説明

画像処理装置

【課題】画像処理装置より指定した任意の画像形成装置に所望の設定条件にて印刷指令ができる画像処理装置とする。
【解決手段】操作部16にて印刷先である画像形成装置のIPアドレス、URLアドレスを入力し、I/F部11で画像形成装置の設定情報を取得し、表示部15にて表示して設定情報を選択する。その後、スキャン部13で原稿のスキャンして画像データを生成し、この画像データと設定情報を画像形成装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置に関し、特に、原稿の読み取りを行うスキャン部、スキャン部にて読み取った画像データの送信および外部機器からのデータ受信を行うI/F部、装置への指令を行う操作部、および操作部による指令あるいはI/F部からの受信情報を表示する表示部、を備えてなる画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ネットワークに接続された従来の画像処理装置であるスキャナは、サーバ側にユーティリティをインストールし、そのユーティリティを使用してスキャナを操作することで、スキャナで読み込んだJPEG等の画像データをネットワークに接続されたパソコン内に送信していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のネットワーク内のスキャナで読み込んだ画像データをFAX、複写機、プリンタ等の画像形成装置にて印刷する場合は、画像形成装置のドライバーをインスト−ル済みのパソコンに一旦その画像データを送信した後、そのパソコン内で印刷条件を設定してから画像形成装置に再度送信する必要があった。
【0004】
また、従来からスキャナ内部で画像データをPS,PCL等のプリンタ言語に変換し、IPアドレスを指定して直接スキャナから画像形成装置に送信するものもある。
【0005】
しかし、このような場合は、送信先の画像形成装置の設定情報を指定することができないという問題があった。さらには、画像データがイメージデータのために、何十枚もの画像データを作ると容量が膨大となり、送信に時間を要してしまうという問題があった。
【0006】
一方、特開平11−331468号公報や特開2002−149518号公報に開示されているように、スキャナからスキャナの動作環境や設定情報を外部機器に送信することを開示したものはあるが、スキャナが送信時に外部機器から情報を入手することは行われていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、原稿の読み取りを行うスキャン部、該スキャン部にて読み取った画像データの送信および外部機器からのデータ受信を行うI/F部、装置への指令を行う操作部、および該操作部による指令あるいは前記I/F部からの受信情報を表示する表示部、を備えてなる画像処理装置において、前記画像データを前記I/F部から外部装置に送信する時に、I/F部にて前記外部装置から設定情報を受信し、前記表示部および操作部にて前記設定情報内の設定事項を選択した後、該選択した設定情報および前記画像データを送信するように制御する制御部を備えた画像処理装置としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の画像処理装置が接続されたネットワーク構成を示す図であり、画像処理装置であるスキャナ1、ネットワーク2、サーバ等を含むパソコン3、画像形成装置であるプリンタ4,5よりなるものである。
【0009】
図2は、図1の画像処理装置1を示す構成ブロック図である。
I/F部11は、ネットワーク2を介して直接Eメール送受信も可能で、パソコン3、プリンタ4,5、あるいは他の外部機器との間でデータの送受信を行う。制御部12は、画像処理装置全体の動作制御を行い、例えば、ネットワーク2との通信制御、画像処理装置1内での画像制御、操作部16や表示部15の制御を行う。スキャン部13は、原稿等を読み取り画像データを作成する。表示部15および操作部16は、画像処理装置1で必要となる入力や表示を行う。
【0010】
データ変換部14は、スキャン部13にて読み取った画像データの変換処理を行う部分であり、本実施例ではOCRによりデータの送受信が高速に行えるPDFのテキスト情報への変換を行う。
【0011】
以下、図3のフローチャートを用いて、本発明の画像処理装置1を含む動作について説明する。
まず、操作部16にて印刷先である画像形成装置のIPアドレス、URLアドレスを入力することにより、画像データの出力装置を指定する(ステップ1)。この指定の際、複数の装置を指定することが可能であり、本実施例では、プリンタ4,5のIPアドレス、URLアドレスを入力する場合について説明する。また、指定する出力装置は、ネットワーク2を経由してデータ送受信が可能な外部装置であってもよく、本実施例のように、IPアドレス、URLアドレスにより出力装置を指定することで、ネットワーク2内のサーバを介さずにダイレクトに画像データを送信することで送信時間の短縮等を実現することができるが、サーバ経由で送信するようにしてもよい。
【0012】
スキャナ1は、指定されたプリンタ4,5に設定情報(インフォメーション)の取得のために、I/F部11にて設定情報取得指令送信を行う。プリンタ4,5は、設定情報取得指令を受信すると、各装置の設定情報データを送信する。I/F部11でプリンタ4,5からの設定情報を受信すると、表示部15にて表示する(ステップ2)。設定情報としては、一般的にPJLと呼ばれるもので、印刷部数、両面印刷要否、拡大縮小、フィニッシュ(排紙先、フェースアップ・フェースダウンの指定)、NUp(1枚の用紙に何画像データ分を掲載するかの指定)、紙サイズ等の情報である。
【0013】
そして、操作部16にてプリンタ4,5の各種の設定情報を選択し、読み取るページ数を指定する(ステップ3)。なお、本発明の「選択」には、予めリストアップされている各種別の複数の選択情報の中から1つをピックアップして選択する方法、および設定情報の各種項目に直接数値等を入力することにより選択する方法のいずれも対象としている。
【0014】
プリンタ4,5ともに完了すると(ステップ4のNO)、スキャン部13に載置された原稿のスキャンを開始して(ステップ5)画像データを生成し(ステップ6)、この画像データをデータ変換部14でテキストに変換してからテキスト系のPDFに変換する(ステップ7,8)。その後、プリンタ4,5にステップ3にて選択した設定情報と画像データとなるPDFを送信する(ステップ9)。
【0015】
本発明は、画像データを送信する前に、出力装置の設定情報を取得し、所望の条件を選択することを特徴とし、パソコンやサーバを介さずに、しかもスキャナ1に各画像形成装置のドライバーを記憶させずに設定情報を選択できるようになる。なお、本実施例のように複数の出力装置を指定する場合、ページ単位に出力装置を設定できるように、例えばカラープリンタに関する設定情報を表紙、モノクロプリンタに関する設定情報を2ページ目とすることで、各出力装置で自分の設定情報に関するデータを確実に処理することができるようになる。さらに、本実施例のように、画像データをPDFのテキスト情報に変換することにより、画像データ容量を小さくでき、印刷を高速に処理することが可能になる。
【0016】
また、画像データをパソコン3に送信する場合は、パソコン3を指定するためのIPアドレス、URLアドレスを入力して、表示部15でパソコン3のディスク状態を見て操作部16にてDirectoryを入力し、スキャン部13にて読み取った画像データをデータ変換部14にてテキスト形式のPDFを作成して、パソコン3のDirectoryにPDFファイルをコピーすればよい。これにより、パソコン3上でも簡単に画像データを確認できる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像処理装置によれば、画像データをI/F部から外部装置に送信する時に、I/F部にて外部装置から設定情報を受信し、表示部および操作部にて設定情報内の設定事項を選択した後、選択した設定情報および前記画像データを送信することにより、画像処理装置より指定した任意の画像形成装置に所望の設定条件にて印刷指令ができるようになる。さらに、送信時に初めて外部機器から設定情報を受信することで、画像処理装置が予め接続される外部機器の設定情報を記憶しておく必要がなくなるために、画像処理装置内のRAM等の記憶手段の必須記憶容量を減らすことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置を有するネットワーク構成を示す図である。
【図2】本発明の画像処理装置を示す構成ブロック図である。
【図3】本発明の画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:スキャナ
2:ネットワーク
3:パソコン
4,5:プリンタ
11:I/F部
12:制御部
13:スキャン部
14:データ変換分
15:表示部
16:操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の読み取りを行うスキャン部、該スキャン部にて読み取った画像データの送信および外部機器からのデータ受信を行うI/F部、装置への指令を行う操作部、および該操作部による指令あるいは前記I/F部からの受信情報を表示する表示部、を備えてなる画像処理装置において、
前記画像データを前記I/F部から外部装置に送信する時に、I/F部にて前記外部装置から設定情報を受信し、前記表示部および操作部にて前記設定情報内の設定事項を選択した後、該選択した設定情報および前記画像データを送信するように制御する制御部を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像データの変換処理を行うデータ変換部を備え、該データ変換部にて変換処理した画像データを外部装置に送信することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2004−104183(P2004−104183A)
【公開日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−259385(P2002−259385)
【出願日】平成14年9月4日(2002.9.4)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】