説明

画像処理装置及びその制御方法

本発明は、USBホストインタフェースと、USBデバイスインタフェースと、ネットワークインタフェースと、USBホストインタフェースに接続されたメモリカードに対するアクセスを要求するファイルアクセスコマンドを、ネットワークインタフェースを介して入力するネットワーク管理部と、装置内部で発生した前記ファイルアクセスコマンドを入力するメモリ管理部と、ネットワーク管理部で入力したファイルアクセスコマンドとメモリ管理部で入力したファイルアクセスコマンドとの間で排他制御するファイルアクセス制御部と、選択されたファイルアクセスコマンドをSCSIコマンドに変換するSCSI解析部と、変換により生成されたSCSIコマンドとUSBデバイスインタフェースを介して入力したメモリカードに対するアクセスを要求するSCSIコマンドとの間で排他制御するメモリカードアクセス制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USBホストインタフェースと、USBデバイスインタフェースと、LANインタフェースと、を有し、入力した画像に対して各種の処理を施す画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリンタやスキャナなどの複数の画像処理機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)が知られている。このようなMFPの一種は、USBを使ってPCや外部のメモリに接続でき、USBで接続したメモリ(以下、USBメモリと称する)に対するリードライトをMFPの操作部やUSBで接続されたPC(USB−PC)から行うことが可能であった。これにより、例えば、スキャナ部で読み取った画像をUSBメモリへ記憶させたり、USB−PCから受信したデータをUSBメモリへ記憶させたり、USBメモリに記憶された画像をMFPでプリントしたり、USBメモリのデータを読み出してPCへ転送したりすることができた。また、更に、ネットワークI/Fを有するMFPも知られており、そのようなMFPは、ネットワークプリンタ、ネットワークスキャナとして動作させることができた(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−114769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来のMFPの場合、USBメモリにアクセスできるのは、USB−PCのみであり、ネットワーク上のPCから、USBメモリにアクセスできる構成になっていなかった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、ネットワーク上のPCからの要求に応じて、容易かつ適正にUSBメモリにアクセス可能な画像処理装置及びその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、USBホストインタフェースと、USBデバイスインタフェースと、ネットワークインタフェースと、を有し、入力した画像データに対して各種の処理を施す画像処理装置であって、前記USBホストインタフェースに接続された記憶媒体に対するアクセスを要求するファイルアクセスコマンドを、前記ネットワークインタフェースを介して入力する第1入力手段と、前記画像処理装置の内部で発生した前記ファイルアクセスコマンドを入力する第2入力手段と、前記第1入力手段で入力したファイルアクセスコマンドと、前記第2入力手段で入力したファイルアクセスコマンドとの間で排他制御するファイルアクセス制御手段と、前記ファイルアクセス制御手段における排他制御の結果、選択されたファイルアクセスコマンドをSCSIコマンドに変換する変換手段と、前記変換手段での変換によって生成されたSCSIコマンドと、前記USBデバイスインタフェースを介して入力した前記記憶媒体に対するアクセスを要求するSCSIコマンドとの間で排他制御する記憶媒体アクセス制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の態様は、USBホストインタフェースと、USBデバイスインタフェースと、ネットワークインタフェースと、前記USBホストインタフェースに接続された記憶媒体に対するアクセスを要求するファイルアクセスコマンドを、前記ネットワークインタフェースを介して入力する第1入力手段と、前記画像処理装置の内部で発生した前記ファイルアクセスコマンドを入力する第2入力手段と、を備えた画像処理装置の制御方法であって、前記第1入力手段で入力したファイルアクセスコマンドと、前記第2入力手段で入力したファイルアクセスコマンドとの間で排他制御するファイルアクセス制御工程と、前記ファイルアクセス制御工程での排他制御の結果、選択されたファイルアクセスコマンドをSCSIコマンドに変換する変換工程と、前記変換工程での変換によって生成されたSCSIコマンドと、前記USBデバイスインタフェースを介して入力した前記記憶媒体に対するアクセスを要求するSCSIコマンドとの間で排他制御する記憶媒体アクセス制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の態様は、USBホストインタフェースと、USBデバイスインタフェースと、ネットワークインタフェースと、前記USBホストインタフェースに接続された記憶媒体に対するアクセスを要求するファイルアクセスコマンドを、前記ネットワークインタフェースを介して入力する第1入力手段と、前記画像処理装置の内部で発生した前記ファイルアクセスコマンドを入力する第2入力手段と、を備えた画像処理装置の制御プログラムであって、コンピュータに、前記第1入力手段で入力したファイルアクセスコマンドと、前記第2入力手段で入力したファイルアクセスコマンドとの間で排他制御するファイルアクセス制御工程と、前記ファイルアクセス制御工程での排他制御の結果、選択されたファイルアクセスコマンドをSCSIコマンドに変換する変換工程と、前記変換工程での変換によって生成されたSCSIコマンドと、前記USBデバイスインタフェースを介して入力した前記記憶媒体に対するアクセスを要求するSCSIコマンドとの間で排他制御する記憶媒体アクセス制御工程と、を実行することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
図1は、本発明に係る画像処理装置の実施形態としてのMFPの構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、MFP100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、スキャナ104と、プリンタ105と、操作表示部106と、ネットワークI/F制御部107と、ネットワークI/F108と、USBデバイスI/F制御部109と、USBデバイスI/F110と、USBホストI/F制御部111と、USBホストI/F112と、メモリカードリーダライタ113とを有する。
【0012】
CPU101は、システム制御部であり、MFP100の全体を制御する。ROM102は、CPU101の制御プログラムを格納している。
【0013】
RAM103は、SRAM、DRAM等で構成され、プログラム制御変数等を格納するものである。また、MFP100の使用者が登録した設定値や、MFP100の管理データ等や、各種ワーク用バッファも、RAM103に格納される。
【0014】
スキャナ104はCSイメージセンサ、原稿搬送機構などで構成され、原稿を光学的に読み取って電気的な画像データに変換するものである。
【0015】
プリンタ105は受信画像やファイルデータを記録紙に記録する装置である。
【0016】
操作表示部106はキーボード、タッチパネル、LCD、LED等で構成され、装置使用者が各種操作を行ったり、また、装置使用者に対して表示通知を行うものである。
【0017】
ネットワークI/F制御部107、USBデバイスI/F制御部110は、ネットワークI/F108、USBデバイスI/F110を介して接続された外部PCとのインターフェース制御を行うものであり、これらインターフェースを介してPCからファイルアクセス要求、メモリカードアクセス要求を受け付ける。
【0018】
USBホストI/F制御部111は、USBホストI/F112を介して接続されたメモリカードリーダライタ113とのインターフェース制御を行うものである。
【0019】
図2は、MFPのソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0020】
ネットワーク管理部202はネットワークI/F制御部201を管理し、ネットワークからのファイルアクセス要求をファイルアクセス制御部204に行う。また、メモリ管理203は装置内部のメモリ管理を行うもので、装置内部からのファイルアクセス要求をファイルアクセス制御部204に行う。
【0021】
ファイルアクセス制御部204は、ファイルシステム205を参照して、ネットワーク管理部202、メモリ管理部203からのファイルアクセス要求を、メモリカードアクセス要求を表わすSCSIコマンドに変換し、SCSI解析部206に送る。
【0022】
USBデバイスI/F制御部207は、USBデバイスI/Fに接続されたUSB−PCからのメモリカードアクセス要求(SCSIコマンド)をSCSI解析部206に送る。
【0023】
SCSIコマンド制御部206は、メモリカードアクセス要求(SCSIコマンド)を制御するもので、USBホストI/F208を介してSCSIコマンドをメモリカードリーダライタ113に送信することによりメモリカードへのアクセスを実現する。この際、メモリカードアクセス制御部209は、メモリカードへのアクセスの排他制御を行うため、メモリカードにアクセス可能かどうかの確認を行う。
【0024】
図3は、メモリカードアクセス制御部が管理しているテーブルを示す図である。
【0025】
301は、MFPにおけるメモリカードへの各アクセス依頼元が、どのようにメモリカードへアクセスしているかを示すアクセス状態テーブルである。本実施形態では、アクセス依頼元としてネットワーク、メモリ(MFP内部)、USBが定義されている。IDLEはアクセスしていない状態、READはREADアクセスしている状態、WRITEはWRITEアクセスしている状態を示す。
【0026】
302、303はファイルアクセス依頼元(ネットワーク、メモリ(MFP内部))毎のアクセスファイルリストを示すテーブルである。現在アクセスしている全ファイルのファイルポインタ、および、アクセス属性(READ、WRITE)に関する情報が保存される。
【0027】
図4は、ファイルアクセス制御部204における、ファイルオープン要求受信時の処理を示すフローチャートである。
【0028】
ファイルアクセス制御部204は、ネットワーク管理部202またはメモリ管理部203からファイルオープン要求を受けると、ステップS400において、ファイルが既に開いているか否かを判定する。既に開いている場合にはエラー終了し、ファイルが開いていない場合には、ステップS401に進む。ステップS400において、ファイルが既に開いていると判定した場合にはエラー終了することにより、ネットワーク管理部202とメモリ管理部203の両方から同一のファイルに対してアクセス属性をWRITEとしてファイルオープン要求があった場合でも、先にファイルオープン要求を受け付けた方のみにファイルをオープンさせ、他方には、オープンさせない。これにより、二重にファイルをオープンさせることを防止でき、メモリカードリーダライタ113に接続されたメモリカードのファイルをネットワーク管理部202とメモリ管理部203が同時にアクセス属性がWRITEでオープンできないように排他制御する。
【0029】
ステップS401において、ファイルシステム205を参照して要求されたファイルをオープンする。ステップS402においてファイルオープンに成功したと判断すると、ステップS403において、ネットワーク管理部202からのファイルオープン要求であれば、ネットワークアクセスファイルリスト302に、ファイルポインタ、および、ファイルアクセス属性を追加し、メモリ管理部203からのファイルオープン要求であれば、メモリアクセスファイルリスト303に、ファイルポインタ、および、ファイルアクセス属性を追加する。
【0030】
ステップS404において、アクセスファイルリスト302、303をサーチし、ステップS405において、いずれかのアクセス依頼元についてWRITE属性のアクセスファイルがあると判断した場合、ステップS406でメモリカードアクセス状態テーブル301において、そのアクセス依頼元の状態をWRITEとし、処理をステップS408に進める。ステップS405において、WRITE属性がないと判断した場合、ステップS407でメモリカードアクセス状態テーブル301において、そのアクセス依頼元の状態をREADにし、処理をステップS408に進める。ステップS402において、ファイルオープンに失敗したと判断すると、処理をステップS408に進める。ステップS408では、ファイルオープン要求に対する処理結果を応答する。
【0031】
なお、ステップS400において、ファイルが既にオープンの状態であればエラー終了するとしたが、ここで更にファイルアクセスリスト302,303をサーチして、WRITE属性がなく、かつ、新たに入力したアクセス要求がREADである場合には、既にファイルがオープンしていても、エラーとせずにステップS403に進んでもよい。
【0032】
図5は、ファイルアクセス制御部204における、ファイルクローズ要求受信時の処理を示すフローチャートである。
【0033】
ファイルクローズ要求を受けると、ステップS501において、ファイルシステム205を介してファイルをクローズする。ステップS502においてファイルクローズに成功したと判断すると、ステップS503において、アクセスファイルテーブル302、303からファイルポインタ、および、ファイルアクセス属性を削除する。次に、ステップS504において、アクセスファイルテーブル302、303をサーチし、ステップS505において、アクセスファイルが存在しないと判断すると、ステップS506において、メモリカードアクセス状態テーブル301の状態欄を全てIDLEにする。ステップS505において、アクセスファイルが存在すると判断すると、ステップS507において、何れかのアクセスファイルテーブル302、303にWRITE属性のアクセスファイルがあるかどうか判断する。ステップS507において、WRITE属性のアクセスファイルがあると判断すると、ステップS508において、メモリカードアクセス状態テーブル301のそのアクセス依頼元の状態をWRITEにし、処理をステップS510に進める。ステップS507において、WRITE属性のアクセスファイルがないと判断すると、ステップS509において、メモリカードアクセス状態テーブル301のそのアクセス依頼元の状態をREADにし、処理をステップS510に進める。ステップS502において、ファイルクローズに失敗したと判断すると、処理をステップS510に進める。ステップS510では、ファイルクローズ要求に対する処理結果を応答する。
【0034】
図6A〜Cは、USBデバイスI/F制御部207における、メモリカードアクセス要求受信時の処理を示すフローチャートである。図6Aは、メモリREAD要求受信時、図6Bは、メモリWRITE要求受信時、図6Cは、タイマー満了時の処理を示す。
【0035】
メモリREAD要求を受けると、ステップS601において、メモリカードアクセス状態テーブル301のアクセス依頼元USBに対するメモリカードアクセス状態をREADにする。ステップS602において、タイマーをリスタート(タイマーが動作中ならストップ・スタート、タイマーが動作中でなければスタート)し、ステップS603において、メモリREAD要求をSCSI解析部206に転送する。
【0036】
メモリWRITE要求を受けると、ステップS611においてメモリカードアクセス状態テーブル301のアクセス依頼元USBに対するメモリカードアクセス状態をWRITEにする。ステップS612においてタイマーをリスタートし、ステップS613において、メモリWRITE要求をSCSI解析部206に転送する。
【0037】
タイマーが満了すると、ステップS621において、メモリカードアクセス状態テーブル301のアクセス依頼元USBに対するメモリカードアクセス状態をIDLEにする。これにより、タイマーが動作している間、メモリカードアクセス状態がREAD、および、WRITEに設定されることになる。
【0038】
図7、図8は、メモリカードアクセス制御部209におけるメモリカードアクセス確認の処理を示すフローチャートである。図7は、SCSI WRITE要求受信時、図8は、SCSI READ要求受信時の処理を示す。
【0039】
先に述べたように、ネットワーク管理部202とメモリ管理部203からのメモリWRITE要求に対しては、ファイルアクセス管理部204で排他制御しているが、USBデバイスI/F制御部207に接続された外部PCからのメモリWRITE要求はファイルアクセス制御部204では管理されていないため、USBデバイスI/F制御部207経由のメモリWRITE要求とファイルアクセス制御部204経由のメモリWRITE要求を排他制御する必要がある。そこで、メモリカードアクセス制御部209において、USBデバイスI/F制御部207経由のメモリWRITE要求とファイルアクセス制御部204経由のメモリWRITE要求を排他制御する。具体的には、以下に説明する図7の制御を行う。
【0040】
SCSI WRITE要求を受けると、図7のステップS701において、メモリカードアクセス状態テーブル301のメモリカードアクセス状態をサーチし、「WRITE状態の依頼元がUSBの1つのみ、かつ、他が全てIDLE状態」または「WRITE状態の依頼元がネットワークまたはメモリ、かつ、USBがIDLE状態」であるか判定する。ここで、「WRITE状態の依頼元がUSBの1つのみ、かつ、他が全てIDLE状態」とは、USBデバイスI/F制御部207経由で外部PCからメモリWRITE要求を受信した場合にSCSI解析部206がSCSI WRITE要求を発生したものである。そして、「WRITE状態の依頼元がネットワークまたはメモリで、かつ、USBがIDLE状態」とは、ファイルアクセス制御部204経由でネットワーク管理部202またはメモリ管理部203からメモリWRITE要求を受信した場合にSCSI解析部206がSCSI WRITE要求を発生したものである。
【0041】
補足説明であるが、ネットワーク上のPCから要求されたメモリWRITE要求をネットワークI/F制御部201経由でネットワーク管理部202が受信することにより、ネットワーク管理部202がファイルアクセス制御部204経由でSCSI解析部206にメモリWRITE要求を行う。ステップS701において、「WRITE状態の依頼元がUSBの1つのみ、かつ、他が全てIDLE状態」または「WRITE状態の依頼元がネットワークまたはメモリ、かつ、USBがIDLE状態」であると判断すると、ステップS702に進み、USBホストI/F制御部208を介してSCSI WRITEコマンドにより、メモリカードへWRITEアクセスを行う。
【0042】
そして、ステップS703で、ステップS702の処理終了を待ち、ステップS704において、処理結果を保存する。ステップS701において、「WRITE状態の依頼元が1つのみ、かつ、他が全てIDLE状態」または「WRITE状態の依頼元がネットワークまたはメモリ、かつ、USBがIDLE状態」のいずれでもないと判断すると、ステップS705において、処理結果をエラーに設定する。ステップS706において、SCSI WRITE要求に対する処理結果を応答する。
【0043】
SCSI READ要求を受けると、図8のステップS801において、USBホストI/F制御部208を介してSCSI READコマンドにより、メモリカードへREADアクセスを行う。ステップS802で、ステップS801の処理終了を待ち、ステップS803において、処理結果を保存する。ステップS804では、SCSI READ要求に対する処理結果を応答する。
【0044】
このように、「WRITE状態の依頼元が1つのみ、かつ、他が全てIDLE状態」の時に、メモリカードへWRITEアクセスを行うので、複数の依頼元からのメモリカードへのアクセス要求に対し、排他制御を行うことができる。即ち、ネットワークを介したファイルアクセス要求、また、装置内部で扱う画像ファイル保存のためのファイルアクセス要求など、複数依頼元からのファイルアクセス要求に対し、順番に応じることができる。
【0045】
以上に説明したとおり、本実施形態によれば、ファイルへのアクセス制御を行うファイルアクセス制御部204、メモリカードへのアクセス制御を行うメモリカードアクセス制御部209を備えることにより、ネットワーク、装置本体、USB(MassStorageClass)など、複数要求元からのファイルアクセス、メモリカードアクセスを実現することができる。
【0046】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0047】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置が、供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0048】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0049】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクがある。また、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0050】
その他、クライアントPCのブラウザを用いてインターネットサイトに接続し、本発明に係るプログラムそのもの、もしくは更に自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードするという利用方法もある。また、本発明に係るプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の範疇に含まれる。 また、本発明に係るプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0051】
また、プログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0052】
さらに、PCの機能拡張ユニットに備わるメモリに本発明に係るプログラムが書き込まれ、そのプログラムに基づき、その機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行なう場合も、本発明の範疇に含まれる。
【0053】
本出願は、2004年7月8日に出願された日本国特許出願2004−202004を基礎とするものであり、この基礎出願の全内容は、本出願に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態であるMFP100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態であるMFP100のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態であるMFP100のメモリカードアクセス制御部が管理する情報を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における、ファイルオープン要求受信時の処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における、ファイルクローズ要求受信時の処理を示すフローチャートである。
【図6A】本発明の実施の形態における、メモリカードアクセス要求受信時の処理を示すフローチャートである。
【図6B】本発明の実施の形態における、メモリカードアクセス要求受信時の処理を示すフローチャートである。
【図6C】本発明の実施の形態における、メモリカードアクセス要求受信時の処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における、メモリカードアクセス確認の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における、メモリカードアクセス確認の処理を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBホストインタフェースと、USBデバイスインタフェースと、ネットワークインタフェースと、を有し、入力した画像データに対して各種の処理を施す画像処理装置であって、
前記USBホストインタフェースに接続された記憶媒体に対するアクセスを要求するファイルアクセスコマンドを、前記ネットワークインタフェースを介して入力する第1入力手段と、
前記画像処理装置の内部で発生した前記ファイルアクセスコマンドを入力する第2入力手段と、
前記第1入力手段で入力したファイルアクセスコマンドと、前記第2入力手段で入力したファイルアクセスコマンドとの間で排他制御するファイルアクセス制御手段と、
前記ファイルアクセス制御手段における排他制御の結果、選択されたファイルアクセスコマンドをSCSIコマンドに変換する変換手段と、
前記変換手段での変換によって生成されたSCSIコマンドと、前記USBデバイスインタフェースを介して入力した前記記憶媒体に対するアクセスを要求するSCSIコマンドとの間で排他制御する記憶媒体アクセス制御手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ファイルアクセス制御手段は、既にファイルがオープンになっている場合には、前記ファイルアクセスコマンドを受け付けないことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ファイルアクセス制御手段は、
前記第1入力手段で入力したファイルアクセスの属性を登録する第1アクセスファイルリストと、前記第2入力手段で入力したファイルアクセスの属性を登録する第2アクセスファイルリストとを記憶し、
前記第1アクセスファイルリスト及び前記第2アクセスファイルリストに、ファイル書き込み中であることを示す属性が登録されておらず、かつ、新たに入力したファイルアクセスコマンドが読出しコマンドである場合に、前記ファイルアクセスコマンドを受け付けることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶媒体アクセス制御手段は、前記記憶媒体にアクセスしようとする依頼元毎のアクセス状態により、記憶媒体に対するアクセスの許可及び不許可を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
USBホストインタフェースと、
USBデバイスインタフェースと、
ネットワークインタフェースと、
前記USBホストインタフェースに接続された記憶媒体に対するアクセスを要求するファイルアクセスコマンドを、前記ネットワークインタフェースを介して入力する第1入力手段と、
前記画像処理装置の内部で発生した前記ファイルアクセスコマンドを入力する第2入力手段と、
を備えた画像処理装置の制御方法であって、
前記第1入力手段で入力したファイルアクセスコマンドと、前記第2入力手段で入力したファイルアクセスコマンドとの間で排他制御するファイルアクセス制御工程と、
前記ファイルアクセス制御工程での排他制御の結果、選択されたファイルアクセスコマンドをSCSIコマンドに変換する変換工程と、
前記変換工程での変換によって生成されたSCSIコマンドと、前記USBデバイスインタフェースを介して入力した前記記憶媒体に対するアクセスを要求するSCSIコマンドとの間で排他制御する記憶媒体アクセス制御工程と、
を含むことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項6】
USBホストインタフェースと、
USBデバイスインタフェースと、
ネットワークインタフェースと、
前記USBホストインタフェースに接続された記憶媒体に対するアクセスを要求するファイルアクセスコマンドを、前記ネットワークインタフェースを介して入力する第1入力手段と、
前記画像処理装置の内部で発生した前記ファイルアクセスコマンドを入力する第2入力手段と、
を備えた画像処理装置の制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記第1入力手段で入力したファイルアクセスコマンドと、前記第2入力手段で入力したファイルアクセスコマンドとの間で排他制御するファイルアクセス制御工程と、
前記ファイルアクセス制御工程での排他制御の結果、選択されたファイルアクセスコマンドをSCSIコマンドに変換する変換工程と、
前記変換工程での変換によって生成されたSCSIコマンドと、前記USBデバイスインタフェースを介して入力した前記記憶媒体に対するアクセスを要求するSCSIコマンドとの間で排他制御する記憶媒体アクセス制御工程と、
を実行することを特徴とする画像処理装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−506298(P2008−506298A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520018(P2007−520018)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【国際出願番号】PCT/JP2005/012724
【国際公開番号】WO2006/006548
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】