画像処理装置
【構成】 ビデオエンコーダ26は、イメージセンサ12で撮影された画像を縮小し、縮小された画像(有効画像)と単一色の無効画像とを有するレターボックス画像を作成する。作成されたレターボックス画像は、ビデオ出力端子Tからワイドテレビ50に出力される。ここでワイドテレビ50は、無効画像が黒色を有するときに有効画像を拡大倍率で表示するテレビである。CPU18は、色変更操作を受け付けたとき、ビデオエンコーダ26の設定を変えることで、レターボックス画像を形成する無効画像の色を変更する。
【効果】 色変更操作の有無によって、外部モニタに表示される有効画像の倍率が変化する。換言すれば、画像処理装置に向けた操作によって、外部モニタの動作が制御される。この結果、撮影された画像を外部モニタを用いて快適に鑑賞することができる。
【効果】 色変更操作の有無によって、外部モニタに表示される有効画像の倍率が変化する。換言すれば、画像処理装置に向けた操作によって、外部モニタの動作が制御される。この結果、撮影された画像を外部モニタを用いて快適に鑑賞することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置に関し、特にたとえばディジタルカメラに適用され、撮影された画像を外部モニタに向けて出力する、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、従来のディジタルハイビジョンカメラで撮影された動画像(以下“ハイビジョン画像”)は、たとえば1280*720などのように、通常16:9のアスペクト比を有する。従来のディジタルスチルカメラで撮影された静止画像(以下“スチル画像”)は、たとえば1280*960,2560*1920などのように、通常4:3のアスペクト比を有する。
【0003】
従来のモニタは一般に、解像度が640*480のビデオ信号を入力するためのビデオ入力端子を有する。従来の画像処理装置は、スチル画像またはハイビジョン画像に基づいて、ビデオ入力端子に適合するビデオ信号を生成する。具体的には、たとえば1280*960の原画像を640*480に縮小し、縮小された画像をビデオ信号に変換する。または、1280*720のハイビジョン記録画像を640*360に縮小し、縮小された画像(有効画像)とこの上下に結合される640*120相当の黒画像(無効画像)とを有する複合画像(いわゆるレターボックス画像)を作成し、そして作成された複合画像をビデオ信号に変換する。
【0004】
従来この種の複合画像を作成する技術は、特許文献1に開示されている。なお、この従来技術は、モニタに表示された複合画像をフェードアウトするとき、無効画像に対応する期間とこれ以外の期間とで値が異なるような垂直切り換え制御信号を生成し、生成された垂直切り換え制御信号に基づいて無効画像の色を切り換えることで、フェードアウトに伴って現れる背景の色と無効画像の色とを互いに異ならせるようにしている。
【特許文献1】特開平11−75214号公報〔H04N 9/74,5/262,5/46,9/64〕
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アスペクト比16:9のワイド画面を有するワイドモニタは一般に、複合画像が入力されたとき表示倍率を切り換える表示倍率自動切換え機能を有する。具体的には、入力画像の上下端近傍つまり無効画像に対応する部分が黒色であれば有効画像を拡大倍率で表示し、そうでなければ入力画像の全部を等倍で表示する。
【0006】
一方、最近、ハイビジョン記録とスチル記録とを共に行えるようなディジタルカメラが検討されている。かかるディジタルカメラに従来の画像処理装置を適用したとすると、ワイドモニタを用いて画像を鑑賞する際、表示倍率が頻繁に変更され、これによって不快感を覚える場合がある。倍率変更は、表示画像がハイビジョン画像からスチル画像に切り替わるとき、あるいはスチル画像からハイビジョン画像に切り替わるときに起こる。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、撮影された画像を外部モニタを用いて快適に鑑賞できる、画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明に従う画像処理装置は、第1有効画像と単一色の無効画像とを有する複合画像を作成する作成手段(26)、作成手段によって作成された複合画像を無効画像が所定色を有するときに第1有効画像を拡大倍率で表示する外部モニタ(50)に向けて出力する出力手段(SW)、および色変更操作を受け付けたとき作成手段によって作成される複合画像を形成する無効画像の色を所定色と異なる色に変更する変更手段(S51,S53,S55,S59,S83)を備える。
【0009】
作成手段は、有効画像と単一色の無効画像とを有する複合画像を作成する。作成手段によって作成された複合画像は、出力手段によって外部モニタに向けて出力される。ここで、外部モニタは、無効画像が所定色を有するときに有効画像を拡大倍率で表示するモニタである。変更手段は、色変更操作を受け付けたとき、作成手段によって作成される複合画像を形成する無効画像の色を所定色と異なる色に変更する。
【0010】
つまり、色変更操作の有無によって、外部モニタに表示される有効画像の倍率が変化する。換言すれば、画像処理装置に向けた操作によって、外部モニタの動作が制御される。この結果、画像を外部モニタを用いて快適に鑑賞することができる。
【0011】
請求項2の発明に従う画像処理装置は、請求項1に従属し、色変更操作は色指定操作を含み、変更手段は色指定操作によって指定された色に変更する。
【0012】
無効画像が所定色とは異なる色を有していれば、外部モニタは複合画像つまり有効画像および無効画像の両方を等倍で表示する。請求項2の発明によれば、色指定操作を通して好みの色を指定することで、無効画像が表示されたことによる不快感を軽減できる。
【0013】
請求項3の発明に従う画像処理装置は、請求項1または2に従属し、第1有効画像は第1アスペクト比に従い、複合画像は第1アスペクト比とは異なる第2アスペクト比に従う。
【0014】
請求項4の発明に従う画像処理装置は、請求項3に従属し、出力手段は第2アスペクト比に従う第2有効画像をさらに出力し、外部モニタは第2有効画像を等倍で表示する。
【0015】
第1アスペクト比に従う第1有効画像を表示するとき、出力手段は第2アスペクト比に従う複合画像を出力し、外部モニタは、複合画像を形成する無効画像が所定色を有していれば複合画像を形成する第1有効画像を拡大倍率で表示し、複合画像を形成する無効画像が所定色とは異なる色を有していれば複合画像を等倍で表示する。第2アスペクト比に従う第2有効画像を表示するとき、出力手段は第2有効画像を出力し、外部モニタは第2有効画像を等倍で表示する。
【0016】
つまり、色変更操作によって、複合画像を第2有効画像と同様、外部モニタに等倍で表示させることができる。
【0017】
請求項5の発明に従う画像処理装置は、請求項4に従属し、出力手段によって出力すべき画像を複合画像と第2有効画像との間で切り換える切り換え手段(S89)をさらに備える。
【0018】
切り換え手段は、出力手段によって出力すべき画像を、複合画像と第2有効画像との間で切り換える。これにより、外部モニタの表示倍率の変化が抑制される。
【0019】
請求項6の発明に従う画像処理装置は、請求項1ないし5のいずれかに従属し、被写界を撮影する撮影手段(12)をさらに備え、第1有効画像および第2有効画像の各々は撮影手段によって撮影された被写界像である。
【0020】
請求項7の発明に従う画像処理装置は、請求項6に従属し、第1有効画像は動画像であり、第2有効画像は静止画像である。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、撮影された画像を外部モニタを用いて快適に鑑賞することができる。
【0022】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、イメージセンサ12を含む。被写界の光学像は、イメージセンサ12の受光面つまり撮像面に照射され、撮像面では、光電変換によって被写体の光学像に対応する電荷つまり生画像信号が生成される。
【0024】
被写体のリアルタイム動画像つまりスルー画像をLCDモニタ38に表示するとき、CPU18は、プリ露光および間引き読み出しの繰り返しをイメージセンサ12に命令する。イメージセンサ12は、プリ露光とこれによって生成された生画像信号の間引き読み出しとを繰り返し実行する。イメージセンサ12からは、被写体の光学像に対応する低解像度の生画像信号が出力される。
【0025】
出力された生画像信号は、信号処理回路14によってA/D変換,色分離,YUV変換などの処理を施され、YUV形式の画像データに変換される。変換された画像データはSDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。ビデオエンコーダ26は、読み出された画像データをNTSCフォーマットに従うコンポジットビデオ信号に変換し、変換されたコンポジットビデオ信号を加算器30およびスイッチSWを介してLCDモニタ38に与える。この結果、被写体のスルー画像がモニタ画面に表示される。
【0026】
操作キー22によって静止画撮影操作が行われると、システムコントローラ20がこれを受け付け、対応する信号をCPU18に入力する。この信号に応答して、CPU18は、静止画用の本露光とこの本露光によって生成された全ての電荷の読み出しとをイメージセンサ12に命令する。イメージセンサ12は、静止画用の本露光とこれによって生成された全ての電荷つまり最高解像度(ここでは2560*1920)の生画像信号を出力する。出力された生画像信号は、信号処理回路14によってA/D変換,色分離,YUV変換などの処理を施され、YUV形式の画像データに変換される。変換された画像データはSDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。読み出された画像データは、JPEGコーデック32に与えられ、JPEG圧縮を施される。JPEG圧縮を施された画像データは、SDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。CPU18は、読み出された圧縮画像データをJPEGファイル形式で記録媒体36に記録する。
【0027】
操作キー22によって動画撮影操作が行われると、CPU18は、動画用の本露光および間引き読み出しの繰り返しをイメージセンサ12に命令する。イメージセンサ12は、動画用の露光とこれによって生成された生画像信号の間引き読み出しとを繰り返し実行する。イメージセンサ12からは、被写体の光学像に対応するHD解像度(たとえば1280*720)の生画像信号が出力される。出力された生画像信号は、信号処理回路14によってA/D変換,色分離,YUV変換などの処理を施され、YUV形式の画像データに変換される。変換された画像データはSDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。読み出された画像データは、MPEGコーデック34に与えられ、MPEG圧縮を施される。MPEG圧縮を施された画像データは、SDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。CPU18は、読み出された圧縮画像データをMPEGファイル形式で記録媒体36に記録する。
【0028】
こうして記録された静止画像や動画像は、LCDモニタ38のほか、外部モニタたとえばワイドテレビ50や図示しないHDTVモニタで鑑賞することができる。すなわちディジタルカメラ10は、ビデオ出力端子TとD端子(図示せず)とを有する。ビデオ出力端子Tに外部モニタ50が接続されると、スイッチSWはビデオ出力端子Tに接続される。この状態で再生処理は、以下のように行われる。
【0029】
再生操作キー22によって再生操作が行われると、記録媒体36から圧縮画像データが読み出される。読み出された圧縮画像データは、そのデータ形式に応じてJPEGコーデック32またはMPEGコーデック34に与えられ、JPEG伸長またはMPEG伸長を施される。JPEG伸長またはMPEG伸長を施された画像データは、SDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。
【0030】
読み出された画像データは、ビデオエンコーダ26に与えられ、アスペクト比を保ったままSDレベル(横方向640画素)まで縮小される。すなわち、読み出された画像データ(原画像)が図3に示す2560*1920の静止画像データであれば、図4に示すような640*480の縮小静止画像データが生成される。
【0031】
原画像が図6に示す1280*720の動画像データであれば、図7に示すような640*360の縮小動画像データが生成される。この後、ビデオエンコーダ26は、生成された縮小動画像データに対して、上下各々に640*60の帯画像を結合する。結合される帯画像は、デフォルトでは黒色を有する。
【0032】
次のような設定操作を行えば、帯画像の色を変更することができる。すなわち、操作キー22によって設定開始操作が受け付けられると、スイッチSWはLCDモニタ38と接続され、OSD回路28はキャラクタ画像を生成する。生成されたキャラクタ画像は、加算器30およびスイッチSWを介してLCDモニタ38に与えられ、これによりLCDモニタ38にメニュー画面が(図示せず)が表示される。ここで“帯色設定”が選択されると、図2に示すような帯色設定画面が表示される。この画面上で“色帯”が選択され、次に所望の色たとえば“灰”が選択され、そして完了操作が受け付けられると、“色帯”および“灰”を示す設定情報がフラッシュメモリ16内に保持される。この場合、縮小動画像データには、図8(B)に示すように灰色の色帯が結合される。
【0033】
こうして、図8(A)に示すような黒帯を有するレターボックス動画像データ、あるいは図8(B)に示すような色帯を有するレターボックス動画像データが形成される。
【0034】
生成された縮小静止画像データ、または形成されたレターボックス動画像データは、SDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。読み出された画像データはビデオエンコーダ26に与えられる。ビデオエンコーダ26は、与えられた画像データつまり図4に示す縮小静止画像データ,図8(A)に示す黒帯レターボックス動画像データ,または図8(B)に示す色帯レターボックス動画像データをコンポジットビデオ信号に変換する。変換されたコンポジットビデオ信号は、加算器30およびスイッチSWを介してビデオ出力端子Tからワイドテレビ50に向けて出力される。
【0035】
ワイドテレビ50は、表示倍率の自動切換え機能を有しており、現在、かかる機能がオンされているものとする。ワイドテレビ50に何の信号も入力されていない状態では、画面は図5(A)のような黒画面となる。このとき図4の静止画像に対応する信号が入力されると、画面は図5(B)のように変化する。図5(B)の画面には、図4画像が等倍表示されている。
【0036】
同じく図9(A)のように黒画面が表示された状態で、図8(A)の黒帯レターボックス動画像に対応する信号が入力されると、画面は図9(B)を経て図9(C)のように変化する。すなわち、まず等倍画像が表示され、次に拡大画像が表示される。
【0037】
同じく図10(A)のように黒画面が表示された状態で、図8(B)の色帯レターボックス動画像に対応する信号が入力されると、画面は図10(B)のように変化する。すなわち、直ちに等倍画像が表示される。
【0038】
また、図11(A)に示すように、図8(A)動画像に基づく拡大画像が表示された状態で、図4静止画像に対応する信号が入力されると、画面は図11(B)を経て図11(C)のように変化する。すなわち、まず拡大画像が表示され、次に等倍画像が表示される。
【0039】
一方、図12(A)に示すように、図8(B)動画像に基づく等倍画像が表示された状態で、図4静止画像に対応する信号が入力されると、画面は図12(B)のように変化する。すなわち、直ちに等倍画像が表示される。
【0040】
このように、ディジタルカメラ10が色帯レターボックス動画像を生成することで、ワイドテレビ50の表示倍率切り換え動作が抑制される。
【0041】
CPU18は、μITRONなどのマルチタスクOSの制御下で、図13,図15および図16に示すメインタスクと、図14に示す撮影タスクとを並列的に実行する。なお、これらのフロー図に対応するプログラムは、フラッシュメモリ16に記憶されている。
【0042】
図13を参照して、まずステップS1で撮影タスクを起動し、次いでステップS3〜S7のループに入る。ステップS3では設定開始操作の有無を判別し、ステップS5では再生開始操作の有無を判別し、ステップS7では電源オフ操作の有無を判別する。
【0043】
設定開始操作が行われると、ステップS3でYESと判別し、ステップS9に移って撮影タスクを終了する。そしてステップS11で設定処理(後述)を実行し、その後ステップS1に戻る。
【0044】
再生開始操作が行われると、ステップS5でYESと判別し、ステップS13に移って撮影タスクを終了する。そしてステップS15で再生処理(後述)を実行し、その後ステップS1に戻る。
【0045】
電源オフ操作が行われると、ステップS7でYESと判別し、ステップS17に移って撮影タスクを終了する。その後、このメインタスクを終了する。
【0046】
図14を参照して、まずステップS31でスルー撮影命令を発行し、その後ステップS33に移って撮影操作の有無を判別する。撮影操作が行われると、ステップS33でYESと判別し、ステップS35に移る。ステップS35では、現在選択されている撮影モードが動画モードであるか否かを判別する。ここでYESであれば、ステップS37で動画撮影命令を発行し、その後ステップS41に移る。同じくNOであれば、ステップS39で静止画撮影命令を発行し、その後ステップS41に移る。
【0047】
ステップS41では、記録処理を実行する。記録処理には、JPEGコーデック32またはMPEGコーデック34への圧縮命令の発行,圧縮データの記録媒体36への記録などの処理が含まれる。記録処理が完了すると、ステップS31に戻る。
【0048】
図15を参照して、ステップS51では、設定項目として“帯色設定”が選択されたか否かを判別する。ここでYESであれば、ステップS53でLCDモニタ38に帯色設定画面(図2参照)を表示する。その後、ステップS55およびS57のループに入る。ステップS55では設定操作の受け付けが完了したか否かを判別し、ステップS57ではキャンセル操作の有無を判別する。
【0049】
帯色設定画面に向けた操作キー22の操作によって、黒帯および色帯のどちらか一方が選択され、ここで色帯が選択されれば色の指定がさらに行われる。かかる設定操作の後に確定操作が行われると、ステップS55でYESと判別し、ステップS59に移って設定結果をフラッシュメモリ16に保持する。その後、上位層のルーチンに復帰する。キャンセル操作が行われれば、ステップS57でYESと判別し、上位層のルーチンに復帰する。
【0050】
図16を参照して、記録媒体36内の原画像には識別番号1,2,…が付されており,まずステップS71で変数Nに“1”をセットする。続くステップS73では、変数Nに対応する原画像が動画像であるか否かを判別する。ここでNOであればステップS75で、生成すべき縮小画像の解像度として“640*480”をビデオエンコーダ26に設定し、その後ステップS85に進む。ステップS73でYESであればステップS77に移り、同じく“640*360”をビデオエンコーダ26に設定する。続くステップS79では、現在選択されている帯色が“黒”であるか否かを判別し、ここでYESであればステップS81に移って、縮小画像に付加すべき帯画像の色として“黒”をビデオエンコーダ26に設定する。その後、ステップS85に移る。
【0051】
ステップS79でNOであれば、同じく“指定色”たとえば“灰色”をビデオエンコーダ26に設定し、その後ステップS85に移る。ステップS85では、再生開始命令を発行する。
【0052】
発行された再生命令に応答して、JPEGコーデック32が記録媒体36から静止画像データ(図3参照)を読み出し、読み出されたデータにJPEG伸長を施し、そしてJPEG伸長が施されたデータをSDRAM24に書き込む。または、MPEGコーデック34が記録媒体36から動画像データ(図6参照)を読み出し、読み出されたデータにMPEG伸長を施し、そしてMPEG伸長が施されたデータをSDRAM24に書き込む。
【0053】
ビデオエンコーダ26は、SDRAM24に書き込まれた伸長画像データをCPU18の設定(S75,S77)に従って640*480または640*360に縮小し、640*360に縮小された画像データにはCPU18の設定(S81,S83)に従って黒帯データまたは色帯データを結合する。こうしてSDRAM24内には、図4に示す縮小静止画像、あるいは図8(A),図8(B)に示すレターボックス動画像データが生成される。
【0054】
この後、ビデオエンコーダ26は、SDRAM24から縮小静止画像データまたはレターボックス動画像データを読み出し、読み出された画像データをコンポジットビデオ信号に変換する。変換されたコンポジットビデオ信号は、ビデオ出力端子Tからワイドテレビ50に向けて出力される。
【0055】
再生開始命令の発行後、CPU18の処理はステップS87およびS89のループに入る。ステップS87では停止操作の有無を判別し、ステップS89では更新操作の有無を判別する。操作キー22を介して停止操作が行われると、ステップS87でYESと判別し、ステップS91に移って再生停止命令を発行する。これによって、実行中の再生処理は停止される。この後、上位層のルーチンに復帰する。
【0056】
操作キー22を介して更新操作が行われると、ステップS89でYESと判別し、ステップS93に移って変数Nをインクリメントする。この後、ステップS73に戻る。
【0057】
以上から明らかなように、この実施例のディジタルカメラ10では、ビデオエンコーダ26は、イメージセンサ12で撮影された画像を縮小し、縮小された画像(有効画像)と単一色の無効画像とを有するレターボックス画像(図8(A),図8(B)参照)を作成する。作成されたレターボックス画像は、ビデオ出力端子Tからワイドテレビ50に向けて出力される。ここでワイドテレビ50は、無効画像が黒色を有するときに有効画像を拡大倍率で表示するテレビである。CPU18は、帯色設定画面(図2参照)を通して色変更操作を受け付けたとき(S53,S59)、ビデオエンコーダ26の設定を変える(S79,S83)ことで、レターボックス画像を形成する無効画像の色を変更する。
【0058】
このように、色変更操作の有無によって、ワイドテレビ50に表示される有効画像の倍率が変化する。換言すれば、ディジタルカメラ10に向けた操作によって、ワイドテレビ50の動作が制御される。この結果、撮影された画像をワイドテレビ50を用いて快適に鑑賞することができる。
【0059】
また、上記の色変更操作には色指定操作が含まれており、CPU18は、SDRAM24に書き込まれる無効画像の色を、色指定操によって指定された色に変更する。
【0060】
無効画像が黒色とは異なる色を有していれば、ワイドテレビ50は、レターボックス画像を形成する有効画像および無効画像の両方を等倍で表示する。色指定操作を通して好みの色を指定することで、無効画像が表示されたことによる不快感を軽減できる。
【0061】
なお、この実施例では、色変更は無効画像の全部に及んだが、無効画像のうち表示倍率切り換えの際に参照される部分の色を少なくとも変更すればよい。たとえば表示倍率切り換えが画面の下端中央にある特定領域を参照して行われる場合、図17に示すように無効画像の下側半分を変更してもよく、あるいは図18に示すように下側半分の中央部分だけを変更してもよい。
【0062】
また、この実施例では、色指定操作は灰、青など単一色を対象としたが、複数の色の組み合わせを指定してもよい。つまり無効画像は無地とは限らず、所定の模様,キャラクタなどを含んでいてもよい。
【0063】
また、この実施例では、帯色の変更は、再生開始前に行ったが、再生中に行うようにしてもよい。
【0064】
以上ではディジタルカメラ10を用いて説明したが、この発明は、たとえばパソコン,画像記録/再生装置など、画像を外部モニタに向けて出力する、あらゆる画像処理装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1実施例に適用される設定画面の一例を示す図解図である。
【図3】図1実施例に適用される原画像の一例を示す図解図である。
【図4】図3原画像に基づく縮小画像を示す図解図である。
【図5】(A)および(B)は図4縮小画像に応じたテレビ画面の変化を示す図解図である。
【図6】図1実施例に適用される原画像の他の一例を示す図解図である。
【図7】図7原画像に基づく縮小画像を示す図解図である。
【図8】(A)は図7縮小画像に基づくレターボックス画像の一例を示す図解図であり、(B)は図7縮小画像に基づくレターボックス画像の他の一例を示す図解図である。
【図9】(A),(B)および(C)は図8(A)レターボックス画像に応じたテレビ画面の変化を示す図解図である。
【図10】(A)および(B)は図8(B)レターボックス画像に応じたテレビ画面の変化を示す図解図である。
【図11】(A),(B)および(C)は図8(A)レターボックス画像から図4縮小画像への変化に応じたテレビ画面の変化を示す図解図である。
【図12】(A)および(B)は図8(B)レターボックス画像から図4縮小画像への変化に応じたテレビ画面の変化を示す図解図である。
【図13】図1実施例に適用されるCPU動作の一部を示す図解図である。
【図14】図1実施例に適用されるCPU動作の他の一部を示す図解図である。
【図15】図1実施例に適用されるCPU動作のその他の一部を示す図解図である。
【図16】図1実施例に適用されるCPU動作のさらにその他の一部を示す図解図である。
【図17】図7縮小画像に基づくレターボックス画像のその他の一例を示す図解図である。
【図18】図7縮小画像に基づくレターボックス画像のさらにその他の一例を示す図解図である。
【符号の説明】
【0066】
10…ディジタルカメラ
12…イメージセンサ
18…CPU
24…SDRAM
26…ビデオエンコーダ
28…OSD回路
36…記録媒体
50…ワイドテレビ
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置に関し、特にたとえばディジタルカメラに適用され、撮影された画像を外部モニタに向けて出力する、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、従来のディジタルハイビジョンカメラで撮影された動画像(以下“ハイビジョン画像”)は、たとえば1280*720などのように、通常16:9のアスペクト比を有する。従来のディジタルスチルカメラで撮影された静止画像(以下“スチル画像”)は、たとえば1280*960,2560*1920などのように、通常4:3のアスペクト比を有する。
【0003】
従来のモニタは一般に、解像度が640*480のビデオ信号を入力するためのビデオ入力端子を有する。従来の画像処理装置は、スチル画像またはハイビジョン画像に基づいて、ビデオ入力端子に適合するビデオ信号を生成する。具体的には、たとえば1280*960の原画像を640*480に縮小し、縮小された画像をビデオ信号に変換する。または、1280*720のハイビジョン記録画像を640*360に縮小し、縮小された画像(有効画像)とこの上下に結合される640*120相当の黒画像(無効画像)とを有する複合画像(いわゆるレターボックス画像)を作成し、そして作成された複合画像をビデオ信号に変換する。
【0004】
従来この種の複合画像を作成する技術は、特許文献1に開示されている。なお、この従来技術は、モニタに表示された複合画像をフェードアウトするとき、無効画像に対応する期間とこれ以外の期間とで値が異なるような垂直切り換え制御信号を生成し、生成された垂直切り換え制御信号に基づいて無効画像の色を切り換えることで、フェードアウトに伴って現れる背景の色と無効画像の色とを互いに異ならせるようにしている。
【特許文献1】特開平11−75214号公報〔H04N 9/74,5/262,5/46,9/64〕
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アスペクト比16:9のワイド画面を有するワイドモニタは一般に、複合画像が入力されたとき表示倍率を切り換える表示倍率自動切換え機能を有する。具体的には、入力画像の上下端近傍つまり無効画像に対応する部分が黒色であれば有効画像を拡大倍率で表示し、そうでなければ入力画像の全部を等倍で表示する。
【0006】
一方、最近、ハイビジョン記録とスチル記録とを共に行えるようなディジタルカメラが検討されている。かかるディジタルカメラに従来の画像処理装置を適用したとすると、ワイドモニタを用いて画像を鑑賞する際、表示倍率が頻繁に変更され、これによって不快感を覚える場合がある。倍率変更は、表示画像がハイビジョン画像からスチル画像に切り替わるとき、あるいはスチル画像からハイビジョン画像に切り替わるときに起こる。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、撮影された画像を外部モニタを用いて快適に鑑賞できる、画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明に従う画像処理装置は、第1有効画像と単一色の無効画像とを有する複合画像を作成する作成手段(26)、作成手段によって作成された複合画像を無効画像が所定色を有するときに第1有効画像を拡大倍率で表示する外部モニタ(50)に向けて出力する出力手段(SW)、および色変更操作を受け付けたとき作成手段によって作成される複合画像を形成する無効画像の色を所定色と異なる色に変更する変更手段(S51,S53,S55,S59,S83)を備える。
【0009】
作成手段は、有効画像と単一色の無効画像とを有する複合画像を作成する。作成手段によって作成された複合画像は、出力手段によって外部モニタに向けて出力される。ここで、外部モニタは、無効画像が所定色を有するときに有効画像を拡大倍率で表示するモニタである。変更手段は、色変更操作を受け付けたとき、作成手段によって作成される複合画像を形成する無効画像の色を所定色と異なる色に変更する。
【0010】
つまり、色変更操作の有無によって、外部モニタに表示される有効画像の倍率が変化する。換言すれば、画像処理装置に向けた操作によって、外部モニタの動作が制御される。この結果、画像を外部モニタを用いて快適に鑑賞することができる。
【0011】
請求項2の発明に従う画像処理装置は、請求項1に従属し、色変更操作は色指定操作を含み、変更手段は色指定操作によって指定された色に変更する。
【0012】
無効画像が所定色とは異なる色を有していれば、外部モニタは複合画像つまり有効画像および無効画像の両方を等倍で表示する。請求項2の発明によれば、色指定操作を通して好みの色を指定することで、無効画像が表示されたことによる不快感を軽減できる。
【0013】
請求項3の発明に従う画像処理装置は、請求項1または2に従属し、第1有効画像は第1アスペクト比に従い、複合画像は第1アスペクト比とは異なる第2アスペクト比に従う。
【0014】
請求項4の発明に従う画像処理装置は、請求項3に従属し、出力手段は第2アスペクト比に従う第2有効画像をさらに出力し、外部モニタは第2有効画像を等倍で表示する。
【0015】
第1アスペクト比に従う第1有効画像を表示するとき、出力手段は第2アスペクト比に従う複合画像を出力し、外部モニタは、複合画像を形成する無効画像が所定色を有していれば複合画像を形成する第1有効画像を拡大倍率で表示し、複合画像を形成する無効画像が所定色とは異なる色を有していれば複合画像を等倍で表示する。第2アスペクト比に従う第2有効画像を表示するとき、出力手段は第2有効画像を出力し、外部モニタは第2有効画像を等倍で表示する。
【0016】
つまり、色変更操作によって、複合画像を第2有効画像と同様、外部モニタに等倍で表示させることができる。
【0017】
請求項5の発明に従う画像処理装置は、請求項4に従属し、出力手段によって出力すべき画像を複合画像と第2有効画像との間で切り換える切り換え手段(S89)をさらに備える。
【0018】
切り換え手段は、出力手段によって出力すべき画像を、複合画像と第2有効画像との間で切り換える。これにより、外部モニタの表示倍率の変化が抑制される。
【0019】
請求項6の発明に従う画像処理装置は、請求項1ないし5のいずれかに従属し、被写界を撮影する撮影手段(12)をさらに備え、第1有効画像および第2有効画像の各々は撮影手段によって撮影された被写界像である。
【0020】
請求項7の発明に従う画像処理装置は、請求項6に従属し、第1有効画像は動画像であり、第2有効画像は静止画像である。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、撮影された画像を外部モニタを用いて快適に鑑賞することができる。
【0022】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、イメージセンサ12を含む。被写界の光学像は、イメージセンサ12の受光面つまり撮像面に照射され、撮像面では、光電変換によって被写体の光学像に対応する電荷つまり生画像信号が生成される。
【0024】
被写体のリアルタイム動画像つまりスルー画像をLCDモニタ38に表示するとき、CPU18は、プリ露光および間引き読み出しの繰り返しをイメージセンサ12に命令する。イメージセンサ12は、プリ露光とこれによって生成された生画像信号の間引き読み出しとを繰り返し実行する。イメージセンサ12からは、被写体の光学像に対応する低解像度の生画像信号が出力される。
【0025】
出力された生画像信号は、信号処理回路14によってA/D変換,色分離,YUV変換などの処理を施され、YUV形式の画像データに変換される。変換された画像データはSDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。ビデオエンコーダ26は、読み出された画像データをNTSCフォーマットに従うコンポジットビデオ信号に変換し、変換されたコンポジットビデオ信号を加算器30およびスイッチSWを介してLCDモニタ38に与える。この結果、被写体のスルー画像がモニタ画面に表示される。
【0026】
操作キー22によって静止画撮影操作が行われると、システムコントローラ20がこれを受け付け、対応する信号をCPU18に入力する。この信号に応答して、CPU18は、静止画用の本露光とこの本露光によって生成された全ての電荷の読み出しとをイメージセンサ12に命令する。イメージセンサ12は、静止画用の本露光とこれによって生成された全ての電荷つまり最高解像度(ここでは2560*1920)の生画像信号を出力する。出力された生画像信号は、信号処理回路14によってA/D変換,色分離,YUV変換などの処理を施され、YUV形式の画像データに変換される。変換された画像データはSDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。読み出された画像データは、JPEGコーデック32に与えられ、JPEG圧縮を施される。JPEG圧縮を施された画像データは、SDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。CPU18は、読み出された圧縮画像データをJPEGファイル形式で記録媒体36に記録する。
【0027】
操作キー22によって動画撮影操作が行われると、CPU18は、動画用の本露光および間引き読み出しの繰り返しをイメージセンサ12に命令する。イメージセンサ12は、動画用の露光とこれによって生成された生画像信号の間引き読み出しとを繰り返し実行する。イメージセンサ12からは、被写体の光学像に対応するHD解像度(たとえば1280*720)の生画像信号が出力される。出力された生画像信号は、信号処理回路14によってA/D変換,色分離,YUV変換などの処理を施され、YUV形式の画像データに変換される。変換された画像データはSDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。読み出された画像データは、MPEGコーデック34に与えられ、MPEG圧縮を施される。MPEG圧縮を施された画像データは、SDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。CPU18は、読み出された圧縮画像データをMPEGファイル形式で記録媒体36に記録する。
【0028】
こうして記録された静止画像や動画像は、LCDモニタ38のほか、外部モニタたとえばワイドテレビ50や図示しないHDTVモニタで鑑賞することができる。すなわちディジタルカメラ10は、ビデオ出力端子TとD端子(図示せず)とを有する。ビデオ出力端子Tに外部モニタ50が接続されると、スイッチSWはビデオ出力端子Tに接続される。この状態で再生処理は、以下のように行われる。
【0029】
再生操作キー22によって再生操作が行われると、記録媒体36から圧縮画像データが読み出される。読み出された圧縮画像データは、そのデータ形式に応じてJPEGコーデック32またはMPEGコーデック34に与えられ、JPEG伸長またはMPEG伸長を施される。JPEG伸長またはMPEG伸長を施された画像データは、SDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。
【0030】
読み出された画像データは、ビデオエンコーダ26に与えられ、アスペクト比を保ったままSDレベル(横方向640画素)まで縮小される。すなわち、読み出された画像データ(原画像)が図3に示す2560*1920の静止画像データであれば、図4に示すような640*480の縮小静止画像データが生成される。
【0031】
原画像が図6に示す1280*720の動画像データであれば、図7に示すような640*360の縮小動画像データが生成される。この後、ビデオエンコーダ26は、生成された縮小動画像データに対して、上下各々に640*60の帯画像を結合する。結合される帯画像は、デフォルトでは黒色を有する。
【0032】
次のような設定操作を行えば、帯画像の色を変更することができる。すなわち、操作キー22によって設定開始操作が受け付けられると、スイッチSWはLCDモニタ38と接続され、OSD回路28はキャラクタ画像を生成する。生成されたキャラクタ画像は、加算器30およびスイッチSWを介してLCDモニタ38に与えられ、これによりLCDモニタ38にメニュー画面が(図示せず)が表示される。ここで“帯色設定”が選択されると、図2に示すような帯色設定画面が表示される。この画面上で“色帯”が選択され、次に所望の色たとえば“灰”が選択され、そして完了操作が受け付けられると、“色帯”および“灰”を示す設定情報がフラッシュメモリ16内に保持される。この場合、縮小動画像データには、図8(B)に示すように灰色の色帯が結合される。
【0033】
こうして、図8(A)に示すような黒帯を有するレターボックス動画像データ、あるいは図8(B)に示すような色帯を有するレターボックス動画像データが形成される。
【0034】
生成された縮小静止画像データ、または形成されたレターボックス動画像データは、SDRAM24に書き込まれ、その後SDRAM24から読み出される。読み出された画像データはビデオエンコーダ26に与えられる。ビデオエンコーダ26は、与えられた画像データつまり図4に示す縮小静止画像データ,図8(A)に示す黒帯レターボックス動画像データ,または図8(B)に示す色帯レターボックス動画像データをコンポジットビデオ信号に変換する。変換されたコンポジットビデオ信号は、加算器30およびスイッチSWを介してビデオ出力端子Tからワイドテレビ50に向けて出力される。
【0035】
ワイドテレビ50は、表示倍率の自動切換え機能を有しており、現在、かかる機能がオンされているものとする。ワイドテレビ50に何の信号も入力されていない状態では、画面は図5(A)のような黒画面となる。このとき図4の静止画像に対応する信号が入力されると、画面は図5(B)のように変化する。図5(B)の画面には、図4画像が等倍表示されている。
【0036】
同じく図9(A)のように黒画面が表示された状態で、図8(A)の黒帯レターボックス動画像に対応する信号が入力されると、画面は図9(B)を経て図9(C)のように変化する。すなわち、まず等倍画像が表示され、次に拡大画像が表示される。
【0037】
同じく図10(A)のように黒画面が表示された状態で、図8(B)の色帯レターボックス動画像に対応する信号が入力されると、画面は図10(B)のように変化する。すなわち、直ちに等倍画像が表示される。
【0038】
また、図11(A)に示すように、図8(A)動画像に基づく拡大画像が表示された状態で、図4静止画像に対応する信号が入力されると、画面は図11(B)を経て図11(C)のように変化する。すなわち、まず拡大画像が表示され、次に等倍画像が表示される。
【0039】
一方、図12(A)に示すように、図8(B)動画像に基づく等倍画像が表示された状態で、図4静止画像に対応する信号が入力されると、画面は図12(B)のように変化する。すなわち、直ちに等倍画像が表示される。
【0040】
このように、ディジタルカメラ10が色帯レターボックス動画像を生成することで、ワイドテレビ50の表示倍率切り換え動作が抑制される。
【0041】
CPU18は、μITRONなどのマルチタスクOSの制御下で、図13,図15および図16に示すメインタスクと、図14に示す撮影タスクとを並列的に実行する。なお、これらのフロー図に対応するプログラムは、フラッシュメモリ16に記憶されている。
【0042】
図13を参照して、まずステップS1で撮影タスクを起動し、次いでステップS3〜S7のループに入る。ステップS3では設定開始操作の有無を判別し、ステップS5では再生開始操作の有無を判別し、ステップS7では電源オフ操作の有無を判別する。
【0043】
設定開始操作が行われると、ステップS3でYESと判別し、ステップS9に移って撮影タスクを終了する。そしてステップS11で設定処理(後述)を実行し、その後ステップS1に戻る。
【0044】
再生開始操作が行われると、ステップS5でYESと判別し、ステップS13に移って撮影タスクを終了する。そしてステップS15で再生処理(後述)を実行し、その後ステップS1に戻る。
【0045】
電源オフ操作が行われると、ステップS7でYESと判別し、ステップS17に移って撮影タスクを終了する。その後、このメインタスクを終了する。
【0046】
図14を参照して、まずステップS31でスルー撮影命令を発行し、その後ステップS33に移って撮影操作の有無を判別する。撮影操作が行われると、ステップS33でYESと判別し、ステップS35に移る。ステップS35では、現在選択されている撮影モードが動画モードであるか否かを判別する。ここでYESであれば、ステップS37で動画撮影命令を発行し、その後ステップS41に移る。同じくNOであれば、ステップS39で静止画撮影命令を発行し、その後ステップS41に移る。
【0047】
ステップS41では、記録処理を実行する。記録処理には、JPEGコーデック32またはMPEGコーデック34への圧縮命令の発行,圧縮データの記録媒体36への記録などの処理が含まれる。記録処理が完了すると、ステップS31に戻る。
【0048】
図15を参照して、ステップS51では、設定項目として“帯色設定”が選択されたか否かを判別する。ここでYESであれば、ステップS53でLCDモニタ38に帯色設定画面(図2参照)を表示する。その後、ステップS55およびS57のループに入る。ステップS55では設定操作の受け付けが完了したか否かを判別し、ステップS57ではキャンセル操作の有無を判別する。
【0049】
帯色設定画面に向けた操作キー22の操作によって、黒帯および色帯のどちらか一方が選択され、ここで色帯が選択されれば色の指定がさらに行われる。かかる設定操作の後に確定操作が行われると、ステップS55でYESと判別し、ステップS59に移って設定結果をフラッシュメモリ16に保持する。その後、上位層のルーチンに復帰する。キャンセル操作が行われれば、ステップS57でYESと判別し、上位層のルーチンに復帰する。
【0050】
図16を参照して、記録媒体36内の原画像には識別番号1,2,…が付されており,まずステップS71で変数Nに“1”をセットする。続くステップS73では、変数Nに対応する原画像が動画像であるか否かを判別する。ここでNOであればステップS75で、生成すべき縮小画像の解像度として“640*480”をビデオエンコーダ26に設定し、その後ステップS85に進む。ステップS73でYESであればステップS77に移り、同じく“640*360”をビデオエンコーダ26に設定する。続くステップS79では、現在選択されている帯色が“黒”であるか否かを判別し、ここでYESであればステップS81に移って、縮小画像に付加すべき帯画像の色として“黒”をビデオエンコーダ26に設定する。その後、ステップS85に移る。
【0051】
ステップS79でNOであれば、同じく“指定色”たとえば“灰色”をビデオエンコーダ26に設定し、その後ステップS85に移る。ステップS85では、再生開始命令を発行する。
【0052】
発行された再生命令に応答して、JPEGコーデック32が記録媒体36から静止画像データ(図3参照)を読み出し、読み出されたデータにJPEG伸長を施し、そしてJPEG伸長が施されたデータをSDRAM24に書き込む。または、MPEGコーデック34が記録媒体36から動画像データ(図6参照)を読み出し、読み出されたデータにMPEG伸長を施し、そしてMPEG伸長が施されたデータをSDRAM24に書き込む。
【0053】
ビデオエンコーダ26は、SDRAM24に書き込まれた伸長画像データをCPU18の設定(S75,S77)に従って640*480または640*360に縮小し、640*360に縮小された画像データにはCPU18の設定(S81,S83)に従って黒帯データまたは色帯データを結合する。こうしてSDRAM24内には、図4に示す縮小静止画像、あるいは図8(A),図8(B)に示すレターボックス動画像データが生成される。
【0054】
この後、ビデオエンコーダ26は、SDRAM24から縮小静止画像データまたはレターボックス動画像データを読み出し、読み出された画像データをコンポジットビデオ信号に変換する。変換されたコンポジットビデオ信号は、ビデオ出力端子Tからワイドテレビ50に向けて出力される。
【0055】
再生開始命令の発行後、CPU18の処理はステップS87およびS89のループに入る。ステップS87では停止操作の有無を判別し、ステップS89では更新操作の有無を判別する。操作キー22を介して停止操作が行われると、ステップS87でYESと判別し、ステップS91に移って再生停止命令を発行する。これによって、実行中の再生処理は停止される。この後、上位層のルーチンに復帰する。
【0056】
操作キー22を介して更新操作が行われると、ステップS89でYESと判別し、ステップS93に移って変数Nをインクリメントする。この後、ステップS73に戻る。
【0057】
以上から明らかなように、この実施例のディジタルカメラ10では、ビデオエンコーダ26は、イメージセンサ12で撮影された画像を縮小し、縮小された画像(有効画像)と単一色の無効画像とを有するレターボックス画像(図8(A),図8(B)参照)を作成する。作成されたレターボックス画像は、ビデオ出力端子Tからワイドテレビ50に向けて出力される。ここでワイドテレビ50は、無効画像が黒色を有するときに有効画像を拡大倍率で表示するテレビである。CPU18は、帯色設定画面(図2参照)を通して色変更操作を受け付けたとき(S53,S59)、ビデオエンコーダ26の設定を変える(S79,S83)ことで、レターボックス画像を形成する無効画像の色を変更する。
【0058】
このように、色変更操作の有無によって、ワイドテレビ50に表示される有効画像の倍率が変化する。換言すれば、ディジタルカメラ10に向けた操作によって、ワイドテレビ50の動作が制御される。この結果、撮影された画像をワイドテレビ50を用いて快適に鑑賞することができる。
【0059】
また、上記の色変更操作には色指定操作が含まれており、CPU18は、SDRAM24に書き込まれる無効画像の色を、色指定操によって指定された色に変更する。
【0060】
無効画像が黒色とは異なる色を有していれば、ワイドテレビ50は、レターボックス画像を形成する有効画像および無効画像の両方を等倍で表示する。色指定操作を通して好みの色を指定することで、無効画像が表示されたことによる不快感を軽減できる。
【0061】
なお、この実施例では、色変更は無効画像の全部に及んだが、無効画像のうち表示倍率切り換えの際に参照される部分の色を少なくとも変更すればよい。たとえば表示倍率切り換えが画面の下端中央にある特定領域を参照して行われる場合、図17に示すように無効画像の下側半分を変更してもよく、あるいは図18に示すように下側半分の中央部分だけを変更してもよい。
【0062】
また、この実施例では、色指定操作は灰、青など単一色を対象としたが、複数の色の組み合わせを指定してもよい。つまり無効画像は無地とは限らず、所定の模様,キャラクタなどを含んでいてもよい。
【0063】
また、この実施例では、帯色の変更は、再生開始前に行ったが、再生中に行うようにしてもよい。
【0064】
以上ではディジタルカメラ10を用いて説明したが、この発明は、たとえばパソコン,画像記録/再生装置など、画像を外部モニタに向けて出力する、あらゆる画像処理装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1実施例に適用される設定画面の一例を示す図解図である。
【図3】図1実施例に適用される原画像の一例を示す図解図である。
【図4】図3原画像に基づく縮小画像を示す図解図である。
【図5】(A)および(B)は図4縮小画像に応じたテレビ画面の変化を示す図解図である。
【図6】図1実施例に適用される原画像の他の一例を示す図解図である。
【図7】図7原画像に基づく縮小画像を示す図解図である。
【図8】(A)は図7縮小画像に基づくレターボックス画像の一例を示す図解図であり、(B)は図7縮小画像に基づくレターボックス画像の他の一例を示す図解図である。
【図9】(A),(B)および(C)は図8(A)レターボックス画像に応じたテレビ画面の変化を示す図解図である。
【図10】(A)および(B)は図8(B)レターボックス画像に応じたテレビ画面の変化を示す図解図である。
【図11】(A),(B)および(C)は図8(A)レターボックス画像から図4縮小画像への変化に応じたテレビ画面の変化を示す図解図である。
【図12】(A)および(B)は図8(B)レターボックス画像から図4縮小画像への変化に応じたテレビ画面の変化を示す図解図である。
【図13】図1実施例に適用されるCPU動作の一部を示す図解図である。
【図14】図1実施例に適用されるCPU動作の他の一部を示す図解図である。
【図15】図1実施例に適用されるCPU動作のその他の一部を示す図解図である。
【図16】図1実施例に適用されるCPU動作のさらにその他の一部を示す図解図である。
【図17】図7縮小画像に基づくレターボックス画像のその他の一例を示す図解図である。
【図18】図7縮小画像に基づくレターボックス画像のさらにその他の一例を示す図解図である。
【符号の説明】
【0066】
10…ディジタルカメラ
12…イメージセンサ
18…CPU
24…SDRAM
26…ビデオエンコーダ
28…OSD回路
36…記録媒体
50…ワイドテレビ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1有効画像と単一色の無効画像とを有する複合画像を作成する作成手段、
前記作成手段によって作成された複合画像を前記無効画像が所定色を有するときに前記第1有効画像を拡大倍率で表示する外部モニタに向けて出力する出力手段、および
色変更操作を受け付けたとき前記作成手段によって作成される複合画像を形成する無効画像の色を前記所定色と異なる色に変更する変更手段を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記色変更操作は色指定操作を含み、
前記変更手段は前記色指定操作によって指定された色に変更する、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1有効画像は第1アスペクト比に従い、
前記複合画像は前記第1アスペクト比とは異なる第2アスペクト比に従う、請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は前記第2アスペクト比に従う第2有効画像をさらに出力し、
前記外部モニタは前記第2有効画像を等倍で表示する、請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記出力手段によって出力すべき画像を前記複合画像と前記第2有効画像との間で切り換える切り換え手段をさらに備える、請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
被写界を撮影する撮影手段をさらに備え、
前記第1有効画像および前記第2有効画像の各々は前記撮影手段によって撮影された被写界像である、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1有効画像は動画像であり、
前記第2有効画像は静止画像である、請求項6記載の画像処理装置。
【請求項1】
第1有効画像と単一色の無効画像とを有する複合画像を作成する作成手段、
前記作成手段によって作成された複合画像を前記無効画像が所定色を有するときに前記第1有効画像を拡大倍率で表示する外部モニタに向けて出力する出力手段、および
色変更操作を受け付けたとき前記作成手段によって作成される複合画像を形成する無効画像の色を前記所定色と異なる色に変更する変更手段を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記色変更操作は色指定操作を含み、
前記変更手段は前記色指定操作によって指定された色に変更する、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1有効画像は第1アスペクト比に従い、
前記複合画像は前記第1アスペクト比とは異なる第2アスペクト比に従う、請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は前記第2アスペクト比に従う第2有効画像をさらに出力し、
前記外部モニタは前記第2有効画像を等倍で表示する、請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記出力手段によって出力すべき画像を前記複合画像と前記第2有効画像との間で切り換える切り換え手段をさらに備える、請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
被写界を撮影する撮影手段をさらに備え、
前記第1有効画像および前記第2有効画像の各々は前記撮影手段によって撮影された被写界像である、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1有効画像は動画像であり、
前記第2有効画像は静止画像である、請求項6記載の画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−345217(P2006−345217A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−168942(P2005−168942)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]