像時の処理)
続いて、図6〜図8を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の撮像時の処理について説明する。図6は、本実施形態に係る画像処理装置100の撮像時の処理を示すフローチャートである。図7および図8は、図6において示される処理の結果、画像処理装置100によって記録または表示される画像についての説明図である。
【0047】
図6は、画像処理装置100の制御部125が、姿勢検出部140の出力に基づいて、画像変換部122を制御して縦横変換画像または逆転画像を生成する処理を示すフローチャートである。
【0048】
なお、図6に示すフローチャートにおいて、制御部125は、記録再生部123が画像データの記録を開始するときに、姿勢検出部140の出力に基づいて筐体101の姿勢を判定し、以後その判定を用いる。つまり、制御部125は、動画像の撮影で記録再生部123による画像データの記録が持続する場合であっても、記録再生部123が画像データの記録を開始したときの筐体101の姿勢に基づいて画像変換部122を制御する。例えば、一旦撮像画像の記録が開始された後の筐体101の姿勢の変化は、ユーザが意図的に行っているものであると想定される場合、このような構成が有効である。そうではない場合、制御部125は、記録再生部123による画像データの記録の間、姿勢検出部140の出力に基づいて筐体101の姿勢を判定し続け、判定された姿勢に基づいて画像変換部122を制御してもよい。
【0049】
まず、制御部125は、姿勢検出部140から出力された筐体101の姿勢が、縦姿勢であるか否かを判定する(ステップS101)。ここで、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、撮像部110から信号処理部121を経て出力される撮像画像を、縦横変換画像に変換する。この場合、まず、画像変換部122は、画像を−90°回転する(ステップS103)。この−90°回転によって、撮像画像の縦横が逆転する。筐体101の姿勢が縦姿勢の場合、撮像画像の縦横は元々逆転しているので、その画像の縦横をさらに逆転させることによって、撮像画像の縦横は元に戻る。
【0050】
次に、画像変換部122は、画像を縮小する(ステップS105)。本実施形態において、画像データの生成に用いられるフォーマットでは、横:縦=16:9という横長の画面アスペクト比が定められている。ステップS103における回転後の画像の画面アスペクト比は、横:縦=9:16であるため、縦のサイズが、上記フォーマットによって記録可能なサイズを超えてしまう。そこで、ステップS105において、縦のサイズが上記フォーマットによって記録可能なサイズを超えないように画像を縮小する。
【0051】
次に、画像変換部122は、縮小された画像に黒帯を付加する(ステップS107)。ステップS105における縮小後の画像では、横長の画面アスペクト比の画像に、縮小した縦長の画像が含まれるため、画像の左右が開いてしまう。そこで、画像変換部122は、画像の左右両側に黒帯を挿入する。なお、ステップS107の処理では、画像の開いた部分が埋められればよいため、黒帯以外の表示要素、例えば壁紙などの画像が代わりに付加されてもよい。以上のステップS103〜ステップS107の処理によって、撮像画像と同じサイズの縦横変換画像が生成される。ここで、制御部125は、ステップS109の処理に移る。
【0052】
一方、ステップS101において、筐体101の姿勢が縦姿勢ではなかった場合、制御部125は、撮像画像を縦横変換画像に変換せず、ステップS109の処理に移る。
【0053】
続いて、制御部125は、姿勢検出部140から出力された筐体101の姿勢が、逆姿勢であるか否かを判定する(ステップS109)。ここで、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、撮像画像、または、ステップS103〜ステップS107の処理によって生成された縦横変換画像を、逆転画像に変換する。この場合、画像変換部122は、画像を180°回転する(ステップS111)。この180°回転によって、撮像画像、または縦横変換画像の上下が逆転する。筐体101の姿勢が逆姿勢の場合、撮像画像の上下は元々逆転しているので、その画像の上下をさらに逆転させることによって、撮像画像、または縦横変換画像の上下は元に戻る。ここまでで、制御部125は処理を終了する。
【0054】
一方、ステップS109において、筐体101の姿勢が逆姿勢ではなかった場合、制御部125は、撮像画像または縦横変換画像を逆転画像に変換せず、処理を終了する。
【0055】
制御部125は、上記の処理によって縦横変換画像または逆転画像が生成された場合、縦横変換画像または逆転画像を撮像画像に代えて画像データの生成に用いるように記録再生部123を制御する。また、制御部125は、上記の処理によって縦横変換画像または逆転画像が生成された場合、縦横変換画像または逆転画像を撮像画像に変えて外部の表示装置に出力するように通信部160を制御する。さらに、制御部125は、上記の処理によって縦横変換画像が生成された場合、画像が縦横変換画像であることを示すメタデータを、例えばファイルに含まれるタグ情報として、記録再生部123が生成した画像データに付加するように、メタデータ処理部124を制御する。
【0056】
一方、上記の処理によって縦横変換画像または逆転画像が生成された場合でも、表示部150には、撮像部110から出力された撮像画像110が表示される。表示部150が筐体101上に設けられている場合、表示部150は、撮像部110とともに回転している。そのため、筐体101の姿勢に関わらず、表示部150に表示される画像では縦横または上下が逆転しないからである。
【0057】
図7は、図6を参照して説明した処理によって生成される縦横変換画像について説明するための図である。図7には、画像処理装置100の筐体101の姿勢が縦姿勢である場合に、記録再生部123によって記録される画像データ400v、および通信部160から出力された画像を表示する外部の表示装置300が模式的に示されている。
【0058】
図示された例において、筐体101bの姿勢は、本来の姿勢から−90°回転して縦姿勢になっている。この場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、図6を参照して説明したような処理によって、撮像部110から出力された撮像画像を縦横変換画像に変換させる。さらに制御部125は、記録再生部123を制御して、縦横変換画像から画像データを生成して記録させる。また、制御部125は、通信部160を制御して、縦横変換画像を外部の表示装置300に出力させる。その結果、記録再生部123によって記録される画像データ400vでは、縦姿勢で撮像された画像が、縦長の画像として表示される。記録される画像自体は横長であるため、撮像された画像は縦のサイズが記録される画像のサイズを超えないように縮小されており、両側に黒帯が表示されている。また、通信部160から出力された画像を表示する表示装置300でも同様に、縦姿勢で撮像された画像が、縦長の画像として表示される。
【0059】
図8は、図6を参照して説明した処理によって生成される逆転画像について説明するための図である。図8には、画像処理装置100の筐体101の姿勢が逆姿勢である場合に、記録再生部123によって記録される画像データ400r、および通信部160から出力された画像を表示する外部の表示装置300が模式的に示されている。
【0060】
図示された例において、筐体101cの姿勢は、本来の姿勢から180°回転して逆姿勢になっている。この場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、図6を参照して説明したような処理によって、撮像部110から出力された撮像画像を逆転画像に変換させる。さらに制御部125は、記録再生部123を制御して、逆転画像から画像データを生成して記録させる。また、制御部125は、通信部160を制御して、縦横変換画像を外部の表示装置300に出力させる。その結果、記録再生部123によって記録される画像データ400rでは、逆姿勢で撮像された画像が、正しい上下の画像として表示される。撮像された画像自体は横長であるため、サイズは変更されていない。また、通信部160から出力された画像を表示する表示装置300でも同様に、逆姿勢で撮像された画像が、正しい上下の画像として表示される。
【0061】
(1−4.画像処理装置の再生時の処理)
続いて、図9〜11を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の再生時の処理について説明する。図9は、本実施形態に係る画像処理装置100の再生時の処理を示すフローチャートである。図10および図11は、図9において示される処理の結果、画像処理装置100によって表示される画像についての説明図である。
【0062】
図9は、画像処理装置100の制御部125が、メタデータ処理部124および姿勢検出部140の出力に基づいて、画像変換部122を制御して拡縮画像または逆転画像を生成する処理を示すフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートにおいて、制御部125は、記録再生部123による画像データの再生の間、姿勢検出部140の出力に基づいて筐体101の姿勢を判定し続け、判定された姿勢に基づいて画像変換部122を制御する。例えば、一旦画像データの再生が開始された後でも、ユーザが視聴しやすいように筐体101の姿勢を変更することが想定される場合、このような構成は有効である。そうではない場合、制御部125は、記録再生部123が画像データの再生を開始するときに姿勢検出部140の出力に基づいて筐体101の姿勢を判定し、以後その判定を用いてもよい。
【0063】
まず、制御部125は、メタデータ処理部124によって再生の対象となる画像データから取得されたメタデータから、再生画像が縦横変換画像であるか否かを判定する(ステップS201)。ここで、再生画像が縦横変換画像である場合、制御部125は、姿勢検出部140から出力された筐体101の姿勢が、縦姿勢であるか否かを判定する(ステップS203)。
【0064】
ここで、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、記録再生部123が画像データから取得した再生画像を、拡縮画像に変換する。この場合、まず、画像変換部122は、縦横変換画像の左右両側に挿入されている黒帯を削除する(ステップS205)。次に、画像変換部122は、黒帯が取り除かれた画像を、表示部150のサイズに合わせて拡大する(ステップS207)。ここで、制御部125は、ステップS215の処理に移る。
【0065】
ステップS203において、筐体101の姿勢が縦姿勢ではなかった場合、制御部125は、再生画像を拡縮画像に変換せず、ステップS215の処理に移る。
【0066】
一方、ステップS201において、再生画像が縦横変換画像ではないと判定された場合、制御部125は、姿勢検出部140から出力された筐体101の姿勢が、縦姿勢であるか否かを判定する(ステップS209)。
【0067】
ここで、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、再生画像を拡縮画像に変換する。この場合、まず、画像変換部122は、表示部150による表示可能なサイズを超えないように再生画像を縮小する(ステップS211)。次に、画像変換部122は、縮小された画像に黒帯を付加する(ステップS213)。ステップS211における縮小の画像では、縦長に配置される表示部150に、縮小した横長の画像が表示されるため、画像の上下が開いてしまう。そこで、画像変換部122は、画像の上下両側に黒帯を挿入する。なお、ステップS213の処理では、画像の開いた部分が埋められればよいため、黒帯以外の表示要素、例えば壁紙などの画像が代わりに付加されてもよい。ここで、制御部125は、ステップS215の処理に移る。
【0068】
一方、ステップS209において、筐体101の姿勢が縦姿勢ではなかった場合、制御部125は、再生画像を拡縮画像に変換せず、ステップS215の処理に移る。
【0069】
続いて、制御部125は、姿勢検出部140から出力された筐体101の姿勢が、逆姿勢であるか否かを判定する(ステップS215)。ここで、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、再生画像、または、ステップS205およびステップS207もしくはステップS211およびステップS213の処理によって生成された拡縮画像を、逆転画像に変換する。この場合、画像変換部122は、画像を180°回転する(ステップS217)。この180°回転によって、再生画像、または拡縮画像の上下が逆転する。筐体101の姿勢が逆姿勢の場合、再生画像または拡縮画像をそのまま表示部150に表示すると上下が逆転してしまうので、再生画像または拡縮画像の上下を逆転させることによって、表示部150に正しい上下の再生画像を表示する。ここまでで、制御部125は処理を終了する。
【0070】
一方ステップS215において、筐体101の姿勢が逆姿勢ではなかった場合、制御部125は、再生画像または拡縮画像を逆転画像に変換せず、処理を終了する。
【0071】
制御部125は、上記の処理によって拡縮画像または逆転画像が生成された場合、拡縮画像または逆転画像を再生画像に代えて表示するように表示部150を制御する。一方、上記の処理によって拡縮画像または逆転画像が生成された場合でも、通信部160は、記録再生部123が取得した再生画像を出力する。通信部160から出力される画像を表示する外部の表示装置300は、画像処理装置100の筐体101の姿勢に関わらず一定の姿勢である。従って、筐体101の姿勢に関わらず、再生画像と表示装置300に表示される画像との間では縦横または上下が逆転しないからである。
【0072】
図10は、図9を参照して説明した処理によって生成される拡縮画像のうち、拡大されるものについて説明するための図である。図10には、画像処理装置100の筐体101の姿勢が縦姿勢である場合に、縦横変換画像である画像データ400vによって、画像処理装置100の表示部150と、外部の表示装置300とに表示される画像が模式的に示されている。
【0073】
図示された例において、筐体101bの姿勢は、本来の姿勢から−90°回転して縦姿勢になっている。この場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、図9のステップS205およびステップS207を参照して説明したような処理によって、記録再生部123が縦横変換画像である画像データ400vから取得した再生画像を拡縮画像に変換させる。さらに制御部125は、表示部150を制御して、再生画像に代えて拡縮画像を表示させる。その結果、表示部150に表示される画像は、画像データ400vから黒帯を取り除いた部分が、縦長に配置されている表示部150に合わせて拡大された画像になる。
【0074】
つまり、筐体101の姿勢が縦姿勢であることによって表示部150の画面アスペクト比が縦長になっている場合には、縦長の画面アスペクト比で撮像された画像は、縦横変換画像における縮小されたサイズから撮像時のサイズに拡大されて、表示部150に表示される。一方、筐体101の姿勢に関わらず横長の画面アスペクト比を有する外部の表示装置300には、記録再生部123が画像データ400vから取得した、横長の画面アスペクト比を有する再生画像が表示される。
【0075】
図11は、図9を参照して説明した処理によって生成される拡縮画像のうち、縮小されるものについて説明するための図である。図11には、画像処理装置の筐体101が縦姿勢である場合に、縦横変換画像ではない画像データ400hによって、画像処理装置100の表示部150と、外部の表示装置300とに表示される画像が模式的に示されている。
【0076】
図示された例において、筐体101bの姿勢は、本来の姿勢から−90°回転して縦姿勢になっている。この場合、制御部125は、画像変換部122を制御して、図9のステップS211およびステップS213を参照して説明したような処理によって、記録再生部123が画像データ400hから取得した再生画像を拡縮画像に変換させる。さらに制御部125は、表示部150を制御して、再生画像に代えて拡縮画像を表示させる。その結果、表示部150に表示される画像は、画像データ400hを表示部150の横のサイズに合わせて縮小した画像の上下に黒帯を付加した画像になる。
【0077】
つまり、筐体101の姿勢が縦姿勢であることによって表示部150の画面アスペクト比が縦長になっている場合には、横長の画面アスペクト比で撮像された画像は、横のサイズが表示部150において表示可能なサイズになるように縮小されて、表示部150に表示される、一方、筐体101の姿勢に関わらず横長の画面アスペクト比を有する外部の表示装置300には、記録再生部123が画像データ400vから取得した、横長の画面アスペクト比を有する再生画像が表示される。
【0078】
<2.まとめ>
上記の本発明の実施形態において、画像処理装置100は、筐体101と、筐体101の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部140と、被写体200を撮像して撮像画像を出力する撮像部110と、撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、撮像画像を撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換する画像変換部122と、撮像画像から生成した画像データを記録する記録再生部123と、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、撮像画像に代えて縦横変換画像から画像データを生成するように画像変換部122および記録再生部123を制御する制御部125とを備える。このような構成によって、撮像時の装置の姿勢が、装置の本来の姿勢に対して縦横が逆転した縦姿勢であっても、記録される画像が横倒しになることなく、被写体200が正常な向きの画像を記録することができる。この記録された画像は、例えば本発明の実施形態に係る画像処理装置100以外の装置において再生される場合であっても、別途の処理をすることなく、被写体200が正常な向きの画像として再生される。
【0079】
画像処理装置100は、筐体101の姿勢に関わらず撮像画像を表示する表示部150をさらに備えてもよい。表示部150が撮像部110とともに筐体101に設置されている場合、表示部150は撮像部110とともに筐体101の姿勢の変化に従う。よって、上記の構成によって、表示部150に被写体200が正常な向きの画像を表示することができる。
【0080】
画像処理装置100は、撮像画像を外部の表示装置300に出力する通信部160をさらに備え、制御部125は、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、撮像画像に代えて縦横変換画像を出力するように画像変換部122および通信部160を制御してもよい。外部の表示装置300に撮像画像を出力する場合、外部の表示装置300の姿勢は筐体101の姿勢に影響されないため、上記の構成によって、外部の表示装置300において、別途の処理をすることなく、被写体200が正常な向きの撮像画像を表示することができる。
【0081】
画像処理装置100は、画像データに、画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを付加するメタデータ処理部124をさらに備えてもよい。このような構成によって、画像データから画像を再生するときに、画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを認識できる。これによって、縦横変換画像を再生して縦長の表示部150に表示する場合に、画像を拡大して表示部150のサイズに合わせることができる。なお、縦長の表示部は表示部150には限られず、画像処理装置100以外の装置の表示部であってもよい。
【0082】
制御部125は、記録再生部123が画像データの記録を開始するときに、筐体101の姿勢が縦姿勢であるか否かを判定してもよい。一旦撮影が開始された後の筐体101の姿勢の変化を、ユーザによる意図的な姿勢の変化と考える場合、このような構成によって、ユーザが意図的に筐体101を回転させたことによる画像の向きの変化を修正してしまわないようにすることができる。
【0083】
姿勢検出部140は、筐体101の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、画像変換部122は、撮像画像または縦横変換画像を上下が逆転するように回転することによって、撮像画像または縦横変換画像を逆転画像に変換し、制御部125は、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合、撮像画像または縦横変換画像に代えて逆転画像から画像データを生成するように画像変換部122および記録再生部123を制御してもよい。このような構成によって、撮像時の装置の姿勢が、装置の本来の姿勢に対して上下が逆転した姿勢であっても、記録される画像が上下逆転することなく、被写体200が正常な向きの画像を記録することができる。この記録された画像は、例えば本発明の実施形態に係る画像処理装置100以外の装置において再生される場合であっても、別途の処理をすることなく、被写体200が正常な向きの画像として再生される。
【0084】
画像処理装置100は、再生画像を表示する表示部150をさらに備え、記録再生部123は、画像データから再生画像を取得し、メタデータ処理部124は、画像データに付加されたメタデータを取得し、画像変換部122は、メタデータに基づいて、再生画像を表示部150のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、再生画像を拡縮画像に変換し、制御部125は、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、再生画像に代えて拡縮画像を表示するように画像変換部122および表示部150を制御してもよい。このような構成によって、筐体101が縦姿勢である場合に、撮像時に縮小された縦横変換画像の縦長の画像を拡大し、被写体200が正常な向きの画像を、表示部150に合ったサイズで再生することができる。また、筐体101が縦姿勢である場合に、横長の再生画像を縮小し、被写体200が正常な向きの画像を、表示部150に合ったサイズで再生することができる。
【0085】
また、上記の本発明の実施形態において、画像処理装置100は、筐体101と、筐体101の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部140と、画像データから再生画像を取得する記録再生部123と、再生画像を表示する表示部150と、画像データに付加された、画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを取得するメタデータ処理部124と、メタデータに基づいて、再生画像を表示部150のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、再生画像を拡縮画像に変換する画像変換部122と、筐体101の姿勢が縦姿勢である場合、再生画像に代えて拡縮画像を表示するように画像変換部122および表示部150を制御する制御部125とを備える。このような構成によって、筐体101が縦姿勢である場合に、撮像時に縮小された縦横変換画像の縦向きの画像を拡大し、被写体200が正常な向きの画像を、表示部150に合ったサイズで再生することができる。また、筐体101が縦姿勢である場合に、横長の再生画像を縮小し、被写体200が正常な向きの画像を、表示部150に合ったサイズで再生することができる。
【0086】
画像処理装置100は、筐体101の姿勢に関わらず再生画像を外部の表示装置300に出力する通信部160をさらに備えてもよい。外部の表示装置300に再生画像を出力する場合、外部の表示装置300の姿勢は筐体101の姿勢に影響されないため、このような構成によって、外部の表示装置300に被写体200が正常な向きの再生画像を表示することができる。
【0087】
姿勢検出部140は、筐体101の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、画像変換部122は、再生画像または拡縮画像を上下が逆転するように回転することによって、再生画像または拡縮画像を逆転画像に変換し、制御部125は、筐体101の姿勢が逆姿勢である場合、再生画像または拡縮画像に代えて逆転画像を表示するように画像変換部122および表示部150を制御してもよい。このような構成によって、再生時の装置の姿勢が、装置の本来の姿勢に対して上下が逆転した姿勢であっても、再生される画像が上下逆転することなく、被写体200が正常な向きの画像を再生することができる。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0089】
例えば、上記実施形態では、撮像時の画像データを画像処理装置の記憶部に格納するものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、撮像時の画像データは、通信部を介して画像処理装置の外部にある記憶装置に格納されてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、再生時の画像データを画像処理装置の記憶部から読み出すものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、再生時の画像データは、通信部を介して画像処理装置の外部にある記憶装置から読み出されてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、画像データに付加されるメタデータによって、画像が縦横変換画像であるか否かなどの情報を保持するものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、記憶部に別途作成されるプロパティファイルによって、記憶部に格納されている画像データについての情報が保持されてもよい。
【符号の説明】
【0092】
100 画像処理装置
101 筐体
110 撮像部
122 画像変換部
123 記録再生部
124 メタデータ処理部
125 制御部
130 記憶部
140 姿勢検出部
150 表示部
160 通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部と、
被写体を撮像して撮像画像を出力する撮像部と、
前記撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、前記撮像画像を前記撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換する画像変換部と、
前記撮像画像から生成した画像データを記録する記録再生部と、
前記筐体の姿勢が前記縦姿勢である場合、前記撮像画像に代えて前記縦横変換画像から前記画像データを生成するように前記画像変換部および前記記録再生部を制御する制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記筐体の姿勢に関わらず前記撮像画像を表示する表示部をさらに備える、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記撮像画像を外部の表示装置に出力する通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記筐体の姿勢が前記縦姿勢である場合、前記撮像画像に代えて前記縦横変換画像を出力するように前記画像変換部および前記通信部を制御する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像データに、前記画像データに含まれる画像が前記縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを付加するメタデータ処理部をさらに備える、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記記録再生部が前記画像データの記録を開始するときに、前記筐体の姿勢が前記縦姿勢であるか否かを判定する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記姿勢検出部は、前記筐体の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、
前記画像変換部は、前記撮像画像または前記縦横変換画像を上下が逆転するように回転することによって、前記撮像画像または前記縦横変換画像を逆転画像に変換し、
前記制御部は、前記筐体の姿勢が前記逆姿勢である場合、前記撮像画像または前記縦横変換画像に代えて前記逆転画像から前記画像データを生成するように前記画像変換部および前記記録再生部を制御する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
再生画像を表示する表示部をさらに備え、
前記記録再生部は、前記画像データから前記再生画像を取得し、
前記メタデータ処理部は、前記画像データに付加された前記メタデータを取得し、
前記画像変換部は、前記メタデータに基づいて、前記再生画像を前記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、前記再生画像を拡縮画像に変換し、
前記制御部は、前記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、前記再生画像に代えて前記拡縮画像を表示するように前記画像変換部および前記表示部を制御する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
筐体と、
前記筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部と、
画像データから再生画像を取得する記録再生部と、
前記再生画像を表示する表示部と、
前記画像データに付加された、前記画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを取得するメタデータ処理部と、
前記メタデータに基づいて、前記再生画像を前記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、前記再生画像を拡縮画像に変換する画像変換部と、
前記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、前記再生画像に代えて前記拡縮画像を表示するように前記画像変換部および前記表示部を制御する制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項9】
前記筐体の姿勢に関わらず前記再生画像を外部の表示装置に出力する通信部をさらに備える、
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記姿勢検出部は、前記筐体の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、
前記画像変換部は、前記再生画像または前記拡縮画像を上下が逆転するように回転することによって、前記再生画像または前記拡縮画像を逆転画像に変換し、
前記制御部は、前記筐体の姿勢が前記逆姿勢である場合、前記再生画像または前記拡縮画像に代えて前記逆転画像を表示するように前記画像変換部および前記表示部を制御する、
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項11】
筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出するステップと、
被写体を撮像して撮像画像を出力するステップと、
前記撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、前記撮像画像を前記撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換するステップと、
前記撮像画像から生成した画像データを記録するステップと、
を含み、
前記筐体の姿勢が前記縦姿勢である場合、前記撮像画像に代えて前記縦横変換画像から前記画像データが生成される画像処理方法。
【請求項12】
筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出するステップと、
画像データから再生画像を取得するステップと、
前記再生画像を表示部に表示させるステップと、
前記画像データに付加された、前記画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを取得するステップと、
前記メタデータに基づいて、前記再生画像を前記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、前記再生画像を拡縮画像に変換するステップと、
を含み、
前記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、前記再生画像に代えて前記拡縮画像が表示される画像処理方法。
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部と、
被写体を撮像して撮像画像を出力する撮像部と、
前記撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、前記撮像画像を前記撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換する画像変換部と、
前記撮像画像から生成した画像データを記録する記録再生部と、
前記筐体の姿勢が前記縦姿勢である場合、前記撮像画像に代えて前記縦横変換画像から前記画像データを生成するように前記画像変換部および前記記録再生部を制御する制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記筐体の姿勢に関わらず前記撮像画像を表示する表示部をさらに備える、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記撮像画像を外部の表示装置に出力する通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記筐体の姿勢が前記縦姿勢である場合、前記撮像画像に代えて前記縦横変換画像を出力するように前記画像変換部および前記通信部を制御する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像データに、前記画像データに含まれる画像が前記縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを付加するメタデータ処理部をさらに備える、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記記録再生部が前記画像データの記録を開始するときに、前記筐体の姿勢が前記縦姿勢であるか否かを判定する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記姿勢検出部は、前記筐体の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、
前記画像変換部は、前記撮像画像または前記縦横変換画像を上下が逆転するように回転することによって、前記撮像画像または前記縦横変換画像を逆転画像に変換し、
前記制御部は、前記筐体の姿勢が前記逆姿勢である場合、前記撮像画像または前記縦横変換画像に代えて前記逆転画像から前記画像データを生成するように前記画像変換部および前記記録再生部を制御する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
再生画像を表示する表示部をさらに備え、
前記記録再生部は、前記画像データから前記再生画像を取得し、
前記メタデータ処理部は、前記画像データに付加された前記メタデータを取得し、
前記画像変換部は、前記メタデータに基づいて、前記再生画像を前記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、前記再生画像を拡縮画像に変換し、
前記制御部は、前記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、前記再生画像に代えて前記拡縮画像を表示するように前記画像変換部および前記表示部を制御する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
筐体と、
前記筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出する姿勢検出部と、
画像データから再生画像を取得する記録再生部と、
前記再生画像を表示する表示部と、
前記画像データに付加された、前記画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを取得するメタデータ処理部と、
前記メタデータに基づいて、前記再生画像を前記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、前記再生画像を拡縮画像に変換する画像変換部と、
前記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、前記再生画像に代えて前記拡縮画像を表示するように前記画像変換部および前記表示部を制御する制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項9】
前記筐体の姿勢に関わらず前記再生画像を外部の表示装置に出力する通信部をさらに備える、
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記姿勢検出部は、前記筐体の姿勢が逆姿勢であるか否かを検出し、
前記画像変換部は、前記再生画像または前記拡縮画像を上下が逆転するように回転することによって、前記再生画像または前記拡縮画像を逆転画像に変換し、
前記制御部は、前記筐体の姿勢が前記逆姿勢である場合、前記再生画像または前記拡縮画像に代えて前記逆転画像を表示するように前記画像変換部および前記表示部を制御する、
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項11】
筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出するステップと、
被写体を撮像して撮像画像を出力するステップと、
前記撮像画像を縦横が逆転するように回転し、さらに縮小することによって、前記撮像画像を前記撮像画像と同じサイズの縦横変換画像に変換するステップと、
前記撮像画像から生成した画像データを記録するステップと、
を含み、
前記筐体の姿勢が前記縦姿勢である場合、前記撮像画像に代えて前記縦横変換画像から前記画像データが生成される画像処理方法。
【請求項12】
筐体の姿勢が縦姿勢であるか否かを検出するステップと、
画像データから再生画像を取得するステップと、
前記再生画像を表示部に表示させるステップと、
前記画像データに付加された、前記画像データに含まれる画像が縦横変換画像であるか否かを示すメタデータを取得するステップと、
前記メタデータに基づいて、前記再生画像を前記表示部のサイズに合わせて拡大または縮小することによって、前記再生画像を拡縮画像に変換するステップと、
を含み、
前記筐体の姿勢が縦姿勢である場合、前記再生画像に代えて前記拡縮画像が表示される画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−54682(P2012−54682A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194107(P2010−194107)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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