説明

画像処理装置及び画像処理プログラム

【課題】画像の取り扱い方針を決定するにあたり、一律的な決定方法による不適切な取り扱い方針の決定となることを抑制して、類似度に相応した決定方法にするようにした画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置の画像分解手段は、画像を構成する部分画像に分解し、類似度算出手段は、前記画像分解手段によって分解された部分画像と画像の取り扱い方針を定めるための特定画像との類似度を算出し、取り扱い方針決定手段は、前記類似度算出手段によって算出された類似度が、予め定められた第1の閾値と予め定められた第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、該範囲にない場合とは異なる方法で、前記画像の取り扱い方針を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書等の画像内に含まれている印影画像等の特定画像を認識して、その認識結果に基づいて、その画像の取り扱いを決定する技術がある。
【0003】
これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、情報システムのセキュリティを確保するシステムに関し、特に、セキュリティポリシーに基づいたドキュメントの読み取りとネットワーク配信を行う画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とし、ドキュメントの識別情報を読み取る識別情報読取手段と、上記識別情報によって指定される動作要件を選択する動作要件選択手段と、上記動作要件選択手段によって選択された1つ以上の動作要件にしたがって所定動作の実行を制御する動作制御手段とを有する画像形成装置によって達成されることが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、親展、極秘、社外秘などの印影イメージを電子文書上に貼り付けるだけで、文書の閲覧・印刷の制限を実現することができる電子印鑑システムを提供することを課題とし、「親展、極秘、社外秘、印刷禁止、有効期限、要返却、至急、編集不可、処理済、マル秘」などの印影イメージの印鑑データに、その印影イメージに対応するプログラム設定をプリセットしておき、一方、その電子文書専用の文書閲覧・編集ソフトウェアに、文書に添付された印鑑データのプログラム設定を読み取り、そのプログラムを実行させる機能を持たせ、文書の作成者がこれらの印影イメージを電子文書上に貼り付けると、文書閲覧・編集ソフトウェア側で文書の閲覧・印刷の禁止などの各種のプログラムを実行することが開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献3には、部品画像ごとにセキュリティレベルに合わせて出力を制御することができるようにした画像処理装置を提供することを課題とし、画像処理装置の画像分解手段は、入力した画像から該画像を構成している部品画像に分解し、セキュリティレベル設定手段は、前記画像分解手段によって分解された部品画像に対して、セキュリティの程度であるセキュリティレベルを設定し、記憶手段は、前記分解された部品画像を前記セキュリティレベル設定手段によって設定されたセキュリティレベルに対応付けて記憶し、類似度算出手段は、入力した部品画像と前記記憶手段によって記憶されている部品画像に類似している程度を示す類似度を算出し、出力制御手段は、前記類似度算出手段によって算出された類似度及び前記記憶手段に記憶されている部品画像のセキュリティレベルに応じて、前記入力した部品画像を出力する際の出力形態を制御することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−152260号公報
【特許文献2】特開2005−322104号公報
【特許文献3】特開2008−054147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、画像の取り扱い方針を決定するにあたり、一律的な決定方法による不適切な取り扱い方針の決定となることを抑制して、類似度に相応した決定方法にするようにした画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
請求項1の発明は、画像を構成する部分画像に分解する画像分解手段と、前記画像分解手段によって分解された部分画像と画像の取り扱い方針を定めるための特定画像との類似度を算出する類似度算出手段と、前記類似度算出手段によって算出された類似度が、予め定められた第1の閾値と予め定められた第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、該範囲にない場合とは異なる方法で、前記画像の取り扱い方針を決定する取り扱い方針決定手段を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0009】
請求項2の発明は、前記特定画像は複数あり、前記類似度算出手段は、複数の類似度を算出し、前記取り扱い方針決定手段は、前記類似度が前記第1の閾値と前記第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、前記類似度算出手段によって算出された複数の類似度のうち、より類似していることを示している類似度である特定画像の取り扱い方針又は該取り扱い方針よりも厳格な取り扱い方針に決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0010】
請求項3の発明は、前記特定画像は複数あり、前記類似度算出手段は、複数の類似度を算出し、前記取り扱い方針決定手段は、前記類似度が前記第1の閾値と前記第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、該類似度である特定画像の取り扱い方針のうち、より厳格な取り扱い方針又は該取り扱い方針よりも厳格な取り扱い方針に決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0011】
請求項4の発明は、前記取り扱い方針決定手段は、前記類似度が前記第1の閾値と前記第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、より厳格な取り扱い方針に決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0012】
請求項5の発明は、前記取り扱い方針決定手段によって決定された取り扱い方針を利用者に提示し、該利用者の操作によって取り扱い方針が確定した後に、該取り扱い方針を前記画像に対応付ける取り扱い方針対応付け手段を具備することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置である。
【0013】
請求項6の発明は、コンピュータを、画像を構成する部分画像に分解する画像分解手段と、前記画像分解手段によって分解された部分画像と画像の取り扱い方針を定めるための特定画像との類似度を算出する類似度算出手段と、前記類似度算出手段によって算出された類似度が、予め定められた第1の閾値と予め定められた第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、該範囲にない場合とは異なる方法で、前記画像の取り扱い方針を決定する取り扱い方針決定手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の画像処理装置によれば、画像の取り扱い方針を決定するにあたり、本構成を有さない場合に比べて、一律的な決定方法による不適切な取り扱い方針の決定となることを抑制して、類似度に相応した決定方法にできる。
【0015】
請求項2の画像処理装置によれば、複数の特定画像について、類似度算出手段によって複数の類似度を算出し、取り扱い方針決定手段が、該類似度が前記第1の閾値と前記第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、類似度算出手段によって算出された複数の類似度のうち、より類似していることを示している類似度である特定画像の取り扱い方針又は該取り扱い方針よりも厳格な取り扱い方針に決定しない場合に比べて、より安全性の高い取り扱い方針とすることができる。
【0016】
請求項3の画像処理装置によれば、複数の特定画像について、類似度算出手段によって複数の類似度を算出し、取り扱い方針決定手段は、前記類似度が前記第1の閾値と前記第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、該類似度である特定画像の取り扱い方針のうち、より厳格な取り扱い方針又は該取り扱い方針よりも厳格な取り扱い方針に決定しない場合に比べて、より安全性の高い取り扱い方針とすることができる。
【0017】
請求項4の画像処理装置によれば、取り扱い方針決定手段は、前記類似度が前記第1の閾値と前記第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、より厳格な取り扱い方針に決定しない場合に比べて、より安全性の高い取り扱い方針とすることができる。
【0018】
請求項5の画像処理装置によれば、類似度が第1の閾値と第2の閾値の間にある場合に、利用者による確認ができ、本構成を有さない場合に比べて、適切な取り扱い方針の対応付けができる。
【0019】
請求項6の画像処理プログラムによれば、画像の取り扱い方針を決定するにあたり、本構成を有さない場合に比べて、一律的な決定方法による不適切な取り扱い方針の決定となることを抑制して、類似度に相応した決定方法にできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【図2】本実施の形態によるポリシー付与の処理例を示すフローチャートである。
【図3】受け付ける画像例とその画像を分解した処理例を示す説明図である。
【図4】ポリシーテーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図5】印影画像の例を示す説明図である。
【図6】類似度と閾値の関係を示す説明図である。
【図7】画像ポリシーテーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図8】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、コンピュータ・プログラム、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能にほぼ一対一に対応しているが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。
【0022】
本実施の形態である画像処理装置は、受け付けた画像にポリシーを対応付けるものであって、図1に示すように、画像受付モジュール110、部分画像分解モジュール120、類似度算出モジュール130、特定画像記憶モジュール140、ポリシー判断・付与モジュール150、ポリシー付画像出力モジュール160を有している。
ここで、ポリシーとは、画像ごとに、その画像をどのように取り扱うべきか(運用ルール等)を設定するための取り扱い方針の情報であり、例えば、その画像のセキュリティに関する情報(禁複写、禁閲覧、アクセス権の設定等)等がある。このポリシーにしたがって、その画像を取り扱うシステムでは動作制御されることになる。また、このポリシーには序列があり、例えば、安全性(又は機密性)の面で取り扱いについての序列付けとして、厳格なものから寛容なものへの序列がなされている。例えば、厳密なものとして、複写を禁止し、閲覧も許された利用者のみとし、その利用者の数も少ないものなどがある。寛容なものとして、複写、閲覧等の制限のないものがある。以下、ポリシーの序列をポリシーレベルともいい、例えば、厳格なものに大きな数をふり、寛容なものに小さな数をふる。より具体的な例として、ポリシーレベルとして、5から1の5段階あり、ポリシーレベル5は最も厳格な取り扱いとし、ポリシーレベル1が最も寛容な取り扱いとする。なお、取り扱い方針をポリシーともいう。
【0023】
画像受付モジュール110は、部分画像分解モジュール120と接続されており、画像を受け付けて、その画像を部分画像分解モジュール120へ渡す。画像を受け付けるとは、例えば、スキャナ、カメラ等で画像を読み込むこと、ファックス等で通信回線を介して外部機器から画像を受信すること、ハードディスク(コンピュータに内蔵されているものの他に、ネットワークを介して接続されているもの等を含む)等に記憶されている画像を読み出すこと等が含まれる。画像は、2値画像、多値画像(カラー画像)であってもよい。また、受け付ける画像は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。また、画像の内容として、ビジネスに用いられる文書、広告宣伝用のパンフレット等であってもよい。また、画像受付モジュール110は、受け付けた画像に対して前処理(ノイズ除去、2値化処理、正規化等)を行ってもよい。
【0024】
部分画像分解モジュール120は、画像受付モジュール110、類似度算出モジュール130と接続されており、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像を受け取り、その画像を構成する部分画像に分解する。そして、その部分画像を類似度算出モジュール130へ渡す。
部分画像への分解は、画像から空白等で区切られた領域(部分画像)を抽出することによって行う。この部分画像に分解する処理は、例えば、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像を2値化処理し、白画素の領域が一定の長さ(あるいは面積)以上あるところによって区切る。そのように区切ると、黒画素の領域(例えば、矩形)を抽出することができる。さらに、その黒画素の領域の画像としての特徴(例えば、面積、縦または横の大きさ、形状、黒画素塊の存在位置等)を抽出し、文字領域、図形領域、表領域、写真領域等の種別を判別することができる。もちろん他の既存の方法で部品画像を抽出してもよい。
さらに、文字領域である部品画像からは、文字認識処理を行うことによりテキストデータである文字列を生成してもよい。また、図形領域、写真領域等に対しては、その領域の性質に合わせた圧縮処理を施してもよい。
【0025】
また、部分画像への分解として、特定画像と比較すべき画像だけを抽出するようにしてもよい。特定画像とは、その特定画像が含まれている画像についてのポリシーを対応付けているものである。例えば、印影画像が該当し、ある印影画像が含まれている画像はポリシーとして「禁複写」等があり、その画像の複写行為は禁止されるように取り扱うべきことを示している。例えば、印影画像の抽出は、予め定められた色(赤色等)である部分を取り出すこと、予め定められた大きさの外接矩形を取り出すこと等によって行う。
【0026】
特定画像記憶モジュール140は、類似度算出モジュール130からアクセスされ、特定画像を記憶する。例えば、特定画像とポリシーを対応付けて記憶する。記憶する特定画像は、複数あってもよい。
類似度算出モジュール130は、部分画像分解モジュール120、特定画像記憶モジュール140、ポリシー判断・付与モジュール150と接続されている。部分画像分解モジュール120によって分解された部分画像と特定画像記憶モジュール140に記憶されている特定画像との類似度を算出する。そして、その算出した類似度をポリシー判断・付与モジュール150へ渡す。特定画像が複数ある場合は、その特定画像ごとの類似度を算出し、その複数の類似度を特定画像と対応付けてポリシー判断・付与モジュール150へ渡す。
つまり、部分画像分解モジュール120によって分解された部分画像を対象画像とし、その対象画像に類似する特定画像を特定画像記憶モジュール140から検索するために、部分画像と特定画像間の類似度を算出する。類似度とは、両者の画像が同一である可能性を示す値であり、例えば、同じ画像であれば100%であり、異なる部分が増えると数値は減少するような値であってもよいし、逆に同じ画像の場合は0であり、異なる部分が増えると数値は増加するような値であってもよい。本実施の形態では、前者の類似度を例示する。
【0027】
類似度の算出方法としては、さまざまな方法があるが、例えば、部分画像と特定画像間でパターンマッチングを行い、その差異を検出する、又は部分画像と特定画像のそれぞれの特徴(面積、穴の数、色の並び、色の変化が激しいエッジ位置等)を抽出し、その特徴空間において2つの画像間の距離を算出する等である。また、部分画像に文字画像が含まれており、その部分画像に対して文字認識処理が行われている場合、テキストデータとしての文字列間の類似度を算出するようにしてもよい。
また、部分画像と特定画像の大きさが予め定められた値以上に異なる場合、類似度の算出を行わないようにしてもよい。逆に、部分画像と特定画像の大きさが異なる場合は、一方の大きさを拡大縮小処理して、他方の大きさと同じにした後に、類似度の算出を行うようにしてもよい。
ここで、類似度の算出には、部分画像と特定画像が同一であるか否かであることを含んでもよい。
【0028】
ポリシー判断・付与モジュール150は、類似度算出モジュール130、ポリシー付画像出力モジュール160と接続されている。ポリシー判断・付与モジュール150は、判断モジュール151、ポリシー付与モジュール152、ポリシー決定モジュール153、エラー処理モジュール154、ユーザーインタフェース処理モジュール155を有しており、これらを制御する。類似度算出モジュール130によって算出された類似度を受け取って、画像受付モジュール110が受け付けた画像にポリシーを付与する。また、類似度によっては、ポリシーを付与すべきではない場合があるので、エラー処理を行う。そして、ポリシーを付与した画像をポリシー付画像出力モジュール160へ渡す。
【0029】
判断モジュール151は、類似度算出モジュール130によって算出された類似度が、予め定められた閾値Aと予め定められた閾値Bによって定まる範囲内にある場合は、その範囲にない場合とは異なる方法で、ポリシー決定モジュール153にポリシーを決定させるように制御する。
例えば、閾値Aは閾値Bよりも大である関係を有しており、類似度が閾値A以上である場合は、その類似度を有している特定画像に対応しているポリシーを画像受付モジュール110が受け付けた画像に付与するようにポリシー付与モジュール152を制御し、類似度が閾値B以下である場合は、エラー処理を行うようにエラー処理モジュール154を制御し、それ以外の場合(閾値Aと閾値Bを両端とする範囲にある場合、例えば、閾値Aより小であり、閾値Bより大である場合)は、ポリシー決定モジュール153によってポリシーを決定させるように制御する。これは、類似度の範囲を3つに区分して、類似度算出モジュール130によって算出された類似度がどの範囲にあるかによって、異なる処理を行っている。
【0030】
なお、類似度算出モジュール130から受け取った類似度が複数ある場合は、比較の対象とする類似度として、例えば、その中で最も類似していることを示している類似度を用いるようにしてもよい。より具体的には、最高値の類似度を用いて比較する。
また、ここで「以上」は「より大きい」、「より大きい」は「以上」、「以下」は「より小さい」、「より小さい」は「以下」としてもよい。そして、それらの組み合わせは矛盾がない限り自由に組み合わせてよい。
【0031】
ポリシー決定モジュール153は、類似度算出モジュール130によって算出された類似度が閾値Aと閾値Bによって定まる範囲内にある場合は、類似度算出モジュール130によって算出された複数の類似度のうち、より類似していることを示している類似度である特定画像のポリシー又はそのポリシーよりも厳格な取り扱いとなるポリシーに決定する。例えば、類似度算出モジュール130によって算出された複数の類似度のうち、閾値A以上の範囲には1つも該当するものがなく、閾値Aと閾値Bの間の範囲内には少なくとも1つ以上ある場合であり、閾値B以下の範囲にはあってもよいし、なくてもよいという場合を対象としている。「より類似していることを示している類似度」とは、類似度算出モジュール130によって算出された複数の類似度のうちにあっての「より類似」であり、例えば、最高値の類似度である。この場合、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像には、最高値の類似度である特定画像のポリシー又はそのポリシーよりも厳格な取り扱いになるポリシーが付与されることになる。前述したポリシーレベルの例で示すと、閾値Aと閾値Bによって定まる範囲内で類似度が最大値である特定画像のポリシーレベルが3であった場合に、画像に付与するポリシーレベルとして4又は5を決定する。
【0032】
また、ポリシー決定モジュール153は、類似度算出モジュール130が算出した類似度が閾値Aと閾値Bによって定まる範囲内にある場合は、その類似度である特定画像のポリシーのうち、より厳格なポリシー又はそのポリシーよりも厳格なポリシーに決定するようにしてもよい。例えば、閾値Aと閾値Bによって定まる範囲内に、類似度算出モジュール130によって算出された複数の類似度がある場合、その類似度である特定画像のポリシーのうち、最も厳格な取り扱いとなるポリシーを選択してもよい。したがって、閾値Aと閾値Bによって定まる範囲内にある複数の類似度のうち、必ずしも最高値の類似度である特定画像のポリシーが対象となるわけではない。この場合、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像には、閾値Bよりも大である類似度である特定画像のポリシーのうち、最も厳格なポリシー又はそのポリシーよりも厳格な取り扱いになるポリシーが付与されることになる。前述したポリシーレベルの例で示すと、閾値Aと閾値Bによって定まる範囲内にある類似度である特定画像1のポリシーレベルが2、同じように特定画像2のポリシーレベルが3であった場合に、画像に付与するポリシーレベルとして4又は5を決定する。
【0033】
また、ポリシー決定モジュール153は、類似度算出モジュール130が算出した類似度が閾値Aと閾値Bによって定まる範囲内にある場合は、より厳格なポリシーに決定するようにしてもよい。例えば、用意されたポリシーのうち最も厳格なポリシーに決定するようにしてもよい。この場合、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像には、常に最も厳格なポリシーが付与されることになる。前述したポリシーレベルの例で示すと、閾値Aと閾値Bによって定まる範囲内にある類似度である特定画像1のポリシーレベルが2、同じように特定画像2のポリシーレベルが3であった場合に、画像に付与するポリシーレベルとして5を決定する。また、既にポリシーを付与した画像がある場合には、その画像に付与されたポリシーよりも厳格なポリシーを付与するようにしてもよい。この場合、今までの画像の中で最も厳格なポリシーが付与されることになる。前述したポリシーレベルの例で示すと、今までの画像に付与したポリシーレベルが3であった場合に、画像に付与するポリシーレベルとして4又は5を決定する。
【0034】
エラー処理モジュール154は、類似度算出モジュール130によって算出された類似度が閾値B以下である場合に、エラー処理を行う。例えば、類似している特定画像はなかった旨のエラーメッセージを利用者に提示する。その提示は、ユーザーインタフェース処理モジュール155を用いて行う。
ユーザーインタフェース処理モジュール155は、エラー処理モジュール154によるエラー処理によって、エラーメッセージを提示する。例えば、画像処理装置に備え付けられているディスプレイにエラーメッセージを表示する。そして、利用者の操作に応じて、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像に付与するポリシーを選択してもよい。
またユーザーインタフェース処理モジュール155は、ポリシー決定モジュール153によって決定されたポリシーを利用者に提示し、利用者に確認させるようにしてもよい。そして、その利用者の操作に応じて、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像に付与するポリシーを確定してもよい。つまり、確定するポリシーとしては、ポリシー決定モジュール153によって決定されたポリシー、又は利用者の操作によって選択されたポリシーのいずれかである。
【0035】
ポリシー付与モジュール152は、判断モジュール151によって決定されたポリシー(例えば、類似度が閾値A以上である場合の、その特定画像のポリシー)を、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像に付与する。
またポリシー付与モジュール152は、ポリシー決定モジュール153によって決定されたポリシーを、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像に付与する。
またポリシー付与モジュール152は、ユーザーインタフェース処理モジュール155によって選択されたポリシーを、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像に付与する。なお、ユーザーインタフェース処理モジュール155によって選択されたポリシーには、エラー処理モジュール154によってエラーメッセージが提示された後に選択されたポリシーである場合と、ポリシー付与モジュール152によって確定されたポリシーである場合がある。
なお、画像にポリシーを付与するとは、その画像データとポリシー情報とを合成することの他に、その画像を一意に識別できる画像識別子を付与して、その画像識別子とポリシーを対応付けて記憶するようにしてもよい。そして、画像識別子を画像内に埋め込むようにしてもよい。例えば、画像識別子を表すバーコード等の情報画像を画像内に描画してもよい。
【0036】
ポリシー付画像出力モジュール160は、ポリシー判断・付与モジュール150と接続されており、ポリシー付与モジュール152によってポリシーが付与された画像を出力する。画像を出力するとは、例えば、画像データベース等の画像記憶装置へ画像を書き込むことであり、プリンタ等の印刷装置で印刷すること、ディスプレイ等の表示装置に表示すること、ファックス等の画像送信装置で画像を送信すること等を含めてもよい。
【0037】
図2は、本実施の形態によるポリシー付与の処理例を示すフローチャートである。
ステップS202では、画像受付モジュール110が、画像を受け付ける。例えば、図3(a)の例に示す画像300である。
ステップS204では、部分画像分解モジュール120が、ステップS202で受け付けた画像を部分画像に分解する。例えば、画像300を図3(b)の例に示すように部分画像310から部分画像350に分解する。
【0038】
ステップS206では、類似度算出モジュール130が、部分画像と特定画像記憶モジュール140に記憶されている特定画像との類似度を算出する。例えば、特定画像記憶モジュール140にはポリシーテーブル400を記憶している。図4は、ポリシーテーブル400のデータ構造例を示す説明図である。ポリシーテーブル400は、No.欄410、特定画像名欄420、記憶領域欄430、ポリシー欄440を有している。No.欄410は、特定画像を一意に識別できる符号(シリアル番号等)を記憶している。特定画像名欄420は、特定画像の名称を記憶している。記憶領域欄430は、その特定画像が記憶されている記憶領域(ファイル名、URL(Uniform Resource Locator)等)を記憶している。ポリシー欄440は、その特定画像に対応付けされているポリシーを記憶している。例えば、その画像について、閲覧、複写等について制限がないことを示す「制限なし」、複写を禁止することを示す「禁複写」、予め定められた利用者以外には閲覧を禁止することを示す「禁閲覧」等があり、これらの組み合わせであってもよい。また、前述したポリシーレベルを記憶していてもよい。また、記憶領域欄430が示す記憶領域に記憶されている特定画像として、例えば、図5(a)、(b)、(c)の例に示す印影画像がある。なお、図5(a)の例に示す印影画像はポリシーとして「制限なし」であり、図5(b)の例に示す印影画像はポリシーとして「禁複写」であり、図5(c)の例に示す印影画像はポリシーとして「禁閲覧」である。
【0039】
ステップS208では、判断モジュール151が、図6の例に示すように、類似度と閾値A、閾値Bの関係に応じて、処理を分岐させる。つまり、類似度(R)が閾値A以上である場合はステップS210へ進み、類似度(R)が閾値B以下である場合はステップS212へ進み、それ以外の場合はステップS216へ進む。
ステップS210では、ポリシー付与モジュール152が、その類似度である特定画像に対応付けられているポリシーをステップS202で受け付けた画像に付与する。
【0040】
ステップS232では、エラー処理モジュール154が、エラーメッセージ提示のための準備処理等のエラー処理を行う。例えば、提示すべきエラーメッセージを生成する等の処理を行う。
ステップS234では、エラー処理モジュール154がユーザーインタフェース処理モジュール155を制御して、ステップS232で選択されたエラーメッセージを利用者に提示する。そして、エラーとして承認し何も行わない(終了する)か又は新規登録するかについて利用者に提示する。
ステップS236では、エラー処理モジュール154がユーザーインタフェース処理モジュール155を制御して、利用者の操作に応じて、エラーとして承認するか否か(新規登録を行うか否か)の判断を行う。エラーを承認する場合はステップS299(終了)へ進み、それ以外の場合(新規登録を行う場合)はステップS238へ進む。
ステップS238では、ユーザーインタフェース処理モジュール155が、利用者の操作に応じて、ポリシーを選択する。そして、ポリシー付与モジュール152が、そのポリシーをステップS202で受け付けた画像に付与する。また、利用者の操作に応じて、部分画像を、特定画像としてポリシーを対応付けて特定画像記憶モジュール140に登録してもよい。
また、ステップS232〜ステップS236までの処理は、別の処理であってもよい。例えば、ステップS208の後にエラーメッセージを利用者に提示して終了する処理(ステップS232、ステップS234の一部)であってもよいし、ステップS208の後に新規登録して終了する処理(ステップS238)であってもよい。また、いずれかの処理を予め設定できるようにしてもよい。
【0041】
ステップS216では、ポリシー決定モジュール153が、前述の方法でポリシーを決定する。
ステップS218では、ポリシー付与モジュール152が、ステップS216で決定されたポリシーをステップS202で受け付けた画像に付与する。
ステップS220では、ユーザーインタフェース処理モジュール155が、ステップS216で決定されたポリシーを利用者に提示する。
【0042】
ステップS222では、ユーザーインタフェース処理モジュール155が、利用者の操作に応じて、そのポリシーでよいか否かの判断を行う。そのポリシーでよい場合はステップS299(終了)へ進み、それ以外の場合はステップS224へ進む。
ステップS224では、ポリシー付与モジュール152が、利用者の操作に応じて、ポリシーを変更して、ステップS202で受け付けた画像に付与する。
【0043】
そして、ポリシー付画像出力モジュール160が、ポリシーが付与された画像を出力する。例えば、画像とポリシーを対応付けた画像ポリシーテーブル700を作成し、画像に画像識別子を埋め込む。図7は、画像ポリシーテーブル700のデータ構造例を示す説明図である。画像ポリシーテーブル700は、No.欄710、文書名欄720、ポリシー欄730を有している。No.欄710は画像識別子(シリアル番号等)を記憶し、文書名欄720はその画像の文書名を記憶し、ポリシー欄730はその画像に対応付けられているポリシーを記憶している。また、前述したポリシーレベルを記憶していてもよい。なお、画像ポリシーテーブル700は、画像を管理する情報処理装置によって記憶され、その情報処理装置は、出力された画像を処理する他の画像処理装置等からアクセスされ得るようになっている。
出力された画像が、他の画像処理装置等で処理される場合、そのポリシーにしたがった処理が行われる。例えば、その画像に埋め込まれている画像識別子を読み出して、画像ポリシーテーブル700を記憶している情報処理装置にアクセスして、その画像のポリシーを取得する。そして、そのポリシーにしたがって処理を行う。
【0044】
図8を参照して、本実施の形態の画像処理装置のハードウェア構成例について説明する。図8に示す構成は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などによって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部817と、プリンタなどのデータ出力部818を備えたハードウェア構成例を示している。
【0045】
CPU(Central Processing Unit)801は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、部分画像分解モジュール120、類似度算出モジュール130、ポリシー判断・付与モジュール150等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0046】
ROM(Read Only Memory)802は、CPU801が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)803は、CPU801の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス804により相互に接続されている。
【0047】
ホストバス804は、ブリッジ805を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス806に接続されている。
【0048】
キーボード808、マウス等のポインティングデバイス809は、操作者により操作される入力デバイスである。ディスプレイ810は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)などがあり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。
【0049】
HDD(Hard Disk Drive)811は、ハードディスクを内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU801によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、画像受付モジュール110によって受け付けられた画像や特定画像などが格納される。さらに、その他の各種のデータ処理プログラム等、各種コンピュータ・プログラムが格納される。
【0050】
ドライブ812は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体813に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース807、外部バス806、ブリッジ805、及びホストバス804を介して接続されているRAM803に供給する。リムーバブル記録媒体813も、ハードディスクと同様のデータ記録領域として利用可能である。
【0051】
接続ポート814は、外部接続機器815を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート814は、インタフェース807、及び外部バス806、ブリッジ805、ホストバス804等を介してCPU801等に接続されている。通信部816は、ネットワークに接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部817は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部818は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0052】
なお、図8に示す画像処理装置のハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図8に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図8に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0053】
前記実施の形態においては、特定画像として印影画像を主に示したが、ポリシーと対応付けられる画像であれば、印影画像以外の画像、例えば、サインの画像等であってもよい。
なお、画像識別子とポリシーを対応させて、画像識別子を画像に埋め込む例を示したが、直接ポリシーを画像に埋め込むようにしてもよい。
【0054】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0055】
110…画像受付モジュール
120…部分画像分解モジュール
130…類似度算出モジュール
140…特定画像記憶モジュール
150…ポリシー判断・付与モジュール
151…判断モジュール
152…ポリシー付与モジュール
153…ポリシー決定モジュール
154…エラー処理モジュール
155…ユーザーインタフェース処理モジュール
160…ポリシー付画像出力モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を構成する部分画像に分解する画像分解手段と、
前記画像分解手段によって分解された部分画像と画像の取り扱い方針を定めるための特定画像との類似度を算出する類似度算出手段と、
前記類似度算出手段によって算出された類似度が、予め定められた第1の閾値と予め定められた第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、該範囲にない場合とは異なる方法で、前記画像の取り扱い方針を決定する取り扱い方針決定手段
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記特定画像は複数あり、
前記類似度算出手段は、複数の類似度を算出し、
前記取り扱い方針決定手段は、前記類似度が前記第1の閾値と前記第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、前記類似度算出手段によって算出された複数の類似度のうち、より類似していることを示している類似度である特定画像の取り扱い方針又は該取り扱い方針よりも厳格な取り扱い方針に決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記特定画像は複数あり、
前記類似度算出手段は、複数の類似度を算出し、
前記取り扱い方針決定手段は、前記類似度が前記第1の閾値と前記第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、該類似度である特定画像の取り扱い方針のうち、より厳格な取り扱い方針又は該取り扱い方針よりも厳格な取り扱い方針に決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記取り扱い方針決定手段は、前記類似度が前記第1の閾値と前記第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、より厳格な取り扱い方針に決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記取り扱い方針決定手段によって決定された取り扱い方針を利用者に提示し、該利用者の操作によって取り扱い方針が確定した後に、該取り扱い方針を前記画像に対応付ける取り扱い方針対応付け手段
を具備することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
画像を構成する部分画像に分解する画像分解手段と、
前記画像分解手段によって分解された部分画像と画像の取り扱い方針を定めるための特定画像との類似度を算出する類似度算出手段と、
前記類似度算出手段によって算出された類似度が、予め定められた第1の閾値と予め定められた第2の閾値によって定まる範囲内にある場合は、該範囲にない場合とは異なる方法で、前記画像の取り扱い方針を決定する取り扱い方針決定手段
として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−183147(P2010−183147A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22436(P2009−22436)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】