画像処理装置及び画像形成装置
【課題】モアレ周波数が高く、かつ色味の変化のないハーフトーンスクリーンを効率よく設計できるようにする。
【解決手段】ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成して周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する。そして、複数色の周波数空間ベクトルに基づいて2色間で発生する1次モアレ周波数と、3色間で発生する2次モアレ周波数を計算し、所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する。次に、前記決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、モアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する。
【解決手段】ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成して周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する。そして、複数色の周波数空間ベクトルに基づいて2色間で発生する1次モアレ周波数と、3色間で発生する2次モアレ周波数を計算し、所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する。次に、前記決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、モアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像形成方法、プログラム及び記憶媒体に関し、特に、カラー印刷において用いられるハーフトーンスクリーンの設計に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子写真プリンタ等の画像形成装置において出力される画像の大部分は、ドットのオン・オフの2値で表現されている。このように表現される画像は、印字面積を変化させて階調が表現される。一般的に、ドットのオン・オフを決定する方法として、ハーフトーンスクリーンが用いられている。
【0003】
ディジタル化された画像形成装置において、ハーフトーンスクリーンは閾値マトリクスにより構成されている。そして、二次元平面上に連続的に配置した閾値マトリクスと多値の入力画像とを比較することにより、画像の2値化を行う。このため、出力される2値画像は閾値マトリクスで定義される周期性を持っている。
【0004】
一方、複数色を用いるカラー印刷において、各色の網点の位置ずれが生じるという問題ある。網点の位置ずれは、オフセット印刷を用いても避けられないものであるが、特に、電子写真プリンタの場合は、例えば、感光ドラムの回転ムラにより網点の位置ずれが発生する。網点の位置ずれが生じると、出力画像の濃度の変化や色ずれを生じる。そこで、色ずれを防ぐため、網点のスクリーン角度を色ごとに変えることが知られている。
【0005】
しかしながら、色ずれを防ぐために網点のスクリーン角度を変えた場合、色ごとの網点周期が干渉をおこし、モアレと呼ばれる干渉稿が発生する場合がある。画像に発生するモアレが人間の目につきやすい低周波モアレである場合は、著しく画質が低下する。
【0006】
そこで、網点の位置ずれにより発生する濃度の変化や色ずれをなくすとともに、低周波モアレを除去するためにモアレの周波数をなるべく大きくすることが望まれる。そこで、例えば、特許文献1に記載の方法では、4色の網点スクリーンうち少なくとも2つの網点スクリーン間で、各々2つのスクリーンベクトルのうち一方のベクトルを一致させ、もう一方のベクトルを一致しないようにしている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−193759号公報
【特許文献2】特開平11−41459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、近年は、印刷機器及び画像形成装置が高解像度化しており、特色追加によって使用色数が増加したことにより、ハーフトーンスクリーンの自由度及び組合せが増加している。したがって、ディジタルグリッドによる制約の下、低周波モアレ及び色味の変化が起こらないハーフトーンスクリーンを設計することが困難になった。
【0009】
本発明は前述の問題点に鑑み、色間で発生するモアレ周波数が高く、かつ色味の変化のないハーフトーンスクリーンを効率よく設計できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像処理装置は、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理装置であって、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成手段と、前記実空間ベクトル作成手段によって作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換手段と、前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定手段と、前記第1の決定手段によって決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の画像形成装置は、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成装置であって、前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力手段と、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成手段と、前記実空間ベクトル作成手段によって作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換手段と、前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定手段と、前記第1の決定手段によって決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定手段と、前記画像入力手段によって入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定手段によって決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の画像処理方法は、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理方法であって、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の画像形成方法は、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成方法であって、前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力工程と、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程と、前記画像入力工程において入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定工程において決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御工程とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明のプログラムは、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明のプログラムの他の特徴とするところは、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力工程と、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程と、前記画像入力工程において入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定工程において決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
本発明の記憶媒体は、前記の何れかに記載のプログラムを記憶したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、人間の視覚にモアレが目立たないような、好ましい画質の出力画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の画像処理装置100の構成例を示すブロック図である。
図1において、画像処理装置100は、基本条件入力部1、実空間ベクトル作成部2、周波数空間ベクトル変換部3、ベクトル保存部4、3色スクリーン組合せ部5、1次モアレ周波数計算部6、及び2次モアレ周波数計算部7を備えている。さらに、3色スクリーン出力部8、4色スクリーン組合せ部9、及び4色スクリーン出力部10を備えている。
【0018】
図2は、本実施形態において、3色ハーフトーンスクリーンを求める処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、本実施形態に係る画像処理装置100による処理手順について説明する。
【0019】
まず、図2のステップS100において、基本条件入力部1は、求めたいハーフトーンスクリーンの出力解像度、スクリーン線数の最大値(LPI_MAX)、スクリーン線数の最小値(LPI_MIN)及び実空間ベクトルの範囲Nの情報を入力する。
【0020】
図4は、実空間ベクトルとハーフトーンスクリーンとの関係を示す図である。
図4において、網点Dが、縦横に一定周期で配置されている。θはスクリーン角度を表しており、スクリーン線数は、網点と網点との距離の逆数から求められる。そのため、例えば、網点間距離が180μm(出力解像度1200DPIの場合6√2画素)とした場合、スクリーン線数は141LPIとなる。つまり、網点の間隔をR1、R2に示すベクトルで表現することができ、この2つのベクトルを実空間ベクトルとする。
【0021】
次に、ステップS101において、実空間ベクトル作成部2は、基本条件入力部1に入力された実空間ベクトルの範囲Nの情報から実空間ベクトルR1、R2の組合せを全て算出してその情報を出力する。本実施形態では、R1=(x1,y1)、R2=(x2,y2)と定義する。ここで、x1,y1,x2,y2はそれぞれ、−N≦x1≦N、−N≦y1≦N、−N≦x2≦N、−N≦y2≦Nの条件を満たしており、それぞれディジタルグリッド上に一致する自然数である(RT(有理正接)スクリーニング)。
【0022】
次に、ステップS102において、周波数空間ベクトル変換部3は、実空間ベクトル作成部2から出力された情報より実空間ベクトルR1、R2を周波数空間ベクトルF1、F2に変換する。具体的には、まず、実空間ベクトルR1、R2から、このハーフトーンスクリーンの面積Aは、以下の数1に示す式で表すことができる。
【0023】
【数1】
【0024】
このとき、周波数空間ベクトルF1、F2をF1=(u1,v1)、F2=(u2,v2)とした場合、u1=−y1/A、v1=x1/A、u2=−y2/A、v2=x2/Aとなる。
【0025】
次に、ステップS103において、周波数空間ベクトル変換部3は、基本条件入力部1に入力された情報に基づいてスクリーン線数の範囲に入らないベクトルを削除する。すなわち、以下の数2に示す条件式が成り立たない周波数空間ベクトルF1、F2を削除する。
【0026】
【数2】
【0027】
次に、ステップS104において、周波数空間ベクトル変換部3は、実空間ベクトルR1、R2から求まったハーフトーンスクリーンの対角線にあたるベクトルR3、R4の周波数空間ベクトルF3、F4を求める。周波数空間ベクトルF3はF1とF2との和であり、F4はF1とF2との差である。したがって、F3=(u3,v3)、F4=(u4,v4)とした場合、u3=u1+u2、v3=v1+v2、u4=u1−u2、v4=v1−v2となる。
【0028】
次に、ステップS105において、ベクトル保存部4は、算出した周波数空間ベクトルF1、F2、F3、F4を、1色のハーフトーンスクリーンを表す1組のベクトル組合せFMとして不図示のメモリに保存する。
【0029】
図5は、周波数空間ベクトルと実空間ベクトルとの関係を示す図である。
図5に示すように、周波数空間ベクトルF1、F2はそれぞれ、実空間ベクトルR1、R2と直交しており、ハーフトーンスクリーンの周期性を表すものである。また、周波数空間ベクトルF3、F4もそれぞれ、実空間ベクトルR1、R2で表現されるハーフトーンスクリーンの対角線にあたるベクトルR3、R4と直交しており、その対角線の周期性を表すものである。
【0030】
次に、ステップS106において、3色スクリーン組合せ部5は、ベクトル保存部4によって保持されているベクトル組合せFMの3色分の組合せを選択する。例えば、色数がCMYKの4色である場合は、任意の3色分(例えば、C,M,K)の全組合せを選択する。そして、以降のステップにおいては、選択した組合せについて複数色間で発生する干渉のモアレ周波数を計算する。
【0031】
次に、ステップS107において、1次モアレ周波数計算部6は、ベクトル組合せFMの中から2色を順次選択し、その2色間で発生する干渉の1次モアレ周波数MF1をベクトル計算により算出する。そして、算出した1次モアレ周波数MF1と、所定値として予め設定してある最低1次モアレ周波数MT1とを比較する。ここで、1次モアレ周波数MF1は、以下の数3に示す式のように、それぞれの周波数空間ベクトルの和もしくは差により計算することができる。
【0032】
【数3】
ここで、m=1,2,3,4、p=1,2,3,4
【0033】
また、n,oは、3色スクリーン中の任意の1色スクリーンに対応している。この比較の結果、少なくとも1つの組合せにおいて、1次モアレ周波数MF1が、予め設定してある最低1次モアレ周波数MT1より低い場合は、ステップS106に戻り、次の組合せを選択する。一方、ステップS106の比較の結果、全ての2色組合せにおいて、MF1>MT1である場合は、次のステップS108に移行する。
【0034】
次に、ステップS108において、2次モアレ周波数計算部7は、ベクトル組合せFMの中から3色を順次選択し、その3色間で発生する干渉の2次モアレ周波数MF2をベクトルの計算により算出する。そして、算出した2次モアレ周波数MF2と、所定値として予め設定してある最低2次モアレ周波数MT2とを比較する。ここで、2次モアレ周波数MF2はそれぞれの周波数空間ベクトルの和もしくは差で計算することができる。
【0035】
【数4】
ここで、m=1,2,3,4、p=1,2,3,4、r=1,2,3,4
【0036】
n,o,qは、3色スクリーン中の任意の1色スクリーンに対応している。この比較の結果、少なくとも1つの組合せにおいて、2次モアレ周波数MF2が、予め設定してある最低2次モアレ周波数MT2より低い場合は、ステップS106に戻り、次の組合せを選択する。一方、ステップS108の比較の結果、全ての3色組合せにおいて、MF2=0もしくはMF2>MT2である場合は、ステップS109に進む。そして、ステップS109において、3色スクリーン出力部8は第1の決定手段として機能し、3色分のベクトル組合せFM3を1組のハーフトーンスクリーンとしてその情報を4色スクリーン組合せ部9に出力する。そして、次のステップS110に移行する。
【0037】
次に、ステップS110において、全ての組合せで計算が終了したか否かを判断する。この判断の結果、まだ計算していない組合せがある場合は、ステップS106に戻る。一方、ステップS110の判断の結果、全ての組合せで計算が終了した場合は、処理を終了する。これにより基本条件に合った3色ハーフトーンスクリーンの組合せを求めることができる。
【0038】
図6は、3色ハーフトーンスクリーンの一例を示す図である。
図6においては、解像度2400DPI、スクリーン線数200〜240LPIとした場合であり、3色の実空間ベクトルは、
C:R1=(−5,9)、R2=(10,6)
M:R1=(−10,0)、R2=(0,12)
K:R1=(−10,6)、R2=(5,9)
である。また、このハーフトーンスクリーンの最低1次モアレ周波数、最低2次モアレ周波数は、共に116LPIである。
【0039】
次に、4色ハーフトーンスクリーンを求める手順について説明する。図3は、本実施形態において、4色ハーフトーンスクリーンを求める処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS200において、4色スクリーン組合せ部9は、3色スクリーン出力部8により求められた3色分のベクトル組合せFM3に残りの1色のハーフトーンスクリーンのベクトル組合せFMを追加する。
【0040】
次に、ステップS201において、4色分のベクトルの組合せを選択する。そして、ステップS202において、4色分の組合せにおいても、1次モアレ周波数計算部6は、ベクトル組合せの中から2色を順次選択し、その2色間で発生する干渉の1次モアレ周波数MF1をベクトル計算により算出する。そして、算出した1次モアレ周波数MF1と、予め設定してある最低1次モアレ周波数MT1とを比較する。なお、計算手順は図2のステップS107と基本的には同様である。
【0041】
ただし、4色分の組合せにおいては、中間調での網点形状をライン形状として計算を行う。つまり、網点の成長方向(ライン方向)を決定し、1色スクリーンにおける主な2つの周期性(F1、F2など)をラインと垂直方向の1つにすることにより、さらにモアレが目立ちにくいハーフトーンスクリーンを設計することができる。
【0042】
この比較の結果、少なくとも1つの組合せにおいて、1次モアレ周波数MF1が、予め設定してある最低1次モアレ周波数MT1より低い場合は、ステップS201に戻り、次の組合せを選択する。一方、ステップS202の比較の結果、全ての2色組合せにおいて、MF1>MT1である場合は、次のステップS203に移行する。
【0043】
次に、ステップS203において、2次モアレ周波数計算部7は、ベクトル組合せFMの中から3色を順次選択し、その3色の干渉で発生する2次モアレ周波数MF2をベクトルの計算により算出する。そして、算出した2次モアレ周波数MF2と、予め設定してある最低2次モアレ周波数MT2とを比較する。なお、計算手順は図2のステップS108と同様である。但し、前述したように、4色分の組合せにおいては、中間調での網点形状をライン形状として計算を行う。
【0044】
この比較の結果、少なくとも1つの組合せにおいて、2次モアレ周波数MF2が、予め設定してある最低2次モアレ周波数MT2より低い場合は、ステップS201に戻り、次の組合せを選択する。一方、ステップS203の比較の結果、全ての3色組合せにおいて、MF2=0もしくはMF2>MT2である場合は、次のステップS204に移行する。
【0045】
次に、ステップS204において、2次モアレ周波数計算部7は、基本条件入力部1に入力された情報に基づいてスクリーン線数の範囲に入らない網点成長方向ベクトルを判別する。そして、以下の数5に示す範囲に該当するか否かを判断する。
【0046】
【数5】
【0047】
この判断の結果、3色スクリーンを求めているときに削除されていない周波数空間ベクトルF3、F4において、数5に示す範囲に該当する場合は、スクリーン線数の範囲外であるため、ステップS201に戻り、次のベクトル組合せの計算を行う。一方、ステップS204の判断の結果、数5に示す範囲に該当しない場合は、スクリーン線数の範囲内であるため、ステップS205に進む。そして、ステップS205において、4色スクリーン出力部10は第2の決定手段として機能し、4色分のベクトル組合せFM4を1組のハーフトーンスクリーンとしてその情報を出力する。
【0048】
次に、ステップS206において、全ての組合せで計算が終了したか否かを判断する。この判断の結果、まだ計算していない組合せがある場合は、ステップS201に戻る。一方、ステップS206の判断の結果、全ての組合せで計算が終了した場合は、処理を終了する。これにより基本条件に合った4色ハーフトーンスクリーンの組合せを求めることができる。
【0049】
図7は、4色ハーフトーンスクリーンの一例を示す図である。
図7において、矢印は網点成長方向を示している。また、図7においては、解像度2400DPI、スクリーン線数200〜240LPIとした場合であり、4色の実空間ベクトルは、
C:R1=(−5,9)、R2=(10,6)
M:R1=(−10,0)、R2=(0,12)
Y:R1=(0,8)、R2=(10,2)
K:R1=(−10,6)、R2=(5,9)
である。また、このハーフトーンスクリーンの最低1次モアレ周波数、最低2次モアレ周波数は、共に120LPIである。
【0050】
以上のように本実施形態において得られたハーフトーンスクリーンは、モアレ周波数が高く、人間の視覚に目立たない。また、中間調での網点形状をライン形状とすることにより、さらにモアレ周波数が高いハーフトーンスクリーンを設計することができる。これにより、本実施形態のハーフトーンスクリーンを用いると、画像形成装置から出力される画像は、色味の変化の少ない良好な画質を得ることができる。
【0051】
なお、本実施形態では、1色ごとのハーフトーンスクリーンのスクリーン線数の範囲を同等として扱ったが、色ごとにスクリーン線数の範囲を変えてもよい。また、本実施形態では、4色のスクリーンに限定したが、色数が5色以上であっても1色ごとに順次追加することにより複数色のハーフトーンスクリーンを求めることができる。
【0052】
(第2の実施形態)
本実施形態では、実際のモアレの見えについて、画像を印刷せずに表示画面で確認可能にする例について説明する。
図10は、本実施形態において、画像シミュレーションを行う画像形成装置1000の構成例を示すブロック図である。
図10において、画像形成装置1000は、画像入力部1001と、網点画像生成部1002と、画像表示部1003と、画像シミュレーション部1004と、画像出力部1005とを備えている。なお、網点画像生成部1002は、第1の実施形態における画像処理装置100の機能を有している。
【0053】
網点画像生成部1002は、画像入力部1001に入力された対象となる画像データと、選択したハーフトーンスクリーン及び網点形状から作成する一定周期で複数配置した閾値マトリクス1021とを比較部1022において比較演算する。これにより、同一の網点が配置された網点画像を生成する。次に、画像シミュレーション部1004は、生成した網点画像を画像シミュレーション部1004の帯電1041、露光1042、現像1043及び転写1044の各処理を擬似的に行い、画像出力部1005にて出力画像結果を得る。そして、画像表示部1003は表示制御手段として機能し、出力画像結果を表示する。
【0054】
図8は、本実施形態において、実際のモアレの見え具合を表示画面に表示する手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS300において、不図示の操作部がユーザーによって操作されることにより、網点画像生成部1002は、基本条件の情報を入力する。ここで基本条件とは、前述した第1の実施形態と同様に、ハーフトーンスクリーンの出力解像度、スクリーン線数の最大値(LPI_MAX)、スクリーン線数の最小値(LPI_MIN)及び実空間ベクトルの範囲Nである。
【0055】
次に、ステップS301において、網点画像生成部1002は、前述した第1の実施形態の画像処理装置100が行った手順により、基本条件に合ったハーフトーンスクリーンを算出する。そして、ステップS302において、ユーザーの操作に応じて、網点画像生成部1002は、ステップS301において算出されたハーフトーンスクリーンの中から選択する。
【0056】
次に、ステップS303において、ユーザーの操作に応じて、網点画像生成部1002は、網点形状を選択する。図9は、4種類の網点形状の一例を示す図である。なお、図9に示すように、選択する網点形状は、ドット形状であってもよく、ライン形状でもよい。また、図9に示す例以外のものとして、ユーザーが作成した網点形状であってもよく、スポット関数で定義したものでもよい。
【0057】
次に、ステップS304において、網点画像生成部1002は、選択したハーフトーンスクリーン及び網点形状を元に、網点画像を生成する。そして、画像シミュレーション部1004は、擬似的に画像形成装置1000で出力される出力画像結果を得る。本実施形態では、例えば特許文献2に記載の電子写真方式により形成される画像を予測する画像シミュレーションを用いる。
【0058】
次に、ステップS305において、画像表示部1003は、ステップS304における画像シミュレーションで出力された出力画像結果を表示画面に表示する。このとき、モアレ周波数等の数値情報も表示する。図11は、本実施形態において、モアレを確認するために、ディスプレイ表示する出力画像の一例を示す図である。図11に示すように、モアレ周波数の違いによって出力画像を数パターン表示させることによって、ユーザーは実際のモアレの見え具合を確認することができる。
【0059】
次に、ステップS306において、ディスプレイに表示された出力画像のモアレを確認したユーザーにより操作部が操作されて、表示画像にモアレが見えるなどにより新たに出力画像を表示させる指示があったか否かを判断する。この判断の結果、新たに出力画像を表示させる指示がない場合は、そのまま処理を終了する。
【0060】
一方、ステップS306の判断の結果、新たに出力画像を表示させる指示があった場合は、ステップS307において、網点形状の選択からやり直す指示であるか否かを判断する。この判断の結果、網点形状の選択からやり直す指示である場合は、ステップS303に戻る。一方、ステップS307の判断の結果、網点形状の選択からやり直す指示でない場合は、ステップS308において、ハーフトーンスクリーンの選択からやり直す指示であるか否かを判断する。この判断の結果、ハーフトーンスクリーンの選択からやり直す指示である場合は、ステップS302に戻る。一方、ステップS308の判断の結果、ハーフトーンスクリーンの選択からやり直す指示でない場合は、ステップS300に戻る。
【0061】
以上のように本実施形態によれば、得られるハーフトーンスクリーンはモアレ周波数が高い出力画像を得ることができ、さらに実際のモアレの見え具合を確認しながら、ハーフトーンスクリーンを設計することができる。
【0062】
(本発明に係る他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における画像処理装置及び画像形成装置を構成する各手段、並びに画像処理方法の各工程は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
【0063】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0064】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図2、図3、図8に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する場合も含む。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0065】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0066】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0067】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
【0068】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0069】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザーに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0070】
また、その他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザーに配布し、所定の条件をクリアしたユーザーに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0071】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0072】
さらに、その他の方法として、まず記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態において、3色ハーフトーンスクリーンを求める処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態において、4色ハーフトーンスクリーンを求める処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】実空間ベクトルとハーフトーンスクリーンとの関係を示す図である。
【図5】周波数空間ベクトルと実空間ベクトルとの関係を示す図である。
【図6】3色ハーフトーンスクリーンの一例を示す図である。
【図7】4色ハーフトーンスクリーンの一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態において、実際のモアレの見え具合を表示画面に表示する手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】4種類の網点形状の一例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態において、画像シミュレーションを行う画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態において、モアレを確認するために、ディスプレイ表示する出力画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 基本条件入力部
2 実空間ベクトル作成部
3 周波数空間ベクトル変換部
4 ベクトル保存部
5 3色スクリーン組合せ部
6 1次モアレ周波数計算部
7 2次モアレ周波数計算部
8 3色スクリーン出力部
9 4色スクリーン組合せ部
10 4色スクリーン出力部
100 画像処理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像形成方法、プログラム及び記憶媒体に関し、特に、カラー印刷において用いられるハーフトーンスクリーンの設計に用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子写真プリンタ等の画像形成装置において出力される画像の大部分は、ドットのオン・オフの2値で表現されている。このように表現される画像は、印字面積を変化させて階調が表現される。一般的に、ドットのオン・オフを決定する方法として、ハーフトーンスクリーンが用いられている。
【0003】
ディジタル化された画像形成装置において、ハーフトーンスクリーンは閾値マトリクスにより構成されている。そして、二次元平面上に連続的に配置した閾値マトリクスと多値の入力画像とを比較することにより、画像の2値化を行う。このため、出力される2値画像は閾値マトリクスで定義される周期性を持っている。
【0004】
一方、複数色を用いるカラー印刷において、各色の網点の位置ずれが生じるという問題ある。網点の位置ずれは、オフセット印刷を用いても避けられないものであるが、特に、電子写真プリンタの場合は、例えば、感光ドラムの回転ムラにより網点の位置ずれが発生する。網点の位置ずれが生じると、出力画像の濃度の変化や色ずれを生じる。そこで、色ずれを防ぐため、網点のスクリーン角度を色ごとに変えることが知られている。
【0005】
しかしながら、色ずれを防ぐために網点のスクリーン角度を変えた場合、色ごとの網点周期が干渉をおこし、モアレと呼ばれる干渉稿が発生する場合がある。画像に発生するモアレが人間の目につきやすい低周波モアレである場合は、著しく画質が低下する。
【0006】
そこで、網点の位置ずれにより発生する濃度の変化や色ずれをなくすとともに、低周波モアレを除去するためにモアレの周波数をなるべく大きくすることが望まれる。そこで、例えば、特許文献1に記載の方法では、4色の網点スクリーンうち少なくとも2つの網点スクリーン間で、各々2つのスクリーンベクトルのうち一方のベクトルを一致させ、もう一方のベクトルを一致しないようにしている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−193759号公報
【特許文献2】特開平11−41459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、近年は、印刷機器及び画像形成装置が高解像度化しており、特色追加によって使用色数が増加したことにより、ハーフトーンスクリーンの自由度及び組合せが増加している。したがって、ディジタルグリッドによる制約の下、低周波モアレ及び色味の変化が起こらないハーフトーンスクリーンを設計することが困難になった。
【0009】
本発明は前述の問題点に鑑み、色間で発生するモアレ周波数が高く、かつ色味の変化のないハーフトーンスクリーンを効率よく設計できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像処理装置は、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理装置であって、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成手段と、前記実空間ベクトル作成手段によって作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換手段と、前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定手段と、前記第1の決定手段によって決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の画像形成装置は、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成装置であって、前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力手段と、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成手段と、前記実空間ベクトル作成手段によって作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換手段と、前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定手段と、前記第1の決定手段によって決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定手段と、前記画像入力手段によって入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定手段によって決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の画像処理方法は、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理方法であって、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の画像形成方法は、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成方法であって、前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力工程と、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程と、前記画像入力工程において入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定工程において決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御工程とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明のプログラムは、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明のプログラムの他の特徴とするところは、画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力工程と、前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程と、前記画像入力工程において入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定工程において決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
本発明の記憶媒体は、前記の何れかに記載のプログラムを記憶したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、人間の視覚にモアレが目立たないような、好ましい画質の出力画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の画像処理装置100の構成例を示すブロック図である。
図1において、画像処理装置100は、基本条件入力部1、実空間ベクトル作成部2、周波数空間ベクトル変換部3、ベクトル保存部4、3色スクリーン組合せ部5、1次モアレ周波数計算部6、及び2次モアレ周波数計算部7を備えている。さらに、3色スクリーン出力部8、4色スクリーン組合せ部9、及び4色スクリーン出力部10を備えている。
【0018】
図2は、本実施形態において、3色ハーフトーンスクリーンを求める処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、本実施形態に係る画像処理装置100による処理手順について説明する。
【0019】
まず、図2のステップS100において、基本条件入力部1は、求めたいハーフトーンスクリーンの出力解像度、スクリーン線数の最大値(LPI_MAX)、スクリーン線数の最小値(LPI_MIN)及び実空間ベクトルの範囲Nの情報を入力する。
【0020】
図4は、実空間ベクトルとハーフトーンスクリーンとの関係を示す図である。
図4において、網点Dが、縦横に一定周期で配置されている。θはスクリーン角度を表しており、スクリーン線数は、網点と網点との距離の逆数から求められる。そのため、例えば、網点間距離が180μm(出力解像度1200DPIの場合6√2画素)とした場合、スクリーン線数は141LPIとなる。つまり、網点の間隔をR1、R2に示すベクトルで表現することができ、この2つのベクトルを実空間ベクトルとする。
【0021】
次に、ステップS101において、実空間ベクトル作成部2は、基本条件入力部1に入力された実空間ベクトルの範囲Nの情報から実空間ベクトルR1、R2の組合せを全て算出してその情報を出力する。本実施形態では、R1=(x1,y1)、R2=(x2,y2)と定義する。ここで、x1,y1,x2,y2はそれぞれ、−N≦x1≦N、−N≦y1≦N、−N≦x2≦N、−N≦y2≦Nの条件を満たしており、それぞれディジタルグリッド上に一致する自然数である(RT(有理正接)スクリーニング)。
【0022】
次に、ステップS102において、周波数空間ベクトル変換部3は、実空間ベクトル作成部2から出力された情報より実空間ベクトルR1、R2を周波数空間ベクトルF1、F2に変換する。具体的には、まず、実空間ベクトルR1、R2から、このハーフトーンスクリーンの面積Aは、以下の数1に示す式で表すことができる。
【0023】
【数1】
【0024】
このとき、周波数空間ベクトルF1、F2をF1=(u1,v1)、F2=(u2,v2)とした場合、u1=−y1/A、v1=x1/A、u2=−y2/A、v2=x2/Aとなる。
【0025】
次に、ステップS103において、周波数空間ベクトル変換部3は、基本条件入力部1に入力された情報に基づいてスクリーン線数の範囲に入らないベクトルを削除する。すなわち、以下の数2に示す条件式が成り立たない周波数空間ベクトルF1、F2を削除する。
【0026】
【数2】
【0027】
次に、ステップS104において、周波数空間ベクトル変換部3は、実空間ベクトルR1、R2から求まったハーフトーンスクリーンの対角線にあたるベクトルR3、R4の周波数空間ベクトルF3、F4を求める。周波数空間ベクトルF3はF1とF2との和であり、F4はF1とF2との差である。したがって、F3=(u3,v3)、F4=(u4,v4)とした場合、u3=u1+u2、v3=v1+v2、u4=u1−u2、v4=v1−v2となる。
【0028】
次に、ステップS105において、ベクトル保存部4は、算出した周波数空間ベクトルF1、F2、F3、F4を、1色のハーフトーンスクリーンを表す1組のベクトル組合せFMとして不図示のメモリに保存する。
【0029】
図5は、周波数空間ベクトルと実空間ベクトルとの関係を示す図である。
図5に示すように、周波数空間ベクトルF1、F2はそれぞれ、実空間ベクトルR1、R2と直交しており、ハーフトーンスクリーンの周期性を表すものである。また、周波数空間ベクトルF3、F4もそれぞれ、実空間ベクトルR1、R2で表現されるハーフトーンスクリーンの対角線にあたるベクトルR3、R4と直交しており、その対角線の周期性を表すものである。
【0030】
次に、ステップS106において、3色スクリーン組合せ部5は、ベクトル保存部4によって保持されているベクトル組合せFMの3色分の組合せを選択する。例えば、色数がCMYKの4色である場合は、任意の3色分(例えば、C,M,K)の全組合せを選択する。そして、以降のステップにおいては、選択した組合せについて複数色間で発生する干渉のモアレ周波数を計算する。
【0031】
次に、ステップS107において、1次モアレ周波数計算部6は、ベクトル組合せFMの中から2色を順次選択し、その2色間で発生する干渉の1次モアレ周波数MF1をベクトル計算により算出する。そして、算出した1次モアレ周波数MF1と、所定値として予め設定してある最低1次モアレ周波数MT1とを比較する。ここで、1次モアレ周波数MF1は、以下の数3に示す式のように、それぞれの周波数空間ベクトルの和もしくは差により計算することができる。
【0032】
【数3】
ここで、m=1,2,3,4、p=1,2,3,4
【0033】
また、n,oは、3色スクリーン中の任意の1色スクリーンに対応している。この比較の結果、少なくとも1つの組合せにおいて、1次モアレ周波数MF1が、予め設定してある最低1次モアレ周波数MT1より低い場合は、ステップS106に戻り、次の組合せを選択する。一方、ステップS106の比較の結果、全ての2色組合せにおいて、MF1>MT1である場合は、次のステップS108に移行する。
【0034】
次に、ステップS108において、2次モアレ周波数計算部7は、ベクトル組合せFMの中から3色を順次選択し、その3色間で発生する干渉の2次モアレ周波数MF2をベクトルの計算により算出する。そして、算出した2次モアレ周波数MF2と、所定値として予め設定してある最低2次モアレ周波数MT2とを比較する。ここで、2次モアレ周波数MF2はそれぞれの周波数空間ベクトルの和もしくは差で計算することができる。
【0035】
【数4】
ここで、m=1,2,3,4、p=1,2,3,4、r=1,2,3,4
【0036】
n,o,qは、3色スクリーン中の任意の1色スクリーンに対応している。この比較の結果、少なくとも1つの組合せにおいて、2次モアレ周波数MF2が、予め設定してある最低2次モアレ周波数MT2より低い場合は、ステップS106に戻り、次の組合せを選択する。一方、ステップS108の比較の結果、全ての3色組合せにおいて、MF2=0もしくはMF2>MT2である場合は、ステップS109に進む。そして、ステップS109において、3色スクリーン出力部8は第1の決定手段として機能し、3色分のベクトル組合せFM3を1組のハーフトーンスクリーンとしてその情報を4色スクリーン組合せ部9に出力する。そして、次のステップS110に移行する。
【0037】
次に、ステップS110において、全ての組合せで計算が終了したか否かを判断する。この判断の結果、まだ計算していない組合せがある場合は、ステップS106に戻る。一方、ステップS110の判断の結果、全ての組合せで計算が終了した場合は、処理を終了する。これにより基本条件に合った3色ハーフトーンスクリーンの組合せを求めることができる。
【0038】
図6は、3色ハーフトーンスクリーンの一例を示す図である。
図6においては、解像度2400DPI、スクリーン線数200〜240LPIとした場合であり、3色の実空間ベクトルは、
C:R1=(−5,9)、R2=(10,6)
M:R1=(−10,0)、R2=(0,12)
K:R1=(−10,6)、R2=(5,9)
である。また、このハーフトーンスクリーンの最低1次モアレ周波数、最低2次モアレ周波数は、共に116LPIである。
【0039】
次に、4色ハーフトーンスクリーンを求める手順について説明する。図3は、本実施形態において、4色ハーフトーンスクリーンを求める処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS200において、4色スクリーン組合せ部9は、3色スクリーン出力部8により求められた3色分のベクトル組合せFM3に残りの1色のハーフトーンスクリーンのベクトル組合せFMを追加する。
【0040】
次に、ステップS201において、4色分のベクトルの組合せを選択する。そして、ステップS202において、4色分の組合せにおいても、1次モアレ周波数計算部6は、ベクトル組合せの中から2色を順次選択し、その2色間で発生する干渉の1次モアレ周波数MF1をベクトル計算により算出する。そして、算出した1次モアレ周波数MF1と、予め設定してある最低1次モアレ周波数MT1とを比較する。なお、計算手順は図2のステップS107と基本的には同様である。
【0041】
ただし、4色分の組合せにおいては、中間調での網点形状をライン形状として計算を行う。つまり、網点の成長方向(ライン方向)を決定し、1色スクリーンにおける主な2つの周期性(F1、F2など)をラインと垂直方向の1つにすることにより、さらにモアレが目立ちにくいハーフトーンスクリーンを設計することができる。
【0042】
この比較の結果、少なくとも1つの組合せにおいて、1次モアレ周波数MF1が、予め設定してある最低1次モアレ周波数MT1より低い場合は、ステップS201に戻り、次の組合せを選択する。一方、ステップS202の比較の結果、全ての2色組合せにおいて、MF1>MT1である場合は、次のステップS203に移行する。
【0043】
次に、ステップS203において、2次モアレ周波数計算部7は、ベクトル組合せFMの中から3色を順次選択し、その3色の干渉で発生する2次モアレ周波数MF2をベクトルの計算により算出する。そして、算出した2次モアレ周波数MF2と、予め設定してある最低2次モアレ周波数MT2とを比較する。なお、計算手順は図2のステップS108と同様である。但し、前述したように、4色分の組合せにおいては、中間調での網点形状をライン形状として計算を行う。
【0044】
この比較の結果、少なくとも1つの組合せにおいて、2次モアレ周波数MF2が、予め設定してある最低2次モアレ周波数MT2より低い場合は、ステップS201に戻り、次の組合せを選択する。一方、ステップS203の比較の結果、全ての3色組合せにおいて、MF2=0もしくはMF2>MT2である場合は、次のステップS204に移行する。
【0045】
次に、ステップS204において、2次モアレ周波数計算部7は、基本条件入力部1に入力された情報に基づいてスクリーン線数の範囲に入らない網点成長方向ベクトルを判別する。そして、以下の数5に示す範囲に該当するか否かを判断する。
【0046】
【数5】
【0047】
この判断の結果、3色スクリーンを求めているときに削除されていない周波数空間ベクトルF3、F4において、数5に示す範囲に該当する場合は、スクリーン線数の範囲外であるため、ステップS201に戻り、次のベクトル組合せの計算を行う。一方、ステップS204の判断の結果、数5に示す範囲に該当しない場合は、スクリーン線数の範囲内であるため、ステップS205に進む。そして、ステップS205において、4色スクリーン出力部10は第2の決定手段として機能し、4色分のベクトル組合せFM4を1組のハーフトーンスクリーンとしてその情報を出力する。
【0048】
次に、ステップS206において、全ての組合せで計算が終了したか否かを判断する。この判断の結果、まだ計算していない組合せがある場合は、ステップS201に戻る。一方、ステップS206の判断の結果、全ての組合せで計算が終了した場合は、処理を終了する。これにより基本条件に合った4色ハーフトーンスクリーンの組合せを求めることができる。
【0049】
図7は、4色ハーフトーンスクリーンの一例を示す図である。
図7において、矢印は網点成長方向を示している。また、図7においては、解像度2400DPI、スクリーン線数200〜240LPIとした場合であり、4色の実空間ベクトルは、
C:R1=(−5,9)、R2=(10,6)
M:R1=(−10,0)、R2=(0,12)
Y:R1=(0,8)、R2=(10,2)
K:R1=(−10,6)、R2=(5,9)
である。また、このハーフトーンスクリーンの最低1次モアレ周波数、最低2次モアレ周波数は、共に120LPIである。
【0050】
以上のように本実施形態において得られたハーフトーンスクリーンは、モアレ周波数が高く、人間の視覚に目立たない。また、中間調での網点形状をライン形状とすることにより、さらにモアレ周波数が高いハーフトーンスクリーンを設計することができる。これにより、本実施形態のハーフトーンスクリーンを用いると、画像形成装置から出力される画像は、色味の変化の少ない良好な画質を得ることができる。
【0051】
なお、本実施形態では、1色ごとのハーフトーンスクリーンのスクリーン線数の範囲を同等として扱ったが、色ごとにスクリーン線数の範囲を変えてもよい。また、本実施形態では、4色のスクリーンに限定したが、色数が5色以上であっても1色ごとに順次追加することにより複数色のハーフトーンスクリーンを求めることができる。
【0052】
(第2の実施形態)
本実施形態では、実際のモアレの見えについて、画像を印刷せずに表示画面で確認可能にする例について説明する。
図10は、本実施形態において、画像シミュレーションを行う画像形成装置1000の構成例を示すブロック図である。
図10において、画像形成装置1000は、画像入力部1001と、網点画像生成部1002と、画像表示部1003と、画像シミュレーション部1004と、画像出力部1005とを備えている。なお、網点画像生成部1002は、第1の実施形態における画像処理装置100の機能を有している。
【0053】
網点画像生成部1002は、画像入力部1001に入力された対象となる画像データと、選択したハーフトーンスクリーン及び網点形状から作成する一定周期で複数配置した閾値マトリクス1021とを比較部1022において比較演算する。これにより、同一の網点が配置された網点画像を生成する。次に、画像シミュレーション部1004は、生成した網点画像を画像シミュレーション部1004の帯電1041、露光1042、現像1043及び転写1044の各処理を擬似的に行い、画像出力部1005にて出力画像結果を得る。そして、画像表示部1003は表示制御手段として機能し、出力画像結果を表示する。
【0054】
図8は、本実施形態において、実際のモアレの見え具合を表示画面に表示する手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS300において、不図示の操作部がユーザーによって操作されることにより、網点画像生成部1002は、基本条件の情報を入力する。ここで基本条件とは、前述した第1の実施形態と同様に、ハーフトーンスクリーンの出力解像度、スクリーン線数の最大値(LPI_MAX)、スクリーン線数の最小値(LPI_MIN)及び実空間ベクトルの範囲Nである。
【0055】
次に、ステップS301において、網点画像生成部1002は、前述した第1の実施形態の画像処理装置100が行った手順により、基本条件に合ったハーフトーンスクリーンを算出する。そして、ステップS302において、ユーザーの操作に応じて、網点画像生成部1002は、ステップS301において算出されたハーフトーンスクリーンの中から選択する。
【0056】
次に、ステップS303において、ユーザーの操作に応じて、網点画像生成部1002は、網点形状を選択する。図9は、4種類の網点形状の一例を示す図である。なお、図9に示すように、選択する網点形状は、ドット形状であってもよく、ライン形状でもよい。また、図9に示す例以外のものとして、ユーザーが作成した網点形状であってもよく、スポット関数で定義したものでもよい。
【0057】
次に、ステップS304において、網点画像生成部1002は、選択したハーフトーンスクリーン及び網点形状を元に、網点画像を生成する。そして、画像シミュレーション部1004は、擬似的に画像形成装置1000で出力される出力画像結果を得る。本実施形態では、例えば特許文献2に記載の電子写真方式により形成される画像を予測する画像シミュレーションを用いる。
【0058】
次に、ステップS305において、画像表示部1003は、ステップS304における画像シミュレーションで出力された出力画像結果を表示画面に表示する。このとき、モアレ周波数等の数値情報も表示する。図11は、本実施形態において、モアレを確認するために、ディスプレイ表示する出力画像の一例を示す図である。図11に示すように、モアレ周波数の違いによって出力画像を数パターン表示させることによって、ユーザーは実際のモアレの見え具合を確認することができる。
【0059】
次に、ステップS306において、ディスプレイに表示された出力画像のモアレを確認したユーザーにより操作部が操作されて、表示画像にモアレが見えるなどにより新たに出力画像を表示させる指示があったか否かを判断する。この判断の結果、新たに出力画像を表示させる指示がない場合は、そのまま処理を終了する。
【0060】
一方、ステップS306の判断の結果、新たに出力画像を表示させる指示があった場合は、ステップS307において、網点形状の選択からやり直す指示であるか否かを判断する。この判断の結果、網点形状の選択からやり直す指示である場合は、ステップS303に戻る。一方、ステップS307の判断の結果、網点形状の選択からやり直す指示でない場合は、ステップS308において、ハーフトーンスクリーンの選択からやり直す指示であるか否かを判断する。この判断の結果、ハーフトーンスクリーンの選択からやり直す指示である場合は、ステップS302に戻る。一方、ステップS308の判断の結果、ハーフトーンスクリーンの選択からやり直す指示でない場合は、ステップS300に戻る。
【0061】
以上のように本実施形態によれば、得られるハーフトーンスクリーンはモアレ周波数が高い出力画像を得ることができ、さらに実際のモアレの見え具合を確認しながら、ハーフトーンスクリーンを設計することができる。
【0062】
(本発明に係る他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における画像処理装置及び画像形成装置を構成する各手段、並びに画像処理方法の各工程は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
【0063】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0064】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図2、図3、図8に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する場合も含む。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0065】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0066】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0067】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
【0068】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0069】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザーに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0070】
また、その他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザーに配布し、所定の条件をクリアしたユーザーに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0071】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0072】
さらに、その他の方法として、まず記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態において、3色ハーフトーンスクリーンを求める処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態において、4色ハーフトーンスクリーンを求める処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】実空間ベクトルとハーフトーンスクリーンとの関係を示す図である。
【図5】周波数空間ベクトルと実空間ベクトルとの関係を示す図である。
【図6】3色ハーフトーンスクリーンの一例を示す図である。
【図7】4色ハーフトーンスクリーンの一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態において、実際のモアレの見え具合を表示画面に表示する手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】4種類の網点形状の一例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態において、画像シミュレーションを行う画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態において、モアレを確認するために、ディスプレイ表示する出力画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 基本条件入力部
2 実空間ベクトル作成部
3 周波数空間ベクトル変換部
4 ベクトル保存部
5 3色スクリーン組合せ部
6 1次モアレ周波数計算部
7 2次モアレ周波数計算部
8 3色スクリーン出力部
9 4色スクリーン組合せ部
10 4色スクリーン出力部
100 画像処理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理装置であって、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成手段と、
前記実空間ベクトル作成手段によって作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換手段と、
前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定手段と、
前記第1の決定手段によって決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルから2色間で発生する1次モアレ周波数を計算する1次モアレ周波数計算手段と、
前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルから3色間で発生する2次モアレ周波数を計算する2次モアレ周波数計算手段とをさらに有し、
前記第1の決定手段は、前記1次モアレ周波数及び2次モアレ周波数がそれぞれの所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の決定手段は、前記1次モアレ周波数及び2次モアレ周波数がそれぞれの所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成装置であって、
前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力手段と、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成手段と、
前記実空間ベクトル作成手段によって作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換手段と、
前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定手段と、
前記第1の決定手段によって決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定手段によって決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理方法であって、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、
前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、
前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルから2色間で発生する1次モアレ周波数を計算する1次モアレ周波数計算工程と、
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルから3色間で発生する2次モアレ周波数を計算する2次モアレ周波数計算工程とをさらに有し、
前記第1の決定工程においては、前記1次モアレ周波数及び2次モアレ周波数がそれぞれの所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記第2の決定工程においては、前記1次モアレ周波数及び2次モアレ周波数がそれぞれの所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成方法であって、
前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力工程と、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、
前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、
前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程と、
前記画像入力工程において入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定工程において決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、
前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、
前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力工程と、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、
前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、
前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程と、
前記画像入力工程において入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定工程において決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理装置であって、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成手段と、
前記実空間ベクトル作成手段によって作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換手段と、
前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定手段と、
前記第1の決定手段によって決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルから2色間で発生する1次モアレ周波数を計算する1次モアレ周波数計算手段と、
前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルから3色間で発生する2次モアレ周波数を計算する2次モアレ周波数計算手段とをさらに有し、
前記第1の決定手段は、前記1次モアレ周波数及び2次モアレ周波数がそれぞれの所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の決定手段は、前記1次モアレ周波数及び2次モアレ周波数がそれぞれの所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成装置であって、
前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力手段と、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成手段と、
前記実空間ベクトル作成手段によって作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換手段と、
前記周波数空間ベクトル変換手段によって変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定手段と、
前記第1の決定手段によって決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定手段によって決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理方法であって、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、
前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、
前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルから2色間で発生する1次モアレ周波数を計算する1次モアレ周波数計算工程と、
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルから3色間で発生する2次モアレ周波数を計算する2次モアレ周波数計算工程とをさらに有し、
前記第1の決定工程においては、前記1次モアレ周波数及び2次モアレ周波数がそれぞれの所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記第2の決定工程においては、前記1次モアレ周波数及び2次モアレ周波数がそれぞれの所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成方法であって、
前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力工程と、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、
前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、
前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程と、
前記画像入力工程において入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定工程において決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項9】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計する画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、
前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、
前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
画像を複数色で印刷するためのハーフトーンスクリーンを設計するとともに、前記設計したハーフトーンスクリーンの画像を表示手段に表示する画像形成方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記ハーフトーンスクリーンの設計の対象となる画像データを入力する画像入力工程と、
前記ハーフトーンスクリーンの出力解像度及びスクリーン線数の範囲の情報に基づいて、網点の間隔を示す複数色の実空間ベクトルを作成する実空間ベクトル作成工程と、
前記実空間ベクトル作成工程において作成された複数色の実空間ベクトルを、前記ハーフトーンスクリーンの周期性を示す周波数空間ベクトルにそれぞれ変換する周波数空間ベクトル変換工程と、
前記周波数空間ベクトル変換工程において変換された複数色の周波数空間ベクトルに基づいて、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い3色スクリーンの組合せを決定する第1の決定工程と、
前記第1の決定工程において決定された3色スクリーンの組合せに、さらにもう1色のスクリーンを加えた4色スクリーンの組合せのうち、複数色間で発生するモアレ周波数が所定値よりも高い4色スクリーンの組合せを決定する第2の決定工程と、
前記画像入力工程において入力された画像データに基づく画像を、前記第2の決定工程において決定された4色スクリーンの組合せにより前記表示手段に表示する表示制御工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−171529(P2010−171529A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10093(P2009−10093)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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