説明

画像処理装置及び方法、並びにプログラム

【課題】手前にフェンス等が存在しても、着目する被写体に合焦させること。
【解決手段】処理対象領域候補抽出部53は、原画像取得部42により取得された原画像から、着目する被写体を含む領域を処理対象領域候補として抽出する。エッジ検出部54は、原画像から、エッジを検出する。合致直線判断部55は、抽出された処理対象領域候補の中に、検出されたエッジと略合致する合致直線が存在するか否かを判断する。AF制御部56は、処理対象領域候補の中に合致直線が存在すると判断された場合、処理対象領域候補のうち、合致直線の領域を除外した領域、即ち合致直線をマスクした領域を、処理対象領域として決定し、処理対象領域に基づいてAF評価エリアを設定して、AF処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び方法、並びにプログラムに関し、特に、複数の対象が遠近方向に存在する環境において、遠い位置にある方の対象に着目した画像処理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、AF(Automatic Focus:オートフォーカス)処理を実行可能な撮像装置が存在する。代表的なAF処理の手法としては、画像信号に含まれる周波数成分(直流成分を除く)が合焦レンズ位置(フォーカス位置)で最大になることを利用して、画像信号に含まれる周波数成分の量を評価値として合焦状態を検出する、というものが存在する。そして、この手法により検出される評価値は、撮像画像の一領域から検出される。この検出される評価値を、以下、「AF評価値」と呼び、AF評価値が検出される当該一領域を、以下、「AF評価エリア」と呼ぶ。
【0003】
このようなAF評価エリアの従来の設定手法としては、複数のAF評価エリアの各々に関して合焦レンズ位置を演算し、演算された複数の合焦レンズ位置のうち、最至近の合焦レンズ位置に対応するAF評価エリアを選択する、という手法が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−361484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の手法では、特異なケースとして動物等の被写体の手前にフェンス等が存在するといった場合は、フェンス等の位置が合焦レンズ位置として算出される場合がある。つまり、フェンス等は被写体よりも手前にあり、撮像装置の最至近に存在することが多いため、フェンス等の位置が合焦レンズ位置として算出されAF評価エリアが選択されて、フェンス等に合焦してしまう。即ち、被写体の手前にフェンス等が存在すると、これを着目すべき被写体と見做し、真に着目すべき被写体に合焦できない場合がある。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数の対象が遠近方向に存在する環境において、遠い位置にある方の対象に着目した画像処理を行うこと、例えば手前にフェンス等が存在しても、着目する被写体に合焦させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によると、
処理対象画像から、着目像を含む領域を処理対象領域候補として抽出する抽出手段と、
前記処理対象画像から、エッジを検出する検出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記処理対象領域候補の中に、前記検出手段により検出された前記エッジと略合致する合致直線が存在するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記処理対象領域候補の中に前記合致直線が存在すると判断された場合、前記処理対象領域候補のうち、前記合致直線の領域を除外した領域を処理対象領域とする制御手段と、
を備える画像処理装置を提供する。
【0008】
本発明の第2の観点によると、
前記制御手段は、さらに、
前記判断手段により前記処理対象領域候補の中に前記合致直線が存在しないと判断された場合、前記処理対象領域候補を処理対象領域とする、
画像処理装置を提供する。
【0009】
本発明の第3の観点によると、
着目する被写体を撮像することによって、撮像画像を出力する撮像手段と、
合焦手段と、
をさらに備え、
前記抽出手段は、前記撮像手段によって撮像された撮像画像から、前記被写体を含む領域を前記処理対象領域候補として抽出し、
前記制御手段は更に、前記処理対象領域に合焦するように前記合焦手段を制御する、
画像処理装置を提供する。
【0010】
本発明の第4の観点によると、
前記合焦手段は、AF評価エリアから算出されたAF評価値に基づいて、合焦し、
前記制御手段は、前記処理対象領域を用いた前記処理の制御として、前記処理対象領域に基づいて前記AF評価エリアを設定し、設定した前記AF評価エリアから前記AF評価値を算出する処理を制御する、
画像処理装置を提供する。
【0011】
本発明の第5の観点によると、
画像処理装置によって、処理対象画像のうち着目像を含む領域を処理対象領域として、前記処理対象領域を用いた処理を制御するための画像処理方法において、
前記処理対象画像から、前記着目像を含む領域を処理対象領域候補として抽出する抽出ステップと、
前記処理対象画像から、エッジを検出する検出ステップと、
前記抽出ステップの処理により抽出された前記処理対象領域候補の中に、前記検出ステップの処理により検出された前記エッジと略合致する合致直線が存在するか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップの処理により前記処理対象領域候補の中に前記合致直線が存在すると判断された場合、前記処理対象領域候補のうち、前記合致直線の領域を除外した領域を処理対象領域として決定し、前記処理対象領域を用いた処理を制御する制御ステップと、
を含む画像処理方法を提供する。
【0012】
本発明の第6の観点によると、
処理対象画像のうち着目像を含む領域を処理対象領域として、前記処理対象領域を用いた処理を制御するコンピュータに、
前記処理対象画像から、前記着目像を含む領域を処理対象領域候補として抽出する抽出機能と、
前記処理対象画像から、エッジを検出する検出機能と、
前記抽出機能の実現により抽出された前記処理対象領域候補の中に、前記検出機能の実現により検出された前記エッジと略合致する合致直線が存在するか否かを判断する判断機能と、
前記判断機能の実現により前記処理対象領域候補の中に前記合致直線が存在すると判断された場合、前記処理対象領域候補のうち、前記合致直線の領域を除外した領域を処理対象領域として決定し、前記処理対象領域を用いた処理を制御する制御機能と、
を実現させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、手前にフェンス等が存在しても、着目する被写体に合焦させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2の画像処理装置が実行するAF評価エリア設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】図3のAF評価エリア設定処理の結果の具体例を示している。
【図5】図3のAF評価エリア設定処理の結果の具体例を示している。
【図6】図3のAF評価エリア設定処理の結果の具体例を示している。
【図7】図3のAF評価エリア設定処理の結果の具体例を示している。
【図8】図3のAF評価エリア設定処理の結果の具体例を示している。
【図9】図3のAF評価エリア設定処理の結果の具体例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、例えばデジタルカメラにより構成することができる。
【0017】
画像処理装置1は、光学レンズ装置11と、AF機構12と、シャッタ装置13と、アクチュエータ14と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ15と、前処理部16と、TG(Timing Generator)17と、信号処理部18と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)19と、CPU20と、RAM(Random Access Memory)21と、ROM(Read Only Memory)22と、表示制御部23と、表示部24と、操作部25と、メモリカード26と、を備える。
【0018】
光学レンズ装置11は、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。フォーカスレンズは、CMOSセンサ15の受光面に被写体を結像させるためレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
【0019】
AF機構12は、CPU20の制御に従って、フォーカスレンズを移動させることで、合焦レンズ位置に合焦させる。
【0020】
シャッタ装置13は、例えばシャッタ羽根等から構成される。シャッタ装置13は、CMOSセンサ15へ入射する光束を遮断する機械式のシャッタとして機能する。シャッタ装置13はまた、CMOSセンサ15へ入射する光束の光量を調節する絞りとしても機能する。
【0021】
アクチュエータ14は、CPU20の制御に従って、シャッタ装置13のシャッタ羽根を開閉させる。
【0022】
CMOSセンサ15は、CMOS型の撮像素子を有するイメージセンサである。CMOSセンサ15には、光学レンズ装置11からシャッタ装置13を介して被写体が入射される。そこで、CMOSセンサ15は、TG17から供給されるクロックパルスに従って、一定時間毎に被写体を光電変換(撮影)して画像信号を画素毎に蓄積し、蓄積した画像信号を出力する。
【0023】
前処理部16は、TG17から供給されるクロックパルスに従って、CMOSセンサ15から出力される画像信号を、黒レベルの補正等の前処理を実行した上で、信号処理部18とDRAM19とにそれぞれ出力する。
【0024】
TG17は、CPU20の制御に従って、一定時間毎にクロックパルスをCMOSセンサ15と前処理部16とにそれぞれ供給する。
【0025】
信号処理部18は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等で構成され、CPU20の制御に従って、前処理部16から供給された画像信号又はDRAM19に記憶された画像信号に対して各種信号処理を実行する。
【0026】
DRAM19は、前処理部16から供給された画像信号、又は信号処理部18により信号処理が実行された画像信号を一時的に記憶する。ここで、CMOSセンサ15から出力された画素単位の画像信号の、CMOSセンサ15の入力画角内の全画素分の集合体からなる画像データを、以下、フレーム画像データと呼ぶ。本実施形態では、DRAM19の記憶の単位は、このようなフレーム画像データである。
【0027】
CPU20は、画像処理装置1全体の動作を制御する。RAM21は、CPU20が各処理を実行する際にワーキングエリアとして機能する。ROM22は、画像処理装置1が各処理を実行するのに必要なプログラムやデータを記憶する。CPU20は、RAM21をワーキングエリアとして、ROM22に記憶されているプログラムとの協働により各種処理を実行する。
【0028】
例えばCPU20は、AF処理を実行する。即ち、CPU20は、AF評価エリアを設定し、当該AF評価エリア内の画像信号に含まれる周波数成分の量を画素単位で積分し、その結果得られる積分値をAF評価値として検出する。そして、CPU20は、検出したAF評価値に基づいて、合焦レンズ距離を決定し、この合焦レンズ距離で合焦するようにAF機構12を制御する。
【0029】
表示制御部23は、CPU20の制御に従って、DRAM19やメモリカード26に記憶されているフレーム画像データを読み出して、当該フレーム画像データにより表現される画像(以下、「フレーム画像」と呼ぶ)を表示部24に表示させる。
【0030】
操作部25は、ユーザによる各種ボタンの操作を受け付ける。操作部25は、例えば電源釦、十字釦、決定釦、メニュー釦、レリーズ釦等を備える。操作部25は、受け付けた各種ボタンの操作に対応する信号を、CPU20に供給する。CPU20は、操作部25からの信号に基づいてユーザの操作内容を解析し、その操作内容に応じた処理を実行する。
【0031】
メモリカード26は、信号処理部18により生成された動画像データ(フレーム画像データの集合体)や、静止画像データ(フレーム画像データ)等各種データを記録する。
【0032】
図2は、このようなハードウェア構成の画像処理装置1が実行する処理のうち、AF評価エリア設定処理及びAF処理を実現するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0033】
図2に示すように、画像処理装置1は、AF評価エリア設定処理及びAF処理を実現すべく、撮像部51と、原画像取得部52と、処理対象領域候補抽出部53と、エッジ検出部54と、合致直線判断部55と、AF制御部56と、上述したAF機構12と、を備えている。
【0034】
本実施形態では、撮像部51は、図1の光学レンズ装置11と、シャッタ装置13と、CMOSセンサ15と、から構成されている。また、原画像取得部52乃至AF制御部56は、CPU20及び信号処理部18というハードウェアと、ROM32に記憶されたプログラム(ソフトウェア)との組み合わせとして構成されている。即ち、本実施形態では、原画像取得部52乃至AF制御部56が実行する各種画像処理のうち少なくとも一部が、CPU20の制御に基づいて信号処理部18において実行され、残りの一部がCPU20において実行される。
【0035】
撮像部51は、所定の画角内に存在する被写体を撮像することによって、撮像画像のフレーム画像データを出力する。原画像取得部52は、撮像部51から出力された撮像画像のフレーム画像データを、AF評価エリアの設定用の原画像のフレーム画像データとして取得する。
【0036】
処理対象領域候補抽出部53は、原画像取得部52により取得された原画像のフレーム画像データを用いて、当該原画像から、着目する被写体を含む領域を処理対象領域候補として抽出する。なお、ここでいう処理対象とは、後述するAF制御部56にとっての処理対象をいう。即ち、後述するように、処理対象領域に基づいてAF評価エリアがAF制御部56によって設定される。
【0037】
エッジ検出部54は、原画像取得部52により取得された原画像のフレーム画像データを用いて、当該原画像からエッジを検出する。
【0038】
合致直線判断部55は、処理対象領域候補抽出部53により抽出された処理対象領域候補の中に、エッジ検出部54により検出されたエッジと略合致する直線(以下、「合致直線」と呼ぶ)が存在するか否かを判断する。即ち、合致直線判断部55は、処理対象領域候補の中から、合致直線を検出する。
【0039】
AF制御部56は、処理対象領域候補の中に合致直線が存在すると合致直線判断部55により判断された場合、即ち、1以上の合致直線が検出された場合、処理対象領域候補のうち合致直線の領域を除外した領域を、処理対象領域として決定する。即ち、AF制御部56は、処理対象領域候補に対して、合致直線の領域がマスクされた領域を、処理対象領域として決定する。そして、AF制御部56は、当該処理対象領域に合焦するようにAF機構12を制御する。即ち、AF制御部56は、当該処理対象領域に基づいてAF評価エリアを設定して、当該AF評価エリアを用いてAF処理を実行する。
【0040】
なお、合致直線判断部55により合致直線が検出されない場合、AF制御部56は、処理対象領域候補をそのまま、処理対象領域として決定する。そして、AF制御部56は、当該処理対象領域をAF評価エリアとして設定して、AF処理を実行する。
【0041】
次に、このような機能的構成を有する画像処理装置1が実行するAF評価エリア設定処理について説明する。
【0042】
図3は、AF評価エリア設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4乃至図9は、図3のAF評価エリア設定処理の結果の具体例を示している。
【0043】
AF評価エリア設定処理は、操作部25のレリーズ釦が半押しされる操作がユーザにより行われた場合、その操作を契機として開始される。即ち、当該操作により、上述したように、原画像取得部52は、撮像部51から出力された撮像画像のフレーム画像データを、原画像のフレーム画像データとして取得する。例えば図4の例では、檻(フェンス)の中の動物が被写体として撮像された結果得られる原画像101のフレーム画像データが、原画像取得部52により取得されている。ただし、便宜上、図4においては、実際の撮像画像が線図化されたものが、原画像101として示されている。このようにして原画像101等のフレーム画像データが原画像取得部52により取得されると、次のようなAF評価エリア設定処理が実行される。
【0044】
即ち、ステップS1において、処理対象領域候補抽出部53は、原画像のフレーム画像データを用いて、当該原画像から、着目する被写体を含む領域を処理対象領域候補として抽出する。そして、本実施形態では、処理対象領域候補抽出部53は、抽出した処理対象領域候補に含まれる画素については「1」の画素値を付与し、それ以外の画素については「0」の画素値を付与したバイナリ画像のフレーム画像データを、抽出結果として生成する。このような画像を、以下、「処理対象領域候補画像」と呼び、B(x,y)と記述する。ここで、xは、直角座標系におけるX軸(水平方向の軸)の画素位置を示し、yは、直角座標系におけるY軸(垂直方向の軸)の画素位置を示している。例えば図4の例では、画像102のフレーム画像データが、処理対象領域候補画像B(x,y)のフレーム画像データとして生成されている。即ち、図4の画像102のうち、白い領域が処理対象領域候補となっている。
【0045】
なお、処理対象領域候補の抽出手法は、特に限定されず、任意の手法を採用することができる。例えば、トリーズマンの特徴統合理論に基づく手法を採用することができる。当該手法が採用された場合、処理対象領域候補抽出部53は、複数の特徴マップ、例えばコントランストに基づく特徴マップ、ヒストグラムの距離に基づく特徴マップ、及び色の分散に基づく特徴マップを生成する。次に、処理対象領域候補抽出部53は、これら複数の特徴マップを統合し顕著性マップを生成し、この顕著性マップに基づいて処理対象領域候補を抽出する。その他の抽出手法としては、例えば、ジェレミー ウォルフの誘導探索モデルに基づく手法、Koch−Ulmanのsaliency mapの概念に基づく手法、「Itti,L,&Koch,C.(2001) Nature Reviews Neuroscience」に基づく手法等を採用することができる。さらにまた、このような従来の抽出手法のみならず、今後出現し得る任意の抽出手法を採用することができる。
【0046】
ステップS2において、エッジ検出部54は、原画像取得部52により取得された原画像のフレーム画像データを用いて、エッジ検出画像のフレーム画像データを生成する。具体的には、本実施形態では、エッジ検出部54は、原画像のフレーム画像データに対してエッジフィルタ処理を施すことによって、エッジ検出画像のフレーム画像データを生成する。このようなエッジ検出画像を、以下、E(x,y)と記述する。例えば図4の例では、画像103のフレーム画像データが、エッジ検出画像E(x,y)のフレーム画像データとして生成されている。即ち、図4の画像103のうち、白い線がエッジを示している。なお、エッジフィルタは、特に限定されず、例えばPrewitt、Sobel、Laplacian等の従来の任意のエッジフィルタを採用することもできるし、今後出現し得る任意のエッジフィルタを採用することができる。
【0047】
ステップS3において、合致直線判断部55は、エッジ検出画像E(x、y)のフレーム画像データから処理対象領域候補の画像データを切り出すことによって、エッジ検出画像E(x、y)のフレーム画像データを、処理対象領域画像と非処理対象画像との各々のフレーム画像データに分離する。ここで、処理対象領域画像とは、処理対象領域候補を含むフレーム画像をいい、以下、T(x,y)と記述する。一方、非処理対象領域画像とは、処理対象領域候補を含まないフレーム画像をいい、以下、N(x,y)と記述する。
【0048】
本実施形態では、画素位置(x,y)の画素毎に、次の式(1)が演算されることによって処理対象領域画像T(x,y)のフレーム画像データが得られ、次の式(2)が演算されることによって非処理対象領域画像N(x、y)が得られる。
T(x、y) = B(x,y)×E(x、y) ・・・(1)
N(x、y) = {1−B(x、y)}×E(x、y) ・・・(2)
【0049】
例えば図5の例では、画像103が、エッジ検出画像E(x,y)である。このような画像103から分離された処理対象領域画像T(x,y)が、画像105である。また、画像103から分離された非処理対象領域画像N(x、y)が、画像104である。
【0050】
ステップS4において、合致直線判断部55は、非処理対象領域画像N(x,y)のフレーム画像データに対して、ハフ変換(Hough変換)を施す。また、ステップS5において、合致直線判断部55は、処理対象領域画像T(x、y)のフレーム画像データに対してハフ変換を施す。即ち、直角座標系の非処理対象領域画像N(x、y)の各画素(点)(x,y)は、次の式(3)に従って、ハフ空間N(ρ,θ)上の1本の正弦曲線に変換される。同様に、直角座標系における処理対象領域画像T(x,y)の各画素(点)(x,y)は、次の式(3)に従って、ハフ空間T(ρ,θ)上の1本の正弦曲線に変換される。
ρ = xcosθ+ysinθ ・・・(3)
【0051】
例えば図6の例では、非処理対象領域画像N(x、y)としての画像104のフレーム画像データに対してハフ変換が施された結果として、画像106で示されるハフ空間N(ρ,θ)が得られている。また、処理対象領域画像T(x、y)としての画像105のフレーム画像データに対してハフ変換が施された結果として、画像107で示されるハフ空間T(ρ,θ)が得られている。画像106及び画像107において、各点の値(各画素値)は、その点を通った正弦曲線の数(以下、「投票数」と呼ぶ)を表している。図6の例では、画像106及び画像107とも、投票数が多い点程白く(明るく)なるように表示されている。
【0052】
なお、以上説明したステップS4及びS5の処理の順番は、図3の例に特に限定されず、ステップS4とS5の処理が同時に実行されてもよいし、ステップS5の処理の後にステップS4の処理が実行されてもよい。何れにしても、ステップS4及びS5の処理が終了すると、処理はステップS6に進む。
【0053】
ステップS6において、合致直線判断部55は、合致直線の検出処理を実行する。例えば本実施形態では、合致直線の検出処理として、次のような処理が実行される。
【0054】
即ち、合致直線判断部55は、ハフ空間N(ρ,θ)において、投票数が多い点の位置(画素位置)を決定する。ハフ空間N(ρ,θ)において、このような投票数が多い点の位置(画素位置)を、以下、多投票座標と称し、pi(ρi,θi)と記述する。ここで、iは、1乃至K(Kは、1以上の整数値であって、本実施形態では15とする)の整数値であって、投票数が多い順番に付された値である。即ち、本実施形態では、最大の多投票座標p1(ρ1,θ1)を筆頭にして、15個の多投票座標p1(ρ1,θ1)乃至p15(ρ15,θ15)が得られることになる。なお、図6においては、説明の便宜上、上位5位までの多投票座標p1(ρ1,θ1)乃至p5(ρ5,θ5)が、それぞれ符号p1乃至p5を付された上で図示されており、上位6位以下の多投票座標p6(ρ6,θ6)乃至p15(ρ15,θ15)の図示は省略されている。
【0055】
このようにして得られた15個の多投票座標p1(ρ1,θ1)乃至p15(ρ15,θ15)は、元のX軸とY軸とで構成される直角座標系に逆ハフ変換されると、図7においては白い領域として示されているように、上位15本の直線らしい点(画素)の集合体になる。以下、ハフ空間上の多投票座標を逆変換した結果得られる、直線らしい点の集合体を、「検出直線」と呼ぶ。図7の画像と図4の原画像101とを比較するに、図7における各検出直線は、原画像101の檻(フェンス)を精度よく検出した各直線となっていることがわかる。
【0056】
次に、合致直線判断部55は、エッジ検出画像E(x,y)の中から、非処理対象領域画像N(x、y)の検出直線と合致する直線、即ち、合致直線を検出する。このような合致直線の検出手法は、特に限定されないが、本実施形態では次のような手法が採用されている。
【0057】
即ち、合致直線判断部55は、ハフ空間T(ρ,θ)において、ハフ空間N(ρ,θ)の中から得られた15個の多投票座標p1(ρ1,θ1)乃至p15(ρ15,θ15)の各々と同一の座標を、15個の投票座標t1(ρ1,θ1)乃至t15(ρ15,θ15)の各々として求める。
【0058】
ここで、投票座標ti(ρi,θi)に対する逆ハフ変換の結果が、多投票座標pi(ρ1,θ1)の検出直線と合致する度合を、以下、「直線合致度」と呼ぶ。このような直線合致度が高いことは、投票座標ti(ρi,θi)に対する逆ハフ変換の結果は、多投票座標pi(ρi,θi)の検出直線との合致直線である可能性が高いことを意味する。そこで、本実施形態では、合致直線判断部55は、次のようにして直線合致度を求め、この直線合致度を用いて合致直線を検出する。
【0059】
即ち、合致直線判断部55は、i=1乃至15の投票座標ti(ρi,θi)の各値(各投票数)と、所定の閾値thとを比較することによって、投票座標ti(ρi,θi)の直線合致度を求める。具体的には、本実施形態では、直線合致度は高い又は低いといった2値で表現されている。そこで、合致直線判断部55は、次の式(4)の不等式を満たす場合には、投票座標ti(ρi,θi)の直線合致度は高いと判断する。これに対して、合致直線判断部55は、次の式(4)の不等式を満たさない場合には、投票座標ti(ρi,θi)の直線合致度は低いと判断する。
ti(ρi,θi) > th ・・・(4)
【0060】
これにより、合致直線判断部55は、直線合致度が高い投票座標ti(ρi,θi)に対して逆ハフ変換を施すことによって、合致直線を検出することが可能になる。
【0061】
さらに以下、図6の例、即ち、画像106で示されるハフ空間N(ρ,θ)から得られた上位5個の多投票座標p1(ρ1,θ1)乃至p5(ρ5,θ5)のみの例を用いて、合致直線の検出手法について具体的に説明する。
【0062】
画像106で示されるハフ空間N(ρ,θ)から得られた上位5個の多投票座標p1(ρ1,θ1)乃至p5(ρ5,θ5)の各々と同一の座標が、画像107で示されるハフ空間T(ρ,θ)から、投票座標t1(ρ1,θ1)乃至t5(ρ5,θ5)の各々として求められる。なお、図6においては、投票座標t1(ρ1,θ1)乃至t5(ρ5,θ5)が、それぞれ符号t1乃至t5を付された上で図示されており、
【0063】
ここで、投票座標t1(ρ1,θ1)及びt4(ρ4,θ4)の値(投票数)は、画像107において暗くなっている(黒に近い)ことからわかるように、閾値th未満となっている。従って、投票座標t1(ρ1,θ1)及びt4(ρ4,θ4)の合致度は低いため、非処理対象領域画像N(x、y)における多投票座標p1(ρ1,θ1)及びp4(ρ4,θ4)の各検出直線は、処理対象領域画像T(x、y)においては合致直線としては存在しないことになる。
【0064】
これに対して、投票座標t2(ρ2,θ2)、t3(ρ3,θ3)、及びt5(ρ5,θ5)の値(投票数)は、画像107において明るくなっている(白に近い)ことからわかるように、閾値thを超えている。従って、投票座標t2(ρ2,θ2)、t3(ρ3,θ3)、及びt5(ρ5,θ5)の各々の直線合致度は高いため、非処理対象領域画像N(x、y)における、多投票座標p2(ρ2,θ2)、p3(ρ3,θ3)、及びp5(ρ5,θ5)の各検出直線の合致直線が、処理対象領域画像T(x、y)においても、投票座標t2(ρ2,θ2)、t3(ρ3,θ3)、及びt5(ρ5,θ5)の各検出直線として存在することになる。
【0065】
以上の結果は、図6の下側の図にも示されている。即ち、図6の下側の図においては、非処理対象領域画像N(x、y)である画像104において、多投票座標p1(ρ1,θ1)乃至p5(ρ5,θ5)の各々に対応する元の直線の箇所に、符号p1乃至p5が付されている。同様に、処理対象領域画像T(x、y)である画像105において、投票座標t1(ρ1,θ1)乃至t5(ρ5,θ5)のうち、直線合致度が高い投票座標t2(ρ2,θ2)、t3(ρ3,θ3)、及びt5(ρ5,θ5)の各々に対応する元の直線の箇所に、符号t2,t3,t5の各々が付されている。このことは、非処理対象領域画像N(x、y)である画像104において、多投票座標p2(ρ2,θ2)、p3(ρ3,θ3)、及びp5(ρ5,θ5)の各々に対応する元の直線は、処理対象領域画像T(x、y)である画像105においても同様に、投票座標t2(ρ2,θ2)、t3(ρ3,θ3)、及びt5(ρ5,θ5)の各々に対応する元の直線として、即ち合致直線として確認できていることを意味している。逆に、このことは、非処理対象領域画像N(x、y)である画像104において、多投票座標p1(ρ1,θ1)及びp4(ρ4,θ4)の各々に対応する元の直線は、処理対象領域画像T(x、y)である画像105においては、被写体を示す処理対象領域候補以外の場所に存在するために、確認できないことを意味している。
【0066】
なお、図6の下側の処理対象領域画像T(x、y)である画像105においては、投票座標t2(ρ2,θ2)、t3(ρ3,θ3)、及びt5(ρ5,θ5)の各々に対応する元の直線以外にも、数本の直線(合致直線として検出される元の直線)が示されている。これらの直線は、上述の説明の対象外であった上位6位以降の投票座標ti(ρi,θi)のうちの数点に対応する元の直線であり、これらの数点の投票座標ti(ρi,θi)も閾値thを超えて、直線合致度が高いと判定されることになる。
【0067】
以上のことから、合致直線判断部55は、i=1乃至15の投票座標ti(ρi,θi)のうち、閾値thを超える値(投票数)を有するものに対して、逆ハフ変換を施すことで、合致直線を求めることが可能になる。例えば図6に示す投票座標t2(ρ2,θ2)、t3(ρ3,θ3)、及びt5(ρ5,θ5)を含め、閾値thを超える値(投票数)を有する幾つかの投票座標ti(ρi,θi)に対して、逆ハフ変換が施されると、図8の画像108に示されるような幾つかの合致直線が検出される。
【0068】
このようにして、図3のステップS6の処理で、合致直線判断部55による合致直線の検出処理が終了すると、その処理結果はAF制御部56に通知される。これにより、処理はステップS7に進む。
【0069】
ステップS7において、AF制御部56は、合致直線が検出されたか否かを判定する。
【0070】
ステップS6の処理で、合致直線判断部55により1以上の合致直線が検出された場合、処理はステップS8に進む。ステップS8において、AF制御部56は、処理対象領域候補に対して、1以上の合致直線の領域がマスクされ、処理対象領域候補の合致直線領域をマスクした領域を処理対象領域として決定する。そして、AF制御部56は、当該処理対象領域に基づいてAF評価エリアを設定する。これにより、AF評価エリア設定処理は終了となり、その後、AF制御部56は、このようにして設定されたAF評価エリアを用いてAF処理を実行する。
【0071】
例えば上述の図4乃至図8の例では、処理対象領域候補抽出部53の抽出結果は、処理対象領域候補画像B(x,y)として、図4や図8に示す画像102のフレーム画像データとして得られている。一方、合致直線判断部55による合致直線の検出結果として、例えば図8に示すように、合致直線上の画素については「0」の画素値(黒の値)を付与し、それ以外の画素については「1」の画素値(白の値)を付与した画像108のフレーム画像データが用いられるとする。なお、このような画像を、以下、「合致直線含有画像」と呼ぶ。この場合、AF制御部56は、図8に示すように、処理対象領域候補画像B(x,y)としての画像102のフレーム画像データと、合致直線含有画像としての画像108のフレーム画像データとを乗算することで、画像109のフレーム画像データを得ることができる。なお、以下、画像109のように、合致直線の領域がマスクされた画像を、「直線マスク画像」と呼び、M(x,y)と記述する。即ち、図8の例では、直線マスク画像M(x、y)である画像109のうち白い領域が、檻(非被写体)を除外した動物(被写体)のみを含む処理対象領域となる。従って、AF制御部56は、図9の画像110に示すように、当該処理対象領域をAF評価エリアとして設定して、AF処理を実行することが可能になる。
【0072】
なお、i=1乃至15の投票座標ti(ρi,θi)の全ての値(投票数)が閾値th未満である場合、即ち、合致直線が検出されなかった場合、図3のステップS7においてNOであると判定され、処理はステップS9に進む。ステップS9において、AF制御部56は、処理対象領域候補をそのまま処理対象領域として決定する。そして、AF制御部56は、当該処理対象領域をAF評価エリアとして設定する。これにより、AF評価エリア設定処理は終了となり、その後、AF制御部56は、このようにして設定されたAF評価エリアを用いてAF処理を実行する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置1は、撮像された原画像から、着目する被写体を含む領域を処理対象領域候補として抽出し、また、原画像から、エッジを検出する。画像処理装置1は、抽出された処理対象領域候補の中に、検出されたエッジと略合致する合致直線が存在するか否かを判断する。画像処理装置1は、処理対象領域候補の中に合致直線が存在すると判断した場合、処理対象領域候補のうち、合致直線の領域を除外した領域、即ち合致直線をマスクした領域を、処理対象領域として決定し、処理対象領域に基づいてAF評価エリアを設定して、AF処理を実行する。
【0074】
これにより、動物等の被写体の手前にフェンス等が存在した場合であっても、フェンス等は合致直線として検出されるので、フェンス等はマスクされた状態で、AF評価エリアが設定される。即ち、このようにして設定されたAF評価エリア内には、フェンス等は存在せず、被写体のみが存在することになる。よって、このようなAF評価エリアに基づいてAF処理が実行されることで、手前にフェンス等が存在しても、着目する被写体に合焦させることが可能になる。
【0075】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0076】
例えば、上述した実施形態では、「処理対象領域」の「処理」とは、AF処理を意味していたが、特にこれに限定されない。例えば、処理対象領域から適正露出を算出するAE(Auto Exposure)処理であってもよいし、処理対象領域を適正なホワイトバランスに補正するAWB(Auto White Balance)処理であってもよく、任意の画像処理で用いられる領域を、処理対象領域とすることができる。また、画像処理で用いられる処理対象画像も、特に撮像画像に限定されず、着目像の手前にフェンスや柱等が存在する任意の画像を採用することができる。このような場合、本発明に係る画像処理装置は、次のような処理を実行することができる。
【0077】
即ち、本発明に係る画像処理装置は、処理対象画像から、着目像を含む領域を処理対象領域候補として抽出し、また、処理対象画像から、エッジを検出する。画像処理装置は、抽出された処理対象領域候補の中に、検出されたエッジと略合致する合致直線が存在するか否かを判断する。画像処理装置は、処理対象領域候補の中に合致直線が存在すると判断した場合、処理対象領域候補のうち、合致直線の領域を除外した領域、即ち、合致直線をマスクした領域を処理対象領域として決定し、処理対象領域を用いた処理を制御する。
【0078】
また例えば、上述した実施形態では、本発明が適用される画像処理装置は、デジタルカメラとして構成される例として説明した。しかしながら、本発明は、デジタルカメラに特に限定されず、画像処理機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には例えば、本発明は、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0079】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0080】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0081】
このようなプログラムを含む記録媒体は、図示はしないが、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図1のROM22や、図示せぬハードディスク等で構成される。
【0082】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0083】
1・・・画像処理装置、11・・・光学レンズ装置、12・・・AF機構、13・・・シャッタ装置、14・・・アクチュエータ、15・・・CMOSセンサ、16・・・前処理部、17・・・TG、18・・・信号処理部、19・・・DRAM、20・・・CPU、21・・・RAM、22・・・ROM、23・・・表示制御部、24・・・表示部、25・・・操作部、26・・・メモリカード、51・・・撮像部、52・・・原画像取得部、53・・・処理対象領域候補抽出部、54・・・エッジ検出部、55・・・合致直線判断部、56・・・AF制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象画像から、着目像を含む領域を処理対象領域候補として抽出する抽出手段と、
前記処理対象画像から、エッジを検出する検出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記処理対象領域候補の中に、前記検出手段により検出された前記エッジと略合致する合致直線が存在するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記処理対象領域候補の中に前記合致直線が存在すると判断された場合、前記処理対象領域候補のうち、前記合致直線の領域を除外した領域を処理対象領域とする制御手段と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、さらに、
前記判断手段により前記処理対象領域候補の中に前記合致直線が存在しないと判断された場合、前記処理対象領域候補を処理対象領域とする、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
着目する被写体を撮像することによって、撮像画像を出力する撮像手段と、
合焦手段と、
をさらに備え、
前記抽出手段は、前記撮像手段によって撮像された撮像画像から、前記被写体を含む領域を前記処理対象領域候補として抽出し、
前記制御手段は更に、前記処理対象領域に合焦するように前記合焦手段を制御する、
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記合焦手段は、AF評価エリアから算出されたAF評価値に基づいて、合焦し、
前記制御手段は、前記処理対象領域を用いた前記処理の制御として、前記処理対象領域に基づいて前記AF評価エリアを設定し、設定した前記AF評価エリアから前記AF評価値を算出する処理を制御する、
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置によって、処理対象画像のうち着目像を含む領域を処理対象領域として、前記処理対象領域を用いた処理を制御するための画像処理方法において、
前記処理対象画像から、前記着目像を含む領域を処理対象領域候補として抽出する抽出ステップと、
前記処理対象画像から、エッジを検出する検出ステップと、
前記抽出ステップの処理により抽出された前記処理対象領域候補の中に、前記検出ステップの処理により検出された前記エッジと略合致する合致直線が存在するか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップの処理により前記処理対象領域候補の中に前記合致直線が存在すると判断された場合、前記処理対象領域候補のうち、前記合致直線の領域を除外した領域を処理対象領域として決定し、前記処理対象領域を用いた処理を制御する制御ステップと、
を含む画像処理方法。
【請求項6】
処理対象画像のうち着目像を含む領域を処理対象領域として、前記処理対象領域を用いた処理を制御するコンピュータに、
前記処理対象画像から、前記着目像を含む領域を処理対象領域候補として抽出する抽出機能と、
前記処理対象画像から、エッジを検出する検出機能と、
前記抽出機能の実現により抽出された前記処理対象領域候補の中に、前記検出機能の実現により検出された前記エッジと略合致する合致直線が存在するか否かを判断する判断機能と、
前記判断機能の実現により前記処理対象領域候補の中に前記合致直線が存在すると判断された場合、前記処理対象領域候補のうち、前記合致直線の領域を除外した領域を処理対象領域として決定し、前記処理対象領域を用いた処理を制御する制御機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−158567(P2011−158567A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18346(P2010−18346)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】