説明

画像処理装置及び画像処理プログラム

【課題】重要色の領域を他の領域と区別した2色使用の画像を出力することができる画像処理装置および画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】重要色判定部12は、オブジェクト判定部11でイメージと判定された以外のオブジェクトについて、そのオブジェクトで使用されている色に重要色が含まれているか否かを判定する。変換部13は、重要色判定部12で重要色が含まれていると判定されたオブジェクトについて、重要色を指定色に変換するとともに、重要色以外を無彩色に変換する。重要色判定部12で重要色が含まれていないと判定されたオブジェクトについては、無彩色に変換する。なお、イメージのオブジェクトについては、黒と指定色の2色を成分とするイメージに変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、黒と黒以外の色(指定色)の2色を用いて画像を出力する機能を有する出力装置がある。一般にカラー原稿などでは、重要な領域が目立つように、特定の色(重要色)を使用している場合がある。この特定の色を指定色に変換し、他の領域と区別して2色を用いた画像を出力する要求がある。
【0003】
例えば、特許文献1では有彩色の文字について指定色に変換し、それ以外は無彩色に変換している。この技術では、重要な文字領域と重要でない文字領域を色分けしている場合、どちらも有彩色であれば、ともに指定色に変換される。そのため、重要な領域と重要でない領域との区別はなくなる。また、文字以外の重要な領域については指定色に変換されることはない。
【0004】
また、特許文献2に記載されている技術では、有彩色の領域と無彩色の領域とに区分し、有彩色の領域を指定色に変換し、無彩色の領域を黒色に変換し、有彩色と無彩色を判定する閾値をオブジェクトの種類により設定している。この技術では、文字以外の有彩色の領域も指定色に変換される。しかし、重要な有彩色の領域とともに、重要でない有彩色の領域も指定色に変換され、重要な領域との区別はなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−022357号公報
【特許文献2】特開2009−225451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、重要色の領域を他の領域と区別した2色使用の画像を出力することができる画像処理装置および画像処理プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願請求項1に記載の発明は、オブジェクトで使用されている色に重要色が含まれているか否かを判定する重要色判定手段と、前記重要色判定手段で判定された前記重要色を予め指定されている2色の出力色のうちの黒以外の指定色に変換するとともに重要色以外を無彩色に変換する変換手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
【0008】
本願請求項2に記載の発明は、本願請求項1に記載の発明の構成に、さらに、前記オブジェクトの種類を判定するオブジェクト判定手段を有し、前記オブジェクト判定手段の判定で前記オブジェクトの種類がイメージの場合には、前記重要色判定手段は重要色の判定を行わず、前記変換手段は黒と前記指定色の2色のイメージに変換することを特徴とする画像処理装置である。
【0009】
本願請求項3に記載の発明は、本願請求項1または請求項2に記載の発明における前記重要色は、前記指定色であることを特徴とする画像処理装置である。
【0010】
本願請求項4に記載の発明は、本願請求項1または請求項2に記載の発明における前記重要色判定手段が、順位付けされた複数の重要色の設定に従って当該複数の重要色についての判定を行い、前記変換手段は、前記重要色の順位に従って前記指定色の濃度を変更した色に変換することを特徴とする画像処理装置である。
【0011】
本願請求項5に記載の発明は、本願請求項4に記載の発明における前記変換手段が、前記重要色の順位に従って各順位に予め対応付けられた前記指定色の濃度の色に変換することを特徴とする画像処理装置である。
【0012】
本願請求項6に記載の発明は、本願請求項4または請求項5に記載の発明における前記変換手段が、前記複数の重要色のうち使用されていない重要色が存在する場合には当該使用されていない重要色よりも下位の重要色の順位を繰り上げて前記指定色の濃度との対応付けを行うことを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
本願請求項7に記載の発明は、本願請求項4または請求項5に記載の発明における前記変換手段が、前記指定色が重要色の1つとして設定されている場合に、当該重要色を最上位として他の重要色の順位付けを行うことを特徴とする画像処理装置である。
【0014】
本願請求項8に記載の発明は、コンピュータに、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能を実行させるものであることを特徴とする画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本願請求項1に記載の発明によれば、重要色の領域を他の領域と区別した2色使用の画像を出力することができる。
【0016】
本願請求項2に記載の発明によれば、重要色が含まれているイメージについて、重要色だけ指定色に変換されて不自然な画像に変換されることがない。
【0017】
本願請求項3に記載の発明によれば、指定色が使用されている領域を重要な領域として出力させることができる。
【0018】
本願請求項4に記載の発明によれば、重要色を順位付けして指定色で出力することができる。
【0019】
本願請求項5に記載の発明によれば、重要色の順位に対応する濃度で指定色による出力を行うことができる。
【0020】
本願請求項6に記載の発明によれば、使用されている重要色に応じた順位で指定色による出力を行うことができる。
【0021】
本願請求項7に記載の発明によれば、指定色が使用されている領域を最も重要な領域として重要色を順位付けして出力させることができる。
【0022】
本願請求項8に記載の発明によれば、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における動作の一例を示す流れ図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における動作の具体例の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す構成図である。
【図5】順位付けられた重要色の一例と処理後の画像の具体例の説明図である。
【図6】重要色が存在しない場合の順位付けられた重要色の変更の例と処理前後の画像の具体例の説明図である。
【図7】第1重要色と指定色が異なる場合の順位付けられた重要色の変更の例と処理後の画像の具体例の説明図である。
【図8】本発明の各実施の形態で説明した機能をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体とコンピュータの一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す構成図である。図中、11はオブジェクト判定部、12は重要色判定部、13は変換部である。ここでは、描画を指示する描画命令を含む描画情報を受け取り、その描画情報中の1または複数の描画命令により描画されるオブジェクトを単位として処理を行うものとする。あるいは、カラー画像中の描画されたそれぞれのオブジェクトを認識して、そのオブジェクトを単位として処理を行ってもよい。また、処理結果は黒と指定色の2色を成分として使用するものとし、指定色はあらかじめ設定されているものとする。なお、重要色は指定色とするほか、指定色とは別にあらかじめ設定しておいてもよい。
【0025】
オブジェクト判定部11は、オブジェクトの種類を判定する。オブジェクトの種類としては、テキスト、グラフィックス、イメージなどがある。もちろんこのほかの種類が存在していてもよい。
【0026】
重要色判定部12は、オブジェクトで使用されている色に重要色が含まれているか否かを判定する。判定は、重要色から予め決めておいた範囲内に含まれる色が使用されていれば重要色であると判定すればよい。なお、オブジェクトの種類がイメージの場合、イメージ中には様々な色が使用されていることから、重要でなくても重要色が存在している場合が考えられる。そのため、オブジェクト判定部11でオブジェクトの種類がイメージであると判定された場合には、オブジェクトで使用されている色に重要色が含まれているか否かの判定を行わない。
【0027】
変換部13は、重要色判定部12で重要色が含まれていると判定されたオブジェクトについて、重要色を指定色に変換するとともに、重要色以外を無彩色に変換する。重要色判定部12で重要色が含まれていないと判定されたオブジェクトについては、無彩色に変換する。なお、オブジェクト判定部11の判定でオブジェクトの種類がイメージであると判定された場合には、黒と指定色の2色を成分とするイメージに変換する。
【0028】
図2は、本発明の第1の実施の形態における動作の一例を示す流れ図である。図2に示す動作の一例は、それぞれのオブジェクトについて行われる。S51において、オブジェクト判定部11で処理対象のオブジェクトの種類を判定する。S52において、オブジェクト判定部11で判定したオブジェクトの種類がイメージであるか否かを調べ、イメージであれば、重要色判定部12による判定処理は行わずに、変換部13で黒と指定色の2色を成分とするイメージに変換する。
【0029】
S52でオブジェクトの種類がイメージでなかった場合には、S53において、重要色判定部12は処理対象のオブジェクトで使用されている色に重要色が含まれているか否かを判定する。S54で使用されている色が無彩色であるか否かを調べ、有彩色が使用されていない無彩色のオブジェクトであれば、S57において、変換部13で無彩色での階調変換を行うか、あるいは無彩色のままとする。
【0030】
有彩色が使用されている場合には、S55において、使用されている色に重要色が含まれているか否かを調べる。重要色が使用されていなければ、S57において、使用されている色を変換部13で無彩色へ変換する。
【0031】
重要色が含まれていれば、その重要色についてはS56において変換部13で指定色に変換する。
【0032】
図3は、本発明の第1の実施の形態における動作の具体例の説明図である。図3(A)にはカラーで出力した場合の画像の一例を示している。図示の都合上、黒以外の使用されている色については画像の一例の外に記している。一例として、「黒文字」は黒の文字オブジェクトであり、「赤文字」は赤の文字オブジェクトである。また、「印」及びその外周の○は赤であり、それぞれ文字オブジェクトとグラフィックオブジェクトである。棒グラフは青のグラフィックオブジェクトであり、ここでは斜線を付して示している。「!」は白抜きの文字オブジェクトであり、その「!」を囲む領域と矢線、矢線の先の楕円は赤のグラフィックオブジェクトである。なお、重要色及び指定色は赤が設定されているものとする。
【0033】
図3(B)には、図2に示した動作の一例によって処理されて2色の色彩を用いて出力された画像の例を示している。図3(A)に対応付けて説明すると、「黒文字」の文字オブジェクトは、イメージではなく、重要色も使用されていないことから、S57で無彩色の処理が施される。この例ではそのまま黒の文字としている。「赤文字」及び「印」の文字オブジェクト、「印」の外周の○のグラフィックオブジェクト、「!」を囲む領域と矢線、矢線の先の楕円のグラフィックオブジェクトについては、いずれもイメージではなく、使用色は重要色である。従って、S56において重要色を指定色に変換し、S57で重要色以外を無彩色へ変換する。この例では、重要色である赤を指定色である赤に変換する(あるいはそのままとする)ことになる。なお、「!」の文字オブジェクトについては、イメージではなく、重要色も使用されていないことから、S57で白の文字となる。棒グラフのグラフィックオブジェクトは、イメージではなく、使用色は有彩色であるものの、重要色以外である。従って、S57で無彩色への変換が行われて灰色となる。図示の都合上、点を散らして示している。
【0034】
図3(B)に示した例では、赤の文字だけでなく、赤が使用されている「!」を囲む領域と矢線、矢線の先の楕円についても赤に変換され、文字以外のオブジェクトでも重要色が使用されていれば指定色に変換されている。また、有彩色である棒グラフについては、重要色でないことから無彩色への変換が行われ、意図的に色を重要色と異ならせているオブジェクトが指定色に変換されることはなく、作成者の意図が反映されることになる。
【0035】
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す構成図である。上述の第1の実施の形態と異なるのは、複数の重要色を順位付けして設定する点にある。第1の実施の形態と異なる部分について主に説明する。
【0036】
重要色判定部12は、順位付けされた複数の重要色の設定に従って、オブジェクトで使用されている色に複数の重要色のそれぞれが含まれているか否かについて判定を行う。なお、この場合にもオブジェクト判定部11でオブジェクトの種類がイメージであると判定された場合には判定を行わない。
【0037】
変換部13は、重要色の順位に従って、各順位に対応する色に変換する。各順位に対応する色としては、黒及び指定色の2色の成分を用いた色であればどのような色を設定してもよいが、例えば、指定色の濃度を変更した色とするとよい。各順位に対応する色は、それぞれを設定するように構成するほか、指定色を最上位の指定色とし、他の順位の色は指定色から作成するように構成してもよい。
【0038】
なお、設定されている重要色のうち、使用されていない色が存在する場合には、使用されていない重要色よりも下位の重要色の順位を繰り上げて指定色との対応付けを行うとよい。また、重要色の一つとして指定色が指定されており、その重要色の順位が最上位でない場合には、当該重要色を最上位として他の重要色の順位付けを行うとよい。
【0039】
図5は、順位付けられた重要色の一例と処理後の画像の具体例の説明図である。図5(A)には、3つの重要色が設定された場合の一例を示している。この例では、最上位の重要色(第1重要色)として赤が設定され、次の順位の重要色(第2重要色)として青が設定され、その次の重要色(第3重要色)としてマゼンタが設定されている。また、それぞれの順位における指定色の濃度として、255、192、128が設定されている。
【0040】
図5(B)には、図3(A)に示した具体例において、図5(A)に示した重要色の設定がなされている場合の処理結果を示している。ここでは指定色として赤が指定されているものとしている。この具体例の場合、「赤文字」及び「印」の文字オブジェクト、「印」の外周の○のグラフィックオブジェクト、「!」を囲む領域と矢線、矢線の先の楕円のグラフィックオブジェクトは赤であり、第1重要色であるので、濃度「255」の赤に変換する。もちろん、もともと濃度「255」の赤であれば変換しなくてもよい。また、棒グラフのグラフィックオブジェクトは青であり、第2重要色であるので、濃度「192」の赤に変換する。ここでは斜線を図3(A)の場合とは異ならせて色が変換されたことを示している。これにより、2色を用いながら重要色の順位に従った表現を行うようにしている。なお、「黒文字」の文字オブジェクト、「!」の文字オブジェクトについては無彩色の処理がなされることになる。
【0041】
図6は、重要色が存在しない場合の順位付けられた重要色の変更の例と処理前後の画像の具体例の説明図である。図6(B)に示した具体例では、「黒文字」の黒の文字オブジェクトと、青の棒グラフのグラフィックオブジェクトがあるが、赤のオブジェクトは存在しない。例えば重要色の登録が図5(A)に示す設定であった場合には、第1重要色である赤が図6(B)に示す具体例には存在しない。
【0042】
このような場合には、存在しない重要色より下位の重要色の順位を上げる。すなわち、この場合には第1重要色が存在しないので、第2重要色を第1重要色に、第3重要色を第2重要色に、それぞれ昇格させる。図6(A)では、順位の変更前と変更後を並べて示している。
【0043】
そして、図6(A)に示した順位の変更後の設定に従って、指定色への変換を行う。例えば棒グラフのグラフィックオブジェクトについては、第1重要色の青が用いられているので、濃度「255」の指定色に変換する。例えば指定色が赤であれば、青の棒グラフは濃度「255」の赤に変換されることになる。なお、「黒文字」の黒の文字オブジェクトについては無彩色の処理が施されるか、そのままとなる。変換後の画像の一例を図6(C)に示している。
【0044】
もちろん、このような順位の変更を行わなくてもよいし、順位の変更を行うか否かを予め設定するように構成してもよい。
【0045】
図7は、第1重要色と指定色が異なる場合の順位付けられた重要色の変更の例と処理後の画像の具体例の説明図である。2色のうちの一方の色として指定される指定色は、その色を用いて出力されることから、指定色が重要な色であると考えてもよい。その場合に、指定色が第1重要色となるように、重要色の設定を変更する例を示している。
【0046】
例えば図5(A)に示した例のように第1重要色として赤が、第2重要色として青が、第3重要色としてマゼンタが、それぞれ設定されており、指定色として青が指定された場合、第2重要色である青を第1重要色として、第1重要色であった赤と入れ替える。入れ替えた後の重要色の設定を図7(A)に示している。
【0047】
図7(B)には、図3(A)に示した具体例において、指定色として青が指定され、第1重要色と第2重要色とを入れ替えた図7(A)に示す重要色の設定により処理を行った結果を示している。この具体例の場合、「赤文字」及び「印」の文字オブジェクト、「印」の外周の○のグラフィックオブジェクト、「!」を囲む領域と矢線、矢線の先の楕円のグラフィックオブジェクトは赤であり、第2重要色であるので、濃度「192」の青に変換する。ここでは文字を袋文字とし、線は破線とし、「!」を囲む領域については斜線を施して色が変換されたことを示している。また、棒グラフのグラフィックオブジェクトは青であり、第1重要色であるので、濃度「255」の青に変換する。もちろん、もともと濃度「255」の青であれば変換しなくてもよい。ここでは塗りつぶして示している。なお、「黒文字」の文字オブジェクト、「!」の文字オブジェクトについては無彩色の処理がなされることになる。このようにして、指定色が使用されている部分が重要であろうと推定し、指定色を第1重要色として変換した画像が得られる。
【0048】
もちろん、このように重要色の入れ替えを行わなくてもよいし、指定色に応じた重要色の入れ替えを行うか否かを予め設定するように構成してもよい。
【0049】
上述の重要色の設定の各具体例では、3色を設定する場合について示しているが、設定する重要色の数は3色に限られないことは言うまでもない。また、重要色の各順位に対する指定色の濃度の設定は、その濃度を数値で設定するほか、例えば設定されている重要色の数などに従って割り当ててもよい。また、第2重要色以降の順位に対応する色は、指定色と黒を混合した色を設定してもよい。
【0050】
図8は、本発明の各実施の形態で説明した機能をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体とコンピュータの一例の説明図である。図中、21はプログラム、22はコンピュータ、31は光磁気ディスク、32は光ディスク、33は磁気ディスク、34はメモリ、41はCPU、42は内部メモリ、43は読取部、44はハードディスク、45はインタフェース、46は通信部である。
【0051】
上述の本発明の各実施の形態で説明した各部の機能を全部あるいは部分的に、コンピュータにより実行するプログラム21によって実現してもよい。その場合、そのプログラム21およびそのプログラムが用いるデータなどは、コンピュータが読み取る記憶媒体に記憶させておけばよい。記憶媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取部43に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取部43にプログラムの記述内容を伝達するものである。例えば、光磁気ディスク31,光ディスク32(CDやDVDなどを含む)、磁気ディスク33,メモリ34(ICカード、メモリカード、フラッシュメモリなどを含む)等である。もちろんこれらの記憶媒体は、可搬型に限られるものではない。
【0052】
これらの記憶媒体にプログラム21を格納しておき、例えばコンピュータ22の読取部43あるいはインタフェース45にこれらの記憶媒体を装着することによって、コンピュータからプログラム21を読み出し、内部メモリ42またはハードディスク44(磁気ディスクやシリコンディスクなどを含む)に記憶し、CPU41によってプログラム21を実行することによって、上述の本発明の各実施の形態で説明した機能が全部あるいは部分的に実現される。あるいは、通信路を介してプログラム21をコンピュータ22に転送し、コンピュータ22では通信部46でプログラム21を受信して内部メモリ42またはハードディスク44に記憶し、CPU41によってプログラム21を実行することによって実現してもよい。
【0053】
コンピュータ22には、このほかインタフェース45を介して様々な装置と接続してもよい。例えば、処理後の画像を出力する画像形成手段や、利用者からの情報を受け付ける受付手段等が接続されていてもよい。処理対象となる描画データや画像はハードディスク44あるいはインタフェース45を介して記憶媒体に記憶されていてもよいし、通信部46を介して通信路を通じ他の装置から受け取ってもよい。処理後の描画データあるいは画像についても、ハードディスク44あるいはインタフェース45を介して記憶媒体に記憶させるほか、通信部46を介して通信路を通じ他の装置へ転送してもよい。
【0054】
もちろん、部分的にハードウェアによって構成することもできるし、全部をハードウェアで構成してもよい。あるいは、他の構成とともに本発明の各実施の形態で説明した機能の全部あるいは部分的に含めたプログラムとして構成してもよい。もちろん、他の用途に適用する場合には、その用途におけるプログラムと一体化してもよい。
【符号の説明】
【0055】
11…オブジェクト判定部、12…重要色判定部、13…変換部、21…プログラム、22…コンピュータ、31…光磁気ディスク、32…光ディスク、33…磁気ディスク、34…メモリ、41…CPU、42…内部メモリ、43…読取部、44…ハードディスク、45…インタフェース、46…通信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトで使用されている色に重要色が含まれているか否かを判定する重要色判定手段と、前記判定手段で判定された前記重要色を予め指定されている2色の出力色のうちの黒以外の指定色に変換するとともに重要色以外を無彩色に変換する変換手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
さらに、前記オブジェクトの種類を判定するオブジェクト判定手段を有し、前記オブジェクト判定手段の判定で前記オブジェクトの種類がイメージの場合には、前記重要色判定手段は重要色の判定を行わず、前記変換手段は黒と前記指定色の2色のイメージに変換することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記重要色は、前記指定色であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記重要色判定手段は、順位付けされた複数の重要色の設定に従って当該複数の重要色についての判定を行い、前記変換手段は、前記重要色の順位に従って前記指定色の濃度を変更した色に変換することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記変換手段は、前記重要色の順位に従って各順位に予め対応付けられた前記指定色の濃度の色に変換することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記変換手段は、前記複数の重要色のうち使用されていない重要色が存在する場合には当該使用されていない重要色よりも下位の重要色の順位を繰り上げて前記指定色の濃度との対応付けを行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記変換手段は、前記指定色が重要色の1つとして設定されている場合に、当該重要色を最上位として他の重要色の順位付けを行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能を実行させるものであることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−70094(P2012−70094A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211356(P2010−211356)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】